2019/12/31

エクリプスのマガモ♂♀が夏の水路で採食(野鳥)



2019年8月下旬・午後12:30頃

街なかから川の本流に流れ込む水路で見慣れない地味なカモが2羽遊泳していました。
カモ類のつがいならば通常、外見で性的二型があるはずです。
よく見ると、1羽は嘴が黄色っぽいのでマガモAnas platyrhynchos)のエクリプス♂と判明しました。
もう1羽の嘴は橙と黒で汚れたような色をしているので、マガモ♀でした。
そもそも私にとってマガモは冬鳥という認識で、夏に見かけるのは初めかもしれません。

エクリプスとは、

天体の日食などの、食という意味。もともとは輝きを失うことだが、鳥ではカモ類の♂の夏から秋にかけての非生殖羽を指す。 (『マルチメディア鳥類図鑑』より引用)



カモ類の雄は派手な体色をするものが多いが、繁殖期を過ぎた後、一時的に雌のような地味な羽色になるものがおり、その状態を指す。エクリプス羽(英:eclipse plumage)。もともとは日食や月食などの食を意味する。 (wikipediaより引用)

マガモの場合、

非繁殖期のオスはメスとよく似た羽色(エクリプス)になるが、くちばしの黄色が残るので区別できる。 (wikipediaより引用)


ところで、この水路はいつも洗剤の人工的な匂いが漂い、水面が泡立っています。
水質汚染が環境や生き物に及ぼす悪影響が気がかりでなりません。
工場や銭湯の排水が川に垂れ流されている違法状態ではないかと疑っているのですけど、どこに通報すれば良いのですかね?
告発・通報する前に、自分でもCOD(化学的酸素要求量)BOD(生物化学的酸素要求量)などを測って水質調査してみたいところです。



繁殖期が終わったのに、2羽のマガモは付かず離れずクルクルと川面を泳ぎ回っていました。
マガモ♀♂は洗剤で白い泡だらけの水面を嘴でつついています。
水面の白い泡を何か餌だと誤認しているのかもしれません。
逆立ちしての潜水採食をしないのが不思議でした。
どうして水質のきれいな(ましな)本流で採食しないのでしょう?
水質汚濁による富栄養化で食植性の水鳥が集まってきてしまうのかな?
汚水とともに流れてくる虫の死骸を食べているのだとしたら最悪です(生物濃縮が心配)。

しかしマガモは草食性のはずですし、泡立つ水面で実際に何を啄んでいたのか採食メニューは不明です。
鳥は羽繕いの際に尾腺から分泌する脂分を羽根に塗り広げます。
水鳥が洗剤で汚染された川で活動していたら、その脂分が洗い落とされて羽根の撥水性が失われてしまうのではないでしょうか?

私がそっと近づいて撮ろうとすると、警戒したマガモ♀♂は川の流れに乗って逃げてしまいました。


【追記】
カモの♂は渡りの前、外敵に襲われにくくするため♀と同じような羽色の羽根に換羽してから渡って来ます。この状態をエクリプスと言います。
♂がエクリプスになる理由を書いてある本を読んだのは初めてで、なるほどと納得しました。


マガモ♀(野鳥)@川面遊泳
マガモ♂エクリプス(野鳥)@川面遊泳+採食

池で単独産卵するギンヤンマ♀



2019年8月下旬・午後13:25頃

ギンヤンマ♀(Anax parthenope julius)が公園の池で単独で産卵していました。
池から生えた枯枝に掴まり、腹端だけを水中に浸しています。
腹端の産卵管で探っているものの、細い枯枝(枯死植物)の樹皮にうまく突き刺せないようです。
翅が黒っぽく染まっていないということは、老熟個体ではなくて産卵経験が浅い個体なのでしょう。
側面から見ると、脚の腿節は赤褐色で、複眼および胸部は鮮やかな黄緑色でした。

枯枝から急に飛び立つと、近くで縄張りを張っていたシオカラトンボ♂が背後から追いかけて来ました。
ギンヤンマ♀は少し飛んでから、池の岸の草むらに止まり直しました。
岸から垂れ下がったイネ科の草の葉にしがみ付くと、水面に浮いているイネ科の落葉に産卵管を突き刺そうとしています。
すぐにまた飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

今回、単独産卵中の♀を警護する♂の姿を近くで見かけませんでした。


図鑑『日本のトンボ』でギンヤンマの産卵について調べると、

産卵(Oviposition) 交尾を終えたペアは連結態のまま水面に飛来し、浮葉植物の葉や浮いた枯死植物などに産卵する。♀単独での産卵も行う。 (p207より引用)

▼関連記事(6年前の撮影)
ギンヤンマ♂♀の連結産卵


ギンヤンマ♀@池:枯枝+単独産卵
ギンヤンマ♀@池岸:イネ科草葉+単独産卵

2019/12/30

倒木に腰掛け体を掻くニホンザル



2019年7月下旬・午後7:45頃

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)が林縁の倒木に座って右腿をポリポリ掻いていました。
私に気づくと警戒して山林へ移動し身を隠しました。


ニホンザル@倒木

休息中に口吻を伸縮運動するジャノメチョウ



2019年8月下旬・午後13:12

河畔林の林縁でジャノメチョウMinois dryas bipunctata)が何か蔓植物(種名不詳)の葉に止まっていました。
直射日光は当たっていないのですが、翅を全開にして休んでいました。

ゼンマイ状の口吻をクルクルと伸縮させている行動が興味深く思いました。
葉に水滴や鳥の糞などは付いておらず、このジャノメチョウは葉の表面を舐めているのではありません。
蝶は羽化直後の成虫が似たような行動をして元々は2本に別れていた口吻を1本のストロー状に結合するのですが、この個体は翅が擦れていますし羽化直後ではありません。
もしかすると口吻に水分を少し吐き戻してから伸縮させ、気化熱で口元から体温を冷やしているのかな?と妄想を逞しくしてみました。
これを検証するために、解像度の高いサーモグラフィカメラで動画を撮ってみたいところです。

▼関連記事(1年前の撮影)
イチモンジセセリ?の舌舐めずり

急に前脚で顔(複眼?)を猛烈に拭ってから、飛び立ちました。
飛び去る瞬間の様子を1/5倍速のスローモーションでまずはご覧ください。


ジャノメチョウ@?葉上+口吻伸縮+身繕い

2019/12/29

離着陸を繰り返すオナガサナエ成熟♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午後14:00頃

川から少し離れた堤防上の路肩で見慣れないトンボが枯草の茎の天辺に静止していました。
図鑑で調べてみると、オナガサナエMelligomphus viridicostus)の成熟♀でした。
頭部をグリグリと動かし、辺りを油断なく見張っています。
ここで縄張りを張り、餌となる小さな昆虫が飛来するのを待ち伏せているようです。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@0:16〜)
首をねじってから、その方向に力強く羽ばたいて離陸しました。
すぐに左へ急旋回し、同じ枯れ茎に舞い戻って来ました。
着陸の寸前まで脚を胴体に縮めていることが分かります。
止まる向きも同じでした。
空中での狩りは失敗だったようで、獲物は捕らえていませんでした。

次はカメラを三脚に固定してハイスピード動画を撮りながら、私がトンボに近づいて飛び立たせました。
オナガサナエ♀は前方に急速発進して逃げ、少し離れた笹の葉に止まり直しました。

しつこく同一個体の撮影を続けます。
ハイスピード動画を撮りながら、笹を揺らして強制的に飛び立たせてみました。
するとオナガサナエ♀はすぐ隣の葉先に止まり直しました。



つづく→警戒心の薄い鈍感なオナガサナエ成熟♀【ハイスピード動画】

オナガサナエ成熟♀c@枯茎天辺
オナガサナエ成熟♀c@枯茎天辺

オナガサナエ成熟♀c@笹葉

夜も岸から池の幼鳥を見守るカルガモ親鳥(野鳥)



2019年8月中旬・午後19:10頃(日の入り時刻は午後18:31)
▼前回の記事
真夏にカルガモとクサガメが集う池の岩場(野鳥)

日没40分後に蓮池の定点観察に来てみると、12日前の夜と同じく、カルガモAnas zonorhyncha)の親鳥(おそらく♀?)は岸壁の縁に座り込んでいました。
池を向いて辺りを油断なく監視しています。

岩場では2羽の幼鳥が未だ覚醒していて、羽繕いしていました。
オレンジ色の外灯(ナトリウムランプ)が一晩中煌々と点いているので、暗闇に紛れて夜行性の捕食者が忍びよろうとすればカルガモの群れはすぐに気づいて逃げ出すことができるでしょう。
このカルガモ一家は安全なねぐらを選んだのです。

1枚だけストロボを焚いて写真に撮っても親鳥は逃げませんでした。
人馴れしているというか、むしろ積極的にヒトの存在を当てにしている(ヒトに幼鳥を守ってもらう)のでしょう。

この池には他にも多数のカルガモが生息していますが、その多くはヒトから離れた対岸で休んでいます。

カルガモ親鳥はこうやって夜通し岸から幼鳥を見張っているのでしょうか?

それとも、夜が更けたら幼鳥と一緒に岩場で寝るのかな?
一度ぐらいは夜中にも観察すべきでした。


つづく→


カルガモ(野鳥)親鳥♀@夜:池畔+見張り

ヒメジョオンの花蜜を吸いながら脱糞するツメクサガ(蛾)



2019年8月下旬・午後12:55頃

河川敷に咲いたヒメジョオンの群落でツメクサガHeliothis maritima adaucta)が訪花していました。
翅を半開きのまま吸蜜しています。
腹部がかなり太いので♀なのかな?

その腹端下面が黄色に染まっているのは、ヒメジョオンの花粉なのでしょう。
ヒメジョオンの花に腹端を擦っているのなら、ツメクサガ♀は送粉者として働いていることになりそうです。
近接する花には飛ばずに歩いて移動しています。

吸蜜しながら腹端から黄色っぽい液状便を排泄しました。(@1:27)
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
直後に少し飛んで隣の花に移動したということは、飛び立つ前に少しでも軽量化するために排便したのでしょう。
羽化直後を除くと蛾の成虫の脱糞を見たのは初めてかもしれません。

最後は満腹になったようで、伸ばしていた口吻をクルクルとゼンマイ状に丸め、左前脚で左触角と複眼を拭ってから飛び立ちました。(@1:50)


▼関連記事(6年前にヒメジョオンの花で撮影)
飛べ!ツメクサガ【ハイスピード動画&HD動画】


ツメクサガ(蛾)@ヒメジョオン訪花吸蜜
ツメクサガ(蛾)@ヒメジョオン訪花吸蜜

2019/12/28

ミゾソバの花蜜を吸うハラアカヤドリハキリバチ【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午後14:20頃・くもり

道端に咲いたミゾソバの群落でハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ)Euaspis basalis)が忙しなく訪花していました。
口吻を差し込んで吸蜜していました。
この組み合わせは初見です。

本種の性別の見分け方を私は知りません。
オオハキリバチの巣に寄生する労働寄生種なので♀も腹部下面のスコパが退化しており、スコパの有無で性別判定できないのです。

同一個体をひたすら追いかけて撮影していると、ちょっと面白い事件がありました。
ミゾソバの群落に混じって生えていたツユクサの蕾に一度だけ止まり吸蜜を試みました。(@1:29)
しかしツユクサには蜜腺がありませんし、労働寄生種のハラアカヤドリハキリバチは♀も花粉を集めませんから、ツユクサの花(および蕾)に用はありません。
その後はちゃんと学習して、ミゾソバでの吸蜜に専念しています。

忙しない訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:18〜)
スローモーションで見ると、風揺れや手ブレも気にならなくなります。
すぐ隣の花に移動するときは、わざわざ飛ばずに省エネのために渡り歩くようです。
最後のシーンで、飛来したハナバチと正面からニアミスし、ハナバチは逃げるように慌てて飛び去りました。
寄主のオオハキリバチではないものの、スコパが一瞬見えた気がしたのでハキリバチの一種♀だと思います。



つづく→ハラアカヤドリハキリバチがミゾソバの花で身繕い

ハラアカヤドリハキリバチ@ミゾソバ訪花吸蜜
ハラアカヤドリハキリバチ@ミゾソバ訪花吸蜜
ハラアカヤドリハキリバチ@ミゾソバ訪花吸蜜

追いかけっこして遊ぶニホンザルの群れ



2019年7月下旬・午前7:20頃

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の子猿2頭が山麓の土手に座って草を採食しています。
用水路に向かって急に走り出し、追いかけっこをしながら手摺に跳び乗りました。
そのまま手摺の上を伝い歩き、手摺に座っていた成獣(母親?)に合流。
更に2頭の子猿たちが横から走って現れ、次々とフェンスをよじ登りました。
子猿たちは朝から元気いっぱいで、互いに鬼ごっこのように遊び始めました。
成獣の毛繕いをする子猿もいます。(対他毛繕い)


ニホンザル子猿2@土手+草採食

寄生植物アメリカネナシカズラの花蜜を吸うヒメアカタテハ



2019年8月下旬・午前10:48

川沿いの堤防でイタドリに寄生しながら蔓延るアメリカネナシカズラの群落でヒメアカタテハVanessa cardui)が訪花していました。
翅を開閉しながら吸蜜しています。
翅の縁がかなり破損した個体でした。

残念ながら、カメラのピントが合った途端に飛び去ってしまいました。
飛び立つ様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
少し飛ぶと奥に生えたヨモギの葉に止まったので、もしかすると♀が食草に産卵したのかもしれません。

寄生植物ネナシカズラを訪花する蝶は初見だったので、ちょっと興奮しました。

▼関連記事(2年前の撮影)
寄生植物アメリカネナシカズラの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀
寄生植物アメリカネナシカズラの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀


アメリカネナシカズラ花(寄主イタドリ)

2019/12/27

スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午前10:45頃・晴れ

河川敷の一角に苔の大群落が広がっていて、そこでノシメトンボ♀♂(Sympetrum infuscatum)の連結ペアが多数集まり、低く飛びながら産卵していました。

前日の晩に久しぶりの雨が降ったのに、河川敷に水溜まりはできていませんでした。
連日の酷暑で、よほど地面が乾いていたのでしょう。
私は苔について勉強不足なのですが、ノシメトンボが卵を産んでいたのはスギゴケですかね?
もし間違っていたらご指摘願います。
ふわふわしたコケの表面に触れてみたら、それほど湿り気を感じませんでした。
この日の天気は秋晴れで(秋の空)、風も適度に吹いて過ごしやすい撮影日和でした。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜)
スローモーションを見て分かったのですが、♀が腹端で苔の表面を打つ産卵法ではありませんでした。
空中で♀が腹端から白い卵をパラパラと放出していました。
ノシメトンボの産卵法は、連結打空産卵です。


打空産卵:Non-contact flying oviposition
例:ナツアカネ

生殖弁による産卵のなかには空中で腹端を振るだけで産卵する「打空産卵」も行われています。その多くは水面上ではなく、岸近くの草原や湿原の上で行う産卵です。卵はやがて雨で流されて徐々に水中に達して孵化します。(『トンボのすべて』p85より引用)



ノシメトンボの産卵法について保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIトンボ編』(1969年)という50年前の古い図鑑で調べると、

 一般的には開放的な水面に♂♀が連なって産卵するが、時として池畔の雑草の上などにも、水面ですると同じように尾端を打って産卵行動をすることが観察されている。(p185より引用)
…と明らかに間違った記述(連結打水産卵)でした。


最新のトンボ図鑑では打空産卵が定説になっています。

誰がいつ真相に気づいたのか? どうやって定説を覆し学会を説得したのか? という科学史に私は興味があります。
産卵中に決定的瞬間の証拠写真が偶然撮れたのですかね?
1枚の写真だけでは白い点のような卵が空中に写っていても、にわかには信じてもらえない気がします。
その点、素人でもハイスピード動画が手軽に撮れるようになった現代では一目瞭然で、説得力がまるで違います。(百聞は一見に如かず)
それとも、ノシメトンボ♀の産卵弁の構造を解剖学的に検討すれば打水産卵ではなく打空産卵と正しく推測できるのでしょうか?


過去に私がノシメトンボの産卵を観察したのは全て田んぼの稲穂の上でした。
秋の田んぼは水が抜かれていて、まるで湿地のようです。
本種は水のある場所には産卵しないとのことで、納得しました。

▼関連記事
ノシメトンボの連結打空産卵 (5年前の撮影@田んぼの稲穂の上)
ノシメトンボ♀♂の交尾と連結打空産卵 (3年前の撮影@田んぼの稲穂の上)


つづく→連結打空産卵中にほとんど羽ばたかないノシメトンボ♀の事例【ハイスピード動画】



【追記】
一年後に同じ河川敷の少し離れた別の場所で、ノシメトンボが変わった産卵法をしていました。


50年以上前の古い図鑑『原色日本昆虫生態図鑑IIトンボ編』(1969年)の記述が間違っていないことが分かりました。
時として池畔の雑草の上などにも、水面ですると同じように尾端を打って産卵行動をする
普通種のトンボでも、行動を見ていくと一筋縄ではいかず奥が深いです。

ノシメトンボ♀♂@連結打空産卵:スギゴケ?+飛翔
ノシメトンボ♀♂@連結打空産卵:スギゴケ?+飛翔
ノシメトンボ♀♂@連結打空産卵:スギゴケ?+飛翔
スギゴケ?
スギゴケ?
スギゴケ?群落@河川敷・全景
スギゴケ?群落@河川敷・全景
スギゴケ?群落@河川敷・全景


カモガヤの穂から飛び立つ2羽のカワラヒワ(野鳥)



2019年6月中旬

堤防の土手に生えたカモガヤ(=オーチャードグラス)の群落で風になびく穂先にカワラヒワCarduelis sinica)が止まっていました。
しばらくすると少し飛んで奥の群落の茂みに隠れました。
飛翔中にも強風で煽られています。

枯れかけた穂先から飛び立つ様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
風で激しく揺れる穂に乗っている間も尾羽の動きで巧みにバランスを取っているようです。
飛び立つと翼の黄帯が目にも鮮やかです。


▼関連記事(3年前の撮影)
カモガヤの穂に止まるカワラヒワ(野鳥)

種子食性のカワラヒワがカモガヤの穂先で実をついばむシーンを撮りたいのですが、警戒心が強くてなかなか近づけません。


カワラヒワ(野鳥)@カモガヤ穂

2019/12/26

オオアワダチソウの花で食事するコアオハナムグリ緑色型



2019年8月下旬

河畔林の林縁に咲いたオオアワダチソウの群落でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。

花に頭を突っ込んで花蜜や花粉を食べています。
風が吹くと花穂が揺れて撮影しにくいので、左手で花穂の先を指で摘んで固定してから動画を撮りました。

つづく→オオアワダチソウの花で食餌する赤銅型のコアオハナムグリ


コアオハナムグリ緑色型@オオアワダチソウ訪花+摂食

喧嘩中にミズキの木に登って飛び降りるニホンザル



2019年7月下旬・午前7:53

山麓で土手の斜面を登っていた野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)が座り込むと目の前の草を摘んで口にしました。(採食メニューは不明)

上から木の葉や小枝がバラバラと降ってくるのは、近くにそびえ立つハンノキとミズキの大木の樹上で別個体が活動しているからです。

しばらくすると、土手で3頭が格闘遊びを始めました。
悲鳴を上げながら一進一退の追いかけっこ(鬼ごっこ?)をしています。
本気で噛み付いたりはしていないので、シリアスな喧嘩ではなくじゃれ合いだと思います。
争いの合間の休戦中に土手の草を手でむしり取って採食。(メニューは不明)

1頭が土手を駆け下りてミズキの樹上に避難すると、もう1頭もすかさず木登りで追いかけます。
樹上で追い詰められた個体はブランコ遊びのようにミズキの横枝にぶら下がってから、土手に飛び降りました。
地上からミズキの枝葉を掴んで登り、再び樹上に戻りました。


▼関連記事
杉の枝でブランコ遊びを楽しむニホンザル(白猿を含む群れ)
ミズキの木の枝にぶら下がって遊ぶ白猿♀(野生ニホンザル)

スピーディーかつダイナミックな格闘遊びを特等席で観戦できて、とても見応えがありました。(大興奮!)


ニホンザル2@土手+格闘遊び:鬼ごっこ

2019/12/25

ツユクサの花粉を集めるクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午前11:20頃

道端に咲いたツユクサの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
この組み合わせは初見でした。
ツユクサは「朝咲いた花が昼しぼむ」性質がありますから、午前中にフィールドに出ないと訪花昆虫の活動は見れないのでしょう。

クロマルハナバチ♀は後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を満載しています。
花から花へと忙しなく飛び回りますが、採餌ルートはさほどシステマチック(効率的)ではなく、ほぼランダムのように見えます。
花畑をなるべく無駄無く巡回した方が良いと思うのですが、マルハナバチは一度採餌した花を記憶したり目印を付けたりしているのでしょうか?
小さな脳でどうやって巡回セールスマン問題を解いているのでしょう?
花の直前でホバリング(停飛)しただけで着陸せずに飛び去ることも多い点が興味深く思いました。
雄蕊の花粉量を瞬時に吟味して、花粉が少ない花を敬遠しているのでしょう。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:25〜)
蜂がツユクサの花に着陸すると体重で茎が大きくしなります。
採餌中に花から滑落しても慌てずに空中ですぐに姿勢を立て直し、次の花へ飛んで行きます。(@7:02)
空中で両足を擦り合わせているものの、口吻は伸ばしていません。(吸蜜してないので当然ですね)

森田竜義・濁川朋也『花の性型の可塑性:雄花を咲かせるツユクサの不思議な性表現』によると、

ツユクサの花には蜜腺がない。訪花昆虫に報酬として提供するのは花粉のみということになる。
花粉報酬花と呼ばれるこの性質…  (『花の自然史:美しさの進化学』第16章 p229より引用)



田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でツユクサを調べると、

両性花。蜜はなく餌は花粉だけ。奥の3つの雄しべが偽花粉を出す。
偽の花粉をつくる花。花には3つのタイプの雄しべがあり、花の中心に3本ある最も派手で黄色い雄しべが偽花粉を作る。黄色は昆虫にとって餌のサイン。誘われてその雄しべをなめているうちに、花の前方に伸びている雄しべの本当の花粉を昆虫の尻につけるのだ。昆虫に気づかれないようにと、(受精能力がある)本当の花粉をつくる雄しべは地味だ。(p75より引用)

本書の解説でツユクサの主な送粉者は「ハナアブ・小形のハナバチ」を想定していますが、大型のクロマルハナバチも訪花していることが今回の観察で分かりました。


▼関連記事(1年前の撮影)
ツユクサの花粉を舐めホバリングするホソヒラタアブ♀




クロマルハナバチ♀@ツユクサ訪花集粉
クロマルハナバチ♀@ツユクサ訪花+飛翔

真夏にカルガモとクサガメが集う池の岩場(野鳥)



2019年8月中旬・午後12:35頃

定点観察している蓮池の岩場にこの日は2羽のカルガモAnas zonorhyncha)が乗って念入りに羽繕いしていました。
羽繕いの後は片足を持ち上げて同側の顔を掻いたりしています。
翼や首、脚をグィーっと伸ばすストレッチ運動も行いました。
素人目には成鳥に見えますが、ようやく幼鳥の羽が生え揃ったのかな?

別の岩に1頭のクサガメMauremys reevesii)が乗って甲羅干ししていました。
岩場をカルガモに占領されているせいで、他の亀は上陸できないのでしょうか?
カルガモが岩場から亀を追い払う攻撃的な占有行動を見たことはありませんが、平和主義の亀は遠慮しているのかもしれません。

この日のクサガメは甲羅だけ日光浴しており、頭部はハスの葉陰に隠れている点が興味深く思いました。
これはたまたまでしょうか?
亀も日射病にならないよう気をつけているのかな?
昨年も同様の体勢になっているクサガメを見ています。

▼関連記事(1年前の撮影)
甲羅干し中の日射病に気をつけるクサガメ?♂

長時間の微速度撮影で記録すれば、亀が頭部への直射日光を避けようとして岩場で少しずつ位置を変えているかどうか、分かるはずです。



つづく→夜も岸から池の幼鳥を見守るカルガモ親鳥(野鳥)

クサガメ@蓮池:岩場+甲羅干し
クサガメ@蓮池:岩場+甲羅干し・全景
カルガモ2(野鳥)@蓮池:岩場+羽繕い+ストレッチ運動

2019/12/24

スイレンの葉で離着陸を繰り返すナツアカネ未成熟♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月中旬・午後12:15頃

睡蓮池でナツアカネSympetrum darwinianum)の未成熟♂がスイレンの葉の縁に止まっていました。
翅を深く下げて休んでいる間も、頭部をグリグリ動かして辺りを油断なく見張っています。
獲物を待ち伏せしているのでしょう。
私が撮影アングルのため少し岸に近づいてもトンボは逃げませんでした。

しばらくすると、ナツアカネ未熟♂は腹端を太陽に向けてやや持ち上げました。(@1:04)
これはオベリスク姿勢と呼ばれる避暑(体温調節)の行動で、体に日光が当たる面積を少なくしています。
スイレンの葉に落ちたトンボの影の長さの変化に注目して下さい。
(しかし影の長さは最小になっていませんでした。)
気温を測れなかったのが残念です。

急に飛び立ったものの、すぐに元の場所に舞い戻って来ました。(@1:20)
空中で獲物を捕らえ損ねたようです。
着陸直後に体の向きを太陽に対して微調節しました。

スイレンの葉に離着陸を繰り返す様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:28〜)
離陸後すぐに脚を胴体に引きつけて飛翔時の空気抵抗を減らしています。
辺りを一回りしてから戻って来ると、格納していた脚を出して着陸します。
動画に撮りながら足で蹴るふりをして何度飛び立たせてもすぐに同じ場所に舞い戻って来ます。(縄張り占有行動)


ナツアカネ未成熟♂:背面@スイレン葉
ナツアカネ未成熟♂:側面@スイレン葉
ナツアカネ未成熟♂:側面@スイレン葉
ナツアカネ未成熟♂:側面@スイレン葉+避暑:オベリスク姿勢

猿害対策の銃声を聞いても動じない野生ニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前7:47

山麓の水路沿いで野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが散開しています。
鳴き交わしている猿の鳴き声が響き渡ります。
どの個体に注目して撮るべきか目移りしてしまいます。

転落防止フェンスの手摺の上を歩いて来る個体を撮っていると、パーン♪と銃声のような破裂音が少し遠くから聞こえました。(@0:35)
ニホンザルの群れが里の集落に降りてきて果樹園や田畑の農作物を食い荒らさないように(猿害対策)、近隣住民が爆竹や空砲を鳴らしているようです。
ところが、5回連発の銃声が山麓にこだましても、猿の群れは逃げるどころか全く気にしていません。
各々が平然と遊動、採食、遊びを続けています。
水路に出入りしている個体もいます。
草の生えた土手に白猿♀(白変種の若い個体)も現れ、別個体と格闘遊びを始めました。

山里で暮らすニホンザルにとってこんな銃声は日常茶飯事で馴れてしまい、危険性が無い虚仮威しだと見抜いているのかもしれません。
集落からニホンザルの群れを追い払いたいのであれば、専門的に訓練されたイヌ(モンキードッグ)を放つのが最も安上がりで有効だろうと私は考えます。



▼関連記事(6年前の撮影)
猿害対策の爆竹の効果


2019/12/23

飛べ!ジャノメチョウ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午前11:45頃

ニセアカシアの灌木が立ち並ぶ河畔林と堤防の間に挟まれた小径でこの日は初見の蝶に多数出会いました。

かなり大型のジャノメチョウ科の仲間でした。
帰ってから図鑑と見比べると、いわゆる本家(元祖)のジャノメチョウMinois dryas bipunctata)と判明。
通い慣れたフィールドでも今まで見落としていた大型の蝶がいることに我ながら驚きます。

この♀個体は日陰の桑の灌木に止まって休んでいました。
初めは翅を開閉していたのに、後半は翅をしっかり閉じて休みます。
トレードマークの眼状紋(目玉模様)が綺麗ですね。
やがて小雨が少しぱらつき始めました。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:19〜)
珍しく今回は横着せずに三脚を使っています。
セッティングが少し面倒ですけど、狙いを定めて撮り始めてから私が被写体に近づけば飛んで逃げますので、独りでも蝶の飛び立ちを簡単に撮れます。
今までは手持ちカメラで撮りながら蝶が飛んでくれるまでひたすら待つか、物を投げつけて強引に飛び立たせていました。
しかし三脚のセッティング中に蝶が飛んで逃げてしまうこともあるので、一長一短です。


ジャノメチョウ♀:翅裏@桑灌木枝+休息
ジャノメチョウ♀:翅表@桑灌木枝+休息
ジャノメチョウ♀:翅裏@桑灌木枝+休息・全景


ムクドリの群れが隊列を組んで芝生の虫を捕食(野鳥)



2019年8月中旬・午後14:00頃

公園の芝生でムクドリSturnus cineraceus)の群れが分散してバッタなどの昆虫を捕食していました。
各個体が思い思いに捕食しているように初めは見えました。
歩兵部隊のように横一列になって行進することがあったのは偶然かな?
そうすると虫を公園の隅に追い立てながら効率的に捕食できていました。
逃げる虫を小走りで追いかけて捕食する個体もいます。
ドローンを飛ばして上空からムクドリが群れで狩りをする動きを俯瞰で空撮したら面白そうです。

数えてみると、ムクドリは計26羽でした。(カウント漏れがありそう)
羽の色が薄い個体は幼鳥(若鳥)です。
この時期の幼鳥はもう親鳥に餌乞いせずに自分で採餌していました。
歩行中に嘴を半開きにしているのは、暑さに喘いでいるのでしょう。



▼関連記事(2年前の撮影)
芝生で虫を捕食し奪い合うムクドリの群れ(野鳥)


ムクドリ(野鳥)群れ@公園:芝生+虫捕食
ムクドリ(野鳥)群れ@公園:芝生+虫捕食
ムクドリ(野鳥)群れ@公園:芝生+虫捕食

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