ラベル スローモーション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル スローモーション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024/11/18

羽ばたきながらヒャクニチソウの花で吸蜜・産卵するオオタバコガ♀(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 


2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でオオタバコガ♀(Helicoverpa armigera armigera)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
左前翅の翅頂が欠けた同一個体を撮り続けました。 

花弁が色とりどりの品種が咲いている中で、赤、白、黄色の花で吸蜜しました。 
筒状花から口吻を引き抜くと、オレンジ色の花粉が付着しています。 
次の花へと移動する前に、触角を前脚でぐいっと拭うことがありました。(身繕い) 
隣接する花に移動するときには、省エネのためにわざわざ飛ばずに歩いて行きました。 

くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑でオオタバコガを調べると、
♀は(翅表が:しぐま註)橙褐色 
食草:イネ科、キク科、ウリ科、ナス科、バラ科など広食性 (p115より引用)

農薬メーカー?シンジェンタジャパンのサイトでは、次のように書いてありました。

前翅は雄は黄色味を帯び、雌は赤味を帯びる。 


この記述に従えば今回の個体は♂ということになるのですが、後に産卵したので♀と判明しました。
翅色の個体変異なのか、それとも強い日差しで翅の色が白飛びしてしまったのかな? 

訪花中も葉に止まっているときも、ほぼ休みなく翅を小刻みに震わせています。 
足を着地していますから、ホバリング(停空飛翔)ではなくて、いつでも飛び立てるように飛翔筋を震わせて体温を上げる準備運動(アイドリング)をしているのでしょう。 
暖かい日向ですから気温が低い訳ではないのですが、本種は寒がりなのか、特有の習性のようです。 
もしかして、捕食圧の高い地域なのでしょうか? 



オオタバコガがヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:08〜) 
撮影中は気づかなかったのですが、黄色い花の品種のヒャクニチソウで花蜜を吸いながら、腹端を前方に屈曲させて筒状花の側面に付けました。(@1:13〜) 
元の姿勢に戻るときに産卵管を伸ばしていたことから、産卵行動と判明しました。 
つまり、この個体は♀でした。 
準備運動していた羽ばたきが力強くなると、次の花に飛び去りました。 
前後の動画をじっくり見直しても、産卵していたのはこのときだけでした。 

オオタバコガ♀の産卵行動を観察できたのは、これが2例目です。 
関連記事(3年前の撮影)▶ ナスの葉に産卵するオオタバコガ♀(蛾) 

オオタバコガの産卵習性についてネット検索すると、石川県の病害虫防除室が公開しているPDF資料『オオタバコガ - 石川県 防除室だよりvol12』 がヒットしました。
雌は夜間に葉裏や新芽、花蕾付近等に1粒ずつ、一晩で200~300 粒、期間中に2000粒程産卵します。
卵を何個もまとめて産み付けるのではなく、1個ずつしか産まないというのは、私が観察した通りです。 
今回は花に産卵したので驚いたのですけど、オオタバコガ♀では珍しくないことを知りました。
撮れた写真や映像を改めて見直すと、ヒャクニチソウの群落で虫食い跡のある葉や花弁があちこちに見つかります。 
卵から孵化したオオタバコガ幼虫による食痕とは限りませんが、可能性はあります。 


2024/11/14

ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るモンシロチョウ♀夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:00頃・晴れ 

街なかで道端の花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でモンシロチョウ♀(Pieris rapae)夏型が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
秋晴れの陽射しを浴びたモンシロチョウ♀は、翅を半開きにしたままヒャクニチソウの花蜜を吸っていました。 

同じヒャクニチソウでも舌状花の花弁が色とりどりの品種が同じ花壇に咲き乱れています。 
私が見た限り、このモンシロチョウ♀個体は黄色または白(花弁の根元が赤)の花を選んで次々に吸蜜していました。 
花弁が真っ白な品種の花よりも、白い花弁で根元が蜜標のように赤い品種の花を好んで訪れていました。 
どうやらモンシロチョウは花の色に好みがあるようです。(赤色は認識しにくい?) 
品種改良の結果、花弁の色が違う品種では分泌する花蜜の量が異なる可能性も考えられます。

ヒャクニチソウの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:57〜) 
花から花へ飛び回るだけでなく、羽ばたきながら歩いて移動することもありました。

2024/11/12

イモカタバミの花で採餌して飛び回るニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:10頃・晴れ 

街なかの猫の額ほどの庭に咲いたイモカタバミの群落でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 


ニホンミツバチ♀はイモカタバミに正当訪花を繰り返して吸蜜・集粉しています。 
後脚の花粉籠に付けて運んでいる橙色の花粉団子はまだ少量だけでした。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:24〜)

2024/11/04

ヤツデの花蜜を舐めて飛び回るオオハナアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月中旬・午後13:45頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたヤツデオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が訪花していました。 
ヤツデの散形花序を歩き回りながら、口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めています。 
左右の複眼が離れていることから、♀と分かります。 
もっと多数が集まっていたのですが、撮影できたのは2匹の♀です。 

今回のヤツデは両性花だったのに、オオハナアブ♀の体にヤツデの花粉が全く付着していませんでした。 
訪花昆虫が雄しべの葯から花粉を全て取り尽くした(食べ尽くした)後だったのでしょう。 

関連記事(6年前の撮影)▶ ヤツデの雄花で吸蜜するオオハナアブ♀


ヤツデの花序に離着陸する瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:06〜)
訪花中に別個体のオオハナアブが飛来して目の前でホバリング(停空飛翔)すると、平気なときもあれば、ラストシーンのように慌てて花から滑落するように逃げる(飛び去る)ときもあるのが興味深く思いました。
蜜源植物をめぐる占有行動があって体格差で勝負が決まる、という単純な話ではなさそうです。

 

2024/11/02

セイヨウタンポポの花蜜を吸い飛び回るキタキチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後14:30頃・晴れ

農村部の道端に咲いたセイヨウタンポポの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。
共にありふれた普通種ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 
車が横の車道を通りかかるとキタキチョウは飛んで逃げるものの、タンポポの同じ頭花にすぐに舞い戻って来ます。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜)


【追記】
恥ずかしながら投稿時にはこの蝶をモンキチョウ♂だと思いこんでいました。
YouTubeのコメント欄でBeeChさんからキタキチョウの間違いだとご指摘を頂きまして、訂正しておきます。
陽射しが強くて翅裏全体が白飛びしたせいで、キタキチョウに特有の斑点が見えませんでした。
ハイスピード動画で翅表の斑紋も撮っておきながら、翅裏だけで判断してしまいました。
思い込みは怖いです。
キタキチョウとセイヨウタンポポの組み合わせは何度か撮っているのに、モンキチョウとの組み合わせはなぜか未だに撮れたことがありません。
たまたまなのか、それとも何か理由があるのか、不思議でなりません。

2024/10/19

ノジギク?の花を舐めて飛び回るオオハナアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午前10:40頃・晴れ 

民家の花壇に咲いた見慣れない白菊の花に多数のオオハナアブPhytomia zonata)が群がっていました。 
1匹の♀に注目して訪花シーンの動画を撮りました。

口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めています。 
少し飛んで白菊の花から花へと移動します。 
オオハナアブ♀の脚や口吻、腹部下面は黄色い花粉にまみれているので、送粉者として働いているようです。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:22〜) 
左手をかざして影を作ったら身の危険を察知したオオハナアブ♀は飛んで逃げたものの、やがて同じ花に舞い戻ってきました。

この菊は見慣れない種類で、園芸植物に疎い私は名前を知りませんでした。 
草丈がとても低いので、矮小化された園芸品種なのでしょうか? 
素人目にはノジギクの仲間かな?と思うものの、今回撮影したのは日本海側に属する山形県の内陸地方なので、ノジギクの自然分布域から全く外れています。
・本州(兵庫県以西)・四国・九州の瀬戸内海・太平洋沿岸近くの山野などに自生する(wikipedia:ノジギクより引用) 
・主に海岸の岩場に生えるが、少し内陸に入った道ばたや耕地周辺に生えていることもある。(山渓ハンディ図鑑11『日本の野菊』p24より引用)

それでも園芸植物としてノジギク(野路菊)が流通しているらしく、たまたま路地裏(道端の花壇)で見つけたこともあり、ここではノジギク?としておきます。 
草丈が低い(茎が短い)のは、海岸の岩場のような風の強い場所に適応進化したのでしょう。
もしも外来植物(海外から輸入された園芸品種の菊)だとしたら、私にはお手上げです。 




【アフィリエイト】 

2024/10/17

ニラの花蜜を吸い飛び回るミドリヒョウモン♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午前11:30頃・晴れ 

郊外の道端に咲いたニラの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)が訪花していました。 
本種♀との組み合わせは初見です。 

関連記事(7年前の撮影)▶ ニラの花蜜を吸うミドリヒョウモン♂ 


羽ばたきながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
しばらくすると落ち着いて、翅をほぼ全開にしてくれました。 
左後翅の肛角付近が大きく破損した個体でした。 左右対称なので、鳥に襲われかけたビークマークなのでしょう。 

ニラの花から花へ忙しなく飛び回ります。 
 力強く羽ばたいて飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜) 
ミドリヒョウモン♀と入れ替わるように、飛来したツチバチの一種♂が横切りました。


2024/10/13

ナギナタコウジュの花蜜を吸い飛び回るウラナミシジミ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午後14:25頃・晴れ 

里山の峠道の傍らに咲いたナギナタコウジュの群落でウラナミシジミ♀(Lampides boeticus)が訪花していました。 
意外にも、この組み合わせを撮れたのは初めてです。 
翅をしっかり閉じて口吻を伸ばし、吸蜜していました。 

ウラナミシジミの後翅には尾状突起があるはずなのに、この個体は失っていました。 
左右対称の損傷なので、鳥につつかれたビークマーク(食痕)と思われます。 
鳥を騙す自己擬態の作戦が奏功して、命からがら生き延びたことになります。
後翅の後端には黒い斑点が2つあり、2つの斑点の間には細い尾状突起が突き出ている。この黒い斑点と尾状突起は複眼と触角に似ていて、頭部に似た模様をもつことで身体の方向や頭部の位置について敵の目をあざむいていると考えられている。(wikipedia:ウラナミシジミより引用)
ウラナミシジミの性別を知るには、翅表の斑紋を見る必要があります。 
ナギナタコウジュの花穂から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:22〜) 
素早く羽ばたいて次の花へ飛び去ったのですが、スーパースローで見えた翅表から♀と判明しました。

2024/10/05

ヤマハッカの花蜜を求めて飛び回るイチモンジセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午前11:35頃・晴れ 

里山の山腹に咲いたヤマハッカの群落で複数のイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。 
翅を閉じたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。

イチモンジセセリがヤマハッカの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
素早い羽ばたきと滑空を交互に繰り返す飛翔のリズムが独特です。


減少率が顕著な鳥と蝶のリストが掲載されていて、私のフィールドでの体感にもほぼ合致していたのですが、その中にイチモンジセセリが含まれていたことに衝撃を受けました。
イチモンジセセリなんか、ごくごくありふれた普通種で、虫好きは誰も見向きもしない蝶だったのに、まさか希少種になる日が来るとは思いもよりませんでした。
生物多様性が急激に減少し、ますます単調で貧困な生態系になりつつある現状に危機感を覚えます。
今の子供が昆虫採集やバードウォッチングに目覚めても、(周りの大人が必死でお膳立てをしてあげないと)ちっとも面白くないだろうなーと同情してしまいます。
次世代の虫好きや鳥好きが育たないのも悪循環の一因です。

2024/09/27

八重咲マリーゴールドの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリング【ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:10頃・晴れ 



道端の花壇でホトトギスに訪花するクロホウジャクMacroglossum saga)をハイスピード動画に撮っていたら、同一個体が隣に咲いていたマリーゴールド(八重咲きの品種ボナンザ・オレンジ)に浮気しました。 
マリーゴールドの花の手前で停空飛翔(ホバリング)しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 

クロホウジャクは蜜源植物なら何でも良い、つまり同じ種類の植物を連続して訪問する「定花性」が低いことを示しています。 
植物側にしてみれば、定花性の高いハナバチ類が送粉者として好ましいことになります。


2024/09/17

キバナノアマナの花蜜を吸うキマダラハナバチの一種【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午後14:40頃・晴れ 

河畔林の林床に咲いたキバナノアマナの群落でキマダラハナバチの1種(Nomada sp.)が訪花していました。 
小さくてもカラフルな蜂で、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
他のハナバチ類に労働寄生する仲間なので、たとえ♀でも集粉しませんし、後脚に花粉籠はありません。 
咲きかけの蕾にも訪花しています。 

キバナノアマナの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:42〜) 


【アフィリエイト】 

2024/09/09

ホトトギスのつぼみからも盗蜜するオオマルハナバチ♀【ハイスピード動画】

 



2023年11月上旬・午後15:50頃・晴れ 

花壇に咲いたホトトギスの群落で盗蜜を繰り返すオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)を240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、花だけでなく開花前のつぼみからも盗蜜しました。 
口吻を伸ばして小さく膨らんだきょに差し込むと、中の花蜜を吸っています。
ホトトギスの花の中央にある雌しべや雄しべに全く触れないので、受粉を助けていませんし、オオマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は空荷です。
羽ばたいて飛び立つと、次の花に向かいます。

2024/09/07

ホトトギスの花で吸蜜ホバリングするクロホウジャク(蛾)の羽ばたき【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの大群落を夕方に通りかかったら、複数個体(2〜3頭?)のクロホウジャクMacroglossum saga)が訪花していました。 
同じ花壇に咲いていたシュウメイギクのピンクの花にときどき飛来しても食指が動かず(口吻が伸びず)、ホトトギスの花に戻って吸蜜を続けました。(定花性) 

高速で羽ばたき続ける蛾の種類をしっかり同定するために、ストロボを焚いて写真にも撮りました。 
前回の反省を踏まえて、シャッタースピードを1/1300〜1/2000秒に設定しました。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
停空飛翔(ホバリング)しながら口吻を伸ばして、花の根元に小さく膨らんだきょの入口を器用に探り当てると、挿し込んで花蜜を吸います。 
伸ばした口吻がときどきホトトギスの雄しべや雌しべに触れるので(@3:37〜) 、クロホウジャクはホトトギスの受粉を少しは助けていることになります。
ホトトギスの送粉者の本命と思われていたマルハナバチ類が実は盗蜜していて、逆にスズメガの仲間が送粉しているとは、意外な結果でした。

クロホウジャクが吸蜜後に口吻を縮めると、くるくるとゼンマイ状に丸まります。 
飛翔中は脚を体に沿わせるように縮めて、空気抵抗を減らしています。 

つづく→

2024/08/30

ホトトギスの花蜜を吸うオオタバコガ(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でオオタバコガ♀♂(Helicoverpa armigera armigera)が訪花していました。 
口吻を伸ばして、コブ状のきょの奥に溜まった花蜜を吸っています。 
触角をピクピク動かしています。 
吸蜜しながら翅を小刻みに震わせ始めました。 
花弁の外側に脚をかけて止まっているので、ホバリング(停空飛翔)とは違います。 
飛び立つ前の準備運動なのでしょう。 
気温を測るのを忘れてしまいましたが、晴れていて別に寒くはありませんでした。 
(なぜ準備運動が必要なのか、分かりません。)

オオタバコガはホトトギスの花の中央にある雄しべや雌しべに全く触れずに吸蜜していることから、盗蜜行動と言えるかもしれません。 
しかし、鱗翅目は極細の長い口吻を伸ばして少し離れた位置からでも吸蜜できますから、ほとんどの種類の花に対して実は盗蜜しています。 
花も鱗翅目に送粉者としての役割をほとんど期待していないようです。 

オオタバコガの飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:51〜)

 

2024/08/28

ホトトギスの花蜜を盗むトラマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】盗蜜行動

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が訪花していました。 
複数個体で訪花していたオオマルハナバチ♀と違って、トラマルハナバチ♀は1匹しか見かけませんでした。 



この個体は、後脚の花粉籠にごく少量の白い花粉団子を付けていました。 
しかし、吸蜜の際にホトトギスの開いた花の内側には潜り込まず、毎回いつも花の外側から距に口吻を差し込んでいます。
雄しべや雌しべに全く触れていませんから、盗蜜行動と呼ばざるを得ません。 
ホトトギスの花の基部に3つあるきょの膨らみが訪花するトラマルハナバチにとって格好の止まり場所を提供しています。 
今後ホトトギスの距は更に細長く進化していくのでしょうか? 
園芸植物のユリズイセン(ユリズイセン科)の花が蜂に盗蜜されるのを見たときにも思ったのですが、ホトトギス(ユリ科)の花の構造は、花蜜のただ盗りを防ぐセキュリティが明らかに甘いですね。
花弁が根元まで開けっぴろげなのが問題で、少なくとも花弁の基部はしっかり閉じてもっと花筒型になるべきでしょう。
野生種のホトトギスは元々そのような形状だったのではないか?と勝手に予想するのですけど、どうでしょうか?
園芸植物として品種改良された結果、花弁が開けっぴろげになってしまったのかな?
ユリ科なので、もしかして種子よりも球根で増える(クローン)のがメインなのかと思ったのですが、調べてみるとそんなことはありませんでした。
種子と挿し木(クローン)で増やすのだそうです。

私は未だ実際に見たことがありませんが、トラマルハナバチはホトトギスの受粉を助ける送粉者として知られているそうです。 
トラマルハナバチは長舌種なので、普段は盗蜜行動をする必要がありません。 
(盗蜜に手を染めるのは短舌種のハナバチです。) 
盗蜜するトラマルハナバチを見たのはこれが初めてで、驚きました。
ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。 
今回は、ホトトギスの雄しべの葯で花粉の生産が終わりハナバチに花粉を取り尽くされた後の雌性期だったので、トラマルハナバチ♀も仕方なく盗蜜していたのかもしれません。 

トラマルハナバチ♀の盗蜜行動および飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜) 
長い舌を伸ばしたまま、次の花に向かって飛んでいました。

2024/08/26

ホトトギスの花で吸蜜ホバリングするヒメクロホウジャク(蛾)

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ(日の入り時刻は午後16:41) 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落で夕方にヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)が訪花していました。 
激しく羽ばたいてホバリングしながら口吻を器用に伸ばして距に差し込み、花蜜を吸っています。 
花壇でホトトギスと一緒に咲いていたシュウメイギクの花には見向きもしませんでした。 
(動画のサムネイルでは、まるでピンクのシュウメイギクに訪花しているように見えますが、実際は吸蜜していません。)
1種類の花を好んで訪れる習性は、定花性と呼ばれます。

ヒメクロホウジャクの吸蜜ホバリングを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:16〜)
ホトトギスの花の全景

2024/08/22

イモカタバミの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリングしながら排尿【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:10頃・晴れ 

大通りの歩道の花壇に咲いたイモカタバミの群落でクロホウジャクMacroglossum saga)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

高速で休みなく羽ばたいてホバリング(停空飛翔)しながらイモカタバミの花蜜を吸っています。 
細長い口吻の先端部に橙色の花粉が付着していることから、この蛾はイモカタバミの送粉者として働くことが分かります。 

車が横を通りかかると飛んで逃げるものの、すぐに舞い戻って来ます。 
蜜源植物としてよほど気に入ったのでしょう。 
ホバリングの性能が高く、横から風が吹いていても安定に姿勢を制御できます。 

クロホウジャクの吸蜜ホバリングを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:24〜) 
撮影中は気づかなかったのですが、停飛しながら透明の液体を何度も放出していました。 
腹端よりも少し前に肛門(排泄孔)があるようです。 
軽量化のために吸蜜しながら余分な水分を排泄しないといけないということは、イモカタバミの花蜜は濃度が薄くて水っぽいのかもしれません。
この日は雨が降らなかったので、もしかすると近隣住民が花壇の花にかけてやった水がイモカタバミの花筒の奥に溜まって花蜜が薄まったのかな?

関連記事(3、7年前の撮影)▶  


最後は右に急旋回しながら飛び去ろうとしたら、イモカタバミの別な花にクロホウジャクの顔がぶつかったのはご愛嬌。 


つづく→別の種類の花にも吸蜜ホバリング

2024/08/20

ホトトギスの花で盗蜜するオオマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:45頃・晴れ 

堤防路の道端の花壇に咲いたホトトギスの大群落で、1匹のオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が夕日を浴びながら訪花していました。 
大型の個体だったので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。 
現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。 
(平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。) 
後脚の花粉籠は空荷でした。 

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜) 
スローモーションで吸蜜シーンをよく見ると、オオマルハナバチ♀は盗蜜を繰り返していました。 
花弁の内側の奥には黄色い蜜標があるのに、オオマルハナバチ♀はそこを目掛けて潜り込む正当訪花をしていません。
いつも花弁の外側に下向き(または横向き)で止まると、舌(口吻)を伸ばして花の根元にある小さな膨らみ(距)に差し込んでいます。 
ホトトギスの花の構造上、オオマルハナバチ♀は花弁に穿孔するまでもなく、盗蜜できてしまいます。
きょとは、花が最適な送粉者を選別するため(招かれざる訪花昆虫を排除するため)に蜜腺を奥深く隠すための構造なのですが、細長く尖ったものしか私は知りませんでした。
ホトトギスの花のように、小さな瘤状の距もあるとは知りませんでした。
オオマルハナバチ♀は訪花吸蜜の際にホトトギスの雄しべや雌しべに一度も触れないので、授粉には全く関与していません。 
オオマルハナバチ♀の体毛にホトトギスの花粉が付着することはありませんし、後脚の花粉籠が空荷なのも当然です。 
ホトトギスにとっては花蜜の盗まれ損になります。 

オオマルハナバチ♀が花粉を集めたくても、雄しべの葯から花粉が既に取り尽くされた後のようです。 
調べてみると、ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。 
撮影時は雌性期だから雄しべに花粉が無いのでしょう。 

今回はホトトギスに訪花する様々な昆虫を観察することができたのですが、どの昆虫も同様に盗蜜していました。(映像公開予定) 
植物が花に距を作って送粉者を選り好みしようとすると、必ずその裏をかいて盗蜜行動をする昆虫が出てくるのが、進化の軍拡競争になっていて面白いです。
ホトトギスに正当訪花する送粉者は誰なのでしょう? 


【参考サイト】 
雄性期の花の様子も含めて、ホトトギスの花の細かい構造を解説した写真や、トラマルハナバチが正当訪花する写真が掲載されていて、勉強になりました。 




【アフィリエイト】 



2024/08/14

道端の草むらから次々に飛び立つシロオビノメイガ(蛾)の大群【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月上旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓の農村部で私が農道を歩いていると、道端に生い茂る草むらから小蛾が次々に飛び立ちました。 
チラチラと羽ばたいて、草むらを飛び回ります。 
よく見ると蛾の正体は、普通種のシロオビノメイガSpoladea recurvalis)でした。 
群飛と呼んで良いのか分かりませんが、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:30〜) 
レンズをズームインして拡大しないと、シロオビノメイガだと分かりません。 
しかし画角が狭くなるため、飛ぶ蛾が写る確率が下がってしまいます。 
そこで、少しズームアウトした広角でも撮ってみました。 
慌てて飛び立ったシロオビノメイガが、イヌタデの穂にぶつかってそのまま着陸することもありました。 
蛾の他にはハチ?も高速で飛び去ります。

シロオビノメイガは農村で大量発生する害虫なのでしょうか? 
道端の草むらにはミゾソバおよびイヌタデの花が群落をなして咲いています。 
他にはヒメジョオンの花やヤマグワの幼木がたまに写っています。 
しかし、シロオビノメイガの訪花吸蜜シーンは今回見ていません。 
しばらく低空で飛び回った後も、花には着陸していません。 
どうやら、草むらに隠れていただけのようです。 
もしかして、羽化直後なのかな? 
シロオビノメイガ幼虫の食草を調べても、そのリストにミゾソバやイヌタデは含まれていませんでした。 
幼虫図鑑サイトでは、
食草   ホウレンソウ(菠薐草),フダンソウ,ホウキグサ(箒草),アカザ(藜)など
とあり、みんなで作る日本産蛾類図鑑サイトでは
【幼虫食餌植物】 アカザ科:ホウレンソウ、フダンソウ、テンサイ、ウリ科:ウリ類(※KD)、アカザ科:アカザ、サトウダイコン、ヒユ科:モヨウビユ、ケイトウ、ヒユ(※SG)、ヒナタイノコズチ(※GG-224)、ザクロソウ科:ツルナ(※YY188)
とのことです。 
現場付近に生えている植物に、シロオビノメイガの食草は心当たりがありません。 
例えば、ホウレンソウ畑などはありません。
シロオビノメイガの幼虫はどうやら広食性らしいので、未知の食草もありそうです。 


【アフィリエイト】

2024/08/12

カボチャ畑の同じ花で2匹同時に採餌するクロマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2023年8月下旬・午前8:40頃・晴れ 

カボチャを栽培している家庭菜園の畑で複数のクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花する様子を撮影していると、興味深いシーンが撮れました。 

カボチャの黄色い花に先客が居ると、後から飛来した個体は遠慮して飛び去りました。 
カボチャ畑には多数の花が咲いていますから、無用な競争を避けるのは当然でしょう。 
蜜源植物を巡る占有行動や縄張り争いなどは、私の見た限りではありませんでした。 

ところが、240-fpsのハイスピード動画でも撮っていたら、これとは逆の行動が観察できました。(@0:11〜) 
クロマルハナバチ♀が次に訪花しそうな花を予想して待ち構えていると、2匹の個体が入れ替わるように訪花していました。 
花の中で2匹が争った形跡もありません。 
マルハナバチが採餌した直後の花には花蜜も花粉も取り尽くされている(少なくとも減っている)はずですから、とても不思議に思いました。 

カボチャの花筒の中がよく見えるアングルで2匹のクロマルハナバチ♀が同時に潜り込んで採餌するシーンも撮れました。 
やはり喧嘩(蜜源の占有行動)をしないで仲良く採餌していました。 
協力して同じ花から採餌しているのは、おそらく同じコロニー出身の仲間なのでしょう。 
後から来ても花蜜や花粉はあまり残っていないはずなのに、割り込んでくるのは採餌経験の浅い個体なのかな? 
カボチャの花に花蜜や花粉が豊富に含まれる場合には、このように協力して採餌する、と推測できます。 


【アフィリエイト】 

ランダムに記事を読む