2024年7月上旬・午前3:50頃
アンズ(杏)の木の下で拾い集めた落果を1箇所にまとめて置き、自動撮影カメラで見張っています。
未明に低空で飛び回っていた1頭の蛾(種名不詳)が、アンズ落果の山に着地しました。
熟したアンズ果実の芳香に誘引されて夜蛾が飛来したのでしょう。
これからというところで録画が打ち切られてしまいましたが、おそらく口吻を伸ばして滲み出る果汁を吸汁するはずです。
蛾は変温動物ですから、本来トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずです。
実はこの直前に野ネズミが来ていたので、たまたま撮れた映像のようです。
関連記事(年前の撮影)▶ 野ネズミはアンズの落果を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】
夜行性の蛾の中には、果樹園の害虫として嫌われている果実吸蛾類がいます。
落果から吸汁する分には問題ないのですが、樹上で実っている果実に蛾が口吻を突き刺して吸汁すると、その刺傷から果実の腐敗や感染が広がって商品価値が失われます。
果樹園農家はこうした吸蛾類の防除に昔から苦労しているのです。
対策としては、なるべく殺虫剤を散布したくないので、果実を1つずつ袋掛けをしたり、果樹を目の細かい網で覆ったり、誘蛾灯を設置したりするそうです。
『原色図鑑 夜蛾百種: 吸蛾類を中心として』という書籍によると、
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・果実吸蛾類とは、多くの種類の果実に口器を刺し込んで果汁を吸汁する蛾類を総称していう。
・多くが鱗翅目ヤガ科に属することと、その加害活動が主に夜間に限られることが特徴。
・吸蛾類は成熟して軟化した果実、また高い甘みをもつ果実を好む。
・加害を受けた果実は、二次的に菌類が寄生するなどして、やがて腐敗する。
・成虫は丈夫な鋭い口器をもち、成熟前のかなり硬い果実も吸収するほか、袋の掛った果実でも果袋を通して吸収加害する能力をもっている。 (以上、p106より抜き書き引用)
虫好き・蛾好きとしては、夜な夜な果樹園を巡って蛾を探してみるのも面白そうです。(もちろん立ち入る許可が必要です。)
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