ラベル 哺乳類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 哺乳類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026/09/24

オオウバユリの花を食べるニホンカモシカ♂(両角欠け)【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2026年8月上旬 

シーン1:8/4・午後12:48・晴れ・気温30℃(@0:00〜) 
落葉二次林にあるニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
林床にオオウバユリの花が横向きに1つだけ咲いています。(画面左下の赤丸○) 
オオウバユリは夜に開花すると聞いたのですけど、明るい昼間から咲いていました。 
咲いたのは前日の夜なのかな? 


シーン2:8/5・午後19:07(@0:05〜)日の入り時刻は午後18:47。
オオウバユリの花の位置を覚えておいて下さい。(画面左下の赤丸○) 
画面の反対側(右端)からカモシカの横顔が見えました。
最近アナグマのセットに出没している(映像公開予定)、左右の角が両方欠けている♂個体です。

右下隅の下草が不自然に揺れているので、監視カメラの死角でカモシカが採食しているようです。 


シーン2:8/5・午後19:08(@0:18〜) 
ニホンカモシカはカメラの前を右から左にゆっくり歩いて横切ると、横向きに咲いていたオオウバユリの花をムシャムシャと食べました。
茎の根元に生えた葉は食べませんでした。


シーン3:8/24・午後13:01・くもり・気温30℃(@1:09〜) 
19日後の明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 

つづく→



【アフィリエイト】


【考察】
想定外の面白い映像がたまたま撮れるのが、トレイルカメラの醍醐味です。
夜の森でニホンカモシカの採食メニューがこれほどはっきり分かる映像が撮れて、ラッキーでした。
急いで記事にして動画を公開することにしました。

オオウバユリの花は夜に開花するため、夜行性の訪花昆虫を誘引するために強い芳香があるのだそうです。
ニホンカモシカは、夜の林内に漂うオオウバユリの花の芳香を頼りに食べ歩いているのかもしれません。 
暗視映像を見ると、カモシカは暗闇で花に向かってまっすぐ歩いて来てそのまま食べました。

必ずしも嗅覚に頼らなくても、白くて大きなオオウバユリの花は暗い林内でうっすらと見えそうです。
トレイルカメラが照射する赤外線をカモシカのタペータム(輝板)が反射していたということは、カモシカは夜の暗い林内でもかすかな月明かりなどを頼りに物が見えているはずです。

山菜図鑑によると、オオウバユリの若葉がヒトの食用になるらしい。 
アイヌの人々は伝統的に、オオウバユリの球根を掘って鱗茎からデンプンを採って食べるのだそうです。


Perplexity AIに色々と訊いてみました。

Q1:オオウバユリの花には芳香があるか?
A1:オオウバユリ(Cardiocrinum glehnii)の花には芳香があります。複数の植物図鑑や観察記録で「芳香がある」「強い香りがある」と明記されており、特に夕方〜朝にかけて香りが強まることが報告されています。 jplants

芳香の特徴

  • 香りの質: 「上品な香り」「高貴な芳香」「優しい香り」と表現され、ヤマユリのような強烈な香りではなく、穏やかで繊細な芳香とされています。 qkamura.or
  • 香る時間帯: 一日中ではなく、夕方〜夜間、および朝に特に強く香るという観察が複数あります。これは受粉昆虫(マルハナバチなど)の活動時間帯と関連している可能性が指摘されています。 love-evergreen
  • 強さ: 近づかないと分からない程度の穏やかな香りで、園芸種のユリほど遠くまで漂う強烈さはないとされています。 siraneaoi.lekumo



Q2:オオウバユリの開花時刻は? 夜に咲くのか?

A2:オオウバユリの花は**夜に咲く(夜開性)**です。複数の情報源で「夕方に開く」「夜に咲く」と明記されており、芳香が夕方〜朝に強まるという観察とも一致します。

開花の時刻と挙動

  • 開花開始: 花は夕方に開き始め、夜間に開花状態になります。
  • 花の持続: 1個の花は数日(2〜5日程度)持続しますが、花序全体では下から順に開花が進みます。 love-evergreen
  • 受粉生態: 夜間に芳香が強まることから、**夜行性の昆虫(ガ類など)**による送粉が示唆されています。ただし、マルハナバチなどの昼行性昆虫も訪花することが観察されています。 mkbkc.hatenablog

補足:なぜ夜に咲くのか

夜開性と芳香の組み合わせは、多くのユリ科植物でみられる送粉戦略です。夜間に活動するガ類は視覚より嗅覚に頼るため、強い芳香と淡色(緑白色)の花が効果的に働きます。 mkbkc.hatenablog


Q3:8月上旬の二次林の林床に咲いたオオウバユリの花を、暗くなった晩に(19:10頃)ニホンカモシカが採食したシーンがトレイルカメラに写っていました。カモシカは花の芳香に誘引されたのだろうか? 暗い林内でも白くて大きなオオウバユリの花はうっすらと見えるのかもしれません。

A3:素晴らしい観察記録ですね。19:10頃の薄暮〜夜間にニホンカモシカがオオウバユリの花を採食したシーンは、カモシカの生態とオオウバユリの送粉・防御生態の両方から非常に興味深い事例です。

カモシカは花を好む

複数の研究で、ニホンカモシカは広葉草本の花を嗜好することが示されています。 tuat.ac

  • 東京農工大学の研究では、カモシカが「消化しやすく高栄養な広葉草本(葉・花)」を選択的に採食することが直接観察で確認されています。 tuat.ac
  • 飼育下のカモシカは夕方〜夜間に主に採食活動を行い、野生でも早朝と夕方に採餌のピークがあります。 animaldiversity
  • 花は栄養価が高く、柔らかく消化しやすいため、カモシカにとって魅力的な食物です。 tuat.ac

芳香への誘引はあり得るか

オオウバユリの花は夕方〜夜間に強く芳香を放ち、夜行性の送粉者(ガ類など)を誘引するように適応しています。

カモシカは嗅覚が発達しており、食物の選別には嗅覚も重要な手がかりとなります。 したがって、以下のシナリオが考えられます: love-evergreen

  1. 芳香が手がかり: 薄暗い林内で、オオウバユリの強い芳香がカモシカの注意を引いた可能性は十分にあります。
  2. 視覚的手がかり: ご指摘の通り、暗い林内でも緑白色の大きな花(10–17 cm)はうっすらと見え、カモシカの視覚(夜間視力)でも検出可能でしょう。
  3. 偶然の発見: カモシカが林床を移動中に、たまたま立ち寄って採食した可能性もあります。

生態的意義

この観察は、オオウバユリの花が夜行性哺乳類によっても利用されていることを示唆しており、以下の点が興味深いです:

  • オオウバユリの花は「夜開性+芳香」という送粉者誘引形質を持ちますが、同時に草食哺乳類への被食リスクにもなっている可能性があります。
  • カモシカのような大型草食動物による採食は、個体群動態(開花個体の減少)に影響を与える可能性があります。
  • 一方、カモシカが種子散布に寄与する可能性(果実を採食する場合)も考えられますが、オオウバユリの種子は風散布が主です。

結論

カモシカがオオウバユリの花を採食した要因として、芳香への誘引は十分にあり得ると考えられます。ただし、視覚的手がかりや偶然の発見も関与している可能性があり、これらを区別するには追加の観察(芳香の有無と採食頻度の相関、夜間視覚実験など)が必要でしょう。

この観察記録は、オオウバユリと草食哺乳類の相互作用を理解する上で貴重なデータです。ぜひ、季節を超えた継続的なモニタリングを続けられると、さらに興味深い知見が得られるかもしれません。


2026/09/23

カラス雛の死骸をホンドタヌキの溜め糞場に給餌してみると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬〜中旬

シーン0:5/7・午後(@0:00〜) 

郊外の道端で鳥の雛が路上に落ちて死んでいました。 
一部の羽根が青かったのでオナガの雛と迷ったのですが、喉が黒かったので、おそらくハシボソガラス(Corvus corone)の雛だと思います。 
(念のためにGoogleレンズで写真鑑定してもらいました。)
嘴をしっかり閉じて死んでいるため、カラス雛の口内が赤いことを確認できませんでした。 (カラス成鳥は口内が黒になる。)

電柱に架けられたカラスの巣を撤去・駆除する際に、雛が落ちてしまったのでしょうか? 
しかし、カラスの巣の撤去を依頼されても、巣内に卵や雛が居た場合には、基本的に撤去作業を強行しないはずです。
鳥獣保護管理法で守られているからです。

それとも、巣内で死んだ雛を親鳥が巣外に捨てたのでしょうか? 
巣内で死んだカラスの雛を親鳥が食べたり、他の雛に給餌したりすることはないらしく、死骸を巣の外に捨てるらしい。 
真上の電柱にカラスの巣があるかどうか確認すべきだったのに、こんな街なかで営巣しているはずがないと思い込んでいた私は見上げませんでした。 
(たとえカラスの巣が電柱の上に無かったとしても、電力会社が撤去した直後かもしれません。)
実は翌年、同じ(または隣の)電柱に営巣するハシボソガラスを観察しています。 


この近所で他にカラスの営巣地として心当たりがあるのは、高圧線の送電塔です。 
猛禽などの捕食者がカラスの巣を襲い、雛をさらってくる途中で落としてしまった可能性もありそうです。 

死んでいるとは言え、カラスの雛の実物を見るのは初めてです。 
この個体は羽根がまだ生え揃っていません(水色の羽鞘が見えます)。 
採集時に死骸を持ち上げてみたら意外に重かったので、カラスの親鳥が巣外に捨てるにしても、咥えて運ぶのは大変そうです。 
したがって、巣から遠くに運んで捨てたとは思えません。 

写真に撮ってから死骸を採集しました。 
一度は立ち去りかけたものの、ビニール袋を持参していたことを思い出し、それを手袋代わりにして死骸を素早く回収しました。 
死骸が横たわっていた舗装路は体液で湿っていて、微小なアリ(種名不詳)が数匹群がっていました。 
死臭を嗅ぎつけたハエ類などはまだ来ていませんでした。 
死後硬直もなかったので、死んでからそれほど時間が経っていないようです。 

持ち帰った死骸をとりあえず冷凍保存しました。 
剖検して死因を調べるか、頭骨標本を作るか、スカベンジャーに給餌するか、使い道を考えます。
15cm定規を並べて置いた。



シーン1:5/9・午後・晴れ(@0:12〜) 
前回の成功に味をしめて、ハシボソガラスの雛の死骸もホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)に給餌することにしました。 


2日後に、冷凍庫から取り出したカラス雛の死骸を、スギ防風林にあるタヌキの溜め糞場wbcまで持参しました。 
死骸は不自然な体勢で曲がったまま凍っていました。
ゴム手袋をしてから、まだ完全に解凍されていない死骸をじっくり見ると、総排泄孔が大きいことにちょっと驚きました。
青い羽鞘の先から黒い羽根が生えかけています。

死骸をただ林床に置くのではなく、溜め糞の横にある灌木(樹種不明:落葉性広葉樹)に針金で頸部を固定してぶら下げました。 
前回の反省を活かして、スカベンジャーが死骸を監視カメラの前からすぐに持ち去れないように工夫したつもりです。 


カラス雛の死骸を常温解凍しても、私の嗅覚ではほぼ無臭でした。
しかし、かすかな死臭を敏感に嗅ぎつけたハエ類(キンバエ、クロバエ)がすぐに飛んできて頭部に群がり、吸汁し始めました。 
ハエ♀が産卵しても死骸がまだ凍っているため、ウジ虫(ハエの幼虫)の孵化を遅らせることができそうです。

果たしてタヌキはカラス雛の死骸を巣穴に持ち帰って母親♀に給餌するでしょうか? 
予想では、繁殖期に巣穴で出産・授乳・育児する母親♀にせっせと餌を運んできて与えるのは父親♂やヘルパー♀(娘)の仕事です。 


シーン1:5/13・午前2:06・気温8℃(@1:53〜) 
今回の給餌実験は、残念ながら全然私の思い通りにはいきませんでした。
監視カメラが不調だったのか、4日後の深夜未明までろくに起動しませんでした。
すでにカラス雛の死骸は何者かにほとんど持ち去られた後で、頭部しか残っていませんでした。

ホンドタヌキの両目失明個体(ヘルパー♀)が死骸をぶら下げておいた真下の落ち葉の匂いを嗅ぎ回っています。
カラス雛の死骸から垂れた体液(ドリップ)の死臭が残っているのでしょう。 

針金でぶら下げられたカラス雛の頭部を嗅ぎ当てると、恐る恐る咥えて引っ張り、手前の林床に落としました。 
発見が遅れたせいで、死骸(の頭部)はかなり腐敗しているはずです。  
タヌキが腐肉を食べる前に1分間の録画時間が終わってしまいました。


シーン2:5/13・午前2:21・気温9℃(@2:21〜) 
14分後も両目失明個体が同じ場所に留まり、のんびり座って体を掻いていました。
すぐ横には親ダヌキと思われる別個体が居ます。
結局、誰がカラス雛の死骸を食べたのか、証拠映像が撮れませんでした。
どうやら死骸を監視カメラの画角から外れた位置に持ち去ってから食べたようです。
今回も両目を失明したヘルパー♀はせっかく見つけた死骸を食べられず、両親のどちらかが横取りして食べたのでしょうか?

親子2頭が溜め糞場WBCに並んで一緒に大小便の排泄を始めました。
そこへ3頭目の個体が現れ、合流しました。(@3:34〜)
(溜め糞場wbcで3頭の家族群が揃ったことになります。)


シーン3:5/13・午前2:22(@3:53〜) 
最後に来た殿(しんがり)の個体(両目が健常の親ダヌキ)も排便を済ませると、獣道を右へ向かい、スギの木の根本で待っていた両目失明個体と合流しました。


シーン4:5/13・午前2:24(@4:23〜) 
左から来たタヌキが溜め糞を素通りして、右のスギの根本に座っていた個体と合流しました。
このときキュン♪と小声で鳴きました。(@4:31〜)
タヌキの鳴き声にしては初めて聞くレパートリーです。 
2頭が相互毛繕いしているようですが、よく見えません。




※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


シーン5:5/21・午前11:24・晴れ・気温30℃(@4:38〜) 
8日後の昼間にたまたま撮れた現場の様子です。


【考察】
残念ながら、今回の死骸給餌実験は失敗に終わりました。
今回の撮影アングルでは、もしもタヌキが手前から奥に歩いて来てそのまま死骸に食いついた場合、トレイルカメラのPIRセンサーは反応しにくいことが仕様上予想されます。
撮り漏らしをなくすためには、トレイルカメラをもう1台別のアングルで設置するべきでしたね。

これで懲りずに、次の死骸を探すことにします。
くれぐれも、人目につかない場所で小規模にやりましょう。
死骸の給餌方法については試行錯誤中なのですが、今回は見栄えがよろしくありません。
死んだ雛の首に針金を巻き付けてぶら下げたので、もしも誰かが給餌現場に通りかかって見つけたら、違法な罠を設置したのか?とか、生きたまま鳥の雛を吊り下げて野生動物をおびき寄せようとしているのか(動物虐待)?などと誤解されて通報されそうです。
いざというときに「私が鳥の雛を殺した訳ではない」と申開きができるように、死骸を見つけたときの証拠写真を残しておく必要があります。
死んだ雛の首ではなく足を針金で縛って吊り下げようかとも思ったのですが、スカベンジャーが死骸を咥えて引っ張ったら、すぐに針金がすっぽ抜けてしまいそうです。

つづく→

2026/09/21

二次林の旧営巣地に出没して古い巣穴を試掘するニホンアナグマ:5月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬〜中旬 

シーン0:5/7(@0:00〜) 
二次林で以前ニホンアナグマ(Meles anakuma)が掘った営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 
この営巣地を最近主に利用しているのはホンドタヌキなのですが、春になってアナグマの出没が増えたので、旧営巣地を再び乗っ取るのかどうか注目しています。 

シーン1:5/8(@0:07〜) 
晩に来たアナグマが巣穴Lを掘って拡張しています。 
獣道にスクワットマーキングしながら立ち去りました。 

シーン2:5/10(@1:20〜) 
2日後の深夜。 
アナグマがセットから左に立ち去ってしばらくすると、右から現れました。 
同一個体がぐるっと一回りしてきたのでしょうか? 
(別個体の可能性もあります。) 
巣口Lを点検してから左に向かいます。 

シーン3:5/12(@1:44〜) 
2日後の晩に右から来たアナグマが、巣口Rの横を素通りして左の林内へ向かいました。 

シーン4:5/17(@1:55〜) 
5日後の夜更けに来て巣口Lに入りました。 
巣穴Lを少し試掘したようですが、このアングルではよく見えません。 
(別アングルの監視カメラには撮れていませんでした。) 
再び外に出てきた際に、体毛が黒土で汚れていました。 
巣口Rの横を素通りして左奥の林内へ。 

シーン5:5/20(@2:39〜) 
3日後も晩遅くに登場してセットをうろついています。 

シーン6:5/21(@3:03〜) 
翌日、明るい昼間にたまたま撮れたセットの様子です。 
初夏の二次林で灌木マルバゴマキの若葉が大きく広がっています。


【考察】 
この時期のアナグマは、巣穴Lを少し掘ったものの、本格的に巣穴Lを整備して住み着くつもりはなさそうです。 
タヌキが出入りするもう一つの巣穴Rには遠慮してアナグマは侵入しませんでした。 


つづく→

2026/09/20

林内のタヌキ営巣地にホンドテン?が真っ昼間に登場:5月中旬【トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶  


2025年5月中旬・午後15:25頃・晴れ・気温19℃ 

二次林にあるホンドタヌキの巣穴Rを自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

白昼堂々、イタチ?らしき小動物が久しぶりに現れました。 
監視カメラの起動が遅れ、どこからセットに来たのか不明です。 
手前から左奥の林内に走り去りました。 
タヌキの巣穴には興味を示さず、素通りしたようです。 

頭を低く下げて歩き、腰高なので、奇妙な歩行姿勢です。 
早足になると、尺取り虫のような歩行になります。 
1.5倍に拡大してリプレイ。 

後ろ姿しか写ってなかったので、ニホンイタチ(Mustela itatsi)と迷うのですが、ホンドテン(Martes melampus melampus)ですかね? 


つづく→

2026/09/18

樹上でちぎり取ったコナラの若葉に付いていた虫を捕食するニホンザル♂

 

2025年5月下旬・午前10:05頃・くもり 

里山の山道を私が静かに登っていると、パッチ状に植林された スギ(杉)林でニホンザル♂(Macaca fuscata fuscata)と遭遇しました。 
樹上のニホンザル♂は、スギの幹の陰から顔を出して、私を見下ろしています。 
初めは逆光で猿の顔がよく見えませんでした。 
欠伸をしたのは、もしかすると犬歯を誇示して私を威嚇したつもりなのかもしれません。 
次に左手で頭を掻きました。 
胸に乳首が見えず、股間に薄いピンクの陰嚢が見えたことから、♂と判断しました。 
白っぽい毛並みの個体です。 

やがてニホンザル♂は、座っていたスギの横枝から立ち上がると、樹上で移動開始。 
隣の横枝に跳び移り、私の真上まで来て横枝に座りました。 
チラチラとさり気なく私を見下ろしています。 

樹上の猿は、スギの枝先から左手を伸ばすと、隣接するコナラの葉を数枚ちぎり取りました。 
そのままスギの横枝に戻り、採取したコナラの若葉を採食しています。 
食事の様子をよく観察すると、コナラの葉そのものを食べているのではなく、葉に付着した小さな虫(種名不詳)を丹念に指でつまんで捕食していました。 
調べた葉を下にどんどん捨てています。 

次に、ニホンザル♂は左上を見上げながら左手で左膝を掻きました。 
このとき、次の移動ルートを思案・検討していたようです。 
最後に、隣接するコナラやスギへと樹間移動を始めました。


【考察】 
コナラの若葉を食べても良さそうなのに、今回のニホンザル♂が口にしなかったのは意外でした。
その代わりに、コナラの葉に付着していた小さな虫を指で丹念に摘み取って食べていました。
捕食した虫の正体を見極められなかったのは残念です。
今思うと、ニホンザルが捨てたコナラの葉を拾って、詳しく調べるべきでしたね。

ひとつ思いついたのは、コナラの葉の表面にできた虫こぶ(虫えい)を食べたのではないかという仮説です。
Perplexity AIに訊いてみると、やや否定的な見解でした。

Q1: 5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はあるか?

A1: はい、5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はいくつか確認されています。代表的なものを以下に挙げます。

5月下旬にコナラの葉で見られる主な虫こぶ

ナラハタイコタマフシ

  • 形成者: ナラハタイコタマバチ(タマバチ科)
  • 形成部位: コナラ、ミズナラ、カシワなどの若葉
  • 形態: 葉の表と裏にほぼ同じくらい隆起し、両方の先端がやや平らになる球形の虫こぶ shizensanpo.seesaa
  • 出現時期: 6月中旬から出現するとされるが、5月下旬頃から形成が始まる可能性あり shokonooniwawamushizukushi

ナラハムレタイコタマフシ

  • 形成者: 不明(タマバチ類と推定)
  • 形成部位: コナラなどの葉
  • 形態: 球形の虫こぶが葉に複数集まって形成される shizensanpo.seesaa

補足

虫こぶ(ゴール)は、タマバエ類・タマバチ類・アブラムシ類などの昆虫やダニが植物組織に寄生し、植物ホルモンの分泌などを介して細胞分裂や形態形成に影響を与えることで形成されます 。コナラでは上記の他にも、ナラメカイメンタマフシ(枝端の芽に生じる)やナラハウラマルタマフシ(葉裏の主脈に生じる)なども報告されていますが、これらは出現時期がやや異なる場合があります 。 shokonooniwawamushizukushi

5月下旬のフィールド調査では、特にナラメリンゴフシが枝先に目立って観察されやすく、ナラハタイコタマフシやナラハムレタイコタマフシも葉裏を中心に確認できる可能性があります。


Q2: ニホンザルが虫こぶを食べることはあるか? 樹上でニホンザルがコナラの若葉をちぎり取って1枚ずつ調べて、何か小さい物を指でつまんで食べていた。虫こぶに含有するタンニンなど忌避物質を嫌って食べないのだとすると、虫こぶではなく虫を捕食していたことになる。


A2: ご指摘の観察は非常に鋭く、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。以下に根拠を整理します。

ニホンザルの食性と昆虫捕食

ニホンザル(Macaca fuscata)は基本的には植物食性が強い雑食動物ですが、昆虫類を積極的に捕食することが広く報告されています。

  • 屋久島のニホンザルでは、年間の採食行動のうち**無脊椎動物およびその他の動物質が10.3%**を占め、昆虫類は重要なタンパク源となっています 。 pubmed.ncbi.nlm.nih
  • 日本全国215論文・49調査地のデータを統合した研究では、136種の動物質を摂食し、そのうち108種が昆虫類であったと報告されています 。 cir.nii.ac
  • 上高地のニホンザル群では、冬季に水生昆虫や魚類を捕食する行動が進化しており、指でつまむ、手ですくう、口で剥ぎ取るなど柔軟な採餌戦略が確認されています 。 tenbou.nies.go
  • 昆虫としては、セミ、バッタ、カブトムシ、サワガニ、カタツムリ、トビケラなど多様な節足動物や軟体動物が摂食対象となります 。 pref.ishikawa.lg

虫こぶ(ゴール)の摂食に関する報告

現時点で、ニホンザルが虫こぶ(ゴール)そのものを積極的に摂食したという報告は文献に見当たりません。これは以下の理由から考えられます。

虫こぶの化学的防御

虫こぶは植物組織の異常発達ですが、タンニンやその他の二次代謝産物(フェノール類など)を高濃度に含有することが多く、多くの草食動物にとって忌避物質として働きます。

  • 虫こぶ内部は幼虫の保護と栄養供給のために特殊化していますが、植物側にとっては「異常組織」であり、防御物質の蓄積部位となる場合があります。
  • 多くの昆虫幼虫は、こうした化学物質に対して耐性を持ち、虫こぶ内部で安全に発育できますが、哺乳類にとっては摂食を抑制する要因となります。

観察行動の解釈

ご観察の「コナラの若葉を1枚ずつ調べ、小さい物を指でつまんで食べていた」という行動は、昆虫幼虫や小型無脊椎動物を探索・捕食する典型的な行動と一致します。

  • ニホンザルは視覚と手指の巧緻性を活かして、葉裏や虫こぶ内部にいる昆虫を効率的に捕獲できます。
  • 5月下旬は、ナラハタイコタマフシやナラメリンゴフシなどの虫こぶ内部にタマバチやタマバエの幼虫が生育している時期であり、タンパク質豊富な餌資源となります。

結論

ご推察の通り、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。ニホンザルは昆虫類を積極的に摂食することが知られており、虫こぶは昆虫幼虫の「隠れ家」かつ「栄養源」として機能していると考えられます。

この観察は、ニホンザルの採餌行動の柔軟性と、季節的なタンパク質獲得戦略を示す重要な事例と言えるでしょう。

2026/09/17

深夜のスギ防風林でタヌキの溜め糞場を横切るホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬・午前1:50頃・気温9℃ 

スギ防風林でホンドタヌキの溜め糞場wbcを見張っているトレイルカメラに、ある日の深夜、ホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)が写っていました。 
キツネは右から左へ横切り、溜め糞場には興味を示しませんでした。
短い登場シーンを1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

監視カメラの至近距離に造網性クモが占座しているようで、赤外線を反射して白飛びしています。 


つづく→

2026/09/16

ニホンカモシカの溜め糞場でオオセンチコガネを初めて見つけた!

 



2025年5月中旬・午前10:30頃・晴れ 

春の里山でカラマツの木の下にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞sr3を定点観察に来ました。 
前回から糞粒は増えておらず、どうやらカモシカは最近来ていないようです。 
本当は現場にトレイルカメラを設置してカモシカが排便に通ってくるか確かめたかったのですが、複数のプロジェクトをあちこちで同時進行しているため、撮影機材が足りませんでした。 

カモシカの焦げ茶色で古い糞粒にオオセンチコガネ(Phelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)が1匹だけ来ていました。 
オオセンチコガネは主に成虫で冬越しするらしく、この個体は無事に越冬できたようです。 
ニホンカモシカの古い糞粒の隙間に頭を突っ込んで静止しています。 
近づいた私を警戒しているのかな?(頭隠して尻隠さず) 
肝心の口元が見えず、獣糞を食べているのか不明です。 

数匹のクロヤマアリ♀?も辺りをうろついています。 
春になって山腹の残雪が溶けると、露出した地面から下草が青々と生え始めました。 
拾った小枝で下草やカモシカの糞粒をかきわけても、他に糞虫は見つかりませんでした。 
このときうっかり触れてしまったオオセンチコガネは、落ち葉の下に潜り込んで隠れました。 


【考察】
この糞粒はかなり古くて乾燥が進み、私の嗅覚では糞便臭も完全に失われていました。
それでもオオセンチコガネはしっかり嗅ぎつけて誘引されたことになります。
当地ではカモシカの溜め糞場に糞虫が全く集まらないことが以前から不思議だったのですが、ようやく発見できて興奮しました。




この問題について以前からブレインストーミングしていたPerplexity AIに今回の新情報を教えてみて、見解を訊いてみました。

Q1: 2025年5月中旬には、同じ里山の別の地点(カラマツ大木の下)に残されたカモシカの古い溜め糞場にて、オオセンチコガネを1匹見つけました。どうやら、これまで私の探し方が不十分だったのかもしれません。それでも、タヌキの溜め糞に比べてカモシカの溜め糞に来る虫が圧倒的に少ないという事実は変わりません。

A1: 

カモシカの糞と糞虫の関係:オオセンチコガネ発見の意義

1. 観察の進展

  • これまで「カモシカの溜め糞には糞虫が全く来ない」と感じていた中で、2025年5月中旬、カラマツ大木下のカモシカの古い溜め糞場でオオセンチコガネを1匹発見したことは、重要な新事実です。
  • この発見は、「カモシカの糞にも糞虫が全く来ない」という仮説を修正し、「非常に少ないが、訪れる個体がいる」ことを示しています。

2. オオセンチコガネの生態的背景

  • オオセンチコガネ(Phelotrupes auratus)は、広範な哺乳類糞を利用することが知られていますが、特にシカやイノシシなどの糞に多く集まる傾向があります。
  • カモシカの糞も利用可能な資源ではあるものの、「選好度」は高くないと考えられます。

3. カモシカ糞とタヌキ糞の比較

  • タヌキの溜め糞にはセンチコガネなどが多数集まり、分解が速やかに進むのに対し、カモシカの糞には糞虫が「非常に少ない」ことは、餌資源としての魅力や誘引力の違いを如実に示しています。
  • カモシカの糞は乾燥しやすく、臭気や水分が少ないため、糞虫にとって「魅力的な餌」ではない可能性が高いです。

4. 観察方法と発見率

  • 今回の発見から、「これまでの観察方法やタイミングによって、糞虫の存在を見逃していた可能性」も示唆されます。
  • 糞虫の活動は季節や天候、糞の鮮度などに大きく左右されるため、多様な条件下での継続的な観察が重要です。

5. 今後の展望

  • 今回の発見を踏まえ、**「カモシカの糞にも少数ながら糞虫が利用している」**という新たな視点で調査を続けることが有意義です。
  • 糞虫の種構成や利用頻度、季節変動などを定量的に記録することで、より正確な生態像が明らかになるでしょう。

まとめ

  • カモシカの糞にも糞虫が全く来ないわけではなく、ごく少数ながら利用する個体が存在することが確認できました。
  • それでも、タヌキや他の哺乳類糞に比べて「圧倒的に少ない」ことは変わらず、餌資源としての魅力や分解サイクルの違いが浮き彫りになっています。
  • 今後も観察を重ねることで、糞虫とカモシカ糞の関係性についてさらに深い理解が得られるはずです。


2026/09/15

スギ防風林の溜め糞場にホンドタヌキ1〜2頭が通って排泄:5月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬

シーン1:5/2(@0:00〜) 
スギ防風林で近所のホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が排泄に通う溜め糞場wbcを自動センサーカメラで見張っています。 
そのうちの1頭は赤外線の暗視カメラで見ると、両目のタペータム(輝板)が失明していて、夜限定で個体識別できます(両親と同居するヘルパー♀h)。 

晩に2頭(片親と両目失明♀h)が同時に来て排便。 


シーン2:5/3(@0:39〜) 
翌日も晩に2頭(片親と両目失明♀h)が続けて来て排便。 

1時間半後に♂が単独で登場。 
クゥーン♪と甲高い声で鳴きました。 
立ち去る際に右後脚を上げながら林床の下草に排尿マーキングしたように思ったのですけど、改めて見直すといまいち自信がありません。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:07〜) 


シーン3:5/4(@2:20〜) 
小雨が降る未明にタヌキが単独で登場。 
溜め糞場WBCには立ち寄らず、右から左へ横切りました。 
後ろ姿だったので、タペータムの反射の有無が不明です。 

昼前にも単独タヌキが排便に来ていました。 
クゥーン♪とか細く鳴いて右上奥に立ち去りました。 


シーン4:5/5(@3:05〜) 
晩にタヌキが溜め糞場WBCを左から右へ横切りました。 
タペータムが光っているかどうか、横顔ではよく見えません。 
監視カメラの死角から、 クゥーン♪というタヌキの鳴き声が2回聞こえました。 


シーン5:5/7(@3:32〜) 
明るく晴れた日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
溜め糞が少し増えて(大きくなって)います。 


シーン6:5/8(@3:35〜) 
未明に2頭のタヌキが続けて登場。 
両目失明個体♀hが先行して排便。 
後続の健常個体(親タヌキ)はその横を素通りしました。 

53分後に健常個体が単独で右から来たものの、溜め糞場を素通り。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音やタヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
これまでは1〜3頭のタヌキが溜め糞場WBCに来ていました。 
今回は3頭が同時に登場することはなく、多くても2頭でした。 
しかも、そのうち1頭が両目失明個体♀hです。 
一素人の想像ですが、この時期(5月上旬)はもしかすると、母親♀タヌキは休耕地の巣穴に籠もって出産・授乳に専念しているのかもしれません。 
だとすれば、両目失明のヘルパー♀と行動を共にしているのは父親♂タヌキではないかと想像しています。 


2026/09/14

スギ防風林でタヌキの溜め糞場を跳び越えるニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬

シーン0:4/30・午後16:04・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
スギ防風林でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の通う溜め糞場WBCを自動撮影カメラで見張っています。 
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/2・午後18:48・雨天(@0:05〜) 
雨が降る晩に、両目の輝板(タペータム)を失明したタヌキが排便後に来てから5分後に、左からアナグマ♂がやって来ました。 
タヌキとアナグマがニアミスしたシーンが撮れないかと期待しているのですけど、互いに遠慮して溜め糞場に来る時間を微妙にずらしているようです。

溜め糞場WBCで左を向いて腰を少しだけ屈めたので、排尿マーキングしたかもしれません。 (気のせい?)
ノソノソ歩いてスギの手前を通り、獣道を通って右へ立ち去りました。 


シーン2:5/7・午後14:53・くもり・気温24℃(@0:28〜) 
5日後の昼間の様子です。 


シーン3:5/8・午後20:26・気温11℃(@0:31〜) 
晩に登場したアナグマが、右から左へピョンピョンと跳ねるように横切りました。 
タヌキの溜め糞場WBCを跳び越えて素通りする様子を、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
動きが早くて、アナグマの性別をしっかり見分けられませんでした。


つづく→

2026/09/12

春の果樹園でリンゴの落果を食べ漁るニホンザルの群れ

 

2025年4月中旬・午前10:15頃・くもり 

春になって雪が溶けた山麓の果樹園には、リンゴの樹の下に大量の落果が散乱していました。 
リンゴの落果を目当てにニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが集まっています。 
果樹園に散開したニホンザルが、リンゴの落果を次々に拾い食いしています。 
我々の感覚ではもったいのですが、猿はリンゴ果実を完食しません。 
食べかけを惜しげもなく捨てて、次の落果を物色しています。 
地面にめり込んだ落果を手で拾いにくいときには、口で直接噛み付いて食べることもありました。 
拾ったリンゴを持ち去る個体も居ます。 
群れには黒い首輪を装着した個体(成獣)が複数混じっていました。 
後半には若い白猿(アルビノまたは白変種)もちらっと登場します。 




【考察】 
この時期、ニホンザルが排泄する糞にはリンゴの種子が含まれているはずです。
つまり、猿はリンゴの種子散布に貢献していることになります。

売り物にならなかった落果(農業残渣)をリンゴ園に放置してあるのは、獣害対策する上でかなりまずいのですが、このまま緑肥にするのでしょうか? 
これでは猿に餌付けしているのと同じで、農業被害が出てから猿を撃ち殺したり追い払おうとしても手遅れです。 
大量の落果を埋めたり片付けたりする作業が面倒なら、その場ですべて潰したり粉砕したりしてしまえば、ニホンザルは食べられなくなりますし、早く腐って緑肥になりそうです。
どちらが手間か分かりませんが、ひとつのアイデアとして、いかがでしょうか?

春はまだ果樹園を電気柵で囲っていないので、野生動物は自由に出入りできてしまいます。 
豪雪地帯の当地では、秋の収穫期が終わると電気柵や支柱が積雪で押し潰されて壊れないように撤去してしまいます。 
道端に設置された頑丈なガードレールですら、雪に埋もれると雪圧でグニャグニャに曲がってしまい、毎年交換するのに莫大な経費がかかっています。 
冬も設置したままにできる、強度が高くて壊れない電気柵を開発できれば良いのですが、莫大なコストをリンゴ農家は回収できるでしょうか?
(自治体などが補助金で支援することになるでしょう。) 

リンゴ農家は高齢化と人手不足が深刻です。 
春になると、冬季に折れた枝を伐採、剪定する作業で忙しいようで、猿害対策まで手が回らないのでしょう。 
ニホンザル・ウォッチャーの私が、猿害に悩む地元のリンゴ農家に提言するとしたら、僭越ながら次の二点(どちらかまたは両方)です。 
  • 雪が溶けたらすぐに電気柵を再設置する。 
  • リンゴの落果(農業残渣)を放置しない。 
餌がなければ、ニホンザルは里に現れなくなります。 


【余談:野ネズミ対策のツリーガードについて】
動画を見直していたら、果樹園でリンゴ苗木の細い幹の根元に黄色いビニールシートが荒縄で巻かれているのが気になりました。 
映像を見ると、1本だけではありません。 





私は初め、「こも巻き」なのかと推測しました。
庭木の幹に冬の間ワラなどを巻き付けておき、春に取り外して、裏側に隠れて越冬していた害虫を一網打尽に駆除する工夫のことです。
Perplexity AIに訊いてみると、謎が解けました。

Q1: 雪国のリンゴ園で細い灌木の幹の根元にビニールシートが巻かれていた。地面から高さ1m弱ぐらいまで。少なくとも4月中旬の時点ではまだ取り外されていなかった。(果樹農家が忙しくて取り外せていないのかも。)

A1: そのケースは、**「越冬害虫の誘引・駆除」ではなく、雪国特有の「ネズミ類(ハタネズミ・野ネズミなど)による樹皮食害(ギルドリング;girdling)防止」**である可能性が非常に高いです。 ag.purdue

雪国のリンゴ園で幹根元にビニールを巻く理由

1. 狙っているのは「害虫」ではなく「小型哺乳類」

  • 冬、雪に覆われると、**ハタネズミ(vole)**や野ネズミは雪の下(subnivean zone)を移動し、他の餌がなくなる中で果樹の樹皮を剥いで食べます。 wildlife-damage-management.extension
  • リンゴなど落葉果樹では、幹の根元〜地表付近の樹皮を一周食べられる「ギルドリング」を受けると、樹液の流れが遮断されて枯死したり、著しく衰弱します。 mapleleavesforever
  • これを防ぐため、地表から雪の高さを超える位置まで(1 m弱は典型的)、プラスチック製のツリーガードやビニールシートを筒状に巻いて物理的に遮断します。 vermontpublic

2. 4月中旬でも外れていない理由

  • 本来は春(雪が溶け、ネズミの活動様式が変わる頃)に外すのが推奨されています。 vermontpublic
  • しかし雪国では:
    • 雪解けが遅く、まだ雪囲いや防獣対策が残っている。
    • 果樹農家が繁忙期(剪定・施肥・防除準備など)で、一つ一つ外す手間が追いついていない。
    • 一部は「春も念のため残す」または「夏に害虫を呼び込まないよう早めに外す」の判断が園主によって異なる。
  • 海外のガイドでも「春に必ず外す」と注意喚起されています。外し忘れると、通気不良で樹皮が傷んだり、逆に害虫が潜む場所になるリスクがあるためです。 hardwickgazette

こも巻きとの違い

特徴 こも巻き(菰巻き) 雪国の幹根元ビニール巻き
対象 越冬昆虫(マツケムシなど) ネズミ類(vole, mouse, rabbit)
目的 害虫を誘い込んで捕殺 樹皮食害を物理的に遮断
設置位置 幹の中〜上部(1.2–1.5 m) 地表〜雪の高さ(0.5–1 m 以上)
素材 稲わら・菰 プラスチックシート・メッシュ
除去時期 春(3月頃)に害虫ごと処分 春(雪解け後)に外す

補足:他の可能性

ごく一部の園では、株元の地温上昇・乾燥防止・雑草抑制を目的にビニールマルチを併用することもありますが、これは「地面を覆う」のが主で、幹を1 m近く巻く形態とは異なります。 nabunken.go

したがって、「雪国+リンゴ+幹根元1 m弱+4月中旬も残存」という組み合わせからすると、ほぼ間違いなくネズミ類の食害防止が主目的です。 wildlife-damage-management.extension


Q2: そのビニールシートはツリーガード専用の商品ではなく、薄い黄色で、肥料など何か別の農業用品が入っていた大きなビニール袋を再利用していた。 

A2: その観察からすると、「ネズミ類の食害防止」+「凍寒害(凍害)対策」の両方を狙って、肥料袋を再利用している可能性が最も高いです。 pref.yamanashi

雪国の果樹園で肥料袋を幹に巻く理由

1. 凍寒害(凍害)対策として

  • 山梨県や新潟県などの雪国向け技術資料では、**「凍寒害対策として、肥料袋等を主幹部分に巻き付け樹体を保護する」**と明記されています。 pref.yamanashi
  • 特に幼木や細い幹は、冬期の急激な温度変化(日中の日射による昇温と夜間の放射冷却)で樹皮が凍結・解凍を繰り返し、裂傷(凍裂)を起こしやすいです。 pref.iwate
  • 肥料袋のような光を通さない厚みのある素材を巻くことで、日中の過度な昇温を抑え、夜間の冷却も緩やかにして「温度較差」を小さくし、凍害を軽減します。 ja-irumano.or

2. ネズミ類の食害防止としても機能

  • 秋田県の野ネズミ防止対策では、**「ビニール(厚さ0.1mm以上)などで地上約1 mまで被覆する」**ことが推奨されています。 pref.akita.lg
  • 肥料袋を縦に切って筒状にしたり、複数枚を重ねて縄で縛れば、簡易的なツリーガードとしてネズミの樹皮食害を防げます。 pref.akita.lg
  • 雪国では、専用のプラスチックプロテクターを買うコストを節約するため、肥料袋や資材袋を再利用する農家が少なくありません。 pref.yamanashi

3. 黄色い薄いビニール袋の正体

  • 農業現場でよく使われる黄色い薄いビニール袋は、肥料(特に粒状肥料や有機質肥料)の包装袋です。
  • これを:
    • 上下を切り開いて筒状にする
    • 幹に巻き付けて縄やテープで留める
    • 複数枚重ねて厚みを出す
      ことで、防寒・防獣の両用にしています。 ja-irumano.or

4月中旬でも外れていない理由(再確認)

  • 本来は3月下旬〜4月上旬(凍害の恐れがなくなり、雪解けが進む頃)に外すのが推奨ですが、 ja-irumano.or
  • 雪国では:
    • 雪解けが遅く、まだ夜間の冷え込みが残る
    • 春先の「遅霜・逆戻り寒波」で凍害リスクが残る
    • 農家が繁忙期で一つ一つ外す手が回っていない
  • といった事情で、4月中旬でも残っていることは珍しくありません。 ja-irumano.or

こも巻き・害虫駆除との関係は?

このケースでは、越冬害虫を誘い込んで駆除する目的はほぼありません。

  • 素材が通気性の悪いビニール袋なので、害虫が好んで潜り込む環境にはなりにくい。
  • 設置位置が「根元〜1 m弱」で、ネズミの食害高さ帯と一致。 pref.akita.lg
  • 雪国向けの技術資料で「肥料袋を巻く」事例は、すべて凍害・雪害・ネズミ対策として記載されており、害虫駆除としては言及されていない。 pref.yamanashi

したがって、**「雪国特有の凍害+ネズミ食害を防ぐための、肥料袋再利用の簡易プロテクター」**と解釈するのが最も妥当です。 pref.yamanashi


Q3: 当地は雪国の豪雪地帯なので、山麓にあるリンゴ園では、積雪がゆうに1mを越えます。つまり、前述のビニールシートを巻いた部分は深い雪の下に埋もれているはずです。それでも野ネズミ対策が必要なのか? 晴れれば木の根元を中心に丸く雪解けが進みます(根開き)から、根元から必要以上に高くビニールシートを巻く必要がないのかも。

A3: はい、それでも必要です。 むしろ「積雪1 mを超える豪雪地帯」こそ、野ネズミ(ハタネズミ類)による食害が最も深刻になる環境です。 bioone

雪の下(subnivean zone)がネズミの「絶好の活動舞台」になる

1. 雪の下はネズミにとって安全なトンネル空間

  • 深い積雪があると、雪と地面の間に「雪下空間(subnivean zone)」 が形成されます。 bioone
  • ここは:
    • 外気より温度が安定(0℃前後で凍結しない)
    • 風や猛禽類・キツネなどの捕食者から隠れられる
    • 雪が屋根代わりになって移動トンネルになる
  • 結果として、ネズミは雪の下で活発に移動・採食・繁殖します。 bioone

2. 豪雪地帯のネズミは「冬も繁殖」し、リンゴを主食に

  • 青森など深積雪地域のリンゴ園で日本フィールドマウス(Alexandromys montebelli)の糞をDNA解析した研究では、冬期に個体数が増加し、リンゴ樹(台木・根・樹皮)を主要な餌源にしていることが確認されています。 bioone
  • 特に3〜4月(雪解け前後)は、草本類が減り、リンゴ樹のさまざまな部位が主食になります。 bioone
  • つまり「雪に埋もれているから安全」ではなく、**「雪に埋もれている部分こそ、ネズミが集中して食べる」**のです。 bioone

なぜ「地上1 m以上」まで被覆するのか?

秋田県や青森県の技術資料では、**「地上1 m位の高さまで(積雪の多い所ではさらに上まで)」**と明記されています。 hro.or

  • 理由:
    1. 最大積雪深まで届くようにするため。1 mを超える地域では「さらに上まで」が必要です。 hro.or
    2. 雪が締まって沈降したり、風で飛ばされたりすると、被覆の上端が雪面より下になり、ネズミが上から回り込むリスクがある。 hro.or
    3. 春先の雪解けで幹周りに隙間ができると、ネズミが侵入しやすくなるため、消雪後まで被覆を継続します。 agrin

肥料袋を巻くことの意義(豪雪地帯版)

  • 専用プロテクターが高価な大規模園では、**肥料袋を筒状に加工して「簡易ツリーガード」**として再利用します。
  • 雪に埋もれても:
    • 物理的に樹皮を覆っていれば、ネズミが直接噛みつけなくなる。 hro.or
    • 凍害対策(日射・放射冷却による温度較差の緩和)も同時に果たす。
  • 4月中旬でも外れていないのは、**「消雪が遅い+春先の遅霜・逆戻り寒波+繁忙期で手が回らない」**の複合要因です。 agrin

結論

「積雪1 m超=雪の下に埋もれているからネズミ対策不要」ではなく、**「雪の下こそネズミの絶好の活動圏なので、最大積雪深まで被覆が必要」**というのが、豪雪地帯のリンゴ園の共通認識です。 bioone

したがって、山麓のリンゴ園で肥料袋を根元〜1 m弱まで巻いているのは、野ネズミの雪下食害を防ぐための、コスト節約型の合理的な対策と言えます。 nounavi-aomori


Q4: 4月中旬のリンゴ園は積雪が完全に溶けていて、野生のニホンザルがリンゴの落果を拾い食いしていた。餌が極端に少ない厳冬期には、ニホンザルが木の樹皮を剥いで食べることが知られているが、冬の果樹園では猿害対策しないのか? 前述のツリーガードではニホンザルに対して防除効果がありません。

A4: ご指摘の通り、ニホンザルに対しては、幹に巻くツリーガード(ネズミ対策)はほぼ無効です。 一方で、豪雪地帯のリンゴ園では「冬も猿害対策をしない」のではなく、**「冬期は雪と電気柵で事実上封じられている」または「冬期は猿害が相対的に少ないので優先度が低い」**という事情があります。 pref.gifu.lg

1. ニホンザルは木を登るため、幹巻きでは防げない

  • サル対策のマニュアルでは、**「サルは木を登ることができるため、シカやイノシシ用の防護柵(幹巻きや単なる金網)では防ぎきれない」**と明記されています。 pref.gifu.lg
  • 有効なのは:
    • 電気柵(ネット型・複合柵):高さ2 m程度、上部に通電線、地面に隙間を作らない。 pref.gifu.lg
    • 5面張り柵(天井付き):上から被さって侵入を防ぐ。 pref.gifu.lg
    • 有刺鉄板・忍び返し:木や支柱を伝って登らせない。 farmage.co

2. 豪雪地帯では「冬期の猿害」が相対的に少ない理由

(1)雪が物理的なバリアになる

  • 積雪1 m超の環境では:
    • サルが園地に侵入するには、深い雪の中を移動する必要がある。 ringodaigaku
    • 樹冠下部は雪に埋もれ、樹皮にアクセスしにくい。
    • サル自身の移動コストが高く、雪の少ない地域や南向き斜面に集中する傾向がある。 pref.aomori.lg

(2)冬期の餌選択:樹皮より「残果・貯蔵果」が狙われやすい

  • 厳冬期でも、園内に落果や取り残しの果実があれば、サルはそれを優先して食べます。 pref.yamanashi
  • 樹皮剥ぎは、**「果実が全くない+雪が少なく移動しやすい」**条件で起こりやすく、豪雪地帯では頻度が低くなります。 maff.go

(3)電気柵は冬も通電したままの場合が多い

  • 多くの園では、電気柵を年間通じて設置・通電しています。 pref.iwate
  • 冬期も:
    • 柵線の草刈り・漏電チェックは減るが、通電は継続。 pref.kochi.lg
    • 雪で柵下部が埋まっても、上部の通電線は機能し、サルが越えようとした時点でショックを与える。 pref.fukushima.lg

3. なぜ「冬も猿害対策しない」ように見えるのか

(1)優先順位の問題

  • 豪雪地帯の冬期作業は:
    • 雪下ろし・枝の掘り上げ・雪害対策が最優先。 ringodaigaku
    • ネズミ対策(殺そ剤・幹巻き)は必須だが、猿害対策は「電気柵が既に設置済み」なので追加作業が少ない。 pref.iwate

(2)冬期の猿害は「園外」で起こりやすい

  • サルは雪の少ない山裾・南向き斜面・集落付近に移動し、ミカン・柿・貯蔵果実を狙います。 ja-nakanoshi.iijan.or
  • 山麓のリンゴ園は、冬期には人間活動が減り、サルも雪深い園地より住みやすい地域へ移動するため、被害報告が相対的に少なくなります。 pref.aomori.lg

(3)春先の「落果拾い食い」は、冬期の樹皮食害とは別問題

  • 4月中旬の落果拾い食いは、冬期の飢餓状態ではなく、春の移動・採餌行動の一環です。
  • この時期は:
    • 雪が溶けて園地がアクセス可能になる。
    • サルが餌を探して移動する。
    • 落果が残っていれば、それを優先して食べる。
  • 樹皮剥ぎは、**「冬期の極端な餌不足+雪が少ない」**条件で起こるため、豪雪地帯では頻度が低いです。 maff.go

4. 実際の対策:冬も猿害を想定する場合

雪国でも、過去に冬期の樹皮食害があった園では、以下のような追加対策をします。

  • 電気柵の冬期管理:
    • 通電を継続し、漏電チェックを月1回以上。 pref.kochi.lg
    • 雪で柵下部が埋まらないよう、柵周りの雪踏み・除雪を定期的に行う。 pref.yamanashi
  • 園内の清掃:
    • 秋に落果・残果を完全に除去し、冬の餌源を断つ。 maff.go
  • 有刺鉄板・忍び返し:
    • 園地周囲の木や支柱に有刺鉄板を巻き、サルが木を伝って侵入できないようにする。 farmage.co

結論

  • 幹に巻くツリーガードは、ネズミ対策には有効でも、サルには無効です。 pref.gifu.lg
  • 豪雪地帯では、**「雪そのものが物理的バリア」+「電気柵が年間通電」+「冬期の猿害が相対的に少ない」**ため、冬も追加の猿害対策をしない園が多いです。 pref.aomori.lg
  • ただし、「冬も猿害が発生する園」では、電気柵の冬期管理・園内清掃・有刺鉄板などの追加対策を実施しています。 tamenteki-yamaguchi

したがって、4月中旬にサルが落果を拾い食いしていたのは、**「冬期の樹皮食害対策とは別次元の問題」であり、園主が「冬も猿害対策をしていない」わけではなく、「電気柵などで既に対策済み+冬期は優先度が低い」**と解釈するのが妥当です。 tamenteki-yamaguchi


Q5: 冬の雪圧から庭木を物理的に守る伝統的な「雪囲い」は昔から知っていたが、ツリーガードの話は初めて知った。

A5: それは非常に興味深いご指摘です。「雪囲い」と「ツリーガード」は、目的も歴史も全く異なる別物の対策で、実は日本では「雪囲い」の方が圧倒的に古くから知られていますが、「ツリーガード(ネズミ対策)」は、海外の園芸文化から比較的新しく入ってきた概念です。 yardandgarden.extension.iastate

1. 「雪囲い」と「ツリーガード」の根本的な違い

特徴 雪囲い(ゆきがこい) ツリーガード(tree guard)
目的 雪の重みで枝が折れるのを防ぐ(物理的保護) ネズミ・ウサギ・シカによる樹皮食害を防ぐ(生物的防除)
対象 樹冠・枝全体 幹の根元〜地表付近
素材 竹・縄・木枠・ネット 金網・プラスチック・不織布・ビニール
設置時期 初冬(降雪前) 晩秋(根雪前)
除去時期 春(融雪後) 春(3月〜、ネズミ活動開始前)
歴史 日本では江戸時代以前から(大名庭園・寺社) 欧米では19世紀〜、日本では戦後〜近年普及
文化的位置づけ 日本庭園の「冬の風物詩」、景観的価値 実用的な園芸資材、景観的価値は低い

2. なぜ「雪囲い」は有名で、「ツリーガード」は知られていないのか?

(1)雪囲いは「目に見える」景観文化

  • 雪囲いは、樹木全体を縄や竹で囲むため、遠くからでも目立ち、「冬の日本庭園」の象徴として写真・観光・メディアで頻繁に取り上げられます。
  • 兼六園(金沢)の「雪吊り」は、日本三名園の冬の風物詩として全国的に有名です。

(2)ツリーガードは「地味で目立たない」実用対策

  • ツリーガードは、幹の根元だけを覆うため、遠くからは見えにくく、景観的価値がほとんどありません。 yardandgarden.extension.iastate
  • 果樹園や家庭の庭で使われていても、「肥料袋が巻いてある」程度で、観光客や一般の人は気づきません。 canr.msu

(3)日本では「ネズミの樹皮食害」が長年軽視されてきた

  • 日本では、**「ネズミ=米や家屋を荒らすもの」という認識が強く、「庭木の幹を食べる」**という発想があまりありませんでした。 canr.msu
  • 一方、欧米(特に北米・北欧)では、「冬にハタネズミが果樹・庭木を枯死させる」という被害が古くから深刻で、「冬前にツリーガードを巻く」が園芸の常識として定着しました。 yardandgarden.extension.iastate

(4)日本の園芸教育・メディアでの扱い

  • 日本の園芸本・テレビ番組では、「雪囲い・雪吊り」は必ず紹介されるが、「ツリーガード」はほとんど言及されないのが実情です。
  • 近年、**「北海道で庭木がネズミに食べられた」というブログや、「果樹園で肥料袋を巻いている」**という事例が徐々に広まり、認知され始めています。 canr.msu

3. 日本での「ツリーガード」の普及状況

(1)果樹園では「常識」になりつつある

  • 青森・秋田・長野などのリンゴ産地では、**「冬前に幹に金網やビニールを巻く」**のが、ネズミ対策の標準技術として普及しています。
  • JAや県の技術資料でも、**「地際〜地上1 mまで金網で覆う」**と明記されています。

(2)家庭園芸では「まだ珍しい」

  • 楽天市場などで**「ツリーガード」「樹木保護カバー」が販売され始めていますが、「雪囲い」に比べると圧倒的に認知度が低い**です。
  • 家庭で使われるのは、**「アルミホイルを巻く」「段ボールで囲む」といった即席対策が多く、「専用のツリーガードを買う」**という発想はまだ一般的ではありません。 canr.msu

(3)雪国では「雪囲い+ツリーガード」の併用が増加

  • 北海道や東北の園芸愛好家の間では、**「雪囲いで枝を守り、ツリーガードで幹を守る」という「二重対策」**が徐々に広まっています。 canr.msu
  • 特に、**「高価な庭木・シンボルツリー」**を守るために、両方を併用するケースが増えています。 wildlife-damage-management.extension

4. なぜ今、「ツリーガード」の認知が必要なのか?

(1)気候変動で「雪の下」の環境が変化

  • 近年、**「雪は多いが、雪質が重い(湿雪)」という年が増え、「雪の下でネズミが活動しやすい」**環境になっています。
  • 従来の「雪囲いだけ」では、**「幹の根元が雪の下で食べられる」**という被害が増加しています。 canr.msu

(2)都市部でもネズミ被害が増加

  • 都市部の公園・街路樹でも、**「ハタネズミが冬に樹皮を剥ぐ」**という報告が増えています。 wildlife-damage-management.extension
  • **「雪がないから大丈夫」と思っても、「冬に乾燥した樹皮を好んで食べる」**という生態が明らかになっています。 yardandgarden.extension.iastate

(3)家庭園芸の「冬支度」の概念が変わりつつある

  • 従来の「雪囲い・防寒」だけでなく、**「生物的防除(ネズミ・昆虫)」**も冬支度の一部として認識され始めています。 yardandgarden.extension.iastate
  • **「春に外す」「通気性を確保する」**といった、ツリーガードの適切な使い方も、園芸メディアで徐々に紹介されています。 arborjet

5. まとめ:「雪囲い」と「ツリーガード」は補完関係

  • 雪囲い:「雪の重みから枝を守る」(物理的保護)
  • ツリーガード:「ネズミから幹を守る」(生物的防除)

この2つは、「冬の庭木を守る」ために、全く異なる角度から補完する対策です。 yardandgarden.extension.iastate

日本では、「雪囲い」は古くから文化として定着していますが、「ツリーガード」は、気候変動やネズミ被害の増加を背景に、これから普及していく可能性が高いです。 canr.msu

ご指摘の通り、「ツリーガードの話を初めて知った」という方は、日本ではまだ多数派だと思われます。しかし、「雪国で庭木を育てる」以上、今後ますます重要な知識になるでしょう。 canr.msu


Q6: 太い成木になったら、ツリーガードが不要になるのはなぜか?

A6: 太い成木になったらツリーガードが不要になる主な理由は、**「樹皮の厚さ・硬さ」「ギルドリング(一周食べ)のリスク低下」「ネズミの嗜好性」**の3点です。 tidcf.nrcan.gc

1. 樹皮が厚く硬くなり、物理的に食べにくくなる

幼木 vs 成木の樹皮の構造

  • 幼木(苗木〜若木):

    • 樹皮が薄く(1–2 mm)、柔らかい。 apps.dtic
    • ネズミの小さな歯でも簡単に噛み切れる。
    • 内側の師部(養分を運ぶ組織)や形成層まで容易に到達できる。 apps.dtic
  • 成木(太い幹):

    • 外樹皮(コルク層)が厚く(5–20 mm以上)、硬く発達する。 hro.or
    • ネズミの歯では外樹皮を貫通するのが困難。 hro.or
    • 仮に外樹皮をかじっても、生きている内樹皮(師部・形成層)に到達できないことが多い。 trees.umn

樹皮成分の変化

  • 成長に伴い、樹皮に含まれるタンニン・樹脂・精油成分が増加し、**ネズミにとって「まずい・消化しにくい」**味になる。 hro.or
  • 例えばカラマツ属では、**エーテル可溶性成分(ジテルペノイド類)**が多い樹種ほどネズミに食われにくい。 hro.or

2. ギルドリング(幹を一周食べ)のリスクが激減

ギルドリングとは

  • ネズミが幹の樹皮を環状に一周食べ尽くすと、根から葉への養分・水分の流れが遮断され、木が枯死する。 assets.publishing.service.gov
  • 幼木では、幹径が小さい(2–4 cm)ため、数時間で一周食べられてしまう。 assets.publishing.service.gov

成木では「一周食べ」が事実上不可能

  • 幹径が太くなると(5 cm以上〜):
    • 一周の長さが長くなり、ネズミが食べ尽くすのに膨大な時間と労力が必要。 aomori-itc.or
    • ネズミは**「部分的な樹皮剥ぎ」にとどまり、「致命的なギルドリング」には至りにくい**。 aomori-itc.or
  • 青森県のヒバ造林地の調査では:
    • 根元直径30–35 mm未満で被害が最大。
    • 45 mm以上になると、被害は「軽い部分的食害」のみ。 aomori-itc.or

3. ネズミの「嗜好性」と「採餌効率」

ネズミは「効率的な餌」を選ぶ

  • ハタネズミ類は、**「最小の労力で最大の栄養」**を得られる餌を優先します。 tidcf.nrcan.gc
  • 幼木:
    • 樹皮が薄く、短時間で内樹皮に到達できる。
    • 幹が細く、一周食べれば即座に枯死し、長期の餌場になる。 assets.publishing.service.gov
  • 成木:
    • 樹皮が厚く、食べるのに時間がかかる。
    • 部分的に食べても木は枯れず、持続的な餌場にならない。 hro.or

成木では「他の餌」を優先

  • 冬期でも、成木の周囲に落葉・草本・種子・根があれば、ネズミはそれらを優先して食べ、「硬い樹皮」を避ける傾向があります。 tidcf.nrcan.gc
  • 餌が極端に不足した年(豪雪で春が遅い等)でも、「柔らかい幼木」が先に狙われ、成木は後回しになります。 aomori-itc.or

4. 統計的証拠:被害が「若齢林」に集中

造林地での調査結果

  • 北海道のカラマツ林では:
    • 高齢林(太い成木)の枯死率は、若齢林(幼木)に比べて著しく低い。 hro.or
    • 理由:「太い木ほど全周にわたってかじられる頻度が少ない」。 hro.or
  • 青森県のヒバ造林地:
    • 樹高1.9 m以上、根元直径45 mm以上では、被害は「少数の軽い食害」のみ。 aomori-itc.or

天然林での「自然選抜」

  • 天然林では、「幼い時期にネズミに食べられた弱い木」が淘汰され、「ネズミに強い木」だけが成木に成長します。 hro.or
  • 結果として、**「成木=ネズミ被害に強い個体」**というバイアスがかかります。 hro.or

5. 例外:成木でもツリーガードが必要な場合

ただし、以下のような状況では、成木でもツリーガード(または代替対策)が必要です。

(1)ネズミ密度が異常に高い年

  • 大発生年(3–4年周期)では、**「餌が不足して硬い樹皮も食べる」**ことがあります。 ameblo
  • 特に豪雪で春が遅い年は、ネズミの空腹期間が長引き、成木でも被害が増加します。 aomori-itc.or

(2)樹種によって樹皮が柔らかいまま

  • サクラ・カエデ・シラカバなど、成木でも樹皮が比較的薄い・柔らかい樹種は、被害リスクが残ります。 assets.publishing.service.gov
  • 一方、スギ・ヒノキ・マツなど、樹脂・精油が多い樹種は、成木になるとほぼ無被害。 hro.or

(3)部分的な食害が「病気・腐朽」を招く場合

  • 成木でも、**「樹皮を剥がれた部分から病原菌が侵入」し、「腐朽・枝枯れ」**を引き起こすことがあります。 apps.dtic
  • 高価な庭木・景観樹では、「外観の損傷」自体を防ぐために、成木でもプロテクターを巻くことがあります。

結論

太い成木でツリーガードが不要になるのは、主に以下の理由です。 tidcf.nrcan.gc

  1. 樹皮が厚く硬くなり、ネズミの歯では内樹皮に到達しにくい。 hro.or
  2. 幹が太く、ギルドリング(一周食べ)が事実上不可能になる。 aomori-itc.or
  3. ネズミが「効率的な餌(幼木・草本・種子)」を優先し、成木の硬い樹皮を避ける。 tidcf.nrcan.gc

ただし、**「ネズミ大発生年」「柔らかい樹皮の樹種」「高価な庭木」**では、成木でも対策を継続する価値があります。 aomori-itc.or




2026/09/11

ジムグリの死骸をホンドタヌキの溜め糞場に給餌してみてると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月下旬〜5月上旬

シーン0:4/30(@0:00〜) 
ドラッグストア郊外店の広い駐車場で、ヘビの死骸を見つけました。
白っぽい腹面を上に向けて舗装路に横たわっていました。 
損傷が激しく、頭部が完全に失われていた他、尻尾の先も千切れかけています。 
駐車場で車に轢き殺された(ロードキル)とは限らず、カラスやトビなどのスカベンジャーが他所から死骸を運んできた可能性もありそうです。

ビニール袋に入れて死骸を採集しました。 
死後硬直はなく、手に持つとぐったりしていました。 
ハエなどが集まって来ていなかったこともあり、死んでからまだそれほど時間が経過していないようです。


裏返して背面も調べると、ヘビの種類はジムグリ(Elaphe conspicillata) でした。
街なかによく出没する種類ではないので、やはり他所から持ち込まれた死骸のような気がします。

関連記事(2年前の撮影)▶ 


シーン1:4/30・午後16:04・晴れ(@0:03〜) 
スギ防風林にあるホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場WBCまでジムグリの死骸を持ってきて林床(スギ落ち葉の上)に置きました。
死骸を採集してから5時間以上も経っていたので、死後硬直が進んでいました。
採寸のため、15センチの定規を並べて写真に撮りました。
ここには複数のタヌキが頻繁に通って来ることが分かっています。
雑食性でスカベンジャーとしても知られるタヌキがヘビの死骸を見つけたときの反応をトレイルカメラで記録しようという企みです。
本当は、溜め糞場から離れた獣道で給餌実験をすべきなのですけど、少ない撮影機材でやり繰りしているので仕方がありません。
なるべく夕方に近い時間に給餌したのは、昼間にカラスが死骸を見つけて食べてしまうと困るからです。


シーン2:4/30・午後18:44・気温10℃(@0:22〜) 日の入り時刻は午後18:32。
日没直後の晩に、早速2頭のホンドタヌキが連れ立って溜め糞場WBCに現れました。
近くにある休耕地の巣穴から排便に来たようです。

珍しく先に到着していた両目失明個体(ヘルパー♀h)がヘビの死臭を嗅ぎつけ、頭部のない死骸の首付近を咥えて持ち上げました。
そのままズルズルとひきずるように獲物を持って少し右に移動。
2番目に来た親タヌキ(♀?)がそれに気づくと、近づいて分け前を要求しました。
このとき餌乞いの鳴き声などは発しませんでした。 
ヘビの反対側の端を咥えると、親子2頭で綱引きのように引っ張り合いを始めました。 
そのまま蛇を引き千切るかと思いきや、立場の弱いヘルパー♀hがあっさり諦めて口を離したので、激しい争奪戦にはなりませんでした。
ジムグリ死骸の匂いを嗅いだり舐めたりしてから、親タヌキはヘビ死骸の太い端(前側)を咥えて奥に持ち去りました。 
林床の少し離れた地点まで運ぶと、蛇の死骸を独り占めで食べ始めました。

せっかく先に見つけた 獲物を奪われた両目失明個体(ヘルパー♀h)は抵抗も抗議もしませんでした。
タヌキにとって、ヘビの死骸は争奪戦するほどの魅力がない餌なのかな?  
その場で未練がましくスギ落葉に付いた残り香を嗅いだりしています。 

最後3番目に来た親タヌキ(♂?)は、溜め糞場wbcで排便もしないで、ぼんやり佇んでいるだけです。

重要なシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:24〜2:21) 


シーン3:4/30・午後18:46(@2:22〜)
ヘビの死骸を持ち去った親タヌキa(♀?)がさらに奥に移動していて、食べ続けています。 
(完食しなかったことが後に判明します。)

その間に、両目失明個体が溜め糞場で排便しました。
もう1頭の親タヌキb(♂?)はパートナーに分け前を要求することなく、少し離れたまま林床の匂いを嗅ぎ回っています。 
ジムグリ死骸の残り香が気になるようです。 

脱糞シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@3:22〜) 


シーン4:4/30・午後19:06・気温11℃(@4:23〜)
約20分後、奥の林床にヘビの死骸が放置されているようです。
単独行動のタヌキが溜め糞場を素通りして奥へ歩き去りました。 

やがて別個体が手前から登場しました。 
林床の匂いを嗅ぎながら奥へ歩いて行きます。
2頭とも後ろ姿なのでタペータム(輝板)が見えず、個体識別が出来ません。 



シーン5:5/1・午前4:20・気温2℃(@4:53〜) 日の出時刻は午前4:40。
監視カメラが次に起動したのは日の出直前です。
スギ林床の赤丸で囲んだ位置にヘビの死骸がなぜか突然出現していました。
何者かがここに運んできたシーンが撮れていないことになります。 
シデムシなど腐肉食性の昆虫が死骸を埋葬するために運んできたとしたら、変温動物ですからトレイルカメラには当然写りません。 
しかし5月上旬の未明は気温がかなり低い(2℃)ので、越冬明けの昆虫はまだ活動できないはずです。

左から来たタヌキ(両目の輝板は正常)が、ヘビ死骸の食べ残しを見つけました。
左前足で押さえつけながら、咥えてグイグイ引っ張っています。 
引きちぎることはできないものの、ヘビの皮を剥いているようです。
残念ながら、尻切れトンボで録画が打ち切られてしまいました。 
ホンドタヌキがヘビの死骸を完食したのか、どこかに持ち去ったのか、不明です。


シーン6:5/1・午前5:25・気温1℃(@5:54〜)
すっかり明るくなった早朝に、単独で来たタヌキが林床をうろついています。
もうヘビの死骸は残っていないようです。

後日に現場検証すると、私が置いたジムグリの死骸は無くなっていました。



【考察】
私にはまだ親タヌキの性別が見分けられず、個体識別ができていません。
ジムグリ死骸を食べた個体は、妊娠、出産、育児で食欲旺盛な母親♀なのではないかと勝手に想像しています。 

給餌実験をしたら、親ダヌキと子ダヌキ(ヘルパー)間の力関係を示す重要な証拠動画が撮れました。 
両目を失明したヘルパーは、親タヌキに餌を奪われても全く反抗しないで完全に服従しているようです。 
実は、冬の積雪期にも同様のシーンを観察しています。



野生動物に給餌するのは原則的に避けるべきですが、ヘビの死骸を駐車場に放置していれば、いずれ何らかのスカベンジャー(掃除屋)が食べに来たはずです。 
公共の駐車場にトレイルカメラを設置することはできませんから、予めトレイルカメラを設置した獣道に死骸を移動しただけです。
タヌキにドッグフードなどを給餌するよりはマシでしょう。 
路上の死骸(ロードキル)を放置したままだと不衛生なのは確かです。
通報して死骸を焼却処分してもらうと燃料代が余計にかかりますから、なるべくスカベンジャーに食わせる方がCO2の放出も減らせてエコです。
生態系にはスカベンジャーというグループがいて大切な役割を果たしているということを都会人は忘れがちです。

次に死骸を給餌するときには、監視カメラの近くから持ち去られないように工夫した方が長く観察できそうです。



【アフィリエイト】 


ランダムに記事を読む