2026/06/27

リンゴ園の樹上で未熟果を食い荒らすニホンザルの群れ

 

2026年6月上旬・午前10:10頃・くもり 

山麓の果樹園に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが傍若無人に侵入していました。 
今季はまだ果樹園全体が電気柵で囲われていなかったので、無防備な状態でした。 
当地は豪雪地帯ですから、積雪の重みで潰れたり壊れたりしないように、秋の収穫が終わると電気柵を全て撤去してしまいます。 
猿害対策として電気柵は有効ですが、正しく設置して保守管理しないと、賢いニホンザルはすぐに攻略してしまいます。 



果樹園の敷地の端(リンゴ林の林縁)でリンゴの果樹に登っていたニホンザルが赤く色づき始めた小ぶりの未熟果を次々に食い荒らしていました。 
リンゴ農家も果実を間引いて大きく育てるために不要な枝を剪定したり摘果したりするので、この時期の食害には寛容なのでしょうか。
それとも単に人手不足で猿害対策が間に合わないのかもしれません。 

多くのニホンザルが続々とリンゴの木によじ登って未熟果を食べ漁るので、どの個体に注目して撮影すべきか、目移りしてしまいます。 



ときどき、ニホンザルがリンゴの枝をポキッと折る音が聞こえます。 
リンゴの樹上に座ったニホンザルが近くの枝から未熟果を手でもぎ取り、かぶりついてモグモグと咀嚼します。 
片手を伸ばして小枝を引き寄せ、未熟果を口で直接咥えてもぎ取ることもありました。 
しかし猿は一口か二口食べただけで、食べかけの果実を惜しげもなく捨ててしまい、次の果実を採取します。 
ニホンザルに特有のこのような採食法が我々に「もったいない」と強く感じさせ、果樹農家に憎まれる原因になります。 

果皮が赤く色づいていない「青りんご」の状態でもニホンザルは平気で食べています。(@2:02〜) 
渋くないのかな? 
普段ニホンザルは野生の果実ばかり食べているので、栽培品種のリンゴ果実は未熟でもよほど美味に違いありません。

リンゴの芯や種子は食べずに捨てているのか、それとも逆に、リンゴの果皮を捨てているのか、よく見えませんでした。 
リンゴの木の下に散乱している食べ残し(食痕)を観察しに行く必要があります。 
また、この時期のニホンザルが排泄した糞に未消化のリンゴ種子が含まれているかどうか、調べる必要がありますね。 
果実が熟していないということは、種子も未だ成熟していない(発芽能力がない)ので、今回は種子散布の話と無関係です。 
つまり、リンゴという植物にとって、ニホンザルによる未熟果の食害は、完全な食べられ損です。

リンゴの樹上で私に背を向けて座り、未熟果を食べていた個体が真っ逆さまに(頭を下にして)幹を下りました。(@1:37〜) 

ニホンザルの群れは、緑の葉が生い茂った枝から枝へ渡り歩いて、リンゴ園の奥へと入って行きます。 
私に見られているのを嫌い、茂みの奥に隠れたいのかもしれません。 


短時間の観察でしたが、この群れにはアルビノ(または白変種)が少なくとも2頭含まれていました。 
白猿と呼ばれて地元では昔から神聖視(半ばアイドル化)されています。 

まず見つけた白猿は、体格の良い太った成獣♀です。(@2:41〜) 
胸に幼い子猿を抱えていたので、今季出産した♀であることが分かります。 
興味深いことに、子猿の毛皮は母親のように真っ白(ホモ)ではなくて、通常の野生型(ヘテロ)でした。 
幼い子猿はまだ離乳前らしく、自分でリンゴの未熟果を採食することはありませんでした。 
授乳期の母猿は、栄養価の高い餌をたくさん食べないといけません。 
樹上の白猿が振り返ったときに瞳の色を確認すると、黒目があるようにも見え、メラニン色素が薄くて青い目のようにも見えます。(YouTube動画のサムネイルとなった場面@3:29〜) 
やがて、乳飲み子を抱いたまま、隣の木に跳び移りました。(@3:42〜) 
アルビノ♀が出産するのは珍しいとのことですが、私自身はそこまで詳細な記録を取っていません。 

私が撮影に夢中になっていると、手前の農道を別個体の白猿が通り過ぎました。(@3:03〜) 
若いアルビノ(白変種?)個体です。 
私をあまり恐れずに、ゆっくり歩いて果樹園の方へ向かいました。 
残念ながら後ろ姿しか見えなかったので、瞳の色を確認できていません。 
アルビノの母猿と若いアルビノは、親子なのでしょうか? 
その後、年齢の離れたアルビノ同士がリンゴ園で合流する様子は見ていません。 


※ 撮影順ではなく、映像素材の順番を編集で入れ替えました。 




【追記】
こういう動画を公開すると、「のんきに傍観してないで、さっさと害獣を追い払え!」と怒る人が出てきます。
猿の襲撃が1回限りなら、その人の言う通りです。
しかし、神出鬼没で何度も襲撃を繰り返す強敵となると、話が変わってきます。
猿害(ニホンザルによる農作物の食害)に苦しむ農家の心情も理解できるのですが、私は長年ひっそりと観察に徹しているからこそ、このような記録映像を撮ることができるのです。
ちなみに、私は野生のニホンザルに撮影目的の餌付けや給餌を一切していません。
もし私がニホンザルの追い払い活動に参加すると、猿たちは私に対して警戒を強め、自然な行動を見せてくれないどころか、群れに近づくことも困難になります。

つまり、猿害対策には分業が必要となるのです。
害獣防除の専門業者も必要ですし、ニホンザルの行動や生態を地道に調べる研究者や動物カメラマンも必要です。
現在では無人のカメラを農地や果樹園に設置して、野生動物の侵入を不眠不休で監視することも可能になりました。

軍事で例えると、偵察部隊や斥候(隠密偵察)はこっそり敵の様子を視察して、正しい情報を本隊に伝えるのが任務の専門職です。
敵と遭遇したからと言って、いちいち戦闘したり追い払ったりするのは御法度です。
隠密偵察が持ち帰った情報や証拠映像を元に対策を立てたり作戦を練ったりするのは、別の担当者です。

他の例えだと、戦場カメラマンとか潜入捜査官の方がしっくり来るかもしれません。

クリの幹の根元に集まり餌を探すエナガの群れ♪【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年1月上旬・午後13:15頃・晴れ 

山麓の農村部でクリ(栗)園の横を通りかかったら、エナガAegithalos caudatus)の群れが賑やかに鳴き交わしながら採食していました。 
落葉したクリの木の下で、雪が溶けて露出した落ち葉を調べたり、根元付近の樹皮をあちこちつついたりして、隠れて越冬している虫を探しています。 

エナガの忙しない採食行動をじっくり観察するために、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
短い距離を飛んで移動する羽ばたきが、見応えのあるスーパースローで見れるようになりました。 
エナガは垂直な幹をピョンピョンとよじ登り、あちこちの樹皮をつついています。 


【考察】 
エナガが嘴でつついて捕食していた獲物の候補として、クリオオアブラムシLachnus tropicalis)の越冬卵が考えられます。
クリ林(果樹園)に発生する害虫を冬に食べてくれるエナガは益鳥になります。
現場検証で獲物の正体を突き止めたくても、クリ園の敷地に勝手に入る訳にはいかないので、今のところ推測に過ぎません。 

参考ブログ:冬越しブラック団 by 湘南むし日記


他の鳥が林床でよくやる「落ち葉めくり行動」をエナガはなぜやらないのか、不思議でした。
嘴の短いエナガは、落ち葉をうまく摘んだり払い除けたりできないのかもしれません。 


今回の採食行動について、Perplexity AIに質問してみました。

Q: エナガはクリの幹の下部(根元付近)に執着し、そこの樹皮を重点的につついていました。
獲物となる越冬卵や越冬昆虫の分布が樹冠部ではなく根元付近に偏っている理由は何だろう? 
雪面に近いほうが乾燥から免れるのか? 大雪が積もれば雪の下に埋もれたり潰されてしまう可能性もあります。 

A: 越冬する卵や虫が根元付近に偏って分布する理由は、いくつかの重要な環境要因が関係しています。

根元付近を選ばれる主な理由

要因理由・効果
温度変化の少なさ根元は地表に近いため、温度変化が最も少なく安定している [city.kurayoshi.lg]。樹幹上部は風や日射で温度変動が大きい
湿度の保たれやすさ根元の樹皮の隙間は外部から隠れ、湿度も保たれる [biome.co]。乾燥は越冬卵の細胞内水環境を変化させ致命的
風・雨の避けやすさ根元は風雨の当たらない場所 [hayakawa-kitasho.ed]。風で寒くならないため
外敵からの隠れやすさ根元の樹皮の間や落ち葉の下は、地表を歩き回って獲物を探す鳥類などの天敵に見つかりにくい [biome.co]
0℃付近の安定環境落ち葉の間に潜ったり隙間に入ったりと、0℃あたりの温度と湿り気をくれる環境 [city.kurayoshi.lg]

雪面のメリットとデメリットについて

メリット(乾燥回避)

  • 雪の下は断熱効果があり、温度が急激に下がらない

  • 雪は湿度を保つため、乾燥を防ぐ[city.kurayoshi.lg]

デメリット(大雪のリスク)

  • 大雪が積もれば雪の下に埋もれてしまう可能性

  • しかし、昆虫は自分の致死温度以上で安定した場所を選んで越冬するため、雪の厚さや温度を考慮して場所を選んでいる[detail.chiebukuro.yahoo.co]

クリオオアブラムシの具体的な産卵場所

クリオオアブラムシは幹の株元近くに複数の雌成虫が集まって卵をまとめて産みます 。これは「日当たりがよい南側の雨がかかりにくい枝の下面」に多いという情報 と矛盾せず、株元付近の樹幹下部の南側を選ぶ傾向があると考えられます。[hro.or]

結論

エナガが根元付近を重点的につついていた理由

  1. 越冬卵が根元付近に集中して産みつけられている[hro.or]

  2. 根元は温度・湿度が安定し、乾燥から免れやすい[biome.co]

  3. 風雨・外敵からの保護が得られる[hayakawa-kitasho.ed]

  4. 雪面近くでも、岩根や樹皮の隙間に潜ることで過度の低温や雪の重圧を回避している[detail.chiebukuro.yahoo.co]

大雪が積もる場合でも、昆虫は致死温度以上の安定場所を選ぶため、根元の樹皮隙間や落ち葉下などの微環境を利用しています。





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2026/06/26

雪原の営巣地でホンドタヌキ♂が♀の発情状態をチェック・家族団らんの相互毛繕い:3月中旬【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬

冬は雪原となる休耕地で、ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の営巣地を2台のトレイルカメラで見張っています。 
いよいよ交尾期が始まるので、撮り漏らしを減らすために、トレイルカメラをもう1台増やしました。 

遂に、この日は重要な出来事が起こります。 


シーン1:3/12・午前7:10・晴れ・気温0℃(@0:00〜) 
朝からなぜか画面全体がぼんやり曇っています。 
レンズに霜が付着したのか、朝霧が発生しているのかもしれません。 
※ このシーン1だけ編集時に自動色調補正を施し、5倍速にしました。
(早回し映像にしたほうが、霧の中でも行動を読み解きやすくなるのです。)


右から3頭のタヌキが次々と帰巣しました。 
そのまま入巣するかと思いきや、巣口の手前で別々に立ち止まっています。 
先行の2頭が入巣した後も、最後尾の3頭目が巣外に留まっています。 
これまでの行動パターンでは、先行する2頭が♀♂ペア(両親)で、殿しんがりを務めているのが両目失明個体(ヘルパー♀h)と予想しています。 


シーン2:3/12・午前7:36・晴れ・気温2℃(@0:12〜) 
約25分後、レンズがクリアになっていました。 

巣穴から外に出てきたばかりの♀♂ペアが雪原を右に移動していました。 
先行個体♀が雪面の匂いを嗅ぎ回ってから、体をねじって毛繕いを始めました。 
後続の♂個体が立ち止まったまま身震いしました。 

♂が♀に近づくと、♂から♀への対他毛繕いを始めました。 
その流れで♂は♀の尻の匂いを嗅いで、発情状態をチェックしています。 
尻や陰部を舐められた♀は尻尾をピクピク持ち上げました。 
素人目には、♀も発情しかけているような気がします。 
(発情チェックの行動でようやくペアの性別が確定したので、遡って性別を記したのです。) 

その間に、ヘルパー個体(両目失明♀h)が巣口から顔を出して、♀♂ペアの様子を眺めています。
(タペータムの反射機能が消失していても、明るい昼間の視覚は問題ないと推測しています。)


シーン3:3/12・午前8:36・晴れ・気温9℃(@1:12〜) 
1時間後にも、3頭の家族群が営巣地の雪原をうろついていました。 
巣穴へ向かって右から順番に(1頭ずつ)歩いてきます。 
個体識別ができていませんが、先行する2頭が両親♀♂ペアで、いつも最後尾を歩いているのがヘルパー個体(両目失明♀h)なのでしょうか。 


シーン4:3/12・午前8:37・晴れ(@2:12〜) 
狭い巣口に3頭の家族がひしめき合っていました。 
三つ巴で対他毛繕い、相互毛繕いしてるようです。 



つづく→いよいよ交尾が始まります。

タネツケバナの花蜜を吸い飛び回るツマキチョウ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2025年5月中旬・午前10:15頃・晴れ 

里山の山腹をトラバースする山道に咲いたタネツケバナの小群落で、ツマキチョウ♂(Anthocharis scolymus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
そもそもツマキチョウを見かけたのもかなり久しぶりでした。
興奮のあまり焦ってカメラ操作をミスってしまい、だいぶタイムロスしました。 

翅をほぼ全開にしたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
少し飛んで別の花序に移動し、吸蜜を再開。 

ツマキチョウ♂がタネツケバナの花から飛びたつ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:33〜) 
力強く羽ばたいて飛び去りました。 

ちなみに、ツマキチョウ(シロチョウ科)幼虫の食草はアブラナ科で、その中にはタネツケバナも含まれていました。 (フィールドガイド『日本のチョウ』p82より) 


関連記事(13,17年前の撮影)▶  

2026/06/25

タヌキが越冬する林内の巣穴に立ち寄る雪国のホンドギツネ:3月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2025年3月中旬 

シーン0:3/10・午後16:40・晴れ・気温13℃(@0:00〜) 
雪国の二次林で、ホンドタヌキが越冬する巣穴を自動撮影カメラ2台で見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンを以下にまとめます。

シーン1:3/15・午後17:16・くもり・気温5℃(@0:03〜) 
夕方に右奥からセットにやって来たフサ尾のキツネが、巣口Rの手前で立ち止まって顔を上げ、風の匂いを嗅いでいました。 
カメラ目線ではなく、右奥の林内を凝視警戒しています。 
巣口Rには近寄らず、奥の林内へ向かいました。 
気温が高いのに、キツネが歩いても雪面に足があまり潜っていません。 

シーン2:3/15・午後17:16・くもり・気温4℃(@1:03〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも撮れていました。 

シーン3:3/20・午後21:09・気温-2℃(@1:39〜) 
5日後の晩に、右奥の暗い林内を足早に立ち去るキツネの後ろ姿がチラッと写っていました。 
タヌキの営巣地には立ち寄りませんでした。 

シーン4:3/31・午前11:48・くもり・気温-2℃(@1:46〜) 
ようやく雪解けが進み、巣口Rの周辺および樹々の根回りで地面が露出しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

シダレザクラの樹上で相互羽繕いするキジバト♀♂(冬の野鳥)

 

2025年3月中旬・午後13:15頃・雨天 

民家の庭でシダレザクラ(枝垂桜)のやや太い横枝にキジバト♀♂(Streptopelia orientalis)が仲良く並んで留まっています。 
雨(みぞれ?)が降っているのに雨宿りをしないのは、羽根に撥水性があるからです。 
そのためには、日頃の手入れ(羽繕い)が欠かせません。 
尾脂腺から分泌される油分を嘴で羽根に塗り拡げているのです。
ときどき身震いして、雨で濡れた羽根の水気を切ります。 

途中からはパートナーに寄り添って、甲斐甲斐しく相手の羽繕いをし始めました。 
もしかすると、ビリング(キス)かもしれません。 

スズメPasser montanus)の群れも同じ止まり木に集まっているようで、賑やかに鳴き交わす声が近くから聞こえます。 

やがて、隠し撮りしている私の存在がバレたようです。
警戒したキジバトの♀♂カップルは、枝伝いに歩いたり少し飛んだりして移動し、死角に隠れてしまいました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2026/06/24

ヘルパーが雪の下に貯食した餌を翌朝に掘り出して食べるホンドタヌキ♀と発情チェックに余念がない♂【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬 

シーン1:3/11・午前5:49・気温-4℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:54。 
夜明け直前なのにもうだいぶ明るいのは、雪明り(雪面からの反射)のおかげです。 
いつも行動を共にしているホンドタヌキNyctereutes viverrinus)3頭の家族群が、落葉二次林内の越冬用営巣地にまた来ていました。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

殿しんがりを務めているのは、おそらく両目を失明した♀h個体でしょう。
明るい日中には、輝板の反射で失明状態を見分けることができません。
雪深い林床を横切って、巣口Rへ向かいます。 

先行する♀♂ペアが右奥で、雪面のある地点に穴を掘って匂いを嗅いでいます。 
ここは前日の夕方に、両目失明個体♀hが運んできた獲物(生魚)を雪の下に埋めて隠した地点です。 


母親♀が獲物の匂いを嗅ぎ当てて、雪の下から掘り出そうとしています。 
(あるいは既に魚?の死骸をガツガツと食べているのかもしれませんが、よく見えません。) 
せっかく前日に両目失明個体♀hが隠した貯食物を、母親♀に奪われてしまいました。 
怒ったり抗議したり獲物を取り返そうとしたりしないのも、切ない話です。 
居候のヘルパーとして、両親♀♂に給餌するのは当然の行動(貢ぎもの)なのかな? 

貯食物を食べる♀の横で、♂が♀の尻の匂いを嗅いで発情状態をチェックしています。 
それに反応して、♀が尻尾を少しずつ上げました。 
尻や陰部を♂に舐められて、性的に興奮しているのでしょうか。 
次に、♂が右後脚を持ち上げながら♀の体に小便をかけて、匂い付け(アロマーキング)しました。 
食い気よりも色気の♂は、再び♀の発情チェック。 

その間、両目失明個体♀hは巣口Rに座って、♀♂ペア(両親)のいちゃつく様子を見守っています。 
(両目のタペータムを失明した個体が昼間にどのぐらい見えているのか、不明です。) 

母親♀が顔を上げたときに、口をモグモグと咀嚼していました。 
父親♂は、さっきと逆の左後脚を持ち上げながら、♀の体にまたまた排尿マーキング(アロマーキング)。 


シーン2:3/11・午前5:49・気温-4℃(@1:00〜) 
巣口Rで座って休む両目失明個体♀hの様子が、別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
群れ(家族)内での順位が明らかに低いようで、今回も怯えたようにビクビクしている印象です。 
貯食物を奪われて、空腹なのでしょうか。 
しばらくすると、自分で毛繕いを始めました。 

そこへ左から父親♂がやって来て、巣口Rを点検します。 


シーン3:3/11・午前5:50(@2:00〜)
再び広角の監視映像に戻ります。 
母親♀が右奥で貯食物を食べ続けています。 

父親♂が♀から離れて巣口Rへ向かうと、両目失明した娘♀hの横を通り過ぎたましたが、鼻面を少し近づけただけで互いに没交渉でした。 
そのまま父親♂は、左上奥の林内へどんどん歩き去ります。 
通りすがりに、落葉灌木の根元に排尿マーキングした…かもしれません。 

ようやく貯食物を食べ終えた母親♀も、左へ少し歩いて移動しました。 
雪面に佇み、先行する♂の後ろ姿を見送ります。 


シーン4:3/11・午前5:51(@3:00〜)
両目失明個体♀hが巣口Rからようやく立ち上がり、先行する♂の後を追って、右下手前へ歩き始めました。 
放射冷却現象で雪面がカチコチに凍っていて、タヌキは足が潜らずに歩けます。 
最後尾を歩く♀の姿も、しばらくして画面の左下隅にちらっと写りました。 


【考察】 
両目失明した♀h個体がせっかく運んできた獲物(生魚?)を夕方に営巣地の雪の下に埋めて隠したのに、自分では食べることができず、翌朝に母親♀が見つけて食べてしまいました。 
営巣地の天然の冷蔵庫内に保存してある食料は、家族が誰でもいつでも食べて良いしきたりなのでしょうか。 
両目失明した♀h個体がヘルパーだとしたら、両親の繁殖を助けて給餌するのも当然の行動です。 
両親が出産どころか発情・交尾する前から、ヘルパー♀hが実家に餌を運んできたことになります。 

今回観察した行動から、立場の弱い両目失明個体は両親♀♂のヘルパー(性別はおそらく♀)なのだろうと私は確信したのです。 

しつこくつきまとって発情チェックやアロマーキングを繰り返す♂に対して、♀も反応を示すようになりました。
いよいよ交尾しそうです。


池で単独打水産卵するシオカラトンボ♀を待ち伏せしていたトノサマガエルが捕食する決定的瞬間!【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年6月上旬・午後12:45頃・晴れ 

山麓の小さな池で、白っぽい体色のトンボ♀が岸辺に沿って忙しなくあちこちに打水産卵していました。 
単独打水産卵を、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:23〜1:46) 
岸辺の水面に腹端を繰り返し打ち付けて、浅い水中に卵を産み落としているのです。 

おそらくシオカラトンボ♀(Orthetrum albistylum speciosum)だと思うのですが、 シオカラトンボ♀なら、複眼が緑色で、翅端に小さな褐色紋が縁紋とは別にあるはずです。(性的二型) 
しかし羽ばたきが早いせいか、スーパースローでも見えませんでした。 
他の候補として、シオヤトンボ♀(Orthetrum japonicum)と迷いました。 
しかし全身に白い粉を吹いていることから、シオカラトンボの成熟♀だろうと判断しました。 


その一方で、この池の岸辺には複数個体のトノサマガエルPelophylax nigromaculatus)が並んでいて、獲物を待ち伏せしていました。 
スーパースローの冒頭でも、画面の左下で水に浸っているトノサマガエルの姿が写っていました。(赤丸@0:23) 
このカエル個体は、飛来したシオカラトンボ♀とは逆を向いていたので、獲物に定位しませんでした。 
カエルが獲物に向き直った途端に、トンボは警戒して逃げてしまうでしょう。

同一個体のシオカラトンボ♀が別の地点に移動して、打水産卵を再開しました。 
このとき別個体のトノサマガエルが水際の陸地で待ち伏せしていて、しかも初めから獲物に定位していました。 
岸辺で静止しているトノサマガエルは見事な保護色で周囲に紛れ、撮影している私も存在にまったく気づきませんでした。 
つまり水辺のトノサマガエルの体色は、攻撃的擬態(ペッカム型擬態) の典型例です。
それと同時に、鳥などの捕食者に対して見つからないようにする身を隠す防御的保護色(隠蔽敵擬態)でもあります。

獲物が射程距離に入ると、トノサマガエルは一気に大跳躍して襲いかかりました。 
残念ながら後ろ姿のため、ジャンプしたカエルが舌を伸ばしていたかどうか見えませんでした。 

トノサマガエルが池の水面に落ちたときには、獲物を口に咥えていました。 
せっかく捕獲した獲物が逃げたり暴れないように、噛み付いたまま水中に沈めて溺れさせ、反撃を封じます。 
なぜか一旦、池の中央部に向きを変えたのですが、しばらくすると再び岸の方へ向き直りました。 

高画質のFHD動画に切り替えます。(@1:47〜) 
トノサマガエルは獲物を丸ごと口内に収めたまま、喉をヒクヒク膨らませ、鼻腔をスピスピ開閉して呼吸しています。 
カエルの口には歯がないので、獲物の翅をむしり取るなどの器用な食前処理ができません。 
ようやく獲物を丸呑みしました(@3:36〜) 
嚥下の瞬間に眼球を引っ込めるのが、カエルの特徴です。 
鳥とは異なり、カエルは消化の悪いペリットを後で口から吐き出すこともありません。 


食後のトノサマガエルは、しばらくすると池から出て元の岸に戻ったのですが、上陸の様子を撮り損ねてしまいました。 
ところで、今回のトノサマガエル個体の性別は♀ですかね? 


【考察】 
フィールドで捕食者のカエルが獲物に素早く跳びついて狩る決定的瞬間を観察できたのはこれが初めてで、とても興奮しました。 
しかもたまたまスーパースローで撮っていたので、見ごたえのある動画になりました。 
フライングゲット! 

♀が打水産卵するタイプのトンボは、水辺で待ち伏せするカエルなどに捕食されるリスクがあることを、フィールドで実感できました。 
捕食者に狙われにくい高さを飛びながら安全に産卵できるように、打空産卵が進化してきたのかもしれません。 


シオカラトンボの♀は、♂と尾繋がりの連結産卵ではなく、単独で飛びながら打水産卵します。 
♀の近くで警護しているはずのシオカラトンボ♂の姿を、不思議なことに今回は見ていません。 
この日は池の周囲を飛び回るトンボの数がいつもより少なかったです。 
近くにライバル♂が居なければ、浮気される心配がないので、シオカラトンボ♂は交尾後の産卵警護を手抜きするようになるのかもしれません。
つまり、♂は次の交尾相手を探し求めて、広範囲でパトロール飛翔していたのでしょう。 
♀よりも先にシオカラトンボ♂も既にカエルに狩られてしまった可能性もあります。 



硬くて頑丈な外骨格(クチクラ)で守られた甲虫の中には、カエルに捕食されても消化されても排泄されてもしぶとく生き残る者が居ることが、最近の研究で明らかになりました。
しかしトンボ♀がカエルに丸のみで捕食された場合、トンボの受精卵は無防備なので、カエルの消化管を通過する間にすべて消化されてしまうはずです。

産卵中にカエルに捕食されてしまったシオカラトンボ♀を可哀想に思う人も多いでしょう。
しかし、死ぬ直前に産み付けた卵から1週間後に孵化してくるシオカラトンボのヤゴは、水中のオタマジャクシ(カエルの幼生)も獲物として次々に捕食して育つはずです。
つまり、この池では、食うか食われるかの生存競争が静かに繰り広げられているのです。


今回の件で思いついた素朴な疑問をいくつか、Perplexity AIに質問してみました。

Q1: トノサマガエルが池でトンボを捕食する様子を観察した。獲物を口の中に入れてから嚥下するまでしばらく時間がかかったのはなぜか? カエルの口には歯が生えていないので、咀嚼は不要のはずです。唾液をたくさん分泌して飲み込みやすくしていた?

A1: 主な理由は、「飲み込み」そのものが単純ではないからです。カエルは歯で咀嚼しない代わりに、獲物を口腔内で位置調整し、眼球や舌骨まわりの動き、顎と喉の協調で少しずつ食道へ送ります 。[toho-u.ac]

口の中で起きていること

カエルは獲物を丸呑みしますが、実際には獲物を口の奥にしっかり収めてから、舌や顎、頭部の動きで嚥下を進めます 。そのため、口に入ってからすぐに飲み込めないことがあります。[sciencemuseum]
特にトンボのように脚や翅が引っかかりやすい獲物は、向きが悪いと喉へ送りにくく、いったん口内で保持する時間が長くなりえます。

唾液の役割

唾液を「たくさん出して溶かす」というより、滑りをよくして通しやすくする補助と考えるのが自然です。カエルの嚥下では、粘液状の分泌物が獲物表面や口腔内をぬらし、摩擦を下げるのに役立つと考えられますが、鳥のような“飲み込み前の処理”が主役ではありません 。[sciencemuseum]
したがって、観察された「しばらく時間がかかる」は、唾液を大量に分泌していたというより、獲物の位置決めと嚥下動作の調整に時間がかかった可能性が高いです。

トンボで起こりやすいこと

トンボは翅が大きく、脚や腹部も硬く、しかも暴れると口内でずれやすいので、カエルは飲み込みを複数回に分けたように見えることがあります。獲物が生きて動いている間は、口の中で保持してから、頭を使った押し込みや顎の再配置が必要になります。
また、獲物が大きめだったり、乾いていたり、口の中で姿勢が悪かったりすると、嚥下に数秒からそれ以上かかることがあります。




Q2: カエルが昆虫を丸呑みで捕食した後、糞には未消化の虫の断片が含まれているか? 糞内容物を調べれば、どんな虫を狩ったか推定できるか? 特にトノサマガエルについて知りたい。

A2: はい。糞には未消化の虫の断片が含まれることが多く、そこから「何を食べたか」をある程度推定できます。ただし、トノサマガエルでは食後すぐの糞よりも、通常は食後24時間以降に未消化物が排出されるため、消化が進むと同定可能な断片は減ります 。[kaken.nii.ac]

トノサマガエルの糞内容物

トノサマガエルの糞や胃内容物の調査では、甲虫類、ハサミムシ類、双翅類幼虫、ヤマタニシなどが確認されています 。また別の調査では、カエル類の糞から昆虫類を含む未消化物が広く見つかり、特にアリ類やゴミムシ類なども含まれていました 。つまり、糞内容物の観察は、少なくとも「どの目・科の餌を食べたか」の手がかりになります 。[esj.ne]

どこまで推定できるか

糞からは、硬い外骨格をもつ虫ほど推定しやすいです。甲虫類は消化されにくく、翅、上翅、脚、頭部、顎などの断片が残りやすいので、比較的よく同定できます 。一方で、軟らかい幼虫や小型昆虫は形が崩れやすく、目レベル以上に絞れないことも多いです 。[nature.museum.city.fukui.fukui]

実務上の見方

糞内容物で狩った虫を推定するなら、次の順が現実的です。

  • まず、硬い断片の有無を見る。

  • 次に、翅脈、脚の棘、上翅の彫刻、口器などを手がかりに分類する。

  • 最後に、その地域でカエルが利用しやすい餌生物群と照合する。

この方法なら、「甲虫を多く食べた」「ハサミムシを食べた」「双翅類幼虫を食べた」といった推定はかなり有効です 。ただし、丸呑み後に消化が進むため、種までの特定は難しく、胃内容物の方が糞より情報量は多いです 。[kaken.nii.ac]

トノサマガエルでの注意点

トノサマガエルは摂食後、未消化物の排出までに時間がかかるため、糞は「かなり前の食事」を反映している可能性があります 。また、マメガムシのように消化管を通過して生きて出る例もあり、糞からは“食べられた証拠”は得られても、必ずしも“完全に消化された証拠”にはなりません 。したがって、糞分析は食性の大づかみには向きますが、捕食直後の厳密な獲物特定には限界があります 。[hitohaku]

必要なら次に、トノサマガエルの糞から虫の目・科を推定するための形質チェック表を作れます。



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2026/06/23

春の二次林で草木の若葉を食べ歩く両角が欠けたニホンカモシカ

 

2026年4月中旬・午後15:05頃・晴れ 

春の二次林で私が静かにトレイルカメラの保守作業をしていると、パキパキと獣が歩き回る物音がします。 
クマだとやばいので振り返ると、林縁をニホンカモシカCapricornis crispus)が単独でうろついていました。 

落葉性の灌木に芽吹いた若葉を次々に食べています。 
樹種はマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)、ノイバラウコギ(おそらくヒメウコギ)あたりが候補となります。 
撮影後に採食地点で現場検証すると、マルバゴマキの若葉に食痕? 

カモシカが後半に食べていた下草の種類がわかりませんでした。 
なんとなく、蔓植物ミツバアケビの若葉ではないかと思うのですが、どうでしょうか。 

夏毛に換毛中なのか、毛並みの色がちょっと変です。 
左右の角が両方とも、太いのに短い個体でした。 
おそらく同種間の喧嘩で角の先端部が途中で折れて(欠けて)しまった後で、先端を研いだのでしょう。 


【考察】 
角に分かりやすい特徴があるので、過去に遭遇しているかと思って記録を遡ると、山中で出会った♂個体かもしれません。 

関連記事(2年前の撮影)▶ 

だとすると、山から麓の二次林まで(直線距離で3km弱も)移動してきたという驚くべき解釈になります。 
両角が折れたことで同種間の縄張り争いに負けるようになり、山森から追い出されて平地に下りてきたのでしょうか。 
里に下りてきた後も、車道を歩いたり、平地にパッチ状に残る農地や二次林を渡り歩いて、かなり(直線距離で3km弱)移動したことになります。 
平地の二次林でもニホンカモシカ1頭ぐらいなら、人目を忍んで、なんとか暮らしていけそうです。 
食べる餌の量も十分にありそうです(春〜秋の環境収容力はOK)。 
ただし雪国では冬になると落葉して食糧事情が一気に悪化しますし、配偶者を見つけて交尾するチャンスはかなり低いでしょう。 

もちろん、カモシカの個体識別に絶対の自信がある訳ではないので、別個体かもしれません。 
当地のカモシカにGPSを装着して行動域を詳細に調べたら楽しそうです。
もしもカモシカのある個体が、季節ごとに山と平地を往復して暮らしていたら、面白い話です。

この二次林内に設置したトレイルカメラにもカモシカがときどき写ります。 
たとえば、この3日後に撮れていた映像がこちらです(先行公開)。
この二次林内で野生のカモシカと私が実際にニアミスしたのは珍しく、今回は長々と採食シーンを直接観察できました。 
かなり離れた位置から撮影したので、おそらくカモシカは私の存在に気づいていないようです。 私に対して鼻息を荒らげる威嚇を一度もしませんでした。 

関連記事(2年前に遭遇・撮影)▶ 平地の農道を走って逃げるニホンカモシカ 



サクランボの樹上で羽繕いするスズメの幼鳥(野鳥)

 

2026年5月下旬・午後14:05頃・晴れ 

郊外の住宅地で民家の庭木として植栽されたサクランボスズメPasser montanus)の幼鳥を見つけました。 
まだ口角(嘴の根元)が黄色い幼鳥が、サクランボの細い横枝に留まっています。 
足元の枝に嘴を擦り付けました。 

風が吹いて止まり木がザワザワ揺れても、スズメの幼鳥はその場から動かずに、羽繕いを始めました。 
その合間に、右足で痒い頭を掻いたり、嘴を大きく開けて欠伸したりしています。 

サクランボの果実が赤く熟して食べ放題なのに、私が見ている間に、この個体は一度も自力でサクランボ熟果を採食しませんでした。 
もう散々食べた後で満腹というよりも、巣立ったばかりの幼鳥はまだ食べ方(採食法)を知らず、親鳥から口移しで巣外給餌してもらうのを待っているのでしょう。 




2026/06/22

雪の下に埋めた貯食物を半日後に確認しに来た両目失明のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月中旬 

早春でもまだ雪深い落葉二次林で、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

発情期に入り、タヌキ家族の様子がいよいよ面白くなってきました。 


シーン1:3/11・午前4:13・気温-4℃(@0:00〜) 
未明に3頭のタヌキ家族が一列縦隊でやって来ました。 
林床の雪面は硬く凍結していて、タヌキが歩いても足が全く潜りません。 

巣口Rの近くに生えた落葉灌木に尿で匂い付けする際の姿勢(片足を上げるかどうか)で性別を見分けると、先行個体が♀で後続(2番目の)個体が♂というペアでした。 

殿しんがりを務める個体だけ、両目が失明しています。 
トレイルカメラが照射する赤外線をタペータム(輝板)がまったく反射しないのです。 
この両目失明個体だけ、巣口Rには立ち寄らずに、ショートカットして左に向かいました。 


シーン2:3/11・午前4:14・気温-4℃(@0:28〜) 
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
先行する両親♀♂は巣口Rを経由し、横の落葉灌木に排尿マーキングしてから、左奥へ立ち去りました。 

興味深いのは、殿しんがりを務める両目失明個体の行動です。 
巣口Rの手前で向きを変えて雪原を突っ切り、前日(約11時間前)の夕方に餌を隠した貯食地点に直行しまし。 



生魚?に雪を被せて埋めた地点がこんもりと盛り上がっているのに、両目失明個体は少しずれた地点の匂いを嗅いでいます。 
やはり、夜目が効かないハンディキャップが出ているのかもしれません。 
視覚だけでなく、嗅覚も鈍っているのかな? 
氷点下の低温のせいで、餌の匂いが薄れているのかもしれません。
貯食物を雪の下から掘り出して食べるのかと思いきや、そのまま両親♀♂の後を追いかけるように立ち去りました。 
どうやら、隠した餌が盗まれていないことを確かめに来ただけのようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ホンドタヌキが貯食物をいつ食べるのか、興味津々です。

この両目失明個体だけ、夜間限定で個体識別できています。
両親♀♂に対して立場が弱くて常に怯えていて、出歩く際にはいつも最後尾を歩きます。
両親♀♂が産み育てた当歳仔の中で、この個体だけが両目失明というハンディキャップを理由に、縄張りから追い出されずにヘルパーとして留まることを許されている、と今のところは解釈しています。
そして、両目失明のヘルパー個体hの性別は♀だろうと、推測しています。


ハルジオンの花蜜を吸い飛び回るヒメヨツモンヒナタメイガ【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2025年5月中旬・午後13:05頃・くもり 

平地の農道沿いに咲いたハルジオンに黒い小蛾が2頭訪花していました。 
後翅の白点がとても目立ちます。 
真っ黒な翅かと思いきや、拡大して見ると前翅になにやら複雑な斑紋がありました。 
採寸していませんが、目測ではマドガThyris usitata)よりも小さな蛾でした。 




同種と思われる2頭がハルジオンの同じ頭花に仲良く並んで吸蜜しているのに、互いに没交渉でした。(求愛も占有行動もなし) 

右の個体が先に飛び去りました。 
残りの1頭が花から飛びたつ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜) 
かなり粘って待ったら、ようやく自発的に飛んでくれました。 

さて、気になるこの黒い小蛾の名前は何でしょうか? 
手元にある蛾の図鑑を眺めても、Googleレンズで画像検索しても、どうしても名前が分かりませんでした。 
いつもお世話になっている新・蛾像掲示板に投稿して問い合わせたところ、Gatorinさんからヒメヨツモンヒナタメイガ(旧名ヒメヨツモンノメイガ;Heliothela nigralbata)だろうと教えてもらいました。 

ヒメヨツモンヒナタメイガは触角に性差があるらしく、
触角(しょっかく)はオスは太く微毛状。メスは糸状。
とのことでした。(参考サイト:渓舟の昆虫図鑑) 
しかし、今回の動画はマクロレンズでしっかり接写してないので、私には見分けが付きません。 

ホストが不明なのも、ロマンがあっていいですね。

ネット検索で次のような報文のPDFがヒットしました。
「兵庫県で報告の少ないツトガ科の蛾類について」きべりはむし, 48 (2): 15-20 
・本種はノメイガ亜科から新設されたヒナタメイガ亜科に移されたガ。 
・本種の(翅の:しぐま註)裏面には4つの小さな白紋があり、それが名前の由来




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日本の小蛾類 

くらべてわかる蛾 1704種

日本の蛾

2026/06/21

幼い子猿に授乳しながら排尿するニホンザル♀

 

2025年6月下旬・午前9:10頃・くもり 

山麓を流れる用水路沿いの鉄柵にニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)がよじ登り、手摺に座りました。 
腹に幼い子猿(乳飲み子)を抱えています。 

母親♀が胸に抱いて授乳している子猿が、身動きしながら排尿しました。 
少量の小便がぽたぽたと滴り落ちています。
野生ニホンザルの幼獣はオムツなんて履いていませんから、母親にしがみつきながらオシッコしたら、母親の毛皮を尿で濡らしてしまうことになりそうです。
 (母親が小便した可能性もありますかね?) 

うっかり手摺から落ちそうになった子猿を母親が左腕で慌てて抱きかかえました。 
母猿は痒い左脚を左手で掻き、子猿は母親の乳首に吸い付き、母乳を飲みました。 
子猿がようやく乳首から口を離したときに、母親♀の細長く伸びた乳首から乳汁がにじみ出ているかと注目したのですが、なかったです。 
手摺のパイプで独り遊びを始めた子猿が落ちないように、母親は手を添えています。 

子猿が母親の胸に戻って再び乳首を咥えると、母親が子猿を腹に抱えて手摺を移動開始。 
柳の木の枝葉の陰に隠れる位置を選んで、母親が手摺に座り直しました。 
遠くでカメラを構えて隠し撮りしている私から死角に隠れようとしているのです。 
しかし隠れ切れないと悟ると、手摺を伝い歩きして少し戻り、手摺から横の草深い農道に飛び降りました。 
後で分かったことですが、群れの遊動経路に突っ立っている邪魔な私を大きく迂回するようです。


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サンシュユの樹上で熟した果実を食べるヒヨドリ(冬の野鳥)種子散布者

 

2026年1月上旬・午後12:40頃・晴れ 

道端の庭木として植栽されたサンシュユ(別名ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミ)が落葉後の真冬に赤い実をつけていました。
果実食性のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が採食に来ていました。 
初めはサンシュユ樹上に2羽居たのに、私がカメラを向けた途端に警戒して1羽が飛び去ってしまいました。 

残った図太い個体は、赤く熟したサンシュユの果実(熟果)を1個ずつ丸呑みしてから飛び去りました。 
強い逆光でほとんど鳥のシルエットしか見えず、撮影中はツグミかと勘違いしていましたが、動画を見るとヒヨドリでした。 

画像を補正して逆光を改善



サンシュユの果実は核果です。 
その種子散布は、被食型の動物散布です。 
甘い果肉を提供する代わりに鳥に運んでもらい、未消化の種子を糞と一緒に排泄してもらって新天地で芽生える戦略です。 
果実が熟すと赤く色づいて目立ち、鳥を引き寄せます。
残念ながら、今回のヒヨドリは樹上で脱糞してくれませんでした。 

順光側に回り込んでからサンシュユの赤い熟果を写真に撮ると、冬の空気が乾燥しているため、果肉の水分が少し抜けてシワシワでした(ドライフルーツ?)。 






関連記事(2、6年前の撮影)▶  


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