2026/09/05

池で煮干しの争奪戦を繰り広げるクロゲンゴロウの群れ

 



2026年4月下旬・午後14:30頃・晴れ・気温24℃・水温20℃(煮干しを給餌した岸辺) 

山麓の池Lに煮干しを投入してしばらくすると、水中を泳ぎ回っていた複数個体のクロゲンゴロウ(Cybister brevis)が煮干しの匂いを嗅ぎつけて集まってきました。 
同種間で餌をシェアするかと思いきや、独り占めしようとする占有行動(争奪戦)が勃発しました。 

同じ煮干しを巡ってクロゲンゴロウ同士が争っているというよりも、協力して餌を解体し始めた、という見方もできそうです。 
煮干しを噛んで引きちぎると、自分の分け前を持って急いで泳ぎ去ります。 
対岸の抽水植物の茂み(スゲの根元)などに隠れ、持ち込んだ餌をゆっくりと食べるのです。 
餌から滲み出る匂いが拡散しにくい場所を隠れ家として選んでいるようです。 
そこなら鳥などの捕食者からも見つかりにくくて安全です。 
しかし、隠れ家でも餌の独り占めは長く続きません。 
遅かれ早かれ煮干しの匂いが水中に拡散するために、周囲を泳いで探索していたクロゲンゴロウが集まってきてしまい、再び争奪戦が勃発することになります。 

ヤマアカガエル(Rana ornativentris)の幼生も一部の個体が煮干しに群がって食べ始めました。 
意外にも、クロゲンゴロウは同じ餌に群がるオタマジャクシに対して攻撃や捕食することはありませんでした。 
しかしクロゲンゴロウがオタマジャクシに対して寛容な訳ではありません。 
しばらくすると、クロゲンゴロウは息継ぎするために煮干しを抱えたまま水面まで浮上し、ついでにライバルのオタマジャクシから逃れて安全な隠れ家まで持ち去りました。 

クロゲンゴロウは、煮干しの争奪戦の最中にも定期的に浮上して水面で息継ぎする必要があります。 
しかし、息継ぎした直後に急いで潜水しても、池の底に沈んでいる煮干しを見失うことがありました。 
ライバルが息継ぎでいなくなった隙に、残った個体が急いで煮干しを持ち去る事例も多いです。 
つまり、息継ぎするのはせっかく手に入れた餌を失うリスクがあるのです。 
大庭伸也 編『ゲンゴロウ類の生態学』という専門書を読んでみると、まさしくこの問題を取り上げていました。
水深が浅い水域においては、息継ぎ後に餌を再発見できる確率が高いため、餌を置き去りにする。一方、水深が深い水域においては息継ぎ後に餌を再発見できる確率が低いため、餌を持ち去る戦略をとることが多いという。 (p94より引用)
同じ餌を巡ってライバルがいる間は、息継ぎするのをなるべく我慢しないといけません。 
ゲンゴロウは鞘翅の下に空気の層を溜め込みますから、大きな酸素ボンベを持っている大型の個体の方が長時間潜水できて有利なのでしょうか?
しかし、大型の個体が水中を激しく泳ぎ回ると、酸素の消費量も多そうです。


定点観察に通う池でクロゲンゴロウに煮干しを給餌したら、今回はドラマチックな展開となり、面白い動画が撮れました! 
水生昆虫のクロゲンゴロウはとても優秀なスカベンジャー(死骸の掃除屋)であることがよく分かりました。 
こうして水中の死骸をクロゲンゴロウが寄って集ってきれいに食べ尽くし、池の水質はきれいに保たれます。 

今回、餌として用意した煮干しは無塩タイプです。
予め頭部を取り除き、背骨に沿って半分に割ってから投入しました。 
煮干しを丸ごと池に投入すると、水中のクロゲンゴロウが餌に気づくまで長引くようです。
食べ残しが出ると水質を汚染するので、各池に1匹ずつしか煮干しを給餌していません。 

水中を泳ぐクロゲンゴロウは、角度によって鞘翅が緑色を帯びて見えることがありました。 
3〜4匹のクロゲンゴロウが煮干しに群がって奪い合いを繰り広げると、なかなか迫力があります。 
水底の泥を激しくかき回すので、水がどんどん濁って観察しにくくなります。


つづく→

春の夜に林内のタヌキ営巣地を別々にうろつく2匹のイエネコ:4月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬〜下旬 

シーン0:4/17・午後14:44・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:4/17・午後15:24・晴れ(@0:03〜) 
春の二次林でホンドタヌキやニホンアナグマが出入りする巣穴を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの掘った営巣地(セット)でした。 

イエネコ(Felis silvestris catus)の登場シーンをまとめました。 
赤外線の暗視カメラで撮れた夜行性の記録ばかりなので、毛並みの色は不明です。 


シーン1:4/19・午後21:07・気温14℃(@0:07〜) 
ある晩、白毛を基調とする三毛猫♀が現れました。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、横に座り込んで警戒しています。 

シーン2:4/19・午後21:13・気温17℃(@1:07〜)
同一個体と思われる三毛猫♀が、東からセットに戻って来ました。 
2つの巣口L/Rの間を横切ると、そのまま西の林内へ向かいました。 

シーン3:4/19・午後21:12・気温16℃(@1:23〜)
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
最後は朽ちた細い倒木の上を伝って、西へ立ち去りました。 


シーン4:4/21・午後23:10・気温5℃(@1:32〜) 
2日後の晩遅くに登場した猫は、明らかに三毛猫とは違いました。 
モノクロの暗視映像では毛並みの色が分かりません。 
全身が白っぽく、薄い茶色の模様があちこちに入っているのではないか(茶ブチ)と想像しています。 

西から巣口Lに忍び足で来て、中を覗き込んでいます。 
最後は獣道を東へゆっくりと立ち去りました。 


【考察】 
毛並みの模様が異なる2匹のイエネコが単独で代わる代わるやって来ました。 
近所の家の飼い猫が夜の散歩に出歩いているようです。
夜の林内で野ネズミの巣穴を探しているのでしょう。 
イエネコが狩りをする決定的なシーンを私はまだトレイルカメラでまだ撮れていません。
野外を我が物顔に跳梁跋扈して野ネズミを狩る外来種のイエネコは、フクロウやホンドテン、ニホンイタチ、ホンドギツネなど在来種の猛禽や肉食獣の競合相手になります。

ネコが興味を示した巣穴Lは最近、アナグマが頻繁に整備したりマーキングしたりしています。
なぜかもう一つの巣穴Rに猫は2匹とも立ち寄りませんでした。



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つづく→

2026/09/04

田んぼの用水路で水を飲むキジ♀(野鳥)

 

2025年6月中旬・午後15:15頃・晴れ 

水田で農道を単独で歩くキジ♀(Phasianus versicolor)を見つけました。 
キジ♀も私の存在に気づいていて、どんどん奥へと逃げて行きます。 
田植え前に除草剤を撒いた農道の区画では枯草が広がっています。 
褐色系の迷彩模様を身にまとったキジ♀にとっては、緑の草地を歩くよりも保護色になっています。 
それを自覚していてキジ♀は奥へ奥へと逃げていたのかもしれません。 

逃げる途中で、畦道の横を流れる細い農業用水路からキジ♀が水を飲みました。 
よほど喉が渇いていたようで、私から逃げつつ場所を変えながら、何度も水を飲んでいます。 
用水路をピョンと飛び越えました。 
畦道を右に曲がると、最後は水田の中に入って水を飲んだようです。 

水飛沫を上げながら水を飲んだり、用水路を飛び越えたりする様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:21〜) 
キジ♀が流水の水面から顔を上げたら、嘴ですくい上げた水滴が前方に飛びました。 
もし私が怖がらせなければ、キジ♀は用水路内で落ち着いて水浴したのかな? 


キジが水を飲むシーンを初めて動画で記録できて嬉しかったのですが、デジカメ(Panasonic LUMIX DC-FZ85D-K)の手ブレ補正機能の副作用が酷いです。 
撮影を始めるまで私はカメラを起動したまま首からぶら下げて農道を歩いていました。 
私の歩行リズムを打ち消すようにカメラが手ブレを補正しようとするので、私が立ち止まって動画を撮り始めても横方向の不自然な振動が続いてしまうのです。 
動画を撮りながら私が画角の振動を打ち消そうとカメラを手で動かすほど逆効果で、不自然な振動が長く続くことになります。 
カメラの電源を一度切ってから再起動すればこの症状が直ることは分かっているのですが、再び動画が撮れるようになるまでかなりのタイムラグがあります。 
その間に生き物の面白い行動の決定的な瞬間を撮り逃がしてしまいがちで、これまで何度も悔しい思いをしてきました。 
そのため、私は我慢して動画を撮り続けるようにしています。 
何も撮れないよりも、ぶれている動画の方がはるかにマシだからです。(Better than nothing.)
別の裏技として、カメラの電源を切らずに、写真・動画をバックモニターで見る再生モードに切り替え、再び撮影モードに戻すと、手ブレ補正の暴走がリセットされることを後に知りました。 
カメラメーカーのPanasonicには、(電源を切らずに)この症状だけを素早く止める緊急リセットボタンを特別に用意してもらいたいものです。


菜の花を舐めるスイセンハナアブ♂

 

2025年5月下旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外の住宅地で民家の家庭菜園に咲いている菜の花に見慣れないハナアブが忙しなく訪花していました。 
口吻を伸縮させて、黄色い菜の花の花蜜や花粉を舐めています。 
後半は、菜の花に隣接するハルジオンにも一瞬だけ訪花しました。 

いつものように望遠マクロで虫を撮りたくても、菜の花の茂みが込み入っているため、AFで被写体にピントを合わせるのはまず無理です。 
仕方がないので、通常のマクロモードでレンズをそっと近づけて接写するしかありません。 
ハナアブが花から花へ飛び回る際に、プーン♪という羽音がかすかに聞こえます。

初めはクロマルハナバチ♀の小型個体またはコマルハナバチ♀かと騙されかけたのですけど、よく見るとベイツ型擬態のハナアブでした。 
胸部(襟元)が黒ではなく色が薄い(黄褐色)点では、クロマルハナバチよりもオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)っぽいかもしれません。
(しかし撮影地は平地なので、山地性のオオマルハナバチは生息していませんから、ベイツ擬態が成立しなくなってしまいます。)
顔を正面から見ると、左右の複眼が頭頂で接していたので♂と判明。 
後脚の腿節が黒くて太いです。 

今回の菜の花は園芸植物なのか、それともアブラナ科の野菜が花を咲かせたのか、真面目に検討していません。

謎のハナアブの名前を知りたくてGoogleレンズ(画像認識AI)を使ったら、スイセンハナアブ♂(Merodon equestris)とすぐに教えてくれました。 
スイセンなどの球根に幼虫が寄生する外来種らしい。 
輸入された園芸植物の球根と一緒に検疫をすり抜けて日本に侵入し、分布を広げているそうです。 
ベーツ擬態が中途半端でモデルがよく分からないのは、もともと日本在来種ではないからだと分かりました。

最近買った『ハナアブハンドブック』で調べ直すと、p93に掲載されていました。 
発生時期が5〜6月とのことで、ぴったり合います。 
スイセンハナアブは体色に変異型が色々とあるらしく(colour form多型の写真)、この個体は混合型(var. bulborumとvar. equestrisのどっち?)らしい。 
外来種のベーツ擬態の問題は考えてみるとかなり面白いので、改めて別の記事にします。(別個体の訪花シーンを映像公開予定)





余談ですが、2026年4月に出版された『ハナアブハンドブック』の書評を遅ればせながら少し書いておきます。 
ハナアブ専門の図鑑を長年待ち望んでいたので、調べ物の取っ掛かりとして本書はとてもありがたいです。 
紙の表紙にビニールカバーが被せられていて、野外に携帯しても汚れや摩耗から保護してくれそうです。 
しかし、肝心の図鑑編に掲載された各種ハナアブの写真が暗いのが不満です。 
文一総合出版のハンドブック・シリーズで共通したホワイトバック(背景が白色)の写真なのに、きちんとストロボを焚いていないのか、まるで蛍光灯の下で撮ったような暗い写真ばかりです。
細部の特徴が写真でよく分からないのでは、生物図鑑やハンドブックとして致命的な欠陥だと言わざるを得ません。 
もしかするとフラッシュを焚いているのに、斜めから撮っているせいかもしれません。 
ハナアブを同定するには背面と側面と顔正面の3枚ずつ、♀♂両方の写真を載せて欲しいのに、掲載写真を減らすため(コストカット)の苦肉の策として、本書では基本的に斜めから撮った写真が中心です。 
たとえばハナアブの世界というWEBサイトには、各種の標本写真がきれいにまとめてあって、今回も重宝しています。 
ハナアブ類の生態を説明した解説編の内容が充実していて本当に素晴らしいだけに、写真がとにかく残念です。 
出版社の編集者が心を鬼にして筆者に指摘する(撮り直しを命じる)べきでした。 
労作なのは重々承知の上で、筆者に対して酷な要求ですけど、写真を差し替えて改訂することを望みます。 


生物の図鑑は今後すべて紙ではなく電子書籍版で出版して欲しいというのが個人的な希望です。 
今さらですけど、電子書籍のメリットを列挙してみます。 
  • 電子書籍なら図鑑やハンドブックを何冊でもフィールドに持っていくことが可能になり、現場で調べることができます。 
  • 掲載するカラー写真の数を泣く泣く減らしたり、サイズを小さくトリミングしたり、カラー印刷のページだけ口絵としてまとめたりする必要が一切なくなります。 欲張りな私は、各種につき標本の写真も生態の写真も削らずに盛りだくさんに掲載してほしいのです。
  • 小さな文字が読みにくい読者は、虫眼鏡を使わなくても拡大して表示することができます。 写真も文字も小さな本は、老眼の高齢者への配慮を欠いています。 
  • 鳴き声の音声や行動の動画などマルチメディア素材との連携もスムーズになります。 1990年代にCD-ROMのマルチメディア図鑑が登場したときは革命的でした。感動・熱狂した当時と比べて、今の図鑑は明らかに使いにくく退化しています。 
  • 内容に訂正があれば、電子書籍ならすぐに反映できるはずです。


現状では伝統的な紙の出版文化を守ろうとして両方出し続けているために、色々と中途半端になっています。 
出版社の都合で、読者(消費者)の不満がいつまでも解消されません。 
電子書籍版と言いつつも、紙の書籍をスキャンした画像をまとめただけの粗悪な代物ばかりなのは、出版社の怠慢です。 
電子書籍の強みを遺憾なく発揮した編集になっていません。 
たとえば目次や索引からハイパーリンクで該当ページに直接飛べるように、最低限の編集をして欲しいものです。 
個人の有志が自費出版している電子書籍の図鑑には、すばらしい物があるので、技術的にできないとは言わせません。 
(たとえば『日本チョウ類E図鑑』など。)
大手の出版社もさっさと電子版に本格移行して欲しいものです。 
図鑑の未来は電子書籍にあると私は確信しています。 
子供向けの入門図鑑では、紙の書籍版も意味があるかもしれません。 
しかし、大人向けの専門的な図鑑は、すべて電子版にすべきだと私は考えます。 
紙の書籍で多くの種類を網羅しつつコンパクトで安価な図鑑にまとめるのは、もう限界でしょう。
料金は1冊毎の買い切りが私の好みですけど、いずれサブスク制が主流になりそうです。


2026/09/03

ドングリの落果を拾い果皮を剥いてから食べるニホンザル

 

2025年4月中旬・午前10:35頃・くもり 

春になって雪が溶けた後の山麓で遭遇した野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れを観察していると、ドングリの採食シーンが撮れました。 

シーン1:(@0:00〜) 
用水路沿いで、ニホンザル成獣が何か小さな餌を拾い食いしていました。 
左手に持っているのは、ドングリ(ブナ科の堅果)でした。 
右手で痒い体をボリボリ掻いてます。 
次に猿は、ドングリを両手の平に挟んで擦り合わせ、外側の土汚れを落としました。 
歯で噛んで果皮を器用に剥くと、中身の種子を美味そうに食べました。 

シーン2:(@0:35〜) 
次は若い個体が同じく用水路沿いで餌を探し歩いていました。 
クリのイガを手で転がし、落ち葉をめくったりしています。 
境界標に乗ったのは、棘だらけのイガグリを踏んで痛い思いをしないための無意識の知恵かもしれません。 

何か木の実を拾って食べています。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@1:11〜)、採食法がよく分かるようになりました。 
せっかくドングリの果皮を剥いたのに、猿は種子を少し味見をしただけで、すぐに捨ててしまいました。 
このドングリはタンニンが多く含まれて渋かったのか、それとも虫食い状態だったのでしょう。 
2例ともドングリの形が細長いので、おそらくミズナラの堅果だと思います。 

後で現場検証してドングリの樹種を調べるつもりでいたら、遊動するニホンザルの群れを追跡するのに夢中で忘れてしまいました。
そのうち、山麓の道端にあったパッチ状の雑木林が、いつの間にか伐採されてしまいました。


【考察】
ChatGPT

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タヌキの巣穴がある休耕地で落ち葉をめくって餌を探すハシボソガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前9:00頃・くもり・気温18℃ 

休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
春になって雪が完全に溶け、枯野だった地面に草が青々と育ち始めました。 

ハシボソガラス(Corvus corone)が単独で原っぱに降り立っていました。 
トコトコ歩いてから、お辞儀をしながらガーガー♪と嗄れ声で鳴きました。 
やがて、嘴で落ち葉をめくって餌を探し始めました。 
落ち葉の下に隠れている虫や越冬している虫を捕食するのでしょう。 

今回のカラスはタヌキの巣穴に興味を示さず、素通りしました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/09/02

池の岸辺で息継ぎ体勢のまま煮干しを食べるクロゲンゴロウ

 

2026年4月下旬・午後14:15頃・晴れ 

山麓の池Lでクロゲンゴロウ(Cybister brevis)を定点観察しています。 
越冬明けのクロゲンゴロウ成虫の食事シーンを、この日初めて観察できました。 
早春の時期は息継ぎのために浮上と潜水を繰り返すだけで、餌を与えても無反応でしたが、ようやく食欲が回復したようです。 
水中を泳ぎ回る速度も見違えるように速くなりました。 
山から沢の雪解け水が流入する池なので、水温がようやく上がったのかもしれません。 

持参した煮干しの頭を取り除いてから縦に裂いて池に投入しても、水中のクロゲンゴロウはなかなか気づきませんでした。 
ようやく煮干しの匂いを嗅ぎつけた1匹のクロゲンゴロウ個体が、浅瀬の水面で息継ぎ体勢のまま(腹端だけ水面の上に出したまま)煮干しに食いついていました。 

ちなみに、クロゲンゴロウの成虫が同じ池で暮らすオタマジャクシの群れ(ヤマアカガエル(Rana ornativentris)の幼生)を襲って捕食することはありませんでした。



二次林内の営巣地に1〜3頭で出没するホンドタヌキ:4月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬〜下旬

シーン0:4/17(@0:00〜) 
春の落葉二次林でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の家族が使っている巣穴を自動撮影カメラ2台で見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

興味深い行動は個別の記事にしたので、残り物をまとめました。 
♀♂ペアの親ダヌキと、両目の輝板(タペータム)を失明した娘(ヘルパー?)から成る3頭の家族群がよく現れますが、個体識別がしっかりできていないので、他のタヌキも来ているかもしれません。 


シーン1:4/19(@0:07〜) 
夜に単独で来たタヌキが甲高い声でクゥーン♪と鳴きました。 


シーン2:4/24(@1:38〜) 
深夜にパートナーと一緒に来た♂が、巣口L横の落葉灌木に小便をかけてマーキングしました。 


シーン3:4/25(@2:08〜) 
両目失明個体が単独で未明に登場。 
(明るい昼間は、輝板の状態が見分けられません。) 

タヌキは2つの巣口L、Rの匂いを嗅いで調べるだけのことが多いのですが、単独で来たタヌキ♂が珍しく巣穴Lを内検しました。 
その後で、巣口Rの近くに生えたマルバゴマキ灌木の根元に排尿マーキング。 


シーン4:4/29(@5:16〜) 

シーン5:4/30(@5:24〜) 
明るい早朝から3頭の家族群が一緒に来ていました。 
巣穴Rを内検しています。 
3頭が同時に潜り込めるぐらい巣穴Rの内部は広いことが分かります。 
巣穴Rの外に出てくると、身震いして毛皮の土汚れを払い落とします。 
そのまま巣口Rで対他毛繕い。 

その後は巣口Rで2頭が寝そべって休んでいます。 
その間に、残りの1頭が独りで外出しました。 

しばらくしてカラスの鳴き声が近くですると、タヌキは巣穴の中に逃げ込んだようです。 
ハシブトガラスにモビングされたのでしょうか? 
ほとぼりが覚めると、恐る恐る外に出てきました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/09/01

フクロウが吐き出したペリットをスギ林で見つけた!【野鳥:フィールドサイン】

 

2025年4月下旬・午後13:00頃・晴れ 

パッチ状に植林されたスギ林で、木の下に落ちているフクロウ(Strix uralensis)のペリットを初めて見つけました。 
猛禽類のフクロウは、野ネズミなどの小動物を狩って丸呑みした後で、消化できない毛や骨を口から塊として吐き出すのです。 
発見したペリットは、綿埃を固めたように全体が白っぽく、細長い骨片が多数含まれていました。 
15cm定規をペリットの横に並べて置いて採寸しました。 

周囲の枯れたスギ落ち葉が鳥の糞で白く汚れていました。 
近くに落ちていたもう一つのペリットは、形が崩れていました。 
真上にあるスギの横枝がフクロウにとってお気に入りの止まり木(または塒(ねぐら))になっていて、食後に上からも下からも排泄したようです。 

長年フクロウの巣を探しているのですけど、この辺りのスギの木は樹洞ができるほど樹齢は古くはなくて、まだ発見できていません。 


関連記事(同じスギ林で1、2年前に撮影)▶  


【アフィリエイト】 


家に持ち帰ったペリットを方眼紙に載せて写真に撮りました。 
後で内容物を詳しく調べるつもりだったのに、忙しくて後回しにしていたら、誤って捨ててしまいました…。

オオヤマザクラの花で採餌するセイヨウミツバチ♀

 

2025年4月下旬・午後14:50頃・晴れ 

道端でオオヤマザクラの花が満開に咲いていました。 
木の下を通りかかるとから見上げると、群れで飛び回る蜂の羽音がワーン♪と聞こえました。 
ピンクの花を見上げて訪花昆虫を探すと、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)のワーカー♀でした。 
この組み合わせは初見です。 



春風で桜の枝が揺れる上に、ミツバチがあまりにも忙しなく花から花へ飛び回るので、動画に撮るのは至難の業でした。 
ハイスピード動画に切り替えるべきだったかもしれません。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:26〜) 

一部の個体は、後脚の花粉籠に花粉団子を運んでいました。 
オオヤマザクラの花ですばやく吸蜜すると、次の花に向かう途中の空中でホバリング(停空飛翔)しながら、左右の後脚を擦り合わせていました(身繕い)。 
体毛に付着した花粉を後脚の花粉籠にまとめているのです。

2026/08/31

林内の排水溝に入って水中の獲物を追い回したり、丸木橋を使って対岸に渡ったりするニホンザルたち【トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前11:05頃・くもり後晴れ・気温24℃ 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝をトレイルカメラで見張っています。 
水路をまたぐ倒木が天然の丸木橋のように架かっています。 
ある日の昼前に、ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが遊動してきました。 

シーン1:4/25・午前11:05・気温24℃(@0:00〜) 
右岸を歩いてきた個体aが丸木橋に腰掛けて、痒い右側頭部を右足で掻いています。 
後続個体bが排水溝の中をジャブジャブ歩いて遡上して来ると、aはbを避けるように丸木橋を渡ってスタコラと対岸(左岸)へ立ち去りました。 

今度はbが丸木橋に腰掛けると、身を乗り出しながら手を伸ばして、水中を探っています。
 再び入水して水中の餌を探しています。 
また丸木橋に座りました。 

その間に、左奥のスギ防風林をゆっくい歩き去る個体が写っていました。 


シーン2:4/25・午前11:06(@1:00〜)
丸木橋に年齢差のある子猿が2頭来ていました。 
ともに入水して、水路内を探索しています。 
水深はあまり深くないので、泳ぐ必要はなく、水底に足が着いて歩き回れるようです。 

年長個体が水路から出て、左岸へ上陸しました。 
居残った個体(年少の子猿)は、右岸から張り出した落枝に掴まりながら水中を覗き込んでいます。 
水中にオタマジャクシや水生昆虫でも居るのかな? 
この水路は春限定の止水なので、小魚などはいません。 
(排水溝に貯まった雪解け水は、いずれ干上がってしまいます。) 
子猿はバランスを崩して落水してしまい、全身ずぶ濡れになりました。 
丸木橋を使って左岸に渡りました。 

左から別個体が登場すると、子猿は慌てて逃げて行きました。 
逃げた子猿は、奥の右岸から伸びた灌木の幹によじ登り、渡河できるルートを探ったようですが、諦めて引き返しました。 
左岸にある灌木は、幹が棘だらけのハリギリ(別名センノキ)なので、跳び移るのを躊躇したようです。 

入れ替わりで排水溝に来た個体は、さっきの子猿と同じ地点で探餌行動を始めました。 


シーン3:4/25・午前11:07(@2:00〜)
3頭のニホンザルが追いかけっこ遊びを始めました。 
1頭は近くの木に登って逃げましたが、すぐに降りて、水路の左岸に居る2頭に合流。 

左から右へ排水溝を次々と飛び越えて対岸に渡りました。 
疲れ知らずの子猿は、右に左に跳躍渡河を繰り返しています。 
ジャンプ力が劣る子猿でも、水没した落葉灌木(マルバゴマキ?)を経由して水路を飛び越えることが可能です。 


※ 水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

林内の水辺で集めた餌を持ち去る春のハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前7:30頃・晴れ・気温8℃ 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝を自動センサーカメラで見張っています。 
晴れた朝に1羽のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が岸辺に来ていて、嘴で何かを啄んでいました。 
皮を剥いて中身をその場で食べたのかと思いきや、集めた餌を嘴に何個も咥え、右へ歩き去りました。 
動画を拡大して見直しても、採食メニューが不明です。 

この後、巣に持ち帰って抱卵/抱雛中の♀に給餌したのでしょうか? 
あるいは、どこかに餌を隠した可能性もあります(貯食行動)。 

2時間20分後、排水溝の対岸で採餌していたハシブトガラスが手前に飛び立つ様子が撮れていたので、おまけで追加しました。 


2026/08/30

池の水面に浮かぶ煮干しに群がるアメンボの謎

 

2026年4月下旬・午後14:30頃・晴れ 

山麓にある池Hで水生生物を定点観察しています。 
餌として持参した煮干しを池に投入してみました。 
煮干しの頭部は予め取り除き、縦半分に裂いてあります。 
水中に煮干しの匂い(出汁)が少しでも拡散しやすくするためです。 

しばらくすると、水面に浮いた煮干しに3匹のアメンボ(種名不詳)が乗っていました。 
アメンボは死んで乾燥した小魚から吸汁したり体外消化したりできないはずですから、ただ水面に浮いた煮干しに乗って休んでいるだけでしょう。 
あるいはもしかすると、乾燥煮干しから水中に溶け出したアミノ酸やミネラル成分をアメンボは口吻で吸汁しているのかもしれません。 
そのまま筏(いかだ)のように、水面を漂っています。 

アメンボは、隣の個体と脚で蹴り合って牽制しているようにも見えましたが、どうですかね?
途中から4匹目の個体が水面を遊泳してきて、煮干しに辿り着きました。 
死んでいる煮干しは暴れて水面に波紋を作りませんから、アメンボが誘引されるはずがありません。 
仲間が集まっているので、興味を持ったのかもしれません。 
いつの間にか水面の煮干しに誘引されたアメンボは1匹増えて、計5匹になっていました。 
それでもアメンボは求愛や交尾を始めなかったので、お見合い場所(レック)でもなさそうです。

やがて春風が吹いて煮干しが傾き、一気に水中へ沈みました。 
池に投入した乾燥煮干しが水を吸って、比重が大きくなったのでしょう。 
煮干しに群がっていたアメンボは、慌てて離脱・解散しました。 




煮干しが池の底に沈むと、たちまちヤマアカガエル(Rana ornativentris)の幼生が群がって食べ始めました。 
煮干しの姿が見えなくなるぐらい多数の黒いオタマジャクシが殺到しています。 
この池でオタマジャクシは強力なスカベンジャー(掃除屋)として死骸を始末してくれます。 

実は、縦に裂いた煮干しの残り半分は先に沈んでいて、オタマジャクシがすでに群がっていました。

池の水面と水中で別々のドラマが繰り広げられている上に、水面には陸地の世界が反射しています。 
MCエッシャーの有名なリトグリフ(版画)『三つの世界』を連想しました。 


つづく→

春山の湧水湿地で笹の葉裏に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午後16:00頃・晴れ・気温14℃ 

里山の中腹にある湧水湿地を自動撮影カメラで見張っています。 
ようやく残雪が溶けたものの、山の雪解け水で辺り一面が水浸しです。 

ある日の午後に現れたニホンカモシカ(Capricornis crispus)が、手前の林床に生えたササ(種名不詳)の葉裏に顔を擦りつけました。 
眼下腺からの分泌物で縄張り宣言のマーキング(匂い付け)をしたのです。 

毛皮が白っぽいということは、まだ冬毛なのかな? 
水場(水溜り)には立ち寄らず、手前に歩き去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


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