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2025/03/07

死んだニホンアナグマから乗っ取った巣穴を巡るホンドタヌキ同士の争い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が死んだニホンアナグマMeles anakuma)から乗っ取った営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:3/25・午前1:50・気温1℃(@0:00〜) 
冒頭から2頭のタヌキが巣口R付近をうろついていました。 
(もしかすると、出巣Rした直後なのかもしれません。) 
左の個体aが、2つの巣口LRの中間地点で落枝の匂いを嗅いでから、自分の首筋を擦り付けました。(@0:16〜) 
何か気に入った匂いを自分の身にまとおうとする、「匂い付け」の行動なのでしょう。 
その様子を見ていた右の♂個体bが正面からゆっくり近づいて、互いに鼻先の匂いを嗅いでから、なぜか相手に襲いかかりました。 
喧嘩の鳴き声(唸り声)♪が聞こえます。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


襲いかかった♂個体bが相手aから離れて奥の林内に入り、ミズキ灌木の根本に排尿マーキングしました。 
このとき左後脚を持ち上げたので、性別が♂と判明。 
(冒頭のシーンで、♂bは侵入者aに気づいて出巣Rした直後だったようです。) 

巣外の騒ぎを聞きつけて、別個体cが巣穴Rから外に飛び出してきました。 
タヌキcがゆっくりaに近づいたものの、今度は喧嘩になりませんでした。 
次にcは♂bの方へ近づいて行きました。 
追い払うかどうか、反応が気になるところですが、1分間の録画が打ち切られてしまいました。 

真暗闇で相手が見えませんから、敵か味方(パートナー)か匂いで確認するしかないようです。 
巣穴を巡る縄張り争いなのか、♀を巡る争いなのか、何か小競り合いが生じているようです。 

aが縄張り内で匂い付けの行動をしたこと自体がbへの挑発行動とみなしたようです。 


シーン2:3/25・午前1:52(@1:00〜) 
右に居る2頭が、巣穴の現在の主である♀♂ペアのようです。 
そのうちの1頭♀cが巣穴Rに入りました。 
もう1頭♂bが巣口Rで身震いしてから、♀cの後に続いて入巣Rするかと思いきや、更に別個体dが右下隅の暗がりから登場しました。(@1:15〜) 
そのタヌキdは、麻痺した下半身を引きずって歩く個体でした。 


タヌキ♂bは、背後の「いざりタヌキd」を気にせずにそのまま入巣Rしました。 
巣口LRの中間地点に残った個体aは、巣口Rに近づくと、落葉したマルバゴマギ灌木の根元に首筋を擦り付けて再び匂い付けをしました。 
前回とは匂い付けした対象物が異なります。 
いざりタヌキdと対面しても、互いに知り合いのようで、タヌキcは無反応でした。 
cdは敵対しないので、血縁関係(別の♀♂つがいまたは兄弟姉妹?)なのでしょう。 

その後、いざりタヌキdが♂b♀cペアに入巣Rを許されたかどうか、非常に気になるのですが、残念ながら続きが録画されていません。 
(拒まれたと予想しています。)


【考察】 
2分間の動画で4頭のタヌキが登場する、目まぐるしい展開になりました。 
♂b♀cつがいが、この巣穴Rの新しい主のようです。 
そこへ余所者aが現れて、トラブルになったようです。 

早春はタヌキの繁殖期ですから、♀を巡る♂同士の争いなのか、それとも巣穴を巡る縄張り争いかもしれません。 
♀c♂bは自分の営巣地のあちこちに排尿マーキングして縄張り宣言をしているはずです。 
余所者タヌキaはそのマーキングの匂いを自分の体に擦りつけてから、巣穴に侵入してちゃっかり住み着く作戦だったのかもしれません。(化学擬態) 
ホンドギツネがホンドタヌキの巣穴を乗っ取る前にも、似たような行動が見られました。(タヌキがマーキングした地面に転げ回って匂い付け) 

余所者タヌキaの意図を♂bが見抜いたからこそ、aが縄張り内で匂い付けの行動をしたこと自体がbへの挑発行動とみなしたようです。 

麻痺した下半身を引きずって歩く(いざり歩く)タヌキdも心配です。 
どうやら顔見知りの家族群の中の1頭が(交通事故で?)半身不随になったようです。 
それとも、巣穴を巡る縄張り争いでタヌキ同士が死闘を繰り広げ、大怪我を負ったのでしょうか? 

この2日後(3/27)の晩からセットの端でニホンアナグマの死骸をタヌキが食べ始めました。 
その中の1頭が、「いざりタヌキ」でした。 


つづく→

2025/03/03

外出前に巣口を念入りに隠蔽するホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月下旬 

平地の二次林で死亡したニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に住み着いた(乗っ取った)ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の動向を自動撮影カメラで監視しています。 


シーン1:3/24・午後18:23・気温9℃(@0:00〜)日の入り時刻は午後17:58 
小雪がちらつく晩に、巣口L付近でタヌキの♀♂ペアがうろついていました。 
巣口Lの匂いを嗅いだだけで、2頭は相次いで巣穴Rに入りました。 タヌキが巣穴Lに入るのを一度も見たことがありません。 
巣穴Lは住心地が悪くて使われていないようです。 

巣穴Rを内見すると、また外に出てきました。 
タヌキの♀♂ペアは興奮したように(嬉しそうに?)、巣穴Rへの出入りを繰り返しています。 


シーン2:3/24・午後18:27(@0:38〜) 
タヌキの♀♂カップルは、相変わらず巣穴Rへの出入りを繰り返し、はしゃいでいます。 
やがて♀が出巣Rした後、身震いしてから林内へ入り、右へ立ち去りました。 
夜行性のタヌキは、これから♀♂ペアで一緒に採餌に出かけるのでしょう。 

外出する前に、後続の♂が興味深い行動をとりました。 
巣口Rを隠蔽するように周囲から落枝を咥えて集め、巣口Rに置いたのです。 
太い落枝と細い落枝を2本使って、外出前に巣口を隠蔽工作しました。 
しっかり戸締まりをして、留守中に外敵が侵入しにくくしているのでしょう。 
タヌキの知性を感じさせるこんな行動を見るのは初めてです。 

後続個体は更に、営巣地の端でミズキ灌木の根本に排尿して縄張り宣言しました。 
このとき左後足を軽く持ち上げたので、後続個体の性別が♂と判明しました。 
それでも戸締まりが不安になったようで、巣口Rに戻って複数の落枝をさらに組み上げました。 

その間に先行個体♀も画面の右下隅で小便でマーキングしたようですが、排尿姿勢がよく分かりませんでした。(@1:27〜) 
しかもその後、せっかく♂が戸締まりしたばかりの巣穴Rに、戻ってきた♀が潜り込んでしまいました。 


シーン3:3/24・午後18:28(@0:00〜) 
♀はすぐにまた巣穴Rの外に出てきて、いよいよ本当に右へ立ち去りました。 
後続の♂は再び巣口Rを落枝で念入りに隠蔽(戸締まり)してから、先行する♀の後を追って右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
タヌキはキツネやアナグマと違って、自分で巣穴を掘れませんから、巣穴はとても貴重な守るべき資源(不動産)です。
繁殖期が近づくと穴居性の野生動物の間で巣穴の熾烈な争奪戦があることを、今回の戸締まり行動は伺わせます。

留守中に巣穴が誰かに奪われるのが嫌なら、♀♂ペアが同時に外出しないで1頭ずつかわりばんこに外出すれば良いと思うのですが、タヌキはそうした解決法(留守番で巣穴を防衛)を取りません。
タヌキは生きた獲物を狩る訳ではないのに、どうして♀♂ペアが一緒に採餌したがるのか、そのメリットが私にはいまいち理解できません。
もしかすると、留守番要員として血縁関係のあるヘルパーが採用されるのかな?




2025/02/20

左右の角の先が欠けたニホンカモシカが早春の雪山で灌木に眼下腺マーキングと角研ぎを繰り返す

 

2024年3月下旬・午後13:20頃・晴れ 

早春の里山に登ると、尾根道は残雪に覆われていました。 
晴れて気温が上がり、雪質はシャーベット状(ジャリジャリ)のいわゆる腐れ雪でした。
スノーシューを履いて尾根道を縦走していると、雪面にニホンカモシカCapricornis crispus)が通ったばかりの新しい蹄跡を発見。  
足跡を辿って進むと、前方に居たカモシカが驚いて右から左へ尾根道を横切り、斜面を少し登って落葉灌木林の陰に隠れました。
 (映像はここから。) 

逃げたカモシカは、落葉した藪の隙間から、尾根道に立つ私を正面から見下ろしています。 
手前の茂みが邪魔でよく見えないのですが、黒い角の先端が左右両方で欠けているようです。 
個体識別をする上で、これほど分かりやすい特徴はありません。
カモシカの股間に注目しても外性器が見えず、性別不明です。 
過去の記録を遡ってみると、「左角欠け」と「左耳裂け右角欠け」という個体が居ましたが、左右両方とも角が欠けている個体は初見です。 

カモシカが奥に少し移動して姿が見えなくなる度に、私も静かに追いかけて、撮影を続けます。
どうやら、尾根道に並行して一段高い獣道があるようです。 
カモシカは、自分が相手よりも高所にいれば心理的に安心するのです。 

しばらくするとカモシカは、立木(落葉樹)の幹の匂いを嗅いでから、顔の眼下腺をゴシゴシと擦りつけてマーキングし始めました。 (@2:00〜)
尾根沿いを右へ右へと少しずつ歩いて移動しながら、次々と立木に眼下腺で匂い付けしています。 

ニホンカモシカがこれほど頻繁かつ連続して眼下腺マーキングしたのは初見です。 
これまでトレイルカメラ(無人カメラ)による観察では、画角が限定されているために、カモシカは単発でしか眼下腺マーキングしないのが普通だと思っていました。

したがって、今回の個体は明らかに近くで見ている私を意識して無言の縄張りアピールをしているようです。 (縄張り宣言の誇示行動。) 

次にカモシカが頭を低く下げたので、採食しているのかと思いきや、細い落葉灌木に角を擦りつけていました。(@3:46〜) 
同じ灌木で何度も角研ぎしています。 
自分の角の先端が欠けたことを自覚していて、それを研ぎ直そうとしているのだとしたら面白いのですが、この行動もやはり、しつこく追いかけて撮影する私に対する誇示行動(縄張り宣言)なのでしょう。 
角を研いだり磨いたりしたいのなら、もっと太くて頑丈な幹を選ぶはずです。 
今回は細い灌木を角で傷つけて樹皮を剥ぎ、マーキングするのが目的のようです。 

カモシカの角は骨で出来ています。
Perplexity AIに教えてもらったのですが、カモシカの角に神経は通っていないので折れても痛みは感じないらしいです。
角を研ぐ際に違和感があって、折れたと自覚しているかもしれません。
シカと違ってカモシカの角は毎年生え変わることはありません。
したがって、カモシカの角が一度欠けると再生することはなく、個体識別するのに最適な特徴となります。

カモシカは道中で更にもう1本の別な細い立木でも眼下腺マーキングしました。 
カモシカは私を一瞥してから、右にどんどん歩き去ります。 
約10分間の遭遇中に、この個体は鼻息を荒げる威嚇を一度もしませんでした。 
いくら私が忍び足で追跡しようとしても、スノーシューで腐れ雪の上を歩くとザクザクと音を立ててしまいますから、カモシカは気づいているはずです。
おそらく私の汗の匂いを嗅ぎ取って、「またいつもの変な奴か…」と認識してくれているのかもしれません。 


最後に私は初めに遭遇した地点まで戻って、残雪に残るカモシカの蹄跡を録画しました。 
私に気づいたカモシカが慌てて走って逃げた様子が足跡から読み取れます。 
カモシカが角研ぎした現場を検証して、写真を撮ったり樹種を確かめるべきでしたね。 
例えば、この辺りではオオバクロモジの木がよく自生しています。
クロモジの木を傷つけるとミントのような清々しい芳香がするのですけど、カモシカもこの匂いが好きだとしたら、面白い話です。

そのままカモシカを追跡しようか迷ったのですが、足取りは遅くても私がスノーシューでは踏破できそうもない急峻なルートを選んで歩き去るので、諦めました。 
次善の策として、先回りしてカモシカが来るのを待ち構えようとしたのですが、この日はもう再会できませんでした。 
よく晴れた日の雪山登山で野生のニホンカモシカと濃密な時間を過ごせて、最高の気分でした。


【追記】
ニホンカモシカの角が折れる原因について調べると、AIによって異なる回答を得ました。
まずはPerplexityの回答はこちら。
野生のニホンカモシカで角が折れたり欠けたりする主な原因は、同種間の闘争(縄張り争い)ではありません。カモシカの角の損傷には、以下のような要因が考えられます:

1. 事故や怪我:カモシカが崖から転落したり、木の枝に引っかかったりすることで角が損傷する可能性があります[4]。

2. 人為的要因:
   - くくりわなによる錯誤捕獲:シカやイノシシを捕獲するためのくくりわなに、カモシカが誤って捕まることがあります。この際に角が損傷する可能性があります[1][4]。
   - 防鹿ネット:農林業被害対策として設置された防鹿ネットに絡まることで、角が損傷する事例が報告されています[4]。

3. 生息環境の変化:近年、シカの生息域拡大によりカモシカとの競合が増加しています。これにより、カモシカの行動パターンが変化し、事故や怪我のリスクが高まる可能性があります[2]。

カモシカの角は、シカの「枝角」とは異なり、「洞角」と呼ばれる種類です。カモシカは角を主に縄張りのマーキングに使用し、激しい闘争には使用しません。そのため、同種間の闘争による角の損傷は稀であると考えられます。

カモシカの角の損傷は、主に環境要因や人為的要因によるものが多いと言えます。保全活動においては、これらの要因を考慮し、カモシカの生息環境の保護や、錯誤捕獲の防止などの対策が重要となります。
Perplexityの回答に珍しく納得できなかったので、セカンドオピニオンとしてGemini2.0にも同じ質問をしてみました。
同種間の喧嘩の結果であるかどうか、という点について真逆の回答を返したのが興味深く思いました。
学習データが違うのでしょう。
ただし、GeminiはPerplexityとは違い、推論の根拠となった出典を示してくれません。
ニホンカモシカの角が折れたり欠けたりする原因として、同種間の闘争(縄張り争い)は可能性の一つとして考えられます。

ニホンカモシカは、オスもメスも生涯を通じて角を持ち、成長とともに伸び続けます。角は、ニホンカモシカにとって、外敵から身を守る武器であると同時に、同性間(特にオス)の争いにおける道具でもあります。

特に繁殖期になると、オスはメスを巡って激しく争います。その際、角をぶつけ合ったり、突き合ったりすることがあります。そのような争いの結果、角が折れたり、欠けたりすることがあります。

ただし、ニホンカモシカの角は、先端が尖っているわけではなく、比較的丸みを帯びています。そのため、角の先端を使って相手を傷つけるような戦い方をするとは考えにくいかもしれません。むしろ、角をぶつけ合って相手を押し倒したり、威嚇したりする際に、角が折れたり欠けたりする可能性が高いと考えられます。

また、角が折れたり欠けたりする原因は、同種間の闘争だけではありません。

*   **自然な摩耗:** 角は、日常生活の中で自然に摩耗していきます。特に、岩場や木の枝などに角を擦り付けることで、少しずつ削れていくことがあります。
*   **事故:** 崖から落ちたり、他の動物に襲われたりする際に、角が折れたり欠けたりすることがあります。
*   **病気:** 角の病気によって、角がもろくなり、折れやすくなることもあります。

ニホンカモシカの角が折れたり欠けたりする原因は、様々な要因が複合的に関わっていると考えられます。同種間の闘争もそのうちの一つですが、それ以外にも、自然な摩耗や事故、病気なども原因として考えられます。


2025/02/17

子猫を連れて路地裏を歩く親のイエネコ♀が尿スプレーで縄張りをマーキング

 

前回の記事:▶ 庭を探索する3匹の子ネコ 


2023年9月中旬・午後14:10頃・くもり 

民家の庭から逃げた子ネコを追いかけて横の路地裏に回り込むと、白黒模様のイエネコFelis silvestris catus)が歩き去るところでした。 
背側は真っ黒で、下半身は白色の毛並みでした。 
左右非対称の模様が個体識別に使えそうです。 
右後脚が腿まで白く、左側だけ、黒い耳の後ろに白点があります。 

やがて奥の道端で座り込んで待っていた成獣の別個体と合流しました。 
この個体も白黒の模様で、鼻先が黒いです。 子ネコ?に近寄りながら小声で鳴いて挨拶しているようですが、少し遠くて聞き取れません。 
この2頭が親子だとすれば、成獣の個体は母親でしょう。 
イエネコ♂は一般に我が子を認識できず、子ネコの世話をすることはありません。 
腹面に乳首がないかどうか目を凝らしてみても、私には分かりませんでした。 
この時期にはおそらく子ネコも離乳しているはずです。 
母親♀は路上に座って、右首の痒い部位を右後足で掻きました。 

立ち上がると、親子で道端の茂みが気になるようで、見上げたり匂いを嗅ぎ回ったりしています。 
親猫だけが尻尾を高々と上げて、道端に生えた雑草の茂みに対して何度も排尿マーキング(尿スプレー)をしたようです。 
縄張りに尿スプレーをするのは雄猫♂だけだと思い込んでいた私は、辻褄が合わなくなって意外に思いました。 
Perplexity AIに相談してみると、雌猫♀も発情したときなどに尿スプレーをすることがあるのだそうです。 
この時期に見かける子ネコは春から初夏にかけて生まれた可能性が高く、生後少なくとも3〜4ヶ月程度経過していると推測され、既に離乳を完了しているでしょう。 
離乳が済んだ母猫♀は再び発情し、この時期に縄張り内に尿スプレーを始めても不思議ではありません。 

小さい方の白黒ネコは子猫(当歳仔)だと思っていたのですが、私の勘違いかもしれません。 
数分前に見た白黒模様の子猫とは明らかに別個体で、しかも子猫より少し大人に見えます。 
今回の動画で私の解釈は根本的にどこか間違っているのではないかと、自信がありません。

街なかで暮らす野良猫を本格的に観察するのも面白そうですが、大人が本気でフィールドワークすると不審者として通報されそうです。 
小学生ならまだ許されそうなので、子供の自由研究向きのテーマかもしれません。


【アフィリエイト】

2025/02/14

早春にホンドタヌキ♀♂がパートナーの発情状態を調べ、ニホンアナグマの冬眠巣穴を何度も内見【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月中旬〜下旬 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が一緒に登場したシーンをまとめてみました。 


シーン1:3/17・午前4:46・気温-3℃(@0:00〜) 
未明に右から来たタヌキが途中で通りすがりにアナグマの巣口Lの匂いを嗅ぎました。 
やがて後続個体も右から登場し、巣口Lを跳び超えて左へ向かいました。 


シーン2:3/21・午後18:54・気温-2℃(@0:36〜) 
寒の戻りで少し雪が降ったようで、林床にうっすらと雪が積もっています。 
晩にタヌキがセットを左へ通り過ぎました。 
右下から登場した後続個体は、アナグマの巣口R、Lを順に覗き込み、点検して回ります。 


シーン3:3/24・午前4:52・霧(@1:25〜) 
3日後の夜霧が立ち込める未明に、2頭のタヌキが登場。 
1頭は奥の林内へ入り、もう1頭はアナグマの営巣地をうろついて巣口Rを点検。 


シーン4:3/24・午前4:54・霧(@2:25〜) 
手前の獣道を右往左往していた個体aがセットに戻ってきたら、いつの間にか巣穴Rに潜り込んでいた別個体bが外に出てきて出迎えました。 
アナグマが巣内Rで冬眠しているはずなので、「同じ穴のむじな」の状況になっていたことになります。 

タヌキbは巣口Rで身震い。 
タヌキのペアはばらばらに右へ立ち去りました。 


シーン5:3/24・午前5:24・気温0℃(@3:26〜) 
30分後、1頭のタヌキが右に立ち去り、しばらくするともう1頭が出巣Rしました。 
辺りを警戒しながら奥の灌木林へ向かいます。 

明け方に夜霧から雪に変わったようで、林床はっすらと雪化粧していました。 


シーン6:3/24・午前5:24・気温2℃(@4:00〜)日の出時刻は午前5:34。 
日の出前ですが、もう明るくなっていました。 
♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが奥の二次林から手前のセットに来て、1頭が迷わず巣穴Rに潜り込みました。 
内見しただけで、しばらくすると外に出てきました(出巣R)。 
尻尾に黒班が無い個体です。 
セットをうろついている間に、もう1匹は二次林に残ったまま待っています。 


シーン7:3/24・午前5:33・気温3℃(@5:00〜) 
20秒後(日の出直前)に監視カメラが再び起動すると、1匹のタヌキは二次林で伏せたまま不動でした。 
もう1匹も奥の林内へ向かう途中で、林縁のミズキ灌木の根元に排尿マーキングしました。(@ 〜) 
このとき右後脚を持ち上げたので、♂と判明。 
♀だと思っていたパートナーは、なぜか♂について行かず、林内に座ったまま見送るだけでした。 


シーン8:3/24・午前6:48・気温0℃(@6:00〜) 
すっかり明るくなった早朝に、2頭のタヌキがアナグマの巣口R周辺をうろついていました。 
一方のタヌキがパートナーに寄り添って、尻(肛門?)の匂いを念入りに嗅ぎました。 (@6:05〜)
おそらく♂が♀の発情状態を確認しているのでしょう。 
♀は嫌がらずに尻尾を少し上げました。
♂が♀の尻の辺りを舐めて毛繕いしているようにも見えます。(対他毛繕い) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンアナグマが冬眠していた営巣地(セット)にホンドタヌキが♀♂ペアで現れる頻度がなぜか急に上がりました。
巣穴Rを何度か内見しているようです。 
もしかして、空き巣なのでしょうか?

タヌキ♀の発情状態を、付き添う♂がチェックしています。
(先にお伝えしておくと、今季各所に設置したトレイルカメラにホンドタヌキ♀♂の交尾シーンは写っていませんでした。)
タヌキ♀の出産に備えて、アナグマの巣穴を乗っ取るつもりなのでしょうか。 

監視カメラには写っていませんが、実はこの時、巣穴の主であるアナグマの身に極めて重大な事件(死亡・殺害?)が起きていた可能性があります。 
(あー、次の急展開を早く言いたい…。)


2025/02/12

ホンドギツネに乗っ取られた巣穴の入口にマーキングだけして立ち去るホンドタヌキ♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月中旬〜下旬 

シーン0:3/11・午後13:08・晴れ・気温27℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
残雪に覆われた休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
残雪が溶けて地面があちこちで露出するようになりました。 


シーン1:3/15・午後18:27・降雪・気温18℃(@0:04〜)日の入り時刻は午後17:49。 
小雪が風に舞う晩に、雪が溶けた枯野を♀♂ペアと思われる2頭が縦列で左から登場しました。 

巣口L、M、Rを左から順に訪れて、匂いを嗅いでいます。 
最近ホンドギツネが出入りしている巣口Rで1頭のタヌキ(♀?)が縄張り宣言の排尿マーキングをした(「タヌキ参上!」)ような気がするのですが、どうでしょう。(@0:30〜) 
遠くて赤外線があまり届かず、しっかり見えませんでした。
巣内に入ることはなく、タヌキの♀♂ペアはそのまま右上奥に立ち去りました。 


シーン2:3/19・午後13:16・晴れ・気温26℃(@0:45〜) 
昼間に晴れると、営巣地の残雪がどんどん消え去ります。 


シーン3:3/24・午前3:37・気温0℃(@0:49〜) 
未明に監視カメラが起動すると、濃霧が立ち込めている上に、寒の戻りで吹雪いていました。 

こんな悪天候でも巣口付近で獣の白く光る目が動きました。 
巣穴Rを乗っ取った疥癬キツネ「細尾」なのか、それともタヌキがうろついているのか、まったく見分けられません。 


シーン4:3/25・午前0:03・気温0℃(@1:06〜) 
翌日も深夜に監視カメラが起動すると、夜霧が立ち込めていました。 
白く光る眼が左にゆっくり動き、最後は手前に来ました。 
単独行動のタヌキかアナグマだと思うのですが、五里霧中で分かりません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/02/08

雪原の営巣地でホンドタヌキ、ホンドギツネ、ニホンアナグマ三種による同居/乗っ取り【トレイルカメラ:暗視映像】同じ穴の狢

 

前回の記事:▶  


2024年2月下旬〜3月上旬〜中旬 

雪が積もった休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
タヌキ以外にも様々な野生動物が入れ代わり立ち代わりやって来ます。
特にこの時期は怒涛の急展開となり、「同じ穴のむじな」と簡単には言えない複雑な様相を呈してきました。 
これまで私は動物の種類ごとに映像をまとめてきましたが、それでは全貌を伝えにくくなったので、今回は改めて動物種を問わずに時系列順に映像を並べ直してみました。 


シーン0:2/20(@0:00〜) 
シーン1:2/21(@1:04〜) 
シーン2:2/22(@1:40〜) 
シーン3:2/24(@2:14〜) 
シーン4:2/25(@2:18〜) 
ここまで、タヌキが1〜2頭で営巣地をうろついています。 
おそらく♀♂ペアなのでしょう。 
巣口に顔を突っ込んで匂いを嗅いだりしています。 


シーン5:2/27(@3:22〜) 
夜明け前にホンドギツネVulpes vulpes japonica)が登場。(@4:22〜) 
タヌキの営巣地をしばらく偵察した後に、画面の右下手前の雪面(または露出した地面)で何度も転げ回り、自分の毛皮に匂い付けをするようになりました。 
タヌキの巣口L周辺の雪面でも腹這いになり、同様の「匂い付け転がり」行動をしました。 
これは私の想像ですが、タヌキの小便跡(マーキング)の匂いに反応したキツネが、その匂いを自分の身にまとおうとしているようです。 
「匂い付け転がり」で化学擬態したキツネ「フサ尾」は、タヌキの巣口Rと巣口Mfに交互に顔を突っ込み、中の獲物を外に追い立て始めました。 
しかし、巣内の獲物は籠城したままです。 
キツネ「フサ尾」は諦めて立ち去りました。 
結局キツネが狙っている対象が野ネズミなのかタヌキなのか、私には分かりませんでした。 


 シーン6:2/28(@9:49〜) 
夜行性のタヌキ3頭が一緒にうろついています。 
1頭が画面の右下手前の地面で、キツネが前日に転げ回った跡を嗅ぎつけたようです。 
タヌキがキツネに対抗して排尿マーキングしたかどうかは画角の端で見えず、少なくとも興奮して地面に転げ回ることはしませんでした。 

明るい日中に、別個体のキツネが登場。 
疥癬の症状で毛並みが悪く、尻尾が細く見える個体です。(細尾) 
ヒゼンダニに寄生されて痒い体をしきりに足で掻き毟っています。 
キツネ「細尾」がいきなりタヌキの巣穴Rに潜り込んだので驚きました。 
そのまま外に出てこなかったので、巣穴を乗っ取って居座ったようです。 

晩遅くには、別のキツネ「フサ尾」が通りかかったものの、疥癬キツネ「細尾」が乗っ取った巣穴Rには近寄りませんでした。(気づいていないのか?) 


シーン7:2/29(@11:51〜) 
深夜にいつの間にか出巣Rしていた疥癬キツネ「細尾」が、画面右端の地面で転げ回り、匂い付けしました。 
その直後、タヌキの巣口Rと巣口Mfに交互に顔を突っ込み、中の獲物を外に追い立て始めました。 
何か小さな動物(おそらくハタネズミ?)が巣穴から暗闇の枯野に飛び出してきて走り回り、それをキツネが狩ろうとしています。 
狩りの成否は不明です。 

疥癬キツネ「細尾」が再び戻ってきて、お気に入りの場所で転げ回り、匂い付けしてから立ち去りました。

夜明け前に、外出(採餌)から単独で戻ってきたタヌキが、巣穴Mfに潜り込みました。(帰巣) 
明るい昼間、タヌキは巣内で寝て休みます。 

再び暗くなった晩に、夜行性のキツネ「フサ尾」が営巣地を通過。 

次に、疥癬キツネ「細尾」が出巣Rして手前の二次林に向かいました。 

深夜にタヌキのペアが登場し、1頭はすぐに入巣R。 
もう1頭は、巣口Mf付近で排尿マーキングしてから、入巣Rしかけたところで録画終了。 


シーン8:3/2(@14:51〜) 
吹雪の吹き荒れる深夜に、キツネ「フサ尾」がいつもの場所で転げ回り、匂い付けしてから立ち去りました。 

その後は疥癬キツネ「細尾」が出巣Rして手前の二次林に向かいました。 

雪が降り止んだ明るい朝に、疥癬キツネ「細尾」が出巣Rして手前の二次林に向かいました。 

しばらくすると外出(採食)から戻ってきて、巣穴Rに潜り込みました。 


シーン9:3/4(@15:48〜) 
明るい午前中に、疥癬キツネ「細尾」が外出(採食)から戻ってきて、通りすがりに巣口Mの匂いを嗅いでから巣穴Rに潜り込みました。 


シーン10:3/5(@16:09〜) 
明るい午前中に出巣Rした疥癬キツネ「細尾」が採食のため外出。


シーン11:3/6(@16:17〜) 
明るい昼下がりに出巣Rした疥癬キツネ「細尾」が手前の二次林に向かい、採食のため外出します。 


シーン12:3/7(@16:24〜) 
疥癬キツネ「細尾」が外出から戻ってきたのは、翌日の晩でした。 
真っ直ぐに帰巣R。 


シーン13:3/8(@16:42〜) 
明るい午前中に出巣Rした疥癬キツネ「細尾」が採食のため外出します。 


シーン14:3/9(@16:50〜) 
疥癬キツネ「細尾」が外出から戻ってきたのは、翌日の未明でした。 
真っ直ぐに帰巣Rしかけたところで録画が終了。 


シーン15:3/10(@17:00〜) 
晩にニホンアナグマMeles anakuma)が単独でやって来ました。 
冬眠から目覚め、久しぶりに外出していたようです。 
雪原を横切り、躊躇なく巣穴Mfに潜り込みました。 
この巣穴Mfでアナグマが冬眠していたことを、私はそれまで気づきませんでした。


シーン16:3/11(@17:19〜) 
タヌキが単独で凍った雪原を右往左往。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、巣穴Mfに潜り込みました。 
そこは前夜にアナグマが入巣したので、「同じ穴のむじな」としてタヌキも同居していることになります。 
冬眠中のアナグマと非冬眠性のタヌキが寄り添って寝ているのか、それとも居住区は別なのか、知りたいところです。 

冬ごもりするアナグマは他者の侵入にかなり寛容なのか? 自分で深い穴を掘れない野生動物にとって、よほどの住宅難なのだろう。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
トレイルカメラは素晴らしい文明の利器ですが、決して完璧ではありません。 
厳冬期は低温のせいで電池の電圧が低下(カメラの性能低下)していたり、画角の縦方向の動きに対しては反応が鈍く、撮り損ねが結構ありそうです。 
断片的で不完全な映像記録から想像するしかありません。

三種類の食肉目が巣穴を共有するとは思いもよりませんでした。
力づくで(暴力的に)巣穴という不動産を強奪したというよりも、主が不在の時を狙って乗っ取ったようです。
疥癬キツネ「細尾」がタヌキの巣穴Rを乗っ取って住み着いた後、タヌキは遠慮してあまり近寄らなくなりました。 
なるべく鉢合わせしないように、時間をずらして訪問している印象です。 
時間帯を分割してニッチ(同じ巣穴)を共有しているという説があります。 
タヌキの営巣地だったと言っても、元々はアナグマが掘った巣穴ではないかと私は想像しています。
アナグマがなぜこれほど他者(別種)に寛容で巣穴への居候を許しているのか、不思議でなりません。




【アフィリエイト】 


2025/02/07

ニホンアナグマが冬眠する巣口で通りすがりに小便でマーキングするホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月上旬

シーン0:3/3・午後12:31・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン0:3/3・午後12:36・晴れ・気温22℃(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を2台のトレイルカメラで別アングルから監視しています。 
暖冬ですが、雪がまた少し林床に積もりました。 


シーン1:3/9・午後23:20・気温-3℃(@0:07〜) 
晴れて静かな晩遅くに3頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が続々とやって来ました。 
雪面が凍結していて、タヌキが歩いても足跡が残りません。 

先行個体aがアナグマの巣口Lの手前で立ち止まり、匂いを嗅いでいます。 
左へ立ち去ろうとすると、対面に設置した監視カメラのセンサーが反応して赤外線LEDが点灯しました。 
雪面がレフ板になっているため、2台分の赤外線で煌々と照らされ、画面全体が明るくなりました。 
タヌキaは、ちょっと振り返って監視カメラを見上げただけで、そのまま左へ立ち去りました。 

後続個体bが巣口Lに向かう手前で、落葉したマルバゴマキの細い灌木の根元に排尿マーキングしたようです。(@0:25〜) 
巣口Lの匂いを嗅いでから、左に向かいました。 

殿しんがりを務める個体cが右奥の林内からセットに登場。 
アナグマの巣口R➔L➔Rの順に点検しました。 
巣穴Rに入りそうになったところで、1分間の録画が打ち切られました。 


シーン2:3/9・午後23:21・気温-4℃(@1:07〜) 
続きが別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
先行個体aが左から右へ横切る動きで起動したのです。 

後続個体b♂がマルバゴマキ灌木の根元に小便をかけて匂い付けする行動がしっかり撮れていました。(@1:17〜) 
右後足を軽く持ち上げながら排尿したので、♂と判明。 
巣口Lの奥を覗き込んでから、跨いで右へ立ち去りました。 

最後に登場した個体cは、スギの落ち葉を尻尾に引っかかったまま引きずって歩いています。 
タヌキたちは、落葉した二次林に隣接するスギ林を通ってきたことが分かります。 
巣口Lを回り込んでから一旦左の巣口Rへ戻り、死角に消えました。


シーン3:3/9・午後23:25・(@1:53〜) 
約3分50秒後に、単独行動のタヌキがセットの林縁を左へ向かいました。 
私にはタヌキの個体識別ができていません。 
殿の個体cがアナグマの巣穴Rに潜り込んで内見していたのかもしれませんが、この個体は尻尾にスギの落ち葉を引きずっていません。 
まったく別の個体dが来ていたという可能性もあり得ます。 
セットの端で身震いしてから左へ立ち去りました。 

最後のタヌキがセットを左に横切っても、対面に設置した監視カメラは反応しませんでした。 
私が監視カメラを長期間同じ場所に設置しているため、夜な夜なここを巡回するタヌキは学習して、なるべくセンサーの死角を選んで歩くようになったのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


この3頭のタヌキは親子なのですかね?
若い3兄弟(姉妹)が一緒に暮らしている可能性はどうでしょう?


2025/01/26

雪原の営巣地を家族でうろつき、キツネの匂い転がり跡を調べるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月下旬

休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:2/21・午後22:43・降雪・気温-1℃(@0:00〜) 
久しぶりに雪が降り、休耕地の枯野にうっすらと雪が積もりました。 

晩遅くに右から単独で登場したタヌキが巣口Mの横を通り過ぎ、立ち止まって身震いしました。 
新雪の雪原には、この個体の足跡しか残っていません。 
巣穴には立ち寄らずに、左へ立ち去りました。 


シーン2:2/25・午後4:01・・気温-7℃(@0:27〜) 
4日後の晴れた未明に、監視カメラがなぜか誤作動しました。 
雪面に足跡が残されています。 


シーン3:2/27・午前5:51・気温-1℃(@0:31〜)日の出時刻は午前6:12。 
横殴りの吹雪が吹き荒れる夜明け前に、タヌキが左下手前からゆっくり歩いて巣口Mに近づきました。 
頭を突っ込んで中の匂いを慎重に嗅いだだだけで、全身は入りませんでした。 
入巣Mしたかどうか見届ける前に、残念ながら1分間の録画時間が終わってしまいました。 


シーン4:2/27・午後17:45・気温3℃(@1:31〜)日の入り時刻は午後17:32。 
日没直後の様子です。 
昼間はよく晴れたらしく、せっかく積もった雪が半日でほとんど溶けていました。 
特に、手前の林縁に近い側は地面が完全に露出しています。 


シーン5:2/28・午前0:30・気温0℃(@1:34〜) 
日付が変わった深夜に、3頭のタヌキが一緒に現れました。 
家族群のはずですが、若い3兄弟なのか、それとも親子(♀♂つがいと子供)なのか、私には分かりません。 

雪原の奥に居た2頭は、前後して左へ向かいました。 
手前に来た個体は画面の右下隅で、キツネが転げ回った辺りの地面の匂いを嗅いでいます。 
何度も匂い転がり行動をしたキツネの残り香が気になるのでしょう。 
キツネに対抗して、このタヌキも匂い付け(排尿マーキング)したかどうか気になるのですけど、画角の端や死角になってよく分かりませんでした。
ただし、タヌキ自身は匂い転がり行動をやりませんでした。 

やがて、画面の左下隅から更にもう1頭が登場しました。(@2:11〜) 
この個体も、キツネが転げ回った地点の匂いを嗅ぎに行きました。 
タヌキたちはここに大小便を排泄して(営巣地の近くの溜め糞場?)縄張りをマーキングしているのではないかと私は想像しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




2025/01/22

雪原の営巣地を夜に1〜2頭でうろつくホンドタヌキ:2月中旬〜3月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2024年2月中旬〜下旬〜3月中旬


シーン0:2/20・午後13:10・くもり・気温23℃(@0:00〜) 明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
異常な暖冬で積雪量が少なく、あちこちで地面が露出しています。 
少なくとも3つの巣口(左から順にL、M、R)が点在しています。 

タヌキが営巣地をうろつくシーンをまとめてみました。 


シーン1:2/20・午後23:14・気温2℃(@0:04〜) 
深夜に単独で登場したタヌキが営巣地をうろついています。 
巣口Lにゆっくり近づいたものの、中に入ったかどうか見届けられませんでした。 
個体識別ができていませんが、素人目にはなんとなく巣穴の主ではなく、余所者のタヌキのような振る舞いです。 


シーン2:2/21・午後17:34・降雪・気温0℃(@1:04〜)日の入り時刻は午後17:26。 
雪が降る日没直後にタヌキが右へ立ち去ったのですが、監視カメラの起動が遅れてしまいました。 


シーン3:2/22・午後19:15・気温-1℃(@1:13〜) 
翌日の晩になると、雪は降り止んでいました。 
巣穴Rと手前の二次林を結ぶ足跡が新雪にくっきり残っているのに、残念ながらその様子が動画に撮れていません。 
タヌキの足跡よりも少し大きいので、ニホンアナグマですかね? 
(昼間に雪面が少し溶けて、タヌキの足跡が大きくぼやけただけかな?) 

左からタヌキの♀♂ペアが相次いでやって来て、監視カメラの前を横切りました。 
後続個体が巣口Rに寄り道したものの、匂いを嗅いだだけで右に立ち去りました。 


シーン4:2/24・午後23:40・気温-4℃(@1:47〜) 
2日後の深夜に監視カメラが誤作動?したようです。
晴れて静かな夜でした。 
雪面の足跡の状況を記録するために、残しておきます。 
野生動物の往来はなかったようです。 
雪が降らないと、古い足跡は次第にぼやけてきます。 


シーン5:2/25・午前1:47・気温-6℃(@1:51〜) 
翌日の深夜に♀♂ペアのタヌキが2頭同時に手前から現れました。 
巣口LMRの匂いをそれそれ順に嗅いで、巣口Mでペアが合流しました。 
巣口Rも念入りに調べています。 
この後、巣穴のいずれかに入ったかどうか、見届けられませんでした。 


シーン6:2/25・午前4:01・気温-7℃(@2:52〜) 
約3時間15分後に監視カメラがなぜか起動しました。(誤作動?) 


シーン7:2/29・午後23:23・気温2℃(@2:55〜) 
4日間で雪解けが急速に進んでいました。 
未明に♀♂ペアのタヌキが登場しました。 
1頭が巣口Rに入りました。 

その間、もう1頭は巣口Lの辺りで待っていました。 
右へ向かう途中で巣口Mの横で腰を屈めると排尿マーキングしました。(@3:24〜) 
排尿姿勢から♀と判明。 
最近キツネが出没しているので(映像公開予定)、対抗して縄張り宣言の匂い付けをしたのでしょう。 
その後、巣口Rに向かったのですが、パートナー♂の後を追って入巣Rしたかどうか見届けられませんでした。 


シーン8:3/11・午前1:10・気温-6℃(@3:55〜) 
次は3月中旬まで一気に飛びます。 
一面の銀世界に戻っていました。 

深夜に単独行動のタヌキが右から左へ雪原を横切りました。 
雪面は凍結していて、タヌキの足跡は残りません。 
もしかすると、巣穴MまたはRから外に出てきた直後なのかもしれませんが、その瞬間を撮れていませんし、足跡から推理することもできません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/01/18

ニホンアナグマの越冬用営巣地で排尿マーキングするホンドタヌキ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月中旬・午後18:45頃・気温3℃・日の入り時刻は午後17:25

異常な暖冬でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する二次林の営巣地(セット)から雪がほとんど溶けてしまいました。 
林床の地面が完全に露出して、まるで早春のような光景です。 

晩に近所のホンドタヌキ♀(Nyctereutes viverrinus)が単独でやって来ました。 
アナグマの巣口Rにそっと忍び寄りました。 
巣口Rで匂いを嗅いだだけで、中に侵入することはありませんでした。 
隣人の安否を確認しに来たのかと、どうしても私は想像してしまいます。 

セットから立ち去る間際に、画面の右下手前でタヌキは腰を落として排尿マーキングしたようです。(@0:40〜) 
縄張り宣言として、獣道に小便で匂い付けしたことになります。 
排尿の姿勢から、♀と判明しました。 
(♂はイヌと同じく片方の後足を上げて小便します。) 



2025/01/10

夜霧の雪山で塒のあるスギ林に来ても眼下腺マーキングするだけで立ち去る若いニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬 

シーン1:1/19・午後12:32・くもり・気温12℃(@0:00〜)
里山の斜面に植林されたスギ林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)のねぐらを自動撮影カメラで見張っています。 
画面の手前から右上奥に向かって斜面が下っています。 
今季は記録的な暖冬のため、積雪量が少ないです。 

カモシカの登場シーンを以下にまとめました。 
撮影効率があまりにも悪いので(カモシカが滅多に来ない)、退屈しのぎに余計なことを始めました。 
たまに来る昼行性のニホンリスSciurus lis)のために、オニグルミの堅果を給餌しようと、白いプラスチックの箱をスギの幹に固定してみたのです。
しかし、この作戦は全くの空振りに終わりました。 
私の給餌法が良くないのか、それともリスは警戒心が強いのでしょうか? 


シーン2:1/23・午前0:57・霧?・気温1℃(@0:04〜) 
画面全体がうっすらと曇っています。 
夜霧が発生しているのか、それともレンズの表面が薄っすらと凍りついてしまったのかもしれません。 

深夜に画面の右下から現れたカモシカの後ろ姿が写っています。 
斜めに倒れかけたスギ幼木の枝葉の匂いを嗅ぎ、顔の眼下腺を擦りつけてマーキングをしたようです。 
角がまだ細いので、若い個体のようです。 

雪面の匂いを嗅ぎながらゆっくりと奥に歩き、スギの立木に辿り着きました。 
根元や幹の匂いを嗅いでいる途中でふと見上げ、クルミを入れた白い給餌箱に気づいた様子です。 
若いカモシカが首を精一杯伸ばしても、給餌箱には全然届きません。 
(大雪が積もれば、届いてしまうかもしれません。) 
前足を立木に掛けて後足で立ち上がることはしませんでした。 


シーン3:1/23・午前1:00(@2:04〜) 
念入りにスギの幹や雪面の匂いを嗅いでから、カモシカは左にゆっくり立ち去りました。 
ところがしばらくすると、同一個体が左から手前に戻って来ました。 

残念ながら今回も結局、ここに塒入りしてくれませんでした。 
私が余計な異物(リスへの給餌箱)を塒のスギ立木に設置したりしなければ、警戒しないで塒で寝てくれたでしょうか? 
しかしカモシカは夜行性ですから、この時間帯に寝ないはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】 
トレイルカメラによる塒の監視は、これで諦めて打ち切ることにしました。 
ニホンカモシカが雪山でスギの木の下に寝てくれたのは、結局1回切りでした。 
その後は複数個体のカモシカが代わる代わる来ては、通りすがりに眼下腺マーキングしたり排尿したりしただけです。
少なくとも、この辺りを縄張りとするカモシカ個体群が使う獣道(巡回路)になっていることは確かです。 

登場した複数個体のカモシカが同じ地点の塒を代わる代わる使って寝ることはありませんでした。 
監視カメラの存在に気づいて警戒し、ねぐらの位置を変更してしまったのか、それともカモシカが頻繁に塒を変えるのはごく普通のことなのか、この1例だけではまだ何とも言えません。

2025/01/09

真冬の雪山を夜に1〜2頭で歩き小便でマーキングするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2024年1月下旬〜2月上旬

シーン0:1/30・午後12:54・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:1/30・午後13:38・晴れ(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
根雪の積もった里山で、スギ植林地に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動撮影カメラで見張っています。 
今季は異常な暖冬で降雪量が少ないのですが、林床の溜め糞は雪で覆われ、雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 
画面の手前から奥に向かって斜面を見上げるアングルになっています。 

1〜2頭で行動するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:1/31・午前1:03(@0:14〜) 
深夜にタヌキの先頭個体が、スギ立木の木の下を通って左から右へ斜面を横切りました。 
雪面は固く凍結していて、タヌキが歩いても足跡が残りません。 
雪面の匂いを嗅ぎながら右の渓谷へ向かいました。 

50秒後に、後続個体♂が左から足早に登場しました。 
雪面から突き出た細い落葉灌木(樹種不明)の小枝をくぐる際に、排尿マーキングしました。 
そこは、以前にもタヌキが通りすがりに排尿マーキングした地点でした。 
左後脚を上げて小便したことから、♂と判明。 
そうなると、先行個体はパートナーの♀なのでしょう。 
♂も先行個体♀の後を追って右上の谷へ向かいます。 
ホンドタヌキ♂による排尿マーキングを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:49〜) 


シーン2:2/3・午後21:57・(@1:11〜) 
単独行動のタヌキが晩に画面上を対角線状に(左下から右上へ)横切ったのに、監視カメラの起動が遅れました。 
クラストした雪面にうっすらと新雪が積もり、その上にタヌキの足跡が残されています。 


シーン3:2/3・午後22:38・(@1:18〜) 
45分後、斜面の雪面に新たな足跡が付いていました。 
またもや監視カメラの起動が遅れ、画面の右端にタヌキ?の尻尾がちらっと写っていただけでした。 
タヌキはいつものように、右の谷へ向かいました。 
一瞬の登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:21〜) 


シーン4:2/4・午後13:43・晴れ(@1:26〜) 


シーン5:2/9・午後18:27・(@1:33〜) 
6日後の晩に、単独行動のタヌキが珍しく左に向かう姿が写っていました。 
雪面に残った足跡を読み解くと、下から現れ、スギ立木に向かってから左へ逸れて行ったようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


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