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2026/03/18

雪山のスギ林をうろついて獲物を探すホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月下旬〜2025年1月上旬

シーン0:12/19・午後13:55・降雪・気温9℃(@0:00〜) 
里山でニホンカモシカがねぐらとして使っているのではないか?と思い込んだ場所があり、どうしても確かめないと気が済まなかったので、自動撮影カメラで見張っています。 
雪が積もったスギ植林地の端で、画面の右上奥にはカラマツの植林地が広がっています。 


私の予想は外れたのですが、ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/25・午後12:25・くもり・気温1℃(@0:03〜) 
年末の昼過ぎにキツネが手前から雪山の斜面を登って来ました。 
フサフサの尻尾をピンと上げたまま歩きます。 
素人目には股間に睾丸が見えないので、♀なのかな? 
雪面は凍っていて、キツネが歩いても足が潜らず、足跡も残りません。 

灌木の根元で匂いを嗅ぎ回り、野ネズミなどの獲物を探しているようです。 


シーン2:1/2・午後21:20・気温-1℃(@1:25〜) 
年が明けた晩に、キツネが右下へトラバースするように軽快に通り過ぎました。 
今回も雪面は凍っているようで、キツネの足が潜らず足跡も付きません。 
右下に一旦姿を消した後で、なぜかスギ樹上を見上げながら慎重に歩いて戻って来ました。 
最後は手前に立ち去りました。 
監視カメラに気づいている素振りはありません。 


シーン3:1/16・午後17:45・気温-4℃(@1:36〜) 
雪国のスギ林は常緑の枝葉に冠雪するために、林床の積雪量は少ないのが普通です。
しかし、今季は記録的な大雪が積もりました。 
新雪なのに、手前の雪面が爆撃を受けたように多数の小さなクレーターが形成されているのは、スギ樹上から落雪したせいです。 

この2週間、野生動物はまったく通らなかったようで、トレイルカメラのセンサーは反応しませんでしたし、雪面に足跡はまったくありません。


つづく→

2026/03/17

年末年始の大雪で巣口が埋もれて迷子になったホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月下旬〜2025年1月上旬〜1月中旬 

シーン0:12/21・午後13:54・晴れ・気温17℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
根雪が積もった休耕地で越冬するホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)家族の巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
雪原をうろつくタヌキの様子をまとめました。


シーン1:12/21・午後23:46・気温0℃(@0:03〜) 
冬至の日が終わりかける深夜、夜霧が発生したのか画面全体が少しぼやけています。 
外出していたタヌキのペアが帰巣しました。 
左の雪原から来た先行個体が左の巣穴Lに入りました。 
雪面は凍結していて、タヌキが歩いた足跡がほとんど残りません。
後続個体も左下から登場して、同じく左の巣穴Lに潜り込みました。 


シーン2:12/30・午前8:46・晴れ・気温5℃(@0:42〜) 
樹上からの落雪で監視カメラが誤作動したようです。 
2日前の12/28に雪原を通過したクマの巨大な足跡が新雪に埋もれかけながらもまだ残っています。 

関連記事(同所で2日前の撮影)▶ 冬眠の遅れたツキノワグマが年末の晩に雪原をラッセルして横断【トレイルカメラ:暗視映像】 

他に新しい足跡はありません。 


シーン3:1/2・午後22:44・降雪・気温0℃(@0:47〜) 
新年2日目の小雪がちらつく晩遅くに、左から来た単独タヌキが営巣地を横切りました。 
雪面は凍っていて足跡が残りません。 
巣口は全て雪に埋もれているので、タヌキは迷子になっているようです。 
右往左往してから巣口Rのあった地点へ向かいました。 
また戻ってきて、巣口Lに近づいたところで、1分間の録画が終わりました。 
(無事に入巣Lできた訳ではなさそうです。)


シーン4:1/3・午前2:28・降雪・気温-1℃(@1:47〜) 
日付が変わった深夜に、タヌキがまた写りました。 
軽い吹雪になっています。 

雪原を左から歩いて来た単独個体が右へ向かいます。 
雪に埋もれた巣口Rの辺りの雪原の匂いを嗅ぎ回っています。 
奥の雪原を左に回り込んでから、雪に埋もれた巣口L、Mを順に通過しました。 
再び巣口Rへ向かったところで、録画終了。 

これは赤外線を照射した暗視映像で、実際は真っ暗であることを思い出してください。 
匂いや周囲の景色(シルエット)の記憶を頼りに、「雪で埋もれた巣穴が確かここにあったはずだ」と探しているのでしょう。


シーン5:1/3・午前2:31・降雪(@2:48〜) 
1分20秒後、右手前から来たらしいタヌキaが左を向いて佇んでいました。 
雪原に座り込んで、左を見つめています。 
少し手前に歩いてから、再び座り込みました。 
凍結した雪面をタヌキが歩いても、足跡は残りません。 
急に奥へ向かって駆け出してから、途中で立ち止まりました。 

単独行動ではなかったようで、別個体bが左の暗闇から入れ替わるように登場しました。 
タヌキbは、雪で埋もれた3つの巣口L、M、Rの匂いを順に嗅ぎながら、通り過ぎました。 

その間に、先行個体aは奥の農道(雪原?)を右へ向かいます。 
先行個体aが手前(巣口R)に向かって駆けて来たところで、録画終了。 


シーン6:1/7・午前22:17・降雪・気温0℃(@3:48〜) 
4日後の小雪がちらつく晩。 
雪面に新しい足跡が増えているのは、この日の朝にタヌキの♀♂ペアが穴掘り雪かきなどの活動をしたからです。(映像公開予定) 

手前から来たのか、あるいは出巣L直後のタヌキが、雪面の匂いを嗅ぎながらゆっくり右へ歩いて行きます。 


シーン7:1/10・午前5:57・降雪・気温-5℃(@4:14〜) 
3日後の夜明け前です。 
営巣地には大雪が積もっていました。 
右端手前に生えていたオニグルミの灌木が冠雪の重みで途中から折れていました。 

タヌキが巣口Rを経由して奥の雪原を左右に横切ったラッセル跡が新雪に残っている他には、足跡はありません。 


シーン8:1/15・午後21:13・降雪・気温-4℃(@4:20〜) 
5日後の晩は吹雪でした。 
巣穴Mから外に出てきたばかりと思われるタヌキが、右下手前へ歩いて来ます。 
吹雪の晩でも採食や溜め糞場WBCに出かけたのかもしれません。 
付いたばかりの足跡を見ると、ラッセルというほど深雪ではありませんでした。 
凍結した雪面の上に新雪が少し積もった状態です。 


シーン9:1/15・午後21:53・降雪・気温-3℃(@4:28〜) 
40分後に、おそらく同一個体のタヌキが自分の足跡を忠実に辿って、外出から戻って来ました。 
巣口Lを点検してから、巣穴Mに入りました。 


シーン10:1/19・午後17:20・気温-2℃(@5:01〜)日の入り時刻は午後16:51 
4日後の日没後、すっかり暗くなった晩に、タヌキのペアが巣穴Mから外に出てきたようです。 
先行個体が右下手前へ向かいました。

その間に、後続個体は巣口Mで背中を伸ばすストレッチ運動をしてから、パートナー(先行個体)を見送ります。 
このまま外出しないで留守番するつもりなのかな? 


【考察】
ホンドタヌキは冬眠しません。
雪国の厳冬期でも活動を続けます。

大雪が積もって営巣地の巣口が完全に埋もれてしまうと、数日留守にしていたホンドタヌキが戻ってきてもなかなか巣口を探し当てられずに迷子になっていました。
タヌキは縄張り内に複数の巣穴を用意してあるはずですから、仕方なく他所の巣穴に向かったはずです。

これから恋の季節が始まります。
ホンドタヌキの求愛・交尾時期は主に1月から3月です[1][2]。具体的には、発情期は1月から3月で、2月頃に交尾が行われます[2]。(Perplexity AIの回答)


つづく→


2026/03/16

タヌキの営巣地がある雪原を早朝にうろつく冬毛のホンドテン【トレイルカメラ】

 



2024年12月下旬・午前6:35・気温-1℃・日の出時刻は午前6:51 

根雪が積もった休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が越冬している営巣地を自動センサーカメラで見張っていると、大晦日の夜明け前に冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)がやって来ました。 
テンは手前の雪原(落葉した二次林の林縁)をうろつき、雪面の匂いを嗅ぎ回っています。 
しかし、タヌキの巣穴には近寄らずに立ち去りました。 


※ 動画の後半は編集時に自動色調補正を施してリプレイ。(@0:23〜) 
朝霧が発生しているようで、画面が全体的にぼやけていましたが、色調補正したら美しい冬毛をまとったテンの姿が見えるようになりました。 


つづく→

2026/03/15

初冬のスギ山林で深雪をラッセルしながら、あちこちの木に眼下腺マーキングして回るニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月下旬 

シーン0:12/19・午後13:55・降雪・気温9℃(@0:00〜) 
以前、山中でニホンカモシカCapricornis crispus)の寝床を一度だけ見つけたことがあります。 

関連記事(1年前の撮影)▶  

おそらく私が監視カメラを設置したせいで、カモシカはこの塒sr1を二度と使わなくなってしまいました。 
塒入りのシーンを再度撮影したくて、その後も寝床を探し続けています。 

里山のスギ植林地の端で、前から気になっていた場所があります。 
並んで立つ杉の幼木が1本倒れかけて、隣の木にもたれかかっています。 
斜めになったスギ倒木も枯死した訳ではなく、枝葉は青々としたままです。 
夏の時期はそこに下草の蔓植物も繁茂して、ちょっとしたマント群落になっていました。 
冬になって蔓植物は枯れましたが、三方を囲まれてシェルターらしき空間が出来ています。 
中に入ると、斜めのスギ倒木の枝葉のおかげで、天から降ってくる雪が少しはしのげる屋根になっています。 
私が山中でビバークするのなら、ここにタープを張りたくなるような場所です。 
ここで寝る野生動物はいないのでしょうか? 
寝床として使っている野生動物の足跡や寝床の痕跡(フィールドサイン)があった訳ではないのですが、どうしてもトレイルカメラで見張りたくなりました。 

画面の手前(下)から奥(上)に向かって登り坂の斜面になっています。 
画面には写っていませんが、実は右へ3〜4mほど行くと、私が前年に見つけたカモシカの塒sr1があります。 
そのすぐ近くをカモシカが歩いた蹄の跡や小便した跡が雪面に残っていたので、依然としてカモシカの通り道になっていることは間違いありません。 


シーン1:12/25・午後22:10・気温-2℃(@0:03〜) 
晩遅くにカモシカが画面の右端に来ていました。 
起動した監視カメラに気づいて警戒しているのか、木陰に立ったままフリーズしています。 
しばらくすると、ようやく左にゆっくり歩き始めました。 
遂に雪山をラッセルするカモシカの姿が木々の間にしっかり見えました。 
1歩ずつズボズボと足首まで深雪に潜り、かなり歩きにくそうです。 

私が目星をつけた塒?sr2まで来たカモシカは、冠雪したスギの横枝の先端の匂いを嗅ぎ、眼下腺を擦りつけてマーキングしました。
続けてスギの幹にも顔を擦りつけて、匂い付けしています。 
その場で首をねじって、右脇腹を舐め、毛繕いしました。 


シーン2:12/25・午後22:13(@1:32〜) 
残念ながら私の予想は外れ、カモシカは塒入りしてくれませんでした。 
カモシカは山腹のスギ林をトラバースするように、左にゆっくり歩き始めました。 
雪山の深雪ラッセルは重労働です。 

斜面を少し登り、暗闇に消えた後も、画面の左上奥で冠雪したスギの枝葉が揺れているので、眼下腺の分泌物でマーキングしているのでしょう。 
(厳冬期でもカモシカが針葉樹の葉を食べることはないはずです。) 
最後にカモシカが横(左)を向いてくれて、暗闇に白い目が光りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【後日談】 
このカモシカ個体は、スギ林のあちこちに念入りに眼下腺で縄張り宣言したのに、その後はなぜか一度も戻って来ませんでした。 


つづく→?

2026/03/14

タヌキが越冬する営巣地を年末にうろつく雪国のホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月下旬

シーン0:12/21・午後13:54・気温17℃(@0:00〜) 
根雪が積もった休耕地で、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
雪原に巣穴が4つほど開口しています。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/22・午前5:45・みぞれ?・気温0℃(@0:03〜) 
未明に、左から来たキツネがタヌキの巣口Lを覗き込みました。 
巣口Mは素通りし、巣口Rも調べてから、右へ立ち去りました。 


シーン2:12/30・午前8:46・晴れ・気温5℃(@0:27〜) 
よく晴れた朝にたまたま撮れた現場の様子です。 
おそらく樹上からの落雪が原因で、トレイルカメラが誤作動したようです。 

一昨日に雪原を手前から奥へ横断したクマのラッセル跡が残っています。 
新雪に覆われた表面には、他に新しい足跡は残っていませんでした。 
関連記事()▶ 冬眠の遅れたツキノワグマが年末の晩に雪原をラッセルして横断【トレイルカメラ:暗視映像】 


シーン3:12/31・午前2:37・気温-2℃(@0:33〜) 
日付が変わって大晦日の深夜、夜霧が発生していて、画面がぼやけています。 
画面の左上奥から右下手前に向かって、新雪をラッセルしてきた獣は、尻尾の長いキツネでした。
野良犬の可能性もあり得ますけど、当地で見かけたことがないので、キツネでしょう。 
タヌキの巣穴は素通りしてきたようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2026/03/13

カキノキ樹上の熟果や雪原の落果を採食しながら、後から集まってくるカラスを牽制するニホンザル【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月中旬〜下旬 

シーン0:12/13・午後13:11・くもり・気温18℃(@0:00〜) 
農地の端に1本立っているカキノキを自動撮影カメラで見張っています。 
完全に落葉した枝には熟した果実がまだ残っているだけでなく、木の下の雪面には落果が散乱しています。 
熟柿という餌資源を巡るニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラスの競争関係・緊張関係が続いています。 


シーン1:12/19・午前8:50・気温-1℃(@0:04〜) 
初めからニホンザルがカキノキ樹上に登っていました(赤い矢印→)。 
右端の枝先から手を伸ばして熟柿をもぎとり、次々に採食しています。  
(右手前に自生するオニグルミ落葉灌木の幹が邪魔ですね。) 

カキノキの梢に止まって猿を見下ろしていたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が、中程の高さの横枝に止まり直しました。 
まさかカラスが猿の背後から奇襲してライバルを追い払うのかと思ったのですが、猿が気配を感じて振り返りました。 
(カラスにそんな攻撃的な意図はなくて、ただ自分もこっそり樹上の熟果を食べたかったのかもしれません。) 
やがて、そのハシブトガラスはカキノキの枝から手前のオニグルミ落葉樹へ飛んで移動しました。 
猿は振り返ってカラスを見ましたが、カキノキの横枝に座ったまま、もぎ取った熟柿を食べ続けています。 
猿が怖くてカラスは餌場に近づけないのでしょうか? 
逆に、カラスが未練がましくニホンザルに心理戦・神経戦を仕掛けていて、牽制しているのかもしれません。 
(居心地を悪くしてライバルを追い払いたい)
音量を上げると、カラスの鳴き声が遠くから聞こえます。 


シーン2:12/19・午前9:11・くもり・気温0℃(@2:07〜)
子猿がカキノキの左下の雪面に来ています。(赤い丸○) 
樹上で採食している成獣と母子関係であることが後に分かります。 
地上の子猿は、雪面の落柿を拾い食いしているようですけど、画角の下端でよく見えません。 

一方、カキノキ樹上の成獣♀が横枝で立ち上がって手を伸ばし、熟柿を手元に引き寄せました。 
熟果をもぎ取らずに、後足で立ったまま食べ始めました。 
完食せずに、樹上で少し移動すると、別の熟果を次々に味見しています。
猿が手を離すと、たわんだ枝が弾性で戻ります。
猿が食べ残した果実は、激しく揺れても落ちずに枝に残ったままです。 

地上に居た子猿がヤマグワの落葉灌木によじ登り、隣接するカキノキの枝先に残っていた熟柿を自力で採食できました。 

1羽のカラスaが左から右に横切り、手前のオニグルミ樹上に留まりました。(@2:38〜) 
さらに別個体のハシブトガラスbが左奥から飛来し、カキノキ樹上に留まりました。 
採食中のニホンザル成獣とほぼ同じ高さの別の枝にカラスbは留まりました。 
熟柿を採食中のニホンザル母子を、順番待ちのカラスたちが牽制しているようにも見えます。 

ニホンザルの成獣♀は慎重に横枝を枝先に移動して、細い枝先に残った熟柿を食べようとしています。 
細い枝先まで行くと猿の体重で折れそうなので、細い横枝ごと熟柿を力任せに引き寄せました。 

カキノキ樹上に居たハシブトガラスbが、左下の雪面に飛び降りました。 
雪面の落柿を拾い食いする様子がなんとか撮れています。 

ヤマグワの落葉灌木によじ登っていた子猿が、アクロバティックな方法で隣接するカキノキに見事に移り、母親に駆け寄ってその胸に収まりました。 
子猿は近くに来ていたカラスが少し怖いのかもしれません。 
しばらくすると、子猿は母親♀から少し離れ、自力で樹上の熟柿を採食しました。
コザルはオトナに比べて噛む力が弱いため、硬いものはあまり食べられない。また、体重が軽いので必要な食物量が少なくてすみ、オトナだと折れてしまうような細い枝先にまでアクセスできる。 (辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』p93より引用)
耳を澄ますと、ニホンザルたちがクーコール♪(コンタクトコール♪)を鳴き交わしている声がかすかに聞こえました。 
(画面に写っている母子の鳴き声とは限りません。)
母親♀は、食べ残しの熟柿を惜しげなく下にポイ捨てしました。 


シーン3:12/20・午前8:12・気温0℃(@4:09〜)
翌日も朝からニホンザルがカキノキに登って熟果を食べていました。 
発情して顔が真っ赤な成獣が、カキノキ幹の中ほどから右上に伸びた枝の先まで登ると、熟柿を手繰り寄せて食べました。 
手元に引き寄せた熟果に直接かぶりつくこともあれば、手でもぎ取って食べることもありました。 
熟し過ぎた果肉の断片が落ちた他、外側の果皮は食べずに捨てました。 
食べかけの果実を口に咥えたまま、ニホンザル成獣がカキノキの幹まで戻りました。 
安定した太い横枝に座って、熟柿を美味そうに食べています。 
果汁が滴る熟柿をちょうど完食したところで、2分間の録画が終わりました。


シーン4:12/21・午前9:51・くもり後晴れ・気温2℃(@6:09〜) 翌朝はうっすらと雪化粧していましたが、雪は降り止んでいました。 

黒い首輪を装着したニホンザルの成獣がカキノキ幹をよじ登った後で、左から計4頭の子猿が走って登場しました。 
子猿はカキノキに比べて幹が細いヤマグワやアンズの落葉灌木を経由してカキノキ樹上に移りました。 
これは子猿に特有の移動経路です。 
成獣よりも体格の劣る子猿は、太い幹のカキノキを直接よじ登ることがまだ苦手なのでしょう。 
カキノキの幹に巻き付いている蔓植物を掴んで登る若い個体もいました。 

左から飛来したカラスがアンズの横枝にひょいと止まりましたが、近くに居た子猿をカラスが襲うことはありませんでした。 
子猿たちも特にカラスを警戒しないで、木登り遊びを楽しんでいます。 

ニホンザルたちはカキノキに続々とよじ登り、樹冠部に残った熟果を食べ始めました。 
右下の地上に残っていたニホンザル個体は、雪面の落果を拾い食いしています。 

奥からカラスが次々と飛来し、カキノキの枝に留まる個体もいました。 
樹上で柿の実を食べていたニホンザル成獣が振り返ってカラスに気づくと、追い払いました。(@7:39〜) 
逃げたカラスは、少し飛んだだけで、左隣りのアンズ落葉樹に留まり直しました。 


シーン5:12/21・午前9:53・晴れ(@8:09〜) 
子猿は満腹のようです。 
遊び仲間(兄弟姉妹?)の2頭の子猿が、左の落葉したヤマグワ灌木の辺りで一緒に遊んでいます。 
右から飛来して近くの雪原に舞い降りたカラスが、ウォーキングで雪原を歩くと、子猿たちが遊ぶ様子を近くで眺めています。 
子猿と一緒に遊びたいのか、構って欲しいのかな? 
柿の実という貴重な餌資源を巡ってカラスが猿を牽制しているようには見えなくなってきました。 
(ここだけ見ると、敵対関係には見えません。) 


シーン6:12/21・午前9:56・晴れ(@10:10〜) 
カキノキ樹上に2頭のニホンザルが登って熟柿を採食しています。 
左奥で遊ぶ子猿は計3頭になりました。
(シーン5の最後で1頭の子猿が柿の木から下りて、遊び仲間と合流。) 

雪原をうろついていたカラスが、落葉低木の横枝に跳び乗りました。 

左手前のオニグルミ樹上に居た猿が木を下り始め、至近距離で写りました。(@10:58〜) 
前足の肉球が一瞬写ったぐらいです。 
少し奥の雪原に跳び下りたようです。
幸い、猿に監視カメラを悪戯されずに済みました。 


シーン7:12/21・午前10:26・くもり・気温6℃(@12:12〜) 
ニホンザルの群れはいつの間にかカキノキから居なくなっていました。 
(カキノキから少し離れていただけだと後に判明します。)
入れ代わりで、カラスの群れが雪原に散開して、雪面の落柿を食べています。 
地上採食中のカラスたちが少し逃げ惑ったので、何事かと思いきや、首輪を装着したニホンザル成獣が手前から柿の木の下にゆっくり歩いて登場しました。(@12:40〜) 
カキノキの真下の雪面から落柿を拾うと、近くの灌木に腰掛けながら食べ始めました。 
尻だこがあるニホンザルでも雪面に直接座ると冷たいのか、樹上で座るようにしています。 
その猿が食べながら振り返って一瞥しただけで、背後の雪原を忍び寄っていたカラスたちが慌てて逃げました。(@14:00〜) 

左では子猿がヤマグワの落葉灌木によじ登って遊び始めました。 
カキノキの梢(画角の外)で別個体のニホンザルが採食しているようで、ときどき食べ残しを捨てています。 


シーン8:12/21・午前10:28・くもり・気温8℃(@14:12〜) 
カキノキの樹上からニホンザル成獣が頭を下にして幹を下りてきました。 
やんちゃな子猿なら飛び降りるところですが、成獣は怪我するのが怖いのか、慎重に雪原へ降りました。 

右の落葉灌木では、首輪を装着した成獣♀個体が落柿を食べながら、その様子を見ていました。 
食べかけを捨てて振り返ると、雪原を背後まで来ていたカラスが警戒して飛び退きました。(@14:28〜15:07) 
このニホンザル個体は、もうだいぶ食欲が満ち足りているのか、それほど攻撃的にカラスを追い回したり追い払ったりすることはありません。 
それでも図々しく近寄ってくるカラスをときどき牽制しています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 


【考察】
辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』という本によると、
 ・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用) 
・本州では動物感の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より引用) 


 
この動画シリーズについてChatGPTと問答を長々と繰り返してブレインストーミングしました。
おかげで頭を整理できたのですが、すべてのQ&Aをコピペするのは面倒だし、あまりにも長くなり過ぎます。
今回はChatGPTに観察結果の解釈をまとめてもらいました。


カキノキを巡るニホンザルとカラスの相互作用

農地の端に、剪定がほとんどされていない1本のカキノキが立っており、周囲は収穫後のソバ畑、スギの防風林、休耕地などに囲まれていた。樹高はおよそ10 m前後と推定され、細長い樹形で、熟した果実は樹冠の外側や枝先に多く残っていた。この木をトレイルカメラで監視したところ、昼間には ニホンザル の小さな群れ(10頭未満と推定)が繰り返し訪れて果実を採食していた。

サルが来た直後の段階では、周囲にいた ハシブトガラス(および可能性として ハシボソガラス)に対して強い排除行動が見られた。サルは樹上だけでなく地上でもカラスを追い回し、落果を拾い食いしていたカラスの群れを追い散らしていた。この段階は、餌資源を巡る**干渉型競争(interference competition)**として解釈できる。

しかし時間の経過とともに、サルのカラスに対する攻撃性は次第に弱まった。カラスは近くの木(オニグルミなど)に待機したり、奥のスギ防風林から飛来したりして機会をうかがい、サルが落とした果実を地上で拾って食べた。サルは果実を味見したり、食べかけの果実を惜しげもなく落とすことが多く、それがカラスにとって重要な餌資源となっていた。

このため、この関係には競争と**促進(facilitation)**の両方の側面が存在していた。サルは果実へのアクセスを巡ってカラスを排除する一方で、採食行動の結果として落果や食べ残しを生じさせ、結果的にカラスの採食機会を増やしていた。

最終的に、樹上にはまだ果実が残っている段階でもサルの群れは比較的あっさりとその場を離れた。すると待機していたカラスがすぐに飛来し、樹上および地上で果実を採食し始めた。観察の後半になると、残った果実は細い枝先に集中しており、体重の軽い子ザルやカラスの方が利用しやすい状態になっていた。

カラスの個体数は時間によって変動したが、通常は3~5羽程度で、多い時には10羽以上が集まることもあった。しかし映像ではカラス同士の激しい争いはほとんど見られず、資源量が比較的多かったため同種間の干渉型競争は弱かった可能性がある。



2026/03/12

冬眠の遅れたツキノワグマが年末の晩に雪原をラッセルして横断【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月下旬・午後17:55頃・気温-3℃・日の入り時刻は午後16:31 

休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。
日没後の真っ暗な晩に、右下手前から奥へ向かって、雪原をラッセルする大型の真っ黒い獣が写っていました。 
根雪が積もったのに、ツキノワグマUrsus thibetanus)が未だに冬眠しないで彷徨っているのでしょう。 
タヌキが越冬している巣穴は新雪に埋もれていて、クマは気づかずに素通りしました。 
ちなみに、クマが通る前の新雪の雪面に野生動物の足跡は何も付いていません。 
ツキノワグマは奥の農道に達し、更に奥のスギ防風林を目指しているようですが、監視カメラが照射する赤外線が届きません。 

この地点の周囲にいくつか設置してある他のトレイルカメラを全てチェックしたのですが、クマの姿は写っていませんでした。 
特に、熟果が樹上に残っているカキノキに登って採食していたのではないかと期待したのですけど、残念ながら予想は外れました。 

令和6年:クマ目撃マップ@山形県」にも記録なし。

【考察】 
まさか平地の雪原をラッセルするツキノワグマが私のトレイルカメラで撮れるとは予想しておらず、興奮しました。
近年マスコミが「冬眠しないクマ」とセンセーショナルに騒ぎ立てていますが、誤解を生む大袈裟な表現です。
例えば、Yahooニュースでも
 「冬眠しないクマが1年中出回る可能性」専門家が注意呼びかけ 北海道や東北で目立つ冬眠時期なのに“クマ目撃” すでに2025年に出没情報6件「これからは避けて通れない…」
といった記事がありました。
正しくは「なかなか冬眠しないクマ」とか「冬眠が遅れたクマ」と書くべきでしょう。
本当にまったく冬眠しないで春まで活動を続けるクマは、日本に生息していません。 
トレイルカメラやドローンなどの監視技術が全国に普及したこと、熊(らしき動物)を目撃した市民が積極的に通報するようになったことで、これまで見過ごされてきた出没事例が可視化されただけではないか?という気がしています。

日本の食肉類:生態系の頂点に立つ哺乳類』第9章ツキノワグマによると、
ツキノワグマの日周活動は、自然状態では昼行性で、薄明薄暮に活動が活発になる。(中略)ツキノワグマが人間活動域やその周辺に接近する際には、夜行性に変化する事例が知られる。  (p212より引用) 
冬眠は10月下旬から12月の間に開始し、3月から5月にかけて終えることが多い。 (p213より引用)


2026/03/11

雪が積もった給餌箱に興味を示すもニホンリスは銀杏を掘り出さず、オニグルミで木登り【トレイルカメラ】

 




2024年12月中旬 

シーン0:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 
雪が積もる前の明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を設置し、イチョウ街路樹の下で拾い集めてきた銀杏(イチョウの種子)で一杯にしました。 
この給餌箱を自動センサーカメラで見張っています。 

ニホンリスSciurus lis)の登場シーンをまとめました。 
果たしてリスは銀杏を食べたり持ち去って貯食したりするでしょうか? 


シーン1:12/12・午前6:46(@0:03〜) 
里山に根雪が積もり、倒木も給餌箱も冠雪しています。 
早朝に右から来たと思われるリスが倒木の上まで登っていて、雪に埋もれた餌箱を見下ろしていました。 
恐る恐る身を乗り出して、餌箱を覆っている雪の匂いを嗅いだものの、その下から銀杏を掘り出そうとはしませんでした。 
リスは倒木上で向きを変えて奥を眺めてから下に飛び降り、左下手前へ走り去りました。 


シーン2:12/17・午後14:29(@0:18〜) 
5日後の昼過ぎに右から雪面を走ってリスが登場しました。 
オニグルミ大木の横枝が数年前から折れて地面に突き刺さったままなのですが、冠雪したその枝にしがみついてよじ登り始めました。 

しばらくすると、オニグルミ樹上から雪が落ちてきた直後に、リスが枝を伝って下向きに降りてきました。 
ところが、また枝の上に姿を消しました。 


※ 動画編集時にモノクロ加工を施しています。 


【考察】 
ニホンリスへの給餌プロジェクトだけは、どうしても思うようにいきません。 
様々な種類の木の実(堅果)や種子を手を変え品を変え給餌してみたものの、持ち去って貯食するシーンをトレイルカメラで記録することが出来ていません。 
どうも、リスは人工的な給餌箱や監視カメラへの警戒心が強いような気がしています。 
かと思えば、岩塩プレートを舐めに通って塩分補給するという全く予想外の行動を披露してくれました。
当地のニホンリスは、餌の選り好みが激しいのでしょうか? 

日が沈むと夜行性の野ネズミが来て、給餌箱からせっせと餌を持ち去ってしまいます。 
昼行性のリスにターゲットを絞って観察をしたいのなら、給餌場から野ネズミを排除するような仕組み(ネズミ返しなど)を取り付ける必要がありそうです。 
給餌場の選定も問題です。
例えば、今回の映像でちょっと写ったオニグルミ大木の幹や横枝に給餌箱を設置し直そうかと思案中です。 

私の給餌プロジェクトには無関心で、ニホンリスはオニグルミの堅果をせっせと貯食したり、隠し場所を変更したりする姿が捉えられていました。
長い冬を乗り切るための保存食を蓄えていたのです。
豪雪地帯の雪山でも冬眠しないで暮らすリスは、一体どこに貯食するのでしょうか?
地中に穴を掘って隠したのでは、冬になると深い雪の下に埋もれてしまって、掘り出すのが大変になるはずです。
晩秋に貯食物を地中から掘り出して持ち去っていたのは、根雪に埋もれる前に隠し場所を変更していたのでしょう。
縄張り内のあちこちの樹上で樹洞に隠したり木の股にクルミの実などを挟んでおいたりするらしいのですが、私はまだ実際にそのような貯食物を見つけたことがありません。


つづく→

2026/03/10

熟果の採食を終えたニホンザルが立ち去るのを待って、カキノキに集まって来るカラスの群れ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン1:12/19・午前8:53・くもり・気温1℃(@0:00〜) 
落葉したカキノキの樹上からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の成獣が隣接する落葉灌木(樹種不明)を伝って地上に降りました。 
成獣はやんちゃな子猿のように跳び下りずに、慎重に幹を下りました。 

しばらくするとカラスaが飛来し、左手前のオニグルミ樹上に留まりました。 
更に別個体のカラスbが左から飛来し、カキノキの梢に留まりました。
カラスbはもっと上の枝に移動し、画角の外へ一旦消えてから、また下の枝に降りてきました。
カキノキ樹上の熟果を採食しているのでしょう。
次のカラスcが左から飛来し、落葉したアンズの木に留まりました。 
アンズの枝から枝へ少しずつ移動し、慎重にカキノキへ近づいています。 


シーン2:12/21・午前10:29・くもり・気温9℃(@1:06〜) 
2日後、冬至の日の様子です。 
黒い首輪を装着したニホンザル♀個体が、カキノキの根元で落柿を探しています。 
その猿が獣道を手前に歩き去ると、強い競合相手が居なくなったので、雪原に居たカラスの群れがどんどんカキノキに近寄って来ました。 
カラスの歩き方はウォーキングもホッピングも両方見られたので、ウォーキングが得意なハシボソガラスCorvus corone)とホッピングが得意なハシブトガラスCorvus macrorhynchos)との混群かもしれません。 
やや遠いので、嘴の形状でカラスの種類を見分けられませんでした。 
カラスたちは怖い鬼(猿)の居ぬ間に、カキノキの下に散乱している落柿をのんびり啄んでいます。 


シーン3:12/21・午前10:08・晴れ・気温7℃(@2:11〜) 
編集の都合で、少し時間をさかのぼります。 
画面右奥の赤い丸で囲んだ林縁に注目してください。 
(奥には暗いスギの防風林があります。) 
いつの間にか、ニホンザルの母子が来ていました。 
幼い子猿が母親♀のそばで、落葉灌木(樹種不明)に登って独り遊びしています。 
林縁の雪上に座って日向ぼっこしている母親♀の胸に、遊んでいた子猿が飛びつきました。 
子猿の遊ぶ様子は、いつ見ても微笑ましいですね。 

カキノキ樹上にニホンザルが居ないので、カラスが次々に飛来し、集まってきます。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ カラスの鳴き声が聞き取れるように、編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
カキノキの果実という限られた餌資源を巡って、雪国のニホンザルとカラスは競合関係にあります。
猿がカラスを攻撃的に追い払うことはなくなりましたが、依然として緊張関係が見て取れます。
ニホンザルの方が強いという力関係がはっきりしたので、猿が食餌を終えるまでカラスは遠慮して待っているようです。
猿が退去した後は、ようやくカラスの天下になります。
待ちかねたようにカラスの群れがカキノキに続々と集結して、樹上の熟柿や雪面の落柿を採食し始めます。



 



2026/03/09

雪の積もった落葉樹林で獲物の野ネズミを狩ろうと奮闘する初冬のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月中旬 

シーン0:12/5・午後13:27・くもり・気温17℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の空き巣を自動撮影カメラで見張っています。 
ホンドテンMartes melampus melampus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/15・午前3:55・気温-4℃(@0:05〜) 
アナグマの営巣地(セット)に大雪が積もりました。 
雪が降りしきる深夜未明に、アナグマの巣穴Rに潜り込もうとしているテンの尻尾の先が写っていました。 
雪面の足跡が読み取れず、どこから来たのか不明です。 
巣穴Rの中をちょっと調べたテンは、頭から外に出てくると、奥の林縁へ向かいました。 

冬毛のホンドテンは、倒木の横の雪面に顔を突っ込んで、獲物を探しています。 
その場で向きを変えると、興奮したように前足で雪を掘り始めました。 
ついに獲物の野ネズミ(ノネズミ)を嗅ぎ当てたようです。
野ネズミが雪の下を慌てて逃走したようです。 
テンも走って追いかけたものの、見失ったのか、すぐに立ち止まりました。 
朽木倒木が雪に埋もれた辺りに戻ると、軽く跳び上がり、前脚を揃えて狙った雪面を襲いました。 

しかし、テンの狩りは失敗したようです。 
口惜しそうに雪で埋もれた朽木倒木を念入りに調べているということは、野ネズミの巣穴があるのでしょう。 


シーン2:12/15・午前3:57(@1:06〜) 
テンは林縁の株立ちミズキの根本に来ていました。 
セットに戻ると、2つの巣穴L、Rの中間地点で雪面に顔を突っ込んで野ネズミの匂いを嗅いでいます。 
ここでも軽くジャンプすると、キツネの狩りのように前脚を揃えて狙った雪面を襲撃しました。 
雪の下をチョロチョロ走って逃げる野ネズミの姿は見えませんが、テンは鋭い聴覚を頼りに追いかけ、雪原を素早く右往左往しています。 
再び軽く飛び上がり、前脚を揃えて雪面に着地します。 
同じ場所で何度も繰り返しています。 
雪面に強い衝撃・振動を与えて野ネズミを脅かし、巣外に逃げ出したところを狩る作戦なのでしょう。 
テンが雪面にダイブした勢い余って、雪面ででんぐり返しすることもありました。 
一方、野ネズミはその手には乗らず、雪の巣外には決して出て来ません。 
意外にも持久戦になってきました。 


シーン3:12/15・午前3:58(@2:06〜) 
テンは同じLR中間地点で何度も狩りを試みていますが、空振り続きです。 
今度は巣口Rの横の雪面にもダイブしました。 
右へ左へ全力疾走していますが、野ネズミの姿は写っていません。 
野ネズミは、雪の下に張り巡らされたトンネルを逃げているようです。 

その後もテンが、同じLR中間地点で何度狩りを試みても、失敗続きです。 
最後にようやく諦めて、左へ立ち去りました。 

厳冬期に大雪が降りしきる深夜に、獲物と捕食者が命をかけて繰り広げた真剣勝負は、野ネズミに軍配が上がりました。 
この間、鳴き声はまったく聞き取れませんでした。 
それほど魅力的な狩場なら、テンがこの巣穴LRに住み着くつもりはないのかな? 


シーン4:12/17・午前4:40・みぞれ・気温0℃(@3:07〜) 
2日後もテンが未明に現れました。 
みぞれが降っていて、うっすらと夜霧が発生しているようです。 
いつものように、細い朽木倒木が雪に埋まった辺りを探索しています。 
野ネズミの巣穴を調べてから、左へ立ち去りました。 


シーン5:12/18・午後22:06・気温-5℃(@3:26〜)
翌日は晩遅くにテンが登場。 
雪に埋もれた倒木(の下にあると思われる野ネズミの巣穴)を調べているテンの後ろ姿が写っていました。
落葉した林内を右へ左へ走り回っています。
獲物の野ネズミを探索しているのでしょう。
最後は右に走り去りました。


シーン6:12/18・午後22:32・気温-2℃(@4:08〜)
約25分後にテンが再登場。 
アナグマの巣口Lに顔を突っ込んでから、雪で埋もれた倒木に沿って奥の林内へ入り、歩いて右へ向かいました。 


シーン7:12/18・午後23:18・気温-4℃(@4:34〜)
奥に見える落葉灌木(樹種不明)に登っていたホンドテンが雪面に降りると、奥へ走り去りました。 
左奥の暗闇で、赤外線を反射する白い眼(タペータム)が光っています。 
しばらくすると、奥の林内から冬毛のテンがセットに駆け込んで来ました! 
セットに立ち止まると、左右の前脚を高く振り上げて同時に雪面へ叩きつけました。 
雪の下を逃げ回る野ネズミを狩ろうと試みているのでしょう。 

その後テンは、雪で埋もれた倒木の横でうずくまったのですけど、後ろ姿のため、狩りの成否は不明です。 

テンの木登りシーンが撮れなかったのは残念です。 
獲物の小動物がテンに追われて樹上に逃げたということは、少なくともそのときの野ネズミの正体は、アカネズミではなくヒメネズミApodemus argenteus)と推理できます。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
もう1台の監視カメラでもホンドテンの狩りが撮れていたはずなのに、そっちの動画ファイルは残念ながら回収できませんでした。 
残念無念。 


【考察】
一見すると可愛いテンが雪国の森ではしゃぎ回っている(遊んでいる)だけのようにも見えますが、いたって真剣です。
ホンドテンの狩りが成功する瞬間を私はまだ一度も見たことがありません。
厳しい自然界では、狩りの成功率が低いことを伺わせます。

雪の下に隠れている獲物の気配を感じたテンが高く跳び上がってから前足を揃えて一気に襲いかかる行動は、キツネの狩りにそっくりです。 

もっと積雪量が多いと、テンは深雪の中に完全に潜って獲物を探すのですが、今回は見られませんでした。



つづく→

2026/03/08

夜の雪山を歩きトレイルカメラに興味を示す初冬のニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月中旬 

シーン0:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 
雪が積もる前の明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を設置し、拾い集めてきた銀杏(イチョウの種子)で一杯にしました。 
自動撮影カメラで見張っています。 

この給餌実験とは関係ないのですが、ニホンカモシカCapricornis crispus)が近くの獣道を往来するシーンをまとめました。 


シーン1:12/11・午前0:26(@0:03〜) 
画面右奥の暗闇に注目してください。 
雪が積もった緩斜面を深夜にカモシカらしき獣が右へゆっくり登って行きます。 
黒い影と、赤外線を反射して白く光る目だけがちらっと見えました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:12〜)。 


シーン2:12/16・午後17:50(@0:20〜)日の入り時刻は午後16:24。 
5日後の真っ暗な晩に、いきなりカモシカの横顔が至近距離で写りました。 
左から来たカモシカが、トレイルカメラの匂いを嗅いでいたようです。 
眼下腺を擦りつけて、分泌物でマーキング(匂い付け)したのかもしれません。 
カモシカは、カメラの前を通って右に横切るかと思いきや、左に戻りました。 


シーン3:12/18・午前1:43(@0:27〜) 
2日後の深夜にも、左から来たカモシカの横顔が至近距離で撮れていました。 
角が立派なので成獣ですね。 
しばらくその場で佇んでいたカモシカは、監視カメラを一瞥もしないで、雪山を右へ立ち去りました。 
雪国のニホンカモシカは逞しいですね。 
真冬でも孤高の単独行動を貫きます。
旧機種のトレイルカメラは、動画に撮るとなぜか気温が記録されなくなるのが残念です。 

給餌箱を取り付けていた倒木は、雪で埋もれてしまいそうです。 
これから更に積雪が増えると、固定してある監視カメラに対してカモシカの歩く位置がどんどん高くなります。


つづく→

カキノキの下で拾った落果を運び、雪の下に埋めて隠すハシブトガラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】貯食行動

 



2024年12月中旬〜下旬 

シーン1:12/19・午前9:13・くもり・気温3℃(@0:00〜) 
郊外のカキノキに朝からニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラスの群れが採食に来ていました。 
この記事の主役は、ニホンザルではなくカラスです。

カキノキに登っていたニホンザルの母子が樹上から下り始めました。 
慎重な母親♀はカキノキの横枝から跳び下りず、隣接する蔓と落葉灌木(樹種不明)を伝って地上へ降りるようです。 
これは前回と同じ経路です。 
後から追いかけてきた子猿が途中で母親♀の腰に跳び乗りました。 
母猿は子猿をおんぶしたまま、雪原を手前歩き去りました。 

カキノキの下の雪面に佇んでいたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が、立ち去るニホンザルの母子を見送ると、落柿を啄み始めました。 
1.5倍に拡大してよく見ると、このハシブトガラス個体は熟柿の果肉の欠片を咥えたまま左へ少し歩き(ウォーキング)、ヤマグワの落葉灌木の根本に埋めて隠しました! 
貯食後のカラスは、果汁で汚れた嘴を雪面に擦りつけて拭いました。 
周囲に積もった雪や落ち葉を少し集めて貯食物の穴にかぶせて、隠蔽工作しています。 
貯食作業に満足したハシブトガラスは、雪原を手前に少し歩き、落柿の拾い食いを再開しました。(死角で見えない) 

別個体のハシブトガラスがどこか近くから澄んだ声でカーカー♪鳴く声が聞こえます。 


シーン2:12/21・午前9:58・晴れ・気温9℃(@1:21〜) 
2日後も同様のシーンが撮れていました。 
ニホンザルの群れがカキノキの下の雪面で落果を拾い食いしています。 
奥の雪原を左から(飛び跳ねるようにホッピングで)歩いてきたカラスが落柿を咥えると、奥のスギ林縁に持ち去りました。 
雪原に座って採食中のニホンザルたちは、そんなカラスを横で見ていただけで、追い払ったりしませんでした。 
カラスは猿の群れから離れた安全な場所に運んでから落柿を食べたのか、それとも落葉灌木の根本に埋めて念入りに隠したのか(貯食行動)、定かではありません。 
カメラから遠い上に、手前の落葉灌木の陰になって、しっかり観察できないのです。
しかも、肝心なときに1頭のニホンザルが撮影の邪魔をしました。 
カラスは、もう一つ別な落柿を雪面から拾い上げると、奥に運んで行きました。(@1:55〜)   
このカラス個体はハシブトガラスではなく、ハシボソガラスCorvus corone)かもしれません。(遠くて見分けにくい) 

その間に、サルが雪面から拾ったカキノキ落果を口に咥えたまま、手前に走って来ました。 
トレイルカメラを固定したオニグルミの樹上によじ登ると、興味津々で調べています。 
雨よけ庇をいたずらしている物音がガサゴソ聞こえます。
(雨よけを手を使って横にずらしてしまいました。)
悪戯サルが小声で鳴き♪、監視カメラを覗き込む顔がちらっと写りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
餌が乏しい初冬に、カキノキ果実という限られた餌資源を巡って異種間(ニホンザルvsカラス)の競争が繰り広げられています。 
餌場での力関係は、カラスよりもニホンザルの方が優位にあるようです。 
今回、カラスを追い払うニホンザル個体はいませんでした。 
関連記事(同所同時期の撮影)▶  初冬に雪国のニホンザルがカキノキの熟果を巡ってハシブトガラスの群れを追い払う【野鳥:トレイルカメラ】占有行動

直接的な攻撃を受けなくても、カラスはニホンザルが近くにいると遠慮しています。 

シーン1はどう見ても貯食行動です。 
満腹状態のハシブトガラスが、競合するニホンザルに餌を全部食べられないように、美味しそうな落柿の一部を隠したのかもしれません。 
落果を丸ごと1個隠すのなら分かるのですが、果肉のわずかな欠片をわざわざ手間ひまかけて雪の下に埋めて隠すのが不思議です。 
カラスが普段隠す餌は、クルミの実(堅果)やパンなど乾いた餌です。
甘くて腐りやすいカキノキ液果を貯食しても長期保存できるとは思えないのですが、雪の下に埋めれば腐らずに冷蔵保存できることを雪国のカラスは知っているのかもしれません。

同一個体のカラスが、隠した餌を後で掘り出して食べる様子は、残念ながら撮れていませんでした。 
(その貯食物を別個体のカラスが食べたら、盗み行動になります。)
もし埋めた果肉に種子(柿の種)が含まれていて、カラスが後で食べるのを忘れたら、カキノキの種子散布に貢献したことになります。(貯食型の動物散布) 
カキノキの果実(柿の実)は液果ですから、被食型の動物散布される、というのが定説です。 
定説に反した証拠映像が撮れたかもしれません。 

シーン2のカラスは貯食行動ではなく、ニホンザルから少し離れた位置に落果を運んでから安全な場所で食べただけかもしれません。 


つづく→

2026/03/07

初冬の晩に雪原をうろつき越冬用の巣穴に出入りするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年11月中旬

シーン0:12/17・午後20:51・みぞれ・気温0℃(@0:00〜) 
雪が積もった休耕地で、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の家族が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:12/19・午前3:48・気温-4℃(@0:03〜) 
未明に巣穴Lから外に出てきた直後と思われるタヌキが、巣口Mの匂いを嗅いでいました。 
雪面の匂いを嗅ぎながら右上奥へ向かいます。 
巣口Rの匂いも嗅いでから、右下手前へ立ち去りました。 
林内へ採餌(または溜め糞場wbc)に出かけたようです。 
画面が薄っすらとくもっているのは、レンズの表面に霜が付いたのでしょう。 


シーン2:12/19・午前4:05・気温-4℃(@1:03〜)
17分後に外出から帰巣したのかと思ったのですけど、寝坊した後続個体かもしれません。 
巣口Mに頭を突っ込んで匂いを嗅いでから巣口L、Rも点検しています。 
雪原を右往左往うろついたまま、録画終了。


シーン3:12/19・午前4:07(@1:59〜)
ようやく入巣Rしたと思いきや、しばらく内検を済ませると巣穴Rの外に出てきました。 
(同一個体のタヌキとは限らず、別個体の可能性もあります。) 


シーン4:12/19・午後21:27・降雪・気温-2℃(@1:59〜)
その日の晩に監視カメラがなぜ起動したのか不明ですが、雪面の足跡がはっきり見えるようになりました。 


シーン5:12/19・午後23:22・気温-2℃(@2:24〜)
その2時間後、雪は止んでいました。 
右下の二次林から来たと思われる(採餌から戻った?)タヌキが、巣口Lの匂いを嗅いでから通り過ぎ、そのまま左上奥のスギ防風林へ走り去りました。 


シーン6:12/20・午前1:08・気温-2℃(@2:44〜) 
日付が変わった深夜に、出巣直後と思われるタヌキが、カメラ目線で佇んでいました。 
左下手前へ駆け出したタヌキが左端で一旦立ち止まり、左を気にしています。 
再び左へ走り去りました。 


シーン7:12/20・午後22:50・気温-3℃(@3:02〜) 
やや不鮮明な映像です。 
風に乗って夜霧が奥から手前に流れてきます。 

出巣L直後(あるいは手前から奥の営巣地に来た)と思われるタヌキが、雪原の奥を向いている後ろ姿が写っていました。 
巣口M付近でしばらく佇んでから、巣口Rの横を通り過ぎ、右上奥へ立ち去りました。 

トレイルカメラの照射する赤外線が奥まで届かず、よく見えません。 


シーン8:12/21・午後13:31・くもり・気温8℃(@3:16〜) 
翌日の明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
タヌキが出入りする巣口付近の雪面だけ、黒い土で汚れています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2026/03/06

初冬の晩に雪山をうろつくホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月中旬・午後17:50頃・日の入り時刻は午後16:25 

日没後の真っ暗な晩に、冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が雪山の緩斜面を左から右へ軽快に横切りました。 
途中で立ち止まるとカメラ目線になりました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。 

イチョウの種子(銀杏)を一杯に入れておいた給餌箱も雪で埋もれてしまい、テンは気づかずに通り過ぎました。 
たとえ気づいたとしても、硬い種子をテンが食べるはずはありません。 
臭い果肉付きのイチョウ落果をホンドテンが食べて種子散布するかどうか、興味深いテーマなので、来季の課題になります。 


つづく→

鼻息を荒らげながら急斜面の草地を駆け上がるニホンカモシカ

 

2024年10月下旬・午後13:40頃・くもり 

里山の山腹をトラバースする山道を私が静かに歩いていたら、上の斜面からニホンカモシカCapricornis crispus)にフシュッ♪と鼻息を荒らげて威嚇されました。 

カメラを向けて動画を撮り始めると、カモシカは山腹の草地に佇み、私を見下ろしています。 
角や耳に特徴がない個体でした。 
それまで静かに採食していたのに、邪魔者の侵入に怒っているのでしょう。 


鼻息威嚇♪を連発すると、身を翻して急斜面の草地を斜めに駆け上がりました。 
どうやら細い獣道ができているようです。 
この急斜面は冬になると雪崩が多発するため、毎年繰り返される激しい撹乱で樹木が育つことができません。 
逃げたニホンカモシカは、ときどき立ち止まって振り返り、しつこくフシュッフシュッ♪と鳴いています。 
興奮して鼻息威嚇を繰り返すので、口から涎を垂らしています。 
全身迷彩服を身にまとった私はじっと立ち止まって撮影していたのに、カモシカは意外にも視力が良いのかもしれません。 
最後はクズのマント群落(藪)の背後に隠れてしまい、カモシカの姿を見失いました。 
その後も静かな裏山にカモシカの鼻息威嚇がしばらくこだましています。 


※ カモシカの鼻息が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2026/03/05

初冬に雪国のニホンザルがカキノキの熟果を巡ってハシブトガラスの群れを追い払う【冬の野鳥:トレイルカメラ】占有行動

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン0:12/13・午後13:11・くもり・気温18℃(異常値?)(@0:00〜) 
郊外で畑の端にぽつんと立っているカキノキを自動撮影カメラで見張っています。 
今回はなるべく柿の木の全体が写るように画角を決めました。 
完全に落葉した後も、枝には熟した果実がまだ残っています。 
雪が少し積もって、いかにも冬の雪国らしい風景になりました。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラス間の餌資源のカキノキを巡る小競り合いを以下にまとめました。 
映像ではカラスの種類がハシブトガラスCorvus macrorhynchos)なのかハシボソガラスCorvus corone)なのか見分けられないことがあります。 
主にハシブトだろうと思っているのですが、もしかすると混群なのかもしれません。 


シーン1:12/20・午前8:25・くもり・気温1℃(@0:03〜) 
朝からカキノキに登ったニホンザルが、餌資源の熟柿を占有するために、樹上のハシブトガラスを威嚇して追い払いました。 
枝を揺すってカラスに威嚇誇示しています。 
逆にカラスが鳴いて抗議したり、モビングしたりしないのが意外です。 
カラスが弱い子猿を狙って襲うこともありませんでした。 
逃げたカラスたちは、左隣の落葉したアンズ(杏)や右手前のオニグルミの梢に止まり直しました。 

柿の木から一気に下りたニホンザル♀成獣が、右手前にある落葉したオニグルミの木に勢い良く登り、そこに留まっていたカラスを追い払いました。(@0:30〜) 

地上でカキノキの手前から黒い首輪を装着した♀成獣が現れ、カキノキの低い位置の横枝に登りました。(@0:46〜) 
右の枝先に進むと、枝を激しく揺すって樹上に来ていたカラスを追い払いました。 
左隣りのアンズ梢に逃げたカラスは、これで2羽になりました。 
もしかして、♀♂つがいなのかな? 
その行方を見送ってから、首輪ニホンザル♀が横枝に乗ったまま立ち上がりました。 
熟柿を右手でもぎ取ると、その場に座って食べ始めました。 
食べ残しの熟果は捨てました。 

猿に追い払われて辺りを逃げ回っていたカラスが、猿の隙をついてカキノキ樹上に戻ってきました。(@1:32〜) 
細い枝先で揺れる熟柿を器用に啄みました。 
ニホンザルも諦めてカラスの採食を黙認しています。 

雪原でカキノキ落果を食べていたニホンザル個体が歩いて右に移動し、別の落果を拾い上げてその場で食べ始めました。(@1:50〜)
この猿の地上採食行動は、右下隅の雪原に来ていたカラスを牽制して追い払う効果もあったようで、カラスが少し飛び退きました。 


シーン2:12/20・午前8:36・気温2℃(@2:03〜)
ニホンザルの数が少なくなると、カラスの群れが続々と集まって来ました。 
雪原やカキノキ・オニグルミ樹上などあちこちに散開しています。 

画面の右端でオニグルミ樹上に居たニホンザル♀が地上に降りました。(@2:15〜) 
落葉低木(樹種不明)や蔓植物を経由して、カキノキの横枝に登りました。 
奥の雪原に集まっていたカラスの群れは、猿の急な動きに驚いて一斉に飛び去りました。 
荒ぶった猿は更に上の枝に登り、カキノキ樹上に居たカラス個体を追い払いました。 
その猿は次に右下の横枝へ飛び移り、枝を激しく揺すって威嚇誇示。 
それでも収まらない猿は、雪原に跳び下りて走り回り、カラスを追い散らします。 
しかしカラスは猿をからかっているのか、ちょっと飛び退くだけで、遠くへは逃げません。 
多勢に無勢となったニホンザルは、姿が見えなくなりました。 

今のところ、カラスは樹上に実っている熟柿よりも、雪面の落柿を好んで食べています。 
樹上の熟果は食べにくい細い枝先にしか残ってないからかもしれません。 
ニホンザルがカキノキ樹上から食べ残しをどんどん捨てるので、カラスも(質はともかく)餌には困らないのです。


急にカラスがカァー♪と大声で鳴きました。(@3:02〜) 
警戒声なのかと思いきや、雪原のカラスたちは少し飛んで逃げただけで、すぐにまた戻って来ました。 
カキノキ樹上に留まり直したカラス個体は、熟柿を啄んでいます。 
画面の右端では、雪原から飛び立ったカラスが落柿を丸ごと咥えていました。(@3:45〜) 


シーン3:12/21・午前10:23・くもり・気温4℃(@4:04〜)
翌日も朝からカキノキを巡って猿とカラスの小競り合いが繰り広げられていました。 
若い猿が、カキノキ樹上で採取した熟柿を口に咥えたまま、地上の雪面に降りました。 
集まったカラスの多くは、右奥の雪面に散開して、落柿を拾い食いしています。 

カキノキの梢に独りで座って熟柿を食べていたニホンザル個体が、食べかけを惜しげもなく捨てました。(@4:51〜) 
樹上で立ち上がって振り返ると、近くの横枝に来ていたカラスを威嚇して追い払いました。 
逃げたカラスは少し飛んだだけで、左下の雪面に降り立ちました。 
カキノキ樹上の猿は、次の果実をもぎ取って食べ始めました。 

雪原で落柿を拾い食いするカラスをニホンザルは基本的に黙認しているようです。 
樹上で味見して美味くなかった果実を捨てているからでしょう。 
カラスの方がニホンザルよりも個体数が多いのに遠慮していて、猿が立ち去るまで辛抱強く待っています。 
私が見る限り、力関係はニホンザルの方がカラスよりも上のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ カラスの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』を読んで、種間関係について少し勉強しました。
・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用) 
・本州では動物間の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より)

今回私が観察した事例では、ニホンザルとハシブトガラスが柿の実という食べ物を直接取り合っていたので、干渉型の競争関係でした。


つづく→ 


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2026/03/04

タヌキが越冬する営巣地をうろつき雪原に穴を掘るホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月中旬

休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
根雪が積もって雪原になりました。 

夜な夜な通ってくるホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/16・午前2:14・気温0℃(@0:00〜) 
雪が降る深夜に、奥から雪原を横切って冬毛のホンドギツネがやって来ました。 
手前から回り込んで、タヌキの巣口Rに興味を示しました。 
少し後ずさりをしてから、巣口Rの雪面を前肢で掘り、匂いを嗅ぎました。 
タヌキの巣穴に居候している野ネズミを狩ろうとしているのか、それとも巣内に篭城するタヌキの動きに反応しただけかな? 
キツネがタヌキの巣穴を乗っ取るつもりで巣口を雪かきしているのなら、造巣行動と呼べるかもしれませんが、たぶん違いますね。 
再び巣口Rを点検してから、巣口Mの匂いも嗅いでいます。 


シーン2:12/16・午前2:16(@1:00〜)
続けてキツネはタヌキの巣口Mに顔を突っ込んでいました。 

ようやく諦めたキツネは、手前の林内へ立ち去りました。 
浅く積もった新雪にキツネの足跡が残ります。 
侵入者が立ち去っても、主のタヌキは警戒しているようで、外に顔を出したりしません。 


シーン3:12/17・午後20:51・気温-1℃(@1:23〜) 
翌日の晩には雪は止んでいました。 
雪面に残る足跡は、新雪で埋もれかけています。 


シーン4:12/19・午後20:09・小雪・気温-2℃(@1:26〜) 
3日後の小雪がちらつく晩にもキツネが登場。 
直前のシーン3と見比べると、雪面にタヌキの足跡が急に増えています。 

キツネは奥から手前へトコトコ歩いて来ます。 
まさか巣穴から外に出た直後ではないはずなので、おそらく奥の農道から手前へまっすぐ営巣地を横切って来たのでしょう。 


シーン5:12/20・午後18:47・気温-1℃(@1:32〜) 
晩にタヌキ営巣地の手前を足早にキツネが左下へ立ち去りました。 
凍結した雪面には足跡が残らないため、どこから来たのか不明です。 
後半の何も写っていないシーンを編集でカットするのを忘れてしまいました。 


シーン6:12/21・午後13:31・くもり・気温8℃(@2:32〜) 
翌日の明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪原に複数の巣穴が開口しています。 


2026/03/03

初冬の深夜にアナグマの営巣地に長居して餌を探し回るホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月中旬 

平地の落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で、ホンドテンMartes melampus melampus)が一晩に何度も登場したシーンをまとめました。 

シーン1:12/11・午後23:35・気温-2℃(@0:07〜) 
冬毛のテンがアナグマの巣口Rの横に生えたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)落葉灌木の根元を調べています。 
野ネズミの巣穴があるのかもしれません。 

次は少し左に移動してから、アナグマの巣穴Lに潜り込みました! 
すぐに後ろ向きのまま外に出てきました。 
巣穴Lの主は不在で、空き巣だったようです。 

忍び足で林床の落ち葉の匂いを嗅ぎ回り、奥の林縁へ向かいました。 


シーン2:12/11・午後23:38(@1:07〜) 
テンが未だセットに居残っていました。 
林縁で朽木倒木の周辺を念入りに調べています。 
ついでに、ミズキ灌木の根元の匂いも嗅ぎ回っています。 


シーン3:12/11・午後23:39(@2:08〜) 
林縁のオニグルミ灌木の根元に左脇腹の毛皮を擦りつけたように見えたのは、マーキング行動でしょうか?(@2:25〜) 
狭い隙間を通り抜けながら餌を探しただけかもしれません。
(素人目には、このとき小便はしてないと思います。) 

再びセットに引き返したテンは、アナグマの巣口Rで座り込み、体の痒い部位(左肩)を左後足で掻きました。 
再度、林床に転がっている細い朽木倒木を調べに向かいました。 


シーン4:12/11・午後23:41(@3:08〜) 
またテンがセットに戻ってきていました。 
アナグマの巣口Rを離れ、奥の林縁で株立ちしたミズキ灌木の根元を次々に調べ回っています。 
そこは夏から秋にかけてアナグマやタヌキの幼獣の遊び場になっていて、毛皮で擦れた幹が黒光りしています。 
秋になると、そこからキノコが生えました。 

次にまたテンは、お気に入りの朽木倒木を再度調べに行きました。
細い倒木を跨いだり覗き込んだり、念入りに調べています。 


シーン5:12/11・午後23:48(@4:09〜) 
ホンドテンがまたセットに戻ってきました。 
と思いきや、お気に入りの細い朽木倒木をしつこく調べに行きました。 
野ネズミの巣穴があるのか、かなり執着しています。 
ようやく諦めて、左上奥へ立ち去りました。 
暗闇の林内を動くテンの眼(タペータム)が、カメラの赤外線を反射して白く光っています。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
せっかくトレイルカメラの2台体勢で監視していたのに、1台分の動画ファイルを失ってしまったのが残念です。 


【考察】 
テンがアナグマの営巣地にこれほど長時間、滞在するのは異例です。 
気温が氷点下に下がり、餌となる昆虫類はもう安全な隠れ家で越冬しているはずなので、野ネズミの気配(匂い)がするのかもしれません。 
しかし、この地点で最近は野ネズミの活動が写らなくなりました。



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