2024/04/06

夜の旧営巣地で延々と取っ組み合いをして遊ぶニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月中旬 

アナグマの幼獣同士による夜の兄弟喧嘩シーンをまとめてみました。
本気の闘争ではなく、遊びの格闘ごっこでじゃれ合っているだけです。
疲れを知らない幼獣同士の格闘遊びは、見ていて微笑ましいです。 


シーン0:7/13・午後13:31・晴れ・気温37℃(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
猛暑とは言え、気温データはさすがに異常値かもしれません。 
新旧2台のトレイルカメラでニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地を見張っています。 


シーン2:7/13・午後20:55・(@0:07〜) 
アナグマの母子(幼獣4頭と母親♀)が生まれ育った旧営巣地にある晩、一時帰還したときの様子です。 
ある幼獣が巣口Rを飛び越えると、近くの別個体幼獣に襲いかかり、一緒に穴へ転がり落ちました。(@0:51〜) 


シーン3:7/13・午後20:57・(@1:07〜) 
幼獣2頭が巣口Rで取っ組み合いを続けています。 
鳴き声はほとんど聞き取れませんが、互いに甘噛みしたり前脚で押さえつけたりしているようです。 


シーン4:7/13・午後20:59・(@2:07〜) 
つづき。
格闘中にワンッ♪と鳴く声(吠える? 唸る?)がかすかに聞こえました。 
巣口Rから離れようとする個体に後ろから追いすがって、しつこく取っ組み合いを続けます。 


シーン5:7/17・午前3:06・(@3:07〜) 
4日後の深夜未明にも暗闇で幼獣同士が兄弟喧嘩(姉妹喧嘩?)していました。 
広場の奥の林縁で幼獣2頭がもつれ合っています。 
1頭が左奥に一旦離れたのに、もう1頭が追いかけて再び取っ組み合いを仕掛けます。 
ようやく格闘遊びを止めて、巣口Lの方へ向かいました。 


シーン6:7/17・午前3:06・気温24℃?(@3:47〜) 
続きは別アングルの監視カメラで撮れていました。 
幼獣2頭が格闘しながら、巣口Lにもんどり打って転がり込みました。 
相手の首筋に噛み付いてぐいぐい引っ張っています。 
これは♂の幼獣が交尾の練習をしているのですかね? 
(私には幼獣の性別が外見で区別できません。) 
ピョンピョン跳ねるように相次いで左へ走り出し、巣口Rへ向かいました。 


シーン7:7/17・午前3:07(@4:25〜) 
一旦離れてクールダウンしたのに、巣口Rでまた格闘遊びが再開しました。 


シーン8:7/17・午前4:00・気温23℃(@5:25〜) 
約50分後に巣口L付近で幼獣の取っ組み合いが再び勃発しました。 
1頭が巣口Lに転がり落ち、なかなか外に出てこなくなりました。 
さすがに疲れてきたようです。 
1頭の幼獣がアクセストレンチLに座って毛繕いをしていると、もう1頭が巣穴Lから外に出てきて、格闘遊びが再開しました。 

後半はニホンアナグマの母親♀の姿が写っていませんが、旧営巣地で遊んでいる幼獣の近くで採食していると思われます。 
母親は幼獣同士の格闘遊びに全く干渉しませんし、仲裁に入ることもありません。
格闘遊びがエスカレートして本気で相手に噛みついたり怪我したり泣き出したりすることがないのが、ヒト幼児のプロレスごっことは違って興味深く思いました。

夜の暗闇でもアナグマ幼獣は格闘の相手がしっかり見えているようです。
それとも聴覚や嗅覚だけで格闘遊びが可能なのでしょうか?


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




ミミズの死骸に群がるキンバエ

2023年7月中旬・午前11:35頃・くもり 

里山の中腹をトラバースする林道でスギの落葉が堆積している一角にキンバエの仲間(種名不詳)が群がっていました。 
臭い匂いもしたので、てっきり少量の獣糞で汚れているのかと思ったのですが、撮った写真を見直すとミミズの死骸が写っていました。 
暑い真夏の山行でよほどバテていたのか、観察が疎かになっていたようです。
死んだミミズが腐って変色し、周囲のスギ枯葉と同系色(茶色)になっていたので、紛れて気づかなかったのでしょう。


ニセアカシア樹上で青虫を狩って肉団子を作るセグロアシナガバチ♀

 

2023年7月中旬・午前10:20頃・くもり 

道端のニセアカシア(別名ハリエンジュ)セグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀が葉に止まっていました。 
前伸腹節に黄紋が無いので、キアシナガバチではなくセグロアシナガバチと分かります。 

背側から見ても何をしているのか分からなかったのですが、葉の表面の水滴または甘露を舐めているのかと初めは想像しました。 
ニセアカシアに花外蜜腺があるという話は見聞きしたことがありません。 
本家のアカシアには花外蜜腺があるらしいです。 
実際に隣の葉には、アブラムシの甘露が乾いたような痕跡が残っています。 
しかし朝露は付いていませんでした。 

突風が吹いてニセアカシアの葉がめくれても、セグロアシナガバチ♀は振り落とされず葉にしがみついています。 
撮影中は気づかなかったのですが、動画をじっくり見直すと、小さな青虫を大顎で咥えて肉団子にしているところでした。 
蜂の口元がよく見えるよう、画面を2倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ニセアカシアの葉を食べる蛾の幼虫(種名不詳)を狩った直後だったようです。 
蜂に胸部を噛まれた青虫は必死で暴れています。 
セグロアシナガバチ♀が獲物の肉団子を持って巣に飛び去るシーンはうまく撮れませんでした。

フィールドで少しでも気になることがあったら、駄目元で何でも動画で記録しておくのが大切です。 
(何でもなければ動画ファイルを削除すればよいのです。) 
風が強くて虫撮りには最悪のコンディションでしたが、スローモーションにすれば気にならなくなります。 
むしろ、突風が吹いて蜂が横を向いてくれたおかげで、何をしているのか判明しました。 

私のフィールドでは最近、キアシナガバチに代わってセグロアシナガバチが増えてきたという印象があります。 
以前、私にとってセグロアシナガバチはレアだったのに、もはや珍しくなくなりました。
定量的にきっちり調べた訳ではありませんが、温暖化や都市化が進行した影響なのかと疑っています。 

【アフィリエイト】 

2024/04/05

獣道に片方だけ捨てられた古い長靴の謎

 



2023年7月上旬・午後14:05頃・晴れ 

休耕地にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の営巣地を久しぶりに見に行こうとする途中で、林縁の獣道にボロボロになった古いゴム長靴が片方だけ転がっているのを見つけました。 
近隣の家から親タヌキが盗んできたのでしょう。
履いたヒトの足裏の匂いで親タヌキが獲物(死肉)と誤認して持ち帰ったものの、結局は食べられずに子ダヌキが遊ぶ玩具になったのだろうと思われます。 
逆に、野外で古靴が不自然に落ちていたら、近くにタヌキやキツネなど野生動物の巣穴があるというフィールドサインになるかもしれません。

二次林を抜ける獣道の横は、下生えにノイバラの群落が密生しているのが動画でも見えています。
ノイバラの藪は鋭いトゲだらけで歩きにくいのですが、たまにタヌキもうっかりノイバラの棘を足で踏んでしまうのではないかと推察しています。




原っぱで複数の巣穴を見て回っても、タヌキ幼獣の姿はもう見られませんでした。
なんとなく、タヌキの古巣をアナグマ家族が乗っ取ったのでは?という気がするのですけど、確かめたくてもトレイルカメラを設置できません。
雑草の生い茂った夏の休耕地とトレイルカメラは相性が悪くて使い物にならないのです。
巣穴の横に普通に三脚を立ててトレイルカメラを設置すれば撮れそうですけど、三脚を原っぱに長期間放置すると通行人から目立ってしまいます。
カメラを盗まれたりタヌキの巣穴が第三者にばれたりするトラブルを避けるために、自重しています。
人目につかない夜だけ三脚の高さが自動的に高くなり、昼間は低くなって草むらに紛れる装置があれば良いのですが、自作するしかなさそうです。

休耕地や林内に不法投棄されたゴミを悪戯盛りのやんちゃな子ダヌキが食いちぎって遊んだりしているようです。
プラスチックなどの不燃ごみはいつまで経っても自然分解されません。
あまりにも散らかって見苦しいですし、野生動物が誤飲して健康を害する可能性があるので、ゴミを少しずつ拾って持ち帰ることにしました。


【追記】
塚田英晴『野生動物学者が教えるキツネのせかい』という本を読むと、「キツネはなぜ靴を盗むの?」と題したコラムが含まれていました。
靴が盗まれるのは春から夏の時期に集中し、冬には起きていないのです。(中略)春から夏といえば、キツネの子育て時期にあたります。盗まれた靴が見つかる場所についても、共通点がありました。子ギツネの姿が見られたり、巣穴が近くにあったりするのです。(中略)実験から、子ギツネはサンダルを食べものと思っていないことがわかりました。しかし親ギツネの方は、特に履き古したサンダルを食べものとまちがえ、子ギツネに運ぶのにちょうどよい大きさのエサのように反応していたと考えられました。キツネは腐った肉などを食べることもあるので、このようなまちがいが起きていたのでしょう。(コラム5より引用)
今回の事例では、古靴がいつ盗まれて放置されていたのか分からないのが問題です。
休耕地にあるホンドタヌキの営巣地は、もともと二ホンアナグマが掘ったのではないか?と推測していたのですが、ホンドギツネが掘った可能性も浮上しました。
タヌキにしてみても、子育てに必要な巣穴を確保するのに、キツネの力を借りています。というのも、タヌキは自分で巣穴を掘らないので、他の動物がつくった巣穴を間借りします。そんなとき、キツネが掘ってくれた巣穴はとても役に立ちます。巣穴でキツネの家族を観察していたつもりが、ある日からタヌキの家族の暮らしを観察することになった、なんてこともあります。さらに、いくつもの入り口がある大きなキツネの巣穴では、使っていない入り口をタヌキが利用しておとなりさん同士になる、なんてことも起こるようです。 (同書kindle版49%より引用)
真犯人の正体を突き止めるには、獣道や営巣地に監視カメラを設置して、靴を盗んだり運んだりしている現行犯の証拠映像を撮るしかなさそうです。








余談ですが、7月中旬に里山の細い林道で履き古した黒いスニーカーが片方だけ放置されていました。
登山客が履いていた靴を片方だけ山中に落として忘れるなんてことは有り得ません(あったとしたら、事件性を帯びてきます)。
おそらく野生動物が麓の里から盗んできたのだと推察しました。
この辺りに巣穴があるのでしょうか?

この古靴を何気なく裏返してみたら、無数のアリ(種名不詳)が下からわらわらと這い出てきました。
羽アリも混じっていました。
靴の下で営巣していたようです。
暑い真夏の山行でひどくバテていた私は、アリの観察をする余力がありませんでした。
このスニーカーも自然界では分解されないゴミですから、アリには気の毒ですけど、拾って持ち帰りました。








アナグマの旧営巣地に来て採食する野鳥たち:シジュウカラ、キジ、キジバト【トレイルカメラ】

 

2023年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)家族が転出した後の旧営巣地(セット)で昼間にさまざまな野鳥が登場しました。 

シーン0:7/7・午後16:21(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
トレイルカメラ旧機種のおかしな癖で、これ以降は昼間にフルカラーで撮れなくなってしまいます。 


シーン1:7/12・午前8:00頃(@0:03〜) 
シジュウカラParus minor minor)らしき小鳥の群れが散開してあちこちで採食していました。 
右奥の灌木林内でキジPhasianus versicolor)が採食しながら、ゆっくりうろついています。 
キジの緩慢な動きが分かりにくいので、初めに5倍速の早回し映像でご覧ください。 
その後は等倍速でリプレイ。 


シーン2:7/12・午前8:52(@1:16〜) 
手前の細い枝に止まって羽繕いしていたシジュウカラが左へ飛び去りました。 
奥の地上では別個体のシジュウカラがアナグマの掘った巣穴Rl付近を啄んでいます。 

巣口Rに誘引されてずっと飛び回っている昆虫は、ハエやキイロコウカアブなどでしょう。 
アナグマ家族が転出した後も何か野生動物が巣穴Rに住み着いていることが、これらの双翅目の存在によって示唆されます。 
トレイルカメラの監視映像では、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がときどき出入りしています。 


シーン3:7/13・午前11:00頃(@2:13〜) 
画面の左端で巣口Rから伸びる灌木(マルバゴマキ)に止まっていた野鳥はキジバトStreptopelia orientalis)でした。 
初めは尾羽しか見えてなかったのですが、止まり木で向きを変えてくれると、首筋に特徴的な鱗模様がありました。 
強く湾曲したマルバゴマキの枝を伝い歩き、巣口Rに近づいています。 
地上に飛び降りそうなところで、録画が終わってしまいました。 

それとは別に、奥の林縁の地上でシジュウカラらしき小鳥が採食しています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2024/04/04

夜に一時帰還した旧営巣地で幼獣に毛繕いしてやるニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年7月中旬 

どこか別の巣穴に転出したニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の母子が、生まれ育った営巣地(セット)に夜もときどき一時帰還するようになりました。 
採餌徘徊のついでに立ち寄るようです。
相変わらず、ヘルパー♂は付き添っていません。 
母親♀が幼獣に対他毛繕いするシーンをまとめてみました。 

シーン0:7/13・午後13:31・気温37℃(@0:00〜) 
シーン1:7/13・午後16:33・(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
2つのアングルから巣穴L、Rをそれぞれ監視してます。 


シーン2:7/13・午後20:49・(@0:07〜) 
画面の右で母親♀が1頭の幼獣の毛皮を舐めてやっています。 
対他毛繕いが済むと、♀だけ右へ立ち去り、幼獣2頭が巣口Rの匂いを嗅いだり付近をうろついたりしています。 


シーン3:7/13・午後21:02・気温22℃(@0:49〜) 
母親♀が先頭に立って獣道を右へ歩き始めました。 
横から見ると、腹面に乳首が見えます。 
立ち止まって体をボリボリ掻きました。 
次にその場で仰向けになり、毛繕いを始めました。 
そこに近寄ってきた幼獣を舐めてやります。 
幼獣たちはもう乳離れしているようで、各々が採餌しています。 


シーン4:7/17・午前2:59・(@1:49〜) 
4日後も夜にアナグマ母子が現れました。 
まず先に旧営巣地(セット)に到着した幼獣2頭が巣口Rを点検しています。 
奥の二次林から母親♀が遅れてセットにノソノソと登場。 
この個体は、暗視映像で見ると左右の目の大きさが不均等(右目<左目)なのが特徴です。 
離乳後も、腹面の乳房・乳首が発達しています。 

先に来ていた幼獣に巣口Rで♀が対他毛繕いをし始めたものの、遊びたい盛りの幼獣は左に駆け去ってしまいました。 
別個体の幼獣が暗闇で突進したら、垂れ下がる蔓に頭が引っかかって揺らしました。(@2:20〜) 
何事かと♀が振り返ってその幼獣を気遣います。 


シーン5:7/17・午前4:04・(@2:38〜) 
巣口Rで母親♀(右目<左目)が幼獣2頭に対他毛繕いしています。 
もう赤ちゃんじゃないので排泄の世話をする必要はなくなったと思うのですが、♀は幼獣の腰や尻の辺りを重点的に舐めてやります。 


シーン6:7/17・午前4:06・(@3:39〜) 
広場の奥の林縁に移動した♀が幼獣に対他毛繕いをしています。 
幼獣もたまにお返しで母親に毛繕いしているようです(相互毛繕い)。 
最後、アナグマの母子は右へ立ち去りました。 
戻ってこなかったので、アナグマ一家が昼間に休む巣穴はここではないことがはっきりしました。

夜明け前の暗い林内でヒグラシ♂たちが、カナカナカナ…♪と一斉に鳴き始めました。 
日の出時刻は午前4:26。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



獲物を求めて飛び回り、スギ大木の剥がれかけた樹皮の裏を調べるヒメスズメバチ♀

 

2023年7月中旬・午前11:30頃・くもり 

里山の山腹をトラバースする林道の脇でヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀が探餌飛翔していました。 
本種はアシナガバチの巣を襲ってその幼虫や蛹を専門に狩るスペシャリストです。 
つまり、狩りモードのヒメスズメバチ♀はアシナガバチの巣を探しているのです。 
スギ老木の根元をホバリングで飛び回り、林床に下草として生えたチヂミザサの葉に着陸すると、枯れたスギ落ち葉の下に潜り込んだりしています。 

私が動画を撮りながら少し近づくと、ヒメスズメバチ♀はスギ幹の根元付近に取り付きました。 
樹皮を齧り取って巣材集めをするのかと思いきや、剥がれかけた樹皮の裏側へ潜り込みました。 
しばらくするとまた外に出てきました。 
このとき獲物の肉団子を咥えてなかったので、樹皮の裏側にアシナガバチの巣はなかったようです。 
そもそも私の経験上、樹皮の裏側の隙間になんかアシナガバチは営巣しそうにありません。

スギ老木への興味関心を失った蜂は、探餌飛翔に戻りました。 
ヒメスズメバチ♀の探餌飛翔を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:05〜) 
スギ林内を低空でジグザグに飛び去りました。

実は、まさにこのスギ大木のめくれかけた樹皮の裏側にカマドウマの大群が潜んでいたことがあります。 
もしもヒメスズメバチ♀がカマドウマを狩りにせっせと通っていたら大発見です。 

関連記事(2年前の撮影)▶ スギの樹皮の裏側に群生するマダラカマドウマ 


今思えば、剥がれかけた樹皮の裏側にヒメスズメバチが営巣していた可能性もありそうです。 
高見澤今朝雄『日本の真社会性ハチ』という図鑑を紐解いてみると、
ヒメスズメバチの営巣場所は、土中の空洞、樹洞、家屋の屋根裏、壁間など(p109より引用)
動画撮影後にスギ樹皮をめくって、しっかり確かめるべきでした。 

関連記事(6、10年前の撮影)▶  



【追記】
探餌行動とは限らず、創設女王が営巣地候補を探索していたのかもしれません。
剥がれかけた樹皮の裏側に樹洞があるのかと期待して潜り込んだとすれば、辻褄が合いそうです。
ヒメスズメバチは獲物となるアシナガバチの生活史と合わせるために、自らの営巣は他のスズメバチ類よりもかなり遅れて始めます。
しかし撮影した7月中旬にヒメスズメバチの創設女王が営巣地を探索しているのは、いくらなんでも遅すぎる気がします。


2024/04/03

怪我した右後脚をかばって3本足で痛々しく跛行するホンドタヌキ♂が排尿マーキング【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬・午前5:25頃・気温21℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)に、ある朝早くホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の♀♂ペアがやって来ました。 

シーン0:7/7・午後16:21(@0:00〜) 
数日前の明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン1:7/13・午前5:23(@0:04〜) 日の出時刻は午前4:24。 
巣口Rを覗き込んで匂いを嗅いでいる個体は、後ろ姿の股間に睾丸が見えるので♂と分かりました。 
驚いたことに、この♂個体は右後足を地面に付けないように、3本足で痛々しく跛行していました。
酷い怪我をしているのでしょうか? 

その間、♀と思われるパートナーが画面の右端で待っています。 
奥の二次林内で合流した2頭が仲良く相互毛繕いを始めました。 


シーン2:7/13・午前5:25(@0:48〜) 
タヌキの♀♂ペアは再びアナグマの旧営巣地に出てくると、巣穴Rを避けるように、左へ立ち去りました。 
健常な♀が先行し、後続の♂が3本足でひょこひょこと跛行しています。 


シーン3:7/13・午前5:26・気温21℃(@1:04〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラで続きが記録されていました。 
後続個体♂が、通りすがりに立木(樹種不明)の匂いを嗅いでから幹に排尿マーキングしました。 
怪我している片足(右後脚)を上げた姿勢のままで小便しました。 
排尿姿勢からも、この個体は♂であることが分かります。 

二次林内の獣道を辿って2頭のタヌキ♀♂が前後して立ち去ります。 
ハンディキャップがあっても、健常個体♀に遅れを取らず(遜色なく)ついていけてるようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
タヌキ♂右後脚の怪我について。
負傷の原因は不明ですが、夜の車道で交通事故に遭ったとしたら、こんな軽傷では済まないでしょう。 
この二次林にはノイバラの群落があちこちに自生していて、私も薮漕ぎする度に衣服に引っかかってかぎ裂きになったり手足に刺さって出血したりと、難儀しています。 
今回のホンドタヌキ♂も獣道でノイバラの棘をうっかり踏んで足の裏に刺さり、化膿してしまったのではないか?と推察してみました。 
先天的な奇形の可能性も考えられます。 
このまま定点観察して、跛行の症状が回復すれば、奇形の可能性は除外できるはずです。 

同一個体が数百m離れた溜め糞場でもトレイルカメラに写っていました。


農作物が野生動物(害獣)の食害を受ける問題が近年、深刻になっています。 
農地を電気柵で囲うなどの対策が取られています。 
今回の件で思いついたのですが、農地の周囲に棘のある低灌木をびっしり植えて生垣としたり、大量の棘だらけの落枝を地雷原のように地面に並べておけば、野生動物の侵入を防げるかもしれません。 
逃げる忍者がまきびしをばら撒いて追手を食い止めるのも同じ発想です。
草食動物の食害から身を守るために鋭いトゲを進化させた灌木には、ノイバラやウコギ、タラノキなどがあります。
(ただし、シカやイノシシなど有蹄類は茨の道を平気で歩けそうです。) 
農作業をするヒトは厚底の靴を履いて農地に出入りすれば良いのです。 
ノイバラの生垣がなぜ「失われた知恵」になってしまったのでしょうか?
今となっては「いばらの道を歩く」という慣用句にしか使われていません。
考えてみると、隙間なく生垣を植栽するのが面倒なので、便利な有刺鉄線が発明されたのでしょう。 
私が子供の頃、有刺鉄線は「バラ線」と呼ばれて現役で使われていました。 
それでも害獣への防除効果が薄いために、現代の電気柵に取って代わられたという歴史がありそうです。 
電気柵は周囲の草木に接触して漏電したり電池切れしたりすると、防除効果がゼロになります。 
電気柵の欠点を補うために、もし余裕があれば、農地の周囲にトゲのある生垣を少しずつ復活させるのもエコかもしれません。 (温故知新)
農地を囲う生垣を隙間なく完全に作るのは大変ですが、一部だけでも野生動物の侵入経路を限定することができそうです。
ウコギタラノキを植えれば、山菜として食用にもなります。
キイチゴ類は甘い果実を提供してくれるでしょう。


私が観察しているアナグマの営巣地には大量の落枝が散乱しています。 
落枝をきれいに始末しないアナグマはずぼらな性格なのだと思っていました。
落枝の中に実は、ハリギリ(別名センノキ)という、幹にたくさんの棘が並ぶ木の若い倒木が含まれていました。 
アナグマも巣穴に出入りする度にハリギリ倒木の棘を踏みそうになっていたので、良かれと思って私は勝手に取り除いてしまいました。 
巣穴を監視するために設置したトレイルカメラの画角をハリギリ倒木が遮って撮影の邪魔になる、という理由もありました。
今になって考えると、天敵や不法侵入者への防犯装置として有効だったかもしれません。 
アナグマが棘だらけのハリギリ倒木をわざわざ巣穴の近くまで引きずってきたとしたら、面白いですね。 
アナグマの防犯装置を勝手に取り除いた私は、余計なお世話というか、悪いことをしてしまったかもしれません。 
しかし、私が横にどけたハリギリ倒木をアナグマが再び元に戻すことはありませんでした。 
生まれてきたアナグマの幼獣は、ハリギリの倒木を踏まないように避けて歩くよう学習しないといけません。 
アナグマの母親♀が引率して森を案内する際に、幼獣に教えるのでしょうか。
残念ながら、その過程を観察できませんでした。 



トリアシショウマの花を舐めるスズキナガハナアブ♀【ベイツ型擬態】

 

2023年7月中旬・午後12:20頃・くもり 

里山の細い山道(ほぼ廃道状態)に沿って咲いたトリアシショウマの群落でスズメバチにそっくりなアブが訪花していました。 
後で調べてみると、スズキナガハナアブ♀(Spilomyia suzukii)でした。 
 【参考】:「ハナアブの世界」サイトにスズキナガハナアブの標本写真が掲載されています。 

半開きの翅をリズミカルに開閉しながら口吻を伸縮させて花粉と花蜜を舐めています。 
食事の合間に左右の前脚で頭部を擦ったり口吻を挟み込んだりして、付着した花粉を拭い取りました。 
本種の訪花シーンは初見です。
同一個体を追いかけて撮影しました。 
森の中でヒグラシ♂(Tanna japonensis)が寂しげに鳴いています♪ 

冒頭のシーンではヒメトラハナムグリLasiotrichius succinctus)も同じトリアシショウマの花穂に来ていましたが、互いに無関心でした。 


スズキナガハナアブはベイツ型擬態の好例ですけど、モデルとなった蜂が何なのか、よく分かりません。 
キアシナガバチPolistes rothneyi)ですかね? 
特定の種類のスズメバチやアシナガバチではないかもしれません。 
蜂好きが見ると不完全な擬態で、粗が目立ってしまいます。 
まず腰が太いので「毒針に刺されそうで怖い!」とは思いません。 
本当に刺す蜂(有剣類)は、腰が細いのが特徴です。
私の知る限り、スズメバチ類はトリアシショウマの花で吸蜜しませんから、その点でも違和感を覚えました。 
しかし捕食者に恐怖で狩りを躊躇させるには充分似ているのでしょう。 

スズキナガハナアブは「人の手があまり入らない、原生的な自然環境を必要とする種」とのことで、確かに今回の現場は原生林というほどではありませんが、整備されずに放置された里山でした。 
多数の倒木で塞がれた廃道には雑草や灌木が生い茂っていました。 
山の管理者が林道や登山道をきれいに整備した途端に周辺の生物多様性が貧困になる(希少種は居なくなり、ありふれた普通種しか見られなくなる)という現象は私も実感しています。 
林業の観点からは山林を整備した方が良いに決まっているので、自然破壊と一概には決めつけられません。 
間伐して定期的に下草を刈るなどの整備を施して林縁的な里山環境が保全されている方が生物多様性は高まる、というのが定説ですけど、希少種の昆虫に関しては優しくないのでしょう。 

スズキナガハナアブの幼虫は何を食べて育つのか、生態が解明されているのでしょうか? 
生息環境が原生林に限られるということは、おそらくスズメバチの巣などに寄生するのではないか?(何かしらの寄生種だろう)と私はずばり予想します。
寄主の巣に産卵する際に擬態が役立っているのではないか?と先走った妄想をしています。 


関連記事(9、12年前の撮影)▶  


2024/04/02

後足で立ち上がるニホンアナグマ幼獣の謎【トレイルカメラ】

 



2023年7月上旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子が久しぶりに生まれ育った営巣地(セット)に一時帰還した日に、幼獣が後足で立ち上がる謎の行動が何度も見られたのでまとめてみました。 


シーン1:7/9・午前6:24(@0:00〜) 
レンズに雨の水滴が付着しているのか、夜が明けたのに、画面全体がやや曇っています。 
赤丸で囲った幼獣個体に注目してください。 
後足で立ち上がると、灌木の細い幹に前足を掛けました。 
樹上に気になる虫でも見つけたのでしょうか? 
枯れ木で枝葉が付いてなかったので、巣材集め行動の萌芽とは考えにくい気がします。 


シーン2:7/9・午前6:32・気温23℃(@0:20〜) 
母親♀が幼獣4頭を引率して獣道を辿り、右上奥の灌木林へ向かっています。 
道中で1頭の幼獣が立ち止まると、立木に前脚を掛けながら後足で立ち上がりました。 
この立ち木にはたまにタヌキが通りがかりに排尿マーキングしているので、その匂いに反応したのかもしれません。


シーン3:7/9・午前8:01・気温27℃(@0:39〜) 
赤丸で囲った1頭の幼獣個体が再び例の立木に前脚を掛けて立ち上がり、幹の匂いを嗅ぎました。 


シーン4:7/9・午前8:05(@0:57〜) 
赤丸で囲った幼獣個体が、林縁で細い灌木に前脚を掛けて立ち上がりました。 
シーン1と同じ枯木だと思います。 
別個体の幼獣がじゃれついたので、邪魔されてしまいました。 


シーン5:7/9・午前8:09(@1:16〜) 
赤丸で囲んだ1頭の幼獣が前脚を立木(樹種はミズキ?)に掛け、後足で起立しました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
幼獣を個体識別するのは無理なので、毎回同じ個体がやっているのかどうか分かりません。 

以前は母親♀が営巣地周辺の林内で同様に立ち上がり、樹上の枝葉や蔓植物を掻き集めて巣材(寝床)としていました。 
しかし、この時期の成獣(母親♀)は後足で立ち上がる行動をやらなくなりました。 
巣材集め行動の萌芽が早くも幼獣で見られたのかな?

幼獣の兄弟姉妹間で取っ組み合いの格闘遊びが頻発しています。
自分が一番大きいことを示して兄弟姉妹間で序列をつける誇示行動なのか?と思いつきました。
それなら競い合うように複数の幼獣が同時に後足で立ち上がって背比べしても良さそうなものです。 

立ち上がって幹の匂いを嗅ぎながら、なるべく高い位置に放尿マーキングしているような気もします。
しかし排尿の有無を動画では確認できませんでした。

難しく考えなくても、好奇心旺盛な幼獣による単なる探索行動なのかもしれません。

我々ヒトの直立姿勢とは異なり、アナグマは立木を支えにして掴まり立ちしないと後足だけでは立ち上がれないようです。 
同じイタチ科のテンやイタチはたまに後足だけで直立姿勢になって周囲を警戒することがあります。
ずんぐりむっくり体型のアナグマは骨格的に無理なのか、掴まり立ち以外の純粋な直立姿勢を私はまだ見たことがありません。 



死んだカラスの羽根に群がるシデムシの幼虫

2023年7月上旬・午後12:20頃・晴れ 

平地のスギ防風林の林床にタヌキなどが歩く獣道が形成されています。 
定点観察のためにホンドタヌキの溜め糞場phから溜め糞場wbcへ獣道を辿って歩いていると、腐りかけたカラスの死骸が獣道の真ん中に転がっていました。 
骨も肉もほとんど残ってなくて、数枚の黒い羽根だけでした。 
頭部が無いとカラスの種類(ハシブトガラスかハシボソガラスか)を見分けることが出来ません。 
おそらく死肉食性の野生動物が死んだカラスをどこかで見つけ、死骸を運んでいく途中で落とした羽根なのでしょう。
カラスも死肉食の掃除屋ですけど、仲間の死骸を共食いすることはあるのでしょうか?
 
通い慣れた獣道にある日突然現れたので、ここで死んだカラスが生物分解された訳ではありません。
スギ林をねぐらとするカラスが死んで、樹上で腐った死骸の一部が地面に落ちたという可能性も考えられます。

腐りかけたカラスの羽根に、黒くて三葉虫のような体型をしたシデムシ類の幼虫が群がっていました。 (種名不詳)
落枝を使って羽根を裏返してみてもシデムシ成虫の姿がなかったので、私には幼虫の種類を見分けられません。
近くの溜め糞場でよく見かけるクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の幼虫ですかね?
他には微小なハエも来ていました。 

鬱蒼としたスギ林の中は日差しが遮られて薄暗いのに、かなり蒸し暑い日でした。 
写真の後で動画も撮ろうとしたのですけど、先を急ぐ用事があって焦っていた上にあまりの暑さで頭がボーッとしていた私は動画撮影が雑になってしまいました。
不用意に近づいたら、シデムシの幼虫は散り散りに素早く逃げてしまいました。


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・舘野鴻『しでむし

全景写真の中央の上下に獣道が走る。

扇風行動で巣内を冷やすコガタスズメバチ♀

 



2023年7月中旬・午前11:45頃・晴れ 

物置小屋の軒先に営巣したコガタスズメバチVespa analis insularis)のコロニーを定点観察しています。 
前回と比べて巣の形状ががらっと様変わりしていました。 
外皮が少し大きく成長して、球形というよりも、やや滴状の形になりました。
初ワーカー♀が羽化したので、初期巣に特有の煙突状の細長い巣口は完全に撤去されていました。 
この撤去作業を観察・撮影するのが私のミッシング・リンクになっているのですが、残念ながら今季も見逃してしまいました。 
新たな巣口として、外皮の底部の側面に丸くて大きな穴が開いていました。 

巣口が大きいので中の様子が結構よく見えます。 
中から外をじっと見張っている大型の個体は創設女王です。 
巣内で少なくとももう1匹の内役ワーカーが動き回っていました。 
巣口に顔を出したものの、飛び立って外役に出かけませんでした。 
巣盤の育房の一部は白い繭のキャップで覆われています。 (繭の中で蛹が育っています。) 

巣口の縁から外皮に乗り出した門衛♀が単独で扇風行動をしていました。 
巣内の気温が高くなり過ぎると幼虫や蛹の発生に悪影響を及ぼすので、巣内に冷風を送り込んでいるのです。 
コガタスズメバチの巣口がこんなに大きな例を私は初めて見たかもしれません。
特に暑い日には巣内に熱気がこもらないように、臨機応変に巣口をかじり取って大きく広げるのかもしれません。
後で巣口を狭くするのもスズメバチにとっては朝飯前です。





扇風行動をストロボ写真で記録する際に、羽ばたきが止まって見えるようにもっとシャッタースピードを上げるべきでした。 
ハイスピード動画でも扇風行動を撮りたかったです。 
しかし現場に長居していると、近所の人に怪しまれてしまいます。 
せっかく人通りのない時間帯を狙って来たのに、コガタスズメバチの巣の存在を気づかれたら最後、大騒ぎになり駆除されてしまうでしょう。 
手早く撮影を済ませ、そそくさと現場から立ち去りました。 
とにかく焦っていた私は、肝心の気温を計るのも忘れてしまいました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→? 
残念ながら、定点観察できたのはこの日が最後でした。 
予想通り、ここでもコガタスズメバチの巣は丸ごと駆除されてしまいました。 
スズメバチにとっても蜂好きにとっても、受難の時代が続きます。 
各種スズメバチの生活史を撮影するプロジェクトが遅々として進まないのは、定点観察の途中で巣が駆除されてしまうからです。 
人目を忍んで細心の注意を払ってコソコソ通わないとスズメバチの観察ができないのは、ストレスでもあり、情けなくなります。 
コガタスズメバチは攻撃性が高くないので、蜂を刺激しなければ、専用の防護服も着用しないで普通に撮影することが可能です。
(黒い服を着るのは避け、黒髪を帽子で覆い、香水や整髪料は使わないなど、服装には注意が必要です)


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2024/04/01

朝の二次林をうろつく夏毛のホンドテン【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬・午前7:00・気温20℃・晴れ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、ある朝、夏毛のホンドテンMartes melampus melampus)が久しぶりに登場しました。 
鮮やかな黄色い毛皮は昼間の林内でかなり目立ちます。 
右から来たもののアナグマの巣穴にはなぜか立ち寄らず、奥の二次林へ立ち去りました。 
最後は画面の右上隅(遠方)にちらっと写りました。 



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トリアシショウマの花蜜を吸うメスグロヒョウモン♂

 

2023年7月中旬・午後12:05頃・くもり 

山道の横に咲いたトリアシショウマの群落でメスグロヒョウモン♂(Damora sagana)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
半開きの翅を軽く開閉しながら吸蜜しています。 
翅が無傷できれいな個体でした。 

ヒョウモンチョウの仲間は翅裏の斑紋を見ないと同定が難しいのですが、なかなかしっかり見せてくれません。 
念じながら待っていると、後半にようやく向きを変えてくれて、メスグロヒョウモン♂と判明しました。

2024/03/31

古い巣穴に一時帰還して中の様子を調べるニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が生まれ育った営巣地(セット)から他所へ転出した後も自動センサーカメラで監視を続けています。 


シーン1:7/7・午後16:20頃・くもり(@0:00〜) 
まだ明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/11・午前4:39 (@0:04〜) 
日の出時刻は午前4:22。
日が昇った直後の旧営巣地に右からアナグマ成獣が来て、左へノソノソと歩いてました。 
画角の外の巣穴Lを経由して左から手前に回り込むと、巣口Rを覗き込んでその匂いを頻りに嗅いでいます。 
そのまま巣穴Rrの中に潜り込んだのですが、入巣の際に後ろ姿の股間に睾丸が見えたので♂と判明しました。(@0:33〜) 
つまり、単独で戻ってきたのは母親♀ではなくヘルパー♂でした。


シーン3:7/11・午前4:40(@0:45〜)
トレイルカメラの起動が間に合わず(35秒後)、おそらくヘルパー♂が巣穴Rrから外に出て来るシーンを撮り損ねてしまったようです。 
右へ立ち去る前に二次林の中で立ち止まり、身震いしました。 

旧営巣地に久しぶりに戻ってきたヘルパー♂が、巣穴の内部の点検(内見)だけして帰ったようです。 
最近ホンドタヌキ(尻尾に黒班▼)が巣穴Rに(ときどき?)住み着いているようなのですが、アナグマのヘルパー♂は積極的に巣穴を奪い返すつもりはないようです。
「同じ穴のむじな)」の実態はなんとも微妙な関係で、時間をずらしてシェアしているのが面白いですね。


私の観察では今のところ、ヘルパー♂は縄張りを巡回したり採餌に出かける際はいつも単独行動しています。
母子の群れとはいつも別行動なので、離乳前後の子育てを果たしてヘルプしているのかどうか疑問です。
この点が本で読む話とは大きく異なります。(鈴木欣司『アナグマ・ファミリーの1年』など)
トレイルカメラが登場する前の時代にアナグマ家族を餌付けした古い観察記録なので、餌場で見られた行動の多くは餌付けの影響を強く受けた不自然な行動ではないのか?と私は密かに疑ってしまいます。
それとも私が見ている当地のニホンアナグマ個体群の暮らしぶりは一風変わっているのでしょうか?
長期で観察を続けてみないと何とも言えません。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


コガタスズメバチにベーツ擬態するオオナガハナアブ♀の身繕い・飛翔

 

2023年7月中旬・午後12:05頃・くもり 

里山の雑木林を抜ける林道を歩いていると、オオバクロモジの葉の上に見慣れないアブを見つけました。 
後で調べてみると、オオナガハナアブ♀(Spilomyia gigantea)という希少種でした。 
都道府県によってはレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているのですが、ここ山形県では特に指定されていませんでした。 

コガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀と瓜二つで、驚くほど見事なベイツ型擬態です。 
ただしオオナガハナアブの複眼は頭部と同じくオレンジ色で、この点は改善の余地がありそうです。 
ちなみに、コガタスズメバチの複眼は茶色です。
左右の前脚を揃えて拝むように擦り合わせ、身繕いしていました。 
接写するために私がレンズをそっと近づけると、オオナガハナアブ♀は警戒したのか左右の前脚を同時に上げて万歳しました。 
スズメバチの長い触角を模した行動なのでしょうか?
しかしスズメバチは触角の先を下に向けていることが多い気がします。(下の写真を参照) 
腹部をピクピクと前方に軽く屈曲させているのは、スズメバチ♀が毒針で刺す行動を真似て威嚇しているのかもしれません。(行動擬態) 
もしオオナガハナアブ♀を生け捕りにしたら、腹端で私の指を刺す真似をするかどうか、確かめてみたいものです。 



擬態のブラフが通用しないと悟ると、オオナガハナアブ♀はブーン♪と蜂のような羽音を立てて、急に左へ飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
最後に擬態者(オオナガハナアブ♀)とモデル(コガタスズメバチ♀)の比較写真をスライドショーで示します。 


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比較として、擬態のモデルと思われるコガタスズメバチ♀の写真を載せておきます。
(全て私が過去に撮った写真で、スライドショーの素材にしました。)

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