2026/05/01
林内の越冬用巣穴に近づく侵入個体に大声で吠えて追い払う雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】
2026/04/27
鳥から毟り取った羽根が散乱するスギ林床を夜な夜なうろつきマーキングするホンドタヌキ:1月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】
2026/04/25
厳冬期の夜のスギ林で奇妙な鳴き声で挨拶するホンドタヌキは発情期?【トレイルカメラ:暗視映像】
ホンドタヌキの発情期は主に1月から3月頃です[2][4]。ただし、地域によって多少の変動があり、一般的には2月下旬から4月頃にかけて交尾が行われると報告されています[3]。
2026/04/14
尻尾の毛がまだらに抜けたホンドギツネが雪国のホンドタヌキが越冬する営巣地をうろつく【トレイルカメラ:暗視映像】
2026/04/03
早春にケヤキの樹上で「カコン、カコン♪」と奇妙な声で鳴くハシボソガラスの謎(野鳥)
A1: ハシブトガラスでは明確な鳴き真似が頻繁に観察されているのに対し、ハシボソガラスについては、少なくとも公開情報の範囲では鳴き真似の確かな事例は乏しい。仮に行っていても頻度はかなり低いか、目立たない形である可能性が高い。
A2: その状況説明からすると、その個体の「カコン、カコン」という発声は、少なくとも繁殖・採餌・防衛の実績を見る限りハンディキャップではなく、個体識別的な“クセの強い縄張りコール”になっていると考えるのが妥当だと思います。pmc.ncbi.nlm.nih+1変な声でも不利にならない理由
カラス類では、声には個体識別情報が強く埋め込まれており、「他個体と違う声」であること自体がむしろ誰だか分かりやすくする機能を持ち得ます。pmc.ncbi.nlm.nih+1
Carrion Crow(ハシボソガラスの同種群)でも、個体ごとに声の特徴がはっきりしており、年齢とともに個体差が増すことが実験的に示されています。「変な声」はその一端にすぎない可能性があります。pmc.ncbi.nlm.nih+1
なわばりコールとしての可能性
野外録音データベースでも、Carrion Crow が単独で樹上などにとまり、「bizarre song‑like vocalizations」を長く続ける例が報告されており、通常のガァ声とはかなり違う声型をなわばり・社会的宣言に使うケースが知られています。xeno-canto+1
ご説明の個体も、木や電柱で定位置から反復的に出していること、通年なわばりを維持できていることから、少なくとも周囲のカラスたちには「この個体の縄張りコール」として十分に通用していると考えられます。
ハンディキャップにならない理由の考え方
配偶相手が実際に番を組んでいる以上、その声が配偶相手の選好やペア維持を妨げてはいません。カラス類は相手個体を視覚・行動・履歴でも識別するため、声だけで評価されているわけでもありません。academia+1
競合他個体との関係でも、「音量・頻度・コンテキスト」が重要で、音色が奇妙でも「ここにいる・やる気がある」というシグナルとして十分なら、機能的には問題ないと考えられます。pubs.aip+1
もし研究として扱うなら
「しゃっくり様コール」と通常のガァ声を両方録音し、スペクトログラムで構造を比較する。
発声文脈(単独/番相手の位置/近くのライバルや人間の有無)を系統的に記録する。
可能なら、近隣個体の反応(接近・応答コール・回避)も行動記録として残す。
こうした記録があれば、「Carrion Crow における異型な個体特異的縄張りコール」の一事例として、短報レベルで十分価値があると思います。
A3: 結論から言うと、「ハシボソガラスについて、“鳴き声レパートリーが豊かであることが異性への明確なセックスアピールになる” という証拠は、現状の知見では示されていません。一方、「鳴き声が縄張り維持・相手との連携・個体識別に使われる」のはかなり広く認められており、その中で結果的に「鳴き声が良い個体ほど繁殖に有利かもしれない」という仮説は成り立ちますが、直接的な「鳴き声レパートリーが性的選択で進化している」というデータは、特にハシボソについてはありません。
1. ハシボソガラスの鳴き声と「求愛」の関係
ハシボソガラスは、繁殖期に縄張りを強く主張し、鳴き声を多用することが解説されています。sf-japan+1
「繁殖期に鳴き声がより長く・低く、縄張りを示す長めの「ガァー」が出る」という報告もあり、求愛と縄張り維持が同時に機能していると解釈されています。sf-japan
ただし、
「鳴き声が特に豊か・変化に富んでいる個体ほど、配偶者が寄ってくる/採択されやすい」
あるいは
「 harassing-coo 以外の鳴き声が直接的に求愛に使われる」
といった、性的選択側の実証データは、ハシボソガラスでは明示されていません。
2. 他の鳥の例との比較
一部の鳥類では、
鳴き声のレパートリーが大きい
サイズやビブラートの複雑さが高い
ことで、雌からの選好が高まる、という報告があります(カナリアやホオジロなど)。sf-japanその場合、レパートリーは「鳴き声技術の良さ=遺伝的・環境的フィットネスの指標」として、間接的なセックスアピールになると考えられます。
カラス類全体でも、鳴き声は社会的コミュニケーション・個体識別・危険警戒・縄張り宣示などの多重機能を持っているため、求愛を含む可能性は否定されませんが、note+1
ハシボソガラスに限って「レパートリーが豊かであること=性的選択に直結」という結論は、現時点では「示唆レベル」以上の証拠は見つかりません。3. あなたの「しゃっくり鳴き個体」の場合の解釈
あなたの個体の場合、
特定の声が「縄張り内・特定場所・特定時間」で反復され、
番が組まれ、通年縄張りを維持している
という点から考えると、
その声は「他個体に「この場所はこの個体がいる」と分かりやすく伝える個体識別型縄張りコール」として機能している、
という解釈が最も自然です。note+1性的アピールとしての役割は、理論的にはあり得ますが、
鳴き声のレパートリーが大きいことと
配偶相手の「選好」が明示的にリンクしているか
については、直接証拠がないため、「間接的な社会的利得の一部かもしれないが、主に縄張り・個体識別用のシグナルとして進化している」と見るのが、現状の知見で最も無理のない解釈です。
4. 今後、その視点で見ると面白い観察
そのしゃっくり鳴きが、
繁殖期の鳴き声頻度が増えるのか
番相手が近くにいるときといないときで、鳴き声の頻度やセット構成が変わるか
あるいは、
他の鳴き声との「デュエット」や
他の縄張り個体との「鳴き合い」に織り込まれているか
といった点を整理すれば、「性の選択」の可能性を含めた議論の素材として、かなり面白い位置づけになります。
Q4: そのハシボソガラスの番から生まれた子供は、親鳥の鳴き声を真似てしゃっくりのような鳴き方をするだろうか? つまり、カラスの鳴き声は鳴禽類のさえずりのように学習によるものか?
A4: その「しゃっくり鳴き」を子ガラスがそのまま真似してくれるかどうか、は可能性は高いが、完全に決めつけられるほど、ハシボソガラス側の学習型鳴き声のデータは整備されていない、という感じです。
1. カラスの鳴き声は「鳴き真似型」の学習をするか?
ハシブトガラスでは、
人語・犬・猫・カエルなど、周囲の音を「後天的に学習して再現する」例が、観察・研究レベルでかなり示唆されています。
これは「鳴き声が(少なくとも一部分)学習によって獲得される」ことを強く示しています。youtubekawaguchi.science
一方で、ハシボソガラスについては、
「鳴き方の個体差がある」「声質には変化がある」ことは知られているが、
「ハシブトほど積極的な鳴き真似」が明示的に報告されているわけではありません。carasblog+1
したがって、
「ハシボソガラスの鳴き声も、鳴禽類のさえずりほどではないが、ある程度の範囲では学習される可能性がある」
というのが、現時点での妥当な解釈です。
2. 子ガラスが「しゃっくり鳴き」を真似するか?
一般資料では、
ハシボソの幼鳥は、
成鳥と異なる声質で鳴く
親が鳴くのを見て、鳴き声を「練習する」過程がある
とされています。wbsj-saitamayoutubeその中で、
「学習による鳴き声の修正・獲得」
と
「遺伝的・先天的枠組み内での変化」
が混在していると考えられています。kawaguchi.scienceその前提で考えると:
もし「しゃっくり鳴き」が、
明確に「カエル風」「他の音源を模した」ような、
かつ、親が場所・時間・状況で明確に「繰り返して鳴く」
としたら、子がその鳴き方を「学習して似たような声を出す」可能性は十分あります。
一方で、
それが単に「声帯・鳴管の個体差」や
「鳴き方の癖」にすぎない
なら、子は「親の把握している“鳴き方の範囲”の中で、自分の声として似たような音を出す」ことはあっても、親の「しゃっくり様コールそのもの」を完全に真似するとは限らない
ということになります。
3. つまり「鳴き声は鳴禽類のように完全な学習か?」
鳴禽類のさえずりのように、
「鳴き声の大部分が、若鳥期の模倣から学習される」
という形ではないが、カラス類は、
「鳴き声のレパートリーが先天的に決まっていて、それを少し変形させて使う」
だたしその変形は、
同種の鳴き声の「聞こえる範囲」
自身の鳴き声の「試行錯誤」
他種の音源の「結果的模倣」
を含むといった「中間型の学習声音」と見るのが妥当です。sf-japan+1
4. あなたのケースでの展望
その「しゃっくりコール」が
その親個体特有の「容易に模倣可能な音型」で
子ガラスがそのすぐ近くで鳴き声を聞いている環境
なら、「子が似たようなしゃっくり鳴きを出す」事例は、学術的には珍しく、
行動生態的にも非常に興味深い観察
になる可能性があります。
その場合は、「鳴き声の録音+動画+生まれた時期のメモ」を取っておくと、
「ハシボソガラスにおける、鳴き声の親子継承・学習の候補例」として、研究素材として十分に価値を持つ記録になります。
2026/03/23
厳冬期の雨夜に落葉二次林で越冬用の巣穴をうろつく雪国のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】
2026/03/18
熟果を食べるために枝から枝へ連続して跳んでカキノキを登るカラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】
A1: その行動を**「木登り」**と呼んでも意味は通じますが、やや広い(やや曖昧な)表現になります。動物行動の描写としては、もう少し具体的な言い方もあります。まず、カラス(ハシブトガラスやハシボソガラス)が
羽ばたかず
枝から枝へ跳び移りながら
上方へ移動する
という動きは、英語では hop / hopping や branch-to-branch hopping と表現されることが多く、日本語でも「跳び移る」「跳ね上がる」「枝伝いに上がる」といった記述が近いです。
「木登り」という語のニュアンス
日本語の「木登り」は普通は
幹をよじ登る
爪や手足でつかみながら登る
といったイメージが強く、典型例は
リス
クマ
テン
などです。一方、カラスのように枝の上をジャンプして高度を上げる行動は、
幹をよじ登るわけではない
枝を足場として移動している
ので、厳密には少し違うタイプの上昇です。
描写として自然な言い方
文章なら例えば次のような表現がよく使われます。
枝から枝へ跳び移りながら上へ移動した
枝を伝ってぴょんぴょんと登っていった
枝を足場に跳ね上がるように上昇した
カジュアルな文章なら
枝から枝へ跳ねながら木を登っていった
のように、「木を登る」と書くのは特に不自然ではありません。
A2: そのような 「枝から枝へ跳び移りながら上へ登る」行動は、ハシブトガラスにもハシボソガラスにも普通に見られる行動で、どちらか一方に特有というわけではありません。
ただし、見られやすさには多少の傾向差はあります。
1. 両種とも普通にやる行動
カラス類(Corvus)は全般に
枝上を 歩く・跳ぶ(hop)
枝から枝へ 短距離ジャンプ
飛ばずに 枝伝いに移動する
という移動をよくします。これは多くのカラス科鳥類に共通する基本的な樹上移動です。
したがって羽ばたかずに枝を跳びながら上へ登る
という動き自体は、両種とも普通にできます。
2. 観察頻度の差(生息環境の違い)
ただし行動の見え方には違いがあります。
ハシブトガラス
樹上活動が比較的多い
森林・樹林・都市の樹冠などをよく使う
ハシボソガラス
地上採食が多い
開けた農地・草地で地面を歩く時間が長い
このように、両種は採餌場所や微小環境の使い方が違うことが知られています。(J-STAGE)
そのため実際の観察では
樹上で枝移動をよく見る → ハシブトガラスの印象が強い
地面で歩き回る → ハシボソガラスの印象が強い
という違いが出やすいだけです。
3. 行動の意味
枝ジャンプで上へ登る行動は、状況によって用途が変わります。
典型的には
採餌位置への移動
見張り位置への移動
警戒時の位置変更
遊び(若鳥)
飛ばずに移動する理由は単純で、エネルギー節約+微妙な位置調整がしやすいからです。
幹の近くを伝って上がっていたのであれば、その行動は特に珍しいものではなく、
ハシブトガラスでもハシボソガラスでも普通に見られる樹上移動です。種を区別できる特徴的行動とは言えません。ただし、幹の近くを使う場合にはいくつかの典型的な理由があります。
1. 安定した足場を使って上昇している
幹の付近には
太い枝
枝の分岐部
が多く、ジャンプの足場として安定しています。
カラスは足で枝をつかんで体を持ち上げるのが得意なので、飛ばなくても
枝に跳び上がる
少し歩く
また次の枝に跳ぶ
という動きを繰り返して階段のように高度を上げることができます。
2. 警戒時の移動
幹付近の枝は
体を隠しやすい
外側の枝より安全
という利点があります。人や捕食者を警戒しているとき、いきなり飛ばずに幹側へ移動して上がることはよくあります。
3. 飛ぶ必要がない距離
カラスに限らず多くの鳥は
近距離ならジャンプ移動
長距離なら飛行
を使い分けます。
枝の間隔が近いと、飛ぶより跳ぶ方が簡単です。補足
この行動がもし特徴的に見えたとすれば、それは
地面でよく歩く印象の強いハシボソガラス
よりも樹冠で活動することが多いハシブトガラス
の方で観察機会が多いためかもしれません。ただし行動自体は両種共通です。
Q3: 冬にカキノキに集まり熟果を採食するカラスの群れを撮ったトレイルカメラの映像に写っていました。
A3: その状況なら、その行動はかなり自然な採食行動の一部と考えてよいと思います。
ハシブトガラスでもハシボソガラスでも、果実を食べるときに枝を跳びながら樹冠内を上下移動する行動は普通に見られます。
カキ(カキノキ)の熟果を食べる場合、カラスはたいてい次のような動きをします。
木の低い枝または外側に止まる
枝を跳びながら上や内側へ移動する
熟している実のある位置へ移る
採食しながらまた別の枝へ移動する
このとき、枝間距離が短ければ飛ぶよりジャンプ移動の方が効率的なので、
羽ばたかず
ぴょんぴょん枝を移動し
結果として上へ登っていく
という動きになります。
また、カキの木ではもう一つ理由があります。
熟した実は枝先だけでなく上部や内側にも残ることが多いので、カラスは
外側 → 内側
下 → 上
へと枝を伝って順番に探索することがよくあります。
したがって、トレイルカメラ映像に写った
羽ばたかずに枝から枝へジャンプしながら上へ登る
という行動は、木の中で採食位置を探している移動と解釈するのが自然です。
A4: その解釈はかなり妥当だと思います。枝が密な場所では、鳥はしばしば飛ばずに枝を伝って移動します。理由はいくつか考えられます。
1. 翼が障害物に当たるリスク
枝が混み合った樹冠内部では
翼を大きく広げる余裕が少ない
枝葉に接触して失速する可能性がある
ため、短距離ならジャンプ移動の方が安全です。
2. 飛行は意外と大きな空間が必要
カラス(ハシブトガラスやハシボソガラス)のような中型鳥は、離陸時にある程度の翼振りの空間が必要です。
枝間距離が短い場合は
足で蹴る
少し跳ぶ
次の枝に着地
という移動の方が簡単です。
3. 採食探索との相性
果実採食のときは
枝先
分岐
葉の陰
などを順に調べる必要があります。
この場合、飛んでしまうと探索が飛び飛びになるので、枝を伝って移動する方が効率的です。4. エネルギー節約
短距離では
飛行よりジャンプや歩行の方がエネルギー消費が小さい
こともあります。そのため、あなたが観察したような
枝から枝へぴょんぴょん跳びながら上へ登る
という動きは、樹冠内部で採食している鳥ではかなり典型的な移動様式です。
実はこの行動はカラスだけでなく、
ヒヨドリ
ムクドリ
など、果実を食べる中型の鳥でもよく見られます。
A5: その印象はもっともだと思います。枝間の単発ジャンプは多くの鳥で普通に見られますが、カラスが連続して高度を上げるようにジャンプし続ける場面は、確かに観察機会がそれほど多くありません。
ただし行動としては特別に珍しいものではなく、条件がそろうと **ハシブトガラス や ハシボソガラス でも普通に起こります。今回それがはっきり見えたのは、状況がうまく揃っていた可能性が高いです。
主に次のような条件です。
1. 枝が階段状に配置されている
カキ(カキノキ)は
太い枝から短い側枝が多数出る
枝間距離が比較的近い
ため、鳥にとっては**“足場の階段”のような構造**になりやすい木です。
この場合、飛ぶよりジャンプ連続の方が自然になります。2. 採食位置が上方にある
冬のカキでは
上部の実が最後まで残る
ことが多く、鳥は下→上へ探索する動きになります。3. 樹冠内での短距離移動
樹冠内部では
飛ぶ距離が短い
空間が狭い
ため、跳びながら移動する方が合理的になります。
4. トレイルカメラの視点
地上からの人の観察だと
木の内部の移動は見えにくい
のですが、固定カメラは偶然その一連の動きが連続して写ることがあります。
つまり今回の
連続して上へ跳びながら登る
という動きは
行動自体は普通
しかし連続した形で見える機会はそれほど多くない
というタイプの観察だった可能性が高いです。
なお、少し興味深い点があります。
もし映像を見返せるなら、ジャンプの方向を一度確認すると面白いかもしれません。カラスはこのような場合
幹の側に向かって上がるパターン
枝先に向かって上がるパターン
のどちらかを取ることが多く、これで**採食していた場所(果実の位置)**がかなり推測できます。
2026/03/13
カキノキ樹上の熟果や雪原の落果を採食しながら、後から集まってくるカラスを牽制するニホンザル【野鳥:トレイルカメラ】
コザルはオトナに比べて噛む力が弱いため、硬いものはあまり食べられない。また、体重が軽いので必要な食物量が少なくてすみ、オトナだと折れてしまうような細い枝先にまでアクセスできる。 (辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』p93より引用)耳を澄ますと、ニホンザルたちがクーコール♪(コンタクトコール♪)を鳴き交わしている声がかすかに聞こえました。
・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用)・本州では動物感の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より引用)
カキノキを巡るニホンザルとカラスの相互作用
農地の端に、剪定がほとんどされていない1本のカキノキが立っており、周囲は収穫後のソバ畑、スギの防風林、休耕地などに囲まれていた。樹高はおよそ10 m前後と推定され、細長い樹形で、熟した果実は樹冠の外側や枝先に多く残っていた。この木をトレイルカメラで監視したところ、昼間には ニホンザル の小さな群れ(10頭未満と推定)が繰り返し訪れて果実を採食していた。
サルが来た直後の段階では、周囲にいた ハシブトガラス(および可能性として ハシボソガラス)に対して強い排除行動が見られた。サルは樹上だけでなく地上でもカラスを追い回し、落果を拾い食いしていたカラスの群れを追い散らしていた。この段階は、餌資源を巡る**干渉型競争(interference competition)**として解釈できる。
しかし時間の経過とともに、サルのカラスに対する攻撃性は次第に弱まった。カラスは近くの木(オニグルミなど)に待機したり、奥のスギ防風林から飛来したりして機会をうかがい、サルが落とした果実を地上で拾って食べた。サルは果実を味見したり、食べかけの果実を惜しげもなく落とすことが多く、それがカラスにとって重要な餌資源となっていた。
このため、この関係には競争と**促進(facilitation)**の両方の側面が存在していた。サルは果実へのアクセスを巡ってカラスを排除する一方で、採食行動の結果として落果や食べ残しを生じさせ、結果的にカラスの採食機会を増やしていた。
最終的に、樹上にはまだ果実が残っている段階でもサルの群れは比較的あっさりとその場を離れた。すると待機していたカラスがすぐに飛来し、樹上および地上で果実を採食し始めた。観察の後半になると、残った果実は細い枝先に集中しており、体重の軽い子ザルやカラスの方が利用しやすい状態になっていた。
カラスの個体数は時間によって変動したが、通常は3~5羽程度で、多い時には10羽以上が集まることもあった。しかし映像ではカラス同士の激しい争いはほとんど見られず、資源量が比較的多かったため同種間の干渉型競争は弱かった可能性がある。