2025/10/24
日没前の水場に集まり水浴したりホオノキの落ち葉をめくって虫を探したりするクロツグミ♀♂の群れ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】
2025/10/22
有毒植物ナニワズの種子
果実は有毒。 種子のようにみえるのはかたい内果皮に包まれた核。なかに種子が1個ある。 (p594-595より引用)
2025/10/19
ウメの種子をすべて持ち去った後も空の給餌箱に未練がましく通う野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
2025/10/12
ウメの種子をせっせと運んで貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
アカネズミの代表的なフィールドサインといえば、オニグルミの「2つ穴食痕」だ。両側の合わせ目上に2つの穴を空け、穴から中身をかき出して食べる。内部にはかき出した際についた門歯(切歯)のひっかき傷が残る。固い殻のある食べ物は共通してこの食べ方をするらしく、オニグルミだけではなく、サワグルミやウメの種子も同じような2つ穴食痕になる。(p132より引用)
2025/10/09
アンズの落果には目もくれず走り去るハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】
2025/09/29
ニホンアナグマの母子はアンズの落果を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】
2025/09/21
山中の湿地帯で大群落を形成したキツネノボタンの謎
・プロトアネモニン(protoanemonin) 生の茎や葉などを傷つけることで生成される刺激性の化合物で、皮膚に付着すると炎症や水疱、口腔・消化器から摂取すると胃腸炎や下痢、吐血、重症の場合は心臓毒性で心停止も報告されています。
・ラヌンクリン(ranunculin) プロトアネモニンの前駆体であり、植物組織を壊すことで酵素反応によりプロトアネモニンに変化します。
カモシカやシカなどの草食動物は、キツネノボタン(有毒植物)を基本的に忌避する傾向があります。多くの反芻動物(シカ、カモシカなど)は、強い苦味や毒成分(プロトアネモニンなど)を持つ植物を本能的に避ける能力が高く、野生下ではほとんど摂食対象としません。pref.nagano+1
キツネノボタンやキンポウゲ科の草本は生育地で広く見られるにもかかわらず、シカやカモシカの大規模な食害例は報告されていません。rarememory.sakura
一部の報告では、毒性植物(例えばハシリドコロ、ヤマトリカブトなど)と同様、強い苦味や刺激臭・成分を感じて忌避が行われていると考えられています。rarememory.sakura
ただし、極端な食糧不足や若い個体などが誤食して中毒を起こす事例が完全に皆無というわけではありませんが、ごく稀です。pref.nagano+1
したがって、キツネノボタンはシカやカモシカにとって「食べられにくい有毒植物」であり、普通は野生草食獣の忌避対象となっています。カモシカやシカなどの野生草食動物は、キツネノボタンのような強い毒性成分(プロトアネモニンとラヌンクリン)を含む有毒植物を本能的に忌避する傾向があります。pref.nagano+1
草食動物と有毒植物の関係
キツネノボタンやキンポウゲ科の植物は苦味や刺激成分が強く、シカやカモシカのような反芻動物は通常これらを避けて食べません。rarememory.sakura+1
シカやカモシカの食性研究でも、これらの有毒草本の大規模食害や好んで食べる例はほぼ報告されていません。rarememory.sakura
ただし、極端な食料不足時や幼獣の誤食による中毒例が完全に皆無というわけではありませんが、非常に稀です。pref.nagano
このように、キツネノボタンは野生のシカやカモシカにとって、日常的には食べられにくい忌避植物です。
ところで、キツネノボタンには他の植物の生育を阻害するアレロパシーがあることも知られているそうです。
具体的には、キツネノボタンの持つ毒性成分(例えばプロトアネモニンなど)が土壌や周囲の環境に影響を及ぼし、他の植物の種子発芽や苗の生育を妨げることが考えられています。このため、湿地や田んぼの畦などでキツネノボタンが群生すると、その周辺の植生構造にも影響を与える可能性があります。
したがって、キツネノボタンは草食動物の食害に対抗する毒性だけでなく、他の植物に対する毒性を通じても競争に勝ち、大群落を形成したのでしょう。
【追記】
キツネノボタンの種子散布についてもPerplexityに質問してみました。
キツネノボタンの種子散布は主に自力散布と動物散布の複合的な形式で広がっています。
種子散布の特徴
キツネノボタンの果実は小さなトゲ状の集合果で、これが動物の毛や羽に引っかかって広がる(付着散布)ことが多いです。biodiversity.pref.fukuoka+1
また、小さな種子は周囲に自然に散る(自力散布)とともに、湿地や水辺の場合は水によって流されて分布を拡大する(水散布)の要素も持っています。biodiversity.pref.fukuoka
動物散布に関しては、種子を含む果実が動物に付着するタイプの「ひっつき虫」として知られており、これが移動距離を伸ばしています。city+1
このようにキツネノボタンは、集落近くや湿地内での局所的な自力散布と、動物の移動を利用した付着による種子散布の両方の方法で分布を広げる特徴があります。キツネノボタンの種子散布は主に自力散布と動物付着散布の組み合わせで広がります。果実は小さなトゲ状の集合果で、動物の毛や羽に付着して運ばれることが多いです。また、自力で自然に散るほか、水辺や湿地では水散布も補助的に行われています。city+1
2025/09/11
野ネズミはアンズの落果を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】
2025/08/28
ニセアカシア葉軸の毒味を繰り返すニホンザルの群れ
A1: ニセアカシア(ハリエンジュ)の葉には毒性成分が含まれています。具体的には、葉、樹皮、枝、種子には「ロビン」や「ロビチン」といった毒素があり、これらによって家畜(特に馬)が中毒を起こすことが報告されています。人間が摂取した場合も過去に中毒例があり、吐き気や腹痛、下痢、呼吸困難、心拍異常などの症状が出ることがあります。 一方で、花には毒が含まれておらず、花だけは食用にされることもありますが、それ以外の部分は毒性があるため注意が必要です。ニセアカシアの葉をニホンザルが少しだけ味見するような行動は、この葉の毒性のために摂取を控えている可能性が高いと考えられます。 したがって、ニセアカシアの葉には毒が含まれており、ニホンザルが食べる量が少ないのは毒に対する本能的な回避行動である可能性が高いです。ニセアカシアの葉を摂取すると、中毒症状を引き起こす可能性があるため、摂取は控えられる傾向にあります。 以上のことから、ニホンザルがニセアカシアの葉を少ししか食べなかった理由は、葉に含まれる毒性成分のためであると考えられます。しかし、「ロビン」や「ロビチン」は正式な化学物質名や広く認められている学術名称ではなく、詳細な英語名や構造式を示す文献は見当たりません。
A2: ニセアカシアの果実(豆果)についても、葉や樹皮などと同様に毒性があるとされています。若い未熟な豆果も含め、果実に毒性成分が含まれているため、食べることは注意が必要です。特に若い緑色の果実は見た目がおいしそうに見えますが、摂取は避けるべきとされています。 ニホンザルが未熟な豆果を少しだけ食べたという行動も、毒性のある部分を本能的に回避しつつ、少量を試し食い(味見)している可能性が考えられます。毒性成分は主に「ロビン」や「レクチン」といったマメ科特有のもので、消化器症状や神経症状を引き起こすことがあるため、果実も摂取は控えられるのが普通です。 まとめると、ニセアカシアの果実(豆果)にも毒があるため、ニホンザルが少量しか食べなかったのは毒性に対する防御的な行動と見るのが妥当です。
A3: オニグルミの葉には毒性成分(ジュグロン)が含まれますが、ニセアカシアのような明確な哺乳類毒はなく、ニホンザルが積極的に避ける理由にはなりにくいと考えられます。ニホンザルがニセアカシアの葉をあえて味見する行動は、好奇心・変わった食物の探索や、他の要因(例:食物の多様化、タンパク質の補給など)が影響しているかもしれません。
A4: 野生のニホンザルにおける食草の毒味は基本的に各個体が自己責任で行う行動と考えられています。特に毒性のある植物や部分を少量ずつ試す「味見」は、個体ごとの経験や感覚によって判断されることが多く、親や群れの成獣が明確に制止や教育を行う様子が観察されることは稀です。これは、毒の感受性や個体差があるため、個別の体験を通じて安全か危険かを学ぶ必要があることや、毒味行動自体が自己防衛の意味を持つためと考えられます。成獣が子猿の行動を特に制止しなかったという観察は、この自己責任の性質を反映していると言えます。また、ニセアカシアのように毒を含む植物は味わいながら摂食量を調整するなど、適応的な習慣が形成されている可能性が高いです。こうした行動は、食物の利用可能性や栄養のバランス確保に不可欠であり、個々のサルが自らの判断で安全な食べ方を模索するための重要な生存戦略となっています。
2025/06/23
山道で見つけたコアオマイマイカブリを素手で捕獲すると…
・触ると(マイマイカブリは)尾部から臭い液を放出し、目に入ると炎症を起こすので注意が必要。 (『くらべてわかる甲虫1062種』p13より引用)
・(マイマイカブリは)危険を感じると尾部からメタクリル酸とエタクリル酸を主成分とし、強い酸臭のある液体を噴射する。この液体は刺激が強く、手はともかく目に入ると大変な痛みを感じ、炎症を起こす。後方だけでなく上方にも噴射できるので、むやみに手で抑えつけたり顔を近づけたりしないよう注意が必要である。(wikipediaより引用)
2025/06/04
山中の水溜りでヒキガエルの幼生を狩って雛に給餌するクロツグミ♀【野鳥:トレイルカメラ】
つがいで縄張りを持ち、♂は木の梢で大きな声でさえずる。主に地上をはね歩きながら採餌する。数歩はねて立ちどまり、ゴミムシなどの昆虫やミミズを捕える。(p445より引用)確かにクロツグミの♀♂つがいが見事に縄張りを防衛しているようで、昼間この水場には他種の鳥がやって来ません。
クロツグミとヒキガエル幼生に関する観察記録と考察レポート
1. 観察の概要
2024年5月下旬〜6月上旬、山形県の里山における水場に設置したトレイルカメラにより、クロツグミ(Turdus cardis)の成鳥が水溜まりで採餌している様子が複数回記録された。観察映像から、以下の行動が確認された:
クロツグミの雌雄ペアが黒色のオタマジャクシを捕獲し、巣に持ち帰る様子
ミミズなど他の餌も同時に採餌し、巣に持ち帰っている
特に注目すべきは、捕獲されたオタマジャクシがヒキガエル(Bufo japonicus, アズマヒキガエル)と推定される種であったことである。
2. ヒキガエル幼生の毒性と鳥類による捕食
ヒキガエル類は成体だけでなく、幼生(オタマジャクシ)の段階から心臓毒であるブフォトキシン(bufotoxin)を含むことで知られている。一般にこの毒素は魚類や一部の昆虫捕食者に対する忌避効果を持つとされるが、鳥類による捕食例も報告されている。
ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、警告色(アポセマティズム)を持たないため、視覚的に毒を予測しにくい可能性がある。これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応と解釈できる。
3. クロツグミの給餌行動と雛への影響
今回の記録では、親鳥が複数のオタマジャクシを捕食・運搬しており、巣にいる雛に給餌したと考えられる。毒性のあるオタマジャクシを雛が摂取した場合、以下のような影響が懸念される:
ブフォトキシンは神経・心臓に作用する強い毒性を持ち、哺乳類や鳥類にも有害
雛は成鳥に比べて体重が軽く、1匹でも中毒死するリスクがある
ただし、実際の給餌では、親鳥が複数の雛に分散して餌を与えることが多く、個体ごとの摂取量は限られる可能性がある
トレイルカメラの映像からは巣内の雛の生存状況や健康状態は不明
4. 因果関係の認知と学習可能性
親鳥が自らオタマジャクシを食べて中毒を経験すれば、忌避学習が成立する可能性は高い。しかし、給餌対象が雛であり、かつ雛が体調を崩したとしても、その原因を特定の餌と因果づけて推論することは難しい。これは多くの鳥類において制限されている認知能力の範囲と一致する。
とはいえ、種全体としては、毒を持つオタマジャクシの忌避行動が自然選択的に強化される可能性はある。すなわち、雛に毒を与えてしまう親鳥の子孫は減り、毒餌を避ける親の行動が有利に働く。
5. 警告色を持たない毒幼生の戦略的意味
アカハライモリのように腹部の赤色を見せる"unken reflex"を持つ両生類とは対照的に、ヒキガエル幼生は視覚的警告を欠く。これは、警告色の進化には色素細胞の前適応や環境要因が必要であること、また水中での視覚信号の有効性が限定的であることが理由と考えられる。
6. 結論と今後の展望
今回の事例は、毒性のあるヒキガエル幼生がクロツグミに捕食され、給餌対象として利用されるという興味深い生態的相互作用を示している。親鳥および雛への毒の影響は、摂取量や個体差によって異なると考えられるが、今後さらなる観察や給餌後の巣の状況(生存率など)を追跡することで、鳥類と毒動物の相互作用についてより深い理解が得られるだろう。
TOBE, Alisa, et al. Evolutionary insights into Na+/K+-ATPase-mediated toxin resistance in the Crested Serpent-eagle preying on introduced cane toads in Okinawa, Japan. BMC Ecology and Evolution, 2025, 25.1: 70. (全文のPDFが無料でダウンロード可能)