ラベル 食事 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 食事 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025/06/14

水場付近の湿地で薄明薄暮に餌を探し歩くクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林で湧き水が溜まった浅い水場を自動撮影カメラで見張っています。 

真っ黒なクロツグミ♂(Turdus cardis)の探餌活動を以下にまとめます。 


シーン1:5/27・午前4:14(@0:07〜)日の出時刻は午前4:17。 
夜明け直前でまだ真っ暗なのに、早起きのクロツグミ♂が採餌活動を始めました。 
ピョンピョン跳んで泥濘をうろつき、餌を探しています。 
朝一番に水浴するかと期待したのですが、そのまま奥の湿地帯へとどんどん遠ざかります。 


シーン2:5/30・午前4:25(@0:48〜)日の出時刻は午前4:16。 
3日後は日の出直後にクロツグミ♂が登場しました。 
右へホッピングして立ち去る途中で、泥濘を啄みました。 


シーン3:5/30・午前18:07(@0:57〜) 
同じ日の夕方にもクロツグミ♂が現れました。 
今度は右奥から左へとピョンピョン跳んで(ホッピング)、湿地帯の草地を移動します。 


シーン4:5/30・午前18:53(@1:07〜)日の入り時刻は午後18:58。 
日没直前にもクロツグミ♂が再登場。 
ホッピングで左へ移動しながら、泥濘を啄んでいます。 


シーン5:6/1・午後18:25(@2:09〜) 
2日後も夕方にクロツグミ♂が餌を探しに来ました。 
水溜りの水際の泥濘を嘴でつつきました。 
少し飛んで水溜まりの対岸へ移動しました。 


シーン6:6/1・午後18:45(@3:11〜)日の入り時刻は午後18:59。 
20分後の日没前に、クロツグミ♂がまた同じ地点に現れました。 
さっきとほぼ同じルートで水場を巡回し、餌を探し歩きます。 


シーン7:6/2・午後18:24(@4:05〜) 
水場に来ていたクロツグミ♂が、手前の泥濘から右に飛び去りました。 

監視カメラのレンズがやや曇っています。 
水溜りの水面に波紋が広がっているので、雨がポツポツ降っているようです。 


シーン8:6/2・午後18:40(@4:12〜)日の入り時刻は午後19:00。 
約15分後の日没前にクロツグミ♂が水場にまた戻って来ました。 
水溜まりをチェックしてから、ホッピングで手前へ移動します。 


シーン9:6/3・午前5:19(@4:39〜)日の出時刻は午前4:14。 
翌日も早朝からクロツグミ♂が手前の泥濘に来ていました。 
両足を揃えたホッピングで右へ向かい、戻ってくると、奥の水溜まりの方へピョンピョン跳んで行きました。 


シーン10:6/3・午前5:25(@4:57〜) 
6分後にクロツグミ♂が左奥の湿地帯で草むらを横切り、餌を探しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
クロツグミ♂はなぜか薄明薄暮の時間帯にしか水場(湿地帯)で餌を探しに来ません。
育雛期の日中は、雛に給餌するために♂は休みなく餌を探しているはずですが、他の時間帯にはどこか別の餌場に行っているのでしょうか?
この水場は里山の山腹にあるので、公式な(天文学的な)日の入り時刻よりもずっと早く、太陽は山の陰に沈み、暗くなります。 
赤外線の暗視動画で薄明薄暮の探餌行動がしっかり撮れました。
旧機種のトレイルカメラは、暗視動画の方が、自然光よりもしっかり撮れるので助かります。  

2025/06/11

平地の二次林で雨の日もうろつくニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬

シーン0:5/30・午前10:57・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林で、死んだアナグマの旧営巣地(セット)を見張る2台の自動撮影カメラに写ったニホンカモシカCapricornis crispus)を以下にまとめました。 


シーン1:5/31・午前5:51・くもり・気温16℃(@0:07〜)日の出時刻は午前4:16。 
薄暗い早朝にカモシカがセットに現れました。 
ここでいつも見慣れているタヌキやアナグマに比べると、カモシカが巨大で驚きます。 
画面の右端で立ち止まったのですが、下半身の右側面だけしか写っておらず、何をしているのか不明です。 
灌木の葉を採食したか眼下腺でマーキングしたと推測しているのですが、その後は右に立ち去りました。 


シーン2:5/31・午後12:01・雨天・気温15℃(@0:38〜) 
6時間10分後、同じ日の正午に、おそらく同一個体と思われるカモシカが戻ってきたようです。 

雨が降る二次林を右から左上奥へと横断しています。 
タヌキやアナグマがよく使う獣道は無視して、林内を突っ切って進んでいるようです。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
山から降りてきたニホンカモシカが平地の二次林で完全に居着いたようです。 
不思議なことに、夜の活動はまだ監視カメラで撮れたことがありません。 

二次林内でカモシカの溜め糞場を探してみたのですが、見つかりませんでした。 
もし冬まで居てくれたら、雪面の足跡(蹄跡)を辿って、溜め糞場やねぐら)を突き止めたいものです。 


つづく→

2025/06/08

タヌキの溜め糞場がある林道をニホンザルが群れで遊動中に採食【トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで監視中です。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/27・午後15:26・くもり?(@0:04〜) 
林道を右から左へニホンザルが次々に通過します。 
写っていたのは計3頭でした。
先頭個体の尻が汚れているのは自分の糞なのか、それともただの泥汚れかな? 
タヌキの溜め糞場ltrには興味がなく、すぐ横を素通りしました。 


シーン2:6/2・午前7:20・くもり?(@0:25〜) 
6日後の朝に少なくとも2頭のニホンザルが林道を通り過ぎました。 
まず、画面の左端に猿の尻だけ写っていました。 
しばらくすると、 その間にキツツキのドラミング音が聞こえました。 

次に手前(画面下端)から子ザルが登場。 
周囲で猿の鳴き叫ぶ声が聞こえます。 
子猿は林道の端に座って何か餌を採食しました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイしても(@1:02〜)、採食メニューは不明です。 
硬そうなので、ドングリなどの堅果なのかな? 


シーン3:6/6・午後18:11・くもり(@1:28〜)日の入り時刻は午後19:02。 
4日後の夕方に、また2頭のニホンザルが林道を右から左へ続々と通過します。 
タヌキの溜め糞の上を素足で踏んで歩いても気にしません。 
キツツキのドラミング音♪が今回は近くから鳴り響いています。 
その後も監視カメラの死角から猿の鳴き声が聞こえます。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
この時期は毎回右から左へ一方通行で遊動していました。
小さな群れのようですが、録音された鳴き声から判断すると、群れの個体数は写った数よりももう少し多そうです。
監視カメラの背後など死角を通る個体もいたかもしれません。

つづく→

2025/06/04

タヌキの新鮮な溜め糞から吸汁して飛び去る夜蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで監視中です。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/26・午前7:52・晴れ(@0:04〜) 
朝から白毛のタヌキが溜め糞場ltrに来ていて、左向きで脱糞していました。 
便秘気味なのか、硬目の立派な固形糞を排泄しました。 
後半は健康そうな糞に変わりました。 

白毛タヌキ♀は振り返って自分の糞の匂いを嗅いでから、身震いし、そのまま画面の右下へ立ち去りました。 
おそらくスギ林に入って行ったようです。 


シーン2:5/27・午前8:01・くもり(@0:51〜) 
翌朝には珍しく♀♂ペアで登場しました。 
まず先行個体の♂が左奥を向いて脱糞中でした。 
後ろ姿の肛門がよく見え、大便の健康状態は良好そうです。 
尻尾が細く見えるのは、夏毛に換毛中だからでしょうか。 

やがて右から後続個体の白毛♀がやって来て合流しました。 
このペアは体格差があり、大柄な白毛の個体が♀だと推測しています。 
後続の白毛♀は溜め糞場ltrの匂いを嗅いでから、奥を向いて排便開始。 
やや軟便でした。 
林道の右を向いて気にしています。 

その間に先行個体♂が右下へ立ち去りました。 


シーン3:5/27・午後19:19・(@1:51〜) 
その日の晩に、タヌキが右向きで脱糞していました。 
消化の悪い物や腐りかけの物でも食べたのか、液状の下痢便を排泄しています。 
振り返って自分の糞の匂いを嗅ぐと、林道脇のミズナラ灌木の下に佇んで林道の左を凝視しています。 


シーン4:5/27・午後19:21・(@2:51〜)
これが今回一押しの興味深い動画です。 
排便直後の新鮮なタヌキの溜め糞に小さな昆虫が動いていました。 
やがて左にヒラヒラと飛び去ったのは、夜行性の蛾(種名不詳)でした。 
翅の鱗粉や複眼が暗視カメラの赤外線を反射していたようです。 
糞便臭に誘引された夜蛾が口吻を伸ばして下痢便からナトリウムやアンモニアなどのミネラル成分を摂取していたのでしょう。 

夜蛾がタヌキの溜め糞場ltrから飛び去るシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:12〜)。 


シーン5:5/31・午後19:48(@3:33〜) 
4日後の晩にタヌキが左向きで脱糞中でした。 
排便中にキューン♪と甲高く寂しげに鳴きました。(@3:44〜) 
黒い糞の健康状態は良好なので、便秘による苦悶の声とは思えません。 
パートナーを呼ぶ鳴き声なのでしょうか。 
我々はどうしてもタヌキの鳴き声を「寂しげ」などと勝手に感情移入したり擬人化してしまいがちです。 
用を足したタヌキは、林道を右へ立ち去りながら、もう一度クゥーン♪と鳴きました。 


シーン6:6/2・午後16:02(@4:00〜) 
2日後の雨が激しく降る午後に、白毛のタヌキ♀が左向きで脱糞していました。 
白い毛皮が雨で濡れています。 
糞の健康状態は良好そうです。 
振り返って自分の新鮮な糞の匂いを嗅ぐと、手前のスギ林へと立ち去りました。


つづく→

2025/06/01

昼間の二次林をうろつき餌を探すニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬〜6月上旬 

明るい昼間にニホンアナグマMeles anakuma)が平地の二次林をうろついて採食するシーンをまとめました。 
死んだアナグマの旧営巣地(セット)に住み着くでもなく、ただ餌場として林床を利用しているようです。 
登場する個体の性別は♀だと思うのですが、どうでしょうか。 


シーン1:5/26・午後15:40・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
右エリアの林床でリター(落葉)の下に鼻面を突っ込んで、ミミズなどの餌を探し回っています。 
次は右上奥の立木(オニグルミ?)の根元で餌探し。 


シーン2:5/31・午後15:20・くもり・気温17℃(@1:00〜) 
5日後も日中にアナグマが登場。 
旧営巣地の広場から林内に入った直後にスクワットマーキングで縄張りを宣言しました。 
ミズキの背後で再びスクワットマーキング。 
死角で何をしてるのかよく見えないのですが、採食かな? 

身震いしてから右に立ち去りました。 


シーン3:6/9・午前11:35・くもり・気温23℃(@1:56〜) 
9日後の昼前にアナグマがやって来ました。 
獣道で立ち止まって身震いすると、二次林の奥へ向かいます。 
手前のミズキ灌木が邪魔で、よく見えないのですが、林床の匂いをフガフガ嗅ぎながら前足で地面を掘り、餌を探しているようです。 


シーン4:6/9・午前11:46・くもり・気温23℃(@2:49〜) 
アナグマが左に立ち去る姿がちらっと写りました。 


シーン5:6/9・午後12:15・くもり・気温25℃(@2:55〜) 
30分後の昼下がりに戻ってきたアナグマが林縁を左へ向かいます。 
立ち止まって林床を前足でひっかき始めました。 


シーン6:6/10・午前11:11・晴れ・気温21℃(@3:35〜) 
翌日も昼前にアナグマが登場。 
身震いすると獣道を右へ向かいます。 
途中で左折すると、奥の林内へ。 
このアングルでアナグマの探餌徘徊が撮れたのは初めてかもしれません。 



2025/05/23

川の水に浸した餌を食べるハシブトガラス(野鳥)

 

2024年5月中旬・午後12:00頃・くもり 

石がごろごろした河原の岸で、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が水を飲んでいました。 
石の隙間や水面から何か餌を摘み上げて食べ始めました。 
その合間にも、川の水で繰り返し喉を潤しています。 
やがて、喉袋(素嚢)が膨らんできました。(初めは膨らんでいなかった。) 
もしかすると、固くなったパンなどの餌を持ってきて川の水に浸し、食べやすくしていたのかもしれません。 
カラスが餌を持参したシーンを私は見ていませんから、水際で見つけた餌を食べただけかもしれません。

やがてハシブトガラスは身震いして水気を切ってから、下流へ飛び去りました。 
最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:48〜) 
カラスは喉袋に貯めた餌を飛び立つ前に飲み込んでいて、喉袋の膨らみが無くなっていました。 
つまり、巣で待つパートナーや雛鳥に給餌するための採食行動ではありませんでした。 
今回は水浴行動を見ていません。 

カラスの親鳥が水でふやかした餌を喉袋に詰めて巣に持ち帰り、雛に給餌したら、間接的に給水した(水分を与えた)ことになります。 
それなら非常に興味深い行動だと思ったのですが、私の先走り(早とちり)でした。 @Perplexity AI

喉袋(素嚢)という用語については、ChatGPTに色々と教えてもらいました。
Wikipediaには素嚢(crop)と別にペリカンやウなどにある喉袋(gular pouch)が立項されています。
しかし解剖学的に別物であり、カラスに対してgular pouchを使うのは適切ではないのだそうです。

2025/05/13

ハシボソガラスに威嚇されて茂みに逃げ込むキジ♀♂のハレム(野鳥)

 

2024年5月上旬・午後13:55頃・晴れ 

農村部の休耕地でキジPhasianus versicolor)の♀♂ペア(1羽ずつ)を見つけて採食シーンを撮り始めたら、私を警戒したのか、歩いてどんどん遠ざかってしまいます。 
現場は緩やかな斜面で、画面の手前から奥に向かって登り坂になっています。 
つまり、キジ♀♂は山の方へ向かってどんどん逃げています。 
初めは色鮮やかな♂が先導して地味な♀がその後ろからついて歩いていたのですが、やがて横に並んで(互いに少し離れて) 歩くようになりました。 

キジ♂に注目して撮影していると、斜面の段差をピョンと左上に登った直後に、素早く身を翻して右に飛び立ちました。 
まるで三角跳びのような動きで、敵にフェイントをかけたように見えました。 
何かに驚いて逃げたようですが、このときキジ♂は飛びながら警戒声を発することはありませんでした。 
(風切り音がうるさくて聞き取れなかっただけ?) 
カメラを少しズームアウトすると、茶色の地味なキジ♀が奥にある林縁の茂みに飛び込む様子がちらっと写っていました。 
このときまで私は気づかなかったのですが、キジは♀♂1羽ずつのペアではなく、近くに別個体の♀が少なくとももう1羽いたようです。
繁殖期に特有のハーレム(一夫多妻の群れ)を形成していたことになります。 
このとき私は車道に立ち止まって静かに撮影していただけなので、キジ♀♂の群れをこれほど怖がらせるような動きをした覚えはありません。 

キジたちはおそらく、上空に飛来したハシボソガラスCorvus corone)の群れから避難したようです。 
キジに対してモビング(擬攻撃)するカラスを初めて見ました。 
猛禽と違ってキジを敵視する意味が私にはさっぱり分からないのですが、カラスの親鳥は繁殖期で気が立っているのでしょう。 
カラスの巣が近くにあるはずですが、見つけられませんでした。 
カラスは繰り返し舞い戻ってきて、キジが隠れた茂みの上空で威嚇しています。 
私はキジの姿を見失ってしまいましたが、ケッケッケッ♪と鋭く警戒声(distress call?)を発していました。
しかし、風切り音がうるさくて動画では聞き取れません。 

飛び回るカラスを撮った映像を見返すと、強風に煽られながらウィンドサーフィンの遊びを楽しんでいるようにも見えます。 
♀♂ペアと思われるハシボソガラスが嗄れ声で鳴きながら、飛び回っていました。 
1羽が奥の樹上に止まりました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

重くて飛ぶのが苦手なキジは、カラスのように強風下でホバリングするなど器用な芸当は到底無理です。 
キジは基本的に地上性で、緊急避難時にしか飛びません。
しかも、ほぼ直線的にしか飛べません。 
ねぐら入りするときに地上から樹上に飛び上がるらしいのですが、そのシーンをまだ撮影できていません。 
キジは肉食性でもありませんから、高い樹上に作られたカラスの巣をキジが襲って卵や雛を捕食するなどという心配は全く無用です。
カラスにとって鈍臭いキジは縄張りから排除すべき脅威とは思えないのですが、遊び半分でからかっているのかな? 

一方、キジの♂がハレムの♀をカラスから守るような行動も見られませんでした。
(カラスと飛翔能力に差がありすぎて、キジ♂としても♀を守りようがない気がします。)
色彩的に目立つキジ♂がわざと敵の目を引いて明後日の方向に飛び去った直後に、地味な♀が最寄りの茂みに飛び込んで隠れたのだとしたら、ちょっと面白いです。

もしかすると、私が気づかなかっただけで、第三の登場動物(イエネコやキツネ、イタチなど)がうろついていたのかもしれません。
野生動物(危険な捕食者)の接近に気づいたキジの群れが慌てて逃げ、カラスの群れも上空から騒ぎ立てたのかもしれません。
オッカムの剃刀の原則に従えば、都合の良い仮定を勝手に増やして仮説を複雑にすべきではないのですが、結構しっくり来る仮説かもしれません。



※ カメラのズームの調子が悪くて何度も再起動を強いられ、断片的な動画の記録になってしまいました。 
せっかく面白いシーンだったのに、フラストレーションが溜まります。

2025/05/11

スギ倒木の周囲で餌を探すカラ類の混群【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年2月下旬〜3月上旬

シーン0:2/20・午後14:46・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、根こそぎ倒れたまま放置されているスギ風倒木の根元に掘られた「根返り巣穴b」を自動センサーカメラで見張っています。 
すぐ隣りにある「根曲がり巣穴a」も別の監視カメラで見張っています。 
今季は記録的な暖冬で、例年に比べると異常なほど積雪が少ない年でした。 
昼間に来て採食する野鳥のシーンをまとめました。


シーン1:2/24(@0:03〜) 
雪が少し積もった後です。 
おそらくシジュウカラParus minor minor)と思われる小鳥の群れが右往左往飛び回ったり、採食したりしています。 


シーン2:2/26(@0:33〜) 
カラ類の混群が登場しました。 
コガラPoecile montanus)も来ています。 


シーン3:2/28(@1:38〜) 
ヤマガラSittiparus varius)と思しき小鳥が来ました。 


シーン4:3/1・(@1:49〜) 
奥の林内を忙しなく飛び回り、手前に来てくれないので、鳥の種類を見分けられません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/05/01

林床で採食する5月のキジバト【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年5月上旬・午後12:35頃・晴れ・気温33℃(直射日光で過熱され異常値?) 

平地の二次林で死んだアナグマの旧営巣地(セット)を見張っていると、キジバトStreptopelia orientalis)が現れました。 
巣口Rの右でゆっくり歩き回り、地面を啄んでいます。 
下草の生えたパッチで立ち止まり、何度も地面をつついています。 

セットにキジバトが来たのは、2024年になって初めてです。 


つづく→

2025/04/29

根返りスギの根元で餌を探す雪国の小鳥:シジュウカラ、ヤマガラ、コガラ、ミソサザイ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年2月上旬〜中旬

シーン0:2/9・午後14:54・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ防風林で、根こそぎ倒れたまま放置されているスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴a」を自動センサーカメラで見張っています。 
厳冬期でこの日は珍しく雪が積もっていますが、今季は記録的な暖冬で、例年に比べると異常なほど積雪が少ない年でした。 

昼間に次々と飛来して餌を探す野鳥をまとめました。
(混群で来たり、同定が難しかったりするので、鳥の種類ごとに動画を切り分けるのを止めました。) 

画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた根返りスギの土付き根っこは、雪国の冬でも雪に埋もれず露出したままです。 
画面上では、土の崖が冬でも露出しているように見えます。 
その土の中で越冬している昆虫類を鳥は捕食しに来ているようです。 
深い雪を掘り返せない鳥でも獲物を探せるのです。 
逆に、根返り倒木で越冬する昆虫は、土のかなり奥深くに潜り込まないと、鳥に捕食されて春まで生き残れないことになります。 
もし鳥が土そのものを食べてミネラル摂取しているのなら、根返りスギの根元をあちこち探索しないはずです。 


シーン1:2/10・午後12:26・くもり(@0:03〜) 
シジュウカラParus minor minor)の群れが登場。 


シーン2:2/13・午前9:39・晴れ(@1:03〜) 
たぶんミソサザイTroglodytes troglodytes)だと思うのですが、地味な小鳥が根曲がり巣穴aに興味津々で出入りしています。 


シーン3:2/13・午前15:07・晴れ(@1:12〜) 
ヤマガラSittiparus varius)が登場。 
細い横枝に止まると、白い糞をポトリと排泄しました。(@1:38〜) 


シーン4:2/14・午前8:26・晴れ(@1:53〜) 
シジュウカラが群れで登場。 
残雪の上でも何かを啄んでいます。 


シーン5:2/14・午前11:00・晴れ(@3:12〜) 
ヤマガラが登場。 


シーン6:2/14・午後13:26・晴れ(@3:23〜) 
シジュウカラとヤマガラの混群が登場します。 


シーン7:2/15・午後7:15・晴れ(@4:23〜) 
シジュウカラ♀が登場。 
細い横枝に止まった時に見えた黒ネクタイが細いことから、♀と判明。 


シーン8:2/15・午後7:18・晴れ(@5:14〜) 
シジュウカラ3羽とコガラPoecile montanus)1羽の混群。 


シーン9:2/15・午後7:23・晴れ(@5:48〜) 
シジュウカラ2羽が、根返りスギの土付き根っこだけでなく、残雪の上でも採食しています。 


シーン10:2/15・午後9:26・晴れ(@6:06〜) 
シジュウカラ2羽とコガラ?の混群。 


シーン11:2/16・午後14:06・晴れ(@7:01〜) 
いくら長期間粘っても、根曲がり巣穴aに出入りする野生動物は撮れない(居ない)ことが分かったので、これ以降は巣口aよりも根返りスギ中心の画角に変更しました。 

だいぶ溶けた残雪の上でシジュウカラが採食していました。 


シーン12:2/17・午前7:13・晴れ(@7:14〜) 
シジュウカラ2羽が登場。 


シーン13:2/17・午前10:52・晴れ(@7:57〜) 
コガラの登場。 


シーン14:2/18・午後7:34・晴れ(@8:08〜) 
朝日がもろに逆光となり、ハレーションを起こしています。 
それでもヤマガラとシジュウカラ、コガラ?の混群が来ていることが分かりました。 

太陽を直視してもトレイルカメラは壊れないのが助かります。


シーン15:2/18・午後7:41・晴れ(@9:07〜) 
ヤマガラとシジュウカラの混群。 


シーン16:2/18・午後7:44・晴れ(@10:07〜) 
シジュウカラの群れ。 


シーン17:2/18・午後7:59・晴れ(@10:48〜) 
シジュウカラとコガラが登場。 


シーン18:2/18・午後12:47・晴れ(@11:02〜) 
ミソサザイ?の登場。 


シーン19:2/18・午後15:32・晴れ(@11:36〜) 
ミソサザイ?が再登場。 


シーン20:2/19・午前7:31・晴れ(@11:46〜) 
シジュウカラの登場。 


シーン20:2/19・午前11:50・くもり(@12:03〜) 
ミソサザイ?の登場。 
気まぐれな旧機種のトレイルカメラにしては珍しく自然なフルカラー(天然色)で録画してくれました。 


シーン21:2/19・午後13:23・くもり(@12:42〜) 
ヤマガラが登場。 
ミネラル補給のために土を食べに来たのではなく、越冬中の虫を探してるようです。 
土中から何かをほじくり出すと、右手前の倒木に止まり、足で獲物を押さえながら啄み始めました。 
植物の固い種子のようにも見えます。 
埋土種子かもしれませんが、ヤマガラの場合は、秋に貯食していた種子である可能性もあります。 
秋の貯食シーズンから監視カメラを設置すべきですね。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/04/25

林床にこぼれたキャットフードを拾い食いする茶トラのイエネコ(左後脚の跛行)【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月下旬〜5月上旬

シーン1:4/23・午前0:29・気温13℃(@0:00〜) 
死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)で、深夜に1匹のイエネコFelis silvestris catus)が巣口Lを覗き込んで匂いを嗅いでいました。 
この巣穴の奥には下半身麻痺で餓死したタヌキ(「いざりタヌキ」)が転がっていると予想しているのですが、その死臭が気になっているようです。 
2時間半前の同一個体が戻ってきたのかな? 
白黒の暗視映像では白っぽく見えますが、おそらく茶トラの個体ではないかと思います。 

なぜか、左後足を地面に着かないように3本足でひょこひょこ跛行していました。 
暗闇の獣道でノイバラの棘をうっかり踏んでしまって足裏に刺さったのだろうと予想しています。 
タペータムが発達した夜行性のイエネコは夜道がよく見えると思っていたのに、そんなヘマをするとは意外です。

私が給餌した少量のキャットフードは先客のホンドタヌキが既に食べ尽くしてしまい、餌箱ごと持ち去ってしまったのですが、手前に来たイエネコは餌箱のあった地点の匂いを念入りに嗅いでいます。 


シーン2:4/23・午前0:29・気温13℃(@1:00〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
猫が餌箱の置いてあった地点でキャットフードの残り香をクンクン嗅いでいます。 


シーン3:4/23・午前0:31(@2:00〜) 
怪我して痛む左後足を庇って着地しないように、3本足でヒョコヒョコと跛行しながら、セットを左へ横切りました。 


シーン4:4/23・午前0:31(@2:18〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 


シーン5:4/23・午前0:35(@2:42〜) 
3分40秒後に再び監視カメラが起動すると、同一個体のイエネコが獣道を左から戻ってきていました。 

地面の匂いを嗅ぎながら右へ向かい、立ち止まりました。 
尻尾の先をくねらせている様子だけが写っています。 
実は後日、その地点に空の餌箱が転がっていた(タヌキが持ち去りかけて捨てた)ので、おそらくイエネコは空の木箱を見つけて、林床に散らばった食べ残しを拾い食いしているのでしょう。 


シーン6:4/23・午前0:38(@3:10〜) 
2分後に猫が右から跛行しながらセットに戻ってきました。 
巣口Lの手前で座り込んで、周囲を見回しています。 
立ち上がると、手前の左下隅へ立ち去りました。 


シーン7:4/23・午前0:38(@3:46〜) 
別アングルの監視映像に切り替えると、セットの右端でしばらく座り込んだ猫の尻尾だけが見えます。 


シーン8:5/1・午前6:06・くもり・気温12℃(@4:17〜) 
8日後の明るい朝に、茶トラのイエネコがやって来ました。 
同一個体だとしたら、左後脚の跛行が回復したようです。 
(飼い主が手当をしたのかもしれません。)
左から忍び足で来た茶トラが、餌箱の置いてあった地点の匂いを未練がましく嗅いでいます。 
その後はセットの左エリアを右往左往しています。 


シーン8:5/1・午後6:06・くもり・気温12℃(@4:56〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
残り香を頼りに、餌箱のあった地点を丹念に辿って林内をうろついています。 
これほど執着するということは、市販のキャットフードは猫にとってよほど匂いが強烈かつ魅力的なのでしょう。 
(同一個体なら、残り香に反応しているのではなく学習の結果かもしれません。)
たった1回の少量の人工給餌をしただけで野生動物や野良猫(散歩に来た飼い猫)の行動にこれほど持続した影響を与えるということは、長期の給餌が野生動物をどれほど撹乱しているか痛感させられます。

【アフィリエイト】


シーン9:5/1・午後6:08・くもり・気温14℃(@5:38〜) 
右から戻ってきた茶トラの猫が、林縁右のオニグルミ立木の下でしばし佇んでいます。 
木の根元に排尿マーキングするかと思いきや、やりませんでした。 
そのまま新緑の林内へ立ち去りました。 


2025/04/21

セイヨウタンポポの大群落で採食するスズメの群れ(野鳥)

 

2024年4月下旬・午前11:50頃・晴れ 

セイヨウタンポポの花が咲き乱れる道端の空き地(原っぱ)でスズメPasser montanus)の小群が採食していました。 
動画に写っている2羽とも成鳥なので、♀♂つがいなのかもしれません。 

スズメが食べるのは種子や虫なので、タンポポの花には興味を示しません。 
枯草の下に隠れた虫を捕食しているようです。

私を警戒して、スズメは次々に飛び去ってしまいました。

2025/04/20

根返りスギの根元で餌を探す雪国のシジュウカラ、ヤマガラ、ミソサザイ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月下旬〜2月上旬

シーン0:1/22・午後12:56・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
スギ防風林で、根こそぎ倒れたまま放置されているスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴a」をトレイルカメラで見張っています。 
今季は記録的な暖冬で、積雪がきわめて少ないです。 

 昼間に次々にやって来て餌を探す野鳥をまとめました。 
(混群で来たり、同定が難しかったりするので、鳥の種類ごとにまとめるのを止めました。) 
手前の地面にはツルウメモドキの赤い実があるのに、なぜか野鳥はこれを食べようとしません。


シーン1:1/27・午前10:11・くもり(@0:03〜) 
珍しく大雪が積もった後の静かな午前中に、小鳥が根返りスギの下の穴から外に出てきて、巣口の細い横枝に止まりました。 
すぐに飛び去ったので1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
どうやらシジュウカラParus minor minor)のようです。 

雪面はいかにも湿雪で、野生動物が歩いた足跡は付いていません。 


シーン2:1/31・午後15:14・晴れ(@0:18〜) 
根返りスギの土付き根っこで餌を探していたシジュウカラが、細い横枝に一瞬止まってから左へ飛び去りました。 

しばらくすると、ヤマガラSittiparus varius)が左から飛来し、倒木をあちこち探ってから右へ飛び去りました。 


シーン3:2/1・午前6:56(@0:51〜) 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)らしき小鳥が根曲がり巣穴aにちょっと入ってみたり、倒伏したスギの根の辺りで餌を探し回ったりしています。 


シーン4:2/4・午後16:57(@1:40〜) 
また新雪が積もりましたが、雪面に動物の通った足跡はありません。 

おそらくミソサザイと思われる小鳥が巣口aから右横に出てきて、根返りスギの根っこを探索しています。 


シーン5:2/5・午前11:46(@1:54〜) 
シジュウカラが来ていました。 
根返りスギの土付き根っこを嘴で啄んでいるのは、土そのものを食べてミネラル摂取しているのか?と思ったりもしたのですが、越冬中の虫を捕食しようと探しているのだと知りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/04/18

林床にこぼれたキャットフードを拾い食いする下位のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月下旬・午後頃22:10〜22:45 

キャットフードを入れた木箱ごとホンドタヌキNyctereutes viverrinus)のα個体が持ち去ったようです。 
それまでお預けを食っていた下位の2頭β、γが林床をうろついて、餌箱からこぼれ落ちたキャットフードの食べ残しを探しています。 
もともと餌箱が置いてあった地点に何度も戻って来て、地面の匂いを未練がましく嗅いでいます。 

余談ですが、巣口Lの横を忍び足でうろついていた1頭のタヌキが、途中で背伸びをするようなストレッチ運動をしました。(@1:46〜) 


2024年5月上旬 

後日に私が現場検証すると、数m離れた林床に空の餌箱が転がっていました。
キャットフードの残り香が付いた餌箱を、タヌキが自分たちの巣穴まで持ち帰るかもしれないと思ったのですが、 無事に回収することができました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。

 
つづく→

2025/04/15

アナグマの旧営巣地に置いたキャットフードをホンドタヌキ3頭の群れが見つけ、1頭が独占して食べる【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月下旬 

死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)で、交通事故に遭ったと思われる「いざりタヌキ」の下半身麻痺が進行して歩行困難となった姿が監視カメラに写っていました。 
 餌が取れなくなれば、餓死する(あるいは捕食される)しかありません。 


シーン0:4/22・午後13:00頃・晴れ(@0:00〜) 
私は原則として、野生動物の生老病死にヒトは一切介入すべきではないという立場なのですが、悩んだ末にキャットフードを持参して給餌してみました。 
浅い木箱に少量の乾燥キャットフードを入れて、巣口Lの近くの地面に置いてやりました。 
 「いざりタヌキ」の安否確認だけでも、したいところです。 

ところが給餌後に最初に現れたのは、イエネコでした。 
 関連記事()▶ アナグマの旧営巣地で給餌したキャットフードを食べるイエネコ【トレイルカメラ:暗視映像】 


シーン1:4/22・午後21:56(@0:16〜) 
猫と入れ替わるように、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)3頭の家族群がやって来ました。 
まず手前の獣道から来た2頭のタヌキがセットの匂いを嗅ぎ回っています。 
ネコの残り香が気になるのかな? 

しばらくすると、ようやく1頭が給餌箱の存在に気づいて、キャットフードを恐る恐る食べ始めました。 
その間に、右奥の二次林から別個体も登場しました。 
仲間が食べている給餌箱に近づいたものの、一緒に食べようとはせずに、遠慮して周囲をうろついています。 
体格はほぼ同じなのに、群れ内で力関係の順位性があるようで、下位の個体は順番待ちをしないといけないのでしょう。 
(それとも、早い者勝ちなのかな?) 
 通い慣れたセットにある日突然、見慣れない(不審な)餌箱が出現したので、2頭とも頻りに周囲を警戒しています。 


シーン2:4/22・午後21:56・気温12℃(@1:17〜) 
別アングルの監視カメラでも同時に撮れていました。 
先行個体aは、巣口Lに頭だけ突っ込んで匂いを嗅いでから左に立ち去りました。 
ようやく餌箱に気づいた個体bが、周囲を警戒しながらキャットフードをひとくち食べました。 別個体cが近寄ってきても、先客bに遠慮しているようで、一緒に食べようとはしません。 
 aが回り込んで左下から戻ってきたが、bが食べている餌には近づけない。 明らかな力関係がある。a<b 体格差も同じ。 
 bは妊娠している♀なのか? 
たまたま早い者勝ちで餌を見つけた個体bが独り占めできたのかな? 


シーン3:4/22・午後21:57(@2:17〜) 
タヌキbが餌箱を占有して乾燥キャットフードをボリボリと食べ続けている間、その周囲を2頭のタヌキがうろついています。 
音量を上げて耳を澄ませても、順番待ちをしているタヌキは物欲しげに餌乞いする鳴き声を発していませんでした。 
αの正面に回り込んで餌を食べようとしたら、餌を食べていたαタヌキが怒って威嚇しました。(@3:08〜) 
軽く吠えて(唸って)下位個体に突進したものの、噛み付きはしませんでした。 
αタヌキの剣幕に下位タヌキβ、γは怖がって退散しました。 
少し離れた位置から未練がましく様子を窺っています。(順番待ち)


シーン4:4/22・午後21:58(@3:17〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
 αタヌキがキャットフードを食べている間に、下位の2頭β、γが周囲を別々にうろついています。 
手持ち無沙汰で巣口Lの匂いを嗅いだり、座り込んで毛繕いしたりしています。 
餌のお預けをくらった個体が、欲求不満を解消するための転移行動なのでしょう。 


シーン5:4/22・午後21:59(@4:17〜) 
つづき。 


シーン6:4/22・午後22:00(@5:17〜) 
順番待ちをしていた個体のうち1頭βが餌箱のすぐ横まで近づいても、ようやくαから攻撃されなくなりました。 
キャットフードを独り占めしていたα個体が満ち足りてきたのでしょう。 
しかしβ個体はまだ餌箱から直接食べることは許されていないのか、怯えたようにちょっと走って左に離れました。 


シーン7:4/22・午後22:01(@6:17〜) 
別アングルからの映像。 

餌を専有するタヌキαがよそ見をしているときでも、近寄ってきたβは餌箱から盗み食いしたりしません。 
βはキャットフードの匂いを嗅いだだけで、なぜか怯えたようにパッと右に離れました。 
このときαは特に攻撃的な占有行動をしてませんし、威嚇の唸り声も発ていませんでした。 
餌を1頭が独り占めしているように見えたのは、群れ内の力関係を反映しているのではなく、警戒心が強いか薄いかという個体差の結果でしかないのかもしれません。 


シーン8:4/22・午後22:02(@7:17〜) 
タヌキの群れがセットから居なくなっていました。 
餌箱も忽然と消えていたので、1頭が餌箱ごと咥えて持ち去ったようです。 
その瞬間を動画に撮り損ねたのは残念です。 
右上奥の暗闇でタヌキの白く光る目が右往左往しています。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】 
登場したタヌキ3頭の性別だけでも知りたいものです。 
ホンドタヌキでは雌雄で体格差(♀<♂)があるらしいのですが、その性差は小さくて見分けるのが難しいとのこと。
この3頭はおそらく核家族(♀♂ペアと子供のヘルパー)で、キャットフードを独り占めしたα個体は妊娠中の♀ではないかと、私は勝手に推測しています。
つまり、お預けを食っていた2頭はパートナーの♂と子供(ヘルパー♀?)だろう、という予想です。
3頭の予想される力関係を表すと、
α:母親♀(妊娠中)>β:父親♂>γ:子供(ヘルパー)
タヌキの社会構造は基本的に単独性が強いため、オオカミやイヌなど群れ内の順位性が歴然としているわけではありません。
ただし、家族単位で行動する場合には、親ダヌキ(特に母親♀)が子供より優位に立つことが一般的です。

たまたま早い者勝ちで餌を食べ始めて他の個体を追い払った、という解釈もあり得るでしょうか?
タヌキの餌場での行動は必ずしも順位性に基づくものではなく、一時的な優位性(例えばその場での積極性や警戒心の強さ)による場合もあります。
餌を1頭が独り占めしているように見えたのは、群れ内の力関係を反映しているのではなく、警戒心が強いかどうかという個体差の結果でしかないのかもしれません。 

この3頭は親子ではなく、前年に産まれたタヌキの3兄弟(姉妹)が4月下旬になっても採餌行動を共にしている可能性はありえるでしょうか? 
4月下旬という時期だと、特に♂の兄弟は既に分散して新たな縄張りを築いているはずなので、その可能性は低いです。

給餌したキャットフードを健常個体のホンドタヌキが食べてしまった(持ち去ってしまった)ので、仮に「いざりタヌキ」が生存していたとしても、食べることができなくなりました。 
麻痺した下半身を引きずりながら、後からやって来たとしても、強者が独り占めする餌箱に近づくこともできなかったでしょう。
思いやりをもったヒトが弱者優先で給餌しようとしても、近くの強者に餌を奪われてしまうのが常です。
これは「ふれあい牧場」の給餌体験などで、誰しも経験したことがあるはずです。
「いざりタヌキ」は行方不明のままですが、おそらく巣穴Lの奥で餓死したのだろうと予想しています。

つづく→

2025/04/13

アナグマの旧営巣地で給餌したキャットフードを食べるイエネコ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月下旬・午後21:55頃・気温13℃ 

死んだアナグマの旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、交通事故に遭ったと思われる「いざりタヌキ」の下半身麻痺が進行して歩行困難となった姿が写っていました。 
餌が取れなくなれば、餓死する(あるいは捕食される)しかありません。 

私は原則として、野生動物の生老病死にヒトは一切介入すべきではないという立場なのですが、悩んだ末にキャットフードを持参して給餌してみることにしました。 
浅い木箱に少量の乾燥キャットフードを入れて、巣口Lの近くの地面に置いてやりました。 

給餌後に真っ先に現れたのは、タヌキではなくイエネコFelis silvestris catus)でした。 
モノクロの暗視映像では白っぽく見えますが、おそらく茶トラの個体ではないかと思います。 
少なくとも、最近よく出没するキジトラ白足袋とはあきらかに別個体です。 

キャットフードが入った給餌箱の匂いを嗅ぎつけたのか、林床でいかにも場違いな給餌箱を目ざとく見つけたのか、イエネコは慎重に歩み寄って横に座ると、さっそく食べ始めました。 
より近くに設置した監視カメラがなぜか起動しなかったのが残念です。 
「せっかく瀕死のいざりタヌキのために給餌したのに、猫が全部食べてしまうと困るなー」と思ったのですが、幸い少量しかキャットフードを食べずに立ち去りました。 
いかにも怪しい(不自然な)餌の出現に警戒しているのか、それとも普段からキャットフードを食べ飽きているのかな? 
タヌキの群れがセットに近づいてきた(映像公開予定)ので、イエネコは慌てて逃げたのかもしれません。 


【考察】 
今回はあくまでも緊急措置であり、この営巣地で人工給餌したのは、この一度きりです。 
個人的に、餌付けされた野生動物の食事シーンを動画撮影したところで、「撮る方も撮られる方も堕落してるなー」と冷めた目で見てしまい、野生の美しさや魅力を感じません。 
野生動物の捕食シーンや採食シーンを自然環境で撮影するのがきわめて困難な場合は、次善の策として止むなく人工給餌することはあるかもしれません。 
くれぐれも野生動物が人工給餌に依存しすぎないように注意を払うべきです。

死にかけていた「いざりタヌキ」を救うために(自己満足で)給餌したにしても時既に遅しで、再びその姿が監視カメラに写ることはありませんでした。
ライブカメラでリアルタイムに監視している訳ではないので、どうしても対応が後手に回ってしまいます。



2025/04/03

根返りスギの根元で餌を探す雪国のミソサザイとヒガラ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月上旬〜中旬

シーン0:1/7・午後13:39(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、スギの倒木が散乱しています。 
画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた(根返り)スギと一緒に巻き添えを食って倒れた落葉灌木が毎年冬の雪圧のせいでねじくれながらも逞しく育ちました。(根曲がり状態) 
その根元に掘られた根曲がり巣穴aを自動撮影カメラで見張っています。 
この巣穴に一時期はイタチが出入りしていたのですが、最近では現れなくなりました。 

今季は異常な暖冬で、積雪がほとんどありません。 
巣口の手前にツルウメモドキの赤く熟した果実が見えます。 


シーン1:1/10・午前7:09(@0:02〜) 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)と思しき小鳥が根曲がり巣穴aの入口に飛び降りて、土が付いたままの根返りスギで餌を探しています。 


シーン2:1/13・午前9:25(@0:27〜) 
うっすらと雪が積もっていました。 
ミソサザイらしき小鳥が根曲がり巣穴aの入口から外に出てきました。 
昼行性の鳥が真っ暗な巣穴の奥深くまで侵入するとは思えないのですが、餌を探しているようです。 
風雪を凌ぐ隠れ家や塒として使っているのかもしれません。 
巣内にイタチが潜んでいたら小鳥は狩られてしまうはずなので、安全に出入りできるということは不在なのでしょう。 


シーン3:1/14・午後14:53・晴れ(@0:48〜) 
翌日の昼間に珍しくフルカラーで録画されていました。 
(機材が古いと気まぐれな症状に悩まされます。) 
よく晴れているので、前日に積もった雪はほとんど溶けてしまいました。 

根曲がり巣穴aからミソサザイが飛び出してきました。 
根返りスギの土付き根っこを嘴でつついて餌を探しています。 
オサムシなどの昆虫が倒木の根返り部分に潜り込んで越冬しているらしいので、その獲物を探しているのでしょう。 

巣口の左手前にあるツルウメモドキの赤い実を野鳥がまったく採食しないのが不思議です。 


シーン4:1/15・午後17:35・吹雪(@1:16〜) 
珍しくまとまった雪が積もりました。 
巣口付近の新雪に野生動物の足跡はついていません。 


シーン5:1/18・午後13:26(@1:19〜) 
根返りスギを右へ移動するミソサザイらしき小鳥がちらっと写っていました。 
林床には雪が積もったままです。 


シーン6:1/10・午前11:16(@1:29〜) 
おまけの映像です。 
時期が少し遡るのですが、2羽のヒガラPeriparus ater)が来ていました。 
奥の落葉灌木の茂みに飛来して餌を探し回っています。 
これだけ個別の記事にするほどの動画ではないので、一緒にまとめました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/03/31

春の刈田でキジ♂が勇壮な母衣打ち♪を披露するまで(野鳥)

 

2024年4月中旬・午後14:55頃・くもり 

田起こし前の刈田で、キジ♂(Phasianus versicolor)がケンケーン♪と鳴く声がしました。 
鳴き声の主を探すと、雑草が生えた原っぱ(刈田)で採食中のキジ♂を発見。 
次の母衣ほろ打ちを記録しようと、動画に撮り始めました。 

採食中にときどき頭を上げて首を伸ばし、周囲を警戒しています。
しばらくすると、胸の羽毛を嘴で整えて羽繕いを始めました。 
 最後にようやくケンケーン♪と大声で絶叫しながら、勇壮な母衣打ちを披露してくれました。
鳴き声が風切り音にかき消されそうなのが、残念です。 
その後は何事もなかったように、採食に戻りました。 
隣の縄張りから別個体のキジ♂が鳴き返す声は聞き取れませんでした。 

キジ♂の母衣打ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@3:12〜)、素早く羽ばたいた回数は2+10回でした。 
この回数には個体差があります。 
母衣打ちで羽ばたく回数の多い♂を♀が交尾相手として選んでいるとしたら、面白いですね。(ただの妄想です)

カメラのバッテリーを使い切る寸前で赤いマークがカラータイマーのように点滅していたので、キジ♂が鳴く前兆を示すまで(立ち止まって背伸びをするまで)撮影を中断して見守りました。 
なんとかギリギリ動画に撮れました。 

気迫の籠もった母衣打ちを見ると、いつも感動します。 
春はキジの繁殖期で、♂は縄張り宣言を頻繁に(定期的に)繰り返しています。 
長くても5〜6分間辛抱して長撮りすれば、誰でも母衣打ちシーンを撮れますので、機会があればトライしてみてください。

2025/03/30

春の林床で落ち葉をめくって虫を探すカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午前9:06・晴れ・気温19℃ 

平地の二次林に設置した自動撮影カメラで昼間にカケスGarrulus glandarius)が写りました。 
細い灌木に止まっていたカケスが地面に飛び下りると、林床の落ち葉を嘴でめくって隠れている虫を探し始めました。 
最後はピョンピョン跳ねて(ホッピング)右へ立ち去りました。 

カケスの落ち葉めくりを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:32〜) 


つづく→

2025/03/25

春の刈田で落穂拾いするドバト♀♂(野鳥)

 

2024年4月中旬・午後15:20頃・晴れ 

早春の田んぼで♀♂ペアと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が採食していました。 
田んぼに水を入れる前の刈田を歩き回りながら、あちこち啄んで落穂拾いをしているようです。 
ペアが互いに少し離れていたので、同じ画角で撮れませんでした。 
1羽に注目して動画を撮影していたらパートナーが先に飛び立ち、その羽音に反応してこちらの個体も飛び去りました。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 
飛び立つ直前にピョンと跳んで90°向きを変えてから、力強く羽ばたいて飛び去りました。 


関連記事(8、9年前の秋に撮影)▶  

ランダムに記事を読む