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2024/10/24

家庭菜園を守る鳥よけの風車(空缶やペットボトルを再利用して自作)

 

2023年5月中旬・午後・晴れ(やや風が強い) 

種まきが終わったばかりの家庭菜園に自作の風車を設置した例をあちこちで見かけました。 
畑に蒔いたばかりの種子や芽生えを鳥に食害されないように、風車でおどかしているのでしょう。 
鳥害対策グッズとして既成品の風車がホームセンターなどで色々と販売されています。

関連記事()▶ 

最近ではペットボトルやアルミ缶を再利用して鳥よけ風車を自作するのが流行っているようです。 
小中学生がSDGsや図工の授業で工作したのかな? 
空缶やボトルの側面に羽根の形に切れ込みを何本も入れて外側に折り曲げ、風車にしています。 

自作した素朴な風車でも、強い風が吹くとカラカラ♪と音を立てながら勢い良く回ります。 
風力発電用の風車なら軸受にベアリングを使って無駄な摩擦を減らし、無音で回るように作るべきです。 
しかし鳥を畑から追い払うのが目的なら、回転しながら音が鳴る方がむしろ好都合です。 

銀色のメタリック素材がピカピカ反射する風車は、ビール?を飲んだ後のアルミ缶を切り開いて風車を自作したようです。 
風車の羽根が16枚もある力作です。 
回転しながら眩しい反射が点滅するので、これが一番鳥よけ効果がありそうです。 

風向きが変わっても風見鶏のように自然に対応できるタイプのペットボトル風車も見かけました。 
多少歪な羽根でも風が吹けば意外によく回ります。 

実は風車の結構近くまでスズメの群れが来ていたのですけど、その様子を動画に撮る前に車が通りかかってスズメは逃げてしまいました。 
野鳥はいずれ風車の存在に慣れてしまうはずですが、野菜の種子が無事に芽生えるまでの短い期間だけでも鳥よけ効果があれば充分なのでしょう。 
次は鳥よけネットや寒冷紗などを畑に被せて、作物を鳥害から守ります。


【アフィリエイト】 

2024/05/05

ソバ畑に集まり芽生えを食べるキジバトの群れ(野鳥)

 

2023年8月中旬・午後15:10頃・くもり 

休耕田が稲作からソバ畑に転作されたようで、真夏に撒かれた秋ソバが発芽しました。 
そのソバ畑に多数のキジバトStreptopelia orientalis)が散開して、採食に励んでいました。 
初めはカメラを向ける私を警戒して周囲の防風林に逃げ込んだのですが、私が動き回らず農道の木陰から静かに撮影を続けると、警戒を解いたキジバトが再びソバ畑に続々と戻ってきました。 
キジバトのこれほどの大群を見たのは初めてです。 
引きの絵で右から左にパンしながら数えると、少なくとも計18羽以上は集まっていました。

キジバトたちはソバ畑を歩き回って何かを啄んでいます。
畦道をテクテク歩いて乗り越え、隣の区画のソバ畑に移動する個体もいます。 
地味な羽根色のキジバトは、ソバ畑では見事な保護色になっています。
キジバトは種子食性ですから、ソバの芽生えを採食に来たのでしょう。 
しかし映像を見ても、ソバの芽生えを嘴で1本ずつ引っこ抜いて種子を食べている様子はありません。 
芽生えに失敗した不稔の種子を食べているだけのような気がします。 
発芽した後は種子内の栄養分が急速に枯渇するので、キジバトにとって栄養価が低下しているはずです。 
ソバの芽生えを食すのであれば、わざわざ畑を歩き回る必要はなく、食べ放題のように1箇所で次々と啄むはずです。
あるいはソバ畑の虫を捕食している可能性もありそうです。
つまりキジバトはソバ畑の害鳥とは決めつけられず、害虫を食べたり発育の悪い芽生えを間引いたりしているという側面もあるのかもしれません。 
私はキジバトを盲目的に擁護したい訳ではありません。
ソバの種まきは畝に沿ってばら撒き、浅く土をかぶせるだけらしいので、種まき直後のソバ畑がハト類に最も狙われやすいでしょう。 
発芽して無事にある程度育てば、鳩は食欲をそそられなくなるようです。 
11日後に現場を再び訪れると、ぐんぐん育ったソバ畑にキジバトは1羽も来なくなっていました。 
秋にソバの実が熟すと、種子捕食者のキジバトが再び集まり、収穫前の実を食害するようになります。(映像公開予定
食性を冷静に緻密に観察すれば、鳥害対策も立てやすくなるはずです。

採食中のキジバトは警戒心が強くてすぐに逃げてしまうので、思うように近づけませんでした。
望遠レンズを装着したかったのですが、あいにくこの日は持ってきておらず、仕方なくデジタルズームを駆使しました。 
画質が粗くなるのは仕方がありません。 

関連記事(3年前の撮影:現場近くの別の畑?)▶ ソバ畑の芽生えを採食するキジバトの群れ(野鳥) 
よく見ると、種子から白くて細長いひげ根が出た芽生えをたまにキジバトは食べていました。  
このときは7月下旬の撮影で、もしかすると秋ソバの芽生えというよりも、春ソバの収穫後だったのかもしれません。
撮影時期が違う2つの動画は、ソバの芽生えの生育状態が異なります。


【追記】
藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』という本は、作物の種類ごと、鳥の種類ごとに取り上げているのですが、ソバについての記述はありませんでした。
それでも読み返してみると、とても勉強になりました。
キジバトは、本来は林の鳥で、農村部に多く、(中略)採食は、群れで行うのがふつうです。(中略)被害がもっとも大きなものはダイズをはじめとするマメ類で、出芽直後に最初に出て来る子葉をついばんでいきます。子葉をついばむだけなら、ダイズは成長が遅れるものの、それほど収量には影響しませんが、子葉と一緒に生長点もついばんでしまうことが多く、その場合はダイズは枯れてしまいます。(中略)ハトは一度餌にありついた場所をよく覚えていて、また同じ畑にやって来ることがふつうです(p67〜68より引用)
 ダイズのほかで被害を受けるのは、イネやムギなどの播種された種子です。(p68より引用)

私もダイズ畑で採食するキジバトを後に撮影することが出来ました。(映像公開予定) 。

キジバトが子葉を食害するとは知らず、てっきり種子食性とばかり思い込んでいました。

今回ソバ畑でも子葉を食べ歩いていたのかもしれません。

       

2022/07/20

家庭菜園で回る鳥よけのレインボー風車(鳥害対策)

 

2021年6月中旬・午後15:30頃・くもり 

民家の家庭菜園でカラフルな風車が勢い良く回っていました。 
トマトを育てている畑のすぐ横の低い位置に設置されていたので、鳥害対策グッズの新商品なのでしょう。 
風が吹くと虹色の羽根が回り、鳥の目を幻惑する効果がありそう…かな? 
見慣れない物体が置いてあれば、鳥が警戒して近寄らなくなるのは当然です。 
しかし複数の鳥よけグッズを組み合わせないと、やがて鳥が慣れてしまって防鳥効果が薄れてしまうはずです。 
どうせならハイスピード動画でもレインボー風車の回転を撮れば良かったですね。 
先を急ぐ用事があったので、通りすがりにスナップショットの記録映像を撮っただけです。 

翌年にはこの家庭菜園でレインボー風車は使われなくなっていました。 
耐久性に問題があって壊れたのか、それとも私の予想通り防鳥効果が失われてしまったのでしょうか?


【追記】
そもそも野鳥がトマトを食害するのでしょうか?
私はそのような例を未だ一度も見たことがありません。
果菜類では、トマトが、ヒヨドリとカラスによって加害されます。(藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』p193より引用)

2021/12/22

ダイサギと稲刈りと案山子(野鳥)

 

2021年9月下旬・午後14:55頃・晴れ 

黄金色の稲穂が実る田んぼの横の用水路に1羽のダイサギArdea alba)が居ました。 
どうやら狭い用水路内で採食していたようですが、私がカメラを向けた途端に警戒して、横の農道に慌てて飛び出して来ました。 
手前の畦道に案山子が立っていますが、ダイサギは怖がっている(避けている)様子はありません。 
農家の服や帽子を着せている昔ながらの案山子で、私も久しぶりに見ました。 

ダイサギは道端の草むらまで歩いて来ると、なぜか全身の羽毛を逆立ててから、少し足を屈めるとギシギシ群落の上に白い液状便を排泄しました。(@0:19) 
やがて羽繕いを始めました。 
本当は用水路に戻って採食を続けたいのに、私が立ち去らないことに苛立ち、真空行動からくる羽繕いかもしれません(腹立ち紛れ)。 

風がやや強いもののよく晴れていて、奥の砂利道からは陽炎が立ち昇っています。 
ダイサギは私に対して横向きになり、横目で常にこちらの様子を窺っているようです。 
 砂利が敷かれた農道をゆっくりと横断しかけたものの、しばらく佇んでいます。 

遂に方向転換すると、農道から飛び立ちました。(@2:00) 
飛び立つ瞬間に嘴を開いたので、もしかすると小声で抗議するように鳴いたのかもしれません。 
強風に煽られながら、田んぼの上空を右旋回から左旋回に切り替えながら飛び去りました。 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返し、遠くの刈田に着陸しました。 
着陸地点の手前に別な案山子(これも旧式)が立っていましたが、ダイサギは特に恐れたり避けたりした様子はありませんでした。(@2:32) 
動かないので本物のヒトではないと見破っているようです。 

留鳥ダイサギは種子食性ではなく魚や昆虫を捕食するので、米農家にとって害鳥ではなく益鳥になります。
関連記事(3年前の撮影)▶ 収穫期の田んぼでイナゴを捕食するダイサギ(野鳥)
この日はちょうど、田んぼの稲刈りがあちこちで進行中でした。 
撮影の最後にカメラを左右にパンして、稲刈り中のコンバインを2台写しました。 
鳥の生態(食性)に関する本を読むと、稲刈り機(コンバイン)の周囲に集まって、逃げて行くイナゴを捕食する野鳥がいることが知られています。
騒音を立てて動き回るコンバインは鳥にとって恐ろしい存在であるはずなのに、それを賢く利用するのです。 
オートライシズムと呼ばれるその共生行動を私も動画に撮りたくて、毎年稲刈りシーズンになると田園地帯を探し歩いているのですが、当地ではなぜか一度も見かけたことがありません。
稲刈り作業中のコンバインの周囲からはたくさんの虫が飛び出してくるということを学習する機会がなかったのでしょうか? 
つまりオートライシズムは学習を必要とする食文化で、当地の個体群には伝来していないのかもしれません。 
あるいは、爆音器などで鳥を田畑から追い払うことがつい最近まで続いていたので、当地の野鳥はヒトを恐れる習性が抜けていないのではないかと思います。 
それとも、この辺りは餌が豊富で、オートライシズムしなくても腹が充分に満たされているのかな? 
ただし、春の田んぼを耕す際にトラクターの周囲に鳥が集まるオートライシズムは観察しています。
関連記事(3年前の撮影)▶ 耕運機を利用して虫を捕食するムクドリの群れ:オートライシズム(野鳥)
私が一番懸念しているのは、この地域の田んぼは稲刈り前に農薬を散布し過ぎて虫が少ないのではないか?という可能性です。

更に左にパンすると、鳥追いカイト(鷹型)2機が強風に煽られて激しく踊っていて、稲刈り前の区画をスズメなどから守っていました。 
この新型の案山子の近くで活動するダイサギは未だ1度も見たことがないので、鳥追いカイト(鷹型)はそれなりに防鳥効果があるようです。

2021/12/13

稲穂が実る田んぼではなく休耕田で採食するハシボソガラスの群れ(野鳥)

 

2021年8月下旬・晴れ

田んぼで稲穂が実り始めると、鳥に食害されないように米農家が対策し始めたようです。 
山の上から麓の田園地帯を眺めたら(鳥瞰図)、一部の区画の田んぼだけ防鳥テープ(赤銀、金銀)が張り巡らされ、鳥よけカイト(鷹型)も設置されていました。 
山の上からでも遠くの田んぼの赤銀テープはよく目立つことが実感できました。 
風が吹くとテープがねじれ、チラチラ、キラキラと赤銀の点滅が左右に動いて見えます。 
これからイネの収穫期に向けて、田んぼに張り巡らされる防鳥テープが増えてくるはずです。 
鳥よけの凧も1つ、風でゆらゆらと揺れていました。 
田んぼの上空を鷹型の凧が元気に飛び回るには、もう少し強い風が必要です。
2021年9月上旬・午後14:10頃・くもり・強風 

この田園地帯には1年中、ハシボソガラスCorvus corone)の群れが暮らしています。 
稲刈り前の田んぼに忍び込んで稲穂を食害しているのかと思いきや、隣の雑草だらけの休耕田に集まって採食していました。 
休耕田には雑草が背高く生い茂っていて、カラスの黒い頭しか見えません。
おそらく草地で昆虫を捕食しているのでしょう。 
周囲の田んぼには未だ防鳥グッズの類(鷹型カイト、防鳥テープ赤銀、爆音器、案山子など)は一切設置されていませんでした。 
それにもかかわらず、カラスは稲穂が実る無防備な水田を避けて採食していて感心です。 
農薬を撒く田んぼよりも休耕田の方がカラスの餌となる昆虫が豊富なのでしょう。
新たに飛来したカラスが滑空して降り立つのも田んぼではなく、隣接する休耕田や農道でした。 
もしかすると米農家は意図的に休耕田を雑草がぼうぼうに生えるままに放置して、カラスをそこに集め隣の田んぼに行かないようコントロールしているのですかね?
農家の鳥害対策は知恵比べですが、凄い高等戦術です。
田んぼの周囲の草刈りを徹底しないと害虫や雑草の発生源になる、というのが私の古い理解だったので、驚きました。
あるいは稲穂がもっと熟して米が食べ頃になると、カラスも田んぼに侵入して食害するようになるのかな?
奥の田んぼは稲穂が実っているのですが、なぜかカラスは休耕田が好きな様子。
(水田にカラス除けの対策を何か施しているのかもしれません。)

私が動画を撮りながら横を歩くと、休耕田の草地に隠れて採食していたハシボソガラスが警戒して次々に飛び立ちます。 
逆風をついて飛ぶと、道ばたの電線に仲間と並んで止まりました。 
カラスは私が立ち去るまでそこで待ち、ほとぼりが冷めると再び休耕田に降り立って採食を続けるのでしょう。
ハシボソガラスの群れが休耕田から一斉に飛び立って風に逆らって飛ぶ様子を上手く流し撮り出来たので、1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
不穏な曇り空を背景にカラスの群れが田園地帯を飛び去るラストシーンは、ゴッホの名画『カラスの群れ飛ぶ麦畑』を連想します。 

秋の田んぼでカラスがスズメのように稲穂を直接食害するのかどうか、決定的なシーンを私は未だ撮れていません。
ここ何年もしつこく粘り続けています。 
「百聞は一見に如かず」の逆で、見れてないということは「カラスは稲穂を盗み食いする害鳥ではなくて濡れ衣ではないか?」と密かに疑っています。 
カラスは賢くて警戒心が強いので、私の意図を察してすぐに逃げてしまいます。 
ブラインドに隠れて張り込みするか、山の上から望遠レンズで狙うか、無人の監視カメラを田んぼに仕掛けるなど、作戦を変える必要がありそうです。

ちなみに、カラスは夏の水田に入って虫捕りをしますし、稲刈りが終わった刈田では落ち穂拾いをするのを観察しています。

2021/11/06

防鳥ネットに止まって鳴く♪ミンミンゼミ♂

 

2021年8月下旬・午前6:30頃・晴れ  

山麓のリンゴ園は防鳥ネットで全体が覆われています。 飛来したミンミンゼミ♂(Hyalessa maculaticollis)が防鳥ネットをすり抜けられず、ネットにぶつかって止まりました。 
(動画はここから。) 
垂直のネットにしがみつき、腹部を伸縮させながら大音量でミンミン♪鳴き始めました。 

横の農道をバイク(スーパーカブ)が通りかかると、ミンミンゼミ♂は驚いて飛び去りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしても、飛び立つ瞬間におしっこを排泄してはいませんでした。

【追記】
本来の設置目的とは違うと思うのですが、防鳥ネットで果樹を覆うと、吸汁しに飛来するセミを寄せ付けなく効果もあるようです。

2021/09/19

タカ型の鳥追いカイトがバス会社の車庫に設置された訳とは?【鳥害・糞害対策】

 

2021年7月上旬・午後16:00頃・晴れ 

バス会社の駐車場に隣接する整備工場の天井からタカ型の鳥追いカイト(凧)が2つ吊り下げられていて、風に揺れていました。 
この車庫は見るからに、ツバメHirundo rustica)の親鳥が巣作りするのに絶好の場所です。 
せっかく洗車したバスの車体がツバメの糞で汚されると大問題なのでしょう。 
ツバメの親鳥が車庫に出入りして営巣しないように、鳥が怖がる凧を設置したのだと推察しました。 

逆さまに吊り下げられた凧は、振り子のようにブラブラ揺れているだけです。 
メーカーが想定したような、鷹が風を乗って飛ぶ様子を模した動きをしていません。 
ただのモビール・アートです。 
毎年利用していた営巣地の天井に見慣れない障害物がぶら下がっているだけで、ツバメは嫌がって営巣を諦めるのかな? 
果たして長期的な防鳥効果はあったのでしょうか? 
このとき別の用事で急いでいた私は、バス会社の関係者に取材できませんでした。 
私が通りすがりにちょっと見た限りでは、車庫に出入りするツバメは1羽もいませんでした。 
凧(カイト)はただの虚仮威しだとツバメにバレたり慣れが生じたりすると、また別タイプの鳥よけグッズに交換しないといけません。 
ツバメの繁殖期(特に造巣期)をなんとかしのげれば、それで充分なのでしょう。 

田畑や果樹園などで農作物を野鳥の食害から守る鳥よけグッズとしてホーク・カイト(イーグル・カイト)は最近すっかり普及しました。 
鳥の糞害対策としても利用されているのですね。 
人通りの多い駅や商店街などでもツバメはよく巣を作ります。 
客商売の場所でツバメが巣を架けたりすると、毎日の糞掃除や糞対策が大変になります。 
忙しくて余裕が無くなり潔癖症になった最近の日本人は糞害を嫌ってツバメの巣をすぐに撤去してしまいますから、ツバメの住宅難は深刻です。
関連記事▶ 雛が巣立った空巣の横で休むツバメ親鳥(野鳥)
どうにかツバメの糞が下に落ちないように全て受け止めてきれいに回収できるようにツバメ専用の巣箱をデザインできれば、ヒトもツバメもお互いにウィン・ウィンになるはずです。 
鳥の糞を集めると質の良い肥料になりますし、ツバメの親鳥は営巣地周辺の害虫をたくさん食べてくれます。 
しかし言うは易しで、例えば今回のバス整備工場でツバメと共存しようとすれば、天井の下に巨大なシート(タープ)を張りめぐらせる必要がありそうです。 
誰か革新的な発明家の登場が望まれます。

発想を変えて、家屋よりも糞害の迷惑になりにくい河原の橋桁などで巣作りするようにツバメを誘導できれば良いのかもしれません。
ツバメがヒトの暮らしの近くで巣作りするのは、カラスやネコなどの怖い天敵から大切な卵や雛を守るためです。
ひと気がない場所でも何かしらの天敵対策をしてあげて安全になれば、ツバメはそっちで営巣してくれるようになるかもしれない、というアイデアはどうでしょう?

2021/07/20

リンゴ園の防鳥ネット内に閉じ込められたモンシロチョウ

 

2021年5月上旬・午後14:40頃・くもり 

リンゴ園で果樹を取り囲むフレームに防鳥ネットを掛ける作業が着々と進行中です。 
花の受粉が済んだら、育つ果実を野鳥の食害から守る必要があるのです。 
ネットを付けたままにしておくと雪国では冬の間に積もる大雪で破損してしまうので、秋の収穫が済んだら取り外すのです。 

巨大な網室と化したリンゴ園の中に一頭のモンシロチョウPieris rapae)が囚われの身になって飛び回っていました。 
いくら私が虫好きとは言っても、このモンシロチョウに同情してリンゴ農家のネットを非難したり告発したりするような意図は全くありません。 
超然とした中立的な立場で(えこひいきせずに)生き物の暮らしを何でも面白がって記録するのが私の努めです。 
下草にタンポポなど野草の花が咲いているので、リンゴの花が散った後もモンシロチョウは花蜜を吸ってしばらくは生きながらえることができるでしょう。 

一方で花の授粉を助けるハナバチ類はネットを自由に通り抜けられるように、目が粗い防鳥ネットを使用しています。

2021/05/02

鉄塔の天辺で鳴く♪ハシブトガラス(冬の野鳥)カラス避けのプラスチック模型に効果はあるのか?

 

2021年1月上旬・午後12:30頃・小雪 

細かい小雪がちらつく中、住宅街で鉄塔(用途不明)の天辺にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が止まってカーカー♪鳴いていました。 
嘴の中が真っ黒なので成鳥と分かります。 
カメラを向けられていることに警戒したのか、鉄塔から飛び立ったハシブトガラスは私の頭上を飛び越えて行きました。 

ここまでは別にありふれた光景ですが、面白い物を見つけました。 
手前の民家の2階ベランダから緑のプラスチック竿が水平に突き出していて、その先端からカラスの模型(プラスチック製デコイ)が見せしめ(生贄)のように吊り下げられていました。 
精巧な模型の嘴の先端から白い氷柱が伸びています。 
このカラス撃退グッズに効果があるのでしょうか? 
短時間の観察では何とも言えませんが、ハシブトガラスはカラスよけを吊るしてある民家に近寄らなくなるのかな? 
賢いカラスはじきにプラスチック模型の存在に慣れてしまうと個人的には予想しているのですが、どうでしょうか?
最近ではもっとリアルにカラスの羽毛を身に纏ったデコイが鳥よけグッズとして商品化されています。

2021/02/16

鳥害対策としてスギ樹上に多数の黒ビニール(鳥よけ)

 

2020年2月中旬・午後頃・晴れ 

河川敷になぜか1本のスギ(杉)の木がポツンと立っていて、多数の黒いビニール片が上から下まで枝に結びつけられていました。 
台風や嵐で飛ばされたゴミのビニールが枝に引っかかっているのかと一瞬思ったのですが、他の木には付いていませんし、こんなに多数の黒ビニールが満遍なく付いているのは不自然です。 
おそらく堤防外の住宅地の住民から苦情があり、カラスの死骸を模した黒ビニールを鳥よけとして杉の枝にくくりつけたのでしょう。 
この杉の木で野鳥(おそらくカラス)が巣作りを始めたり集団塒になったりする事態を妨げたいのだと思われます。 

ところが、実はすぐ近くのヤナギ科の高木にカラスの巣を発見しました。 
私としてはカラスの営巣状況を今後も定点観察したいので、今回は営巣木との対比を映像で記録しませんでした。
樹種などの詳細も濁しておきます。

2021/02/12

軒下に巣材を運ぶスズメ親鳥と隣接トウモロコシ畑の防鳥グッズ(野鳥)

 

2020年8月上旬・午後12:35頃・晴れ 

郊外で平屋建ての木造民家の軒下にスズメPasser montanus)が営巣しているようです。 
親鳥が細い枯草を嘴に咥えたまま、入巣を躊躇っているのは私の視線を警戒しているのでしょう。 
私の目を盗むようにこっそりと軒下の隙間に潜り込みました。 

その一方、営巣地のすぐ横の家庭菜園でトウモロコシを栽培していました。 
せっかく育ったトウモロコシの実が野鳥に食害されないように、黒いビニール袋や防鳥テープ(赤銀)が多数吊りくくりつけられていました。 
しかし、こうした鳥よけグッズはスズメの営巣に影響を与えるほど忌避効果が強くないことが分かりました。

2021/02/10

イチジクの実を守る鳥よけ棒(螺旋オブジェ)や防鳥テープに効果はあるか?

 

2020年10月中旬・夕方・くもり 

民家の庭に植栽されたイチジク(無花果)の木で果実が一部熟し始めました。 
その庭木に施された防鳥グッズが目を引きました。 

あちこちの枝に結び付けられた銀テープ(防鳥テープ)が風になびいています。 
テープの両面が赤銀など2色になっているタイプの方が風が吹いたときにキラキラ点滅するのに、一色の銀テープの方が安上がりなのですかね? 
防鳥効果を比較してみたら面白そうです。 

更に、「鳥よけ棒」と呼ばれる螺旋状の青いプラスチックのオブジェも枝に数本吊り下げられていました。 
しかし鳥よけ棒の1本は固定法が悪くて、風が吹いてもクルクル回りません。
これではおまじない程度しか防鳥効果は期待できないでしょう。
 
▼関連記事(3ヶ月前の撮影) 
アケビの蔓棚を守る鳥よけ棒(螺旋オブジェ)防鳥グッズ
現場で目視した限りでは、イチジク熟果への食害は見当たりませんでした。 (時期が未だ少し早いのでしょう。) 
私の個人的な見解ですが、イチジクの食害を野鳥のせいにするのは濡れ衣ではないかと疑っています。 
ヒヨドリやムクドリ、カラスなどの鳥がイチジクの熟果を採食する犯行現場をひと目見たくてあちこちのイチジクの木をパトロールしているのですけど、未だ一度も観察したことがありません。 
少なくとも私のフィールドでは、イチジクの熟した果実を盗み食いする一番の犯人はスズメバチ類です。
▼関連記事(同時期に別の場所で撮影) 
イチジクの熟した果実を食べるキイロスズメバチ♀とショウジョウバエ
つまり、せっかく苦労して鳥よけグッズをイチジクの木に取り付けても、スズメバチには全く効果が無いはずなので、被害は無くならないと予想されます。 
イチジクの実を食害する犯人を突き止めるために、無人カメラを設置して終日監視したら面白そうです。(対策の前に敵を知ることが第一です。)
イチジク栽培の未経験者が僭越ながらも対案を言わせてもらうと、私なら果実を1個ずつ袋掛けするか、木全体をネットで覆うか、完熟する前に果実を収穫してしまって室内で追熟させるという対策を試すと思います。
定点観察に通うには遠い場所だったので、防鳥グッズに効果があったかどうか確かめられませんでした。 

『鳥害の防ぎ方』という専門書で果樹に対する鳥害対策の章を読み返しても、鳥が加害する落葉果樹のリストにイチジクが含まれているだけで(p195)、具体的な事例や詳細は何も書かれていませんでした。 
イチジクに関しては特に対策を研究したり調べたりしていないのでしょう。 
そもそも大規模なイチジク農園を日本でやっている所が少ないのかもしれません。

【追記】
おまけの映像「ヒヨドリ🕊イチジク全部食べてしもーた😭」(撮影:unicorn momo'sさん)
ヒヨドリはイチジク果実が未熟な状態でも食べ尽くしてしまうとなると、対策するのは大変そうです。
ヒヨドリの他にはメジロもイチジクの実を食べに来ていたそうです。



2021/01/05

アケビの蔓棚を守る鳥よけ棒(螺旋オブジェ)防鳥グッズ

 

2020年7月中旬・午後15:10頃・くもり 

民家の庭でアケビの蔓棚に見慣れない防鳥グッズがぶら下がっていました。 
蔓棚で育つアケビの未熟果を野鳥や動物の食害から守るための工夫なのでしょう。  
プラスチック製の赤くて細長い螺旋状のオブジェが糸で吊り下げられていて、風が吹くとクルクルと回ります。 
調べてみると、「鳥よけ棒」という名前で色とりどりの商品が売られていました。 
鳥よけ棒の両側には、片面が銀色に光るCD-ROMを糸でぶら下げていました。 
回転の仕方が鳥よけ棒とCDは違うので、併用することで鳥に慣れが生じないようにする効果がありそうです。 

※ 動画編集時のミスで無音になってしまいました。 
風の音が無いと雰囲気が伝わりませんね。 


しかし、そもそもアケビの実を食害する野鳥がいるのでしょうか? 
候補としてはヒヨドリやカラスなどが考えられそうです。 
アケビの実は熟しても赤く色づかないので、種子散布に鳥はあまり当てにしていない気がします。 
むしろ哺乳類に種子散布してもらいたいはずです。 

 『種子散布:助け合いの進化論〈2〉動物たちがつくる森』によると、
種子がヌルヌルした甘い果実に包まれているのは、歯のある哺乳類に食べられても種子が破壊されずに丸呑みしてもらうための適応。(p111より引用)
これはまさにアケビに当てはまる特徴です。
タヌキやハクビシンなどの野生動物が民家の庭に忍び込んでアケビの実を盗み食いするのかな? 
さすがにニホンザルはこんな街なかに出没しないはずです。

  wikipediaでは、アケビ果実の種子散布戦略について次のように説明しています。
成熟した果実の果皮は心皮の合着線で縦に裂開し、内部に乳白色で柔らかい果肉(胎座)と、そこに埋もれた多数の黒い粒状の種子を裸出する[7]。種子は黒色の径5 - 6ミリメートル (mm) の偏楕円形で、エライオソームがつく[6]。この胎座の部分は甘くて可食でき[7]、様々な鳥類や哺乳類に食べられて[6]、種子散布に寄与する。
また、アケビの種子の周囲にエライオソームが付いていることから、アリによっても種子散布されると考えられます。 

アケビを巡る生態学だけでも今後撮影してみたい多くの題材があります。  

もしかすると、鳥よけ棒やCDは必ずしも蔓棚のアケビ果実を食害から守るために設置したのではなくて、周囲の家庭菜園の作物を守るためかもしれません。


【追記】
飯島正広『野生動物撮影ガイドブック: 機材選びから撮影テクニック、動物の探し方まで』というハウツー本を読んでいたら、アケビの実を食べに来たらしいヤマネの見事な生態写真がp119に掲載されていました。
ただし今回の撮影現場は郊外の住宅地なので、ヤマネが生息しているとは考えにくいです。


2020/12/13

鳥よけの黒ビニールを気にせず集まるハシボソガラス(野鳥)鳥害対策の無効例

 

2020年6月上旬・午後17:20頃・晴れ
▼前回の記事(1年前に撮影) 
鳥害対策として樹上に黒ビニール(鳥よけ)
死んだカラスを模した黒ビニール片がネムノキ大木の枝のあちこちに長年くくりつけられています。 
確かに鳥よけの効果があるようで、いつ見てもこの木に野鳥は近寄らなくなっていました。
ところがこの日通りかかると、3羽のハシボソガラスCorvus corone)がこのネムノキ樹上に集まって鳴き騒いでいるのを見つけて驚きました。 
黒ビニールの存在にすっかり慣れてしまい、カラス避けの効果が失われたのでしょうか。 
口内の色がよく見えず、幼鳥かどうか定かではありませんが、なんとなく巣立ちしたばかりの幼鳥のような気がします。 
好奇心旺盛で恐れ知らずの幼鳥が黒ビニールに興味を示し、この木にやって来たのかもしれません。 
葉が生い茂ると黒ビニールが葉に隠されて目立たなくなった可能性もありそうです。  

やがてカメラを向けて動画を撮り続ける私を警戒したようで、樹上のカラスは相次いで飛び去ってしまいました。 
私の背後で鳴いていた個体も、仲間の後を追って飛んで行きました。 
勝手に都合よく擬人化すると、無鉄砲な幼鳥を心配した親鳥が黒ビニールをぶら下げた木から急いで離れるよう鳴いて促していたのかもしれません。 
後日もしつこく現場に通ったものの、この木に止まった野鳥を二度と目撃できませんでした。 
したがって、鳥よけグッズとして安上がりな黒ビニールが完全に無効とは言い切れません。

 

2020/10/22

トウモロコシ畑で落ち穂を食すスズメの群れ(野鳥)

 

2020年7月下旬・午後17:30頃・晴れ(風が強い)

一部収穫が始まったトウモロコシ畑で夕方にスズメPasser montanus)が群がっていました。 
このトウモロコシは、おそらくヒトの食用ではなく、畜産飼料に使われるデントコーンではないかと思います。  
トウモロコシの株は根元から刈り取られていますが、熟した実のついた穂がなぜか何個も畑に転がっていました。 
その落ち穂を目当てにスズメが続々と集まっていました。 
幼鳥も成鳥も共に来ています。 
素人目には勿体無いと思うのですけど、デントコーンを刈り入れ(収穫)する作業の途中なのでしょう。 

鳥による作物の食害を防ぐために、鷹型の鳥追いカイトがこのトウモロコシ畑に夏から設置されていました。 
この日も凧が風で激しく揺れています。 
スズメは凧の近くには近寄らないものの、凧から少し離れたトウモロコシ株の雄花穂には平気で止まったり、刈り取り後の畑に舞い降りて採食したりしています。 
つまり、近隣のスズメは既に鳥追いカイトに慣れつつある印象を受けました。 
鳥害対策グッズの宿命で、凧の忌避効果も限定的なのでしょう。

   

トウモロコシ畑の地上に舞い降りたスズメは、保護色で非常に見つけにくくなります。 
幼鳥がトウモロコシ落ち穂の皮を嘴でめくってから、熟した実を啄み始めました。 
トウモロコシ落ち穂を巡って、たまにスズメ同士で小競り合いが勃発します。 
しかし餌が豊富なためか、「つつきの順位」というほど激しい喧嘩ではありませんでした。

▼関連記事(1年前の撮影) 
収穫後の畑に捨てられたトウモロコシを拾い食いするハシボソガラスとスズメの群れ(野鳥)
スズメが居なくなってから食痕の写真も撮りました。

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