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2026/07/25

落ちているオニグルミの堅果を次々に拾って隠したり食べたり持ち去ったりするハシボソガラス(野鳥)貯食行動

 

2025年4月上旬・午後14:10頃・晴れ 

蓮池の岸が少し斜面になっていて、スギの落ち葉やオニグルミの落果が大量に散乱しています。 
平地なので残雪はもう完全に溶けています。 

1羽のハシボソガラスCorvus corone)が土手を歩き回り、餌を探していました。 
オニグルミの落果を選り好みした後で、1個を咥えてトコトコ歩いて行きます。 
地面に浅く埋めると、落ち葉を被せて隠蔽しました。 
しかし貯食場所として適していないと判断したようで、クルミの実を再び拾い上げて運んで行きます。 
土手のもう少し上の地点に埋めて隠し直し、広葉樹やスギの落ち葉(枯葉)を被せて隠蔽工作も抜かりありません。 

探餌徘徊に戻ったハシボソガラスは、2個目のオニグルミ堅果を咥えたまま歩き去ります。
クルミ堅果を地面に置いて足で押さえつけながら嘴でつついたのは、地中に埋めるつもりだったのでしょう。 
ところがクルミの殻が割れてしまったようで、中身をほじくる採食行動に切り替えました。 
カラスが高所からの投げ落とし行動をしないでクルミの殻が割れてしまい、中身を食べたのは初見かもしれません。 

食後のカラスがホッピングして移動したのは、機嫌よくスキップした訳ではありません。 
池の岸に上陸していたカルガモを追い散らしたのです。 
ハシボソガラスの歩行はウォーキングを主体とするので、ホッピングする姿は珍しいです(ハシブトガラスと逆)。 
カルガモは池に飛び込んで避難しました。 

餌の探索に戻ったハシボソガラスが、落ちているクルミを吟味物色しています。 
3個目のオニグルミ堅果を選んで咥えると、歩いて運搬。 
土手を少し登った地点に浅く埋めると、落ち葉を被せて上手く隠しました。 

4個目に拾ったクルミの実を咥えたまま飛び立ちました。 
池の上空を低く飛ぶと、民家のトタン屋根を飛び越えながら脱糞し、市街地へ飛び去りました。 
今度は硬い路上に投げ落としてクルミの殻を割り、中身を食べるのでしょう。 


【考察】
落ちていたオニグルミ堅果をハシボソガラスが短時間に次々と貯食しました。 
落ちていた地点から少し歩いて運んでから埋め直したのがポイントです。 
クルミの実を隠した地点を全て記憶しておいて、後日食べに来るはずです。 
忘れたり食べ残してしまったオニグルミの堅果からやがて発芽するので、カラスはオニグルミの種子散布に協力していることになります。

2026/07/15

二次林内の巣穴に出入りする雪国のホンドタヌキ:3月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬 

雪国の落葉二次林で越冬中のホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通ってくる巣穴Rを2台の自動撮影カメラで見張っています。 
興味深い行動を個別の記事にした後の残り物になります。 
せっかく動画を編集したので、ブログ限定で公開します。(手抜き) 

家族群と思われるタヌキが1〜3頭で昼も夜も代わる代わる来ていました。 
同時に登場するのが1〜3頭という意味であって、個体識別をきちんとすれば、のべ頭数はもっと多いのかもしれません。 
ここはメインの巣穴ではなく、たまに使う別宅のようです。 
巣口Rを覗き込んで匂いを嗅いだだけで立ち去ることが多いです。 
早春で雪解けが進むと、巣内が水浸しになって居住環境が劣悪になるのではないかと想像しています。 
単独で来ていても、ときどきクゥーン♪と甲高く小声で鳴いています。 
たまに巣口Rの横の落葉灌木に小便をかけてマーキング(匂い付け)。 
この時期でもときどき雪が降っています。 

シーン1:3/21(@0:00〜) 

シーン2:3/22(@0:19〜) 

シーン3:3/23(@2:02〜) 

シーン4:3/24(@3:39〜) 

シーン5:3/25(@4:52〜) 

シーン6:3/26(@5:03〜) 

シーン7:3/27(@5:13〜) 

シーン8:3/29(@6:46〜) 

シーン9:3/30(@7:05〜) 

シーン10:3/31(@9:41〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。

2026/07/14

雪国のスギ防風林で溜め糞場に1〜3頭で現れるホンドタヌキたち:3月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬 

スギ防風林にある溜め糞場wbcに近所のホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が排便に通ってくる様子を自動撮影カメラで監視しました。 
1〜3頭で現れ、そのうちの1頭は両目の輝板が失明しています。(夜にトレイルカメラが照射する赤外線を反射しない) 
ときどきクゥーン♪と小声で鳴く声が聞こえます。 

シーン1:3/21(@0:00〜) 

シーン2:3/23(@0:46〜) 

シーン3:3/25(@4:54〜) 

シーン4:3/26(@5:36〜) 
寒の戻りなのか春一番なのか、激しい吹雪が吹き荒れました。 

シーン5:3/27(@6:46〜) 

シーン6:3/28(@7:46〜) 

シーン7:3/30(@8:26〜) 

シーン8:3/31(@9:14〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/07/13

軒下の資材置き場で尿スプレーと爪研ぎでマーキングするキジサビ♀のイエネコ

 

2026年5月下旬・午後13:50頃・晴れ 

郊外の静かな裏通りでイエネコFelis silvestris catus)がうろついていました。 
このような焦げ茶色の毛並みはキジサビと呼ぶらしい。

車庫の軒下に雪囲い用の資材(スギの板)が積まれていました。
キジサビは、こちらを振り返りながら、その上を歩いて奥に向かいます。
以前は雪囲い資材をきれいに収納していたらしい棚(金枠?)が今や朽ち果てていました。 
錆びた支柱パイプの横で立ち止まると、尻尾をピンと立てて根元に尿スプレーしたようです。 

そのまま奥の原っぱへ突き進むのかと思いきや、雑草がぼうぼうに生い茂っている様子を見て、キジサビ猫は諦めたようです。 
方向転換して、こちらに戻って来ました。
途中で私を見上げながら、雪囲い資材の材木で前足の爪を研ぎました。(しっかり見えずに残念)

猫は草丈高く繁茂して見通しの悪い原っぱを歩くのが嫌い(面倒臭い)なのかと思ったら、資材置き場から逸れて草むらに突入し、自発的に薮漕ぎしたので驚きました。 
道端に突っ立って撮影する私を迂回しながら近道したのです。 
今は荒れ果てた原っぱですが、昔はきれいな裏庭だったようで、ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)の花が咲いていました。 
上の内花被片が白、下の外花被片(萼)が紫というツートンカラーの品種でした。 
キジサビは道端の融雪溝に沿って足早に歩き去り、隣家の庭に入って姿を消しました。 
この家の飼い猫なのかな? 

関連記事(2年前の撮影:同じ家系の猫?)▶ ブロック塀の下で昼寝するイエネコ(キジトラ)



【考察】
キジサビの個体は、遺伝的な理由で♀がほとんどらしい。 (三毛猫の性別と同じような話)
確かに排尿マーキングのシーンで股間をよく見ると、 陰嚢も去勢手術の跡も全く見えませんでした。
左の耳介にごく小さな切れ込みがあるのは、去勢猫の目印(サクラネコ)としてカットされたのではなく、自然な怪我の傷跡でしょう。 
イエネコの♀も尿スプレーするとは知りませんでした。 
爪研ぎもマーキングの一種です。 
どうやら軒下の資材置き場は、彼女の縄張りの境界になっているようです。 
トレイルカメラを設置してサインポストを見張ったら、面白そうです。

2026/07/08

スギ防風林にあるホンドタヌキの溜め糞場を早春にインターバル撮影してみる【微速度撮影:トレイルカメラ】

 



2025年3月上旬〜中旬 

平地のスギ防風林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通う溜め糞場WBCにトレイルカメラを設置して定点観察しています。 
今回はいつもと趣向を変えてみました。
野生動物の訪問があろうとなかろうと、昼も夜もひたすら1分間隔のインターバル撮影してみました。
早回し加工すると、早春で林床の残雪が溶けゆく過程がちょっと面白いかもしれません。

1分間隔の撮影のタイミングとたまたま合えば、排泄に来たタヌキが写っていることもありました。
ときどき昼間にキジバトStreptopelia orientalis)が林床で採食していました。
夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が林床で餌を探し回っているようです。

晴れた昼間は、スギ林に日が射し込んで、幹から伸びる影が日時計のように雪面を刻々と動きます。


雪面に散乱しているスギの落葉・落枝が突然増えたり、寒の戻りで雪が降って埋もれたりしています。
画角が不安定に揺れているのは、カメラを固定してあるスギの幹が強風(春一番)で揺れているせいです。(防風林の役目をしっかり果たしていることが分かります。)

気温の高い夏にもし同じように微速度撮影したら、糞虫などの活動によってタヌキの糞塊がみるみるうちに分解される様子が可視化されるはずです。
糞虫が休眠越冬している冬期は、溜め糞場の糞塊は増える一方です。

画面に刻々と記録されている気温の値を見守るだけでも興味深いです。
常緑のスギ防風林の中は微気象がかなり安定していて、気温の変化が少ないことが分かります。
トレイルカメラで動画撮影を繰り返すとカメラ自体が発熱するので、記録される気温の値はあまり信頼できなくなります。
写真のインターバル撮影では、機材の発熱も少ないはずです。


この冬は記録的な大雪が積もりました。
トレイルカメラを設置する位置を厳冬期はかなり高くしておく必要がありました。
春になって林床の積雪が溶けていくと、雪面が下がるのに合わせて逆にトレイルカメラの固定位置を下げないといけません。


画質をいつもより上げて4Kにしてみたら、次の写真を撮る1分間の間に記録メディア(microSDカード)への保存が間に合わないようです。
ときどき画面の下端部分だけ正常に録画されず、カラフルな砂嵐のようなノイズが混じるようになってしまいました。
夜間の赤外線による暗視撮影になると、その症状は出なくなりました。
モノクロ写真は画像として容量が小さいので、負荷が小さいのでしょう。






↑【おまけの動画】
撮れたタイムラプス動画をどう見せるのかが問題です。
林床の残雪が溶けゆく様子や溜め糞の糞塊の量の変化を見せたいのであれば、かなり早回し加工しないといけません。
ところが、そうすると野生動物の登場シーンがほとんどスキップされてしまいます。
という訳で、同じ素材で早回し速度を変えた3パターンの映像を用意しました。
記事の冒頭に掲載したのは、4倍速に加工したものです。

早回し加工しないオリジナルの動画(42:55)をブログ限定で公開しておきます。



 

↑3倍速に早回し加工

2026/06/30

貯食地点の雪面に連続して排尿マーキングするホンドタヌキの♀♂ペア【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬・午前5:43・気温-1℃・日の出時刻は午前5:48 

まだ残雪に覆われている落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

早朝に♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが前後してやって来ました。 
日の出直前ですが、雪明りで充分に明るいです。 
タヌキの体格は一般に♀<♂なので、先行個体が♂と思われます。 

4日前にパートナーの♀が貯食物を雪の下から掘り出して食べた地点で立ち止まって匂いを嗅ぎ、雪面に排尿マーキングしました。 


このとき後足を上げずに腰を落として小便したのは♂らしくないのですが、灌木のような対象物がない場合、地面や雪面にマーキングする際には♂でも♀スタイルで小便するのでしょう。 
次に、すぐ横の雪面に残っていた食べ残しの欠片を拾い食いしました。 

その間、後続個体♀が巣口Rに顔を突っ込んで何かしていました。(映像公開予定) 
追いついてきた後続個体♀も、先行個体♂と同様に腰を落としながら、貯食地点に排尿マーキングしました。 

タヌキの♀♂ペアが前後して右へ立ち去った後、死角でかすかに鳴く声がしました。 

貯食地点の雪面にホンドタヌキの♀♂ペアが連続して排尿マーキングする様子を、1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:35〜) 


2026/06/24

ヘルパーが雪の下に貯食した餌を翌朝に掘り出して食べるホンドタヌキ♀と発情チェックに余念がない♂【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬 

シーン1:3/11・午前5:49・気温-4℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:54。 
夜明け直前なのにもうだいぶ明るいのは、雪明り(雪面からの反射)のおかげです。 
いつも行動を共にしているホンドタヌキNyctereutes viverrinus)3頭の家族群が、落葉二次林内の越冬用営巣地にまた来ていました。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

殿しんがりを務めているのは、おそらく両目を失明した♀h個体でしょう。
明るい日中には、輝板の反射で失明状態を見分けることができません。
雪深い林床を横切って、巣口Rへ向かいます。 

先行する♀♂ペアが右奥で、雪面のある地点に穴を掘って匂いを嗅いでいます。 
ここは前日の夕方に、両目失明個体♀hが運んできた獲物(生魚)を雪の下に埋めて隠した地点です。 


母親♀が獲物の匂いを嗅ぎ当てて、雪の下から掘り出そうとしています。 
(あるいは既に魚?の死骸をガツガツと食べているのかもしれませんが、よく見えません。) 
せっかく前日に両目失明個体♀hが隠した貯食物を、母親♀に奪われてしまいました。 
怒ったり抗議したり獲物を取り返そうとしたりしないのも、切ない話です。 
居候のヘルパーとして、両親♀♂に給餌するのは当然の行動(貢ぎもの)なのかな? 

貯食物を食べる♀の横で、♂が♀の尻の匂いを嗅いで発情状態をチェックしています。 
それに反応して、♀が尻尾を少しずつ上げました。 
尻や陰部を♂に舐められて、性的に興奮しているのでしょうか。 
次に、♂が右後脚を持ち上げながら♀の体に小便をかけて、匂い付け(アロマーキング)しました。 
食い気よりも色気の♂は、再び♀の発情チェック。 

その間、両目失明個体♀hは巣口Rに座って、♀♂ペア(両親)のいちゃつく様子を見守っています。 
(両目のタペータムを失明した個体が昼間にどのぐらい見えているのか、不明です。) 

母親♀が顔を上げたときに、口をモグモグと咀嚼していました。 
父親♂は、さっきと逆の左後脚を持ち上げながら、♀の体にまたまた排尿マーキング(アロマーキング)。 


シーン2:3/11・午前5:49・気温-4℃(@1:00〜) 
巣口Rで座って休む両目失明個体♀hの様子が、別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
群れ(家族)内での順位が明らかに低いようで、今回も怯えたようにビクビクしている印象です。 
貯食物を奪われて、空腹なのでしょうか。 
しばらくすると、自分で毛繕いを始めました。 

そこへ左から父親♂がやって来て、巣口Rを点検します。 


シーン3:3/11・午前5:50(@2:00〜)
再び広角の監視映像に戻ります。 
母親♀が右奥で貯食物を食べ続けています。 

父親♂が♀から離れて巣口Rへ向かうと、両目失明した娘♀hの横を通り過ぎたましたが、鼻面を少し近づけただけで互いに没交渉でした。 
そのまま父親♂は、左上奥の林内へどんどん歩き去ります。 
通りすがりに、落葉灌木の根元に排尿マーキングした…かもしれません。 

ようやく貯食物を食べ終えた母親♀も、左へ少し歩いて移動しました。 
雪面に佇み、先行する♂の後ろ姿を見送ります。 


シーン4:3/11・午前5:51(@3:00〜)
両目失明個体♀hが巣口Rからようやく立ち上がり、先行する♂の後を追って、右下手前へ歩き始めました。 
放射冷却現象で雪面がカチコチに凍っていて、タヌキは足が潜らずに歩けます。 
最後尾を歩く♀の姿も、しばらくして画面の左下隅にちらっと写りました。 


【考察】 
両目失明した♀h個体がせっかく運んできた獲物(生魚?)を夕方に営巣地の雪の下に埋めて隠したのに、自分では食べることができず、翌朝に母親♀が見つけて食べてしまいました。 
営巣地の天然の冷蔵庫内に保存してある食料は、家族が誰でもいつでも食べて良いしきたりなのでしょうか。 
両目失明した♀h個体がヘルパーだとしたら、両親の繁殖を助けて給餌するのも当然の行動です。 
両親が出産どころか発情・交尾する前から、ヘルパー♀hが実家に餌を運んできたことになります。 

今回観察した行動から、立場の弱い両目失明個体は両親♀♂のヘルパー(性別はおそらく♀)なのだろうと私は確信したのです。 

しつこくつきまとって発情チェックやアロマーキングを繰り返す♂に対して、♀も反応を示すようになりました。
いよいよ交尾しそうです。


2026/06/22

雪の下に埋めた貯食物を半日後に確認しに来た両目失明のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月中旬 

早春でもまだ雪深い落葉二次林で、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

発情期に入り、タヌキ家族の様子がいよいよ面白くなってきました。 


シーン1:3/11・午前4:13・気温-4℃(@0:00〜) 
未明に3頭のタヌキ家族が一列縦隊でやって来ました。 
林床の雪面は硬く凍結していて、タヌキが歩いても足が全く潜りません。 

巣口Rの近くに生えた落葉灌木に尿で匂い付けする際の姿勢(片足を上げるかどうか)で性別を見分けると、先行個体が♀で後続(2番目の)個体が♂というペアでした。 

殿しんがりを務める個体だけ、両目が失明しています。 
トレイルカメラが照射する赤外線をタペータム(輝板)がまったく反射しないのです。 
この両目失明個体だけ、巣口Rには立ち寄らずに、ショートカットして左に向かいました。 


シーン2:3/11・午前4:14・気温-4℃(@0:28〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
先行する両親♀♂は巣口Rを経由し、横の落葉灌木に排尿マーキングしてから、左奥へ立ち去りました。 

興味深いのは、殿しんがりを務める両目失明個体の行動です。 
巣口Rの手前で向きを変えて雪原を突っ切り、前日(約11時間前)の夕方に餌を隠した貯食地点に直行しまし。 



生魚?に雪を被せて埋めた地点がこんもりと盛り上がっているのに、両目失明個体は少しずれた地点の匂いを嗅いでいます。 
やはり、夜目が効かないハンディキャップが出ているのかもしれません。 
視覚だけでなく、嗅覚も鈍っているのかな? 
氷点下の低温のせいで、餌の匂いが薄れているのかもしれません。
貯食物を雪の下から掘り出して食べるのかと思いきや、そのまま両親♀♂の後を追いかけるように立ち去りました。 
どうやら、隠した餌が盗まれていないことを確かめに来ただけのようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ホンドタヌキが貯食物をいつ食べるのか、興味津々です。

この両目失明個体だけ、夜間限定で個体識別できています。
両親♀♂に対して立場が弱くて常に怯えていて、出歩く際にはいつも最後尾を歩きます。
両親♀♂が産み育てた当歳仔の中で、この個体だけが両目失明というハンディキャップを理由に、縄張りから追い出されずにヘルパーとして留まることを許されている、と今のところは解釈しています。
そして、両目失明のヘルパー個体hの性別は♀だろうと、推測しています。


2026/06/21

幼い子猿に授乳しながら排尿するニホンザル♀

 

2025年6月下旬・午前9:10頃・くもり 

山麓を流れる用水路沿いの鉄柵にニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)がよじ登り、手摺に座りました。 
腹に幼い子猿(乳飲み子)を抱えています。 

母親♀が胸に抱いて授乳している子猿が、身動きしながら排尿しました。 
少量の小便がぽたぽたと滴り落ちています。
野生ニホンザルの幼獣はオムツなんて履いていませんから、母親にしがみつきながらオシッコしたら、母親の毛皮を尿で濡らしてしまうことになりそうです。
 (母親が小便した可能性もありますかね?) 

うっかり手摺から落ちそうになった子猿を母親が左腕で慌てて抱きかかえました。 
母猿は痒い左脚を左手で掻き、子猿は母親の乳首に吸い付き、母乳を飲みました。 
子猿がようやく乳首から口を離したときに、母親♀の細長く伸びた乳首から乳汁がにじみ出ているかと注目したのですが、なかったです。 
手摺のパイプで独り遊びを始めた子猿が落ちないように、母親は手を添えています。 

子猿が母親の胸に戻って再び乳首を咥えると、母親が子猿を腹に抱えて手摺を移動開始。 
柳の木の枝葉の陰に隠れる位置を選んで、母親が手摺に座り直しました。 
遠くでカメラを構えて隠し撮りしている私から死角に隠れようとしているのです。 
しかし隠れ切れないと悟ると、手摺を伝い歩きして少し戻り、手摺から横の草深い農道に飛び降りました。 
後で分かったことですが、群れの遊動経路に突っ立っている邪魔な私を大きく迂回するようです。


【アフィリエイト】 

2026/06/20

ホンドタヌキ♂がパートナー♀の尻の匂いを嗅いだり小便跡を舐めたりして発情状態を頻繁に調べアロマーキングを繰り返す:3月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月上旬〜中旬 

雪国の落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

シーン1:3/10・午後20:10・気温-1℃(@0:00〜) 
晩に右から来たタヌキ♂aが、細い落葉灌木に小便をかけて縄張り宣言のマーキング(匂い付け)をしました。 
このとき右後脚を上げたので、♂と判明。 

巣口Rを覗き込んで点検中に、後続個体の♀bが遅れて右から登場。
巣口Rで合流した♀が入口の匂いを嗅いでいると、♂aが背後から♀bの尻の匂いを嗅ぎました。 
パートナー♀の発情状態をチェックしているようですが、巣口Rの窪みでの行動は残念ながらよく見えません。 
続けて♂が♀の体に排尿しました(アロマーキング)。 

左に立ち去る際にも、♂が♀の尻の匂いを嗅いで発情状態をチェックし、♀にアロマーキングしました。 
このとき♀が雪面で腰を落としたのは、♂のしつこいセクハラを嫌がっているのでしょうか?


シーン2:3/10・午後20:13(@1:00〜) 
♀♂ペアから少し遅れて、両目のタペータム(輝板)が失明したタヌキが右から来ました。 
巣口Rには立ち寄らずに、左下手前へ向かいます。 

実はこの個体が3時間前の夕方に獲物の生魚?を雪の下に埋めたばかりなので、貯食地点に向かったのかもしれません。


しかし、別アングルの監視カメラにそのシーンがなぜか写っていませんでした。 


シーン3:3/11・午前0:16・気温-2℃(@1:19〜) 
日付が変わった深夜に、右から来た先行タヌキ♀が巣口Rを点検しています。 
遅れて右から来た後続個体♂が通りすがりに、いつもの細い落葉灌木に軽く小便をかけてマーキングしました。 
巣口Rで合流すると、今度は♂が巣口Rの匂いを嗅ぎます。 

その間に、♀は同じ落葉灌木に排尿マーキングしました。 
♀は排尿時に後足をほとんど上げません。 
♂♀ペアが連続して同じサインポストに尿で匂い付けしたことになります。 
その直後に、巣口Rから戻ってきた♂が♀の小便跡をペロペロと舐めました。 
これもおそらく♀の発情状態をチェックしているのだと思いますが、初めて見る行動です。 
素人目には、フレーメン反応はしてないようです。 
♂は再び同じ落葉灌木にしつこく自分の尿で匂いを上書きしました。 
それでも立ち去り難いようで、また小便跡をペロペロ舐めました。


シーン4:3/11・午前0:18(@2:19〜)
30秒後に、両目失明個体が営巣地に来ていました。 
今回も巣穴Rには立ち寄らずに、右下手前へ立ち去りました。 


シーン5:3/12・午前8:23・晴れ・気温7℃(@2:33〜) 
翌日の明るい朝に、右から来たタヌキ♀が巣口Rの手前で立ち止まり、手前をキョロキョロ見ていました。 
すぐに右から後続個体♂が来ました。 
合流したペアが右を気にしているのは、殿しんがりのヘルパー個体(両目失明)が来るのを待っているのかな? 
その間に、♂が♀の尻の匂いを嗅いで発情チェックし、♀の体に尿をかけました(アロマーキング)。 

おそらく両目失明個体と思われるタヌキが遅れて到着し、巣口Rを軽く点検しました。 
明るい日中は、タペータム反射の有無による個体識別ができません。 
続けて♀も巣口Rを覗き込んで調べています。 


シーン6:3/12・午前8:24・晴れ・気温4℃(@2:33〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
先着の♀♂ペアが背後を振り返って、殿しんがりを務めるヘルパーh(両目失明個体)がついて来るのを待っています。 
♂が♀の発情状態を調べてから、♀に尿をかけてアロマーキング。 
♀h、♀、♀hの順で巣口Rを覗き込んで奥の匂いを嗅ぎました。 
横で待っていた♂は、♀hに割り込まれても怒りませんでした。 


【考察】 
ホンドタヌキは一夫一妻制の社会構造です。
この時期の♂は、とにかくパートナー♀との交尾のチャンスを逃すまいと必死です。 
常に行動を共にして(配偶者ガード)、隙あらば♀の尻を追い回して、性フェロモンの変化を嗅ぎ取ろうとしています。
♀が小便した跡を直後に♂が舐める行動を初めて観察しました。
♀の体に♂が自分の尿をかけるアロマーキングも頻繁に行いました。

両目失明個体と♀♂ペアの関係が気になります。
採食のために出歩く際には、いつも健常♀♂ペアの後をついて歩いているようです。 
夜の行動で♀♂ペアから遅れがちなのは、夜目が効かないというハンディキャップのせいなのか、気になるところです。
♀♂ペアが産んだ複数の子供の中で、失明のハンディキャップが理由で選ばれたのか、ヘルパーとして縄張りに留まることを許された♀だろうと、私は想像しています。 
他の兄弟姉妹はすでに子別れした後のようです。
(両目失明個体の性別は不明ですが、♂はヘルパーとして選ばれずに両親の縄張りから放逐されるはずです。) 
この後も観察を続けると、両目失明のヘルパー♀は3頭の核家族の中では立場がとても弱く(劣位の個体)、いつも両親♀♂に遠慮して暮らしている印象です。 


2026/06/18

雪国の鉄道橋下の笹薮でホンドタヌキの溜め糞場を見つけた!

 

2025年3月上旬・午後13:40頃・晴れ 

河原で鉄道橋の真下を探索していたら、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場と思われる糞塊が残雪の上に露出していました。 
鉄橋から雪解け水が滴り落ちるので、一部の糞は崩れかけていました。 
雪の下に埋もれた常緑の笹薮(種名不詳のササ)を通り抜けてタヌキが溜め糞場に通う獣道があるはずなのに、溶けかけた雪面(腐れ雪)の足跡は不鮮明で見つけられませんでした。 

この辺りで見つかる獣糞は必ずしも野生動物の物とは限らず、散歩に連れてこられた飼い犬が何度も糞をして放置された可能性もありそうです。
 (イヌによる複数回の脱糞はありえない?)
トレイルカメラを設置してタヌキが排便に通ってくることを確かめたいところです。
しかし、鉄道橋という重要インフラの真下では保安上、物騒な危険物と誤解されそうな気がして、トラブルを避けて自重しています。 

完全に雪解けした後日に現場を再訪すると、タヌキの白骨死体を発見することになります。 

つづく→


【アフィリエイト】

2026/06/17

二次林内の営巣地に通って鳴いたり排尿マーキングしたりするホンドタヌキ:3月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2025年3月上旬 

雪国の二次林内でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を2台のトレイルカメラで長期間見張っています。
しかし、撮れた動画を全部紹介しようとするとマンネリで飽きてしまいますし、話が遅々として進みません。 
定型的な行動をまとめた動画はブログ内の限定公開にして、手抜きで紹介することにします。 

問題は、私が登場するタヌキの個体識別ができていないことです。
それでも全動画をアーカイブとしてYouTubeに投稿する理由は、いずれAI技術や量子コンピューターが発達して、撮りためた映像から教師なし学習でタヌキの個体識別を自動的にやってくれる、夢のような時代が到来するはずだと期待しているからです。 
そうなったら、監視動画からタヌキの社会について深い意味が読み取れるようになり、宝の山です。 



シーン1:3/5(@0:00〜) 

シーン2:3/8(@3:00〜) 
新雪が積もりました。

シーン3:3/9(@4:00〜) 

シーン4:3/10(@6:09〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/06/16

朝帰りした後に巣穴入口の雪かきをする早春のホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 



2025年3月上旬 

雪国の落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 

帰巣後に巣口の雪かきをするシーンをまとめました。 
早春の雪質は溶けかけてシャーベット状なので、穴掘りが苦手なタヌキでも除雪しやすそうです。


シーン1:3/9・午前5:55・くもり・気温-2℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:57 
日の出直前に右から単独で来たタヌキの頭部や鼻面に白い粉雪が付着しています。 
浅い新雪にタヌキの足跡が残っています。 
巣口R右横にある細い落葉灌木の根元に排尿マーキングしながらクゥーン♪と鳴きました♪。 
このとき小便しながら右後脚を高く上げたので、♂と判明。 
普通は少量の小便で匂い付けするだけなのですが、今回は珍しく、いつもより長々と小便しました。 

巣口Rに右から回り込んで匂いを嗅ごうとしたら、足が雪面にズボッと潜りました。 
巣口Rの縁に積もった雪を前足で掘りました。 
せっかく雪かきしたのに、なぜか巣穴Rの奥には入らず、左をじっと見て警戒しています。 


シーン2:3/10・8:33・くもりのち晴れ・気温7℃(@1:00〜) 
翌日も朝にタヌキが独りで営巣地に右から戻ってきました。 
巣口Rの匂いを嗅いでから、しばらくその場に佇んで警戒していました。 


シーン3:3/10・8:33・くもりのち晴れ・気温9℃(@1:00〜) 
別アングルからも撮れていました。 
ようやく警戒を解くと、向きを変えて巣口Rに入り、前足で除雪し始めました。 


2026/06/14

両目の輝板を失明したホンドタヌキが雨夜に溜め糞場で排便:3月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月上旬・午後18:25頃・雨天・気温1℃ 

雪国のスギ防風林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcをトレイルカメラで見張っています。 

雨が降る晩に、まず1頭のタヌキが現れました。 
溜め糞WBCの匂いを確認してから、またがって南東向きで脱糞しました。 用を足しながら、欠伸したようです。 

17秒後に、後続のタヌキが右からやって来ました。 
おそらく近くでトイレの順番待ちをしていたのでしょう。
この個体は、両目に光がありません。 
タペータム(輝板)に異常を来して暗視カメラの赤外線を反射しなくなった失明個体です。 
溜め糞にまたがると、北東を向いて排便しました。 
大便の状態を見る限り、栄養状態も悪くなく健康そうです。 
暗い夜に目が見えにくくても、ちゃんと餌を食べているようです。 
先行個体の後を追って、右に立ち去りました。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
タペータムの反射が両眼で失われたホンドタヌキ個体について。
トレイルカメラの電池の電圧がたまたま低下していて、暗視動画を連続撮影したせいで赤外線LEDからの照射が弱いだけかもしれない…などと他の可能性(カメラのトラブル)も考えました。 
しかし、近所の別の地点に設置したトレイルカメラでも同時期から両目失明のタヌキが写るようになったので、間違いありません。 
健常個体と両目失明個体が同時に写ることもありました。(映像公開予定)
以前写っていた、片目の輝板(タペータム)が失明していたタヌキと同一個体だとしたら、進行性の眼病ということになります。 
動画で行動を見ているだけでは、夜盲症かどうか確定診断できません。 
夜間限定ですが、この個体だけ個体識別できるようになりました。 


つづく→

2026/06/12

早春の池で煮干しをかじるトビケラの幼虫を一時捕獲(エグリトビケラ科?)

 



2026年4月上旬・午後12:15頃・晴れ 

山麓にあるヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池を毎年早春に定点観察しています。 
この日は卵塊から孵化した幼生(オタマジャクシ)の群れが岸辺付近の浅い水中に蠢いていました。 
その様子を動画に撮り始めたら、後に登場するトビケラ幼虫が一緒にちらっと写っていました。(冒頭の赤丸○) 
しかしカモフラージュの効果抜群の蓑を身にまとっているため、このときの私はまだ気づいていません。 
オタマジャクシが動き回るので、水底のゴミが揺れているだけのように見えます。 

試しに餌として、煮干し(無塩タイプ)をヤマアカガエル幼生の群れの近くに投入してみました。(@0:36〜) 
水中に煮干しの匂い物質(ダシ)が拡散するまで、しばらく時間がかかります。 
予め煮干しの頭部を取り除き、背骨に沿って半分に裂いておくと(2枚おろしの状態)、煮干しの匂いが早く水中に拡散することが後に分かりました。
やがて、オタマジャクシが煮干しに群がり、ちびちびと食べ始めました。 
このとき煮干しの端に1匹のトビケラ幼虫が食いついていることに、動画を見て初めて気づきました。(赤い矢印⇩@1:09〜) 





しばらく経つと、蓑をかぶった(筒巣を背負った)トビケラの幼虫が新たにもう1匹合流し、同じ煮干しの別の部位を食べています。(赤い矢印⇦@1:46〜) 

三脚を使って動画を長撮りしていると、煮干しがオタマジャクシの集団につつかれて水中で移動してしまったので、私が煮干しを鉛筆でつついて画角の中央に戻してやりました。 
煮干しを動かしても、謎の異物はしっかり付着して離れません。 
ただの水底のゴミではあり得ません。 
現場の私もこれでようやくトビケラの幼虫だと確信できました。 
筒巣に入って身を守りつつ、その端の開口部から顔だけ外に出して、煮干しを食べているようです。 

1匹の筒巣の腹端に白っぽい粘液のような物質が付着していたのは、トビケラ幼虫が排泄した糞なのでしょうか?(右の個体@2:02〜)
巣材を筒巣に固定するために分泌した接着剤なのかと初め勘違いしたのですが、そのための絹糸は腹端ではなく口から吐くとPerplexity AIに教えてもらいました。
周囲のオタマジャクシは煮干しに夢中で、トビケラ幼虫の糞?を食べることはありませんでした。
謎の白い水溶性分泌物をちゃんと分析した訳ではないので、ヤマアカガエル卵塊のゼラチン質が分解された断片がたまたまトビケラ幼虫の筒巣に付着していただけかもしれません。

謎のトビケラ幼虫2匹をじっくり観察するために、煮干しと一緒に手掴みで池の外へ取り出してみました。(@3:40〜) 
今回は餌を池に投入しただけですが(給餌実験)、釣り糸を付ければ、煮干しでトビケラ幼虫が釣れることになります。
巣筒は円筒状で、採寸してみると長さは約25mmでした。 
トビケラ幼虫が持ち運んでいる筒巣は、水中の落ち葉や枯れた茎など植物質の欠片を丹念に寄せ集めて作られていました。 
枯草の細長い茎や落枝を巣材として使う際には、長さを切り揃えた上で、幼虫の体軸に対して直角の向きに並べてあります。 








1匹のトビケラ幼虫は採集時に煮干しを放してしまいましたが、近くに置いてあります。 
すると筒巣の端から上半身を乗り出して、煮干しを目指して這い始めました。 
おかげで、水中では見えなかったトビケラ幼虫の頭部や胸部(地味な焦茶色)、脚(薄い茶色)などを観察することが出来ました。 
もう片方のトビケラ幼虫は、煮干しにしっかり食いついたままです。 

蓑の巣材が濡れている限り、陸上でもトビケラ幼虫はエラ呼吸が可能です。 
一方、変態前のヤマアカガエル幼生は陸上で肺呼吸できないので、ピチピチと暴れています。 

トビケラ幼虫が2匹とも煮干しに食いついたので、小魚(カタクチイワシ?)の死骸を口器で齧る様子をじっくり接写することができました。 
途中で左の個体が筒巣ごとゴロンと転がり、2匹のトビケラ幼虫が横に並んでくれました。 
おそらく同種のトビケラだと思いますが、巣筒の長さはほぼ同じでした。 
少し体格差があるのは、栄養状態(それまでの摂食量)の違いでしょう。 

持ち帰って家の水槽で飼育し成虫が羽化すれば、私にもトビケラの種類が同定できるかもしれません。 
しかし、持ち帰る容器を何も持ってきませんでしたし、水槽の水温を低く保ち流水にするなどの飼育ノウハウが難しそうなので、水生生物に疎い私は諦めてしまいました。 
元の池に戻してやり、微速度撮影を続けました。 




【考察】 
私が煮干しを給餌する前に、自然状態のトビケラ幼虫は池の底で何を食べていたのでしょうか?

筒巣に入ったままの状態のトビケラ幼虫を同定できるでしょうか?
筒巣の形や巣材、生息環境などで種類をある程度まで絞り込めるのだそうです。
幼虫を蓑から取り出して裸にした状態で実体顕微鏡で精査すれば、検索表も用意されていました。

【ネット検索で見つけた参考文献】
・河川生物の絵解き検索@環境省2017年(PDF資料)
・京都府の水生昆虫(トビケラ)PDF資料

環境省の検索表2017を参照すると、エグリトビケラ科(Limnephilidae)が素人目には似ています。
大顎には明瞭な歯がある。
筒巣の材料や形は様々、中〜大型種が多い。
後胸の中央前方のキチン板は常にある。
などと記載されていました。

30年前の古い資料ですが、谷幸三『水生昆虫の観察: 安全できれいな水をめざして 』(1995年)という本にはトビケラ目の科の幼虫の検索表が細密画と共に載っていました。
素人には使いこなせない検索表は飛ばして、代表種が作る筒巣の細密画だけを眺めると、確かにエグリトビケラ科エグリトビケラNemotaulius admorsus)幼虫の筒巣が一番似ているものの、微妙に違います。

一方、ChatGPTに写真鑑定してもらうと(途中経過は割愛)、おそらくエグリトビケラ科(Lepidostomatidae)であり、候補としてエグリトビケラ属(Lepidostoma)の一種ではないかとの見解でした。
改めてエグリトビケラ科をネット検索すると、「An Artless Riverside ​川虫館」というサイトに幼虫と筒巣の見事な標本写真が掲載されていました。
エグリトビケラ科 Limnephilidaeキリバネトビケラ属Limnephilusの一種(トウヨウウスバキトビケラまたはその近縁種)の筒巣や生息環境などがそっくりでした。

来季はぜひトビケラ幼虫を採集して、飼育に挑戦してみたいものです。
私は「延長された表現型」として、虫の巣が大好物です。

【アフィリエイト】

ピンセットで蓑を脱がして裸の幼虫をじっくり観察してから、筒巣を作り直す過程を飼育下で微速度撮影してみたら、面白そうです。

関連記事(20年前の撮影)▶ 色紙の上で動き回る蓑虫

2026/06/08

ホンドタヌキが溜め糞場の近くで排尿マーキングを繰り返したスギの根元でホンドギツネ♂も対抗して匂い付け【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月中旬〜3月上旬 

シーン0:2/16・午後15:15・晴れ・気温23℃(@0:00〜) 
雪国のスギ防風林にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場WBCをトレイルカメラで見張っています。 
スギの落葉落枝が散らばっている林床雪面の冒頭赤丸で囲った部分にタヌキの糞塊があります。 

この記事の主役は最後に登場するホンドギツネなのですが、その行動を説明するための準備として、タヌキの排尿マーキングの行動を先にお見せします。

シーン1:2/17・午後17:14・降雪・気温-1℃(@0:05〜) 
小雪がちらつく夕方に、左から来たタヌキの先行個体aが溜め糞の匂いを嗅いでいました。 
続いて後続個体bが登場すると、先客のタヌキaは慌てて奥へ立ち去りました。 
後続個体bが排便し、鳴きました♪ 
その間に、先行個体aが奥にあるスギの根元で通りすがりに排尿マーキングしたようです。 

タヌキbがスギ根元に近寄る際に、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしたように見えました。
ストレッチ運動をするような文脈ではなかったので不思議だったのですが、よく見ると、なぜか細い灌木の下の狭い隙間をわざわざくぐっただけでした。 


シーン2:2/19・午後19:07・降雪・気温-4℃(@1:05〜) 
吹雪が収まった晩に、ペアで来たタヌキの一方が溜め糞場で排便していました。 
排泄後は身震いして手前へ立ち去りました。 
その間にパートナーは、奥のスギ根元の匂いを嗅ぎ、小便をかけてマーキングし、奥へ向かいました。 
ペアで来たのに、ここから別行動を取るのかな? 


シーン3:2/24・午後18:02・降雪・気温-1℃(@1:59〜) 
ペアで来て奥へ立ち去るタヌキの後続個体が、スギの根元に尿でマーキングして行きました。 


シーン4:3/4・午後17:03・降雪・気温1℃(@2:21〜)日の入り時刻は午後17:38。 
日没前の夕方に左からペアでタヌキが来ていました。 
 排便中の個体aがパートナーbに邪魔されて、向きを変えました。 

タヌキaは奥に向かい、スギの根元の匂いを嗅いでから排尿マーキングして二次林へ向かいました。 
このときタヌキaの後ろ姿の股間が見えたのですが(@2:56〜)、♂の陰嚢は見えませんでした。
その代わりに見えた穴が♀の肛門なのか生殖口なのか、気になります。 
肛門なら尻尾の付け根(もっと上)にあるはずなので、たぶん膣口だと思うのですが、どうでしょうか。 
まさか♀の尿道口があんなに目立つでしょうか? 
下腹部は白い毛で覆われています。
開口部の周囲がやや膨らんでいるのは、発情期の♀の特徴なのかな? 

後続個体bは溜め糞の匂いを嗅いだだけでした。 
スギの根元の匂いもクンクン嗅いでいます。 
なんとなく素人の勝手な想像では、先行個体が♀で、後続個体の♂が♀の尿の匂いを嗅いで、発情状態をチェックしているような気がします。 


シーン5:3/6・午後15:54・くもり・気温2℃(@3:21〜) 
2日後も昼間に単独で来たタヌキが、スギ立木の根元で立ち止まっていました。 
排尿マーキングしたのかもしれませが、定かではありません。 
溜め糞場WBCには立ち寄らず、左へ向かいます。 


シーン6:3/8・午前9:16・晴れ・気温0℃(@3:30〜) 
さらに2日後の明るい朝に、ホンドギツネVulpes vulpes japonica)が右下手前から現れました。 
タヌキの溜め糞場WBCには見向きもしないで素通りすると、奥のスギ立木の根元の匂いを嗅いでから、排尿マーキングしました。 
このとき右後脚を軽く上げたので、♂のようです。 

キツネは画面の左上奥で立ち止まり、変な声でカカッ♪と吠えました。(@3:55〜) 
更に奥の落葉灌木の根元にも尿をかけて行ったようです。
後半は拡大せずにオリジナルの映像をリプレイ。


【考察】
キツネの登場シーンだけ切り抜いて見ても意味がよく分からないのですが、それまで撮れた監視カメラの映像を遡ると、溜め糞場WBCに通うタヌキたちが繰り返し小便をかけて匂い付けしていたスギの根元(サインポスト)にキツネも対抗してマーキングしていました。 


つづく→

2026/06/06

雪国のスギ防風林で溜め糞場に昼も夜も排便に通うホンドタヌキ:2月中旬〜3月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2025年2月中旬〜2月下旬〜3月上旬 

シーン0:2/16(@0:00〜) 
雪深いスギ防風林にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場WBCをトレイルカメラで見張っています。 
スギの落葉落枝が散らばっている雪面の冒頭赤丸で囲った部分に糞塊があります。 
寒い冬には糞虫類が活動しませんから、糞塊は分解されず貯まる一方です。 
排泄された大便が体温から外気温まで冷めるまでに雪面を溶かすので、冬の溜め糞場は夏のようにこんもりと堆積するのではなく、逆に林床の中でも少し沈んでいます。 

タヌキが入れ代わり立ち代わり溜め糞場にやって来て、匂いをチェックしたり排便したりする様子をまとめました。 
この溜め糞場WBCで見られた興味深い行動は個別の記事にしたので、その残り物になります。 
ホンドタヌキは昼も夜も悪天候でも登場します。 
同時に写るのは1〜2頭ですが、個体識別できていないので、計何頭のタヌキが登場したのか不明です。 


シーン1:2/17(@0:03〜) 

シーン2:2/18(@0:57〜) 
吹雪の晩に登場。

シーン3:2/21(@2:57〜) 

シーン4:2/22(@3:01〜) 

シーン5:2/23(@4:01〜) 

シーン6:2/25(@4:41〜) 
独りで脱糞しながらクゥーン♪と小声で鳴きました。(@5:17〜、@6:03〜) 
監視カメラの死角で鳴くこともあります。 

シーン7:2/26(@6:24〜) 

シーン8:2/28(@8:14〜) 

シーン9:3/1(@9:03〜) 

シーン10:3/2(@9:09〜) 

シーン11:3/3(@9:33〜) 

シーン12:3/4(@10:33〜) 

シーン13:3/5(@11:10〜) 

シーン14:3/6(@11:20〜) 
ペアで来て最初に用を足した個体が、隣で排便中のパートナーの尻の匂いを嗅ぎながら鳴きました。(@11:57〜) 

シーン15:3/8(@12:40〜) 
両目を失明した個体が夜に溜め糞場WBCを素通りしました。 
タペータム(輝板)がトレイルカメラの赤外線を反射しませんでした。 
たまたま撮影アングルや視線の問題かもしれないので、とりあえず保留しておきます。 

シーン16:3/9(@13:15〜) 
早朝に独りで脱糞しながらクゥーン♪と小声で鳴きました。(@13:31〜) 

シーン17:3/10(@14:42〜) 
撮り初めのシーン0と比べると、溜め糞がだいぶ大きくなりました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


2026/06/04

林内の営巣地に排尿マーキングして行く雪国のホンドタヌキたち:2月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月下旬 

シーン0:2/16(@0:00〜) 
大雪の積もった落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴をトレイルカメラで見張っています。
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

落葉灌木の根元などに尿をかけてマーキングするシーンをまとめました。 


シーン1:2/23(@0:07〜) 

シーン2:2/25・(@0:40〜) 
ホンドタヌキ♀@IRセット+雪面徘徊+排尿マーキング@落葉灌木根元♪+巣口R点検 2-25 19:51:08 nDSCF0023 -2℃ 左から来たタヌキが雪面を嗅ぎ回る。 

細い落葉灌木の匂いを嗅いでから腰を落として排尿マーキング。 
同時にクゥーン♪と小声で鳴きました。(@0:55〜) 

尻尾にスギの落葉が付着したまま、引きずって歩くタヌキ♂が登場。 
左の首筋の毛皮にもゴミが付着しています。 
当然ながら、付着物だけで個体識別することはできません。

ゴミ付着個体が右後脚を高く上げながら、細い落葉灌木に小便をかけました。
後から来た個体(おそらく♀)の尻の匂いを嗅いで発情状態をチェックしようとしたら、嫌がられました。
先行個体♂aがマーキングしたばかりの細い落葉灌木の匂いを嗅いでも、対抗して小便しませんでした。


シーン3:2/26(@2:29〜)
後続個体♂が通りすがりに、落葉灌木の根元に立ち小便でマーキング。

巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅いでから、巣口Rの縁の雪面に排尿マーキング。
小便しながらクゥーン♪と鳴きました。 
後脚を上げずに腰を落としたまま小便したので、♀かもしれません。 
雪面は凍っていて、タヌキが歩いても足跡が残りません。 

後続個体の行動が興味深いです。
前の個体がマーキングした地点を嗅ぎ当てると、その雪面を前足で軽く掻きながら舐めました。 
♂が♀の発情状態をチェックしているのでしょうか? 
舐めたり匂いを嗅いだりしながら、クゥーン♪と鳴きました。 
その地点に♂が対抗して排尿マーキングすることはありませんでした。 
再び巣口Rに顔を突っ込んで覗き込んでいるということは、巣内にタヌキ♀が居ると思っているのかな? 



シーン4:2/27(@4:26〜) 
右奥のオニグルミ立木の幹に排尿マーキング。
後続個体が同じ立木の根元の匂いを嗅ぎ回る際に、雪に足がズボッと潜りました。 


シーン5:2/28(@5:03〜)日の入り時刻は午後17:34。 
日没後も雪あかりでまだ明るい夕方にタヌキのペアが監視カメラに写りました。 

♂が細い灌木の匂いを嗅いでから左後脚を上げで排尿マーキング。

日が暮れた晩に単独で来たタヌキ♀は、林内の雪面に腰を屈めて排尿マーキング。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2026/05/26

用水路沿いを遊動しながら放尿するニホンザル

 

2024年9月中旬・午前11:20頃および11:50頃・晴れ 

山麓の用水路沿いを遊動する野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れを撮影していると、一部の個体が排尿しました。 
いつ誰が尿意を催して放尿するか予測できないので、狙って撮ったのではなく、あれこれとひたすら長撮りした動画に偶然写っていたのです。 


シーン1:午前11:20頃・晴れ 
対岸のコンクリート護岸の縁に座った個体(おそらく♀)が排尿・失禁していました。 
猿の尻から涸れた水路内に小便が滴り落ちています。 


シーン2:午前11:20頃・晴れ 
用水路のコンクリート護岸に沿って右から左に歩く♀個体を流し撮りしたら、途中で排尿したようで、ジョボジョボ…♪という放尿音が聞こえました。 
しかし、1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:41〜)しても、股間から排尿しているかどうか、よく分かりませんでした。 
(歩きながら排尿したら、足元のコンクリートが小便で黒く濡れるはずです。) 
カメラの死角で別の個体が排尿したのかもしれません。


※ 動画の前半部は編集時に自動色調補正を施しています。

野生のニホンザルですから、水洗トイレ(水路の中)に小便するようにしつけされている訳ではありません。
遊動中にところ構わず排尿します。

関連記事(12年前の撮影)▶ 野生ニホンザルが樹上で放尿

2026/05/23

スギ防風林の溜め糞場でホンドタヌキ♀と並んで一緒に排泄しながら奇妙な3本足体勢になるパートナーの♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月下旬・午後18:01・降雪・気温-1℃ 

雪深いスギ防風林にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcを自動センサーカメラで見張っています。 

雪が降る晩に来たペアの先行個体aが溜め糞の匂いを嗅ぎながら、林床の新雪を右前足で掻きました。 
雪面に軽く掘った穴にまたがって排便を始め、身震いしました。 

途中で 後続個体♂bが左から来て溜め糞場wbcで合流すると、まず排尿したようです。 
このとき右後脚を上げたので、♂と判明。 
続けて向きを変えて、排便体勢に移行しましたが、なぜか尻を高々と上げています。 
先に排便を済ませた♀aが右上奥に立ち去ると、後続の♂bは左後脚を上げながら3本足で脱糞していました。 
こんな奇妙な排便姿勢は初見です。 
♂bは足を怪我して跛行している訳でもなく、♀aが立ち去ると左足を着地しました。 

先行個体の♀aは、奥のスギ立木の根元の匂いを嗅いでいました。 


【考察】 
ホンドタヌキ♂が3本足の奇妙な体勢で脱糞した理由は何でしょう? 
もしかして左後脚を怪我(あるいは霜焼け凍傷?)して跛行しているのかと初めは疑ったのですが、排泄前後の歩行に異常は認められず、怪我はなさそうです。 
同時に排便中している♀に触れないように、遠慮して左後脚を上げていたのでしょうか。 
もしかすると、発情期が近いパートナーの♀に尿をかけてアロマーキングしたのかもしれません。 



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