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2024/11/17

12月の虹

2023年12月中旬・午後13:30頃・晴れ 

里山を下山中に、市街地の上空に虹がかかっているのを見つけました。 
空に白い雲が多いですけど、反対側は晴れているのでしょう。 

初冬の空に虹が架かるのは珍しいと思って写真に撮りました。
私が気づいていないだけで、別に冬でもそれほど珍しい気象現象ではないのかもしれません。 


関連記事(1ヶ月前の撮影)▶ 11月の虹|儚く消えるまで【30倍速映像】

2024/09/12

11月の虹|儚く消えるまで【30倍速映像】

 

2023年11月中旬・午後14:20〜15:06・くもり(日の入り時刻は午後16:28) 

田園地帯の上空に30分以上も虹が出ていました。 
曇り空の隙間から西日の太陽がわずかに覗いています。 
個人的に、11月の虹は珍しいと思って動画で記録しました。 

後半はタイムラプス撮影にも挑戦しました。 
この日は三脚を持参しなかったので、地面にザックを置いてその上にカメラを載せただけです。 
畳んだタオルをカメラの下に敷いて、角度を微調節しました。 
流れる雲の動きと虹の対比が美しいかもと期待したのですが、暗い曇天(白い雲が少ない)なので、あまりフォトジェニックになりませんでした。 

太陽が山の端に沈むと、虹が消えました。
 吹き付ける風が冷たくて、11分間の微速度撮影中に横で待っている私は体が冷えてしまいました。 


関連記事(1ヶ月後の写真)▶ 12月の虹


【アフィリエイト】

2024/09/06

デントコーンの収穫およびロールベールラップサイロへの加工|落ち穂を拾い食いするハシボソガラスの群れ(野鳥)オートライシズム

 

2023年10月中旬・午前11:20頃・晴れ 

肉牛の飼料用作物として栽培している広大なデントコーン畑で収穫が始まっていました。 
大型機械(収穫専用作業車)によるトウモロコシの収穫を初めて見る私は興味津々で、動画に撮りました。 
収穫作業の機械化が究極まで進められた結果、専用の車両2台が連携して、最少人数による効率化が実現していました。 

最初の大型機械は「細断型ロールベーラ」と呼ばれるのだそうです。 
2〜3mも草丈高く育ったデントコーンを根元から刈り取ると、同時に全草を細かく裁断しています。 
大きな円筒形に整形したデントコーンの塊をその場に放置して、ロールベーラは先に進みます。 

次にキャタピラで動くフォークリフトのような別の作業車(ラッピングマシーン)が登場しました。
ロールベーラが作ったデントコーンの円筒塊を拾い上げると、プラスチックの白いフィルムでぐるぐる巻きに圧縮・梱包しながら運んで行きます。 
完成した包みはトウモロコシ畑の一角に並べて置かれました。

完全密封状態で野外に放置されたデントコーンは嫌気性細菌によって発酵し、昔ながらの塔型サイロ施設に詰め込まなくても良質の飼料となるのだそうです。 
この辺りは肉牛の畜産が盛んな地域なので、その飼料となるのでしょう。 
デントコーンはデンプンの含有量が高く、乾燥時に粒の中央がへこむ(デント)という特徴がある飼料用の品種です。

牧草地などに白い巨大な円筒塊が点々と放置されたり、まとめて置かれたりしている田園風景をこれまで何度も目にしていました。
実際にこれを作る作業を見たのは初めてで、とても勉強になりました。 
デントコーン畑で働く車両をタイムラプス映像で記録(微速度撮影)したら面白い動画になりそうですが、この日は三脚を持参してなかったので諦めました。


【参考サイト】 


収穫直後のデントコーン畑にハシボソガラスCorvus corone)が続々と集まっていました。 
ロールベーラが取りこぼしたデントコーンの落ち穂を拾い食いしているようです。 
トウモロコシ畑に隠れていた昆虫(害虫)を捕食しやすくなったのかもしれません。 
ヒトの収穫作業を利用している訳ですから、こうしたカラスの採食行動は、オートライシズムの一種と言えるかもしれません。 
騒音を立てて動き回る見慣れない大型作業車が怖いのか、カラスは収穫作業車には近づこうとしませんでした。 



農地で野鳥のオートライシズムを観察したくても、当地ではなかなか見ることができないのが不思議でなりません。 
本で読んだ知識では、デントコーン畑で動き回る収穫作業車の周囲に鳥が集まって、急に撹乱されて畑から逃げ惑う昆虫類を次々に捕食するはずと期待していました。 
爆音器やカカシ類などを使って収穫間際の農作物を鳥による食害から守る歴史が長かったために、当地の鳥は農家の人に対する恐れが強いのでしょうか? 
効果的な農薬散布(殺虫剤の使用)が確立した近年では、そもそも田畑の虫が激減しているのではないか?と疑っています。 (素人の個人的な予想です)
海外では害虫抵抗性や除草剤耐性を付与した遺伝子組み換えのトウモロコシ(GMコーン)が盛んに栽培されていますが、日本では栽培が禁止されています。 
デントコーン畑で害虫や雑草の防除を目的として使用される農薬を調べると、アワノメイガやオオタバコガなどの害虫に対して、「トレボン乳剤」や「アファーム乳剤」などの殺虫剤が使われているのだそうです。 
ただし、私は稲作水田への農薬散布は毎年のように見ているものの、トウモロコシ畑での農薬散布作業を実際に目撃したことが一度もありません。 
無農薬で有機栽培されるデントコーンも存在するのだそうです。
さらに調べると、日本国内では、畑に撒くトウモロコシの種子がネオニコチノイド系殺虫剤で処理されることがあるそうです。(畑への農薬散布を減らすためと謳われていますが、色々と問題があって…。)
具体的には、チアメトキサムなどがデントコーンの種子処理に使用されています。
だとすれば、デントコーンが育った畑で農薬散布をしない理由も害虫が少ない理由も説明できます。
ちなみに、私は完全無農薬の有機栽培を目指すべきだという非現実的な理想論者ではありません。
農業で使われる殺虫剤は必要悪として、今後も減らす工夫をしなければいけない、という穏健な(凡庸な)主張です。
農業害虫以外の虫がとばっちりを食らって農薬で殺される数が多過ぎるのが問題で、急激な温暖化の進行とダブルパンチで虫の絶滅がこのまま進むのはまずい!という危機感があります。


【アフィリエイト】 


2024/06/01

スギ林の幹から幹へ飛んで逃げるムラサキトビケラ

 

2023年8月上旬・午後12:25頃・くもり

平地のスギ林でムラサキトビケラEubasilissa regina)が幹に下向きで止まっていました。 
徘徊するクロアリ(種名不詳)に足先を噛まれたのか、ピクッと動きました。 
私が広角で動画を撮りながら歩いて近づくと、ムラサキトビケラは幹の上で少し歩いて移動しました。 
焦げ茶色で黒い斑点が散りばめられている前翅は地味ですが、周囲のスギの樹皮よりも色が濃くて保護色にはなっていません。 
カモフラージュ作戦がばれた!と悟ったムラサキトビケラは、自発的に飛び立ちました。 
ひらひらと羽ばたいて飛び去り、少し離れた若いスギの幹に止まり直しました。 
今回も幹に対してまっすぐ下を向いて止まっています。 
私がしつこく追いかけて近づいたら、慌てて飛び降りて逃げました。 
しばらく飛び回ってから、同じ杉の木に止まり直すこともありました。 
林床の落ち葉には着陸せず、必ず杉の幹に止まります。 
いつも必ず幹に対して頭を下に向けて垂直に止まります。 

飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜) 
羽ばたくと後翅が美しい紫色で、鮮やかな黄色の帯が目立ちます。 
私がなぜしつこく追い回して飛翔シーンを撮ったかというと、後翅を見たかったからです。
後翅の斑紋からゴマフトビケラなどではなく、ムラサキトビケラと分かります。 
本当は羽ばたく様子をハイスピード動画で撮りたかったのですけど、あまりにも暗すぎて(光量不足)無理でした。 
後半はカメラの設定で明るさを最大に上げてから撮影したので、色調がおかしいです。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


関連記事(8年前の撮影):▶ 夜のムラサキトビケラと美しい後翅 
夜にライトで照らしながら、飛ぶシーンを少しだけ撮りました。 


本種の成虫はよく樹液酒場に集まるらしいのですが、私はまだ実際に樹液の吸汁シーンを見たことはありません。 
今回もまさか針葉樹の樹液を目当てにスギ林に来ていたのではないはずです。
(ムラサキトビケラは)幼虫期を流水中で過ごすため、近くに流れのない場所では樹液で見られる可能性は低い。(森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p70より引用)

撮影地は平地の田畑を囲むスギの防風林ですが、浅い農業用水路が近くに掘られているため、幼虫がそこで育ったのかもしれません。 
しかし灌漑のための水路なので、1年中は流れておらず、春から秋(晩夏?)にかけてしか水が流れていません。 
そのような環境でムラサキトビケラの幼虫が素早く育って成虫が羽化できるのかどうか、水生昆虫の生活史に疎い私は分かりません。
(当地は雪国ですし、幼虫期に2年以上かかるのでは?) 
もう少し遠い地点で羽化した個体がたまたまスギ防風林に飛来して休んでいただけかもしれません。 


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2024/04/28

ホンドタヌキの溜め糞場に集まるオオヒラタシデムシとクロボシヒラタシデムシについて

 

2023年7月中旬・午後12:30頃・晴れ 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がスギ防風林の倒木横に残した溜め糞場phを定点観察しています。 
溜め糞に集まるシデムシ類に変化がありました。 



それまでは赤黒のクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫だけだったのに、真っ黒なオオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫も多数来るようになりました。 
ペアが成立して交尾しているオオヒラタシデムシ♀♂も居ます。
並んで糞食していたシデムシ幼虫同士の小競り合い(闘争・逃走シーン)が撮れていて、興味深く思いました。(@0:20〜) 
餌は豊富にありますから、占有行動の必要はないと思っていました。(金持ち喧嘩せず) 

甲虫(鞘翅目)では他に、肉食性のサビハネカクシOntholestes gracilis)も1匹だけ、下に掲載した写真に写っています。 

次は双翅目について。
メタリックグリーンに輝く常連のキンバエ(種名不詳)とは別に、見慣れない微小でカラフルなハエが溜め糞上で翅紋を誇示していました。 
この気になるハエは別の溜め糞場wbc-1にも来ていたので、改めて別の記事で紹介することにします。



昆虫以外では、オカダンゴムシArmadillidium vulgare)およびワラジムシPorcellio scaber)の等脚目が溜め糞に群がっています。 


【考察】 
私のフィールドで溜め糞場に集まるシデムシ類の季節消長を定量的にきっちり調べた訳ではありませんが、どの溜め糞場でも毎年春になって真っ先に現れるのがクロボシヒラタシデムシで、オオヒラタシデムシは遅れてくるという印象があります。 
まるで登場役者が交代するように、クロボシヒラタシデムシが居なくなった後もオオヒラタシデムシがしばらく残ります。 
つまり、この2種は出現季節を少しずらすことで、溜め糞場という同じニッチに棲み分けをしているようです。

クロボシヒラタシデムシは成虫越冬で、いち早く休眠越冬から覚めるようです。 
それに対してオオヒラタシデムシの成虫は夏になってようやく羽化してくるのか?と推測したのですが、wikipediaによるとオオヒラタシデムシも成虫越冬らしい。 
となると、オオヒラタシデムシ成虫が遅れて溜め糞場に出現する理由が分かりません。 
・まさか夏になるまで休眠越冬から覚めないのでしょうか?
雪国では幼虫または蛹で越冬するのではないか?と定説を疑いたくなります。 
もしかするとオオヒラタシデムシは寒さに弱くて、雪国では越冬に成功する成虫の数がきわめて少ないのでしょうか?
・今のところ私は目視で溜め糞場のシデムシ類を探しているだけです。
したがって、もしもオオヒラタシデムシが獣糞の中に潜り込んでいるとしたら、見えてないだけという可能性があります。
・あるいは越冬直後のオオヒラタシデムシは、獣糞よりも死肉への嗜好性が高いのかもしれません。
腐肉を使ったトラップを仕掛けてみて、オオヒラタシデムシの成虫が春から現れるかどうか、確かめてみたいものです。

シデムシ類の幼虫は三葉虫みたいな形態をしているのですが、私は種類の見分け方を知りません。 
シデムシ類の幼虫を飼育してみることが謎解きのヒントになるかもしれません。

2024/04/06

ミミズの死骸に群がるキンバエ

2023年7月中旬・午前11:35頃・くもり 

里山の中腹をトラバースする林道でスギの落葉が堆積している一角にキンバエの仲間(種名不詳)が群がっていました。 
臭い匂いもしたので、てっきり少量の獣糞で汚れているのかと思ったのですが、撮った写真を見直すとミミズの死骸が写っていました。 
暑い真夏の山行でよほどバテていたのか、観察が疎かになっていたようです。
死んだミミズが腐って変色し、周囲のスギ枯葉と同系色(茶色)になっていたので、紛れて気づかなかったのでしょう。


2024/01/28

田植え後の水田で働くアイガモ・ロボ(水田自動抑草ロボット)

 

2023年5月下旬〜6月上旬 

前回の記事(同日に隣の田んぼで撮影):▶ 田植え後の水田で採食するカルガモ(野鳥) 


合鴨農法について私が初めて知ったのは、確か漫画(『美味しんぼ』『夏子の酒』など)からだったと記憶しています。 

アフィリエイト: 


有機農業として一石二鳥どころか、三鳥、四鳥もある優れたアイデアです。 
しかし実践してみると、手間がかかる割には肝心の除草効果が安定しない、などの課題があるそうです。 
アイガモを放鳥しても、生き物は気まぐれですから広い水田を万遍なく巡回してくれません。
いっそのこと機械化・自動化してロボットに任せようという発想が出てくるのは当然です。 


シーン1:5月下旬・午後14:30頃・晴れ(@0:00〜) 
田植えが終わったばかりの水田で、水上ドローンのような奇妙な人工物が動き回っていました。 
近くで誰かが見張りながらラジコン無線で操作しているのではなく、無人のロボットが自律的に水田の中を遊泳しています。 
ロボットが田んぼの水を撹拌して回るだけで、アイガモ農法のように水田の除草効果があるらしい。 
噂には聞いていたものの、実際に動いている姿を初めて見ました。 
開発の歴史的な経緯から合鴨農法にちなんでアイガモロボと名付けられただけで、形状がアイガモに擬態している訳ではありません。 

ロボットが近づいてきたときによく観察すると、ルンバを連想させるシンプルな作りでした。 
緑のプラスチック製の外枠を浮きにして、いかだのように水面に浮いています。 
上面には太陽光パネルが取り付けられていて、昼間は休みなく働き続けることが可能になっています。 
後方に伸びる短い突起はGPSや携帯電話と連携するためのアンテナなのかな? 
稼働中は側面の緑色パイロットランプが点滅しています。 
植えたばかりの稲の苗はまだ草丈が低いので、ロボットが通り過ぎても、水中に倒伏してしまうことはありません。 
 1対の細長い螺旋状のスクリューが回転することで推進力を得ています。 
このタイプのスクリューは、水深が浅くても平気で進めます。
このプロペラで田んぼの泥水を激しく撹拌している様子が見えました。 
船を推進させるだけならスクリューをもっと静かに回転させた方がエネルギーのロスは小さいのですが、水田除草機としては水底の泥が舞い上がるほど水を激しくかき混ぜる必要があるのです。 
田んぼの水が泥で濁ると、雑草の種子が芽生えても光合成ができなくなり、成長が抑制されます。 
一方、イネはある程度育った苗を植えるので、水の透明度が下がっても全く影響を受けません。 
畦道の手前まで来るとアイガモロボットは減速し、片方のスクリューを逆回転させてくるりと方向転換しました。 
ロボットのモーター音や撹拌音を近くで聞いても静かでした。

ちなみに、このスクリューの形状は「アルキメデスの螺旋」と呼ばれていて、古代ギリシアのアルキメデスが揚水ポンプとして発明したことで有名です。
船の推進装置としては、砕氷船のスクリューに採用されているのを見たことがあります。
シーン2:6月上旬・午前10:30頃・晴れ(@2:18〜) 
ちょうど2週間後に同じ田んぼを再訪すると、稲の苗が順調に育っていました。 
この日もアイガモロボが黙々と働いています。 
せっかくなら三脚を立ててアイガモロボの動きを長時間微速度撮影すればよかったですね。 
田んぼの角まで来たらどんな動きをするようにプログラムされているのか、興味があります。 

アイガモロボが通過した後のはずなのに、なぜか手前の水は澄んで見えます。
水の濁りはすぐに収まってしまうのかな?
やがて田んぼの水位を下げる時期になると、アイガモロボは撤去されました。 
私が思ったよりも短期間しか使われないようです。 
大きく育った稲の上をアイガモロボが通過すると、稲が倒伏してしまうという問題もあるのでしょう。 

この記事は企業案件(宣伝)ではありません。 
私が面白いと思ったから動画に撮って記事にしました。 
素人目線でも除草効果に疑いがあれば、そのように忖度なく書くつもりです。 

アイガモロボを導入した水田は一部の区画だけなので、処理区と隣接する対照区で除草効果を比較することが可能です。 
「処理区はアイガモロボが通過した直後は田んぼの水が撹拌されて濁り、光合成が妨げられて雑草の成長が抑えられる。 一方で対照区は田んぼの水が澄んでいて、雑草が繁茂してしまう。」
 …という分かりやすい比較写真を撮ろうとしたのですけど、素人目には効果がはっきりしませんでした。 (※追記参照)
ドローンを飛ばさないと田んぼの中央部には近づけないために、農道や畦道から田んぼの端の写真しか撮れないのが問題です。 
ルンバ(お掃除ロボット)でもアイガモロボでも、作業区画の端っこはどうしても作業漏れがあるのかもしれません。 

田んぼの水面に緑藻(アオコ? アオミドロ?)が生えているのが気になりました。 
肥料のやり過ぎで水質が富栄養化している区画なのでしょう。 
私が調べた限り、これは稲作にはあまり害がなく、今問題にしているアイガモロボの除草効果とは関係ないのだそうです。(この点が間違っていたら、ご指摘ください。) 

生きたアイガモを使った合鴨農法では、雛や若鳥が天敵に捕食されないように保護する必要があります。 
アイガモロボは高価なので、盗難が心配です。 
盗まれても稼働しないよう遠隔操作できるのだとか。 

ロボットを開発・販売した井関農機の公式サイト(アイガモロボ特設サイト)を見ると、アイガモロボのメーカー希望小売価格は、税込で¥551,100円でした。 
高額な投資に見合った除草効果があったかどうか、除草剤の使用量をどのぐらい抑えられたのか、米の収量や品質は向上したのか、ロボットの耐久年数はどのぐらいなのか、稲作農家が総合的にシビアに判断するはずです。 
最新技術のアイガモロボを導入しているというだけで話題になりますし、収穫した米のブランド価値が高まる(高く売れる)のかもしれません。 
アフィリエイト:アイガモ農法米 
食用の米だけでなく、酒造用のブランド米で導入される例もありそうです。

2023年は異常気象で非常に暑い夏でした。
水田雑草ではありませんが、例えばセイタカアワダチソウの成長が妨げられるほどの酷暑でした(高温ストレスで背が高く生育しなかった)。 
水田抑草ロボットの評価が定まるには、何年か継続して使ってみる必要があるでしょう。


※【追記】
よくよく考え直すと、アイガモロボが居ない隣の田んぼでは従来通りの除草剤を撒いたはずなので、対照区とは言えませんね。
アイガモロボも除草剤も全く使わない田んぼを対照区とすべきですが、その年の収穫を犠牲にしてまで厳密に対照実験する奇特な米農家はいないでしょう。
雑草の生育に明らかな差が出なかったということは、アイガモロボには従来の除草剤と遜色ないぐらいの抑草効果があったと言えそうです。

2023/12/27

スズメバチの巣よけのダミー?

2023年11月中旬 

民家の庭木に奇妙な物体が紐で2つ吊り下げられていました。 
茶色のガムテープを丸めた物体です。 
その家の人が不在で質問できませんでしたが、おそらくコガタスズメバチVespa analis insularis)の丸い巣を模したダミーを自作したのではないかと想像しました。 
中に防虫薬剤が含まれているのかもしれません。 
果たしてスズメバチの創設女王に対して営巣忌避効果があったのでしょうか? 

最近ホームセンターや通販などで売られている類似商品には表面に鱗模様が印刷されていて、スズメバチの巣の外皮に擬態しています。 
しかしダミー(フェイク)の巣を吊るしても、個人的には「気休めやおまじない程度にしかならないのでは?」とその効果に懐疑的です。 
機会があれば検証実験してみたいものです。
宣伝通りの効果があるのであれば、もちろん朗報です。

どうせなら実際にスズメバチの古巣を採集しておいて、営巣して欲しくない場所にそれを吊るすのはどうでしょう?
スズメバチは古巣を再利用して住み着くことはありません。
古巣には寄生蛾などが同居しているはずですから、スズメバチの天敵が増えることが期待できますし、本物の古巣の近くにはわざわざ営巣しない気がします。

関連記事(14年前の撮影)▶ コガタスズメバチの巣に寄生する蛾の幼虫
 

2023/11/14

休耕田の野焼き【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月中旬・午後14:40頃・晴れ 

広大な田園地帯の一角で野火が燃えていました。 
休耕田の中央部に農家の人が灯油を一直線に撒いてから、意図的に火を放ったようです。 
強風に煽られて枯れた草や藁が激しく燃え、着火点(線)から両側に延焼していきます。 
私が子供の頃には田んぼでよく野焼きが行なわれていた記憶があるのですが、久しぶりに見ました。 

激しく燃え盛る火炎の動きを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:15〜)
まるで生き物のような炎に魅せられて、長々と撮影してしまいました。
火のスローモーションはずっと見てられますね。 
黒い燃えカスが熱い上昇気流に乗って舞い上がります。 
強風で火の粉が周囲に飛んで(山)火事の原因になりそうなら119に通報しないと…と心配で見守りましたが、広大な田園地帯の真ん中なので近くには人家もありません。 

枯草が素早く燃え尽きた焼け跡には黒々とした灰が残り、そのまま田んぼの肥灰こえはいとなります。 
野焼きしなければ、枯れ草を刈り取って土に漉き込む作業が面倒になるのでしょう。
風が強い日だったので、野放図に延焼するのではないかと心配でしたが、無事に自然鎮火して一安心。 
野焼きを見張るヒトが誰もおらず、消火器や水を用意してないのは、素人目にも危なっかしく写りました。 
そもそも野焼きは無風の日を選んでやるべきでしょう。

近年の異常気象で雨不足の夏に頻発する山火事は、人間社会に甚大な被害をもたらす悪(天災・人災)とされています。
しかし落雷などで自然発生する山火事は、自然の摂理でもあります。 
定期的に火入れをする原始的な焼畑農業も自然破壊どころか、(ある条件下では)むしろ持続可能だったりします。

山火事による撹乱の生態学はなかなか面白いテーマです。 
今回は地表の枯れ草だけがさっと燃えたので、地中に埋没した種子に高温は伝わっていないはずです。 
野焼きの後にどんな先駆パイオニア植物が生えてくるか植生の遷移を調べたかったのですが、この区画は後に水稲栽培の水田になっていました。 
草灰の肥灰だけでは充分ではないので、化学肥料も投入したはずです。
この区画は後にヨシ原が再生しました。
ガマセイタカアワダチソウも混じって生えました。
ヨシ、ガマなどは湿地に生える抽水植物です。
休耕田だと思ったのは私の勘違いで、田んぼの隣の区画にある小さな湿地帯(湿原)でした。
(水田の端にヨシ原が残されています。)

【参考】
新山恒雄『休耕田で群落遷移を追う』(『現代生態学とその周辺』p284〜291に収録)


藤井一至『大地の五億年:せめぎあう土と生き物たち』は近年稀に見るエキサイティングな名著(ベストセラー)です。
第3章に「酸性土壌と生きるには」と題した一節があり、野焼きや焼畑を科学的に解説していました。
特に勉強になった記述を抜書しておきます。

草木灰はカルシウムやカリウムなどのアルカリ成分を含み、土の酸性物質を中和する中和剤となる。焼畑農業は、ヒトの酸性土壌への適応術ともいえる。
 草木灰は即効性のある中和剤だが、雨に溶けて流されやすいため、有効期間は短い。

人口に対して広い森林さえあれば、焼き畑は持続的な伝統農業である。(中略)焼畑農業が時に環境破壊となる問題の本質は、人口増加である。その土地が持つ焼畑による人工扶養力を超えてしまうのだ。

 焼畑農業そのものは、酸性土壌へのヒトの適応戦略として、生態学的にも理にかなった仕組みである。しかし、どんな農業にもルールがあり、扶養できる人口には限界がある。


関連して、アンドルー・C・スコット『山火事と地球の進化』という本も出ているようです。


春の強風のせいで私が立っているだけでも体勢がぐらついてしまい、手持ちカメラによる撮影では手ブレが生じてしまいます。 
野火があっという間に燃え広がったので、三脚を使う余裕がありませんでした。 
動画編集時に手ブレ補正処理したらだいぶ改善しました。
次に機会があれば、野火が燃え広がる様子を引きの絵の定点で微速度撮影するのも面白そうです。


【追記】
2024年4月22日のNHK山形放送局「山形県のニュース」によると、
産業廃棄物処理法では、野外で廃棄物を燃やすことは原則、禁止されていますが、県は「農業などやむを得ない場合は、事前に消防署に届け出を行い、消火用の水が入ったバケツなどを準備してほしい」としています。

その上で、県は、強風や空気の乾燥時にたき火や野焼きをしないこと、枯れ草の近くなど火災が起こりやすい場所ではたき火をしないことを呼びかけています。

また、たき火などをするときは、その場を離れずに完全に火を消すことなど、火の取り扱いに十分注意するよう呼びかけています。




↑【おまけの動画】
"Why Only Earth Has Fire" by PBS Eons 
火が存在することが知られている惑星は宇宙の中で地球だけです。
生命(シアノバクテリア)の誕生によって初めて地球上で火が燃えるようになり、その後は山火事に適応した陸上生物(特に植物)の進化が始まった、という実に見事なストーリー建てのプレゼンです。


2023/11/12

深夜の春山に浮かぶ謎の未確認生物(UMA)クモ?ミノムシ?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月中旬 

里山でニホンカモシカの溜め糞場srに設置した自動センサーカメラに奇妙な物体、謎の未確認生物(UMA)が写っていました。 


シーン1:4/7・午後17:00頃・気温14℃・(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
山腹に植林したスギ林の上端部で、斜面を下から見上げるアングルです。 
斜面の上の方には未だ残雪があります。 
画面中央の左寄りに立つスギの大木にはフジの太い蔓が寄り添っています。 
右下に見える太い落枝は、冬に積雪の重みで折れたスギの枝です。 


シーン2:4/11・午前3:00頃・気温5℃・(@0:05〜) 
深夜未明にカメラが起動すると、見えないぐらい細い糸で吊り下げられた白い小物体が空中で不規則な動きをしていました。 
周囲のスギの枝葉は激しく揺れていませんから、そよ風ぐらいの弱い風しか吹いていないはずです。 
まるで誰かがレーザーポインターを照射して悪戯しているようです。 
夜蛾の飛翔シーンではありません。 

謎の小物体は縦に細長い形状なので、ミノムシ(蓑虫)の一種でしょうか? 
スギの枝葉からしおり糸で懸垂下降したクモ、または何かの幼虫(イモムシ、毛虫)かもしれません。 
クモが腹端から糸を吹き流して、飛び去ろうとしている(バルーニング行動)途中なのかな? 

トレイルカメラが起動したということは、謎の小物体そのものが熱を帯びていることになります。 
早春の山中で越冬明けの虫が自ら発熱するとは、にわかには信じ難い話です。 
もし本当なら大発見です。
それとも、恒温動物(鳥類や哺乳類)が横切るなど何か別の原因で起動したセンサーカメラに偶然写っていただけかもしれません。 


シーン3:4/11・午前3:15頃・気温6℃・(@1:06〜) 
約15分後にトレイルカメラが再び起動したときにも写っていました。 
ニホンノウサギが画面の右下隅にちらっと登場した直後の映像です。 


ノウサギと謎の未確認生物(UMA)との関係が気になりますけど、互いに無関心でした。 
つまり、ノウサギが林床を通りかかっても、空中のUMAは逃げませんでした。
謎の小物体は相変わらず、空中で吊り下げられたまま不規則に揺れ動いています。 

かなり強引で無理があるのですが、なんとか他の仮説をひねり出してみました。 
生き物の行動ではなく、ただの光学現象(光の悪戯)かもしれません。 
赤外線の暗視カメラで野生動物を撮ると、瞳に反射して白く光って見えるだけでなく、乱反射した目の虚像が見えることがあります。 
今回も例えば、1羽のノウサギがカメラの真下の死角にずっと座っていて、月明かりまたはカメラの赤外線に反射した眼光がレンズにたまたま写っている、という可能性はどうでしょうか? 
謎の小物体の不規則な動きは、ノウサギの眼球の動きということになります。
全く瞬きしないのは不自然でしょうか。

2023/09/14

猿害対策:空砲を撃ってニホンザルの群れを追い払い山里の畑を食害から守る

 

前回の記事:▶  


2022年8月下旬・午後16:00頃・くもり 

山麓の集落で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の大群と遭遇した後で私が更に下山していると、辺りで発砲音が繰り返しこだましたので山林の方を振り返りました。 
銃犯罪とは無縁の日本で銃声を聞くとギョッとしますが、山麓の農村部では珍しくありません。 
山から里に降りてきたニホンザルの群れが家庭菜園や畑の農作物を次々に食い荒らしてしまいます。 
ニホンザルによる食害(猿害)が深刻なので、さまざまな対策をするようになりました。 
猿の群れが山から降りてくると、住民がロケット花火や爆竹、空砲を撃ちまくって脅かし、山へ追い返します。 
今回私からは少し遠いので、悲鳴を上げて山林に逃げ込むニホンザルの鳴き声は聞き取れませんでした。 
ほとぼりが覚めるとニホンザルの群れはまた戻ってくるので、いたちごっこです。 

犬猿の仲であるイヌをニホンザル撃退専門に訓練してから山村をパトロールし、ワンワン♪鳴いて猿を追い立てることで効果を上げている地域もあるそうです。 
当地でモンキードッグは未だ導入されていません。 

動画に登場する畑はただのネットで覆われているだけですが(鳥害対策?)、最近ではお金を投資して電気柵で畑全体を厳重に囲うようになりました。(下の写真を参照) 
電気柵のバッテリーはソーラーパネルで充電するようです。

蒲谷肇『千葉県におけるシカとサルによる農林業義外と対策』(1995)を読むと具体的に書いてありました。
サルの防護は、3,000〜8,000Vの高圧微弱電流(500mA以下) が約1秒間隔のパルスで金属線に流れている電気柵でサルの侵入を防ぐことによる。電気柵が効果を失うのは、主として蔓が伸びて金属線に絡みつき漏電する場合とサルが柵の近くの高い木に登って農耕地等に跳びこむ場合である。(『現代生態学とその周辺』p171より引用)
少し古い資料ですし、電気柵メーカーや機種によって違うのかもしれませんが、パルス電流を流しているとは知りませんでした。

ちなみに、空砲を連射しても周囲のミンミンゼミ♂♪は鳴き止みません。 
セミが鳴く木の下で大砲をぶっ放したファーブルの実験を思い出しました。

2023/09/11

氷の下で泳ぐ早春のオタマジャクシ?|雪解け水の気泡

 

2023年3月上旬・午前11:40頃・晴れ 

登山道に向かう山麓の坂道で、薄い氷のようにシート状になった残雪の下を何か黒い物がニョロニョロと動いています。 
まるで人魂やオタマジャクシを連想させる動きです。 
傾斜のある舗装路と残雪の間に隙間ができていて、そこを雪解け水がチョロチョロと流れています。 
ときどき大きな気泡も一緒に流れて来るのです。 
半透明の氷の下に透けて見える気泡の動きが微妙に不規則で、なかなか面白いですね。



↑【おまけの動画】 Twitter(現X)でバズっていた動画です。 

似たような動画はYouTube上にもいくつか公開されています。 

 



2023/07/30

ロータリー除雪車による雪かき作業【HD動画&ハイスピード動画】

 

2022年1月上旬~1月中旬~2月下旬 

暑中お見舞い申し上げます。
あまりにも暑いので、少しでも涼しげな動画をお届けします。 

生き物を撮りたくても、雪国の冬は被写体がどうしても減ってしまいます。 
無聊を慰めるために、ロータリー除雪車が雪を跳ね飛ばす様子をハイスピード動画で撮りためてみました。

 

2023/07/24

初冬の林床に置いた袋に群がるムラサキトビムシ?の謎

 

2022年12月上旬・午後13:10頃・くもり 

雑木林が広がる山林の斜面に設置したトレイルカメラの電池を交換しに来ました。 
作業する前にザック内の荷物を広げて林床に置いておいたら、いつの間にか微小の黒い虫が大量によじ登っていました。
こんなことは初めてです。
ギョッとしましたが、よく見るとピンピン跳んでいるのでトビムシの仲間と判明。 
昆虫よりも原始的な節足動物です。 
ムラサキトビムシHypogastrura communis)またはその仲間ですかね?
袋に固着している訳ではなく、バサバサと軽く振ったり払ったりすれば簡単に落ちてくれます。 

着替えを入れた黄色い防水袋の表面を夥しい数のムラサキトビムシ?が這い回っています。
採寸のために何か大きさの比較対象物を並べて置くべきでしたね。 
ときどき自発的にピンと跳ねて居なくなります。 
腹部第4節には2又になった棒状の器官がある。この器官は叉状器(または跳躍器)と呼ばれ、普段は腹部下面に寄せられ、腹面にある保持器によって引っかけられている。捕食者などに遭遇した際にはこの叉状器が筋肉の収縮により後方へと勢いよく振り出され、大きく跳躍して逃げることができる。(wikipedia:トビムシの形態より引用)


マクロレンズを装着して接写してみましょう。
退色は紫がかっていました。
6本足で歩行するのは昆虫と同じです。 
トビムシが互いに出会っても何も起こりません。(片方が立ち止まって回避?)
仲間と出会っても驚いてジャンプする訳ではないようです。

白いビニール袋の上にもムラサキトビムシ?の大群が群がっていました。
群れ全体として一方向に移動しているように見えたのですが、何を目指しているのか不明です。
群れとは逆行する天の邪鬼の個体も居るからです。 
突然画面から消えるのは、腹面にある跳躍器を使ってジャンプしたからです。 
まるでポップコーンのようです。
裏返しに着地しても、自力ですぐに起き上がります。 

山登りしてきた汗が引くと一気に体が冷え、指先がかじかんでじっくり接写できませんでした。 
横着しないで三脚を使うべきでした。
特に、トビムシが跳躍器を使って跳ぶ様子をハイスピード動画で接写したかったのですが、曇天の光量不足で諦めました。 
今思えばトビムシを採集して持ち帰れば、室内の明るい照明の下で跳躍シーンをハイスピード動画に撮れましたね。 
現場の山中ではとにかく寒くて、そこまで頭が回りませんでした。 
しかし仮にトビムシの大群を採集したとして、下山中にどうしても激しく揺れますから採集容器の中でピンピン跳ねて消耗してしまうのではないか?と心配です。

この日は山中でハエ1匹も飛んでおらず、見かけた虫はムラサキトビムシ?だけでした。
この日に限って一体どうしてビニール袋にトビムシが群がったのでしょうか?
ザックから出した荷物が私の体温でほんのり暖かく、その熱源にトビムシが誘引されたのでしょうか?
それとも私の着替えから発する汗の匂いが気に入ったのかな?
あるいは、たまたま私が荷物を置いた落葉の下でキノコを食べていたのかもしれません。
雪が積もる前に集団で越冬する安全な場所を探していたのかな?(トビムシの越冬態は成虫?)
それとも、たまたまこの日は明るい原色の袋を置いたので目立ちましたが、これまでも迷彩系の地味な服や荷物を林床に無造作に置いて付着したトビムシに気づかなかっただけかもしれません。

後日、別件の調べ物で相良直彦『きのこと動物』という名著を読んでいたら、第2章「昆虫ときのこ」第6節に「トビムシの菌食」が取り上げられていました。
ふつう(トビムシ:しぐま註)は落葉落枝層の中で、朽ちた落葉落枝と菌糸とを主食としている。(p55より引用)
図18に「きのこにつくムラサキトビムシのなかま」と題した細密画も掲載されています。 
ムラサキトビムシはメジャーな普通種なのでしょう。 
私もこれからはキノコに群がるトビムシについて注目してみることにします。 

高名な昆虫学者である丸山宗利氏の著作のひとつに『アリの巣をめぐる冒険未踏の調査地は足下に』があるのですが、なにより副題がとても秀逸で感銘を受けました(共感)。 
近年は野山に出かけても出会える昆虫の数が激減していて(大絶滅が進行中?)退屈でつまらないなーと思っていたのですが、土壌生物の世界は食わず嫌いで全く手つかずなのでした。 
トビムシに限っても予備知識がほとんど無いので、これから少しずつ勉強しないといけません。 
遠方の原生林にわざわざ遠征しなくても身近な裏山におそろしく広大なフロンティアが広がっていて、生態系の全貌を謎解きする道のりを思うと気が遠くなります。
ネタ切れの心配が無いのは嬉しい悲鳴です。

関連記事(11年前の撮影)▶ 水面に浮いて跳ねるエビガラトビムシ?集団

 

2022/11/08

2022年8月3日〜4日:集中豪雨による最上川上流域の水位変化【100倍速・トレイルカメラ暗視映像】

 

2022年8月上旬・大雨
気象庁は3日午後7時15分、山形県に『大雨特別警報』を発表しました。山形県で出されるのは、初めてです。大雨特別警報が出されたのは、米沢市、長井市、南陽市、高畠町、川西町、飯豊町の6つ。
川沿いの獣道を監視するために設置したトレイルカメラ(自動撮影カメラ)の安否を確かめに行くと、奇跡的に水没を免れていました。 
最上川の堤防が決壊した水害地域よりも上流の左岸です。 


トレイルカメラが記録していた動画の総撮影時間は1.5時間。 
インターバル撮影した訳ではなく、激しく動く川面や風で揺れる枝葉などでカメラのセンサーが頻繁に誤作動した結果です。 
大雨・増水時の野生動物の動向が気になるところですが、まずは急激な水位変化が分かりやすいように、100倍速の早回し映像に加工しました。 
もともと夜行性の野生動物を記録するために設置したので、タイマー設定で昼間は撮っていません。 
画面左が上流で、川の水は右に向かって流れています。

カメラを固定していたニセアカシアの木というのが水際に立っていたのです。
以前の増水で根際の土がごっそり流出しており、トンネルのようにえぐれていました。 
地盤がもともと不安定になっていたはずなのに、今回の増水でもニセアカシアの木が倒伏・流失せずに立っていたのには驚きました。 
映像を見ると、川の激流に洗われてもカメラを固定したニセアカシアの木はびくともせずに頼もしく耐えています。 
大風が吹いたら揺れるのに、今回の増水した川の水流では揺れませんでした。 

カメラが浸水しなかったということは、最大水深は150cmに達していないことになります。 
画面の手前から奥に向かって緩やかな上り坂の護岸となっていて、コンクリートのブロックが敷き詰められていました。
その斜面を登った先が河畔林(ニセアカシア、オニグルミ、柳など)と河川敷になっています。
その更に奥には、町を守る本格的な堤防が作られています。
この上流域では幸い、いわゆる河川敷までは冠水せず、堤防も決壊していません。 
停滞する線状降水帯がもたらした8月2日12時から8月3日19時までの降り始めからのアメダス総雨量は140mm(速報値)だったそうです。 
川の水位が下がるのも早く、4日にはすっかり収まっていました。 

次回からは、川辺の生き物が大雨の晩をどう過ごしたのか、トレイルカメラに写った映像をピックアップして紹介していきます。 

つづく→

 

↑【おまけの映像】
早回し加工しないで、素材をただ繋げただけの長編動画(1:29:43)をブログ限定で公開しておきます。
8/3 午前3:47に撮り始めたときには雨が未だ降っていません。
次に撮れた午後20:20には叩きつけるような大雨が降っていて、コンクリートブロック護岸の半分の高さまで川の水面がひたひたと迫っていました。
ゴーッという川の音が恐ろしげに聞こえ、流木が次々に流れて来ます。
護岸を横切る獣道は既に完全に水没しています。
カメラを少し斜め下に向けていたので、レンズに雨がかからずクリアに撮れました。
川の水位がみるみる上昇し、コンクリート護岸の上端から溢れそうになる寸前で低下に転じました。
撮り終わりは8/4 午後19:14。

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