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2026/05/01

林内の越冬用巣穴に近づく侵入個体に大声で吠えて追い払う雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年2月上旬 

二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 


シーン1:2/10・午後21:06・気温-1℃(@0:00〜) 
大雪が積もった巣口Rが画面の右に写っています。 
ある晩、巣穴の主が右から来た侵入個体に大声で吠えて♪威嚇しました。 
鳴き声を言葉で書き記すのが難しいのですが、グヮーッ♪とかグルルルァー♪とか、今まで聞いたことのない鳴き声でした。 
巣口Rから手前に向かって深雪をラッセルしながら迂回して来た個体は、主のパートナーが侵入者を追い払いに行ったのかな? 


【考察】
タヌキ同士の巣穴を巡る小競り合いは初見です。 
「同じ穴のむじな」に対して寛容なアナグマとは大違いですね。 
今季は積雪量がとにかく多くて、タヌキが外出中に巣口が雪の下に埋もれてしまったりするので、厳冬期に巣穴を確保するのは死活問題なのでしょう。 

この営巣地にはもう一つ別な巣穴Lがあるのに、そこを掘って使うという知恵がタヌキにはないようです。 
アナグマよりも穴掘り能力が劣るタヌキは、自力で越冬用巣穴を整備できないのかもしれません。 

あるいは別の解釈として、発情期の近い♀に2頭の♂がつきまとっていたのかもしれません(セクハラ)。 
パートナー♂があぶれ♂を追い払ったのでしょうか。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/04/27

鳥から毟り取った羽根が散乱するスギ林床を夜な夜なうろつきマーキングするホンドタヌキ:1月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月下旬 

シーン0:1/20・午後12:17・晴れ・気温9℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ防風林で鳥の羽根が捕食者に毟られ散乱していた地点を自動撮影カメラで見張っています。 
雪が積もって鳥の羽根はすっかり埋もれてしまいました。 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:1/21・午前5:53・気温-1℃(@0:03〜)日の出時刻は午前6:48。 
未明に画面左下から来たタヌキが、鳥の羽根が散乱した地点の匂いを嗅ぎ回っています。 
スギ立木の背後を右へ立ち去りました。 
雪面はモナカ状に凍っていて、ときどき足がズボッと潜るので歩きにくそうです。 


シーン2:1/21・午後18:47・気温0℃(@0:38〜)日の入り時刻は午後16:53。 
日がとっぷり暮れた晩に、奥から左の藪に沿って単独タヌキが手前へ立ち去りました。 


シーン3:1/21・午後23:58・気温-2℃(@0:38〜) 
約5時間後の深夜にタヌキがペアで登場。 
右から来た先行個体が、左の藪の手前で落枝を跨ぎながら排尿マーキングしたようです。 
スギ立木の背後を右へ立ち去りました。 

後続個体が右からやって来て、さっきと同じ地点で小便し、匂い付けしました。 
同一個体が続けてマーキングするはずがないので、行動を共にしているパートナーなのでしょう。 


シーン4:1/22・午後23:05・気温-2℃(@1:21〜) 
翌日の深夜に、フサフサした尻尾を高々と上げたままタヌキの先行個体が右から歩いて来ました。 
タヌキはネコのように尻尾を高々と上げて尿をスプレーしたりしないはずです。
スギの根元で排尿マーキングしたときの姿勢から、どうやら♀のようです。 
鳥の羽根が散乱していた地点の匂いを嗅ぎ回り、左の藪を通り抜けて雪原(雪で埋もれたソバ畑)へ向かいました。 

次に後続個体♂が手前から登場。 
先行個体と全く同じ地点(スギの根元)で排尿マーキングしました。 
このとき分かりやすく右後足を上げたので、♂と判明。 
目を凝らしても、股間に陰嚢は見えませんでした。 
小便した直後に小声でかすかに鳴きました♪。 


シーン5:1/25・午後21:47・気温-1℃(@2:09〜) 
3日後の晩、いきなりタヌキが左手前から右へ走り去りました。 
小声でガガガと吠えているのか、それとも激しい息遣いなのか分かりませんが、変な鳴き声が聞こえます。 
何かに驚いて駆け出したのか、繁殖期(発情期)に関係する追いかけっこなのでしょうか? 
すぐに右から歩いて戻って来て、左下へ向かいます。(別個体かも) 


シーン6:1/26・午前3:16・気温-3℃(@2:32〜) 
日付が変わった未明に、タヌキが奥から来て左下へ立ち去りました。 
死角でクゥーン♪と甲高く鳴く声が聞こえました。 


シーン7:1/27・午前0:53・気温-5℃(@2:45〜) 
翌日も深夜に単独タヌキが登場。 
手前を右から左へ横切りました。 
スギ林床を歩きながら、ククッ、カカッ♪と小声で鳴きました。 
タヌキにしては初めて聞く鳴き声です。 
(夜の藪に潜んでいる鳥の鳴き声ってことはないですよね?) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

タヌキの発情期が近いようで、いつもと違う鳴き声や行動が増えてきました。 


つづく→

2026/04/25

厳冬期の夜のスギ林で奇妙な鳴き声で挨拶するホンドタヌキは発情期?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月下旬〜2月上旬 

シーン0:1/28・午後13:31・くもり・気温12℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
鳥の羽根が捕食者に毟られ散乱していたスギ防風林を自動センサーカメラで見張っています。 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:1/29・午前0:40・気温-2℃(@0:03〜) 
左の藪から登場した先行個体のタヌキが立ち止まって、監視カメラを見上げていました。 
尻尾をピンと真っ直ぐ上に向けた状態で右へ歩きながら、カカカッ♪と奇妙な鳴き声を小声で発しました。 

スギの根元の匂いを嗅いでから排尿マーキング。 
このとき右後脚をしっかり上げなかったので、♀ですかね? 
尻尾を高々と持ち上げながら歩くのは、発情した♀が性フェロモンを振りまいているのかな?(勝手な想像です)

左の藪の背後に別個体のタヌキが来ているようで、目が白く光って見えます。 
先行個体が藪を左に通り抜けると、しばらくしてから後続個体が左下から登場。 
藪を挟んで二頭のタヌキが対面しているらしく、空咳のように静かに吠えています。 
敵対しているのかと思いきや、藪の陰から姿を現した個体と一緒に、スギの背後を右へ立ち去りました。 
カメラの死角に入ってからも静かに吠える声が聞こえます。 

今までタヌキでは聞いたことのない鳴き声ですし、素人目には発情期に関連した行動のような気がします。 
Perplexity AIによると、
ホンドタヌキの発情期は主に1月から3月頃です[2][4]。ただし、地域によって多少の変動があり、一般的には2月下旬から4月頃にかけて交尾が行われると報告されています[3]。


シーン2:2/2・午前0:46・気温-5℃(@0:52〜) 
4日後の深夜、スギの林床にまた新雪が積もっていました。 
奥から単独で来ていたタヌキがスギの根元で立ち止まり、なぜか上を見回しながら風の匂いを嗅いでいます。 
監視カメラの存在を気にしながら、右奥へ立ち去りました。 
雪面はモナカ状に凍っていて、歩きにくそうです。 
途中で立ち止まって振り返り、再びしきりに見上げて風の匂いを嗅いでいます。 

タヌキの視線の先には、雪圧で幹の途中が直角に曲がったまま育った異形の杉の木があるのですが、その止まり木で何か鳥や獣が寝ているのかもしれません。 


シーン3:2/2・午前4:27・気温-6℃(@1:33〜) 
3時間40分後の未明に、ペアのタヌキが一緒に奥から左下手前にやって来ました。 
後続個体は、左の藪の奥を気にしています。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/04/14

尻尾の毛がまだらに抜けたホンドギツネが雪国のホンドタヌキが越冬する営巣地をうろつく【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月下旬 

シーン0:1/20・午後12:59・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪の積もった休耕地にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
晴れると雪原からの照り返しが眩しくて白飛びしていますが、巣口周辺だけ薄っすらと黒土で汚れています。 
タヌキの足跡が雪面に残されています。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:1/24・午前2:49・みぞれ・気温1℃(@0:07〜) 
小雪(みぞれ?)が降る深夜未明に、左から冬毛のキツネが登場しました。 
タヌキの巣口の手前で立ち止まり、様子を窺っています。 
巣穴に侵入することはなく、奥の農道へ立ち去りました。 
雪原にキツネの足跡が残ります。 


シーン2:1/26・午後17:13・くもり・気温1℃(@0:34〜)日の入り時刻は午後16:58。
日没後もしばらくは雪明りでまだ明るいのが、雪国の利点です。 

凍結した雪原を左からやって来たキツネの尻尾の毛並みが異常です。 
節くれだって見えるのは、尻尾の中央部の毛が異常に抜けているせいでしょう。 
ヒゼンダニSarcoptes scabiei)に感染して皮膚病になった疥癬の初期症状ではないかと思います。 

タヌキの巣口の手前で立ち止まると、クンクンと匂いを嗅いだものの、それ以上は近寄らずに方向転換して奥へ向かいました。 
農道に達すると右折しました。 


シーン3:1/28・午前2:22・気温-6℃(@1:34〜) 
左奥の雪原からキツネが来て、いつものようにタヌキが越冬する巣口の手前で立ち止まってから、右へ素通りしました。 
立ち去る際にイヌが吠えるような鳴き声がしたのですけど(@1:38〜)、このキツネの口の動きを見る限り、この個体が発した鳴き声ではなさそうです。 
巣内からタヌキが威嚇して吠えたのですかね? 

尻尾の毛並みを見ると、抜け毛はなくて健康そうです。 
したがって、少なくとも2頭以上のキツネがタヌキの営巣地に通ってきていることになります。 


つづく→

2026/04/03

早春にケヤキの樹上で「カコン、カコン♪」と奇妙な声で鳴くハシボソガラスの謎(野鳥)

 

2026年3月中旬・午後13:55頃・くもり 

庭でケヤキの枝に留まったハシボソガラスCorvus corone)が、奇妙な鳴き声を発していました。 
窓のすぐ外で至近距離に居るカラスは警戒心がとても強いので、レースカーテンと窓ガラス越しにカラスの後ろ姿をこっそり隠し撮りしました。 
ハシボソガラスは、残雪が溶けた畑やその奥の住宅街を止まり木から見下ろしています。 
しゃくりあげるように、喉から絞り出すように、「カコン、カコン♪」と鳴きました。 
不随意運動のしゃっくり(吃逆)ではなく、意識的に鳴いています。 
「カコン、カコン♪」と鳴く合間に、翼を広げて羽繕いしました。 
最後は横枝から上の枝へピョンピョン跳んで姿を消しました。 
隠し撮りしているのがばれて、私から隠れたのでしょうか。 
撮影中に番つがいのパートナーが近くにいたかどうか、見通しが悪くて確認できませんでした。 

しばらくすると、少し遠くの電柱の天辺に留まり直して「カコン、カコン♪」と鳴いていました。 
今度はレースカーテン越しではなく、窓をそっと開けて隙間からカラスを狙って隠し撮りしようと欲を出しました。
しかし、私がもたついている間にハシボソガラスに気づかれてしまい、警戒して飛び去ってしまいました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

声紋解析してみる?


【考察】 
実は、家の外からときどき聞こえてくる「カコン、カコン♪」という謎の鳴き声が昨年から気になり、正体を突き止めようと試行錯誤していました。 
まずは窓を開けて動画を長撮りして、鳴き声の録音に何度か挑戦しました。(映像公開予定?) 
遠くから聞こえたときはカエルの鳴き声なのかと思ったりもしたのですが、カエルが冬眠する冬にもそのような鳴き方をしていました。 
住宅地の新築現場で大工が使っている特殊な工具の音なのかと疑ったこともありました。(インパクトドライバーの音じゃないしなー…。) 
トレイルカメラ(隠しカメラ)を設置して鳴いている証拠映像を撮りたくても、謎の生物はあちこちに出没して鳴くようなので、設置場所を絞り込めませんでした。 
鳴き真似をする鳥なのかもしれない、と想像したりもしました。 
今回ついに、謎の鳴き声の主の正体がハシボソガラスと判明したのは、大きな前進です(ブレイクスルー!!)。 

しゃくりあげるように、喉から絞り出すように、「カコン、カコン♪」と鳴くカラスを私は今まで観察したことがありません。 
素人目には、苦しげな発声法でした。 
鳴管が潰れていて、普通には鳴けない個体なのでしょうか? 

関連記事(8、14年前の撮影)▶  
頭を上下に振りながら、小声で今にも吐きそうな声を搾り出していました(実際は嘔吐せず)。 
今回の鳴き方とは違います。 

河原でカラスがずっとえづいていました。 
今回と似た鳴き声かもしれません。
Perplexity AIによると、野生のハシボソガラスの平均寿命は約7~10年らしいです。 
近所で見かけた同一個体のしゃっくりが止まらないまま8年後も存命で、独特な鳴き方の癖になったとしても、全くありえない話ではありません。 

このハシボソガラスは、この辺りで縄張りを張っている(営巣している)つがいのうちの片方です。 
性別を知りたいのですが、外見でカラスの雌雄を見分けるのは不可能です。 

しゃっくりのような普通ではない鳴き方をする個体がつがいを形成できて、しかも営巣地の縄張りを通年防衛できているのが不思議です。 
鳴き声が変でも異性へのセックスアピールには無関係で、ハンディキャップにならなかったことになります。 

この変な鳴き声は、縄張り宣言ではないかと推測しています。 
ハシボソガラスの普通の鳴き声(嗄れ声のガーガー♪)よりも音量が小さいので、これが縄張り宣言だとしたら、遠くまで響かず不利になるはずです。 
そもそも近所のハシボソガラスが、「カコン、カコン♪」という変な鳴き声を初めて聞いたときに、これが同種の鳴き声だと認識してもらえない気がします。 
よほど実力行使の喧嘩(縄張り争い)が強い個体なのかな? 
もし♀だとしたら、鳴き声が多少変でも、基本的な繁殖能力が正常ならつがいを形成できるのかもしれません。 
パートナーと鳴き声による意思疎通(コミュニケーション)はできているのでしょうか?

しゃっくりのような鳴き声を動画に撮れているので、プレイバック実験が可能です。
この鳴き声を大音量で再生したときに、他のカラスの反応を見れば、縄張り宣言であることの強い傍証になりそうです。

Perplexity AIに色々と相談してみました。 

Q1: ハシボソガラスは鳴き真似をするのか?
A1: ハシブトガラスでは明確な鳴き真似が頻繁に観察されているのに対し、ハシボソガラスについては、少なくとも公開情報の範囲では鳴き真似の確かな事例は乏しい。仮に行っていても頻度はかなり低いか、目立たない形である可能性が高い。

Q2: ハシボソガラスでしゃっくりのような普通ではない鳴き方をする個体が番を形成し、縄張りを通年防衛できているのが不思議に思いました。変な鳴き声はハンディキャップではなかったのです。性別は不明です。

A2: その状況説明からすると、その個体の「カコン、カコン」という発声は、少なくとも繁殖・採餌・防衛の実績を見る限りハンディキャップではなく、個体識別的な“クセの強い縄張りコール”になっていると考えるのが妥当だと思います。pmc.ncbi.nlm.nih+1

変な声でも不利にならない理由

  • カラス類では、声には個体識別情報が強く埋め込まれており、「他個体と違う声」であること自体がむしろ誰だか分かりやすくする機能を持ち得ます。pmc.ncbi.nlm.nih+1

  • Carrion Crow(ハシボソガラスの同種群)でも、個体ごとに声の特徴がはっきりしており、年齢とともに個体差が増すことが実験的に示されています。「変な声」はその一端にすぎない可能性があります。pmc.ncbi.nlm.nih+1

なわばりコールとしての可能性

  • 野外録音データベースでも、Carrion Crow が単独で樹上などにとまり、「bizarre song‑like vocalizations」を長く続ける例が報告されており、通常のガァ声とはかなり違う声型をなわばり・社会的宣言に使うケースが知られています。xeno-canto+1

  • ご説明の個体も、木や電柱で定位置から反復的に出していること、通年なわばりを維持できていることから、少なくとも周囲のカラスたちには「この個体の縄張りコール」として十分に通用していると考えられます。

ハンディキャップにならない理由の考え方

  • 配偶相手が実際に番を組んでいる以上、その声が配偶相手の選好やペア維持を妨げてはいません。カラス類は相手個体を視覚・行動・履歴でも識別するため、声だけで評価されているわけでもありません。academia+1

  • 競合他個体との関係でも、「音量・頻度・コンテキスト」が重要で、音色が奇妙でも「ここにいる・やる気がある」というシグナルとして十分なら、機能的には問題ないと考えられます。pubs.aip+1

もし研究として扱うなら

  • 「しゃっくり様コール」と通常のガァ声を両方録音し、スペクトログラムで構造を比較する。

  • 発声文脈(単独/番相手の位置/近くのライバルや人間の有無)を系統的に記録する。

  • 可能なら、近隣個体の反応(接近・応答コール・回避)も行動記録として残す。

こうした記録があれば、「Carrion Crow における異型な個体特異的縄張りコール」の一事例として、短報レベルで十分価値があると思います。


Q3: 鳥の種類によっては、鳴き方のレパートリーが豊富な個体は異性へのセックスアピールになるが、ハシボソガラスでもそうなのか?

A3: 結論から言うと、「ハシボソガラスについて、“鳴き声レパートリーが豊かであることが異性への明確なセックスアピールになる” という証拠は、現状の知見では示されていません。

一方、「鳴き声が縄張り維持・相手との連携・個体識別に使われる」のはかなり広く認められており、その中で結果的に「鳴き声が良い個体ほど繁殖に有利かもしれない」という仮説は成り立ちますが、直接的な「鳴き声レパートリーが性的選択で進化している」というデータは、特にハシボソについてはありません。


1. ハシボソガラスの鳴き声と「求愛」の関係

  • ハシボソガラスは、繁殖期に縄張りを強く主張し、鳴き声を多用することが解説されています。sf-japan+1

  • 「繁殖期に鳴き声がより長く・低く、縄張りを示す長めの「ガァー」が出る」という報告もあり、求愛と縄張り維持が同時に機能していると解釈されています。sf-japan

ただし、

  • 「鳴き声が特に豊か・変化に富んでいる個体ほど、配偶者が寄ってくる/採択されやすい」

  • あるいは

  • 「 harassing-coo 以外の鳴き声が直接的に求愛に使われる」

といった、性的選択側の実証データは、ハシボソガラスでは明示されていません


2. 他の鳥の例との比較

  • 一部の鳥類では、

    • 鳴き声のレパートリーが大きい

    • サイズやビブラートの複雑さが高い
      ことで、雌からの選好が高まる、という報告があります(カナリアやホオジロなど)。sf-japan

  • その場合、レパートリーは「鳴き声技術の良さ=遺伝的・環境的フィットネスの指標」として、間接的なセックスアピールになると考えられます。

カラス類全体でも、鳴き声は社会的コミュニケーション・個体識別・危険警戒・縄張り宣示などの多重機能を持っているため、求愛を含む可能性は否定されませんが、note+1
ハシボソガラスに限って「レパートリーが豊かであること=性的選択に直結」という結論は、現時点では「示唆レベル」以上の証拠は見つかりません。


3. あなたの「しゃっくり鳴き個体」の場合の解釈

あなたの個体の場合、

  • 特定の声が「縄張り内・特定場所・特定時間」で反復され、

  • 番が組まれ、通年縄張りを維持している

という点から考えると、
その声は「他個体に「この場所はこの個体がいる」と分かりやすく伝える個体識別型縄張りコール」として機能している、
という解釈が最も自然です。note+1

性的アピールとしての役割は、理論的にはあり得ますが、

  • 鳴き声のレパートリーが大きいことと

  • 配偶相手の「選好」が明示的にリンクしているか

については、直接証拠がないため、「間接的な社会的利得の一部かもしれないが、主に縄張り・個体識別用のシグナルとして進化している」と見るのが、現状の知見で最も無理のない解釈です。


4. 今後、その視点で見ると面白い観察

  • そのしゃっくり鳴きが、

    • 繁殖期の鳴き声頻度が増えるのか

    • 番相手が近くにいるときといないときで、鳴き声の頻度やセット構成が変わるか

  • あるいは、

    • 他の鳴き声との「デュエット」や

    • 他の縄張り個体との「鳴き合い」に織り込まれているか

といった点を整理すれば、「性の選択」の可能性を含めた議論の素材として、かなり面白い位置づけになります。


Q4: そのハシボソガラスの番から生まれた子供は、親鳥の鳴き声を真似てしゃっくりのような鳴き方をするだろうか? つまり、カラスの鳴き声は鳴禽類のさえずりのように学習によるものか?


A4: その「しゃっくり鳴き」を子ガラスがそのまま真似してくれるかどうか、は可能性は高いが、完全に決めつけられるほど、ハシボソガラス側の学習型鳴き声のデータは整備されていない、という感じです。


1. カラスの鳴き声は「鳴き真似型」の学習をするか?

  • ハシブトガラスでは、

    • 人語・犬・猫・カエルなど、周囲の音を「後天的に学習して再現する」例が、観察・研究レベルでかなり示唆されています。

    • これは「鳴き声が(少なくとも一部分)学習によって獲得される」ことを強く示しています。youtubekawaguchi.science

  • 一方で、ハシボソガラスについては、

    • 「鳴き方の個体差がある」「声質には変化がある」ことは知られているが、

    • 「ハシブトほど積極的な鳴き真似」が明示的に報告されているわけではありません。carasblog+1

したがって、

「ハシボソガラスの鳴き声も、鳴禽類のさえずりほどではないが、ある程度の範囲では学習される可能性がある」

というのが、現時点での妥当な解釈です。


2. 子ガラスが「しゃっくり鳴き」を真似するか?

  • 一般資料では、

    • ハシボソの幼鳥は、

      • 成鳥と異なる声質で鳴く

      • 親が鳴くのを見て、鳴き声を「練習する」過程がある
        とされています。wbsj-saitamayoutube

  • その中で、

    • 「学習による鳴き声の修正・獲得」

    • 「遺伝的・先天的枠組み内での変化」
      が混在していると考えられています。kawaguchi.science

その前提で考えると:

  • もし「しゃっくり鳴き」が、

    • 明確に「カエル風」「他の音源を模した」ような、

    • かつ、親が場所・時間・状況で明確に「繰り返して鳴く」
      としたら、

    • 子がその鳴き方を「学習して似たような声を出す」可能性は十分あります。

  • 一方で、

    • それが単に「声帯・鳴管の個体差」や

    • 「鳴き方の癖」にすぎない
      なら、子は「親の把握している“鳴き方の範囲”の中で、自分の声として似たような音を出す」ことはあっても、

    • 親の「しゃっくり様コールそのもの」を完全に真似するとは限らない

ということになります。


3. つまり「鳴き声は鳴禽類のように完全な学習か?」

  • 鳴禽類のさえずりのように、

    • 「鳴き声の大部分が、若鳥期の模倣から学習される」
      という形ではないが、

  • カラス類は、

    • 「鳴き声のレパートリーが先天的に決まっていて、それを少し変形させて使う」

    • だたしその変形は、

      • 同種の鳴き声の「聞こえる範囲」

      • 自身の鳴き声の「試行錯誤」

      • 他種の音源の「結果的模倣」
        を含む

といった「中間型の学習声音」と見るのが妥当です。sf-japan+1


4. あなたのケースでの展望

  • その「しゃっくりコール」が

    • その親個体特有の「容易に模倣可能な音型」で

    • 子ガラスがそのすぐ近くで鳴き声を聞いている環境
      なら、「子が似たようなしゃっくり鳴きを出す」事例は、

    • 学術的には珍しく、

    • 行動生態的にも非常に興味深い観察

になる可能性があります。

  • その場合は、「鳴き声の録音+動画+生まれた時期のメモ」を取っておくと、

    • 「ハシボソガラスにおける、鳴き声の親子継承・学習の候補例」として、研究素材として十分に価値を持つ記録になります。






つづく→

2026/03/23

厳冬期の雨夜に落葉二次林で越冬用の巣穴をうろつく雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年1月上旬 

平地の落葉した二次林で、元々はニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)だった巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
今季はホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がここで越冬しているようです。 


シーン1:1/6・午後20:17・雨天・気温-1℃(@0:00〜) 
冷たい雨が降る晩に、タヌキが単独で右から戻って来ました。 
丸一日以上、外出していたことになります。 
雪面に開口していた巣口Rの匂いを嗅いでから、右に向き直りました。 
周囲を見回しているのは、パートナーの帰りを待っているのかな? 
監視カメラの存在に気づいていて、入巣Rの瞬間を撮られたくないのかもしれません。 


シーン2:1/6・午後20:32・雨天(@0:19〜) 
15分後、右からまたタヌキが登場しました。 
同一個体が戻ってきたのか、それとも別の後続個体が帰巣したのかもしれません。 
巣口Rの匂いを嗅いでからクゥーン♪と小声で甲高く鳴きました♪。 

周囲の雪面を嗅ぎ回り、右手前下に歩き出しました。 
雪面はグズグズのいわゆる腐れ雪で、一歩ずつ足が潜って歩きにくそうです。 
セットの右端で佇んで、右を見つめているのは、パートナーの帰りを待っているのかな? 
再び巣口Rに戻りかけたところで、1分間の録画終了。 


シーン3:1/6・午後20:34・雨天(@1:07〜) 
1分後に、右からタヌキaが戻って来ました。 
巣口Rの匂いを嗅いだだけで、左に立ち去りました。 
すると、別個体bが巣内から巣穴Rの中から外に顔を出して、周囲を見回しました。 
さっきの個体aは、巣穴Rに入れてもらえず追い払われたのでしょうか。
雨天でも一緒に外出しようとパートナーを誘ったのに、断られた可能性もありそうです。 


シーン4:1/7・午後22:34・雨天・気温0℃(@1:48〜) 
翌日の晩遅くも雨が降っていました。 
巣口Rから外に上半身だけ出したタヌキが、右を気にして見ています。 
身震いしてから外に出てきたタヌキが左へ向かいます。 
雨で溶けた雪面は腐れ雪で、一歩ずつ足がズボズボ潜ります。 
みぞれなのかもしれませんが、雨音が聞こえるので、雨だと記録しました。 


シーン5:1/7・午後22:34・雨天・気温-1℃(@2:19〜) 
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
雪に埋もれた巣口Lの窪みを通りすがりに一瞥しただけで、タヌキは右へ立ち去りました。 


シーン6:1/7・午後22:50・雨天・気温-1℃(@2:33〜) 
15分後にタヌキが右から戻ってきました。 
巣口Rの匂いを嗅いで周囲を右往左往してから、右へ引き返しました。 
4日前にキツネが排尿マーキングしたマルバゴマキ灌木(映像公開予定)の匂いを嗅いでも、特に反応はありませんでした。 
雨も降っているし、さすがにもうキツネの残り香はないはずです。 

入巣Rしたくても、監視カメラの存在に気づいていて、入巣Rの瞬間を見られたくないのでしょうか? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声や雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
相変わらず登場するタヌキの個体識別ができていないので、解釈があやふやです。 
シーン3は、巣穴に篭城する主に入巣Rを拒まれて退散したようにも見えますし、一緒に外出しようとパートナーを誘ったのに断られた可能性もありそうです。 


2026/03/18

熟果を食べるために枝から枝へ連続して跳んでカキノキを登るカラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月下旬・午後12:05頃・くもり(みぞれ)・気温10℃ 

みぞれがぱらついている昼下がりに、郊外に1本だけ立っているカキノキにカラスの群れが次々に集まって、落葉した樹上に残った熟果を食べ始めました。 
熟柿を嘴で啄み、食べ残しが下に落ちました。 
食事の合間に、嘴を足元の枝に擦りつけて拭っています。 

冒頭で1羽のカラスが左下の雪面からカキノキ樹上に飛び上がると、幹の近くの横枝から横枝へ、連続してピョンピョン跳んで上へ上へと登って行きました。 
カラスのこのような木登り行動は初見かもしれません。 
枝から枝への単発のジャンプは別に珍しくありませんが、カラスが連続して上へ上へ跳んで、まるで梯子や螺旋階段を登るようにしていたのは初めて見たので、珍しく思いました。
樹上で枝が混み合っていると、広げた翼がひっかかりそうで飛びたがらない(だからジャンプを多用する)のかもしれません。
キツツキと違って、カラスは垂直な幹をよじ登ることはできません。 
(鳥がそれを可能にするためには、趾や尾羽根などの形状に木登り専用の適応進化が必要です。) 

手前でカメラを固定してあるオニグルミ落葉樹がガタガタと揺れているということは、別個体のカラスが死角のオニグルミ樹上にも留まっているのでしょう。 
(もしかすると、ニホンザルが横枝に腰掛けていて、カラスを牽制していたのかもしれません。) 

監視カメラからやや遠くて、カラスの種類を形態から見分けられません。 
聞こえる鳴き声は澄んでいましたが、たまに嗄れ声で鳴くこともありました。 
どちらかと言えばハシボソガラスCorvus corone)というよりも、森林性のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)ではないかと予想しています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
ChatGPTに気になる疑問を尋ねてみました。

Q1: 樹上のカラスが、羽ばたかずに枝から枝へぴょんぴょんジャンプするだけで上にどんどん登っていた。この行動を「木登り」と呼んでもいいか?

A1: その行動を**「木登り」**と呼んでも意味は通じますが、やや広い(やや曖昧な)表現になります。動物行動の描写としては、もう少し具体的な言い方もあります。

まず、カラス(ハシブトガラスやハシボソガラス)が

  • 羽ばたかず

  • 枝から枝へ跳び移りながら

  • 上方へ移動する

という動きは、英語では hop / hoppingbranch-to-branch hopping と表現されることが多く、日本語でも「跳び移る」「跳ね上がる」「枝伝いに上がる」といった記述が近いです。

「木登り」という語のニュアンス

日本語の「木登り」は普通は

  • 幹をよじ登る

  • 爪や手足でつかみながら登る

といったイメージが強く、典型例は

  • リス

  • クマ

  • テン
    などです。

一方、カラスのように枝の上をジャンプして高度を上げる行動は、

  • 幹をよじ登るわけではない

  • 枝を足場として移動している

ので、厳密には少し違うタイプの上昇です。

描写として自然な言い方

文章なら例えば次のような表現がよく使われます。

  • 枝から枝へ跳び移りながら上へ移動した

  • 枝を伝ってぴょんぴょんと登っていった

  • 枝を足場に跳ね上がるように上昇した

カジュアルな文章なら

枝から枝へ跳ねながら木を登っていった

のように、「木を登る」と書くのは特に不自然ではありません。

 

Q2: その行動はハシブトガラスもハシボソガラスも両方やるか? それとも、森林性のハシブトガラスに特有の行動だったりするのか?

A2: そのような 「枝から枝へ跳び移りながら上へ登る」行動は、

ハシブトガラスにもハシボソガラスにも普通に見られる行動で、どちらか一方に特有というわけではありません。

ただし、見られやすさには多少の傾向差はあります。

1. 両種とも普通にやる行動

カラス類(Corvus)は全般に

  • 枝上を 歩く・跳ぶ(hop)

  • 枝から枝へ 短距離ジャンプ

  • 飛ばずに 枝伝いに移動する

という移動をよくします。これは多くのカラス科鳥類に共通する基本的な樹上移動です。
したがって

羽ばたかずに枝を跳びながら上へ登る

という動き自体は、両種とも普通にできます。

2. 観察頻度の差(生息環境の違い)

ただし行動の見え方には違いがあります。

  • ハシブトガラス

    • 樹上活動が比較的多い

    • 森林・樹林・都市の樹冠などをよく使う

  • ハシボソガラス

    • 地上採食が多い

    • 開けた農地・草地で地面を歩く時間が長い

このように、両種は採餌場所や微小環境の使い方が違うことが知られています。(J-STAGE)

そのため実際の観察では

  • 樹上で枝移動をよく見る → ハシブトガラスの印象が強い

  • 地面で歩き回る → ハシボソガラスの印象が強い

という違いが出やすいだけです。

3. 行動の意味

枝ジャンプで上へ登る行動は、状況によって用途が変わります。

典型的には

  • 採餌位置への移動

  • 見張り位置への移動

  • 警戒時の位置変更

  • 遊び(若鳥)

飛ばずに移動する理由は単純で、エネルギー節約+微妙な位置調整がしやすいからです。



幹の近くを伝って上がっていたのであれば、その行動は特に珍しいものではなく、
ハシブトガラスでもハシボソガラスでも普通に見られる樹上移動です。種を区別できる特徴的行動とは言えません。

ただし、幹の近くを使う場合にはいくつかの典型的な理由があります。

1. 安定した足場を使って上昇している

幹の付近には

  • 太い枝

  • 枝の分岐部

が多く、ジャンプの足場として安定しています。
カラスは足で枝をつかんで体を持ち上げるのが得意なので、飛ばなくても

  • 枝に跳び上がる

  • 少し歩く

  • また次の枝に跳ぶ

という動きを繰り返して階段のように高度を上げることができます。

2. 警戒時の移動

幹付近の枝は

  • 体を隠しやすい

  • 外側の枝より安全

という利点があります。人や捕食者を警戒しているとき、いきなり飛ばずに幹側へ移動して上がることはよくあります。

3. 飛ぶ必要がない距離

カラスに限らず多くの鳥は

  • 近距離ならジャンプ移動

  • 長距離なら飛行

を使い分けます。
枝の間隔が近いと、飛ぶより跳ぶ方が簡単です。

補足

この行動がもし特徴的に見えたとすれば、それは

  • 地面でよく歩く印象の強いハシボソガラス
    よりも

  • 樹冠で活動することが多いハシブトガラス

の方で観察機会が多いためかもしれません。ただし行動自体は両種共通です。



Q3: 冬にカキノキに集まり熟果を採食するカラスの群れを撮ったトレイルカメラの映像に写っていました。


A3: その状況なら、その行動はかなり自然な採食行動の一部と考えてよいと思います。

ハシブトガラスでもハシボソガラスでも、果実を食べるときに枝を跳びながら樹冠内を上下移動する行動は普通に見られます。

カキ(カキノキ)の熟果を食べる場合、カラスはたいてい次のような動きをします。

  1. 木の低い枝または外側に止まる

  2. 枝を跳びながら上や内側へ移動する

  3. 熟している実のある位置へ移る

  4. 採食しながらまた別の枝へ移動する

このとき、枝間距離が短ければ飛ぶよりジャンプ移動の方が効率的なので、

  • 羽ばたかず

  • ぴょんぴょん枝を移動し

  • 結果として上へ登っていく

という動きになります。

また、カキの木ではもう一つ理由があります。
熟した実は枝先だけでなく上部や内側にも残ることが多いので、カラスは

  • 外側 → 内側

  • 下 → 上

へと枝を伝って順番に探索することがよくあります。

したがって、トレイルカメラ映像に写った

羽ばたかずに枝から枝へジャンプしながら上へ登る

という行動は、木の中で採食位置を探している移動と解釈するのが自然です。


Q4: そのカキノキは完全に落葉していましたが、枝が混み合っていると、樹上のカラスは広げた翼がひっかかりそうで飛びたがらない(だからぴょんぴょんジャンプして登る)のかもしれませんね。

A4: その解釈はかなり妥当だと思います。枝が密な場所では、鳥はしばしば飛ばずに枝を伝って移動します。

理由はいくつか考えられます。

1. 翼が障害物に当たるリスク
枝が混み合った樹冠内部では

  • 翼を大きく広げる余裕が少ない

  • 枝葉に接触して失速する可能性がある

ため、短距離ならジャンプ移動の方が安全です。

2. 飛行は意外と大きな空間が必要
カラス(ハシブトガラスやハシボソガラス)のような中型鳥は、離陸時にある程度の翼振りの空間が必要です。
枝間距離が短い場合は

  • 足で蹴る

  • 少し跳ぶ

  • 次の枝に着地

という移動の方が簡単です。

3. 採食探索との相性
果実採食のときは

  • 枝先

  • 分岐

  • 葉の陰

などを順に調べる必要があります。
この場合、飛んでしまうと探索が飛び飛びになるので、枝を伝って移動する方が効率的です。

4. エネルギー節約
短距離では

  • 飛行よりジャンプや歩行の方がエネルギー消費が小さい
    こともあります。

そのため、あなたが観察したような

枝から枝へぴょんぴょん跳びながら上へ登る

という動きは、樹冠内部で採食している鳥ではかなり典型的な移動様式です。

実はこの行動はカラスだけでなく、

  • ヒヨドリ

  • ムクドリ
    など、果実を食べる中型の鳥でもよく見られます。

Q5: 枝から枝への単発のジャンプは別に珍しくありませんが、カラスが連続して上へ上へ跳んで登っていたのは初めて見たので、珍しく思いました。

A5: その印象はもっともだと思います。

枝間の単発ジャンプは多くの鳥で普通に見られますが、カラスが連続して高度を上げるようにジャンプし続ける場面は、確かに観察機会がそれほど多くありません。

ただし行動としては特別に珍しいものではなく、条件がそろうと **ハシブトガラス や ハシボソガラス でも普通に起こります。今回それがはっきり見えたのは、状況がうまく揃っていた可能性が高いです。

主に次のような条件です。

1. 枝が階段状に配置されている
カキ(カキノキ)は

  • 太い枝から短い側枝が多数出る

  • 枝間距離が比較的近い

ため、鳥にとっては**“足場の階段”のような構造**になりやすい木です。
この場合、飛ぶよりジャンプ連続の方が自然になります。

2. 採食位置が上方にある
冬のカキでは

  • 上部の実が最後まで残る
    ことが多く、鳥は下→上へ探索する動きになります。

3. 樹冠内での短距離移動
樹冠内部では

  • 飛ぶ距離が短い

  • 空間が狭い

ため、跳びながら移動する方が合理的になります。

4. トレイルカメラの視点
地上からの人の観察だと

  • 木の内部の移動は見えにくい

のですが、固定カメラは偶然その一連の動きが連続して写ることがあります。

つまり今回の

連続して上へ跳びながら登る

という動きは

  • 行動自体は普通

  • しかし連続した形で見える機会はそれほど多くない

というタイプの観察だった可能性が高いです。

なお、少し興味深い点があります。
もし映像を見返せるなら、ジャンプの方向を一度確認すると面白いかもしれません。

カラスはこのような場合

  • 幹の側に向かって上がるパターン

  • 枝先に向かって上がるパターン

のどちらかを取ることが多く、これで**採食していた場所(果実の位置)**がかなり推測できます。



2026/03/13

カキノキ樹上の熟果や雪原の落果を採食しながら、後から集まってくるカラスを牽制するニホンザル【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年12月中旬〜下旬 

シーン0:12/13・午後13:11・くもり・気温18℃(@0:00〜) 
農地の端に1本立っているカキノキを自動撮影カメラで見張っています。 
完全に落葉した枝には熟した果実がまだ残っているだけでなく、木の下の雪面には落果が散乱しています。 
熟柿という餌資源を巡るニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラスの競争関係・緊張関係が続いています。 


シーン1:12/19・午前8:50・気温-1℃(@0:04〜) 
初めからニホンザルがカキノキ樹上に登っていました(赤い矢印→)。 
右端の枝先から手を伸ばして熟柿をもぎとり、次々に採食しています。  
(右手前に自生するオニグルミ落葉灌木の幹が邪魔ですね。) 

カキノキの梢に止まって猿を見下ろしていたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が、中程の高さの横枝に止まり直しました。 
まさかカラスが猿の背後から奇襲してライバルを追い払うのかと思ったのですが、猿が気配を感じて振り返りました。 
(カラスにそんな攻撃的な意図はなくて、ただ自分もこっそり樹上の熟果を食べたかったのかもしれません。) 
やがて、そのハシブトガラスはカキノキの枝から手前のオニグルミ落葉樹へ飛んで移動しました。 
猿は振り返ってカラスを見ましたが、カキノキの横枝に座ったまま、もぎ取った熟柿を食べ続けています。 
猿が怖くてカラスは餌場に近づけないのでしょうか? 
逆に、カラスが未練がましくニホンザルに心理戦・神経戦を仕掛けていて、牽制しているのかもしれません。 
(居心地を悪くしてライバルを追い払いたい)
音量を上げると、カラスの鳴き声が遠くから聞こえます。 


シーン2:12/19・午前9:11・くもり・気温0℃(@2:07〜)
子猿がカキノキの左下の雪面に来ています。(赤い丸○) 
樹上で採食している成獣と母子関係であることが後に分かります。 
地上の子猿は、雪面の落柿を拾い食いしているようですけど、画角の下端でよく見えません。 

一方、カキノキ樹上の成獣♀が横枝で立ち上がって手を伸ばし、熟柿を手元に引き寄せました。 
熟果をもぎ取らずに、後足で立ったまま食べ始めました。 
完食せずに、樹上で少し移動すると、別の熟果を次々に味見しています。
猿が手を離すと、たわんだ枝が弾性で戻ります。
猿が食べ残した果実は、激しく揺れても落ちずに枝に残ったままです。 

地上に居た子猿がヤマグワの落葉灌木によじ登り、隣接するカキノキの枝先に残っていた熟柿を自力で採食できました。 

1羽のカラスaが左から右に横切り、手前のオニグルミ樹上に留まりました。(@2:38〜) 
さらに別個体のハシブトガラスbが左奥から飛来し、カキノキ樹上に留まりました。 
採食中のニホンザル成獣とほぼ同じ高さの別の枝にカラスbは留まりました。 
熟柿を採食中のニホンザル母子を、順番待ちのカラスたちが牽制しているようにも見えます。 

ニホンザルの成獣♀は慎重に横枝を枝先に移動して、細い枝先に残った熟柿を食べようとしています。 
細い枝先まで行くと猿の体重で折れそうなので、細い横枝ごと熟柿を力任せに引き寄せました。 

カキノキ樹上に居たハシブトガラスbが、左下の雪面に飛び降りました。 
雪面の落柿を拾い食いする様子がなんとか撮れています。 

ヤマグワの落葉灌木によじ登っていた子猿が、アクロバティックな方法で隣接するカキノキに見事に移り、母親に駆け寄ってその胸に収まりました。 
子猿は近くに来ていたカラスが少し怖いのかもしれません。 
しばらくすると、子猿は母親♀から少し離れ、自力で樹上の熟柿を採食しました。
コザルはオトナに比べて噛む力が弱いため、硬いものはあまり食べられない。また、体重が軽いので必要な食物量が少なくてすみ、オトナだと折れてしまうような細い枝先にまでアクセスできる。 (辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』p93より引用)
耳を澄ますと、ニホンザルたちがクーコール♪(コンタクトコール♪)を鳴き交わしている声がかすかに聞こえました。 
(画面に写っている母子の鳴き声とは限りません。)
母親♀は、食べ残しの熟柿を惜しげなく下にポイ捨てしました。 


シーン3:12/20・午前8:12・気温0℃(@4:09〜)
翌日も朝からニホンザルがカキノキに登って熟果を食べていました。 
発情して顔が真っ赤な成獣が、カキノキ幹の中ほどから右上に伸びた枝の先まで登ると、熟柿を手繰り寄せて食べました。 
手元に引き寄せた熟果に直接かぶりつくこともあれば、手でもぎ取って食べることもありました。 
熟し過ぎた果肉の断片が落ちた他、外側の果皮は食べずに捨てました。 
食べかけの果実を口に咥えたまま、ニホンザル成獣がカキノキの幹まで戻りました。 
安定した太い横枝に座って、熟柿を美味そうに食べています。 
果汁が滴る熟柿をちょうど完食したところで、2分間の録画が終わりました。


シーン4:12/21・午前9:51・くもり後晴れ・気温2℃(@6:09〜) 翌朝はうっすらと雪化粧していましたが、雪は降り止んでいました。 

黒い首輪を装着したニホンザルの成獣がカキノキ幹をよじ登った後で、左から計4頭の子猿が走って登場しました。 
子猿はカキノキに比べて幹が細いヤマグワやアンズの落葉灌木を経由してカキノキ樹上に移りました。 
これは子猿に特有の移動経路です。 
成獣よりも体格の劣る子猿は、太い幹のカキノキを直接よじ登ることがまだ苦手なのでしょう。 
カキノキの幹に巻き付いている蔓植物を掴んで登る若い個体もいました。 

左から飛来したカラスがアンズの横枝にひょいと止まりましたが、近くに居た子猿をカラスが襲うことはありませんでした。 
子猿たちも特にカラスを警戒しないで、木登り遊びを楽しんでいます。 

ニホンザルたちはカキノキに続々とよじ登り、樹冠部に残った熟果を食べ始めました。 
右下の地上に残っていたニホンザル個体は、雪面の落果を拾い食いしています。 

奥からカラスが次々と飛来し、カキノキの枝に留まる個体もいました。 
樹上で柿の実を食べていたニホンザル成獣が振り返ってカラスに気づくと、追い払いました。(@7:39〜) 
逃げたカラスは、少し飛んだだけで、左隣りのアンズ落葉樹に留まり直しました。 


シーン5:12/21・午前9:53・晴れ(@8:09〜) 
子猿は満腹のようです。 
遊び仲間(兄弟姉妹?)の2頭の子猿が、左の落葉したヤマグワ灌木の辺りで一緒に遊んでいます。 
右から飛来して近くの雪原に舞い降りたカラスが、ウォーキングで雪原を歩くと、子猿たちが遊ぶ様子を近くで眺めています。 
子猿と一緒に遊びたいのか、構って欲しいのかな? 
柿の実という貴重な餌資源を巡ってカラスが猿を牽制しているようには見えなくなってきました。 
(ここだけ見ると、敵対関係には見えません。) 


シーン6:12/21・午前9:56・晴れ(@10:10〜) 
カキノキ樹上に2頭のニホンザルが登って熟柿を採食しています。 
左奥で遊ぶ子猿は計3頭になりました。
(シーン5の最後で1頭の子猿が柿の木から下りて、遊び仲間と合流。) 

雪原をうろついていたカラスが、落葉低木の横枝に跳び乗りました。 

左手前のオニグルミ樹上に居た猿が木を下り始め、至近距離で写りました。(@10:58〜) 
前足の肉球が一瞬写ったぐらいです。 
少し奥の雪原に跳び下りたようです。
幸い、猿に監視カメラを悪戯されずに済みました。 


シーン7:12/21・午前10:26・くもり・気温6℃(@12:12〜) 
ニホンザルの群れはいつの間にかカキノキから居なくなっていました。 
(カキノキから少し離れていただけだと後に判明します。)
入れ代わりで、カラスの群れが雪原に散開して、雪面の落柿を食べています。 
地上採食中のカラスたちが少し逃げ惑ったので、何事かと思いきや、首輪を装着したニホンザル成獣が手前から柿の木の下にゆっくり歩いて登場しました。(@12:40〜) 
カキノキの真下の雪面から落柿を拾うと、近くの灌木に腰掛けながら食べ始めました。 
尻だこがあるニホンザルでも雪面に直接座ると冷たいのか、樹上で座るようにしています。 
その猿が食べながら振り返って一瞥しただけで、背後の雪原を忍び寄っていたカラスたちが慌てて逃げました。(@14:00〜) 

左では子猿がヤマグワの落葉灌木によじ登って遊び始めました。 
カキノキの梢(画角の外)で別個体のニホンザルが採食しているようで、ときどき食べ残しを捨てています。 


シーン8:12/21・午前10:28・くもり・気温8℃(@14:12〜) 
カキノキの樹上からニホンザル成獣が頭を下にして幹を下りてきました。 
やんちゃな子猿なら飛び降りるところですが、成獣は怪我するのが怖いのか、慎重に雪原へ降りました。 

右の落葉灌木では、首輪を装着した成獣♀個体が落柿を食べながら、その様子を見ていました。 
食べかけを捨てて振り返ると、雪原を背後まで来ていたカラスが警戒して飛び退きました。(@14:28〜15:07) 
このニホンザル個体は、もうだいぶ食欲が満ち足りているのか、それほど攻撃的にカラスを追い回したり追い払ったりすることはありません。 
それでも図々しく近寄ってくるカラスをときどき牽制しています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 




【考察】
辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』という本によると、
 ・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用) 
・本州では動物感の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より引用) 


 
この動画シリーズについてChatGPTと問答を長々と繰り返してブレインストーミングしました。
おかげで頭を整理できたのですが、すべてのQ&Aをコピペするのは面倒だし、あまりにも長くなり過ぎます。
今回はChatGPTに観察結果の解釈をまとめてもらいました。


カキノキを巡るニホンザルとカラスの相互作用

農地の端に、剪定がほとんどされていない1本のカキノキが立っており、周囲は収穫後のソバ畑、スギの防風林、休耕地などに囲まれていた。樹高はおよそ10 m前後と推定され、細長い樹形で、熟した果実は樹冠の外側や枝先に多く残っていた。この木をトレイルカメラで監視したところ、昼間には ニホンザル の小さな群れ(10頭未満と推定)が繰り返し訪れて果実を採食していた。

サルが来た直後の段階では、周囲にいた ハシブトガラス(および可能性として ハシボソガラス)に対して強い排除行動が見られた。サルは樹上だけでなく地上でもカラスを追い回し、落果を拾い食いしていたカラスの群れを追い散らしていた。この段階は、餌資源を巡る**干渉型競争(interference competition)**として解釈できる。

しかし時間の経過とともに、サルのカラスに対する攻撃性は次第に弱まった。カラスは近くの木(オニグルミなど)に待機したり、奥のスギ防風林から飛来したりして機会をうかがい、サルが落とした果実を地上で拾って食べた。サルは果実を味見したり、食べかけの果実を惜しげもなく落とすことが多く、それがカラスにとって重要な餌資源となっていた。

このため、この関係には競争と**促進(facilitation)**の両方の側面が存在していた。サルは果実へのアクセスを巡ってカラスを排除する一方で、採食行動の結果として落果や食べ残しを生じさせ、結果的にカラスの採食機会を増やしていた。

最終的に、樹上にはまだ果実が残っている段階でもサルの群れは比較的あっさりとその場を離れた。すると待機していたカラスがすぐに飛来し、樹上および地上で果実を採食し始めた。観察の後半になると、残った果実は細い枝先に集中しており、体重の軽い子ザルやカラスの方が利用しやすい状態になっていた。

カラスの個体数は時間によって変動したが、通常は3~5羽程度で、多い時には10羽以上が集まることもあった。しかし映像ではカラス同士の激しい争いはほとんど見られず、資源量が比較的多かったため同種間の干渉型競争は弱かった可能性がある。



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