2024/04/30

ムシトリナデシコの花で2頭のウラギンヒョウモン♂が仲良く並んで吸蜜

 

2023年6月中旬・午後12:10頃・晴れ 

平地の農道沿いに咲いたムシトリナデシコの群落でウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が訪花していました。 
翅を開閉しながら花筒に口吻を深く差し込んで吸蜜しています。 

特定の個体に注目して撮影していたら、隣の花序に飛び移った先で、2頭の♂が仲良く並んで同時に訪花しました。 
翅表に性斑(性標)があることから、2頭ともに♂と分かります。 
すぐに飛び去ったものの、誤認求愛も縄張り争いもしないで仲良く吸蜜したのが意外でした。 
一素人の勝手な想像ですが、羽化直後の♂は吸蜜やミネラル摂取に専念するのかもしれません。 
短いニアミスを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

定量的に調べた訳ではありませんけど、ヒョウモンチョウの仲間で私がフィールドで一番良く見かけるのはミドリヒョウモンだと思っていました。 
この時期にウラギンヒョウモンばかり撮れたのは、果たして偶然でしょうか? 
(ぼんやり見ていた観察眼の精度が上がってきたということなかな?)

最近の研究によると、本州のウラギンヒョウモンは、低標高地のサトウラギンヒョウモンと高標高地のヤマウラギンヒョウモンに分かれることが明らかになったそうです。 
私は見分け方をまだ知らないのですが、今回の撮影地は明らかに低標高(平地)です。 
学名もまだ定まっていない(諸説ある)らしいので、とりあえず細分化される前の古い名前を踏襲します。 


【アフィリエイト】 

2024/04/29

単独または子連れでニホンアナグマの旧営巣地に立ち寄るホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬〜中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が出没するシーンをまとめました。 
個体識別が完全にできていれば面白いドラマが読み取れるはずですが、まだまだ修行が足りません。

シーン0:8/4・午後13:23・くもり(@0:00〜) 
シーン1:8/4・午後13:59・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:8/9・午後19:58(@0:07〜) 
5日後の晩にタヌキが奥の二次林に入って立ち去る後ろ姿が写っていました。 


シーン3:8/12・午前4:27・気温22℃(@0:12〜)日の出時刻は午前4:48。 
3日後の明け方に現れたタヌキが慎重に巣穴Lに潜り込んだものの、置くまで完全には入らず、すぐに後ろ向きで外に出てきました。 
左へ。 


シーン4:8/12・午前4:27・(@0:31〜) 
別アングルに設置した広角の監視カメラで続きが撮れていました。 
タヌキは広場の奥の林縁でミズキの立木をぐるっと回り込んでから、左に向かいました。 
なんとなく、ミズキの根元に排尿マーキングしたような気もしますが、はっきりしません。
 (片足を持ち上げませんでした。) 


シーン4:8/12・午後17:54・気温24℃(@1:02〜)日の入り時刻は午後18:40。 
日没前でかなり暗い夕方に巣口Lの匂いを嗅いでいたタヌキが右へ立ち去りました。 


シーン5:8/14・午前6:24・気温23℃(@1:11〜)日の出時刻は午前4:50。 
2日後の薄暗い早朝にはタヌキのペアが登場しました。 
雨上がりなのか、林床の地面がやや泥濘と化しています。 
獣道を右上奥から登場した先頭個体は、巣穴Lには立ち寄らず左へ通り過ぎました。 
間隔を開けて同じ獣道から後続個体が現れ、同じく左へ。 
♀♂ペアなのか、兄弟姉妹なのか、不明です。 


シーン6:8/14・午前6:24・気温23℃(@1:45〜) 
別アングルの広角映像に続きが撮れていました。 
雨上がりで、レンズがやや曇っています。 
前の動画でタヌキが2頭で登場したと思っていたら、実は計3頭が来ていたことが分かりました。 
タヌキ成獣と思われる大型の個体が右へ立ち去る姿がちらっと写っていました。 
巣口Rの匂いを嗅ぎ回っている2頭は、どうやら幼獣のようです。 
やがて幼獣も1匹また1匹と親タヌキの後を追って右に向かいました。 


シーン7:8/14・午前7:54・気温24℃(@2:14〜) 
1時間半後に来たタヌキは毛皮が濡れていました。 
迷うことなく巣穴Lに入ったのに、内検しただけですぐにまた外に出て来ました。 
頭から入って頭から出てきたので、巣内で方向転換できるだけの広い居室があることが伺い知れます。 
身震いして土の汚れを払い落とすと、左へ立ち去りました。 
尻尾の中央部に滴状の黒斑▼がある個体でした。 


シーン8:8/14・午前7:54・(@2:40〜) 
つづきが別アングルのトレイルカメラで録画されていました。 
二次林を奥に歩き去る後ろ姿が写っています。 


シーン9:8/14・午前7:56・(@2:49〜) 
2匹のタヌキが二次林内を駆け回っています。 
はしゃいでいる様子がいかにも幼いので、幼獣の兄弟姉妹だと思います。 
そのまま右へ走り去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン10:8/14・午前10:57・晴れ(@3:11〜) 
3時間後にもタヌキがペアで登場しました。 
林内を右へ向かっています。 
左奥から別個体のタヌキがやって来ました。 
アナグマの旧営巣地(セット)には近寄らず、左に戻ってしまいました。 
今回の2頭は全く独立に別行動していました。


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。



つづく→


電柱の天辺で鳴くノスリを追い払うハシブトガラスの親子(野鳥)

 

2023年7月中旬・午後13:10頃・くもり 

郊外の田園地帯を私が歩いていると、電柱に止まっていたノスリButeo japonicus)が警戒して鳴きながら飛び去りました。 
(映像はここから。) 

隣の電柱の天辺に止まり直したノスリは、振り返ってこちらを見ながらピーエ、ピーエ♪と甲高い声で繰り返し鳴き続けます。 
なぜか初めは少し掠れた鳴き声でした。 
鳥も喉に痰が絡まることがあるのでしょうか? 
(私は鳥の咳払いを聞いたことがありません。) 

そこへ1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が右から飛来すると、右手前の電線に止まりました。(@0:42〜) 
着陸直後にカラスは白い糞をポトリと排便しました。(@0:44〜) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
ハシブトガラスの嘴が開いたままなのは、暑さに喘いでいるのでしょう。
 (と言いつつ、肝心の気温を測り忘れました。) 
口内が赤みがかっているので、幼鳥かもしれません。 
やがてハシブトガラスは左隣りの電線にひょいと飛び移り、猛禽を挑発するように接近しました。 
…と思いきや、カラスは左に飛び去りました。 
ノスリは電柱の天辺から油断なくその行方を目で追っています。 

鳴き続けるノスリは、その場で足踏みしながらこちらに向き直りました。 
ハシブトガラスが再び飛来し、手前の電線に着陸しました。(@1:57〜) 
さっき飛び去った個体よりも嘴が明らかに太いので、成鳥のようです。 
このハシブトガラス個体は嘴を閉じたままでした。 

モビング(嫌がらせ)するカラスは黙っているのに、ノスリはずっと鳴き続けています。 
逆にノスリが鳴く声を聞きつけて周囲のカラスが集まってくるのではないかと思うのですけど、カラスに対する威嚇のつもりなのでしょうか? 
ノスリは鳴き方のバリエーションが乏しく、警戒声も同じです。 
(私の耳が慣れてないだけかもしれません。) 
周囲でニイニイゼミ♂が絶え間なく鳴き続けています。 

少しズームアウトすると、2羽の位置関係がよく分かるようになりました。 
ハシブトガラスは電線からノスリを見上げながら、手前の電線を右に左に飛び移っています。 
天敵の猛禽に対して挑発し、心理的な圧力をかけているのでしょう(嫌がらせ)。 

カラスが心理戦を仕掛けると、ノスリはいつも負けてしまいます。
下の車道を車が通りかかったのをきっかけに、ノスリは右へ飛び立ちました。(@2:29〜) 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返して山林の方へ飛び去りながらもピーエ♪と一声発しました。 
ノスリが飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:49〜)
猛禽が力強く羽ばたくと、翼の下面にノスリに特有の斑紋が見えます。 
 (動画編集時に逆光補正しています。) 
逃げるノスリをカラスは追いかけず、むしろ逆に左へ飛んで逃げていました。 

ノスリを流し撮りしていたカメラを戻すと、ハシブトガラスの幼鳥が電線に戻っていました。 
相変わらず嘴を半開きにしています。 
ハシブトにしては嘴が細く、嘴の中が赤いので幼鳥と分かります。 
縄張りから天敵の猛禽を追い払ったカラスは、リラックスして羽繕いを始め、身震いしました。 
嘴を閉じるとハシブトっぽい見た目になりますが、頭部の膨らみは未発達です。 


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2024/04/28

夏の昼間に延々と追いかけっこや取っ組み合いをして遊ぶニホンアナグマの幼獣4頭【トレイルカメラ】

 



2023年8月上旬

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子が明るい日中から再び旧営巣地に戻ってきました。 
今回は珍しく幼獣4頭が勢揃いして仲良くはしゃぎ回っています。 
(独り遊びが好きな個体が1頭いるのです。)
真夏の昼の二次林内には蝉しぐれが響いています。 
母親は幼獣の遊びに付き合うことはありません。

シーン1:8/6・午後12:01・晴れ・気温32℃(@0:00〜) 
冒頭で幼獣2頭が相次いで巣穴Lに素早く潜り込みました。 
右上奥の獣道から別の幼獣2頭が追いかけっこや格闘遊びをしながら向かって来ます。 
地上の騒ぎを聞きつけたのか、1頭の幼獣が巣口Lから外に顔を出しました。 
獣道でくんずほぐれつしていた幼獣の1頭が走って入巣Lすると、もう1頭も追いかけてきました。 
巣口Lで対面すると、口を開けました。 
相手に歯を見せつけて牽制するというよりも互いに軽く甘噛みしているようですが、威嚇の鳴き声は聞き取れません。 


シーン2:8/6・午後12:02・晴れ・(@1:00〜) 
2頭の幼獣aとbが巣口Lで激しい格闘遊びを続けています。 
その間に幼獣cが出巣Lすると左へ向かいました。 
しばらくすると、巣L内に篭もって居た幼獣dが巣口Lに顔を出し、兄弟(姉妹)の取っ組み合いを見物しています。 
このときガ、ガ、ガ…♪という軽い唸り声が聞こえました。 
(どの個体の鳴き声か不明です。) 

幼獣dが格闘中の2頭abの間をすり抜けて、左へ駆け出しました。 
 左から相次いで戻ってきた幼獣cdが獣道で遊び始めました。 
相手の目の前で軽くジャンプしてみせるのが挑発行為と言うか、遊びに誘う行動のようです。 
追いかけっこからの格闘遊びが始まります。 
対戦相手は流動的で、cがabの遊びに参戦しました。


シーン3:8/6・午後12:03・晴れ・(@2:00〜) 
プルルル…♪(またはグルルル…♪)と聞こえたのは、幼獣の格闘遊びに伴う威嚇の鳴き声でしょうか。 
左の広場で幼獣2頭が疲れを知らず、はしゃぎ回っています。 
やがて1頭が塹壕に隠れるように後ろ向きで入巣L。(@2:25〜) 

次に右奥から獣道を走ってきて巣穴Lに入ったのは母親♀ですかね? 
毛皮の茶色味が濃い個体でした。 


シーン4:8/6・午後12:04・晴れ・(@2:51〜) 
出巣Lした成獣(母親♀)の横で幼獣1頭がはしゃぎながらまとわりついています。 
毛色が濃い成獣の右首筋には交尾痕が認められたので、ヘルパー♂ではなく♀だと思います。 
腹面の乳首はあまり目立たなくなりました。
交尾中に♂が♀の背部を強く噛むことによってできる傷は交尾痕と呼ばれる。(金子弥生『里山に暮らすアナグマたち: フィールドワーカーと野生動物』p74より)
母親♀は身震いしてから右に立ち去りました。 
幼獣は巣穴Lに戻って留守番です。 
…と思いきや、しばらくすると巣内Lの幼獣が外へ出て来ました。(左へ) 


シーン5:8/6・午後12:07・晴れ・(@3:24〜) 
画面の左端で幼獣の尻尾だけが見えています。 
広場の地面に転がっている長い落枝が動いているので、巣口Rで幼獣が何かしていることが伺えます。 
やがて、幼獣2頭を連れた母親♀が左から現れました。 
そのまま3頭の母子は右上奥の獣道を歩き去りました。 
出遅れた幼獣1頭が左から来ましたが、母親♀たちを追いかける様子を見届ける前に録画終了。 


シーン6:8/6・午後12:07・晴れ・(@3:51〜) 
再び幼獣2頭が巣口Lに戻ってきていて、小声で唸りながら1対1の格闘遊びを繰り広げています。 
そのまま左に消えました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

ホンドタヌキの溜め糞場に集まるオオヒラタシデムシとクロボシヒラタシデムシについて

 

2023年7月中旬・午後12:30頃・晴れ 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がスギ防風林の倒木横に残した溜め糞場phを定点観察しています。 
溜め糞に集まるシデムシ類に変化がありました。 


それまでは赤黒のクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫だけだったのに、真っ黒なオオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫も多数来るようになりました。 
ペアが成立して交尾しているオオヒラタシデムシ♀♂も居ます。
並んで糞食していたシデムシ幼虫同士の小競り合い(闘争・逃走シーン)が撮れていて、興味深く思いました。(@0:20〜) 
餌は豊富にありますから、占有行動の必要はないと思っていました。(金持ち喧嘩せず) 

甲虫(鞘翅目)では他に、肉食性のサビハネカクシOntholestes gracilis)も1匹だけ、下に掲載した写真に写っています。 

次は双翅目について。
メタリックグリーンに輝く常連のキンバエ(種名不詳)とは別に、見慣れない微小でカラフルなハエが溜め糞上で翅紋を誇示していました。 
この気になるハエは別の溜め糞場にも来ていたので、改めて別の記事で紹介することにします。(動画公開予定) 

昆虫以外では、オカダンゴムシArmadillidium vulgare)およびワラジムシPorcellio scaber)の等脚目が溜め糞に群がっています。 


【考察】 
私のフィールドで溜め糞場に集まるシデムシ類の季節消長を定量的にきっちり調べた訳ではありませんが、どの溜め糞場でも毎年春になって真っ先に現れるのがクロボシヒラタシデムシで、オオヒラタシデムシは遅れてくるという印象があります。 
まるで登場役者が交代するように、クロボシヒラタシデムシが居なくなった後もオオヒラタシデムシがしばらく残ります。 
つまり、この2種は出現季節を少しずらすことで、溜め糞場という同じニッチに棲み分けをしているようです。

クロボシヒラタシデムシは成虫越冬で、いち早く休眠越冬から覚めるようです。 
それに対してオオヒラタシデムシの成虫は夏になってようやく羽化してくるのか?と推測したのですが、wikipediaによるとオオヒラタシデムシも成虫越冬らしい。 
となると、オオヒラタシデムシ成虫が遅れて溜め糞場に出現する理由が分かりません。 
まさか夏になるまで休眠越冬から覚めないのでしょうか?
雪国では幼虫または蛹で越冬するのではないか?と定説を疑いたくなります。 
もしかするとオオヒラタシデムシは寒さに弱くて、雪国では越冬に成功する成虫の数がきわめて少ないのでしょうか?
あるいは越冬直後のオオヒラタシデムシは、獣糞よりも死肉への嗜好性が高いのかもしれません。
腐肉を使ったトラップを仕掛けてみて、オオヒラタシデムシの成虫が春から現れるかどうか、確かめてみたいものです。

シデムシ類の幼虫は三葉虫みたいな形態をしているのですが、私は種類の見分け方を知りません。 
シデムシ類の幼虫を飼育してみることが謎解きのヒントになるかもしれません。

2024/04/27

ニホンアナグマの旧営巣地に片足を上げて小便マーキングするホンドタヌキ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午前2:25頃・気温23℃ 

深夜未明に単独で現れたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がニホンアナグマMeles anakuma)旧営巣地の巣口Lを覗き込んで匂いを嗅いでいました。 
左に立ち去る間際に、左後脚を上げるとマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の細い灌木の根元に小便をかけて行きました。 
排尿マーキングの際に片足を上げるのは♂の特徴です。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:21〜) 
尻尾の中央部に滴状の黒斑▼がある個体のようです。 
アナグマ家族が転出した後で不在だからこそマーキングしておき、ゆくゆくは占領するつもりなのでしょうか?
「狸♂参上! 」

別アングルで設置した監視カメラでも続きが撮れていました。 
画面の右端を足早に右へ立ち去るタヌキの側面がちらっと写っていただけでした。 

この後、タヌキの排尿マーキングに対抗してアナグマがスクワットマーキングなどで匂い付けする行動は記録されていませんでした。 
このセットにもう戻ってくるつもりはないのでしょうか? 



電線で鳴く♪キジバト♂の綱渡り(野鳥)

 

2023年8月上旬・午前11:40頃・晴れ 

郊外の団地でキジバト♂(Streptopelia orientalis)が電線に後ろ向きで止まって鳴いていました。 
カメラを向けると、振り返って横目で私を見ています。 
警戒を解くと羽繕いをしてから、前を向いて再び鳴き始めました。 
後ろ姿なので、デデポポー♪と鳴く声量が小さく、リップシンクロも確認できませんでした。 
鳴くリズムに合わせて、尾羽を上下しています。 

鳴き止むと、電線上で数歩横に歩いてから、かゆい頭を右足で掻きました。 
再び鳴き始めたものの、スズメやカワラヒワの鳴く声♪の方が大きいですね。 

私がしつこく撮っているので嫌気が差したのか、キジバト♂は電線上をどんどん右に移動し始めました。 
初めは横歩きだったのに、綱渡りのように歩くようになりました。 
通常の歩行時と同じく、首を前後に振りながら綱渡りしています。 

最後はパタパタと羽ばたいて右へ飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』を紐解いてキジバトの鳴き声を調べると、
電線やアンテナにとまってデデーポッポと繰り返して鳴き、パタパタパタと飛び立っては翼を広げたまま帆翔する独特のなわばり行動をする。(p8より引用)
今回は飛び去ったキジバトを見失ってしまい、縄張り行動の帆翔をしたかどうか不明です。 
普通に逃げただけのような気がします。

キジバトの囀りさえずりを声紋解析してみる?

2024/04/26

平地の二次林を遊動・木登りするニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 



2023年8月上旬・午前10:10頃・晴れ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが昼間に通り過ぎました。 
冒頭でゴソゴソと物音がするのは、もしかするとトレイルカメラを固定した立木に猿がよじ登ったからなのかもしれません。 (あるいは野鳥が嘴を枝や幹に擦り付けたのかな?) 

二次林の林床をニホンザルが奥から手前へ次々に走って来ます。 
アナグマが掘った巣穴にもトレイルカメラの存在にも気づかずに(興味がなくて)、素通りしました。 

動画の後半からなぜか急にフルカラーで録画してくれるように切り替わりました。(やれば出来るじゃん!) 
旧機種のトレイルカメラは昼間の挙動が本当に気まぐれで泣かされます。 
奥の林内をゆっくり遊動する個体が途中で寄り道して木に登っています。 
遠くでゆっくり活動する猿は分かりにくいので、5倍速の早回し映像でリプレイ。(@1:19〜) 
ヒトの視覚は動きの激しいものを鋭敏に認識するようにできています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

山道の土を舐めてミネラル摂取するエゾミドリシジミ♂?【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の細い林道でゼフィルスの一種が地面を歩き回っていました。 
翅を閉じたままなので、日光浴ではありません。 
弱っているとか、飛翔能力に何か問題のある個体なのか?と思って動画を撮り始めました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:25〜1:39) 
動画をじっくり見直すと、オレンジ色っぽい口吻を伸ばして地面を舐めていることが分かりました。 
性成熟に必須のミネラル成分(ナトリウムイオンやアンモニウムイオンなど)を摂取する行動と分かり、納得しました。 
水溜まりなど湿った地面なら吸水のついでにミネラルを摂取できますが、乾いた地面を舐める際には胃から水分を吐き戻して溶かしたミネラルを摂取しているのでしょう。 
口吻の先端だけを地面に付ければ済むはずなのに、口吻全体をベッタリと接地させて舐めていました。

関連記事(13年前の撮影)▶ エゾミドリシジミ♀の塩分補給 


長い口吻をゼンマイ状にくるくると丸めてから飛び立ちます。 
翅裏の色は地味ですけど、羽ばたくと翅表の美しいエメラルド・ブルーが目につきます。 
翅表が派手なのは、ゼフィルス♂の特徴です。(顕著な性的二型)
短く飛んで、山道のあちこちで地面の味見をしています。 
林道に落ちていた金属製のスプリング(バネ?)のような物の上を歩いて通り過ぎたものの、その金属をじっくり舐めることはありませんでした。
金属ではなくプラスチックだったのかもしれません。 

地面から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜) 
翅表の美しい構造色をしっかり撮るのが目的です。 
ゼフィルスは林道の地面が乾いて土がひび割れた地点に再び着地し、歩いていました。 
しっかり閉じた翅がときどき横倒しになるのは、風に煽られているようです。 
飛び立つと夏の強い日差しを浴びて、翅表がエメラルドグリーンに煌めきました。 
翅の角度によって青っぽく見えたり緑っぽく見えたりします。

さて、このゼフィルスを映像から同定できるでしょうか? 
翅があちこち破損した個体で、尾状突起も失われていました。
エゾミドリシジミ♂(Favonius jezoensis)またはジョウザンミドリシジミ♂(Favonius taxila)ではないかと思うのですが、どうでしょう? 


つづく→ゼフィルスが天敵に襲われて危機一髪! 


栗田貞多男『ゼフィルスの森:日本の森とミドリシジミ族』によると、
 高等ゼフィルスの♂では、早朝あるいは活動時間の後半に地表や葉上、枝などに残った水分を吸液するシーンによく出会う。とくに顕著なのはアイノミドリシジミで、午前10時ごろから昼にかけて、テリトリー周辺の路上や下草に舞い降りて吸水を繰り返す。まるで草原性のシジミチョウのように地表近くを弱々しく飛ぶが、数回の吸水を終えると生き返ったかのようにすばやい飛翔スピードで、森の中や梢へと飛び去る。この吸水習性は、栄養分というよりは純粋に水分の補給のように思われる。ジョウザンミドリシジミやエゾミドリシジミ・メスアカミドリシジミも同じ吸水行動が見られるが、アイノミドリシジミよりは弱い。 
 ハヤシミドリシジミは早朝、カシワの葉上あるいは芽の基部などにたまった水滴を吸うことが多い。この場合、単に水分だけを吸水しているのか、あるいは樹液、野鳥のフンなどの溶解分、アリマキや小昆虫などの分泌物や死体などからのエキスなどもあわせて吸液しているのかはたしかではない。 (p127より引用)
「湿った路上で吸水するメスアカミドリシジミ」と題した写真も掲載されていました。 


蛭川憲男『水場に集まる生きものたち』という本のp43に、 「吸水するミドリシジミ♂」と題した生態写真が掲載されていました。 
砂利道の砂を舐めているようです。 


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金属のスプリングを舐めるか?

2024/04/25

ミズキの根元で夜に虫を捕食するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午後22:33 

ニホンアナグマMeles anakuma)が転出した後の旧営巣地に、ある晩ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独でやって来ました。 

ミズキの根元の匂いを嗅ぎ、何か昆虫らしき獲物を捕食しました。 
暗闇で逃げ回る虫を狩った瞬間はタヌキが後ろ姿になってしまい、獲物の正体がよく見えず残念でした。 

アナグマの巣穴Rには興味を示さず、左へ立ち去りました。 

砂利道の水溜まりで水を飲み小石を弄ぶハシボソガラスの親子(野鳥)

 

2023年8月上旬・午後14:25頃・晴れ 

溜池の横を通る砂利道のわだちに出来た小さな水溜まりで2羽のハシボソガラスCorvus corone)が水を飲んでいました。 
とても浅い水溜まりなのに、嘴の先を何度も挿し込んでは少量の水を喉に流し込んでいます。 
 桜並木の木陰なのに、嘴を開いたまま暑さに喘いでいます。 
(私もあまりの暑さで熱射病気味になり、気温を測るのが億劫で忘れてしまいました。) 
口内の色から成鳥と幼鳥の親子であると見分けがつきました。 

 1羽が飛び去った後も、残る1羽が長々と飲水。 口内が赤い幼鳥だった。 現場検証すると、水溜まりの泥にカラスの足跡が残されていた。 横に自生するウワミズザクラの果実がオレンジから赤く熟しつつある。 

遠くから撮影している私に一早く気づいたのは口内が黒い成鳥で、警戒して左に飛び去りました。 
その際、幼鳥に対して逃げろ!と警戒声を発しませんでした。 
(ということは、親子ではないのかもしれません。) 
未だヒトをあまり恐れない幼鳥は水溜まりに独り居残り、チビチビと水を飲んでいます。 
その後は、水溜まりの底の泥をついばんだり、落ち葉をめくったり、小石を嘴で転がしたり拾い上げて落としたりしています。 
餌となる虫でも探しているのでしょうか。 
親鳥が巣外給餌に来るまで待っている間に暇を潰しているだけかもしれません。 
嘴をぽかんと開いたまま、ときどき周囲をキョロキョロ見回しています。 

翼をしっかり畳んでおらず、やや半開きのような気がするのですけど、撮影アングルがいまいちではっきりしません。 
日向に居るのであれば、翼を広げて虫干しの日光浴をしていると解釈できるのですけど、日陰では理由が分かりません。 
幼鳥に特有の姿勢なのかな? 

ようやく歩き出した幼鳥が水溜まりを横断すると、尾羽を少し持ち上げながら白い糞を水溜まりの縁に排泄しました。(@5:34〜) 

どうやら仲間が居なくて急に寂しくなったようです。 
辺りをキョロキョロ探してから、農道をトコトコ歩いて日向に入り、右へ飛び去りました。
それまでも周囲でアブラゼミ♂♪のやかましい合唱に混じってカラスの鳴き声がカーカー♪と散発的に聞こえていたので、樹上の仲間に合流したのでしょう。 

ハシボソガラスが居なくなった直後に、水溜まりを現場検証することにしました。(@6:06〜) 
農道の轍に沿って大小の水溜まりが点在しています。 
ハシボソガラスの親子が来ていたのは、大きな(深い)水溜まりではなくて、小さな浅い水溜まりでした。 
獲物となるアメンボなどの水生昆虫が居る訳でもありませんでした。 
ただし、私が来る前にカラスが水溜まりの虫を捕食し尽くしてしまったのかもしれません。 
カラスが歩き回っていた岸辺の泥に烏の足跡が多数残っていました。 
白い物体が泥濘に溶けつつあるのは、カラスの糞と思われます。 


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2024/04/24

ニホンアナグマの幼獣から母親♀へのアロマーキング(匂い付け)【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午後19:26・気温31℃ 

ある晩、ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地に母子が戻ってきていました。 
幼獣はもうすっかり大きく育ち、成獣♀との体格差が無くなりつつあります。 
腹面に乳首がある個体が母親♀と分かります。 
(母親♀は左右の目の大きさに違いがあるはずなのに、この映像では同サイズに見えるのが気になります。) 

初め手前に居た幼獣aが母親♀と入れ替わるように巣穴Lに顔を突っ込みました。 
巣口Lですれ違う際に♀は幼獣の尻(肛門腺、臭腺)の匂いを嗅ぎました。 
巣穴Lの匂いを嗅いでから外に出てきた幼獣aも横で待っていた母親♀の尻の匂いを嗅ぎました。 
興味深いのは次の行動です。 
幼獣aが母親♀に身を寄せつつ尻を擦り付けました。 
幼獣から母親♀へのアロマーキング(肛門腺、臭腺による家族間の匂い付け)を見たのは初めてです。 


4頭の幼獣がもっと幼くて巣外へ出てきたばかりの時期には、母親♀が幼獣に対して頻繁にアロマーキングを行っていました。
当時は圧倒的な体格差があるので、母親は我が子(幼獣)の上に軽く座って尻を擦り付けていました。
このように、アナグマの家族は互いに匂い付けをし合って余所者と区別できるようにしているのでしょう。

その後、この母子は一緒に右へ立ち去りました。 
母親♀といつも行動を共にしている幼獣個体が来季のヘルパー♂候補なのでしょうか? 
私にはアナグマ幼獣の性別を見分けられないのが残念です。 

その間、右上奥の獣道から別個体の幼獣bが駆け寄って来て巣口Lで母子に合流しましたが、すぐに左へ元気いっぱいで走り去りました。 
左に一旦通り過ぎた幼獣bも慌てて戻ってきて母子を追いかけます。 


ネジバナの花で採餌するクマバチ♀は捻れの向きの違いに対応できるか?【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前11:00頃・くもり 

山麓の池畔に点々と咲いたネジバナの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
そもそも私は、ネジバナの送粉者をこれまで実際に観察したことがありませんでした。 

 関連記事(3年前の撮影)▶ クロマルハナバチ♀はネジバナの花で採餌するか?
TV番組を見ていたら(中略)、ネジバナの送粉生態学を分かりやすく紹介していました。 興味深く拝見していると、ニホンミツバチやコハナバチなど体長約1cmの小さなハチがやってくるのだそうです。
クマバチは大型のハナバチなので、今回の観察結果は明らかに反例となります。 

小さな花が並んで咲いている茎を下から上に登りながら螺旋状の花序を順に訪れ、丹念に吸蜜していました。 
登りながらときどき羽ばたいているのは、体のバランスを保つためでしょう。 
ネジバナ花序の天辺に来ると次の花序の下部まで飛んで移動し、また螺旋状に登りながら採餌を続けます。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
ネジバナ螺旋花序での採餌行動を回転集粉と呼ぶのは間違っているでしょうか?(用語の誤用?) 

ネジバナの花でクマバチ♀が採餌する様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜) 
花から飛び立った後のホバリング(停空飛翔)もスーパースローにすると見応えがあります。 


ネジバナはラン科なので、それぞれの花には花粉塊があるはずです。
しかし、訪花を繰り返すクマバチ♀の体毛に花粉塊は付着していませんでした。
(花から飛び去る際に、縮めた口吻の先に黄色い花粉が付着していた?)
後脚の花粉籠も空荷だったので、もう花粉が取り尽くされた後の花で吸蜜に専念していたのかもしれません。


細長いネジバナの花序にAFのピントを素早く合わせるのは結構大変なので、クマバチが次から次に別の花序を訪れるシーンを連続で動画に記録することはできませんでした。 
(毎回、蜂が来ている花序にピントを合わせてから撮影を始めます。) 

しばらく観察していると、クマバチ♀がときどき螺旋状のネジバナ花序を下に少し降りては上に登り直すというギクシャクした動きをすることに気づきました。 
ネジバナ花序の螺旋の向きは右回りと左回りが群落内でほぼ半々あるらしく、たまに全く捻じれていない花序もあるそうです。
(私は捻れのない花序を未だ見つけたことがありません。)
それまでずっと右回りの螺旋で採餌していたクマバチ♀が急に左回りの螺旋花序に来ると、戸惑って下降してしまうのでしょうか?(逆もしかり) 
それでもじきに新しい回転の向きに順応して、上に登りながら採餌するようになります。 
クマバチはネジバナの群落内で捻れの反転にいまいち臨機応変に対応できないのかもしれません。 
 …という「もっともらしい仮説」を思いついて有頂天になりかけたのですけど、よくよく考え直すと、説明になっていません。 
たとえネジバナの螺旋花序を下降したところで、蜂にとって螺旋の向きは変わりませんね。 
(左回りの螺旋を下降しても、通い慣れた右回りの螺旋にはならない。) 
素人考えでは、螺旋の向きを統一したほうが送粉者への負担が少ない(授粉効率が上がる)はずです。 
なぜネジバナの花はそのように進化しなかったのでしょうか? 
例えば、右巻きのネジバナと左巻きのネジバナが今まさに別種に種分化する途中だとしたら、面白いですね。 
特定の向きの螺旋花序に対応したスペシャリストの送粉者もそれぞれが共進化で種分化することになりそうです。 
せっかくスムーズに採餌していた送粉者を戸惑わせて負荷(ストレス)をかけたり授粉作業を遅らせたりしているのは、ネジバナの繁殖戦略上、何か秘密がありそうな気がします。 
他家受粉の効率を上げるために、ハナバチには少し採餌したら別な群落に飛び去って欲しいのかもしれません。 

いくら考えても、私にはエレガントでしっくりくる説明が思いつきません。 
それとも単に、一度素通りした花に蜜が残っていることに気づいたクマバチ♀が花序を下降して戻っただけなのでしょうか? 
ネジバナ花序の螺旋の向きが本当にランダム(右巻き:左巻き=1:1)なのか、現場で確かめるべきでしたね。
1本ずつ花序にテープなど目印を付けながら螺旋の向きを調べないと、重複や漏れがありそうです。
下に掲載した写真では、左巻きの花序は少数でした。
個人的にクマバチもネジバナも好きなので、この夏一番エキサイティングな虫撮りになりました。


【参考文献】 
ネット検索してみると、先行研究がありました。
ネジバナ花序の捻れの向きではなく捻れの強弱に注目した研究で、送粉者としてはハキリバチの採餌行動を観察したそうです。 
Iwata T, Nagasaki O, Ishii HS, Ushimaru A. Inflorescence architecture affects pollinator behaviour and mating success in Spiranthes sinensis (Orchidaceae). The New phytologist. 2012;193:196-203. (検索すると、全文PDFが無料でダウンロードできます。) 


この研究の概要が石井博『花と昆虫のしたたかで素敵な関係:受粉にまつわる生態学 』という本に書かれていました。
花序の捻じれ具合が異なるネジバナ群落の中で:しぐま註)捻じれ具合の弱い花序ほど多くの送粉者(ハナバチ)が訪れる一方で、そのような花序ほど、ハナバチ各個体による花序内での連続訪花数が増加していることがわかりました。ハナバチの仲間には、花序を下から上に向かって訪花していく傾向があります。捻じれが強い花序を訪れたハナバチは、いくつかの花をスキップして上の花に到達し、そのまま他の花序へ飛び立ってしまうようです。そして、捻じれが強い花序は、花がばらばらの方向を向いているために、送粉者から、やや目立ちにくくなっているようです。つまり、捻れが弱いほうが多くの送粉者を集めることができますが、捻れが強いほうが隣花受粉は減らせるようなのです。 (p212〜213より引用)

この論文の結果を念頭に置いてネジバナ送粉者の採餌行動を私なりにもっと観察してみたいのですけど、昆虫の数が激減している昨今では、観察効率が悪くて仕方がありません。
ネジバナの花が咲き乱れる群落でしばらく待っても、クマバチ以外の訪花昆虫を全く見かけませんでした。

ネジバナの美しい螺旋花序はとても魅力的なテーマなので、螺旋の形態形成(花の発生学)などをもう少し自分で深く勉強したくなります。 
植物の形態にはフィボナッチ数列フラクタルなど数学的に美しい構造が潜んでいます。 
それを実現するために、具体的にどのようなプログラム(再帰的アルゴリズム)で植物のゲノムに記述されているのか、植物のエボデボ(Evo Devo)やエピジェネティクスも勉強したら面白そうです。 


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【追記】
高校生による独創的な研究を見つけました。
野外でのネジバナの揺れ方の違いから「花の配置が気流に影響する」と考え、「風洞実験装置」いう装置を用いて、煙を使い気流を観察した。
私もこのぐらい柔らかな発想で調べたいものです。
右回り
左回り(私ピンクのサウスポー♪きりきり舞いよ♪きりきり舞いよ♪)
右回り
右回り
ネジバナの花:右回り

2024/04/23

痛々しく3本足で跛行するホンドタヌキ♂がスギ倒木横の溜め糞場で排便【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬〜中旬 

スギ防風林で立木の根元と倒木の間に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを自動センサーカメラで監視しています。 
右後脚を怪我して跛行する♂個体の登場シーンをまとめてみました。 


シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
真夏の林床はシダ植物があちこちに繁茂しています。 
カメラの設置アングルをもっと下に向けて、肝心の溜め糞場phを画面の中央に収めるるべきでしたね。 
ちなみに、この倒木はヒトが間伐したのではなく、低い位置で幹がバキッと折れたまま放置されていました。 


シーン1:8/6・午前3:30(@0:03〜) 
深夜未明に跛行タヌキが右からやって来ました。 
足に障害があるのにスギ倒木を乗り越えてきたとは思えませんから(※)、おそらく倒木の下の隙間をくぐって来たのではないかと思います。 
※この推測は後にくつがえされました。 

痛々しく跛行しながら溜め糞場phに辿り着くと、南南西を向いて排便しました。 
そのまま手前に立ち去りました。 


シーン2:8/8・午後21:23(@0:53〜) 
2日後の晩にも同一個体が溜め糞場phにやって来て、スギ立木の下に左を向いて佇んでいました。 
用を足す前に体の向きを変えると、股間にぶら下がっている睾丸が目立ちます。 
信楽焼のタヌキの置物は金玉がデフォルメされてますけど、実物も確かに大きいようです。
たんたんタヌキの金玉は風もないのにブーラブラ♪ 
南を向いて排便すると、そのまま手前に立ち去りました。 



シーン3:8/8・午後23:22(@1:53〜) 
約2時間後の深夜に、新鮮な大便が追加されたばかりの溜め糞場phをよく見ると、多数の糞虫が蠢いていました。 
糞便臭で誘引された黒い糞虫(種名不詳)がスギ林床を歩き、溜め糞に向かっています。 
5倍速の早回し映像でご覧ください。 
ところで、スギの根本で幹を下る虫の正体は何でしょうか? 

今回なぜトレイルカメラが起動したのか不明です。 
変温動物の昆虫がいくら活発に動き回っても、トレイルカメラのセンサーは反応しないはずです。 


シーン4:8/10・午後20:36・気温(@2:05〜) 
トレイルカメラの起動が遅れがちですけど、画面の奥からやって来たのかな?  
溜め糞場phで匂いを嗅ぎ回るだけで、今回は排便しなかったようです。 
方向転換した際に、股間に大きな睾丸を認めました。 

今回は珍しく奥に立ち去ると、大きなシダの葉に隠れてすぐに姿が見えなくなりました。 
画面の上端でスギの倒木を苦労して飛び越え、右に向かったようです。 
よく見えなかったのが残念です。
3本足で跛行しながらもなんとか倒木を飛び越えられるとは驚きました。 


シーン5:8/13・午後19:18(@2:40〜)
3日後の晩は小雨がぱらぱらと降っていました。 
跛行しながら右から来たタヌキがスギの倒木を乗り越えて、溜め糞場phへ到着しました。 
3本足でも倒木を飛び越えられることが、これで確実になりました。 
排便したかどうか不明ですが、身震いしてから手前に立ち去りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この個体は右の後足を地面に付けないように上げて歩くので、足を引きずるのではなく3本足でヒョコヒョコと跛行します。 
罠にかかったり交通事故に遭った可能性もありますけど、夜の獣道でノイバラの棘を踏んでしまい肉球に刺さって化膿しているのではないか?と私は推測しています。 

あまりにも分かりやすい特徴なので、溜め糞場phに通って来るタヌキの中でこの個体だけ確実に識別することが可能です。 
素人目には若い個体のような気がするのですけど、夏毛で痩せて見えるだけかもしれません。 
いつ見ても尻尾が力なく垂れているのは、怪我のせいで自信を失っているのかな? (負け犬の「垂れ尾」状態) 
以前撮った排尿姿勢から、♂であることも判明しています。 


2つの撮影地点は数百m離れているのですが、この個体は跛行しながらも他の健常個体と遜色なく広い行動圏を活動できているようです。 
タヌキは獲物を狩る肉食獣ではなく雑食性ですから、足が多少不自由でもなんとか生きていけるようです。 
ニホンオオカミが絶滅して野犬も駆除された現代の日本では、逃げ足の遅いタヌキを捕食する天敵も居ません。 
足の裏に棘が刺さっただけの負傷ならいずれ回復しそうですけど、もし障害が残れば、縄張りや異性♀を巡って健常個体♂と闘争になったときには不利になりそうです。 


つづく→



平地の二次林に潜む謎の猛禽【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年8月上旬 

シーン1:8/4・午後14:00頃・晴れ(@0:00〜) 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後も旧営巣地(セット)の監視を続けています。 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
古いトレイルカメラの変な癖で、これ以降はなぜかフルカラーで録画してくれなくなります。 


シーン2:8/10・午後16:00頃・晴れ(@0:03〜) 
平地の二次林でミズキの根元近くの横枝(太い蔓?)に止まった猛禽の後ろ姿が写っていました。(赤丸に注目) 
せっかく貴重な映像が撮れたのに、フルカラーで録画できなかったのが残念です。 
止まり木でキョロキョロと周囲を見渡しています。 

林内で猛禽がこんな低い位置に止まっているということは、カラスの群れにモビング(擬攻撃)されて追われ、逃げてきた猛禽が身を潜めている(隠れている)のではないか?と推測しました。 
枝葉が生い茂るミズキの木の下に隠れれば、上空から姿が見えないはずです。 

実は9日前にも、ほぼ同じ止まり木に謎の猛禽が居ました。 
同一種(同一個体?)の猛禽がお気に入りの止まり木で獲物を待ち伏せしているのですかね? 
まさか旧営巣地にときどき戻ってくるアナグマの幼獣を狙っていたりして…? 
アナグマの巣穴付近の林床で夜な夜な活動していた野ネズミが最近になってトレイルカメラにあまり写らなくなったのは、猛禽(夜行性のフクロウも含む)に狩られて激減したからかもしれない、と私は考えています。 

さて、今回登場した猛禽の正体は何でしょう? 
尾羽に白黒の横縞模様があり、後頭部が白いです。 
残念ながら、カメラに正面を向いてくれませんでした。 
また、止まり木から羽ばたいて飛び去るシーンが撮れてないのも残念です。 
オオタカ? ハイタカ? 
クマタカにしては冠羽がありませんが、冠羽を寝かせているだけかもしれません。 
そもそもクマタカがこんな平地に居るとは思えません。
それとも、台風7号が接近した影響で迷鳥が現れたのでしょうか? 
ちなみに、隣接する農地(田畑)ではノスリButeo japonicus)の姿をよく見かけます。
しかしノスリの後ろ姿とは明らかに違います。  
映像から謎の猛禽の正体を見分けられる達人がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。 


※ 動画の前半部は編集時に自動色調補正を施しています。 
後半のピンクがかったリプレイ映像は(@1:06〜)、自動色調補正を施す前の素材で1.5倍に拡大したものです。 
こっちの方がむしろ猛禽の特徴を掴みやすいかもしれません。 
明るい昼間に動画を撮ると、このようにピンクのフィルターが勝手にかかってしまいます。 
酷いときにはピンク色が点滅して見苦しいので、私はいつも自動色調補正でモノクロに加工しています。

次にトレイルカメラが起動した時には(約6分後)、猛禽の姿はありませんでした。 
飛び去った直後かもしれませんが、止まり木の横枝(太い蔓?)は揺れていませんでした。 


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2024/04/22

旧営巣地の巣穴に独り逃げ込んで周囲を警戒・籠城するニホンアナグマの幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬・午後19:25・気温26℃ 

夜の旧営巣地に単独で戻ってきたニホンアナグマMeles anakuma)の幼獣が辺りを警戒しながら巣穴Lの奥に潜り込みました。 
しばらくすると、巣口Lから顔をひょっこり外に出しました。 
ところが、すぐにまた奥に引っ込みました。 
顔だけ何度も巣口Lから出し入れして、周囲の様子を伺っています。 
最後の最後にも目だけ巣口Lに現れました。 


【考察】 
この幼獣個体は、外敵の接近をひどく恐れていると言うよりも、兄弟姉妹と隠れんぼをして遊んでいるのではないか?という気がします。 
鬼役の追手が来るのを巣口Lで待ち構えているのではないでしょうか? 
あるいは例によって、独り遊びが好きな幼獣個体なのかもしれません。 
架空の敵と追いかけっこや隠れんぼをしているのかな? 
この後につながりのある出来事が何も撮れておらず、真相は藪の中です。 
問題は、幼獣4頭の個体識別が私にはできないということです。


オレガノの花蜜を吸い飛び回る夏型のキタテハ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年7月中旬・午前11:55:頃・晴れ 

民家の裏庭の花壇に咲いたオレガノ(別名ハナハッカ)の群落で夏型のキタテハ♀(Polygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅をときどき開閉しながら吸蜜しています。 

風が強く吹いて虫撮りには最悪のコンディションでしたが、240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮ると、風揺れが気にならなくなります。(@0:19〜)。 
というか、ハイスピード動画モードに切り替えた途端に風が静かに収まってしまいました。(まさにマーフィーの法則) 
隣のオレガノ花序でハナバチの一種♀が歩き回りながら採餌していますが、キタテハには干渉しませんでした。 
キタテハも最後に力強く羽ばたいて飛び去りました。 


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2024/04/21

昼のスギ林で倒木を高速道路(獣道)として利用するニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2023年8月上旬 

シーン1:8/4・午後12:07(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
スギ防風林で左の立木と右の倒木に挟まれた所にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の黒々とした溜め糞phがこんもり残されています。 
林床にはシダ植物が繁茂しています。 


シーン2:8/7・午前6:45頃・日の出時刻は午前4:44(@0:04〜) 
朝日が射す早朝のスギ防風林にニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れがやって来ました。 
こんな平地のスギ林を遊動する群れがいるとは驚きです。
奥からスギ倒木の上を伝い歩いてきた先頭の成獣が立ち止まっていました。 
カメラをちらっと見上げてから、手前に遊動します。 
後続の個体は、若い2頭の子ザルでした。 
倒木横のタヌキ溜め糞場phをちらっと見るだけで、通り過ぎました。 

猿の姿は見えなくなったのに、急に激しい物音がしてトレイルカメラが少し動きました。 
トレイルカメラを固定したスギの幹に登って、カメラを調べに来たのかな? 
幸い、カメラを壊されずに済みました。 

次は4頭目の子ザルが倒木上を奥から手前に全速力で駆け抜けました。 

最後に登場した個体(5頭目)は黒い首輪を装着していました。 
GPSやテレメトリー調査用の電波発振器が取り付けられているようです。 
スギ倒木上をノシノシと歩いてきます。 

ニホンザルの群れも昼間のスギ林で真っ直ぐな倒木を高速道路(獣道)として利用していることが分かりました。 
スギの落葉落枝が散乱する不整地の林床を歩くよりも、倒木を伝い歩く方がよほど歩きやすく、近道なのでしょう。
まるで川に架けられた丸木橋のように、陸地でも倒木の上を伝い歩いています。 
群れで遊動するニホンザルは先行する個体の後について歩く傾向があるので、子ザルも真似して倒木の上を歩くようになるのかもしれません。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

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