2023年10月上旬・午前10:35頃・晴れ
民家の裏庭の花壇に咲いたノジギク?で多数の秋型キタテハ(Polygonia c-aureum)が集まって訪花していました。 翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。
強い日差しを浴びて暑くなった個体は、翅を閉じたままにして体温を調節します。
キタテハ同士は互いに干渉しないで、別々の頭花で吸蜜しています。
キタテハをしばらく観察していると、ノジギク?の筒状花ではなく舌状花の花弁を舐める謎の行動が気になりました。
伸ばした口吻の先端で蜜腺がある筒状花を探り当てるのに手間取っているだけなのでしょうか?
これが意味のある意図的な摂食行動だとして、自分なりに考察してみました。
吸蜜の合間の口直しなのかな?
花弁に落ちた花粉を舐め取っているとしたら、非常に面白いです。
日本の蝶では珍しい花粉食(※追記参照)なら、なぜ筒状花の雄しべから直接舐め取らずに、わざわざ花粉密度の低い舌状花の花弁を舐めているのか、不思議です。 ストロー状の口器で花粉を摂取するには、微量の水分(唾液?)を吐き戻して花粉を溶かしてから吸い込む必要があるはずです。
雄しべの葯から大量の花粉を直接吸い込もうとすると、花粉の懸濁液が濃すぎて口吻の内部で詰まってしまうのかもしれません。
チョウの胃内容物を詳しく調べてみた結果、花蜜だけでなく花粉も意外に多く見つかれば、花粉食が一般的だということが分かるかもしれません。
花粉という固形物を食べるのであれば、蝶は糞も排泄するはずですね。
チョウ成虫の胃内容物や糞からDNAメタバーコーディングによって植物由来のDNAが検出されたら、花粉を食べたと考えられます。
キク科植物の花弁に花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません。
アブラムシの甘露で花弁が汚れているようにも見えません。
花弁は乾いているので、朝露を吸水している可能性もなさそうです。
花弁が雨水で濡れた後に乾き、微量に残留したミネラル成分をキタテハ成虫が摂取しているのでしょうか?
ノジギク?の花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:01〜)
手をかざして蝶の上に影を作っても、その影を動かしても、食事に夢中のキタテハはなかなか飛んでくれませんでした。
ノジギク?に訪花している微小な昆虫も気になりますが、マクロレンズで接写しないと正体不明です。
※【追記】
今流行りの人工知能ChatGPT(Microsoft Copilot)にチョウの花粉食について質問してみると、次のように回答してくれました。
はい、チョウが花粉を食べることはあります。特に、ドクチョウ属(Heliconius)の一部の種は、花の蜜だけでなく花粉も食べることが知られています²。彼らはストローのような口(口吻)を使って花粉を吸収し、唾液酵素を使って花粉を消化します²。
ソース(情報源)として、中米コスタリカの昆虫を紹介したナショナルジオグラフィックの記事を紹介してくれました。
ドクチョウの特徴のひとつが、その食事にある。一般的なチョウのように花の蜜を吸うだけでなく、なんと花粉も食べるのだ! ただし、食べると言っても、チョウにはアゴや歯はない。どうやって食べるのかと言うと、まずストローのような口(口吻)の中央から根もと辺りに花粉をつけ、ストローを丸めたり伸ばしたりしながら唾液酵素を出すことで、少しずつ吸収するという。
私が今回観察したキタテハは、花粉食の方法がドクチョウとは明らかに違います。
日本にドクチョウの仲間は生息していません。
YouTubeでドクチョウの花粉食シーンを探してみました。
【アフィリエイト】