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2025/09/13

ナンテンの花粉を集めて回るクマバチ♀の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年7月上旬・午後14:40頃・晴れ 

田園地帯の農道と民家の庭との境界に植栽されたナンテンキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
耳を澄ますと、重低音の羽音がかすかに聞こえます。 

関連記事(2年前の撮影)▶ ナンテンの花で採餌するクマバチ♀


蜂の動きがあまりにも忙しないので、240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@0:23〜) 
訪花中の蜂が触れると、ナンテンの白い花弁が次々と散ってしまいます。 
吸蜜するクマバチ♀をよく見ると、後脚の花粉籠に薄っすらと黄色い花粉団子を付けていました。 
飛びながら空中で後脚を互いに擦り合わせています。 
体毛に付着した花粉をまとめて、花粉籠に移しているのです。 
後脚の花粉籠に黄色い花粉団子がうっすらと付着しています。 
花粉籠があることと、顔の頭楯が黒いことからも、♀と分かります。

ところで、ナンテンの若葉や茎は夏でも赤いのですね。

2025/09/07

ムラサキツメクサの花蜜を吸い飛び回る春型のキアゲハ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月中旬・午後15:00頃・晴れ 

湿地帯の端に咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落で春型のキアゲハ♀(Papilio machaon hippocrates)が訪花していました。 
口吻を差し込んで吸蜜している間もキアゲハ♀は小刻みに羽ばたき続けてバランスを取っています。 
風が吹いてムラサキツメクサの頭花が揺れても、しっかりしがみついて吸蜜を続けます。 
風が止んで落ち着くと、羽ばたきを止めて吸蜜することもありました。

キアゲハ♀がムラサキツメクサの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:37〜) 



吸蜜の合間に、近くに自生するヨモギ(キク科)の葉にキアゲハ♀が一瞬だけ着地するのを目撃しました。(映像なし) 
産卵に適したセリ科の食草かどうか、触れて確認したようです。


【アフィリエイト】

2025/09/01

オオイヌノフグリの花蜜を吸うモンシロチョウ春型♂

 

2024年4月中旬・午後14:50頃・晴れ 

田んぼの農道に咲いたオオイヌノフグリの群落で春型のモンシロチョウ♂(Pieris rapae)が訪花していました。 
ともにありふれた普通種ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 
オオイヌノフグリの茎(花柄)は細いので、モンシロチョウがしがみつくと、その重みで花が垂れ下がってしまいます。 
モンシロチョウ♂は口吻を伸ばして吸蜜しています。

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:16〜) 
飛び立つ瞬間の翅表の斑紋から♂と判明。 

モンシロチョウは隣に咲いているヒメオドリコソウには興味を示さず、オオイヌノフグリにだけ連続して訪花していました。 
モンシロチョウはヒメオドリコソウの花が苦手なのかと言うと、そんなことはありません。


訪花昆虫のこのような性質を定花性と言います。
・定花性(flower constancy)とは、花粉媒介動物であるポリネーターが同じ種類の植物を連続して訪問する性質です。 
・定花性とは、同等(またはそれ以上)の価値が ある他の種類の花があるにもかかわらず、個々の訪花者が、決まった種類の花を連続して訪 花する行動のことである。

2025/08/28

フランスギクの花蜜を吸うウスバアゲハ

 

2024年5月中旬・午後12:25頃・くもり 

道端に咲いたフランスギクの群落でウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜しています。 
この組み合わせは初見でした。 

初夏の風が吹いてフランスギクの頭花が揺れています。 
突風で一瞬だけウスバアゲハが横倒しになったときも、腹端に交尾嚢は付けていませんでした。 
したがって、交尾済みの♀ではないことは確かです。 
最後に強風が吹いて、ウスバアゲハはフランスギクの花から下のイタドリの群落に落ちてしまいました。

2025/08/26

シロツメクサの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月下旬・午後16:20頃・晴れ 

田園地帯の農道に咲いたシロツメクサの群落でオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
口吻を差し込んで吸蜜し、ついでに花粉を集めているようです。 
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。 

やや小型の個体でしたが、この時期に活動しているのはワーカー♀ではなく、創設女王と思われます。 
しかし複数個体を見かけたので、暖冬の後の今季はワーカー♀が例年よりも早く羽化して活動しているのかな? 

平地性のクロマルハナバチと山地性のオオマルハナバチは、標高によって大まかに棲み分けていると言われています。 
現場は山麓に近い里なので、オオマルハナバチの活動分布域の境界(標高の下限)かもしれません。 

シロツメクサの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:56〜) 


2025/08/20

ヒョウタンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

 

2024年6月中旬・午後14:00頃・晴れ 

河畔林に咲いていたキンギンボク(別名ヒョウタンボク)のマント群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:08〜)、花筒に潜り込む正当訪花をしないで穿孔盗蜜を繰り返していました。 

キンギンボクの萎れかけた白い花筒の根元を外側から噛んで小さな穴を開け、そこから口吻を差し込んで花蜜を吸っています。 
正当訪花する昆虫と違って花筒の中にある雄しべにも雌しべにも触れませんから、クマバチはキンギンボクの授粉に一切関与しないことになります。 
集粉しませんから、クマバチ♀の花粉籠は空荷です。
キンギンボクの群落で他の花にも根元に盗蜜痕が残っています。


関連記事(4年前の撮影)▶ キンギンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

2025/08/18

セラスチウム(シロミミナグサ)の花蜜を吸うベニシジミ夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前10:05頃・くもり 

民家の花壇に咲いた見慣れない園芸植物の群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
私は園芸植物に疎いので、Googleレンズで画像検索したところ、白い花の名前がセラスチウム(別名シロミミナグサ、ナツユキソウ)と判明。 

曇天のため、少しでも日光を浴びようとベニシジミは翅を半開きのまま吸蜜しています。 
少し飛んで別の花に止まり直し、次々に吸蜜しています。 

ベニシジミが花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)

2025/08/14

ハルジオンの花で食事するコアオハナムグリ

 

2024年4月下旬・午後12:35頃・くもり 

山麓の田園地帯の農道に咲いたハルジオンの群落でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
ハルジオン頭花の中心部にある筒状花の花粉や花蜜を食べています。 


関連記事(16年前の撮影)▶ ハルジオンを食すコアオハナムグリ

2025/08/08

ノダイコンの花蜜を吸うナミアゲハ♂の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月中旬・午前11:05頃・晴れ 

小川の土手に咲いたノダイコン(大根の内陸性自生種)の群落でナミアゲハ♂(Papilio xuthus)が忙しなく訪花していました。 
吸蜜中もバランスを保つために、かなり忙しなく羽ばたき続けています。 
この組み合わせは初見です。 

腹端の形状から♂と判明。 
この♂個体は、左後翅の尾状突起が欠損しています。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:57〜) 
スローモーションでじっくり観察すると、ゼンマイ状の長い口吻の根元付近に薄い黄色の花粉が大量に付着していることに気づきました。 
つまり、ナミアゲハ♂はノダイコンの花に口吻を差し込む度に授粉を助けている送粉者ということになります。 
狙った訳ではないのですけど、背後を流れる小川の水面の煌めきが美しく撮れていました。 

実はキアゲハもノダイコンの同じ群落に飛来したのですが、撮り損ねました。 
2種のアゲハチョウは互いに無関心で、誤認求愛や蜜源の占有行動も起こりませんでした。

2025/08/02

白藤の花で休むクマバチ♂を手に乗せてみる

 

2024年5月上旬・午後16:45頃・晴れ 

某お屋敷のブロック塀からシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)の花穂が垂れ下がっていました。 
季節の風物詩として、キムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の訪花シーンを撮ろうとしたのですが、白い蝶形花にしがみついたまま動きません。 

関連記事(8年前の撮影)▶ 白藤の花蜜を吸うクマバチ♂ 


複眼が大きく発達し、頭楯が白いことから、クマバチの性別は雄蜂♂と分かります。 
ハチ(有剣類)の毒針は♀の産卵管が変形したものですから、毒針をもたない雄蜂♂を素手で触れても刺される心配がなく、全く安全です。 

もしや死んでいるのかと思って指先で軽く触れてみたら、ようやく緩慢に動き始めました。 
クマバチの雄蜂♂は日中はひたすら停空飛翔(ホバリング)で縄張りを張り、交尾相手の♀を待ち構えています。 
そのため、夕方にはもう疲れ切って寝ていた(休んでいた)のでしょう。 

 私が指を差し出すと、クマバチ♂は弱々しく羽ばたきながら、しがみついてきました。 
そのまま手乗りさせると、おとなしく静止してくれたので、じっくり観察できました。 
ハナバチ類の雄蜂♂は訪花しても採餌しません(花蜜や花粉を巣に持ち帰らない)から、後脚に花粉籠はありません。 
しかし、よく見ると、前脚に黄色っぽい毛が密生していますね。 
何か特別な役割があるのでしょうか? 
例えば、交尾の際に♀をしっかり抱きかかえるため? 

最後に、クマバチ♂は重低音の羽音を響かせて、私の手から飛び去りました。 
近くでは別個体のクマバチがブンブンと羽音♪を立てながら白藤に忙しなく訪花していました。 


関連記事(8年前の撮影)▶ クマバチ♂は手に乗せても刺さない

2025/07/23

ウツギの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王

 

2024年6月上旬・午前10:55頃・くもり 

川沿いに咲いたウツギの花でオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
この時期はまだ創設女王のはずですが、体格が小型の個体なので、早く羽化したワーカー♀なのかな?

関連記事(10年前の撮影)▶ ウツギの花で採餌するオオマルハナバチ♀ 

正当訪花を繰り返して吸蜜しています。 
ウツギの雄しべの葯は黄色で、まだ花粉がありそうなのに、オオマルハナバチ♀の後脚の花粉籠はほぼ空荷でした。 

近くでオオヨシキリ♂の囀りさえずりが聞こえます。♪

2025/07/21

ノアザミの花から花へ飛び回り吸蜜するミヤマカラスアゲハ春型♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:20頃・晴れ 

山麓を流れる用水路沿いに咲いたノアザミの群落で春型のミヤマカラスアゲハ♀(Papilio maackii)が訪花していました。 
広げた翅を小刻みに開閉しながら、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

カラスアゲハと違って後翅の翅裏に明瞭な白帯があるのが、ミヤマカラスアゲハの特徴です。 
前翅表に黒いビロード状の性斑(性標)がないので♀と分かります。 
腹部が太く、腹端の形状(尖っていない)からも♀と確認できます。 

ノアザミの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
訪花中はバランスを取るために軽く羽ばたいています。 
スーパースローで見ると、後翅を広げっぱなしで、前翅のみを羽ばたかせていることが分かりました。 
Perplexity AIとの問答で教えてもらったのですが、
アゲハチョウ科(Papilionidae)では、前翅と後翅は基本的に連結していません。 鱗翅目(チョウ目)の中でも、アゲハチョウ科を含む多くの「チョウ類」では、ガ類に見られる「フレネュラムとレティナクル(frenulum and retinaculum)」による前翅と後翅の連結機構が退化または消失しています。そのため、アゲハチョウ科の蝶は前翅と後翅が独立して動きます。
撮影後にノアザミの総苞片が粘ることを確認しました。 


関連記事(7、18年前の撮影)▶  

2025/07/15

ヤマホタルブクロの花筒に潜り込んで採餌するスミゾメハキリバチ♀

 

2024年6月中旬・午後12:45頃・晴れ 

民家の花壇に咲いたホタルブクロに蜂が忙しなく訪花していました。 
萼片の形状(基部が反り返る)からヤマホタルブクロ(別名ホンドホタルブクロ)のようです。 
花弁の色は赤紫でした。 

釣鐘状の花筒から外に飛び出してきた蜂を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみて(@0:20〜)ようやく、ムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)と分かりました。 
正当訪花で釣鐘状の花筒に潜り込むと、中でしばらく吸蜜・集粉していたようです。 
花筒の内部にいる蜂の影が花弁を通して透けて見えることはなかったのですが、蜂が動き回ると花弁がベコベコと動いたような気がしました。 

次の花を探してホバリング(停空飛翔)しているスミゾメハキリバチ♀の腹面を見ると、スコパは赤褐色でした。 
これは本種のスコパ本来の毛の色ですし、ホタルブクロの花粉は白いはずなので、今回のスミゾメハキリバチ♀は花粉をほとんど集めれなかったようです。 
ホタルブクロは雄性先熟らしいのですが、今回は雄しべの葯の花粉が既に枯渇していたのかもしれません。 
だとすると、次の花筒に潜り込まずにスミゾメハキリバチ♀がヤマホタルブクロの群落から飛び去ってしまったのも納得です。 

関連ブログ ▶ ~ ホタルブクロに 来たハチ ~ by 「足立直義の丹沢・大山山麓だより」 
スミゾメハキリバチ♀のスコパに白い花粉が大量に付着した見事な写真が掲載されていました。 
今回の私の観察だけでは分からなかったのですが、スミゾメハキリバチ♀はホタルブクロに訪花する常連客で、送粉者として働いているようです。 

ホタルブクロの花粉の色について、Perplexity AIを宥めすかしながら相当しつこく問い合わせて、ようやく役に立つ情報が得られました。 
実際にホタルブクロの花筒を裂いてみて内部構造を観察したり、雄しべの葯に触れて花粉の色を確認したかったのですけど、他人様の庭に勝手に侵入できませんから、諦めました。
野生のホタルブクロ群落なら好きなだけ調べられるのですけど、野山で見つけたことがありません。

実は、別種のハキリバチ?らしい小型のハナバチもヤマホタルブクロの花壇で忙しなく飛び回っていたのですが、ピントが合わなかったので編集でカットしました。

釣鐘状の花筒をもつ植物は、有能な送粉者を選別するために進化したのですが、そうなると締め出された蜂は必ずや穿孔盗蜜で対抗します。
ホタルブクロの花で盗蜜する蜂(おそらくクマバチと予想)を観察したくて、長年注意して見て回っているのですが、いまだに出会えません。
もしかして、ホタルブクロは盗蜜行動をさせないような仕組みを対抗進化させているのでしょうか?
そのような絶え間ない軍拡競争が進行中だとしたら、面白い話です。
ホタルブクロの花筒は太いので、日本の昆虫はほとんどの種が(太っちょのクマバチですら?)自由に出入りできそうです。
だとすれば、わざわざ穿孔盗蜜する必要はありませんね。
とりあえず、ホタルブクロの花筒の根元に盗蜜痕があるかどうか、調べてみないといけません。

2025/07/13

モンシロチョウ♀が♂2頭の求愛を拒みながら脱糞?!

 

2024年6月上旬・午後15:40頃・晴れ 

水田の農道沿いに咲いたハルジオンの群落で春型のモンシロチョウ♀(Pieris rapae)が訪花していました。 
そこに同種の♂aが飛来し、♀の背後でホバリングしながら求愛しています。 
しかし♀は腹端を高々と持ち上げて、断固とした交尾拒否の姿勢を取っています。 
モンシロチョウ♀の腹端に付着している黄色い固形物が気になりました。 

さらに別個体の♂bが右から飛来し、求愛に参戦しました。 
♂bが♀の半開きの翅に着地して触れた拍子に、♀腹端の付着物がポロリと落ちました。 
♀が嫌がって飛び立ち、2頭の♂が直ちに追いかけます。 

一瞬モンシロチョウを見失いましたが、少し右上にパンすると、♂が翅を半開きでハルジオンの花蜜を吸っていました。 
どうやら♀は♂の求愛を嫌がって逃げたようです。 


【考察】 
教科書にも書いてあるモンシロチョウの交尾拒否行動については、もう既に何度も撮影済みです。 

それよりも今回気になったのは、♀の腹端にあった、乾いた鼻くそのような謎の付着物です。 
その正体について検討します。 
  • モンシロチョウは成虫になると花蜜しか摂取しませんから固形の糞を排泄することはありない…はずです。 この定説が間違っていたのでしょうか?
  • ♀が未成熟の卵を産みかけたのかもしれません。 しかし未成熟だからといって、モンシロチョウの卵に特徴的な紡錘形が異常に歪んだりすることはないらしい。 
  • 蛹から成虫が羽化して翅を広げる際に使った羽化液(蛹便)が腹端で凝固したのでしょうか?  私はまだモンシロチョウの飼育経験がありませんが、モンシロチョウの羽化液(蛹便)は黄色っぽいらしい。 ところが、今回観察した♀個体は右前翅の翅頂が欠けていて、羽化直後ではなさそうです。 
  • 花粉などのゴミがたまたま腹端に付着しただけのような気がしてきました。 
  • モンシロチョウの交尾後、♂の精包(spermatophore)が♀の腹端外部に付着したまま残ることはありません。チョウ類の交尾では、♂が精包を♀の生殖器内部(bursa copulatrix)に挿入・移動させます。精包は、♀の体内の袋状器官(バルサ・コプラトリックス)内に完全に収められ、外部に露出することはありません。やがて精包は♀の体内で消化・分解されますが、殻(外被)は♀の体内に残ります。ウスバアゲハなど一部の昆虫では、交尾後に「交尾栓(スフラギス=sphragis)」と呼ばれる構造物が♀の生殖孔外部に貞操帯として形成されることがありますが、モンシロチョウでは形成されません。

今回もPerplexity AIとブレインストーミングしながら記事を書きました。

2025/07/11

ナワシロイチゴの花から花へ飛び回り採餌するクマバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:25頃・くもり 

山麓の道端に咲いたナワシロイチゴの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜しているクマバチ♀をよく見ると、後脚の花粉籠は空荷でした。 

ナワシロイチゴの花に離着陸する瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:25〜) 


関連記事(10、11年前の撮影)▶  

2025/07/09

ノアザミの花で採餌するコハナバチ♀の一種?

 

2024年6月上旬・午前11:30・くもり 

水田の農道に咲いたノアザミの群落で見慣れないハナバチが訪花していました。 
ノアザミの雄しべの先端から白い花粉が吹き出しています。 
ハナバチが口吻を伸ばして吸蜜しながらノアザミの頭花を歩き回ると、必然的に雄しべの花粉が蜂の体毛に付着します。 
顔の毛や前脚にノアザミの白い花粉が大量に付着していたのに、後脚の花粉籠はまだ空荷でした。 
ミツバチ科だと思ったのですけど、ハキリバチ科の可能性もありますかね? 
腹部下面にスコパの有無を確認できませんでした。 

マクロモードでカメラのレンズをそっと近づけながら接写しても、蜂は逃げませんでした。 
飛び立つとやや高音の羽音を立て、同じ頭花にすぐ舞い戻ってきます。 
再び飛び立つと、ホバリングしてから手前の頭花に着陸しました。 

蜂が居なくなった後でノアザミの総苞片に触れると、粘り気があることを確認しました。 
農道の奥の水田では田植えが終わっていました。
はじめは筒状花から雄しべが現れて、昆虫などが花を刺激すると、接触運動により雄しべから花粉が湧き出てきて、昆虫に花粉を与える[9][10][8]。雄しべが引っ込むと、続いて雌しべが現れて、花粉をつけた昆虫の媒介によって受粉する[8]。頭花の外側にある総苞は緑色の球形で、総苞片は反り返らず、直立して先端は鋭いとげになり、粘液を出して背面はよく粘る[7][5][6]。(wikipedia:ノアザミより引用)
関連記事()▶ 第8話「アザミの花粉放出の巧妙な仕掛け」 


さて、このハナバチの種類(和名)は何でしょうか? 
腹部には黒と茶色の横縞模様。
胸背は黒くてつるつるしています。 
剥げたのか、それとも元々胸背には毛が生えないのか、不明です。 
胸部の辺縁部には白っぽい毛が密生しています。 
オオマルハナバチ♀ほど毛深くありません。 
関連記事(同所同時期の撮影)▶ ノアザミの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王 
伸ばした口吻は真っ黒。
後脚だけでなく中脚にも茶色の毛が密生していて、花粉籠が複数あるように見える。

この件でPerplexity AIに相談してみたところ、画像認識もやった挙句にコハナバチ科の一種ではないか?と言われました。 
現在のAI技術は、質問に虫の写真を添付しても、分類学者が作った検索表に従って細部の特徴を検討して種を同定してくれる訳ではありません。 
ただ画像検索で似た写真をインターネット上で探しているだけなので、注意が必要です。 
AIが学習できるほど充分な数の写真データがインターネット上に蓄積されていれば(メジャーな種なら)、その方法(画像認識)でも上手く行くのですが、コハナバチ?のようなマイナーな種類の虫だとあまりあてになりません。 
あいにく私はコハナバチについて疎いので、今回の回答がAI特有のハルシネーション(自信満々の知ったかぶり)かどうかも判断できません。 
ハナバチに詳しい人にぜひ判定してもらいたいところです。
コハナバチ科の中には、ヒトの汗を好んで舐める蜂がいるらしいのですが、今回の個体は私の汗ばんだ手を舐めに来ませんでした。


【アフィリエイト】

2025/07/03

ノアザミの花で採餌するオオマルハナバチ創設女王

 

2024年6月上旬・午後16:05頃・晴れ 

水田の農道に沿って咲いたノアザミの群落で オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
後脚の花粉籠はまだ空荷でしたが、口吻を伸ばして吸蜜して回る蜂の顔に白い花粉が大量に付着しています。 

襟元(胸部前縁)にオオマルハナバチ特有の白帯があるかどうか、ノアザミの白い花粉で汚れているために分かりにくくなっています。 
しかし腹部T2に太い白帯が目立つので、クロマルハナバチではなくオオマルハナバチだろうと判断しました。  
オオマルハナバチとノアザミの組み合わせは初見です。 
この時期は未だぎりぎりワーカー♀が羽化していないはずですし、かなり大型の個体ですから、越冬後の創設女王♀なのでしょう。 

 大まかな傾向として、クロマルハナバチは平地性でオオマルハナバチは山地性と棲み分けています。 
撮影地は平地なのに、オオマルハナバチの創設女王が活動していたのでちょっと意外でした。 
この女王蜂は平地で営巣しているのでしょうか?
花から飛び去った蜂を見失ってしまい、巣の位置を突き止められませんでした。


【アフィリエイト】 

2025/06/26

ナワシロイチゴの花蜜を吸うコマルハナバチの雄蜂♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月上旬・午前11:20頃・晴れ 

山麓の道端に咲いたナワシロイチゴコマルハナバチBombus ardens)の雄蜂♂がせわしなく訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜しています。
この組み合わせは初見です。 

私のフィールドでこの時期に見かけるきれいな黄色(レモン色)のマルハナバチは、コマルハナバチ♂と決まっています。 
腹部は明るい黄色と黒の横縞模様ですが、腹端(特に腹面)の体毛だけ茶褐色です。 
コマルハナバチ(Bombus ardens)は、日本産マルハナバチの中で最も早く雄蜂♂が羽化する種類です。 

この個体は雄蜂♂なので、花粉を集めることはありませんし、後脚に花粉籠はありません。 
雄蜂♂に毒針はありませんから、怖がる必要はありません。 
複数個体を撮影しました。 

ナワシロイチゴの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜)

2025/06/15

バラ(アンジェラ)の花粉を集めるスミゾメハキリバチ♀

 

2024年5月下旬・午後14:05頃・晴れ 

民家の玄関先に植栽されたピンクの薔薇の花に真っ黒なムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が訪花していました。 

私は園芸植物にまるで疎いので、このバラを画像認識で調べてもらうと、おそらくアンジェラという半八重の品種だろうと教えてもらいました。 

スミゾメハキリバチ♀は小型の個体という印象です。 
吸蜜ではなく、集粉に専念しているようです。 
バラの花でときどき回転集粉を行いましたが、振動集粉の音は聞こえませんでした。 
腹面のスコパは茶色(赤褐色)の毛が密生しています。 
バラの花粉は黄色のはずですが、スコパに付着しているようには見えません。 
雄しべの葯を見ても、花粉が枯渇していて少なそうです。 
そもそも八重咲きの花は雄しべが花弁にホメオティック変異した品種なので、半八重では通常よりも雄しべの数が少なくなっています。 

スミゾメハキリバチ♀は羽音を立てて次のバラの花へ飛んで移動します。 
訪花中になぜか蜂が腹部を海老反りにすることがありました。 
腹面のスコパが雄しべに触れなくなるので、集粉するには逆効果のはずです。 
近くで撮影している私に対して威嚇・警戒しているのかな?  

※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


バラハキリバチのように、スミゾメハキリバチも巣材としてバラの葉を切り抜くことがあるのでしょうか? 
動画を見直しても、ハキリバチに葉を丸くくり抜かれた跡は写っていません。 



Perplexity AIに質問しても、スミゾメハキリバチが利用する巣材の植物について報告がないらしい。 
ただし、スミゾメハキリバチの原亜種であるムナカタハキリバチ(Megachile willughbiella)だとヨーロッパでよく調べられていて、バラの葉を切り抜いて巣材にすることがあるそうです。 
(バラの葉だけを巣材にするのではなく、植物種をあまり選り好みしないらしい。)

ちなみに最近、ムナカタハキリバチの全ゲノムが解読されたそうです。
CROWLEY, Liam M., et al. The genome sequence of Willughby’s leafcutter bee, Megachile willughbiella (Kirby, 1802). Wellcome Open Research, 2024, 9: 164.
次にスミゾメハキリバチのゲノムも解読して比較すれば、亜種の違い(黒化した体色)がどのように進化したのか突き止められそうですね。 




2025/06/09

コウゾリナの花蜜を吸うウスバアゲハ

 

2024年5月中旬・午前10:30頃・晴れ 

線路沿いに咲いたコウゾリナの小群落でウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
翅を全開のまま口吻を伸ばして黄色い花から吸蜜しています。 
腹端に交尾嚢を付けておらず、私には性別が分かりません。 

このキク科植物の名前に自信がなかったので、帰路に再訪し、一部を採取して持ち帰りました。 
中空の茎の切り口から白い乳液は分泌されませんでした。 
家に帰ってから実物の標本と植物図鑑を見比べ、しっかりコウゾリナと同定できました。

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