2025/08/23

砂防ダムの堰堤で助走からロンダートするついでにススキの葉を食べる若いニホンザル

 

2024年6月中旬・午前11:00頃・晴れ 

里山から流れ出る沢を山麓の砂防ダムがいったん堰き止めています。 
その砂防ダムに野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが集まっていました。 

独りで右から来たお調子者の子猿が、コンクリートの堰堤に両手をついて逆立ち?しかけました。 
その場に座り、痒い体を手で掻いてから左へ小走りに消えました。

何気ないシーンでしたが、1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:10〜)、実は子猿が一瞬で色んなことを素早くやっていました。 
右から助走してきた子猿が、砂防ダムのコンクリートの隙間から生えたススキの葉先を通りすがりにかじって食べていました。 


ちょっとスピードを出し過ぎた助走から急停止するために、体操の技のロンダートを決めたようです。 (やや中途半端?)
子猿が遊びで逆立ちしたときに興奮で失禁し、小便を撒き散らしたように見えたのですが(いわゆる「嬉ション」)、何度もスロー再生すると私の錯覚だったようです。 
このコンクリート堰堤から落ちると大怪我しそうな高さですが、堰堤の幅は230cmで余裕があります。
高所も平気なニホンザルにとっては、こんな軽業も朝飯前です。
しかし高所恐怖症のヒトにとっては、まるで細い平均台の上で助走からのローンダートを決めながらアクロバティックに採食しているようで、見ているだけで恐怖を覚えるかもしれません。

この子猿の性別を私にはしっかり見分けられません。 
一瞬見えた股間に小さな陰茎らしきものが見えたものの、睾丸は見えませんでした。 
素人目には若い♀のような気がするのですけど、胸に乳首は見えません。 

子猿は砂防ダムでススキを採食すると(文字通り道草を食うと)、座ってもぐもぐと口で咀嚼しています。 


【アフィリエイト】 

深夜の水場に来たフクロウ:6月下旬【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)を設置しています。 

ある一晩に登場したフクロウ(Strix uralensis)の様子を以下にまとめました。 


シーン1:6/26・午前3:02(@0:04〜) 
画面左端の水溜まりに来たフクロウが水浴しているようです。
フクロウは監視カメラに撮られることを嫌って、死角に隠れているのでしょうか? 
他には、コウモリが繰り返し飛来しています。 


シーン2:6/26・午前3:23(@0:45〜) 
いつの間にか水溜りの対岸に上陸していたフクロウの後ろ姿が写っています。 
振り返って周囲を警戒してから、音もなく羽ばたいて右上奥へ飛び去りました。 


シーン3:6/26・午前3:32(@0:56〜) 
手前の浅い水溜まりにフクロウが足を浸していました。 
左此岸にピョンと上陸すると、左奥の水面をじっと見つめています。 
水場に来る小動物を待ち伏せして狩ろうとしているのかもしれません。 
諦めたのか、やがて方向転換すると、右上に飛び立ちました。 


2025/08/22

ニホンアナグマ♀が縄張り侵入者を撃退する間に営巣地で独り留守番する幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬・午後20:50頃 

シーン1:6/29・午後20:48・気温22℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の母親♀と幼獣1頭が夜の巣外で活動しています。 
母親♀が二次林の右奥を凝視してから、急に獣道を右に向かって突進して行きました。 
アナグマの営巣地(セット)や縄張りに来た侵入者を追い払いに向かったのでしょうか? 
幼獣は慌てて巣穴Lに逃げ込みました。 
このとき母親♀が幼獣に対して避難するように警戒声を発したかどうか、という点が気になります。 
音量を上げて何度も聞き直すと、カッカッ♪という音がかすかに聞こえますが(@0:07〜)、アナグマの鳴き声なのかカメラのノイズなのか、いまいち自信がありません。 

幼獣は巣口Rで上半身を出して周囲を警戒してから、結局は後退で巣穴Lに入りました。


シーン2:6/29・午後20:50(@0:47〜) 
警戒を解いて巣穴Lから延びるアクセストレンチで独り遊びしていた幼獣が、巣穴Lに戻りました。 
独りで留守番するアナグマ幼獣が小声で散発的に吠えていたのは、寂しくて母親を呼ぶ声なのかな? 
すぐにまた巣口Lから外に出てきました。 
身震いしてから獣道を右に歩き出し、母親を探しに行ったようです。 

言葉では表現しにくいのですが、シーン1から遠くでジュルジュルジュル…♪とかビルビルビル…♪というような音がずっと聞こえています。(ジェジェジェビーム? ただのノイズ?) 
監視カメラの死角から母親♀が鳴き続けているのでしょうか?
幼獣が言うことを聞かずに巣穴の外に出てきてしまっているので、警戒声の意味ではなさそうです。 


シーン3:6/29・午後20:51(@1:47〜)
留守番する幼獣が小声で吠えながら、獣道を右往左往しています。 
母親♀がなかなか戻ってこないので、私も心配になってきました。 
しばらくすると、静かになりました。 


シーン4:6/29・午後20:53(@2:36〜) 
ようやく母親♀が獣道を右から営巣地に戻ってきました。 
巣口Lでググ、ググ♪(グルル♪?)と低く鳴いてから、中に潜り込みました。 

入巣L後は謎の連続音(ジェジェジェビーム♪?)が聞こえなくなり、辺りは静かになりました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
アナグマの縄張りに何者が不法侵入したのか、最後まで分からずじまいでした。 
前回イノシシ母子が営巣地にずかずかと侵入した際にアナグマの母親♀は巣穴に籠城するだけだったのに、今回は積極的に追い払いに向かったということは、今回の敵はあまり大きくない動物(タヌキやネコなど)ではないかと想像しています。 



今回登場した幼獣は1匹だけでした。 
他の兄弟姉妹3匹がどこにいるのか、不明です。 


ヒメアオキの果実に形成された虫こぶ(アオキミフクレフシ)から羽化したアオキミタマバエ♀♂

 

2024年5月上旬 

里山で林内の低層に自生する常緑のヒメアオキ群落に果実が赤く色づき始めました。 
ほとんどの果実が寄生されているようで、いびつな形状の虫こぶ(虫瘤、虫えい)が形成されています。 
虫えいの和名は「植物名+部位+形+フシ」を付ける原則があるのに、ヒメアオキの果実にできる虫こぶの名前は「ヒメアオキミフクレフシ」ではなくて、アオキ属全体の果実虫こぶとして「アオキミフクレフシ」でまとめられるて呼ばれているのだそうです。 
そもそもヒメアオキとアオキは別種に別れてはおらず、変種の扱いです。
(日本の太平洋側の暖温帯林下に自生するアオキの日本海側多雪地帯型の変種がヒメアオキ。)

この虫こぶを数個採集し、家に持ち帰りました。 
採集時の動画を撮り忘れたので、動画の冒頭はスライドショーで写真を見せます。
100円ショップで買えるプラスチック製のピルケースは、採集した虫や抜け殻、果実、虫こぶなどの小物を収納するのに重宝しています。 


『虫こぶハンドブック』でアオキミフクレフシについて調べると
寄主:アオキ(ヒメアオキ) 
形成者:アオキミタマバエ Asphondylia aucubae 
形状:果実が変形する虫えい。内部は数個の虫室があり、1幼虫を含む。南日本で正常果より小さく、北日本やヒメアオキではやや大きくなる傾向がある。虫えい化した果実の方が、枝に残ることが多い。 
生活史:6月に羽化し、幼果に産卵。1齢幼虫で虫えい内越冬。 (p53 より引用)


2日後に様子を見ると、ピルケース内でアオキミタマバエ(Asphondylia aucubae)の成虫♀♂が羽化していました。 
慌ててカメラにマクロレンズを装着し、動画で記録しました。
ピルケースの1区画のサイズは、2.0 x 1.8 x 1.5 cm。
アオキミタマバエはプラスチックのつるつるした垂直壁面をよじ登れないようですが、蓋を開けると、次々に飛んで逃げてしまいます。 
虫こぶ(ヒメアオキミフクレフシ)の表面に仰向けになって落ちたときに羽根がへばりつき、動けなくなっている個体がいました。 

アオキミタマバエの性別の見分け方をよく知らないのですが、きっと腹部が太い個体が♀で、細い個体が♂なのでしょう。 
複眼の形状に性的二型はありませんでした。 
羽化直後に交尾している♀♂ペアはいませんでした。 
アオキミタマバエに二次寄生した寄生蜂などは羽化していませんでした。



文献検索してみると、山形大学の研究グループによる面白そうな論文がヒットしました。
山口良彦; 林田光祐. アオキミタマバエによる虫えい形成がヒメアオキの実生更新に及ぼす影響. 日本森林学会誌, 2009, 91.3: 159-167. 

抄録 
東北日本海側のコナラ林において, 常緑低木ヒメアオキの果実の成熟から実生の定着までの繁殖過程とそれに対する三つの生物間相互作用の影響を調べ, 虫えい形成者による散布前捕食の相対的な重要性について評価した。0.25 haの調査区内のすべての果実を調べたところ, アオキミタマバエの寄生による虫えい形成果の割合が1998年生で57%, 1999年生で77%と高い値を示した。虫えい形成果の種子含有率は1∼2割であり, 散布前捕食が種子生産を大きく減少させていた。一方, 健全果は渡り途中のヒヨドリによってごく短期間にほぼ完全に消費され, 種子が散布された。野ねずみによる種子の摂食は確認されたが, 播種した種子の消失率は1割以下であり, 散布後の種子捕食圧は強くなかったと推察される。発芽率は8割以上と高く, 実生の生存率も低くなかった。以上のことから, 本調査地のヒメアオキ個体群では, 虫えい形成者による果実への寄生が実生更新の重大な阻害要因であることが示唆される。 




2024年5月下旬 
平地のスギ防風林でもヒメアオキの群落を見つけたので、熟果を探してみました。 
赤く熟した果実は全て歪に変形している虫こぶ(アオキミフクレフシ)ばかりで、寄生率が非常に高いことが分かります。 
果皮に張りがなくて皺くちゃの虫こぶはもう古いのかな? 
黒い穴はアオキミタマバエ成虫の羽化孔で、ひとつの果実から数匹が羽化したことが分かります。 
しかし、付近にアオキミタマバエを見つけられませんでした。 
私の悪い癖で、接写しながらカメラを忙しなく動かしてしまい、動画酔いしそうです。 
仕方がないので、1/2倍速のスローモーションでお見せします。 

鳥や動物による種子散布を調査する準備段階として様々な植物の種子を集めているのですが、ヒメアオキの種子を採取するために寄生されていない熟果(正常果)をいくら探しても今季は見つけられませんでした。 
ヒヨドリなど果実食性の鳥がヒメアオキの正常果を片っ端から選択的に食べてしまうのだそうです。 
ちなみに、虫こぶ(アオキミフクレフシ)の中では種子が正常に形成されません。
いずれフィールドにトレイルカメラを設置して、鳥がヒメアオキの実を食べに来る決定的な証拠映像を撮影してみたいものです。 
虫こぶ(アオキミフクレフシ)を忌避して正常果を選り好みする様子を実際に観察するのが次の目標です。 


※ Perplexity AIと問答を繰り返して、勉強しながらこの記事を書きました。


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2025/08/21

山中の湿地で夜に水を飲み採食する2頭のニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像:フィールドサイン】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/24・午後12:41・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:00〜) 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
様々な野生動物や野鳥が水場として利用する、湧き水や雨水が溜まった水溜りを2台の自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/27・午後20:11(@0:07〜) 
ある晩にニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)が登場しました。 
水溜まりSに口をつけて泥水を飲んでいます。 
飲み終わると、そのまま此岸の泥濘を右へ向かいます。 
今回のイノシシは単独ではなく、後続個体が縦列でついて歩いていました。 
普通なら母子なのですけど、今回のペアには体格差がありません。 
なんとなく、若い兄弟姉妹のような気がします。 
ただし体表に縦縞模様はありませんでした。(ウリ坊ではない)。
横から腹面を見ても、乳房や乳首、外性器などは見当たりません。 


シーン2:6/27・午後20:11(@0:29〜) 
湿地帯の反対側に設置した監視カメラでも続きが写っていました。
2頭のイノシシは、湿地の泥濘を右から左へゆっくり歩いています。 
先行個体はどんどん左へ立ち去りますが、後続個体は一箇所に立ち止まっています。 
鼻面で泥濘を掘り返し、餌を探しているのでしょう(採食行動)。

残念ながら、手前の泥水溜りNには近づきませんでした。


シーン3:6/27・午後20:12(@1:12〜)
後続個体が対岸の左奥で立ち止まり、林縁で何か採食しているようです。 
左に立ち去った後で、イノシシが重低音で鳴く声♪がかすかに聞こえました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


シーン4:6/28・午後13:10・(@0:00〜) 
翌日に現場検証すると、前夜に来たイノシシは、水が澄んだ浅い水溜りではなく、わざわざ白濁した左の深い水溜りから水を飲んでいたようです。 

約17時間前にイノシシ2頭が続けて歩いた泥濘に、蹄の跡がくっきりと残っていました。 
私はまだフィールドでニホンカモシカとニホンイノシシの蹄跡をしっかり見分けられる自信がないのですけど、今回はトレイルカメラの証拠動画が残っているので、間違いなくイノシシの足跡です。 

イノシシの足跡はスギ林の方へ向かっていました。 
採食痕のフィールドサインも現場でじっくり撮影すべきでしたね。


余談ですが、「所さんの目がテン!」という動物系長寿番組の2024年8月18日放送回は、「いきものの森SP:見られなくなった植物復活?タイムカプセル実験」というタイトルでした。 
埋土種子の発芽実験を実演した上で、「イノシシやアナグマなど、表土(腐葉土)を大規模に掘り返す動物は、撹乱して埋土種子が発芽しやすくしているのかもしれない」と専門家がコメントしておられました。 
ヒトのせいでイノシシやアナグマが絶滅した森は、植物の多様性が予想以上に劣化し、貧弱で貧相な森になってしまうでしょう。


ブロック塀の下で昼寝するイエネコ(キジトラ)

 

2024年5月中旬・午後12:35頃・晴れ 

郊外の住宅地で、ブロック塀の下、側溝(融雪溝)の横の細いスペースにイエネコ(Felis silvestris catus)がのんびり寝そべっていました。 
目をつぶって昼寝しています。 
寝顔にズームインすると、口から舌を少し出していました。 
焦げ茶色の濃淡が複雑な毛並み(太り気味のキジトラ?)でした。
ブロック塀の下は日向と日陰の微妙な境界になっていて、ほどよく温かくて暑すぎない場所なのでしょう。

私が横を歩いて通り過ぎても猫は起きなかったので、振り返ってから撮影しました。
昼寝しながらも私の足音を油断なく聞いているはずですが、野生動物では考えられないほど飼い猫は無防備です。


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2025/08/20

セットで暮らすニホンアナグマの家族:6/24昼夜の諸行動【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬・午前0:03〜午後17:44・ときどき小雨 

平地の二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)の親子(母親♀と幼獣4頭)が転入してきた営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
6/24に撮れた記録をまとめました。 
最後は記録メディアの容量を使い切ってしまいました。 

面白そうな行動は個別の記事で紹介したので、その残り物です。 
採食、毛繕い、遊びなどの行動が写っています。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


ヒョウタンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

 

2024年6月中旬・午後14:00頃・晴れ 

河畔林に咲いていたキンギンボク(別名ヒョウタンボク)のマント群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:08〜)、花筒に潜り込む正当訪花をしないで穿孔盗蜜を繰り返していました。 

キンギンボクの萎れかけた白い花筒の根元を外側から噛んで小さな穴を開け、そこから口吻を差し込んで花蜜を吸っています。 
正当訪花する昆虫と違って花筒の中にある雄しべにも雌しべにも触れませんから、クマバチはキンギンボクの授粉に一切関与しないことになります。 
集粉しませんから、クマバチ♀の花粉籠は空荷です。
キンギンボクの群落で他の花にも根元に盗蜜痕が残っています。


関連記事(4年前の撮影)▶ キンギンボクの花で穿孔盗蜜するクマバチ♀

2025/08/19

ニホンザルと白斑ススキ

 

2024年6月下旬・午前11:00頃・くもり 

山麓の民家の裏庭の端でニホンザル(Macaca fuscata fuscata)が背を向けて座っています。 
立ち上がって遊動するまで撮り続けるつもりだったのですが、周囲で群れのメンバーが様々な行動を繰り広げているために、目移りしてしまいました。 

この記事のメインはニホンザルではなく、その横に生えていた斑入りの園芸植物についてです。 
調べてみたら色々と面白いことが分かったので、紹介します。
まるでクマザサのように葉身の両側の縁が白くなっている(隈取りがある)イネ科の植物です。 
ChatGPTに相談し、写真も検討してもらうと、斑入りのススキと教えてもらいました。 
植物の斑入りには様々なタイプが知られていますが、このススキは縁斑(えんふ)です。

再確認:画像の植物の特徴

  • イネ科で葉が細長く、立ち上がり気味。

  • 白い縁取り(縁斑)が明瞭で、葉幅は中程度。

  • 群落形成している。

  • 植栽地:山形県の山麓の裏庭(耐寒性必須)

  • 撮影時期:6月下旬(十分展開している)


結論:やはり最有力候補は

Miscanthus sinensis 'Variegatus'(斑入りススキ)


理由(山形県の環境と整合性がある点)

  1. 耐寒性が高い(東北地方で越冬可)
     Miscanthus sinensisは在来種ススキと同種であり、耐寒性が非常に高く、山形県でも屋外越冬が可能です。海外品種(例:‘Cosmopolitan’)は地域によっては冬枯れが激しくなることもあるためやや不利。

  2. 葉の展開時期が早く、6月下旬で十分育っている
     ‘Morning Light’など一部の細葉品種は春の立ち上がりがやや遅く、6月下旬ではまだボリューム不足な場合もあります。‘Variegatus’は早めに展開する傾向があります。

  3. 庭園用途での定番斑入りススキ
     日本の民家の庭では、最もよく植えられてきた「斑入りススキ」はこの‘Variegatus’(日本語では単に「斑入りススキ」)で、昭和〜平成期の和風庭園や公園で頻繁に見られました。


ニホンザルは野生株のススキの葉を食べることがあるのですが、今回の個体は斑入りススキを採食しませんでした。
葉全体が緑色の正常な野生株と比べて、白斑ススキはサルにとって栄養価が低い(と判断した)のでしょう。

関連記事(8、9年前の撮影)▶  


ススキは風媒花で、種子も風散布される植物です。
斑入りの品種が風任せで近所にどんどん分布を広げているようには見えないのは不思議です。なぜでしょうか?

ススキは通常、種子によって風散布されますが、斑入り園芸品種(たとえば 'Variegatus')が自然分布を広げることはほとんどありません。その理由は、以下のような遺伝的・生理的・繁殖的制限によるものです。


理由1:斑入りはしばしば劣性または不安定な変異で、種子に遺伝しにくい

  • 斑入り(特に縁斑)は、多くの場合、色素合成に関わる遺伝子の変異によって生じます。

  • これはしばしば**栄養変異(体細胞変異)**であり、種子を通して子に安定して遺伝しないことが多い。

  • 仮に種子ができても、斑のない(緑一色の)実生になる可能性が高い。

→ よって、「風で飛んだ種から新たな斑入り個体が生える」ことは非常にまれ。


理由2:斑入り品種は種子をほとんどつけないことがある

  • 一部の斑入りススキ園芸品種は、

    • 花芽が形成されにくい

    • 花粉が不稔(不完全)

    • 種子がほとんど実らない(不稔性)
      などの性質を持っていることがあります。

  • これは、園芸的に選抜された変異株であるため、野生の繁殖力とは異なる場合があるのです。

→ そのため、そもそも風で散布できる種子ができないというケースも多い。


理由3:斑入りは光合成効率が落ちるため、野外では競争力が低い

  • 白い部分には葉緑体が少ない(または欠如)しており、光合成効率が緑葉より劣る。

  • 自然環境では、緑葉型に比べて成長・生存に不利になる。

  • たとえ実生や株分けで逸出しても、雑草型のススキ(緑葉)に駆逐されやすい。

→ 野生環境では定着しにくく、拡散力が低い。


理由4:広がる場合は主に地下茎(栄養繁殖)による

  • 'Variegatus'などは地下茎で少しずつ広がるが、それは植えられた場所の近傍に限定される。

  • 自然分布のように広範囲に散布されることはほとんどない。


補足:例外もあるが極めて稀

  • ごくまれに、斑入り形質を種子を通じて遺伝可能な系統もありますが、

  • それは非常に限られた交雑系統や栄養固定化された特殊株であり、

  • 一般に庭園に植えられている‘Variegatus’のような品種では起きにくい現象です。


まとめ

斑入りススキ園芸品種が近所に自然に拡散しない主な理由は:

  1. 種子に斑入りが遺伝しにくい(栄養変異)

  2. 花や種子が不稔のことがある

  3. 光合成能力が劣り、自然環境で競争力がない

  4. 繁殖しても地下茎による局地的な広がりのみ


このため、斑入りススキが**「庭にあるのに、周囲には広がらない」のはごく自然な現象です。
もし逸出していたとしても、それは
緑葉型の実生(原種返り)**である可能性が高いでしょう。


つまり、斑入りススキは地下茎のクローンで増やす園芸品種らしい。

Miscanthus sinensis 'Variegatus' は百年以上にわたって世界各地の庭園に生き続けている、まさに「園芸植物の古典」と言える存在です。

しかもこの品種は、地下茎によって安定してクローン維持され、極寒にも耐える丈夫さを持ち、美しい斑入りを毎年確実に再現する──という点で、遺伝的にも環境適応的にも非常に優秀な系統です。


縁斑とは別のタイプの斑入り品種のススキも見たことがあるのを思い出しました。

昔の記憶を頼りに、後日写真を撮りに某集落へ行ってきたら、タカノハススキでした。


ススキ(Miscanthus sinensis)には「縁斑」以外にも、さまざまなタイプの斑入り品種が存在し、日本では古くから**和名付きの系統(地方名や意匠名)**として親しまれてきました。

以下に、代表的な斑のタイプごとにススキの品種名と特徴を整理します。


◼️ ススキの斑入り品種の分類(代表例)

斑のタイプ品種名(和名)特徴備考
縁斑(えんふ)白斑ススキ、‘Variegatus’葉の縁が白く抜ける最も一般的。海外でも人気
中斑(ちゅうふ)タカノハススキ(鷹の羽薄)葉の中央に太く白または黄の筋鷹の羽の模様に例える。華やか
縞斑(しまふ)ヤハズススキ(矢筈薄)葉に細い白筋が多数並行に入る“矢筈”模様に見立て
矢羽状散斑ヤバネススキ(矢羽薄)不規則な白斑が左右交互に出る(矢羽模様)細かな白斑が点在・交錯する
点斑・モザイク状斑点ススキ(仮称)まばらな点斑稀に見られる。葉緑体の変異由来
全体白化型(極端な白化)シロススキ、白覆輪ススキなど白地にわずかな緑縞栄養が乏しく成育がやや劣る

◼️ それぞれの品種の特徴を少し詳しく

● タカノハススキ(鷹の羽薄)

  • 葉の中央に明瞭な太い黄白色の筋

  • 鷹の羽根のような勇壮な姿から命名

  • 江戸時代から観賞用に使われる伝統的品種

  • 夏〜秋にかけて斑が明瞭になる

● ヤハズススキ(矢筈薄)

  • 細くシャープな白い縞が平行に数本ずつ入る

  • 葉の縁や中央のラインが複数走り、スタイリッシュ

  • やや繊細な外観で、茶庭などにも使われる

● ヤバネススキ(矢羽薄)

  • 葉の表面に不規則な白斑が左右交互に斜めに交錯する

  • 独特の装飾性で、名前どおり矢羽根に見えることから命名


◼️ 斑入りススキ品種の文化的背景

  • これらの品種は、日本の伝統園芸において「意匠的な美しさ」が重視され、名前に**動物や武具の名(鷹、矢筈、矢羽など)**を用いてきました。

  • 鑑賞されるのは、花穂よりも葉の美しさ・風に揺れる姿。

  • 茶庭や坪庭、路地植えに利用され、季節の移ろいを表す植物として愛されてきました。

 

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斑入り植物百科: 美しい銘品から話題の珍品まで! (別冊趣味の山野草)

休耕地で採食するキジ♂が合間に母衣打ち♪【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月下旬・午前10:05頃・晴れ 

休耕地らしき原っぱの端っこでキジ♂(Phasianus versicolor)が歩きながら地面をあちこち啄んで食事をしています。 
原っぱの奥にある雑草の茂みや雑木林にいつでも逃げ込めるように、林縁から離れずに採食しています。 
しかし草丈の高い茂みの中ではなく、もっと開けた見晴らしの良い原っぱで採食するのがキジ本来の好みのようです。 

私の背後の車道をトラックや普通車両が次々と騒々しく走行しても、だいぶ距離が離れているので、キジは気にしません。 

母衣(ほろ)打ちが撮れるまで、じっくり長撮りしてみました。 
採食の合間にときどき立ち止まってやや背伸びをしても、キジ♂はなかなか鳴いてくれません。 
全身の羽毛を逆立てて身震いすることもありました。 

ようやく、縄張り宣言の母衣打ち♪を披露してくれました。(@5:44〜) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@6:17〜)、ケンケーンと大声で絶叫する前後で素早く3+9回羽ばたいていました。 
この力強い羽ばたきによって、ドドドド…♪という重低音のビートが鳴き声の伴奏になります。 
母衣打ちの際に瞬膜が一瞬閉じています。 

胸元の羽毛を嘴で整えてから(羽繕い)、採食を再開。 

繁殖期のキジ♂は定期的に鳴くので、次は240-fpsのハイスピード動画でも母衣(ほろ)打ちを録画しようと、同一個体を辛抱強く撮り続けました(@6:32〜)。 
やはりこの個体は、3+9回羽ばたいて母衣打ちしていました。


2025/08/18

昼間に営巣地で欠伸するニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/24・午前11:54・気温24℃(@0:00〜) 
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の母親が2つの巣口LRの中間地点に座って休みながら、口を大きく開いて欠伸をしました。 
おもむろに立ち上がると巣口Lに歩み寄り、痒い体を掻きました。 
移動の際に、腹面に乳房と乳首が見えます。 
巣口Lで出迎えてくれた2匹の幼獣を母親♀が順番に対他毛繕いしてやります。 

昼前なのにモノクロで録画されたのは、夏は林冠に鬱蒼と葉が茂って日光を遮り、かなり薄暗いからです。 


シーン2:6/24・午後17:23(@0:56〜) 
同じ日の夕方、留守番する幼獣の姿が巣口Lに写っています。 
画面右の林床で採餌していた母親♀が営巣地(セット)にノソノソと戻ってきました。 
体を掻き、欠伸してから巣穴Lに入りました。 
この個体には、モノクロでも右腰に白斑が認められます。 


セラスチウム(シロミミナグサ)の花蜜を吸うベニシジミ夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月上旬・午前10:05頃・くもり 

民家の花壇に咲いた見慣れない園芸植物の群落で夏型のベニシジミ(Lycaena phlaeas daimio)が訪花していました。 
私は園芸植物に疎いので、Googleレンズで画像検索したところ、白い花の名前がセラスチウム(別名シロミミナグサ、ナツユキソウ)と判明。 

曇天のため、少しでも日光を浴びようとベニシジミは翅を半開きのまま吸蜜しています。 
少し飛んで別の花に止まり直し、次々に吸蜜しています。 

ベニシジミが花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:38〜)

2025/08/17

アナグマの空き巣を内見に通うホンドタヌキ♀♂:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬 

シーン0:6/11(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)の旧営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 
面白そうな行動は個別の記事に取り上げたので、今回は残り物です。 
アナグマの家族がセットに転入してくる前の出来事です。 


シーン1:6/12(@0:07〜) 
暗い夜に何度も登場し、アナグマの巣穴L(空き巣)を頻繁に内検しています。 
そんなに気に入ったのなら住み付けばよいのに、巣内Lで何をしているのか不明です。 
春に巣内Lで餓死した「いざりタヌキ」の死骸が白骨化して奥に転がっているはずなので、それが気になるのでしょうか? 
(まさか仲間の墓参りに来ている?) 
穴居性の虫や死骸に群がるスカベンジャーの虫を捕食しにタヌキはせっせと通っているのかな? 


シーン2:6/14(@4:09〜) 
もう一つの巣穴Rもたまに内検しています。 


 シーン3:6/15(@6:13〜) 

シーン4:6/17(@7:02〜) 

シーン5:6/18(@10:40〜) 
夜だけでなく、明るい日中にも登場しました。 


シーン6:6/19(@16:54〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


池畔のハルニレ枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【微速度撮影#6】

 



2024年6月下旬〜7月上旬

モリアオガエル(Rhacophorus arboreus)の繁殖池で、岸辺に自生する灌木に白い泡巣が産み付けられる様子を長期間観察しています。 
タイムラプス専用カメラを使い、午前5:30〜午後18:00のタイマー設定で1分間隔のインターバル撮影を行いました。 
 丸1週間分(7日間)の記録です(6/28〜7/5)。 
梅雨の雨で池の水量がだいぶ増えました。

トレイルカメラと同じく、タイムラプス撮影は、初めに画角をどう決めるかが全てです。 
ハルニレの灌木に産み付けられた新鮮な白い泡巣が画面の右手前に写るように画角を決めました。 
(画角をもっと右に向けるべきだしたね。) 
画面の中央には対岸のマユミ灌木の枝葉に古い泡巣が写っているのですが、少し遠いです。 

撮れたタイムラプス動画を見ると、モリアオガエルの繁殖期はもう終わったのか、この期間に新たに泡巣は追加されませんでした。 
(カメラの画角内に作られなかっただけで、現場検証すると泡巣は別な場所に増えていました。)

曇ったり雨が降ったりする度に、ハルニレの枝葉が池の水面に向かってしなりながら垂れ下がります。 
晴れると枝に張りが戻ります。 
日照が少なくて植物の光合成が低下すると、細胞の膨圧が低下して垂れ下がるのでしょうか。 
それにしては変形運動(萎凋?)の度合いが大き過ぎる気がします。 
細い葉柄が膨圧の低下で垂れ下がるのは理解できるのですが、剛性があるはずの木質の枝まで垂れ下がるのが不思議でした。 
よくよく考えてみると、枝が垂れ下がる理由はもっと単純ですね。
雨が降るとハルニレの葉やスポンジ状のモリアオガエル泡巣が濡れてたっぷり吸水し、重くなった結果、枝が大きくしなるのでしょう。 
晴れると濡れた泡巣が乾燥して軽くなり、枝の弾性で元に戻ります。 

7/3〜4に大雨が降っている間に、ハルニレの枝が大きく垂れ下がり、モリアオガエルの泡巣が見えなくなりました。 
雨が上がってハルニレの枝葉が起き上がると、産み付けられていたモリアオガエルの泡巣は、ほとんど溶け落ちていました。 
このときにモリアオガエルの幼生(オタマジャクシ)は水中に脱出したようです。 
モリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちる一部始終をタイムラプス動画で記録したかったのですが、枝が大きくしなることも予想して画角を決める必要があり、難しいです。

溶けかけた泡巣の写真にモリアオガエルの幼生が写っていました。

7月上旬に撮影。



対岸のマユミ灌木に産み付けられた古い泡巣も、この期間に溶けたようです。

干上がりかけた池の対岸を左から右へ歩いて移動した鳥はキジバトかな?(@5:55〜) 


※ 雨がよく降る野外でタイムラプス専用カメラを設置する際には、透明プラスチックの防水ケースに収納しています。 
レンズの部分には眼鏡の曇り止めをスプレーしたら、雨の水滴をよく弾き、すぐに乾くようになりました。 
(レンズの表面に直接スプレーしたのではなく、防水ケースの表面にスプレーしました。) 
さらに、カメラの天井部に雨よけの庇(ひさし)を取り付けたら、梅雨の大雨でもレンズはあまり濡れませんでした。 
下敷きのような薄いプラスチックをハサミで適当に切って、庇を自作しました。 


余談ですが、画面左奥のスギ林床や対岸の水際で蔓植物の先端の成長点がぐるぐると時計回り(上から見下ろしたときの回転の向き)で回旋運動していました。 
タイムラプス動画を4倍速で再生するとよく分かるのですが、YouTubeでは2倍速までしか早回しできません。 
現場に自生する蔓植物として、クズ、ツルウメモドキ、サルトリイバラ、フジ、ツルマサキなどが候補として考えられます。
しかし、回旋運動が時計回りというだけでは蔓植物の種類を全く絞り込めません。 
成長する蔓植物の運動も面白そうなテーマなので、いずれ改めてじっくり微速度撮影してみるつもりです。 


※ いつものように、Perplexity AIと相談しながら記事を書きました。 


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