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2025/12/15

山中の湿地帯で水を飲み採食するニホンイノシシの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月下旬・午後19:00頃・気温17℃

山中の湿地帯で水溜りSを自動センサーカメラで見張っていると、秋のある晩、ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の母子がやって来ました。 

まず左から来た成獣が、水溜りSの水面に口を付けて泥水を飲み始めました。 
その後は湿地性の草むらで下草の根際を鼻面で探りながら採食しています。 
画面の右上奥にあるもう一つの水溜りNに向かったようですが、トレイルカメラが照射する赤外線が届かない距離で暗いです。 

しばらくすると、左から後続の個体が登場しました。 
暗くてよく見えませんが、どうやら幼獣(ウリ坊?) のようです。 
イノシシ幼獣は手前の泥水溜りSには立ち寄らず、採食しながら母親♀を追って右奥へ向かいました。 


※ イノシシが水を飲む音や泥濘を歩く音などが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/12/14

岩塩を舐めるヤギ♀

 

2024年9月下旬・午前10:35頃・雨

乳用のヤギ(山羊)Capra hircus)を飼っている厩舎を見学させてもらったついでに、岩塩を舐めるかどうか実験してみました。 

まずは左の囲いに居る個体Lで試します。 
ピンク色のヒマラヤ岩塩の塊を手のひらに乗せて差し出しても、♀Lは匂いを嗅ぐだけで、味見をしようともしませんでした。 
次に右の囲いに居る個体Rで試します。 
すると早速、岩塩を舐めてくれました。 
塩味が気に入ってくれて、熱心にペロペロと舐め続けます。 
掌に感じるヤギの舌の感触は、柔らかくて温かかみを感じました。
しまいには岩塩を口でカプッと咥えて私から取り上げてしまいました。 
(ヤギRが敷き藁に落とした岩塩を急いで取り返しました。) 

念のために、左の個体Lにしつこくもう一度岩塩を差し出してみたら、柵から離れて奥へ逃げてしまいました。 
仲間が舐めた唾液の匂いがあれば安心するかと思いきや、警戒を解いてくれません。 
この個体Lは、完全に食わず嫌いです。
次に右の個体Rに岩塩を与えると、すぐにまた舐めてくれました。 
よほど気に入ってくれたようです。 

 

【考察】 
岩塩を与えてみた2頭は乳用ヤギのザーネン品種です。
顎髭は生えているのに、頭部に角が生えていないことから、若い個体のようです。
同腹の姉妹だと思うのですが、ヤギにも好奇心や警戒心に個体差があることがよく分かります。 

いつか機会があれば、ウシやウマなど他の草食動物の家畜でも塩を舐める様子を観察してみるつもりです。
Perplexity AIによる解説を抜粋しておきます。 

馬や牛を飼育する際、餌以外に塩を与えることは一般的です。hts-saltworld.sakura

馬への塩補給

馬は汗で大量の塩分(ナトリウム)を失うため、特に運動時や夏季に塩が必要で、飼料に0.5-1.0%を加えたり、自由に舐められる塩塊を与えます。塩不足は食欲低下、成長不良、毛並みの悪化を引き起こします。jra-f+2

牛への塩補給

牛も草中心の飼料では塩分が不足しやすく、肉牛や乳牛で0.2-0.25%を飼料に混ぜたり、固形塩を設置して舐めさせます。不足時は土や他の牛を舐める兆候が見られ、生産性低下や死亡リスクが高まります。youtubesummit-agri+1

塩補給は体液バランス維持や消化促進に不可欠で、ミネラル強化塩を使うのが推奨されます。hts-saltworld.sakura

最近、ニホンカモシカの通り道(山林の溜め糞場sr2)に岩塩(ヒマラヤ岩塩のプレート)を置いて野生動物のための塩場を作り、自動撮影カメラで見張っています。 
大町山岳博物館『カモシカ:氷河期を生きた動物』という本を読んでいたら、カモシカ類と塩場のことが書いてあったので、私もやってみようと思い立ったのです。
・カモシカの生息地のソートリック(salt lick; 塩舐め場)に似せて、飼育場内の岩の割れ目に岩塩をなすりこんでおいた。(p140より引用)
シロイワヤギの食性:(前略)好んで谷間の塩なめ場(塩と粘土の混ざった所)を訪れ、鉱物塩を食べる。 (p187より引用)
ターキンの食性:(前略)定期的に塩なめ場を訪れる。 (p197より引用)

ところが実際にやってみると、予想に反してニホンカモシカCapricornis crispus)は岩塩を積極的に舐めてくれませんでした。
今のところ、野生動物で岩塩を気に入ってくれたのはニホンリスSciurus lis)だけ、という意外な結果です。

ちなみに、ニホンカモシカもヤギも同じウシ科の動物です。

2025/12/12

角に植物をぶら下げたホンシュウジカ♂が水場で飲み食い@山形県【トレイルカメラ】

 

2024年9月下旬・午後17:15頃・気温18℃・日の入り時刻は午後17:34 

山中の少し開けた湿地帯にある水溜りSに自動撮影カメラを仕掛けて水場に来る野生動物を見張っています。 

薄暗い夕方にホンシュウジカ♂(Cervus nippon centralis)がやって来ました。 
頭を下げて泥水を飲んでいます。 
立派な角に緑の蔓植物(種名不詳)が絡みついていました。 
その角で浅い水溜まりの底を引っ掻いて、ゴミを取り除こうとしているようですが、全ては取り切れず、泥で汚れただけです。 

次にホンシュウジカ♂は、池畔に生えた幼木(樹種不明:落葉性広葉樹)の葉をむしゃむしゃと食べました。 
画面の左手前にそびえ立つホオノキの幹に鼻を寄せると、監視カメラの前を右に横切りました。 

※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
これほど鮮明にニホンジカが撮れたのは初めてで、嬉しい収穫です。 
旧機種のトレイルカメラは昼間でもフルカラーで撮れなかったのですが、今回は新機種を使ってしっかり総天然色で録画できて感無量です。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


当地は山形県で日本海側の多雪地帯です。 
ニホンカモシカと違い、雪の下に埋もれた餌を食べられないホンシュウジカは、越冬することができません。 
雪がない時期でも個体数がとても少なく、トレイルカメラでもごくまれに(散発的に)写るだけです。 
しかし近年の急激な温暖化で、分布の空白地帯である山形県に再び進出しつつあります。 

ホンシュウジカの採食シーンが撮れたのは初めてです。
ニホンカモシカは主に木の葉を食べ、ホンシュウジカは主に草を食べることでニッチを棲み分けている、というのが定説です。
ところが、いきなり例外的にシカが木の葉を食べるシーンが撮れてしまいました。

ホンシュウジカ♂が角で水溜りの底を引っ掻いた行動が気になり、Perplexity AIに相談してみました。 
回答の日本語がこなれていなくて、読みにくいですね。

Q1: 立派な角に蔓植物をぶら下げていた。これは意図的に角を装飾して♀にアピールする意図があったりするのだろうか? 

A1:

ホンシュウジカのオスが9月下旬にトレイルカメラで撮影された立派な角に蔓植物がぶら下がっていた場合、これは意図的な♀へのアピールというより、主に繁殖期(rut)の行動「thrashing(角を木や草に激しくこすりつける)」の結果として植物が絡まる偶然の現象です。inphotos+1

関連行動の概要

Thrashingは夏の終わりから秋にかけて、オスの角からベルベット(産毛)を剥がし、眼窩腺などの匂い腺で分泌物を植物に塗布して縄張りを主張する行動で、角に草木が引っかかりやすいです。 この時期のホンシュウジカオスは角を木や低木に擦りつけ、力強さを示しつつメスを引きつけたりオス同士で優位性を競いますが、植物の装飾自体が♀アピールの主目的ではありません。 アークティックワンバトゥル(ヘラジカ)など一部の鹿科ではrut中に意図的に植物を角に飾る例が見られますが、ホンシュウジカ特有の科学的報告は確認されていません。japannatureguides+5

9月下旬の文脈

9月下旬はホンシュウジカの繁殖期直前またはピークで、角が完全に硬化し、こうした行動が活発化します。 蔓植物がぶら下がったままの姿は視覚的に目立つものの、♀への直接的な求愛シグナルではなく、縄張り主張や競争の副産物と考えられます。 トレイルカメラ観察ではこうした画像がよく記録され、野生の行動パターンを示す好例です。lfs-resources.eu-west-2.amazonaws+2



Q2: その♂個体は、水溜りで少し水を飲んでから、角で浅い水溜りの底を引っ掻いた。角に付着した蔓植物を落とそうとしたのかと思ったが、落ちずに泥水で汚れただけでした。これもthrashing行動なのか? 

A2: 

ホンシュウジカのオスが水溜りで水を飲み、角で底を引っ掻いた行動は、thrashingの典型例ではなく、主に「wallowing(泥浴び)」の変形または角の清掃・マーキングの可能性が高いです。misatosys+1

行動の解釈

Thrashingは主に木の幹や低木に角を激しくこすりつけてベルベットを剥がし、眼窩腺の匂いを残す繁殖期の縄張り主張行動で、水溜り底の浅い引っ掻きとは異なります。 水溜りでの行動は、泥浴び(体や角を泥で覆う)で体臭を抑え寄生虫を除去したり、角の泥付けで保護・マーキングするもので、蔓植物を落とす意図があったとしても副次的な結果です。 繁殖期のオスはこうした多様な摩擦行動で視覚・臭気シグナルを強化しますが、植物が落ちず泥で汚れたのは偶然です。fws+2

観察文脈

9月下旬のトレイルカメラ映像では、角硬化後のこうした行動が頻発し、泥水付着は角の状態を示す自然な副産物です。 ホンシュウジカのフィールド観察で類似例が報告されており、求愛より生理的・縄張り維持の側面が強いと考えられます。yumemizoo+2

ホンシュウジカのオスが水溜りで角を引っ掻き、幼木の葉を少し食べて立ち去った行動は、繁殖期のイライラ(テストステロン上昇による興奮状態)を反映した断続的なマーキング試みで、本格的な泥浴びに至らなかったのは環境要因や一時的な欲求不満の可能性が高いです。instagram+1

行動パターンの解釈

繁殖期のオスはrutのプレ期に頻繁に水溜りや木をチェックし、泥浴び・thrashingを試みますが、泥の質や周囲の安全で中断し、葉食でストレスを紛らわせる例が観察されます。 イライラ印象はオス同士競争前の警戒・縄張り確認行動で、角の蔓植物が残ったままの状態はマーキング優先の証です。 トレイルカメラではこうした「未完行動」が多く、全体の行動サイクルを示します。naradeer+4

フィールド観察の示唆

9月下旬のこのような断片的行動は、ホンシュウジカの求愛準備段階で、近くにメスやライバルがいると本格化しやすいです。 幼木葉食は栄養補給か時間つぶしで、イノシシのような全身泥浴びより選択的です。 継続観察でヌタ場形成や完全泥浴びを捉えられるでしょう。ihatovnote.exblog+3

Q3: ホンシュウジカの泥浴び行動について詳しく教えて。イノシシのヌタ打ちのように全身を泥水に浸すのではなく、角を泥に浸すだけなのか? 今回は結局、本格的な泥浴びはしませんでした。

A3: 

ホンシュウジカの泥浴び(ヌタうち)は、主に繁殖期のオスが水溜まりや泥地に座り込み、尿を混ぜた泥を首・体・角にこすりつける行動で、イノシシの全身泥浴びのように体を完全に浸すわけではなく、部分的な摩擦が中心です。ihatovnote.exblog+1

行動の詳細

オスは水溜まりに放尿して泥を練り、座って首周りや腹部、時には角に塗布し、フェロモン強化でメス吸引やオス威嚇に用います。 角を泥に浸す・こすりつけるのはthrashingの延長でベルベット除去やマーキングを兼ね、蔓植物除去の副次的効果が生じる場合もありますが、全身浸漬は稀で前足による「泥かき」(シカ穴形成)が伴います。 ヌタ場は繰り返し使用され、毛や匂いが残る痕跡として観察可能です。facebook+4

イノシシとの違い

イノシシのヌタ打ちは寄生虫除去・体温調整目的で全身を泥に転がすのに対し、ホンシュウジカのそれは繁殖期特化の臭気シグナル行動で、首・角中心の局所的です。 9月下旬のトレイルカメラ観察のように、角限定の引っ掻きは泥浴びの初期段階やマーキング変形で、求愛強化の文脈が強いです。instagram+3



つづく→ 


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2025/12/11

ブタナの落花をうっかり踏んづけてしまって驚くドバト(野鳥)

 


2024年7月下旬・午後14:05頃・晴れ 

河川敷の橋の下で、♀♂つがいと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が、互いに少し離れて別々に餌を探し歩いていました。 
ヒトが草刈りした後の干し草に興味を示したものの、種子食性の鳩が好きな草の実は含まれていなかったようで、離れて行きました。
コンクリートで固められた路上を歩きながら、あちこちに落ちている草の実を啄んでいます。 

やがて、路上に落ちていたブタナの頭花(落花)を左足でうっかり踏んずけてしまい、その感触に驚いて飛び退きました。(@1:00〜) 
足元をよく見て歩いていなかったようです。 
自業自得と言うほどでもありませんが、なんとも滑稽で微笑ましい光景でした。
警戒を解くと、探餌を再開します。 

パートナーと思われる右の個体は、胸の羽毛を嘴で整え始めました。
尾脂腺の脂を羽根に塗りつけて、撥水性を保っています。 


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2025/12/07

塩場に通って舐めるニホンリスは餌箱のオニグルミには興味なし【トレイルカメラ】

 



2024年9月中旬〜下旬

シーン0:9/17・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山で雑木とスギの針広混交林にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
基本的に画面の左下から右上に向かって斜面が登っている地形ですが、この溜め糞場sr2付近だけは平坦になっています。 

野生動物に塩場を提供するために、ミズナラの幹にプレート状のヒマラヤ岩塩(155×100×25mm、870g)をベルトで固定してあります。 
その上に、新たに餌箱を設置してオニグルミの堅果を25個入れてみました。 
果皮を完全に取り切れていない果実も含みます。 
迷彩テープを給餌箱の外側に貼り付けて、林内で目立たないよう偽装しました。 
キッチンの流しで生ごみを捨てるプラスチックの三角コーナーを100円ショップで買ってきて、餌箱として再利用しました。 
容器の底がメッシュ状になっているのがポイントで、雨水が貯まらないようになっています。 

常連のニホンリスSciurus lis)が塩場に通ってくる様子を以下にまとめます。 

シーン1:9/18・午前5:27(@0:02〜)日の出時刻は午前5:20。 
日の出直後の薄暗い早朝から、ミズナラ幹の下部の陰にリスが来ていました。 
幹の左からひょっこり顔を覗かせて、塩水で濡れた樹皮を舐めているようです。 
やがて林床に飛び降りると、左に走り去りました。 

せっかく餌箱にオニグルミ堅果を用意したのに、近寄りませんでした。 
新規物に対する警戒心が強いのか、それとも気づかなかったのでしょうか。


シーン2:9/18・午後15:11(@0:51〜) 
約10時間後にもリスがやって来ました。 
いつの間にか、給餌箱に貼った迷彩テープが剥がれかけ、だらんと垂れ下がっています。 
山林内は蒸し暑く湿度が高いので、テープの粘着性がすぐに落ちてしまうようです。 
ミズナラの木の左下で林床のスギ落ち葉の匂いを嗅いで(舐めて?)から、手前に走り去りました。 


シーン3:9/20・午後16:19(@1:12〜) 
2日後、リスらしき小動物が右奥の獣道を右に素早く駆け去りました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:21〜)、ノウサギではなくやはりニホンリスのようです。 


シーン4:9/21・午前11:51(@1:43〜) 
翌日は昼前にリスが登場。 
ミズナラ幹の下部の左側面にしがみついたリスが塩味のする樹皮を舐めていました。 
ミズナラ幹の裏面で下向きになると、隣のスギの幹に飛び移りました。 
林床に飛び降り、左に走り去りました。 
どうやら給餌箱を警戒しているようです。 


シーン5:9/21・午後17:14(@2:12〜) 
約5時間25分後にもリスが来ました。 
カモシカ溜め糞場sr2のスギ落ち葉をなぜか掘り返しています。 
初見の行動ですが、何か餌を貯食したのでしょうか? 
給餌箱のオニグルミ堅果は減ってなかったので、クルミを貯食した可能性はなさそうです。 
(しかも、現場付近にオニグルミの木は自生していません。) 
残る可能性としては、カモシカの糞粒に来ていた糞虫を捕食したのかもしれません。 

次にリスはミズナラの幹を登ると、裏側に回り込んでから給餌箱を上からちらっと覗き込みました。 
中のクルミの状態が気に入らなかったのか、すぐにミズナラの木を下りて左に走り去りました。 
後で調べると、オニグルミの果皮が腐ってカビが生えていたので、黴臭い匂いを嫌ったのかもしれません。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:32〜) 


シーン6:9/23・午後14:26(@2:51〜) 
次にリスが塩場に来たのは2日後です。 
ミズナラ幹の下部の左側面にリスがしがみつき、塩っぱい樹皮を舐めまくる様子がしっかり撮れていました。 
舐めながら少しずつ木登りしたリスは、岩塩を固定したベルトの直下で方向転換し、今度は下向きに幹にしがみつきました。 
ミズナラの幹から飛び降りて、珍しく林床を右に走り去りました。 


シーン7:9/25・午後14:56(@3:45〜) 
また2日後にリスが再登場。 
いつものように、ミズナラ幹の下部の左側面にリスが来ていました。 
ミズナラ幹の陰に隠れつつ、給餌箱から剥がれかけた迷彩テープに興味津々です。 
リスが引っ張ったりむしって迷彩テープを剥がしたのではなく、湿気で自然に剥がれたようです。 

一旦、林床に飛び降りてから再び幹を登り、岩塩プレートの横に来ました。 
しかし岩塩を直接かじることはありませんでした。 


シーン8:9/25・午後14:58(@4:47〜) 
いつの間にかリスがミズナラの木の左下に降りていました。 
落ち葉の匂いを嗅いでから林床を左に走り去りました。 


シーン9:9/26・午後15:24(@4:54〜) 
翌日もリスが塩場に来ていました。 
珍しくミズナラ幹の手前側にしがみつき、塩水が滴り落ちた樹皮を舐めているようです。 
ようやく監視カメラに対する警戒心が薄れたのかもしれません。


シーン10:9/27・午前8:30(@5:56〜) 
翌朝もリスが来ていました。 
ミズナラ幹の下部の左側面にしがみついています。 
身を翻して林床に飛び降ると、左に走り去りました。 


シーン11:9/28・午後15:13・晴れ(@6:13〜) 
翌日も、ミズナラ幹に固定した岩塩プレートの直下で下向きにリスがしがみついていました。 
その体勢でしばらく樹皮を舐めてから、上向きに方向転換。 
奥にあるスギの幹に移動してから、背後に回り込んで姿を消しました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
ニホンリスが岩塩を直接かじらずに、塩水で濡れた樹皮を舐めるだけなのは相変わらずです。

せっかく好物のオニグルミ堅果を給餌したのに、興味を示さなかったのは意外でした。
リスは見慣れない物に対する警戒心が強いようです。
リスが木の実を貯食する行動を撮影したくて、何年もあれこれ試行錯誤しているのですが、なかなか上手く行きません。
この地点では夜行性の野ネズミに餌を横取りされることはないのですが、リスが餌を気に入ってくれませんでした。
現場付近にオニグルミの木が自生していないので、堅果だけ置いてあるのは明らかに不自然な(怪しい)状況だとリスは気づいているのかな?
後で調べると、給餌箱の中でオニグルミの果皮が腐ってカビが生えていたので、黴臭い匂いを嫌ったのかもしれません。 


つづく→


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・ドングリとリス (花のたね・木の実のちえ 4) 

2025/12/06

ヒヨドリが食べかけた青リンゴ落果に群がって吸汁するクロヤマアリ♀

 

2024年9月上旬・午前11:15頃・晴れ 

山麓にあるリンゴ園の横の道端に青リンゴが1個転がっていました。 
坂道を転がってきた青リンゴが、側溝のコンクリート蓋に引っかかっていたのです。 
その落果は食べかけで、露出した果肉にクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が群がって吸汁していました。 
さすがにアリが大勢で力を合わせても、青リンゴを丸ごと巣に運ぶのは重過ぎて無理でしょう。 
死骸なら細かく解体して巣に持ち帰りますが、水分の多いリンゴ果実でそれをやるとは思えません。 

元々はおそらく、果樹園の青リンゴをヒヨドリHypsipetes amaurotis)が嘴でつついて果肉を食害したと思われます。 
芯の部分は食べ残され、果肉だけが食べられていました。 
露出したリンゴの果肉が茶色に変色しかけていますが、ヒヨドリがつついてからまだ時間はあまり経ってないようです。 


関連記事(1、7、8年前の撮影)▶ 


【考察】 
甘い青リンゴとして出荷される「王林」などの品種が知られていますが、9月上旬という時期はたとえ収穫の早い早生種であってもまだ未熟な状態です。 
つまり、この青リンゴは未熟な状態で(我々の味覚では)甘くありませんし、タンニンによる渋みもあるはずです。 
熟したリンゴに特有の爽やかな香りもしませんでした。 
それでも未熟果には微量の糖やアミノ酸などが含まれているので、獣やアリは平気で食べるのだそうです。 

素人目には青リンゴに歯型が残っているように見えたので、てっきりニホンザルの仕業だろうと初めは思いました。 
しかし、リンゴ果実の中身が深くえぐられていることに気づきました。
歯や顎の構造が猿と似ている我々ヒトでも、そんな食べ方は不可能です。
おそらく、鳥がつついたのだろうと思い直しました。 

ChatGPTにリンゴ食痕の写真を見せて検討してもらいました。
以下にその回答を引用します。


写真を拝見しました。これは 鳥による食痕(ほぼ確実にヒヨドリ類、あるいはムクドリ/ツグミ類) と判断できます。
ニホンザルの可能性は非常に低い形状です。

以下、写真から読み取れるポイントを整理します。


◆ 判定:鳥(ヒヨドリなど)でほぼ確定

理由は以下の特徴が一致するためです。


1. 食痕が“深くえぐられている”

サルは面を削るようにガリガリ食べるため、
・平らな削り面
・幅のある齧り跡
が残ることが多いです。

しかし、写真の果実は

  • 縦方向に深く掘り込まれた不規則なくぼみ

  • 中心が空洞化している(鳥の定番パターン)

完全に鳥の典型的パターンです。


2. 穴の縁がギザギザで、“つつき跡”の集合になっている

写真をよく見ると、
外縁が“歯型”ではなく、複数の小さな尖った跡が連続しています。

これは
細いクチバシで小孔を連続してあけ、そこから掘り進めた結果
で、鳥以外にはまず見られません。


3. 入口が比較的小さい(サルならもっと大きく破る)

ニホンザルがリンゴを齧ると、

  • 開口部はもっと広い

  • 一度に広く削るため、ここまで“局所的に深い穴”にならない

写真のような
小さめの開口 → 奥がえぐれて拡大
という形は鳥の習性と一致します。


4. サルなら芯や種の付近も噛むが、これは果肉中心部のみを掘っている

鳥は「柔らかく湿った果肉」を好んで食べ、
芯や種はあまり触りません。

写真では

  • 皮のすぐ裏よりも内部の果肉だけ深く掘られている

まさに鳥の食べ方です。


5. 時期的にもヒヨドリがリンゴを突き始める季節

9月上旬は果樹園周辺に

  • ヒヨドリ

  • ムクドリ

  • シロハラ・ツグミ類の初期個体(年により)

がリンゴ落果をよく突きます。
未熟で酸味が強くても、果汁さえあれば普通に食べます


◆ 結論

最初にこのリンゴを食べたのは、鳥(ほぼヒヨドリ)と断定できます。

ニホンザルの痕跡ではありません。



カラス(ハシボソガラス・ハシブトガラス)の可能性も検討する必要がありますが、
**この食痕はカラスでは“ない可能性が高い”**と言えます。
理由は、写真の食べ方の形状がカラスの典型的な食痕と一致しないためです。

以下に、写真を根拠とした「カラスではない理由」を整理します。


◆ カラスでないと判断できる主な根拠

1. カラスは皮を大きく破り、開口部を広くする傾向が強い

カラスがリンゴを食べるときは、

  • まず皮を大きく裂く

  • 開口部がかなり広い(直径5~6cm以上になることも)

  • 一度につつく力が強い

  • 外側から大胆に削り取る

写真のような
**開口部が比較的小さく、しかも“深く掘り下がる”**形はカラスには珍しい。

ヒヨドリ・ムクドリは
「小さな穴 → 内部へ深く掘り込む」
という食べ方をするため、この形状と一致します。


2. カラスの食痕は“丸く大きくえぐれた浅い穴”になりやすい

カラスは、硬い果実でも

  • “ガバッ”と皮ごと食い破る

  • 大きな浅い凹みをつける

そのため、開口部の形は
楕円で広く、浅く広がった削り跡になるのが一般的です。

一方、写真の食痕は

  • 奥行きが深い

  • 外側より内側が広がる

  • 穴の縁が細かくギザギザ

これはカラスより小型鳥類(ヒヨドリ・ムクドリ)の典型的な痕跡です。


3. カラスは“芯”までバキッと食べることが多い

カラスは雑食で咥内操作も得意なので、

  • 果実の芯

  • 隔壁部分

も大胆に破壊します。

しかし写真では、

  • 芯付近があまり崩されていない

  • 果肉の柔らかい部分だけを掘っている

これはヒヨドリに非常によく見られる食べ方です。


4. 穴の縁の“細かいギザギザ”はカラスの嘴跡ではない

カラスの嘴は太く、跡は以下のようになります:

  • 直線的で太い刻み

  • くちばし先端の「二股形」跡は残るが精細ではない

  • 不規則なギザギザがこんなに細かく連続することはない

しかし写真の縁は、

  • 小さな尖り跡の集合
    → 小~中型鳥(ヒヨドリ・ムクドリ)の嘴形状と一致。


5. 掘り進められた内部の果肉の“柱状の残り方”が小鳥型

内部の果肉に残っている“柱状の突起”は、

  • 小さい嘴で少しずつ削ったときの典型的残り方

  • カラスのような大きな嘴ではもっと滑らかに破壊される

つまり、内部構造が小鳥の削り方に一致しています。


◆ 結論

写真の痕跡から判断すると、

**カラスが最初に食べた可能性は低く、

ヒヨドリ・ムクドリ・ツグミ類など中型の果実食鳥が最有力**
と推理できます。 


話が本題から外れますが、「リンゴは被食型の種子散布か?」とChatGPTに確認したところ、「リンゴの祖先種であっても動物散布型とは言い切れない」という意外な回答が返ってきました。

最新のChatGPTで深い推論をすると、そういう(我々の素朴な直感に反した)結論になるのかもしれません。

AI特有のもっともらしい嘘(ハルシネーション)かどうか私には判断できないのですが、別のAI(GeminiとPerplexity)では被食型の種子散布という回答でした。

何が言いたいかと言うと、AIの回答を鵜呑みにしてはいけません。

もちろん、複数のAIの多数決で決めるというのも、それだけでは信用できません。

 

2025/12/02

初秋の山林で餌を探し歩くニホンイノシシ【トレイルカメラ】

 



2024年9月上旬・午後16:05頃 

山林にあるカモシカの溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
昼間遅くにニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が奥から単独で登場しました。 
牙が小さいので♀または若い個体のようです。 

カモシカの溜め糞場sr2がある混交林の林床を嗅ぎ回り、左下に立ち去りました。 
と思いきや、一度戻ってきてから再び左下に姿を消しました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/11/29

ニホンリスは岩塩を直接かじらなくなり、塩水で濡れた樹皮を舐めるだけになった【トレイルカメラ】

 



2024年9月上旬〜中旬

シーン0:9/4・午後14:10・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山で雑木とスギの針広混交林にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 

ミズナラの幹にプレート状のヒマラヤ岩塩(155×100×25mm、870g)をベルトで固定して、野生動物の塩場を作ってみました。 
撮影しやすいように、岩塩プレートが監視カメラに正対するように、固定し直しました。 

ニホンリスSciurus lis)が通ってくる様子を以下にまとめます。 


シーン1:9/5・午前10:24・晴れ(@0:04〜) 
リスが午前中からミズナラ幹の下部にしがみついて、岩塩プレート直下に来ていました。 
滴り落ちる塩水で濡れた樹皮を舐めているのかもしれません。 
岩塩プレートを直接かじることはありませんでした。 
岩塩の向きが変わったので、不審がっているのかな? 

リスがときどき顔の向きを変えると、目に日光がキラッと反射して見えます。
 (首の横の白い毛がちらっと見えているだけかもしれません。) 
やがて左下手前の林床に跳び降りると、走り去りました。 


シーン2:9/7・午後13:51(@0:55〜) 
2日後の午後にニホンリスが登場。
ミズナラの根元付近(右下)で幹にしがみついていました。 
塩水が滴り落ちる場所ではないので、樹皮を舐めているのではなく、匂いを嗅いでいるだけのようです。 


シーン3:9/7・午後13:51(@1:56〜) 
このシーンは1.5倍に拡大した映像をご覧ください。 
ミズナラ幹の下部にしがみついたリスは、よほど気に入ったのか、延々と同じ場所を舐め続けています。 
何か小さな虫でも捕食しているのでしょうか? 

リスがしゃっくりのような奇妙な鳴き声を発しました。(@2:15〜) 

しばらくすると、ようやく幹を少しずつ慎重に登り始めました。 
垂れ下がったベルト先端部の匂いを嗅いでから、幹の裏側へ隠れてしまいました。 
幹の左側に回り込んで、物色しています。 


シーン4:9/9・午前6:19(@2:57〜)日の出時刻は午前5:13。 
2日後の早朝にリスが塩場に来ていました。 
ミズナラ幹の左下部にしがみついていたのに、岩塩プレートまでは登らずに身を翻して飛び降り、林床を手前に走り去りました。 


シーン5:9/9・午前15:53(@3:10〜) 
約9時間半後に、またリスが現れました。 
ミズナラ幹の下部にしがみついて岩塩プレートを見上げています。 
警戒しているのか、なぜか決して岩塩プレートまでは登ろうとしませんでした。 
塩水で濡れた樹皮を舐めているようです。


シーン5:9/9・午前15:55(@4:12〜) 
いつの間にかリスは奥にあるスギに移動していて、幹の下部にしがみ付いていました。 
スギの裏側に回り込んでから、右上の樹上に素早く消えました。 


シーン6:9/14・午後16:28(@4:27〜) 
次にリスが塩場に来たのは、5日後の午後遅くでした。 
画面の左下隅から現れたニホンリスが、林床のカモシカ溜め糞場sr2をピョンピョン跳ねるように横切りました。 
スギ幹の下部に登ってしがみつくと、少し休んでから、左に走り去りました。 
今回は岩塩プレートには立ち寄りませんでした。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@4:38〜) 


シーン7:9/15・午前10:28(@5:02〜) 
翌日の午前中に、またリスが塩場に来ました。 
ミズナラ幹の下部の裏側に止まっているリスの尻尾だけが見えます。 
少し木登りすると、樹皮を丹念に調べている(舐めている?)ようです。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
あれほど岩塩が気に入って頻繁に舐めたり齧ったりしていたニホンリスが、この時期はなぜか岩塩プレートを直接かじらなくなりました。 
塩水で濡れた樹皮を控えめに舐めるだけになりました。
調子に乗って塩分を摂り過ぎると喉が渇くなどして体に良くないことに自分で気づいて、摂取量を節制するようになったのでしょうか。
塩場に立ち寄らず、カモシカの溜め糞場sr2を素通りすることもありました。

岩塩プレートの向きが急に変わったので、不審に思ったリスは露骨に警戒しているのかもしれません。
どうも、リスは岩塩と監視カメラとの位置関係をしっかり把握しているような気がしてなりません。
岩塩を舐める際に無防備な背中を監視カメラに向けたくないのでしょうか。
トレイルカメラが起動するときに発するカチッというかすかな音に怯えて(警戒して)、岩塩プレートに近づけないのかな?


2025/11/27

枯れ草の長い茎を持ち上げて餌を探すドバト(野鳥)

 



2024年7月下旬・午後14:00頃・晴れ 

橋の下で餌を探し歩いているカワラバト(=ドバト;Columba livia)のペアの片方が、ちょっと不思議な行動をしました。 
道端で倒伏した草丈の高い枯れ草を嘴で挟んでぐいっと引っ張り、摘み上げて、長い茎ごと動かしたのです。  
採食中のドバトがこんな行動をするのは今まで見たことがありません。 

ドバトは基本的に種子捕食者です。 
その枯れた草本植物に実や種子が残っているようには見えませんが、探索行動のひとつでしょうか? 
それとも、ちょっとした遊びの行動なのかな? 
巣材集め行動の名残り、という可能性はどうでしょう。 
離れた位置からとは言え私がパパラッチのようにしつこく撮影し続けているので、そのストレスから来る転移行動かもしれません。 

今思うと、謎の枯れ草の種名を撮影後に調べるべきでしたね。 
とにかく暑くて、わざわざ引き返して調べるのが億劫でした。 
クズなど蔓植物の可能性もありそうです。 


【追記】
謎の枯れ草はツルヨシの匍匐茎と似ている気がしますが、どうでしょうか。
匍匐茎はドバトの食料にはなりません。

もしもツルヨシの匍匐茎の断片だとすると、枯れていなければ、そこから再生する可能性があります。
ChatGPTに解説してもらいました。

結論から言うと:

はい。ツルヨシの地下匍匐茎(rhizome)の断片は、条件さえ合えば根を張って再生し、独立した新個体として生育できます。

ただし、成立にはいくつかの条件があります。


1. ヨシ属(Phragmites)の一般的な性質

ヨシ類は「匍匐茎断片からの再生(clonal regeneration from rhizome fragments)」が非常に強い植物として知られています。
とくに北米で問題となっている外来ヨシ(Phragmites australis)では、ほんの数 cm の匍匐茎片でも生き残れば再生することが報告されています。

ツルヨシ(Phragmites japonicus)も同じヨシ属であり、この性質を共有しています。


2. ツルヨシでも断片再生は可能

ツルヨシの地下匍匐茎は節(node)ごとに芽と根の形成能力をもつため、

・断片に生きた節(node)が含まれている
・乾燥せず、過湿〜湿潤な環境に置かれる

この2条件を満たせば、断片からシュート(新茎)と根が再生し、独立したクローン株として定着することが可能です。


3. 再生が起こりやすい環境

  • 湿った土壌(乾燥に弱い)

  • 日照が確保できる場所

  • 匍匐茎が損傷していても、節が無事なら非常に高い確率で再生

  • 流送された匍匐茎片が河岸や砂地に埋没し、そこで発根・発芽することも起こりうる


4. 例外:枯れた断片は再生しない

  • 完全に乾燥しきった断片

  • 節が壊れてしまった断片

これらは再生不能です。


【まとめ】

ツルヨシは、切断された匍匐茎の断片でも、節が生きていて乾燥しない環境なら、再び根を張って新個体として再生できる。
これはヨシ属に共通する強い栄養繁殖能力の一部である。



2025/11/26

岩塩が気になるツキノワグマ【トレイルカメラ】

 



2024年9月上旬

シーン0:8/23・午後12:45・晴れ(@0:00〜) 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
ミズナラの幹にヒマラヤ岩塩(155×100×25mm、870g)のプレートをベルトで固定して、野生動物の塩場を作ってみました。 

この時期に登場したツキノワグマUrsus thibetanus)の動画をまとめました。 

シーン1:9/1・午前5:03(@0:03〜)日の出時刻は午前5:06。 
日の出直前の薄明に真っ黒なクマが手前から来たようです。 
岩塩プレートを木の幹に固定したベルトの匂いを嗅いでいました。 
次に岩塩プレートの側面の匂いを嗅ぎましたが、舐めてはいなさそうです。 
味見してくれないことには塩だと認識してくれないのですが、警戒心の強いクマはなかなか慣れてくれません。 

ツキノワグマは直下の落ち葉の匂いを嗅いでから、右折して斜面の獣道を登り始めました。 
すぐに左折して、画面の奥に立ち去りました。 


シーン2:9/3・午後16:25(@0:42〜) 
2日後の夕方に茂みの奥を左から右へ黒い動物が歩いて横切りました。 
カモシカはこんなに黒くないはずですから、おそらくツキノワグマでしょう。 
 1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:49〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 





↑【おまけの動画】
Taking aim at Japan's bear problemーNHK WORLD-JAPAN NEWS

人里近くに出没するクマに対して、ドローンで上空から監視・通報しようという試みについて報じています。

2025/11/20

岩塩が気に入り何度も通って舐めるニホンリス【トレイルカメラ】夏の塩分摂取

 



2024年8月下旬〜9月上旬 

シーン0:8/23・午後12:45・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の針広混交林にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 

新たな試みとして、ミズナラの幹にプレート状のヒマラヤ岩塩(155×100×25mm、870g)をベルトで固定して、野生動物の塩場を作ってみました。 
ニホンリスSciurus lis)が通ってくる様子を以下にまとめました。 


シーン1:8/24・午後17:59(@0:03〜)日の入り時刻は午後18:23。 
夕方に1匹のリスがミズナラ幹の左側面で、岩塩プレートのすぐ下を登りかけていました。 
しかし、まだ不審な岩塩を警戒しているのか、奥にあるスギの細い幹に飛び移りました。 
スギの幹を登り、枝葉で動き回っています。 
やがて林床に飛び降りると、獣道を右へピョンピョン走り去りました。 


シーン2:8/27・午前7:38(@0:31〜) 
3日後の朝に、リスがまた現れました。 
ミズナラ幹の陰に隠れていたリスが右側に回り込み、岩塩を固定した黒いベルトに興味があるようです。 


シーン2:8/27・午前8:20(@0:43〜) 
約40分後にリスが再登場。 
ミズナラ幹の右側面にしがみついたリスが手前に回り込んで、ベルトの匂いを嗅いでいます。 
木を少し登り下りすると、頭を下にした逆さまの状態で遂に岩塩プレートをかじり始めました。 
口で咀嚼する動きが見られたので、岩塩の表面を舐めるだけでなく歯で齧ったようです。 
リスが岩塩を摂取するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:43〜)。 


シーン3:8/27・午前8:22(@2:29〜) 
次にリスはミズナラの幹から地面に飛び降り、走り去りました。 
と思いきや、ミズナラの根元に再登場。 
落ち葉の下に顔を突っ込んでいるようですが、虫を捕食しているのか、それとも塩水が滴り落ちた落ち葉を舐めているのかな? 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:29〜)。


シーン4:8/28・午前7:38(@4:23〜) 
翌朝にもリスが塩場にやって来ました。 
ミズナラ幹の裏側に登って岩塩プレートを舐めているようです。 
初めは死角でよく見えなかったのですが、方向転換してくれて、リスと判明。 
頭を下向きで幹に止まり、岩塩プレートを直接舐めたり齧ったりしているようです。

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@4:34〜)。


シーン5:8/29・午前9:31(@4:45〜) 
翌日の朝にもリスが姿を現しました。 
スギ幹の下部を登り降りしています。 
林床に一旦降りてからミズナラの木に登ったものの、幹の裏側でリスの姿が見えません。 
監視カメラを警戒しているのでしょうか? 


シーン6:8/29・午前9:33(@5:07〜)
次にリスはミズナラ幹の右側から手前に回り込み、ようやく姿をしっかり現してくれました。 
岩塩プレートを固定するベルトに興味を示しています。 
ただベルトの匂いを嗅いでいるだけなのか、それとも塩分が染み込んだベルトを舐めているのかな? 

幹に下向きになり、地面に飛び降りて手前に走り去りました。 


シーン7:8/29・午後17:28(@6:02〜)日の入り時刻は午後18:16。 
約8時間後の夕方にリスがまた塩場に来ました。 
地面からミズナラ幹を少し登り、岩塩プレートの直下の塩味が効いた樹皮を舐めています。 
途中から幹の手前側に回り込んでくれたおかげで、カメラからよく見えるようになりました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@7:01〜)。


シーン7:8/29・午後17:30(@8:01〜) 
次にニホンリスは再びミズナラ幹の裏側に回り込んでしまいました。 
幹に下向きになって、岩塩プレートを直接舐めているようです。 
少し幹を下りてから頭を上向きに戻し、岩塩プレート直下の樹皮を舐めています。 

このときリスがチョッ、チョッ、チョッ♪と小声で3回、間隔を開けて鳴きました。(@8:39〜) 
鳴き声と同時にリスが口を開閉したので(リップリンクロ)、リスの鳴き声で間違いありません。 
前後の行動を見てもリスに危険が迫った状況ではなく、警戒声ではなさそうです。 
リラックスして樹皮を舐める合間に鳴きました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@9:00〜)。
※ 鳴き声が聞き取れるように、ここだけ動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


シーン8:8/30・午後16:59(@9:43〜) 
翌日も夕方にリスが塩場に来ていました。 
ミズナラの幹で少し木登りして、岩塩プレート直下の樹皮を舐めていました。 
すぐに地面へ飛び降りると、奥のスギ幹の下部に登ってから奥に走り去りました。 
スギの樹皮も舐めて味を比べているのかな? 


シーン9:9/3・午前10:17(@10:03〜) 
4日後の午前中。 
スギの幹に地面から登りかけたリスが左に飛び降り、林床をチョロチョロと駆け抜けました。 


シーン10:9/3・午後15:38(@10:13〜) 
約5時間20分後にリスがミズナラ幹の根元に来ていました。 
立ち上がってミズナラ幹を少しだけ登り、岩塩プレートから樹皮を滴り落ちる塩水を舐めているようです。 
リスの腹面は白いことがよく分かります。 
最近は岩塩プレートを直接舐めることはしなくなりました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ(@11:14〜)。 


シーン11:9/3・午後15:39(@12:15〜) 
次にリスは、スギの根元で落ち葉を舐めていました。 
岩塩プレートから滴り落ちる塩水が落ち葉に染み込んでいるのでしょう。 

やがてリスは奥のスギ幹に取り付いてから、獣道を右へ駆け抜けました。 


シーン12:9/4・午前6:54(@12:33〜)日の出時刻は午前5:09。 
翌朝も、リスはミズナラの根元の落ち葉を舐めに来ていました。 
地面からミズナラの幹に跳びつくと、少しだけ登って樹皮を舐めました。 

やがて奥に飛び降り、スギ幹の下部を経由して、奥に素早く走り去りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@13:16〜)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】 
私としては、ウシ科のニホンカモシカが塩場に通うようになると予想(期待)して、カモシカの溜め糞場に岩塩を設置したのです。
ここに出没する野生動物の中で、まさかニホンリスが岩塩を一番気に入ってくれるとは全く予想外でした。

見慣れない不審物に対してリスは当初かなり警戒していましたが、ついに勇気を出して不審な岩塩プレートを味見してみたら、塩だと気づいてくれたようです。 
体が欲する塩分が気に入って、歯で齧り始めました。 
逆さまの体勢を長時間続けても平気なリスの身体能力の高さに驚きます。 

その後リスは塩分を摂取しに、頻繁に通って来るようになりました。 
ニホンリスの観察歴が浅い私には個体識別ができませんが、この山林では生息密度が低いので、おそらく同一個体のリスが塩場に通ってきているのでしょう。
(同一個体と仮定して)同じ日に何度も塩場に来ることもありました。
当地の自然界にはない岩塩はリスにとって強烈な嗜好品となり、ほとんど中毒状態(依存症)になったかもしれません。 

塩分を摂り過ぎると体がパンパンにむくむだけでなく、リスが高血圧にならないか心配です。 
塩を舐めた後は喉が渇くはずですが、リスはどこで水を飲むのでしょうか? 
私は未だニホンリスが水を飲むシーンをトレイルカメラで撮れたことがありません。
というか、リスが通う水場が一体どこにあるか、突き止める必要があります。
もしも真夏の渇水(雨不足)で水場が干上がり、水が飲めなくなると、塩を舐めたリスにとって死活問題になります。
岩塩の横に水場(鳥用の自動給水器)を設置したら、リスは飲んでくれるかな? 

後半になると、リスは岩塩プレートから直接舐めたり齧ったりすることは減り、真下の落ち葉や幹の樹皮を舐めるようになりました。
岩塩が雨で溶けて滴り落ち、濡れているのでしょう。
間接的に塩分を舐めることで、過剰摂取を避けることを学習したようです。


岩塩を舐めに通うリスについて、Copilot AIに質問してみたら、以下の回答が得られました。
はい、リスは塩を舐めることがあります。特に、自然界ではミネラルを補給するために塩を求めることがあります。リスが塩を舐める行動は、体内のナトリウムやその他のミネラルバランスを保つためです²。

野生のニホンリスが塩を舐めるという具体的な記録は見つかりませんでしたが、リスは一般的にミネラルを補給するために塩を求めることがあります²。ニホンリスも同様に、必要なミネラルを摂取するために塩を舐める可能性があります。 

後日(9月上旬)に現場入りした際に、岩塩プレートの状態を写真に撮りました。
リスが岩塩を直接齧った跡が残っています。
しかし素人目には、リスの門歯で削った歯型とは分かりませんでした。







岩塩を野外に放置すると、雨が降る度に少しずつ岩塩が溶け落ちるだけでなく、晴れた日も空気中の水分を吸収して岩塩の表面が濡れてきます。
特に湿度(湿気)の高い環境では顕著です。
これは潮解ちょうかいと呼ばれる現象です。
岩塩プレートにベルト(化繊のストラップ)を2本巻いて木の幹に固定しているのですが、ベルトとの接触面からも重点的に岩塩が溶けていきます。
最終的にはベルトによって岩塩プレートが自然に切断されてしまいそうです。
岩塩の下端はずり落ちてこないように、木ネジで支えています。
岩塩の設置法には改良が必要ですね。




【アフィリエイト】 


 

↑【おまけの動画】 
"We Hung a SALT LICK on a Post in the Woods. We couldn't believe what showed up! Trail Camera" by The Outdoor Theater 

私とは岩塩の設置法が違い、今後の参考になりました。
紐を通せる穴が開いたタイプの岩塩は値段が高いのが難点です。)
トレイルカメラの定点映像で、塩場に登場した色んな野生動物を長期間一気に見せてくれる編集スタイルです。
リスも何度か岩塩を舐めに(かじりに?)来ていたのが私と共通していて興味深く思いました。

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