ラベル 水浴 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 水浴 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024/10/15

初冬の水場に来たニホンイノシシの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午後19:50頃 

山中の湧き水が貯まった泉に、ある晩ニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がやって来ました。 
岸辺を歩きながら、落ち葉の匂いを嗅ぎ回っています。 
低音でフゴフゴ鳴いている♪のは、後から付いてくる1頭の幼獣に呼びかけているのでしょう。 
大きく育った幼獣の毛皮からはすでに縦縞模様が失われていて、「ウリ坊」とは呼べません。
イノシシ♀が入水したところで、トレイルカメラの電池切れで映像が打ち切られてしまいました。 
気温の下がる冬季は乾電池の電圧低下に悩まされます。
そんな寒くても水場に来る野生動物は逞しいですね。

イノシシの母子が向かった画面の左は行き止まりの崖(急斜面)なので、おそらく池で水浴(ヌタ打ち)したり水を飲んだりしに来たと思われますが、撮り損ねて残念無念。 


つづく→

2024/10/02

雪が降っても平気で池の水中に留まる晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬〜12月上旬

シーン0:11/27・午後13:08(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の水場をトレイルカメラで見張っています。 
画面の左下から細長い池に流れ込んだ湧き水が右上に流出し、斜面を下って沢の源流となります。 
周囲の雑木林から大量に降り積もった落ち葉が水場に溜まっています。 

カエルは変温動物なので、本来はいくら動いてもトレイルカメラのセンサーは検知できないはずなのに、風や落ち葉が横切る動きで誤作動した映像の中に、たまたまカエルが写っていることがあります。 


シーン1:11/28・午後18:35・みぞれ(@0:04〜) 
冷たい雨(みぞれ?)が降る晩に、2匹のカエル(種名不詳)が水中に居ました。 
左の個体がたまに瞬きすることから、生きていることが分かります。 


シーン2:11/29・午前4:14・雪(@1:36〜) 
日付が変わった未明に雪が激しく降っています。 
依然として2匹のカエルが池に留まっていました。 
いつの間にか2匹の距離が縮まっています。 
池に堆積した落ち葉によって形成された岸辺でじっとしていました。 
ときどき瞬きしているので、生存確認できました。 

実はもっと激しく雪が降っている夜にも同様のシーンが撮れていたのですけど、動画をうっかり削除してしまいました。 

安全な越冬場所に移動する前に雪が降り始めてしまい、逃げそびれた個体なのでしょうか?
このまま凍死するのではないかと心配です。 
晩秋にまだ大丈夫だろうと油断していたら、急に気温が下がって身動きできなくなり、絶体絶命になったとしたら、まさに「茹で蛙(ゆでガエル)」の逆バージョンということになります。
茹でガエル(ゆでがえる、英語: Boiling frog)とは、緩やかな環境変化下においては、それに気づかず致命的な状況に陥りやすいという警句。生きたカエルを突然熱湯に入れれば飛び出して逃げるが、水に入れた状態で常温からゆっくり沸騰させると危険を察知できず、そのまま茹でられて死ぬという説話に基づく。


シーン3:12/4・午後12:27・晴れ(@3:08〜) 
5日後の昼下がりにカエルの無事な姿が撮れていました。 
水面に浮かんでいたカエルが急に右の日向へ向かって泳ぎました。 
(カエルの種類を見分けられないのが残念です。) 

今季は驚くほどの暖冬で、山中でもまだ根雪にならず全て溶けてしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
変温動物のカエルは、てっきり雪が降る前にどこか安全な場所に隠れて(地中に穴を掘って?)冬眠するのだと私は思っていました。 
雪が降る池に平気で留まっているのは、とても意外でした。 

この映像ではカエルの種類を見分けられないのが残念です。 
水底で冬眠する種類のカエルもいるらしいのですが、呼吸はどうしているのでしょう? 
ヤマアカガエルは、主に林床や泥の中、落葉の溜まった溝の底で冬眠します。また、他のカエルと同様に、土の中や水底で冬眠することもあります

厳冬期に「池の水をぜんぶ抜く」作戦を敢行し、浅い水底でカエルが本当に冬眠しているかどうか、確かめてみたいのですが、実際にやるとなると大変そうです。

旧機種のトレイルカメラでは撮影時の気温データが取得できないのも残念です。 
地下水の湧き水が貯まった池なので、冬は水温が気温よりも少し高い可能性があります。 
(この点を確かめる必要がありますね。)


【アフィリエイト】 


2024/09/29

秋が深まっても山中の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/20・午後14:52・雨(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の湧き水が貯まる池に周囲の雑木林から落ち葉が降り積もり、浅くなっています。 
泉の水は画面の左下から右上に向かって流れ、その先では斜面を下って沢の源流となります。 
雨が降っていて、水面に波紋が広がります。 


シーン1:11/21・午後18:23(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:27。 
ある晴れた晩に、コウモリの仲間が飛来しました。 
晩秋でも山のコウモリは未だ冬眠していませんでした。 

水場の上空を低く旋回して飛び去る間際に一瞬だけ着水しました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:16〜)、水面の2箇所から連続して波紋が広がりました。
旧機種のトレイルカメラで撮れた動画は、フレームレートが15fpsしかないので、野生動物の行動が素早いと、スローモーションにしても何をしているのかしっかり捉えることができません。 
コウモリが飛びながら一瞬で水を飲んでいるのか、それとも水浴しているのか、という問題を長年解決できないでいます。 
晩秋の夜は気温も下がって肌寒いはずですから、コウモリがわざわざ冷水で水浴・冷却するだろうか?という疑問が生じます。 
同じ恒温動物の鳥は真冬でも水浴しますから、寒さは問題ないのかもしれません。
旧機種のトレイルカメラでは、動画撮影時に気温のデータが取得できないのが残念です。 


シーン2:11/26・午後20:39(@0:38〜) 
5日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
池の岸辺には、前日に降った初雪がまだ残っています。 
監視カメラの電池が消耗していて、わずか5秒間の映像しか撮れていませんでしたが、水場で飛び回るコウモリがしっかり写っています。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

初雪が降る前後にもコウモリが冬眠せずに活動しているとは意外でした。 
ただし、水場に飛来する頻度はかなり減りました。
獲物となる虫がまだ活動しているのでしょうか? 
コウモリが冬尺蛾を狩っているとしたら、面白い話です。 

2024/09/24

山中の水場で泳ぐ晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬・午前1:05頃 

里山の湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っていると、晩秋の木枯らしが吹く度に周囲の雑木林から落ち葉がどんどん降ってきます。 
旧機種のトレイルカメラは風揺れや落ち葉による誤作動が多くて困るのですが、撮れた映像を丹念に見直すと、たまに意外な副産物が写っていることがあります。 
変温動物の両生類がいくら活動してもトレイルカメラの熱源動体検知センサーは本来反応しないはずなのに、誤作動で撮れた映像に小さなカエル(種名不詳)が写っていました。 

大量の落ち葉が降り積もった晩秋の泉で、深夜にカエルが突然左にスーッと泳ぎました。
水面に浮上するとカエルの目が赤外線に反射して白く光ります。 
後半は5倍速に早回し加工すると、カエルが瞬きする様子がよく分かります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

実は翌日の夜からみぞれが降り始め、吹雪となりました。 
山中のカエルが未だ冬眠しないということは、晩秋でも獲物となる虫がまだ捕れるのでしょうか? 
この時期に現場入りすると水場に生き物の気配を感じられないので、捕食シーンを実際に観察しないことには信じられません。 




【アフィリエイト】 

2024/09/17

晩秋の水場で夜に半身浴するニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬 

山中の水場をトレイルカメラで監視するプロジェクトを再開しました。 
限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトをやり繰りしているので、通年ではなく断続的な監視になってしまいます。

シーン1:11/19・午後12:50(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
三方を崖に囲まれている細長い池で、里山の湧き水が貯まり、流れ出た水は沢の源流になっています。 
落ち葉が降り積もって浅くなった池の水は、画面の左下から右上に向かって流れています。 

今回はカメラの設置場所を変更しました。 
これまでは画面左下隅(画角の外)の崖の途中にトレイルカメラを設置していました。
そこは常に湿気が高い過酷な環境で、防水のトレイルカメラでも次々に壊れるので困っていました。 
水場に来る野生動物や野鳥の警戒心が強いと、ローアングルで設置した監視カメラの存在に気づいてしまう、という問題もありました。 
そこで、池を斜め上から見下ろすアングルに変更しました。 
池の周囲の斜面には雑木林の樹々が生えているため、池全体が写るような設置場所はどうしても確保できませんでした。 
これまでの撮影で野生動物がよく来ることが分かっている池の左岸を重点的に監視することにしました。 


シーン2:11/23・午後22:51(@0:03〜) 
夜遅くに、池の水が流出する水路からニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がジャブジャブと水場に入って来ました。 
牙が短いので、♀のようです。 
野生動物の中でもイノシシは特に警戒心が強いのですが、この水場で入水シーンが撮れたのは初めてです。 
これまで水浴シーンが撮れなかったのは、やはり監視カメラの存在に気づいて警戒していたからなのでしょう。 
今回も途中でイノシシ♀は監視カメラの方を見上げたものの、逃げませんでした。 

浅い池の水に腹面を浸しただけで(半身浴)、背中まで完全には浸かりませんでした。 
晩秋の深夜で水温が低いせいか、いわゆるヌタ打ち行動(泥浴び)はしませんでした。
旧機種のトレイルカメラで動画撮影すると、気温のデータが取得できないのが残念です。 

泉の中でイノシシが身動きすると、小さなカエル(種名不詳)が水面に浮いた落ち葉の上を慌てて跳んで逃げました。(@0:30〜) 
イノシシ♀は水中で方向転換してから池の左岸に上陸すると、毛皮の水気を切らずにそのまま獣道を歩き去りました。
雪国のイノシシは、冬になっても水浴するのでしょうか?




【アフィリエイト】

2024/06/20

汗腺がないコウモリは体温冷却のために飛びながら水浴するのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬 

山中で湧き水の溜まった浅い泉に夜な夜な飛来するコウモリの群れを自動センサーカメラで記録しています。 
水場に訪れて水を飲んだり水浴したりする野生動物や野鳥を撮影する目的でトレイルカメラを設置してみると、最も頻繁に写るのはコウモリでした。 


シーン0:8/5・午後14:35(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
湧き水が溜まった浅い池から画面の奥に向かって水が流れ出て、沢の源流になっています。 


シーン1:8/5・午後19:19〜23:53(@0:04〜)日の入り時刻は午後18:48 
日没後に暗くなると、水場にコウモリがやって来ます。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、着水後に急旋回して飛び去るコウモリが空中から何かを捨てていました。(@6:09〜) 
これは排泄行動なのか、それとも池で何かを捕獲したら獲物ではないと悟って捨てたのでしょうか? 
濡れた体から水滴が落ちただけのようには見えません。 


シーン2:8/6・午前0:11〜3:40(@6:27〜)日の出時刻は午前4:43 
深夜に日付が変わっても夜が明けるまでコウモリは次々と池に飛来します。 

少数の個体が繰り返し飛来しているのか、それとも多数の個体が1回ずつ飛来しているのか、知りたいのですが、どうやったら突き止められるでしょう? 
(素人が許可なくコウモリを捕獲するのは禁じられています。)

着水後に急旋回して飛び去るコウモリが足に何かを掴んでいるように見えたときがあります。(@6:55〜) 
私の気のせい(願望からの幻覚)ですかね? 
動画のフレームレートが15fpsと低いので、スロー再生しても動きがカクカクしていてはっきりしません。 

珍しく着水シーンを横から撮れたシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@8:55〜) 


シーン3:8/6・午後21:05〜22:33(@9:56〜)日の入り時刻は午後18:46 
2頭(以上)のコウモリが同時に飛来することもあります。 


【考察】 
低空で水面スレスレに飛びながらコウモリが何をしているのか、という問題がなかなか解決しません。 

まず、池で捕食している可能性はどうでしょうか? 
海外にはウオクイコウモリという種類がいるのですけど、淡水のこの池は小さくて浅いので、獲物となる魚は居ません。(居るのはオタマジャクシやサンショウウオぐらいです。) 
池の上を飛んでいる昆虫やアメンボなどの水生昆虫を水面で狩っている可能性も考えましたが、スロー再生すると違うようです。 
狩りなら毎回違う場所に着水するはずですが、コウモリの着水地点は大体決まっているようです。 
この池は三方(画面の背後および左右)が崖に囲まれているため、飛来したコウモリは崖に衝突しないように急旋回しながら飛び回る必要があります。 
地形要因から飛行ルートが限られ、着水できる地点も限定されるのでしょう。 

次に、水を飲んでいるか、水浴しているのか、どちらでしょう? 
フレームレートの高い高画質の暗視動画が撮れる最新機種のトレイルカメラを導入するまで、謎解きはお預けです。 
プロの動物写真家なら多灯ストロボと赤外線センサーを池畔に設置して、着水の決定的瞬間を写真で切り取ろうとするでしょう。 
動画派の私としては、なんとか動画で記録したいのです。 


大井徹『獣たちの森』という本を最近たまたま読んでいたら、コウモリの解剖生理学について興味深い事実を知りました。
汗腺は老廃物の排出とともに体温調整の機能を持つ。人は全身に汗腺を持つが、食虫類、げっ歯類、食肉類の一部では足と肛門付近にのみある。鯨類といくつかのコウモリ、げっ歯類にはない。(p58より引用)
コウモリが発汗しないとすると、飛翔時に体温の急上昇を抑えるために、定期的に体毛を濡らす必要があるのかもしれません。 
つまり、飛びながら水浴を繰り返し、気化熱を利用して体温を冷やしているのかもしれません。 
さっそく文献検索で斜め読みしてみると、コウモリの翼は飛行時の空冷だけで体温が充分に低いらしく、胴体しか冷やす必要がないのだそうです。 

・Luo, J., Greif, S., Ye, H. et al. Flight rapidly modulates body temperature in freely behaving bats. Anim Biotelemetry 9, 45 (2021). https://doi.org/10.1186/s40317-021-00268-6
・RUMMEL, Andrea D.; SWARTZ, Sharon M.; MARSH, Richard L. Warm bodies, cool wings: regional heterothermy in flying bats. Biology Letters, 2019, 15.9: 20190530.

しかし、「体温調節仮説」にも問題があります。 
雨の日や霧の日には体を濡らす必要がないはずなのに、コウモリは晴れの日と変わらず池に飛来するのはなぜ?という疑問が残ります。 


毎回水面に波紋が広がることから、私はてっきりコウモリが飛びながら意図的に一瞬だけ着水しているのだと長らく信じていました。 
しかし、必ずしもそうとは言い切れないことに最近気づきました。 
側溝を流れる水面スレスレに飛ぶミツバチをハイスピード動画で撮影したところ、着水しなくても激しい羽ばたきの勢いで直下の水面が押し下げられ波紋を生じることが分かったのです。 



コウモリの飛翔シーンをハイスピード動画で撮ってみたいのはやまやまなのですけど、それには強力な赤外線投光器が必要です。

2024/06/04

山中の水場に来たコガラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年8月中旬・午後14:05頃・晴れ 

山中の湧き水が溜まった泉を自動センサーカメラで見張っていると、警戒心が強いヤマガラが居なくなった代わりにコガラPoecile montanus)が画面右の浅い岸辺に登場しました。 
監視カメラを気にしているのか、飲水も行水もしてくれません。 
しかしよく見ると、池の浅瀬で水面のアメンボなど小さな水生昆虫を捕食しようと追いかけていたようです。 
1.5倍に拡大してリプレイ。(@0:31〜0:39) 

その後は池畔の止まり木から止まり木へ忙しなく飛んで移動したり、奥に流れ出る水路の上空でホバリング(停空飛翔)したりしています。 
どうも2羽以上の個体が来ているようです。 
周囲の安全を確かめてから水路の横の岸に着陸すると、ようやく入水して水浴を始めます。 
実は、様々な種類の野鳥もコガラと一緒に水場へ来ていたのですが(混群?)、続きは別の記事で紹介しました。 



【アフィリエイト】 


2024/05/25

池に飛び込み一瞬の水浴を繰り返すサンコウチョウ♀【野鳥:トレイルカメラ】名前を教えて

 

2022年8月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山で湧き水が溜まった浅い泉に自動センサーカメラを設置して見張っていると、様々な野鳥の群れ(混群)が次々と水浴びにやって来ました。 
その中に見慣れない種類の鳥が混じっています。 

奥の森から焦げ茶色っぽい鳥が飛来しました。 
死角の止まり木に一旦止まってから、左岸から地味な薄茶色の鳥が入水しました。 
その間に、池から奥に向かって流れ出る水路(沢の源流)に小鳥が降り立って、水浴を始めました。 
これはコガラPoecile montanus)ではないかと思うのですが、遠くてよく見えません。 
左岸の止まり木(死角)から茶色の鳥が水面に素早く舞い降りたものの、一瞬着水しただけで元の止まり木に戻ってしまいました。(@0:15〜) 
この乱入に驚いて、先客の薄茶色の鳥は左に逃げてしまいました。 
奥の浅い水路ではコガラ?が気にせず行水を続けています。 
コガラの飛来および水浴シーンを、1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:28〜0:47) 
続けて薄茶色の鳥の入水および茶色っぽい謎の鳥の短い飛び込み水浴を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:48〜1:09) 

一瞬の飛び込み水浴を繰り返す焦げ茶色(チョコレート色)の鳥が特に気になりました。 
この鳥の名前は何でしょうか? 
池に何度も飛び込んだので、アカショウビンのような飛び込み漁をしている可能性もあります。 
しかしスロー再生で見直すと、オタマジャクシなどの獲物を捕食してはおらず、ただの水浴びのようです。 



飛び込み水浴を繰り返すのは、ヒヨドリと似ています。 

関連記事(1年前および1ヶ月前に同所で撮影)▶  

今回もてっきりヒヨドリなのかと思いきや、スロー再生で見直すと別種のようです。 
翼を激しく羽ばたかせる羽音とポチャンと着水する水音が聞こえるだけで、鳴き声を発していませんでした。 
したがって、鳴き声で同定することもできません。 

しばらくすると、薄茶色の鳥が池に戻ってきて、左手前の水面上の落枝に乗りました。(@1:21〜) 
辺りを警戒してから、ようやく浅瀬で水浴を始めました。 
なんとなく、この鳥はシロハラTurdus pallidus)ですかね? 
しかし、冬鳥のシロハラが真夏に渡来するはずがありません。 
水浴を済ませてさっぱりしたシロハラ?が左に飛び去りました。(@1:48〜) 
この鳥の名前が分かる方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。

その間に焦げ茶色をした謎の鳥が再び一瞬の飛び込み水浴を披露しました。 
水浴する前に、死角の止まり木から何度も水面の上でホバリング(停空飛翔)して、安全を確認しています 。
水浴および飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:04〜) 
背面は焦げ茶色で、頭部は黒色でした。 
腹面が白かったので、アカハラの可能性は消えました。 
黒い頭部に白い過眼線があるように一瞬見えたので、マミジロの可能性も考えました。 
しかしよく見直すと、過眼線ではなく嘴が黒光り?していただけのようです。 

散々迷った挙句、サンコウチョウ♀(Terpsiphone atrocaudata)かもしれない、とようやく辿り着きました。 
しかし、この動画では青いアイリングが写っていません。 
もし間違っていたら、ご指摘願います。 
この山林でサンコウチョウ♂の美しい囀りさえずり♪を夏によく聞きますし、尾羽の長い♂の姿を昔一度だけ見たことがあります。 
私はこれまでサンコウチョウ♀を実際に観察したことはありませんでした。 
(♀は地味なので、出会っても見逃していただけかもしれません。) 

関連記事(1、10年前の撮影)▶  


サンコウチョウの水浴がこんなに忙しないとは知りませんでした。
「カラスの行水」よりもせっかちです。 
岸辺の草むらに潜む捕食者を警戒しているのでしょうか?
それとも池畔に設置したトレイルカメラの存在に気づいて、サンコウチョウ♀だけがひどく警戒しているのでしょうか? 
初めは1回着水しただけで岸辺の止まり木に戻っていたのが、やがて水面でツーバウンドして水浴することもありました。 
少しずつ警戒心が解けているのかもしれませんが、普通の鳥のように落ち着いて水場に身を浸して水浴びする様子をじっくり披露してくれません。 
もしかすると、複数個体のサンコウチョウ♀が水浴に来ていた可能性もありそうです。

スローモーションにしても、サンコウチョウ♀の素早い動きを充分に捉え切れていません。 
旧機種のトレイルカメラで撮る動画はフレームレートが15fpsと低いのが原因です。 
フレームレートの高い新機種で撮り直したいところです。 
次はサンコウチョウ♂の水浴シーンもぜひ撮影してみたいものです。 
今回♀だけが水浴に来ていたのはなぜでしょうか? 
サンコウチョウ♂は尾羽がとびきり長いので、もう少し水深の深い水場でしか行水しないのかもしれません。 


※ 水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
コガラやシロハラ?とサンコウチョウ♀?の水浴シーンをそれぞれ別に切り分けるべきでしたね。 
しかしアカハラの♀♂ペアなのかも?と迷って、このようなごちゃついた編集になってしまいました。 


【アフィリエイト】 



【おまけの動画】 
YouTubeでサンコウチョウの水浴動画を検索してみると、水場に飛び込んで一瞬の水浴を繰り返していました。


 
↑『⑤水浴び 静岡県鳥「サンコウチョウ」特集』by 静岡新聞 


 
↑『サンコウチョウの水浴び』by hoshitaka san


2024/05/09

夜の泉で泳ぐ野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬 

里山の水場に設置したトレイルカメラの記録です。 

シーン1:8/5・午後21:08(@0:00〜) 
晩に奥の森から次々に飛来するコウモリが池の水面スレスレを何度も往復して、ときどき水面に波紋が広がります。 
コウモリが着水した瞬間に池の水を飲んでいるのではないかと予想しているのですが、動画のフレームレートが15fpsと低くてよく分かりません。 
(水生昆虫の捕食または水浴という可能性も考えられます。) 

カメラの近くにクモの網が張ってあるようです。 
空中に白い玉が2つ浮いているように見えるのは、クモの網の粘球がカメラの赤外線を反射しているのでしょう。 

コウモリが居なくなってしばらくすると、画面の左下から野ネズミ(ノネズミ)が登場しました。 
此岸から左岸に跳び移ります。 
いつもならそのまま岸辺をへつるように駆け抜けるのに、今回は左岸から池に躊躇なく入水したので驚きました。 
浅瀬を走るだけでなく、途中から明らかに水中を泳いで対岸へ上陸しました。 
そのまま林道の草むらに姿を消しました。 
野ネズミは水を恐れるどころか、しっかり泳げることが、これで判明しました。 
今回の映像が最も説得力があります。 

関連記事(1年前、1ヶ月前の撮影)▶  


野ネズミの水泳シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:39〜) 
泳ぐことで近道になっているかどうか、微妙です。 
ついでに水を飲んだとか、暑い熱帯夜で水浴したかったのかもしれません。 
(旧機種のトレイルカメラでは動画撮影時に気温のデータが取得されないのが残念です。) 

岸辺の草むらに天敵の捕食者が潜んでいると警戒した野ネズミが裏をかいたのでしょうか? 
例えば、この水場にはヤマカガシRhabdophis tigrinus)という毒蛇が来たことがあります。 
しかしヤマカガシも泳ぎが得意です。 

関連記事(6年前の撮影)▶ 水路を泳いで渡るヤマカガシ 


シーン2:8/6・午前3:35(@1:10〜) 
約6.5時間後。
日付が変わった深夜未明に、逆コースで野ネズミが現れました。(画面の赤丸に注目) 
対岸の草むらから左岸へと水際をチョロチョロ走って戻って来ます。 
今回は池を泳がずに陸上を移動しました。 
野ネズミの白く光る眼が池の水面にも反射しています。 

頻繁に飛来するコウモリのせいでトレイルカメラの電池が消耗してしまい、残念ながら15秒弱しか録画されなくなりました。 
尻切れトンボの映像ですが、途中で野ネズミは浅瀬から池の水を飲んだり獲物(昆虫?)を探したようにも見えます。 
池畔から奥の林道へ抜ける同じ獣道を往復しているので、シーン1と同一個体の野ネズミだと思われます。

2023/12/13

寝そべって砂浴びするニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地を新旧2台のトレイルカメラで見張っています。 
謎の砂浴び行動についてまとめました。 


シーン1:5/5・午後21:19・気温18℃(@0:00〜) 
広場をうろついていたアナグマがゆっくりと入巣Rしかけたものの、気が変わって広場に寝そべりました。 
前脚で地面を掻いて土を自分の体に掛けるという謎の行動を始めました。 
素人目には♂の外性器が見えましたし、左右の瞳が同じ大きさなので、♀ではなくヘルパー♂だと思います。 
仰向け状態で毛繕いし、股間を舐めました。 
また寝転がって砂浴びを再開。 
最後に録画が切れる寸前に、右前の巣穴Rから♀が顔を出しました。 


シーン2:5/5・午後21:18(@1:39〜) 
ほぼ同時に別アングルで撮れた映像を見てみましょう。 
林縁の広場に腹這いになって、謎の砂浴び行動を始めました。 

今回ヘルパー♂が前脚の爪で地面を掘っているのは、採餌のためでも巣穴拡張のためでもないことが、はっきり見て取れます。 
寝返りを打って右手と左手を交互に使って掘った土を自身の体に掛けています。 
仰向け毛繕いと砂浴びを交互に繰り返しています。 
開脚した股間に睾丸が見えたので、性別は♂(若い息子のヘルパー♂)で間違いなさそうです。 

やがて、右手前の巣穴Rから♀(右目<左目)が外に出てきました。 (@3:01〜) 
広場で息子のヘルパー♂合流するとすぐに相互毛繕いを始めました。 


シーン3:5/5・午後21:27(@3:09〜) 
別アングルのカメラに切り替わりました。 
広場で親子2頭が少しじゃれ合い、相互毛繕いを始めました。 
ヘルパーに関する予備知識がない状態でこの様子を見ると、アナグマは一夫一妻制なのかと誤解してしまうはずです。 
余所者の♂が求愛に来たとき、♀は自身の短い発情期以外では♂を激しく撃退するのに、若い息子のヘルパー♂に対しては寛容です。 
母親と若い息子の仲が良いのは結構ですが、近親交配をどうやって防いでいるのか、気になります。 
発情する前の若い♂をヘルパーとして同居させているのでしょう。 

面白いのはここからです。(@3:20〜) 
手前のヘルパー♂が横臥し、奥には♀が並んでいます。 
♀が自分の体を掻いたり毛繕いしている間に、隣のヘルパー♂がまた砂浴びを始めました。 
とばっちりで砂を掛けられた母親♀が怒って唸り声を上げ、少し右に離れました。 
♀の右目が失明しかけているのは、もしかすると土や砂が目に入ったせいかもしれない、と思いつきました。 (感染症の眼病?)
しばらくすると♀がヘルパー♂に歩み寄って、仲直りの相互毛繕い。 


シーン4:5/5・午後21:26(@4:09〜) 
別アングルのトレイルカメラでも同じシーンが撮れていました。 
相互毛繕いに飽きたヘルパー♂が林縁に寝そべって、地面を左前脚で掻き始めました。 
土を自分の腹にかけているようです。 
ただの暇つぶしなのか、それとも猫がやるように爪が伸び過ぎないよう研いでいるのかな?

若い息子に土を掛けられた背後の♀が怒って抗議し、少し移動しました。 
ヘルパー♂は構わずに砂浴びを続けます。 
やがて親子は相互毛繕いを始めました。 


シーン5:5/5・午後21:28(@5:02〜) 
同じことの繰り返しなので、5倍速の早回し映像でお届けします。 


シーン6:5/5・午後21:33(@5:31〜) 
親子水入らずのひとときを夜の広場で過ごした後、♀が先に右手前の巣穴Rに入りました。 
巣内で赤ちゃんに授乳したり面倒を見たりする必要があるのです。

広場に残ったヘルパー♂は、独りで仰向け毛繕いを続けています。 
巣口Rを覗き込んでも中には入らず、広場に戻って寝そべると、砂浴びを再開。 

必ず横に寝そべって(横臥)片手で地面の土を掻きます。 
採餌や造巣の際に見られる本気の穴掘り行動とは異なり、本格的に両手で地面を掻くことはありません。 


シーン7:5/5・午後21:34(@6:30〜) 
ヘルパー♂が独りで退屈しのぎ(?)の砂浴びを続けています。 
浅く掘った地面に腹這いになりました。 
掘ったばかりの土がひんやりして気持ち良いのかもしれません。 


シーン8:5/5・午後21:37(@7:32〜) 
ヘルパー♂が横臥のまま動きを止めたので、うたた寝しているのかもしれません。 
寝返りを打って腹這いになりました。 
砂浴びを再開しても、すぐに手を止めて横臥で目を閉じました。 


砂浴び行動と言えば、私はスズメで見たことがあるだけです。 
関連記事(4、10年前の撮影)▶  (例123) 

ニホンアナグマの砂浴びも、毛皮に付いた体外寄生虫(ノミやダニなど)を駆除するための行動なのでしょうか? 
私は未見ですが、イノシシは体外寄生虫対策として泥濘の中で転げ回り、泥浴びをすることが知られています。(ヌタ打ち行動) 
それに対して、アナグマのヘルパー♂が浴びていた土砂はさらさらに乾いていて、決して泥ではありません。 
そもそも私はアナグマの水浴行動を未だ一度も見たことがないのですが、水浴びしないのかな? 
アナグマ営巣地(セット)の近くには、小川や池、水田があります。
いかにも野生動物が水を飲んだり浴びたりしそうなのですけど、足跡などを頼りにもっとポイントを絞り込まないと監視カメラを設置できません。

ネット検索しても、砂浴びをするアナグマの事例はヒットしませんでした。 
まさか新発見?!
私が(良かれと思って)巣材の藁をアナグマに与えたせいで、藁に付着していた吸血性の寄生虫(ノミやダニなど)が巣内に蔓延したのかも?と自責の念に駆られます。 


しかし同じ穴のむじなのうち、砂浴びするのはなぜかヘルパー♂だけで、♀は一度もやりませんでした。 
私が与えた巣材を搬入したのは♀なので、藁に吸血性の寄生虫が付着していたとしたら、真っ先に体外寄生するのは♀のはずです。

ひんやりした土に腹這いで寝そべると気持ち良いのかもしれません。 
思わせぶりな砂浴び行動は、単なる「暇つぶしの遊び」という可能性もあり得ます。
しかし行動の進化を考えると、その区別はあまり意味がないかもしれません。
鳥や動物は体外寄生虫への対策を理知的に考えて砂浴びや泥浴びの行動をするわけではありません。
たまたま砂浴びや泥浴びを始めた個体が居て、結果的に体外寄生虫が駆除された場合には適応度が少しだけ高まり、世代を経るにつれてその行動が集団内に広がっていったのでしょう。
この後、長期間の定点観察を続けても、アナグマの砂浴び行動がほとんど記録されていないのは不思議です。(再現性に乏しい)




※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

つづく→

2023/09/19

川の岸辺で寝ているカモに2頭のイエネコが深夜に相次いで忍び寄る【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬

中州横の川辺に残されたタヌキの溜め糞場wnを監視する自動撮影カメラに、イエネコFelis silvestris catus)が一晩になんと2頭も写っていました。 


シーン1:3/14・午前1:08・(@0:00〜) 
早春の川岸は残雪が溶けてどんどん薄くなり、地面がパッチ状に露出しています。 
深夜にネコが右から登場しました。(赤丸に注目) 
なんとなく三毛猫のように見えますが、モノクロの暗視映像では体色が分かりません。 

倒木を跨ぎ、奥の川辺へ慎重に忍び寄ろうとしています。 
どうやら川の左岸に塒入りしたカモ類(カルガモやマガモなど)を狩ろうとしているようです。 
これまで夜も川の方からときどきカモが鳴き騒ぐ声がするので、それを聞きつけてネコがやって来たのでしょう。 
しかし、ネコが川面を覗き込んでも、寝ているカモ類は居なかったようです。 (逃げられた?)

三毛猫?が振り返ると、両目のタペータムが爛々と光っています。 
赤外線カメラに頼らなくても、暗闇でもよく見えるネコの目が羨ましいです。 

凍結した残雪の上を歩いて戻り始めました。 
雪面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方に近づいて来ます。 
左右の肩(首の後ろ)に黒点が目立ちます。 
タヌキの溜め糞場wnの匂いに気づいたようで、頻りに嗅ぎ回っています。(@1:14〜) 
最後は左に(川下へ)立ち去りました。 



雪深い厳冬期にはイエネコはこの河畔林に現れませんでした。
春はネコの発情期ですから、おそらく♀を探し求めて♂が出歩くようになったと考えたくなります。 
しかし三毛猫の♂は極稀なので、空腹の三毛猫♀が狩りモードで探餌徘徊していたのでしょう。 
河畔林の林床には獲物となる野ネズミも出没しているはずです。 


シーン2:3/14・午前5:00・(@1:40〜) 
3時間50分後の未明に、左から別個体のネコbが現れました。 
体の斑紋から明らかに先程の三毛猫とは異なる個体と分かります。 
タヌキの溜め糞場wnを迂回しながら右へ歩いて行きます。 

6分30秒後に、奥の川辺りを右から戻って来ました。(赤丸@1:56〜) 
忍び足で水際に近寄ると、少し背伸びして下の川面を覗き込みました。
川面や中州の様子を窺っています。 
左岸に集まって寝ているカモ類の集団塒を襲う気満々です。 

夜行性のイエネコが野外で狩りをする瞬間がトレイルカメラで撮れたら最高です。 
しかし、獲物の近くまで首尾よく忍び寄ったところで、冷たい雪解け水の川に飛び込んでカモを狩る気が本当にあるのでしょうか? 
野生のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコとは異なり、日本の飼い猫は水を嫌いますから、まさか本気でカモを狩るつもりはないでしょう。 
家から抜け出した飼い猫がただ好奇心に駆られて水鳥に忍び寄り、狩猟本能を満足させるのかな?

このとき画面の左で、カモと思しき水鳥が暗い川面をスーッと下流に流されて行く様子がかすかに写っていました。(@2:02〜)
カルガモは警戒心がおそろしく強いので、忍び寄るネコの気配を感じて静かに離れて行ったのでしょう。
逃げる際にけたたましい警戒声を発しなかったのが意外でした。
あるいは暗闇で忍び寄る猫にカモが全く気づいてなかった可能性もあり、夜も寝ないで川面を気ままに遊泳している個体がいるのかもしれません。
カモ類の集団塒にトレイルカメラを設置して夜の様子を撮影するのも面白そうです。
夜は安全な中州に集結して寝るのかな?

※ ネコが遠い川岸に行ったシーンだけ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


シーン3:3/14・午前6:14・(@2:50〜)
夜が明けて明るくなりました。
この日の日の出時刻は午前5:50です。 
早朝の川ではカルガモAnas zonorhyncha)の群れが遊泳しています。 
右に(川上に向かって)少し遡上した個体が、朝の水浴びを始めました。(@3:04〜) 
川面をスーッと横に移動して中州の方へ行く個体もいます。 
足の水かきで遡上しながら水流に対して体を少し斜めに向けるだけで、水流の力を利用して対岸へ楽に渡ることができるのです。(ベクトルの合成)
カヌーの経験者にはお馴染みの基本スキルです。 

2023/08/23

雪国の川で寒中水浴するヒヨドリの群れ【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年1月下旬・午前11:40頃・くもり 

スノーシューを履いて川沿いの雪原を散策していると、対岸でヒヨドリHypsipetes amaurotis)の群れがやかましく鳴き交わしています。 
雪をかぶった岸辺の落葉灌木に集まり、私を警戒しながらも徐々に下へ下へ降りていきます。 
きっとこれから川面で水浴びを始めるだろうと予感があったので、動画を撮り続けます。 
近くで除雪作業しているブルドーザーが後退(バック)する度に発する警報ブザーがピーピー♪うるさくて興醒めです…。
 
1羽の個体が細い止まり木から川の中へポトリと脱糞しました(@0:35〜)。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 
普段見慣れた尿酸混じりの白っぽい液状便ではなく、黒っぽい固形の糞でした。 

やがて私の予想通り、ヒヨドリたちは冷たい川で寒中水浴を始めました。 
川岸の浅瀬に飛び込んで素早く行水すると、すぐに止まり木へ戻り、水気を切ります。 
ヒヨドリに特有の一連の短い水浴行動を何度も繰り返します。 
冬は水温が冷たいから1回の水浴時間が短い訳ではなくて、どの季節でもヒヨドリはこうなのです。 


関連記事(1、2、5、9年前の撮影)▶  


冬の川で激しく水飛沫を立てるヒヨドリの水浴シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:03〜2:42) 
しかし残念ながら水浴は下火となり、ヒヨドリの群れは次々に飛び去ってしまいました。 
もっと早くからハイスピード動画モードに切り替えるべきでしたね。 
水浴の合間に止まり木から脱糞する様子もスーパースローで撮れていました。(@2:25〜) 
脱糞の際に尾羽根を持ち上げてなかったものの、この個体も黒っぽい固形糞を排泄し、川面から水飛沫が上がりました。

雪解け水が流れる川の水温を測りたくても、この日は温度計を持ってきていませんでした。
対岸の河畔林に設置されたトレイルカメラがほぼ同時間帯に記録した気温は5℃でした。  

2023/04/04

川に飛来したカワウ若鳥が着水に失敗して転倒(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後15:40頃・晴れ 

川の右岸にニセアカシア(別名ハリエンジュ)の倒木が連続している場所があり、カワウPhalacrocorax carbo hanedae)やカルガモAnas zonorhyncha)などの水鳥にとって格好の止まり木になっています。 
巣が並んでいる訳ではないので「カワウのコロニー」とは呼べませんが、大体いつもカワウが集まって休んでいます。
のんびり羽繕いしたり、カワウが濡れた翼を広げて乾かしたりしています。 

定点観察を終えた私がカメラをズームアウトしかけたら、上流から新たに1羽のカワウが低空で飛来しました。 
突風が吹いた訳でもないのに、着水に失敗しました。
右に旋回しながら着水しようとしたら、右に傾け過ぎた右翼の先をうっかり水面に引っ掛けてしまったのです。
片側から水の抵抗を急に受けたカワウは当然ながらバランスを崩し、もんどり打って転倒しました。 
カワウのこんな無様な(下手糞な)着水シーンは今まで見たことがありません。 
すぐに立ち直って川面を遊泳し始めたので、どうやら無事だったようです。 
もっとスピードが出ていたら、翼が骨折して致命的な大事故になっていたかもしれません。 
カワウ若鳥の着水失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜)
潜水に特化した体型に進化したカワウは川から離陸するのも手間取りますし(助走が必要)、飛ぶのがそもそもあまり上手くないのでしょう。

水を飲みながら川面を泳いで渡り、仲間が集まる倒木に近づきます。 
すると先客のカルガモが遠慮して倒木から離れ、止まり場所をカワウに明け渡しました。 
体格では圧倒的にカワウ>カルガモなので、力関係もそうなっているようです。 
カルガモを追い払った新参のカワウは、倒木のすぐ手前でザブンと水浴してから飛び乗りました。 
新参のカワウが止まり木でこちら(上流側)を向いてくれたので、胸の羽毛が白い若鳥と判明。 
飛行経験が未熟なのも若さゆえ、ということで納得しました。 
着水直前に急旋回すると事故る、と学習したはずです。
もしかすると、着水直前に水中に岩や怪魚の姿を認めたカワウ若鳥が慌てて緊急回避した結果だったのかもしれません。

止まり木上で隣の個体と小競り合いのように牽制し合い、適切な距離を取って並びます。(ソーシャル・ディスタンス!) 
止まり木に合流した若鳥は早速、羽繕いを始めました。 

2022/12/03

山中の池で水浴するアカゲラ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年8月上旬〜中旬・午前

山中の湧き水が溜まった泉をトレイルカメラで監視していると、アカゲラ♂(Dendrocopos major)が水浴びしに来ました。 
後頭部の羽毛が赤いので、♂と分かります。 
アカゲラの水浴シーンは初見です。

シーン1:8/13・午前8:40・晴れ 
冒頭からアカゲラ♂が池の中央の浅瀬に身を沈めて行水していました。 
すぐに右上へ飛び上がり、見失いました。 

珍しく総天然色(フルカラー)で撮れたのに、レンズに付着した雨粒が完全に乾いていません。 
奥の森が写った画面の上半分は曇ったままで、おかげで何やら幻想的な雰囲気になりました。 


シーン2:8/6・午前11:19・晴れ (@0:25〜) 
7日前にもおそらく同一個体のアカゲラ♂が来ていました。 
(旧機種の癖で、いつもの色褪せた映像に戻ってしまいました。) 
ただし、池で水浴する地点が異なります。 
対岸の浅瀬で時間をかけて繰り返し水浴していました。 
バシャバシャと水を激しく跳ね上げる度に、池の水面に波紋が広がります。 
水浴の合間に対岸の苔むした石に戻るものの、羽根の水気を切ったり羽繕いしたりすることはありませんでした。 
また行水を再開。 

里山の上空を飛び続ける飛行機の騒音がうるさいのですが、途中でアカゲラ♂がキョッ♪と一声鳴きました。 
最後に水浴後のアカゲラ♂が左岸から張り出しているカエデ灌木の枝に飛び乗ったところで、録画が打ち切られてしまいました。 
羽繕いまで撮れずに残念。

2022/12/01

池に落ちて溺れそうなセンチコガネをアメンボは襲うか?

 

2022年8月上旬・午後14:15頃・晴れ 

山中の泉に落ちたセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が水面でもがいていました。 
(泳ぐ能力を調べるようと池に放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。) 
 陸生のセンチコガネの足には水掻き用の毛が密生していないので、泳ぎは下手糞です。 
水面でいくら手足を動かしても前に進みません。 
水中に沈まないのは、浮力があるというよりも、表面張力が強く働いている印象です。
関連記事(同日の撮影)▶ オオセンチコガネ♂の水難事故
2.5時間前に別の場所で観察したオオセンチコガネが水溜りで水没していたのと対象的です。
センチコガネの体表はオオセンチコガネよりも撥水性が高いのでしょうか? 

里山の湧き水(地下水)が溜まっている浅い泉で日当たりの良い場所の水中には緑の藻が少し繁茂しています。 
池に落ちたセンチコガネの足に緑藻が絡まっているのかと思ったのですが、私の勘違いでした。 

水面に広がる波紋を感知したアメンボ(種名不詳)が数匹近寄って来ました。
センチコガネに触れたものの、獲物として襲うことはなくアメンボは離れて行きました。 
体格差があるので獲物として手強いとアメンボが判断したのか、それとも体表が鎧のような硬いクチクラで覆われている甲虫にはアメンボの口吻が突き刺さらないのでしょう。 

このままでは岸に辿り着けないまま溺れそうなので、センチコガネを救出してやりました。
池にアメンボ以外の捕食者(カエルなど)がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。
夕方に水浴しに来る野鳥が水面のセンチコガネを見つけて捕食するシーンがトレイルカメラに撮れたかな? 

「お魚観察ケース」で池の水ごとセンチコガネをすくってやると、水温が低いので透明プラスチック容器の表面がすぐに結露してしまいます。 
水滴を拭いても拭いてもすぐに曇ってしまい、容器越しの撮影は諦めました。 
容器側面に定規の目盛が刻んであったのに、ピントが合わずセンチコガネを採寸できませんでした。
後で落ち着いて考えれば、水を捨ててからじっくり撮影するべきでしたね。 
水に洗剤(界面活性剤)を垂らしてセンチコガネが水没すれば、表面張力で浮いている説が実証されたことになるでしょう。

この日は山中で溜め糞が見つからなかったので、センチコガネも家に持ち帰って飼育してみます。 
(溜め糞があれば、拾った糞虫を放って行動を観察するつもりでした。)
この個体の性別は?


さて、同じ日に糞虫(オオセンチコガネおよびセンチコガネ)の水難事故を2件も目撃したのは果たして偶然でしょうか? 
現場付近を探しても、糞虫を誘引する獣糞は落ちていませんでした。 
水に落ちる瞬間を見ていないのですが、岸辺を歩いていてうっかり池に落ちてしまったのか、それとも飛来したセンチコガネが池の眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
昆虫採集の特殊なテクニックのひとつに、イエローパントラップ(黄色水盤)という方法があります。 
水を入れた皿を野外に放置しておくと、飛来した昆虫の中にはなぜか勝手に水に飛び込んでしまう者がいて、抜け出せなくなるのだそうです。 
黄色の皿を使うのが最も効果的らしい。(黄色に誘引される) 
今回の池には緑藻が少し繁茂しており、飛んできた虫には水面が黄色っぽく見えそうです。
しかしネット検索してみても、黄色水盤で糞虫がよく採れるという情報は得られませんでした。 
虫好きの教養として知っているだけで、自分で実際に試したことはありません。 
もしかすると糞虫の新たな採集法としてパン・トラップが有効かもしれず、調べてみる価値がありそうです。

2022/11/23

オオセンチコガネ♂の水難事故

 

2022年8月上旬・午前11:30頃・晴れ 

里山の林道にできたわだちの水溜まりでオオセンチコガネ♂(Phelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)が立ち往生していました。 
地上を歩いていて水溜りにうっかり落ちてしまったのか、それとも飛来したオオセンチコガネ♂が水溜りの眩しい水面を地面と見間違えて無謀な着陸をしたのでしょうか? 
現場は里山の中腹にある平坦になったスギ植林地(カラマツが点在)を通る林道です。 
周囲でやかましく鳴いているのはエゾゼミ♂♪です。 

水溜まりに突き刺さった細い落枝にオオセンチコガネ♂がしがみついていました。 
止まり木の天辺から飛び立てば脱出できるはずなのに、困ったように何度も昇降を繰り返しています。 
離陸用の足場としては細過ぎるのか、飛び立つ前にバランスを崩してしまいます。 
背面は美しい赤紫のメタリックカラーに輝き、腹面にも美しい金属光沢があります。 
前脚の跗節に棘状の突起があるので♂と判明。 

飛ぶのを諦めたオオセンチコガネ♂は、小枝を下に伝って自発的に水中へ潜ってしまいました。
陸生甲虫のオオセンチコガネは足に水かき用の毛が密生していないので泳げません。 (水中で前に推進できない)
水底を歩いて岸に辿り着こうとしても、浮力のせいで爪先のグリップが効かず、うまく歩けません。 
泳げないのならむしろ「金づち」のように沈んでしまう方が水底を歩けて良いのです。 
遂に水中でひっくり返ってしまいました。 
不格好に水面を浮いて、目の前にある極細の落枝を必死で掴もうとしています。 (文字通り「溺れる者は藁をも掴む」) 
元の極細落枝には戻れず、なんとかスギ落葉によじ登って水面から顔を出しました。 

水中で呼吸がどれだけ続くのか、溺死の危機です。 
見かねて最後は救出しました。 
もし水溜りに捕食性の水生昆虫がいれば、そのまま成り行きを見守ったかもしれません。 
轍に溜まった濁った水中にはボウフラ(蚊の幼虫)しか居ませんでした。 

甲虫の中には水中に進出したグループもいますが(水生昆虫)、足に水かきがあったり、鞘翅と後翅の隙間に空気の泡を貯めておいて呼吸したり、様々な適応進化の結果です。 
オオセンチコガネは純粋な陸生のようで、泳ぎも潜りも下手糞と分かりました。 
(泳ぐ能力を調べるために水溜りに放り込んで実験した訳ではなく、偶然の観察記録です。)

タヌキとアナグマの溜め糞場sに向かう道中だったので、もし新鮮な溜め糞があれば放虫して行動を観察するつもりでした。 
しかし、この日は新鮮な糞が残っていなかった(糞虫に運び去られた後だった)ので、オオセンチコガネ♂をそのまま家に持ち帰って飼育することにしました。 
糞虫の専門家は野外で排便(野糞)して自分の人糞を糞虫トラップの誘引材にすることもあるそうです。 
このとき私に便意があれば「セルフィー」に挑戦したかもしれませんが、朝フィールドに出る前にしっかり済ませてきていました。 

興味深いことに、同じ日に別の場所で同様の水難事故に再び遭遇しました。 


 

↑【おまけの動画】 
もう少し長い完全版をブログ限定で公開しておきます。 
小枝の天辺からじきに翅を広げて飛び立つだろうと予想した私は、実はハイスピード動画に切り替えて撮影していました。(@0:19〜0:35) 
ところが細い小枝は足場が安定しないのか、いつまで経っても飛び立とうとしません。 
スローモーションにする意味がないので、早回し加工して等倍速に戻してお見せします。 (手ブレが酷いです。) 
飛べないと分かった私は、通常のFHD動画モードに戻して撮影を続けました。

2022/11/22

山中の池で水浴するカケスの幼鳥【野鳥:トレイルカメラ】

 

2022年8月上旬・午後17:45頃・晴れ 

旧機種のトレイルカメラ(自動撮影カメラ)で監視している山中の泉で、夕方にカケスGarrulus glandarius)が水浴していました。 
頭頂部の白黒縦斑点が薄いので、幼鳥ではないかと思います。 
此岸付近の浅瀬で元気に行水しています。 
さっぱりしたカケス幼鳥は真上に飛び上がり、画角の外へ消えました。 
奥の森から夕日が射しています(逆光)。
関連記事(1、10ヶ月前の撮影)▶  
山中の池で水浴するカケス【野鳥:トレイルカメラ】 
山中の水場で水浴するカケス(野鳥)【トレイルカメラ】
過去の記録でも撮影した時間帯はいずれも夕方でした。 
どうやらカケスは夕方に好んで水浴するようです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施し、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


 

↑【おまけの動画】 「Eurasian jays pass marshmallow test, linking self-control with intelligence in birds」 by New Scientist

2022/10/19

夜の池で浅瀬を泳ぐ野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月下旬・午後21:55頃 

山中の泉をトレイルカメラ(自動撮影カメラ)で監視していると、夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が左岸に現れました。 
普段なら岸をぐるっと回り込むのに、近道するためか浅瀬を泳いで此岸に渡ったので驚きました。 
野ネズミの水泳シーンは初見です。 
水を怖がらないのですね。

画面の左下隅にしばらく居座り、何かしています。
鼻面を何度も水につけて手で顔を洗っているように見えるのですけど、どうでしょう?(水浴行動?)
まさか、左岸付近に集結して蠢いているオタマジャクシを捕食しようとしているのでしょうか? 
後半はカメラの死角に入り、見えません。 

ランダムに記事を読む