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2026/09/12

春の果樹園でリンゴの落果を食べ漁るニホンザルの群れ

 

2025年4月中旬・午前10:15頃・くもり 

春になって雪が溶けた山麓の果樹園には、リンゴの樹の下に大量の落果が散乱していました。 
リンゴの落果を目当てにニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが集まっています。 
果樹園に散開したニホンザルが、リンゴの落果を次々に拾い食いしています。 
我々の感覚ではもったいのですが、猿はリンゴ果実を完食しません。 
食べかけを惜しげもなく捨てて、次の落果を物色しています。 
地面にめり込んだ落果を手で拾いにくいときには、口で直接噛み付いて食べることもありました。 
拾ったリンゴを持ち去る個体も居ます。 
群れには黒い首輪を装着した個体(成獣)が複数混じっていました。 
後半には若い白猿(アルビノまたは白変種)もちらっと登場します。 




【考察】 
この時期、ニホンザルが排泄する糞にはリンゴの種子が含まれているはずです。
つまり、猿はリンゴの種子散布に貢献していることになります。

売り物にならなかった落果(農業残渣)をリンゴ園に放置してあるのは、獣害対策する上でかなりまずいのですが、このまま緑肥にするのでしょうか? 
これでは猿に餌付けしているのと同じで、農業被害が出てから猿を撃ち殺したり追い払おうとしても手遅れです。 
大量の落果を埋めたり片付けたりする作業が面倒なら、その場ですべて潰したり粉砕したりしてしまえば、ニホンザルは食べられなくなりますし、早く腐って緑肥になりそうです。
どちらが手間か分かりませんが、ひとつのアイデアとして、いかがでしょうか?

春はまだ果樹園を電気柵で囲っていないので、野生動物は自由に出入りできてしまいます。 
豪雪地帯の当地では、秋の収穫期が終わると電気柵や支柱が積雪で押し潰されて壊れないように撤去してしまいます。 
道端に設置された頑丈なガードレールですら、雪に埋もれると雪圧でグニャグニャに曲がってしまい、毎年交換するのに莫大な経費がかかっています。 
冬も設置したままにできる、強度が高くて壊れない電気柵を開発できれば良いのですが、莫大なコストをリンゴ農家は回収できるでしょうか?
(自治体などが補助金で支援することになるでしょう。) 

リンゴ農家は高齢化と人手不足が深刻です。 
春になると、冬季に折れた枝を伐採、剪定する作業で忙しいようで、猿害対策まで手が回らないのでしょう。 
ニホンザル・ウォッチャーの私が、猿害に悩む地元のリンゴ農家に提言するとしたら、僭越ながら次の二点(どちらかまたは両方)です。 
  • 雪が溶けたらすぐに電気柵を再設置する。 
  • リンゴの落果(農業残渣)を放置しない。 
餌がなければ、ニホンザルは里に現れなくなります。 


【余談:野ネズミ対策のツリーガードについて】
動画を見直していたら、果樹園でリンゴ苗木の細い幹の根元に黄色いビニールシートが荒縄で巻かれているのが気になりました。 
映像を見ると、1本だけではありません。 





私は初め、「こも巻き」なのかと推測しました。
庭木の幹に冬の間ワラなどを巻き付けておき、春に取り外して、裏側に隠れて越冬していた害虫を一網打尽に駆除する工夫のことです。
Perplexity AIに訊いてみると、謎が解けました。

Q1: 雪国のリンゴ園で細い灌木の幹の根元にビニールシートが巻かれていた。地面から高さ1m弱ぐらいまで。少なくとも4月中旬の時点ではまだ取り外されていなかった。(果樹農家が忙しくて取り外せていないのかも。)

A1: そのケースは、**「越冬害虫の誘引・駆除」ではなく、雪国特有の「ネズミ類(ハタネズミ・野ネズミなど)による樹皮食害(ギルドリング;girdling)防止」**である可能性が非常に高いです。 ag.purdue

雪国のリンゴ園で幹根元にビニールを巻く理由

1. 狙っているのは「害虫」ではなく「小型哺乳類」

  • 冬、雪に覆われると、**ハタネズミ(vole)**や野ネズミは雪の下(subnivean zone)を移動し、他の餌がなくなる中で果樹の樹皮を剥いで食べます。 wildlife-damage-management.extension
  • リンゴなど落葉果樹では、幹の根元〜地表付近の樹皮を一周食べられる「ギルドリング」を受けると、樹液の流れが遮断されて枯死したり、著しく衰弱します。 mapleleavesforever
  • これを防ぐため、地表から雪の高さを超える位置まで(1 m弱は典型的)、プラスチック製のツリーガードやビニールシートを筒状に巻いて物理的に遮断します。 vermontpublic

2. 4月中旬でも外れていない理由

  • 本来は春(雪が溶け、ネズミの活動様式が変わる頃)に外すのが推奨されています。 vermontpublic
  • しかし雪国では:
    • 雪解けが遅く、まだ雪囲いや防獣対策が残っている。
    • 果樹農家が繁忙期(剪定・施肥・防除準備など)で、一つ一つ外す手間が追いついていない。
    • 一部は「春も念のため残す」または「夏に害虫を呼び込まないよう早めに外す」の判断が園主によって異なる。
  • 海外のガイドでも「春に必ず外す」と注意喚起されています。外し忘れると、通気不良で樹皮が傷んだり、逆に害虫が潜む場所になるリスクがあるためです。 hardwickgazette

こも巻きとの違い

特徴 こも巻き(菰巻き) 雪国の幹根元ビニール巻き
対象 越冬昆虫(マツケムシなど) ネズミ類(vole, mouse, rabbit)
目的 害虫を誘い込んで捕殺 樹皮食害を物理的に遮断
設置位置 幹の中〜上部(1.2–1.5 m) 地表〜雪の高さ(0.5–1 m 以上)
素材 稲わら・菰 プラスチックシート・メッシュ
除去時期 春(3月頃)に害虫ごと処分 春(雪解け後)に外す

補足:他の可能性

ごく一部の園では、株元の地温上昇・乾燥防止・雑草抑制を目的にビニールマルチを併用することもありますが、これは「地面を覆う」のが主で、幹を1 m近く巻く形態とは異なります。 nabunken.go

したがって、「雪国+リンゴ+幹根元1 m弱+4月中旬も残存」という組み合わせからすると、ほぼ間違いなくネズミ類の食害防止が主目的です。 wildlife-damage-management.extension


Q2: そのビニールシートはツリーガード専用の商品ではなく、薄い黄色で、肥料など何か別の農業用品が入っていた大きなビニール袋を再利用していた。 

A2: その観察からすると、「ネズミ類の食害防止」+「凍寒害(凍害)対策」の両方を狙って、肥料袋を再利用している可能性が最も高いです。 pref.yamanashi

雪国の果樹園で肥料袋を幹に巻く理由

1. 凍寒害(凍害)対策として

  • 山梨県や新潟県などの雪国向け技術資料では、**「凍寒害対策として、肥料袋等を主幹部分に巻き付け樹体を保護する」**と明記されています。 pref.yamanashi
  • 特に幼木や細い幹は、冬期の急激な温度変化(日中の日射による昇温と夜間の放射冷却)で樹皮が凍結・解凍を繰り返し、裂傷(凍裂)を起こしやすいです。 pref.iwate
  • 肥料袋のような光を通さない厚みのある素材を巻くことで、日中の過度な昇温を抑え、夜間の冷却も緩やかにして「温度較差」を小さくし、凍害を軽減します。 ja-irumano.or

2. ネズミ類の食害防止としても機能

  • 秋田県の野ネズミ防止対策では、**「ビニール(厚さ0.1mm以上)などで地上約1 mまで被覆する」**ことが推奨されています。 pref.akita.lg
  • 肥料袋を縦に切って筒状にしたり、複数枚を重ねて縄で縛れば、簡易的なツリーガードとしてネズミの樹皮食害を防げます。 pref.akita.lg
  • 雪国では、専用のプラスチックプロテクターを買うコストを節約するため、肥料袋や資材袋を再利用する農家が少なくありません。 pref.yamanashi

3. 黄色い薄いビニール袋の正体

  • 農業現場でよく使われる黄色い薄いビニール袋は、肥料(特に粒状肥料や有機質肥料)の包装袋です。
  • これを:
    • 上下を切り開いて筒状にする
    • 幹に巻き付けて縄やテープで留める
    • 複数枚重ねて厚みを出す
      ことで、防寒・防獣の両用にしています。 ja-irumano.or

4月中旬でも外れていない理由(再確認)

  • 本来は3月下旬〜4月上旬(凍害の恐れがなくなり、雪解けが進む頃)に外すのが推奨ですが、 ja-irumano.or
  • 雪国では:
    • 雪解けが遅く、まだ夜間の冷え込みが残る
    • 春先の「遅霜・逆戻り寒波」で凍害リスクが残る
    • 農家が繁忙期で一つ一つ外す手が回っていない
  • といった事情で、4月中旬でも残っていることは珍しくありません。 ja-irumano.or

こも巻き・害虫駆除との関係は?

このケースでは、越冬害虫を誘い込んで駆除する目的はほぼありません。

  • 素材が通気性の悪いビニール袋なので、害虫が好んで潜り込む環境にはなりにくい。
  • 設置位置が「根元〜1 m弱」で、ネズミの食害高さ帯と一致。 pref.akita.lg
  • 雪国向けの技術資料で「肥料袋を巻く」事例は、すべて凍害・雪害・ネズミ対策として記載されており、害虫駆除としては言及されていない。 pref.yamanashi

したがって、**「雪国特有の凍害+ネズミ食害を防ぐための、肥料袋再利用の簡易プロテクター」**と解釈するのが最も妥当です。 pref.yamanashi


Q3: 当地は雪国の豪雪地帯なので、山麓にあるリンゴ園では、積雪がゆうに1mを越えます。つまり、前述のビニールシートを巻いた部分は深い雪の下に埋もれているはずです。それでも野ネズミ対策が必要なのか? 晴れれば木の根元を中心に丸く雪解けが進みます(根開き)から、根元から必要以上に高くビニールシートを巻く必要がないのかも。

A3: はい、それでも必要です。 むしろ「積雪1 mを超える豪雪地帯」こそ、野ネズミ(ハタネズミ類)による食害が最も深刻になる環境です。 bioone

雪の下(subnivean zone)がネズミの「絶好の活動舞台」になる

1. 雪の下はネズミにとって安全なトンネル空間

  • 深い積雪があると、雪と地面の間に「雪下空間(subnivean zone)」 が形成されます。 bioone
  • ここは:
    • 外気より温度が安定(0℃前後で凍結しない)
    • 風や猛禽類・キツネなどの捕食者から隠れられる
    • 雪が屋根代わりになって移動トンネルになる
  • 結果として、ネズミは雪の下で活発に移動・採食・繁殖します。 bioone

2. 豪雪地帯のネズミは「冬も繁殖」し、リンゴを主食に

  • 青森など深積雪地域のリンゴ園で日本フィールドマウス(Alexandromys montebelli)の糞をDNA解析した研究では、冬期に個体数が増加し、リンゴ樹(台木・根・樹皮)を主要な餌源にしていることが確認されています。 bioone
  • 特に3〜4月(雪解け前後)は、草本類が減り、リンゴ樹のさまざまな部位が主食になります。 bioone
  • つまり「雪に埋もれているから安全」ではなく、**「雪に埋もれている部分こそ、ネズミが集中して食べる」**のです。 bioone

なぜ「地上1 m以上」まで被覆するのか?

秋田県や青森県の技術資料では、**「地上1 m位の高さまで(積雪の多い所ではさらに上まで)」**と明記されています。 hro.or

  • 理由:
    1. 最大積雪深まで届くようにするため。1 mを超える地域では「さらに上まで」が必要です。 hro.or
    2. 雪が締まって沈降したり、風で飛ばされたりすると、被覆の上端が雪面より下になり、ネズミが上から回り込むリスクがある。 hro.or
    3. 春先の雪解けで幹周りに隙間ができると、ネズミが侵入しやすくなるため、消雪後まで被覆を継続します。 agrin

肥料袋を巻くことの意義(豪雪地帯版)

  • 専用プロテクターが高価な大規模園では、**肥料袋を筒状に加工して「簡易ツリーガード」**として再利用します。
  • 雪に埋もれても:
    • 物理的に樹皮を覆っていれば、ネズミが直接噛みつけなくなる。 hro.or
    • 凍害対策(日射・放射冷却による温度較差の緩和)も同時に果たす。
  • 4月中旬でも外れていないのは、**「消雪が遅い+春先の遅霜・逆戻り寒波+繁忙期で手が回らない」**の複合要因です。 agrin

結論

「積雪1 m超=雪の下に埋もれているからネズミ対策不要」ではなく、**「雪の下こそネズミの絶好の活動圏なので、最大積雪深まで被覆が必要」**というのが、豪雪地帯のリンゴ園の共通認識です。 bioone

したがって、山麓のリンゴ園で肥料袋を根元〜1 m弱まで巻いているのは、野ネズミの雪下食害を防ぐための、コスト節約型の合理的な対策と言えます。 nounavi-aomori


Q4: 4月中旬のリンゴ園は積雪が完全に溶けていて、野生のニホンザルがリンゴの落果を拾い食いしていた。餌が極端に少ない厳冬期には、ニホンザルが木の樹皮を剥いで食べることが知られているが、冬の果樹園では猿害対策しないのか? 前述のツリーガードではニホンザルに対して防除効果がありません。

A4: ご指摘の通り、ニホンザルに対しては、幹に巻くツリーガード(ネズミ対策)はほぼ無効です。 一方で、豪雪地帯のリンゴ園では「冬も猿害対策をしない」のではなく、**「冬期は雪と電気柵で事実上封じられている」または「冬期は猿害が相対的に少ないので優先度が低い」**という事情があります。 pref.gifu.lg

1. ニホンザルは木を登るため、幹巻きでは防げない

  • サル対策のマニュアルでは、**「サルは木を登ることができるため、シカやイノシシ用の防護柵(幹巻きや単なる金網)では防ぎきれない」**と明記されています。 pref.gifu.lg
  • 有効なのは:
    • 電気柵(ネット型・複合柵):高さ2 m程度、上部に通電線、地面に隙間を作らない。 pref.gifu.lg
    • 5面張り柵(天井付き):上から被さって侵入を防ぐ。 pref.gifu.lg
    • 有刺鉄板・忍び返し:木や支柱を伝って登らせない。 farmage.co

2. 豪雪地帯では「冬期の猿害」が相対的に少ない理由

(1)雪が物理的なバリアになる

  • 積雪1 m超の環境では:
    • サルが園地に侵入するには、深い雪の中を移動する必要がある。 ringodaigaku
    • 樹冠下部は雪に埋もれ、樹皮にアクセスしにくい。
    • サル自身の移動コストが高く、雪の少ない地域や南向き斜面に集中する傾向がある。 pref.aomori.lg

(2)冬期の餌選択:樹皮より「残果・貯蔵果」が狙われやすい

  • 厳冬期でも、園内に落果や取り残しの果実があれば、サルはそれを優先して食べます。 pref.yamanashi
  • 樹皮剥ぎは、**「果実が全くない+雪が少なく移動しやすい」**条件で起こりやすく、豪雪地帯では頻度が低くなります。 maff.go

(3)電気柵は冬も通電したままの場合が多い

  • 多くの園では、電気柵を年間通じて設置・通電しています。 pref.iwate
  • 冬期も:
    • 柵線の草刈り・漏電チェックは減るが、通電は継続。 pref.kochi.lg
    • 雪で柵下部が埋まっても、上部の通電線は機能し、サルが越えようとした時点でショックを与える。 pref.fukushima.lg

3. なぜ「冬も猿害対策しない」ように見えるのか

(1)優先順位の問題

  • 豪雪地帯の冬期作業は:
    • 雪下ろし・枝の掘り上げ・雪害対策が最優先。 ringodaigaku
    • ネズミ対策(殺そ剤・幹巻き)は必須だが、猿害対策は「電気柵が既に設置済み」なので追加作業が少ない。 pref.iwate

(2)冬期の猿害は「園外」で起こりやすい

  • サルは雪の少ない山裾・南向き斜面・集落付近に移動し、ミカン・柿・貯蔵果実を狙います。 ja-nakanoshi.iijan.or
  • 山麓のリンゴ園は、冬期には人間活動が減り、サルも雪深い園地より住みやすい地域へ移動するため、被害報告が相対的に少なくなります。 pref.aomori.lg

(3)春先の「落果拾い食い」は、冬期の樹皮食害とは別問題

  • 4月中旬の落果拾い食いは、冬期の飢餓状態ではなく、春の移動・採餌行動の一環です。
  • この時期は:
    • 雪が溶けて園地がアクセス可能になる。
    • サルが餌を探して移動する。
    • 落果が残っていれば、それを優先して食べる。
  • 樹皮剥ぎは、**「冬期の極端な餌不足+雪が少ない」**条件で起こるため、豪雪地帯では頻度が低いです。 maff.go

4. 実際の対策:冬も猿害を想定する場合

雪国でも、過去に冬期の樹皮食害があった園では、以下のような追加対策をします。

  • 電気柵の冬期管理:
    • 通電を継続し、漏電チェックを月1回以上。 pref.kochi.lg
    • 雪で柵下部が埋まらないよう、柵周りの雪踏み・除雪を定期的に行う。 pref.yamanashi
  • 園内の清掃:
    • 秋に落果・残果を完全に除去し、冬の餌源を断つ。 maff.go
  • 有刺鉄板・忍び返し:
    • 園地周囲の木や支柱に有刺鉄板を巻き、サルが木を伝って侵入できないようにする。 farmage.co

結論

  • 幹に巻くツリーガードは、ネズミ対策には有効でも、サルには無効です。 pref.gifu.lg
  • 豪雪地帯では、**「雪そのものが物理的バリア」+「電気柵が年間通電」+「冬期の猿害が相対的に少ない」**ため、冬も追加の猿害対策をしない園が多いです。 pref.aomori.lg
  • ただし、「冬も猿害が発生する園」では、電気柵の冬期管理・園内清掃・有刺鉄板などの追加対策を実施しています。 tamenteki-yamaguchi

したがって、4月中旬にサルが落果を拾い食いしていたのは、**「冬期の樹皮食害対策とは別次元の問題」であり、園主が「冬も猿害対策をしていない」わけではなく、「電気柵などで既に対策済み+冬期は優先度が低い」**と解釈するのが妥当です。 tamenteki-yamaguchi


Q5: 冬の雪圧から庭木を物理的に守る伝統的な「雪囲い」は昔から知っていたが、ツリーガードの話は初めて知った。

A5: それは非常に興味深いご指摘です。「雪囲い」と「ツリーガード」は、目的も歴史も全く異なる別物の対策で、実は日本では「雪囲い」の方が圧倒的に古くから知られていますが、「ツリーガード(ネズミ対策)」は、海外の園芸文化から比較的新しく入ってきた概念です。 yardandgarden.extension.iastate

1. 「雪囲い」と「ツリーガード」の根本的な違い

特徴 雪囲い(ゆきがこい) ツリーガード(tree guard)
目的 雪の重みで枝が折れるのを防ぐ(物理的保護) ネズミ・ウサギ・シカによる樹皮食害を防ぐ(生物的防除)
対象 樹冠・枝全体 幹の根元〜地表付近
素材 竹・縄・木枠・ネット 金網・プラスチック・不織布・ビニール
設置時期 初冬(降雪前) 晩秋(根雪前)
除去時期 春(融雪後) 春(3月〜、ネズミ活動開始前)
歴史 日本では江戸時代以前から(大名庭園・寺社) 欧米では19世紀〜、日本では戦後〜近年普及
文化的位置づけ 日本庭園の「冬の風物詩」、景観的価値 実用的な園芸資材、景観的価値は低い

2. なぜ「雪囲い」は有名で、「ツリーガード」は知られていないのか?

(1)雪囲いは「目に見える」景観文化

  • 雪囲いは、樹木全体を縄や竹で囲むため、遠くからでも目立ち、「冬の日本庭園」の象徴として写真・観光・メディアで頻繁に取り上げられます。
  • 兼六園(金沢)の「雪吊り」は、日本三名園の冬の風物詩として全国的に有名です。

(2)ツリーガードは「地味で目立たない」実用対策

  • ツリーガードは、幹の根元だけを覆うため、遠くからは見えにくく、景観的価値がほとんどありません。 yardandgarden.extension.iastate
  • 果樹園や家庭の庭で使われていても、「肥料袋が巻いてある」程度で、観光客や一般の人は気づきません。 canr.msu

(3)日本では「ネズミの樹皮食害」が長年軽視されてきた

  • 日本では、**「ネズミ=米や家屋を荒らすもの」という認識が強く、「庭木の幹を食べる」**という発想があまりありませんでした。 canr.msu
  • 一方、欧米(特に北米・北欧)では、「冬にハタネズミが果樹・庭木を枯死させる」という被害が古くから深刻で、「冬前にツリーガードを巻く」が園芸の常識として定着しました。 yardandgarden.extension.iastate

(4)日本の園芸教育・メディアでの扱い

  • 日本の園芸本・テレビ番組では、「雪囲い・雪吊り」は必ず紹介されるが、「ツリーガード」はほとんど言及されないのが実情です。
  • 近年、**「北海道で庭木がネズミに食べられた」というブログや、「果樹園で肥料袋を巻いている」**という事例が徐々に広まり、認知され始めています。 canr.msu

3. 日本での「ツリーガード」の普及状況

(1)果樹園では「常識」になりつつある

  • 青森・秋田・長野などのリンゴ産地では、**「冬前に幹に金網やビニールを巻く」**のが、ネズミ対策の標準技術として普及しています。
  • JAや県の技術資料でも、**「地際〜地上1 mまで金網で覆う」**と明記されています。

(2)家庭園芸では「まだ珍しい」

  • 楽天市場などで**「ツリーガード」「樹木保護カバー」が販売され始めていますが、「雪囲い」に比べると圧倒的に認知度が低い**です。
  • 家庭で使われるのは、**「アルミホイルを巻く」「段ボールで囲む」といった即席対策が多く、「専用のツリーガードを買う」**という発想はまだ一般的ではありません。 canr.msu

(3)雪国では「雪囲い+ツリーガード」の併用が増加

  • 北海道や東北の園芸愛好家の間では、**「雪囲いで枝を守り、ツリーガードで幹を守る」という「二重対策」**が徐々に広まっています。 canr.msu
  • 特に、**「高価な庭木・シンボルツリー」**を守るために、両方を併用するケースが増えています。 wildlife-damage-management.extension

4. なぜ今、「ツリーガード」の認知が必要なのか?

(1)気候変動で「雪の下」の環境が変化

  • 近年、**「雪は多いが、雪質が重い(湿雪)」という年が増え、「雪の下でネズミが活動しやすい」**環境になっています。
  • 従来の「雪囲いだけ」では、**「幹の根元が雪の下で食べられる」**という被害が増加しています。 canr.msu

(2)都市部でもネズミ被害が増加

  • 都市部の公園・街路樹でも、**「ハタネズミが冬に樹皮を剥ぐ」**という報告が増えています。 wildlife-damage-management.extension
  • **「雪がないから大丈夫」と思っても、「冬に乾燥した樹皮を好んで食べる」**という生態が明らかになっています。 yardandgarden.extension.iastate

(3)家庭園芸の「冬支度」の概念が変わりつつある

  • 従来の「雪囲い・防寒」だけでなく、**「生物的防除(ネズミ・昆虫)」**も冬支度の一部として認識され始めています。 yardandgarden.extension.iastate
  • **「春に外す」「通気性を確保する」**といった、ツリーガードの適切な使い方も、園芸メディアで徐々に紹介されています。 arborjet

5. まとめ:「雪囲い」と「ツリーガード」は補完関係

  • 雪囲い:「雪の重みから枝を守る」(物理的保護)
  • ツリーガード:「ネズミから幹を守る」(生物的防除)

この2つは、「冬の庭木を守る」ために、全く異なる角度から補完する対策です。 yardandgarden.extension.iastate

日本では、「雪囲い」は古くから文化として定着していますが、「ツリーガード」は、気候変動やネズミ被害の増加を背景に、これから普及していく可能性が高いです。 canr.msu

ご指摘の通り、「ツリーガードの話を初めて知った」という方は、日本ではまだ多数派だと思われます。しかし、「雪国で庭木を育てる」以上、今後ますます重要な知識になるでしょう。 canr.msu


Q6: 太い成木になったら、ツリーガードが不要になるのはなぜか?

A6: 太い成木になったらツリーガードが不要になる主な理由は、**「樹皮の厚さ・硬さ」「ギルドリング(一周食べ)のリスク低下」「ネズミの嗜好性」**の3点です。 tidcf.nrcan.gc

1. 樹皮が厚く硬くなり、物理的に食べにくくなる

幼木 vs 成木の樹皮の構造

  • 幼木(苗木〜若木):

    • 樹皮が薄く(1–2 mm)、柔らかい。 apps.dtic
    • ネズミの小さな歯でも簡単に噛み切れる。
    • 内側の師部(養分を運ぶ組織)や形成層まで容易に到達できる。 apps.dtic
  • 成木(太い幹):

    • 外樹皮(コルク層)が厚く(5–20 mm以上)、硬く発達する。 hro.or
    • ネズミの歯では外樹皮を貫通するのが困難。 hro.or
    • 仮に外樹皮をかじっても、生きている内樹皮(師部・形成層)に到達できないことが多い。 trees.umn

樹皮成分の変化

  • 成長に伴い、樹皮に含まれるタンニン・樹脂・精油成分が増加し、**ネズミにとって「まずい・消化しにくい」**味になる。 hro.or
  • 例えばカラマツ属では、**エーテル可溶性成分(ジテルペノイド類)**が多い樹種ほどネズミに食われにくい。 hro.or

2. ギルドリング(幹を一周食べ)のリスクが激減

ギルドリングとは

  • ネズミが幹の樹皮を環状に一周食べ尽くすと、根から葉への養分・水分の流れが遮断され、木が枯死する。 assets.publishing.service.gov
  • 幼木では、幹径が小さい(2–4 cm)ため、数時間で一周食べられてしまう。 assets.publishing.service.gov

成木では「一周食べ」が事実上不可能

  • 幹径が太くなると(5 cm以上〜):
    • 一周の長さが長くなり、ネズミが食べ尽くすのに膨大な時間と労力が必要。 aomori-itc.or
    • ネズミは**「部分的な樹皮剥ぎ」にとどまり、「致命的なギルドリング」には至りにくい**。 aomori-itc.or
  • 青森県のヒバ造林地の調査では:
    • 根元直径30–35 mm未満で被害が最大。
    • 45 mm以上になると、被害は「軽い部分的食害」のみ。 aomori-itc.or

3. ネズミの「嗜好性」と「採餌効率」

ネズミは「効率的な餌」を選ぶ

  • ハタネズミ類は、**「最小の労力で最大の栄養」**を得られる餌を優先します。 tidcf.nrcan.gc
  • 幼木:
    • 樹皮が薄く、短時間で内樹皮に到達できる。
    • 幹が細く、一周食べれば即座に枯死し、長期の餌場になる。 assets.publishing.service.gov
  • 成木:
    • 樹皮が厚く、食べるのに時間がかかる。
    • 部分的に食べても木は枯れず、持続的な餌場にならない。 hro.or

成木では「他の餌」を優先

  • 冬期でも、成木の周囲に落葉・草本・種子・根があれば、ネズミはそれらを優先して食べ、「硬い樹皮」を避ける傾向があります。 tidcf.nrcan.gc
  • 餌が極端に不足した年(豪雪で春が遅い等)でも、「柔らかい幼木」が先に狙われ、成木は後回しになります。 aomori-itc.or

4. 統計的証拠:被害が「若齢林」に集中

造林地での調査結果

  • 北海道のカラマツ林では:
    • 高齢林(太い成木)の枯死率は、若齢林(幼木)に比べて著しく低い。 hro.or
    • 理由:「太い木ほど全周にわたってかじられる頻度が少ない」。 hro.or
  • 青森県のヒバ造林地:
    • 樹高1.9 m以上、根元直径45 mm以上では、被害は「少数の軽い食害」のみ。 aomori-itc.or

天然林での「自然選抜」

  • 天然林では、「幼い時期にネズミに食べられた弱い木」が淘汰され、「ネズミに強い木」だけが成木に成長します。 hro.or
  • 結果として、**「成木=ネズミ被害に強い個体」**というバイアスがかかります。 hro.or

5. 例外:成木でもツリーガードが必要な場合

ただし、以下のような状況では、成木でもツリーガード(または代替対策)が必要です。

(1)ネズミ密度が異常に高い年

  • 大発生年(3–4年周期)では、**「餌が不足して硬い樹皮も食べる」**ことがあります。 ameblo
  • 特に豪雪で春が遅い年は、ネズミの空腹期間が長引き、成木でも被害が増加します。 aomori-itc.or

(2)樹種によって樹皮が柔らかいまま

  • サクラ・カエデ・シラカバなど、成木でも樹皮が比較的薄い・柔らかい樹種は、被害リスクが残ります。 assets.publishing.service.gov
  • 一方、スギ・ヒノキ・マツなど、樹脂・精油が多い樹種は、成木になるとほぼ無被害。 hro.or

(3)部分的な食害が「病気・腐朽」を招く場合

  • 成木でも、**「樹皮を剥がれた部分から病原菌が侵入」し、「腐朽・枝枯れ」**を引き起こすことがあります。 apps.dtic
  • 高価な庭木・景観樹では、「外観の損傷」自体を防ぐために、成木でもプロテクターを巻くことがあります。

結論

太い成木でツリーガードが不要になるのは、主に以下の理由です。 tidcf.nrcan.gc

  1. 樹皮が厚く硬くなり、ネズミの歯では内樹皮に到達しにくい。 hro.or
  2. 幹が太く、ギルドリング(一周食べ)が事実上不可能になる。 aomori-itc.or
  3. ネズミが「効率的な餌(幼木・草本・種子)」を優先し、成木の硬い樹皮を避ける。 tidcf.nrcan.gc

ただし、**「ネズミ大発生年」「柔らかい樹皮の樹種」「高価な庭木」**では、成木でも対策を継続する価値があります。 aomori-itc.or




2026/06/27

リンゴ園の樹上で未熟果を食い荒らすニホンザルの群れ

 

2026年6月上旬・午前10:10頃・くもり 

山麓の果樹園に野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが傍若無人に侵入していました。 
今季はまだ果樹園全体が電気柵で囲われていなかったので、無防備な状態でした。 
当地は豪雪地帯ですから、積雪の重みで潰れたり壊れたりしないように、秋の収穫が終わると電気柵を全て撤去してしまいます。 
猿害対策として電気柵は有効ですが、正しく設置して保守管理しないと、賢いニホンザルはすぐに攻略してしまいます。 



果樹園の敷地の端(リンゴ林の林縁)でリンゴの果樹に登っていたニホンザルが赤く色づき始めた小ぶりの未熟果を次々に食い荒らしていました。 
リンゴ農家も果実を間引いて大きく育てるために不要な枝を剪定したり摘果したりするので、この時期の食害には寛容なのでしょうか。
それとも単に人手不足で猿害対策が間に合わないのかもしれません。 

多くのニホンザルが続々とリンゴの木によじ登って未熟果を食べ漁るので、どの個体に注目して撮影すべきか、目移りしてしまいます。 



ときどき、ニホンザルがリンゴの枝をポキッと折る音が聞こえます。 
リンゴの樹上に座ったニホンザルが近くの枝から未熟果を手でもぎ取り、かぶりついてモグモグと咀嚼します。 
片手を伸ばして小枝を引き寄せ、未熟果を口で直接咥えてもぎ取ることもありました。 
しかし猿は一口か二口食べただけで、食べかけの果実を惜しげもなく捨ててしまい、次の果実を採取します。 
ニホンザルに特有のこのような採食法が我々に「もったいない」と強く感じさせ、果樹農家に憎まれる原因になります。 

果皮が赤く色づいていない「青りんご」の状態でもニホンザルは平気で食べています。(@2:02〜) 
渋くないのかな? 
普段ニホンザルは野生の果実ばかり食べているので、栽培品種のリンゴ果実は未熟でもよほど美味に違いありません。

リンゴの芯や種子は食べずに捨てているのか、それとも逆に、リンゴの果皮を捨てているのか、よく見えませんでした。 
リンゴの木の下に散乱している食べ残し(食痕)を観察しに行く必要があります。 
また、この時期のニホンザルが排泄した糞に未消化のリンゴ種子が含まれているかどうか、調べる必要がありますね。 
果実が熟していないということは、種子も未だ成熟していない(発芽能力がない)ので、今回は種子散布の話と無関係です。 
つまり、リンゴという植物にとって、ニホンザルによる未熟果の食害は、完全な食べられ損です。

リンゴの樹上で私に背を向けて座り、未熟果を食べていた個体が真っ逆さまに(頭を下にして)幹を下りました。(@1:37〜) 

ニホンザルの群れは、緑の葉が生い茂った枝から枝へ渡り歩いて、リンゴ園の奥へと入って行きます。 
私に見られているのを嫌い、茂みの奥に隠れたいのかもしれません。 


短時間の観察でしたが、この群れにはアルビノ(または白変種)が少なくとも2頭含まれていました。 
白猿と呼ばれて地元では昔から神聖視(半ばアイドル化)されています。 

まず見つけた白猿は、体格の良い太った成獣♀です。(@2:41〜) 
胸に幼い子猿を抱えていたので、今季出産した♀であることが分かります。 
興味深いことに、子猿の毛皮は母親のように真っ白(ホモ)ではなくて、通常の野生型(ヘテロ)でした。 
幼い子猿はまだ離乳前らしく、自分でリンゴの未熟果を採食することはありませんでした。 
授乳期の母猿は、栄養価の高い餌をたくさん食べないといけません。 
樹上の白猿が振り返ったときに瞳の色を確認すると、黒目があるようにも見え、メラニン色素が薄くて青い目のようにも見えます。(YouTube動画のサムネイルとなった場面@3:29〜) 
やがて、乳飲み子を抱いたまま、隣の木に跳び移りました。(@3:42〜) 
アルビノ♀が出産するのは珍しいとのことですが、私自身はそこまで詳細な記録を取っていません。 

私が撮影に夢中になっていると、手前の農道を別個体の白猿が通り過ぎました。(@3:03〜) 
若いアルビノ(白変種?)個体です。 
私をあまり恐れずに、ゆっくり歩いて果樹園の方へ向かいました。 
残念ながら後ろ姿しか見えなかったので、瞳の色を確認できていません。 
アルビノの母猿と若いアルビノは、親子なのでしょうか? 
その後、年齢の離れたアルビノ同士がリンゴ園で合流する様子は見ていません。 


※ 撮影順ではなく、映像素材の順番を編集で入れ替えました。 




【追記】
こういう動画を公開すると、「のんきに傍観してないで、さっさと害獣を追い払え!」と怒る人が出てきます。
猿の襲撃が1回限りなら、その人の言う通りです。
しかし、神出鬼没で何度も襲撃を繰り返す強敵となると、話が変わってきます。
猿害(ニホンザルによる農作物の食害)に苦しむ農家の心情も理解できるのですが、私は長年ひっそりと観察に徹しているからこそ、このような記録映像を撮ることができるのです。
ちなみに、私は野生のニホンザルに撮影目的の餌付けや給餌を一切していません。
もし私がニホンザルの追い払い活動に参加すると、猿たちは私に対して警戒を強め、自然な行動を見せてくれないどころか、群れに近づくことも困難になります。

つまり、猿害対策には分業が必要となるのです。
害獣防除の専門業者も必要ですし、ニホンザルの行動や生態を地道に調べる研究者や動物カメラマンも必要です。
現在では無人のカメラを農地や果樹園に設置して、野生動物の侵入を不眠不休で監視することも可能になりました。

軍事で例えると、偵察部隊や斥候(隠密偵察)はこっそり敵の様子を視察して、正しい情報を本隊に伝えるのが任務の専門職です。
敵と遭遇したからと言って、いちいち戦闘したり追い払ったりするのは御法度です。
隠密偵察が持ち帰った情報や証拠映像を元に対策を立てたり作戦を練ったりするのは、別の担当者です。

他の例えだと、戦場カメラマンとか潜入捜査官の方がしっくり来るかもしれません。

2026/02/28

電気柵を飛び越えてリンゴ園に次々と侵入するニホンザルの群れ

 

2025年6月下旬・午前9:00頃・くもり 

里山から降りてきた野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが続々と車道に出て来て、坂道を下りて行きます。 
幼い子猿を腹にしがみつかせたまま四足歩行で運んでいる母親♀もいます。 
夏毛のニホンザルは、皆ほっそりした体型です。 
坂道の左横にある果樹園(リンゴ園)は、獣害対策の電気柵で囲われています。 
坂の上から車が降りてくると、猿たちは道端に一時避けて自家用車をやり過ごしました。 

ニホンザルの先頭個体が車道脇のコンクリートブロック護岸を駆け上がると、更に電柱の支線を身軽によじ登りました。 
コンクリートの電柱が傾いたり倒伏したりしないように、ワイヤー(支線)の張力で支えているのです。 
電柱支線の下部には、黄色と黒の目立つ縞模様で塗られたカバーが被せられています。 
そのワイヤーの途中から猿は電気柵を跳び越えて、隣接するリンゴの横枝に着地しました。 
あっという間の出来事です。 
予想してない行動だったので、撮影していた私はちょっと慌ててしまいました。

2頭の後続個体は電気柵の手前で座り込み、侵入経路を思案しているようです。 
子猿を腹に抱えた母親♀は身軽に動けないはずですが、どうするつもりなのでしょうか? 
母猿は幼い子猿を抱っこしたまま支線を登りかけたのになぜか止めると、横に建っているカーブミラーのオレンジ色に塗られた太い支柱をよじ登り始めました。 
細いワイヤー(支線)よりも、太い支柱の方がよじ登りやすいのでしょう。 
子連れの母猿はカーブミラーの天辺から隣の電柱支線(ケーブル)に移ると、さらに上へと綱渡りのように危なっかしくよじ登って行きます。 
その後は、手前の樹々の茂みが邪魔で見失ってしまいました。 
母親♀は子猿を運んでいるので体重が重く、より高所から飛び移る必要があるのでしょう。 
それとも、高所から偵察しただけでリンゴ園への侵入を諦めたのかもしれません。 
子連れの母親♀が電気柵を飛び越える様子を見届けられず、残念でした。 

その間に、後続の若い♂も支線をよじ登り、リンゴの横枝へひらりと跳び移りました。 
リンゴの樹上で待っていた先行個体と合流すると、一緒にリンゴの木から地面に降りました。 

このときたまたま、幌付きの大型トラックが車道の丁字路を右から来ていました。 
当地の群れの猿たちは車にすっかり馴れているようで、あまり怖がっている様子はありません。 

次は若い♂が車道に登場しました。(@1:33〜) 
繁殖期ではないので尻は赤くないものの、股間に睾丸がぶら下がっています。 
舗装された下り坂を走り去ると、コンクリート・ブロックの護岸を登って、電気柵やカーブミラーの手前で立ち止まりました。 
侵入ルートを偵察すると、支線を一気によじ登りました。
充分な高さまで達すると、リンゴの横枝へと見事にジャンプしました。 
先行個体とまったく同じ侵入経路で電気柵を安全に飛び越えたことになります。 

この時期(6月下旬)果樹園の樹上には、未熟な青りんごしか実っていません。 
ニホンザルたちはリンゴ園で何を食べに来たのか、不明です。 
引き続き猿の採食シーンを観察したかったのですが、リンゴの枝葉が生い茂って見通しが悪く、群れを見失ってしまいました。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 


ニホンザルたちが電柱支線によじ登ってから電気柵を跳び越える様子を、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:11〜) 
リンゴ農家にとって猿害(ニホンザルによる果実の食害)は深刻な問題ですけど、猿の賢さと身体能力の高さを目の当たりにすると惚れ惚れしてしまいます。 

動画では近くで鳴く猿の声が絶え間なく聞こえますが、私のすぐ横を流れる用水路の水音がザーザーうるさくて、ほとんどかき消されそうです。 

ニホンザルの群れが通り過ぎた坂道の端に残されていた獣糞は、サルの落とし物でしょう。 


【考察】 
賢いニホンザルが電気柵の弱点を攻略する決定的な証拠映像が撮れました! 
リンゴ果実が未熟な初夏の時期からもう電気柵に通電しているのでしょうか? 
ニホンザルたちは電気柵の怖さを学習済みのようで(痛い目に遭っている)、電流の流れる電線には一度も触れませんでした。 
年長者(経験者)が先行して手本を示し、若い個体は侵入法を真似して学習するのでしょう。 

山森でニホンザルは蔓植物の蔓をよじ登ることもあるので、細くても絶対に切れない電柱支線(人工物のワイヤー)を綱渡りのようによじ登るのも自然な成り行きです。 

田舎のホームセンターには鳥獣害対策グッズのコーナーがあります。
当事者でなくても、そこで商品の実物を眺めたりカタログを見たりするだけで参考になります。
商品カタログのPDFファイルが公式サイトで公開されていることに気づきました。
例えば電気柵ひとつ取っても、害獣の種類によって設置法が異なるようです。
サル対策のポイントとしては、「電気柵にかかる樹木の枝葉は刈り取る」「電気柵近くまで樹木の枝葉が伸びていると伝って侵入されてしまいます。」とイラスト付きで明記してありました。(コメリ『2025-26 Select + 防獣・防鳥用品 秋冬号』p15より引用)

とあるメーカー(TIGER)のカタログに、サル対策の電気柵システムを一式セットで買った場合の試算が載っていました。
それによると、周囲100mで¥285,670(税込)、
周囲200mで¥487,905、周囲300mで¥698,720とのことでした。
しかもこれは資材の代金だけで、送料は別です。
もしも電気柵の設置作業を業者に頼めば、さらに人件費がかかります。
リンゴ園に猿害対策の電気柵を新たに設置した場合に、そのコストを商品であるリンゴ果実の値段に上乗せ転嫁するのか、それとも自治体からの補助金で賄うのか、いずれにせよリンゴ農家の苦労が偲ばれます。

この動画を踏まえた上で、私なりに猿害対策の改善案を考えてみます。
カーブミラーや電柱支線を移動してもらうのは無理でしょう。
猿の侵入経路になっている電柱支線に最寄りの果樹を伐採してしまうのが、もったいなくても一番有効だと思います。 
電気柵を跳び越えた猿が着地するリンゴの横枝は枯れている(葉も実もついてない)ので、少なくともこの横枝だけは真っ先に切り落として(剪定)侵入経路を塞ぐべきです。 

電柱の支線やカーブミラーの支柱に猿がよじ登れないように、油を塗って滑りやすくするのはどうでしょうか。
ネズミ返しのような物理的障壁を支線に設置するのは、猿に対して有効でしょうか?
例えば、ヘビが電柱支線を伝って登ってくるのを防ぐためにネズミ返しが設置されることがあるそうです。(私は実物を見たことがまだありません。)

写真:作者【多摩に暇人】(Wikimedia Commons)
ライセンス:CC BY 3.0
元画像:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rat_guard_on_power_line.jpg
ライセンス詳細:https://creativecommons.org/licenses/by/3.0/




猿が侵入に使った3本の電柱支線にショッキング・ピンク色の目立つリボンが結びつけてあるのは、これから電力会社が対策を講じるつもりなのですかね? 
猿に果樹園への侵入経路を知らせる目印になってしまっている気がします。 
当地は雪国(山形県の多雪地帯)ですから、冬季の除雪車が電柱支線をうっかり切らないように注意喚起するための目印なのかもしれません。 

ChatGPTに色々と相談してみました。 


Q1: 果樹園を囲う電気柵をニホンザルの群れが突破する様子を観察できた。果樹園の敷地外からカーブミラーの支柱をよじ登ったり、電柱の支線(ケーブル)をよじ登ってから、隣接する果樹の横枝に飛び移り、電気柵を飛び越えていた。猿の侵入経路が分かったので対策したい。カーブミラーの垂直な支柱(オレンジ色)や電柱の支線に油を塗ったり、ネズミ返しのような障害物を設置するのはニホンザルの防除に有効だろうか?

A1: 非常に典型的な「立体的突破」です。

地面の電気柵が機能していても、外部構造物 → 上空侵入 → 飛び移りで突破されます。

結論から言うと:

  • 油を塗る方法はほぼ無効(かつ問題が多い)

  • 小型のネズミ返しは突破される可能性が高い

  • 有効にするには「構造的に物理的遮断」する設計が必要

順に整理します。


1. 油を塗るのは有効か?

ほぼ推奨できません。

理由:

  1. サルは腕力で「引き上げ」られる
    → 滑っても保持して体を持ち上げられる

  2. 乾燥・雨・埃で効果がすぐ落ちる

  3. 環境問題

    • 土壌汚染

    • 作物への付着

    • 道路構造物への処置は法的問題の可能性

  4. 学習される
    → 「滑るけど登れる」と覚える

短期的に滑ることはあっても、長期的防除にはなりません。


2. ネズミ返し(円盤状障害物)は有効か?

条件付きです。

直径30〜40cm程度ではほぼ突破されます。

理由:

  • 縁を掴める

  • 体を横に振って重心を上げられる

  • 若い個体が成功例を学習する


有効にするなら

● 直径が大きい(最低60〜80cm以上)

● 表面が完全に滑らかな金属

● 下側から掴めない構造

● 上側にも足場がない

しかし

  • カーブミラー支柱や電柱支線は公共物

  • 勝手な加工は不可

という現実的制約があります。


3. 電柱支線(ワイヤー)が特に危険

支線は:

  • 傾斜がある

  • グリップしやすい

  • 上空侵入に最適

ここは最優先遮断ポイントです。


4. 現実的で効果が高い対策

① 侵入側の「跳躍距離」を物理的に超えさせる

サルの安全跳躍距離は概ね 2〜3m。

よって:

  • 果樹の横枝を剪定して電柱・支線から3m以上離す

  • 支線直下の果樹を強く剪定

これが最も確実です。


② 上部にも電気線を追加

「飛び越え防止線」を追加する。

  • 柵上部に外向き45°で延長線

  • 上空側に1〜2本追加電線

地面防御だけでは足りません。


③ 支線への「回転式パイプ」

油よりはるかに有効なのが:

自由回転する塩ビパイプを被せる方法

  • ワイヤーに太径パイプを通す

  • 固定せず自由回転させる

掴んでも回転して保持できません。

これは実際に野生動物対策で使われます。


④ 支柱への大型スカート構造

もし許可が取れるなら:

  • 大型の円錐状・傘状の滑面板

  • 下から掴めない構造

ただし公共物なので事前調整必須です。


5. 重要な考え方

ニホンザル対策の原則は:

「登れなくする」ではなく「登っても意味がない構造にする」

つまり:

  • 足場を消す

  • 飛び移れなくする

  • 群れ全体に成功体験を与えない

一度「成功ルート」が確立すると、群れが固定利用します。


結論

方法有効性コメント
油を塗る低い持続しない・問題多い
小型ネズミ返し低い掴んで突破される
大型滑面障害物中条件付き
枝剪定+距離確保高い最も確実
回転パイプ高い現実的
上部電線追加高い推奨

観察までできているのは非常に大きな強みです。
「侵入経路が特定できた群れ」は対策成功率が上がります。

現地の構造(高さ・距離・支線角度)を数値で教えていただければ、より具体的な設計案を提案できます。




電柱の支線にくるくる回転する細いパイプを被せるという案は猿害対策として思いつきませんでした。
当地は多雪地帯なので、冬に大雪が積もったときにそのパイプに雪が付着して重みで支線が切れてしまう、という事故が起こらないか検討する必要があります。
それさえクリアできれば、良いアイデアだと思います。


Q2: 観察したのは6月下旬です。果樹園の敷地の外から目視した限りでは、リンゴ園には未熟果(青りんご)しか樹上に実ってませんでした。ニホンザルは、リンゴの未熟果(おそらくまだ渋いはず)を目当てにわざわざ危険を犯して侵入したのだろうか? (そうとは思えないのだが?) 何か別の食べ物があったのだろうか?

A2: 6月下旬・未熟な青リンゴのみ、という状況だと「甘い果実目当て」とは考えにくいように見えます。

しかし、結論から言うと:

未熟果でも侵入動機としては十分あり得ます。
ただし、それ“だけ”とは限りません。

整理して考えてみます。


1. ニホンザルは未熟果を食べるか?

食べます。

理由は:

  • 未熟果でも糖はゼロではない

  • 果汁(水分補給源)として価値がある

  • 種子形成期は栄養価が高い

  • 酸味や渋味に対する耐性がヒトより高い

特に6月下旬は

  • 山の自然果実がまだ少ない時期

  • 若葉の栄養価が落ち始める時期

つまり「端境期」です。

この時期は農作物への依存が上がりやすい。


2. 未熟リンゴの価値

未熟果は:

  • 可溶性糖は低め

  • しかし水分は豊富

  • 有機酸・ポリフェノールも含む

  • 種子形成中は脂質・タンパク質もある

サルは「甘さ」だけで判断していません。

むしろ

  • 大量にまとまっている

  • 高木で安全

  • 競争相手が少ない

という条件の方が重要です。


3. それでも本命は別の可能性

6月下旬のリンゴ園で考えられる別の誘因:

① 摘果後の落果

地面に落ちた未熟果は柔らかく、食べやすい。

② 雑草や草本

果樹園は管理されるため:

  • 柔らかい草

  • マメ科植物

  • イネ科若葉

が豊富な場合があります。

③ 昆虫

リンゴ園には:

  • ガ類幼虫

  • 甲虫幼虫

  • アブラムシ群集

が多い。

サルは昆虫食も普通にします。

④ 水分確保

梅雨期でも、樹上の果実は効率的な水源。


4. 「危険を犯して」侵入する理由

サルは常にリスクとリターンを比較しています。

侵入したということは:

  • 過去に成功体験がある

  • 電気柵の弱点を学習済み

  • 人の出入り時間を把握している

つまり「危険」ではなく「計算可能なリスク」だった可能性が高い。


5. 群れ行動の可能性

6月下旬は:

  • 当歳仔がいる

  • 授乳中の雌が多い

  • 栄養要求が高い

そのため

高エネルギー源を群れが積極的に探す時期

でもあります。

未熟果でも「量」があれば価値があります。


6. 判断のための観察ポイント

もし再確認できるなら:

  • 樹上で実を齧って落としていたか?

  • 地面で落果を食べていたか?

  • 若葉を食べていたか?

  • 滞在時間は長かったか?

  • 群れの何割が侵入したか?

未熟果目的なら:

  • 齧り跡のある落果が多数あるはず



Q3: リンゴ果樹は葉が生い茂っていたため、リンゴ園の中でのニホンザルの採食シーンは敷地の外から観察できませんでした。電気柵を突破する侵入シーンについては、単独個体だけでなく、乳児を腹に抱えた母親♀も電柱支線をよじ登っていました。この群れは同一ルートで次々に果樹園に侵入していたので、侵入法を学習済だったようです。あるいは先行個体の若い♂が後続個体に手本を示したのかもしれません。

A3: 非常に重要な観察です。
  • 乳児を抱えた母親が侵入

  • 群れが同一ルートを連続使用

  • 侵入動作にためらいがない

この3点から判断すると、**偶発的侵入ではなく「既知の安全ルート」**であった可能性が高いです。


1. 乳児を抱えた母親が侵入する意味

授乳中の雌は群れの中でも特にリスク回避的になります。
それでも侵入するということは:

  • 危険度が低いと評価している

  • 侵入先の資源価値が高い

  • 過去に成功体験がある

のいずれか、あるいは複合です。

単なる「試し行動」ではありません。


2. 学習の可能性

ニホンザルは

  • 観察学習をする

  • 成功例を模倣する

  • 群れ内で行動パターンが共有される

ことが知られています。

今回の状況は:

① 先行個体が侵入
② 他個体が即座に同じルート使用
③ 乳児持ち雌も続く

という流れなら、既に群れ内で確立した侵入ルートです。


3. 若い♂が先導した可能性

十分あります。

若齢個体や周辺雄は:

  • 探索的

  • リスク許容度が高い

  • 新しい侵入経路を発見しやすい

ただし重要なのは「誰が発見したか」ではなく、

今は群れ全体が知っている

という点です。


4. 侵入目的の再考

乳児持ち雌まで入るということは:

  • 群れの栄養需要が高い

  • 単なる遊びではない

  • 明確な餌資源がある

可能性が高い。

未熟果でも:

  • 大量にまとまっている

  • 競争が少ない

  • 樹上で安全に食べられる

なら十分動機になります。


5. もっと重要なこと

この状況で最大の問題は:

「成功ルートが固定化している」こと

一度固定化すると:

  • 毎年同じ時期に利用

  • 子世代に伝播

  • 周辺群にも拡散

する可能性があります。


6. 今やるべきこと

重要なのは:

ルートを完全に消すこと

中途半端に妨害すると、

  • 別ルート探索が始まる

  • 知能戦になる


優先順位

① 電柱支線の物理的遮断(回転パイプなど)
② 支線から果樹枝までの距離を3m以上に剪定
③ 上部電線追加

油や小型ネズミ返しは「学習を止められない」可能性が高い。


7. 今後の観察で確認したいこと

  • 侵入時間帯は一定か?

  • 見張り個体はいたか?

  • 滞在時間は長いか?

  • 退出も同ルートか?

これで「採食目的」か「探索目的」かの推定精度が上がります。


今回の記録は、行動生態学的にも非常に価値があります。
もし継続観察するなら、「侵入前の滞在行動」も記録すると面白いです。


Q4: 今回観察したのは、6月下旬の午前9時頃。天気はくもり。山麓の果樹園。9分間に計3頭のニホンザルが次々に電気柵を攻略して侵入していた。私がよそ見をしていた間に、更に何頭か侵入したのに見落としている可能性はありえる。乳児を腹に抱えた母親♀は電柱支線をかなり上まで(必要以上に?)よじ登ったのは観察したのですが、電気柵を飛び越えるまで見届けられなかったので、侵入数から除外してあります。もしかすると、乳児を抱えて重い母親♀はリンゴの横枝に飛び移るのを躊躇して諦めたかもしれません。

A4: 非常に状況が具体的なので、行動の意味をかなり絞れます。

1. 時間帯:午前9時

ニホンザルの採食活動は

  • 早朝〜午前に活発

  • 日中は休息や移動が増える

傾向があります。

午前9時は典型的な採食時間帯です。
探索や遊びよりも「明確な餌目的」の可能性が高い時間帯です。


2. 9分間で連続侵入

これは重要です。

  • 1頭の偶発的侵入ではない

  • 群れの移動経路に組み込まれている

  • 侵入が予定行動になっている

可能性が高い。

見落としがあるなら、実際は小規模な“まとまった侵入”だったかもしれません。


3. 乳児持ち雌の行動

ここが興味深い点です。

観察されたのは:

  • 支線を「かなり上まで」登った

  • その後は未確認

考えられる解釈は3つ。

① 実際に飛び移った

乳児を抱えていても、サルはかなり跳躍できます。
3m以内なら十分可能。

② 上部で安全確認をしていた

高い位置から

  • 園内の状況確認

  • 人の有無確認

をしていた可能性。

③ 本当に躊躇して断念

乳児の体重増加は確かに跳躍距離を制限します。

しかし重要なのは:

支線を登ること自体をためらっていない

という点です。

これは「危険評価が低い」ことを示します。


4. 「必要以上に高く登った」意味

これ、かなり重要です。

可能性として:

  • 電気柵の高さを超える安全高度を確保

  • 飛距離を短くするための助走位置

  • 園内全体の視認

つまり「侵入設計が最適化されている」可能性があります。

偶発的行動ではなく、洗練されたルート。


5. 未熟リンゴ目的か?

ここで再評価します。

条件:

  • 午前の採食時間

  • 複数個体が連続侵入

  • 乳児持ち雌も参加

  • ルートが確立済み

これは

十分な資源価値がある場所

と群れが判断していることを意味します。

未熟果でも、

  • 水分

  • 量的安定性

  • 競争の少なさ

があれば動機になります。


6. もう一つの可能性

リンゴ“だけ”でなく、

  • 摘果落果

  • 園内草本

  • 昆虫

が複合的資源になっている可能性が高い。

サルは単一資源依存ではなく、
「パッチ利用」します。


7. 今の段階で最も重要なこと

この群れは:

  • 電気柵を恐れていない

  • 高所侵入ルートを把握

  • 群れ内共有済み

です。

つまり

放置すると固定利用地になります。


8. 今後の観察ポイント

もし再観察できるなら:

  • 侵入前に木上で滞在するか

  • 見張り個体が残るか

  • 侵入後どのくらいで退出するか

  • 出るときも同ルートか

これで「採食強度」が推定できます。




Q5: 黄色と黒の縞模様が描かれた支線カバーをニホンザルは全く恐れずによじ登りました。黄色と黒の縞模様は毒針をもった蜂の腹部の警告色を模したものですが、ベーツ擬態の効果はまったくなかったことになります。

A5: 興味深い視点ですね。

ただし今回のケースは「ベーツ型擬態が効かなかった」と解釈するより、そもそも擬態として設計されていない視覚パターンと考える方が妥当です。


1. 黄色黒縞は「蜂の擬態」ではない

電柱支線カバーの黄色黒縞は、

  • 工事現場

  • 危険区域表示

  • 障害物表示

などで広く使われる高コントラスト警戒表示です。

自然界の蜂の腹部模様を意図しているわけではありません。


2. ベーツ型擬態とは何か

ベーツ型擬態は、
毒や防御能力をもつ種(モデル)に、無害な種が似ることで捕食を避ける仕組みです。

典型例は:

  • オオスズメバチ の警告色に似る無害昆虫

  • ハナアブ の縞模様

しかし成立条件があります:

  1. 捕食者がモデル種を危険と学習している

  2. 模様が生物として認識される

  3. 形態・動きもある程度似ている


3. なぜサルに効かなかったか

理由は複数考えられます。

① 「物体」として認識している

支線カバーは

  • 動かない

  • 匂いがない

  • 形が昆虫に似ていない

ので、サルは「人工物」として処理している可能性が高い。


② 霊長類は視覚判断が高度

ニホンザルは

  • 三色型色覚

  • 形状認識能力が高い

  • 触って確認する

ため、単なる色パターンでは忌避が成立しにくい。

鳥類や単純な捕食者とは違います。


③ 警告色は「触れない」ことが前提

蜂の警告色が効くのは、

  • 刺された経験がある

  • 動いている蜂と関連付けられる

場合です。

支線カバーは

  • 静止物体

  • 形態が蜂と全く違う

ので、学習連合が起きません。


4. そもそも霊長類に警告色は効くか?

霊長類はむしろ

  • 色彩を食物探索に利用

  • 赤や黄色を熟果の手がかりにする

ことが多い。

黄色黒縞が「危険」よりも
「目立つ物体」として認識された可能性もあります。


5. 行動学的に見ると

今回の観察で重要なのは:

  • サルは構造的安定性を優先

  • 色ではなく「登れるか」で判断

  • 触覚情報で最終確認

つまり、
視覚的威嚇はほぼ効果がないということです。


6. 結論

黄色黒縞が効かなかったのは:

  • ベーツ擬態が失敗したのではなく

  • 擬態として認識されていないため

です。

ニホンザルのような高認知動物に対しては、

  • 視覚的威嚇

  • 模様による忌避

よりも、

物理的に登れない構造

の方が圧倒的に有効です。


今回の観察は、
「霊長類に対する警告色の限界」を示す良い例ですね。

もし興味があれば、
ニホンザルの色覚特性と警告色の進化の関係も掘り下げますか?


Q6: 支線カバーとか踏切とか立入禁止のロープなどに使われている黄色と黒の縞模様は、蜂の警告色を誇張した超正常刺激(ヒトに対しての警告)なのかと思っていました。

A6: あの黄色と黒の縞模様のカバーは、感電防止ではなく「視認性確保(接触・衝突防止)」のためのものです。

1. 何のため?

正式には
**支線ガード(支線カバー)**などと呼ばれます。

目的は:

  • 人や車両が支線に気づかず接触するのを防ぐ

  • 草刈機や農機具が引っかけるのを防ぐ

  • 夜間や悪天候時の視認性を高める

つまり 物理的接触事故の防止 が目的です。


2. 誰への警告か?

主な対象は:

  • 歩行者

  • 自転車利用者

  • 車両運転者

  • 農業機械オペレーター

  • 草刈り作業者

支線は細くて斜めに張られているため、

  • 視界に入りにくい

  • 背景に溶け込みやすい

  • 夕方や曇天で特に見えにくい

ため、非常に引っかかりやすい構造物です。


3. なぜ黄色と黒?

黄色+黒の縞は

  • 工事現場

  • 危険箇所

  • 立入禁止区域

などで広く使われる高コントラスト警告色です。

人間の視覚は黄色に敏感で、
黒との縞模様は「人工的な注意対象」として強く認識されます。

つまり

「ここに障害物があります」

という意味の視覚信号です。


4. 電気的な意味は?

おっしゃる通り:

  • 支線には通常、電流は流れていません

  • 高圧電流とは無関係

  • アース機能とも直接関係なし

なので、電気的危険の警告ではありません。


5. なぜ接地点付近だけ?

人や車両が接触するのは

  • 地上〜目線の高さ

  • 農機具が通る高さ

だからです。

上部まで覆う必要はありません。


6. サル対策との関係

副次的にですが:

黄色黒カバーは

  • 表面が比較的滑らか

  • 直径が太くなる

ため、若干登りにくくなることはあります。

しかし

回転しないため、サルは十分よじ登れます。

視認性目的の構造なので、防除機能は想定されていません。



もし支線をサル侵入経路として無効化したいなら、
このカバーとは別に「回転構造」を追加する必要があります。



A6: 面白い着想ですが、結論から言うと――

工業用の黄色黒縞は、蜂の警告色を誇張した「超正常刺激」ではありません。

むしろ、

ヒトの視覚特性に合わせて最も目立つ配色を選んだ結果、自然界の警告色と似た

と考えるのが妥当です。


1. 超正常刺激とは何か

超正常刺激(supernormal stimulus)は、
ニコ・ティンバーゲン が示した概念で、

  • 本来の刺激よりも誇張された人工刺激が

  • 生得的行動を強く引き起こす

という現象です。

典型例は:

  • 鳥が自分の卵よりも大きく派手な偽卵を抱卵する

  • 誇張された配色や形状に強く反応する


2. では黄色黒縞は超正常刺激か?

ヒトの場合は少し事情が違います。

黄色黒縞は:

  • 明度差が大きい

  • コントラストが強い

  • 周辺視野でも検出しやすい

  • 低照度でも視認性が高い

という視覚工学的に優れた組み合わせです。

つまりこれは

進化心理的な本能刺激の誇張ではなく、視覚情報処理の効率最適化です。


3. なぜ蜂と似ているのか?

蜂(例:オオスズメバチ)の警告色も、

  • 黒と黄色の高コントラスト

  • 動きの中でも識別しやすい配色

という特徴を持ちます。

これは

「捕食者の視覚に最も強く訴える配色」

として自然選択された結果です。

ヒトの工業デザインも

「ヒトの視覚に最も強く訴える配色」

を選んだ結果、

収束的に似ただけ、と考えられます。


4. ヒトにとって蜂は本能的に怖い?

ある程度は可能性があります。

ヒトは霊長類なので三色型色覚を持ち、

  • 赤・黄系を熟果探索に利用

  • 高コントラストに敏感

です。

しかし、

黄色黒縞を見て蜂を連想するのは
主に学習による文化的連合です。

工事現場で繰り返し使われることで、

黄色黒=危険

という意味づけが強化されています。


5. 超正常刺激との違い

超正常刺激なら:

  • 本能的

  • 形状や行動を直接誘発

  • 文化に依存しない

はずです。

黄色黒縞は:

  • 文化的学習に依存

  • 文脈がないと危険とは感じない

ので、厳密には超正常刺激とは言いにくい。


6. なぜニホンザルには効かないのか

ニホンザルは:

  • 人間社会の警告記号を学習していない

  • 形態が蜂と全く違うことを理解できる

  • 触覚確認ができる

ため、

黄色黒縞=危険

という連合は成立しません。


まとめ

黄色黒縞は:

  • 蜂の擬態ではない

  • 超正常刺激でもない

  • 視覚工学的に最適な高コントラスト配色

  • 自然界の警告色と収束的に似ただけ

というのが妥当な解釈です。




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2026/01/19

山中にこだまする猿害対策の空砲

 

2024年7月中旬・午前10:50頃・くもり 

里山の入山口から登り始めたら、麓の方からパーン♪と爆竹(空砲?)のような破裂音が反響しました。 
田畑や果樹園で農作物を食い荒らすニホンザルの群れを追い払っているのでしょう。 
群れの中には首輪でGPSや電波発信機を装着した個体が含まれています。 
その信号で猿の群れが麓の集落に近づいていることを検知すると、専門の業者(ボランティア?)が駆けつけて空砲を撃ち、山に追い払う体制ができているようです。 

山道で立ち止まって振り返り、麓を向いて録音しました。 
間隔を開けて何発も空砲を撃っていたのですが、今回は1発しか動画で録音できませんでした。
すぐに録画を停止するのではなく、しばらく長撮りすればよかったですね。

その後しばらく待っても、山に逃げてくるニホンザルの群れとは遭遇できず、鳴き声も聞こえませんでした。 


関連記事(2,5,10,11年前の撮影)▶  

2025/12/29

害獣撃退器のバリエーション豊かな警告音♪【畑の獣害対策】

 

2024年10月上旬 

郊外に広がっていた農地が最近はほとんど使われなくなり、休耕地が増えています。 
その中で細々と営んでいる家庭菜園の横を通りかかったら、けたたましい騒音が聞こえてきました。 
農作物を食害に来る野生動物を追い払うための装置が設置されているようです。 
この辺りの地域では特にニホンザルやニホンイノシシによる食害が問題になっています。 

畑の横に緑色をしたプラスチックの竿が立ててあり、その先に取り付けられた害獣撃退器から、さまざまな警報音や猛獣の鳴き声などが流れていました。 
リピート再生される撃退音のレパートリーをしばらく聞いてみると、パトカーのサイレン、ブザー音、大型車の警笛、爆竹、銃声?(連射)などと、バリエーションが豊かでした。 
人工的な警告音だけでなく、イヌが吠える声、ライオンの咆哮、ブタの悲鳴?など動物の鳴き声も含まれているのが興味深く思いました。 

手前の水路をチョロチョロ流れる水音の方がうるさくて、動画では肝心の警報音があまり聞こえないかもしれません。 
近所迷惑にならないように装置の音量を控え目に下げているのかもしれませんが、それだと害獣の撃退効果も半減しそうです。 
最新型の害獣撃退器は、ヒトの耳には聞こえない超音波を発するのだそうです。 

近くの草むらではコオロギが平気で鳴き続けています。 
害獣撃退器の発する騒音にはもう慣れてしまっているのか、影響されないようです。 

他人様の畑の敷地に勝手に入る訳にはいかないので、私は公道に立ってサトイモの葉の隙間から害獣撃退器を狙い、なんとか正面から撮影できました。 
装置の上面に太陽光パネルがあり、そこから給電しています。 
アラーム音を発するだけでなく、白色LEDが複雑なパターンで点滅していました。 
夜の暗闇では威嚇効果が多少はあるのでしょう。 
明るい昼間だとLEDの点滅は(特に離れると)あまり目立ちません。 

畑でアラーム音を昼も夜も休みなく流し続けると、野生動物に慣れが生じるのも早いはずです。 
もしかすると、畑の横の農道を私が歩いてきたことに赤外線センサーが反応して、アラーム音を鳴らし始めたのかもしれません。 
だとすれば、トレイルカメラと共通の技術が使われています。 

ここで育てている作物としては、サトイモ、青ネギ、トウガラシ、トマトなどが見えます。 
畑の奥にはススキの群落や防風林が広がっています。 

農作物を害獣から守るには、とりあえず電気柵をしっかり正しく設置するのが一番効果があると思うのですが、この家庭菜園では電気柵を設置していません。 
畑の規模が小さいと、害獣対策にあまりコストをかけられないのでしょう。

害獣撃退器の他には、ペットボトルからDIY自作した風車、および既成品の風車が鳥よけと(鳥害対策)していくつかクルクル回っていました。 
関連記事(1、3年前の撮影)▶  




【考察】
この害獣撃退器は、多様な騒音を再生しながら白色LEDも複雑なパターンで点滅していました。
害獣に対して慣れが生じないように苦心しているようです。

様々な鳥獣害対策グッズに対して私が個人的に抱いている懸念も「じきに慣れが生じて効果がなくなるはずだ」という点に尽きます。
音と光による害獣撃退器に果たしてどれぐらい効き目があるのかどうか、いつかトレイルカメラを使って導入前後の防除効果を検証してみたいものです。 

複数種類の対策グッズを組み合わせることが有効とされています。
害獣を追い払うためには視覚、聴覚による威嚇刺激だけでなく、強烈な匂いのするウルフピー(オオカミの尿)なども売られています。


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2025/12/26

家庭菜園に吊り下げられたサルのぬいぐるみ:ネオかかし【猿害対策?】

2024年10月上旬 

山麓の集落で家庭菜園に置かれたサルのぬいぐるみを見つけました。 
緑のプラスチック製の竿に逆さまの状態でくくりつけられていて、まるで見せしめのような案山子です。 
畑で育てている作物はダイコンかな?(自信なし)
この集落では野生ニホンザルの群れやイノシシが頻繁に出没し、農作物を食い荒らすので困っているのでしょう。 
ヒトを模した伝統的な案山子(かかし)と比べて、サルのぬいぐるみの方がニホンザルへの威嚇(見せしめ)効果が高いとしたら面白いですね。 
鳥害対策も兼ねていそうです。
ユーモラスで涙ぐましい工夫ですけど、動かない案山子はただの「こけおどし」だとすぐにバレてしまう(慣れてしまう)はずです。

ちなみに、周囲の本格的な畑は電気柵でしっかり囲われていました。(写真を撮り忘れ) 

この集落では裏山に抜ける農道や周辺の下草がきれいに刈られていて、感心しました。 
美観を保つためだけではなく、野生動物に対してヒトが暮らす地域との境目がしっかり分かるようにしているのです。 
これは獣害対策の基本です。
草刈りして見通しが良くなるだけで、野生動物は警戒を増し、人里への侵入を抑制する効果があるのです。 


裏山への通り道には、ニホンザルを捕獲する檻も設置されていました。 
サルを誘き寄せる餌を赤いメッシュの袋に入れてあるのは、何の意味があるのでしょうか? 
素人考えでは逆効果ではないか?(餌がよく見えるように剥き出しに置くべきでは?)と思うのですが…。 
強行軍で疲れていた私は、檻に近づいて餌の種類を確かめに行く元気もありませんでした。

この檻で捕まえた野生動物がニホンザルの場合は、必ずしも駆除(殺処分)するとは限りません。
麻酔をかけてGPSや電波発信機の首輪を装着した上で山に放獣し、群れに戻すのです。
ニホンザルは群れで遊動する習性がありますから(単独行動の離れ♂は除く)、首輪を装着した少数の個体を追跡できれば、群れの位置もほぼ分かるのです。
首輪装着個体の現在地をリアルタイムで追跡したり、遊動域や隣の群れとの縄張り境界を可視化したりすることが可能になります。
それだけでなく、人里に接近したら自動的に近隣住民にメールで警報を発したり、追い払い部隊に通報したりする仕組みが確立されて、防除成果を上げています。

最近問題になっているツキノワグマの対策が難しいのは、ニホンザルとは違って単独あるいは母子の群れで行動するからです。
ニホンザルと同じ防除システムを確立するには、全個体のクマを片っ端から一時捕獲してGPS首輪を装着しないといけません。
毎年産まれる子グマの全個体に首輪を付けるだけでなく、成長したら首輪を付け替える必要がありますから、とても現実的ではありません。
皮下に埋め込むマイクロチップぐらいのサイズまでGPSや発信機が小型化し、長期に使える電源も何らかの仕組みで確保できれば、実現の望みが出てくるかもしれません。

2023/09/14

猿害対策:空砲を撃ってニホンザルの群れを追い払い山里の畑を食害から守る

 

前回の記事:▶  


2022年8月下旬・午後16:00頃・くもり 

山麓の集落で野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の大群と遭遇した後で私が更に下山していると、辺りで発砲音が繰り返しこだましたので山林の方を振り返りました。 
銃犯罪とは無縁の日本で銃声を聞くとギョッとしますが、山麓の農村部では珍しくありません。 
山から里に降りてきたニホンザルの群れが家庭菜園や畑の農作物を次々に食い荒らしてしまいます。 
ニホンザルによる食害(猿害)が深刻なので、さまざまな対策をするようになりました。 
猿の群れが山から降りてくると、住民がロケット花火や爆竹、空砲を撃ちまくって脅かし、山へ追い返します。 
今回私からは少し遠いので、悲鳴を上げて山林に逃げ込むニホンザルの鳴き声は聞き取れませんでした。 
ほとぼりが覚めるとニホンザルの群れはまた戻ってくるので、いたちごっこです。 

犬猿の仲であるイヌをニホンザル撃退専門に訓練してから山村をパトロールし、ワンワン♪鳴いて猿を追い立てることで効果を上げている地域もあるそうです。 
当地でモンキードッグは未だ導入されていません。 

動画に登場する畑はただのネットで覆われているだけですが(鳥害対策?)、最近ではお金を投資して電気柵で畑全体を厳重に囲うようになりました。(下の写真を参照) 
電気柵のバッテリーはソーラーパネルで充電するようです。

蒲谷肇『千葉県におけるシカとサルによる農林業義外と対策』(1995)を読むと具体的に書いてありました。
サルの防護は、3,000〜8,000Vの高圧微弱電流(500mA以下) が約1秒間隔のパルスで金属線に流れている電気柵でサルの侵入を防ぐことによる。電気柵が効果を失うのは、主として蔓が伸びて金属線に絡みつき漏電する場合とサルが柵の近くの高い木に登って農耕地等に跳びこむ場合である。(『現代生態学とその周辺』p171より引用)
少し古い資料ですし、電気柵メーカーや機種によって違うのかもしれませんが、パルス電流を流しているとは知りませんでした。

ちなみに、空砲を連射しても周囲のミンミンゼミ♂♪は鳴き止みません。 
セミが鳴く木の下で大砲をぶっ放したファーブルの実験を思い出しました。

2019/12/24

猿害対策の銃声を聞いても動じない野生ニホンザル(白猿を含む群れ)



2019年7月下旬・午前7:47

山麓の水路沿いで野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが散開しています。
鳴き交わしている猿の鳴き声が響き渡ります。
どの個体に注目して撮るべきか目移りしてしまいます。

転落防止フェンスの手摺の上を歩いて来る個体を撮っていると、パーン♪と銃声のような破裂音が少し遠くから聞こえました。(@0:35)
ニホンザルの群れが里の集落に降りてきて果樹園や田畑の農作物を食い荒らさないように(猿害対策)、近隣住民が爆竹や空砲を鳴らしているようです。
ところが、5回連発の銃声が山麓にこだましても、猿の群れは逃げるどころか全く気にしていません。
各々が平然と遊動、採食、遊びを続けています。
水路に出入りしている個体もいます。
草の生えた土手に白猿♀(白変種の若い個体)も現れ、別個体と格闘遊びを始めました。

山里で暮らすニホンザルにとってこんな銃声は日常茶飯事で馴れてしまい、危険性が無い虚仮威しだと見抜いているのかもしれません。
集落からニホンザルの群れを追い払いたいのであれば、専門的に訓練されたイヌ(モンキードッグ)を放つのが最も安上がりで有効だろうと私は考えます。



▼関連記事(6年前の撮影)
猿害対策の爆竹の効果


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