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2024/11/22

イモカタバミの花蜜を吸うヤマトシジミ♂

 

2023年10月中旬・午後15:10頃・晴れ 

街なかで民家の庭先に咲いたイモカタバミの群落でヤマトシジミ♂(Zizeeria maha)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を閉じて吸蜜しています。 

動画を撮り始めた途端に飛び立ってしまったので、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
羽ばたきが早すぎて、スロー再生しても翅表の斑紋が見えませんでした。 
同じイモカタバミの群落で私がモンシロチョウの撮影に切り替えたら(動画公開予定)、同一個体と思われるヤマトシジミがたまたま飛来して横切りました。 
その飛翔シーンをスロー再生すると、翅表の斑紋から♂と分かりました。 

ヤマトシジミと言えば、普通種の蝶の代表格です。 
しかし私はルリシジミの方を先に覚えたので、いつもルリシジミか?と思ってしまいます。 
翅裏に散りばめられた斑点の配置がルリシジミとは微妙に違うので、ヤマトシジミと判明。 
特に今回の撮影地は市街地なので、ヤマトシジミを先に疑うべきでした。

2024/11/18

羽ばたきながらヒャクニチソウの花で吸蜜・産卵するオオタバコガ♀(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 


2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でオオタバコガ♀(Helicoverpa armigera armigera)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
左前翅の翅頂が欠けた同一個体を撮り続けました。 

花弁が色とりどりの品種が咲いている中で、赤、白、黄色の花で吸蜜しました。 
筒状花から口吻を引き抜くと、オレンジ色の花粉が付着しています。 
次の花へと移動する前に、触角を前脚でぐいっと拭うことがありました。(身繕い) 
隣接する花に移動するときには、省エネのためにわざわざ飛ばずに歩いて行きました。 

くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑でオオタバコガを調べると、
♀は(翅表が:しぐま註)橙褐色 
食草:イネ科、キク科、ウリ科、ナス科、バラ科など広食性 (p115より引用)

農薬メーカー?シンジェンタジャパンのサイトでは、次のように書いてありました。

前翅は雄は黄色味を帯び、雌は赤味を帯びる。 


この記述に従えば今回の個体は♂ということになるのですが、後に産卵したので♀と判明しました。
翅色の個体変異なのか、それとも強い日差しで翅の色が白飛びしてしまったのかな? 

訪花中も葉に止まっているときも、ほぼ休みなく翅を小刻みに震わせています。 
足を着地していますから、ホバリング(停空飛翔)ではなくて、いつでも飛び立てるように飛翔筋を震わせて体温を上げる準備運動(アイドリング)をしているのでしょう。 
暖かい日向ですから気温が低い訳ではないのですが、本種は寒がりなのか、特有の習性のようです。 
もしかして、捕食圧の高い地域なのでしょうか? 



オオタバコガがヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:08〜) 
撮影中は気づかなかったのですが、黄色い花の品種のヒャクニチソウで花蜜を吸いながら、腹端を前方に屈曲させて筒状花の側面に付けました。(@1:13〜) 
元の姿勢に戻るときに産卵管を伸ばしていたことから、産卵行動と判明しました。 
つまり、この個体は♀でした。 
準備運動していた羽ばたきが力強くなると、次の花に飛び去りました。 
前後の動画をじっくり見直しても、産卵していたのはこのときだけでした。 

オオタバコガ♀の産卵行動を観察できたのは、これが2例目です。 
関連記事(3年前の撮影)▶ ナスの葉に産卵するオオタバコガ♀(蛾) 

オオタバコガの産卵習性についてネット検索すると、石川県の病害虫防除室が公開しているPDF資料『オオタバコガ - 石川県 防除室だよりvol12』 がヒットしました。
雌は夜間に葉裏や新芽、花蕾付近等に1粒ずつ、一晩で200~300 粒、期間中に2000粒程産卵します。
卵を何個もまとめて産み付けるのではなく、1個ずつしか産まないというのは、私が観察した通りです。 
今回は花に産卵したので驚いたのですけど、オオタバコガ♀では珍しくないことを知りました。
撮れた写真や映像を改めて見直すと、ヒャクニチソウの群落で虫食い跡のある葉や花弁があちこちに見つかります。 
卵から孵化したオオタバコガ幼虫による食痕とは限りませんが、可能性はあります。 


2024/11/14

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るモンシロチョウ♀夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかで道端の花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)夏型が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
秋晴れの陽射しを浴びたモンシロチョウ♀は、翅を半開きにしたままヒャクニチソウの花蜜を吸っていました。 

同じヒャクニチソウでも舌状花の花弁が色とりどりの品種が同じ花壇に咲き乱れています。 
私が見た限り、このモンシロチョウ♀個体は黄色または白(花弁の根元が赤)の花を選んで次々に吸蜜していました。 
花弁が真っ白な品種の花よりも、白い花弁で根元が蜜標のように赤い品種の花を好んで訪れていました。 
どうやらモンシロチョウは花の色に好みがあるようです。(赤色は認識しにくい?) 
品種改良の結果、花弁の色が違う品種では分泌する花蜜の量が異なる可能性も考えられます。

ヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:57〜) 
花から花へ飛び回るだけでなく、羽ばたきながら歩いて移動することもありました。

2024/11/10

フレンチ・マリーゴールドの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)

 

2023年10月中旬・午後15:40頃・晴れ 

街なかの花壇(ホテルの駐車場の隅)に咲いた八重咲きのフレンチ・マリーゴールドの群落でシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

通常マクロモードで正面からカメラのレンズをそっと近づけて接写しても逃げませんでした。 
やがて口吻を伸ばすと、吸蜜を始めました。 
私が太陽を背にしてしまったので、カメラの影が被写体に落ちないよう撮影アングルに苦労しました。 
花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

少し離れた別の花で見つけたシロオビノメイガは、日陰に咲いた花の上で休んでいるだけでした。 
左右の触角を交互に振り立てているものの、口吻は縮めたままです。 
しばらくすると、自発的に飛び立って別の花に移動しました。 
実は、フレンチ・マリーゴールドの花で吸蜜する個体よりも、葉裏などに隠れているシロオビノメイガの方が多数いました。 

余談ですが、前半の撮影中に、別の蛾が手前から飛来して、隣に咲いたフレンチ・マリーゴールドの花に止まりました。 
しかし花の下に隠れるように止まったので、翅裏しか見えません。 
シロオビノメイガとは別種の蛾だと思うのですけど、どなたか見分けられる達人がいらっしゃいましたら教えて下さい。(シャクガ科ですかね?) 
シロオビノメイガにしては、止まったときの翅の広げ方が違います。 
蝶や蛾の翅の裏面だけを撮った写真を集めた図鑑やウェブサイトがあれば役立つのですけど、マニアック過ぎますね。 
着陸直前の飛翔シーンの動画から翅表が辛うじて移っているフレームから切り抜いてみたのですけど、羽ばたきが早すぎて、しっかり開いた状態の翅表が写っていませんでした。



この花壇では他にセセリチョウの仲間もフレンチ・マリーゴールドに訪花していたのですが、撮り損ねてしまいました。 


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2024/11/06

ヤマハッカの花蜜を吸うウラナミシジミ♂

 

2023年9月下旬・午後12:00頃・くもり後晴れ 

山腹の草地に咲いたヤマハッカの群落でウラナミシジミ♂(Lampides boeticus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
初めは翅をしっかり閉じて吸蜜していました。 
閉じた後翅を互いに擦り合わせて、尾状突起を触角のように動かして自己擬態しています。 
鳥などの捕食者に対して「偽の頭部」を体の反対側にも見せることで、眼状紋をつつかれても本当の急所に致命傷を負う確率を半分に減らす自衛の作戦なのです。

少し飛んで次の花穂に移動すると、半開きにしてくれた翅の隙間から翅表が見えて、♂と判明しました。

2024/11/02

セイヨウタンポポの花蜜を吸い飛び回るキタキチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後14:30頃・晴れ

農村部の道端に咲いたセイヨウタンポポの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
共にありふれた普通種ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 
車が横の車道を通りかかるとキタキチョウは飛んで逃げるものの、タンポポの同じ頭花にすぐに舞い戻って来ます。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜)


【追記】
恥ずかしながら投稿時にはこの蝶をモンキチョウ♂だと思いこんでいました。
YouTubeのコメント欄でBeeChさんからキタキチョウの間違いだとご指摘を頂きまして、訂正しておきます。
陽射しが強くて翅裏全体が白飛びしたせいで、キタキチョウに特有の斑点が見えませんでした。
ハイスピード動画で翅表の斑紋も撮っておきながら、翅裏だけで判断してしまいました。
思い込みは怖いです。
キタキチョウとセイヨウタンポポの組み合わせは何度か撮っているのに、モンキチョウとの組み合わせはなぜか未だに撮れたことがありません。
たまたまなのか、それとも何か理由があるのか、不思議でなりません。

2024/10/29

ノジギク?の花蜜を吸う合間に花弁を舐めるキタテハの謎(蝶の花粉食?)

 

2023年10月上旬・午前10:35頃・晴れ 

民家の裏庭の花壇に咲いたノジギク?で多数の秋型キタテハPolygonia c-aureum)が集まって訪花していました。 
翅をゆるやかに開閉しながら吸蜜しています。 
強い日差しを浴びて暑くなった個体は、翅を閉じたままにして体温を調節します。 
キタテハ同士は互いに干渉しないで、別々の頭花で吸蜜しています。 

キタテハをしばらく観察していると、ノジギク?の筒状花ではなく舌状花の花弁を舐める謎の行動が気になりました。 
伸ばした口吻の先端で蜜腺がある筒状花を探り当てるのに手間取っているだけなのでしょうか? 
これが意味のある意図的な摂食行動だとして、自分なりに考察してみました。 
吸蜜の合間の口直しなのかな? 
花弁に落ちた花粉を舐め取っているとしたら、非常に面白いです。
日本の蝶では珍しい花粉食(※追記参照)なら、なぜ筒状花の雄しべから直接舐め取らずに、わざわざ花粉密度の低い舌状花の花弁を舐めているのか、不思議です。 
ストロー状の口器で花粉を摂取するには、微量の水分(唾液?)を吐き戻して花粉を溶かしてから吸い込む必要があるはずです。
雄しべの葯から大量の花粉を直接吸い込もうとすると、花粉の懸濁液が濃すぎて口吻の内部で詰まってしまうのかもしれません。
チョウの胃内容物を詳しく調べてみた結果、花蜜だけでなく花粉も意外に多く見つかれば、花粉食が一般的だということが分かるかもしれません。
花粉という固形物を食べるのであれば、蝶は糞も排泄するはずですね。
チョウ成虫の胃内容物や糞からDNAメタバーコーディングによって植物由来のDNAが検出されたら、花粉を食べたと考えられます。

キク科植物の花弁に花外蜜腺があるという話は聞いたことがありません。 
アブラムシの甘露で花弁が汚れているようにも見えません。 
花弁は乾いているので、朝露を吸水している可能性もなさそうです。 
花弁が雨水で濡れた後に乾き、微量に残留したミネラル成分をキタテハ成虫が摂取しているのでしょうか? 

ノジギク?の花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:01〜) 
手をかざして蝶の上に影を作っても、その影を動かしても、食事に夢中のキタテハはなかなか飛んでくれませんでした。 

ノジギク?に訪花している微小な昆虫も気になりますが、マクロレンズで接写しないと正体不明です。 


※【追記】
今流行りの人工知能ChatGPT(Microsoft Copilot)にチョウの花粉食について質問してみると、次のように回答してくれました。
はい、チョウが花粉を食べることはあります。特に、ドクチョウ属(Heliconius)の一部の種は、花の蜜だけでなく花粉も食べることが知られています²。彼らはストローのような口(口吻)を使って花粉を吸収し、唾液酵素を使って花粉を消化します²。

ソース(情報源)として、中米コスタリカの昆虫を紹介したナショナルジオグラフィックの記事を紹介してくれました。
 ドクチョウの特徴のひとつが、その食事にある。一般的なチョウのように花の蜜を吸うだけでなく、なんと花粉も食べるのだ! ただし、食べると言っても、チョウにはアゴや歯はない。どうやって食べるのかと言うと、まずストローのような口(口吻)の中央から根もと辺りに花粉をつけ、ストローを丸めたり伸ばしたりしながら唾液酵素を出すことで、少しずつ吸収するという。
私が今回観察したキタテハは、花粉食の方法がドクチョウとは明らかに違います。
日本にドクチョウの仲間は生息していません。
YouTubeでドクチョウの花粉食シーンを探してみました。



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2024/10/25

野菊の花蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀

 

2023年9月下旬・午前9:30頃・晴れ 

線路沿いの土手に咲いた野菊(種名不詳)の群落でウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

半開きの翅を緩やかに開閉しながら吸蜜しています。 
秋風に煽られそうになると、翅を閉じました。 
翅の縁が破損している個体でした。 
ヒョウモンチョウの仲間を同定するには翅裏の斑紋をしっかり観察する必要があるのですが、翅表の斑紋が裏面まで透けてしまい見づらくなっています。 

蝶が飛び去った後は、野菊の花と葉を接写しました。 
この野菊の名前を分かる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。 


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2024/10/21

センニチコウの花で吸蜜後にツバメシジミ♀が日光浴

 

2023年10月上旬・午前10:20頃・晴れ 

家庭菜園の花壇エリアに咲いた色とりどりのセンニチコウ(千日紅)の群落の中で、ツバメシジミ♀(Everes argiades hellotia)がマジェンタ(赤紫)色の品種に訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
ヒメシジミ♀かと思いきや、後翅に尾状突起があったのでツバメシジミ♀と判明。 

初めツバメシジミ♀は翅を半開きにして吸蜜していたのですが、動画を撮り始めたら口吻をクルクルと縮めてしまいました。 
センニチコウの花の上を歩き回って向きを変えたのは、暗褐色の翅表に日光がよく当たるようにしたのでしょう。 
日光浴で体温を上げてから、次の花に飛び去りました。
 

2024/10/17

ニラの花蜜を吸い飛び回るミドリヒョウモン♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午前11:30頃・晴れ 

郊外の道端に咲いたニラの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が訪花していました。 
本種♀との組み合わせは初見です。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ニラの花蜜を吸うミドリヒョウモン♂ 


羽ばたきながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
しばらくすると落ち着いて、翅をほぼ全開にしてくれました。 
左後翅の肛角付近が大きく破損した個体でした。 左右対称なので、鳥に襲われかけたビークマークなのでしょう。 

ニラの花から花へ忙しなく飛び回ります。 
 力強く羽ばたいて飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜) 
ミドリヒョウモン♀と入れ替わるように、飛来したツチバチの一種♂が横切りました。


2024/10/13

ナギナタコウジュの花蜜を吸い飛び回るウラナミシジミ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午後14:25頃・晴れ 

里山の峠道の傍らに咲いたナギナタコウジュの群落でウラナミシジミ♀(Lampides boeticus)が訪花していました。 
意外にも、この組み合わせを撮れたのは初めてです。 
翅をしっかり閉じて口吻を伸ばし、吸蜜していました。 

ウラナミシジミの後翅には尾状突起があるはずなのに、この個体は失っていました。 
左右対称の損傷なので、鳥につつかれたビークマーク(食痕)と思われます。 
鳥を騙す自己擬態の作戦が奏功して、命からがら生き延びたことになります。
後翅の後端には黒い斑点が2つあり、2つの斑点の間には細い尾状突起が突き出ている。この黒い斑点と尾状突起は複眼と触角に似ていて、頭部に似た模様をもつことで身体の方向や頭部の位置について敵の目をあざむいていると考えられている。(wikipedia:ウラナミシジミより引用)
ウラナミシジミの性別を知るには、翅表の斑紋を見る必要があります。 
ナギナタコウジュの花穂から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:22〜) 
素早く羽ばたいて次の花へ飛び去ったのですが、スーパースローで見えた翅表から♀と判明しました。

2024/10/09

休眠越冬する場所を間違えたウラギンシジミ

 

2023年11月下旬・午前11:25頃・くもり 

遅い初雪が数日前に降ったばかりの里山で山道を登っていたら、落ち葉の上に真っ白な蝶が止まっていました。 
よく見るとウラギンシジミCuretis acuta paracuta)でした。 
閉じた翅を横に寝かせて翅裏を見せています。 
翅裏が白く(銀色に)目立つので、天敵の捕食者に対して保護色の効果は全くありません。 
曇天ですから、日光浴ではありません。 
本種は成虫で越冬することが知られているのですが、実際に冬に見たのは初めてで感激しました。 

動画を撮りながら落ち葉ごとそっと拾い上げると、ウラギンシジミは葉裏にぶら下がる姿勢になりました。 
落ち葉を裏返しても、ウラギンシジミは飛んで逃げるどころ全く動きません。 
私の体感では別に寒くなかったので、変温動物のウラギンシジミが低温で動けなくなっていただけ、という可能性はないと考えてしまいました。 
今思うと、登山中で私の体温が上がっていただけかもしれません。 
横着しないで現場の気温を測るべきでしたね。 

落ち葉の表側はまだ緑色で、葉の形状から樹種はおそらくマンサクだと思います。 
マンサクの中でも東北地方の日本海側に分布する変種マルバマンサクかもしれませんが、葉に虫食い穴が多くて私には自信をもって見分けられませんでした。 
ウラギンシジミ幼虫の食草はマメ科の植物らしく、マンサクとは関係ありません。

周囲は雑木とスギの混交林です。
マンサクの葉がまだ枝についていたときにウラギンシジミが越冬のために葉裏の葉脈(中肋)に止まり、そのまま一緒に落葉したのだろうと推測しました。
この個体は、落葉樹の葉裏という不適切な越冬場所を選んでしまったようです。 
ウラギンシジミの性別を判定するには翅表の斑紋を見る必要があるのですが、無理に触れてみて越冬前に体力を無駄に消耗させるのも気の毒だと思って自重しました。 
撮影後は落ち葉ごとその場に放置しましたが、根雪が積もる前に一度休眠から目覚めて安全な越冬場所に移動しないと、深い雪に埋もれて凍死・圧死してしまうでしょう。
山道を更に少し登ると、遅い初雪が日陰にちらほらと残っていました。 

昔に読んだ本『葉の裏で冬を生きぬくチョウ: ウラギンシジミ10年の観察 (わたしの研究 6)』がとても面白かったのを覚えています。 
私も実際に冬越しの様子を定点観察してみたいのですが、当地(北国、雪国)では滅多に見られない種類のチョウです。
・典型的な暖地性のチョウで、日本では本州以南に分布。 
・成虫で越冬し、春先にも見られることがある[5]。 (wikipedia:ウラギンシジミより引用)
これから地球温暖化が進行すると、ウラギンシジミの生息域が北進して当地でも数多く見られるようになると予想されます。
私が子供の頃は、ウラギンシジミは憧れの蝶で一度も見た記憶がありません。


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2024/10/05

ヤマハッカの花蜜を求めて飛び回るイチモンジセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午前11:35頃・晴れ 

里山の山腹に咲いたヤマハッカの群落で複数のイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。 
翅を閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。

イチモンジセセリがヤマハッカの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
素早い羽ばたきと滑空を交互に繰り返す飛翔のリズムが独特です。


減少率が顕著な鳥と蝶のリストが掲載されていて、私のフィールドでの体感にもほぼ合致していたのですが、その中にイチモンジセセリが含まれていたことに衝撃を受けました。
イチモンジセセリなんか、ごくごくありふれた普通種で、虫好きは誰も見向きもしない蝶だったのに、まさか希少種になる日が来るとは思いもよりませんでした。
生物多様性が急激に減少し、ますます単調で貧困な生態系になりつつある現状に危機感を覚えます。
今の子供が昆虫採集やバードウォッチングに目覚めても、(周りの大人が必死でお膳立てをしてあげないと)ちっとも面白くないだろうなーと同情してしまいます。
次世代の虫好きや鳥好きが育たないのも悪循環の一因です。

2024/10/03

ヤマハッカの訪花昆虫を狙ってオオカマキリ♀が待ち伏せするもクマバチ狩りに失敗

 

2023年9月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の草に覆われた斜面で褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera sinensis)が笹の葉(種名不詳)の上に乗っていました。 
周囲でヤマハッカの群落が花を咲かせているので、オオカマキリ♀は訪花昆虫を狙って待ち伏せしているようです。 
虫が近くに来る度に向きを変えて、狙いを定めます。 

ヤマハッカの花畑では実際にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)やシロオビノメイガSpoladea recurvalis)などが吸蜜していました。 

関連記事(同所同日の撮影)▶  


オオカマキリが狩りをする瞬間が撮れるのではないかと期待して、ハイスピード動画に切り替えて長撮りしてみたものの、獲物がカマキリの手が届く射程距離になかなか入ってくれません。(その映像は退屈なので割愛) 
シロオビノメイガがヤマハッカの花から飛び立つと、オオカマキリ♀はそっちを見ました。 

遂に、オオカマキリ♀が待ち伏せしている笹の葉の近くに咲いたヤマハッカの花にクマバチが飛来しました。 
耳を澄ますと、クマバチが羽ばたく重低音の羽音♪が聞こえます。 
オオカマキリ♀は笹の葉の縁から身を乗り出して鎌を素早く一閃しました。 
カマキリがぶら下がるようにササの葉陰に隠れてしまったので、狩りの成否を見届けられませんでした。 
私がなんとか撮影アングルを変えて草むらの隙間から覗き込むと、オオカマキリ♀は獲物を捕食していませんでした。 
右の鎌を舐めて掃除し始めました。 
クマバチの羽音が鳴り続けていますし、狩りは失敗だったようです。 
もしもクマバチ♀がオオカマキリ♀の鎌で捕らえられたときに毒針や大顎で反撃するかどうか興味があったのですが、間一髪で天敵から逃げ延びたようです。 


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別個体のオオカマキリ♀@ヤマハッカ花畑+獲物待ち伏せ

2024/10/01

センニチコウ(ピンク)の花蜜を吸うキタキチョウ

 

2023年10月上旬・午前10:20頃・晴れおよび10月下旬・午前11:05頃・晴れ 

家庭菜園の片隅の花壇に咲いたセンニチコウ(千日紅)の群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅をしっかり閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

別日に違う場所で撮影した動画をつなげました。 
センニチコウの群落でも色とりどりの花の品種が同時に咲いている中で、2回とも薄いピンクの花のセンニチコウを選んで訪花していました。 


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2024/09/27

八重咲マリーゴールドの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリング【ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:10頃・晴れ 



道端の花壇でホトトギスに訪花するクロホウジャクMacroglossum saga)をハイスピード動画に撮っていたら、同一個体が隣に咲いていたマリーゴールド(八重咲きの品種ボナンザ・オレンジ)に浮気しました。 
マリーゴールドの花の手前で停空飛翔(ホバリング)しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 

クロホウジャクは蜜源植物なら何でも良い、つまり同じ種類の植物を連続して訪問する「定花性」が低いことを示しています。 
植物側にしてみれば、定花性の高いハナバチ類が送粉者として好ましいことになります。


2024/09/23

シロツメクサの花蜜を吸うキアゲハ夏型♂

 

2023年9月下旬・午前11:55頃・くもり 

田園地帯の農道に咲いたシロツメクサの群落でキアゲハ♂(Papilio machaon hippocrates)が訪花していました。 
この組み合わせは初見のため、興奮して動画を撮り始めました。 
キアゲハ♂は羽ばたきながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
花蜜の量が少ないのか、キアゲハはシロツメクサの花から花へ忙しなく飛び回るのでズームインが間に合わず、すぐに飛び去ってしまいました。 

短い吸蜜シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


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2024/09/19

ヤマハッカの花蜜を吸うメスグロヒョウモン♀

 

2023年9月下旬・午後12:00頃・晴れ 

里山の中腹斜面に咲いたヤマハッカの群落でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。 
大きく開いた翅を軽く動かしながら口吻を伸ばして吸蜜しています。

2024/09/15

ホトトギスの花蜜を吸うイラクサギンウワバ(蛾)

 

2023年11月上旬・午後15:55頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でイラクサギンウワバTrichoplusia ni)らしき蛾が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
伸ばした口吻をきょに挿し込んで吸蜜しながら小刻みに羽ばたいています。 
花に脚を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)とは違います。 
身の危険が迫ったらすぐに飛び立てるように準備運動をして体を温めているのでしょう。(アイドリング?) 
気温が低いときなら準備運動の必要性も分かるのですが、全く寒くはありませんでした。 (気温を測るのを忘れました…。)

後半は翅を半開きのまま羽ばたきを止めてしまいました。 
おかげで翅表の斑紋がしっかり見えるようになりました。 
実はオオタバコガを動画で撮り続けているつもりだったのですが、別種の蛾であるとようやく判明。 

途中でカメラの電池が切れてしまい、ホトトギスの花から飛び去るまで見届けられませんでした。

2024/09/11

センニチコウ(ピンク)の花蜜を吸うウラナミシジミ♂

 

2023年10月上旬・午前10:20頃・晴れ 

家庭菜園の花壇にした区画に咲いたセンニチコウ(千日紅)の群落でウラナミシジミ♂(Lampides boeticus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を半開きにしたまま口吻を伸ばし、吸蜜していました。 
 次の花に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

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