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2024/10/26

越冬用巣穴に籠城して巣口をガードするニホンアナグマと巣外をうろつく別個体の小競り合い【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午前2:57〜3:17 

ニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用巣穴Lから深夜に1頭の個体aが顔を外に出したり引っ込めたりして周囲を警戒しています。 
激しい唸り声がしたので何事かと思ったら、左から別個体bがやって来ました。 
巣口Lのアクセストレンチで2頭が対峙しても、激しい喧嘩は勃発しませんでした。 
その後もアナグマbは緩慢な動きで巣口Lの周囲をうろついています。 

アナグマbが巣内に入れて欲しいのに、アナグマaが門衛のように巣口Lをがっちりガードして拒んでいるようにも見えてきます。 
アナグマbは越冬できる巣穴を探し歩いている余所者の個体なのでしょうか? 
巣外をうろつく個体bはα♀(右目<左目)のような気もするのですけど、はっきりしません。 
α♀(右目<左目)なら、力関係で一番上のはずだったのに、まさか縄張り争いに負けて越冬用巣穴から締め出されたのかな?

アナグマbが一旦セットから離れると、アナグマaが巣口Lから外に出て見送り、辺りを警戒しています。 
侵入者bを激しく追いかけてセット(越冬用営巣地)から真剣に追い払ったようには見えません。 
しばらくすると、アナグマbがまたこっそり戻ってきました。 
門衛aと巣口Lで並んでも喧嘩にはなりませんでした。 

アナグマbが立ち去る前に獣道で座り込んだのは、スクワットマーキング(匂い付け)の意味もあったのかもしれません。 
獣道を右上奥に立ち去ったのかと思いきや、獣道の途中で未練がましく佇んで侵入のチャンスを伺っているようです。 
その気配を感じているようで、門衛aは警戒を緩めずに、巣口Lをしっかりガードしています。 

戻ってきた侵入者bが再びセットを右から左に横切り、巣口Rに近づくと、またもや激しい唸り声が聞こえました。(@4:36〜) 
唸り声と言うかフガフガ♪というような鳴き声で、繁殖期の求愛声(ジェジェジェビーム♪)と似ている気もします。 
それを聞いたアナグマaは怖がって(警戒して?)巣口Lの奥に引っ込みました。 
おそらく、隣の巣穴Rの主が威嚇して侵入者bを追い払ったのでしょう。

侵入者bがセットから離れると、門衛aは巣口Lの外に出てきて周囲を警戒しますが、決して遠くまでは行きません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
素人目には、巣穴に入りたい個体と、入れたくない個体の静かな攻防戦に見えました。 
これがもし早春なら♂が♀の巣穴に求愛(夜這い)に来て拒まれたのだろうと解釈するのですが、撮影時期が初冬なので、いくらなんでも早すぎます。
越冬用の巣穴を巡ってアナグマ同士で争奪戦があるのでしょうか? 
もしかすると越冬用巣穴には定員があって、家族全員を収容できないのかもしれません。 
それならアナグマは穴掘りが得意ですから、越冬に備えて秋の間に巣穴を広く深く掘り広げる時間はいくらでもあったはずです。 
もしかすると、この越冬用巣穴は男子禁制なのかもしれません。

秋まで頻繁に見られた幼獣同士の格闘遊びの延長、あるいは誤認によるニアミス威嚇♪だった可能性もあって、よく分かりません。 
アナグマの個体識別をしっかりしないことには、解釈が難しいのです。 

これは何か重要な事件を記録した動画のような気がするのですが、別アングルで設置したトレイルカメラが不調で(電池切れ?)何も写っていないのは残念でした。 
2台の監視カメラで動画を撮れていれば、互いに補完し合って事件の全貌が掴めたはずです。 



2024/10/22

帆翔するトビと追い回すカラスとの激しい空中戦(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後16:30頃・くもり・日の入り時刻は午後17:16 

広大な田園地帯でトビMilvus migrans)が刈田から飛び立ちました。 
夕方は上昇気流が弱いようで、帆翔が安定せず、高度がなかなか上がりません。 
その様子を動画に撮り始めたら、カラス(種名不詳)の群れが嗄れ声を上げながら飛来しました。 
集団ねぐらに向かって飛んで行く途中のようです。 
カラスの群れはトビの下を通り過ぎたのですが、1羽のカラスがトビに対して単独でモビング(擬攻撃)を始めました。 
繁殖期ではないので、カラスの全個体がモビングに参加する訳ではなく、この辺りを縄張りとする個体だけが天敵の猛禽を追い払うようです。 

裏山の方へ飛んで逃げるトビをカラスが執拗に追い回しています。 
トビは右に左に旋回したり高度を上下に少し変えたりすることで、背後から迫るカラスの攻撃を上手くかわしています。 
カラスが一方的に攻撃するだけで、小回りの効かないトビは反撃しません。
そもそもトビは生きた獲物を狩る猛禽ではないのです。
逃げるトビの鳴き声は聞き取れませんでした。 
カラスはようやく諦めて飛び去りました。 
遠かったので、カラスの種類がハシボソガラスCorvus corone)かハシブトガラスCorvus macrorhynchos)か見分けが付きませんでした。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2024/10/11

越冬用営巣地に侵入したホンドタヌキに突進して追い払うニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月上旬・午後20:55頃


シーン1:12/4・午後20:53・気温-1℃(@0:00〜) 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)にある晩、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で現れました。 
画面の右に行きかけたタヌキが左を振り返ってじっと見ています。 

やがて、巣穴の主である丸々と太ったアナグマが左から登場しました。 
異種の2頭が少し離れて対峙しています。 
暗闇で互いに相手の姿をどのぐらい見えているのでしょう? 
視覚ではなく嗅覚で相手の存在を認識しているのかもしれません。 

巣穴の主であるアナグマの方がやはり強気で、侵入者タヌキに向かって突進しました。 
しかしアナグマは本気で喧嘩(格闘)するつもりはなくて、威嚇してタヌキを追い払うだけのつもりだったようです。(ブラフのブル・チャージ) 
アナグマの剣幕に驚いたタヌキは慌てて右へ逃走しましたが、アナグマはそのまま巣穴Rに入りました。 
タヌキに突撃しようとしたら、目の前に巣口Rが現れて減速したのかもしれません。 
アナグマは巣口Rの右で座って地面に尻を擦り付け、縄張りを主張する匂い付けを行ったようです(スクワットマーキング)。 
次に、タヌキが居た地点で残り香を嗅ぎ回っています。 
侵入者を深追いすることはありませんでした。 


シーン2:12/4・午後20:53(@1:00〜) 
アナグマがタヌキに向かって突進する様子は、別アングルでも同時に撮れていました。 
おそらくタヌキがセットに侵入した気配を感じて巣穴Lから外に出てきたのでしょう。 
あるいは、外出からセットにちょうど戻ってきたアナグマがタヌキと鉢合わせしたのかもしれません。)

アナグマの個体識別ができていませんが、ここで出産育児した♀(右目<左目)でないことは確かです。 
アナグマはタヌキに向かって黙って突進し、威嚇の鳴き声を発していませんでした。 (奇襲攻撃?)



シーン3:12/4・午後20:58・気温0℃(@1:26〜) 
4分後に何者かが画面の左端を左へ立ち去りました。 
さっき逃げたタヌキがこっそり戻って来たのかもしれません。 


【考察】
生活圏が重なるニホンアナグマとホンドタヌキは、この二次林や餌場、溜め糞場などで頻繁にニアミスして互いに顔馴染みのはずです。 
縄張り内をそれぞれ匂い付け(マーキング)しているので、その匂いでも互いに認識しているはずです。 
実際にニアミスしたシーンをしっかり撮れたのは初めてかもしれません。 


2024/10/08

越冬用巣穴で小競り合いの後にスクワットマーキングするニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月上旬 

シーン0:12/4・午後12:59・くもり(@0:00〜) 
シーン0:12/4・午後13:45・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)を新旧2台旧機種のトレイルカメラで見張っています。 
画面の奥に見える常緑の低い茂みはヒメアオキの群落です。 


シーン1:12/7・午前2:03(@0:07〜) 
深夜に左からゆっくり登場したアナグマ♂aが巣口Lの手前でぼんやり佇んでいます。 
素人目には顔つきが♂に見える(鼻面が短い)のですけど、どうでしょうか? 
ようやく左に引き返したところで、奥のヒメアオキ群落の奥に侵入者(別個体♂b)の白く光る目が右に動いています。 
手前のミズキ灌木の陰でアナグマがガルルル…♪と鼻を鳴らすような唸り声を発しました。
(鳴き声の主が♂aとは限りません。) 

画面奥の常緑ヒメアオキの茂みの奥から右に回り込んで獣道を駆けてきたのは、アナグマ♂bでした。 
セットに接近してきた侵入者♂aを巣穴の主♀が追い払ったのだと思います。 
アナグマの♂が♀の巣穴に夜這い(求愛)をするには時期が早すぎます。 
初冬のこの時期は、越冬用の巣穴を奪い合う争いがあるのでしょうか? 
残念ながら、同じシーンを別アングルの監視カメラでは撮れていませんでした。 


シーン2:12/7・午前2:04(@0:59〜) 
セットに駆けつけたアナグマ♂bがそのまま左へ行く途中で、巣口LRの中間地点の地面にスクワットマーキングしました。 
匂い付けで縄張りを主張したことになります。 


シーン3:12/7・午前2:07(@1:13〜)
ところが、約2分半後に2頭のアナグマが前後して獣道を右上奥へノソノソ立ち去る姿が写っていました。 
この2頭は敵対関係ではないということは、当歳仔(とうさいご)の兄弟なのかな?と素人が勝手に想像しています。 
通りすがりにオニグルミ立木の横に2頭が続けてスクワットマーキングして行きました。 


シーン4:12/7・午前2:10(@1:28〜) 
約3分後にまた左からアナグマが登場しました。 
おそらく巣口Rから外に出てきて周囲の様子を窺っているのでしょう。 
この個体は顔つきが♀のように見えます。 
巣口Lで立ち止まり、立ったまま後足で痒い腹を掻きました。 
そのまま巣穴Lに入るのではないか?と予想したのですが、カメラの電池が消耗していててそこまで見届けられませんでした。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


最近も外出から戻った2頭のアナグマが巣口R付近で小競り合いしてから入巣Rする謎の行動が記録されていました。

夜の森で各々がうろついていて、たまたまセット付近でニアミス(鉢合わせ)したときに、視力が悪いアナグマはびっくりして喧嘩腰に誰何してしまうのかもしれません。(誤認闘争?) 


2024/10/02

越冬用巣穴に入る前に取っ組み合いをする2頭のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/23・午後12:14・気温26℃(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の状況です。 
平地で落葉した二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)をトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:11/27・午前0:44・気温0℃(@0:04〜) 
深夜に2頭のアナグマが前後してセットに現れました。 
巣口Rの匂いを嗅いでいた先行個体が振り返ると、後続個体がにじり寄ってから飛びかかりました。 
越冬巣穴を巡る縄張り争いが勃発したのでしょうか? 
小声で唸りながら格闘しています。 
ところが、すぐに取っ組み合いを止めて2頭が相次いで巣穴Rに潜り込んだので、幼獣同士による遊びの兄弟喧嘩ではないかと思います。 
(夏から秋にかけて、アナグマ幼獣同士の格闘遊びを散々見てきました。)
それまで一緒に採食に出かけていた兄弟(姉妹?)がセットに戻ってきて、誰が先に入巣Rするか、という幼稚ないざこざがあったのかもしれません。



越冬に備えて脂肪を蓄えているために体型が変わってしまって分かりにくいのですが、素人目には2頭ともずんぐりむっくりとした♂のように見えます。(自信なし) 
顔馴染みがある母親♀(右目<左目)でないことは確かです。 


シーン2:11/27・午前1:36(@0:46〜) 
(シーン1との関連や繋がりはなくて、おまけのような付け足しです。) 
約1時間後に出巣R直後と思われるアナグマが左へ立ち去り、しばらくすると、別個体(♀?)が巣口Rに顔を出して外の様子を警戒しています。 

計何頭のアナグマがこの営巣地で越冬するのか知りたいのですが、やはり個体識別がしっかりできないことには話になりません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→(今回のシーン1と2の間に起きた出来事)

2024/09/01

オオマルハナバチ♀の脚上げ威嚇反応

 



2023年11月上旬・午後15:00頃・くもり 

訪花吸蜜していたオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)がセイタカアワダチソウの花穂からなかなか飛び立たないので、衰弱して飛べないのかな?と心配になりました。 
寿命が近いワーカー♀なのかな?
体に寄生ダニなどは付着していませんでした。 

私が動画を撮りながら右手で捕まえようと蜂に軽く触れたら、その度に中脚および後脚を高々と持ち上げました。 
威嚇姿勢のようですが、毒針を伸ばして誇示することありませんでした。 
蜂がしがみついていた花穂の先をちぎり取り、なんとか蜂を手乗りさせることができました。 

この個体はとにかく動きが緩慢で、元気がありません。 
口元を見ても、私の皮膚から汗を舐めているようには見えませんでした。 

私が指先でオオマルハナバチ♀の体にそっと触れる度に、脚を1〜2本持ち上げます。 
体を傾けて、刺激された同側の脚をいつも上げるのが興味深いです。 
正面から触角に触れると、左右の中脚を同時に持ち上げて万歳の体勢になりました。 
「それ以上近づくなよ」という警告・威嚇の意思表示なのでしょう。 
脚に鋭い棘や爪、キック力がある訳でもないのに、敵に対してどれだけ威嚇・牽制の効果があるのか疑問です。
 (私にはハッタリで虚勢を張っているようにしか見えません。) 
私が面白がってしつこく反応を調べても、繰り返し刺激への馴化(慣れ)はなさそうです。 
苛立ったオオマルハナバチ♀が毒針で私の手を刺してくることはありませんでした。 
ちなみに、ハチとは進化的に離れた系統のコガネムシ類でも似たような脚上げ威嚇姿勢が見られます。

この個体は翅や体毛が全く擦り切れておらず、大型なので、ワーカー♀ではなく新女王なのかもしれません。 
一般的に、女王蜂の攻撃性が低いのは当然です。 
真社会性ハチの女王は次世代に子孫を残す使命がありますから、毒針を使って敵と戦うのではなく、極力逃げることを選択します。(逃げるが勝ち、三十六計逃げるに如かず) 
下手に敵と戦うと反撃を食らって死傷する可能性があるからです。 
もしも元気なワーカー♀を相手に同じ実験をしたら、怒った蜂に毒針で手を刺されていたかな? 

実験に満足した私は、蜂をセイタカアワダチソウの花穂に戻してやろうとしたのですが、なかなか上手く行きません。 
もたついている間に、オオマルハナバチ♀はブーン♪と羽音を立てて飛び去ってしまいました。 
私の体温で充分に温められたのか、飛び立つ前に胸部の飛翔筋を震わせる準備運動をしませんでした。 
しかし飛ぶ力は弱く、羽ばたきながら私の手から落ちてなんとかセイタカアワダチソウの茎に引っかかりました。 
再び自発的に飛んだものの、あまり遠くまで飛べませんでした。 
気温を測り忘れましたが、私の体感では寒さを全く感じませんでした。 

マルハナバチの経済学』という専門書のp264に「マルハナバチの巣内での諸行動」と題したイラストが掲載されています。 
その中に、「中後脚をあげるマルハナバチ独特の警戒姿勢」が示されていました。 
私の知る限り、この行動について書かれた本はこれだけです。 
同じイラストによると、マルハナバチの攻撃姿勢は更に独特で、なんと仰向けにひっくり返るのだそうです。 (おそらく、このとき毒針を見せつけるのでしょう。) 
私は未だ実際に見たことはないのですけど、マルハナバチの巣を手荒く暴いたときぐらいにしか攻撃姿勢は見られないのかもしれません。 

この行動を指す正式用語をどうしても知りたくて、Google Scholarで検索してみると、最近の研究論文を見つけました。 
全文が無料で公開されています。 
マルハナバチの脚上げ反応(万歳姿勢、ハイタッチ)が注目されるようになったのは、ごく最近のことなのだそうです。
disturbance leg-lift response (略してDLR)と名づけていますが、 disturbanceが日本語に訳しにくいです(撹乱?)。
「蜂にちょっかいかけると脚を高く上げる」というニュアンスです。
素人が勝手に「脚上げ威嚇反応」と名づけてみました。
専門家による用語の正式な和訳を見つけたら、訂正します。


【参考文献】 
Varnon, Christopher A., et al. "The disturbance leg-lift response (DLR): an undescribed behavior in bumble bees." PeerJ 9 (2021): e10997. 

Figure 1. The disturbance leg-lift response (DLR) of the bumble bee.  Artwork by Jennifer Salazar. Original reference photographs by Ivan Mikhaylov.

この論文はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているので、ありがたく原図1を借用させてもらいます。


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2024/08/28

晩秋に丸々と太ったニホンアナグマの幼獣同士が未明の営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン1:11/8・午前3:34・気温11℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で、未明に2頭のアナグマa,bが頭を突き合わせるように向き合っていました。 
本格的な兄弟喧嘩ではなく、格闘遊びではしゃぎ回っているだけでした。 
冬越しに備えて丸々と肥えていますが、おそらく幼獣なのでしょう。(天高く穴熊肥ゆる秋)

1頭aが巣穴Rに入ると、3頭目cが右から登場しました。 
セットで対峙したb,cは突進してすれ違い、軽い格闘遊びが勃発しました。 
すぐに休戦して近寄ると、互いに肛門の匂いを嗅ぎ、相互毛繕いを始めました。 
入巣Rする個体bの肛門の匂いを、巣外に最後まで残った個体cが嗅いでいます。 
アナグマは肛門腺や臭腺で匂い付けしたり互いに個体識別していると考えられています。 
嗅覚によるコミュニケーションは、巣穴の中や夜の森など暗闇でこそ有効になります。
この点はアリと共通していて、興味深い収斂進化です。

行動がいかにも幼いので、今年ここで生まれた幼獣4頭のうちの3頭が大きく育ったのでしょう。 
観察歴の浅い私には、もはや外見で成獣との区別が付きません。 
母親♀は赤外線の暗視映像で見たときに左右の目の大きさが異なる(右目<左目)という分かりやすい特徴があるのですが、今回登場したアナグマは全て目の大きさが同じでした。
これから幼獣が格闘遊びや追いかけっこ遊びをしなくなったら、いよいよ私には成獣と見分けられなくなるでしょう。 


シーン2:11/8・午前3:40(@1:00〜) 
小雨が降っています。 
奥の二次林内で2頭のアナグマ(幼獣)が採餌しています。 
しばらくすると、画面の左下隅から別個体(3頭目)がノソノソと歩いて登場しました。(@1:45〜) 
セットで2頭が向かい合って対峙すると、軽い格闘遊びが勃発しました。 
深刻な縄張り争いではなさそうです。 


シーン3:11/8・午前3:40(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
強い秋風が吹き荒れ、カメラを固定したミズキ立木が大きく揺れています。 
2頭の幼獣による格闘遊びが繰り広げられていますが、その間に鳴き声は聞き取れませんでした。 

左の死角に移動しても、踏まれた落枝が動くことで、アナグマの動きを推測できます。 
最後は左から来た1頭のアナグマが、獣道を辿って右へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2024/08/24

虫捕りに来たホンドタヌキを営巣地から追い払うニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午後17:05頃・気温15℃(日の入り時刻は午後16:40) 

日没後に2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が連れ立ってニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にやって来ました。 
林床に積もった落ち葉を踏みしめる足音を忍ばせながら、1頭のタヌキがアナグマの巣口Rの横を通り過ぎました。
しばらくすると(約15秒後)、アナグマが巣穴Rの奥から顔だけ覗かせて外の様子をうかがいました。 
このアナグマは左右の目の大きさが均等なので、ここで出産・育仔した母親♀ではない別個体です。 

その間に、もう1頭のタヌキは、別の巣穴L付近で何か小さな虫を捕食しようとしています。 
おそらく穴居性のカマドウマ幼虫だと思うのですが、アナグマの巣穴に居候している虫の大群がいて、それを狩ろうと様々な鳥獣が繰り返しやって来るのです。 (千客万来)
ここで虫がよく捕れることを学習した結果、採餌のためにタヌキが毎日巡回するルートにアナグマの巣口が含まれているのです。 

録画が一旦打ち切られ、次にトレイルカメラが起動したときには、巣口Lにタヌキの姿はなく、常緑のヒメアオキ群落の奥で右往左往していました。 
アナグマが巣穴Rから飛び出してきて、不届きな侵入者(タヌキ)を追い払ったようです。 
巣穴の主である丸々と太ったアナグマは、逃げた侵入者を深追いしたり吠えたりすることなく、静かに巣口Lでタヌキの残り香を嗅いでいました。 
これは赤外線カメラによる暗視映像で、暗闇で繰り広げられている事件だということを思い出してください。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
夏の間、この営巣地は長らくアナグマが不在でした
アナグマの空き巣に近所のタヌキが日夜やって来ては、巣口を点検したり虫を捕ったりしていました。
秋が深まると、越冬のためにアナグマが再び巣穴に住み着くようになったようです。

隣近所に住むホンドタヌキとニホンアナグマが営巣地でニアミスするシーンを録画できたのは、これが初めてかもしれません。 
図々しくセットに侵入したタヌキをアナグマが撃退する決定的瞬間を撮り損ねたのは残念です。 





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2024/07/29

秋の旧営巣地でニホンアナグマの幼獣2頭が取っ組み合いを長々と繰り広げる【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年10月下旬 

シーン0:10/20・午後14:16・気温31℃(@0:00〜) 
シーン0:10/23・午後13:36・気温18℃(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。 
新機種のトレイルカメラ2台を平地の二次林に設置し、ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を見張っています。 


シーン1:10/26・午後18:32・気温14℃(@0:08〜)日の入り時刻は午後16:51 
日没後の晩に 2頭のアナグマが現れました。 
巣口Lで対峙すると、1頭が跳ね回って相手を挑発しています。  
「一丁やるか?」と遊びに誘っているようで、2頭とも左に消えました。 
左の死角から鳴き声が聞こえてきます。 
いかにも幼い(遊びたい盛りの)行動から、おそらく幼獣の兄弟姉妹だと思うのですが、体つきがすっかり成長していて素人目には幼獣だと分からなくなりました。 


シーン2:10/26・午後18:35(@0:25〜) 
巣口LRの中間地点で寝技の取っ組み合い(格闘遊び)が繰り広げられています。 


シーン3:10/26・午後18:36(@1:25〜) 
疲れを知らない幼獣2頭による格闘戦が続いています。 
組み合ったまま地面をゴロゴロ転がりました。 
本気の喧嘩ではなく、仲良くふざけて遊んでいる印象です。 


シーン4:10/26・午後18:37(@2:25〜) 
しばらくすると、ようやく取っ組み合いを解消して1頭が離れ、セットを走り回ります。 
今度は追いかけっこ遊びに移行しました。 


シーン5:10/26・午後18:38(@2:56〜) 
再び組んずほぐれつの取っ組み合いが繰り広げられています。 
ときどき短い唸り声を上げたり、イヌのようにワンッ♪と鋭く鳴いたりしました。 
初めはふざけてレスリングしていたのが、だんだん本気になってきたのでしょうか? 
レンズに水滴が付いているのか、画面全体が曇っていて、はっきり見えないのが残念です。 


シーン6:10/26・午後18:39(@3:26〜) 
肉弾戦の遊びが続いています。 


シーン7:10/26・午後18:38・気温13℃(@3:26〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラでも広角の監視映像が撮れていました。 
巣口LRの中間地点で2頭のアナグマ幼獣が延々と取っ組み合いをしています。 
ときどき唸り声が聞こえます。 
1頭が走って逃げ出すと、もう1頭が追いかけます。 
巣口Rの手前に戻ってくると、格闘遊びを再開。 
互いに向き合って、隙あらば相手を甘噛みしています。 
ワン♪、キャン♪のような短く鋭い鳴き声♪をときどき発します。 


シーン6:10/26・午後18:39(@3:26〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
2頭のアナグマが肉弾戦の遊びを止めると、走らずに左へノソノソと向かいました。 
疲れて休戦したのかな? 

すぐにまた小走りで戻ってきて、巣穴Lに続けて入りました。 
しばらくすると、1頭が後ろ向きで巣穴Lの外に出てきて、前足で地面を掻きました。 
またすぐに入巣L。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
アナグマの幼獣がセットに現れたのは久しぶりです。(夏以来です) 
長らく来なかったので、てっきり子離れ・分散したのかと思っていました。 
春にここで生まれた幼獣4頭のうち仲良しの2頭が旧営巣地に戻ってきて、取っ組み合いの遊びを長々と繰り広げていました。 
格闘遊びも追いかけっこ遊びも、夏にはアナグマの幼獣同士でよく見られた行動です。 
秋になって久しぶりに見ました。 

私は幼獣間の遊びだと解釈したのですが、もしも力比べで上下関係を決める真剣な闘争行動だとすると、話は変わってきます。 
越冬用の巣穴を巡る縄張り争いなのでしょうか? 
来季のヘルパー♂を決める争いなのかな? 
母親♀が育った幼獣を攻撃して縄張りから追い払う「子別れ」の行動ならもっと激しいはずです。 



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2024/07/23

秋の夕方にアナグマの空き巣を交互に調べる3頭の若いホンドタヌキ【トレイルカメラ】毛繕い、遊び

 



2023年10月中旬・午後16:25〜16:36・日の入り時刻は午後17:01 


シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで録画された現場の状況です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで監視しています。 


シーン1:10/18・午後16:25(@0:08〜) 
夕方に1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)aがアナグマの巣口Rまで来ていて、念入りに匂いを嗅いでいました。 
その間に、左奥の二次林内からさらに別の2頭b,cが間隔を開けてセットにやって来ます。 
巣口Rで合流したのは、おそらく獲物となる穴居性の昆虫が居るかどうか、チェックしに来たのでしょう。 

2番目に来た個体bは♂だったようです。 
巣口Rの横に自生するマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木の根元に排尿マーキングする際に、左後足を上げました。(@1:02〜) 


シーン2:10/18・午後16:26・気温18℃(@0:08〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラに続きが撮れていました。 

タヌキ♂bが地面の匂いを嗅ぎながら左から登場しました。 
続けて左下にちらっと写ったのは、巣口Rに向かう別個体cです。 
タヌキ♂bは、アナグマの巣口Lを塞いでいる細い木の根の匂いを嗅いでから、体をよじって自分の腰を舐めました。 

すれ違う際に2頭間で体格差がありました。(a>♂b) 
これは性差なのでしょうか? 
タヌキは♀の方が少し大柄だと言われています。

後から来たタヌキaも、アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで点検しています。 
2頭とも、左に戻って行きました。 


シーン3:10/18・午後16:26(@2:06〜) 
別アングルの監視カメラ(旧機種)で続きをご覧ください。 
アナグマの巣穴Rの内部を内検していた個体が外に出て来て、左に向かいました。 
もう1頭のタヌキは巣口Rを覗き込んでいるだけです。 
3頭のタヌキが巣口Rに勢揃いすると、顔を突き合わせて軽く挨拶したり、対他毛繕いしたりしました。 

左から戻って来た個体がアナグマの巣穴Rに頭だけ突っ込みました。 
タヌキの3兄弟(姉妹)は、巣穴に居候している小さな虫(カマドウマの幼虫?)を捕食しているようです。 
巣穴の主であるアナグマは不在らしく、中から飛び出してきて訪問者を撃退することはありませんでした。 


シーン4:10/18・午後16:29・気温19℃(@3:06〜) 
アナグマの巣口Lを点検し終えた個体が左に行こうとしたら、背後の個体がじゃれつき(相手の背中に両方の前脚で乗った!)、小競り合いの末に相互毛繕いが始まりました。 
毛並みも茶色が濃くて若々しく、こうした遊び好きな行動からも、若いタヌキ(幼獣?)ではないかと思います。 

3頭目のタヌキが左下にちらっと登場しました。 


シーン5:10/18・午後16:28・気温19℃(@4:06〜) 
アナグマの巣口Rに戻った2頭のタヌキが並んで巣穴Rを覗き込んでいました。 
巣口Rに頭を突っ込んで、「頭隠して尻隠さず」状態になった個体の腰に別個体がふざけて跳び乗りました。 
(順番待ちで痺れを切らしたのかな?) 
そのまま背中をグイグイ押して遊びに誘い、左へ走り去りました。 
追いかけっこが始まるかと思いきや、迷惑そうに巣口Rから顔を出した個体は相手の挑発には乗らず、巣内の虫に夢中です。 
ようやく奥の林縁へ移動しました。 


シーン6:10/18・午後16:30・気温20℃(@5:06〜) 
アナグマの巣口Lに居た2頭の一方が、背中を伸ばすストレッチ運動をしてから手前に立ち去りました。 
もう1頭は、後脚を伸ばすストレッチ運動をしてから、左へ移動しました。 

画面にタヌキが写っていないときでも、セットに転がっている落枝が動いているので、タヌキがカメラの死角を歩き回って落枝を踏んでいることが想像できます。 
自宅の玄関先にこんな落枝が散乱していたら歩くのに邪魔ですし、我々ヒトの感覚ではきれいに片付けたくなります。
しかし、侵入者の接近を知らせる防犯装置として、アナグマは落枝をわざと放置している気がしてきました。


シーン7:10/18・午後16:36(@5:34〜) 
最後までアナグマの旧営巣地(セット)に残っていたタヌキ個体も、身震いしてから右下へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/07/09

池で溺れたノシメトンボ♂を捕食するクロゲンゴロウの群れ

 

2023年10月上旬・午後14:20頃・くもり時々晴れ(小雨)

山麓にある小さな池に久しぶりに来てみると、ガマなどの抽水植物が生えていて、水面で何かが暴れていました。 
よく見ると、溺れかけたノシメトンボ♂(Sympetrum infuscatum)の胸背に水面下でクロゲンゴロウCybister brevis)が食いついていました。 

すぐ隣りにあるもう一つの池で早春にクロゲンゴロウを見たのが生まれて初めてで、今回が二度目の出会いでした。 
捕食行動はもちろん初見で、興奮しながら長々と撮影しました。

そもそもノシメトンボ♂がなぜ池で溺れたのか謎です。 
寿命で弱っていたのか、それとも羽化直後なのかな? 
ノシメトンボ♀は水のある場所には産卵しないはずなのに、♂は水辺で交尾相手の♀を待ち伏せするとは思えません。

関連記事(3、4、7、9年前の撮影)▶  


見つけたときにはノシメトンボ♂はまだ生きていて、脚を動かしたり翅を力なく羽ばたかせたりして暴れていました。 
しかし、水中から空に飛び立つことは不可能で、もはや逃れることはできません。 

撮影中は気づかなかったのですけど、水面下に沈んだガマ(?)の枯れ葉にヤゴ(種名不詳)が捕まっていました。 
断末魔のノシメトンボ♂が水面で激しく羽ばたいて波紋が広がったので、ヤゴは水中に潜って逃げてしまいました。 
ヤゴも肉食性なのに、獲物の争奪戦に参戦しませんでした。 
丈夫な装甲に守られたクロゲンゴロウには勝ち目がないのでしょうか。 

しばらくすると、クロゲンゴロウaはトンボの右後翅を根元から食い千切りました。 
獲物から取り外した翅だけ抱えて持ち去ろうとしても、トンボの翅は浮力があるので、クロゲンゴロウは潜水できません。 
切除した翅の根元に付いた肉片を齧ってから手放しました。 
獲物の本体を見失ったようで、しばらく水中をうろうろと泳ぎ回っています。 

その間に別個体bのクロゲンゴロウが左から泳いで登場し、獲物に食いつきました。 
やはり獲物の胸背に背後から噛み付いています。 
細長い口吻を獲物に突き刺して体外消化するカメムシ目の水生昆虫と違って、ゲンゴロウの仲間は獲物を本当に齧って咀嚼して食べてしまいます。 

クロゲンゴロウbの背後から先客の個体aが戻ってきました。 
獲物をめぐる争奪戦が始まり、ぐるぐると水中を追い回しました。 
後脚を広げて互いに相手を蹴ろうとしても、流線型の体なので滑って打撃の効果はなく、獲物を独り占めするのは無理なようです。 
ようやく折り合いをつけると、仲良く並んで獲物の腹背の上部を齧り始めました。 
よく見ると、2匹が後脚を伸ばして互いに牽制しながら獲物の別々の部位を捕食しています。 

池に日光が射すと、クロゲンゴロウの鞘翅が光沢のある深緑色と判明しました。 
腹端(鞘翅の下)からときどき泡が出ているのは、呼吸のための気泡なのでしょう。 

餌食となったトンボは絶命したのか、暴れなくなりました。 
2匹のクロゲンゴロウが互いに逆方向から獲物に食いついています。 
1匹が獲物から一旦離れ、泳いで戻ってこようとすると、ライバルと争奪戦になりました。 
互いに干渉しないように位置取りする必要があります。 

クロゲンゴロウがノシメトンボ♂の胸部を食べ進んだ結果、その頭部が切り離されました。 
(断頭の瞬間を撮り損ねてしまいました。 )
強い風が吹くと、水面にぷかぷか浮いているノシメトンボ頭部が流されていきます。 
クロゲンゴロウは獲物の生首には見向きもしないで胴体にかじりついています。 
ノシメトンボの脚も胸部から食いちぎられて外れ、水中のガマ?枯れ葉の上に落ちていました。 

後半になって、3匹目のクロゲンゴロウcが獲物に集まっていたことに気づきました。 
ときどき三つ巴の争奪戦になります。 
1匹のクロゲンゴロウがライバルを出し抜いて獲物を持ち去ろうとしても、獲物の傷口から体液が水中に滲み出るので、その匂いをライバルが嗅ぎつけてしまうようです。 

水生昆虫に詳しい人なら、クロゲンゴロウの性別を外見で見分けられるのですかね? (教えて欲しいです。)
今回は捕食行動のみで、求愛や交尾などの配偶行動は全く見られませんでした。 

獲物が食べ尽くされるまで一部始終を微速度撮影したかったのですが、この日は三脚を持参していなくて残念でした。 
おまけに小雨がぱらつき始めてカメラが濡れそうになり、気が気ではありませんでした。
 
次回はトンボなどの生き餌を池に投入して溺れさせれば、暴れる動きに反応してゲンゴロウなどの捕食者が集まってくる様子を観察できるかもしれません。 
撮影後にクロゲンゴロウを捕獲しようか迷ったのですが、採集用の網も持ってきていませんでした。 
被っていた帽子で掬えば採れたかな?
レッドデータブックによれば、クロゲンゴロウは山形県で絶滅危惧種Ⅱ類(VU) に分類されているらしいので、採集禁止かもしれません。

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2024/06/26

クロツグミ♂の落ち葉めくりと縄張り争い@アナグマの旧営巣地【野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年9月下旬〜10月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)がある二次林に、秋になると真っ黒な鳥クロツグミ♂(Turdus cardis)が採食に通って来るようになりました。 


シーン0:9/25・午後14:04および14:32(@0:00〜) 
 明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
新旧2台の自動センサーカメラで隣接する2つの古い巣穴LR見張っています。 
巣材(寝床)として落ち葉を掻き集めるアナグマが居なくなったので、二次林の林床には多数の落ち葉が散乱したままになっています。 


シーン1:9/30・午前6:28(@0:08〜) 
小雨が降る早朝にクロツグミ♂と思われる黒い小鳥aが広場に現れました。 
落ち葉をめくって虫を探しています。 
 そこへ左から別個体のクロツグミ♂bがホッピングでやって来ました。 
相手aの存在に気づくと、bがいきなり襲いかかり、狩場を巡る縄張り争いが勃発しました!!
2羽は対峙して羽ばたきながら交互に地上から少し飛び上がります。 
喧嘩にどうやって決着がついたのか分かりませんが、互いに少し離れました。 
右に行った個体は羽繕いし、左の個体はピョンピョン跳んで二次林内に入りました。 

この間、闘争の鳴き声は雨音にかき消されて(?)聞き取れませんでした。 
キョキョキョキョ♪(またはチュンチュン♪)という鳴き声がかすかに聞こえますが、画面内の2羽が発しているのかどうか不明です。 
(周囲にいる野次馬の鳥の鳴き声かもしれません。) 
日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』p51でクロツグミの鳴き声について調べると、 地鳴きは「キョキョキョ、チーなどと鳴く」と書いてありました。 


シーン2:10/10・午前6:54(@1:10〜) 
早朝の林内を小鳥が素早く飛び、林床を走り回って採食しています。 
真っ黒なクロツグミ♂が左から飛来し、アナグマの巣口Rの真上に伸びた細いマルバゴマギ灌木に止まりました。 
止まり木から地上に飛び降りると、巣口Rで落ち葉めくりを始めました。 


シーン3:10/11・午後17:05・気温15℃(@2:04〜)日の入り時刻は午後17:11。 
日没直前の薄暮に真っ黒なクロツグミ♂が落ち葉を嘴で弾き飛ばすようにめくりながら、アナグマの巣口Lにどんどん近づいています。 
後半はまるでトレイルカメラに気づいて警戒したかのように、物陰に隠れながらも落ち葉めくりを続けています。 
初めは2羽が一緒に来ていたのに、もう1羽は画角の右外に出てしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正(モノクロ化)を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 【アフィリエイト】 


2024/06/08

唸ったり吠えたりしながら♪ニホンアナグマの幼獣2頭が昼間の旧営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ】

 



2023年9月上旬・午後13:00頃・ くもり

アナグマ幼獣同士で遊び回る様子が久しぶりに撮れていました。

シーン0:8/25・午後・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで録画された現場の様子です。 
二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を新旧2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:9/2・午後12:49・気温34℃(@0:00〜) 
昼過ぎにアナグマが単独で右から登場すると、地面の匂いを嗅ぎながら右エリアをうろついています。 
何かに驚いたのか、弾かれるように巣口Lへ向かいました。 
逡巡したりフェイントをかけたりした末に、勢い良く巣穴Lに入りました。 
しばらくすると巣穴Lから外に出て、元気よく左へ向かいました。 
アナグマを単独で見たときに、もはや幼獣なのか成獣なのか見分けがつきにくくなりました。 
はしゃぎ回る動きが幼いので、幼獣だと思います。 
独り遊びではしゃいでいるというよりも、近くに遊び仲間の兄弟姉妹がいるような印象です。 


シーン2:9/2・午後12:49(@0:53〜) 
続きの展開が別アングルの監視カメラに録画されていました。 
巣口Rの広場で幼獣2頭が対峙しています。 
格闘遊びが始まりました。 
威嚇のふりをして相手に突っかかったり、目の前の落枝(蔓)を甘噛みしたり、でんぐり返しをしてみたり、もんどり打って巣口Rに転がり落ちたり、大騒ぎしています。 
アナグマ幼獣が暴れると、林床に積もった落ち葉が舞います。 
遊びの合間に、体の痒い部位を後足でボリボリ掻いています。 
巣穴Rに入ってしばし休戦していた幼獣個体が再び外に出くると、2頭は別れて右へ向かいます。 

1頭の幼獣が林床で採餌していると、カメラの死角からブルルル♪という馬の鼻息のような鳴き声が聞こえ、ビクッと振り返りました。(@1:50〜) 
アナグマ(遊び相手)の鳴き声だったのか、私には分かりません。 


シーン3:9/2・午後13:11・気温32℃(@1:53〜) 
約20分後、元気な幼獣2頭がいつの間にか戻ってきて、そのうち1頭が巣穴Lに飛び込んだようです。 (入巣Lの瞬間は撮れていません。) 
巣口Lの中と外で2頭が対峙してから、外へ出て格闘遊びが勃発。 
威嚇の鳴き声♪を軽く発しながらそのまま左へ向かうと、カメラの死角から犬のようにワンワン吠える喧嘩の鳴き声♪が聞こえました。 
キャンキャン♪という甲高い鳴き声ではなく、もう少し低音で、それ程やかましい大声ではありません。 
(実際に鳴いているシーンが別アングルのトレイルカメラに撮れていなかったのが残念です。)

しばらくすると、左から戻ってきた幼獣1頭aが獣道を右上奥に走り去りかけ、途中で立ち止まりました。 
セットに残った個体bがそれを見送ります。 


シーン4:9/2・午後13:12・気温33℃(@2:41〜) 
幼獣aの後を追って幼獣bも獣道を右上奥へ走り去りました。 
ちょっと引き返すと、地面の匂いを嗅ぎました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 




2024/06/02

晩秋の強風に乗ってウィンドサーフィンや遊びの空中戦を楽しむハシボソガラス

 

2022年11月下旬・午前10:20頃・くもり 

稲刈り後の刈田が広がる田園地帯で2羽のハシボソガラスCorvus corone)が電線に並んで止まっていました。 
強風下で飛ぶと、風の勢いに負けて風下に流されそうになります。 
カラスはその強風を利用して、ほとんど羽ばたかずに翼の角度を変えるだけで電線からふわりと高く飛び上がることができます。 
どうやらウィンドサーフィンを楽しんでいるようです。 

電線から飛び立つ瞬間は撮り損ねましたが、刈田の上空で2羽のハシボソガラスが追いかけっこを始めました。 
逆風下で互いに追いかけ、軽い空中戦になりました。 
本気の喧嘩(闘争行動)ではなく、遊びの鬼ごっこです。 
1羽がさっきと同じ電線に戻り、もう1羽は右に飛び去りました。 

ハシボソガラスのウィンドサーフィン(風乗り)と遊びの空中戦を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:26〜) 
背後の裏山には、スギ林の常緑に混じってカラマツ林の黄葉が見えます。 
尾根の付近には白いガスがかかっています。 

この日は風が強く吹いたおかげで、山嶺に並ぶ風力発電の風車4機が勢い良く回っていました。 
日本海側の雪国では、ソーラーパネルを設置しても長い冬の間は日照が期待できません。 
むしろ強い北風による風力発電が期待されます。 
ただし、回る風車に鳥が激突して死ぬバードストライクの検証と対策が必要でしょう。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 山上で回る風力発電所の巨大風車 


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2024/05/14

縄張りの池を守り争うオニヤンマ♂【トレイルカメラ】

 



2022年8月上旬・午後14:35〜17:10 

山中の湧き水が溜まった泉が野鳥や野生動物の水場となっているので、トレイルカメラで監視しています。 
細長い形の浅い池の水は画面の奥に向かって流れ出し、沢の源流になっています。 

昼間はオニヤンマ♂(Anotogaster sieboldii)がこの池の上空を何度も往復し、縄張りを張っています。 
池に来なくなる時間帯は、どこか近くの草木に止まって翅を休めながら、縄張りを油断なく見張り、♀を待ち伏せしているのでしょう。 
たまに別個体が池に飛来すると、2匹の激しい空中戦になります。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:09〜2:30、4:06〜5:19) 
♀が産卵にやって来ると交尾を挑み、ライバル♂が飛来すると追い払うのですが、私には映像から2匹目の性別を見分けられませんでした。 
(動画のフレームレートが15fpsと低いのが問題です。)
目の肥えたトンボ・マニアは、2匹の飛び方を見ただけで闘争なのか求愛なのか、見分けられるのでしょうか。 

水場に来るオニヤンマ♂を片っ端から一時捕獲して油性ペンなどで分かりやすい色を塗れば(個体標識)、何か面白いことが分かるかもしれません。 
例えば、それまで右岸の止まり木で休んでいたオニヤンマ♂がいつの間にかお気に入りの止まり木を変え、飛行巡回ルートも微妙に変わったときには、縄張り占有♂個体が入れ替わった可能性があります。 
縄張りを占有する♂個体を捕獲して取り除くと、すぐにライバル♂が侵入して来るでしょうか? 


※ 昼間の挙動が不安定な旧機種のトレイルカメラなのに、珍しくフルカラーで録画されていました。 
ところで、そもそも自動センサーカメラでオニヤンマ♂が繰り返し撮影できることが不思議でなりません。 
変温動物がいくら激しく動き回っても、トレイルカメラのセンサーは反応しないはずだからです。 
例えば、この池で早春にやって来るカエルの配偶行動(カエル合戦)をトレイルカメラで撮影しようと試みても、何も写らず失敗に終わりました。 
(両生類も昆虫も変温動物です。)
パトロール飛行中のオニヤンマ♂の体温は、意外に気温よりも高いのかもしれません。 
サーモグラフィカメラで撮ってトンボが発熱しているかどうか確かめたいのですけど、高価で手が出ません。 
それとも、トレイルカメラの設定でセンサー感度を最高に上げた場合には、温度に関わらず単なる動体検知になっているのかな?


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2024/05/10

タヌキの溜め糞場で必死に配偶者ガードするオオヒラタシデムシ♂

 

2023年7月下旬・午後14:35頃・ 晴れ 

防風林でスギ倒木の横にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phでオオヒラタシデムシNecrophila japonica)が三つ巴で組んずほぐれつしていました。 
どうやら、交尾中の♀♂ペアにライバル♂が横恋慕して♀を強奪しようとしているようです。 
横倒しになった♀♂ペアもマウントしているだけで交尾器は結合していません。 
交尾した後も♀が産卵するまで浮気しないように♂は配偶者ガードしているのでしょう。 

♀にマウントした♂が腹端を左右に激しく振っているのは、ライバル♂に対する威嚇牽制のつもりだと思うのですが、有効な反撃になっているとは思えません。 
腹端から何か刺激臭でも放出しているのかな? 
そんなことよりも早く(再び)♀と交尾して結合を続ければ、何よりも有効な浮気防止になると思うのですけど…。
溜め糞場で栄養を摂取して産卵したい♀にとっては迷惑なだけかもしれません。 

武器を持たないオオヒラタシデムシ♂同士は♀を巡る闘争に一体どうやって決着をつけるのでしょう?
早い者勝ちで交尾するしかない気がします。 
他に急ぐ用事のあった私は、この3匹の成り行きを見届ける余裕がありませんでした。

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2024/05/08

旧営巣地で昼も夜も元気に走り回って遊ぶニホンアナグマの幼獣たち【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月中旬 

遊びたい盛りのニホンアナグマMeles anakuma)幼獣が昼夜を問わず二次林内の旧営巣地(セット)を走り回るシーンをまとめました。 

シーン0:8/14・午後13:51・晴れ(@0:00〜) 
シーン1:8/14・午後14:13(@0:03〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:8/17・午前11:56・晴れ・気温33℃(@0:08〜) 
左から走ってきたアナグマ幼獣が巣口Lで立ち止まり、少し引き返して身震いしてから再び巣穴Lに入りました。 
遊び相手が追って来ないので、独り遊び(空想上の敵と追いかけっこごっこ)をしているようです。 
やがて勢い良く出巣Lすると、左へ駆け去りました。 


シーン3:8/17・午後12:02・晴れ(@0:34〜) 
約5分後に、アナグマの幼獣2頭が旧営巣地(セット)に来ていました。 
幼獣aは右奥の林縁に座って、体の痒い部位を掻いています。 
巣口Rから外に出てきた幼獣bはaに向かって突進してから、手前で立ち止まり、上下に飛び跳ねて挑発します。 
遊ぼうよ!と誘っているのでしょう。 
幼獣2頭は唸り声を上げて、もつれあうように巣穴Rの中に転がり込みました。 
その後は外に出て来る様子がなぜか記録されていませんでした。 


シーン4:8/19・午後19:58・気温27℃(@0:46〜) 
2日後の晩にも独り遊びするアナグマ幼獣が現れました。 
巣口Lをピョンと飛び越えると、獣道を右奥へ走り去ります。 
立木の手前で立ち止まって腰を落とし、スクワットマーキングしたようです。 
引き返してきて広場を右往左往走り回っています。 
戻ってきたアナグマ幼獣が、巣口Lの手前で腰を下ろしました。 
ただ座り込んだだけで、尻を地面に擦り付ける動きをしていません。 
幼獣による未熟なスクワットマーキング行動なのでしょうか? 
また左へ元気に駆けて行きました。 


シーン5:8/19・午後19:58・気温27℃(@1:20〜) 
 別アングルに設置した旧機種のトレイルカメラで続きが撮れていました。 
対面のミズキ立木に固定した新機種トレイルカメラの赤外線LEDが煌々と点灯しているのが見えます。 

奥の二次林から広場に走って来たアナグマ幼獣が、少し立ち止まってから左へ向かいました。 
左から駆け戻ってきた幼獣が暗闇で林冠から垂れ下がる蔓植物に頭からぶつかり、つながっている枝葉が激しく揺れました。 
2アングルの監視映像を見ても遊び相手は写っていませんから、やはり独り遊びではしゃぎ回っていたようです。 


【考察】
ニホンアナグマ幼獣の個体識別どころか性別も見分けられませんが、兄弟姉妹で遊ぶのが好きな幼獣3頭と、独り遊びが好きな幼獣1頭に別れているような気がしてなりません。 
まれに幼獣4頭が一緒に行動しているシーンが撮れますから、1頭だけ仲間外れにされているとは思えません。
好きで独り遊びしているのでしょう。

この二次林で監視カメラの数をもっと増やして格子状に密に配置すれば、走り回るアナグマ幼獣の動向が詳しく掴めてくるかもしれません。
それには莫大な資金と(動画をチェックするための)時間が必要です。

私が本当にやりたいのは、各個体に小型のGPSやGoProカメラを装着して位置座標を刻々と記録することです(バイオロギング)。
そうすれば、日々の行動圏や引越し先の巣穴の位置もたちどころに判明するでしょう。
首輪の色などで個体標識も可能です。
しかし、罠を使って安全に一時捕獲したり麻酔したりする必要があるため、素人には手が出せません。



2024/05/03

ホンドタヌキ幼獣の群れが追いかけっこや格闘遊びをしてはしゃぎ回るニホンアナグマの旧営巣地【トレイルカメラ】

 



2023年8月中旬〜下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)幼獣たちが元気いっぱいで遊びに来るようになりました。
ほとんどが日中の映像です。
どんな野生動物でも、遊びたい盛りの幼獣の行動は見ていて飽きません。

シーン0:8/14・午後13:51・晴れ(@0:00〜) 
シーン1:8/14・午後14:13・くもり(@0:04〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
新旧トレイルカメラの2台体勢で見張っています。 


シーン2:8/15・午前5:12(@0:07〜) 
右から登場したタヌキaがアナグマの巣口Rの匂いを嗅いでいると、右下から別個体bが登場しました。 
背後から不意をつかれたaが驚いたのか、ギャガッ♪と軽く唸り声を上げながらbに襲いかかって噛みつこうとしました。 
攻撃する理由が分からないのですが、巣穴の主のアナグマが戻ってきたと思ったのかな? 
そのまま左に立ち去りました。 


シーン3:8/17・午前3:21(@0:33〜) 
2日後の未明。
奥の林縁でオニグルミの根元に1頭のタヌキが座り込み、その傍らに付添の別個体が佇んでいます。 
右から何者かがやって来たのか、2頭は急にビクッと警戒し、慌てて立ち上がると散り散りに逃げて行きました。 
2頭間での追いかけっこ遊びが始まったようには見えません。(明らかに第三者に対する逃避行動) 
しばらくすると、1頭が右から戻って来ました。 
続けてもう1頭が右下から登場しました。 
奥の二次林内を白く光る目が右へ移動しています。 
計何頭のタヌキが登場したのか、よく分からなくなりました。 


シーン4:8/17・午前3:32(@1:23〜) 
画面の外から小声でクゥーン♪と繰り返し鳴く声が聞こえます。 
右から来たタヌキが広場の匂いを嗅いでから、右に引き返しました。 
その後も、仔犬のような鳴き声だけ聞こえます。 
迷子になった個体が心細くて鳴いているというよりも、仲間と鳴き交わしているのでしょう。
どうやら画面の右下隅で2頭が鳴きながら取っ組み合いをして、じゃれ合っているようです。 


シーン5:8/17・午後16:50・気温31℃(@2:09〜) 
まだ夕方なのに、なぜかモノクロで録画されています。 
左から来たタヌキ成獣が慎重に巣口Lに忍び寄って匂いを嗅いでいると、右から更に2頭の幼獣が甲高くキュンキュン♪鳴きながら駆け寄って来ました。
「遊ぼう!」とまとわりついてくる幼獣に左の成獣?が軽く甘噛みしてやってから、獣道を右往左往して左へ。 
画面下から更に3頭目の幼獣がやって来ました。 
3兄弟(姉妹)のタヌキ幼獣は巣口Lを点検したり互いに追いかけっこしたり、元気にはしゃぎ回っています。 
(アナグマの古い巣穴の奥に入って探検することはありませんでした。) 
右上奥の獣道から別個体の成獣がやって来ました。(@2:57〜) 
最後はタヌキの家族全員(成獣♀♂および幼獣3頭)が左へ向かいます。 


シーン6:8/17・午後16:49(@3:09〜) 
別アングルに設置した広角の監視映像でも、ほぼ同時に撮れていました。 
左上奥の二次林内で探餌徘徊していた2頭のタヌキ幼獣が、急に駆け出し、追いかけっこ遊びを始めました。 
3頭目の幼獣も後から走って追いかけて来ます。 
しばらくすると、左から来たタヌキ成獣が巣口Rの横を通り過ぎました。 
その後を幼獣が左から右に走って横切ります。 
すぐにまたピョンピョン飛び跳ねるように戻ってきて、巣口Rに興味津々。 
その間に左から成獣が幼獣を引率して右へ向かいました。 


シーン7:8/17・午後17:23・気温30℃(@4:09〜) 
約30分後、タヌキの幼獣2頭が追いかけっこをしながらアナグマの巣口L付近に戻ってきました。 
1頭が全力疾走で右に消えた後も、別個体bが巣口Lの匂いを嗅いでから、仲間の後を追いかけて右へ走り去りました。 


シーン8:8/21・午後17:53(@4:20〜) 
4日後の夕方。
広場の右端で巣口Rの方を向いていたタヌキ(成獣?)が、方向転換して右へ走り去りました。 
と思いきや、黒っぽい幼獣が全力疾走で右から戻ってきました。 
巣口Rで立ち止まり、匂いを嗅ぎ回ります。 
 林縁でミズキの根本の匂いを嗅いでから、もしかするとさりげなく排尿マーキングしたかもしれません。 
だとすると、片足を持ち上げなかったことから、♀のようです。 
再び右へ走り去りました。 
追手が来ないのにはしゃぎ回っているので、幼獣の独り遊びのようです。 

二次林内でアナグマとタヌキ(同じ穴のむじな)が出会うとどうなるのか、観察してみたいものです。
幼獣同士なら異種間でも遊んだりするのでしょうか? 


 シーン9:8/21・午後17:55・くもり・気温29℃(@4:49〜) 
ようやく新機種でフルカラー録画されていました。 
やや薄暗い夕方の獣道を右奥へ走り去るタヌキの後ろ姿が見えます。 
途中で立ち止まってから左に向きを変え、画面の上端を移動するタヌキが茂みの陰にチラチラと見えます。 


シーン10:8/22・午後15:38・晴れ・気温33℃(@5:09〜) 
晴れた午後の木漏れ日が眩しいです。 
右から来たタヌキ幼獣aが、辺りを見回しながら小声でクゥーン♪と鳴いています。 
巣口Lに腰を下ろしかけたところに、別個体bが右下から全力疾走で突っかかってきました。 
aは慌てて左に逃げ、追手bはそのまま入巣Lしました。 
やがて外に出てきたbも左へ。 
タヌキの幼獣がアナグマの古巣の中に短時間でも入ったのは珍しいです。 


シーン11:8/22・午後15:40・晴れ・気温34℃(@5:36〜) 
左から来たタヌキ幼獣が巣口Lを覗き込んでから、向きを変えて左へ戻りました。 
左から戻ってきて、すぐに左下へ消えました。 


シーン12:8/22・午後15:39(@6:07〜) 
別アングルの監視映像です。 
1頭のタヌキ幼獣aが巣口Rの手前に転がっている太くて古い落枝の匂いを嗅いでいます。 
左から登場した別個体bは巣口Rを点検。 
2頭の幼獣が離れたところで向かい合い、地面に座り込みました。 
左上奥の二次林から、更に別個体cがやって来ます。 
林縁のミズキの根元で合流したcの尻の匂いをbが嗅ぎました。 
家族であることを確認したのでしょうか? 
aとbがふざけたように遊び始めました。(尻切れトンボ) 


シーン13:8/22・午後15:40(@7:08〜) 
3頭が互いに追いかけっこをして遊んでいます。 
右端の白っぽい毛皮の個体はもしかすると成獣(親タヌキ)かもしれません。 
2頭が右へ走り去ると、林縁に残った幼獣個体も走って追いかけます。 
すぐに右下隅から戻ってきて、追いかけっこ遊びを続けています。 


シーン14:8/22・午後15:42(@7:54〜) 
1頭のタヌキ幼獣aが左へ走り去り、残った幼獣個体bが巣口Rに座り込みました。 
左から戻ってきた個体aとbが、追いかけっこ遊びを再開しました。 


シーン15:8/22・午後15:43(@8:18〜) 
奥の広場でミズキの根元に来ていた個体が何か餌?をくちゃくちゃと噛んでいます。 
もう1頭の幼獣が挑発してきて、追いかけっこしながら左へ。 


シーン16:8/22・午後15:43・晴れ・気温34℃(@8:43〜) 
ちょうど巣口Lに木漏れ日が落ちて眩しく、白飛びしてしまっています。 
巣口Lに佇んでいた2頭の幼獣が、相次いで左へ駆け出しました。 
すぐに左から戻ってくると、はしゃいだように広場を走り回ります。 
追いかけっこしながら、右へ走って行きました。 
その後も奥の二次林内を縦横無尽に走り回っています。 


シーン17:8/22・午後17:21・気温32℃(@8:43〜) 
新機種のトレイルカメラなのに、なぜかフルカラーとモノクロで交互に録画されるという謎の症状が出ています。(酷使し過ぎなのでしょうか?) 
それとも日中に強い直射日光を浴びてセンサーが異常を来したのかな?

単独で登場したタヌキ幼獣が巣口Lの匂いを嗅いでから、左へ駆けて行きました。 
追いかけっこの遊び相手は写っていません。(独り遊び?) 


シーン18:8/24・午前8:57・晴れ(@9:54〜) 
巣口Rを塞ぐように置かれている落枝に1頭のタヌキ幼獣が興味を示し、試しに噛みました。 
もう1頭が奥の二次林を左にブラブラ歩いています。 
左上奥で合流すると、互いに追いかけっこ遊びが勃発しました。 
そのまま左へ。 


シーン19:8/24・午後17:47・晴れ・気温30℃(@10:26〜) 
日の入り時刻(午後18:24)までまだ早いのに、夕方で薄暗くなったせいか、モノクロで録画されています。 

幼獣と思われる3頭が前後して獣道を右上に走り去りました。 
アナグマの古い巣口Lを覗き込んでいて出遅れた個体も、仲間の後を追って獣道を一目散に駆けて行きます。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
近所で暮らすタヌキの家族全員(成獣♀♂および幼獣3頭)が採餌に出かけるついでにアナグマの旧営巣地に連日のように立ち寄ります。 
隣接する休耕地にあるホンドタヌキの巣穴で今季は4頭の幼獣が生まれたはずなのに、いつの間にか3頭に減ってしまったようです。 
4頭の幼獣が同時に監視映像に写ることはありませんでした。

タヌキ幼獣同士の遊びは主に追いかけっこで、アナグマの幼獣ほど取っ組み合いの頻度は高くないようです。

それとも生まれて幼獣のうち1頭は、単独行動を好む性格なのかもしれません。 
ニホンアナグマの幼獣でも1頭だけ独り遊びを好む個体がいる点が共通で、興味深く思いました。 
タヌキの個体識別がほとんど全くできてないのが問題です。

アナグマの成獣♀(母親)は幼獣が遊びに誘っても乗りませんが、タヌキは子煩悩で親子が一緒に遊んであげるようです。 



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