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2026/09/24

河川敷でハシブトガラスが集めて持ち去った謎の餌(野鳥)

 

2025年5月中旬・午後16:05頃・くもり 

河川敷の草地でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が採食中だったようで、嘴に謎の餌をいくつも咥えていました。 
カメラを向ける私を明らかに警戒していて、キョロキョロ見回しています。 

奥に飛び去り、左旋回して姿を消しました。 
川原に降り立ったのか、河畔林を飛び越えて対岸に渡ったのかもしれません。 
謎の餌をその場で食べずに持ち去ったので、巣で待つ雛へ給餌しに行ったのでしょう。 
Perplexity AIに相談すると、貯食した可能性もあると指摘を受けました。(確かに!)


【考察】
何度見直しても、ハシブトガラスが集めていた謎の餌の正体が分かりません。 
小さくて丸い黄土色の物体に黄緑色の長い柄が付いているようです。 
サクランボの種子と果柄を連想したのですが、それにしても変です。 
5月中旬の川べりに果実はないはずだと思うのですけど、草の実なのかな? 
AIに画像認識してもらうと、虫ではないかと言うのですけど、そんな虫の心当たりがありません。
私は「いやいや、これは絶対に植物質の餌だろう」と納得できません。 
しっかり現場検証するべきでした。
もし謎の採食メニューを見抜ける方がいらっしゃいましたら、教えてください。 

ハシブトガラスを横から見ると、喉袋も膨らんでいました。
喉袋に貯め切れなくなった餌を嘴に咥えたまま、飛び去ったのです。

2026/09/21

ホオノキの樹上で巨大な集合果をこじ開けて種子を食べるハシブトガラス(野鳥)種子散布

 

2026年9月上旬・午後15:40頃・くもり 

川沿いの住宅地を散歩していたら、廃屋の裏庭で高木の枝葉が不自然に揺れているのが気になりました。 
少し遠かったのでカメラでズームインして見ると、少なくとも2羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がホオノキで食事中でした。 
カーカー♪という、ハシブトガラス特有の澄んだ鳴き声も聞こえます。 

ハシブトガラスは、ホオノキの赤くて細長い集合果を太い嘴でこじ開けると、赤い種皮に包まれた種子をひと粒ずつ飲み込みました。 

カラスが袋果を摘み出すときに、まるで納豆が糸を引くように粘液が長く伸びるのが面白く思いました。 
てっきりカラスが唾液を垂らしているのかと撮影中は思ったのですけど、そうではなくて、ホオノキの種子を保護する分泌物なのだそうです。 
食事中のカラスが嘴に付着した粘液を拭き取る仕草が見られなかったのが不思議です。 
次に機会があれば、私も自分でホオノキの集合果を分解して、粘液または糸の存在を確かめてみるつもりです。 

このハシブトガラス個体は、頭部の羽毛が抜け落ちて剥げています。 
病的な症状なのかと心配したのですが、ちょうど羽根が生え変わる時期(換羽中)なのだそうです。 
口内が黒いので、成鳥でした。 

ホオノキの種子をいくつも食べて満足したのか、ハシブトガラスはホオノキから飛び去りました。 

カメラを上にパンすると、ホオノキの樹冠部で別個体のハシブトガラスが留まっていました。 
この個体は、カメラを向ける私に対して警戒心が強く、ホオノキの大きな葉の陰に隠れてしまいます。 
隣の横枝に移動して、羽繕いを始めました。 
この個体は頭部が剥げていません。 
もう採食シーンを見せてくれそうにないので、撮影を打ち切りました。 




【考察】 
ホオノキの袋果や種子を食べる生き物を観察したのは、これが2例目です。
関連記事(11年前の撮影)▶ ホオノキの果実を採食するニホンザル

カラスが丸呑みしたホオノキの種子は未消化のまま糞と一緒に遠くで排泄されます。 
したがって、ハシブトガラスはホオノキの種子散布に貢献していることになります。 
ホオノキの種子散布は、鳥による被食型の動物散布です。 
カラスはホオノキの種子を丸ごと飲み込んでいましたけど、種子捕食者ではなくて、種子を包んでいる薄い果肉が目当てなのです。 

今回ホオノキの種子を食べていたカラスが、太くて頑丈な嘴をもつ森林性のハシブトガラスだったのは、重要なポイントかもしれません。 
非力なハシボソガラスはホオノキの集合果をこじ開けて種子を食べることができないのか、そもそも平原性のハシボソガラスはホオノキが自生する山林に行かないのかもしれません。 

植物の世界―ナチュラルヒストリーへの招待〈第2号〉 (Newton special issue)』という本にホオノキの生活史について詳しく書いてあったことを思い出して、久しぶりに紐解いてみました。
 ホオノキの果実は多数の雌しべが集まったもので、集合果とよばれる。種子を包んでいるがんじょうな果皮は心皮が木質化してかたくなったものである。果皮が裂けると種子が赤く色づき、種子を運んでくれる鳥たちに信号を送る。しかし果皮は裂開してもなお種子をしっかりと包みこんでおり、種子をついばむことができるのは大きくて強いくちばしをもつ鳥だけである。 
 アカゲラなどのキツツキの仲間は(中略)秋にはホオノキの種子をついばみに訪れる。(中略)種子は吐きもどされるか、またはふんにまじって散布される。 
 しかし、親木の近くでホオノキの実生がみつかるほとはほとんどない。ホオノキの種子は木を切り倒した跡などの開けた場所で発芽する。発芽のチャンスがめぐってくるまで、土の下で何年も待ちつづけるものと考えられる。またアカゲラは親木からはなれた場所に種子を運び、発芽のチャンスを大きくしてくれているのである。 (p38より引用)
このムック本では、アカゲラというキツツキの仲間がまさにホオノキの種子を食べる様子を見事な精密画で描いていましたが、種子散布者としてカラスへの言及はありませんでした。 


かなり面白いテーマなので、Perplexity AIに色々と相談してみました。 

Q1: ホオノキの種子は粘液に包まれているのか?

A1: ホオノキの種子は、粘液というより肉質の仮種皮(赤い部分)とその下の白い果肉質の中層に包まれていますが、これが「粘い液」のように見える・感じられる場合があります。 ameblo

種子の構造と「粘液」の正体

ホオノキの種子は、以下のような多層構造になっています。 pianix.exblog

  • 外層(仮種皮): 朱色~赤色で、鳥を惹きつける目立つ色。 hro.or
  • 中層: 肉質で白っぽく、果肉状。鳥が食べる部分。 poohchan-cute
  • 内層: 黒褐色で堅い、実際の胚を含む種子本体。 poohchan-cute

この肉質の中層部が、熟した果実から種子が現れる際に、粘り気のある液のように見えることがあります。 ameblo

現場観察での「粘い液」

ある観察記録では、次のように記されています。 ameblo

「ホオノキの実は15cmぐらいの集合袋の中に赤い実が入っていて、実が落ちるときに粘い液をつけてぶら下がっているのを見ました。」 ameblo

これは、肉質の仮種皮・中層が熟して柔らかくなり、糸状の珠柄(白い糸)でぶら下がっている状態が、粘液に包まれているように見えるためと考えられます。 ameblo

種子散布の仕組み

この赤い仮種皮と白い肉質部は、鳥類による種子散布を促すための適応です。 poohchan-cute

  • キツツキ、ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラなどが赤い種子に惹かれて果肉質の中層を食べる。 poohchan-cute
  • 堅い内層(胚を含む黒褐色の部分)は消化されず、糞とともに排泄されて広範囲に散布される。 poohchan-cute

結論

ホオノキの種子は、粘液そのものに包まれているわけではありませんが、肉質で柔らかい仮種皮・中層が熟すと、粘り気のある液状に見えることがあります。 これは、鳥による種子散布を促すための適応構造の一部です。 ameblo

 


Q2: ハシブトガラスがホオノキの実を採食する様子を観察していたら、種子を咥えながら嘴から粘液をだらっと垂らしたのです。この粘液はカラスの唾液ではなくて、ホオノキの果実に由来する成分ですよね?

A2: はい、その粘液はカラスの唾液ではなく、ホオノキの果実(種子の仮種皮・中層)に由来する成分である可能性が極めて高いです。

根拠

1. ホオノキ種子の構造

ホオノキの種子は、以下のような多層構造になっており、肉質の仮種皮と中層が鳥に食べられる部分です。

  • 外層(仮種皮): 朱色~赤色で、鳥を惹きつける目立つ色。
  • 中層: 肉質で白っぽく、果肉状。鳥が食べる部分。
  • 内層: 黒褐色で堅い、実際の胚を含む種子本体。

この肉質の中層部が、熟した果実から種子が現れる際に、粘り気のある液のように見えることがあります。

2. 現場観察での「粘い液」

ある観察記録では、次のように記されています。

「ホオノキの実は15cmぐらいの集合袋の中に赤い実が入っていて、実が落ちるときに粘い液をつけてぶら下がっているのを見ました。」

これは、肉質の仮種皮・中層が熟して柔らかくなり、糸状の珠柄(白い糸)でぶら下がっている状態が、粘液に包まれているように見えるためと考えられます。

3. カラスの採食行動

ハシブトガラスは、ホオノキの赤い仮種皮と肉質の中層を咥えて食べる際、果肉質の部分が嘴から垂れる様子が観察されます。 これは、カラスが種子本体(堅い内層)を残して、柔らかい肉質部だけを摂取しようとする行動の一部です。

結論

あなたが観察した「嘴からだらっと垂れた粘液」は、ホオノキの種子の仮種皮・中層に含まれる肉質で粘性のある成分であると考えられます。 カラスの唾液ではなく、果実自体の構造に由来するものです。


Q3: 撮れた動画を見直すと、カラスがホオノキの種子を摘み出したときに、まるで納豆が糸を引くように、種子からも白っぽい粘液が長く糸を引いていることがあった。確かにカラスの唾液ではなさそうです。


A3: その観察は非常に貴重です!「納豆が糸を引くように」白っぽい粘液が長く糸を引くという現象は、ホオノキの種子が粘液(mucilage)を分泌することを示す直接的な証拠ですね。[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][uv][mdpi]

植物の種子粘液(mucilage)

粘液の性質

多くの植物の種子は、水に触れると多糖類(pectins, cellulose, hemicelluloses)からなる粘液を分泌します。[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][mdpi]

"Seed and fruit mucilage is composed of three types of polysaccharides—pectins, cellulose, and hemicelluloses—and demonstrates adhesive properties after hydration."[pmc.ncbi.nlm.nih]

"When wetted, the seed coat swells into a viscid mass; when dried, the mucilage strands strongly cement the seed to whatever it is in contact with."[biorxiv]

粘液の機能

種子粘液には、以下のような生態学的機能があります。[pmc.ncbi.nlm.nih][uv][mdpi][biorxiv][botany]

  1. 種子の固定: 粘液が乾燥すると、種子を基質に強く接着させる[biorxiv][uv][biorxiv]
  2. 発芽促進: 水分を保持し、発芽に適した微小環境を作る[pmc.ncbi.nlm.nih][mdpi]
  3. 捕食者からの保護: 粘液が種子を地面に固定することで、アリなどの種子捕食者から逃れる[botany][functionalecologists]
  4. 動物散布(zoochory): 湿った粘液が粘性を示し、動物の嘴や消化管に付着しやすくする[biorxiv]

    "Wet mucilage is still sticky, which may be important for zoochorous dispersal."[biorxiv]

ホオノキ種子の粘液

仮種皮・中層の構造

ホオノキの種子は、以下のような多層構造になっており、肉質の仮種皮と中層が粘液を分泌する可能性があります。

  • 外層(仮種皮): 朱色~赤色で、鳥を惹きつける目立つ色
  • 中層: 肉質で白っぽく、果肉状。鳥が食べる部分
  • 内層: 黒褐色で堅い、実際の胚を含む種子本体

「納豆のように糸を引く」現象

あなたが観察した「納豆が糸を引くように」白っぽい粘液が長く糸を引く現象は、種子の仮種皮・中層に含まれる多糖類が、唾液や水分と反応して粘性を示したと考えられます。

これは、以下の理由からカラスの唾液ではなく、種子由来の粘液である可能性が極めて高いです。

  1. 時期: 9月上旬はホオノキの種子が熟し、仮種皮が柔らかくなる時期
  2. 外見: 白っぽい粘液が「糸を引く」様子は、植物の種子粘液(mucilage)の典型的な性質[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][mdpi]
  3. 機能: 粘液が粘性を示すことで、鳥の嘴に付着しやすく、種子散布に貢献している可能性[biorxiv]

結論

あなたが動画で観察した「納豆が糸を引くように」白っぽい粘液が長く糸を引く現象は、ホオノキの種子の仮種皮・中層から分泌された粘液(mucilage)である可能性が極めて高いです。[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][mdpi]

これは、種子散布のための適応として機能している可能性があります。 粘液が粘性を示すことで、カラスの嘴に付着しやすく、種子が運ばれやすくなっているのかもしれません。[biorxiv][botany]


Q4: ホオノキの種子散布の様式は、鳥による被食型の動物散布か?


A4:はい、ホオノキの種子散布は、**鳥による被食型の動物散布(endozoochory)**です。 pmc.ncbi.nlm.nih

証拠と特徴

1. 種子の構造が被食散布に適応

ホオノキの種子は、典型的な被食散布(endozoochory)適応を示しています。 pmc.ncbi.nlm.nih

  • 仮種皮(sarcotesta): 肉質で赤色、鳥を惹きつける pmc.ncbi.nlm.nih
  • 種皮内層(sclerotesta): 堅く木質で、消化管通過から胚を保護 pmc.ncbi.nlm.nih

"Magnolia seeds exhibit typical endozoochory. The seed coats have sarcotestas and sclerotestas." pmc.ncbi.nlm.nih

2. 鳥類による採食の記録

複数の研究で、ホオノキの種子が鳥に食べられることが確認されています。 pubmed.ncbi.nlm.nih

  • 長距離種子散布: 鳥類による長距離散布が、遺伝子流動の主要原因とされる pubmed.ncbi.nlm.nih
  • 採食鳥種: マグノリア属の種子を食べる鳥は9種記録され、ツグミ類が重要な消費者 tandfonline

3. 消化管通過による発芽促進

鳥の消化管を通過することで、仮種皮が除去され、発芽率が向上します。 tandfonline

"Without the removal of the sarcotesta, magnolia seeds do not germinate at all." tandfonline

これは、被食散布の典型的な特徴です。 hro.or

被食散布の定義

動物被食散布(endozoochory): 動物に食べられることによって運ばれ、糞と共に排出されるもの。 hro.or

ホオノキの場合:

  • 鳥が赤い仮種皮と肉質の中層を食べる tandfonline
  • 堅い内層(胚を含む)は消化されず、糞とともに排泄される pmc.ncbi.nlm.nih
  • 仮種皮が除去されることで発芽が促進される tandfonline

結論

ホオノキの種子散布は、**鳥による被食型の動物散布(endozoochory)**に明確に分類されます。 赤い仮種皮と堅い種皮という構造は、この散布様式への典型的な適応です。 pmc.ncbi.nlm.nih


Q5:ホオノキの種子を丸呑みにした鳥は、消化できない種子を糞と一緒に排泄するというのが、種子散布のストーリーです。ペリットとして吐き出すことはないのか?

A5: はい、ペリットとして吐き出される可能性はあります。ただし、ホオノキについて「鳥が種子をペリットで排出した」と直接確認した資料は、今回確認できた範囲では見当たりません。したがって、現時点では「起こり得るが、ホオノキで実証済みとは言えない」というのが正確です。

糞とペリットの違い

鳥の種子散布には、少なくとも二つの経路があります。

  • 糞として排出: 種子が消化管を通過し、果肉などが消化された後に排泄される。
  • ペリットとして吐き戻し: 消化できない物質が、砂嚢から食道を逆流して口から吐き出される。 digital-museum.hiroshima-u.ac

種子を含むペリットは、猛禽類だけのものではありません。ムクドリやヒタキ類などが、種子をペリットとして吐き出す観察例もあります。 鳥類では、比較的大きな種子はペリット、小さな種子は糞に入りやすいという可能性も指摘されていますが、これは鳥種や種子の大きさ、果実の食べ方によって変わります。 hirahaku

ホオノキの場合

ホオノキの種子は、赤い仮種皮に包まれた後、黒っぽい硬い種皮をもつ比較的大きな種子です。そのため、カラスが丸ごと飲み込んだ場合、次の二つの経路が考えられます。

  1. 種子が消化管を通過し、糞と一緒に排出される。
  2. 硬い種子が砂嚢などに残り、ペリットとして吐き戻される。

ただし、ハシブトガラスは雑食性で、採食物を一律にペリット化する鳥ではありません。種子の大きさ、硬さ、仮種皮の残り具合、飲み込んだ量、消化管内での滞留時間などによって、糞と吐き戻しのどちらになるかが変わると考えられます。カラス類の種子散布研究でも、糞とペリットでは種子散布距離や含まれる種子の特徴が異なる可能性が議論されています。 esj.ne


結論として、ホオノキの種子がペリットとして吐き出される可能性は十分あります。しかし、今回の「種子から白い粘液が長く糸を引いた」現象自体は、ペリットではなく、採食時に残った仮種皮・果肉質部、あるいは種子表面の粘質物が伸びたものと考えるのが自然です。


Q6: 鳥がペリットで吐き出した種子の発芽能力はどうなっているか? 消化管を通過して種皮が傷つくことが発芽に必須なのか? 


A6:はい、ペリットで吐き出された種子でも、発芽能力を保っていることが多いです。むしろ、糞として長時間消化管を通過した種子より、ペリットとして比較的早く吐き戻された種子のほうが、発芽率が高い場合さえあります。 sora.unm

ペリット種子の発芽能力

ペリットは、種子が鳥の消化管を通過して完全に分解されたものではなく、砂嚢や胃に残った不消化物を比較的短時間で吐き出したものです。そのため、種子が生きていれば発芽できます。

実際、鳥に摂食された種子について、胃内容物・吐き戻し試料の発芽率が糞中の種子より高かった研究があります。 また、ハワイの在来植物を対象にした研究でも、糞として排出された種子とペリットとして吐き出された種子の双方で、未摂食の種子と同等またはそれ以上の発芽が確認されています。 sora.unm

種皮の傷は必須か

必須ではありません。 種皮が傷つくことは発芽を促進する場合がありますが、すべての植物で必要なわけではありません。

鳥の消化管によって起こり得る作用は、主に次の三つです。

  • 果肉や仮種皮の除去。
  • 種皮表面の軽い擦過・傷つき。
  • 胃液や消化液による化学的な処理。

このうち、種皮の擦過によって吸水性が高まり、発芽が速くなったり発芽率が上がったりする種があります。一方、種によって反応は異なり、鳥を通過しても発芽率がほとんど変わらない種や、強い消化作用で逆に損傷する種もあります。 journals.plos

特に重要なのは、種皮を傷つけることと、種子を殺さずに保護構造を維持することのバランスです。実験では、人工的に傷をつけた種子は、未処理種子より消化液や腸内環境に弱くなる場合もありました。 journals.plos

ホオノキではどうか

ホオノキ属では、鳥が赤い仮種皮(sarcotesta)を除去し、消化管を通過させることで発芽が促進されることが報告されています。 ホオノキの種子で重要なのは、必ずしも「硬い種皮に穴を開けること」ではなく、まず赤い仮種皮や粘質・果肉質の部分を除去することです。 coalicionfloresta

つまり、ホオノキでは次のように整理するのがよいでしょう。

処理発芽への意味
仮種皮が付いたまま発芽抑制や吸水阻害が起こり得る
ペリットで吐き出す仮種皮除去と軽い物理的処理により発芽可能性が高まる可能性
糞として排出仮種皮除去の効果に加え、消化管通過の影響を受ける
強い擦過・長時間消化胚を傷め、発芽率を下げる可能性

ただし、ホオノキ(Magnolia obovata)の種子が、ハシブトガラスのペリットで吐き出された場合の発芽率を直接測定した研究は、今回確認できませんでした。したがって、「ペリット種子は必ず糞中の種子より発芽率が高い」とまでは断定できません。

観察上の重要な点

ホオノキの種子では、カラスが次のどの段階で種子を排出したかが重要です。

  • 赤い仮種皮だけを嘴で取り除いて吐き出した。
  • 種子を一度飲み込み、短時間後にペリットとして吐いた。
  • 長時間後に、種子を糞とともに排出した。

最初の場合でも、仮種皮が除去されていれば、発芽に有利な前処理になり得ます。したがって、ペリットでなくても、カラスが種子を咥えて仮種皮を剥がし、地上へ落とすだけで、種子散布者として機能する可能性があります。

結論として、ペリットで吐き出されたホオノキ種子も生存して発芽できる可能性は高いが、種皮の傷つきは必須ではないと考えられます。ホオノキでは、種皮の物理的な傷よりも、赤い仮種皮・粘質部の除去が発芽に重要である可能性が高いです。 coalicionfloresta


Q7:哺乳類でホオノキの果実を食べる者はいないのか? 木に登るニホンザルやツキノワグマ、ホンドテン、ハクビシンなど

A7:はい、哺乳類もホオノキの果実を食べます。特にツキノワグマホンドテンが重要な消費者・種子散布者として記録されています。 jstage.jst.go

哺乳類による採食の記録

ツキノワグマ

ツキノワグマはホオノキの果実を採食することが確認されています。 jstage.jst.go

  • 重要な種子散布者: ツキノワグマとホンドテンが、主に長距離の種子散布を担う tuat.ac
  • 採食量: 1回の訪問当たりに採食する果実量が特に多い tuat.ac
  • 食痕: 調査区内のホオノキにツキノワグマの爪痕が数多く見つかった記録がある eco-museum

"ツキノワグマ(Takahashi et al. 2008; Koike et al. 2008a)やテン(Otani 2002)などの食肉目(Koike et al. 2008b)も日本では重要な種子散布者である。" jstage.jst.go

ホンドテン

ホンドテンもホオノキの果実を採食し、種子散布に貢献しています。 jstage.jst.go

  • 長距離散布: ツキノワグマと共に、長距離の種子散布を担う主要な哺乳類 tuat.ac
  • 食肉目: テン科のホンドテンは、果実食(frugivory)の傾向が強い pref.nagano.lg

ニホンザル

ニホンザルも果実食者(frugivore)として記録されていますが、ホオノキに特化した記録は少ないです。 tuat.ac

  • 雑食性: 植物の葉や果実・種子、樹皮・冬芽・昆虫・両生類・キノコなど、様々なものを採食 moonbearjourney
  • 種子散布者: 日本ではニホンザルも重要な種子散布者の一つ tuat.ac

ハクビシン

ハクビシンに関する直接的な記録は見つかりませんでした。ただし、ハクビシンは果実食性が強く、多くの樹木の果実を食べることが知られています。 pref.nagano.lg

哺乳類と鳥類の役割の違い

散布者 特徴 散布距離
鳥類 カラス、ツグミ類など 中〜長距離 pubmed.ncbi.nlm.nih
ツキノワグマ 1回の採食量が多い 長距離 tuat.ac
ホンドテン 果実食性が強い 長距離 tuat.ac
ニホンザル 雑食性だが果実も食べる 中距離 tuat.ac

結論

ホオノキの果実は、鳥類だけでなく、哺乳類(特にツキノワグマとホンドテン)にも食べられています。 これらの哺乳類は、鳥類と同様に被食型の種子散布(endozoochory)に貢献しており、特に長距離散布において重要な役割を果たしています。 jstage.jst.go

ただし、都市近郊ではカラスが主要な種子散布者となっているとの報告もあります。 pubmed.ncbi.nlm.nih


Q8:野生動物(哺乳類)の糞内容物調査でホオノキの種子が検出されたのか?

A8:はい、野生哺乳類の糞内容物調査でホオノキの種子が検出された記録があります。特にツキノワグマホンドテンの糞からホオノキ種子が確認されています。 tandfonline

糞内容物調査の記録

食肉目(ツキノワグマ、テンなど)による研究

Koike et al. (2008) の研究では、冷温帯落葉広葉樹林において、食肉目5種の糞から17植物種の種子が回収され、その中にホオノキ(Magnolia obovata)が含まれていました。 tandfonline

"Seeds from 17 plant species, representing about 50% of the fleshy-fruited plants occurring in the study forest, were recovered from the carnivore fecal samples." tandfonline

この研究で対象となった食肉目は:

  • ツキノワグマ (Ursus thibetanus)
  • ホンドテン (Martes melampus)
  • ニホンイタチ (Mustela itatsi)
  • ホンドキツネ (Vulpes vulpes)
  • タヌキ (Nyctereutes procyonoides)

糞中の種子の健全性

食肉目の糞から回収された種子は、**ほぼ完全に健全(intact)**であることが確認されています。 web.tuat.ac

"Almost all seeds within feces of both mustelids were intact." repository.kulib.kyoto-u.ac

"採食や消化過程においてこれらの食肉目は液果の種子をほとんど破壊しないことを明らかにしました。" web.tuat.ac

種子散布距離

森林総合研究所の研究(2016)では、糞内容物調査と酸素同位体比分析を組み合わせて、標高方向の種子散布距離を測定しました。 tenbou.nies.go

哺乳類 平均散布距離
ツキノワグマ 平均 307 m(標高の高い方向) tenbou.nies.go
ホンドテン 平均 193 m(標高の高い方向) tenbou.nies.go

糞に種子が含まれる割合

別の研究では、各哺乳類の糞のうち種子が含まれていた割合が報告されています。 foundation.tokyu.co

哺乳類 種子を含む糞の割合
ツキノワグマ 86.8% foundation.tokyu.co
ホンドテン 70.8% foundation.tokyu.co
アナグマ 57.8% foundation.tokyu.co
タヌキ 59.6% foundation.tokyu.co
キツネ 41.6% foundation.tokyu.co

結論

ホオノキの種子は、ツキノワグマとホンドテンの糞内容物調査で確実に検出されています。 これらの哺乳類は、種子をほとんど破壊せずに消化管を通過させ、長距離(平均 200–300 m)の種子散布に貢献しています。 tandfonline


Q9:ホオノキ種子を食べていたハシブトガラス個体(成鳥)は、頭部の羽毛が抜けていて少し剥げていた。この時期(9月上旬)は換羽中なのか? それとも病的な症状か?


A9:その個体の頭部の羽毛が抜けていたのは、9月上旬という時期から考えて、換羽(も羽)のピーク時の正常な現象である可能性が極めて高いです。 ja.wikipedia

ハシブトガラスの換羽時期

換羽のスケジュール

ハシブトガラスの換羽は、以下のようなスケジュールで進行します。 jstage.jst.go

項目 ハシブトガラス
換羽開始 6月上旬(雛の巣立ち後) jstage.jst.go
換羽終了 9月下旬〜10月上旬 jstage.jst.go
換羽期間 約110〜120日(初列風切羽) jstage.jst.go
ピーク 7月下旬〜9月 carasblog

9月上旬の換羽状態

9月上旬は、ハシブトガラスの換羽がピークを迎える時期です。 carasblog

"7月下旬からゆっくりと換羽が始まり、9月に入ってピークを迎えた。" carasblog

"彼らは例年、7月から9月下旬にかけて、ゆっくりと羽毛が生えかわっていく。" carasblog

"顔の周りの羽毛がごっそりと抜ける時期が換羽のピークである。" carasblog

頭部の脱羽

カラス類では、春〜初秋の換羽期間に頭部の脱羽が起こることが知られています。 akaitori3.web.fc2

"|頭部の脱羽|春〜初秋の換羽期間に起こる。カササギ類で特に多く、頭の全ての羽毛を一度に換羽。" akaitori3.web.fc2

また、換羽中のカラスでは、**頭部が「濡れたように見える」または「脂っぽく見える」**状態になることが報告されています。 reddit

"It seems they are shedding their feathers, which frequently results in a rather disheveled appearance." reddit

病的な症状との区別

換羽による正常な状態

  • 時期: 6月〜10月(特に7月〜9月) jstage.jst.go
  • 外見: 頭部の羽毛がまばら、または一部が剥げて見える carasblog
  • 行動: 正常に採食・飛行可能 note

病的な症状の可能性

以下のような場合は、病的な状態(寄生虫、感染症、栄養不良、ストレスによる自傷行動など)が疑われます。 ja.wikipedia

  • 時期外: 換羽期(6月〜10月)以外での脱羽
  • 広範囲: 頭部以外の広範囲で羽毛が抜けている
  • 行動異常: 採食・飛行に支障がある
  • ストレス: ストレスを受けると自然な換羽ではなく、自ら羽毛を引き抜く自傷行動がしばしばみられる ja.wikipedia

結論

あなたが9月上旬に観察した個体の頭部の羽毛が抜けていたのは、換羽のピーク時における正常な現象である可能性が極めて高いです。 特に「顔の周りの羽毛がごっそりと抜ける時期」が換羽のピークであり、頭部が剥げて見えることは珍しくありません。 jstage.jst.go

ただし、その個体が正常に採食・飛行できていれば、病的な症状ではなく、季節的な換羽の一部と判断してよいでしょう。 note



2026/09/18

樹上でちぎり取ったコナラの若葉に付いていた虫を捕食するニホンザル♂

 

2025年5月下旬・午前10:05頃・くもり 

里山の山道を私が静かに登っていると、パッチ状に植林された スギ(杉)林でニホンザル♂(Macaca fuscata fuscata)と遭遇しました。 
樹上のニホンザル♂は、スギの幹の陰から顔を出して、私を見下ろしています。 
初めは逆光で猿の顔がよく見えませんでした。 
欠伸をしたのは、もしかすると犬歯を誇示して私を威嚇したつもりなのかもしれません。 
次に左手で頭を掻きました。 
胸に乳首が見えず、股間に薄いピンクの陰嚢が見えたことから、♂と判断しました。 
白っぽい毛並みの個体です。 

やがてニホンザル♂は、座っていたスギの横枝から立ち上がると、樹上で移動開始。 
隣の横枝に跳び移り、私の真上まで来て横枝に座りました。 
チラチラとさり気なく私を見下ろしています。 

樹上の猿は、スギの枝先から左手を伸ばすと、隣接するコナラの葉を数枚ちぎり取りました。 
そのままスギの横枝に戻り、採取したコナラの若葉を採食しています。 
食事の様子をよく観察すると、コナラの葉そのものを食べているのではなく、葉に付着した小さな虫(種名不詳)を丹念に指でつまんで捕食していました。 
調べた葉を下にどんどん捨てています。 

次に、ニホンザル♂は左上を見上げながら左手で左膝を掻きました。 
このとき、次の移動ルートを思案・検討していたようです。 
最後に、隣接するコナラやスギへと樹間移動を始めました。


【考察】 
コナラの若葉を食べても良さそうなのに、今回のニホンザル♂が口にしなかったのは意外でした。
その代わりに、コナラの葉に付着していた小さな虫を指で丹念に摘み取って食べていました。
捕食した虫の正体を見極められなかったのは残念です。
今思うと、ニホンザルが捨てたコナラの葉を拾って、詳しく調べるべきでしたね。

ひとつ思いついたのは、コナラの葉の表面にできた虫こぶ(虫えい)を食べたのではないかという仮説です。
Perplexity AIに訊いてみると、やや否定的な見解でした。

Q1: 5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はあるか?

A1: はい、5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はいくつか確認されています。代表的なものを以下に挙げます。

5月下旬にコナラの葉で見られる主な虫こぶ

ナラハタイコタマフシ

  • 形成者: ナラハタイコタマバチ(タマバチ科)
  • 形成部位: コナラ、ミズナラ、カシワなどの若葉
  • 形態: 葉の表と裏にほぼ同じくらい隆起し、両方の先端がやや平らになる球形の虫こぶ shizensanpo.seesaa
  • 出現時期: 6月中旬から出現するとされるが、5月下旬頃から形成が始まる可能性あり shokonooniwawamushizukushi

ナラハムレタイコタマフシ

  • 形成者: 不明(タマバチ類と推定)
  • 形成部位: コナラなどの葉
  • 形態: 球形の虫こぶが葉に複数集まって形成される shizensanpo.seesaa

補足

虫こぶ(ゴール)は、タマバエ類・タマバチ類・アブラムシ類などの昆虫やダニが植物組織に寄生し、植物ホルモンの分泌などを介して細胞分裂や形態形成に影響を与えることで形成されます 。コナラでは上記の他にも、ナラメカイメンタマフシ(枝端の芽に生じる)やナラハウラマルタマフシ(葉裏の主脈に生じる)なども報告されていますが、これらは出現時期がやや異なる場合があります 。 shokonooniwawamushizukushi

5月下旬のフィールド調査では、特にナラメリンゴフシが枝先に目立って観察されやすく、ナラハタイコタマフシナラハムレタイコタマフシも葉裏を中心に確認できる可能性があります。


Q2: ニホンザルが虫こぶを食べることはあるか? 樹上でニホンザルがコナラの若葉をちぎり取って1枚ずつ調べて、何か小さい物を指でつまんで食べていた。虫こぶに含有するタンニンなど忌避物質を嫌って食べないのだとすると、虫こぶではなく虫を捕食していたことになる。


A2: ご指摘の観察は非常に鋭く、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。以下に根拠を整理します。

ニホンザルの食性と昆虫捕食

ニホンザル(Macaca fuscata)は基本的には植物食性が強い雑食動物ですが、昆虫類を積極的に捕食することが広く報告されています

  • 屋久島のニホンザルでは、年間の採食行動のうち**無脊椎動物およびその他の動物質が10.3%**を占め、昆虫類は重要なタンパク源となっています 。 pubmed.ncbi.nlm.nih
  • 日本全国215論文・49調査地のデータを統合した研究では、136種の動物質を摂食し、そのうち108種が昆虫類であったと報告されています 。 cir.nii.ac
  • 上高地のニホンザル群では、冬季に水生昆虫や魚類を捕食する行動が進化しており、指でつまむ、手ですくう、口で剥ぎ取るなど柔軟な採餌戦略が確認されています 。 tenbou.nies.go
  • 昆虫としては、セミ、バッタ、カブトムシ、サワガニ、カタツムリ、トビケラなど多様な節足動物や軟体動物が摂食対象となります 。 pref.ishikawa.lg

虫こぶ(ゴール)の摂食に関する報告

現時点で、ニホンザルが虫こぶ(ゴール)そのものを積極的に摂食したという報告は文献に見当たりませんこれは以下の理由から考えられます。

虫こぶの化学的防御

虫こぶは植物組織の異常発達ですが、タンニンやその他の二次代謝産物(フェノール類など)を高濃度に含有することが多く、多くの草食動物にとって忌避物質として働きます。

  • 虫こぶ内部は幼虫の保護と栄養供給のために特殊化していますが、植物側にとっては「異常組織」であり、防御物質の蓄積部位となる場合があります。
  • 多くの昆虫幼虫は、こうした化学物質に対して耐性を持ち、虫こぶ内部で安全に発育できますが、哺乳類にとっては摂食を抑制する要因となります。

観察行動の解釈

ご観察の「コナラの若葉を1枚ずつ調べ、小さい物を指でつまんで食べていた」という行動は、昆虫幼虫や小型無脊椎動物を探索・捕食する典型的な行動と一致します。

  • ニホンザルは視覚と手指の巧緻性を活かして、葉裏や虫こぶ内部にいる昆虫を効率的に捕獲できます。
  • 5月下旬は、ナラハタイコタマフシやナラメリンゴフシなどの虫こぶ内部にタマバチやタマバエの幼虫が生育している時期であり、タンパク質豊富な餌資源となります。

結論

ご推察の通り、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。ニホンザルは昆虫類を積極的に摂食することが知られており、虫こぶは昆虫幼虫の「隠れ家」かつ「栄養源」として機能していると考えられます。

この観察は、ニホンザルの採餌行動の柔軟性と、季節的なタンパク質獲得戦略を示す重要な事例と言えるでしょう。

2026/09/14

マメグンバイナズナに産卵した後で砂利道で休むモンシロチョウ♀

 



2026年6月中旬・午前10:45頃・くもり 

田園地帯の農道で草丈高く育ったマメグンバイナズナモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
よく見ると、花蜜が目的ではなく、卵を産み付けていました。 
(前回の記事と同じ撮影日ですが別個体です。)

少し飛び回ると、すぐ横の砂利道に着陸しました。 
このとき口吻を伸ばして小石の表面を舐めているような気がしたのですけど、どうですかね? 
蝶の♀がミネラル摂取するのは珍しいので、私の願望から片方の触角を口吻と見間違えたのかもしれません。 
しかし口吻を縮めているのなら、口元にゼンマイ状の口吻があるはずなのに、見えません。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。

2026/09/12

春の果樹園でリンゴの落果を食べ漁るニホンザルの群れ

 

2025年4月中旬・午前10:15頃・くもり 

春になって雪が溶けた山麓の果樹園には、リンゴの樹の下に大量の落果が散乱していました。 
リンゴの落果を目当てにニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが集まっています。 
果樹園に散開したニホンザルが、リンゴの落果を次々に拾い食いしています。 
我々の感覚ではもったいのですが、猿はリンゴ果実を完食しません。 
食べかけを惜しげもなく捨てて、次の落果を物色しています。 
地面にめり込んだ落果を手で拾いにくいときには、口で直接噛み付いて食べることもありました。 
拾ったリンゴを持ち去る個体も居ます。 
群れには黒い首輪を装着した個体(成獣)が複数混じっていました。 
後半には若い白猿(アルビノまたは白変種)もちらっと登場します。 




【考察】 
この時期、ニホンザルが排泄する糞にはリンゴの種子が含まれているはずです。
つまり、猿はリンゴの種子散布に貢献していることになります。

売り物にならなかった落果(農業残渣)をリンゴ園に放置してあるのは、獣害対策する上でかなりまずいのですが、このまま緑肥にするのでしょうか? 
これでは猿に餌付けしているのと同じで、農業被害が出てから猿を撃ち殺したり追い払おうとしても手遅れです。 
大量の落果を埋めたり片付けたりする作業が面倒なら、その場ですべて潰したり粉砕したりしてしまえば、ニホンザルは食べられなくなりますし、早く腐って緑肥になりそうです。
どちらが手間か分かりませんが、ひとつのアイデアとして、いかがでしょうか?

春はまだ果樹園を電気柵で囲っていないので、野生動物は自由に出入りできてしまいます。 
豪雪地帯の当地では、秋の収穫期が終わると電気柵や支柱が積雪で押し潰されて壊れないように撤去してしまいます。 
道端に設置された頑丈なガードレールですら、雪に埋もれると雪圧でグニャグニャに曲がってしまい、毎年交換するのに莫大な経費がかかっています。 
冬も設置したままにできる、強度が高くて壊れない電気柵を開発できれば良いのですが、莫大なコストをリンゴ農家は回収できるでしょうか?
(自治体などが補助金で支援することになるでしょう。) 

リンゴ農家は高齢化と人手不足が深刻です。 
春になると、冬季に折れた枝を伐採、剪定する作業で忙しいようで、猿害対策まで手が回らないのでしょう。 
ニホンザル・ウォッチャーの私が、猿害に悩む地元のリンゴ農家に提言するとしたら、僭越ながら次の二点(どちらかまたは両方)です。 
  • 雪が溶けたらすぐに電気柵を再設置する。 
  • リンゴの落果(農業残渣)を放置しない。 
餌がなければ、ニホンザルは里に現れなくなります。 


【余談:野ネズミ対策のツリーガードについて】
動画を見直していたら、果樹園でリンゴ苗木の細い幹の根元に黄色いビニールシートが荒縄で巻かれているのが気になりました。 
映像を見ると、1本だけではありません。 





私は初め、「こも巻き」なのかと推測しました。
庭木の幹に冬の間ワラなどを巻き付けておき、春に取り外して、裏側に隠れて越冬していた害虫を一網打尽に駆除する工夫のことです。
Perplexity AIに訊いてみると、謎が解けました。

Q1: 雪国のリンゴ園で細い灌木の幹の根元にビニールシートが巻かれていた。地面から高さ1m弱ぐらいまで。少なくとも4月中旬の時点ではまだ取り外されていなかった。(果樹農家が忙しくて取り外せていないのかも。)

A1: そのケースは、**「越冬害虫の誘引・駆除」ではなく、雪国特有の「ネズミ類(ハタネズミ・野ネズミなど)による樹皮食害(ギルドリング;girdling)防止」**である可能性が非常に高いです。 ag.purdue

雪国のリンゴ園で幹根元にビニールを巻く理由

1. 狙っているのは「害虫」ではなく「小型哺乳類」

  • 冬、雪に覆われると、**ハタネズミ(vole)**や野ネズミは雪の下(subnivean zone)を移動し、他の餌がなくなる中で果樹の樹皮を剥いで食べます。 wildlife-damage-management.extension
  • リンゴなど落葉果樹では、幹の根元〜地表付近の樹皮を一周食べられる「ギルドリング」を受けると、樹液の流れが遮断されて枯死したり、著しく衰弱します。 mapleleavesforever
  • これを防ぐため、地表から雪の高さを超える位置まで(1 m弱は典型的)、プラスチック製のツリーガードやビニールシートを筒状に巻いて物理的に遮断します。 vermontpublic

2. 4月中旬でも外れていない理由

  • 本来は春(雪が溶け、ネズミの活動様式が変わる頃)に外すのが推奨されています。 vermontpublic
  • しかし雪国では:
    • 雪解けが遅く、まだ雪囲いや防獣対策が残っている。
    • 果樹農家が繁忙期(剪定・施肥・防除準備など)で、一つ一つ外す手間が追いついていない。
    • 一部は「春も念のため残す」または「夏に害虫を呼び込まないよう早めに外す」の判断が園主によって異なる。
  • 海外のガイドでも「春に必ず外す」と注意喚起されています。外し忘れると、通気不良で樹皮が傷んだり、逆に害虫が潜む場所になるリスクがあるためです。 hardwickgazette

こも巻きとの違い

特徴 こも巻き(菰巻き) 雪国の幹根元ビニール巻き
対象 越冬昆虫(マツケムシなど) ネズミ類(vole, mouse, rabbit)
目的 害虫を誘い込んで捕殺 樹皮食害を物理的に遮断
設置位置 幹の中〜上部(1.2–1.5 m) 地表〜雪の高さ(0.5–1 m 以上)
素材 稲わら・菰 プラスチックシート・メッシュ
除去時期 春(3月頃)に害虫ごと処分 春(雪解け後)に外す

補足:他の可能性

ごく一部の園では、株元の地温上昇・乾燥防止・雑草抑制を目的にビニールマルチを併用することもありますが、これは「地面を覆う」のが主で、幹を1 m近く巻く形態とは異なります。 nabunken.go

したがって、「雪国+リンゴ+幹根元1 m弱+4月中旬も残存」という組み合わせからすると、ほぼ間違いなくネズミ類の食害防止が主目的です。 wildlife-damage-management.extension


Q2: そのビニールシートはツリーガード専用の商品ではなく、薄い黄色で、肥料など何か別の農業用品が入っていた大きなビニール袋を再利用していた。 

A2: その観察からすると、「ネズミ類の食害防止」+「凍寒害(凍害)対策」の両方を狙って、肥料袋を再利用している可能性が最も高いです。 pref.yamanashi

雪国の果樹園で肥料袋を幹に巻く理由

1. 凍寒害(凍害)対策として

  • 山梨県や新潟県などの雪国向け技術資料では、**「凍寒害対策として、肥料袋等を主幹部分に巻き付け樹体を保護する」**と明記されています。 pref.yamanashi
  • 特に幼木や細い幹は、冬期の急激な温度変化(日中の日射による昇温と夜間の放射冷却)で樹皮が凍結・解凍を繰り返し、裂傷(凍裂)を起こしやすいです。 pref.iwate
  • 肥料袋のような光を通さない厚みのある素材を巻くことで、日中の過度な昇温を抑え、夜間の冷却も緩やかにして「温度較差」を小さくし、凍害を軽減します。 ja-irumano.or

2. ネズミ類の食害防止としても機能

  • 秋田県の野ネズミ防止対策では、**「ビニール(厚さ0.1mm以上)などで地上約1 mまで被覆する」**ことが推奨されています。 pref.akita.lg
  • 肥料袋を縦に切って筒状にしたり、複数枚を重ねて縄で縛れば、簡易的なツリーガードとしてネズミの樹皮食害を防げます。 pref.akita.lg
  • 雪国では、専用のプラスチックプロテクターを買うコストを節約するため、肥料袋や資材袋を再利用する農家が少なくありません。 pref.yamanashi

3. 黄色い薄いビニール袋の正体

  • 農業現場でよく使われる黄色い薄いビニール袋は、肥料(特に粒状肥料や有機質肥料)の包装袋です。
  • これを:
    • 上下を切り開いて筒状にする
    • 幹に巻き付けて縄やテープで留める
    • 複数枚重ねて厚みを出す
      ことで、防寒・防獣の両用にしています。 ja-irumano.or

4月中旬でも外れていない理由(再確認)

  • 本来は3月下旬〜4月上旬(凍害の恐れがなくなり、雪解けが進む頃)に外すのが推奨ですが、 ja-irumano.or
  • 雪国では:
    • 雪解けが遅く、まだ夜間の冷え込みが残る
    • 春先の「遅霜・逆戻り寒波」で凍害リスクが残る
    • 農家が繁忙期で一つ一つ外す手が回っていない
  • といった事情で、4月中旬でも残っていることは珍しくありません。 ja-irumano.or

こも巻き・害虫駆除との関係は?

このケースでは、越冬害虫を誘い込んで駆除する目的はほぼありません

  • 素材が通気性の悪いビニール袋なので、害虫が好んで潜り込む環境にはなりにくい。
  • 設置位置が「根元〜1 m弱」で、ネズミの食害高さ帯と一致。 pref.akita.lg
  • 雪国向けの技術資料で「肥料袋を巻く」事例は、すべて凍害・雪害・ネズミ対策として記載されており、害虫駆除としては言及されていない。 pref.yamanashi

したがって、**「雪国特有の凍害+ネズミ食害を防ぐための、肥料袋再利用の簡易プロテクター」**と解釈するのが最も妥当です。 pref.yamanashi


Q3: 当地は雪国の豪雪地帯なので、山麓にあるリンゴ園では、積雪がゆうに1mを越えます。つまり、前述のビニールシートを巻いた部分は深い雪の下に埋もれているはずです。それでも野ネズミ対策が必要なのか? 晴れれば木の根元を中心に丸く雪解けが進みます(根開き)から、根元から必要以上に高くビニールシートを巻く必要がないのかも。

A3: はい、それでも必要です。 むしろ「積雪1 mを超える豪雪地帯」こそ、野ネズミ(ハタネズミ類)による食害が最も深刻になる環境です。 bioone

雪の下(subnivean zone)がネズミの「絶好の活動舞台」になる

1. 雪の下はネズミにとって安全なトンネル空間

  • 深い積雪があると、雪と地面の間に「雪下空間(subnivean zone)」 が形成されます。 bioone
  • ここは:
    • 外気より温度が安定(0℃前後で凍結しない)
    • 風や猛禽類・キツネなどの捕食者から隠れられる
    • 雪が屋根代わりになって移動トンネルになる
  • 結果として、ネズミは雪の下で活発に移動・採食・繁殖します。 bioone

2. 豪雪地帯のネズミは「冬も繁殖」し、リンゴを主食に

  • 青森など深積雪地域のリンゴ園で日本フィールドマウス(Alexandromys montebelli)の糞をDNA解析した研究では、冬期に個体数が増加し、リンゴ樹(台木・根・樹皮)を主要な餌源にしていることが確認されています。 bioone
  • 特に3〜4月(雪解け前後)は、草本類が減り、リンゴ樹のさまざまな部位が主食になります。 bioone
  • つまり「雪に埋もれているから安全」ではなく、**「雪に埋もれている部分こそ、ネズミが集中して食べる」**のです。 bioone

なぜ「地上1 m以上」まで被覆するのか?

秋田県や青森県の技術資料では、**「地上1 m位の高さまで(積雪の多い所ではさらに上まで)」**と明記されています。 hro.or

  • 理由:
    1. 最大積雪深まで届くようにするため。1 mを超える地域では「さらに上まで」が必要です。 hro.or
    2. 雪が締まって沈降したり、風で飛ばされたりすると、被覆の上端が雪面より下になり、ネズミが上から回り込むリスクがある。 hro.or
    3. 春先の雪解けで幹周りに隙間ができると、ネズミが侵入しやすくなるため、消雪後まで被覆を継続します。 agrin

肥料袋を巻くことの意義(豪雪地帯版)

  • 専用プロテクターが高価な大規模園では、**肥料袋を筒状に加工して「簡易ツリーガード」**として再利用します。
  • 雪に埋もれても:
    • 物理的に樹皮を覆っていれば、ネズミが直接噛みつけなくなる。 hro.or
    • 凍害対策(日射・放射冷却による温度較差の緩和)も同時に果たす。
  • 4月中旬でも外れていないのは、**「消雪が遅い+春先の遅霜・逆戻り寒波+繁忙期で手が回らない」**の複合要因です。 agrin

結論

「積雪1 m超=雪の下に埋もれているからネズミ対策不要」ではなく、**「雪の下こそネズミの絶好の活動圏なので、最大積雪深まで被覆が必要」**というのが、豪雪地帯のリンゴ園の共通認識です。 bioone

したがって、山麓のリンゴ園で肥料袋を根元〜1 m弱まで巻いているのは、野ネズミの雪下食害を防ぐための、コスト節約型の合理的な対策と言えます。 nounavi-aomori


Q4: 4月中旬のリンゴ園は積雪が完全に溶けていて、野生のニホンザルがリンゴの落果を拾い食いしていた。餌が極端に少ない厳冬期には、ニホンザルが木の樹皮を剥いで食べることが知られているが、冬の果樹園では猿害対策しないのか? 前述のツリーガードではニホンザルに対して防除効果がありません。

A4: ご指摘の通り、ニホンザルに対しては、幹に巻くツリーガード(ネズミ対策)はほぼ無効です。 一方で、豪雪地帯のリンゴ園では「冬も猿害対策をしない」のではなく、**「冬期は雪と電気柵で事実上封じられている」または「冬期は猿害が相対的に少ないので優先度が低い」**という事情があります。 pref.gifu.lg

1. ニホンザルは木を登るため、幹巻きでは防げない

  • サル対策のマニュアルでは、**「サルは木を登ることができるため、シカやイノシシ用の防護柵(幹巻きや単なる金網)では防ぎきれない」**と明記されています。 pref.gifu.lg
  • 有効なのは:
    • 電気柵(ネット型・複合柵):高さ2 m程度、上部に通電線、地面に隙間を作らない。 pref.gifu.lg
    • 5面張り柵(天井付き):上から被さって侵入を防ぐ。 pref.gifu.lg
    • 有刺鉄板・忍び返し:木や支柱を伝って登らせない。 farmage.co

2. 豪雪地帯では「冬期の猿害」が相対的に少ない理由

(1)雪が物理的なバリアになる

  • 積雪1 m超の環境では:
    • サルが園地に侵入するには、深い雪の中を移動する必要がある。 ringodaigaku
    • 樹冠下部は雪に埋もれ、樹皮にアクセスしにくい
    • サル自身の移動コストが高く、雪の少ない地域や南向き斜面に集中する傾向がある。 pref.aomori.lg

(2)冬期の餌選択:樹皮より「残果・貯蔵果」が狙われやすい

  • 厳冬期でも、園内に落果や取り残しの果実があれば、サルはそれを優先して食べます。 pref.yamanashi
  • 樹皮剥ぎは、**「果実が全くない+雪が少なく移動しやすい」**条件で起こりやすく、豪雪地帯では頻度が低くなります。 maff.go

(3)電気柵は冬も通電したままの場合が多い

  • 多くの園では、電気柵を年間通じて設置・通電しています。 pref.iwate
  • 冬期も:
    • 柵線の草刈り・漏電チェックは減るが、通電は継続pref.kochi.lg
    • 雪で柵下部が埋まっても、上部の通電線は機能し、サルが越えようとした時点でショックを与える。 pref.fukushima.lg

3. なぜ「冬も猿害対策しない」ように見えるのか

(1)優先順位の問題

  • 豪雪地帯の冬期作業は:
    • 雪下ろし・枝の掘り上げ・雪害対策が最優先。 ringodaigaku
    • ネズミ対策(殺そ剤・幹巻き)は必須だが、猿害対策は「電気柵が既に設置済み」なので追加作業が少ないpref.iwate

(2)冬期の猿害は「園外」で起こりやすい

  • サルは雪の少ない山裾・南向き斜面・集落付近に移動し、ミカン・柿・貯蔵果実を狙います。 ja-nakanoshi.iijan.or
  • 山麓のリンゴ園は、冬期には人間活動が減り、サルも雪深い園地より住みやすい地域へ移動するため、被害報告が相対的に少なくなります。 pref.aomori.lg

(3)春先の「落果拾い食い」は、冬期の樹皮食害とは別問題

  • 4月中旬の落果拾い食いは、冬期の飢餓状態ではなく、春の移動・採餌行動の一環です。
  • この時期は:
    • 雪が溶けて園地がアクセス可能になる。
    • サルが餌を探して移動する。
    • 落果が残っていれば、それを優先して食べる。
  • 樹皮剥ぎは、**「冬期の極端な餌不足+雪が少ない」**条件で起こるため、豪雪地帯では頻度が低いです。 maff.go

4. 実際の対策:冬も猿害を想定する場合

雪国でも、過去に冬期の樹皮食害があった園では、以下のような追加対策をします。

  • 電気柵の冬期管理
    • 通電を継続し、漏電チェックを月1回以上。 pref.kochi.lg
    • 雪で柵下部が埋まらないよう、柵周りの雪踏み・除雪を定期的に行う。 pref.yamanashi
  • 園内の清掃
    • 秋に落果・残果を完全に除去し、冬の餌源を断つ。 maff.go
  • 有刺鉄板・忍び返し
    • 園地周囲の木や支柱に有刺鉄板を巻き、サルが木を伝って侵入できないようにする。 farmage.co

結論

  • 幹に巻くツリーガードは、ネズミ対策には有効でも、サルには無効です。 pref.gifu.lg
  • 豪雪地帯では、**「雪そのものが物理的バリア」+「電気柵が年間通電」+「冬期の猿害が相対的に少ない」**ため、冬も追加の猿害対策をしない園が多いです。 pref.aomori.lg
  • ただし、「冬も猿害が発生する園」では、電気柵の冬期管理・園内清掃・有刺鉄板などの追加対策を実施しています。 tamenteki-yamaguchi

したがって、4月中旬にサルが落果を拾い食いしていたのは、**「冬期の樹皮食害対策とは別次元の問題」であり、園主が「冬も猿害対策をしていない」わけではなく、「電気柵などで既に対策済み+冬期は優先度が低い」**と解釈するのが妥当です。 tamenteki-yamaguchi


Q5: 冬の雪圧から庭木を物理的に守る伝統的な「雪囲い」は昔から知っていたが、ツリーガードの話は初めて知った。

A5: それは非常に興味深いご指摘です。「雪囲い」と「ツリーガード」は、目的も歴史も全く異なる別物の対策で、実は日本では「雪囲い」の方が圧倒的に古くから知られていますが、「ツリーガード(ネズミ対策)」は、海外の園芸文化から比較的新しく入ってきた概念です。 yardandgarden.extension.iastate

1. 「雪囲い」と「ツリーガード」の根本的な違い

特徴 雪囲い(ゆきがこい) ツリーガード(tree guard)
目的 雪の重みで枝が折れるのを防ぐ(物理的保護) ネズミ・ウサギ・シカによる樹皮食害を防ぐ(生物的防除)
対象 樹冠・枝全体 幹の根元〜地表付近
素材 竹・縄・木枠・ネット 金網・プラスチック・不織布・ビニール
設置時期 初冬(降雪前) 晩秋(根雪前)
除去時期 春(融雪後) 春(3月〜、ネズミ活動開始前)
歴史 日本では江戸時代以前から(大名庭園・寺社) 欧米では19世紀〜、日本では戦後〜近年普及
文化的位置づけ 日本庭園の「冬の風物詩」、景観的価値 実用的な園芸資材、景観的価値は低い

2. なぜ「雪囲い」は有名で、「ツリーガード」は知られていないのか?

(1)雪囲いは「目に見える」景観文化

  • 雪囲いは、樹木全体を縄や竹で囲むため、遠くからでも目立ち、「冬の日本庭園」の象徴として写真・観光・メディアで頻繁に取り上げられます。
  • 兼六園(金沢)の「雪吊り」は、日本三名園の冬の風物詩として全国的に有名です。

(2)ツリーガードは「地味で目立たない」実用対策

  • ツリーガードは、幹の根元だけを覆うため、遠くからは見えにくく、景観的価値がほとんどありませんyardandgarden.extension.iastate
  • 果樹園や家庭の庭で使われていても、「肥料袋が巻いてある」程度で、観光客や一般の人は気づきません。 canr.msu

(3)日本では「ネズミの樹皮食害」が長年軽視されてきた

  • 日本では、**「ネズミ=米や家屋を荒らすもの」という認識が強く、「庭木の幹を食べる」**という発想があまりありませんでした。 canr.msu
  • 一方、欧米(特に北米・北欧)では、「冬にハタネズミが果樹・庭木を枯死させる」という被害が古くから深刻で、「冬前にツリーガードを巻く」が園芸の常識として定着しました。 yardandgarden.extension.iastate

(4)日本の園芸教育・メディアでの扱い

  • 日本の園芸本・テレビ番組では、「雪囲い・雪吊り」は必ず紹介されるが、「ツリーガード」はほとんど言及されないのが実情です。
  • 近年、**「北海道で庭木がネズミに食べられた」というブログや、「果樹園で肥料袋を巻いている」**という事例が徐々に広まり、認知され始めています。 canr.msu

3. 日本での「ツリーガード」の普及状況

(1)果樹園では「常識」になりつつある

  • 青森・秋田・長野などのリンゴ産地では、**「冬前に幹に金網やビニールを巻く」**のが、ネズミ対策の標準技術として普及しています。
  • JAや県の技術資料でも、**「地際〜地上1 mまで金網で覆う」**と明記されています。

(2)家庭園芸では「まだ珍しい」

  • 楽天市場などで**「ツリーガード」「樹木保護カバー」が販売され始めていますが、「雪囲い」に比べると圧倒的に認知度が低い**です。
  • 家庭で使われるのは、**「アルミホイルを巻く」「段ボールで囲む」といった即席対策が多く、「専用のツリーガードを買う」**という発想はまだ一般的ではありません。 canr.msu

(3)雪国では「雪囲い+ツリーガード」の併用が増加

  • 北海道や東北の園芸愛好家の間では、**「雪囲いで枝を守り、ツリーガードで幹を守る」という「二重対策」**が徐々に広まっています。 canr.msu
  • 特に、**「高価な庭木・シンボルツリー」**を守るために、両方を併用するケースが増えています。 wildlife-damage-management.extension

4. なぜ今、「ツリーガード」の認知が必要なのか?

(1)気候変動で「雪の下」の環境が変化

  • 近年、**「雪は多いが、雪質が重い(湿雪)」という年が増え、「雪の下でネズミが活動しやすい」**環境になっています。
  • 従来の「雪囲いだけ」では、**「幹の根元が雪の下で食べられる」**という被害が増加しています。 canr.msu

(2)都市部でもネズミ被害が増加

  • 都市部の公園・街路樹でも、**「ハタネズミが冬に樹皮を剥ぐ」**という報告が増えています。 wildlife-damage-management.extension
  • **「雪がないから大丈夫」と思っても、「冬に乾燥した樹皮を好んで食べる」**という生態が明らかになっています。 yardandgarden.extension.iastate

(3)家庭園芸の「冬支度」の概念が変わりつつある

  • 従来の「雪囲い・防寒」だけでなく、**「生物的防除(ネズミ・昆虫)」**も冬支度の一部として認識され始めています。 yardandgarden.extension.iastate
  • **「春に外す」「通気性を確保する」**といった、ツリーガードの適切な使い方も、園芸メディアで徐々に紹介されています。 arborjet

5. まとめ:「雪囲い」と「ツリーガード」は補完関係

  • 雪囲い「雪の重みから枝を守る」(物理的保護)
  • ツリーガード「ネズミから幹を守る」(生物的防除)

この2つは、「冬の庭木を守る」ために、全く異なる角度から補完する対策です。 yardandgarden.extension.iastate

日本では、「雪囲い」は古くから文化として定着していますが、「ツリーガード」は、気候変動やネズミ被害の増加を背景に、これから普及していく可能性が高いです。 canr.msu

ご指摘の通り、「ツリーガードの話を初めて知った」という方は、日本ではまだ多数派だと思われます。しかし、「雪国で庭木を育てる」以上、今後ますます重要な知識になるでしょう。 canr.msu


Q6: 太い成木になったら、ツリーガードが不要になるのはなぜか?

A6: 太い成木になったらツリーガードが不要になる主な理由は、**「樹皮の厚さ・硬さ」「ギルドリング(一周食べ)のリスク低下」「ネズミの嗜好性」**の3点です。 tidcf.nrcan.gc

1. 樹皮が厚く硬くなり、物理的に食べにくくなる

幼木 vs 成木の樹皮の構造

  • 幼木(苗木〜若木)

    • 樹皮が薄く(1–2 mm)、柔らかい。 apps.dtic
    • ネズミの小さな歯でも簡単に噛み切れる。
    • 内側の師部(養分を運ぶ組織)や形成層まで容易に到達できる。 apps.dtic
  • 成木(太い幹)

    • 外樹皮(コルク層)が厚く(5–20 mm以上)、硬く発達する。 hro.or
    • ネズミの歯では外樹皮を貫通するのが困難hro.or
    • 仮に外樹皮をかじっても、生きている内樹皮(師部・形成層)に到達できないことが多い。 trees.umn

樹皮成分の変化

  • 成長に伴い、樹皮に含まれるタンニン・樹脂・精油成分が増加し、**ネズミにとって「まずい・消化しにくい」**味になる。 hro.or
  • 例えばカラマツ属では、**エーテル可溶性成分(ジテルペノイド類)**が多い樹種ほどネズミに食われにくい。 hro.or

2. ギルドリング(幹を一周食べ)のリスクが激減

ギルドリングとは

  • ネズミが幹の樹皮を環状に一周食べ尽くすと、根から葉への養分・水分の流れが遮断され、木が枯死する。 assets.publishing.service.gov
  • 幼木では、幹径が小さい(2–4 cm)ため、数時間で一周食べられてしまうassets.publishing.service.gov

成木では「一周食べ」が事実上不可能

  • 幹径が太くなると(5 cm以上〜):
    • 一周の長さが長くなり、ネズミが食べ尽くすのに膨大な時間と労力が必要。 aomori-itc.or
    • ネズミは**「部分的な樹皮剥ぎ」にとどまり、「致命的なギルドリング」には至りにくい**。 aomori-itc.or
  • 青森県のヒバ造林地の調査では:
    • 根元直径30–35 mm未満で被害が最大。
    • 45 mm以上になると、被害は「軽い部分的食害」のみ。 aomori-itc.or

3. ネズミの「嗜好性」と「採餌効率」

ネズミは「効率的な餌」を選ぶ

  • ハタネズミ類は、**「最小の労力で最大の栄養」**を得られる餌を優先します。 tidcf.nrcan.gc
  • 幼木:
    • 樹皮が薄く、短時間で内樹皮に到達できる。
    • 幹が細く、一周食べれば即座に枯死し、長期の餌場になる。 assets.publishing.service.gov
  • 成木:
    • 樹皮が厚く、食べるのに時間がかかる
    • 部分的に食べても木は枯れず、持続的な餌場にならないhro.or

成木では「他の餌」を優先

  • 冬期でも、成木の周囲に落葉・草本・種子・根があれば、ネズミはそれらを優先して食べ、「硬い樹皮」を避ける傾向があります。 tidcf.nrcan.gc
  • 餌が極端に不足した年(豪雪で春が遅い等)でも、「柔らかい幼木」が先に狙われ、成木は後回しになります。 aomori-itc.or

4. 統計的証拠:被害が「若齢林」に集中

造林地での調査結果

  • 北海道のカラマツ林では:
    • 高齢林(太い成木)の枯死率は、若齢林(幼木)に比べて著しく低いhro.or
    • 理由:「太い木ほど全周にわたってかじられる頻度が少ない」hro.or
  • 青森県のヒバ造林地:
    • 樹高1.9 m以上、根元直径45 mm以上では、被害は「少数の軽い食害」のみ。 aomori-itc.or

天然林での「自然選抜」

  • 天然林では、「幼い時期にネズミに食べられた弱い木」が淘汰され、「ネズミに強い木」だけが成木に成長します。 hro.or
  • 結果として、**「成木=ネズミ被害に強い個体」**というバイアスがかかります。 hro.or

5. 例外:成木でもツリーガードが必要な場合

ただし、以下のような状況では、成木でもツリーガード(または代替対策)が必要です。

(1)ネズミ密度が異常に高い年

  • 大発生年(3–4年周期)では、**「餌が不足して硬い樹皮も食べる」**ことがあります。 ameblo
  • 特に豪雪で春が遅い年は、ネズミの空腹期間が長引き、成木でも被害が増加します。 aomori-itc.or

(2)樹種によって樹皮が柔らかいまま

  • サクラ・カエデ・シラカバなど、成木でも樹皮が比較的薄い・柔らかい樹種は、被害リスクが残ります。 assets.publishing.service.gov
  • 一方、スギ・ヒノキ・マツなど、樹脂・精油が多い樹種は、成木になるとほぼ無被害。 hro.or

(3)部分的な食害が「病気・腐朽」を招く場合

  • 成木でも、**「樹皮を剥がれた部分から病原菌が侵入」し、「腐朽・枝枯れ」**を引き起こすことがあります。 apps.dtic
  • 高価な庭木・景観樹では、「外観の損傷」自体を防ぐために、成木でもプロテクターを巻くことがあります。

結論

太い成木でツリーガードが不要になるのは、主に以下の理由です。 tidcf.nrcan.gc

  1. 樹皮が厚く硬くなり、ネズミの歯では内樹皮に到達しにくいhro.or
  2. 幹が太く、ギルドリング(一周食べ)が事実上不可能になる。 aomori-itc.or
  3. ネズミが「効率的な餌(幼木・草本・種子)」を優先し、成木の硬い樹皮を避ける。 tidcf.nrcan.gc

ただし、**「ネズミ大発生年」「柔らかい樹皮の樹種」「高価な庭木」**では、成木でも対策を継続する価値があります。 aomori-itc.or




林内の丸木橋でオニグルミ堅果を食べるハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前11:10頃・くもり 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝を自動センサーカメラで見張っています。 
水路を跨ぐように根こそぎ倒れた倒木の根元に登ったハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が嘴の先に黒い木の実を咥えていました。 
オニグルミの堅果をどこからか拾ってきたようです。 
すでに半分に割れていたクルミの殻を両足で押さえつけながら、嘴で中身をほじくって食べようとしています。 
ハシブトガラスは和名の通り嘴が太いので、細かな作業をするのは大変そうです。

その様子を見ていた別個体のハシブトガラスが羨ましくなって飛来し、丸木橋に着地しました。 
餌乞いこそしませんでしたが、物欲しげに至近距離から覗き込んだり手出しをしても、相方に怒られませんでした。 
おそらく♀♂つがいのパートナーなのでしょう。

しばらくすると、2羽のハシブトガラスは丸木橋の上で位置を入れ替えたようです。 
右の個体が足元の倒木に硬いクルミを押さえつけ、嘴で中身をつついています。 
オニグルミ堅果を食べ終えたカラスは、空荷で少し飛んで左岸の土手に着陸しました。 
丸木橋に居残った個体は、相方が排水溝に落とした食べ残しのクルミを拾おうとしているようです。 



2026/09/10

キジ♂が求愛に来ても飛んで逃げる♀(野鳥)

 



2025年6月中旬・午後15:25頃・晴れ 

私が同一個体のキジ♀(Phasianus versicolor)をしつこく追いかけて採食シーンの撮影を続けると、♀は怖がって全力疾走で田んぼの畦道を走り去りました。 
その様子を隣の田んぼから見ていたのか、1羽のキジ♂が左から低空で飛来しました。 
まるで窮地のヒロインを救うために、ヒーローが颯爽と登場!といった印象を受けました。 
しかし、武器を持たないキジ♂が外敵(今回は私)を撃退できるとは思えません。 
敵の目を惹きつけてパートナー♀を逃がすために、まさか偽傷してみせるのでしょうか? 
もちろん、初めの擬人的な解釈は的外れだったことがすぐに判明します。
(映像はここから。) 


田園地帯の農道をキジ♂(Phasianus versicolor)が奥から手前に向かって雄々しく歩いて来ます。 
広い農道を横断する途中で立ち止まると、背伸びや身震いをしたり、その場で方向転換したりしました。 
母衣ほろ打ちしそうだったのに、結局ケンケーン♪と鳴いて縄張り宣言することはありませんでした。 
私が農道にじっと立ち止まって撮影しているせいで、キジ♂は怖がってそれ以上キジ♀に近づけないのかもしれません。
 (私とキジ♂との間に♀が位置しています。) 
観察を続けると、どうやらキジ♂は私のことなど眼中になくて、♀を見つけて慎重にアプローチしていただけ、という可能性もありそうです。 

ようやくキジ♂は警戒を解いたのか、意を決したように農道を手前に歩き始めました。(その先に♀が居ます。) 
キジ♂の歩行シーンを正面から撮れるのは珍しく、ラッキーでした。 
鳩胸を誇示するように威風堂々と歩いて来ます。 
光沢ある濃緑の羽根がとても美しく、惚れ惚れします。 

除草剤で雑草を枯らした畦道で、キジ♀が採食していました。 
♂の接近に気づいているはずなのに、逃げようとしません。 
素知らぬ顔で、キジ♀は右足で痒い顔を掻きました。
その間に♂は♀の正面に回り込み、尾羽根の模様を見せつけました。 
羽繕いしていた♀はちょっと驚いて飛び退くと、身震いしました。 
♂が逆方向から♀の正面に回り込み、再び尾羽根を誇示。 
♀はピョンと跳んで逃げ、採食を再開。 

♀の横で♂が同じく地面を啄んだ隙に、♀は羽ばたいて飛び去りました。 
続けて♂も飛び立ち、♀を追いかけます。 
キジ♀♂が相次いで飛び去る様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:01〜) 
せっかく低空で飛ぶキジ♂を流し撮り出来たのに、カメラのバッテリーをここで使い切ってしまいました。 
(映像はここまで。) 
それまでもカメラの画面でバッテリー切れの警告がカラータイマーのように点滅していたので、気が気ではありませんでした。
キジの求愛行動がいよいよ盛り上がってきたのに、続きを録画できずに残念無念…。 

キジ♀は水田の上を飛び越えて、私からだいぶ離れた畦道に着陸しました。 
追いかけて来た♂が♀と合流したところまでは見届けました。 
キジ♂の求愛が成就して交尾に至るまでの過程を私はまだ観察したことがありません。 
今回のキジ♀が飛んで逃げたのは、交尾拒否の行動(交尾相手を選り好み)だったのでしょうか。 
近くで見ている私を警戒して、交尾する気になれなかったのかもしれません。 
しかし専門家によると、キジ♂の求愛ディスプレイが交尾につながることは滅多にないのだそうです。 

2026/09/09

落葉層に埋もれたクリ落果を春に拾い食いするニホンザル

 

2025年4月中旬・午前10:50頃・くもり 

山麓の道端でニホンザルMacaca fuscata fuscata)の成獣♀がクリ(栗)の落果を次々に採食していました。 
胸に細長い乳首が見えたので、この個体は経産婦♀と分かります。 
もうすっかり春ですが、道端の日陰にはまだ少し残雪があります。 

ニホンザル♀は、落ち葉を手でめくったりかき分けたりして、クリの落果を探しています。 
近くに栗の大木が立っているのです。 
秋にクリの木から落ちた堅果が野ネズミにも食べられず、冬の間は雪の下に埋もれていたようです。 
秋に野ネズミがクリ堅果を1個ずつ落ち葉の下に埋めて隠した(貯食)のかもしれません。 
春になって積雪が溶けたので、地中のクリの実から発芽する前に、ニホンザルが食べに来たのでしょう。 

猿の両手や指は土で真っ黒に汚れています。 
地中に埋もれたクリ落果が何かに挟まってなかなか素手で掘り出せないときには、歯で直接噛み付いて地中から力任せに引っ張り出していました。 
掘り出したクリ堅果が土でひどく汚れている場合は、両手で挟んで擦り合わせ、汚れを落としてから口に入れました。(@4:55〜) 
次に歯を使ってクリ堅果の硬い果皮と渋い種皮を噛みちぎって吐き捨てました。
皮を剥いてから、デンプン質に富んだ中身の種子を美味そうに食べました。 
クリにとってニホンザルは種子捕食者になります。 
種子散布者の野ネズミと違って、ニホンザルは貯食行動をしないで一方的にクリ堅果を食べるだけです。 

しばらくすると、別個体の子猿が登場し、成獣♀の近くで同じくクリ拾いを始めました。 
この2頭は親子なのでしょうか。 
横の車道を車が通り過ぎても、ニホンザルの母子は気にせず採食を続けています。

同じ道端にはフキノトウ(フキの花)が咲いていました。 
ヒトにとっては春の山菜ですが、クリの実に夢中のニホンザルは見向きもせず、餌としてフキノトウを食べることはありませんでした。 

長年かけてようやく野生ニホンザルの群れにあまり警戒されずに近づけるようになりました。
安易な餌付けの手法を使わなくても、観察者の存在に少しずつ馴れてくれるのです(ヒト付け)。
おかげで雪国のニホンザルが春にクリの落果を採食する様子を間近でじっくり観察できました。 


関連記事(4ヶ月、2年前の撮影)▶  

2026/09/07

水田の畦道を歩きながら採食するキジ♀(野鳥)

 



2025年6月中旬・午後15:20頃・晴れ 

1羽のキジ♀(Phasianus versicolor)が水田の畦道を歩きながら、あちこちで草や地面(虫や種子)を啄んでいます。 
除草剤散布で茶色に枯れた草は避けて、青々とした(再生した?)雑草をキジ♀は選んで食べています。 
途中で細い用水路を飛び越え、農道を歩くこともありました。 
採食中のキジ♀は水田には入りませんし、イネの葉を食害することもありませんでした。 


※ 動画素材の順番を入れ替えました。 


2026/09/03

ドングリの落果を拾い果皮を剥いてから食べるニホンザル

 

2025年4月中旬・午前10:35頃・くもり 

春になって雪が溶けた後の山麓で遭遇した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを観察していると、ドングリの採食シーンが撮れました。 

シーン1:(@0:00〜) 
用水路沿いで、ニホンザル成獣が何か小さな餌を拾い食いしていました。 
左手に持っているのは、ドングリ(ブナ科の堅果)でした。 
右手で痒い体をボリボリ掻いてます。 
次に猿は、ドングリを両手の平に挟んで擦り合わせ、外側の土汚れを落としました。 
歯で噛んで果皮を器用に剥くと、中身の種子を美味そうに食べました。 

シーン2:(@0:35〜) 
次は若い個体が同じく用水路沿いで餌を探し歩いていました。 
クリのイガを手で転がし、落ち葉をめくったりしています。 
境界標に乗ったのは、棘だらけのイガグリを踏んで痛い思いをしないための無意識の知恵かもしれません。 

何か木の実を拾って食べています。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:11〜)、採食法がよく分かるようになりました。 
せっかくドングリの果皮を剥いたのに、猿は種子を少し味見をしただけで、すぐに捨ててしまいました。 
このドングリはタンニンが多く含まれて渋かったのか、それとも虫食い状態だったのでしょう。 
2例ともドングリの形が細長いので、おそらくミズナラの堅果だと思います。 

後で現場検証してドングリの樹種を調べるつもりでいたら、遊動するニホンザルの群れを追跡するのに夢中で忘れてしまいました。
そのうち、山麓の道端にあったパッチ状の雑木林が、いつの間にか伐採されてしまいました。


【考察】
ChatGPT

【アフィリエイト】 

タヌキの巣穴がある休耕地で落ち葉をめくって餌を探すハシボソガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前9:00頃・くもり・気温18℃ 

休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
春になって雪が完全に溶け、枯野だった地面に草が青々と育ち始めました。 

ハシボソガラスCorvus corone)が単独で原っぱに降り立っていました。 
トコトコ歩いてから、お辞儀をしながらガーガー♪と嗄れ声で鳴きました。 
やがて、嘴で落ち葉をめくって餌を探し始めました。 
落ち葉の下に隠れている虫や越冬している虫を捕食するのでしょう。 

今回のカラスはタヌキの巣穴に興味を示さず、素通りしました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

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