2025/09/27

ニホンアナグマ母子家族の日常生活:7月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬

シーン1:7/2(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を無人センサーカメラで見張っています。 
特筆すべき面白い行動はすでに個別の記事で紹介したので、今回は出涸らしです。 
残り物でも1時間40分間という長編映画になりました。 

林床に散開して採食するシーンや、4頭の幼獣がひたすら遊び回る様子、互いに毛繕いをする様子などが写っています。 
幼獣の遊びというのは、互いにくんずほぐれつの取っ組み合いをしたり、追いかけっこをしたり、木登りに挑戦しては転げ落ちたりしています。 
遊びながら、たまに鳴き声♪を発していました。 
見ていて微笑ましく、飽きることがありません。 
まだ幼獣が母親♀に甘えることもあり、そんな幼獣に母親♀は対他毛繕いをしてやります。 

林縁で株立ちしたミズキの根元付近の幹は、アナグマ幼獣たちのお気に入りの遊び場です。 
頻繁によじ登ろうとするために、株立ちしたミズキ幹の根元が毛皮で磨かれて黒光りしています。 
母親♀もこのミズキの木の下でよく寛いだり、幼獣の面倒を見たりしています。 


シーン2:7/3(@5:52〜) 
晩には(午後20:15〜)土砂降りの大雨が降っているのに、家族で元気に巣外で活動していました。 
さすがに幼獣達は雨宿りのため、巣内に一時避難しました。 
雨が小降りになると、再び巣外に出てきました。 


シーン3:7/4(@7:43〜) 

シーン4:7/5(@14:16〜) 
夜明け前に監視カメラが起動すると、まだ暗いのになぜか赤外線の暗視モードに切り替わりませんでした。 
仕方がないので、動画編集で自動色調補正を施すと、粗いモザイクの映像ですが、辛うじて母親♀がうろついている姿を確認することができました。 

ニホンアナグマは夜だけでなく、昼間も活動しています。 
この日の映像が一番見応えがあるかもしれません。 


シーン5:7/6(@54:17〜) 

シーン6:7/7(@1:22:58〜) 
夕方になると、林内でヒグラシ♂が物悲しげに鳴いています。 


シーン7:7/9・午前後・気温(@1:33:56〜) 
明け方になると、林内でヒグラシ♂が物悲しげに鳴き始めました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


ハルザキヤマガラシの茎を登り下りするコアオハナムグリ

 

2024年4月下旬・午後14:45頃・くもり 

田んぼの農道に咲いたハルザキヤマガラシの群落でコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

よく見ると体表が黄色い花粉にまみれています。 
身繕いしてから茎を下に降り始めました。 
ハルザキヤマガラシの茎を分岐点まで下ると、別の茎を登り始めました。 
黄色い花に辿り着いたので食事を始める(花蜜や花粉を食べる)のかと思いきや、なぜか気に入らなかったようで、また茎を下って行きます。 

雨雲が近づいているせいで風揺れが激しく、虫撮りには不向きのコンディションでした。 
このとき私は先を急ぐ用事があったので、食事シーンを見届けることができませんでした。

2025/09/26

アズマモグラの腐乱死骸を食べ尽くすウジ虫

 

2024年7月上旬・午前10:40頃・晴れ 

山麓の遊歩道で小動物の腐乱死体を見つけました。 
死骸の前足に鋭い爪が発達していることから、おそらくアズマモグラMogera imaizumii)だろうと推測しました。 
腐敗と生物分解が進み、毛皮はもはや残っていません。 
皮膚も溶けかけたような状態です。 
 
なぜか頭部が失われた死骸には夥しい数の白い蛆虫(ハエの老熟幼虫)が蠢いていて、腐肉や内臓をほぼ食べ尽くしたようです。 
モグラの背骨と肋骨が見えます。 
小さな骨片が散乱しているのは、虫が運び去ろうとしたのかな?

小さなハエ(種名不詳)の成虫や微小な赤アリ(種名不詳)も腐乱死体に群がっていました。 
 死臭に誘引されたエンマムシの仲間が画面の上部から歩いて来て、そのまま死骸の下に潜り込みました。 

現場は地面がアスファルトではなくコンクリートで舗装されていました。 
動物の死骸を食べてくれる掃除屋たち(シデムシなど)は普通、死骸を見つけたら迅速に地中に埋めるはずですが、ここでは固いコンクリートに阻まれたようです。 
夏の舗装路に放置された死骸はあっという間に干からびてしまう(乾燥ミイラ化)ことが多いのですけど、今回はなんとか生物分解されたようです。 
あと数日できれいに白骨化するはずです。


【追記】
このは No.1 食べるって楽しい!』というナチュラリスト向けのムック本(季刊?)を読んでいたら、今泉忠明『モグラたちの地中生活』と題した章があり、モグラの天敵について詳しく書いてありました。
彼らの天敵は、フクロウやオコジョ、イイズナ、キツネ、アナグマ、ノスリなどかなり多い。オコジョやイイズナは穴に侵入してモグラを襲う。アナグマやキツネはトンネルを掘り開き、ノスリはトンネル内で採食中のモグラを地表から攻撃する。フクロウのペリット()にモグラの毛や顎の骨などが含まれていることがあるのだが、どのように地中のモグラを捕らえるのか長く謎だった。モグラは夜間、地上でバッタやコオロギなどを食べており、このときに狙われる (p35より引用)
アナグマがモグラを捕食するとは初耳で、とても意外でした。
下線部についても知りませんでした。
休耕地などにトレイルカメラを設置したら、モグラが地表で採食するシーンをいつか撮れるかな?


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見通しの悪い山道を遊動中に立ち上がって警戒するニホンザルの群れ(首輪装着・アルビノ子猿など)

 



2024年7月上旬・午後13:45頃・晴れ 

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが続々と山道を登って来ます。 
下山していた私の目線からはニホンザルの姿が見えたのですけど、四足歩行のニホンザルは体高が低いので、草丈が高く生い茂った雑草で見通しが悪く、私を発見するのが遅れました。 
ようやく私に気づくと猿たちは警戒し、後足で立ち上がって偵察・確認しました。 
ニホンザルの群れは次々に行軍停止して、山道に座り込みました。 

起立したときに胸に見えた乳首が小さい個体は若い♀で、経産婦♀の乳首は子猿に吸われて細長くなっています。 
先頭を歩く成獣(若い♀?)個体は、GPSの黒い首輪を装着していました。 

群れの中に、毛並みが白い子猿が混じっていました。 
この地方では「白猿」と言われて親しまれていますが、本当にアルビノなのか、それとも白変種なのか、瞳の色(メラニン色素の有無)を確認できませんでした。 
そのアルビノ?子猿aが文字通り道草を食いました。 
採食メニューは不明です。 
その背後から、別個体のアルビノ子猿bが山道を登ってきました。
初めのアルビノ個体aに比べて、やや年長の若い個体でした。 
2頭のアルビノは、同じ家系の兄弟姉妹なのかもしれません。 
どうも当地に生息するニホンザルは他の群れとの交流が乏しくて(孤立していて)血が濃いのか、アルビノ個体(白猿)が頻繁に現れやすい遺伝的集団になっているようです。 
アルビノの形質がメンデル型の劣性遺伝(潜性遺伝)なのかどうか調べるには、群れの全個体を個体識別して親子関係を把握しないといけません。 

私が山道でじっと立ち止まって撮影を続けると、安全にすれ違いたいニホンザルの群れは、山道から一旦外れて藪に入り、迂回してくれました。 
山中でよく出会う群れなので、私のことを人畜無害な奴だと個体識別してくれているようです。 
ニホンザルやニホンカモシカと出会ってもあまり怯えずに慣れてもらうために、私は毎回なるべく同じ服装で山に入るようにしています。




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2025/09/25

雨夜によそ者のニホンアナグマが営巣地でスクワットマーキングし、野ネズミが走って横切る【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬

シーン0:7/2・午後13:03・くもり・気温32℃(@0:00〜) 
シーン0:7/2・午後13:38・くもり・気温33℃(@0:04〜) 
二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を2台の無人センサーカメラで見張っています。 


シーン1:7/8・午後20:57・雨天・気温23℃(@0:07〜) 
雨が降る晩に獣道を左から来たアナグマの成獣が、巣口Lの手前でマルバゴマギ灌木の匂いを嗅いでから左に引き返しました。 
両目の大きさが同じだったので、母親♀ではなくて、おそらくヘルパー♂が久しぶりにやって来たのかもしれません。 

獣道の奥に自生するヒメアオキ群落の中から野ネズミ(ノネズミ)の目が白く光っていました(赤丸に注目@0:08〜)。 
藪の中からアナグマの様子をこっそり伺っていたようです。 
アナグマが居なくなるのを待ってから、セットを手前にチョロチョロと横切りました。 


シーン2:7/8・午後20:57・雨天・気温23℃(@0:58〜) 
別アングルで設置した監視カメラにも写っていました。 
アナグマのヘルパー♂?がミズキの木の下で匂いを嗅ぎ回ってから、尻を地面に擦りつけて縄張り宣言の匂い付けをしました(スクワットマーキング)。 

こっちのトレイルカメラで見ても、両目のタペータムの大きさが同じだったので、母親♀ではありません。 

アナグマが右へ立ち去ると、左から野ネズミが登場しました。 
アナグマの巣口Lの横を通って奥の林内へと駆け抜けました。 
雨夜でも林床で餌を探し歩いているのでしょう。 
セットで野ネズミを見かけたのは、アナグマの母子家族が転入してから初めてです。 



里山で獣糞に群がるセンチコガネ、ムネアカオオアリ♀とハエ

2024年6月下旬 

里山にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2の定点観察をするために、ほぼ廃道の細い山道を登ってくると、獣道との交差点に新たな溜め糞場が作られていました。 
6月下旬に初めて見つけたときは、未消化の種子が含まれていました。 
小枝の先でつついて匂いを嗅ぐと、強い刺激臭がしました。 
初めて嗅ぐ匂いでしたが、これが本で読んだ「アナグマの糞に特有の黄土色の絵の具の匂い」なのかな? 
アナグマも木の実を食べて種子散布に寄与することがあるそうです。

現場では気づかなかったのですが、撮った写真にスジアカハシリグモDolomedes silvicola)が写っていました。
溜め糞に集まって来る虫を狩るために待ち伏せしていたのか、あるいはたまたま通りかかっただけかもしれません。


スジアカハシリグモが溜め糞に来ていました。




ホンドタヌキの溜め糞場にしては、残された糞が軟便(下痢便)でした。 
アナグマとタヌキの2種類が同じ溜め糞場を共有している可能性も充分あり得ます。
溜め糞場に通ってくるタヌキがたまたま腹を下していた可能性もあるので、トレイルカメラでしっかり突き止めたいところです。
しかし、周囲に太い立木が無くてトレイルカメラを設置しにくかったので諦めました。 
(本気で調べるなら三脚を立ててでも設置すべきなのですが、他のプロジェクトで使っているトレイルカメラをこっちに回す余裕がなくて後回し。)


 

2024年7月上旬・午前10:55頃・くもり 

約1週間後(7月上旬)に現場を再訪すると、今回も黒っぽい軟便が枯れたササの葉の上に残されていました。 
これだけ見るとアナグマの溜め糞かな?と思うのですが、カメラを右にパンすると固形の黒い糞塊(やや古い)も残されていて、タヌキの溜め糞っぽいです。 

うんちレストランの常連客である、センチコガネPhelotrupes laevistriatus)、ムネアカオオアリCamponotus obscuripes)のワーカー♀、キンバエ(種名不詳)が1匹ずつ来ていました。 
小型の地味なハエ類も数種類来ていましたが、真面目に検討していません。  

センチコガネが糞塊に潜り込もうとしたところで、カメラの電池が切れてしまいました。






後日に定点観察すると、この地点の溜め糞は消失しました。
ここで排便しなくなったようです。


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2025/09/24

夏の夜にニホンアナグマの巣穴に忍び込んで内見するハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬・午後23:00頃・気温22℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地を見張っている無人センサーカメラにハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が久しぶり(5ヶ月ぶり)に写っていました。 

忍び足でセットを横切ると、巣穴Lを覗き込んでから、中に侵入しました。 
長居せずに後ろ向きで外に出てくると、立ち去りました。 
主のアナグマ家族は不在だったのかな? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→


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群れで山道を登りながら子猿に授乳するニホンザル♀

 

2024年7月上旬・午後13:45頃・晴れ 

里山で私が静かに下山していると、前方からニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが山道を逆に登って来きました。 
私も猿も立ち止まって互いに様子を伺います。 

先頭個体は子連れの母猿で、山道に座り込むと赤ん坊を胸に抱いて授乳していました。 
私を怖がった母猿は山道を外れて横の草むらに隠れましたが、しばらくするとまた子猿を抱えて山道に戻ってきました。 
授乳中の♀は暇つぶしに自分の体を掻いたり毛繕いしています。

乳首が長い経産婦なのに、子猿を連れずに単独で行動している♀もいます。 
今季は出産しなかった♀個体なのでしょうか。 

ニホンザル達はどうしても私と安全にすれ違って遊動を続けたいらしく、私を迂回するように横の草むらに次々と入って行きます。 
赤ん坊(乳児)は母親♀の胸にしっかりしがみつき(乳首を咥えたまま)、抱っこの状態で運ばれていきます。 




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2025/09/23

夜のアナグマ営巣地を飛ぶコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬・午後21:05頃・気温27℃ ・日の入り時刻は午後19:08

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の母子家族が暮らす営巣地(セット)を無人センサーカメラで見張っていると、ある晩にコウモリが素早く飛んで手前から奥に横切りました。
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

アナグマの家族が転入してからコウモリが登場したのはこれが初めて…ではなく、たぶん2回目です。



つづく→

ハルジオンの花蜜を吸うウスバアゲハ

 

2024年5月下旬・午前11:15頃・晴れ

山麓の道端に咲いたハルジオンの群落でウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。 
伸ばした口吻にも脚にも黄色い花粉が付着しています。 
流蜜量が多い頭花を見つけたようで、一心不乱に吸蜜を続けてなかなか飛び立ちません。 
隣接する頭花には、わざわざ飛ばずに歩いて移動します。(省エネ) 

この個体の性別を私には見分けられませんでしたが、腹端に交尾嚢がないことから、交尾済みの♀でないことは確かです。 

関連記事(14、16年前の撮影)▶  

2025/09/22

遊びで木登りに挑むニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬・午前11:23・気温26℃ 

夏の二次林は林冠の枝葉が鬱蒼と生い茂り、昼前でも日差しがほとんど遮られてかなり暗くなります。 
ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で4頭の幼獣が散開して林床の餌を探しています。 
しかし、そのうちの1頭は食欲よりも遊びたくて仕方がないようです。 
兄弟姉妹にちょっかいをかけて遊びに誘っても、誰も挑発に乗ってくれません。 
仕方がないので、落枝を齧って(甘噛みして)気を紛らわしています。 

元気のあり余った幼獣は、後足で立ち上がると細い灌木に前脚を掛けて、木登りに挑戦し始めました。 
アナグマの手は猿のように枝を握ることが出来ません。 
最後は手が滑って灌木から落ちて地面に転がってしまいました。 
ところが懲りずにもう一度挑戦し、今度は細い横枝を口で折り取って満足したようです。 

幼獣時代のこうした遊びが、後の巣材集めの前駆行動になっているのかもしれません。 
アナグマは成獣になっても木登りできないのですけど、巣材を集める際に後足で立ち上がって、少し高所の枝葉や蔓植物を採取することがあるのです。 
木の幹にいた虫を捕食するために後足で立ち上がることもありそうです。

山中の水溜りから水を飲むアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬 

シーン0:7/1・午後12:25・雨・気温27℃(@0:00〜) 
山林の湧き水が滲み出してくる湿地帯で、水溜りSを無人センサーカメラで見張っています。 
梅雨の雨が降って、水溜りが大きくなりました。 
右奥には別の水溜りNも見えています。 


シーン1:7/2・午前5:56・雨・気温18℃(@0:04〜) 
左上から緑色の鳥が湿地帯に飛来し、右下の死角に消えました。 
しばらくすると、手前からアオゲラ♀(Picus awokera awokera)が現れ、ホッピングで水溜りSに近づきました。 
水溜りの泥水を飲む後ろ姿が撮れました。 

後頭部のみ赤くて、横を向いたときに顎線が赤くないので、♀と分かります。 

ときどき泥濘をあちこち嘴でつついて、小さな虫を捕食しているようです。 
(泥そのものを食べてミネラル摂取している可能性は?) 

水場から飛び去るのを見届ける前に、1分間の録画が終わりました。 


2025/09/21

給餌場からオニグルミ堅果を持ち去って貯食する野ネズミ:7月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬 

シーン1:7/1・午後20:47〜午後23:54(@0:00〜) 
前年に拾い集めておいたオニグルミ の堅果を餌箱に30個入れて、朽ちたスギ倒木の端に設置しました。 
果皮はすでに取り除いてあります。 
無人センサーカメラで餌箱を監視すると、昼行性のリスが来て欲しかったのに、来るのは夜行性の野ネズミ(ノネズミ)ばかりでした。 

晩になって倒木を探索する野ネズミが早速餌箱を見つけたのに、野ネズミは初めかなり警戒していました。 
監視カメラが起動する度に驚いて逃げています。 
しばらくして慣れてくると、野ネズミは倒木からおそるおそる餌箱に入りました。 
オニグルミ堅果の匂いを嗅ぎ回るだけで、なぜか倒木に戻って右往左往しています。 
空荷のまま倒木から右へ降りてしまいました。 

何度か餌箱に試しに入って安全を確認してから、野ネズミはようやく適当なクルミを選ぶと、口に咥えて運び出しました。 
その後は、巣穴と餌箱を頻繁に往復して、オニグルミ堅果を1個ずつ持ち去るようになりました。 
クルミ堅果は優れた保存食になりますから、巣穴に餌を貯食しているのでしょう。 

しばらくすると戻ってきて、クルミの搬出作業に戻りました。 


シーン2:7/2・午前後・気温(@4:17〜) 
日付が変わった深夜にも、野ネズミはせっせとオニグルミを搬出しています。 
餌箱は初めオニグルミ堅果で一杯だったのですが、数が減ってくると、深い容器に入った野ネズミの姿が姿が見えなくなりました。

後半になると、野ネズミが餌箱に入っても、空荷で出てくることが増えました。 
もう咥えにくい(大きな)クルミしか残っていないのかもしれません。 
ようやく選んだクルミを餌箱から搬出しましたが、いかにも重そうです。 
倒木の途中で何度も立ち止まって、クルミを咥え直したり休んだりしています。 

深夜2時を過ぎると、小雨がぱらつき始めたようです。 
それでも野ネズミは餌箱に通ってきます。 
最後に餌箱に来たのは午前2:23で、空荷で帰りました。 

野ネズミは夜行性なので、昼間は巣穴で寝ているようです。 
晩遅くの22:32に、野ネズミがようやく現れました。 
餌箱に入って中を調べてから空荷で飛び出し、倒木を右に走り去りました。 

餌箱にクルミはまだ残っているのに、これを最後に野ネズミは餌箱に来なくなりました。 
残っているのは栄養価の低い「しいな」あるいは虫食いクルミなのでしょうか? 
この山森にはフクロウやテンが暮らしているので、野ネズミは捕食者に狩られてしまったのかもしれません。 




【考察】 
これまで野ネズミの貯食行動を秋に観察してきましたが、夏にも給餌すれば(余剰の餌を見つければ)貯食することが分かりました。 

餌箱に通ってきた野ネズミがアカネズミなのかヒメネズミなのか、私には見分けられません。 
ヒメネズミは木登りが得意らしいのですが、今回餌箱を設置した倒木(朽木)は地面から斜めに緩やかなスロープを作っているだけなので、高度な木登り能力は必要ありません。
(アカネズミでも登ってくれるはず) 


【おまけの記事】 

山中の湿地帯で大群落を形成したキツネノボタンの謎

2024年6月下旬 

里山にある湿地帯が野生動物や野鳥の水場となっているので、トレイルカメラを設置して見張っています。 
梅雨の頃、その湿地帯に自生する下草に黄色い花が咲き乱れました。

見慣れない草本植物だったので、写真に撮ってPerplexity AIに画像認識してもらうと、キンポウゲ科のキツネノボタンであるとたちどころに教えてもらいました。 
やや湿った所に生えるらしく、全草に毒が含まれるそうです。 
主な毒性成分としては、
・プロトアネモニン(protoanemonin) 生の茎や葉などを傷つけることで生成される刺激性の化合物で、皮膚に付着すると炎症や水疱、口腔・消化器から摂取すると胃腸炎や下痢、吐血、重症の場合は心臓毒性で心停止も報告されています。 
・ラヌンクリン(ranunculin) プロトアネモニンの前駆体であり、植物組織を壊すことで酵素反応によりプロトアネモニンに変化します。

トレイルカメラを設置した結果、この湿地帯にはニホンカモシカCapricornis crispus)がときどき現れて、水溜りから水を飲んだり、下草や灌木の葉を食べたりしていることが分かっています。 
他の草食獣としては、ノウサギも稀に現れます。
多雪地帯の当地では、北進を続けるニホンジカがまだ定着できていません。

カモシカの採食圧があるにも関わらず、この湿地帯にキツネノボタンの大群落が形成されたということは、カモシカが有毒植物を忌避した結果であることを示唆しています。
ただし、カモシカの食べ方は単独行動で歩きながらあちこちでつまみ食いする(道草を食う)程度なので、群れで採食するシカほどの強い採食圧を下層植生に与えていないかもしれません。


カモシカやシカなどの草食動物は、キツネノボタン(有毒植物)を基本的に忌避する傾向があります。多くの反芻動物(シカ、カモシカなど)は、強い苦味や毒成分(プロトアネモニンなど)を持つ植物を本能的に避ける能力が高く、野生下ではほとんど摂食対象としません。pref.nagano+1

  • キツネノボタンやキンポウゲ科の草本は生育地で広く見られるにもかかわらず、シカやカモシカの大規模な食害例は報告されていません。rarememory.sakura

  • 一部の報告では、毒性植物(例えばハシリドコロ、ヤマトリカブトなど)と同様、強い苦味や刺激臭・成分を感じて忌避が行われていると考えられています。rarememory.sakura

  • ただし、極端な食糧不足や若い個体などが誤食して中毒を起こす事例が完全に皆無というわけではありませんが、ごく稀です。pref.nagano+1

したがって、キツネノボタンはシカやカモシカにとって「食べられにくい有毒植物」であり、普通は野生草食獣の忌避対象となっています。カモシカやシカなどの野生草食動物は、キツネノボタンのような強い毒性成分(プロトアネモニンとラヌンクリン)を含む有毒植物を本能的に忌避する傾向があります。pref.nagano+1

草食動物と有毒植物の関係

  • キツネノボタンやキンポウゲ科の植物は苦味や刺激成分が強く、シカやカモシカのような反芻動物は通常これらを避けて食べません。rarememory.sakura+1

  • シカやカモシカの食性研究でも、これらの有毒草本の大規模食害や好んで食べる例はほぼ報告されていません。rarememory.sakura

  • ただし、極端な食料不足時や幼獣の誤食による中毒例が完全に皆無というわけではありませんが、非常に稀です。pref.nagano

このように、キツネノボタンは野生のシカやカモシカにとって、日常的には食べられにくい忌避植物です。


ところで、キツネノボタンには他の植物の生育を阻害するアレロパシーがあることも知られているそうです。 

具体的には、キツネノボタンの持つ毒性成分(例えばプロトアネモニンなど)が土壌や周囲の環境に影響を及ぼし、他の植物の種子発芽や苗の生育を妨げることが考えられています。このため、湿地や田んぼの畦などでキツネノボタンが群生すると、その周辺の植生構造にも影響を与える可能性があります。

したがって、キツネノボタンは草食動物の食害に対抗する毒性だけでなく、他の植物に対する毒性を通じても競争に勝ち、大群落を形成したのでしょう。



【追記】

キツネノボタンの種子散布についてもPerplexityに質問してみました。

キツネノボタンの種子散布は主に自力散布と動物散布の複合的な形式で広がっています。

種子散布の特徴

  • キツネノボタンの果実は小さなトゲ状の集合果で、これが動物の毛や羽に引っかかって広がる(付着散布)ことが多いです。biodiversity.pref.fukuoka+1

  • また、小さな種子は周囲に自然に散る(自力散布)とともに、湿地や水辺の場合は水によって流されて分布を拡大する(水散布)の要素も持っています。biodiversity.pref.fukuoka

  • 動物散布に関しては、種子を含む果実が動物に付着するタイプの「ひっつき虫」として知られており、これが移動距離を伸ばしています。city+1

このようにキツネノボタンは、集落近くや湿地内での局所的な自力散布と、動物の移動を利用した付着による種子散布の両方の方法で分布を広げる特徴があります。キツネノボタンの種子散布は主に自力散布と動物付着散布の組み合わせで広がります。果実は小さなトゲ状の集合果で、動物の毛や羽に付着して運ばれることが多いです。また、自力で自然に散るほか、水辺や湿地では水散布も補助的に行われています。city+1

アンズ落果の周囲を昼間に飛び回るコウカアブ?の群れ【トレイルカメラ】

 

2024年7月上旬〜中旬

シーン0:7/5(@0:00〜) 
アンズ(杏)の木の下で拾い集めた落果を1箇所にまとめて置き、自動センサーカメラで見張っています。 

明るい昼間はスズメバチ類がアンズの熟果を食べに来るのではないかと期待したのですが、予想は外れました。 


シーン1:7/7(@0:03〜) 
数匹の黒くてやや大きな昆虫が低く飛び回っています。 
しばらくすると、近くの下草に留まりました。 
おそらくコウカアブPtecticus tenebrifer)ではないかと推測しています。 


シーン2:7/8(@0:41〜) 
アンズ落果の表面には、微小なアリやショウジョウバエの他に、ハネカクシらしき黒っぽい甲虫もうろついていました。 
ハネカクシは肉食性で、腐果に発生するウジ虫(ハエの幼虫)などを捕食しているはずです。 
ハネカクシ同士が互いに出会うと、尻尾をくねらせて牽制していました。 

 一方コウカアブ?は、落果の山の周囲を飛び回るだけなので、熟果の吸汁が目的ではないようです。 
コウカアブ2〜3匹の飛翔を群飛と呼ぶには個体数が少な過ぎます。 
おそらくアンズ落果に産卵に来る♀と交尾しようと♂たちが待ち伏せしているのでしょう。 
周囲で飛び回る者には何にでも反応して即座に飛び立って追いかける(迎撃)ので、縄張りの占有行動に見えます。 
実際に同種のライバル♂を追い払っているかどうかまでは、映像では分かりませんでした。 

関連記事(1、4年前の撮影)▶  


シーン3:7/9(@2:29〜) 


シーン4:7/11・午前後(@3:40〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

昆虫は変温動物ですから、本来トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずです。 
風揺れなどのせいで監視カメラが頻繁に誤作動して、たまたま撮れたのでしょう。 

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