2025/03/22

雪解け水の溜まった早春の田んぼで獲物を捕り歩くダイサギ(野鳥)

 

2024年3月中旬・午後14:35頃・晴れ 

平地の田園地帯で、積もっていた雪がほとんど溶けました。 
畦道の日陰になった縁などに、最後の残雪がわずかにあるだけです。 
稲刈り後の田んぼは基本的に水を抜いたままの乾田ですが、早春の時期は雪解け水が田んぼのあちこちに溜まっています。 
そこで1羽のダイサギArdea alba)が餌を探し歩いていました。 
この季節に撮ったのは初めてです。 

何か細長い物を素早く咥えましたが、ドジョウやミミズではなく、ただの枯れ茎を獲物と間違えたようです。 
すぐに首を振ってゴミを吐き捨てました。 
一度は飲み込もうとしたものの、喉に引っかかって異物を吐き出したようです。 

大股で田んぼを闊歩し、狙いを定めて長い嘴を泥水の中に突き刺すと、今度は狩りに成功しました。 
小さな獲物(小魚?)を丸呑みします。 
次はその場でガクガクと足踏みして地面に振動を与え、隠れている獲物を追い出そうとしています。 
その作戦もうまく行き、獲物を捕りました。
捕食シーンを1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:45〜)

手前の畦道が邪魔でよく見えませんが、ダイサギの下面に水面の反射が写っていることから、田んぼに雪解け水が溜まっているようです。 
強い春風が吹くと、ダイサギの羽毛がなびきました。 
警戒すると首を長く伸ばして周囲を見渡します。 

ダイサギが田んぼの奥へ奥へとどんどん歩き去ってしまうのは、しつこくカメラを向ける私を警戒しているのでしょう。 
道端の電柱の陰から隠し撮りをしたつもりでしたが、警戒心の強いダイサギにはお見通しだったようです。

ホンドギツネが何度も来て覗き込む巣穴の奥には死骸が埋まっている?【トレイルカメラ】

 



2024年4月上旬 

平地の二次林で、死んだニホンアナグマの旧営巣地(セット)を自動撮影カメラで監視し続けています。 
早春に登場したホンドギツネVulpes vulpes japonica)のシーンをまとめました。 


シーン1:4/7・午前8:11・晴れ・気温18℃(@0:00〜) 
(朝日を直接浴びてカメラが熱せられ、実際の気温よりも高く表示されています。) 
尻尾の毛並みが立派な個体(疥癬に感染していない健常個体フサ尾)が手前から来たようです。 
冬毛から夏毛に生え変わり始まる時期らしいのですが、キツネ観察歴の浅い私にはまだ見分けられません。 
ホンドギツネは及び腰で巣口Lを頻りに覗き込んだものの、巣穴Lの中には入らず、左に立ち去りました。 


シーン2:4/7・午前8:11・晴れ・気温14℃(@0:40〜) 
別アングルで設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
(このカメラは朝日に背を向けて設置したので、こちらの気温データが正しいはずです。) 
キツネは隣の巣口Rにも興味を示したものの、タヌキの強い匂いがするのか、遠慮して中には入りませんでした。 
タヌキの縄張り宣言に対抗して周囲に排尿マーキングすることもなく、右に立ち去りました。 


シーン3:4/7・午後16:51・晴れ・気温24℃(@1:08〜) 
8時間40分後の夕方に、同一個体らしきキツネが再び現れました。 
左から来てアクセストレンチから巣口Lを見下ろしながら、匂いを嗅いでいます。 
獣道を右上奥へ立ち去りました。 
足音を立てないように、慎重な足取りでした(忍び足)。 


【考察】 
キツネが昼間に現れたのは珍しい気がします。 
1年前も営巣地を探索するキツネがアナグマの営巣地(セット)に来ていました。 
関連記事(同所で1年前の撮影)▶  
登場時刻はほとんど薄明薄暮でした。 しかし、明るい昼間は監視カメラを節電のためにスリープさせているので、もしキツネが来ていても記録されません。 実際は日中もキツネが通ってきている可能性があります。(基本的に夜行性だと思うのですが…。) 


下半身の麻痺した「いざりタヌキ」が巣穴Lの奥で餓死しているのではないか?と私は疑っています。 
(しかし発掘しない限り、死骸の有無を私には確かめようがありません。)
その死臭をキツネが嗅ぎつけたのでしょうか? 
キツネは新鮮な死骸なら食べるらしいのですが、腐敗の進んだ死骸を忌避するのだそうです。
キツネは繁殖期に備えて、自分の営巣地に適した巣穴を探しているのかもしれません。
しかし、アナグマとタヌキが続けざまに死んだ曰く付きの事故物件の巣穴はキツネも嫌でしょう。



夏ならアナグマの巣口Lでキイロコウカアブやハエの群れがブンブン飛び回っているはずですが、撮影日はまだ気温の低い早春なので、ハエも来ていません。 



2025/03/21

早春のミズキから滴るオレンジ色の樹液に集まり吸汁するケシキスイの仲間

 

2024年4月上旬・午後13:30頃・晴れ 

細い用水路沿いにそびえ立つ落葉性高木の幹から鮮やかなオレンジ色の樹液が大量に滲み出していて、早春の二次林で非常に目立っていました。 
幹の数カ所の傷口から樹液が垂れ落ちながら、発酵してブクブクと泡立っています。 
樹冠を見上げると、枝先の冬芽から少しだけ若葉が芽吹き始めていました。 
樹種はおそらくミズキと思われます。 

カメラを上から下にパンしながらゲル状になった橙色の樹液を動画に撮っていると、ケシキスイの仲間(ケシキスイムシ科)と思われる微小な甲虫が計3匹写っていました。 
同定のために採集したかったのですけど、幹の高い位置だったので、手が届きませんでした。
図鑑『くらべてわかる甲虫1062種』に掲載された写真p80と見比べると、素人目にはホソコゲチャセマルケシキスイ(Amphicrossus hisamatsui)またはナガコゲチャケシキスイ(Amphicrossus lewisi)が似ていると思うのですが、どうでしょうか?
例えばホソコゲチャセマルケシキスイは、「6〜8月クヌギやコナラの樹液に集まる。いつも樹液に浸かっている」と記されていました。

余談ですが、昆虫分類学でNitidulidaeに対応する和訳としてケシキスイ科とケシキスイムシ科の両方が使われているらしく、依然として統一されていないようです。
和名ならともかく科レベルで表記の揺れがあるのでは、情報の検索や比較に支障をきたして困りますね。

ケシキスイの他には薄い翅を持つ黒っぽいハチ?ハエ?の仲間も動画にチラッと写っていたのですが、撮影中の私はまったく気づかずにスルーしてしまいました。 

「オレンジ色の樹液」でネット検索すると、ミズキの樹液がヒットしました。 
もともとミズキの樹液は無色透明でさらさらした液体なのですが、早春の時期にはよくオレンジ色になるそうです。
Perplexity AIに解説してもらいました。(細かい点で間違いがあるかもしれませんので、お気づきの方はご指摘ください。)

ミズキの樹液が透明からオレンジ色に変化する現象は、微生物の活動と環境条件の相互作用によって起こります。主な要因を以下のように整理できます:

色変化のメカニズム

  1. 酵母菌の初期繁殖
    ミズキの樹液は春先に糖分を多く含み、透明でサラサラした状態で分泌されます。これにファフィア酵母(Phaffia rhodozyma)が付着し、オレンジ色の色素(アスタキサンチン)を生成します。この段階で樹液は白濁し始めます57

  2. カビの二次繁殖
    酵母が樹液の糖分を消費すると、フザリウム属のカビ(Fusarium aquaeductuumなど)が優占種に変化。このカビは赤~オレンジ色の色素を産生し、樹液を濃いオレンジ色に変えます14

  3. 微生物の共生関係
    酵母とカビは樹液内で「スライム・フラックス」と呼ばれるコロニーを形成。触るとプニプニしたゲル状になり、表面にヒダ状の構造が発達します23

色変化の条件

条件影響
糖分濃度ミズキの樹液は糖分が多く(特に春)、微生物の繁殖に最適
温度15-25℃の温暖な気候で活発に繁殖(春先に多く観察)24
酸素量樹液が滴り落ちる際に空気に触れ、好気性微生物が活性化
時間経過分泌後2-3日で酵母が繁殖→1週間程度でカビが優占種に16
物理的損傷剪定や虫食いによる傷口から樹液が持続的に分泌される必要あり38

色の持続性

オレンジ色は一時的な現象で、樹液の分泌が止まると干からびて黒っぽく変化します1。また、湿度が低い環境では色素生成が抑制され、色変化が起こりにくくなります4

生物学的意義

この現象は、樹木の傷口を微生物で覆うことで病原菌の侵入を防ぐ「生物学的防御機構」と推測されています8。オレンジ色の樹液はケシキスイなどの昆虫を誘引し、彼らが樹液に集まることで微生物の拡散を助ける共生関係も存在します24



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早春の刈田で採食するキジ♂が農道を横断(野鳥)

 

2024年4月上旬・午後12:00頃・くもり 

雑草が青々と生え始た早春の刈田でキジ♂(Phasianus versicolor)が佇み、キョロキョロと辺りを見回していました。 
やがて警戒を解くと、頭を下げて採食し始めました。 
イネ科の雑草の若葉を啄んでいるようです。 
刈田を左へどんどん歩きながら、あちこちで道草を食っています。 
田んぼと田んぼの間の畦道に登ったので、見晴らしの良いお立ち台で鳴くか(母衣打ち)と期待したのですが、すぐに隣の刈田に降りてしまいました。 
田んぼの端から土手を登ると、砂利が敷かれた農道を横断しました。 
最後はガードレールの下をくぐって、落葉灌木(タニウツギ?)の茂みの中に姿を消しました。 

死角になったので私が回り込もうとすると、キジ♂は慌てて逃げ、見失ってしまいました。 
逃げるときも走り専門で、飛ぶことも鳴くこともありませんでした。

2025/03/20

下半身を麻痺したホンドタヌキが巣口で日光浴しながら死を待つ間、その様子をハシブトガラスが偵察【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月上旬 

死んだニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)をホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が乗っ取ったようなので、引き続きトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:4/1・午前11:27・晴れ・気温21℃(@0:00〜) 
(交通事故が原因で?)麻痺した下半身を引きずって歩く「いざりタヌキ」がいつの間にか現れました。 
どこから来たのか不明ですが、平地の二次林にある獣道から巣口Lに向かっているようです。 
動きが緩慢過ぎて、トレイルカメラのセンサーが検知しにくいのかもしれません。 


シーン2:4/1・午前11:54・晴れ・気温20℃(@1:00〜) 
約26分後、いざりタヌキは巣口Lの窪みにすっぽりと丸まるように収まっていました。 
動きが乏しいので、5倍速の早回し映像でお届けします。 
ときどき周囲をキョロキョロ見回しているので、昼寝している訳ではありません。 


シーン3:4/1・午後12:09・晴れ・気温19℃(@1:16〜) 
シーン4:4/1・午後12:16・晴れ・気温20℃(@1:28〜) 
強い春風が吹いているものの、よく晴れた昼下がりなので、日光浴しているようです。 


シーン5:4/1・午後12:24・晴れ・気温23℃(@1:40〜) 
もう一つの巣口Rの近くに1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が来ていました。 
何か細長いものを嘴で地面から摘み上げました。 
しかし、どうも真剣な採食行動や巣材集めをしているようには見えません。 
採食のふりをしているだけの偵察行動で、いざりタヌキが死ぬのを虎視眈々と待っているようです。 
「いざりタヌキ」が日光浴をしている巣口Lにハシブトガラスは近寄りませんでした。 


シーン6:4/1・午後12:26・晴れ・気温25℃(@2:40〜) 
約1分後、ハシブトガラスは居なくなっていました。 
林床に落ちた影を見ると(赤丸)、巣口Lを見下ろす樹上にカラスが止まって、「いざりタヌキ」の様子を見張ってました。 
カラスが飛び去ると、その飛影が林床を横切ります。

「いざりタヌキ」は飢えているはずですが、視力は正常なようで周囲を警戒しています。 


シーン6:4/1・午後12:26・晴れ・気温25℃(@3:07〜)
シーン7:4/1・午後12:35・晴れ・気温22℃(@3:24〜)
シーン8:4/1・午後12:52・晴れ・気温23℃(@3:36〜)
もはや出歩くことが出来ない「いざりタヌキ」は、巣口Lでひたすら日光浴しています。 


シーン9:4/1・午後13:03・晴れ・気温21℃(@3:47〜)
いつの間にか巣口Lから「いざりタヌキ」の姿が忽然と消えていました。 
麻痺した下半身を引きずりながら、最期の力を振り絞って手前に立ち去ったのか、それとも巣穴Lの中に入ったのか不明です。 
おそらく後者ではないかと予想していますが、この後いざりタヌキが巣穴Lから外に出るシーンは撮れていません。 
そして、これが「いざりタヌキ」の生きた姿が撮れた最後になりました。 
(その後はまったくトレイルカメラに登場しなくなり、行方不明のままです。) 

餌も水も取れなくなれば、死を待つ他ありません。 
仲間の健常タヌキが「いざりタヌキ」をいたわって甲斐甲斐しく給餌するような感動的な利他行動は記録されていませんでした。 
私も後日、この二次林でタヌキの死骸を探し歩いたのですが、見つかりませんでした。 
カラスや仲間のタヌキに死骸を食べられたり持ち去られたのではないかと推測しました。
ところが数カ月後に、「いざりタヌキ」かもしれない腐乱死骸が巣穴Lから運び出され、驚愕することになります。(映像公開予定) 

こういう「可哀想な野生動物の映像」を撮って公開すると、「傍観してないで、すぐに保護して動物病院に連れていけ!」と怒る人が必ず出てきます。 
ライブカメラではないので、私は現場に設置した監視カメラをリアルタイムで見ている訳ではありません。
数日後に現場入りして、トレイルカメラで録画した動画を確認して初めて、ここで何が起きたかを知るのです。
つまり、どうしてもタイムラグが生じます。 
現場周辺を探しても、死を待つ「いざりタヌキ」はどこに隠れているのか、その姿は見つかりませんでした。 
「いざりタヌキ」がよく現れた場所にドッグフードや飲み水などを給餌するべきでしょうか? 
一方で、野生動物の暮らし(生老病死)にヒトは一切介入するべきではない、というストイックな考え方もあります。 


日光浴してからナニワズの葉裏に隠れるツマグロオオヨコバイ

 



2024年4月上旬・午後14:35頃・晴れ 

二次林の林床でナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)の低木群落が黄色い花を満開に咲かせていました。 
ジンチョウゲ科とのことで、花の芳香を嗅いでみましたが、ジンチョウゲの香りとはまた違いました。 
訪花昆虫を探してみたのですけど、残念ながらハナアブやハエ類の1匹さえも見かけませんでした。 
ちなみに、以下の写真は動画と少し離れた別な地点で撮りました。







そこへ1匹のツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)が飛来して、ナニワズの葉に止まりました。 
ナニワズは夏に葉が枯れる冬緑性の植物ですから、早春だからと言って若葉という訳ではありません。 
林床の木漏れ日で日光浴しています。 
落葉樹林なので、林床の低層植物まで日光が届くのは早春の時期だけです。 
(冬季のナニワズ群落は雪の下に埋もれています。)

しばらくすると、ツマグロオオヨコバイはなぜかナニワズの葉裏にくるりと回り込んで隠れてしまいました。 
ナニワズから吸汁するために口吻を突き刺したかどうか、確認できていません。 
クマリン配糖体を含有する有毒植物のナニワズから吸汁するか、それとも忌避するか、気になります。 





ナニワズは草食動物に食べられないためにクマリンという毒を溜め込むよう進化したと思われますが、送粉者の昆虫は花蜜や花粉を食べても大丈夫なのでしょうか? 
訪花昆虫の動画が撮れたときに改めてこの話題を取り上げるつもりですが、Perplexity AIを使って下調べすると面白いことが分かりました。 


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同じ日に民家の庭に咲いていたジンチョウゲとシロバナジンチョウゲの花の写真をついでに載せておきます。







2025/03/19

早春の休耕地で発生した塵旋風(つむじ風)【トレイルカメラ】

 

2024年4月上旬・午後12:00頃・くもり・気温30℃ 

休耕地でホンドタヌキの営巣地をトレイルカメラで監視していると、風揺れによる誤作動に悩まされます。
塵旋風(つむじ風)がたまたま撮れていました。 
気温の値が早春にしては高過ぎますが、おそらく直前まで晴れていて、直射日光でトレイルカメラが熱せられたのでしょう。 
晴れて地表から急激な上昇気流が発生したようで、枯れた落ち葉が旋回しながら舞い上がっています。 
塵旋風はどんどん遠ざかって短時間で終わり、竜巻のような被害はもたらしませんでした。 
画面右端手前でオニグルミの灌木から垂れ下がっているクズの蔓はほとんど揺れておらず、きわめて局所的な扇風であることが分かります。 

余談ですが、「かまいたち(鎌鼬)」と呼ばれる皮膚がスパッと切れる現象とつむじ風が関係しているという伝承があります。
Gemini 2.0 AIに解説してもらいました。

**1. 伝承における関連性:**

* 古くから、塵旋風(つむじ風)は「かまいたち」の原因であると考えられてきました。特に雪国地方では、旋風そのものを「かまいたち」と呼ぶ地域もあります。
* 伝承では、かまいたちは旋風に乗って現れ、鎌のような爪で人を切りつけるとされています。

**2. 現象の関連性:**

* かまいたちの正体については諸説ありますが、その一つに「旋風による真空説」があります。これは、旋風の中心に生じた真空が皮膚を切り裂くという説です。(しぐま註:ただし、科学的な意味で本当に真空が発生するわけではありません。)
* 塵旋風は小規模な旋風であり、局所的に強い風や気圧の変化を引き起こすことがあります。そのため、塵旋風が原因でかまいたちが起こる可能性も考えられます。

**3. 現代の考え方:**

* 現代では、かまいたちの原因は、寒冷時の乾燥した空気や、旋風による微細な物体が皮膚を傷つけることなど、科学的に説明できる現象であると考えられています。
* しかし、伝承と現象の関連性から、塵旋風がかまいたちの一因となる可能性は否定できません。

つまり、塵旋風とかまいたちは、伝承と現象の両面で関連性があると言えます。



しかし、塵旋風を人工的に起こす施設で実験しても、「かまいたち」現象を完全に再現することは難しいのだそうです。
また、街なかで発生した塵旋風の近くに居合わせたヒトが「かまいたち」の皮膚裂傷を負ったという確かな報告は、現在のところありません。

かまいたち現象が雪国に多いという点については、Perplexity AIに解説してもらいました。

「かまいたち」の伝承が雪国に多い理由には、以下のような説明が考えられます:

## 気候条件との関連性

1. 寒冷な環境: 雪国の寒冷な気候が「かまいたち」現象の発生に適していると考えられています[1][3]。

2. 乾燥した空気: 雪国の冬季は空気が乾燥しており、これが皮膚の状態に影響を与える可能性があります。

## 生理学的説明

皮膚表面が気化熱によって急激に冷やされることで、組織が変性して裂けるという生理学的現象(あかぎれ)として説明されています[1][3]。この現象は、寒冷で乾燥した環境下でより起こりやすいと考えられます。

## 文化的要因

1. 伝承の蓄積: 雪国では、寒冷な気候条件下で不可解な皮膚の裂傷が発生しやすく、これが長年にわたって伝承として蓄積されてきた可能性があります。

2. 地域的な信仰: 信越地方では、「かまいたち」は悪神の仕業であるという俗信があり、地域の文化や信仰と結びついています[5]。

## 環境要因

1. 強風と旋風: 雪国では、寒風や旋風が発生しやすい環境があり、これらが「かまいたち」現象と関連付けられています[6]。

2. 小石や木の葉: 風が巻き上げた鋭利な小石や木の葉が皮膚を傷つける可能性も指摘されています[1][3]。

これらの要因が複合的に作用し、「かまいたち」の伝承が雪国に多く見られる結果となっていると考えられます。寒冷な気候、乾燥した空気、強風などの環境条件が、この現象の発生や伝承の形成に大きく寄与していると言えるでしょう。

余談をもう一つ。
小規模なつむじ風を記録するには、写真では伝わらないので、動画に撮るのが一番です。
昔に見た映画『アメリカン・ビューティー』で、道に捨てられた白いビニール袋がつむじ風で舞う様子をホームビデオで撮って上映するシーンが印象的でした。
風そのものは見えませんから、落葉やゴミがくるくると舞い上がることで初めて可視化されます。

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早春の雑木林でウソ♂と遭遇(冬の野鳥)

 

2024年4月上旬・午後13:50頃・晴れ 

平地の二次林で、早春なのに冬鳥のウソPyrrhula pyrrhula)の群れと遭遇しました。 
動画に撮れたのは、1羽の♂だけです。 
落葉灌木(樹種不明)の止まり木から飛び去りました。 

ところで、最後にカッカッ♪と聞こえた鋭く短い鳴き声が気になります。
同じく冬鳥であるジョウビタキPhoenicurus auroreus)が私に対して発した警戒声かもしれませんが、その姿を見ていません。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


2025/03/18

ニホンカモシカの溜め糞場を通り過ぎる早春のニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年4月上旬・午前1:10頃 

里山の雑木林でニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を旧機種のトレイルカメラで見張っています。 
画面の奥から手前に向かって斜面が登っていますが、画面中央に残された溜め糞の辺りは平坦になっています。 

深夜に1頭のニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)が画面の奥から手前に向かって獣道を歩いて来ました。 
鼻面が土で汚れて真っ黒です。 
カモシカの溜め糞の匂いを通りすがりに嗅いだものの、食糞することはありませんでした。 

牙が見えないので、♀だと思います。 
監視カメラが見下ろすアングルなので、腹面に乳首を確認できませんでした。 

落枝をまたいで手前の斜面を登ったようです。 

4月にイノシシが撮れたのも、カモシカの溜め糞場でイノシシが撮れたのも今回が初めてです。 
今季は記録的な暖冬でしたが、雪国でもイノシシは無事に冬を越せたようです。 
冬の雪山(積雪期)に近くの林道を掘り返して採食していたのは、この個体かもしれません。 


つづく→

ミチタネツケバナの花蜜を吸うビロウドツリアブ♀

 

2024年4月上旬・午後13:00頃・晴れ

休耕地に接する林縁でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が白い小さな花に訪れていました。 
訪花中も高速で羽ばたきを続けていますが、花に脚を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。 
細長い口吻を小さな花の蜜腺まで差し込むのに苦労しています。 
ハイスピード動画に切り替えようか迷っている間に逃げられてしまいました。 
他にはエンゴサクやヒメオドリコソウ、カキドオシの花が近くに咲いていたのですけど、ビロウドツリアブ♀はそこでは吸蜜しませんでした。 

さて、この地味な植物の名前は何でしょう? 
てっきり早春に花が咲くスプリング・エフェメラルの一種なのかと私は思ったのですが、Googleレンズで調べてみると、帰化植物(アブラナ科)のミチタネツケバナだろうと分かりました。 
帰化&外来植物 見分け方マニュアル950種』という図鑑で確認しました。p422-424 

つづく→ 


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2025/03/17

春風で飛散するスギの花粉【トレイルカメラ】風媒花

 

2024年4月上旬・午後12:55頃・晴れ・気温24℃ 

休耕地でタヌキの営巣地を見張っているトレイルカメラが、ときどき春の強風によって誤作動します。 
野生動物が何も写っていない失敗動画を削除する前にじっくり見直すと、白い煙のようなものが左にゆっくり流されていくことに気づきました。 
5倍速の早回しに加工すると、雲のように飛散する花粉の動きが見やすくなります。 

奥に見えているスギ(杉)の防風林から花粉が風で飛散しているのでしょう。 
スギは風媒花ですから、雄花から大量の花粉を撒き散らします。 
日本中の山林にスギを植林した結果、国民の多くがスギ花粉症に苦しむことになりました。 

ハンノキの花粉という可能性もあり得ますが、時期が少し遅い気がします。 



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早春の林床で餌を探し歩く2羽のキジ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月上旬・午前8:00頃・晴れ・気温9℃ 

平地の二次林で死んだアナグマの旧営巣地(セット)を見張っている自動センサーカメラに、2羽のキジ♀(Phasianus versicolor)が写っていました。 
この地点でキジ♀が登場したのは初めてです。 
互いに離れて林床の餌を探し歩いています。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:22〜) 


つづく→

2025/03/16

早春の山林でニホンカモシカの母子が溜め糞場を通過【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年4月上旬・午後18:45頃・日の入り時刻は午後18:09。 

里山の雑木林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
春になって雪解けすると、林床に新たな糞塊が出現しました。 
溜め糞場と言ってもカモシカは必ずしも一箇所で集中的に排便するのではなく、ある程度の広がりをもった範囲のあちこちに分散して糞塊が残されていました。 
そこで、監視カメラの位置を少し変更してみました。 
本当は複数のトレイルカメラを別アングルで設置して溜め糞場sr2の全体を同時に監視したいところですが、限られた台数の機材でやりくりしているので、仕方がありません。 

ここは山腹の傾斜が平らになった地点で、ちょっとした広場のようになっています。 
(夏になると落葉樹や下生えの葉が鬱蒼と生い茂った獣道になります。) 

日没後の晩に、カモシカの母子が現れました。 
左右に分かれて各自が林床の匂いを嗅ぎ回っています。 
左の個体が成獣♀、右の個体が角の短い幼獣でした。 
 画面中央の溜め糞には近寄らず、少し離れた位置から匂いを嗅いだだけで通り過ぎました。 
倒木をまたいで手前の斜面を登ってきます。 



交尾器を結合したまま飛んで逃げるミドリヒョウモン♀♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年6月中旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の林道沿いでヨモギの葉に乗って交尾中のミドリヒョウモン♀♂(Argynnis paphia)を見つけました。 
翅を閉じたまま互いに逆向きで交尾器を結合しています。(反向型交尾体位) 
よく見ると、連結した腹端だけヒクヒクと動いています。 
葉の上なので、当然ながら口吻は縮めたままでした。 

左の個体Lが♂で、右の個体Rが♀でした。 
♀の翅裏の地色は緑味が強く暗化しており、前翅の翅頂に三角形の白班が透けて見えます。 

私は交尾中の蝶の連結飛翔に興味があるので、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ってみました。(@0:29〜) 
物を投げつけて強制的に飛び立たせると、ミドリヒョウモン♀Rの方が先に反応して羽ばたきを開始しました。 
交尾器を連結したまま♀が主導権を握って♂を引っ張って飛び去りました。 
つまり、今回の連結飛翔は「←♀+♂」タイプでした。 
♂Lも少し遅れて反応したものの、すぐに翅を閉じて♀に身を任せます。 

緊急避難で♀♂ペアが同時に羽ばたくと逆方向に飛ぶことになり、上手く逃げられないどころか、交尾器が引きちぎられてしまいます。 
たとえ身の危険が迫っても、結合した交尾器は簡単には外れないようです。
したがって、蝶の連結飛翔では必ず♀♂どちらかが主導権を握らなければなりません。 
「チョウの種類によって、♀♂どちらが主導して連結飛翔するかタイプが違う」と本で読んだので、実例を少しずつ撮り貯めています。 

関連記事(9ヶ月前の撮影:←♂+♀タイプ)▶ ミドリヒョウモン♀♂の交尾と連結飛翔【FHD動画&ハイスピード動画】

しかし、その定説はどうも眉唾のような気がしてきました。 
交尾中の♀♂ペアはとても無防備なので、互いに逆を向いて見張りを分担し、360°油断なく見張っているはずです。 
物を投げつけたり敵が襲ってきたりした場合、それを先に見つけた個体が性別に関係なく逃避行動を開始するのが自然ではないでしょうか? 
主導権を握って羽ばたく個体が離陸直後に切り替わる♀♂ペアを私は今まで一度も見たことがありません。 
つまり、試行回数(観察サンプル数)を充分に増やせば、連結飛翔のタイプはチョウの種類に関係なく半々の確率に落ち着くのではないかと私は予想しています。
スローモーションで動画が手軽に撮れる時代が来る前に、いにしえの先人たちが少ないサンプル数の直接観察から早まった結論に達したのではないかと私は密かに疑っています。
物を投げつけて交尾ペアを飛び立たせた場合は、どちらの方向からどこを目がけて物を投げたのか(♀♂どちらが先に危険に気づくか)も、記録しておく必要がありそうです。 
交尾中の♀♂ペアが自発的に飛んだ場合でも、上空を別のお邪魔虫や鳥がどの方向から飛来したのか、などの条件によって連結飛翔の結果が影響されそうです。 





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