2025/04/11

カルガモの♀♂つがい外強制交尾と配偶者ガード(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後16:20頃・くもり 

平地の溜池の方から、激しい水音が聞こえました。 
水鳥が夕方に水浴しているのかと思ってそっと近づいてみると、3羽のカルガモAnas zonorhyncha)が水面で激しい喧嘩を繰り広げていました。 
普段カルガモは警戒心が強いのですが、今回は痴話喧嘩に夢中で、池畔で観察する私のことなど眼中にありませんでした。 

外見によるカルガモの性別判定は難しくて、私はまだスローモーションにしないと自信がないのですが、どうやら1羽の♀を巡って2羽の♂が交尾しようと争っているようです。 
【参考サイト】

正確には、♀♂ペアの間にあぶれ♂が割り込んで、強引に♀と婚外強制交尾を試みているようです。 
つがい外交尾:extra-pair copulation
強制交尾:forced copulation
つまり、♀aと強引に交尾しようとする♂bと、それを阻止しようとする(配偶者ガード)♂aとが激しく争っているのです。 
♀♂異性間の交尾行動の後半部分と、♂♂同性間の闘争行動とが似ていて紛らわしいです。 
ただし、カルガモの♀♂ペアが両性同意のもとで交尾する前には、必ず儀式的な行動をします。 
今回のあぶれ♂は、そのような求愛ディスプレイをまったくしないで、いきなり♀に背後からマウントしていました。 
関連記事(5、6年前の撮影)▶  
八木力『冬鳥の行動記:Ethology of Wild Ducks』でカモ類の交尾行動を調べると、 交尾には♀との合意が必要なので、♂が♀に近づきながら頭部を上下させるヘッドトッシングを行なって交尾を促し、これに♀が同調して頭部を上下させれば同意の合図。  ♀は交尾受け入れの姿勢をとります。♂は♀の後頭部をくわえてマウンティング。  交尾終了後、♀は必ず(儀式的水浴びと)転移性羽ばたきを行ない、♂はまれに行なうことがあります。 (p58より引用)


カルガモ♂aは配偶者♀aを守りたくても、ライバルの独身♂bを撃退するのに苦労しています。 
カルガモの嘴の先端は丸く、敵をつついて攻撃することはありません。 
足にも鋭い爪が無くて水かきしかないので、有効な武器をもっていないのです。
羽ばたく翼で相手を打ち付けたり、(異性間交尾のように)背後からマウントして相手の後頭部を嘴で咥えて押さえつけて、強制交尾を妨害するぐらいしか対抗策がありません。 

♀aに♂bが背後からマウントし、その上から更に♂aがのしかかるので、一番下に押さえつけられた♀aは重みで水没しています。 
♀aが何度も溺れそうになっているので、擬人化するとどうしても可哀想に感じてしまいます。 
しかしカルガモには表情がありませんから、♀aが本当に嫌がっているかどうか、定かではありません。 
(♀は意外にケロッとしているようにも見えなくもありません。)
酷い目にあっているのなら、♂同士が喧嘩している間に♀は池からさっさと遠くに飛び去って逃げればいいのに、池に留まっているのが不思議でなりません。 
交尾相手の♀を巡る争いなら♂同士でとことん喧嘩するはずだと思うのですが、あぶれ♂は執拗に♀だけを狙って挑みかかります。 
もし♀が辟易して逃げ出せば、パートナー♂もついて行かざるを得なくなり、縄張りを失いかねません。
「カルガモ♀は♂同士を密かにけしかけて喧嘩で決着を付けてもらい、より強い♂と交尾したいのではないか?」と穿った見方をしたくなるます。 
あるいは、♀はパートナー♂の近くに留まった方が、執拗なあぶれ♂のハラスメントから守ってもらえる確率が高いのでしょうか。

この池にはカルガモの群れがもっと居るのですが、この騒ぎに乱入する個体はおらず、関係のない個体は飛んで逃げ出しました。 
初めは2組の♀♂ペアが池で縄張り争いをしているのかと思い、ライバル♂bのパートナー♀bが途中で助太刀に来るかと期待したのですが、そのような展開(4羽での喧嘩)にはなりませんでした。
喧嘩に巻き込まれそうになった周囲のカルガモ個体が慌てて逃げていくだけです。 

ようやく、♀aに付きまとうあぶれ♂bをパートナー♂aが背後から完全に組み伏せて♀を離させ、追い払いました。 
♂同士の喧嘩に決着が付いたように見えました。
しかし、「あぶれ♂b」は隙を見て再び♀aに突進すると、しつこく強制交尾を試みようとします。 

ようやくあぶれ♂bを追い払って配偶者ガードに成功したパートナー♂aは、水面で小刻みに方向を変えながら♀aの周囲を警戒し、勝利の凱歌を上げています。
短く連続的な「ガッガッガッ♪という鳴き声は、縄張り宣言の示威行動なのだそうです。 
このとき鳴くのはいつも♂aだけで、♀aは黙っています。 
難を逃れた♀aは、♂aの斜め後ろをぴったり寄り添うように追随し、嘴を水面につけながら遊泳しています(緊張緩和の転移行動)。 
やがて♀aは水浴してから水面で伸び上がって羽ばたき(水切り行動)、自分で羽繕いを始めました。 
それに釣られるように、♂aも隣で同じく水浴と羽繕いを始めました。(♀a♂aペアの絆強化) 

♀a♂aペアが仲良く横に並んで水面を泳ぎ去りました。 
これで一見落着かと思いきや、♀a♂aペアの背後からしつこい「あぶれ♂b」が急いで追いかけてきました。(@4:10〜) 
敵の接近に気づくと一触即発で、3羽がほぼ同時に水面から慌てて飛び上がりました。 (@26:20〜)
すぐに着水すると、三つ巴の大騒動が再び勃発します。 
襲われた♀aは、緊急避難のため自発的に潜水しました。 
しかし独身♂bに背後から捕まり、しばらく水没していました。 
再び水面に浮上したときには、あぶれ♂bが♀aの背後からマウントしていました。 
♀aを見失っていたパートナー♂aがようやく気づいて慌てて駆けつけ、救出を試みます。 
喧嘩に決着がついて、あぶれ♂bが少し飛んで逃げました。

配偶者ガードに成功した♂が、興奮したように勝利の鳴き声♪を上げながら水面を忙しなく泳ぎ回ります。 
パートナーの♀がすぐに駆けつけ、パートナー♂の斜め背後に寄り添うように遊泳します。
♂に付き従う♀は、尾羽を左右にフリフリしながら、嘴を水面に付けて遊泳しました(緊張緩和の転移行動)。 
それが♀による求愛ポーズなのかと思ったのですが、♂aは♀aを見ていません。 
♀aは水面で伸び上がって羽ばたき(水浴行動の省略)、パートナーの♂aに見せつけるように自分で羽繕いを始めました。 
♂aはようやくパートナー♀aに向き合ったものの、まだ興奮が収まらず、小声で鳴き続けています。 



一連の騒動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:20〜)
後頭部から首の後ろを通る黒い縦筋模様が♀では薄れかけていて、それが目印になります。
繁殖期の♀は背後から♂に繰り返しマウントされて、その度に後頭部や首筋を嘴で噛まれますから、黒い羽毛がどんどん抜けてしまうのでしょうか?
あぶれ♂bの後頭部を嘴で咥えた♂aが羽根をむしり取ることもありました。
この「黒いたてがみ」に注目すると、3羽の個体識別ができそうです。

少し離れた相手に急いで襲いかかるときは、左右の翼を水面に同時に打ち付けながら両足で交互に水を蹴って進みます。 


※ 水飛沫の音や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



【考察】
カルガモの繁殖期は通常4~7月です。 
今回観察した4月下旬は、ペア形成が完了して巣作りおよび産卵を開始する前の時期に相当します。 
カルガモの♂は育雛(子育て)には全く参加しませんが、造巣の段階では♀に協力し、抱卵中の♀を警護するらしい。 
婚外強制交尾は巣作り前の時期(4〜5月)に頻発し、産卵開始後は激減するらしい。 
カルガモ♀が巣作りを開始する直前になると、パートナーの♂は特に警戒行動を強め、配偶者ガードを強化するそうです。 

カルガモは社会的単婚(一夫一婦制)を形成しますが、DNA検査で調べると婚外交尾も一定の割合で行われているらしい。
今回の調べ物で初めて知ったのですが、鳥類にしては珍しくカモ類の♂は螺旋型の長い陰茎をもつそうです。(参考サイトにすばらしい図解が掲載されています。)
短時間の交尾の際に、♀と前に交尾したライバル♂の精子を物理的に掻き出した上で自分の精子で置換するらしい。
また、強制交尾した♂が必ずしも次世代を残せるとは限らないそうです。
♀が複雑な形状の生殖器内で♂の精子を選別しているらしく、強制交尾した♂の精子は使われないことが多いそうです。
つまり、あぶれ♂の強制交尾がたとえ成功しても、元の♀♂ペアは別れずに済むらしい。
精子競争の観点でもカルガモの配偶行動は奥が深くて、とても面白いです。

水面で激しく動き回る3羽のカルガモをしっかり個体識別できていないので、本当に配偶者ガードに成功したのか、それとも「あぶれ♂」による婚外強制交尾が成功したり♀を強奪できたのか、判断できません。 
しかし、池に残った♀♂ペアの行動から、独身♂による強制交尾は失敗に終わったと思われます。 
交尾に成功したペアが必ずやる儀式的行動(♂が「首反らし→円形泳ぎ」をする間に、♀が羽ばたきで水をかける)が見られなかったからです。
参考サイト:カルガモ 交尾行動
また、あぶれ♂による強制交尾が成功していれば、パートナー♂がただちに対抗して♀と再交尾を行い、精子を置換するはずです。

カルガモは身近にいる普通種の水鳥ですが、造巣行動や抱卵などを私はまだ観察できていません。
今回の撮影で、繁殖期の重要なミッシング・リンクがようやく一つ埋まりました。

今回の記事をまとめるにあたり、Perplexity AIを使った調べ物やブレイン・ストーミング*1 、*2 、*3)がとても役立ちました。
おかげで、動画に撮ったカルガモ3羽の行動をすっきりと(正しく?)解釈することができそうです。
Perplexityの助けがなければ、3羽のカルガモによる激しい乱闘はただ混沌としていて、素人には何がなんだかさっぱり理解できませんでした。
新たに勉強したことが多くて、AIに要約してもらおうか迷ったのですが、脳が退化しないように、なるべく自力で記事をまとめるように心がけました。
この記事が分かりにくかったら、私の責任です。



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2025/04/10

死んだ個体の営巣地に通いスクワットマーキングで縄張り宣言するニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 




2024年4月下旬〜5月上旬 

平地の二次林で死んだニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)の監視を続けていると、遂に♀のアナグマが現れました。 


シーン1:4/29・午後15:27・くもり・気温25℃(@0:00〜) 
獣道を右奥から来たアナグマ♀が、巣口Lの匂いを嗅いでいました。 
少し左に歩いて、巣口Rの手前でちょっと座り込みました。 

毛皮が焦げ茶色の個体でした。 
腹面に乳首は見えません。 
左の首筋にある小さな白斑は交尾痕なのかな? 


シーン2:4/29・午後15:27・くもり・気温26℃(@0:14〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
巣口LRの中間地点で座り込んでから、右奥の林内へ向かいました。 獣道で立ち止まると、尻を擦りつけてスクワットマーキングしました。 
匂い付けのシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。 
奥の林床に座り込んで痒い体を頻りに掻いていますが、オニグルミ立木の陰になってよく見えません。 


シーン3:5/1・午前10:02・くもり・気温13℃(@1:14〜) 
2日後も明るい昼間にアナグマ♀がやって来ました。 
身を翻して右奥の林内へ入ると、獣道の途中で(いつもの地点で)スクワットマーキングしました。 
獣道を引き返してから、セットの手前の林縁で再びスクワットマーキング。 

通りすがりに巣口Lのアクセストレンチの匂いを嗅いで行きました。 


シーン4:5/1・午前10:17・くもり・気温13℃(@2:02〜)
 15分後に同一個体が小走りでセットに戻ってきたようです。 


シーン5:5/1・午前10:17・くもり・気温13℃(@2:15〜)
林内の獣道でスクワットマーキングして行きました。 


【考察】 
この営巣地で越冬していたアナグマ個体が早春に死んで以来、今年の繁殖期にここで出産・育児をしたアナグマ♀個体はいません。 
♂個体が交尾相手を探し求めて春に何度も出没しているのですが(夜這い♂)、♀が現れたのはこれが初めてです。 

このアナグマ♀が幼獣を連れてここに引っ越してくるつもりなら、巣穴に潜り込んで内検したり巣材を搬入したりするはずです。 
しかし、巣穴Lの奥にはホンドタヌキの腐乱死骸があるのではないかと私は疑っていて、その処分(事故物件の特殊清掃)をどうするのかが大問題です。 
アナグマ♀は縄張り内に複数の巣穴を持っているらしいのですが、巣内で寄生虫の蔓延を防ぐために、同じ巣穴で毎年続けて出産・育児をしないようにしているのだとしたら、とても興味深いです。(連作障害を避けてローテーション) 


つづく→

春にヒマラヤユキノシタの花蜜を吸う越冬明けのキタテハ秋型

 

2024年4月中旬・午前11:05:頃・晴れ 

民家の花壇に咲いたヒマラヤユキノシタキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。
越冬明けの秋型なのに、翅に損傷がないきれいな個体でした。 
翅を広げたまま吸蜜していましたが、春の日差しで暑くなったら閉じました。 
私が回り込んで翅裏も撮ろうとしたら、キタテハは飛び去りました。

2025/04/09

トレイルカメラに興味津々のヤマガラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年4月下旬・午後17:44・くもり・気温22℃

平地の二次林に設置した自動センサーカメラで死んだニホンアナグマの巣穴Lを監視していると、夕方にヤマガラSittiparus varius)が写りました。 

初めは画面の左端で鳥の黒い尾羽の先だけが動いていました。 
全身が見えずカラスかと思ったのですが、後にヤマガラと分かりました。 (ヤマガラの尾羽も黒いらしい。) 
しばらくすると、至近距離でガリガリ♪と引っ掻くような物音が聞こえるようになりました。 
さっきの鳥がトレイルカメラに気づき、その上に乗ったり嘴でつついたりしているようです。 
最後にトレイルカメラの手前で短くホバリング(停空飛翔)してレンズを直接覗き込んでから、飛び去りました。 
ヤマガラの偵察停飛を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:39〜) 
トレイルカメラのレンズやセンサー、赤外線LEDなどの心臓部をヤマガラに壊されずに済んで助かりました。 

実は、このトレイルカメラを灌木の幹に固定したベルトにミノムシ(蓑虫)が付着していたり、長期間設置してあるカメラ裏面と幹が接した隙間にクモが住居網を張って中に潜んでいたりするので、ヤマガラはそのような虫を捕食していたのかもしれません。 


関連記事(半年前の撮影)▶  


つづく→

カモシカの溜め糞場を春の夜にうろつくホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月中旬 

シーン1:4/14・午前10:22・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山の雑木林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
画面の左下から右上に向かって斜面を登りながら獣道が通っているのですが、溜め糞場sr2付近は勾配が一旦ほぼ平坦になっています。


シーン2:4/17・午後18:55・(@0:04〜) 
監視カメラの起動が遅れたようです。 
単独行動のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が画面の左端に来ていて、林床の匂いを嗅いでから左へ(獣道を谷側へ)立ち去りました。 

厳冬期にはタヌキの飢えた個体が雪山のカモシカの溜め糞場sr1で食糞していたのですが、今回は特に興味を示さず通り過ぎました。 
春になるともう他に餌が取れるのでしょう。 

関連記事(2〜3ヶ月前の撮影)▶  



つづく→

2025/04/08

花が咲いたボケの枝先で巣作りに適した場所を探すセグロアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:30頃・晴れ 

道端で赤い花が咲き始めたボケ(木瓜)の灌木にセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が訪花していました。 
この時期はワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王ですね。 
吸蜜していたようですが、しっかり接写する前に化粧(身繕い)してから飛び立ってしまいました。 

女王蜂は少し飛んだだけで、その後は緑の若葉が芽吹いたボケの枝先を丹念に調べていました。 
ボケの枝葉にはまだイモムシ類が居ないので、獲物を探索する狩りモードではなさそうです。 
どうやら女王蜂が初期巣を作り始める場所を探しているのだと分かりました。 
クロアリ(種名不詳)が往来する枝先は嫌がってすぐに離れます。 
アシナガバチにとって最大の天敵はアリだからです。 

別の枝先では緑色のクモとニアミスしたのですが、クモの方がセグロアシナガバチ♀を怖がって葉裏に隠れてしまいました。 
クモの正体は初めハナグモかと思ったのですが、おそらくサツマノミダマシNeoscona scylloides)のようです。 
造網性のクモですから、徘徊性のクモのように獲物を待ち伏せしていた訳ではありません。 




電柱の天辺から飛び立つサシバ♂(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後14:40頃・くもり 

山間部の農村でコンクリート製電柱の天辺に見慣れない猛禽が止まって周囲をキョロキョロ見渡していました。 
カメラでズームインしてみると、その正体は夏鳥のサシバ♂(Butastur indicus)でした。 
そこには鳥がよく止まるらしく、電柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
強風で頭部の羽毛が逆立って、まるで冠羽のように見えます。
(サシバに冠羽はありません) 

カメラを構える私に気づいたのか、サシバ♂はその場で回れ左すると、飛び去りました。 
鳥は離陸直前に軽量化のために脱糞することが多いのですが、この個体はしませんでした。 
電柱からサシバ♂が飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ(@0:25〜)。 

そのまま左に旋回して見失ったものの、立ち去りかけた私が振り返って空を見上げると、上空をサシバが飛び回っていました。 
羽ばたきと短い滑翔を交互に繰り返して、高度を上げています。 
最後に別個体が一緒に写ったのに、撮影中の私は気づかずに録画を打ち切ってしまいました。 
♀♂つがいが一緒に飛び回っているのでしょう。 
営巣地がどこにあるのか、突き止めたいものです。 

「キンミー♪と甲高く鳴きながら飛び去った」と野帳には記してあるのですが、風切り音のせいか動画では聞き取れません。 


サシバの雌雄判別法を忘れていたので、Perplexity AIに相談してみました。

サシバの性別を見分けるには、以下の特徴に注目します:
外見的特徴
顔の特徴
オス:顔が灰色がかっている12

メス:顔の灰色が少なく、白い眉斑がより明瞭123


胸部の特徴
オス:胸の白色が少ない傾向1

メス:胸の白色が多く、淡い茶色の横じまがある12


全体的な色合い
オス:体全体が濃い色をしている1

メス:オスより茶色みが強い1


尾羽の特徴
オス:尾羽の黒い帯(横斑)が太く、淡色帯の数が少ない14

メス:尾羽の帯が細い傾向にある1


春(4月下旬)の個体の識別
春は繁殖期に当たるため、性別の特徴がより顕著になります。特に注目すべき点は:
顔の灰色み:オスの方が強い

眉斑の明瞭さ:メスの方がはっきりしている

胸の白色の量:メスの方が多い

ただし、個体差や光の当たり方によって判断が難しい場合もあります。複数の特徴を総合的に観察することが重要です13。


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2025/04/07

交尾相手♀を探しに来たニホンアナグマ♂が空き巣周辺で念入りにスクワットマーキングして帰る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月中旬 

シーン0:4/10・午後14:06・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:4/10・午後14:26・晴れ(@0:03〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の死後も、二次林にある営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張り続けています。 
春になり、落葉樹に新緑の若葉が開き始めました。 


シーン1:4/16・午後23:36・気温9℃(@0:07〜) 
監視カメラの起動が遅れ、獣道を左へ立ち去るアナグマの下半身だけが写っていました。 


シーン2:4/16・午後23:36・気温10℃(@0:14〜) 
別アングルに設置したトレイルカメラで、ニホンアナグ♂の雄姿がしっかり撮れていました。 
発情期の♂が7日ぶりに♀の巣穴を探して遠征してきたようです。 
立ち止まると尻を地面に擦りつけ、縄張り宣言の匂い付けをしました(スクワットマーキング)。 
歩きながら、巣口Rの縁、アクセストレンチ、落枝、林内の獣道とあちこちでスクワットマーキングを繰り返しています。
巣穴の中に侵入してアナグマ♀の存在(あるいは不在)を確かめることはなく、紳士的に立ち去りました。
巣口Lではなく巣口R付近に重点的にマーキングした点が興味深いです。

約6時間前までセットで長居していたネコ(キジトラ白足袋)の残り香に対抗して、アナグマ♂がマーキングしたのかな? 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


化粧してから落ち葉の下に隠れて休むオオマルハナバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後12:35頃・晴れ 

里山で稜線上の山道を縦走していると、オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)を見つけました。 
この時期だとワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王が独りで営巣適地を探索しているのです。 

枯葉の上に乗った女王蜂は、長い口吻を出し入れしながら身繕いを始めました。 
後脚にある空荷の花粉籠がよく見えます。 
手前の落枝が撮影の邪魔(目障り)なので、私が動画を撮りながら横に少しずれようとしたら、落ち葉を踏む音に警戒した蜂は落ち葉の下に潜り込んでしまいました。 
そこが営巣地の入口なのかと思ったのですが、オオマルハナバチ女王の静止した脚の先端だけ覗いて見えているので、ただ隠れただけのようです。 




山登りで標高が上がると、平地性のクロマルハナバチから山地性のオオマルハナバチへと優占種が見事に(図鑑に書いてある通りに)交代する様子が分かります。 
両種が混棲するエリアもあります。

2025/04/06

秋風で舞い散るイチョウの黄葉

 

2022年11月上旬・午後13:20頃・晴れ 

川の堤防路にそびえ立つイチョウの大木が見事に黄葉していました。 
背後の青空には秋らしい絹雲が広がっています。 

秋風が吹くと、イチョウの黄葉がハラハラと舞い散ります。 
ドラマチックな桜吹雪ならぬ銀杏吹雪を動画で記録したかったのですが、カメラを向けたら強い風が止んでしまいました。 
イチョウにズームインしてみると、まだ黄緑色の葉もところどころ残っています。 
幹に巻き付いたツタの葉も色づき始めていて、イチョウ大木の左右に並ぶ桜(ソメイヨシノ)は紅葉していました。 

周囲の地面は黄色い落葉が美しく敷き詰められていました。 
当然ながら、母樹に近い土手の上部ほど黄色い落ち葉の密度が高くなっています。 


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ホンドギツネが巣口の匂いを嗅いだだけで逃げ出した奥には死骸が埋まっている?【トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午後17:40頃・くもり・気温10℃・(日の入り時刻は午後18:22) 

アナグマの死後も平地の二次林で旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、夕方にホンドギツネVulpes vulpes japonica)がやって来ました。 
前回の登場から12日ぶりで、尻尾がフサフサした健常個体でした。 
巣口Rの匂いを念入りに嗅いでから、足早に左の巣口Lへ向かいました。 
次に巣口Lを見下ろして匂いを嗅ぐと、慌てて右へ走り去りました。 

巣穴Lに住み着いた野生動物は居ないので、巣内の家主に威嚇された訳ではありません。 
下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が巣穴Lの奥で餓死しているのではないか?と私は疑っています。 
その死臭を嗅覚の鋭いキツネが嗅ぎつけて、逃げ出したのでしょうか? 
キツネは新鮮な死骸なら食べるらしいのですが、腐敗の進行した死骸を忌避するのだそうです。 

私の嗅覚では、この営巣地で死臭を感じません。
巣口Lにハエが飛び回っている訳でもありませんでした。
死骸の有無を確かめるには発掘調査をする必要があるのですが、何年も使われてきた巣穴を壊したくありません。


つづく→

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