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2026/09/24

河川敷でハシブトガラスが集めて持ち去った謎の餌(野鳥)

 

2025年5月中旬・午後16:05頃・くもり 

河川敷の草地でハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が採食中だったようで、嘴に謎の餌をいくつも咥えていました。 
カメラを向ける私を明らかに警戒していて、キョロキョロ見回しています。 

奥に飛び去り、左旋回して姿を消しました。 
川原に降り立ったのか、河畔林を飛び越えて対岸に渡ったのかもしれません。 
謎の餌をその場で食べずに持ち去ったので、巣で待つ雛へ給餌しに行ったのでしょう。 
Perplexity AIに相談すると、貯食した可能性もあると指摘を受けました。(確かに!)


【考察】
何度見直しても、ハシブトガラスが集めていた謎の餌の正体が分かりません。 
小さくて丸い黄土色の物体に黄緑色の長い柄が付いているようです。 
サクランボの種子と果柄を連想したのですが、それにしても変です。 
5月中旬の川べりに果実はないはずだと思うのですけど、草の実なのかな? 
AIに画像認識してもらうと、虫ではないかと言うのですけど、そんな虫の心当たりがありません。
私は「いやいや、これは絶対に植物質の餌だろう」と納得できません。 
しっかり現場検証するべきでした。
もし謎の採食メニューを見抜ける方がいらっしゃいましたら、教えてください。 

ハシブトガラスを横から見ると、喉袋も膨らんでいました。
喉袋に貯め切れなくなった餌を嘴に咥えたまま、飛び去ったのです。

2026/09/22

田んぼの横で謎の黒い虫を捕らえ巣に持ち帰るスズメの親鳥(野鳥)

 

2025年5月中旬・午後13:15頃・くもり 

水入れが始まった田んぼの横でスズメ(Passer montanus)が何か黒い虫を捕食していました。 
地面に何度も叩きつけて、獲物を確実に殺しているようです。 
頬斑が黒いので、このスズメ個体は成鳥です。 

代掻きしたトラクターのタイヤの跡(轍)が泥に残ったまま乾いたのか、ひび割れています。 
そのひび割れに獲物をうっかり落としてしまいましたが、すぐに拾い上げました。 
嘴に咥えて何度か咀嚼したのも、抵抗する獲物の息の根を止める(とどめを刺す)ためでしょう。 
スズメはその場で飲み込まずに、獲物を嘴に咥えたまま左に飛んで持ち去りました。 
巣に持ち帰って、空腹の雛に給餌するのでしょう。 
ちなみに、スズメはカラスと違って餌を貯食する習性はありません。

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22〜) 
いくら見直しても、スズメが後ろ姿のためもあって、謎の獲物の正体を私には突き止められませんでした。 
(見分けられる達人がいらっしゃいましたら、教えてください。)
獲物から取り除いた翅が(少なくとも1枚)風で飛んだので、昆虫であることは間違いありません。 
チョウの仲間(鱗翅目)ではなさそうです。
しかしスズメは獲物から全ての翅を丹念に毟り取る手間をかけずに、咥えて飛び去りました。

水溜りで交尾しながらガガンボを襲うアメンボ♀♂

 

2025年5月中旬・午前10:55頃・くもり 

里山の中腹にある湧水湿地の浅い水溜りでガガンボの一種が暴れていました。 
キリウジガガンボ(Tipula aino)ですかね? 
産卵中のガガンボ♀が何か水難事故に遭って溺れているのかと初めは思いました。 

カメラでズームインしてみると、水面で交尾しているアメンボ(種名不詳)の♀♂ペアのうち、♀がガガンボの細長い脚の先(左の後脚および中脚)をしっかり掴んでいました。 
捕食者から逃れようとガガンボが必死で暴れたおかげで、中脚は抜けたものの、後脚がどうしても抜けません。 
一方、アメンボ♀はガガンボの長い脚を手繰り寄せようとしても胴体まで口吻が届かないので、獲物の体液を吸汁(体外消化)できないでしょう。 
つまり、両者とも手詰まりの膠着状態でした。 
水深が浅いので、脚が長いガガンボは水溜りの底に立てますから、溺れる心配はありません。 

水溜り水面での攻防を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:30〜) 

アメンボがガガンボを狩る瞬間を見ていないのですけど、産卵していたガガンボ♀の足が水溜りの底のゴミに絡まって暴れていたら、その波紋を感じて交尾中のアメンボ♀♂が近寄ってきて襲ったのかもしれません。 
この後ガガンボは最終手段として、捕まった脚を自切して逃げるかと期待したのですが、他の水生生物に気を取られてしまった私は最後まで見届けられませんでした。

2026/09/19

ハシボソガラスに腹部を捕食されても虫の息で歩くカブトムシ♂

 

2026年9月上旬・午後16:20頃・晴れ 

山麓の農村部の歩道で1羽のハシボソガラス(Corvus corone)が何かしていました。
私が歩いて近づいても、珍しくカラスはなかなか逃げようとしません。 
横のガードレールに一旦飛び乗ってから(名残惜しそうに)ようやく飛び去りました。 
逃げたハシボソガラスは、少し離れた外灯の支柱や送電塔の中段に留まって、私の様子をうかがっています。
(映像はここから。)
カラスが居た歩道を現場検証すると、解体されたカブトムシ♂(Trypoxylus dichotomus)の死骸が歩道に仰向けで転がっていました。 
ハシボソガラスがカブトムシ♂を捕食・解体するシーンを撮影する絶好のチャンスだったのに、気づかず撮り損ねたのが残念です。 

カブトムシ♂の頭部には前胸と右鞘翅が付いたままでした。 
脚は、左右の前脚と左の後脚だけ残っています。
立派な角は無傷でしたが、身を守る役には立たなかったようです。 
指で触れると、左右の前脚および口吻が動いたので、まだ生きていることが分かりました。 

背側の状態を見るために仰向け状態から元に戻してやると、1対の前脚だけを使ってぎこちなく歩いて前進し始めました! 
左の後脚は麻痺していました。
左前脚の跗節に力が入らないようで、路面を歩くグリップが左右非対称になっています。 
そのため、瀕死のカブトムシ♂はすぐにバランスを崩して再び横転しました。 
もがき続ける前脚が空を切ります。 
カブトムシの歩行を司る中枢神経系は胸部の腹側にあって、カラスに解体されても、ほぼ無傷だったようです。 
(ちなみに、我々ヒトを含む脊椎動物の中枢神経系は背側にあって、昆虫とは体制の背腹軸が逆になっています。) 

かなりショッキングな恐怖映像ですけど、過去にほぼ同じシーンを観察した経験があるので、冷静に撮影できました。 
今回はハシボソガラスのしわざだとはっきりしています。



カラスがカブトムシ♂を捕食する前に根元から毟り取った脚や翅(前翅と後翅)が路上に散乱していました。 
そのうち脚の1本をクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀が後ろ向きに引きずって巣穴に運び去るところでした。 

胸部からちぎり取られた腹部も路上に残されていました。 
腹部の内部組織はハシボソガラスに捕食されて空っぽでした。 
カラスはカブトムシを狩っても、腹部の肉しか食べないようです。
これは6年前の事例でも同じでした。 

もし私が現場にカメラだけを置いて離れたら、さっきのカラスが戻ってきて食べ残しのカブトムシ♂を捕食するシーンを撮れたかな?
もしもまだ食べるつもりなら、カラスは逃げる際に獲物を咥えて持ち去ったはずです。



2026/09/18

樹上でちぎり取ったコナラの若葉に付いていた虫を捕食するニホンザル♂

 

2025年5月下旬・午前10:05頃・くもり 

里山の山道を私が静かに登っていると、パッチ状に植林された スギ(杉)林でニホンザル♂(Macaca fuscata fuscata)と遭遇しました。 
樹上のニホンザル♂は、スギの幹の陰から顔を出して、私を見下ろしています。 
初めは逆光で猿の顔がよく見えませんでした。 
欠伸をしたのは、もしかすると犬歯を誇示して私を威嚇したつもりなのかもしれません。 
次に左手で頭を掻きました。 
胸に乳首が見えず、股間に薄いピンクの陰嚢が見えたことから、♂と判断しました。 
白っぽい毛並みの個体です。 

やがてニホンザル♂は、座っていたスギの横枝から立ち上がると、樹上で移動開始。 
隣の横枝に跳び移り、私の真上まで来て横枝に座りました。 
チラチラとさり気なく私を見下ろしています。 

樹上の猿は、スギの枝先から左手を伸ばすと、隣接するコナラの葉を数枚ちぎり取りました。 
そのままスギの横枝に戻り、採取したコナラの若葉を採食しています。 
食事の様子をよく観察すると、コナラの葉そのものを食べているのではなく、葉に付着した小さな虫(種名不詳)を丹念に指でつまんで捕食していました。 
調べた葉を下にどんどん捨てています。 

次に、ニホンザル♂は左上を見上げながら左手で左膝を掻きました。 
このとき、次の移動ルートを思案・検討していたようです。 
最後に、隣接するコナラやスギへと樹間移動を始めました。


【考察】 
コナラの若葉を食べても良さそうなのに、今回のニホンザル♂が口にしなかったのは意外でした。
その代わりに、コナラの葉に付着していた小さな虫を指で丹念に摘み取って食べていました。
捕食した虫の正体を見極められなかったのは残念です。
今思うと、ニホンザルが捨てたコナラの葉を拾って、詳しく調べるべきでしたね。

ひとつ思いついたのは、コナラの葉の表面にできた虫こぶ(虫えい)を食べたのではないかという仮説です。
Perplexity AIに訊いてみると、やや否定的な見解でした。

Q1: 5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はあるか?

A1: はい、5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はいくつか確認されています。代表的なものを以下に挙げます。

5月下旬にコナラの葉で見られる主な虫こぶ

ナラハタイコタマフシ

  • 形成者: ナラハタイコタマバチ(タマバチ科)
  • 形成部位: コナラ、ミズナラ、カシワなどの若葉
  • 形態: 葉の表と裏にほぼ同じくらい隆起し、両方の先端がやや平らになる球形の虫こぶ shizensanpo.seesaa
  • 出現時期: 6月中旬から出現するとされるが、5月下旬頃から形成が始まる可能性あり shokonooniwawamushizukushi

ナラハムレタイコタマフシ

  • 形成者: 不明(タマバチ類と推定)
  • 形成部位: コナラなどの葉
  • 形態: 球形の虫こぶが葉に複数集まって形成される shizensanpo.seesaa

補足

虫こぶ(ゴール)は、タマバエ類・タマバチ類・アブラムシ類などの昆虫やダニが植物組織に寄生し、植物ホルモンの分泌などを介して細胞分裂や形態形成に影響を与えることで形成されます 。コナラでは上記の他にも、ナラメカイメンタマフシ(枝端の芽に生じる)やナラハウラマルタマフシ(葉裏の主脈に生じる)なども報告されていますが、これらは出現時期がやや異なる場合があります 。 shokonooniwawamushizukushi

5月下旬のフィールド調査では、特にナラメリンゴフシが枝先に目立って観察されやすく、ナラハタイコタマフシやナラハムレタイコタマフシも葉裏を中心に確認できる可能性があります。


Q2: ニホンザルが虫こぶを食べることはあるか? 樹上でニホンザルがコナラの若葉をちぎり取って1枚ずつ調べて、何か小さい物を指でつまんで食べていた。虫こぶに含有するタンニンなど忌避物質を嫌って食べないのだとすると、虫こぶではなく虫を捕食していたことになる。


A2: ご指摘の観察は非常に鋭く、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。以下に根拠を整理します。

ニホンザルの食性と昆虫捕食

ニホンザル(Macaca fuscata)は基本的には植物食性が強い雑食動物ですが、昆虫類を積極的に捕食することが広く報告されています。

  • 屋久島のニホンザルでは、年間の採食行動のうち**無脊椎動物およびその他の動物質が10.3%**を占め、昆虫類は重要なタンパク源となっています 。 pubmed.ncbi.nlm.nih
  • 日本全国215論文・49調査地のデータを統合した研究では、136種の動物質を摂食し、そのうち108種が昆虫類であったと報告されています 。 cir.nii.ac
  • 上高地のニホンザル群では、冬季に水生昆虫や魚類を捕食する行動が進化しており、指でつまむ、手ですくう、口で剥ぎ取るなど柔軟な採餌戦略が確認されています 。 tenbou.nies.go
  • 昆虫としては、セミ、バッタ、カブトムシ、サワガニ、カタツムリ、トビケラなど多様な節足動物や軟体動物が摂食対象となります 。 pref.ishikawa.lg

虫こぶ(ゴール)の摂食に関する報告

現時点で、ニホンザルが虫こぶ(ゴール)そのものを積極的に摂食したという報告は文献に見当たりません。これは以下の理由から考えられます。

虫こぶの化学的防御

虫こぶは植物組織の異常発達ですが、タンニンやその他の二次代謝産物(フェノール類など)を高濃度に含有することが多く、多くの草食動物にとって忌避物質として働きます。

  • 虫こぶ内部は幼虫の保護と栄養供給のために特殊化していますが、植物側にとっては「異常組織」であり、防御物質の蓄積部位となる場合があります。
  • 多くの昆虫幼虫は、こうした化学物質に対して耐性を持ち、虫こぶ内部で安全に発育できますが、哺乳類にとっては摂食を抑制する要因となります。

観察行動の解釈

ご観察の「コナラの若葉を1枚ずつ調べ、小さい物を指でつまんで食べていた」という行動は、昆虫幼虫や小型無脊椎動物を探索・捕食する典型的な行動と一致します。

  • ニホンザルは視覚と手指の巧緻性を活かして、葉裏や虫こぶ内部にいる昆虫を効率的に捕獲できます。
  • 5月下旬は、ナラハタイコタマフシやナラメリンゴフシなどの虫こぶ内部にタマバチやタマバエの幼虫が生育している時期であり、タンパク質豊富な餌資源となります。

結論

ご推察の通り、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。ニホンザルは昆虫類を積極的に摂食することが知られており、虫こぶは昆虫幼虫の「隠れ家」かつ「栄養源」として機能していると考えられます。

この観察は、ニホンザルの採餌行動の柔軟性と、季節的なタンパク質獲得戦略を示す重要な事例と言えるでしょう。

林内の排水溝で水中のオタマジャクシ?を捕食するハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶ 林内の丸木橋でオニグルミ堅果を食べるハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】 


2025年4月下旬・午前11:40頃・くもり・17℃ 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝を自動撮影カメラで見張っています。 
水路を跨ぐ丸木橋のように倒木が架かっています。 

昼前に1羽のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が丸木橋に乗っていました。 
左岸の水際で、水中から何か黒くて小さな獲物を捕食したようです。 
倒木の根っこが邪魔で獲物がよく見えなかったのですが、オタマジャクシ(カエルの幼生)ですかね? 
この水路は春限定の止水なので、小魚などは居ません。 

左へ上陸すると、ハシブトガラスはホッピングで助走してから飛び去りました。 


つづく→

2026/09/03

タヌキの巣穴がある休耕地で落ち葉をめくって餌を探すハシボソガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前9:00頃・くもり・気温18℃ 

休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
春になって雪が完全に溶け、枯野だった地面に草が青々と育ち始めました。 

ハシボソガラス(Corvus corone)が単独で原っぱに降り立っていました。 
トコトコ歩いてから、お辞儀をしながらガーガー♪と嗄れ声で鳴きました。 
やがて、嘴で落ち葉をめくって餌を探し始めました。 
落ち葉の下に隠れている虫や越冬している虫を捕食するのでしょう。 

今回のカラスはタヌキの巣穴に興味を示さず、素通りしました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/08/27

春の池を泳ぎ回るクロゲンゴロウが水中でオタマジャクシやミズカマキリとぶつかっても捕食せず

 

2026年4月下旬・午後13:45頃・晴れ 

山麓にある池Hでクロゲンゴロウ(Cybister brevis)が浅い岸辺を活発に泳ぎ回っています。 
餌となる死骸や獲物を探し回っているのでしょう。 
ところが、水中でオタマジャクシ(ヤマアカガエル(Rana ornativentris)の幼生)の群れに次々とぶつかっても、獲物として狩ることはありませんでした。 

次にクロゲンゴロウ成虫は、獲物を待ち伏せしているミズカマキリ(Ranatra chinensis)と衝突しました。 
濁った水中でミズカマキリの長い呼吸管が見えます(赤丸@1:12〜)。
共に捕食者なのに、何事もなく離れました。 
ミズカマキリが前脚の鎌でクロゲンゴロウを獲物として狩るには手強すぎる相手だったのでしょう。
撮影中の私は、ミズカマキリの存在に気づきませんでした。

越冬明けのクロゲンゴロウは、餌ではなく交尾相手の異性を求めて池の中を泳ぎ回っているのかもしれません。
しかし、私はこの池でクロゲンゴロウの求愛や交尾行動をまだ一度も見たことがありません。


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2026/08/24

獲物のヤゴを池の岸に運び、隠れて捕食するクロゲンゴロウ

 

2026年5月中旬・午後13:40頃・晴れ 

山麓にある小さな池Lで、1匹のクロゲンゴロウ(Cybister brevis)が何か白っぽい獲物を運んでいました。 
トンボの幼虫(ヤゴ、種名不詳)を捕まえたようです。 
獲物を持ち運びながら水中を泳ぎ回り、浅い岸辺をうろうろしています。 
最後は岸辺に生えた抽水植物(スゲの一種)の根元に潜り込むと、ようやく落ち着いて捕食を始めました。 


※ 濁った水中のヤゴが見えやすいように、後半のリプレイでは動画編集で自動色調補正を施しました。 
池底の色味がどぎつく(不自然に)なるのは仕方がありません。 


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【考察】 
クロゲンゴロウがヤゴを狩る瞬間を見逃したのは残念でした。
肉食性であるクロゲンゴロウ同士で熾烈な獲物の争奪戦が繰り広げられています。 
獲物を捕らえた個体は急いで隠れ家に運ばないと、腹を空かせたライバルに獲物を横取り(強奪)されてしまうリスクがあるのです。 

関連記事(同じ池で3年前の撮影)▶ 池で溺れたノシメトンボ♂を捕食するクロゲンゴロウの群れ 


いくつかの疑問をPerplexity AIに訊いてみました。 
Q1: クロゲンゴロウの成虫はヤゴを捕食するか?

A1: はい、クロゲンゴロウ(Cybister chinensis)の成虫も、ヤゴを捕食する可能性があります。ただし、幼虫ほど積極的に生きた獲物を襲うとは限らず、主に小型・弱った・負傷したヤゴ、または死んだヤゴが捕食対象になりやすいと考えられます。

根拠と注意点

  • クロゲンゴロウ幼虫では、ヤゴは主要な餌の一つで、野外・飼育実験の双方で明確に捕食されています。特に幼虫は、オタマジャクシよりヤゴを多く捕食する傾向が報告されています。 jstage.jst.go
  • 一方、成虫の食性は幼虫ほど「動く獲物を積極的に襲う」タイプではなく、水面下に落ちた昆虫や、弱った・死んだ水生動物を利用する傾向があります。 ja.wikipedia
  • そのため、成虫とヤゴを同居させた場合、ヤゴが常に捕食されるとは限りませんが、脱皮直後、衰弱個体、狭い容器内、餌不足などの条件では捕食されるリスクがあります。

飼育上の判断

ヤゴを確実に残したい場合は、クロゲンゴロウ成虫とは分けて飼育するのが安全です。特に小型ヤゴやイトトンボ類のヤゴは、成虫にかじられる可能性が高くなります。反対に、大型で活発なヤゴなら成虫から逃げられる場合もありますが、混泳が安全だとはいえません。

なお、文献で強く裏付けられているのは「クロゲンゴロウ幼虫によるヤゴ捕食」であり、クロゲンゴロウ成虫が健全な生きたヤゴを恒常的に捕食する頻度についての直接的な研究例は、今回確認できた範囲では限られます。したがって結論は、「成虫も食べ得るが、幼虫ほど典型的・活発な捕食ではない」です。


Q2:クロゲンゴロウがとりわけ機敏なハンターとは思えないのに、なぜヤゴはクロゲンゴロウに捕食されてしまうのか? ヤゴは腹端からジェット水流を出して素早く逃げることが可能なのでは? 

A2: ご指摘の通り、健全なヤゴが開けた水中でクロゲンゴロウ成虫に追いつかれて捕食される、という単純な図式ではありません。腹端からのジェット推進は実際に有効な逃避手段です。ただし、それは「常時高速で泳げる」という意味ではなく、状況によってはクロゲンゴロウ側の捕食が成立します。

ジェット推進には限界がある

ヤゴのジェットは、直腸へ取り込んだ水を腹部の収縮で排出する仕組みで、瞬間的な加速には有効です。 しかし、次のような性質があります。 link.springer

  • 短時間の急加速であり、長距離を高速巡航する遊泳ではない。
  • 方向転換や停止後の再加速には時間を要する。
  • 腹部を収縮させるため、連続使用には疲労や呼吸上の制約がある。
  • 逃走方向が水草や底面に遮られると、速度を十分に生かせない。

したがって、ヤゴのジェットは「一瞬の距離を稼ぐ」には優れますが、開けた水域でなければ必ず逃げ切れるわけではありません。

クロゲンゴロウは追跡型とは限らない

クロゲンゴロウ成虫がヤゴを捕食する場合、必ずしも高速で追跡して捕らえる必要はありません。成虫は流線形の体と遊泳に適した後脚を持ち、比較的よく泳ぎますが、重要なのは速度そのものよりも、次のような接近様式です。 ja.wikipedia

  • 水草の間や底面でヤゴと偶然接近する。
  • ヤゴが静止・休息しているところに接近する。
  • ヤゴが脱皮直後や負傷時で逃避能力を失っている。
  • 夜間や濁水中など、視覚的な早期発見が難しい条件で接触する。
  • まず脚で押さえ、ヤゴがジェットを出す前に大顎で咬みつく。

つまり、これは「クロゲンゴロウがヤゴを泳いで追い抜く」捕食というより、近距離での遭遇、待ち伏せ、あるいは弱った個体の利用として考える方が自然です。

ヤゴ側の逃避姿勢にも問題がある

ヤゴのジェット推進は、腹端から水を後方へ噴出して前進するため、基本的には腹部の向いている方向へ逃げる運動です。捕食者が正面または側面から接近した場合、ヤゴはまず向きを整えなければなりません。その間に、ゲンゴロウ成虫が脚で接触して捕らえる可能性があります。

また、ヤゴは普段から高速遊泳しているわけではなく、水草や底質上で静止している時間が長い動物です。水田などの浅い水域では、植物の茎・落葉・泥底が多く、ジェットで逃げてもすぐ障害物に当たります。実際、クロゲンゴロウ類では、ヤゴを主要な餌とする幼虫の出現時期とヤゴの多い時期が一致し、浅い水田環境で両者の生息場所も重なります。 nagasaki-u.ac

成虫と幼虫を分けて考えるべき

ここは重要です。ヤゴを積極的かつ頻繁に襲う主役は、一般にはクロゲンゴロウ幼虫の方です。ゲンゴロウ類の幼虫は待ち伏せから短距離で飛びかかる捕食者で、ヤゴなどの動く水生動物を捕らえます。 クロゲンゴロウ幼虫についても、水生昆虫類、特にヤゴを主な餌とする報告があります。 nagasaki-u.ac

一方、成虫については、クロゲンゴロウが肉食性であることは確認されていますが、健全なヤゴをどの程度の頻度で能動的に捕食するかという直接的な定量資料は限られます。 成虫が見つけたヤゴを食べるとしても、典型的には次のような条件が考えやすいです。 pref.ishikawa.lg

  • ヤゴが小型である。
  • ヤゴが脱皮直後で軟弱である。
  • ヤゴが死亡または衰弱している。
  • 飼育容器が狭く、逃走距離がない。
  • 水草や底質のため、ヤゴが方向転換しにくい。
  • 餌不足で成虫の探索・接触頻度が高い。

結論

ヤゴのジェット推進は有効ですが、接近を事前に察知して、腹端を逃走方向へ向け、障害物のない方向へ一気に逃げられる場合に有効です。クロゲンゴロウ成虫による捕食は、速度勝負というより、近距離遭遇・不意打ち・障害物・ヤゴの状態によって成立すると考えるのが妥当です。

したがって、観察上「成虫が健全なヤゴを頻繁に追跡して捕食している」のであれば、通常の高速追跡よりも、ヤゴが小型・弱体化している、夜間である、あるいは水草内で逃走方向を制限されている可能性をまず疑うべきです。


2026/08/20

ヤマアカガエル幼生の利他行動?:マツモムシに捕まって逃れようと暴れる仲間に助太刀

 



2026年4月下旬・午後14:40頃・くもり 

山麓にあるヤマアカガエル(Rana ornativentris)の繁殖池Hでマツモムシ(Notonecta triguttata)とオタマジャクシが死闘を繰り広げていました。 
水面直下でマツモムシが背泳しながら、1匹のオタマジャクシ(おそらくヤマアカガエルの幼生)の尾部を前脚と中脚でがっしり捕まえています。
狩りの瞬間を見ていないのですが、マツモムシに捕まったオタマジャクシ個体はまだ毒液を注入されていないようで、捕食者から逃れようと必死で暴れています。 

興味深いことに、もう1匹のオタマジャクシが参戦しています。 
てっきり、マツモムシがたまたま同時に捕まえた2匹のオタマジャクシが逃れようと暴れているのかと初めは思いました。 
しかし映像をよく見直すとそうではなくて、絶体絶命の仲間を別個体が助けに来たようです。 
下手したら自分の命も危ないのに、そんな危険を冒した利他的な行動が果たしてオタマジャクシであり得るのでしょうか? 
その後も2、3匹のオタマジャクシ個体が次々と助太刀に来て、マツモムシを口でつついています。 
オタマジャクシの口には小さな歯があるらしいので、有効な武器(凶器)にはならなくても、マツモムシの気をそらせることはできそうです。 

マツモムシに尾を掴まれたオタマジャクシ個体は全力で暴れ続け、なんとかマツモムシを振り切って、命からがら逃げおおせることができました! 
一連の助太刀行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:36〜)、マツモムシが抵抗する獲物を諦めて自発的に手放していました。 


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【考察】 
オタマジャクシの餌が少なくて飢えている場合、傷ついたり弱ったりした仲間がいたら、容赦なく共食いする可能性もあります。 
今回の事例は映像を見る限り、共食いのために集まってきたのではなさそうです。 

Perplexity AIに相談してみると、オタマジャクシは血縁認識するらしいと知って興奮しました。 
命がけで仲間を助ける利他行動を血縁淘汰(血縁選択)で説明できるからです。 
また、オタマジャクシは捕食者に襲われると、周囲の仲間に対して何らかの(化学的)救難信号を放出することが明らかになっているらしい。

仲間が捕食者に襲われていると、周囲の個体は一目散に逃げ出したり、捕食者に気づかれないように動きを止めたりするのが定番の反応です。
しかし今回の事例では、フリーズするどころか一部のオタマジャクシ個体がマツモムシに対して積極的に反撃して仲間の命を救った(ように見えた)のが非常に興味深いです。
オタマジャクシの助太刀行動に再現性があるかどうか、追試する必要がありますね。
助太刀したことで仲間の脱出成功率(生存率)が本当に上がったかどうかまで調べるのは大変そうです。

ヤマアカガエルの幼生は岸辺の卵塊から孵化した後はしばらく、卵塊の近くに留まり、群れを形成しています。 
成長したオタマジャクシは、この時期あまり密集した群れを作らずに少し分散して暮らしていました。 


Q1: オタマジャクシが共食いすることはあるか?

A1: はい、オタマジャクシは**共食いをすることがあります**。ただし、すべての種や状況で起こるわけではなく、餌不足や高密度環境、種によっては「肉食型(共食いモルフ)」が出現するなど、条件に強く依存します。 [natureasia]

## 共食いが起こる条件

- **餌不足・飢餓状態**: 餌が限られていると、同種の個体を栄養源として食べることが報告されています。 [natureasia]
- **高密度環境**: 狭い水たまりに多くのオタマジャクシがいると、競争が激化し共食いの頻度が高まります。 [dandy-animals]
- **種による違い**: 一般的な日本産のアカガエル類などでは、餌が十分あれば共食いはほとんど起きないという観察結果もあります。一方、ツノガエル類など肉食性が強い種では共食いが起きやすく、飼育下では単独飼育が推奨されることもあります。 [dandy-animals]

## 「肉食型(共食いモルフ)」の出現

一部の種(スキアシガエルなど)では、同じ卵塊から生まれた兄弟の中に、**頭や口が大きく鋭い角質歯を持つ「肉食型」**が出現することが知られています。 [natgeo.nikkeibp.co]

- この肉食型は、雑食性の兄弟を捕食して急速に成長し、水たまりが干上がる前に早くカエルになることができます。
- これは「乾きやすい一時的な水たまりで生き残るための適応戦略」と考えられています。 

 

## 血縁認識と共食い回避

面白いことに、一部の種(ヒキガエルなど)では、オタマジャクシが**血縁個体を認識し、兄弟を食べることを避ける**傾向が観察されています。 [jmedia]

- 血縁認識により、共食いのリスクを減らしつつ、外部の個体や他の栄養源を優先的に利用する戦略をとっている可能性があります。



Q2: オタマジャクシが血縁個体を認識できるという話は初耳です。
春の池でマツモムシに捕食されかけたオタマジャクシが逃げようと暴れていて、近くに居た別個体のオタマジャクシが助太刀に来た(ように見えた)事例を観察した。オタマジャクシはマツモムシを振り切って無事に逃げ伸びた。血縁関係の仲間を認識して助けたとすれば利他的な行動を説明できて、とても興味深い。今回のオタマジャクシは、ヤマアカガエルの幼生だと思われる。

A2: 非常に興味深い観察事例ですね!その「助太刀行動」は、**直接的な利他行動(仲間を助けるためにリスクを負う行動)**として解釈できる可能性がありますが、現時点では**ヤマアカガエルを含むオタマジャクシの「血縁認識に基づく利他的助け合い」は、まだ研究報告が限られている領域**です。

## ヤマアカガエルの血縁認識能力

ご指摘の通り、**ヤマアカガエル(Rana ornativentris)のオタマジャクシは、血縁個体を認識できることが確認されています**。 [academist-cf]

- 実験室での行動実験により、**血縁者と非血縁者を区別し、群れる相手を選ぶ能力がある**ことが示されています。 [soken.ac] オタマジャクシは「誰が仲間か」を学ぶ:学習による血縁者識別の可塑性を発見 
- さらに、**血縁関係だけでなく、相手のサイズ(発達段階)も同時に考慮している**ことが発見され、これは世界で初めての報告です。  
- この血縁認識は、**学習によって獲得される可塑性を持つ**ことも明らかになっています(兄弟と非兄弟が混在する環境で育つと、血縁者識別がより強まる)。 [kaken.nii.ac]

## 「助け合い行動」の解釈

ご観察になった「マツモムシへの助太刀行動」は、以下のいずれかの可能性が考えられます。

### 1. 直接の利他行動(血縁選択説に基づく)

血縁個体を認識し、**血縁者の生存確率を高めるために自らもリスクを負う**行動です。

- 血縁者を助けることで、**間接的に自身の遺伝子の残存確率を高める**ため、血縁選択説(kin selection)の観点から進化的に説明可能です。 [kaken.nii.ac]
- しかし、**両生類の幼生で直接的な利他行動(仲間を助けるためにリスクを負う行動)が報告された例は極めて稀**です。

### 2. 群れ行動の副産物

オタマジャクシは**群れることで捕食リスクを低減する**ことが知られています。

- 暴れた個体の動きが周囲の個体を刺激し、結果として**群れ全体が逃げる行動**になった可能性があります。
- この場合、「助太刀」というよりは、**群れ行動の連鎖的反応**として解釈できます。 [soken.ac]

### 3. 偶然の一致

- 暴れた個体がマツモムシの注意を引きつけ、その隙に近くの個体が逃げた。
- 結果として「助太刀」に見えたが、**実際にはそれぞれの個体が独立して逃げた**可能性もあります。

## 今後の研究の可能性

ご観察のような事例は、**両生類の幼生における直接的な利他行動の存在**を示唆する非常に貴重なデータです。

- 現在、**血縁認識と社会的選好性の発達変化**については研究が進んでいますが、**「助け合い行動」そのものについては、まだ系統的な研究が十分ではありません**。 [academist-cf]
- このような野外観察事例を記録し、さらに追跡調査(血縁関係の確認、反復観察、行動実験など)を行うことで、**両生類の社会行動の進化に関する新たな知見**が得られる可能性があります。

## まとめ

- **ヤマアカガエルのオタマジャクシは血縁個体を認識できる**ことが確認されています。 
- しかし、**血縁者を助けるための直接的な利他行動**が確認された例は、まだ研究報告が限られています。
- ご観察の事例は、**「血縁認識に基づく助け合い行動」の存在を示唆する非常に興味深い事例**であり、今後の研究でさらに検証される価値があると考えられます。

もし可能であれば、**日時・場所・水温・個体数・個体のサイズ差・血縁関係の有無(同一卵塊由来かどうか)**などの詳細を記録しておくと、将来の研究や論文報告に役立つ可能性があります。

Q3: 捕食者に襲われているオタマジャクシ個体は、周囲の仲間に対して何らかの(化学的?)救難信号を出しているだろうか?

A3: 非常に鋭い仮説です!実は、**オタマジャクシが捕食者に襲われた時に化学的な「救難信号(アラームフェロモン)」を放出する**という現象は、**2009年に初めて実証的に報告されました**。 [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19470366/)

Google Scholarで検索すると、幸い全文PDFが無料でダウンロードできました。
FRAKER, Michael E., et al. Characterization of an alarm pheromone secreted by amphibian tadpoles that induces behavioral inhibition and suppression of the neuroendocrine stress axis. Hormones and behavior, 2009, 55.4: 520-529.

## アラームフェロモンの発見

2009年、Frakerらによる研究で、**北米のアカガエル科(Ranidae)のオタマジャクシ**において、以下のことが明らかにされました。

- オタマジャクシの**皮膚細胞**がアラームフェロモンを生成し、**捕食者による攻撃時に積極的に分泌される**。
- この化学物質は水中に拡散し、**周囲の同種個体に「捕食者がいる」という信号を伝える**。 
- アラームフェロモンを感知した個体は、**遊泳活動を即座に低下させ**、捕食者の注意を引かないようにする。
- さらに、**ストレス応答軸(HPA軸)の活動が抑制され**、コルチコステロン(ストレスホルモン)の分泌が減少する。

これは、**水生脊椎動物の被食者が、捕食者攻撃に応じて積極的にアラームフェロモンを分泌する**ことが初めて証明された事例です。

## 化学信号の種類

オタマジャクシが利用する化学信号には、主に2種類あります。

| 化学信号の種類 | 名称 | 放出源 | 機能 |
|----------------|------|--------|------|
| **カイロモン** | 捕食者由来の化学物質 | 捕食者の匂いや糞 | 捕食者の存在を間接的に感知 |
| **アラームフェロモン(傷害シグナル)** | 被食者由来の化学物質 | 襲われた個体の皮膚分泌物や組織 | 直接的な捕食攻撃を周囲に警告 |



## 種による反応の違い

ただし、**すべてのカエル種でアラームフェロモンへの反応が確認されているわけではありません**。

- **アカガエル科(Rana属など)**: 明確な行動抑制反応が確認されている。 (https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19470366/)
- **ヒキガエル属(Bufo属)**: 皮膚分泌物への反応は弱く、捕食者が同種を食べている時の化学物質の方が強い反応を示す。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22972229/)
- **ヤドクガエル科の一部種**: 同種の傷害シグナルには反応するが、他種には反応しないなど、種特異的な認識システムを持つ。 (https://link.springer.com/article/10.1007/s10682-023-10275-z)

## ご観察事例への解釈

ご観察になった「マツモムシに襲われているオタマジャクシが暴れ、周囲の個体が助太刀に来た(ように見えた)」事例は、以下の可能性が考えられます。

### 1. アラームフェロモンによる集合行動

- 襲われた個体がアラームフェロモンを放出し、周囲の個体がそれを感知。
- 通常は「活動低下・隠れ行動」が報告されていますが、**種や状況によっては「集合して防御する」行動**が誘発される可能性もあります(群れ防御戦略)。

### 2. 物理的刺激による連鎖反応

- 暴れた個体の動きや水の流れが周囲の個体を刺激し、結果として**群れ全体が反応した**。

### 3. 捕食者への対抗行動(群れ防御)

- 集合することで**捕食者を威嚇**したり、**捕食者の攻撃精度を低下させる**(「捕食者誘引仮説」の逆)。 [pubmed.ncbi.nlm.nih]

## 今後の研究の方向性

- **ヤマアカガエルの幼生でアラームフェロモンが確認されているか**:現時点では、ヤマアカガエル(Rana ornativentris)でのアラームフェロモンに関する直接の研究報告は見当たりませんでした。
- **種特異的な反応の検証**:同種・異種の傷害シグナルに対する反応を比較する実験が有効です。 [link.springer]
- **行動実験のデザイン**:襲われた個体の周囲の水を採取し、その水に他の個体を曝露して行動変化を調べる実験が可能です。 [pubmed.ncbi.nlm.nih]

## まとめ

- **オタマジャクシは捕食者に襲われると化学的なアラームフェロモンを放出する**ことが、アカガエル科などで実証されています。 [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19470366/)
- この信号は周囲の同種個体に捕食リスクを警告し、**行動抑制や防御形態の誘導**につながります。 [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19470366/)
- ご観察の「助太刀行動」は、**アラームフェロモンを介した社会的反応**の可能性があります。ただし、それが「積極的な助け合い」なのか「防御的な集合行動」なのかは、さらなる検証が必要です。

非常に興味深い観察事例であり、**両生類の社会的行動と化学コミュニケーションの進化**に関する重要な手がかりになる可能性があります。


Q4: 助太刀に来たオタマジャクシは、自分の口でマツモムシの体をつついた。歯で噛んだかどうか不明だが、少なくとも天敵の気をそらせる効果はありそう。周囲で泳いでいたオタマジャクシの全個体がモビング(擬攻撃)のように一斉に助太刀をしたのではなく、ごく一部の個体だけがマツモムシに立ち向かった。 

A4: 非常に貴重な観察記録ですね!「**ごく一部の個体だけが助太刀をした**」「**口でマツモムシをつついた**」という点は、従来の「捕食者回避行動(隠れる・逃げる・群れる)」とは異なる、**能動的な対抗行動**として非常に興味深いです。

## 観察事例の特徴

ご観察の事例には、以下の特徴があります。

1. **限定的な参加**: 周囲の個体全員ではなく、ごく一部の個体だけが助太刀に参加した。
2. **能動的な攻撃**: 単に逃げたり隠れたりするのではなく、**マツモムシを直接つつく**ことで、捕食者の注意をそらした。
3. **捕食成功阻止**: 結果として、被害を受けかけていた個体は逃げ延びた。

## 既知の行動との比較

### 従来のオタマジャクシの対捕食者行動

- **行動変化**: 捕食者の化学物質(カイロモン)を感知すると、**活動量を低下させ、隠れ行動をとる**。
- **形態変化**: 捕食者の種類に応じて、**尾鰭を高くする**(ヤゴに対して)または**頭胴部を膨らませる**(サンショウウオ幼生に対して)。
- **群れ形成**: 血縁個体や同サイズの個体と群れることで、**捕食リスクを分散する**。

### ご観察事例との違い

| 従来の行動 | ご観察事例 |
|------------|------------|
| 受動的回避(逃げる・隠れる) | **能動的対抗**(捕食者を直接つつく) |
| 全個体が反応 | **一部の個体のみ反応** |
| 自己防衛 | **他個体の防衛を助ける** |

## 解釈の可能性

この事例は、以下のいずれかの可能性が考えられます。

### 1. **利他的行動(血縁選択説に基づく協力)**

- 血縁個体を認識し、**自身の遺伝子の残存確率を高めるためにリスクを負って助ける**。
- ただし、**オタマジャクシで直接的な利他行動が報告された例は極めて稀**です。
- 「一部の個体のみ参加」という点は、**血縁者のみが反応した**可能性と整合します。

### 2. **自己防衛の副産物**

- マツモムシが近くにいることを感知し、**自身の危険回避のために攻撃した**(捕食者を追い払うことで、間接的に被害個体も助かった)。
- この場合、「助太刀」は**結果論**であり、直接的な利他行動ではありません。

### 3. **攻撃的モビング行動の萌芽**

- 鳥類や哺乳類で知られる「**モビング(捕食者を囲んで威嚇・攻撃する行動)**」の原始的な形態。
- ただし、**両生類の幼生でモビング行動が報告された例はありません**。
- 「一部の個体のみ参加」という点は、**リスクを負える個体(大型・発達段階が進んでいる)のみが参加した**可能性と整合します。

### 4. **偶発的な行動の連鎖**

- 被害個体の暴れやアラームフェロモンに反応した個体が、**偶然マツモムシの近くを泳ぎ、口が触れた**。
- 結果として「つついた」ように見えたが、**意図的な攻撃ではなかった**可能性もあります。

## 学術的意義

ご観察の事例は、**両生類の幼生における「協力行動」または「対抗的防衛行動」の存在**を示唆する非常に重要なデータです。

- 現在、オタマジャクシの対捕食者行動研究は、**「受動的回避(逃げる・隠れる・形態変化)」**に焦点が当てられています。
- **「能動的な対抗行動(捕食者を直接攻撃する)」**が報告された例は、極めて稀です。

## 今後の検証の方向性

もし可能であれば、以下の点を記録・検証することで、より深い理解が得られる可能性があります。

1. **血縁関係の確認**: 助太刀した個体と被害個体が同一卵塊由来かどうか。
2. **個体のサイズ差**: 助太刀した個体が、他の個体よりも大型か(リスクを負える個体か)。
3. **反復観察**: 同様の事例が再現されるか(偶然ではなく、意図的な行動か)。
4. **行動実験**: 実験室でマツモムシとオタマジャクシを同居させ、同様の行動が観察されるか。

## まとめ

ご観察の「マツモムシへの助太刀行動」は、**従来のオタマジャクシの対捕食者行動(受動的回避)とは異なる、能動的な対抗行動**として非常に興味深いです。

- 「一部の個体のみ参加」という点は、**血縁者選択・リスク評価・発達段階の違い**などの要因が関与している可能性があります。
- この事例は、**両生類の社会的行動と協力行動の進化**に関する新たな知見をもたらす可能性があり、非常に貴重な観察記録です。










2026/08/15

池でヤマアカガエルの幼生を抱えて吸汁するマツモムシ

 

2026年4月下旬・午後13:50頃・晴れ 

沢の水が貯まった山麓の池Hで、異形の生物を見つけて気になりました。 
カメラでズームインしたら、オタマジャクシを捕食中のマツモムシ(Notonecta triguttata)でした。 
左右の前脚と中脚で獲物をしっかり抱え、残りの後脚でオールのように水を漕いで水面直下をゆっくり背泳しています。 
餌食となったオタマジャクシは、早春にいち早く産卵したヤマアカガエル(Rana ornativentris)の幼生ではないかと思うのですが、どうでしょうか。 
獲物はもう死んでいるのか、あるいはマツモムシに毒液を注入されて麻痺しているのか、逃れようと暴れませんでした。 

吸汁(体外消化)しながらマツモムシが自発的に向きを変えてくれました。 
しかし正面から見ても、獲物に突き刺しているはずの口吻はしっかり見えませんでした。 

同じ池で暮らす肉食性のクロゲンゴロウが水中に拡散する血の匂いを嗅ぎつけて殺到したり獲物を強奪したりするかと期待したのですが、ライバルは現れませんでした。 



前回はしっかり観察できなかったので、ようやく宿題がひとつ片付きました。 
次回はマツモムシが狩りをする瞬間を撮影してみたいものです。





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2026/08/06

池の底でアカハライモリ♀がアカムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:40頃・晴れ 

里山の中腹にある池でアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)が暮らしています。 
この時期はイモリの繁殖期で、♂は婚姻色を呈します。 
池の底で活動していた1匹の♀に注目すると、捕食シーンを続けざまに観察できました。 

まず動画の冒頭で、イモリ♀が水底のデトリタスから突き出て動いていた獲物をパクっと捕食しました。 
食べられない泥を口内で選り分けて、口を閉じたまま鼻腔から煙のように吐き出しています。 
口をパクパクと動かして獲物を飲み込もうとしていますが、黒っぽい小さなゴミを口から吐き出しました。 
続けて、細長い赤い獲物も口から吐き出しました。(@0:20〜) 
これは、いわゆるアカムシ(ユスリカの幼虫)ですね。 
吐き出されたアカムシはまだ生きていて、しばらく擬死してから、身をくねらせて水中を逃げて行きます。 
イモリは目の前でアカムシを凝視しているのに、もう一度捕食しようとはしないで見逃しました。 

次にイモリ♀は、左から来たミズムシを正面からパクっと咥えて捕食しようとしたものの、逃げられました。(@0:44〜) 

その次は、水底のデトリタスごと獲物を食べてから、アカムシを口から吐き出しました。(@0:53〜1:02) 

最後にアカハライモリ♀は左にダッシュして、水中を泳いでいたアカムシを見事に捕食しました。(@1:02〜) 
今度は獲物をしっかり飲み込んだようです。


【考察】 
アカハライモリがアカムシ(ユスリカの幼虫)を食べたり食べなかったり(選り好み)する理由が私にはよく分かりませんでした。 
吐き出したアカムシが飲み込めないほど大きかったとは思えないのですが、味に好き嫌いがあるのでしょうか? 
捕食されかけたアカムシがイモリの口内で暴れたり忌避物質を出したりして、吐き出させているとしたら、面白い話です。 
被捕食者が何かしらの対抗戦略を進化させていてもおかしくありません。

アカハライモリはフグ毒と同じテトロドトキシンを体内に蓄積して捕食者から身を守っています。
イモリの腹面に鮮やかな(毒々しい)赤い模様があるのは、毒があることをアピールする警告色なのです。
ところが孵化したばかりのイモリ幼生は無毒で、餌に由来するテトロドトキシンを少しずつ溜め込んでいることが分かっているそうです。(生物濃縮)
テトロドトキシンを含む獲物だけをなるべく食べるようにアカハライモリが選り好みしているとしたら、面白い話です。
しかし、テトロドトキシン自体は無色かつ無味無臭なので、仮説としてはいまいちです。

2026/08/02

池の底でアカハライモリ♀がミズムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:35頃・晴れ 

山中のスギ植林地に囲まれた浅い池の底で、アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)が歩いたり泳いだりして、餌を探し回っていました。 
この個体は繁殖期なのに尻尾に婚姻色が出ておらず、総排出口が膨らんでないことから、♀のようです。 

交尾中のマツモムシ(Notonecta triguttata)の♀♂ペアがイモリ♀の頭上の水面を背泳ぎで横切ると、腹を空かせたイモリ♀が反応したのはマツモムシ♀♂の本体ではなく、水底に落ちた影の方でした。 
池の水は意外に透明なのに、水中で活動するアカハライモリの視力はあまり良くないことが覗えます。 
水底のイモリ♀は、マツモムシ♀♂の影に口を近づけて探っても何もないので、諦めて離れて行きました。 

次にイモリ♀は、水底のデトリタスに潜む小さな水生生物を捕食しました。 
口の中で暴れている獲物の正体がよく分からないのですが、イモリ♀はその場で飲み込みました。
繁殖期で食べ盛りのアカハライモリ♀は、食後も水中を手前に向かってどんどん近づいて来ます。 

この池には灰色のワラジムシのような等脚類が水底のデトリタスに多数暮らしていることが分かりました。 
ワラジムシはもちろん陸生なので、別の生き物です。 
調べてみると、謎の水生生物の正体は、フナムシでもなくミズムシの仲間でした。 
ただし、水虫というと皮膚病の足白癬も連想させますし、半翅目にもミズムシという和名の水生昆虫がいるらしくて、かなり紛らわしいです。 
さっきイモリが捕食した獲物も、ミズムシだったようです。 

引き続き池の中で餌を探し回るイモリ♀は、目の前に大型のミズムシ個体と遭遇したのに、なぜか捕食せずに見逃しました。 
大型のミズムシは後退してイモリから逃げて行きました。 
イモリが至近距離でミズムシを凝視して、鼻先でグイグイ押したのに、味見すらしなかったのが、不思議でなりません。 
ミズムシ側が捕食者対策の忌避物質を何か出していたのでしょうか? 
両生類は獲物を丸呑みするから、口よりも大き過ぎる獲物は見逃すのかもしれません。 
しかし、そこまで単純な話ではなくて、アカハライモリは両生類なのに、口内に歯が生えているのだそうです。 
ただし、獲物を噛み砕くための歯というよりも、滑りやすい獲物を保持するために役立つ程度らしい。 

(イモリは)かみちぎることはできないので、口に入る大きさの動物を丸飲みにします。(『はっけん! イモリ 日本のいきものビジュアルガイド 』p65より引用)

すぐ近くに別個体の小型ミズムシが落ち葉の上に乗っていたのに、それもイモリは無視しました。 
さっきミズムシを1匹食べたことで、食欲がある程度満たされたのかな?

この池は広いのに水深が浅いので、イモリ♀が少し顔を上げるだけで容易に息継ぎすることができました。 
水面に泡がプクッと出来ます。 
山麓にある深い池で暮らすアカハライモリと違って、息継ぎのためにわざわざ水中を垂直に浮上する必要がないのです。



関連記事(同じ池で1年前の撮影)▶ 池の底でアカハライモリが捕食していた物とは? 

今回アカハライモリの探餌行動を長撮りしたら、獲物の正体がようやく一つ判明しました。 
水深の浅い池の方が、圧倒的に水中のイモリを観察しやすいです。 



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2026/06/27

クリの幹の根元に集まり餌を探すエナガの群れ♪【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年1月上旬・午後13:15頃・晴れ 

山麓の農村部でクリ(栗)園の横を通りかかったら、エナガ(Aegithalos caudatus)の群れが賑やかに鳴き交わしながら採食していました。 
落葉したクリの木の下で、雪が溶けて露出した落ち葉を調べたり、根元付近の樹皮をあちこちつついたりして、隠れて越冬している虫を探しています。 

エナガの忙しない採食行動をじっくり観察するために、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
短い距離を飛んで移動する羽ばたきが、見応えのあるスーパースローで見れるようになりました。 
エナガは垂直な幹をピョンピョンとよじ登り、あちこちの樹皮をつついています。 


【考察】 
エナガが嘴でつついて捕食していた獲物の候補として、クリオオアブラムシ(Lachnus tropicalis)の越冬卵が考えられます。
クリ林(果樹園)に発生する害虫を冬に食べてくれるエナガは益鳥になります。
現場検証で獲物の正体を突き止めたくても、クリ園の敷地に勝手に入る訳にはいかないので、今のところ推測に過ぎません。 

参考ブログ:冬越しブラック団 by 湘南むし日記


他の鳥が林床でよくやる「落ち葉めくり行動」をエナガはなぜやらないのか、不思議でした。
嘴の短いエナガは、落ち葉をうまく摘んだり払い除けたりできないのかもしれません。 


今回の採食行動について、Perplexity AIに質問してみました。

Q: エナガはクリの幹の下部(根元付近)に執着し、そこの樹皮を重点的につついていました。
獲物となる越冬卵や越冬昆虫の分布が樹冠部ではなく根元付近に偏っている理由は何だろう? 
雪面に近いほうが乾燥から免れるのか? 大雪が積もれば雪の下に埋もれたり潰されてしまう可能性もあります。 

A: 越冬する卵や虫が根元付近に偏って分布する理由は、いくつかの重要な環境要因が関係しています。

根元付近を選ばれる主な理由

要因理由・効果
温度変化の少なさ根元は地表に近いため、温度変化が最も少なく安定している [city.kurayoshi.lg]。樹幹上部は風や日射で温度変動が大きい
湿度の保たれやすさ根元の樹皮の隙間は外部から隠れ、湿度も保たれる [biome.co]。乾燥は越冬卵の細胞内水環境を変化させ致命的
風・雨の避けやすさ根元は風雨の当たらない場所 [hayakawa-kitasho.ed]。風で寒くならないため
外敵からの隠れやすさ根元の樹皮の間や落ち葉の下は、地表を歩き回って獲物を探す鳥類などの天敵に見つかりにくい [biome.co]
0℃付近の安定環境落ち葉の間に潜ったり隙間に入ったりと、0℃あたりの温度と湿り気をくれる環境 [city.kurayoshi.lg]

雪面のメリットとデメリットについて

メリット(乾燥回避):

  • 雪の下は断熱効果があり、温度が急激に下がらない

  • 雪は湿度を保つため、乾燥を防ぐ[city.kurayoshi.lg]

デメリット(大雪のリスク):

  • 大雪が積もれば雪の下に埋もれてしまう可能性

  • しかし、昆虫は自分の致死温度以上で安定した場所を選んで越冬するため、雪の厚さや温度を考慮して場所を選んでいる[detail.chiebukuro.yahoo.co]

クリオオアブラムシの具体的な産卵場所

クリオオアブラムシは幹の株元近くに複数の雌成虫が集まって卵をまとめて産みます 。これは「日当たりがよい南側の雨がかかりにくい枝の下面」に多いという情報 と矛盾せず、株元付近の樹幹下部の南側を選ぶ傾向があると考えられます。[hro.or]

結論

エナガが根元付近を重点的につついていた理由:

  1. 越冬卵が根元付近に集中して産みつけられている[hro.or]

  2. 根元は温度・湿度が安定し、乾燥から免れやすい[biome.co]

  3. 風雨・外敵からの保護が得られる[hayakawa-kitasho.ed]

  4. 雪面近くでも、岩根や樹皮の隙間に潜ることで過度の低温や雪の重圧を回避している[detail.chiebukuro.yahoo.co]

大雪が積もる場合でも、昆虫は致死温度以上の安定場所を選ぶため、根元の樹皮隙間や落ち葉下などの微環境を利用しています。





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2026/06/24

池で単独打水産卵するシオカラトンボ♀を待ち伏せしていたトノサマガエルが捕食する決定的瞬間!【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年6月上旬・午後12:45頃・晴れ 

山麓の小さな池で、白っぽい体色のトンボ♀が岸辺に沿って忙しなくあちこちに打水産卵していました。 
単独打水産卵を、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:23〜1:46) 
岸辺の水面に腹端を繰り返し打ち付けて、浅い水中に卵を産み落としているのです。 

おそらくシオカラトンボ♀(Orthetrum albistylum speciosum)だと思うのですが、 シオカラトンボ♀なら、複眼が緑色で、翅端に小さな褐色紋が縁紋とは別にあるはずです。(性的二型) 
しかし羽ばたきが早いせいか、スーパースローでも見えませんでした。 
他の候補として、シオヤトンボ♀(Orthetrum japonicum)と迷いました。 
しかし全身に白い粉を吹いていることから、シオカラトンボの成熟♀だろうと判断しました。 


その一方で、この池の岸辺には複数個体のトノサマガエル(Pelophylax nigromaculatus)が並んでいて、獲物を待ち伏せしていました。 
スーパースローの冒頭でも、画面の左下で水に浸っているトノサマガエルの姿が写っていました。(赤丸@0:23) 
このカエル個体は、飛来したシオカラトンボ♀とは逆を向いていたので、獲物に定位しませんでした。 
カエルが獲物に向き直った途端に、トンボは警戒して逃げてしまうでしょう。

同一個体のシオカラトンボ♀が別の地点に移動して、打水産卵を再開しました。 
このとき別個体のトノサマガエルが水際の陸地で待ち伏せしていて、しかも初めから獲物に定位していました。 
岸辺で静止しているトノサマガエルは見事な保護色で周囲に紛れ、撮影している私も存在にまったく気づきませんでした。 
つまり水辺のトノサマガエルの体色は、攻撃的擬態(ペッカム型擬態) の典型例です。
それと同時に、鳥などの捕食者に対して見つからないようにする身を隠す防御的保護色(隠蔽敵擬態)でもあります。

獲物が射程距離に入ると、トノサマガエルは一気に大跳躍して襲いかかりました。 
残念ながら後ろ姿のため、ジャンプしたカエルが舌を伸ばしていたかどうか見えませんでした。 

トノサマガエルが池の水面に落ちたときには、獲物を口に咥えていました。 
せっかく捕獲した獲物が逃げたり暴れないように、噛み付いたまま水中に沈めて溺れさせ、反撃を封じます。 
なぜか一旦、池の中央部に向きを変えたのですが、しばらくすると再び岸の方へ向き直りました。 

高画質のFHD動画に切り替えます。(@1:47〜) 
トノサマガエルは獲物を丸ごと口内に収めたまま、喉をヒクヒク膨らませ、鼻腔をスピスピ開閉して呼吸しています。 
カエルの口には歯がないので、獲物の翅をむしり取るなどの器用な食前処理ができません。 
ようやく獲物を丸呑みしました(@3:36〜) 
嚥下の瞬間に眼球を引っ込めるのが、カエルの特徴です。 
鳥とは異なり、カエルは消化の悪いペリットを後で口から吐き出すこともありません。 


食後のトノサマガエルは、しばらくすると池から出て元の岸に戻ったのですが、上陸の様子を撮り損ねてしまいました。 
ところで、今回のトノサマガエル個体の性別は♀ですかね? 


【考察】 
フィールドで捕食者のカエルが獲物に素早く跳びついて狩る決定的瞬間を観察できたのはこれが初めてで、とても興奮しました。 
しかもたまたまスーパースローで撮っていたので、見ごたえのある動画になりました。 
フライングゲット! 

♀が打水産卵するタイプのトンボは、水辺で待ち伏せするカエルなどに捕食されるリスクがあることを、フィールドで実感できました。 
捕食者に狙われにくい高さを飛びながら安全に産卵できるように、打空産卵が進化してきたのかもしれません。 


シオカラトンボの♀は、♂と尾繋がりの連結産卵ではなく、単独で飛びながら打水産卵します。 
♀の近くで警護しているはずのシオカラトンボ♂の姿を、不思議なことに今回は見ていません。 
この日は池の周囲を飛び回るトンボの数がいつもより少なかったです。 
近くにライバル♂が居なければ、浮気される心配がないので、シオカラトンボ♂は交尾後の産卵警護を手抜きするようになるのかもしれません。
つまり、♂は次の交尾相手を探し求めて、広範囲でパトロール飛翔していたのでしょう。 
♀よりも先にシオカラトンボ♂も既にカエルに狩られてしまった可能性もあります。 



硬くて頑丈な外骨格(クチクラ)で守られた甲虫の中には、カエルに捕食されても消化されても排泄されてもしぶとく生き残る者が居ることが、最近の研究で明らかになりました。
しかしトンボ♀がカエルに丸のみで捕食された場合、トンボの受精卵は無防備なので、カエルの消化管を通過する間にすべて消化されてしまうはずです。

産卵中にカエルに捕食されてしまったシオカラトンボ♀を可哀想に思う人も多いでしょう。
しかし、死ぬ直前に産み付けた卵から1週間後に孵化してくるシオカラトンボのヤゴは、水中のオタマジャクシ(カエルの幼生)も獲物として次々に捕食して育つはずです。
つまり、この池では、食うか食われるかの生存競争が静かに繰り広げられているのです。


今回の件で思いついた素朴な疑問をいくつか、Perplexity AIに質問してみました。

Q1: トノサマガエルが池でトンボを捕食する様子を観察した。獲物を口の中に入れてから嚥下するまでしばらく時間がかかったのはなぜか? カエルの口には歯が生えていないので、咀嚼は不要のはずです。唾液をたくさん分泌して飲み込みやすくしていた?

A1: 主な理由は、「飲み込み」そのものが単純ではないからです。カエルは歯で咀嚼しない代わりに、獲物を口腔内で位置調整し、眼球や舌骨まわりの動き、顎と喉の協調で少しずつ食道へ送ります 。[toho-u.ac]

口の中で起きていること

カエルは獲物を丸呑みしますが、実際には獲物を口の奥にしっかり収めてから、舌や顎、頭部の動きで嚥下を進めます 。そのため、口に入ってからすぐに飲み込めないことがあります。[sciencemuseum]
特にトンボのように脚や翅が引っかかりやすい獲物は、向きが悪いと喉へ送りにくく、いったん口内で保持する時間が長くなりえます。

唾液の役割

唾液を「たくさん出して溶かす」というより、滑りをよくして通しやすくする補助と考えるのが自然です。カエルの嚥下では、粘液状の分泌物が獲物表面や口腔内をぬらし、摩擦を下げるのに役立つと考えられますが、鳥のような“飲み込み前の処理”が主役ではありません 。[sciencemuseum]
したがって、観察された「しばらく時間がかかる」は、唾液を大量に分泌していたというより、獲物の位置決めと嚥下動作の調整に時間がかかった可能性が高いです。

トンボで起こりやすいこと

トンボは翅が大きく、脚や腹部も硬く、しかも暴れると口内でずれやすいので、カエルは飲み込みを複数回に分けたように見えることがあります。獲物が生きて動いている間は、口の中で保持してから、頭を使った押し込みや顎の再配置が必要になります。
また、獲物が大きめだったり、乾いていたり、口の中で姿勢が悪かったりすると、嚥下に数秒からそれ以上かかることがあります。




Q2: カエルが昆虫を丸呑みで捕食した後、糞には未消化の虫の断片が含まれているか? 糞内容物を調べれば、どんな虫を狩ったか推定できるか? 特にトノサマガエルについて知りたい。

A2: はい。糞には未消化の虫の断片が含まれることが多く、そこから「何を食べたか」をある程度推定できます。ただし、トノサマガエルでは食後すぐの糞よりも、通常は食後24時間以降に未消化物が排出されるため、消化が進むと同定可能な断片は減ります 。[kaken.nii.ac]

トノサマガエルの糞内容物

トノサマガエルの糞や胃内容物の調査では、甲虫類、ハサミムシ類、双翅類幼虫、ヤマタニシなどが確認されています 。また別の調査では、カエル類の糞から昆虫類を含む未消化物が広く見つかり、特にアリ類やゴミムシ類なども含まれていました 。つまり、糞内容物の観察は、少なくとも「どの目・科の餌を食べたか」の手がかりになります 。[esj.ne]

どこまで推定できるか

糞からは、硬い外骨格をもつ虫ほど推定しやすいです。甲虫類は消化されにくく、翅、上翅、脚、頭部、顎などの断片が残りやすいので、比較的よく同定できます 。一方で、軟らかい幼虫や小型昆虫は形が崩れやすく、目レベル以上に絞れないことも多いです 。[nature.museum.city.fukui.fukui]

実務上の見方

糞内容物で狩った虫を推定するなら、次の順が現実的です。

  • まず、硬い断片の有無を見る。

  • 次に、翅脈、脚の棘、上翅の彫刻、口器などを手がかりに分類する。

  • 最後に、その地域でカエルが利用しやすい餌生物群と照合する。

この方法なら、「甲虫を多く食べた」「ハサミムシを食べた」「双翅類幼虫を食べた」といった推定はかなり有効です 。ただし、丸呑み後に消化が進むため、種までの特定は難しく、胃内容物の方が糞より情報量は多いです 。[kaken.nii.ac]

トノサマガエルでの注意点

トノサマガエルは摂食後、未消化物の排出までに時間がかかるため、糞は「かなり前の食事」を反映している可能性があります 。また、マメガムシのように消化管を通過して生きて出る例もあり、糞からは“食べられた証拠”は得られても、必ずしも“完全に消化された証拠”にはなりません 。したがって、糞分析は食性の大づかみには向きますが、捕食直後の厳密な獲物特定には限界があります 。[hitohaku]

必要なら次に、トノサマガエルの糞から虫の目・科を推定するための形質チェック表を作れます。



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2026/06/12

早春の池で煮干しをかじるトビケラの幼虫を一時捕獲(エグリトビケラ科?)

 



2026年4月上旬・午後12:15頃・晴れ 

山麓にあるヤマアカガエル(Rana ornativentris)の繁殖池を毎年早春に定点観察しています。 
この日は卵塊から孵化した幼生(オタマジャクシ)の群れが岸辺付近の浅い水中に蠢いていました。 
その様子を動画に撮り始めたら、後に登場するトビケラ幼虫が一緒にちらっと写っていました。(冒頭の赤丸○) 
しかしカモフラージュの効果抜群の蓑を身にまとっているため、このときの私はまだ気づいていません。 
オタマジャクシが動き回るので、水底のゴミが揺れているだけのように見えます。 

試しに餌として、煮干し(無塩タイプ)をヤマアカガエル幼生の群れの近くに投入してみました。(@0:36〜) 
水中に煮干しの匂い物質(ダシ)が拡散するまで、しばらく時間がかかります。 
予め煮干しの頭部を取り除き、背骨に沿って半分に裂いておくと(2枚おろしの状態)、煮干しの匂いが早く水中に拡散することが後に分かりました。
やがて、オタマジャクシが煮干しに群がり、ちびちびと食べ始めました。 
このとき煮干しの端に1匹のトビケラ幼虫が食いついていることに、動画を見て初めて気づきました。(赤い矢印⇩@1:09〜) 





しばらく経つと、蓑をかぶった(筒巣を背負った)トビケラの幼虫が新たにもう1匹合流し、同じ煮干しの別の部位を食べています。(赤い矢印⇦@1:46〜) 

三脚を使って動画を長撮りしていると、煮干しがオタマジャクシの集団につつかれて水中で移動してしまったので、私が煮干しを鉛筆でつついて画角の中央に戻してやりました。 
煮干しを動かしても、謎の異物はしっかり付着して離れません。 
ただの水底のゴミではあり得ません。 
現場の私もこれでようやくトビケラの幼虫だと確信できました。 
筒巣に入って身を守りつつ、その端の開口部から顔だけ外に出して、煮干しを食べているようです。 

1匹の筒巣の腹端に白っぽい粘液のような物質が付着していたのは、トビケラ幼虫が排泄した糞なのでしょうか?(右の個体@2:02〜)
巣材を筒巣に固定するために分泌した接着剤なのかと初め勘違いしたのですが、そのための絹糸は腹端ではなく口から吐くとPerplexity AIに教えてもらいました。
周囲のオタマジャクシは煮干しに夢中で、トビケラ幼虫の糞?を食べることはありませんでした。
謎の白い水溶性分泌物をちゃんと分析した訳ではないので、ヤマアカガエル卵塊のゼラチン質が分解された断片がたまたまトビケラ幼虫の筒巣に付着していただけかもしれません。

謎のトビケラ幼虫2匹をじっくり観察するために、煮干しと一緒に手掴みで池の外へ取り出してみました。(@3:40〜) 
今回は餌を池に投入しただけですが(給餌実験)、釣り糸を付ければ、煮干しでトビケラ幼虫が釣れることになります。
巣筒は円筒状で、採寸してみると長さは約25mmでした。 
トビケラ幼虫が持ち運んでいる筒巣は、水中の落ち葉や枯れた茎など植物質の欠片を丹念に寄せ集めて作られていました。 
枯草の細長い茎や落枝を巣材として使う際には、長さを切り揃えた上で、幼虫の体軸に対して直角の向きに並べてあります。 








1匹のトビケラ幼虫は採集時に煮干しを放してしまいましたが、近くに置いてあります。 
すると筒巣の端から上半身を乗り出して、煮干しを目指して這い始めました。 
おかげで、水中では見えなかったトビケラ幼虫の頭部や胸部(地味な焦茶色)、脚(薄い茶色)などを観察することが出来ました。 
もう片方のトビケラ幼虫は、煮干しにしっかり食いついたままです。 

蓑の巣材が濡れている限り、陸上でもトビケラ幼虫はエラ呼吸が可能です。 
一方、変態前のヤマアカガエル幼生は陸上で肺呼吸できないので、ピチピチと暴れています。 

トビケラ幼虫が2匹とも煮干しに食いついたので、小魚(カタクチイワシ?)の死骸を口器で齧る様子をじっくり接写することができました。 
途中で左の個体が筒巣ごとゴロンと転がり、2匹のトビケラ幼虫が横に並んでくれました。 
おそらく同種のトビケラだと思いますが、巣筒の長さはほぼ同じでした。 
少し体格差があるのは、栄養状態(それまでの摂食量)の違いでしょう。 

持ち帰って家の水槽で飼育し成虫が羽化すれば、私にもトビケラの種類が同定できるかもしれません。 
しかし、持ち帰る容器を何も持ってきませんでしたし、水槽の水温を低く保ち流水にするなどの飼育ノウハウが難しそうなので、水生生物に疎い私は諦めてしまいました。 
元の池に戻してやり、微速度撮影を続けました。 




【考察】 
私が煮干しを給餌する前に、自然状態のトビケラ幼虫は池の底で何を食べていたのでしょうか?

筒巣に入ったままの状態のトビケラ幼虫を同定できるでしょうか?
筒巣の形や巣材、生息環境などで種類をある程度まで絞り込めるのだそうです。
幼虫を蓑から取り出して裸にした状態で実体顕微鏡で精査すれば、検索表も用意されていました。

【ネット検索で見つけた参考文献】
・河川生物の絵解き検索@環境省2017年(PDF資料)
・京都府の水生昆虫(トビケラ)PDF資料

環境省の検索表2017を参照すると、エグリトビケラ科(Limnephilidae)が素人目には似ています。
大顎には明瞭な歯がある。
筒巣の材料や形は様々、中〜大型種が多い。
後胸の中央前方のキチン板は常にある。
などと記載されていました。

30年前の古い資料ですが、谷幸三『水生昆虫の観察: 安全できれいな水をめざして 』(1995年)という本にはトビケラ目の科の幼虫の検索表が細密画と共に載っていました。
素人には使いこなせない検索表は飛ばして、代表種が作る筒巣の細密画だけを眺めると、確かにエグリトビケラ科エグリトビケラ(Nemotaulius admorsus)幼虫の筒巣が一番似ているものの、微妙に違います。

一方、ChatGPTに写真鑑定してもらうと(途中経過は割愛)、おそらくエグリトビケラ科(Lepidostomatidae)であり、候補としてエグリトビケラ属(Lepidostoma)の一種ではないかとの見解でした。
改めてエグリトビケラ科をネット検索すると、「An Artless Riverside ​川虫館」というサイトに幼虫と筒巣の見事な標本写真が掲載されていました。
エグリトビケラ科 Limnephilidaeキリバネトビケラ属Limnephilusの一種(トウヨウウスバキトビケラまたはその近縁種)の筒巣や生息環境などがそっくりでした。

来季はぜひトビケラ幼虫を採集して、飼育に挑戦してみたいものです。
私は「延長された表現型」として、虫の巣が大好物です。

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ピンセットで蓑を脱がして裸の幼虫をじっくり観察してから、筒巣を作り直す過程を飼育下で微速度撮影してみたら、面白そうです。

関連記事(20年前の撮影)▶ 色紙の上で動き回る蓑虫

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