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2025/11/01

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:8月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬〜中旬

シーン0:8/6(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が住む営巣地(セット)を無人センサーカメラ2台で見張っています。
面白い行動は個別の記事ですでに紹介したので、今回の動画は残り物です。 
ノソノソと営巣地(セット)をうろつくシーンは、5倍速の早回し映像でお届けします。 
3頭の幼獣たちは相変わらず暇さえあれば、くんずほぐれつの取っ組み合いをしたり追いかけっこをしたりして遊んでいます。 


シーン1:8/7(@0:35〜) 
余談ですが、昼間にアオゲラPicus awokera awokera)が甲高い声でピュー、ピュー♪(またはピョー、ピョー♪)と鳴く声がかすかに聞こえます。(@4:20〜、4:31〜) 
この奇妙な鳴き声の主がAIに相談しても長らく分からず、私には馴染みの薄い鹿なのかと思ったぐらいです。 
野鳥の鳴き声図鑑のCDを聞いたりして、ようやく正体を突き止めることができました。 
アオゲラは幹を嘴で素早く叩くドラミングで縄張り宣言する以外にも、地鳴きの一つとしてピョー、ピョー♪という声を発するだそうです。 
アカゲラの地鳴きとは全く違うのが興味深いです。 


シーン2:8/13(@5:11〜) 

シーン3:8/14(@6:11〜) 

シーン4:8/17(@11:06〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



つづく→

2025/10/31

アナグマの営巣地を1〜2頭で昼夜うろつくホンドタヌキ:8月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/6・午後12:49・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:8/6・午後13:20・晴れ(@0:03〜) 
平地の二次林で営巣するニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴を2台のトレイルカメラで見張っています。 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が往来するシーンを以下にまとめました。 


シーン1:8/7(@0:05〜) 

シーン2:8/9(@0:31〜) 

シーン3:8/10(@1:07〜) 

シーン4:8/11(@1:10〜) 

シーン5:8/12(@1:40〜) 
2頭で来たタヌキの後続個体が、獣道の横に生えたオニグルミ立木の根元の匂いを嗅ぎ、排尿マーキングしました。(@2:50〜) 
後足を上げながら小便したので、♂と判明。 
マーキング直後は獣道を元気に走り去りました。 


若いタヌキが巣口Rの匂いを嗅いでから侵入しようとするものの、巣口Rを塞ぐ落枝や根っこが邪魔をしています。(@3:00〜) 
明らかに巣穴への侵入抑止効果があるようです。 
アナグマが意図的にそのような戸締まりをしているとしたら、興味深い話です。 
以前、タヌキが主にこの巣穴を使っていた時期には、タヌキが外出時に落枝を置いて戸締まり(隠蔽)したことがありました。 

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シーン6:8/13(@3:42〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】 
タヌキが単独でまたは2頭が連れ立ってアナグマの営巣地(セット)に代わる代わるやって来ます。 


つづく→

2025/10/30

カモシカの溜め糞場がある林床で餌を探す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬・午後22:30頃 

ニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2がある里山の混交林である晩、野ネズミ(ノネズミ)が林床をウロチョロと横切りました。 
餌を探し歩いているようです。 

もしも岩塩プレートが気になってミズナラの幹に登ったりしたら、木登りが得意なヒメネズミApodemus argenteus)ということになります。 
しかし今回の野ネズミは、気づかなかったのか、それとも木登りができないアカネズミApodemus speciosus)なのか、とにかく林床で活動しているだけでした。 


つづく→

2025/10/29

真夏の水溜りで一緒に水を飲むニホンカモシカの母子【トレイルカメラ】

 



2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
シーン0:8/1・午後12:23・晴れ・気温33℃(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
点在する水溜りS、Nに来る生き物を2台の自動撮影カメラでそれぞれ監視しています。 
この期間に登場したニホンカモシカCapricornis crispus)の母子をまとめてみました。 


シーン1:8/2・午前10:23・晴れ(天気雨)・気温27℃(@0:07〜)
水溜まりSの左端でカモシカの母子が仲良く並んで水を飲んでいました。 
奥にいる個体が幼獣で、手前が母親♀です。 

水を飲み終えると、左の死角に立ち去りました。 
カメラの画角をもっと左にずらして設置すべきでしたね。 
晴れていても小雨がぱらついているようで、水溜りの水面に波紋がポツポツと広がります。 


シーン2:8/19・午前11:09・晴れ・気温28℃(@0:24〜) 
17日後にも子連れのカモシカ♀が水場に現れました。 
真夏の日差しが強いせいで、木漏れ日と木陰のコントラストが大きいです。 
連日の日照りで泥水溜りSがかなり干上がり、小さくなっています。 

今回もカモシカの母子が岸辺に仲良く横に並んで、泥水を飲んでいました。 
途中から警戒を解いたのか、もう少し画角の右に来てくれました。 
上空を飛ぶヘリコプターの騒音を気にしながら、水場にしばらく佇んでいます。 
苦労して泥濘を右に横切りました。 

湿地帯の泥濘からひょろひょろと生えた細い灌木(樹種不明)の葉裏の匂いをカモシカ♀が嗅ぎ、顔の眼下腺を擦り付けました。(@1:34〜) 
 角がまだ生えていない当歳仔の幼獣は、同じ枝先の匂いを嗅いだものの、自らは眼下腺マーキングをしませんでした。 

カモシカ母子はカメラのすぐ前を通って、右へ立ち去りました。 
後に現場検証すると、泥濘に深く潜ったカモシカ母子の蹄跡がくっきり残されていました。 


シーン3:8/19・午前11:13・晴れ・気温28℃(@2:11〜) 
2分後に、同一個体のカモシカ幼獣が、少し離れた水溜りNにも水を飲みに来ていました。 
こっちの水溜りNでの飲水シーンは初見です。 
当歳仔のカモシカが水溜りNの深みに足を踏み入れると、メタンガスの泡がブクブクと立ち昇ります。
カモシカ幼獣は右前脚で水底の泥を激しく掻きました。 (@2:22〜)
ただの幼児らしい水遊びなのか、それとも水溜りの底を深く掘っているのかな? 
泥で濁った水を平気で飲んでいます。 

やがて身を翻して左に走り去りました。 
先行する母親♀からはぐれないように、慌てて追いかけて行ったのでしょう。 


※ 水音や泥濘を歩く音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/10/28

里山の獣道を通る夏毛のニホンノウサギ:8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬 

シーン0:8/1・午後15:01・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でニホンカモシカCapricornis crispus)が通う溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。 
現場は雑木とスギの混交林で、基本的には画面の左から右に向かって上り坂になっていますが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 


シーン1:8/1・午後19:20頃(@0:03〜) 
1羽のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)がカモシカの溜め糞場で立ち止まり、匂いを嗅いだり辺りをキョロキョロ見回したりしていました。 
まさかノウサギもここで脱糞するのでしょうか? 
(後日の現場検証でノウサギの糞は見つからず。) 

やがてピョンピョン跳びながら、斜面の獣道を右へ駆け上がりました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:27〜)。 
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

私がミズナラの幹に設置した岩塩プレートには気づかなかったようです。 
ノウサギの目線よりも高いので、もし塩を舐めたければ後足で立ち上がらなければなりません。 


つづく→

ニホンイタチの死骸:2024年

2024年8月上下旬 

溜池の横を通る農道脇の草むらにニホンイタチMustela itatsi)の死骸が転がっていました。 
夏の炎天下に放置されて強い腐臭がするものの、半ば干からびた状態です。 
ホンドテンに比べるとかなり小さいです。

尻尾の先にニクバエ
尻尾の先にニクバエ
15cm定規を並べて採寸

車にはねられたロードキルなのでしょうか?
素人目には目立った外傷や出血などは認められません。
死んだイタチの尻尾の先にニクバエの一種が1匹だけ留まっていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を食べたり持ち去ったりしなかったのが不思議です。

ニホンイタチの死骸をビニール袋に入れて、一度は持ち帰りました。
ところが忙しさにかまけて、死骸を解剖して性別や死因、胃内容物などを調べる余力がありませんでした。 
5日後に裏面の写真だけ撮って捨てました。
地面に横たわっていた右面は腐敗(生物分解)が早く進行し、肋骨や頭骨(頭蓋骨)が露出していました。
足の裏が黒くない点が、テンとの識別ポイントです。

15cm定規を並べて撮る






関連記事(2、7年前の撮影)▶  



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山中の水溜りで水を飲むフクロウと飛び回るコウモリ:8月上旬【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水溜りSに来る生き物を無人センサーカメラで監視しています。 

この期間に登場したフクロウStrix uralensis)とコウモリをまとめてみました。 

シーン1:8/4・午後19:26・気温26℃(@0:03〜) 
ある晩にフクロウが水溜まりSの対岸近くに左向きで入水していました。 
監視カメラの存在も含めて、周囲の様子を警戒しているようです。 
ようやく水をちびちびと飲み始めました。 

水場に黒いコウモリが低空で飛来すると、フクロウが見上げました。 
やがてフクロウは対岸に跳んで上陸しました。 
その後もコウモリが飛来したものの、水溜りSに着水することはありませんでした。 
フクロウが飛び立つまで見届けられませんでした。 

コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:04〜) 


シーン2:8/1・午後12:23・くもり・気温33℃(@2:31〜) 
別のトレイルカメラで見張っている、もう一つの水溜りNの昼間の様子です。 


シーン3:8/10・午後21:59・気温23℃(@2:35〜) 
晩にコウモリが監視カメラの近くから飛び去る姿がちらっと写っていました。 


シーン4:8/19・午前11:36・晴れ・気温33℃(@2:48〜) 
暑い日が続くと、水溜りNは少し干上がってきました。 


つづく→

2025/10/27

ニホンアナグマの幼獣が独りで巣穴から出て未明の林内に突進した謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬 シーン1:8/3・午前3:56(@0:00〜) 
深夜未明に、ニホンアナグマMeles anakuma)の母親♀(右目<左目)が独りで巣穴Rの拡張工事をしています。 
後ろ向きに巣穴Rから出ながら、前脚で土砂を外に掻き出しています。 
その間、2頭の幼獣は、株立ちしたミズキの木の下で格闘遊びを繰り広げています。 

巣穴Lで独り遊びしていたもう1頭の幼獣が、急に外に出てきてそのまま奥の林内へ突進しました。 
幼獣が一丁前に縄張りへの侵入者を追い払ったのかと思ったのですが、吠えたり鳴いたりする声は聞き取れませんでした。 
おそらく独り遊びで追いかけっこを始めたのでしょう。 
そのまま林内で採食を始めたのかもしれません。 


シーン2:8/3・午前3:58(@1:02〜) 
巣穴Rを掘っていた母親♀が何か異変を感じたのか、突進した幼獣の後を追うように林内へ向かいました。 
最後までセット(営巣地)に残って格闘遊びしていた2頭の幼獣も次々に林内へ行きました。 
殿しんがりの幼獣個体は、株立したミズキの根元をわざわざ木登りのように乗り越えてから行きました。 
家族一緒に採餌に出かけたようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/10/26

警戒心が強く、岩塩を迂回して木を登り下りするニホンリス【トレイルカメラ】

 

2024年8月上旬 

シーン0:8/1・午後15:01・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2を無人センサーカメラで見張っています。 
新たな試みとして、ミズナラの幹にピンク色のヒマラヤ岩塩プレートを設置してあります。 
果たして、野生動物が舐めに来る塩場になるでしょうか? 


シーン1:8/8・午後16:53(@0:04〜) 
監視カメラが起動したときには、ニホンリスSciurus lis)がミズナラの幹を下から登りかける途中でした。 
この地点でリスは初登場になります。 

2本のベルトで固定した岩塩プレートが気になって、偵察に来たのかな?
ミズナラの幹を一気に駆け上がりました。 
岩塩プレートの真下から登り始めたのに、途中で反対側に回り込んでから上に登りました。 
ニホンリスにとって見慣れない異物である岩塩は、ただの障害物という認識なのか、塩対応でした。 
幹に巻かれたベルトを飛び越えて行きました。 

しばらくすると、同じミズナラの幹をリスが上から下に降りてきました。 
口元を見ても、ドングリを貯食のために運んではいませんでした。 
そもそもミズナラ樹上に堅果が実る時期にはまだ早いです。 
リスが地上に降りる前に、1分間の録画が終わってしまいました。

短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:17〜) 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/10/25

人里離れたナイトプールに通う夏のニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用しに来るので、自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンイノシシ♀♂(Sus scrofa leucomystax)が単独で登場したシーンをまとめてみました。 


シーン1:8/9・午後23:25・気温23℃(@0:04〜) 
深夜に右から泥濘を横切ってイノシシ♂がやって来ました。 
口元の牙が目立つので♂のようですが、真横から見ても陰茎はよく見えません。 

水溜りSでまずは上澄みの泥水を飲みました。 
顔を上げると、顎から水が滴り落ちています。 
ときどき耳をピクピク動かしたり尻尾を左右に振ったりして、吸血性の昆虫を追い払っています。 

水溜りの中でしばらくじっと佇んで、左を凝視しています。 
ようやく警戒を解くと、鼻面で水底の泥を左右に掘り起こしながら左へ移動。 


シーン2:8/9・午後23:27(@1:29〜)
続きの映像です。 
イノシシ♂は水溜りSの泥を深く掘り起こしてから、その中に身を浸しました。 
画面の左外に見切れてしまったのが残念です。 
気持ち良さそうな鼻息やヌタ打ちの音が聞こえます。 

やがて立ち上がると、身震いしてから左に立ち去ったようです。 
すぐにまた左から回り込んで対岸に現れました。 
横から見ると、泥水で濡れているのは体の下半分だけで、上半分の毛皮は乾いたままです。 
もしヌタ打ち(泥浴び)行動を見ていなければ、体表に斑な模様があって、皮膚病の疥癬個体のように見えるかもしれません。 

イノシシ♂は右奥にある水溜まりNの横を通って、右に立ち去りました。 
このとき別アングルで設置した監視カメラが起動しなかったのが不思議です。 
イノシシの体表が泥水で濡れて体温が下がり、センサーが反応しなかったのかな? 


シーン3:8/12・午後19:59・気温24℃(@3:02〜) 
3日後の晩にイノシシが右から登場。 
牙が小さいので♀のようですが、性別判定にまだ自信がありません。 
梅雨が開けて雨が降らなかったせいで、水溜まりSが干上がり、だいぶ小さくなっていました。 

イノシシはまず泥水の上澄みを啜って飲んでから、顔を上げて風の匂いを頻りに嗅いでいます。 
次は鼻面で水底の泥を掘り起こし始めました。 
ところが、今回はなぜかヌタ打ちしないで、踵を返して右に立ち去ってしまいました。 
右奥の水溜まりNにも立ち寄りませんでした。 
何かに警戒したのでしょうか? 


シーン4:8/13・午前1:59・気温23℃(@4:12〜) 
日付が変わった深夜に、イノシシがまた右からやって来ました。 
左脇腹にある引っかき傷から、6時間前の同一個体が戻って来たと分かりました。 

水溜りSで水を飲んでから、左下手前に立ち去りました。 
今回もなぜか泥浴びをしませんでした。 

股間に見える膨らみが睾丸だとすると、牙が小さいので若い♂なのかもしれません。
(陰茎はよく見えません。)


シーン5:8/15・午前0:48・気温24℃(@5:54〜)
2日後の深夜、水溜りSの対岸にイノシシが左から登場しました。 
泥濘を鼻面で掘り返してから、掘った穴に半身を浸しました。 

やがて前脚だけ立ち上がると、座った姿勢で軽く身震いしました。
尻を前後に動かして泥濘に擦り付けているように見えますが、後脚が泥の深みにはまって抜けなくなったのかもしれません。 
無事に後脚も立ち上がると、方向転換して奥の泥濘を鼻面で掘り起こし、深くなった穴に再び身を浸しました。 

対岸に勢い良く上陸すると、右に立ち去りました。 


シーン6:8/19・午前11:11・晴れ・気温32℃(@7:42〜)
最後に日中の様子を示して終わります。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声やヌタ打ちの音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンイノシシの個体識別ができていないので、計何頭が登場したのは不明です。 
監視カメラの画角をもっと左に向けておくべきでしたね。 

山中の池や水たまりは、長年放置しておくと湿性遷移が進んで次第に浅くなり、最後には土で埋もれてしまうはずです。

イノシシが「ヌタ場」として利用する池は、イノシシが定期的に底の泥を深く掘り返しています(浚渫しゅんせつ)、地形改変)。

この場合、水場を保守(湿地の保全)するイノシシは生態系エンジニアの役割を果たしていると言えます。

日本でこのような生態系サービスを担う野生動物は、イノシシ以外にいません。

例えば池でときどき水浴するクマも、底を掘り返して積極的に深くする地形改変は行いません。

イタチやアライグマなど、止水域でよく獲物を捕食する中型哺乳類もいますが、彼らは池の保守管理(浚渫などの地形改変)を行いません。


里に降りてきたイノシシは農作物を食い荒らしたり農地を掘り返したりする害獣であり、対策が必要なことは重々承知しています。

しかし、イノシシを駆除して完全に絶滅させてしまうと、山林の水場が維持できなくなるおそれがあり、水場周辺(ビオトープ)の生物多様性が低下するでしょう。


つづく→

2025/10/24

岩塩に興味津々で木に登る夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年8月上旬 

シーン0:8/1・午後15:01・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 

新たな試みとして、ミズナラの幹に岩塩プレートを設置してあります。 
ホンドテンMartes melampus melampus)の登場シーンをまとめてみました。 


シーン1:8/1・午後20:55(@0:03〜) 
晩に獣道を右?から来た夏毛のテンがカモシカの溜め糞場sr2に立ち止まって林床の匂いを念入りに嗅ぎ回っています。 

ふと見慣れない物を見つけたテンが、ミズナラの幹に前足を掛けながら後足で立ち上がりました。 
そのまま少し木登りして、岩塩プレートの匂いを嗅ぎました。 
ミズナラの幹は垂直どころか少しオーバーハングしているのですが、テンは爪を立てて力強く登りました。 
テンの木登りを観察できたのは初めてです。 
しかし残念ながら、岩塩を舐めてくれなかったようです。 
無臭の異物なので、味見してくれないことには、塩だと分からないのでしょう。 

左の地面に飛び降りてから、再びミズナラの幹に近づくと、反対側からも直立して岩塩プレートを点検しました。 
岩塩よりも、それを固定するベルト(ストラップ)の方がむしろ気になったのかもしれません。 
最後は獣道を左に立ち去りました。 

ホンドテンが岩塩プレートに興味を示して木登りしたシーンを、1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜) 


シーン2:8/6・午前4:04(@2:02〜) 
5日後の未明にもテンらしき野生動物が写っていました。 
監視カメラの起動が遅れ、獣道を左から登って来た中型の動物が右へ立ち去るところでした。 
手前にある茂みの陰でよく見えませんでしたが、毛皮は白っぽく、なんとなくテンのような気がします。 
(あるいはノウサギかも?) 


シーン3:8/7・午後19:10(@2:13〜) 
翌日の晩にもテンが登場。 
獣道を左から登って来たテンが、ミズナラの木の下で立ち止まって根元の匂いを嗅いでいます。 

今回も後足で起立しかけて岩塩プレートを見上げたものの、匂いは嗅がずに右へ走り去りました。 
もしかすると、3日前に来たツキノワグマの残り香を嗅ぎ取って恐怖を感じたのですかね? 



つづく→


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2025/10/23

夜の水溜りで水を飲むニホンザル♀【トレイルカメラ:暗視映像】



前回の記事:▶ 山中の湿地帯や林道を横切るニホンザルの群れ【トレイルカメラ】 

2024年8月上旬・午後19:10頃・気温25℃ 

すっかり暗くなった晩に、山中の湿地帯にある水溜りSにニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)がやって来ました。 
 
初めは振り返ってカメラ目線でしたが、すぐに警戒を解くと、水面に口をつけて水を飲み始めました。 
日没後(夜)にニホンザルの活動を観察できたのは珍しいですし、水を飲む行動は初見です。 

喉の渇きを癒やすと、振り返ってホオノキ樹上を見上げてから、此岸を左へ立ち去りました。 
心なしか頬袋が膨らんでいるようなので、餌を詰め込んでいるのかもしれません。(※考察参照)
このとき胸に乳首が見えたので、♀のようです。 
この近くの樹上に塒入りしたはずですが、群れの仲間はどこにいるのでしょうか。 
ニホンザルの習性からして、♀が離れザルとして単独行動するとは考えにくいです。 


【考察】 
ニホンザルが頬袋に食べ物を詰め込むことは有名です。
水を飲む際に水を頬袋に入れて持ち運ぶことはあるのでしょうか?

Perplexity AIの回答がこちらです。

ニホンザルは頬袋を使って水を貯めたり運んだりすることはありません。頬袋は「食物を一時的に貯蔵して安全な場所でゆっくり食べる」ための構造であり、液体を蓄える機能は持っていません。elephanttalk+1

頬袋の内部は口腔とつながっており、乾いた固形物を入れることを前提にした構造のため、水のような液体を入れるとすぐに漏れ出します。実際、ニホンザルは水を飲む際には頬袋を使わず、すくう・なめる・直接吸うなどの方法で飲みます。頬袋に水をためて運ぶという行動は、観察報告も実験例も知られていません。parks+1

なお、類似行動としては、ハムスター属などの一部げっ歯類が頬袋を空気でふくらませて浮力の補助に使う例が知られていますが、霊長類でそのような機能を持つ種は確認されていません。wikipedia+1


つづく→

2025/10/22

岩塩を見つけたツキノワグマの塩対応【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年8月上旬 

シーン1:8/1・午後15:01・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2をまたトレイルカメラで見張ることにしました。 
画面の左から右に向かって斜面が緩やかに登っています。 
手前から奥にも獣道が通っています。 

カモシカの登場頻度が低いので、欲張って新たな撮影テーマを盛り込むことにしました。 
塩を置いてやり、野生動物が舐めに来る塩場を作れないかと考えたのです。 
暑い夏は特に塩分を欲しているはずです。(※追記参照) 
濃い塩水をバケツに入れて置くとか、方法は色々あるらしいのですが、私は一番安価なプレート状のヒマラヤ岩塩を買って、ミズナラの幹にベルトでくくりつけてみました。 
サイズは155×100×厚さ25mmで、重さは870g。
自然光下ではピンク色に見えます。 
ドリルで穴を開けて紐を通したかったのですが、素人がやると岩塩プレートが割れてしまいそうで、そのまま使うことにします。

野生動物が岩塩にどんな反応を示すのか、楽しみです。 
特に草食動物のカモシカが溜め糞場に来たついでに塩を舐めてくれるのではないかと期待しています。 
塩にカロリーはありませんから、野生動物への給餌がもたらす諸問題は起こりにくいはずです。 
塩への強い依存症が出るのであれば、それはそれで興味深い現象です。 


シーン2:8/4・午後19:00頃(@0:03〜) 
獣道を左から登場したツキノワグマUrsus thibetanus)が立ち止まって、林床の匂いを嗅いでいます。 
ふと顔を上げると、目の前のミズナラ幹に固定した岩塩プレートに気づいて匂いを嗅ぎました。 
ツキノワグマが見上げた際に、胸の三日月紋がちらっと見えました。 今回は残念ながら岩塩を舐めてくれなかったようです。 手前にゆっくりノシノシと歩き去りました。 クマは図体に比べて目が小さいですね。 1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:02〜)。 


【考察】 
今回のツキノワグマは塩対応でした。 
現場は暗闇で、初見の異物ですし、美味しそうな匂いもしないので、味見しないことには塩だと気づかないでしょう。 
岩塩プレートに予め蜂蜜を塗れば、匂いに誘引されて味見してくれるかな? 

岩塩プレートの位置と比べて、クマの体高を推定できるかもしれません。 


※【追記】
我々ヒトと違って野生動物の多くは汗腺が発達していないので、夏も汗をあまりかかないそうです。
したがって、暑い夏だからといって塩分を特に欲しているとは言えません。

肉食動物は獲物の生肉や血液から塩分を補給できるそうです。
動物の血液の塩分濃度は約0.9%で、これは一般的なみそ汁の塩分濃度とほぼ同じです。

一方、草食動物はミネラルが不足しがちです。
植物食の性質上ナトリウム不足に陥りやすいため、自然に存在する塩場で土壌や岩壁などに含まれる塩分やミネラルを直接舐めて補給します。
この行動は生理的に非常に重要で、体内の電解質バランス維持や生理機能正常化、さらには植物に含まれる毒物の解毒にも寄与するとされます。
日本で塩場に集まる草食獣を具体的に挙げると、ニホンジカ(シカ科)、イノシシ(ブタ科)、カモシカなどが知られています。
塩場に草食動物が多く集まるようになると、それを狙って肉食動物も集まることが予想されますが、日本には上記の草食獣を狩れるほど大型の肉食獣がいません(ニホンオオカミは絶滅)。

アオバトなど一部の鳥類では、夏季に果実食中心になることで塩分(ナトリウム)が不足し、海水や鉱水を飲んで塩分補給する行動が知られています。

…という定説を頭に入れて塩場プロジェクトの真似事を始めたのですが、まったく予想外の結果になりました。
今後の展開をお楽しみに。

つづく→

2025/10/21

アナグマの営巣地を昼夜うろつくホンドタヌキの家族:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬

シーン0:7/22(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)家族の営巣地(セット)がある平地の二次林を無人センサーカメラで見張っています。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめてみました。 


シーン1:7/26(@0:07〜) 
薄明薄暮で暗いのに、赤外線の暗視モードで起動しないことが時々あります。 
ほとんど真っ暗な動画素材を自動色調補正で無理やり加工すると、モザイクだらけの粗い映像ですが、なんとかタヌキの行動は見えるようになります。 

シーン2:7/27(@1:30〜) 

シーン3:7/28(@3:33〜) 
終日雨が降っています。
ときどきタヌキがクゥーン♪と鳴く声が聞こえます。 

シーン4:7/29(@14:09〜) 
シーン5:7/30(@14:53〜) 
シーン6:7/31(@15:38〜) 
シーン7:8/2(@16:38〜) 
シーン8:8/4(@16:53〜) 
シーン9:8/5(@18:35〜)
シーン10:8/6(@19:40〜) 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察?】
タヌキの個体識別も性別判定もできていないのですが、同時に最大で5頭のタヌキが登場しました。 
当歳仔と思われる幼獣4頭を親タヌキが引率しているようです。

隣接する休耕地にタヌキの営巣地があるので、そこに暮らすホンドタヌキの家族が餌を探し回るついでに、入れ代わり立ち代わりアナグマの営巣地に立ち寄っているのだろうと想像しています。

ときどきアナグマの巣穴にこっそり忍び込んで内検しています。   
アナグマとのニアミスシーンは撮れていません。 
巣穴の主であるニホンアナグマの家族が留守中を見計らってタヌキがやって来るのかな? 


2025/10/20

ニホンアナグマ母子家族(幼獣3頭)の暮らし:7月下旬〜8月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで見張っています。 
 この時期に撮れた、母親♀と当歳仔(幼獣)3頭の暮らしぶりをまとめました。 

特筆すべき行動は個別の記事で紹介済みなので、今回の動画はその残り物になります。 


シーン0:7/22(@0:00〜) 
シーン1:7/23(@0:07〜) 
シーン2:7/27(@1:40〜) 
シーン3:7/28(@3:20〜) 
シーン4:7/30(@9:46〜) 
シーン5:8/2(@15:45〜) 
シーン6:8/3(@20:27〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


明るい昼間に見る体色(毛皮の色)は基本的に、母親♀が焦げ茶色で、幼獣は薄いクリーム色です。 
幼獣は成長とともに少しずつ換毛しているのか、茶色が少しずつ濃くなってきました。 
泥で汚れた幼獣個体は、成獣と間違いそうになります。 

離乳してだいぶ経つので、母親の乳房があまり目立たなくなってきたような気がします。 
夜の暗視映像で見ると、赤外線を反射する左右の目の大きさが母親♀だけ違う(右目<左目)ことで見分けられます。 

相変わらず幼獣は昼も夜も遊びに明け暮れています。 
取っ組み合いや追いかけっこをして遊んでいます。 
幼獣同士で遊ぶだけでは飽き足らず、母親♀に突っかかって行って挑発し、遊びに誘うことが増えました。 


2025/10/19

ウメの種子をすべて持ち去った後も空の給餌箱に未練がましく通う野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬

シーン1:7/25・午後23:45・夜霧(@0:00〜) 
給餌箱に残っていたウメ(白梅)の種子の最後の1個を野ネズミ(ノネズミ)が持ち去ったようです。 
(動画を1.5倍に拡大しても、動きが速くて口元に種子の有無は確認できず。) 
なぜ最後の1個を搬出したと思ったかと言うと、これ以降、野ネズミの行動パターンが変化したからです。

しばらくすると、野ネズミは倒木を右から駆け上がり、餌箱に入りました。 
しかし中は空っぽだったらしく、戸惑って周囲を探索しています。
倒木を右往左往したり、下を覗き込んだりしています。 


シーン2:7/26・午前0:36・小雨(@0:41〜) 
日付が変わった深夜、野ネズミが再び餌箱に来たものの、空っぽなので未練がましく右往左往してから、倒木を右に降りました。 
右下隅の林床をゆっくりウロチョロしています(探餌徘徊)。 


シーン3:7/27・午後22:45(@1:05〜) 
翌日も晩遅くに野ネズミが現れ、巣箱の中を点検しています。 
倒木上を右往左往し、下の林床を見下ろしました。 
倒木から右奥の林床に降りて、右下をうろつく野ネズミの目が白く光って見えます。 


シーン4:7/31・午前0:31(@2:05〜) 
4日後の深夜、久しぶりに野ネズミが給餌箱に戻ってきました。 
定期的に餌箱を再訪して、念のために餌の有無を確認しているようです。 


【考察】 
おそらく同一個体だと思うのですが、「宝の山」を見つけた野ネズミは、成功体験がしばらく忘れられないようです。 
餌箱が空っぽになっても、何度も戻ってきました。
野ネズミの記憶力が良いことを物語っています。
まさにこれが、餌付けされた状態です。
餌箱が空っぽのままだと、次第に野ネズミの訪問頻度は減っていきます。

私が給餌した39個のウメの種子はすべて野ネズミが持ち去りました。 
その場で(餌箱内で)食べたのは一度もありませんでした。 
容器が深くて採食シーンが撮れなかっただけという可能性もあります。 
しかし後日に現場入りした私が給餌箱を調べると、中は空っぽで、ウメの種子を割った食べ残し(食痕)などは残されていませんでした。 

持ち去ってどこかに隠した(貯食した)後は、ウメの固い種子を割って(穴を開けて)中の仁を食べたはずですが、青酸配糖体の毒であるアミグダリンに対して野ネズミは耐性(解毒のメカニズム)をもっているのかもしれません。 
最悪の場合、ウメの種子を調子に乗って食べすぎた野ネズミが青酸中毒で死亡して、餌箱に来なくなることも想定していたのですが、無事でした。 
熟して枝から落ちた梅の核果に含まれるアミグダリンの量が野ネズミの致死量に対してどれぐらいなのか、果実が熟していれば毒性は失われるのか、専門家に調べてもらいたいところです。 

つづく→

2025/10/18

種子散布実験の給餌箱の近くにチラッと登場したツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年7月下旬・午後19:15頃 

山林の倒木に設置した給餌箱を見張っている無人センサーカメラに、ある晩真っ黒な獣がチラッと写りました。 
体のほんの一部が写っただけですが、ツキノワグマUrsus thibetanus)ですね。 
手前に向かってのっそり歩いて行ったようです。

この時期はウメの種子を給餌しておいたのですが、野ネズミがすべて持ち去った後で、餌箱は空っぽでした。 

クマが空の餌箱に興味を示さずに立ち去ったのも当然です。 
おそらく何も匂いがしなかったので、餌箱に気づかなかったのでしょう。
下手したら、ツキノワグマに(意図せずして)餌付けして良くない問題をもたらすところでした。 


見応えのないしょうもない動画ですけど、この地点にツキノワグマが来たという証拠映像は私にとって非常に大事な情報です。 
トレイルカメラの保守管理のために現場入りするときも、よりいっそう緊張感を持って警戒するようになりました。 

画面の背後はスギ植林地になっていて、その林床にスギの朽ちた倒木が転がっていました。 
その朽ちたスギ倒木を壊して虫を探した痕跡がありました。 
おそらくツキノワグマの仕業なのでしょう。 

※ クマの気配が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/10/17

ニホンアナグマの母親♀が巣穴のメンテナンス工事する間に、幼獣3頭が遊ぶ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬〜8月上旬

シーン0:7/22・午後13:13・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:7/22・午後13:53・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
 平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子が暮らす営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張っています。


シーン1:7/23・午後16:29・気温30℃(@0:07〜) 
腹面に乳首が見える母親♀が、夕方に巣口Lの拡張工事を始めました。 
しばらくすると左から1頭の幼獣が来て、巣穴L内で穴掘り作業中の♀に背後から近づいたところで1分間の録画終了。 


シーン2:7/23・午後16:30・気温31℃(@1:07〜) 
別アングルの監視映像でも写っていました。 
3頭の幼獣が続々と巣穴Rから外に出てきて、母親♀が穴掘り作業している巣口Lへ移動しています。 


シーン3:8/3・午前3:56(@2:07〜) 
11日後の深夜未明に、アナグマの母親♀(右目<左目)が今度は巣穴Rの拡張工事を始めました。 
巣穴Rから後ろ向きに出ながら、前脚で土砂を外に掻き出しています。 

その間、2頭の幼獣は格闘遊びを繰り広げています。 
巣穴Lで何かしていたもう1頭の幼獣が、急に外に出てきてそのまま林内へ突進しました。 
幼獣が一丁前に縄張りへの侵入者を追い払ったのかと思ったのですが、吠えたり鳴いたりする声は聞き取れませんでした。 
おそらく独り遊びの追いかけっこだったのでしょう。 


【考察】 
最近ヘルパー♂と営巣地で合流したので、重労働の穴掘りはヘルパー♂に任せるかと思いきや、母親♀は相変わらず自分で巣穴の拡張工事(メンテナンス)を行いました。 
そもそもヘルパー♂とは一時的に再会しただけのようで、その後ヘルパー♂とはまったく同居していません。 


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2025/10/16

幼獣を連れて水場に来たニホンカモシカ♀が飲み食いし、眼下腺でマーキング【トレイルカメラ】

 



2024年7月下旬・午前10:20頃・晴れ・気温27℃ 

里山の湧き水が溜まった湿地帯にニホンカモシカCapricornis crispus)の母子が昼間からやって来ました。 
まず初めに、右下から成獣(後に♀と判明)が登場。 
泥濘から生えた幼木(樹種不明)の枝葉に顔を擦り付けて眼下腺マーキングしていました。 

顔を下げると、水溜まりに口を付けて飲み始めました。 
股間を見ても外性器が不明です。 
水を飲みながら胴体の皮膚をときどきピクピク動かしているのは、吸血性昆虫が体に止まらないよう追い払っているのでしょう。 
我々ヒトには真似できない芸当です。 
短い尻尾もたまに振っています。 

一度顔を上げて周囲を警戒してから、再び水を飲みます。 
やがて水溜まりをジャブジャブと左奥へ横断し、少し奥の水溜まりからも飲みました。 
よほど喉が渇いていたようです。 


監視カメラが続けて起動すると、手前の死角に別個体bのカモシカも来ていました。 
おそらく母親♀について歩く幼獣なのでしょう。 

水場で喉の乾きを癒やした母親♀は、左岸の泥濘に生えた植物の葉裏の匂いを嗅ぎ、眼下腺マーキングしてから、葉を数枚食べました。 
映像ではなんとなくイタドリかな?と思ったのですけど、現場でしっかり同定するのを忘れました。 
母カモシカはそのまま左に立ち去りました。 

その後も手前の死角から鼻息や物音がゴソゴソ聞こえます。 
カモシカ幼獣bの姿が再び画面の下端にちらっと写りました。 
その辺りをキイロスズメバチのような昆虫が飛び回っているのは、もしかすると吸血性のアカウシアブTabanus chrysurus)かもしれません。 


※ 水を飲んだり泥濘を歩く音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/10/15

野ネズミがアナグマの巣穴に侵入しコウモリが上空を飛ぶ夏の夜【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬 

シーン0:7/22・午後13:13・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:7/22・午後13:53・晴れ(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が暮らす営巣地(セット)を無人センサーカメラで見張っています。 


シーン1:7/26・午後22:41・気温25℃(@0:00〜) 
久しぶりに野ネズミ(ノネズミ)が登場しました。 
右から左に林床を横切り、なんとアナグマの巣穴Lに潜り込みました。 
アナグマの家族は留守なのかな? 

ちょうどそのとき、1匹のコウモリが手前から奥の林内へ飛び去りました。 
コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:20〜) 

しばらくすると、画面の右から別個体の野ネズミがチョロチョロと登場しました。(@0:35〜) 
林縁をうろつき、餌を探しているようです。 


【考察】
コウモリと言えば、飛びながら超音波を発してエコロケーションしていることで有名です。
一方、野ネズミもチューチュー♪という可聴域だけでなく超音波でも鳴いて種内コミュニケーションしていることが知られています。
だとすると、野ネズミの耳にはコウモリの発する超音波の一部が聞こえているはずです。
もしもコウモリと野ネズミが超音波で会話していたら面白いですね。(種間コミュニケーション)

 つづく→

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