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2024/11/17

根曲がり巣穴の周辺で餌を探す初冬の小鳥たち【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬〜下旬

シーン0:12/11・午後14:11・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林にある「根曲がり巣穴」を自動撮影カメラで見張っています。 
ここでニホンイタチMustela itatsi)が越冬していることが後に判明しました。 
杉の木が強風で奥に向かって根こそぎ倒れ、その巻き添えを食った落葉性広葉樹の幼木が毎年の積雪の重みで捻じくれた「根曲がり」の樹形に育ちました。 
巣口の手前に見える赤い実は、地表を這って伸びてきたツルウメモドキという蔓植物です。 
初冬の根雪が積もる前後に登場した小鳥たちの様子をまとめました。 

鳥の種類ごとに別々の動画に切り分けたかったのですけど、古いトレイルカメラをだましだまし使っているせいで鳥の体色が分からず、しっかり見分けられません。 
複数種が混群で登場することも多く、おそらくカラ類だと思われます。 
同定を諦めて、まとめて紹介することにします。 

自信をもって見分けられたヤマガラだけは、別の記事にしました。 関


シーン1:12/13・午後15:13(@0:03〜) 
ヒガラPeriparus ater)らしき小鳥が登場。 


シーン2:12/14・午前10:54(@0:08〜) 
シジュウカラParus minor minor)が群れで登場。 
根曲がり巣穴のすぐ近くで、土が付いたままのスギ風倒木の細根をあちこち啄んだりしています。 
後半は奥の茂みに逃げてから羽繕いしました。 


シーン3:12/14・午前10:56(@0:57〜) 
シジュウカラの群れの他に、地味な(焦げ茶色の?)小鳥が登場しました。 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)ですかね?(あまり自信なし) 
ミソサザイといえば山地の渓流の近くで見かける小鳥だという認識だったので、こんな平地の防風林で見れるとは意外でした。
ミソサザイがシジュウカラと混群を形成するという話は聞いたことがありません。 
根曲がり巣穴の巣口にいきなり現れたということは(@1:12〜)、まさか恐れ知らずのミソサザイがそれまでイタチの巣穴の中に潜んでいたのでしょうか? 
あちこち啄んでいます。 


シーン4:12/14・午後13:37(@1:23〜) 
ミソサザイと思しき小鳥が単独で現れ、スギ風倒木の根際で餌を探し回っています。 


シーン5:12/14・午後13:44(@1:28〜)
ミソサザイ?が再登場。 


シーン6:12/17・午前9:50(@1:34〜) 
朝からみぞれが降っていました。 
ミソサザイらしき小鳥が、根曲がり巣穴から外に出てきました。 
身の危険を感じておらず、落ち着いた様子です。 
捕食されなかったということは、巣穴の主であるイタチは留守だったのでしょう。 
鬼の居ぬ間に、ミソサザイが根曲がり巣穴をねぐらとしていたのかもしれません。 

尾羽根を上下に振り立てながら巣口周囲をあちこち移動し、左へ飛び去りました。 


シーン7:12/20・午後12:29(@1:47〜) 
暖冬だったのですが、ようやく根雪が一気に積もりました。 
小鳥の群れが忙しなく飛び交ったり、採食したりしています。 
カラ混群ですかね? 
鳴き声は聞き取れませんでした。 


シーン8:12/20・午後13:43(@2:04〜) 
積雪が逆光となり、暗すぎてよく見えないのですが、小鳥がスギ風倒木の根際の穴というか隙間に潜り込んで餌を探しているようです。 
風雪をしのげるシェルター(安全な隠れ家)を探しているのかもしれません。 


シーン9:12/21・午前8:13(@2:18〜) 
翌朝には新雪が積もっていました。 
小雪がちらつく中を、小鳥が飛んですばやく横切りました。 


ツルウメモドキの赤い実を食べる野鳥がまったく居なかったのが不思議でした。
餌としてあまり好まれないのでしょうか?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2024/11/13

雪山のスギ林で餌を探す年末のカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月下旬 

シーン0:12/25・午後12:18・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
根雪が積もった里山のスギ植林地でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1をトレイルカメラで見張っています。 
画面の手前から奥に向かって斜面を見上げるアングルです。 
林床の雪面にスギの落葉落枝が散乱しています。 
画角の右外には渓谷(山肌を深く侵食した沢)があります。 

日中にカケスGarrulus glandarius)が来るようになりました。 
この地点でカケスが写ったのは初めてです。 


シーン1:12/28・午前10:47(@0:04〜) 
左に立つスギ大木の枝葉に1羽の鳥が止まっていました。 
横枝から横枝へ飛び移り、スギ幹の背後に隠れました。 
逆光で同定するのが難しかったのですが、ジェー♪という嗄れた鳴き声でカケスと分かりました。 
しばらくすると、スギに巻き付いた太いフジ蔓にカケスがぴょんと飛び移りました。 
ようやく右の雪面に飛び降りると、雪面に散乱したスギの落ち葉を調べたり凍った雪面を啄んだりしています。 
越冬中の虫が隠れていないか、獲物を探しているのかもしれません。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:37〜)。 


シーン2:12/28・午前10:49(@3:08〜) 
20秒後にトレイルカメラが再び起動したときにも、カケスが居残っていました。 
スギの横枝にまた止まっています。
カケスがスギの球果や冬芽を食べるとは思えないので、越冬中の虫を探しているようです。
秋の間に貯食しておいたドングリを取りに来た可能性も考えられます。 
いずれにせよ、説得力のある証拠映像は撮れていません。 
横のフジ蔓に止まってから、上の横枝に向かって飛び上がりました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:39〜)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ カケスの鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。


2024/11/11

若いニホンザルがオニグルミ堅果を割ろうと力任せに噛んでも歯が立たない

 

2023年12月中旬・午後15:25頃・くもり(日の入り時刻は午後16:24) 

夕方の山麓で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
林縁の土手に座っていた若い個体が立ち上がると、私に向かって土手を斜めに走り下りました。 
オニグルミ大木の下まで来ると、目の前に垂れ下がっているスギの横枝に跳び移りました。 
スギの枝葉にぶら下がって少しブランコ遊びをしてから地上に飛び降り、スギ植林地の林縁に達しました。 
ちなみに、遊動する群れの仲間はこのスギ林に続々と集まってきていて、おそらく塒入りするようです。 

スギの木の下に座り込んだ若いニホンザルは、オニグルミの落果を拾って口に入れました。
土手の途中に自生するオニグルミの木から熟した果実が落ちて、斜面を転がり落ちてきたのです。 
このオニグルミ落果はすでに果皮が腐り落ちた状態ですが、猿は両手を使って堅果表面の泥汚れを丹念に払い落としました。 
(表面が黒く見えるのはタンニンかもしれません。)
オニグルミの殻の中に美味しい仁が含まれていることを知っているらしく、堅果を口に咥えて犬歯で噛み割ろうとしています。 
しかし、若いニホンザルは顎の筋力がまだ弱いようで、力任せに噛んでもオニグルミの硬くて大きい殻を割ることができません。 
左右対称の殻のつなぎ目に歯を立てて割るというコツを知らないのかもしれません。
諦めてオニグルミ堅果をその場に捨てました。 
右後脚で痒い体を掻いてから立ち上がると、群れの仲間を追いかけて暗いスギ林の中に入って行きました。 

この個体の性別が私には分かりません。 
股間に睾丸は見えず、胸に細長い乳首も見えませんでした。 
素人目には若い♀ではないかと思うのですが、どうでしょうか? 
猿の歯型と唾液が付いたオニグルミ堅果を撮影直後に拾って回収すれば、DNA鑑定で性別も分かったはずです。 

前年よりも間近で撮影できて感動しました! 

ニホンザルの成獣になると顎の筋力が増し、オニグルミ堅果の殻を噛み割って中の仁を食べるコツを学んだ個体がでてくるらしいです。 
つまりニホンザルはオニグルミの種子捕食者ということになります。 
私はまだその様子を観察したことがありません。 


※ 最後は動画編集時に自動色調補正を施しています。

2024/11/09

根曲がり巣穴の横でスギ倒木の根っこが気になる初冬のヤマガラ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬

シーン0:12/11・午後14:11・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林にある「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで見張っています。 
後にここでニホンイタチが越冬していることが分かりました。 
杉の木が強風で奥に向かって根こそぎ倒れ、その巻き添えを食った落葉性広葉樹の幼木が毎年の積雪の重みで捻じくれた「根曲がり」の樹形に育ちました。 
手前に見える赤い実は、ツルウメモドキという蔓植物です。 
根雪が積もる前に登場したヤマガラSittiparus varius)の様子をまとめました。 


シーン1:12/12・午後12:00(@0:03〜) 
正午に1羽で来たヤマガラが、巣口を覗き込んでいました。 
一度は左に飛び去ったのに、しばらくすると右から戻ってきました。 
もしかすると、別個体のヤマガラとペアで行動しているのかもしれません。 


シーン2:12/14・午前10:49(@0:24〜) 
風倒したスギの根にまだ土がびっしり付いているのですが、そこに2羽のヤマガラが来て細根の奥を啄んだりしています。 


シーン3:12/16・午後13:36(@0:44〜) 
再びヤマガラが来ていて、スギ倒木の根っこを物色していました。 


シーン4:12/16・午後13:38(@0:53〜) 
1分30秒後にヤマガラが右から戻ってきました。 
スギ風倒木の根っこや根曲がり巣穴の巣口を探索してから右へ飛び去りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
スギ倒木の根っこにヤマガラが繰り返し飛来して、餌を探しているようなのが気になりました。
露出した根っこの隙間に隠れている虫を捕食しに来るのか、それともまさか土を食べる行動(ミネラル摂取?)なのでしょうか? 
ヤマガラは貯食する鳥ですから、もしかすると冬に備えて木の実を隠しているのかもしれません。
いずれにせよ、決定的な証拠映像は撮れていません。

根曲がり巣穴の手前にあるツルウメモドキの赤い熟果を野鳥が食べるかと期待したのですが、ヤマガラは見向きもしませんでした。

根曲がり巣穴にイタチが住んでいるとしたら、巣口の近くに野鳥が来ていたら狩られるのではないかと心配になります。
しかし野鳥は別に警戒している様子はありません。


つづく→

2024/10/29

ノジギク?の花蜜を吸う合間に花弁を舐めるキタテハの謎(蝶の花粉食?)

 

2023年10月上旬・午前10:35頃・晴れ 

民家の裏庭の花壇に咲いたノジギク?で多数の秋型キタテハPolygonia c-aureum)が集まって訪花していました。 
翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。 
強い日差しを浴びて暑くなった個体は、翅を閉じたままにして体温を調節します。 
キタテハ同士は互いに干渉しないで、別々の頭花で吸蜜しています。 

キタテハをしばらく観察していると、ノジギク?の筒状花ではなく舌状花の花弁を舐める謎の行動が気になりました。 
伸ばした口吻の先端で蜜腺がある筒状花を探り当てるのに手間取っているだけなのでしょうか? 
これが意味のある意図的な摂食行動だとして、自分なりに考察してみました。 
吸蜜の合間の口直しなのかな? 
花弁に落ちた花粉を舐め取っているとしたら、非常に面白いです。
日本の蝶では珍しい花粉食(※追記参照)なら、なぜ筒状花の雄しべから直接舐め取らずに、わざわざ花粉密度の低い舌状花の花弁を舐めているのか、不思議です。 
ストロー状の口器で花粉を摂取するには、微量の水分(唾液?)を吐き戻して花粉を溶かしてから吸い込む必要があるはずです。
雄しべの葯から大量の花粉を直接吸い込もうとすると、花粉の懸濁液が濃すぎて口吻の内部で詰まってしまうのかもしれません。
チョウの胃内容物を詳しく調べてみた結果、花蜜だけでなく花粉も意外に多く見つかれば、花粉食が一般的だということが分かるかもしれません。
花粉という固形物を食べるのであれば、蝶は糞も排泄するはずですね。
チョウ成虫の胃内容物や糞からDNAメタバーコーディングによって植物由来のDNAが検出されたら、花粉を食べたと考えられます。

キク科植物の花弁に花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません。 
アブラムシの甘露で花弁が汚れているようにも見えません。 
花弁は乾いているので、朝露を吸水している可能性もなさそうです。 
花弁が雨水で濡れた後に乾き、微量に残留したミネラル成分をキタテハ成虫が摂取しているのでしょうか? 

ノジギク?の花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:01〜) 
手をかざして蝶の上に影を作っても、その影を動かしても、食事に夢中のキタテハはなかなか飛んでくれませんでした。 

ノジギク?に訪花している微小な昆虫も気になりますが、マクロレンズで接写しないと正体不明です。 


※【追記】
今流行りの人工知能ChatGPT(Microsoft Copilot)にチョウの花粉食について質問してみると、次のように回答してくれました。
はい、チョウが花粉を食べることはあります。特に、ドクチョウ属(Heliconius)の一部の種は、花の蜜だけでなく花粉も食べることが知られています²。彼らはストローのような口(口吻)を使って花粉を吸収し、唾液酵素を使って花粉を消化します²。

ソース(情報源)として、中米コスタリカの昆虫を紹介したナショナルジオグラフィックの記事を紹介してくれました。
 ドクチョウの特徴のひとつが、その食事にある。一般的なチョウのように花の蜜を吸うだけでなく、なんと花粉も食べるのだ! ただし、食べると言っても、チョウにはアゴや歯はない。どうやって食べるのかと言うと、まずストローのような口(口吻)の中央から根もと辺りに花粉をつけ、ストローを丸めたり伸ばしたりしながら唾液酵素を出すことで、少しずつ吸収するという。
私が今回観察したキタテハは、花粉食の方法がドクチョウとは明らかに違います。
日本にドクチョウの仲間は生息していません。
YouTubeでドクチョウの花粉食シーンを探してみました。



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2024/10/26

根曲がり巣穴の近くで餌を探す初冬のキジバトとアカゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬・午前9:30頃

平地のスギ防風林で風倒したスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴をトレイルカメラで見張っています。 

ある朝、1羽のキジバトStreptopelia orientalis)が奥の獣道に現れました。
地面の落ち葉や枯れ葉をついばみながら右から左へ歩いて横切りました。 
手前にあるツルウメモドキの赤く熟した果実を採食するかと期待したのですが、キジバトは気づかなかったようです。

しばらくすると、アカゲラDendrocopos major)が飛来し、画面右上の細い枝に止まりました。 
後頭部が画角の外に見切れてしまっているため、性別不明です。 
そのまま木登りして画面から消えました。 


「根曲がり巣穴」の周囲には昼間に野鳥もよく現れます。 
今回は巣口の背後にキジバトが来ていたので、巣内のイタチには見えません。 
もしも野鳥が巣口の手前で採餌活動した場合、巣穴からイタチが飛び出してきて獲物を狩ることはあるのでしょうか?(待ち伏せ猟) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2024/10/20

根曲がり巣穴の横で落ち葉をめくって虫を探す初冬のカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬

シーン0:12/11・午後14:11・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で風倒したスギと一緒に巻き添えを食った隣の幼木(広葉樹)がしぶとく育ち、毎年繰り返される雪圧のせいで根曲がりの樹形となりました。 
その奥にある「根曲がり巣穴」に住む野生動物の正体を突き止めるために、トレイルカメラで見張っています。 
地表付近に伸びたツルウメモドキの赤い実が見えます。 


シーン1:12/12・午前8:16(@0:03〜) 
小雨が降る朝に、左奥の地面に来ていたカケスGarrulus glandarius)がピョンピョン跳んで餌を探しています。 
右上の倒木の陰にも別個体のカケスが潜んでいて、右上に飛び去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:26〜) 


シーン2:12/11・午後12:13(@0:37〜) 
4時間後に再びカケスが来ていました。 
ツルウメモドキの赤く熟した果実(液果)が付いた蔓が手前に伸びているのに、カケスは気づいていないのか、見向きもしませんでした。 

カケスは地表の一箇所にとどまって、嘴で一心不乱に落ち葉をめくっています。 
落ち葉の下に隠れた虫を探しているのでしょう。 
あるいは、何か木の実などを隠す(貯食)場所を確保するための行動かもしれません。 
カケスの落ち葉めくり行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:37〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2024/10/17

初冬の枯れた休耕地を遊動するニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬 

初冬の枯れ果てた休耕地をニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが遊動するシーンをまとめてみました。 

シーン0:12/4・午後14:09・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
休耕地で見つけたニホンアナグマの越冬用営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っています。 
巣穴の近くにローアングルでカメラを設置する作戦が失敗したので、少し離れた林縁から狙う作戦に戻しました。 


シーン1:12/11・午後13:30・くもり・気温18℃(@0:03〜) 


シーン2:12/13・午後12:01・晴れ・気温11℃(@0:07〜) 
ニホンザルが単独で枯野を右から左へ横切りました。 
途中で立ち止まったものの、アナグマやタヌキの巣穴には興味を示しませんでした。 
最後は左へ駆け去りました。 


シーン3:12/14・午前8:40・くもり・気温6℃(@0:24〜) 
翌朝もニホンザルが現れました。
休耕地の枯野を走って横断すると、画面奥の左右に通っている農道で別個体と合流しました。
用水路を跳び越えた猿は、更に奥のスギ防風林へ入って行きました。 


シーン4:12/15・午前7:22・朝霧・気温0℃(@1:03〜) 
翌朝は霧が発生して、レンズが曇っています。 
2頭写っていたニホンザルのうちの片方が手前に移動して、死角に消えました。 
その直後に至近距離からゴソゴソ物音がして画角が少し振動しました。 
猿の姿は写っていませんが、どうやらトレイルカメラに興味を示したニホンザルが林縁のオニグルミ灌木に登ったようです。 
幸い、猿にカメラを壊されたり盗まれたりしないで済みました。 
トレイルカメラはワイヤーロックでしっかり固定するようにしましょう。


シーン5:12/15・午前7:25・朝霧・気温0℃(@1:40〜) 
諦めたニホンザルがトレイルカメラを固定したオニグルミ樹上から地上に下りて、枯野を奥へノシノシと歩いて突っ切ります。 
途中でタヌキの巣穴の横を通ったのに、全く興味を示しませんでした。 
奥の農道に突き当たると右折して農道を走り去りました。 


シーン6:12/16・午後13:49・くもり・気温19℃(@2:36〜) 
翌日の午後、計4頭のニホンザルが登場します。 
まず、左上奥へ走り去る個体aがいます。 
行く手で座り込んでいた別個体bをそのまま追い越しました。 
座っていた個体bは、立ち上がると採食開始。 
採食メニューは不明ですが、休耕地なので「落ち穂拾い」とは言えません。 

次に、右端から別個体c(子猿)が登場しました。 
立ち上がると、走って左上奥に居た仲間のところへ合流しました。 

最後に右から来た成獣dがノシノシと歩いて、アナグマの巣口を覗き込みました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、黒い首輪(GPS)を装着しているようです。 


シーン7:12/16・午後13:50・くもり(@4:11〜) 
計5頭のニホンザルがほぼ等間隔の一列縦隊で枯野を左上に向かって進んで行きます。 


シーン8:12/19・午前9:55・晴れ・気温9℃(@5:00〜)
3日後、大雪が積もった後に晴れて一面の銀世界となりました。 
巣穴から出入りしたアナグマやタヌキの足跡やラッセル跡が雪原にしっかり残っています。 

雪国で冬にフィールドワークをする利点は、雪面に足跡がしっかり残り、行動の履歴が読み取りやすいことです。 
その気になれば、足跡を辿ってどこまでも追跡することが可能です。(アニマル・トラッキング) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ ニホンザルの鳴き声や物音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2024/10/16

初冬の林床で夜明けとともに採食するキジバトの群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月中旬・午前6:45〜8:45頃・気温2℃〜7℃・日の出時刻は午前6:43 

平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地を自動撮影カメラで見張っていると、日の出とともにキジバトStreptopelia orientalis)の群れが登場しました。 
初めはまだ暗いので、赤外線の暗視モードで撮影されています。 
やがて明るくなると、自然光のフルカラーで録画されます。 

 2〜7羽のキジバトが散開し、落ち葉に覆われた林床を歩き回りながら嘴であちこちつついています。 
この二次林で採食する他種の野鳥と違って、キジバトは採食中に落ち葉めくりを一度もしませんでした。 
ということは、キジバトは虫を捕食しているのではなく、やはり種子食性なのでしょう。 
アナグマの巣口R、Lを覗き込む個体もいましたが、巣内に侵入することはありませんでした。 

キジバトの1羽が地上採食しながら尾羽根を扇のように大きく広げたのは、どんな意味があるのか気になります。(@x:xx〜) 
ただの気まぐれなストレッチ運動かもしれませんが、近くに来ようとした別個体に対する牽制なのかもしれません。 

ときどきカケスGarrulus glandarius)も林内に登場するものの、混群と呼べるほどではなさそうです。 
最後は何かに驚いたのか、キジバトの群れが続々と飛び去り、そして誰も居なくなりました。 
キジバトの採食群がアナグマの営巣地にこれほど長居したのは初めてです。

ちなみに、冬の殺風景な落葉樹林に点在する緑の低灌木のパッチは、常緑樹のヒメアオキと冬緑性落葉樹のナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)です。 


【アフィリエイト】 

2024/10/12

山中の池畔で採食する初冬のヤマドリ♀♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月上旬・午前8:30頃 


シーン0:12/6・午後12:13・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山で湧き水が貯まった浅い泉に来る野生動物を自動センサーカメラで撮影しています。 
画面の左外にある崖から湧き水が池に流入し、右へ流出してから斜面を下って沢の源流となります。 
野生動物がよく来る左岸を監視します。 
周囲の雑木林から舞い散る落ち葉が池の中にたくさん溜まっています。 


シーン1:12/9・午前8:25・晴れ(@0:04〜) 
晴れた朝にヤマドリ♂(亜種キタヤマドリ:Syrmaticus soemmerringii scintillans)が現れました。 
ヤマドリの♂は尾羽根がとても長くて立派です。 
水場に立ち寄って水を飲んだり水浴びしたりするかと期待したのですが、対岸を左から右へ横切りました。 
画面の右端付近で立ち止まると、落ち葉に覆われた地面を啄み始めました。 
小さな虫や種子などを採食しているのでしょう。 


シーン2:12/9・午前8:28・晴れ(@0:40〜) 
約1分40秒後にトレイルカメラが再び起動すると、画面左に立つミズナラの木の根際にもう1羽のヤマドリ♀が来ていました。 
♀の尾羽根は短いです。
ヤマドリの♀♂つがいがつかず離れず採食しているのでしょう。 
雌雄2羽が同時に撮れたので、尾羽根の長さの違いを見比べることができます。 


シーン3:12/9・午前8:32・晴れ(@1:41〜) 
約3分後、ヤマドリは1羽だけ(♀?)写っていました。 
常緑のスギ枝葉の陰で採食を続けていました。 
パートナー♂は、画面奥の林道の方へ移動したようです。 


この水場でヤマドリの監視映像を初めて明瞭に撮れました! 
フルカラーで録画できなかったのが残念です。 


関連記事(1年前の撮影)▶  


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【アフィリエイト】


2024/10/08

林床に散らばるアケビ果実の断片は誰の仕業?【食痕・フィールドサイン】

2023年10月中旬 

ニホンアナグマが営巣する平地の二次林を探索していたら、林床にミツバアケビ果実の断片が散乱していました。 
野生動物が果肉を食べた後の食べ残し(食痕)のようです。 
苦い果皮はちぎられただけで、甘い果肉および種子はほとんど食べられていました。 
どこか近くの藪に生えたミツバアケビの蔓から熟した果実だけをもぎ取って運び、食べ残し(残渣)を捨てて行ったのでしょう。 


トレイルカメラで長期間監視したおかげで、この二次林には様々な哺乳類が生息していることが分かっています。 
その中で果実食をする者として、ホンドテンMartes melampus melampus)、ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)などの仕業と予想されます。 
テンが排泄した糞の中にアケビの種子が未消化のまま残されているのを山中で観察したことがあります。 

ニホンザルがアケビを食べたらしい傍証(食痕)は次の動画に示されています。 
関連記事(約2週間前の撮影)▶ 路上でクリの落果を拾い食いするニホンザルの群れ 


ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)やニホンアナグマMeles anakuma)も雑食性なので、アケビの果実に手が届けば、もしかしたら食べるかもしれません。 
タヌキやアナグマが残した溜め糞の中にミツバアケビの種子が未消化のまま排泄されるかどうか、糞内容物を調べる必要がありそうです。 
本格的な糞分析をしていませんが、糞塊を目視した限りでは、これまでアケビの種子を見たことはありません。
(もちろん、素人が見落としている可能性も高いです。) 

アケビ果実の断片に犯人の歯型や唾液が残っていそうなので、DNAを解析すれば誰が食べたのか法医学的に突き止めることができるかもしれません。 

スナップ写真をじっくり見直すと、微小なアリ(種名不詳)がアケビ果実の断片に群がっていました。 
わずかに残ったアケビの種子に付属するエライオソームを目当てにアリが集まっていたのでしょう。 
フラッシュを焚いてアリの写真をマクロレンズでしっかり接写するべきでした。 
枝葉が鬱蒼と茂った林内は昼間でも非常に薄暗くて、肉眼ではアリの存在に全く気づかず、通りすがりにスナップ写真を撮っただけです。 

アケビは甘い液果を報酬にして野生動物に食べられ、糞と一緒に排泄された種子が遠くに撒かれる、という種子散布の戦略をとっています。(被食型の動物散布) 
糞に含まれるアケビの種子にはエライオソームが付属しているので、これを目当てにアリが1粒ずつ巣に運び、さらに種子の分布を広げます。(アリ散布) 
アリはエライオソームだけを取り外して食べ、種子はゴミ捨て場に捨てるのだそうです。


アケビの実が熟す前からトレイルカメラで監視して、野生動物が採食する決定的瞬間を証拠映像に撮れたら最高です。


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・牧野富太郎『アケビ』 

2024/09/22

萎れかけたウメの葉を食べ漁るヒヨドリの謎(野鳥)

 

2023年11月中旬・午後14:45頃・雨・室温18℃ 

夕方まで雨が断続的に降り続く日の午後、裏庭のウメ(白梅)樹上に止まったヒヨドリHypsipetes amaurotis)が採食を始めました。 
てっきり虫を捕食しているのかと思いきや、梅の葉そのものをちぎり取って食べたので、驚愕しました。 

晩秋になっても、ウメの枝に残った葉は未だ緑色です。 
今年(2023年)の夏は記録的な酷暑・雨不足のため、梅の葉はよれよれにカールしたまま、一部は黄変(黄葉?)しています。 
夏の間に完全に枯れて落葉してしまうのではないかと心配したのですが、なんとか秋まで持ちこたえました。 
このような葉の症状を「水枯れ」というのだそうです。
秋雨が降るようになっても、水枯れした葉の症状は改善しませんでした。 

ヒヨドリは萎れかけたウメの葉を啄んで、ちびちびと食い千切っています。 
特定の葉には拘らず、目の前にある梅の葉をあちこち啄んでいます。 
横枝を横歩きで移動して、次の葉をつつき始めました。 

ヒヨドリの食性は本来、甘党の果実食です。(虫も食べます。) 
ヒヨドリが木の葉を食べる行動なんて、初めて見ました。 
鳥害の防ぎ方』という本を読むと、餌が不⾜する冬期を中⼼にヒヨドリが畑でアブラナ科の葉菜類を食害することがあるそうです。 (雪国でも観察できるのかな?) 
今回は、嵐の日の非常食なのでしょうか? 
隣のカキノキにオレンジ色の果実がなっているのに、未熟で渋いのか、このヒヨドリは好物の柿の実に見向きもしませんでした。 

食後にヒヨドリは尾羽根を持ち上げて脱糞しました(@5:19〜)。 
便秘気味のときは食物繊維の多い木の葉を意識的に食べるのですかね? 
そもそもヒヨドリはセルロースを消化できないとされています。
鳥は排便(軽量化)直後に飛び去るのが普通ですが、このヒヨドリは同じ横枝に留まり、周囲をキョロキョロ見回しています。 

今思うと、カールしたウメの葉には微小なアブラムシの群れが潜んでいて、ヒヨドリは獲物を葉と一緒に捕食したのかもしれません。
現場検証すべきだったのですが、撮影当時はこの仮説を思いつきませんでした。
アブラムシ入門』という図鑑で調べてみると、ウメコブアブラムシがウメの葉に寄生すると、葉身に特徴的な縮葉(ウメハチヂミフシという虫こぶ)を作るらしいです。
p125に掲載された縮葉の写真を見ると、私が見た白梅の葉のカールした症状よりも酷いので、アブラムシ捕食説は否定できそうです。

ネット検索してみると、「ヒヨドリの餌(えさ) - 梅(うめ)の葉芽(ようが)を食べる」と題した興味深いブログがヒットしました。
 スギやクスノキなどの高木が立ち並ぶ一隅に梅(うめ)の木がありました。 花はわずかに残っていたものの、ほぼ散り、葉が出はじめています。 そこへヒヨドリ数羽が飛来して採餌していました。 食べていたのは花ではなく、葉へと展開しはじめた葉芽(ようが)です。 葉芽をくわえ取ってはそのままのみ込んでいました。
ヒヨドリがウメの葉を食べるのは、それほど珍しいことではないのかもしれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
カメラのオートフォーカス(AF)が被写体を見失いがちで、ピントがひどく不安定な映像になってしまいました。 (奥ピンになりがち)
言い訳すると、雪国に特有の二重窓を通して室内から隠し撮りしたせいです。
窓ガラスの表面が汚れている上に、茂みの隙間から斜め下に見下ろす撮影アングルだったので、カメラのオートフォーカスにはかなり不利な条件でした。 
もちろん、窓を開ければヒヨドリを鮮明に撮影できたでしょう。
しかし、窓を開ける物音で警戒したヒヨドリが止まり木から飛び去ってしまうだろうと予想できたので、我慢してスクープ動画の撮影を続けました。 


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2024/09/06

デントコーンの収穫およびロールベールラップサイロへの加工|落ち穂を拾い食いするハシボソガラスの群れ(野鳥)オートライシズム

 

2023年10月中旬・午前11:20頃・晴れ 

肉牛の飼料用作物として栽培している広大なデントコーン畑で収穫が始まっていました。 
大型機械(収穫専用作業車)によるトウモロコシの収穫を初めて見る私は興味津々で、動画に撮りました。 
収穫作業の機械化が究極まで進められた結果、専用の車両2台が連携して、最少人数による効率化が実現していました。 

最初の大型機械は「細断型ロールベーラ」と呼ばれるのだそうです。 
2〜3mも草丈高く育ったデントコーンを根元から刈り取ると、同時に全草を細かく裁断しています。 
大きな円筒形に整形したデントコーンの塊をその場に放置して、ロールベーラは先に進みます。 

次にキャタピラで動くフォークリフトのような別の作業車(ラッピングマシーン)が登場しました。
ロールベーラが作ったデントコーンの円筒塊を拾い上げると、プラスチックの白いフィルムでぐるぐる巻きに圧縮・梱包しながら運んで行きます。 
完成した包みはトウモロコシ畑の一角に並べて置かれました。

完全密封状態で野外に放置されたデントコーンは嫌気性細菌によって発酵し、昔ながらの塔型サイロ施設に詰め込まなくても良質の飼料となるのだそうです。 
この辺りは肉牛の畜産が盛んな地域なので、その飼料となるのでしょう。 
デントコーンはデンプンの含有量が高く、乾燥時に粒の中央がへこむ(デント)という特徴がある飼料用の品種です。

牧草地などに白い巨大な円筒塊が点々と放置されたり、まとめて置かれたりしている田園風景をこれまで何度も目にしていました。
実際にこれを作る作業を見たのは初めてで、とても勉強になりました。 
デントコーン畑で働く車両をタイムラプス映像で記録(微速度撮影)したら面白い動画になりそうですが、この日は三脚を持参してなかったので諦めました。


【参考サイト】 


収穫直後のデントコーン畑にハシボソガラスCorvus corone)が続々と集まっていました。 
ロールベーラが取りこぼしたデントコーンの落ち穂を拾い食いしているようです。 
トウモロコシ畑に隠れていた昆虫(害虫)を捕食しやすくなったのかもしれません。 
ヒトの収穫作業を利用している訳ですから、こうしたカラスの採食行動は、オートライシズムの一種と言えるかもしれません。 
騒音を立てて動き回る見慣れない大型作業車が怖いのか、カラスは収穫作業車には近づこうとしませんでした。 



農地で野鳥のオートライシズムを観察したくても、当地ではなかなか見ることができないのが不思議でなりません。 
本で読んだ知識では、デントコーン畑で動き回る収穫作業車の周囲に鳥が集まって、急に撹乱されて畑から逃げ惑う昆虫類を次々に捕食するはずと期待していました。 
爆音器やカカシ類などを使って収穫間際の農作物を鳥による食害から守る歴史が長かったために、当地の鳥は農家の人に対する恐れが強いのでしょうか? 
効果的な農薬散布(殺虫剤の使用)が確立した近年では、そもそも田畑の虫が激減しているのではないか?と疑っています。 (素人の個人的な予想です)
海外では害虫抵抗性や除草剤耐性を付与した遺伝子組み換えのトウモロコシ(GMコーン)が盛んに栽培されていますが、日本では栽培が禁止されています。 
デントコーン畑で害虫や雑草の防除を目的として使用される農薬を調べると、アワノメイガやオオタバコガなどの害虫に対して、「トレボン乳剤」や「アファーム乳剤」などの殺虫剤が使われているのだそうです。 
ただし、私は稲作水田への農薬散布は毎年のように見ているものの、トウモロコシ畑での農薬散布作業を実際に目撃したことが一度もありません。 
無農薬で有機栽培されるデントコーンも存在するのだそうです。
さらに調べると、日本国内では、畑に撒くトウモロコシの種子がネオニコチノイド系殺虫剤で処理されることがあるそうです。(畑への農薬散布を減らすためと謳われていますが、色々と問題があって…。)
具体的には、チアメトキサムなどがデントコーンの種子処理に使用されています。
だとすれば、デントコーンが育った畑で農薬散布をしない理由も害虫が少ない理由も説明できます。
ちなみに、私は完全無農薬の有機栽培を目指すべきだという非現実的な理想論者ではありません。
農業で使われる殺虫剤は必要悪として、今後も減らす工夫をしなければいけない、という穏健な(凡庸な)主張です。
農業害虫以外の虫がとばっちりを食らって農薬で殺される数が多過ぎるのが問題で、急激な温暖化の進行とダブルパンチで虫の絶滅がこのまま進むのはまずい!という危機感があります。


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2024/08/21

早朝のスギ林床で足踏みして虫を追い出し捕食するトラツグミ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年11月上旬 

シーン1:10/27・午後13:40・くもり(@0:00〜) 
平地のスギ防風林で、明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の左上隅で風倒木の切株が朽ち果てています。 
切株の手前を左右に走る溝(涸れた水路)に古い手押し車(一輪車)のフレームが錆びたまま放置されていて、その中にニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpがあります。 


シーン2:11/3・午前6:17(@0:04〜) (日の出時刻は午前6:03) 
日の出直後でも杉林の中はまだ薄暗いです。
溜め糞場stmpの右の林床に地味なトラツグミZoothera aurea)が単独で来ていました。 
背中を上から見下ろすアングルになっています。 

少し歩いて立ち止まっては小刻みにガクガクと足踏みしています。 
その合間に地面を何度かついばんだので、足踏み行動は落ち葉の下に隠れている虫を追い出そうと振動を与えているのでしょう。 
トラツグミによるこの独特な採餌法は、すぐ近くにあるタヌキの溜め糞場wbc付近でも録画されています。 



※ 旧機種のトレイルカメラは変な癖があって、昼間に動画を撮るとピンク色のフィルターがかかり、しかもそれが点滅して目障りです。 
仕方がないので、動画編集時にモノクロに加工しました。 


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つづく→

2024/08/17

秋の林道を下山しながら道草を食うニホンカモシカ♀(草木を採食、眼下腺マーキングなど)

 



2023年10月下旬・午後14:40頃・くもり 

里山の林道を下山するニホンカモシカCapricornis crispus)をそっと追いかけてから、続きを撮ります。 
(これ以降は立ったままの撮影がメインになります。) 

カモシカは林道の右端で振り返ってこちらを見ていました。 
警戒を解いて林道をトボトボと歩き始めたので(下山)、私もそのまま追跡を続けます。 
後ろ姿の股間に睾丸も陰茎も見えないので、現時点では♀ではないかと思います。 
腹面に一対の乳首がちらっと見えたような気もするのですけど(@7:20〜)、カモシカの授乳動画を見ると、乳首の位置はもっと後方にあるはずです。 
この個体では真横から乳首が見えないのが謎です。 
素人目にはなんとなく、若い個体のような気がしています。 
真横から見ると、角がまだ細いです。 

やがてカモシカ♀は立ち止まると、林道の右端で道草を食い始めました。(@0:30〜) 
手前に生えたススキが邪魔ですが、カモシカ♀が頭を上げたら、ちぎり取った緑の葉が口元に見えました。 
採食メニューは広葉樹の幼木の葉のようです。(樹種不明) 
カメラ目線のまま、ムシャムシャもぐもぐと咀嚼しています。 
顔を振って虫を払ってから、再び頭を下げて幼木の葉を採食しました。 

更に右へ移動して林道を横断すると、道端に生えた灌木(樹種不明)の枝葉の匂いを嗅ぎました。(@0:59〜) 
続けて、その葉裏に軽く顔を擦り付けて、眼下腺でマーキングしました。 
しつこく後をつけてくる私に対して、やんわりと縄張りを主張しているのかもしれません。 
向きを変えて林道をどんどん下って行きます。 

私が足音を忍ばせてカモシカ♀に追いつくと、今度は反対側の左端で道端の下草を食べていました。(@1:27〜) 
いくら目を凝らしても、股間に♂の外性器が見えません。
映像では採食メニューが不明です。 
少なくとも、ススキの葉は食べていませんでした。 
ニホンカモシカは木の葉を食べる草食獣(browser)というイメージでしたけど、この時期になると下草に切り替える(grazer)ようです。 
落葉前の秋の木の葉はきっと不味くて栄養価が低いのでしょう。 

ときどき振り返って、ちらっとこちらを見るものの、あまり気にせず採食に夢中です。 
食餌の合間に顔を上げると、根元からむしり取った草が口元にぶら下がっていました。(@4:30〜) 
草の根っこも一緒に食べるかと興味深く見守っていたら、(意図的に?)落としてしまいました。 
また林道を歩いて下り、曲がり角の死角に消えました。 

追いついた私が撮影を再開すると、カモシカ♀は林道右端の道端で採食していました。(@5:07〜) 
手前に生えたタニウツギの茂みが邪魔でカモシカの顔が見えません。 
つまり、カモシカは顔だけを隠した状態です。 
カモシカに限らず野生動物は、自分の顔を隠して視界を遮れば怖い相手(私)から全身が隠れてると思っている節があります。 
「頭隠して尻隠さず」とは良く言ったものです。 
ヒトの幼児も隠れんぼ遊びをすると同じ過ちを犯しますから、自分が他者の視線から隠れているかどうか客観的に(俯瞰で)知るためには、高度な知能の発達が必要なのです。

カモシカの警戒心を和らげるために、私は動画を撮りながらその場に座り込んで、撮影姿勢を低くしました。 
カモシカ♀は口をもぐもぐ咀嚼しながら、私の様子を不思議そうに見ていました。 

道端で灌木の葉を食べていますが、樹種は不明です。
やがてカモシカ♀は茂みの横から顔を出して、私の様子を窺っています。 
はい、ひょっこりはん♪
鼻孔を広げて、私の匂いを嗅ぎ取ろうとしています。 
耳を頻りにプルプル震わせているのは、しつこいヤブ蚊などの吸血性昆虫を追い払っているのでしょう。 
警戒を解くと、灌木の葉を再び食べ始めました。 
この間、私に対して鼻息を荒らげて威嚇することは一度もありませんでした。 

最後は、1/5倍速のスローモーションで今回の動画のハイライトを振り返ります。(@7:13〜) 
カモシカの採食メニューが映像から分かる人がいらっしゃいましたら、教えていただけると助かります。


2024/08/16

旧営巣地を訪れるニホンアナグマの諸活動:10月下旬〜11月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月下旬〜11月上旬 

二次林の旧営巣地(セット)にときどき戻ってくるニホンアナグマMeles anakuma)の記録です。 
特筆すべき行動は個別の記事にしたので、その残りをまとめました。 


シーン0:10/20・午後14:16・気温31℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れたアナグマの営巣地(セット)の様子です。 


シーン1:10/22(@0:04〜) 

シーン2:10/23(@0:56〜) 

シーン3:10/24(@2:00〜) 

シーン4:10/25(@3:16〜) 

シーン5:10/26(@4:11〜) 
気温が6℃に下がっても、クモがレンズの上を徘徊していました。 

シーン6:10/27(@4:40〜) 
夜明け前および日没後に、珍しく2頭のアナグマが同時に巣外の二次林で別々に採餌活動していました。 


シーン7:10/29(@5:27〜) 

シーン8:11/1(@6:07〜) 

シーン9:11/2・雨天(@9:20〜)  

シーン10:11/3(@10:27〜) 

シーン11:11/5(@11:27〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】
アナグマは巣口の匂いを嗅いだだけで立ち去ることが多いです。 
ときどき 巣穴Lに出入りしています。 
越冬のために住み着くようになったのか、まだ物件を物色している段階なのか、まだはっきりしません。
脂肪を蓄えて丸々と太って見えます。 
赤外線の暗視映像で見たときに左右の目の大きさが同じなので、ここで繁殖(出産・育児)した母親♀ではない別個体のアナグマと分かります。 
それ以上は個体識別ができていないのですが、ここで生まれ育った幼獣が丸々と太ったのでしょうか? 


2024/08/11

刈田で採食する警戒心の強いキジ♀の群れ(野鳥)

 

2023年10月下旬・午後15:25頃・くもり 

広大な田園地帯で2羽のキジ♀(Phasianus versicolor)を見つけました。 
遠目には草ぼうぼうの休耕地に見えたのですが、実は稲刈りした後の刈田で、青々と二番穂が生えていました。 

刈田での落ち穂拾いを撮影しようと私がカメラを向けたら、キジ♀たちは露骨に警戒して逃げ始めました。 
立ち止まると首を伸ばして辺りの様子を見回しています。 
キジの♀は地味な褐色ですが、迷彩模様になっていて、立ち止まると雑草に紛れてあまり目立ちません。 
しかし、緑の原っぱに来ると目立ってしまいます。 

耳を澄ますと2羽のキジ♀がときどきピーピー♪ピヨピヨ♪と小声で鳴き交わしているような気がするのですが、別種の鳥の鳴き声かもしれません。 

遠くの線路を列車が走る音が聞こえました。 
この辺りのキジ♀は列車の通過音に慣れているのか、特に警戒することなく無反応でした。 

ようやく私から充分に離れて警戒を解くと、全身を膨らませて(羽毛を逆立てた)身震いしてから、採食行動を再開しました。 
首を下げて(姿勢を低くして)原っぱをゆっくり歩きながら、あちこち地面を啄んでいます。 
最後は刈田の奥に広がるヨシ原に逃げ込んだようで、見失いました。 

実はほぼ同じ地点で以前もキジ♀の群れを観察しています。 
必ずしも全く同じ♀個体から成る群れとは限らず、今季生まれた若鳥も混じっていそうです。 



今回も私が農道を歩いて近づいたら、別個体のキジ♀が仲間とは逆の左に飛んで逃げました。(映像なし) 
つまり、少なくとも3羽のキジ♀が群れを形成していたようです。 
繁殖期が終わるとハーレムを解散しますから、今回キジ♂の姿は見つけられませんでした。 


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