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2026/09/21

ホオノキの樹上で巨大な集合果をこじ開けて種子を食べるハシブトガラス(野鳥)種子散布

 

2026年9月上旬・午後15:40頃・くもり 

川沿いの住宅地を散歩していたら、廃屋の裏庭で高木の枝葉が不自然に揺れているのが気になりました。 
少し遠かったのでカメラでズームインして見ると、少なくとも2羽のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)がホオノキで食事中でした。 
カーカー♪という、ハシブトガラス特有の澄んだ鳴き声も聞こえます。 

ハシブトガラスは、ホオノキの赤くて細長い集合果を太い嘴でこじ開けると、赤い種皮に包まれた種子をひと粒ずつ飲み込みました。 

カラスが袋果を摘み出すときに、まるで納豆が糸を引くように粘液が長く伸びるのが面白く思いました。 
てっきりカラスが唾液を垂らしているのかと撮影中は思ったのですけど、そうではなくて、ホオノキの種子を保護する分泌物なのだそうです。 
食事中のカラスが嘴に付着した粘液を拭き取る仕草が見られなかったのが不思議です。 
次に機会があれば、私も自分でホオノキの集合果を分解して、粘液または糸の存在を確かめてみるつもりです。 

このハシブトガラス個体は、頭部の羽毛が抜け落ちて剥げています。 
病的な症状なのかと心配したのですが、ちょうど羽根が生え変わる時期(換羽中)なのだそうです。 
口内が黒いので、成鳥でした。 

ホオノキの種子をいくつも食べて満足したのか、ハシブトガラスはホオノキから飛び去りました。 

カメラを上にパンすると、ホオノキの樹冠部で別個体のハシブトガラスが留まっていました。 
この個体は、カメラを向ける私に対して警戒心が強く、ホオノキの大きな葉の陰に隠れてしまいます。 
隣の横枝に移動して、羽繕いを始めました。 
この個体は頭部が剥げていません。 
もう採食シーンを見せてくれそうにないので、撮影を打ち切りました。 




【考察】 
ホオノキの袋果や種子を食べる生き物を観察したのは、これが2例目です。
関連記事(11年前の撮影)▶ ホオノキの果実を採食するニホンザル

カラスが丸呑みしたホオノキの種子は未消化のまま糞と一緒に遠くで排泄されます。 
したがって、ハシブトガラスはホオノキの種子散布に貢献していることになります。 
ホオノキの種子散布は、鳥による被食型の動物散布です。 
カラスはホオノキの種子を丸ごと飲み込んでいましたけど、種子捕食者ではなくて、種子を包んでいる薄い果肉が目当てなのです。 

今回ホオノキの種子を食べていたカラスが、太くて頑丈な嘴をもつ森林性のハシブトガラスだったのは、重要なポイントかもしれません。 
非力なハシボソガラスはホオノキの集合果をこじ開けて種子を食べることができないのか、そもそも平原性のハシボソガラスはホオノキが自生する山林に行かないのかもしれません。 

『植物の世界―ナチュラルヒストリーへの招待〈第2号〉 (Newton special issue)』という本にホオノキの生活史について詳しく書いてあったことを思い出して、久しぶりに紐解いてみました。
 ホオノキの果実は多数の雌しべが集まったもので、集合果とよばれる。種子を包んでいるがんじょうな果皮は心皮が木質化してかたくなったものである。果皮が裂けると種子が赤く色づき、種子を運んでくれる鳥たちに信号を送る。しかし果皮は裂開してもなお種子をしっかりと包みこんでおり、種子をついばむことができるのは大きくて強いくちばしをもつ鳥だけである。 
 アカゲラなどのキツツキの仲間は(中略)秋にはホオノキの種子をついばみに訪れる。(中略)種子は吐きもどされるか、またはふんにまじって散布される。 
 しかし、親木の近くでホオノキの実生がみつかるほとはほとんどない。ホオノキの種子は木を切り倒した跡などの開けた場所で発芽する。発芽のチャンスがめぐってくるまで、土の下で何年も待ちつづけるものと考えられる。またアカゲラは親木からはなれた場所に種子を運び、発芽のチャンスを大きくしてくれているのである。 (p38より引用)
このムック本では、アカゲラというキツツキの仲間がまさにホオノキの種子を食べる様子を見事な精密画で描いていましたが、種子散布者としてカラスへの言及はありませんでした。 


かなり面白いテーマなので、Perplexity AIに色々と相談してみました。 

Q1: ホオノキの種子は粘液に包まれているのか?

A1: ホオノキの種子は、粘液というより肉質の仮種皮(赤い部分)とその下の白い果肉質の中層に包まれていますが、これが「粘い液」のように見える・感じられる場合があります。 ameblo

種子の構造と「粘液」の正体

ホオノキの種子は、以下のような多層構造になっています。 pianix.exblog

  • 外層(仮種皮): 朱色~赤色で、鳥を惹きつける目立つ色。 hro.or
  • 中層: 肉質で白っぽく、果肉状。鳥が食べる部分。 poohchan-cute
  • 内層: 黒褐色で堅い、実際の胚を含む種子本体。 poohchan-cute

この肉質の中層部が、熟した果実から種子が現れる際に、粘り気のある液のように見えることがあります。 ameblo

現場観察での「粘い液」

ある観察記録では、次のように記されています。 ameblo

「ホオノキの実は15cmぐらいの集合袋の中に赤い実が入っていて、実が落ちるときに粘い液をつけてぶら下がっているのを見ました。」 ameblo

これは、肉質の仮種皮・中層が熟して柔らかくなり、糸状の珠柄(白い糸)でぶら下がっている状態が、粘液に包まれているように見えるためと考えられます。 ameblo

種子散布の仕組み

この赤い仮種皮と白い肉質部は、鳥類による種子散布を促すための適応です。 poohchan-cute

  • キツツキ、ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、ヤマガラなどが赤い種子に惹かれて果肉質の中層を食べる。 poohchan-cute
  • 堅い内層(胚を含む黒褐色の部分)は消化されず、糞とともに排泄されて広範囲に散布される。 poohchan-cute

結論

ホオノキの種子は、粘液そのものに包まれているわけではありませんが、肉質で柔らかい仮種皮・中層が熟すと、粘り気のある液状に見えることがあります。 これは、鳥による種子散布を促すための適応構造の一部です。 ameblo

 


Q2: ハシブトガラスがホオノキの実を採食する様子を観察していたら、種子を咥えながら嘴から粘液をだらっと垂らしたのです。この粘液はカラスの唾液ではなくて、ホオノキの果実に由来する成分ですよね?

A2: はい、その粘液はカラスの唾液ではなく、ホオノキの果実(種子の仮種皮・中層)に由来する成分である可能性が極めて高いです。

根拠

1. ホオノキ種子の構造

ホオノキの種子は、以下のような多層構造になっており、肉質の仮種皮と中層が鳥に食べられる部分です。

  • 外層(仮種皮): 朱色~赤色で、鳥を惹きつける目立つ色。
  • 中層: 肉質で白っぽく、果肉状。鳥が食べる部分。
  • 内層: 黒褐色で堅い、実際の胚を含む種子本体。

この肉質の中層部が、熟した果実から種子が現れる際に、粘り気のある液のように見えることがあります。

2. 現場観察での「粘い液」

ある観察記録では、次のように記されています。

「ホオノキの実は15cmぐらいの集合袋の中に赤い実が入っていて、実が落ちるときに粘い液をつけてぶら下がっているのを見ました。」

これは、肉質の仮種皮・中層が熟して柔らかくなり、糸状の珠柄(白い糸)でぶら下がっている状態が、粘液に包まれているように見えるためと考えられます。

3. カラスの採食行動

ハシブトガラスは、ホオノキの赤い仮種皮と肉質の中層を咥えて食べる際、果肉質の部分が嘴から垂れる様子が観察されます。 これは、カラスが種子本体(堅い内層)を残して、柔らかい肉質部だけを摂取しようとする行動の一部です。

結論

あなたが観察した「嘴からだらっと垂れた粘液」は、ホオノキの種子の仮種皮・中層に含まれる肉質で粘性のある成分であると考えられます。 カラスの唾液ではなく、果実自体の構造に由来するものです。


Q3: 撮れた動画を見直すと、カラスがホオノキの種子を摘み出したときに、まるで納豆が糸を引くように、種子からも白っぽい粘液が長く糸を引いていることがあった。確かにカラスの唾液ではなさそうです。


A3: その観察は非常に貴重です!「納豆が糸を引くように」白っぽい粘液が長く糸を引くという現象は、ホオノキの種子が粘液(mucilage)を分泌することを示す直接的な証拠ですね。[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][uv][mdpi]

植物の種子粘液(mucilage)

粘液の性質

多くの植物の種子は、水に触れると多糖類(pectins, cellulose, hemicelluloses)からなる粘液を分泌します。[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][mdpi]

"Seed and fruit mucilage is composed of three types of polysaccharides—pectins, cellulose, and hemicelluloses—and demonstrates adhesive properties after hydration."[pmc.ncbi.nlm.nih]

"When wetted, the seed coat swells into a viscid mass; when dried, the mucilage strands strongly cement the seed to whatever it is in contact with."[biorxiv]

粘液の機能

種子粘液には、以下のような生態学的機能があります。[pmc.ncbi.nlm.nih][uv][mdpi][biorxiv][botany]

  1. 種子の固定: 粘液が乾燥すると、種子を基質に強く接着させる[biorxiv][uv][biorxiv]
  2. 発芽促進: 水分を保持し、発芽に適した微小環境を作る[pmc.ncbi.nlm.nih][mdpi]
  3. 捕食者からの保護: 粘液が種子を地面に固定することで、アリなどの種子捕食者から逃れる[botany][functionalecologists]
  4. 動物散布(zoochory): 湿った粘液が粘性を示し、動物の嘴や消化管に付着しやすくする[biorxiv]

    "Wet mucilage is still sticky, which may be important for zoochorous dispersal."[biorxiv]

ホオノキ種子の粘液

仮種皮・中層の構造

ホオノキの種子は、以下のような多層構造になっており、肉質の仮種皮と中層が粘液を分泌する可能性があります。

  • 外層(仮種皮): 朱色~赤色で、鳥を惹きつける目立つ色
  • 中層: 肉質で白っぽく、果肉状。鳥が食べる部分
  • 内層: 黒褐色で堅い、実際の胚を含む種子本体

「納豆のように糸を引く」現象

あなたが観察した「納豆が糸を引くように」白っぽい粘液が長く糸を引く現象は、種子の仮種皮・中層に含まれる多糖類が、唾液や水分と反応して粘性を示したと考えられます。

これは、以下の理由からカラスの唾液ではなく、種子由来の粘液である可能性が極めて高いです。

  1. 時期: 9月上旬はホオノキの種子が熟し、仮種皮が柔らかくなる時期
  2. 外見: 白っぽい粘液が「糸を引く」様子は、植物の種子粘液(mucilage)の典型的な性質[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][mdpi]
  3. 機能: 粘液が粘性を示すことで、鳥の嘴に付着しやすく、種子散布に貢献している可能性[biorxiv]

結論

あなたが動画で観察した「納豆が糸を引くように」白っぽい粘液が長く糸を引く現象は、ホオノキの種子の仮種皮・中層から分泌された粘液(mucilage)である可能性が極めて高いです。[pmc.ncbi.nlm.nih][biorxiv][mdpi]

これは、種子散布のための適応として機能している可能性があります。 粘液が粘性を示すことで、カラスの嘴に付着しやすく、種子が運ばれやすくなっているのかもしれません。[biorxiv][botany]


Q4: ホオノキの種子散布の様式は、鳥による被食型の動物散布か?


A4:はい、ホオノキの種子散布は、**鳥による被食型の動物散布(endozoochory)**です。 pmc.ncbi.nlm.nih

証拠と特徴

1. 種子の構造が被食散布に適応

ホオノキの種子は、典型的な被食散布(endozoochory)適応を示しています。 pmc.ncbi.nlm.nih

  • 仮種皮(sarcotesta): 肉質で赤色、鳥を惹きつける pmc.ncbi.nlm.nih
  • 種皮内層(sclerotesta): 堅く木質で、消化管通過から胚を保護 pmc.ncbi.nlm.nih

"Magnolia seeds exhibit typical endozoochory. The seed coats have sarcotestas and sclerotestas." pmc.ncbi.nlm.nih

2. 鳥類による採食の記録

複数の研究で、ホオノキの種子が鳥に食べられることが確認されています。 pubmed.ncbi.nlm.nih

  • 長距離種子散布: 鳥類による長距離散布が、遺伝子流動の主要原因とされる pubmed.ncbi.nlm.nih
  • 採食鳥種: マグノリア属の種子を食べる鳥は9種記録され、ツグミ類が重要な消費者 tandfonline

3. 消化管通過による発芽促進

鳥の消化管を通過することで、仮種皮が除去され、発芽率が向上します。 tandfonline

"Without the removal of the sarcotesta, magnolia seeds do not germinate at all." tandfonline

これは、被食散布の典型的な特徴です。 hro.or

被食散布の定義

動物被食散布(endozoochory): 動物に食べられることによって運ばれ、糞と共に排出されるもの。 hro.or

ホオノキの場合:

  • 鳥が赤い仮種皮と肉質の中層を食べる tandfonline
  • 堅い内層(胚を含む)は消化されず、糞とともに排泄される pmc.ncbi.nlm.nih
  • 仮種皮が除去されることで発芽が促進される tandfonline

結論

ホオノキの種子散布は、**鳥による被食型の動物散布(endozoochory)**に明確に分類されます。 赤い仮種皮と堅い種皮という構造は、この散布様式への典型的な適応です。 pmc.ncbi.nlm.nih


Q5:ホオノキの種子を丸呑みにした鳥は、消化できない種子を糞と一緒に排泄するというのが、種子散布のストーリーです。ペリットとして吐き出すことはないのか?

A5: はい、ペリットとして吐き出される可能性はあります。ただし、ホオノキについて「鳥が種子をペリットで排出した」と直接確認した資料は、今回確認できた範囲では見当たりません。したがって、現時点では「起こり得るが、ホオノキで実証済みとは言えない」というのが正確です。

糞とペリットの違い

鳥の種子散布には、少なくとも二つの経路があります。

  • 糞として排出: 種子が消化管を通過し、果肉などが消化された後に排泄される。
  • ペリットとして吐き戻し: 消化できない物質が、砂嚢から食道を逆流して口から吐き出される。 digital-museum.hiroshima-u.ac

種子を含むペリットは、猛禽類だけのものではありません。ムクドリやヒタキ類などが、種子をペリットとして吐き出す観察例もあります。 鳥類では、比較的大きな種子はペリット、小さな種子は糞に入りやすいという可能性も指摘されていますが、これは鳥種や種子の大きさ、果実の食べ方によって変わります。 hirahaku

ホオノキの場合

ホオノキの種子は、赤い仮種皮に包まれた後、黒っぽい硬い種皮をもつ比較的大きな種子です。そのため、カラスが丸ごと飲み込んだ場合、次の二つの経路が考えられます。

  1. 種子が消化管を通過し、糞と一緒に排出される。
  2. 硬い種子が砂嚢などに残り、ペリットとして吐き戻される。

ただし、ハシブトガラスは雑食性で、採食物を一律にペリット化する鳥ではありません。種子の大きさ、硬さ、仮種皮の残り具合、飲み込んだ量、消化管内での滞留時間などによって、糞と吐き戻しのどちらになるかが変わると考えられます。カラス類の種子散布研究でも、糞とペリットでは種子散布距離や含まれる種子の特徴が異なる可能性が議論されています。 esj.ne


結論として、ホオノキの種子がペリットとして吐き出される可能性は十分あります。しかし、今回の「種子から白い粘液が長く糸を引いた」現象自体は、ペリットではなく、採食時に残った仮種皮・果肉質部、あるいは種子表面の粘質物が伸びたものと考えるのが自然です。


Q6: 鳥がペリットで吐き出した種子の発芽能力はどうなっているか? 消化管を通過して種皮が傷つくことが発芽に必須なのか? 


A6:はい、ペリットで吐き出された種子でも、発芽能力を保っていることが多いです。むしろ、糞として長時間消化管を通過した種子より、ペリットとして比較的早く吐き戻された種子のほうが、発芽率が高い場合さえあります。 sora.unm

ペリット種子の発芽能力

ペリットは、種子が鳥の消化管を通過して完全に分解されたものではなく、砂嚢や胃に残った不消化物を比較的短時間で吐き出したものです。そのため、種子が生きていれば発芽できます。

実際、鳥に摂食された種子について、胃内容物・吐き戻し試料の発芽率が糞中の種子より高かった研究があります。 また、ハワイの在来植物を対象にした研究でも、糞として排出された種子とペリットとして吐き出された種子の双方で、未摂食の種子と同等またはそれ以上の発芽が確認されています。 sora.unm

種皮の傷は必須か

必須ではありません。 種皮が傷つくことは発芽を促進する場合がありますが、すべての植物で必要なわけではありません。

鳥の消化管によって起こり得る作用は、主に次の三つです。

  • 果肉や仮種皮の除去。
  • 種皮表面の軽い擦過・傷つき。
  • 胃液や消化液による化学的な処理。

このうち、種皮の擦過によって吸水性が高まり、発芽が速くなったり発芽率が上がったりする種があります。一方、種によって反応は異なり、鳥を通過しても発芽率がほとんど変わらない種や、強い消化作用で逆に損傷する種もあります。 journals.plos

特に重要なのは、種皮を傷つけることと、種子を殺さずに保護構造を維持することのバランスです。実験では、人工的に傷をつけた種子は、未処理種子より消化液や腸内環境に弱くなる場合もありました。 journals.plos

ホオノキではどうか

ホオノキ属では、鳥が赤い仮種皮(sarcotesta)を除去し、消化管を通過させることで発芽が促進されることが報告されています。 ホオノキの種子で重要なのは、必ずしも「硬い種皮に穴を開けること」ではなく、まず赤い仮種皮や粘質・果肉質の部分を除去することです。 coalicionfloresta

つまり、ホオノキでは次のように整理するのがよいでしょう。

処理発芽への意味
仮種皮が付いたまま発芽抑制や吸水阻害が起こり得る
ペリットで吐き出す仮種皮除去と軽い物理的処理により発芽可能性が高まる可能性
糞として排出仮種皮除去の効果に加え、消化管通過の影響を受ける
強い擦過・長時間消化胚を傷め、発芽率を下げる可能性

ただし、ホオノキ(Magnolia obovata)の種子が、ハシブトガラスのペリットで吐き出された場合の発芽率を直接測定した研究は、今回確認できませんでした。したがって、「ペリット種子は必ず糞中の種子より発芽率が高い」とまでは断定できません。

観察上の重要な点

ホオノキの種子では、カラスが次のどの段階で種子を排出したかが重要です。

  • 赤い仮種皮だけを嘴で取り除いて吐き出した。
  • 種子を一度飲み込み、短時間後にペリットとして吐いた。
  • 長時間後に、種子を糞とともに排出した。

最初の場合でも、仮種皮が除去されていれば、発芽に有利な前処理になり得ます。したがって、ペリットでなくても、カラスが種子を咥えて仮種皮を剥がし、地上へ落とすだけで、種子散布者として機能する可能性があります。

結論として、ペリットで吐き出されたホオノキ種子も生存して発芽できる可能性は高いが、種皮の傷つきは必須ではないと考えられます。ホオノキでは、種皮の物理的な傷よりも、赤い仮種皮・粘質部の除去が発芽に重要である可能性が高いです。 coalicionfloresta


Q7:哺乳類でホオノキの果実を食べる者はいないのか? 木に登るニホンザルやツキノワグマ、ホンドテン、ハクビシンなど

A7:はい、哺乳類もホオノキの果実を食べます。特にツキノワグマとホンドテンが重要な消費者・種子散布者として記録されています。 jstage.jst.go

哺乳類による採食の記録

ツキノワグマ

ツキノワグマはホオノキの果実を採食することが確認されています。 jstage.jst.go

  • 重要な種子散布者: ツキノワグマとホンドテンが、主に長距離の種子散布を担う tuat.ac
  • 採食量: 1回の訪問当たりに採食する果実量が特に多い tuat.ac
  • 食痕: 調査区内のホオノキにツキノワグマの爪痕が数多く見つかった記録がある eco-museum

"ツキノワグマ(Takahashi et al. 2008; Koike et al. 2008a)やテン(Otani 2002)などの食肉目(Koike et al. 2008b)も日本では重要な種子散布者である。" jstage.jst.go

ホンドテン

ホンドテンもホオノキの果実を採食し、種子散布に貢献しています。 jstage.jst.go

  • 長距離散布: ツキノワグマと共に、長距離の種子散布を担う主要な哺乳類 tuat.ac
  • 食肉目: テン科のホンドテンは、果実食(frugivory)の傾向が強い pref.nagano.lg

ニホンザル

ニホンザルも果実食者(frugivore)として記録されていますが、ホオノキに特化した記録は少ないです。 tuat.ac

  • 雑食性: 植物の葉や果実・種子、樹皮・冬芽・昆虫・両生類・キノコなど、様々なものを採食 moonbearjourney
  • 種子散布者: 日本ではニホンザルも重要な種子散布者の一つ tuat.ac

ハクビシン

ハクビシンに関する直接的な記録は見つかりませんでした。ただし、ハクビシンは果実食性が強く、多くの樹木の果実を食べることが知られています。 pref.nagano.lg

哺乳類と鳥類の役割の違い

散布者 特徴 散布距離
鳥類 カラス、ツグミ類など 中〜長距離 pubmed.ncbi.nlm.nih
ツキノワグマ 1回の採食量が多い 長距離 tuat.ac
ホンドテン 果実食性が強い 長距離 tuat.ac
ニホンザル 雑食性だが果実も食べる 中距離 tuat.ac

結論

ホオノキの果実は、鳥類だけでなく、哺乳類(特にツキノワグマとホンドテン)にも食べられています。 これらの哺乳類は、鳥類と同様に被食型の種子散布(endozoochory)に貢献しており、特に長距離散布において重要な役割を果たしています。 jstage.jst.go

ただし、都市近郊ではカラスが主要な種子散布者となっているとの報告もあります。 pubmed.ncbi.nlm.nih


Q8:野生動物(哺乳類)の糞内容物調査でホオノキの種子が検出されたのか?

A8:はい、野生哺乳類の糞内容物調査でホオノキの種子が検出された記録があります。特にツキノワグマとホンドテンの糞からホオノキ種子が確認されています。 tandfonline

糞内容物調査の記録

食肉目(ツキノワグマ、テンなど)による研究

Koike et al. (2008) の研究では、冷温帯落葉広葉樹林において、食肉目5種の糞から17植物種の種子が回収され、その中にホオノキ(Magnolia obovata)が含まれていました。 tandfonline

"Seeds from 17 plant species, representing about 50% of the fleshy-fruited plants occurring in the study forest, were recovered from the carnivore fecal samples." tandfonline

この研究で対象となった食肉目は:

  • ツキノワグマ (Ursus thibetanus)
  • ホンドテン (Martes melampus)
  • ニホンイタチ (Mustela itatsi)
  • ホンドキツネ (Vulpes vulpes)
  • タヌキ (Nyctereutes procyonoides)

糞中の種子の健全性

食肉目の糞から回収された種子は、**ほぼ完全に健全(intact)**であることが確認されています。 web.tuat.ac

"Almost all seeds within feces of both mustelids were intact." repository.kulib.kyoto-u.ac

"採食や消化過程においてこれらの食肉目は液果の種子をほとんど破壊しないことを明らかにしました。" web.tuat.ac

種子散布距離

森林総合研究所の研究(2016)では、糞内容物調査と酸素同位体比分析を組み合わせて、標高方向の種子散布距離を測定しました。 tenbou.nies.go

哺乳類 平均散布距離
ツキノワグマ 平均 307 m(標高の高い方向) tenbou.nies.go
ホンドテン 平均 193 m(標高の高い方向) tenbou.nies.go

糞に種子が含まれる割合

別の研究では、各哺乳類の糞のうち種子が含まれていた割合が報告されています。 foundation.tokyu.co

哺乳類 種子を含む糞の割合
ツキノワグマ 86.8% foundation.tokyu.co
ホンドテン 70.8% foundation.tokyu.co
アナグマ 57.8% foundation.tokyu.co
タヌキ 59.6% foundation.tokyu.co
キツネ 41.6% foundation.tokyu.co

結論

ホオノキの種子は、ツキノワグマとホンドテンの糞内容物調査で確実に検出されています。 これらの哺乳類は、種子をほとんど破壊せずに消化管を通過させ、長距離(平均 200–300 m)の種子散布に貢献しています。 tandfonline


Q9:ホオノキ種子を食べていたハシブトガラス個体(成鳥)は、頭部の羽毛が抜けていて少し剥げていた。この時期(9月上旬)は換羽中なのか? それとも病的な症状か?


A9:その個体の頭部の羽毛が抜けていたのは、9月上旬という時期から考えて、換羽(も羽)のピーク時の正常な現象である可能性が極めて高いです。 ja.wikipedia

ハシブトガラスの換羽時期

換羽のスケジュール

ハシブトガラスの換羽は、以下のようなスケジュールで進行します。 jstage.jst.go

項目 ハシブトガラス
換羽開始 6月上旬(雛の巣立ち後) jstage.jst.go
換羽終了 9月下旬〜10月上旬 jstage.jst.go
換羽期間 約110〜120日(初列風切羽) jstage.jst.go
ピーク 7月下旬〜9月 carasblog

9月上旬の換羽状態

9月上旬は、ハシブトガラスの換羽がピークを迎える時期です。 carasblog

"7月下旬からゆっくりと換羽が始まり、9月に入ってピークを迎えた。" carasblog

"彼らは例年、7月から9月下旬にかけて、ゆっくりと羽毛が生えかわっていく。" carasblog

"顔の周りの羽毛がごっそりと抜ける時期が換羽のピークである。" carasblog

頭部の脱羽

カラス類では、春〜初秋の換羽期間に頭部の脱羽が起こることが知られています。 akaitori3.web.fc2

"|頭部の脱羽|春〜初秋の換羽期間に起こる。カササギ類で特に多く、頭の全ての羽毛を一度に換羽。" akaitori3.web.fc2

また、換羽中のカラスでは、**頭部が「濡れたように見える」または「脂っぽく見える」**状態になることが報告されています。 reddit

"It seems they are shedding their feathers, which frequently results in a rather disheveled appearance." reddit

病的な症状との区別

換羽による正常な状態

  • 時期: 6月〜10月(特に7月〜9月) jstage.jst.go
  • 外見: 頭部の羽毛がまばら、または一部が剥げて見える carasblog
  • 行動: 正常に採食・飛行可能 note

病的な症状の可能性

以下のような場合は、病的な状態(寄生虫、感染症、栄養不良、ストレスによる自傷行動など)が疑われます。 ja.wikipedia

  • 時期外: 換羽期(6月〜10月)以外での脱羽
  • 広範囲: 頭部以外の広範囲で羽毛が抜けている
  • 行動異常: 採食・飛行に支障がある
  • ストレス: ストレスを受けると自然な換羽ではなく、自ら羽毛を引き抜く自傷行動がしばしばみられる ja.wikipedia

結論

あなたが9月上旬に観察した個体の頭部の羽毛が抜けていたのは、換羽のピーク時における正常な現象である可能性が極めて高いです。 特に「顔の周りの羽毛がごっそりと抜ける時期」が換羽のピークであり、頭部が剥げて見えることは珍しくありません。 jstage.jst.go

ただし、その個体が正常に採食・飛行できていれば、病的な症状ではなく、季節的な換羽の一部と判断してよいでしょう。 note



2026/08/13

エゾタンポポ種子の風散布を実演【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年5月上旬・午後14:50頃・くもり 

田んぼの農道にエゾタンポポの小群落があり、花が咲いていました。 
一部の花はもう咲き終わり、白い冠毛(綿毛)がきれいな放射状に広がっていました。 
タンポポの果実は痩果(そうか)です。 
その冠毛を指で軽くなぞったり茎を揺すったりするだけで、ほぐれた(分離)痩果が風に乗って飛散します。 
空気抵抗の大きな冠毛のおかげで地面に落下するまでの滞空時間が長くなり、その間に遠くまで移動できるのです。
つまり、タンポポの種子は、風の力で分布を広げます。(風散布)

エゾタンポポの種子が風散布される実演を、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:43〜) 
昔BBCが制作した自然番組のオープニングを真似して、息を強く吹き付けてタンポポの綿毛を飛ばすシーンもスーパースローで撮りたかったのですが、三脚がないと無理でした。 
(エアダスターのスプレー缶を使えば、独りでも綿毛を吹き飛ばす撮影が可能になりそうです。) 

最後に頭花をめくって総苞片の形状を確認し、エゾタンポポであることを示しました。 
総苞片が反り返っていれば、帰化植物のセイヨウタンポポです。 



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2026/07/25

落ちているオニグルミの堅果を次々に拾って隠したり食べたり持ち去ったりするハシボソガラス(野鳥)貯食行動

 

2025年4月上旬・午後14:10頃・晴れ 

蓮池の岸が少し斜面になっていて、スギの落ち葉やオニグルミの落果が大量に散乱しています。 
平地なので残雪はもう完全に溶けています。 

1羽のハシボソガラス(Corvus corone)が土手を歩き回り、餌を探していました。 
オニグルミの落果を選り好みした後で、1個を咥えてトコトコ歩いて行きます。 
地面に浅く埋めると、落ち葉を被せて隠蔽しました。 
しかし貯食場所として適していないと判断したようで、クルミの実を再び拾い上げて運んで行きます。 
土手のもう少し上の地点に埋めて隠し直し、広葉樹やスギの落ち葉(枯葉)を被せて隠蔽工作も抜かりありません。 

探餌徘徊に戻ったハシボソガラスは、2個目のオニグルミ堅果を咥えたまま歩き去ります。
クルミ堅果を地面に置いて足で押さえつけながら嘴でつついたのは、地中に埋めるつもりだったのでしょう。 
ところがクルミの殻が割れてしまったようで、中身をほじくる採食行動に切り替えました。 
カラスが高所からの投げ落とし行動をしないでクルミの殻が割れてしまい、中身を食べたのは初見かもしれません。 

食後のカラスがホッピングして移動したのは、機嫌よくスキップした訳ではありません。 
池の岸に上陸していたカルガモを追い散らしたのです。 
ハシボソガラスの歩行はウォーキングを主体とするので、ホッピングする姿は珍しいです(ハシブトガラスと逆)。 
カルガモは池に飛び込んで避難しました。 

餌の探索に戻ったハシボソガラスが、落ちているクルミを吟味物色しています。 
3個目のオニグルミ堅果を選んで咥えると、歩いて運搬。 
土手を少し登った地点に浅く埋めると、落ち葉を被せて上手く隠しました。 

4個目に拾ったクルミの実を咥えたまま飛び立ちました。 
池の上空を低く飛ぶと、民家のトタン屋根を飛び越えながら脱糞し、市街地へ飛び去りました。 
今度は硬い路上に投げ落としてクルミの殻を割り、中身を食べるのでしょう。 


【考察】
落ちていたオニグルミ堅果をハシボソガラスが短時間に次々と貯食しました。 
落ちていた地点から少し歩いて運んでから埋め直したのがポイントです。 
クルミの実を隠した地点を全て記憶しておいて、後日食べに来るはずです。 
忘れたり食べ残してしまったオニグルミの堅果からやがて発芽するので、カラスはオニグルミの種子散布に協力していることになります。

2026/07/19

キジ♂はヤブコウジの赤い実を食べるか?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2025年4月上旬・午後15:20頃・くもり・気温16℃ 

スギ防風林の林床に常緑小低木ヤブコウジの群落があります。 
秋になると果実(液果、核果)が赤く熟すので、被食型の動物散布で分布を広げていることが予想されます。 
種子散布者を突き止めるために、自動センサーカメラでヤブコウジの群落を見張ることにしました。 
雪国では冬の間は深い雪の下に埋もれてしまうので、春になって雪が溶けるのを待って設置しました。 
林床にはタヌキなどが行き交う獣道が形成されています。

すると、ある日の午後にキジ♂(Phasianus versicolor)が登場しました。 
下草をついばみながら歩いていたものの、ヤブコウジの赤い実を食べるシーンは残念ながら撮れていません。 
なぜか監視カメラの起動が遅れてしまい、歩き去るキジ♂の姿がチラッと写っただけでした。 


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【考察】 
余談ですが、落語『寿限無』の途中で出てくる「やぶらこうじのぶらこうじ」とは、ヤブコウジのことらしいです。(wikipediaより)

しばらく監視しても結局、ヤブコウジの赤い実を食べに来る種子散布者の証拠映像は撮れず、このプロジェクトは失敗に終わりました。 
諦めてトレイルカメラを撤去した後で、いつの間にかヤブコウジの熟果が少しずつ無くなっていったので、もっと粘ればよかったかもしれません。 
春になってから思いつきで急遽始めたプロジェクトだったので、怪しいトレイルカメラの出現に野鳥が警戒してしまい、慣れるまで時間がかかったのかもしれません。 
ヒヨドリなど果実食性の鳥が食べに来ることを予想していたのに、残念でした。 
とにかく撮影確率が低いので、監視カメラの数をもっと増やさないと難しそうです。 
冬の間から監視カメラを設置して、鳥に慣れてもらう必要がありそうです。
ヤブコウジ熟果の減り具合を定量的に調べるためには、全ての果柄に予めテープを巻いておくなどして、目印を付けておく必要がありそうです。

Perplexity AIに相談してみました。

Q1: キジに果実食のイメージがあまりないのだが、林床の果実を採食するだろうか? 具体的には、ヤブコウジの赤い実をキジが食べることはあるだろうか?

A1: キジ(Green Pheasant)は雑食性で、地上を歩きながら植物質や動物質を幅広く採食する鳥です。植物質の中では、ハコベ、ヨモギ、ドングリ、キイチゴ、アケビなどの果実も含まれています[kajyu]。また、キジは地表にある果実を食べることがあり、特に冬季には果実や種子が全体の食餌の大部分を占めることもあるため、地面に落ちた果実を採食する可能性は十分にあります[jstage.jst.go]。

一方で、ヤブコウジ(十両)の赤い実については、人間には渋みが強く食用には適さないとされていますが、小鳥などの動物による採食が確認されています[midorigumi]。林床植物の赤い実は鳥類によって持ち去られることが多く、種子散布に寄与していることも示唆されています[bird-research]。

キジがヤブコウジの赤い実を食べるかどうかについては明確な記録はありませんが、キジの雑食性と地表で果実を採食する習性から考えると、その可能性は十分にあると言えます。ただし、ヤブコウジの実が他の動物や鳥類に比べてどれほど好まれるかについてはさらなる観察が必要です。


Q2: ヤブコウジの種子散布者について調べられているか?


A2: ヤブコウジの種子散布者に関する研究

主要な種子散布者

ヤブコウジ(Ardisia japonica)の種子散布については、以下の動物が確認されています:

  • ヒヨドリ:日本の温帯林で主要な被食散布者として機能し、ヤブコウジの果実を採食することが自動撮影カメラで記録されています[kaken.nii.ac]。

  • ツグミ類(シロハラ、トラツグミなど):冬季に林床の赤い果実を採食し、種子散布に関与します[kaken.nii.ac]。

  • メジロ:小型鳥類ですが、果実を飲み込むことで種子散布に寄与する可能性があります[kaken.nii.ac]。

散布メカニズムと効率

  • ヒヨドリの重要性:口径が大きい鳥種(ヒヨドリなど)は果実を丸ごと飲み込む傾向が強く、種子の消化耐性も高いため、質的・量的に優れた散布効率を示します[kaken.nii.ac]。

  • 中型哺乳類の関与:一部の研究ではタヌキやアナグマなどが液果を採食する可能性が指摘されていますが、ヤブコウジに関する具体的なデータは限られています[nagoya.repo.nii.ac]。

研究手法と課題

  • 自動撮影カメラ:金沢大学や石川県立大学の調査では、ヤブコウジの結実個体にカメラを設置し、鳥類の採食行動を記録しています[kaken.nii.ac]。

  • ネットワーク分析:ヒヨドリは特定の植物と強い結びつきを持つ「モジュール型」の散布構造を示すことが予測されており、ヤブコウジもその対象となり得ます[kaken.nii.ac]。

今後の展望

  • ヤブコウジの種子散布はヒヨドリに依存する傾向が強い一方、果実の豊凶や森林構造(例:竹林伐採後の結実量増加)が散布効率に影響を与えることが示唆されています[kaken.nii.ac]。

  • 他の低木(ヒサカキ、ノブドウなど)との比較から、鳥類の選好性や散布距離の差異を解明する必要があります[academist-cf]。


2026/07/18

ホンドタヌキはヤブコウジの赤い実を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年4月上旬・午前0:05頃・気温4℃ 

スギ防風林の林床に群生する常緑の小低木ヤブコウジに秋になると果実(液果、核果)が赤く熟しました。 
冬になってもヤブコウジの赤い実は残ったままでした。
雪国でヤブコウジの群落は雪の下に埋もれてしまったのですが、春になって雪が溶けたので、種子散布者が熟果を食べに来る様子を自動センサーカメラで見張ることにしました。 
ちなみに、このスギ林には野生動物が行き交う獣道が形成されています。 

深夜に近所のホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
ところが監視カメラに気づいたようで、方向転換して引き返してしまいました。 
と思いきや、すぐにまた戻って来ました。 
怪しいカメラに気を取られたせいか、残念ながらタヌキはヤブコウジの赤い実を食べずに迂回してしまいました。 

ヤブコウジの小さな赤い果実は熟しても芳香がしないので、夜行性のタヌキは存在に気づかないのでしょう。 
しかし、明るい昼間でも食べに来ることはありませんでした。 
赤色を好む果実食性の鳥類を誘引するようにヤブコウジは進化してきたのでしょう。 



【考察】 
今回はトレイルカメラを設置した位置が低くてタヌキにバレてしまいました。
トレイルカメラでしばらく監視しても結局、ヤブコウジの赤い実を食べに来る種子散布者の証拠映像は撮れず、このプロジェクトは失敗に終わりました。 
諦めてカメラを撤去した後で、いつの間にかヤブコウジの熟果が少しずつ無くなっていったので、もっと粘ればよかったかもしれません。 


Q1: 哺乳類の野生動物がヤブコウジの赤く熟した果実を食べることはあるか? 

A1: ヤブコウジ(十両)の赤い果実は、主に鳥類(ヒヨドリ、ツグミ類、メジロなど)によって採食・散布されることが研究で確認されていますが、哺乳類による摂食記録は限定的です。以下に具体的な知見を整理します:

哺乳類の関与に関する証拠

  1. 中型哺乳類の可能性

    • タヌキやアナグマなどの中型哺乳類は、液果を採食する習性があり、ヤブコウジ科の植物(例:モクタチバナ)の種子散布に関与する可能性が指摘されています[nagoya.repo.nii.ac]。ただし、ヤブコウジに特化したデータは不足しています。

    • 自動撮影カメラを用いた調査では、ヤブコウジの果実を食べる鳥類(ヒヨドリなど)が優先的に記録され、哺乳類の関与は明確に確認されていません[bird-research]。

  2. 生態的な条件

    • ヤブコウジの果実は直径5~7mmと小さいため、ネズミなどの小型哺乳類が対象となり得ますが、現地調査では鳥類が主要な散布者とされています[bird-research]。

    • 哺乳類の関与が疑われる場合でも、鳥類に比べて種子の運搬距離が短く、発芽率への影響も未解明です[agriknowledge.affrc.go]。

考察

  • ヤブコウジの果実は赤色で鳥類に認識されやすい一方、哺乳類には視覚的なアピールが弱い可能性があります[akaitori3.web.fc2]。

  • 哺乳類が関与する場合、竹林や密生した林床など、鳥類のアクセスが困難な環境で観察される傾向がありますが、具体的な事例は稀です[city.kamakura.kanagawa]。

結論

現時点では、ヤブコウジの種子散布は鳥類依存型とされ、哺乳類の関与は補助的または偶発的と推測されます。今後の研究では、自動撮影カメラや糞分析による哺乳類の役割解明が待たれます。



Q2: 溜め糞場を形成するタヌキの糞内容物調査で、ヤブコウジの種子が検出されたことはあるか? 


A2: 結論から言うと、「タヌキの溜め糞場の糞分析でヤブコウジ Ardisia japonica の種子が検出された」という、種レベルまで明示した報告は、少なくともよく知られた文献では確認されていません。

既存のタヌキ糞内容物研究の傾向

タヌキの溜め糞場(ため糞場)に関する研究では、果実・種子の利用が詳しく調べられていますが、検出種として頻繁に挙がるのは以下のような樹木やツル植物です。

  • エノキ(Celtis sinensis)、ムベ(Stauntonia hexaphylla)、アケビ類など、比較的大型の液果をつける木本。[wmo.co]

  • サルナシ(マタタビ科)、ツルウメモドキ(ニシキギ科)などのつる性植物、ズミなどバラ科の果実。[tenbou.nies.go]

これらの研究では、溜め糞場から大量の種子が発芽し、実生群を形成することや、タヌキ・アナグマが二次種子散布者として機能しうることが示されていますが、掲載されている「種子リスト」にヤブコウジが含まれている例は見当たりません。[kyoto-u.ac]

ヤブコウジ種子が検出されない理由として考えられる点

  • ヤブコウジは林床の常緑小低木で、果実も小型で目立ちにくいため、タヌキの主要な餌資源としては相対的に重要度が低い可能性があります。

  • 多くの糞分析研究では、樹上や林縁の比較的大きな液果(サルナシ・エノキ・アケビ等)に焦点が当たりやすく、林床小低木の果実は検出されても「種レベル同定が困難」としてまとめて扱われている場合があります。

その結果、「ヤブコウジを明示的に同定して報告する」段階まで至っていない可能性があります。

現時点で言えること

  • タヌキが果実を多く食べること、溜め糞場に多種の種子が堆積すること、そして林床の実生形成に関与しうることは、多数の研究で示されています。[tenbou.nies.go]

  • しかし、「ヤブコウジの種子が溜め糞場から検出された」と明記した既存の糞分析結果は、少なくとも主要な報告・要約ベースでは確認できません。

したがって、可能性はあるものの「検出例が文献として示されている」とまでは現状言えず、「未確認/未報告(あるいは未同定)」と扱うのが妥当だと思われます。

2026/07/17

早春の林内で雪解け水の貯まった排水溝を飛び越えるニホンザルの群れ【トレイルカメラ】キカラスウリ落果を採食?

 

2025年4月上旬 

シーン0:4/7・午後13:37・くもり・気温15℃(@0:00〜) 
この冬は記録的な大雪が降ったので、春の訪れが少し遅れましたが、平地の二次林で林床に積もっていた雪がようやくほぼ溶けました。 

林内に謎の溝が掘られていて、その目的が分かりませんでした。 
隣接する田畑を灌漑する農業用水路を掘りかけて止めたのかと思っていました。 
この溝に雪解け水が貯まって、満水になりました。 
ただし、小川として水が一方向に流れている訳ではなくて止水です。 
本来はハンノキが占有する湿地の森だったようですが、開墾して田んぼにしたり防風林としてスギを植林したようです。
スギの根腐れ対策で林内の水はけを良くするために排水溝を掘ったのでしょうか。 
(冬の積雪が少ない年は、春になっても溝に雪解け水は貯まりません。) 
やがて貯まった雪解け水が涸れると、この溝は野生動物が行き交う獣道となります。 

早春に出現した水場で野生動物がどんな行動をするのか知りたくて、自動センサーカメラを設置してみました。 
排水溝の左にはスギが植林されていて、防風林となっています。
画面に左端に写っているスギの木の左下にはホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が排便に通う溜め糞場WBCがあり、これまでトレイルカメラで長期間の定点観察をしてきました。 


シーン1:4/9・午前7:37・くもり・気温6℃(@0:03〜) 
朝からニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが林床を遊動していました。 
どの個体も白っぽい毛皮で、まだ冬毛のようです。 
林内の残雪が消えると、逆に目立っています。 
白猿(アルビノまたは白変種)が右岸を歩き去る後ろ姿が写っていました。 

一方、画面の奥から親子(成獣1頭と子猿2頭)が右岸をこちらに向かって来ます。 
元気な子猿同士が岸辺でじゃれ合ったり、格闘遊びをしたり、追いかけっこ遊びをしたり、落葉灌木を登り下りしたりしています。 
猿たちが水路を跳んで対岸に続々と渡りました。 

画面の左端に奥から歩いて来た成獣個体に注目してください。 
タヌキの溜め糞場WBCに落ちていた黄色い物体に顔を近づけて何度も匂いを嗅いでいます。(@0:37〜) 
奥から走って来て合流した子猿も謎の黄色い物体に興味を示し、右手で触れました。 
残念ながら、せっかくいいところで録画が打ち切られてしまいました。 

この黄色い物体はおそらく、キカラスウリの落果だと思います。 
数日前には無かったので、誰かが運んできたのか、上から落ちたのでしょう。 

関連記事(同所で2、4ヶ月前の撮影)▶  

落葉樹に幾つもぶら下がっていたキカラスウリの黄色く熟した瓢果をニホンザルが冬に食べている(少なくとも味見している)ようなのですが、いまのところ状況証拠ばかりでした。


シーン2:4/9・午前7:40(@1:26〜) 
次に監視カメラが起動したときには、さっきのキカラスウリ落果が溜め糞場WBCから無くなっていました。 
強い興味を示したニホンザル母子のいずれかが持ち去ったようです。 
今回も採食シーンの決定的な証拠映像が撮れずに残念無念。 
キカラスウリの種子は被食型の動物散布で分布を広げます。
当地で種子散布者はニホンザルだろうと現時点では考えています。

排水溝の両岸で2頭の子猿が落葉灌木によじ登ったり、雪解け水を飲んだりしています。 


ニホンザルが排水溝を渡る跳躍シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜1:25、@1:39〜1:50、@2:03〜2:09、@2:58〜3:42、@4:22〜4:31) 
一気に跳んで渡る個体もいれば、溝の中から生えていたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の落葉灌木を経由して安全に渡る個体もいました。 
この灌木は、一時的に水没しても根腐れしない樹種なのでしょう。
ちなみに、第二の渡河法をやるのは、ニホンザルだけです。 
タヌキもアナグマもやらないのは、知能の問題というよりも、体の作りや運動能力の違いによるものでしょう。 
邪魔だからと言ってこの灌木を伐採してしまうと、サルは排水溝を渡りにくくなって困りそうです。 
ところが、現実の自然環境はもっと多様で、少し離れた位置で倒木が天然の丸木橋のようになっていて、野生動物が排水溝を渡れるようになっていました。(映像公開予定)


シーン3:4/9・午前11:00・くもり・気温9℃(@1:26〜)
2時間20分後にニホンザルの群れがまた戻って来ました。 


シーン4:4/9・午前11:10・くもり・気温12℃(@2:10〜) 


シーン5:4/9・午前11:14・くもり・気温11℃(@3:43〜) 
排水溝の水際で水面に口を付けて、雪解け水を飲んだようです。 
肝心の口元が見切れてしまって残念。 
灌木を経由せずに、右へ一気に跳んで渡りました。 
このニホンザル個体は右前足を怪我(手首の捻挫?)しているのか、着地しないように庇っているようです。 


シーン6:4/17・午後12:42・晴れ・気温23℃(@4:32〜) 
依然として排水溝に雪解け水が貯まったままです。


【考察】
ニホンザルがキカラスウリ落果を食べるかという問題と、猿が排水溝を跳び越える動画を2つに分割するべきでしたね。
次に機会があれば、冬の林内にぶら下がっているキカラスウリの熟した瓢果をトレイルカメラで見張り、説得力のある動画でニホンザルの採食シーンを撮ってみたいものです。
ヒヨドリなど果実食性の鳥が食べに来る可能性もありますが、どうもあまり人気がないようです。


つづく→


4月下旬に現場入りした際に、スギ林床で見つけたキカラスウリ落果の残骸を写真に撮りました。
これが野生動物や鳥の食べ残しなのか?という点が問題になります。









2026/06/21

サンシュユの樹上で熟した果実を食べるヒヨドリ(冬の野鳥)種子散布者

 

2026年1月上旬・午後12:40頃・晴れ 

道端の庭木として植栽されたサンシュユ(別名ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミ)が落葉後の真冬に赤い実をつけていました。
果実食性のヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)が採食に来ていました。 
初めはサンシュユ樹上に2羽居たのに、私がカメラを向けた途端に警戒して1羽が飛び去ってしまいました。 

残った図太い個体は、赤く熟したサンシュユの果実(熟果)を1個ずつ丸呑みしてから飛び去りました。 
強い逆光でほとんど鳥のシルエットしか見えず、撮影中はツグミかと勘違いしていましたが、動画を見るとヒヨドリでした。 

画像を補正して逆光を改善



サンシュユの果実は核果です。 
その種子散布は、被食型の動物散布です。 
甘い果肉を提供する代わりに鳥に運んでもらい、未消化の種子を糞と一緒に排泄してもらって新天地で芽生える戦略です。 
果実が熟すと赤く色づいて目立ち、鳥を引き寄せます。
残念ながら、今回のヒヨドリは樹上で脱糞してくれませんでした。 

順光側に回り込んでからサンシュユの赤い熟果を写真に撮ると、冬の空気が乾燥しているため、果肉の水分が少し抜けてシワシワでした(ドライフルーツ?)。 






関連記事(2、6年前の撮影)▶  


【アフィリエイト】 

2026/06/13

サクランボ果実の食べ方を幼鳥に教えるスズメの親鳥(野鳥)巣外給餌

 

2026年5月下旬・午後14:05頃・晴れ 

郊外の住宅地で物置小屋の錆びたトタン屋根にスズメ(Passer montanus)の親子が留まっていました。 
頬の黒斑が濃いのが成鳥で、巣立ったばかりの幼鳥は頬の黒斑が薄くて嘴の縁が黄色いのが特徴です。 
横に立つサクランボの庭木に果実が鈴なりに実り、赤く熟した落果や種子がトタン屋根にたくさん散乱しています。 

親鳥のスズメがサクランボの赤い落果を食べていました。 
ムクドリと違って体の小さなスズメは、サクランボ果実を丸呑みにするのではなく、果肉だけを啄んでいます。 
その近くで空腹の幼鳥が翼を小刻みに震わせて餌乞いしています。 
餌乞いに特有の鳴き声を発しているはずですが、カメラに対して後ろ向きですし、遠くから撮影していたので聞き取れませんでした。 
周囲でチュンチュン♪とにぎやかに鳴いているのは、別個体のスズメたちです。 

 幼鳥はすぐ横に落ちていたサクランボの種子を見つけると、興味を持ってつついてみたのの、餌ではないと悟って食べませんでした。 
幼鳥が駆け寄ると、親鳥は食べ残しのサクランボ落果を幼鳥とシェアして一緒に食べ始めました。 
親子で交互にサクランボの果肉を啄んでいます。 

やがて親鳥がそのサクランボ落果を丸ごと咥えると、器用に果肉だけを食べています。 
それを見て横の幼鳥が餌乞い(給餌の催促)を再開しました。 
スズメの親鳥は幼鳥にサクランボの食べ方を教えているようです。 
親鳥がその場に落とした食べ残しのサクランボを幼鳥がもらって食べ始めました。 
幼鳥も教わった通りにサクランボ熟果を丸ごと咥え、果肉だけをちびちび食べています。 

その間に親鳥はホッピングでトタン屋根を下り、幼鳥から離れて行きました。 
最後に幼鳥は、食べかけのサクランボ果実を咥えて飛び去りました。 


【考察】 
初夏に核果が実るサクランボの種子散布の戦略は、被食型の動物散布です。
スズメはサクランボ核果の果肉だけをついばみ種を捨てるので、普通はサクランボの種子散布者ではありません。 
しかし今回の事例では、スズメの幼鳥が食べかけたサクランボの果実を持ち去ったので、母樹から離れて分布を広げる種子散布を助けたことになります。

2026/06/09

サクランボの庭木で熟果を採食するムクドリ(野鳥)

 

2026年5月下旬・午後14:00頃・晴れ 

民家の裏庭でサクランボ果樹の果実が熟して赤く色づきました。 
果樹園のように防鳥ネットを被せる対策をしていないため、野鳥がサクランボ熟果を食べに集まっていました。 

サクランボを食害するムクドリ(Sturnus cineraceus)を見つけました。 
群れで来ていたのですが、私を警戒して次々に飛び去ってしまい、これは逃げ遅れた(図太い?)個体です。 

しばらくすると警戒をとき、枝から枝へ伝い歩きしてから、身を乗り出してサクランボの果実を食べました。 
果柄は枝に残したまま、丸い実だけを嘴で器用にもぎ取りました。 
手前に生い茂った若葉が邪魔ですが、ムクドリはサクランボの熟果を丸呑みしたようです。 
今度は後ろ向きでサクランボを丸ごと飲み込んでから、嘴を足元の枝で念入りに拭いました。 

風が吹いて果樹の枝がザワザワと激しく揺れています。 
家の住民がガレージ前で車にエンジンをかけて出かけても、樹上のムクドリは逃げませんでした。 
樹上で身震いしたり、小声で呟いたりしています。 
必要以上に嘴を激しく枝に擦りつけたのは、隠し撮りを続ける私に対してフラストレーションが溜まったのかもしれません。(苛立ちの転移行動?) 
最後は枝葉が生い茂るサクランボ果樹の中央部に移動して、私から完全に隠れてしまいました。 

サクランボを食べに集まったムクドリは後ろめたいのか(罪悪感?)ヒトに対して警戒心が強く、食事の決定的瞬間をなかなか撮らせてくれません。 

一緒に来ていたスズメの群れがチュンチュン♪鳴き続けています。 
スズメがサクランボを食べた映像も撮れました(近日公開予定)。


【考察】 
ご存知の通り、サクランボの果実(核果)には大きな種子が1個含まれています。
スズメと違って体の大きなムクドリは、サクランボの熟した果実を丸ごと飲み込みました。 
したがって、ムクドリはサクランボの種子散布者になります。 
採食後に排便してくれたら、種子散布の一部始終を撮影できたことになるのですが、残念ながら一度も脱糞しませんでした。

2026/05/30

水路の岸でオニグルミ堅果の殻を噛み割ろうと試す若いニホンザル

 

2024年9月中旬・午前11:25頃・晴れ 

山麓の涸れた用水路の中に居た若いニホンザル(Macaca fuscata fuscata)が、梯子を使わずに、垂直のコンクリート岸壁(高さ170cm)を身軽によじ登りました。 

水路沿いの草深い小径に落ちていたオニグルミ堅果を拾うと、力任せに噛んでみました。 
しかし子猿はまだ顎の力が弱く、硬いクルミの殻を割れませんでした。 
左右対称の殻のつなぎ目に歯を立てて割るというコツをまだ知らないようです。 
この後、若いニホンザルはオニグルミ堅果を持ち去ったのか、途中で捨てたのか、後ろ姿ではよく分かりませんでした。 

今回のニホンザルはオニグルミの種子を捕食できなかったので、短距離でも持ち去ったら、種子散布を助けたことになります。 
ニホンザルの成獣になると顎の筋力が増し、オニグルミ堅果の殻を噛み割って中の仁を食べるコツを学んだ個体がでてくるそうです(種子捕食者)が、私はまだその様子を観察できていません。

関連記事(1、2年前の撮影)▶ 

2026/05/28

ホウセンカ種子の爆発的自動散布【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年10月中旬・午後12:05頃・晴れ 

道端の花壇でホウセンカの花が咲いていました。 
ホウセンカと言えば、果実(蒴果)が熟すと破裂して種子をばらまくことで有名です。 
そのような種子散布の形式を自動散布とか機械散布と呼びます。 
蒴果が大きく膨らんでいたので、実演してみました。 

持参したピンセットで蒴果を摘んだら、パチンと弾けて褐色(焦げ茶色)の種子が飛び散りました。 
裂けた果皮がピンセットの先にクルクルと巻き付きます。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:13〜)

ホウセンカはツリフネソウ科です。 
個人的には園芸植物のホウセンカよりも野草のツリフネソウやキツリフネの方に馴染みがあるのですが、そう言われてみれば確かに似ていると納得しました。 


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うまく破裂して種子が飛び散ると爽快ですが、残念ながらこの日はまだホウセンカの蒴果が充分に熟していなかったようです。 
指やピンセットで強く押し潰す必要がありましたし、きれいに弾けないことが多かったです。 
黄緑色から茶色くなった蒴果が熟しているのかと思って選んでも、なかなか弾けませんでした。 
未熟な種子は薄い茶色でした。 
日を改めて実験をやり直すつもりが、忙しくなってやれませんでした。 
ホウセンカの蒴果を採集して、フライパンで乾煎りするとか強制乾燥させれば、ポップコーンのように豪快に弾けるのかどうか、試すのも面白そうです。 

なんとか蒴果が裂けたものの弾け飛ばなかった種子をビニール袋に採取して持ち帰りました。
写真に撮るつもりだったのに、忘れてそのうち紛失してしまいました。 


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【考察】 
Perplexity AIに相談してみました。 

Q1: ホウセンカは蒴果が破裂して種子を自動散布することで有名です。その様子を実験したいのだが、今にも破裂しそうな熟した蒴果を見分けるには?  弾ける前に蒴果の成熟度を見分けたいのであって、ごく軽い触刺激で弾けてしまった後では実験になりません。


A1: ホウセンカの蒴果は「色・硬さ・張り具合」で、破裂直前かどうかをかなり判別できます。

破裂直前の蒴果の見た目

  • 色:未熟なうちは濃い緑色だが、熟すとやや淡い緑〜黄緑、さらに黄味がかってくるものが多い。

  • 表面:ふっくらと膨らみ、ラグビーボール状で縦の筋がはっきりする(心皮の境界)。

  • 触感:軽く指でつまんだり押しただけで「パチン」と弾けるものが熟果で、つまんでもただ潰れるだけなら未熟。

 「弾ける直前」ではなく、その一歩手前で止めたいのであれば、色・大きさ・質感を組み合わせた“非破壊指標”を決めておくと扱いやすいです。

触らずに見分ける指標の例

  • 蒴果の色

    • 未熟:濃い緑色で細め。

    • 完熟・爆発直前:全体が明らかに黄〜黄緑に変わる段階(多くの園芸情報が「サヤが黄色く熟した頃」と表現)。
      → 実験用には「まだ全体が黄変しきっていないが、濃緑よりはやや明度が上がった中間段階(緑寄りの黄緑)」を優先的に採る。

  • 形とサイズ

    • 成熟に伴い長さ・太さとも増し、ラグビーボール状にふっくら膨らむ。

    • 同一株内で「最も太く、長さも最大クラスだが、色はまだ完全な黄色ではない」ものは、種子はほぼ充実していても、弾性破裂はまだやや起こりにくい段階である可能性が高い。

  • 表面の質感・光沢

    • 若い実:表面がややマットで、張りはあるが「皮が厚そう」に見える。

    • 完熟直前:皮が薄く、光沢が増し、縦筋(心皮の境界線)がくっきり浮き出る。
      → 光沢と縦筋の明瞭さをスコア化しておき、「最大級に光沢が出る直前」で採集する、といった運用ができます。

微小な非接触テストのアイデア

  • 風揺れ・茎揺らしのみで評価

    • 指で直接蒴果に触れず、花茎や株元を軽く揺らす。

    • この段階で飛ぶものは「実験用には遅すぎ」と見なし、揺らしても飛ばないが、上記の色・形の条件を満たす個体を本試験に回す。

  • 光学的な段階区分

    • 研究的にやるなら、同じ株の蒴果を色チャートや写真撮影で段階分けし、「段階3(淡緑)で採集」「段階4(黄緑〜黄)で自然破裂観察」とあらかじめ決めておくと、破裂前サンプリングと破裂挙動観察を分けやすくなります。

実験デザイン上の割り切り

  • 「確実に弾けないが種子は成熟している群」と「弾けるがまだ全部は飛び切らない群」を分けて扱うとよいです。

    • 前者は解剖・組織・含水率や機械特性測定用(色中間・最大サイズだが黄変しきっていないもの)。

    • 後者は散布挙動観察用(明瞭な黄変・高光沢で、茎揺らし程度でも一部が弾け始めるもの)。

まとめると、「全体が黄変する一歩手前で最大サイズかつ光沢が出始めた淡緑〜黄緑色の蒴果」を視覚的に選び、直接触れずに茎揺らしなどでスクリーニングするのが、非破裂状態での成熟蒴果を確保しやすい条件になります。


Q2: 充分に熟したホウセンカの種子は何色か?

A2: 充分に熟したホウセンカの種子は、黒色~黒褐色です。botanica-media+2

Q3: ホウセンカの花色は様々な品種が開発されている。どの花色の品種でも、今にも弾けそうな蒴果の色は同じか? 


A3: 現在知られている範囲では、ホウセンカの花色が違っても、蒴果の成熟過程で見られる色調変化のパターン(濃い緑 → やや淡い緑〜黄緑 → 黄〜黄褐色寄り)は基本的に同じと考えられます。hanasaku-gift+2

理由の整理

  • ホウセンカの花色のバリエーション(赤・ピンク・白・紫・複色など)は、花弁の色素やその発現に関わる遺伝子の違いによるもので、果皮や種皮の色とは独立して変化するのが普通です。horti+1

  • 園芸的な解説や教材では、品種を問わず「緑の実がだんだん熟し、黄〜黄褐色寄りになり、軽い刺激で弾ける」と説明されており、花色ごとに蒴果の色が全く異なるといった記述は見当たりません。japic+1

  • 種子も、一般に黒〜黒褐色であるとされており、花色に応じて白種子や極端に異なる色が出るという報告は通常の園芸品種では知られていません。tohokuseed+1

実務的な結論

  • 少なくとも通常流通するホウセンカ園芸品種の範囲では、「今にも弾けそうな蒴果の色」は花色によらずほぼ同様の範囲(淡い緑から黄〜黄緑、最終的には黄〜黄褐色寄り)とみなして扱って差し支えないと思われます。horti+1

  • 厳密に確認するには、複数花色品種を同条件で栽培し、果皮色の推移を定量的に記録する必要がありますが、そのような「花色別に蒴果色が系統的に違う」というデータや記述は一般向け文献では見つかっていません。hanasaku-gift+1

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