ラベル 傷病 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 傷病 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026/09/23

カラス雛の死骸をホンドタヌキの溜め糞場に給餌してみると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬〜中旬

シーン0:5/7・午後(@0:00〜) 

郊外の道端で鳥の雛が路上に落ちて死んでいました。 
一部の羽根が青かったのでオナガの雛と迷ったのですが、喉が黒かったので、おそらくハシボソガラス(Corvus corone)の雛だと思います。 
(念のためにGoogleレンズで写真鑑定してもらいました。)
嘴をしっかり閉じて死んでいるため、カラス雛の口内が赤いことを確認できませんでした。 (カラス成鳥は口内が黒になる。)

電柱に架けられたカラスの巣を撤去・駆除する際に、雛が落ちてしまったのでしょうか? 
しかし、カラスの巣の撤去を依頼されても、巣内に卵や雛が居た場合には、基本的に撤去作業を強行しないはずです。
鳥獣保護管理法で守られているからです。

それとも、巣内で死んだ雛を親鳥が巣外に捨てたのでしょうか? 
巣内で死んだカラスの雛を親鳥が食べたり、他の雛に給餌したりすることはないらしく、死骸を巣の外に捨てるらしい。 
真上の電柱にカラスの巣があるかどうか確認すべきだったのに、こんな街なかで営巣しているはずがないと思い込んでいた私は見上げませんでした。 
(たとえカラスの巣が電柱の上に無かったとしても、電力会社が撤去した直後かもしれません。)
実は翌年、同じ(または隣の)電柱に営巣するハシボソガラスを観察しています。 


この近所で他にカラスの営巣地として心当たりがあるのは、高圧線の送電塔です。 
猛禽などの捕食者がカラスの巣を襲い、雛をさらってくる途中で落としてしまった可能性もありそうです。 

死んでいるとは言え、カラスの雛の実物を見るのは初めてです。 
この個体は羽根がまだ生え揃っていません(水色の羽鞘が見えます)。 
採集時に死骸を持ち上げてみたら意外に重かったので、カラスの親鳥が巣外に捨てるにしても、咥えて運ぶのは大変そうです。 
したがって、巣から遠くに運んで捨てたとは思えません。 

写真に撮ってから死骸を採集しました。 
一度は立ち去りかけたものの、ビニール袋を持参していたことを思い出し、それを手袋代わりにして死骸を素早く回収しました。 
死骸が横たわっていた舗装路は体液で湿っていて、微小なアリ(種名不詳)が数匹群がっていました。 
死臭を嗅ぎつけたハエ類などはまだ来ていませんでした。 
死後硬直もなかったので、死んでからそれほど時間が経っていないようです。 

持ち帰った死骸をとりあえず冷凍保存しました。 
剖検して死因を調べるか、頭骨標本を作るか、スカベンジャーに給餌するか、使い道を考えます。
15cm定規を並べて置いた。



シーン1:5/9・午後・晴れ(@0:12〜) 
前回の成功に味をしめて、ハシボソガラスの雛の死骸もホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)に給餌することにしました。 


2日後に、冷凍庫から取り出したカラス雛の死骸を、スギ防風林にあるタヌキの溜め糞場wbcまで持参しました。 
死骸は不自然な体勢で曲がったまま凍っていました。
ゴム手袋をしてから、まだ完全に解凍されていない死骸をじっくり見ると、総排泄孔が大きいことにちょっと驚きました。
青い羽鞘の先から黒い羽根が生えかけています。

死骸をただ林床に置くのではなく、溜め糞の横にある灌木(樹種不明:落葉性広葉樹)に針金で頸部を固定してぶら下げました。 
前回の反省を活かして、スカベンジャーが死骸を監視カメラの前からすぐに持ち去れないように工夫したつもりです。 


カラス雛の死骸を常温解凍しても、私の嗅覚ではほぼ無臭でした。
しかし、かすかな死臭を敏感に嗅ぎつけたハエ類(キンバエ、クロバエ)がすぐに飛んできて頭部に群がり、吸汁し始めました。 
ハエ♀が産卵しても死骸がまだ凍っているため、ウジ虫(ハエの幼虫)の孵化を遅らせることができそうです。

果たしてタヌキはカラス雛の死骸を巣穴に持ち帰って母親♀に給餌するでしょうか? 
予想では、繁殖期に巣穴で出産・授乳・育児する母親♀にせっせと餌を運んできて与えるのは父親♂やヘルパー♀(娘)の仕事です。 


シーン1:5/13・午前2:06・気温8℃(@1:53〜) 
今回の給餌実験は、残念ながら全然私の思い通りにはいきませんでした。
監視カメラが不調だったのか、4日後の深夜未明までろくに起動しませんでした。
すでにカラス雛の死骸は何者かにほとんど持ち去られた後で、頭部しか残っていませんでした。

ホンドタヌキの両目失明個体(ヘルパー♀)が死骸をぶら下げておいた真下の落ち葉の匂いを嗅ぎ回っています。
カラス雛の死骸から垂れた体液(ドリップ)の死臭が残っているのでしょう。 

針金でぶら下げられたカラス雛の頭部を嗅ぎ当てると、恐る恐る咥えて引っ張り、手前の林床に落としました。 
発見が遅れたせいで、死骸(の頭部)はかなり腐敗しているはずです。  
タヌキが腐肉を食べる前に1分間の録画時間が終わってしまいました。


シーン2:5/13・午前2:21・気温9℃(@2:21〜) 
14分後も両目失明個体が同じ場所に留まり、のんびり座って体を掻いていました。
すぐ横には親ダヌキと思われる別個体が居ます。
結局、誰がカラス雛の死骸を食べたのか、証拠映像が撮れませんでした。
どうやら死骸を監視カメラの画角から外れた位置に持ち去ってから食べたようです。
今回も両目を失明したヘルパー♀はせっかく見つけた死骸を食べられず、両親のどちらかが横取りして食べたのでしょうか?

親子2頭が溜め糞場WBCに並んで一緒に大小便の排泄を始めました。
そこへ3頭目の個体が現れ、合流しました。(@3:34〜)
(溜め糞場wbcで3頭の家族群が揃ったことになります。)


シーン3:5/13・午前2:22(@3:53〜) 
最後に来た殿(しんがり)の個体(両目が健常の親ダヌキ)も排便を済ませると、獣道を右へ向かい、スギの木の根本で待っていた両目失明個体と合流しました。


シーン4:5/13・午前2:24(@4:23〜) 
左から来たタヌキが溜め糞を素通りして、右のスギの根本に座っていた個体と合流しました。
このときキュン♪と小声で鳴きました。(@4:31〜)
タヌキの鳴き声にしては初めて聞くレパートリーです。 
2頭が相互毛繕いしているようですが、よく見えません。




※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


シーン5:5/21・午前11:24・晴れ・気温30℃(@4:38〜) 
8日後の昼間にたまたま撮れた現場の様子です。


【考察】
残念ながら、今回の死骸給餌実験は失敗に終わりました。
今回の撮影アングルでは、もしもタヌキが手前から奥に歩いて来てそのまま死骸に食いついた場合、トレイルカメラのPIRセンサーは反応しにくいことが仕様上予想されます。
撮り漏らしをなくすためには、トレイルカメラをもう1台別のアングルで設置するべきでしたね。

これで懲りずに、次の死骸を探すことにします。
くれぐれも、人目につかない場所で小規模にやりましょう。
死骸の給餌方法については試行錯誤中なのですが、今回は見栄えがよろしくありません。
死んだ雛の首に針金を巻き付けてぶら下げたので、もしも誰かが給餌現場に通りかかって見つけたら、違法な罠を設置したのか?とか、生きたまま鳥の雛を吊り下げて野生動物をおびき寄せようとしているのか(動物虐待)?などと誤解されて通報されそうです。
いざというときに「私が鳥の雛を殺した訳ではない」と申開きができるように、死骸を見つけたときの証拠写真を残しておく必要があります。
死んだ雛の首ではなく足を針金で縛って吊り下げようかとも思ったのですが、スカベンジャーが死骸を咥えて引っ張ったら、すぐに針金がすっぽ抜けてしまいそうです。

つづく→

2026/09/19

ハシボソガラスに腹部を捕食されても虫の息で歩くカブトムシ♂

 

2026年9月上旬・午後16:20頃・晴れ 

山麓の農村部の歩道で1羽のハシボソガラス(Corvus corone)が何かしていました。
私が歩いて近づいても、珍しくカラスはなかなか逃げようとしません。 
横のガードレールに一旦飛び乗ってから(名残惜しそうに)ようやく飛び去りました。 
逃げたハシボソガラスは、少し離れた外灯の支柱や送電塔の中段に留まって、私の様子をうかがっています。
(映像はここから。)
カラスが居た歩道を現場検証すると、解体されたカブトムシ♂(Trypoxylus dichotomus)の死骸が歩道に仰向けで転がっていました。 
ハシボソガラスがカブトムシ♂を捕食・解体するシーンを撮影する絶好のチャンスだったのに、気づかず撮り損ねたのが残念です。 

カブトムシ♂の頭部には前胸と右鞘翅が付いたままでした。 
脚は、左右の前脚と左の後脚だけ残っています。
立派な角は無傷でしたが、身を守る役には立たなかったようです。 
指で触れると、左右の前脚および口吻が動いたので、まだ生きていることが分かりました。 

背側の状態を見るために仰向け状態から元に戻してやると、1対の前脚だけを使ってぎこちなく歩いて前進し始めました! 
左の後脚は麻痺していました。
左前脚の跗節に力が入らないようで、路面を歩くグリップが左右非対称になっています。 
そのため、瀕死のカブトムシ♂はすぐにバランスを崩して再び横転しました。 
もがき続ける前脚が空を切ります。 
カブトムシの歩行を司る中枢神経系は胸部の腹側にあって、カラスに解体されても、ほぼ無傷だったようです。 
(ちなみに、我々ヒトを含む脊椎動物の中枢神経系は背側にあって、昆虫とは体制の背腹軸が逆になっています。) 

かなりショッキングな恐怖映像ですけど、過去にほぼ同じシーンを観察した経験があるので、冷静に撮影できました。 
今回はハシボソガラスのしわざだとはっきりしています。



カラスがカブトムシ♂を捕食する前に根元から毟り取った脚や翅(前翅と後翅)が路上に散乱していました。 
そのうち脚の1本をクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀が後ろ向きに引きずって巣穴に運び去るところでした。 

胸部からちぎり取られた腹部も路上に残されていました。 
腹部の内部組織はハシボソガラスに捕食されて空っぽでした。 
カラスはカブトムシを狩っても、腹部の肉しか食べないようです。
これは6年前の事例でも同じでした。 

もし私が現場にカメラだけを置いて離れたら、さっきのカラスが戻ってきて食べ残しのカブトムシ♂を捕食するシーンを撮れたかな?
もしもまだ食べるつもりなら、カラスは逃げる際に獲物を咥えて持ち去ったはずです。



2026/09/15

スギ防風林の溜め糞場にホンドタヌキ1〜2頭が通って排泄:5月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年5月上旬

シーン1:5/2(@0:00〜) 
スギ防風林で近所のホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が排泄に通う溜め糞場wbcを自動センサーカメラで見張っています。 
そのうちの1頭は赤外線の暗視カメラで見ると、両目のタペータム(輝板)が失明していて、夜限定で個体識別できます(両親と同居するヘルパー♀h)。 

晩に2頭(片親と両目失明♀h)が同時に来て排便。 


シーン2:5/3(@0:39〜) 
翌日も晩に2頭(片親と両目失明♀h)が続けて来て排便。 

1時間半後に♂が単独で登場。 
クゥーン♪と甲高い声で鳴きました。 
立ち去る際に右後脚を上げながら林床の下草に排尿マーキングしたように思ったのですけど、改めて見直すといまいち自信がありません。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:07〜) 


シーン3:5/4(@2:20〜) 
小雨が降る未明にタヌキが単独で登場。 
溜め糞場WBCには立ち寄らず、右から左へ横切りました。 
後ろ姿だったので、タペータムの反射の有無が不明です。 

昼前にも単独タヌキが排便に来ていました。 
クゥーン♪とか細く鳴いて右上奥に立ち去りました。 


シーン4:5/5(@3:05〜) 
晩にタヌキが溜め糞場WBCを左から右へ横切りました。 
タペータムが光っているかどうか、横顔ではよく見えません。 
監視カメラの死角から、 クゥーン♪というタヌキの鳴き声が2回聞こえました。 


シーン5:5/7(@3:32〜) 
明るく晴れた日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
溜め糞が少し増えて(大きくなって)います。 


シーン6:5/8(@3:35〜) 
未明に2頭のタヌキが続けて登場。 
両目失明個体♀hが先行して排便。 
後続の健常個体(親タヌキ)はその横を素通りしました。 

53分後に健常個体が単独で右から来たものの、溜め糞場を素通り。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音やタヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
これまでは1〜3頭のタヌキが溜め糞場WBCに来ていました。 
今回は3頭が同時に登場することはなく、多くても2頭でした。 
しかも、そのうち1頭が両目失明個体♀hです。 
一素人の想像ですが、この時期(5月上旬)はもしかすると、母親♀タヌキは休耕地の巣穴に籠もって出産・授乳に専念しているのかもしれません。 
だとすれば、両目失明のヘルパー♀と行動を共にしているのは父親♂タヌキではないかと想像しています。 


2026/09/11

ジムグリの死骸をホンドタヌキの溜め糞場に給餌してみてると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月下旬〜5月上旬

シーン0:4/30(@0:00〜) 
ドラッグストア郊外店の広い駐車場で、ヘビの死骸を見つけました。
白っぽい腹面を上に向けて舗装路に横たわっていました。 
損傷が激しく、頭部が完全に失われていた他、尻尾の先も千切れかけています。 
駐車場で車に轢き殺された(ロードキル)とは限らず、カラスやトビなどのスカベンジャーが他所から死骸を運んできた可能性もありそうです。

ビニール袋に入れて死骸を採集しました。 
死後硬直はなく、手に持つとぐったりしていました。 
ハエなどが集まって来ていなかったこともあり、死んでからまだそれほど時間が経過していないようです。


裏返して背面も調べると、ヘビの種類はジムグリ(Elaphe conspicillata) でした。
街なかによく出没する種類ではないので、やはり他所から持ち込まれた死骸のような気がします。

関連記事(2年前の撮影)▶ 


シーン1:4/30・午後16:04・晴れ(@0:03〜) 
スギ防風林にあるホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場WBCまでジムグリの死骸を持ってきて林床(スギ落ち葉の上)に置きました。
死骸を採集してから5時間以上も経っていたので、死後硬直が進んでいました。
採寸のため、15センチの定規を並べて写真に撮りました。
ここには複数のタヌキが頻繁に通って来ることが分かっています。
雑食性でスカベンジャーとしても知られるタヌキがヘビの死骸を見つけたときの反応をトレイルカメラで記録しようという企みです。
本当は、溜め糞場から離れた獣道で給餌実験をすべきなのですけど、少ない撮影機材でやり繰りしているので仕方がありません。
なるべく夕方に近い時間に給餌したのは、昼間にカラスが死骸を見つけて食べてしまうと困るからです。


シーン2:4/30・午後18:44・気温10℃(@0:22〜) 日の入り時刻は午後18:32。
日没直後の晩に、早速2頭のホンドタヌキが連れ立って溜め糞場WBCに現れました。
近くにある休耕地の巣穴から排便に来たようです。

珍しく先に到着していた両目失明個体(ヘルパー♀h)がヘビの死臭を嗅ぎつけ、頭部のない死骸の首付近を咥えて持ち上げました。
そのままズルズルとひきずるように獲物を持って少し右に移動。
2番目に来た親タヌキ(♀?)がそれに気づくと、近づいて分け前を要求しました。
このとき餌乞いの鳴き声などは発しませんでした。 
ヘビの反対側の端を咥えると、親子2頭で綱引きのように引っ張り合いを始めました。 
そのまま蛇を引き千切るかと思いきや、立場の弱いヘルパー♀hがあっさり諦めて口を離したので、激しい争奪戦にはなりませんでした。
ジムグリ死骸の匂いを嗅いだり舐めたりしてから、親タヌキはヘビ死骸の太い端(前側)を咥えて奥に持ち去りました。 
林床の少し離れた地点まで運ぶと、蛇の死骸を独り占めで食べ始めました。

せっかく先に見つけた 獲物を奪われた両目失明個体(ヘルパー♀h)は抵抗も抗議もしませんでした。
タヌキにとって、ヘビの死骸は争奪戦するほどの魅力がない餌なのかな?  
その場で未練がましくスギ落葉に付いた残り香を嗅いだりしています。 

最後3番目に来た親タヌキ(♂?)は、溜め糞場wbcで排便もしないで、ぼんやり佇んでいるだけです。

重要なシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:24〜2:21) 


シーン3:4/30・午後18:46(@2:22〜)
ヘビの死骸を持ち去った親タヌキa(♀?)がさらに奥に移動していて、食べ続けています。 
(完食しなかったことが後に判明します。)

その間に、両目失明個体が溜め糞場で排便しました。
もう1頭の親タヌキb(♂?)はパートナーに分け前を要求することなく、少し離れたまま林床の匂いを嗅ぎ回っています。 
ジムグリ死骸の残り香が気になるようです。 

脱糞シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@3:22〜) 


シーン4:4/30・午後19:06・気温11℃(@4:23〜)
約20分後、奥の林床にヘビの死骸が放置されているようです。
単独行動のタヌキが溜め糞場を素通りして奥へ歩き去りました。 

やがて別個体が手前から登場しました。 
林床の匂いを嗅ぎながら奥へ歩いて行きます。
2頭とも後ろ姿なのでタペータム(輝板)が見えず、個体識別が出来ません。 



シーン5:5/1・午前4:20・気温2℃(@4:53〜) 日の出時刻は午前4:40。
監視カメラが次に起動したのは日の出直前です。
スギ林床の赤丸で囲んだ位置にヘビの死骸がなぜか突然出現していました。
何者かがここに運んできたシーンが撮れていないことになります。 
シデムシなど腐肉食性の昆虫が死骸を埋葬するために運んできたとしたら、変温動物ですからトレイルカメラには当然写りません。 
しかし5月上旬の未明は気温がかなり低い(2℃)ので、越冬明けの昆虫はまだ活動できないはずです。

左から来たタヌキ(両目の輝板は正常)が、ヘビ死骸の食べ残しを見つけました。
左前足で押さえつけながら、咥えてグイグイ引っ張っています。 
引きちぎることはできないものの、ヘビの皮を剥いているようです。
残念ながら、尻切れトンボで録画が打ち切られてしまいました。 
ホンドタヌキがヘビの死骸を完食したのか、どこかに持ち去ったのか、不明です。


シーン6:5/1・午前5:25・気温1℃(@5:54〜)
すっかり明るくなった早朝に、単独で来たタヌキが林床をうろついています。
もうヘビの死骸は残っていないようです。

後日に現場検証すると、私が置いたジムグリの死骸は無くなっていました。



【考察】
私にはまだ親タヌキの性別が見分けられず、個体識別ができていません。
ジムグリ死骸を食べた個体は、妊娠、出産、育児で食欲旺盛な母親♀なのではないかと勝手に想像しています。 

給餌実験をしたら、親ダヌキと子ダヌキ(ヘルパー)間の力関係を示す重要な証拠動画が撮れました。 
両目を失明したヘルパーは、親タヌキに餌を奪われても全く反抗しないで完全に服従しているようです。 
実は、冬の積雪期にも同様のシーンを観察しています。



野生動物に給餌するのは原則的に避けるべきですが、ヘビの死骸を駐車場に放置していれば、いずれ何らかのスカベンジャー(掃除屋)が食べに来たはずです。 
公共の駐車場にトレイルカメラを設置することはできませんから、予めトレイルカメラを設置した獣道に死骸を移動しただけです。
タヌキにドッグフードなどを給餌するよりはマシでしょう。 
路上の死骸(ロードキル)を放置したままだと不衛生なのは確かです。
通報して死骸を焼却処分してもらうと燃料代が余計にかかりますから、なるべくスカベンジャーに食わせる方がCO2の放出も減らせてエコです。
生態系にはスカベンジャーというグループがいて大切な役割を果たしているということを都会人は忘れがちです。

次に死骸を給餌するときには、監視カメラの近くから持ち去られないように工夫した方が長く観察できそうです。



【アフィリエイト】 


2026/08/22

モリアオガエル繁殖池の岸辺で餌を探し歩くホンドタヌキ(左耳変形)

 

2026年6月下旬・午後13:05頃・晴れ 

山林にあるモリアオガエルの繁殖池で私が静かにトレイルカメラの保守作業をしていると、少し遠くからジャブジャブと水音が聞こえました。 
クマだったらやばい!と焦りつつも、音のする方をそっと覗いて見ると、その正体はホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)でした。 
東西に細長い池の東から浅い岸辺を単独でゆっくり歩いて来ます。 

タヌキは水際に堆積したスギの濡れ落ち葉の匂いを嗅いでから、首筋を擦りつけて匂い付けしました。(@0:08〜) 

どんどん近づいてきたタヌキは立ち止まると、私が先程立ってトレイルカメラの保守作業をしたスギの根元の匂いを嗅ぎ回っています。 
私のゴム長靴の残り香がするのでしょう。 
池畔の土手に静かに座っている私の1.5m直下を通り過ぎたのに、タヌキは私にまったく気づきませんでした。 
カメラをズームイン、ズームアウトしても、タヌキは無反応でした。 
てっきり、ニアミスしたタヌキが私に気づいた途端に慌てて逃げ出すかと予想したのですが、今回はタヌキの鈍臭さを実感しました(視力も嗅覚、聴覚も鈍い?)。 

やがてタヌキは池に入水して、浅い岸辺をジャブジャブ歩いて遠ざかります。 
今回のタヌキは、池で水を飲んだり浴びたりしませんでした。

此岸から池の水面に張り出したマユミやハルニレ灌木の枝先には、梅雨時になるとモリアオガエル(Rhacophorus arboreus)の白い泡巣が産み付けられています。 
この泡巣を野生動物が食べに来るか?(食卵するか?)という点に私は興味があって、トレイルカメラで池畔を見張っていたのです。 
しかし、泡巣の真下を通り過ぎてもタヌキは気づかなかったのか、興味を示しませんでした。 
周囲でモリアオガエル (またはシュレーゲルアオガエル?)の鳴く声♪が聞こえます。 

動画を撮り続けながら私はゆっくり立ち上がって、歩き去るタヌキの後ろ姿を見送ります。 
湿地にヨシが生えたエリア(池の西端)まで来ると、タヌキは立ち止まって眩しそうに目を細めながら、風の匂いを頻りに嗅ぐようになりました。 
ようやく私の体臭を嗅ぎ取ったのかもしれません。 
それでも警戒したり逃げ出したりすることはありませんでした。

タヌキは奥(池の西端)の湿地に放置されている太いスギ倒木に乗ると、その上を右往左往して餌を探しています。 
タヌキも湿地をそのまま歩いて1歩ずつ足が泥濘にもぐるよりも、歩きやすい木道や丸木橋を好んで選ぶようです。 
途中で立ち止まって、再び風の匂いを嗅いでいます。 

このとき初めて気づいたのですが、このホンドタヌキ個体は左右の耳の形が非対称でした。 
左耳だけいつも寝かせているというか、軟骨が潰れています。 
出血こそしていませんが、喧嘩相手に噛まれた過去があるのでしょう。

対岸に上陸すると、タヌキはケナシヤブデマリ灌木の茂みの下に潜り込みました。 
そこから池に張り出した横枝の先にもモリアオガエルの泡巣が産み付けられているのですが、やはりタヌキは興味がないようで、素通りしました。 

対岸でタヌキはスギ植林地の獣道をうろついて、下草の匂いを嗅ぎ回っています。 
吸血性の虫に食われたのか、体をひねって右脇腹を甘噛みしました(毛繕い?)。 
太い木の根元で腰を屈めて排尿マーキングしたような気がするのですが、定かではありません。 
(現場検証しても、そこに溜め糞場はありませんでした。) 
最後は雑草が繁茂する左奥の林道へと向かい、姿を消しました。 


※ タヌキが渡渉する水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
野生のホンドタヌキによる水辺の探餌行動をこれほど長々と直接観察できたのは初めてで、感激しました。

対岸のスギ幹に設置してあるトレイルカメラを動画の最後に写しました。 
監視カメラの画角をタヌキが横切ったはずなのに、チェックしてみると残念ながら何も写っていませんでした。 
カメラのセンサーが反応しなかったということは、脚が水で濡れるのも厭わずにジャブジャブと池を渡渉していたタヌキの体温が低かったのかもしれません。 

雨季に複数個体のタヌキがこの池の岸辺を頻繁に往来して餌を探し歩いていることが、トレイルカメラで後に判明します。(映像公開予定) 
せっかく個体識別できる特徴的なタヌキと間近に出会えたので、巣穴や溜め糞場の位置を突き止めたいものです。 


池畔の灌木に産み付けられたモリアオガエルの泡巣のすぐ横を通ったチャンスが少なくとも2回あったのに、タヌキは泡巣を食べる(食卵)どころか、興味を示しませんでした。

2026/08/14

二次林内の営巣地を日夜1〜3頭で訪れるホンドタヌキ:3月下旬〜4月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬〜4月上旬〜中旬 

雪国の落葉二次林にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の営巣地を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 
特筆すべき面白そうな行動は個別の記事にしたので、残り物の動画をまとめて、ブログ限定で公開しておきます。 

冬に記録的な大雪が積もったので、春になっても林床の残雪が溶け去るのが遅れました。 
♀♂ペアの両親と、両目の輝板(タペータム)を失明したヘルパー個体♀h(娘)の3頭からなる家族群が巣穴Rに出入りしています。 
明るい昼間には、♀hを見分けることができません。 
巣口を点検したり、毛繕いしたりしています。 
ときどきクゥーン♪と甲高い鳴き声を発していました。 
冬季には雪の下に埋もれていて使わなかった巣穴Lも、雪解けで入口が再び現れました。 


シーン0:3/31(@0:00〜) 

シーン1:4/1(@1:10〜) 

シーン2:4/4(@1:46〜) 

シーン3:4/5(@2:47〜) 

シーン4:4/6(@4:28〜) 

シーン5:4/7(@5:23〜) 

シーン6:4/8(@6:12〜) 

シーン7:4/10(@6:16〜) 

シーン8:4/11(@8:47〜) 

シーン9:4/12(@11:04〜) 

シーン10:4/14(@11:54〜) 

シーン11:4/17(@12:32〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2026/08/09

曇りの夕方に休耕地の巣外で寝ていたホンドタヌキ3頭の家族が外出するまで:4月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬

雪解けが進む休耕地でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)家族の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 

シーン1:4/9・午前11:40・くもり・気温13℃(@0:00〜) 
巣穴から出てきた1頭のタヌキaが巣口で背中を伸ばすストレッチ運動をしてから、体をねじって毛繕いしたり、痒い体を掻いたりしています。
最後は巣穴の中に戻りました。 
別個体のタヌキbが別の巣口から顔を出して身震いしました。 
タヌキbは、家族aが入ったばかりの隣の巣穴へ駆け込みました。 

別の巣穴を使っているシーンが撮れたのは珍しいです。 
2つの巣穴が内部で繋がっているかどうか、知りたいところです。 


シーン2:4/9・午後18:00・くもり・気温10℃(@0:53〜) 
昼間は巣内で寝ていたようで、タヌキの活動がまったく録画されていませんでした。 

夕方になると、親子水入らずで3頭が雪のない巣口に身を寄せ合って座っていました。 
正式な日没時刻はまだですが、裏山の陰にもう日が沈んだ後なので、日光浴ではありません。 
体を寄せ合って暖を取りながら、昼寝(仮眠)しているようです。 


シーン3:4/9・午後18:09・くもり・気温10℃(@1:11〜) 
依然として巣口で身を寄せ合うように丸くなって、うたた寝しています。 


シーン4:4/9・午後18:20・くもり・気温9℃(@1:23〜)日の入り時刻は午後18:12 
日没後で、辺りがだいぶ薄暗くなってきました。 
(春になって残雪が消えると、雪上がりがなくなります。)

3頭のタヌキ家族は巣口で身を寄せ合って丸まり、鼻面を毛皮の下に挿し込んで寝ています。 
どうして巣内で寝ないのでしょうか? 
気温から判断して、巣内が暑過ぎたり寒過ぎたりしているはずはありません。 
春は巣穴の中に雪解け水が浸水して、居住環境が悪化するのではないかと想像しています。 
ドロドロにならなくても、少なくともジメジメと湿度が高いのかもしれません。 
ダニなどの寄生虫が巣内で越冬後に活動を再開した可能性も考えましたが、それならタヌキが体掻きや毛繕いを頻繁にやるはずです。 


シーン5:4/9・午後18:33・気温7℃(@1:35〜) 
辺りがすっかり暗くなり、赤外線の暗視モードで監視カメラが起動しました。 
両目を失明した左の個体が欠伸をして毛繕いを始めました。 
立ち上がったところで1分間の録画終了。 


シーン6:4/9・午後18:37(@2:19〜) 
いつのまにか巣口にいるのは、輝板(タペータム)の反射が正常な親タヌキの♀♂ペアだけになっていました。 
両目失明の個体♀hは独りで採食(または近所の溜め糞場wbc)に出かけたのか、それともいつの間にか入巣したのかもしれません。 

♀♂ペアは、立ち上がると背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしてから、順に左へ立ち去りました。 
いつもは両目失明個体が殿(しんがり)を務めるので、今回もし単独先行したとすれば珍しいです。 


シーン7:4/9・午後18:45・気温9℃(@2:58〜) 
両目失明個体♀hが独りで営巣地をうろつき、巣口の匂いを順に嗅いでいます。 
採食中に両親からはぐれてしまったのでしょうか? 
あるいは、巣内で居眠りしている間に両親が外出してしまったのかもしれません。 


シーン8:4/9・午後18:46(@3:49〜) 
突然、両目失明個体♀hが全力疾走で左に向かいました。 
夜目が効かなくても、聴覚と嗅覚は正常なようで、営巣地を大胆に走り回ることもあるようです。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2026/07/30

落葉二次林で日没後に外出の準備をするホンドタヌキ3頭の家族群:4月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬・午後18:30頃・気温7℃・日の入り時刻は午後18:08

残雪が溶けかけた落葉二次林内の営巣地でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)3頭の家族群が日没後も依然として巣口で一緒に寄り添って寝そべっています。 
暗くなって赤外線の暗視映像に切り替わると、輝板(タペータム)の反射の有無で一部の個体を見分けられるようになります。 
両親は健常個体で、ヘルパーらしき娘♀hだけが両目失明しています。 

家族全員が完全に覚醒しており、お互いの毛繕いに余念がありません。 
相手の毛皮を舐めるだけでなく、甘噛みもしています。 
ときどき、小声で鳴く声がかすかに聞こえました♪ 

やがて立ち上がると、欠伸をしたり、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしたりしています。 

やがて1頭ずつ営巣地を離れ、残雪の林内を歩いて、採餌に出かけて行きます。 
いつものように、健常個体の両親♀♂が先行し、両目失明の個体♀hが殿(しんがり)を務めます。 


【考察】
昼間に巣穴の入口で日光浴したタヌキの家族が日没後にやる外出前の準備行動は、どの営巣地(休耕地および二次林内)であっても、ほぼ共通している(定形行動、ルーティン)ことが分かりました。 


2026/07/24

日が暮れても雨が降っても枯野の巣外で寝ていたホンドタヌキ3頭の家族が外出するまで【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬・午後18:26〜18:46・雨天・気温8℃・日の入り時刻は午後18:11 

休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)家族の暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
巣穴の奥はまだ残雪で覆われています。 
晴れた昼間には家族水入らずでひたすら日光浴していたのですが、日没後に暗くなっても3頭のタヌキは巣外に留まったままでした。 
雨が降り出して毛皮が濡れても巣穴に入りたがらないということは、雪解け水が巣内にしみ出して居住環境がよほど劣悪なのだろうと想像しています。 

暗視動画で見ると、1頭の個体だけ両目のタペータム(輝板)がカメラの赤外線を反射していないことがよく分かります。 
両目失明した娘♀hが健常両親♀♂のヘルパーを務めていると考えています。 
両目失明の娘♀hが立ち上がって両親の間に割り込み、身を寄せ合って寝ています。 
発情期は両親が神経質になっていて、ヘルパー個体♀hは常に少し怯えている(気を使っている)印象でしたが、交尾が無事に終わるとまた家族で仲良く暮らせるようになったようです。

やがて寝ていたタヌキは立ち上がりました。
身震いしたり、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしたりしています。 
隣の個体と相互毛繕いしています。 

ついにタヌキの家族は1頭ずつ営巣地を離れて、夜の採餌に出かけました。
両親♀♂が先行し、両目失明の個体♀hがいつものように殿(しんがり)を務めます。 
夜目が効かなくても、鋭い嗅覚と聴覚でなんとか補えるようです。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2026/07/14

雪国のスギ防風林で溜め糞場に1〜3頭で現れるホンドタヌキたち:3月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬 

スギ防風林にある溜め糞場wbcに近所のホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が排便に通ってくる様子を自動撮影カメラで監視しました。 
1〜3頭で現れ、そのうちの1頭は両目の輝板が失明しています。(夜にトレイルカメラが照射する赤外線を反射しない) 
ときどきクゥーン♪と小声で鳴く声が聞こえます。 

シーン1:3/21(@0:00〜) 

シーン2:3/23(@0:46〜) 

シーン3:3/25(@4:54〜) 

シーン4:3/26(@5:36〜) 
寒の戻りなのか春一番なのか、激しい吹雪が吹き荒れました。 

シーン5:3/27(@6:46〜) 

シーン6:3/28(@7:46〜) 

シーン7:3/30(@8:26〜) 

シーン8:3/31(@9:14〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/07/12

交尾期の日中に林内の巣内で休むホンドタヌキの両親♀♂と巣外で単独行動する娘【トレイルカメラ】

 


2025年3月下旬・午前8:55頃〜午後17:05頃・晴れ 

ある1日(3/23)の明るい日中の記録です。 
ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の3頭からなる家族群が落葉二次林にある巣穴にやって来ました。 
ちょうど交尾期(発情期)の真只中で、一夫一妻の両親♀♂と両目の輝板(タペータム)を失明した娘♀h(ヘルパー)の家族です。 
明るい昼間には、輝板の反射による個体識別ができません。 
以下のもっともらしい解釈は、私の想像に過ぎません。

やがて両親♀♂が相次いで巣内に入り、娘♀hだけが巣外に取り残されました。 
もしかすると、この巣穴は狭くて、3頭のタヌキが同時に入ることは無理なのかもしれません。 
娘♀hは独りで二次林内をうろつき始めました。 
夜行性に必要な輝板が両目とも失明しているため、暗い夜にはあまり餌を摂ることができず、空腹なのかもしれません。 
つまり、夜目の効かない娘♀hは必要に迫られて昼行性になり、健常な両親(主に夜行性)とは生活リズムが違うのかもしれません。

しばらくして戻ってきた娘♀hが巣口Rでクゥーン♪と何度も鳴いて呼びかけても、両親は出てきません。 

15分以上も経ってから、ようやく両親が巣穴Rの外に出てきていました。 
しかし娘♀hは、すれ違いで外出していました。 
娘♀hの帰りを待っているのか、巣口Rでのんびり佇んだり、雪を食べたり、毛繕いしたりしています。 

9:30頃、両親は急に何者かの接近に怯えて巣内Rに慌てて逃げ込みました。(緊急避難) 
謎の侵入者の正体は不明です。 
そのまま巣内で眠ってしまったようです。 
いくら発情期の盛りでも、狭い巣内で交尾することはないはずです。 

何度か娘♀hが巣口Rまで戻って来たものの、ラブラブの両親♀♂に遠慮してか(狭くて入れないのか?)中に入ることはありませんでした。 
暇つぶしで周囲の落枝を甘噛みすることもありました。
諦めて再び独りでぶらぶらと立ち去ります。 
他の兄弟姉妹は両親の縄張りを離れて独立してしまったので、遊び相手がいないのです。 

ようやく家族全員(3頭)が合流できたのは、夕方の17:00過ぎでした。 
巣内で5.5時間も昼寝した両親♀♂は、巣口Rで欠伸をしたり、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしたり、身震いして土の汚れを振り落としたりしています。 
家族水入らずで対他毛繕いを始めました。 
立場の弱い娘♀hが発情期の両親♀♂から完全に疎外されている訳でもなさそうで、ほっとしました。 

その後にタヌキ一家がこの営巣地を立ち去るシーンがなぜか写っていませんでした。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 


つづく→

2026/07/10

早春の林内で巣口の雪かきをしただけで立ち去るホンドタヌキたち:3月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬 

シーン1:3/21・午前5:28・気温-1℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:39。 
日の出前なのに、雪明りで充分明るいです。 
落葉二次林にある営巣地に明け方に来ていたホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の単独個体が巣口Rに顔を突っ込みながら、前脚で雪を後方に掻き出しました。 
結局、巣穴の中には入らず、外に出てきてクゥーン♪と甲高く鳴き声を発しました。 
身震いしてから、近くの細い落葉灌木に排尿マーキングしました。 
このとき右後脚を持ち上げたので、♂と判明。 
右へ立ち去りました。 


シーン2:3/22・午前5:18・小雪・気温2℃(@0:41〜)日の出時刻は午前5:37。 
翌日は小雪がちらつく未明に、3頭からなるタヌキの家族が次々とやって来ました。 
先行個体aが巣口Rで雪かきしながら、匂いを嗅いでいます。 
そこへ後続個体bが合流し、一緒に巣口Rを点検しています。 
タヌキb,aの順で奥の林内に立ち去りました。 

最後に殿(しんがり)を務める個体cが登場しました。 
振り返ると、タペータム(輝板)がカメラの赤外線を反射しておらず、両目を失明した個体♀hでした。 
先行する2頭のタペータムは健常で、おそらく両親♀♂なのでしょう。 


シーン3:3/22・午前5:19・小雪(@1:41〜) 
殿(しんがり)の個体♀hが営巣地から奥の林内に立ち去るところでした。 
両目を失明していても、雪面の匂いを嗅ぎながら迷いなく歩いています。 (嗅覚は正常なのでしょう。) 
先行する♀♂ペアとは違うルートを進んでから、右上奥で合流していました。 


【考察】 
早春の時期のタヌキは、巣内を覗き込んで匂いを嗅ぐだけで、滅多に中に入らなくなりました。 
おそらく、巣内に雪解け水がしみ出してジメジメ、ドロドロになり、居住環境が劣悪になっているのではないかと想像しています。 

ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。


2026/07/06

雪原の巣穴に出入りする1〜3頭のホンドタヌキ家族群:3月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月中旬

シーン0:3/10 
雪国の休耕地でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の家族が暮らす巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 

タヌキが1〜3頭で営巣地に往来する様子をまとめました。 
面白い行動はすでに個別の記事にしたので、残り物になります。 


シーン1:3/11(@0:03〜) 
未明に3頭のタヌキが雪原を一緒に行動しています。 
タヌキは主に夜行性なので、目の輝板(タペータム)が発達しており、トレイルカメラの照射する赤外線をよく反射して、目が白く光って見えます。 
1頭の個体だけ、タペータムの反射が両目ともに失われていることがよく分かります。 
両目失明個体(ヘルパー♀)と、両親の♀♂ペアから成る家族群だと考えています。 

順番に巣口を点検してから、雪原を右へ立ち去りました。 
このとき両目失明個体は、縦列の2番目を歩いています。


日の出時刻は午前5:54。
朝に3頭の家族が順番に帰巣しました。 
明るい時間帯は、タペータムの反射の有無による個体識別ができなくなってしまいます。 

昼過ぎに、単独個体が帰巣しました。 
いつの間にかタヌキの出巣シーンを撮り漏らしたのか、それとも4頭目のタヌキなのか、不明です。 
別アングルに設置した監視カメラが不調で、何も写っていなかったからです。 

よく晴れた午後は巣口で日光浴しているのか、タヌキが巣口でぐるぐる向きを変えたり、周囲を警戒したりしています。 


シーン2:3/14(@3:01〜) 
昼下がりの入巣シーン。 


シーン3:3/21(@3:07〜) 
雪解けが少し進んでいます。 


2026/06/23

春の二次林で草木の若葉を食べ歩く両角が欠けたニホンカモシカ

 

2026年4月中旬・午後15:05頃・晴れ 

春の二次林で私が静かにトレイルカメラの保守作業をしていると、パキパキと獣が歩き回る物音がします。 
クマだとやばいので振り返ると、林縁をニホンカモシカ(Capricornis crispus)が単独でうろついていました。 

落葉性の灌木に芽吹いた若葉を次々に食べています。 
樹種はマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)、ノイバラ、ウコギ(おそらくヒメウコギ)あたりが候補となります。 
撮影後に採食地点で現場検証すると、マルバゴマキの若葉に食痕? 

カモシカが後半に食べていた下草の種類がわかりませんでした。 
なんとなく、蔓植物ミツバアケビの若葉ではないかと思うのですが、どうでしょうか。 

夏毛に換毛中なのか、毛並みの色がちょっと変です。 
左右の角が両方とも、太いのに短い個体でした。 
おそらく同種間の喧嘩で角の先端部が途中で折れて(欠けて)しまった後で、先端を研いだのでしょう。 


【考察】 
角に分かりやすい特徴があるので、過去に遭遇しているかと思って記録を遡ると、山中で出会った♂個体かもしれません。 

関連記事(2年前の撮影)▶ 

だとすると、山から麓の二次林まで(直線距離で3km弱も)移動してきたという驚くべき解釈になります。 
両角が折れたことで同種間の縄張り争いに負けるようになり、山森から追い出されて平地に下りてきたのでしょうか。 
里に下りてきた後も、車道を歩いたり、平地にパッチ状に残る農地や二次林を渡り歩いて、かなり(直線距離で3km弱)移動したことになります。 
平地の二次林でもニホンカモシカ1頭ぐらいなら、人目を忍んで、なんとか暮らしていけそうです。 
食べる餌の量も十分にありそうです(春〜秋の環境収容力はOK)。 
ただし雪国では冬になると落葉して食糧事情が一気に悪化しますし、配偶者を見つけて交尾するチャンスはかなり低いでしょう。 

もちろん、カモシカの個体識別に絶対の自信がある訳ではないので、別個体かもしれません。 
当地のカモシカにGPSを装着して行動域を詳細に調べたら楽しそうです。
もしもカモシカのある個体が、季節ごとに山と平地を往復して暮らしていたら、面白い話です。

この二次林内に設置したトレイルカメラにもカモシカがときどき写ります。 
たとえば、この3日後に撮れていた映像がこちらです(先行公開)。
この二次林内で野生のカモシカと私が実際にニアミスしたのは珍しく、今回は長々と採食シーンを直接観察できました。 
かなり離れた位置から撮影したので、おそらくカモシカは私の存在に気づいていないようです。 私に対して鼻息を荒らげる威嚇を一度もしませんでした。 

関連記事(2年前に遭遇・撮影)▶ 平地の農道を走って逃げるニホンカモシカ 



2026/06/18

雪深い二次林の巣穴で越冬するホンドタヌキ:3月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2025年3月上旬 

シーン1:3/1(@0:00〜) 
雪深い落葉二次林でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が冬越しする巣穴をトレイルカメラ2台で見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

この時期の昼夜に1〜3頭で代わる代わる登場したタヌキのシーンをまとめました。 
面白い行動は個別の記事ですでに紹介したので、その残り物です。 

話が遅々として進まないので、この動画はブログ限定で公開します(手抜き)。


シーン2:3/2(@2:10〜) 

シーン3:3/4(@4:02〜) 

シーン4:3/5(@5:33〜) 

シーン5:3/6(@5:43〜) 
雨が降る未明に3頭の家族群が登場し、いつものように巣口Rを点検して行きました。 
殿(しんがり)を務める個体は、両目を失明していました。 

シーン6:3/9(@7:42〜) 

シーン7:3/10(@9:11〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2026/06/14

両目の輝板を失明したホンドタヌキが雨夜に溜め糞場で排便:3月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月上旬・午後18:25頃・雨天・気温1℃ 

雪国のスギ防風林にあるホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcをトレイルカメラで見張っています。 

雨が降る晩に、まず1頭のタヌキが現れました。 
溜め糞WBCの匂いを確認してから、またがって南東向きで脱糞しました。 用を足しながら、欠伸したようです。 

17秒後に、後続のタヌキが右からやって来ました。 
おそらく近くでトイレの順番待ちをしていたのでしょう。
この個体は、両目に光がありません。 
タペータム(輝板)に異常を来して暗視カメラの赤外線を反射しなくなった失明個体です。 
溜め糞にまたがると、北東を向いて排便しました。 
大便の状態を見る限り、栄養状態も悪くなく健康そうです。 
暗い夜に目が見えにくくても、ちゃんと餌を食べているようです。 
先行個体の後を追って、右に立ち去りました。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
タペータムの反射が両眼で失われたホンドタヌキ個体について。
トレイルカメラの電池の電圧がたまたま低下していて、暗視動画を連続撮影したせいで赤外線LEDからの照射が弱いだけかもしれない…などと他の可能性(カメラのトラブル)も考えました。 
しかし、近所の別の地点に設置したトレイルカメラでも同時期から両目失明のタヌキが写るようになったので、間違いありません。 
健常個体と両目失明個体が同時に写ることもありました。(映像公開予定)
以前写っていた、片目の輝板(タペータム)が失明していたタヌキと同一個体だとしたら、進行性の眼病ということになります。 
動画で行動を見ているだけでは、夜盲症かどうか確定診断できません。 
夜間限定ですが、この個体だけ個体識別できるようになりました。 


つづく→

2026/06/11

早春の雪が降る日にスギ林に続々と集まり樹上で休むニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 



2025年3月上旬 

雪国のスギ防風林にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場WBCを見張っている自動撮影カメラに、ある日ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが写りました。 


シーン1:3/7・午前10:22・晴れ・気温2℃(@0:00〜) 
画面の右上奥から、雪深い林床を遊動するサルが続々とやって来て、計3頭が左へ横切りました。 
タヌキの溜め糞に興味を示して立ち止まったのは、子猿だけでした。 


シーン2:3/7・午後12:09・降雪・気温0℃(@0:18〜) 
1時間50分後に、左から単独で戻ってきたニホンザル個体が、奥のスギ立木を躊躇なくよじ登りました。


シーン3:3/7・午後12:13・降雪・気温1℃(@0:26〜) 
4分後に、2組のニホンザル母子が右上奥から次々と遊動して来ます。 
まず先頭の成獣aが左下手前のスギ立木をよじ登りました。 
後続の子猿がタヌキの溜め糞に少し興味を示してから、母親の後についてスギに木登り。 

その間に、奥で別の子猿が落葉灌木の幹から雪面の獣道に飛び降りました。 
後から来る母親bを待っているようです。 母親bとその子猿が、奥に見えるスギ立木をよじ登りました。 

塒入りする時刻にはまだ早いと思うのですが、雪が激しく降り始めたので、この常緑スギ林で雪が止むまで「雪宿り」するのかもしれません。 


シーン4:3/7・午後12:15・降雪(@0:59〜) 
1分後に、監視カメラが起動すると、子猿が左下手前でスギの幹をよじ登っているところでした。 
奥からやって来た成獣は、奥にあるスギ立木をよじ登りました。 
続けて(別個体の?)子猿が左下手前のスギの幹をまた登りました。 

樹上からバキバキ♪と枝が折れる音がして、スギの落枝や落葉が降り注ぎます。 
スギ林床に散乱している落葉落枝の一部は、風雪ではなくニホンザルの仕業なのかもしれません。 


シーン5:3/7・午後12:16・降雪(@1:32〜) 
防風林の林床を歩いて、1頭のニホンザルが手前へ来ました。 


シーン6:3/7・午後12:27・降雪・気温1℃(@1:32〜) 
11分後に、ニホンザル成獣が単独で奥から左下手前へとタヌキの溜め糞場WBCを横切りました。
殿(しんがり)を務める個体は、3本足でぎこちなく歩いています。 
てっきり何か餌を持ち歩いているのかと思いきや、よく見ると負傷した右手をかばって(着地しないように)歩いていました。 
この跛行個体の木登り能力を見たかったのに、残念ながら動画に撮れていませんでした。 


【考察】 
スギ防風林の中から撮った動画では、この日の降雪量は大したことないように見えますが、実際は激しい大雪が降っているのかもしれません。
ニホンザルたちは、雪が降り止むまで常緑のスギ林に集まって樹上で休んだようです。 
ここがタヌキの溜め糞場であることや糞便臭を猿は別に気にせず、塒(ねぐら)にしました。
しかし、この群れが杉の木から雪面に降りるシーンはなぜか一度も写っていません。 
樹冠部で隣の木へと次々に渡り歩いたのでしょう。 

最後に登場した成獣個体が、痛々しく跛行していて気になります。 
もしかすると、以前見たのと同一個体と考えても辻褄が合います。 


例えばカキノキ大木から雪面に飛び降りた際に、両手から先について右手首を捻挫したのではないか?と勝手に想像しています。 
野生のニホンザルは、一度負傷すると、自然治癒を待つしかありません。 


つづく→

2026/05/28

ニホンザルの若い白変種?

 

2024年9月中旬・午前11:15頃・晴れ 

山麓の用水路沿いで遭遇した野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れの中に、若い白猿が含まれていました。 
この個体はアルビノではなく白変種だと思うのですが、どうでしょう? 
毛皮は白っぽいのですが、ほんのり薄汚れたような色でした。 
顔色は薄いピンクで、あまり血色が良くありません。 
瞳の色素が薄い黒でした。
(「いや、赤い目をしているからアルビノだ!」と言われたら、そんな気もしてきます…。)
一応メラニン色素はある、というのが私の判断ですけど、いまいち自信がありません。
日光の当たり方が逆光気味で、いまいち分かりにくいのです。
後ろ姿の股間を見ると、おそらく若い♀のようです。

私の気のせい(観察者バイアス)かもしれませんが、この白猿は視線が定まらないというか斜視が少し入っているように思います。
だとすれば、視交叉が乱れたアルビノかもしれません。
アルビノ遺伝子の特定の遺伝子型を持つシャム猫では神経線維の並びが乱れることでより多くの交叉が見られ、網膜線維の約95%が交叉することが報告されている[20]。シャム猫ではホワイトタイガー[注釈 2]と同様に斜視になりやすく、これは異常な量の交叉を補償するための行動であると考えられている[21][22]。 (wikipediaより引用)

同じ日に、この後すぐ出会ったアルビノとは顔つきも違いますし、別個体だと思います。 


関連記事(同所同日の撮影)▶  


同じ群れの中に若い白猿(アルビノと白変種)が少なくとも2頭以上いることになります。
白猿同士で一緒に遊ぶ様子は観察できていません。
体毛の色が違うという理由で、他の仲間から差別されたりいじめられたりしている様子はありません。

2026/05/25

左目を失明したホンドタヌキがスギの落ち葉を体に付けたまま林内の巣穴に入る:2月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月下旬 

雪国の落葉した二次林でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

左目が失明している個体の登場シーンをまとめました。 
ここに通ってくる他のタヌキについて私は個体識別ができていませんが、トレイルカメラが夜に照射する赤外線を反射するタペータム(輝板)に異常がある個体は素人でも見分けやすいのです。 
つまり、この個体識別は夜間限定で、後ろ姿や明るい昼間には有効ではありません。 

本当に左目が夜に見えていない(夜盲症)のか、確定診断した訳ではありません。 
「タペータムの反射が左目だけ低下(消失)した個体」といちいち説明するのは長ったらしいので、短い呼び名として記事では「左目失明個体」としています。 


シーン1:2/25・午後19:16・気温-2℃(@0:00〜) 
巣穴Rから外に出てきた直後なのか、左目が失明している個体がノソノソと歩いて右へ立ち去りました。 


シーン2:2/26・午前1:50・気温-5℃(@0:08〜) 
約5時間半後、日付が変わった深夜に左目失明個体が単独で戻ってきました。 
毛並みが急にボサボサになったように一瞬見えたのですが、尻尾や毛皮の右側にゴミ(スギの落葉?)が付着したまま歩いています。 
気づいていないだけなのか、あるいはもしかすると、今季は大雪が積もったせいで餌が少なく、身なりに構う余裕がなくなっているのかもしれません。


立ち止まって細い落葉灌木(マルバゴマキ)の匂いを嗅ぎました。 
凍った雪面を歩いて右から回り込み、巣口Rの縁から覗き込みましたが、中に入り込むことはありませんでした。 




シーン3:2/26・午前1:51・気温-5℃(@1:08〜)
続きが別アングルの監視カメラに写っていました。 
凍った雪面の匂いを嗅ぎながら、雪深い営巣地をあちこちうろついています。 


シーン4:2/26・午前1:52(@2:08〜)
巣口Rの手前で佇んでいます。 
監視カメラを正面から見据えている(カメラ目線)ので、左目のタペータムが赤外線を反射していなくて真っ暗なのがよく分かります。 (右目のタペータムは正常です。) 

最後にようやく(意を決したように?)、巣穴Rに潜り込みました。 
この個体がいつ外に出て来たのか、撮り漏らして不明です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




【考察】
左目失明個体は、近所にある別の地点のトレイルカメラにも写っていました。



3月上旬には、両目のタペータムが失明した個体も登場するようになります。(映像公開予定)
同一個体だとすれば、進行性の眼病ということになります。


ランダムに記事を読む