2025/10/12
池畔のマユミ枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【微速度撮影#8】
2025/09/05
ニホンザルの若い♂を巡って争う2頭の♀(非繁殖期のマウンティング)
「ガーニー(gurney)」は、サル類の行動学で使われる用語で、上下の歯を見せて口を横に大きく開く表情行動を指します。これは、リップスマッキング(唇をパクパクさせる親和的サイン)と並んで、服従や緊張緩和、親和的なコミュニケーションの場面でよく見られます。 ガーニーは、特に相手に対して敵意がないことや、優位性を認めていることを示すサインとして使われることが多く、**「服従の意を示す表情」**とも言われます。 (Perplexity AIの回答を引用)♀同士の小競り合いを仲裁するかのように♂が年上♀aを追いかけ、背後から再びマウンティングしました。
♀aが♀bに割り込んだり威嚇したりする行動は、単なる「嫉妬」ではなく、♂との関係や自分の社会的地位を守ろうとする社会的競合の表れと考えられます。ニホンザル社会では、特定の個体との親和的な関係(毛繕い、接近、同席など)が他個体との間で競争の対象となることがよくあります。
ニホンザルは母系社会で、オスは群れを移籍する一方、メスは生まれた群れで一生暮らします。そのため、メスの順位は主に母系を中心に決まりますが、特定の強いオスとの関係がメスの社会的地位向上に影響することもあります。 特に、アルファオスと親しい、あるいは多くのメスから注目されるオスと懇ろなメスは、群れ内での支持や優位を得やすくなります。ただし、順位関係は単純なものではなく、メス同士の家系的なつながりや群れの社会構造も複雑に関与しています。 また、オスの順位は戦いや競争で決まるだけでなく、メスの支持や社会的協力も重要な要素です。つまり、オスとメスの順位関係は相互に影響し合う社会的なものだと言えます。しかし、今回2頭の♀が取り合った♂はボス猿(α♂)にしては若すぎる気がします。
ニホンザルの社会において、順位の低いオスを巡っても、そのオスが特に魅力的であったり、優しい性格であったりする場合には、メス同士が争うことは十分にあり得ます。 理由としては、順位が低いオスでも、彼が持つ個別の魅力や社会的なつながり、例えば育児協力や防御の面で有利であることが評価されるためです。実際、繁殖相手としてだけでなく、社会的ネットワークや安全保障の観点から特定のオスを好むメスもいます。 また、順位の高いオスが必ずしも全てのメスから支持されるわけではなく、メス個体の選好や関係性が多様であることも知られています。そうした状況下で、順位の低いオスを巡ってメス同士が競合することは自然な社会的現象です。
知能の高いニホンザルは、生存のための基本的な行動以外にも社会生活が複雑です。
群れの全個体を識別した上で長期観察すれば、色々と面白いドラマが見えてくるはずです。
しかし、それだけでライフワークになってしまいます。
コナラの樹液に群がるヨツボシケシキスイ♀♂とスジクワガタ♀
2025/08/31
電線で交尾するスズメ♀♂【野鳥:ハイスピード動画】
スズメは1年に 2〜3回、多い場合は4回ほど繁殖 することがあります。北日本の郊外では:第1回繁殖:4月〜5月第2回繁殖:6月〜7月第3回繁殖:7月下旬〜8月上旬気温や餌の量が減り、換羽期に入ると繁殖活動は終了します。北日本では 8月中旬以降はほぼ交尾は観察されない と考えてよいです。
今回のように下から見上げる形で観察・撮影していた場合、♀にとっては「近くに潜在的な脅威あり」と感じ、自然に交尾を拒否する行動が強まった可能性が高いです。つまり、交尾未遂は**♀の心理的・環境的要因による一時的な拒否**の結果である可能性があります。これは♀の繁殖戦略や精子選択の意思とは直接関係せず、安全確保のための行動として理解できます。この場合、オスの欲求不満や羽毛逆立ちも、♀の拒否に起因して生じた「未遂反応」と考えるのが自然です。
2025/08/17
池畔のハルニレ枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【微速度撮影#6】
2025/08/07
池畔のミヤマガマズミの枝先に産み付けたモリアオガエル♀♂の泡巣【微速度撮影#5】
2025/08/01
池畔のマユミとハルニレの枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#4】
2025/07/25
池の水面に溶け落ちたモリアオガエルの泡巣に集まり吸汁・交尾するアメンボ♀♂
2025/07/13
モンシロチョウ♀が♂2頭の求愛を拒みながら脱糞?!
- モンシロチョウは成虫になると花蜜しか摂取しませんから固形の糞を排泄することはありない…はずです。 この定説が間違っていたのでしょうか?
- ♀が未成熟の卵を産みかけたのかもしれません。 しかし未成熟だからといって、モンシロチョウの卵に特徴的な紡錘形が異常に歪んだりすることはないらしい。
- 蛹から成虫が羽化して翅を広げる際に使った羽化液(蛹便)が腹端で凝固したのでしょうか? 私はまだモンシロチョウの飼育経験がありませんが、モンシロチョウの羽化液(蛹便)は黄色っぽいらしい。 ところが、今回観察した♀個体は右前翅の翅頂が欠けていて、羽化直後ではなさそうです。
- 花粉などのゴミがたまたま腹端に付着しただけのような気がしてきました。
- モンシロチョウの交尾後、♂の精包(spermatophore)が♀の腹端外部に付着したまま残ることはありません。チョウ類の交尾では、♂が精包を♀の生殖器内部(bursa copulatrix)に挿入・移動させます。精包は、♀の体内の袋状器官(バルサ・コプラトリックス)内に完全に収められ、外部に露出することはありません。やがて精包は♀の体内で消化・分解されますが、殻(外被)は♀の体内に残ります。ウスバアゲハなど一部の昆虫では、交尾後に「交尾栓(スフラギス=sphragis)」と呼ばれる構造物が♀の生殖孔外部に貞操帯として形成されることがありますが、モンシロチョウでは形成されません。
2025/07/07
モリアオガエル泡巣の表面で交尾するヤマトシリアゲ春型♀♂
2025/06/20
池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#2】
2025/06/17
ヤマキヒゲナガ♂の群飛とレック形成【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】
小型。♂の触角は前翅長の3倍以上と非常に長い。♀の触角は♂の半分以下と短く、基半部に黒い毛が生え太く見える種が多い。♂は昼間長い触角をたなびかせて競い合うように群飛する。 (p15より引用)『日本動物大百科9昆虫II』によれば、
ヒゲナガガ科には群飛する種と群飛しない種がいる。(中略)クロハネシロヒゲナガは、日中、草地を低くとびかうのが見られ、多数の♂が同じ場所で白い触角を目立たせて飛翔することもあるが、これらの♂は互いにまったく無関心で干渉がないように見える。 群飛をするホソオビヒゲナガでは、♂がからみあって上下するような飛翔をする。樹上のかなり高い位置で群飛することもあり、カ類の群飛と見まちがえることもある。(p71より引用)
ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。(p25より引用)ヒゲナガガ科の♂は多数が集まって求愛のためのレックを形成し、群飛で♀を誘引して飛びながら交尾するのだそうです。
資源とは特に関係の無い場所に集まった雄が、そこで小さな縄張りを作り、求愛のディスプレイを行う。 このような行動をする雄たちをレック (lek) という。レックが求愛のディスプレイで自分をアピールし、雌を呼び寄せて交尾をするというのがレック型一夫多妻である。ヤマキヒゲナガ幼虫の食草が何なのか、解明されていないそうです。
ヤマキヒゲナガ♂の群飛行動と配偶システムに関する考察
Ⅰ. 観察概要
日時・場所:2024年5月下旬・山形県の里山(草木に覆われた山腹の急斜面)
気象条件:曇天・無風状態
行動特徴:
少なくとも4頭の♂が同一空間で緩やかな群飛
飛翔個体に加え、シダ植物と広葉樹幼木(推定:ニワトコ・オシダ?)に静止する♂が混在
オス同士の闘争行動は確認されず
メスおよび交尾行動は未観察
Ⅱ. 行動生態学的解釈
1. 群飛の機能仮説
レック型配偶システム:
オスが特定の微気象条件(風速・日照)下で集団飛翔し、メスの訪問を待機1
ヒロオビヒゲナガ(N. raddei)の日没前スウォーム行動との類似性
待機戦略の多様性:
飛翔個体:視覚的アピールによるメス誘引
静止個体:エネルギー節約型の待機戦略
2. 触角の形態と機能
オス触角の特徴:
体長の3倍に達する糸状触角(全長約15mm)
表面積は♀触角(毛密生)の1/5以下
機能仮説:
フェロモン検知:未検証(従来説の再考必要)
飛翔安定装置:長い触角が「生物学的スタビライザー」として機能6
視覚シグナル:光反射による個体間通信
3. フェロモンシステムの特殊性
従来説との矛盾:
ヒゲナガガ科では♀発信型フェロモンが主流とされる
本種では♂がフェロモンを放出している可能性
二重機能仮説:
オスフェロモンが同性を集合させ(集合フェロモン)、同時に♀を誘引
Ⅲ. 未解決問題と研究課題
1. 行動メカニズム
群飛形成の誘引要因(化学的/視覚的/地形的)
静止個体と飛翔個体の役割分業
メスの出現パターンと時間帯依存性
2. 生理学的課題
触角切除実験による飛翔安定性の定量評価
分泌物質のGC-MS分析によるフェロモン同定
触角感覚器の走査型電子顕微鏡観察
3. 進化的意義
小型化(体長5-7mm)と触角長大化の相関
レイノルズ数(慣性力と粘性力の比)低下環境(体長比Re≈100)での飛翔制御適応
種特異的フェロモンシステムの分子基盤
Ⅳ. 今後の観察指針
時間帯別行動記録:日出~日没まで1時間毎の個体数変動
環境要因記録:
気温・湿度・風速の連続測定
植物フェノロジー(開花・新芽展開)との関連
標識再捕法:
蛍光粉末による個体追跡
行動圏と移動距離の推定
総括
本観察はヒゲナガガ科の配偶システム解明において以下を示唆:
従来の「♀発信型フェロモン」モデルに当てはまらない可能性
触角の多機能性(感覚・飛翔制御・視覚信号)の共存
レック行動の多様性(闘争なき集団形成)
- https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9939265/
- https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ao-kendo/files/H24dmns-1.pdf
- https://www.city.hiroshima.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/011/855/45554.pdf
- https://hs-gakko.org/wp-content/uploads/2024/03/ikimono.pdf
- http://www.esj.ne.jp/meeting/51/pdf/book/jes51p2.pdf
- interests.insect_physiology
- http://www.jpmoth.org/Adelidae/Adelinae/Nemophora_japonica.html
- https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/assessment/document1408/kanagawa/_pdf/eis2_kanagawah14.pdf
- https://www.city.minokamo.lg.jp/uploaded/attachment/2441.pdf
- https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/uploaded/attachment/8659.pdf
- https://www.ars.usda.gov/ARSUserFiles/20200500/Pubs%202020/HullFonagy%202019.pdf
2025/06/10
池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#1】
2025/04/26
キリウジガガンボ♀♂の交尾と連結飛翔【FHD動画&ハイスピード動画】
2025/04/23
ニワハンミョウ♂の求愛と♀による交尾拒否
ニワハンミョウ(Cicindela japana)の交尾回数に関する直接的なデータは限られていますが、ハンミョウ類全般の生態から推察すると、♀は複数回交尾する可能性が高いと考えられます。(後略)
日本のナミハンミョウでは、交尾後に再び同じ個体と交尾する事例が報告されています。 (参考ブログ記事 by 年金暮し団塊世代さん)
また、Perplexityが教えてくれた次の論文(Pseudoxycheila属の同所性ハンミョウ2種の交尾行動について)も面白そうなので、これからPDFをダウンロードして読んでみます。
TIGREROS, Natasha; KATTAN, Gustavo H. Mating behavior in two sympatric species of Andean tiger beetles (Cicindelidae). Bol Mus Entomol Univ Valle, 2008, 9: 22-28.