2023年12月上旬〜中旬
シーン0:12/4・午後12:59・くもり(@0:00〜)
シーン0:12/4・午後13:45・晴れ(@0:04〜)
平地の落葉した二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を新旧2台のトレイルカメラで見張っています。 しかし巣穴Rを監視するトレイルカメラがなぜか不調で、全く撮れていませんでした。
この時期になぜかニホンイタチ(Mustela itatsi)の登場頻度が激増したので、そのシーンをまとめてみました。
シーン1:12/5・午前2:37・(@0:07〜)
丑三つ時に現れたイタチがアナグマの巣口Lに長居して、落ち葉を調べたりしています。
隠れている虫を捕食しようとして巣穴を物色しているのかな?
シーン2:12/5・午前2:44・(@1:07〜)
1.5倍に拡大した動画をお見せします。
アナグマの巣口Lを覗き込んでいたイタチが落ち葉に顔を突っ込み、何か小さな虫を捕食しました。
イタチが身動きすると落ち葉?が巣穴Lにポトリと落ちました。
それを追いかけてイタチも巣穴Lに入りました。
落ち葉ではなく虫だとしたら、天敵に襲われないように擬死落下したのでしょう。
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すぐに巣穴Lから外に出てきたイタチは、左に移動して、今度は巣口Rを見下ろしているようです。
シーン3:12/5・午前2:49・(@2:07〜)
約4分30秒後に、イタチがアナグマの営巣地を離れ、獣道を右上奥へちょろちょろ走り去りました。
オニグルミ立木の根元の匂いを頻りに嗅ぎ回っているものの、排尿マーキングはしなかったようです。
オニグルミの幹に掴まり立ちをするように後足で一瞬立ち上がったのですが、木登りはしませんでした。(@2:52〜)
何か樹上の虫が気になったのかもしれません。
イタチは必要に迫られれば上手に木登りするらしいのですが、私はまだ実際に見たことはありません。
シーン4:12/5・午後17:35・(@3:07〜)日の入り時刻は午後16:23。
1.5倍に拡大した動画をお見せします。
真っ暗な晩にイタチがまた登場しました。
どうやら完全な夜行性のようです。
今回もアナグマの巣口Lで何か小さな虫を捕食しました。
次は林床の落ち葉の下に顔を突っ込んで、餌を探しながら右へ立ち去りました。
シーン5:12/5・午後17:37・(@4:07〜)
1分後に再び戻ってきたイタチがついにアナグマの巣穴Lに侵入しました。
その後に飛来したのは、冬尺蛾♂でしょう。
シーン6:12/5・午後17:42・(@4:28〜)
約5分後にイタチは巣穴Lの外に出て来ました。
巣穴の主のアナグマは留守だったようです。
イタチはゆっくり左に立ち去りました。
シーン7:12/5・午後18:51・(@4:45〜)
画面の右上から左に細長い小動物がピョンピョン跳ねるように走りました。
二次林内でイタチが餌を探し回っているのかな?
シーン8:12/5・午後20:47・(@4:56〜)
しつこく戻ってきたイタチがアナグマの巣穴Lにするりと忍び込みました。
この後、出巣Lシーンが撮れてなかったので、どうやらイタチはアナグマの巣穴Lで一晩過ごしたようです。(同じ穴の狢)
アナグマが隣の巣穴Rで越冬していることは確かです。
もしも巣穴Lが空き巣だとすると、イタチはそこで越冬するつもりなのでしょうか?
これからイタチが越冬用巣穴に断熱材(巣材)を運び込むかどうか、注目です。
イタチは、床下、天井裏に住み着くこともあり、巣を作る際に家内の断熱材(グラスウール)を剥ぎ取り、巣材とすることもあります。(参考サイト@大東市:「イタチについて」より引用)
シーン9:12/6・午前5:46(@5:07〜)日の出時刻は午前6:37。
日付が変わって夜明け前にイタチが写りました。
もしかすると、巣穴Lから一旦外に出た後で、すぐにまた入巣Lしたのかもしれません。
シーン10:12/6・午前5:59・(@5:16〜)
約13分後。
どうやらイタチが出巣Lする瞬間を撮り損ねたようです。
画面右上でオニグルミ立木の根元の匂いを嗅ぎ、立ち上がって幹の匂いも嗅ぎました。
これはシーン3と同じ行動です。
素人目には、イタチがマーキングしたようには見えません。
獣道を右上奥へ立ち去りました。
シーン11:12/6・午後15:36・(@5:29〜)日の入り時刻は午後16:23。
約9時間半後、まだ明るい夕方にニホンイタチが現れました。
イタチは夜行性だと思っていたのに、昼間も活動するようです。
1.5倍に拡大した動画をお見せします。
いつものように、アナグマの巣口Lで虫を捕食してから、巣穴Lに潜り込みました。
旧機種のトレイルカメラに切り替えてしまったので、フルカラーで録画できなかったのが心残りです。
シーン12:12/6・午後19:57・(@5:45〜)
アナグマが巣口Lを点検した3時間後の晩に、細長い体型のイタチがしなやかにスルリと巣穴Lに侵入しました。
実はこの3時間ほど前にアナグマが来たのですが(映像は割愛)、巣口Lを覗いて中の匂いを嗅いだだけで、中には入らず立ち去りました。
巣穴の主であるアナグマが怒ってイタチを追い出さないのが不思議でなりません。
シーン13:12/9・午後16:28(@5:53〜)日の入り時刻は午後16:23。
3日後。
日没直後にイタチが素早く入巣Lした動きに反応してトレイルカメラが起動したものの、撮り損ねました。
シーン14:12/9・午後16:32(@6:00〜)
約5分後にイタチが巣穴Lの外に出てきて手前の二次林に向かいました。
冬尺蛾♂が元気に飛び回っています。
シーン15:12/11・午前3:30(@6:40〜)
2日後の未明にイタチが写りました。
出巣L直後なのかもしれません。
巣口Lの匂いを嗅ぎながら跨いで左へ向かいます。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
アナグマの越冬用営巣地にイタチが何度も通ってくるのは、巣穴Lに居候する虫を捕食できた成功体験を学習したからでしょう。
つまり、狩場の一つとして初めは認識していたはずです。
ちまちまと虫を食べたところで、満腹になるとは思えません。
ちなみに、この時期(初冬)、山に住むイタチは水場に通って野ネズミや冬眠中の両生類を狩っていました。
アナグマが巣穴Lには不在(留守)だと分かると、イタチは次第に大胆になり、巣穴Lで休んだり寝たりするようになりました。
しかし、イタチが巣穴の周囲(セット)で縄張り宣言をするマーキング行動は見られませんでした。
越冬用巣穴を巡ってイタチとアナグマが喧嘩をしてイタチが力づくで乗っ取った訳ではなさそうです。
あくまでもイタチがこっそり忍び込んで居候を始めた、という印象です。
巣穴の主であるアナグマが怒ってイタチを追い出さないのが不思議でなりません。
まさかイタチは気づかれないように、アナグマの体臭に化学擬態しているのでしょうか?
アナグマは侵入者のイタチに対して寛容というか、お人好しというか、鈍臭いのでしょうか。
かと思うとタヌキに対しては強気で追い払ったりするので、よく分かりません。
アナグマはイタチよりも体格で勝るはずなのに、肉食獣のイタチを恐れているのかな?
2種はセットに同居しているのではなく、別々の居住区に住み分けているのかもしれません。 (アナグマが巣穴Rで、イタチは巣穴Lで越冬するつもりなのでしょうか?)
根雪が積もっても2種が「同じ穴の狢」で越冬するのかどうか、注目です。
イタチの個体識別ができていないので、 もしかすると複数個体が出没している可能性もあります。
この記事では1匹のイタチが繰り返し出没している、というシンプルな解釈です。