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2024/09/28

川の堤防にオニグルミの堅果をこっそり埋めて貯食するハシボソガラス(野鳥)

 

2023年11月中旬・午後14:25頃・くもり 

街なかを流れる川で上流から飛来したハシボソガラスCorvus corone)が、川面から何か小さな物を器用に掬い上げて右岸に着陸しました。 
(映像はここから。) 

コンクリートブロックで護岸された堤防を歩き回るカラスが嘴に咥えていたのは、オニグルミの堅果でした。 
直前の行動を想像すると、ハシボソガラスが運搬中のクルミを川にうっかり落としてしまい、それを取り戻したのかもしれません。 
オニグルミの木は水辺に自生していますから、枝から川に落ちた堅果が川上からドンブラコと流れてきて、それをカラスが拾ったのでしょうか? 
(オニグルミの堅果は水に浮きます。) 

コンクリートブロックの上に長い年月を経てわずかに堆積した土壌の中にカラスはクルミを浅く埋め込みました。 
次に、周囲の落ち葉を穴に詰め込んで隠蔽しました。 
食料の乏しい冬に備えて、秋のうちからせっせと蓄えているのです。 
貯食作業を終えたハシボソガラスは、辺りをキョロキョロ見回してから堤防をトコトコ歩いて登ると、どこかに飛び去りました。 
後日お腹が空いたら、埋めたクルミを掘り出して回収し、投げ落とし法で硬い殻を割り、美味しい中身を食べることになります。

実は貯食作業の一部始終を別個体のカラスが近くで見ていました。(映像なし) 
直後にその別個体が貯食物(隠したオニグルミ堅果)をちゃっかり盗むかな?と予想したものの、何も行動を起こしませんでした。 
おそらくこの2羽は縄張りを共有する♀♂つがいで、貯食物を盗み合うような関係ではないのでしょう。 
もしもライバルのカラスに見られていると気づいた場合は、貯食作業を中断して、別な場所にこっそり隠し直すはずです。 

オニグルミの種子は重力散布、水流散布、貯食型の動物散布と何段階も経て母樹から遠くに散布され、分布を広げます。 
今回カラスは半分に割った食べかけのクルミではなく丸ごと地中に埋めたので、もし食べ忘れたらオニグルミの種子散布に貢献したことになります。 
しかし土壌が貧弱(浅い)な場所ですから、発芽してもしっかり根付いて成長するのは難しそうです。 
ハシボソガラスがオニグルミ堅果を丸ごと隠す貯食行動を観察したのはこれが初めてです。


関連記事(3、10年前の撮影)▶  

 

2024/09/15

給餌場からトチノキの種子(栃の実)を運んで地中に貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬 

トチノキ種子(栃の実)の種子散布について、ちょっとした実験をしてみました。

wikipedia:トチノキより引用
ドングリと同じく重力散布と動物散布の併用型で特にネズミ類の貯食行動に依存する。地上に落下した種子は冬までにほとんど持ちされれるという[39] 。種子の毒性は強く、ハツカネズミにトチの実の粉末を与えると高確率で死亡するという[40]。ドングリの場合、森林性のネズミ類、イノシシやツキノワグマは馴化により対応することが知られており[41][42][43]、おそらくトチノキに対しても同じことが起きていると見られるが、よくわかっていない。
ヒトは栃の実を丹念に灰汁抜きする方法を編み出してサポニンを除き、食用利用できるようになりました。


シーン0:11/8・午後12:26(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元の窪みに給餌場を設けました。 
右の給餌場Rにはトチノキの種子を30個、左の給餌場Lにはオニグルミの堅果(果皮なし)を8個、並べて置きました。 





トチノキの種子にはサポニンという毒が含まれているらしいのですが、給餌場に通ってくる野ネズミ(ノネズミ) は栃の実を忌避するでしょうか? 

実はこの給餌実験のために、5月中旬に栃の実を拾い集めていました。
トチノキ落果(蒴果)を丸ごと採集しても、室内で保管している間に硬い果皮が自然に割れて種子(いわゆる栃の実)がこぼれてしまいました。








公園の街路樹として植栽されたトチノキ大木の下で秋に落ちた果実(蒴果)を春になっても大量に採取できたということは、定説に反して野ネズミは栃の実を忌避して持ち去らなかったのでしょうか?
しかし私は以前、山中の峠道でアカネズミの食痕が付いたトチノキの果実を見つけています。 
関連記事(7年前の撮影)▶ トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕 


ちなみに、この給餌場付近の山林にはトチノキもオニグルミも自生していません。 
給餌場Rから栃の実が斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べて置きました。 


シーン1:11/10・午後23:57(@0:03〜) 
雨上がりの深夜に、斜面を駆け上がる野ネズミの後ろ姿が写っていました。 
後ろ姿では、木の実を運んでいるかどうか不明です。 
監視カメラの起動が遅れるのは、気温が低くて電圧が低下した上に、雨に濡れた野ネズミの体温が冷えて、熱源センサーが検知しにくくなるのでしょうか? 

野ネズミはシシガシラという常緑シダ植物の茂みの下に隠れて貯食した?後に、さらに斜面を登っていきました。 


シーン2:11/11・午前1:58(@0:34〜) 
日付が変わった深夜、野ネズミが木の実を咥えて運びながら斜面を右にトラバースして行きます。 
今回もトレイルカメラ起動が遅れ、野ネズミが餌場に来たシーンが撮れておらず、運んでいる堅果の種類を映像から見分けられません。 

斜面の右上で立ちどまった野ネズミは、茂みの下に姿を消しました。 
再び現れると、近くに置いておいた木の実を拾い直して、隠し場所に埋めたようです。 
落ち葉を被せて貯食物を隠蔽しました。 
その後は斜面を降りて給餌場に戻って来るかと思いきや、右下へ走り去りました。 
カメラを固定したシナノキが木枯らしの強風で左右に激しく揺れています。 

貯食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:00〜) 


シーン3:11/11・午前1:58(@3:05〜) 
餌場での行動をまたもや撮り損ねてしまい、トレイルカメラが起動したときには野ネズミが斜面を駆け上がっていました。 
貯食を終えた野ネズミが斜面を駆け下りて来ると、餌場Rに到着しました。 
トチノキ種子を迷いなく選ぶと、口に咥えて搬出しました。 
そのままカラマツ根元を右に回り込むと、斜面を右にトラバースして行きます。 

これで、野ネズミが栃の実を拾い集めて貯食することが確かめられました。 


シーン4:11/14・午前1:08(@3:54〜) 
3日後の深夜、雨が降っています。 
レンズが濡れて、画面全体がうっすらと曇ってしまいました。 
野ネズミが左から餌場Lに来たのに、なぜかすぐに左へ逃げ帰ってしまいました。 


シーン5:11/14・午前3:30(@4:03〜) 
2.5時間後にも再び野ネズミが登場しました。 
画面の右下隅をちらっと横切り、斜面を駆け下りました。 
おそらく給餌場の栃の実はすべて運び終えて空っぽとなり、新たな餌を求めて林床をうろついているのでしょう(探餌徘徊)。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


シリーズ完。 
11/19に現場入りすると、給餌場のトチノキ種子およびオニグルミ堅果はすべて無くなっていました。
今季の給餌実験はこれで終わり、別テーマのためにトレイルカメラを撤去しました。
今季はオニグルミ堅果(果皮あり+なし)、クリ堅果、トチノキ種子を給餌してみました。 
栃の実の給餌を一番最後にしたのは、種子に含まれる有毒物質サポニンを摂取した野ネズミがもしかしたら死んでしまうかもしれないと心配したからです。 
野生動物を意図的に殺そうとして毒エサを撒いたのではなく、あくまでも天然のトチノキ種子を置いただけです。


【考察】 
野ネズミが給餌場から栃の実を1個ずつ運んで地中に埋める証拠映像がなんとか撮れました。
例数が少ないので、来年以降にまた追試するかもしれません。 
晩秋に実験をしたせいで、給餌場に置いた栃の実が落ち葉の下に隠れてしまい、野ネズミによる発見が遅れたようです。

野ネズミは浅く掘った地面の穴に栃の実を埋め、落ち葉を被せて隠しています。 
深い雪が積もった冬の間に食べる保存食なのでしょう。 
野ネズミが栃の実を食べるシーンは撮れなかったので、トチノキ種子の毒性については分かりません。 
普通に考えても、共生関係にある種子散布者をトチノキが毒殺するはずはなく、何らかのサポニン対策(解毒など)が進化してきたはずです。
春までに野ネズミが食べ忘れたトチノキ種子から無事に発芽できれば、種子散布に成功したことになります。(貯食型の動物散布) 


【参考文献】 
長らく積読状態だったのですが、ようやく読んでみたらとてもエキサイティングで非常に勉強になりました。 
研究の道筋があまりにも理路整然ときれい過ぎると、強引に辻褄を合わせたんじゃないの?と内心疑ってしまいます。
しかし、本書では実験に失敗したことや未解決課題も正直に書いてあって研究の臨場感が伝わりました。 
私が素人ながら実際に野ネズミを相手に給餌実験の真似事をあれこれ試してみた後に本書を読んだので、面白いほど内容を吸収できました。 
個人的な疑問もいくつか解消できました。 
後半を読み進めるのがしんどいと書評で文句を言ってる人は、山歩きやフィールドワークの実体験が全くない人かもしれません。
(前半は生物好きな高校生でも読めるはずです。) 
本書前半部のダイジェスト版のような総説のPDFが無料でダウンロードできます。
島田卓哉. 堅果とアカネズミとの関係―タンニンに富む堅果をアカネズミが利用できるわけ―. 哺乳類科学, 2008, 48.1: 155-158.
また、筆者は野ネズミの研究者が増えて欲しいと願いながらも、人獣共通感染症のリスクがあることを率直に書いてあって印象に残りました。
野ネズミのフィールドワークを始めた素人が野ネズミからウイルスなどの感染を防ぐためにどんな注意をすべきなのか(服装や装備など)、具体的に書いて欲しかったです。

「野ネズミと栃の実:サポニンという毒とうまくつきあう方法」については全く言及されておらず、今もどこかで誰かが研究中なのでしょう。 
面白いテーマだと思うのですが、二番煎じのような研究を誰もやりたがらないのかな?

伊佐治久道; 杉田久志. 小動物による重力落下後のトチノキ種子の運搬. 日本生態学会誌, 1997, 47.2: 121-129.


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2024/09/08

トチノキの堅果(栃の実)を持ち去ろうと試みるカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年11月中旬 

シーン1:11/8・午後12:25頃(@0:00〜) 
里山の斜面に立つカラマツの根元にトチノキ堅果を並べて置き、野生動物が持ち去るかどうか、トレイルカメラで監視しています。 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子を先に示します。 


シーン2:11/12・午前8:20頃(@0:03〜) 
明るい朝に1羽のカケスGarrulus glandarius)が給餌場Rに来ていました。 
晩秋の落ち葉が林床に降り積もり、栃の実の一部は隠されています。 
カケスは残っていたトチノキの堅果を目ざとく見つけて嘴で咥えようとするものの、やや大きい上に表面が滑って持てません。 
すぐに諦めて飛び去りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:18〜) 

堅果給餌場にカケスが来たのはこれが初めてです。 
トチノキではなくミズナラ堅果などのドングリだったら、貯食のために持ち去ってくれたはずです。
しかし、私がここでドングリを給餌していた時期にはカケスは来てくれませんでした。 
賢いカケスは山林で給餌場を見つけても、いかにも怪しいと思って(何かの罠だ!)警戒したのかもしれません。 
ちなみに、現場付近にトチノキは自生していません。

カケスがドングリを持ち去って隠す貯食行動と種子散布を調べた『カケスの森 』という本を読んで、私も真似してみようと思ったのがこのプロジェクトのきっかけです。 
ところが実際にやってみると、給餌した当日の晩に夜行性の野ネズミがいち早く堅果を見つけて、夜の間にせっせと持ち去ってしまうことが分かりました。 
カケスやリスが活動する昼間にはもう餌場に堅果がほとんど残っていないという事態になるのです。 
昼行性のカケスやリスの貯食行動を観察したいのであれば、野ネズミが給餌場に近寄れないような工夫(ネズミ返しの設置など)をする必要がありそうです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


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2024/08/25

ドングリを運んであちこちに隠す秋のカケス:その3【野鳥:トレイルカメラ】再貯食

 



2023年11月上旬・午前9:55頃・晴れ・気温16℃ 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の巣口Lのすぐ横の地面にカケスGarrulus glandarius)が降り立っていました。 
嘴にドングリは咥えてはいません。 
地面の特定の地点を執拗につついています。 
採食行動かと初めは思ったのですが、1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると(@1:00〜)、1箇所に複数の餌を隠し直していました。 
貯食物には木の実(ドングリ?)だけでなくミミズのような細長い虫の死骸も含まれていました。 
(隠蔽工作の行動がそのように見えただけかもしれません。)

右に移動すると、そこでも林床に餌を貯食し直しています。 
隠した餌が無事であることをときどき確かめに来るようです。

賢いカケスはリスクヘッジのために、ドングリを1個ずつ別の地点に貯食すると思っていたのですが、複数の餌を同じ地点に隠すことがあると知って意外でした。 
膨大な数の隠し場所を記憶するのは、やはり大変なのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→


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2024/08/18

栃の実よりオニグルミ堅果を優先して給餌場から運び出す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2023年11月上旬 

貯食のために野ネズミ(ノネズミ)が通う給餌場を自動撮影カメラで見張っています。 
前回与えたクリは虫食いのせいかあまり気に入ってもらえず、50個与えたうちの計20個しか持ち去りませんでした。 
そこで次の餌として、トチノキに切り替えました。 
実はこの給餌実験のために、5月中旬に栃の実を拾い集めていました。
果実(蒴果)を丸ごと採集したのですが、保管している間に硬い果皮が自然に割れて種子(いわゆる栃の実)がこぼれてしまいました。
未加工の栃の実は有毒と言われています。
未加工のまま食すると吐き気、しびれ、麻痺などを起こすことがある。(中略)種子は渋や有毒成分をのぞいて食用にされる。 毒性成分:トリテルペンサポニンのエスシンなど。(フィールドベスト図鑑『日本の有毒植物 』p74より引用)

この記述はあくまでもヒトに対する毒性を記したもので、野生動物への影響は不明です。 
トチノキの大木の下で秋に落果した種子を春になっても大量に採取できたということは、野ネズミは忌避して持ち去らないのでしょうか?
しかし私は以前、山中の峠道でアカネズミの食痕が付いたトチノキの果実を見つけています。 
関連記事(7年前の撮影)▶ トチノキの種子に残るアカネズミ?の食痕 



シーン1:11/8・午後12:26(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元の窪みに給餌場を設けてあります。 
右の給餌場Rにはトチノキの種子を30個、左の給餌場Lにはオニグルミの堅果(残り物、果皮なし)を8個、並べて置きました。 






野ネズミに好きな餌を選択させる選好実験の真似事です。 (※追記参照)
トチノキの種子は有毒とされていますが、果たして野ネズミは忌避するでしょうか? 
ちなみに、現場付近の山林にはトチノキもオニグルミも自生していません。 

 給餌場Rから栃の実が斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べておきました。 
トレイルカメラの設置アングルがいまいちで、餌場Lが画面の左下隅で見えにくくなってしまいました。 


シーン1:11/10・午後19:37(@0:04〜) 
待ちわびた野ネズミが、小雨が降る晩にようやく左からやって来ました。 
左の餌場Lで、扱い慣れたオニグルミ堅果を両手で持って、くるくると回しています。 
そのまま口に咥えると、右下へ運び去りました。 

しばらくすると、貯食を終えた野ネズミが左から餌場Lに戻って来ました。 
次に選んだクルミを左に搬出。 
今回、野ネズミはオニグルミの果皮を剥く必要がないので、餌場で選んでから持ち去るまであまり時間がかかりません。 


シーン2:11/10・午後19:42(@0:47〜) 
野ネズミが餌場Lの辺りをウロチョロしています。 
もしかすると、オニグルミ堅果はもう全て運び尽くして残っていないのかもしれません。 


シーン3:11/10・午後19:44(@0:54〜) 
冷たい雨が降っているのに、野ネズミは斜面を右に大きく跳躍したり、縦横無尽に駆け回ります。 
斜面の林床で餌を探し回っているのでしょう。 
右の餌場Rに積んであるトチノキの種子は落ち葉に埋もれてしまっているために、暗闇で野ネズミは未だ気づいていない様子です。 
それとも、当地の野ネズミは見慣れないトチノキ種子を餌だと認識していないのでしょうか?


シーン4:11/10・午後19:46(@1:14〜) 
野ネズミが通い慣れた餌場Lにまた来ていたのですが、すぐに立ち去りました。 
オニグルミが本当にもう残っていないかどうか、未練がましく確かめに来たのでしょう。 




※【追記】
Google Scoloarで文献検索してみたら、面白そうな学会発表を見つけました。
三浦光, et al. "森林性ネズミ 2 種による 3 種の種子の利用様式―クリ・トチノキ・オニグルミの混合供試実験―." 日本森林学会大会発表データベース 第 127 回日本森林学会大会. 日本森林学会, 2016.

抄録
森林性の野ネズミ類、とくにアカネズミ属は、貯食型種子散布における主要な散布者である。したがって、野ネズミ類の落下種子に対する選好性は、それらの種子を生産する樹種の更新および分布拡大、ひいては森林動態に影響を及ぼす。野ネズミ類の種子選好性については多くの知見があるが、異なる多樹種の種子を混合して供試した場合の事例は少ない。本研究では、調査地 (愛知県北東部) に生息するヒメネズミおよびアカネズミを対象として、3樹種 (クリ、トチノキ、オニグルミ) の種子に対するそれぞれの反応を観察した。 供試実験は、広葉樹パッチに隣接する、ヒノキ・アカマツ林にて行った。円周上に種子を配置できる餌台を作成し、3樹種を交互に並べることで、どの方位から進入しても各樹種へアクセスできるようにした。種子は個体ごとに識別し、餌台へ向けてカメラを設置した。また、餌台から持ち去られた種子の追跡調査も行った。 ヒメネズミはクリを非常に強く選好し、優先的に持ち去った。アカネズミはトチノキやオニグルミも積極的に利用した。また、種子の持ち去り先および利用様式についても、ネズミ種と樹種の組み合わせで、類似点あるいは相違点が認められた。

要旨を読んだだけですが、実験のデザインの仕方など今後の参考になります。


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トチノキは残った 山里の恵みの自然史と暮らし (びわ湖の森の生き物) 

トチの木の1年

野ネズミとドングリ: タンニンという毒とうまくつきあう方法

2024/08/15

給餌場に通ってクリ堅果を運び出して貯食する野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月下旬〜11月上旬 

野ネズミ(ノネズミ)が貯食のために通う給餌場を自動センサーカメラで見張っています。 
次の餌として、クリ(栗)オニグルミという2種類の堅果を持参して、カラマツ根元の給餌場に置いてみました。

昨年は一度しかクリを給餌できなかったので、その追試です。


シーン0:10/30・午後13:14(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元に給餌場を設けてあります。 
大きさの不揃いなクリの堅果を右の餌場Rに50個並べて置きました。 
山中で拾い集めたときには虫食いが無かったのに、数日置くとクリシギゾウムシの終齢幼虫が多数脱出していました。 

給餌場のクリが斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べておきました。 

左の餌場Lには前回の残り物で5個のオニグルミ落果(果皮つき)をまとめて置きました。 






シーン1:10/30・午後18:00(@0:04〜) 
日が暮れると、野ネズミが右の餌場Rに来ていて、クリの堅果を物色していました。 
選んだクリを口に咥えて、斜面の右下に運び始めました。 
オニグルミよりもクリは小さいものの、表面がつるつるしていて持ちにくそうです。 
私が斜面に置いたストッパーの落枝を乗り越えるのに野ネズミは苦労しています。 
運んできたクリを林床に置くと、落ち葉の下に潜り込んで穴を掘り始めました。 
穴から後ろ向きで出てくると、その浅い穴にクリを埋めて隠しました。 
いきなりクリの貯食シーンが見れて満足です。 

餌場Rに戻りかけたところで録画終了。 
クリの貯食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:10〜) 


シーン2:10/30・午後18:02(@2:13〜) 
餌場Rで次に運ぶクリを選ぶ際に、1個が転がり落ちてしまいました。 
オニグルミの丸い落果と違って、クリの堅果は扁平だったり片方が尖った滴状だったりするので、あまり遠くまでは転がりません。
選んだクリを咥えてカラマツの根本を右に回り込みながら斜面を登って行きます。 
そのままシシガシラ(常緑のシダ植物)群落の下に隠れてしまいました。 
野ネズミの白く光る目が右往左往しているものの、行動が読み取れません。 
おそらく貯食しているようです。 
このように、野ネズミは毎回違う場所に堅果を貯食するのです。


シーン3:10/30・午後18:07(@3:15〜) 
餌場Rに来た野ネズミはあまり迷わなくなり、クリを選択するのがスムーズになりました。 
今度は斜面を左下に運んで行きます。 


シーン4:10/31・午後22:05(@3:31〜) 
翌日の晩遅くに来た野ネズミは、餌場Rで長居しています。 
クリ堅果をその場で食べ始めたのか、果皮を剥いているのか、よく分かりません。 
半分食べかけただけでその場に捨て、次のクリを物色したり試食したりしています。 
隠れ家に運ぶ手間が面倒になり、餌場で食べるようになったのかな? 
虫食い跡のあるクリは貯食する価値がないと判断して、取捨選択しているのかもしれません。 
クリ堅果の中に潜んでいるクリシギゾウムシ幼虫を捕食しているのかな? 


シーン5:10/31・午後22:10(@5:01〜) 
つづきのシーンを1.5倍に拡大した映像でご覧ください。 
餌場Rでクリを食い散らかしています(試食)。 


シーン6:11/1・午後23:46(@6:31〜) 
野ネズミが餌場Rを再訪するまで、かなり時間が開きました。 
今回の餌(クリ堅果)は虫に食われていたので、野ネズミはあまり魅力を感じていないのかもしれません。 
ようやく残り物から選んだクリを咥えて左の餌場Lへ運び、窪みにクリを置きました。 
私が給餌したオニグルミ堅果の匂いを嗅いでから、クリを咥え直しました。 
突然何かに警戒し、その場で動きを止めました(フリーズ)。 
クリを咥えたまま、餌場Rを経由してからカラマツの根本を右に回り込み、斜面を右にトラバースして行きます。 
シシガシラ群落の下で立ち止まったところで、録画が終わりました。 


シーン7:11/2・午前3:38(@8:02〜) 
翌日の未明に監視カメラが起動すると、雨がぱらついていました。 
野ネズミが右から走って餌場Rに戻って来ました。 
クリを選んでいる途中でなぜか中断して、空荷で右へ逃走しました。 
その直後に周囲が一瞬明るく光り、かなり遅れて雷鳴のような風切り音のような低い物音がかすかに聞こえました。 
どうやら、こんな晩秋の夜明け前に山中で落雷があったようです。 


シーン8:11/2・午前3:57(@8:17〜) 
なぜかカメラの起動が遅れ、野ネズミがクリ(またはオニグルミ?)を運んで斜面を右にトラバースするところでした。 
雨は止んでいました。 


シーン9:11/2・午後19:46(@8:27〜) 
昼間は巣穴で寝ていた野ネズミが、晩になると再び餌場Rに現れ、クリを試食していました。
今回はあれこれ食い散らかさずに、特定の堅果を食べ続けています。 
試食というよりも、がっつり食餌しています。 


シーン10:11/3・午前1:56(@8:45〜) 
日付が変わった深夜に野ネズミが餌場Rに戻って来ていました。 
食べ残しのクリを少し食べてから、他のクリを物色しています。 
ようやく手頃なクリを選ぶと、咥えて左下に運び去りました。 


シーン11:11/3・午後21:51(@9:47〜) 
晩に野ネズミがカラマツ根本の右側をウロチョロ探索していました。 
餌場Rに来ても、あまり気乗りしてない様子です。 
ようやく落ち着いて食べかけのクリの残りを食べ始めました。 


シーン12:11/3・午後21:56(@10:40〜) 
餌場でクリを食べていた野ネズミが、カラマツ根本の隙間に潜り込みました。 
(巣穴ではなく、ただの窪みです。) 
手前にストッパーとして置いた落枝のせいで死角になってしまいました。 
隠れ家で休息しているのか、それとも賢い野ネズミがカメラに監視されているのを嫌ったのかもしれません。 
夜の山林ではフクロウやテンなどの天敵が獲物を探していますから、野ネズミが地表で長時間じっとしているのは危険です。 


シーン13:11/5・午後17:20(@11:11〜) 
久々に野ネズミが餌場Rに登場しました。 
カラマツの根際に埋め込んだクリを掘り出すと、口に咥えて下の隠れ家に運びます。 
野外で安全に食べれるように、餌場Rの直下に隠れ家を設けたようです。 
あるいは、そこの窪みに貯食したのかもしれません。 


シーン14:11/5・午後17:22(@11:35〜) 
今度は餌場Rからピョンピョン跳ぶように、左へクリを搬出しました。 


シーン15:11/6・午前4:43(@11:44〜) 
餌場Rからクリを咥えて左へ運んで行きます。 
餌場Lに埋めたように見えたのですが、咥え直して更に左へ搬出。 


シーン16:11/6・午前20:55(@12:17〜) 
晩に餌場Rに来た野ネズミが選んだクリを咥えてカラマツ根際の右を登り、斜面を右にトラバースして行きます。 


シーン17:11/7・午前3:20(@12:38〜) 
小雨がぱらつく未明に、野ネズミが餌場Rからクリを斜面下に搬出。 


シーン18:11/8・午前0:54(@12:48〜) 
雨が止んで晴れています。 
深夜の餌場Rに来た野ネズミが、選んだクリを持って左へ。 


シーン19:11/8・午前4:18(@12:57〜) 
餌場Rで選んだクリを左に搬出。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



2024/08/09

斜面にたまたま落ちていたオニグルミ堅果を拾って持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月下旬〜11月上旬 

野ネズミ(ノネズミ)が貯食のために通う給餌場をトレイルカメラで監視しています。 
次の餌として、オニグルミクリ(栗)という2種類の堅果を持参して、カラマツ根元の給餌場に置いてみました。 

シーン0:10/30・午後13:14(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元に給餌場を設けてあります。 

右の餌場Rには大小様々なクリの堅果を50個並べて置きました。 
虫食いだらけのクリで、クリシギゾウムシの終齢幼虫が多数脱出していました。 
給餌場のクリが斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べておきました。 

左の餌場Lには5個のオニグルミ落果(果皮つき)を置きました。 
前回の残り物です。 

野ネズミはどちらの堅果を選択的に運ぶでしょうか? 
前回のミッションで運び慣れたオニグルミ落果を優先するのか、それとも果皮を剥く手間が省けるクリに切り替えるでしょうか? 


シーン1:10/31・午後22:13(@0:04〜) 
右の餌場Rに来てクリの山を物色していた野ネズミが左の餌場Lに移動しました。(気まぐれな探索行動) 
果皮つきのオニグルミ落果を見つけると、その場で果皮を齧って剥き始めました。 
たとえ下処理の手間が掛かっても、虫食いだらけのクリ堅果よりも栄養価が高いと判断したようです。 
と思いきや、なぜか作業を中断して右の餌場Rへ戻ってしまいました。 
優柔不断な(飽きっぽい?)野ネズミです。 


シーン2:10/31・午後22:18(@1:34〜) 
右の餌場Rから、なぜか空荷で(クリ堅果がたくさん残っているのに)斜面を左下に駆け下りました。 


シーン3:11/2・午後19:48(@1:40〜) 
左の餌場Lに来ていた野ネズミがオニグルミ落果を物色したものの、果皮を剥こうとしないで、左下に立ち去りました。 


シーン4:11/3・午後19:34(@2:08〜) 
右の餌場Rを物色してから左下へ移動し、探餌徘徊。 
左下から戻ってくる途中で、斜面に餌場Lから転がり落ちていたオニグルミ落果を見つけました。 (@2:30〜)
ちなみに、現場の斜面にオニグルミの木は自生していません。
野ネズミは暗闇で目が見えていませんから、このクルミを発見したのはたまたまです。 
(あるいは嗅覚で嗅ぎ当てたのかもしれません。) 
すでに果皮を剥き終えていたオニグルミ堅果を拾って口に咥えると、左下に運び去りました。 


シーン5:11/6・午前2:22(@2:39〜) 
野ネズミが空荷で斜面を手前に下って行きます。 


シーン6:11/6・午後19:34(@2:44〜) 
餌場Rの右に来ていた野ネズミが 深く積もった落ち葉の上をあちこち探し歩いています。 
餌場Rを素通りし、手前へ。 


シーン7:11/7・午前3:38(@3:11〜) 
右の餌場Rから空荷で下へ向かいました。 
雨が激しく降っています。 


シーン8:11/7・午前4:29(@3:16〜) 
野ネズミが左の餌場Lから左上に斜面を駆け上がりました。 
空荷だと思うのですが、定かではありません。 


【考察】 
オニグルミとクリのどちらが好きか、野ネズミに絶対的な好みはないようです。 
気まぐれに左右2つの餌場を行き来していました。 
今回私が提供した餌(堅果)に問題があり、虫に食害されていたり、白カビが生えかけていたりと、野ネズミはいまいち食欲がそそられなかったのかもしれません。 
真面目に調べようと思ったら、野外で実験条件を揃えるのは大変です。
給餌場にまだ餌が残っているのに、それは無視して野ネズミが辺りの林床を探索することもよくありました。

右の餌場Rから野ネズミがクリ堅果を持ち去るシーンは、別の動画にまとめました。


2024/08/06

果皮を剥く作業中に斜面を転げ落ちたオニグルミ落果を暗闇で探す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年10月下旬 

シーン0:10/24・午前10:03(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の斜面を抜ける獣道でカラマツの根元に給餌場を設けました。 
緑の果皮が付いたままのオニグルミ落果を画面の中央に30個山盛りにして並べました。 
左の窪みには残り6個の山があるはずなのですが、隠れてしまっています。 

給餌場のクルミが斜面を転げ落ちて紛失しないように、ストッパーとして数本の落枝を餌場の直下に横向きで並べておきました。 


シーン1:10/26・午後21:14(@0:04〜) 
野ネズミ(ノネズミ)が右の餌場Rに来ていました。 
次に運ぶクルミを選んでいる最中に、うっかりクルミの山を崩してしまい、別の1個が転がり落ちました。 
ドングリころころ、どんぐりこ。お池にはまってさぁ大変♪
(私の目論見通り、ストッパーのおかげで斜面の途中で止まりました。) 
選んだオニグルミ落果の果皮をその場で齧って剥き始めました。 
果皮をきれいに剥き終えたオニグルミ堅果を口に咥えると、カラマツの根本を右から登り始めました。 
ところが途中でクルミを落としてしまい、慌てて追いかけます。 
(これまたストッパーのおかげで斜面の途中で止まりました。) 
暗闇では落とし物を見つけられず、あっさり諦めた野ネズミは、たまたま見つけた別のオニグルミ落果の果皮を改めて剥き始めました。 
作業の途中で近くに落とし物を発見した野ネズミは、拾い直して左へ持ち去りました。 
野ネズミにとって、私がせっかく置いたストッパーの存在はクルミを運搬する上で邪魔な障害物でしかないようです。 


シーン2:10/26・午後21:21(@1:25〜) 
5分40秒後、野ネズミが餌場Rに戻って来ていました。 
次に選んだオニグルミの果皮を剥いていると、手元が滑ったのか、またもや斜面の左下に転がり落ちてました。 
辺りを探し回った末に、今回はなんとか落とし物を見つけ出しました。 
野ネズミは闇夜で全く(ほとんど)目が見えてないことが暗視動画から伝わります。 
その場で皮剥きを再開しました。 
結果的に、カメラのより近くで果皮剥き作業をしてくれるようになりました。 
残念ながら、このクルミ堅果を持ち去るシーンは撮れていませんでした。 


シーン3:10/26・午後22:30(@2:55〜) 
餌場Rに戻ってきた野ネズミがオニグルミ落果の果皮をせっせと齧り取っていると、不安定だったその落果が斜面から転がり落ちました。 
慌てて追いかけたものの、なぜか隣りにあった別のクルミの皮を剥き始めました。 
果皮を剥いたオニグルミ堅果を持ち去って貯食するまで見届けられませんでした。


【考察】 
こうして野ネズミのうっかりミス(NG集)をまとめてみると、なかなか面白いですね。 
私がこんな不安定な斜面に給餌場をいい加減に設置したばかりに、研究のために実験室できっちりデザインされた人工的な環境よりも、野ネズミの臨機応変な対応力がより見えてきました。 




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2024/08/03

果皮を剥き終えたオニグルミ落果を貯食するため落ち葉の下に穴を掘る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年10月下旬

シーン0:10/24・午前10:03(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の斜面を通る獣道でカラマツの木の下に給餌場を設けました。 
30個のオニグルミ落果の山が画面の中央に置かれていて、残り6個の山は左側にあるはずなのですが、窪みの陰でよく見えません。 


シーン1:10/25・午後23:16(@0:04〜) 
深夜にトレイルカメラが起動すると、給餌場で果皮を剥き終えたオニグルミ堅果を野ネズミ(ノネズミ) が口に咥えて運搬しているところでした。 
まだ慣れていないのか、運ぶのに手間取っています。 
体格に対してクルミがちょっと大き過ぎる(重過ぎる)のかな? 
野ネズミは遠くまで持ち去るのを諦めたらしく、クルミを餌場のすぐ右横に置くと、林床の斜面を探索し始めました。 

落ち葉の下に潜り込んで何かしています。 
貯食用の穴を掘っているのでしょうか? 
後ろ向きで落ち葉の下から外に出てきたところで90秒間の録画が終わりました。 


シーン2:10/25・午後23:18(@1:02〜) 
次に野ネズミは放置していたクルミ堅果を取りに戻り、口に咥えてゆっくり斜面を下ると、さっき穴を掘った地点に潜り込みました。 
このとき、持ってきたクルミは穴の横に残したままです。 
頭隠して尻隠さずの状態で斜面に横穴を掘っていた野ネズミが後退しながら外に出てくると、横に置いたクルミの存在を確かめました。 
安心したように穴掘りを再開します。 
やがて、穴の中で方向転換できるようになりました。 
今度は頭から先に穴の外に出てくると、クルミの無事を確認しました。 

残念ながら録画はここで終わっていて、オニグルミ堅果を穴の奥に埋めて隠す貯食行動を最後まで見届けることができませんでした。 
それでも、給餌場の近くにもクルミを隠すことが分かりました。 
(次にトレイルカメラが起動したときには、給餌場で新たにオニグルミ落果を選んで果皮を剥き始めていました。)



2024/07/31

給餌場でオニグルミ落果の果皮を剥いてから運び去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事(前年に撮影):▶ フクロウ襲撃前後の野ネズミのオニグルミ堅果運搬作業【トレイルカメラ:暗視映像】 


2023年10月下旬 
野外に様々な木の実(堅果)の給餌場を設けて、どんな野生動物がやって来るかトレイルカメラで撮影するプロジェクトをこの秋も始めました。 
昨年やり残した課題が幾つかあるのです。 
餌場の場所は昨年(2022年)と全く同じで、里山の林道脇の法面に生えたカラマツ大木の根元にある窪みです。 
まずは緑色の果皮がついたままのオニグルミ落果を拾い集めてきて、給餌場に山盛りに積み上げて置きました。 
昼行性のニホンリスや夜行性の野ネズミ(ノネズミ)がクルミを持ち去って貯食することを期待しています。 
前年にはオニグルミの果皮を予め剥いた殻付きの堅果を給餌したのですが、今季は過保護にするのを止めました。 
緑色の果皮が一部は茶色くなりつつあり、白カビが生えかけたものも混じっています。 
(放置すると最終的にオニグルミ落果の果皮は真っ黒に腐って自然に剥がれ落ちます。)
オニグルミ落果を見つけた野ネズミはその場で果皮をかじり取ってから貯食のため持ち去るでしょうか? 
それとも、果皮の付いたまま持ち去って、そのまま地中に埋めて隠すのでしょうか? 

カラマツ根元の窪みからクルミが溢れそうになったので、メインの右側に30個、左側に6個と2箇所に分散して置きました。 
野ネズミが餌場でクルミを物色する際に、丸いクルミが斜面からゴロゴロと転がり落ちることが予想されます。 
餌場の下にストッパーとして落枝を何本も並べておくことにしました。

 


シーン0:10/24・午前10:03・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
30個のオニグルミ落果の山が画面の中央に置かれていて、残り6個の山は左側にあるはずなのに、画面にはしっかり写っていません。 


シーン1:10/25・午後22:39(@0:04〜) 
夜な夜な林床で餌を探し回っていた野ネズミがようやく給餌場を見つけました。 
オニグルミの落果を転がしたりして、物色しています。 
興奮したように右往左往してから、選んだ落果の果皮をその場で剥き始めました。 
オニグルミの果実を前足で転がしながら、果皮を口で細かく噛み千切っては横に吐き捨てています。 
オニグルミの果皮には大量のタンニンが含まれていて渋いはずなのに、野ネズミは平気なのでしょうか? 
果皮を吐き出すにしても、口内の舌や粘膜のタンパク質が変性しないのかな?
90秒間の録画時間内には持ち去りませんでした。 


シーン2:10/25・午後23:13(@0:04〜)
次に野ネズミが給餌場に来るまで、だいぶ時間が開きました。 
クルミを選んでいる間に警戒してしばらくフリーズしていました。 
警戒を解くと、前回と同じ場所で果皮を剥き始めました。 


シーン3:10/25・午後23:23(@2:41〜) 
次のクルミを選ぶと、邪魔な果皮を剥き始めました。 
なぜか途中で作業を止めて、左の餌場へ移動しました。 
何が気に入らないのか、クルミを持ち去ることなく、左へ立ち去ってしまいました。 
やはりオニグルミ果皮に含まれるタンニンの渋さに辟易しているのかな? 


シーン4:10/26・午前3:04(@3:44〜) 
日付が変わった翌日の未明に、野ネズミが再び餌場に現れ、クルミ落果を選んでいました。 
カビ臭いのが嫌いなのか、あちこちで果皮を少しずつかじって回るだけです。 


シーン5:10/26・午後20:59(@4:02〜)
 夜行性の野ネズミは、明るい日中には巣穴に戻って寝ているので、夜にならないと餌場に現れません。 
果皮を剥く作業を途中で中断してしまい、斜面を探索し始めました。 
オニグルミを貯食する場所を予め探しているのかな? 
シシガシラという常緑シダ植物の下に潜り込んだところで録画終了。 


シーン6:10/26・午後21:05(@5:11〜) 
左右の餌場を順に訪れて果皮を少し剥いてから、斜面を左下へ立ち去りました。 


シーン7:10/26・午後21:07(@6:07〜) 
野ネズミが右の餌場Rの窪みから顔を出しました。 果皮を齧って剥き始めても、途中で止めて別のクルミに浮気するため、最後まで剥き終わりません。 

後半はようやく一つのクルミに集中して、果皮を剥き続けるようになりました。 
5倍速の早回し映像でご覧ください。 
作業の途中でクルミが斜面をうっかり転がり落ちてしまいました。 
幸いすぐ下の落葉で止まり、野ネズミは転がったオニグルミ堅果を取りに行きました。 


シーン8:10/26・午後21:11(@7:21〜) 
餌場の右下の斜面で野ネズミが立ち止まったまま動きません。 
至近距離で起動したトレイルカメラを警戒してフリーズしているのかな? 
目はしっかり開いたままなので、居眠りではありません。 
警戒を解くと、前脚で毛繕いをし始めました。 


シーン9:10/26・午後21:36(@7:46〜) 
右の餌場Rに来ていた野ネズミが、果皮向き作業を中断して左へ逃走しました。 
直後にツキノワグマが現れたので、接近を察知した野ネズミが慌てて逃げたようです。 



シーン10:10/26・午後22:04(@8:09〜) 
クマが立ち去り、ほとぼりが冷めてから、野ネズミが左の餌場Lに戻って来ていました。 
オニグルミの果皮を剥いています。 


シーン11:10/26・午後22:36(@8:27〜) 
左の餌場Lに来ていた野ネズミが右の餌場Rに移動し、果皮を剥き始めました。 
1.5倍に拡大した上で、5倍速の早回し映像でご覧ください。 


シーン12:10/26・午後22:38(@8:45〜) 
果皮をほぼ剥き終えたのに、なぜか野ネズミは餌場を右往左往しています。 
遂に、果皮を剥いたオニグルミの殻を口に咥えて左へ持ち去りました。 
オニグルミの殻の表面が真っ黒に見えるのは、タンニンで染まっているせいです。


シーン13:10/26・午後22:41(@9:16〜) 
右の餌場Rで次に選んだオニグルミ落果を齧って果皮を剥いています。 


シーン14:10/26・午後22:49(@9:34〜) 
餌場Rで一心不乱にオニグルミの果皮を剥いています。 
最後まで一度やり遂げてから(貯食の成功体験)、ようやく集中して果皮を剥くようになりました。 
殻付きのオニグルミ堅果を持ち去る前に、無駄な果皮を取り除き、少しでも軽くしたいのでしょう。 


シーン15:10/26・午後22:55(@9:52〜) 
餌場Rで果皮剥き。 
剥き終えたオニグルミ堅果を持ち去って貯食するシーンがなかなか撮れません。 


シーン16:10/26・午後23:02(@10:10〜) 
このところ野ネズミは餌場Rで物色に手間取らず、迷わずに果皮剥き作業を始めるようです。 
剥きかけのクルミを持って一段下へ移動してから、作業を続けます。 


シーン17:10/26・午後23:08(@10:28〜) 
餌場Rで果皮を剥いていた野ネズミが、うっかり隣のオニグルミ落果を給餌場からいくつも転がり落としてしまいました。 
こんなこともあろうかと私が予め置いていたストッパー(横に並べておいた数本の落枝)のおかげで、斜面の途中で丸いオニグルミ落果はすぐ止まりました。 


シーン18:10/26・午後23:14(@10:46〜) 
餌場Rで野ネズミがオニグルミの果皮を剥き終わると、その殻を咥えて左へ運んで行きます。 
運び方も慣れて、前回よりもスムーズになりました。 


シーン19:10/26・午後23:16(@12:01〜) 
野ネズミが次のクルミを物色中に餌場Rから転がり落としてしまいました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


後日に現場検証すると、餌場Rには野ネズミが剥いて捨てたオニグルミの果皮が黒変し、大量に残されていました。
オニグルミの落果5個が野ネズミに搬出されないまま、餌場R付近に残されていました。


落果を取り除いた後。黒変した果皮が散乱している。





【考察】
昼行性のニホンリスがオニグルミ落果を持ち去るのではないかと期待したのですけど、一度も現れませんでした。
リスの貯食行動を狙うなら、樹上などもっと出現頻度の高い地点で給餌しないといけないようです。

90秒間の録画時間では短すぎて、野ネズミが果皮を剥き終えてからオニグルミ堅果を持ち去るまでなかなか見届けられませんでした。 
次回はもっと長く設定する必要がありそうです。




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2024/07/28

ドングリを運んであちこちに隠す秋のカケス:その2【野鳥:トレイルカメラ】隠蔽工作・再貯食など

 



2023年10月中旬〜下旬

シーン0:10/12・午後14:38・晴れ・気温28℃(@0:00〜) 
シーン0:10/12・午後16:58・晴れ(@0:04〜)日の入り時刻は午後17:10 

ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)がある平地の二次林を新旧2代のトレイルカメラで見張っていると、カケスGarrulus glandarius)の貯食行動が記録されていました。 


シーン1:10/13・午前7:48・晴れ(@0:08〜) 
画面右上の止まり木から奥の林床にカケスが飛び降りました。 
ピョンピョンとホッピングしながら餌を探したものの、右へ飛び去りました。 


シーン2:10/13・午前10:39(@0:21〜) 
手前の死角から右奥の二次林鳴いへカケスが飛び去りました。 


シーン3:10/13・午前11:20・晴れ(@0:28〜) 
ここからが本番で、面白くなってきます。 
嘴にドングリ(種名不詳)の堅果を咥えたカケスaがホッピングでセットを左下に移動しています。 

やがて右から別個体のカケスbが飛来すると、林縁の灌木に止まりました。 
よく見ると、この個体bも嘴に白っぽい堅果を咥えていました。 
林床に飛び降りると、貯食場所を探しています。 
ミズキ灌木の根本にドングリを埋めたようですが、監視カメラの死角でよく見えませんでした。 
この2羽のカケスは♀♂つがいかと思ったのですが、後で仲間のカケスに盗まれないように、仲間から見えない場所にドングリを埋めたとしたら、賢いカケスは「心の理論」をもつことになります。 

1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@1:28〜) 
カケスaはアナグマの巣口Rの近くの地面(アクセストレンチの横)にドングリを隠しかけたのですが、思い直して左下に移動しました。 
カケスbは奥の林床でドングリを隠す場所を探し歩いています。 


シーン4:10/14・午前9:53・晴れ(@2:40〜) 
右の林縁低部にカケスが止まっていました。 
初めからドングリ堅果を咥えていたかどうか、やや遠くて不明です。 
地面に降り立ち、灌木の根本の落ち葉の下で何かを激しくつつきました。 
これだけなら虫を捕食した可能性もあるのですが、次に周囲の落ち葉を嘴でつまんで移動しました。 
どうやら以前に貯食したドングリ堅果を埋め直してから落ち葉を被せて、念入りに隠しているようです(隠蔽工作)。 
貯食場所の目印として落ち葉を置いた可能性もありますが、落ち葉はやがて風で飛んでしまうかもしれませんから、賢いカケスはそんなことはしないはずです。 
隠蔽工作に満足したカケスは飛び去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@3:15〜) 
やはりカケスは初めからドングリを運んでいませんでした。 
以前に隠したドングリ堅果をつついて地中深くに押し込んでから、落ち葉を寄せ集めて隠蔽していました。 


シーン5:10/14・午前10:49・晴れ・気温17℃(@3:49〜) 
アナグマの巣口L付近の細い灌木に止まっていたカケスが空荷で(ドングリを運ばずに)飛び去りました。 


シーン6:10/16・午前11:36・晴れ(@3:59〜) 
アナグマの巣口Rの真上を横切る木質の蔓の上にカケスが止まっていました。 
嘴にドングリを咥えたまま、左に飛び去りました。 


シーン7:10/18・午前6:40(@4:07〜) 
右の林縁に来ていたカケスが左に飛び去りました。 
もしかするとシーン4(4日前)と同一個体で、落ち葉で隠した貯食物が無事かどうか(誰かに盗まれていないかどうか)、さり気なく確かめに来たのかもしれません。 
4日も前のことを覚えているのか!と感心しますが、カケスは餌が乏しい冬に備えて秋のうちからせっせと貯食している訳ですから、もっと遥かに長い期間、多数の隠し場所を記憶していることになります。


シーン8:10/18・午前10:11(@4:16〜) 
セットで左手前に転がっている落枝に乗ったカケスの後ろ姿が写っていました。 
周囲の落ち葉を嘴で集めて、何かの上に被せています。 
これも貯食物の隠蔽工作でしょう。 
落枝を伝って左へ移動すると、そこでも以前の貯食物を隠し直していました。 

作業が一段落すると、アナグマの巣口Rの左に生えたマルバゴマギの灌木に飛び移りました。 
アナグマが掘ったアクセストレンチRに飛び降りると、地中浅くに隠していたドングリを摘み出しました。 
そのドングリ堅果を嘴でコツコツ叩いて、地中深くに埋め直します。 
今回は落ち葉を隠したりしないで、林床を奥に移動しました。 
この辺りには野ネズミの巣穴もあるので、せっかく隠したドングリが野ネズミに盗まれてしまうのではないかと他人事ながら心配です。 

1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@5:16〜) 
ドングリ堅果を貯食し直す行動がしっかり撮れていました。 


シーン9:10/18・午前10:12(@6:16〜) 
右奥の林縁に生えたオニグルミの根元でカケスが何かしています。 
嘴でコンコン叩いているということは、ドングリを地中深く埋めているようです。 
その後は近くの止まり木に移動してから、左手前に飛び去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@6:51〜) 


シーン10:10/18・午後15:55(@7:25〜) 
林縁の細いマルバゴマギ灌木に止まっていたカケスが空荷で右の地面に飛び降りたものの、監視カメラの画角の外に入ってしまいました。 


シーン11:10/19・午前11:01・晴れ・気温20℃(@7:41〜) 
左下の落枝に空荷で止まっていたカケスが、すぐに左へ消えてしまいました。 
その後、別個体(?)のカケスが奥の林床に飛来し、何かしていたのですが、常緑ヒメアオキ群落の陰でよく見えなかったので割愛。 


シーン12:10/19・午前11:38・晴れ(@7:47〜) 
アナグマの巣口Rの横の細いマルバゴマギ灌木に止まっていたカケスが左の地面にピョンと飛び降り、死角に消えました。 
ドングリは咥えておらず、空荷でした。 


シーン13:10/19・午前11:39・晴れ・気温21℃(@7:54〜) 
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラで続きが撮れていました。 
空荷のカケスが、セットの止まり木をあちこち飛び回っています。 


シーン14:10/20・午前10:42(@8:16〜) 
アナグマの巣口Rの真上に垂れ下がった木質の蔓にカケスが止まっていました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると(@9:16〜)、カケスは嘴にドングリを咥えていました。 
地面に飛び降りると、地面を啄んで採食を始めたように見えたのですが、ドングリを運搬中なので、貯食行動と思われます。 

その後もカケスは、セット内の止まり木や地上をあちこち移動して、ドングリを安全な場所に貯食し直しているようです。 


シーン15:10/23・午前8:42・晴れ・気温13℃(@10:16〜) 
アナグマの巣口Lの上に張り出したマルバゴマギの細い灌木に空荷のカケスが止まっていました。 
やがて地面に降りると、落葉をかき分け始めました。 
飛び上がって元の止まり木に戻ると、嘴にドングリ?を咥えていました。 
止まり木上でドングリを一旦足で掴み直してから、咥え直しました。 
そのままドングリを運んで、右上奥へ飛び去りました。 
以前に隠していた貯食物を掘り出して、別の安全な場所に隠し直すのでしょう。 

1.5倍に拡大した上でリプレイしてみましょう。(@11:15〜) 
カケスの再貯食行動をようやくフルカラー動画でしっかり記録できました。 


シーン16:10/23・午後13:36・くもり・気温18℃(@12:18〜) 
嘴に大きなドングリ堅果を咥えたカケスが右の細い灌木に止まっています。 
低空で飛んで左上奥へ移動しました。 
しばらくして元の止まり木に戻って来たカケスは空荷でした。 
何処か近くでドングリを貯食してきたようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
カケスが以前隠したドングリを念入りに埋め戻したり、落ち葉を被せて隠蔽したり、別の安全な地点に隠し直したりする行動が観察できました。
カケスは警戒心が非常に強いので、無人カメラでないとこのような自然な行動を撮影するのは無理でしょう。
ドングリの再貯食と言っても、初めにカケスがその地点でドングリを隠す行動が記録されていないのが残念です。 
トレイルカメラの電池残量やセンサーの感度など技術的な問題のせいで、どうしても記録漏れがあるようです。 

ここは雪国ですから、冬の積雪期にカケスがどうやって貯食物を掘り出して食べるのか、気になります。 
冬でも晴れた日には木の幹が太陽光で温められるために、太い木の根元だけ雪が早く溶けます。 
したがって、太い木の根元に好んでドングリを隠すカケスは、経験豊富な個体なのかもしれません。 
(深い雪で埋もれそうな林床に隠すカケスは若い個体?)

このまま春まで固定アングルで定点観察を続けて、貯食したドングリの行方を見届けたいものです。 
ところが2023年度の冬は記録的な暖冬となり、降雪量が異常に少なかったです。(映像公開予定) 
雪国ならではのカケスの貯食行動を撮影するには、これから何年も継続して定点観察する必要がありそうです。
この地点で秋にカケスが昼間に頻繁に現れてドングリを貯食できるのは、アナグマが巣穴を留守にしているからです(空き巣状態)。
アナグマの家族が秋まで営巣地(セット)で活動している年には、カケスは落ち着いてドングリを貯食できないはずです。(映像公開予定)
自然観察はなかなか思い通りにはいきません。

仮にカケスがドングリの貯食場所を忘れてしまい、春にドングリから芽が生えても、大きな木の下では日陰になって育つことはできないでしょう。(種子散布の失敗) 
その木が落雷や強風で倒れた場合にのみ(林冠ギャップの形成)、ドングリなど他の稚樹が成長できるチャンスがあります。 
無駄が多くておそろしく低い確率に託している訳ですが、ドングリは膨大な数の堅果を生産することによって補っているのでしょう。 
生態学の教科書に載っているような「鳥による貯食型種子散布」の話も、実際に観察すると理解が深まり、上手く出来た共生関係だなーとつくづく感嘆します。 




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