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2026/04/24

厳冬期の雪国でオニグルミの木によじ登ってトレイルカメラを覗き込んだのはニホンザル?【トレイルカメラ】

 



2025年1月下旬

シーン0:1/20・午後12:59・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
雪深い休耕地で、ホンドタヌキの家族が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
気温29℃と記録されていますが、そんなはずはありません。 
黒っぽいトレイルカメラが雪原の照り返しと直射日光をダブルで浴びて過熱したようです。 


シーン1:1/22・午後15:04・くもり・気温22℃(@0:00〜) 
いきなり画面の右からニホンザルMacaca fuscata fuscata)と思われる野生動物の頬の毛(薄い黄土色)が至近距離で写りました。 
監視カメラを固定してあるオニグルミの落葉灌木によじ登り、興味津々でレンズを覗き込んだようです。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、猿の顔がしっかり写っていなかったのが残念です。 
その後も木登り(あるいは木下り)する物音がゴソゴソとかすかに聞こえました。 
ニホンザルの餌となるような物は、オニグルミの樹上に何もなかったはずです。

他に木登りできる野生動物として、冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が考えられますが、夜行性なので、明るい昼間に写る可能性は低いでしょう。 
ハクビシンも木登り出来ますが、顔の毛並みの色が全く違います。 


つづく→次回はニホンザルの群れがしっかり写りました

2026/04/19

カキノキ大木からニホンザルが下りる方法(4)木登りに使った竹竿を経由する場合【トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶ カキノキ大木からニホンザルが下りる方法(3)幹にしがみついてずり落ちる場合【トレイルカメラ】 


2025年1月下旬 

厳冬期に果実を食べ尽くしてもカキノキ巨木に頻繁に登るニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:1/24・午前10:36・晴れ(@0:00〜) 
カキノキの樹上からスルスルと幹を下ってくるニホンザル個体に注目して下さい。 
幹の根元に立て掛けてある竹竿を経由して、雪面に慎重に降りました。 
頭を上にした体勢のまま、竹竿を手足で握って梯子のように降りていきます。 



シーン2:1/24・午前11:22・晴れ(@0:49〜) 
約50分後。 
監視カメラの起動が遅れてしまいましたが、ニホンザルが竹竿を伝って雪面に降り立つところでした。 
最後も竹竿から飛び降りずに、慎重に降りました。 

動画の画質が色々と残念なのですが、もしかして、この個体は黒い首輪を装着していますかね? 
雪原を奥へ歩き去る途中で何度もカキノキを振り返っています。 


※ 旧機種のトレイルカメラで撮った映像の色味が異常だったり明滅したりと、あまりにも見苦しいので、動画編集時にモノクロ加工を施しました。 


つづく→ 


【考察】 
初めて見る木下り法で、感動しました。
この竹竿は、木登りする際にもニホンザルがよく利用していた物です。 

2本の竹竿が並べて置いてあるのですが、上端がカキノキ幹の又の部分にしっかり挟まるように立て掛けてある右の竹竿(安定した足場)を選んで、ニホンザルはカキノキの登り降りに使っていました。 
この木下り法(4)が最も高度な知性を感じます。

竹竿を経由して木下りしたニホンザルが同一個体なのか別個体なのか、私には自信を持って見分けられませんでした。
(首輪の有無で別個体?)
少なくとも、幼獣ではなさそうです。

竹竿は明らかに誰かヒトが立て掛けておいた人工物なので、「もしや野生ニホンザルによる道具使用なのか?」と興奮しました。
しかし、ニホンザルが野生の樹木に巻き付いている太い蔓を経由して登り下りに使う行動の自然な延長でしょう。 



ChatGPTに相談してみました。 

Q1: 同じカキノキ大木で、樹上で過ごしたニホンザルが地上(雪面)に下りる際に、様々な降り方をしていた。一部の個体は、木登りに使った竹竿(カキノキの幹に立て掛けてある)を逆に辿って慎重に降りていた。

A1: とても筋の通った観察です。この場合のニホンザルの行動は、前に議論した枠組みで言えば

use of environmental structures(環境構造の利用)

にきれいに収まります。


1. 上りと下りで同じ構造を使う意味

竹竿を

  • 上りで使う

  • 下りでも逆に辿る

というのは、

「通路(route)」として一貫して認識されている

ことを示唆します。

単なる偶然の足場ではなく、

  • そこが安全に通れる経路である
    という理解がある可能性が高いです。


2. 下りで使うことの重要性

むしろ注目すべきは「下り」です。

樹上からの下降は:

  • 重力方向で制御が難しい

  • 滑落リスクが高い

そのため

安全な支持構造の選択がより重要になる


3. 行動の解釈

竹竿を使って慎重に降りる個体は:

  • 把持しやすい細さ

  • 連続した支持点

  • 安定性

を利用して

リスクを下げる経路を選択している

と考えられます。


4. 個体差の意味

「様々な降り方」があるのも重要です。

例えば:

  • 竹竿を使う個体

  • 幹を直接降りる個体

  • 枝伝いに降りる個体

これは

リスク許容・経験・身体能力の差

を反映している可能性があります。


5. これが示すこと

この観察は、

  • 竹竿=単なる偶然の足場ではなく

  • 行動選択の中で評価される構造

であることを補強します。

しかも

  • 上りだけでなく下りにも使われる

ことで、

機能の一般化(双方向利用)

が見えてきます。


まとめ

このケースは:

  • 道具使用ではないが

  • 安定した構造を選び、経路として利用する高度な環境利用

の良い例です。


もしさらに見るなら、

  • 下りで竹竿を使う個体は毎回同じか

  • 幼獣がいつ竹竿で降りられるようになるか

といった点が分かると、行動の発達や学習の側面まで見えてきます。

2026/04/17

カキノキ大木からニホンザルが下りる方法(3)幹にしがみついてずり落ちる場合【トレイルカメラ】

 



2025年1月下旬・午前10:35頃・くもり

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが登るカキノキの大木を自動センサーカメラで見張っています。

子猿を腰に乗せた母猿が、雪原の獣道を歩き去ります。 
落葉したカキノキ大木の枝が揺れているということは、その枝を使って木下りした直後なのでしょう。 

しばらくすると、樹上から若い別個体が降りてきて、下の枝に身軽に飛び降りました。 
枝先をスルスルと下り、最後はぶら下がらず一気に雪面に飛び降りました。 
両足から着地してますし、地上の積雪が緩衝材となって着地の衝撃を和らげたはずですが、今まで見たなかで最も怪我のリスクが高い無鉄砲な木下り方でした。 


やんちゃな若い猿は、そのまま雪原を駆け去りました。 


次に、幼い子猿を腹にしがみつかせた母親♀がカキノキの梢から降りてきました。(@0:31〜) 
太い横枝に母子が並んで座りました。 


ここからが本題です。(@0:34〜) 
左上の太い幹から降りてきた別の母子に注目して下さい。 
幼い子猿を腰に乗せた母親♀が、頭を上にした体勢で幹にしがみついたまま、ずり落ちてきました。 
ニホンザルのこんな木下り術は初見です。 
幼い子猿をおんぶして運びながら幹を更にずり落ち、最後は安全な高さから雪面に飛び降りました。 
その母子も雪原の獣道を辿って奥に歩き去ります。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
監視カメラによる90秒間の録画で、最も危ない(大胆な)木下りと最も慎重な木下りが撮れていて、その対比が興味深いです。 
子連れの母親♀が全員、今回のように安全第一でカキノキ大木から下りる訳ではないので、母親の性格や身体能力に個性(個体差)があるのでしょう。 
ニホンザルなのに高所恐怖症気味の個体がいるとしたら、面白い話です。
これは私の勝手な想像ですが、この母親♀も若い頃に高所から無茶な飛び降りをして怪我をしたことがあり、そのトラウマがあったり古傷が痛むのかもしれません。


つづく→

2026/04/11

★カキノキ大木からニホンザルが下りる方法(2)枝先にぶら下がってから雪面に前足で着地する場合【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬〜下旬 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)がカキノキで木登り、採食した後にどうやって地上に降りるか、という行動を取り上げます。
普通の降り方をしない場合がトレイルカメラに撮れていたのです。

シーン1:1/20・午前9:33・くもり(@0:00〜) 
おそらくカキノキから下りてきた直後と思われる母親♀が、子猿を腹にしがみつかせたまま雪原を歩き去ります。 

しばらくすると、別個体が樹冠部から下の枝に降りてきました。
ここからが本題です。 (@0:34〜) 
下の横枝に身軽に飛び移り、細い枝先に後足でぶら下がってから、雪面に跳び下りました。 
このとき、前足から着地したのが珍しいです(普通ではない)。 
どうやら若い個体のようです。 
ニホンザルがカキノキの枝から雪面に降りる普通の方法については、他の記事にまとめました。(映像公開予定)


その後は、雪原を早足に奥へ遊動して行きます。 
他の多くの個体と違って、柵(畑の支柱?)を次々と乗り越えずに、下をくぐって行きました。 
いちいち独創的な動きをするのは、若い個体に特有なのかもしれません。 
ニホンザルも加齢とともに、保守的な行動になるのでしょう。 


シーン2:1/24・午前10:38・晴れ(@1:12〜) 
快晴で雪原の照り返しが眩しく、おまけに旧機種のトレイルカメラの映像が謎に点滅して見苦しいので、モノクロに加工しました。 

樹上に居た若いニホンザルが、するすると降りてきました。
細い枝先に後足でぶら下がり、雪原の獣道に飛び降りました。 
この個体も、珍しく前足から雪面に着地しました。 
猿が飛び降りた後も、カキノキの枝がしばらく揺れています。 

雪原を奥に歩き去る途中で、畑の支柱(柵?)に座って休みました。 
次の柵に跳び移り、奥へ遊動して行きます。 
元気があり余った若い個体のようです。 
雪原に連続する障害物(畑の支柱? 柵?)を突破する方法がシーン1とは違っていたので、別個体ではないかと想像しています。 
(柵に対して体高が違うのかもしれません。)
実は、猿たちが向かった行き先には、別のカキノキ大木があります。


※ 動画編集時に自動色調補正やモノクロ加工を施しています。 


【考察】
地面に雪が積もってクッション(緩衝材)になっているので、多少無茶しても着地の衝撃が和らいでいるのかもしれません。
高所から飛び降りて着地の際に足首や手首を捻挫したり骨折したりしたら、野生のニホンザルにとって大事おおごとになります。
体重の軽い幼獣の時期は頭から先に飛び降りて前足で着地しても平気なようですが、体重の重い成獣になると足から先に飛び降りて、後足で慎重に着地するようになります。
後脚の方が筋力があるので、着地の衝撃を吸収できるのでしょう。

ChatGPTに色々と相談してみました。


つづく→

2026/04/09

カキノキ大木からニホンザルが下りる方法(1)枝先にぶら下がってから雪面に後足で着地する場合【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬〜下旬 

カキノキ大木に登って、梢に残った熟果を食べたり、樹上で日光浴したりした後で、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)たちは木から下りて、雪原を遊動します。 
猿たちは色々な方法で地上に降りていました。

例えば、落葉した細い枝先にぶら下がってから落ちます。
 「猿も(柿の)木から落ちる」どう落ちる?という問題をまず扱います。 
地面に大雪が積もっていると、雪が緩衝材となって着地の衝撃を和らげてくれます。 
(1)一番多いのは、カキノキ樹上のニホンザルが下の枝まで降りてきて細い枝先を両手で握ってぶら下がってから、手を離して両足から雪面に着地する方法です。 
そのような比較的安全な木下り方を、今回の動画にまとめました。 
(2)逆に、ニホンザルが頭を下にしてカキノキの下の枝まで降りてきて、細い枝先を後足の指で器用に握って真っ逆さまにぶら下がってから、足を離して両手から雪面に着地する方法があります。 
ややリスキーな木下り法(2)については、次回の記事にまとめます。 

カキノキ樹上のニホンザルが、垂れ下がった細い枝のなるべく先端まで降りてきてから両手でぶら下がると、その状態でもう両足が雪面に着くことがあります。 
その場合は、握った手を離しても落ちる必要はありません。 
最も慎重な安全重視のニホンザル個体は、そのような木下り法をするようです。 

まだ木登りが苦手な幼い子猿を腹や背中(腰)にしがみつかせたままカキノキ樹上で活動している母親♀がいます。 
子猿という荷物を運んでいる分、単独個体よりも体重が重くなる訳ですが、それでも方法(1)で果敢に雪面へ飛び下りていました。 
母猿はもちろん、運んでいる子猿が怪我することもありません。 


シーン0:1/3・(@0:00〜) 

シーン1:1/7・(@0:03〜) 

シーン2:1/9・(@0:06〜) 

シーン3:1/10・(@0:10〜) 

シーン4:1/11・(@0:35〜) 

シーン5:1/13・(@0:38〜) 
トレイルカメラの誤作動で撮れた映像をつなげて、厳冬期の雪国の変わりやすい気象条件をお伝えしました。 
ここからが本題です。 

シーン6:1/17(@0:43〜) 

シーン7:1/19・午前後(@2:22〜) 

シーン8:1/20・午前後(@3:49〜) 

シーン9:1/21・午前後(@5:08〜) 

シーン10:1/22・午前後(@5:31〜) 

シーン11:1/23・午前後(@8:09〜) 

シーン12:1/25・午前後(@8:12〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正やモノクロ加工を施しています。 




【考察】
ChatGPTに色々と相談してみました。

Q1: 二足歩行するヒトの場合は明らかに後脚のほうが前脚よりも筋力が強いが、ニホンザルも同じか? 四足歩行のニホンザルは着地の衝撃を和らげて安全に着地するために、足から先に飛び降りる(feet first)ことが多い、という論理展開をしたいのです。

A1: 結論から言うと、その論理は大筋では成立しますが、「ヒトと同じ理由で後肢が明確に強いから」という単純化は少し危険です。少しだけ補強すると、かなり説得力のある説明になります。

1. ニホンザルの前肢・後肢の筋力関係

ニホンザル は四足歩行(厳密には四肢運動)を基本とするため、

  • ヒトほど極端な「後肢偏重」ではない

  • 前肢も支持・把握・登攀に強く関与する

ただしそれでも、

  • 推進力・跳躍・着地の衝撃吸収は主に後肢が担う

  • 股関節・大腿・下腿の筋群はしっかり発達している

という点では、機能的には後肢優位です。


2. 「feet first」で降りる理由

ニホンザルが木から降りるときに feet first を選ぶ理由は、単に筋力差というよりも、以下の複合要因で説明すると自然です。

(1) 衝撃吸収に有利

  • 後肢は関節(股・膝・足首)が大きく可動し、

  • バネのように衝撃を吸収できる

→ これはヒトと同様の力学的利点


(2) 姿勢制御がしやすい

  • 頭を上に保つことで視野を確保できる

  • 着地点を確認しながら降りられる


(3) 樹上から地上への移行に適した運動パターン

  • 地上では四足姿勢に移行する必要があるため、

  • 後肢から接地 → 前肢を続ける方がスムーズ


4. 注意点(重要)

避けた方がよい単純化:

  • 「前肢より後肢の筋力が強いから feet first」
    → ヒトほど明確ではないので、専門的にはやや粗い

代わりに:

  • 機能的役割(shock absorption / propulsion)

  • 運動力学(impact absorption)

で説明するのが安全です。



Q2: ニホンザルは、体重の軽い幼獣の時期は頭から先に木から飛び降りて前足で着地しても平気なようですが、体重の重い成獣になると足から先に飛び降りて、後足で慎重に着地する印象があります。

A2: その観察はかなり筋が通っています。ただし、やはり**「筋力差」よりも「体重と衝撃の問題」**として整理すると、より自然で強い説明になります。

解釈のポイント

ニホンザル の場合:

幼獣(軽い個体)

  • 体重が軽く、落下時の運動エネルギーが小さい

  • 前肢での着地でも負担が少ない

  • 柔軟性も高く、多少ラフな動きでも問題になりにくい

headfirst descent や forelimb landing も許容されやすい


成獣(重い個体)

  • 体重が増え、落下エネルギーが大きくなる

  • 前肢で受けると負担・リスクが高い

  • 後肢のほうが関節が大きく、衝撃吸収に適している

feet-first landing(後肢着地)がより安全



Q3: feet-firstの場合、枝先に両手で掴まってぶら下がっても、足が雪面に着かないので、最後は手を離して落ちて両足で着地したのです。head-first, forelimb landingの場合は、枝先に後足で掴まってぶら下がってから、最後は枝を離して落下して前足で着地したのです。勢いをつけてジャンプした(跳び下りた)、というのとは違います。

A3: ポイント(重要)

この書き方の利点は:

  • 「跳んだ」のか「落ちた」のか曖昧にならない
  • 行動の順序が明確
  • 力学的な違い(push vs release)を正確に表現できる

今回のニュアンスなら日本語でも

  • 「ぶら下がってから手を離して落下し…」
  • 「保持を解いて落ち…」

の方が、「飛び降りる/跳び降りる」よりも正確です。






2026/04/07

厳冬期の雪国でカキノキ巨木に通って来る、首輪を装着したニホンザル母子【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬〜下旬 

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
郊外でスギの防風林に囲まれた畑の端に聳え立つカキノキの巨大な古木を自動センサーカメラで見張っています。 
落葉した枝には年が明けても、まだ熟果がたわわに実っています。 

とあるニホンザルMacaca fuscata fuscata)母子の登場シーンを以下にまとめました。 
この成獣♀には黒い首輪(おそらくGPS付き)が装着してあるので、群れで遊動していても個体識別が可能です。 


シーン1:1/7・午後12:33・晴れ(@0:03〜) 

シーン2:1/11・午前8:43・くもり(@0:06〜) 
夜に降った雪が止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 


シーン3:1/12・午後14:20・晴れ(@0:10〜) 
カキノキの手前の雪原に、黒い首輪を装着した成獣♀と子猿が来ていました。 
抱えている子猿がキキキッ♪と鳴きながら、なぜか激しく暴れています。 
ぐずる子猿を腹にしがみつかせてから、右へ立ち去りました。 


シーン4:1/22・午後12:01・くもり(@0:23〜) 
10日後の昼下がり。 
奥の雪原を左から右へ子猿をおんぶしたまま遊動するニホンザル♀がいますが、今回注目すべき主役(♀首輪)は画面右上のカキノキ樹上に腰掛けていました。 
子猿も母親♀の右隣りに隠れて居ました。 

♀首輪が先導してカキノキの枝先から降り始めました。 
枝先にぶら下がって雪面に飛び降りるつもりのようですが、着地まで見届ける前に録画が打ち切られてしまいました。 
子猿も母親♀首輪の後からついて来ています。(自力で木下り) 


シーン3:1/23・午後15:17・くもり(@0:47〜) 
翌日の午後。 
首輪なしの母親♀が、子猿をおんぶしたまま(腰に乗せた状態)、カキノキ大木の幹の股の部分までよじ登っていました。 
そこまで来ると、子猿が母親♀の背中から幹に飛び降りました。 
太い幹だと子猿は自力で雪面からよじ登るのが難しいので、母親♀に連れてきてもらう必要があるのです。 
(太い幹を攻略する裏技があるのですが、それについては後述。) 

♀首輪がカキノキの横枝に座ると、その胸に子猿がしがみつきました。 
母子が珍しくカメラに向かって座ってくれました。 
母から子への対他毛繕いはしませんでした。 

その間に、雪原を奥から手前に向かって別の母子が遊動してきます。 
後から来た母親♀が黒い首輪を装着していました。 
我先に走って来た子猿が、柿の木の幹に立て掛けてあった竹竿を使って、カキノキによじ登りました。 
後からついてきた♀首輪も、竹竿を経由してカキノキに登ると、横枝に腰掛けて痒い体を掻きました。 
右の枝先まで行っていた子猿が左に走って戻ると、♀首輪の背中を踏み台にしてから別の幹を登りました。 
♀首輪もその後を追ってカキノキ樹冠部に姿を消しました。 

先に樹上に来ていた母子は、首輪母子に遠慮したのか?上の枝にさっさと移動していました。 
樹上に残った熟柿を採食しているのでしょう。 
子猿同士は遊び仲間なのかもしれません。

これが、1/23最後の記録になりました。 
ニホンザルの群れの一部がカキノキの樹上に残ってそのまま塒入りしたのではないかと想像しています。 
日の入り時刻は午後16:55。 
監視カメラの画角が狭いので、塒入りの証拠映像を撮るのが難しいのです。 


シーン4:1/24・午前7:50(@2:02〜) 
翌日の朝、首輪装着♀が、監視カメラを向いてカキノキの太い横枝に座っていました。 
頬袋に詰め込んだ餌(おそらく熟した柿の実)をもぐもぐと咀嚼しています。 

さらに上の幹へ身軽によじ登り、姿が見えなくなりました。 


シーン5:1/24・午前8:56(@2:18〜) 
約1時間後。 いつの間にか首輪の母子はカキノキから地上(雪原)に降りていたようです。 
(下りるシーンを撮り損ねました。) 

先行する子猿が既にカキノキの横枝までさっさと登っていて、更に右の細い枝先へと移動しました。 
母親の♀首輪が右手前から雪原を歩いて来ると、幹に立て掛けてある竹竿を使って柿の木に登りました。 

♀首輪が上の横枝に座ると、子猿も近寄ってきて横に並んで座りました。 
しかし、遊びたい盛りの子猿は落ち着かず、母親♀の肩を乗り越えて横枝を右往左往しています。 
最後は母子共に樹冠部の死角に姿を消しました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
首輪という分かりやすい特徴をもとに、個体識別したニホンザル♀とその子猿の行動をまとめることができました。 

1月も後半になるとカキノキ樹上に餌となる果実はもう残っていないのかもしれませんが、それでもニホンザルたちが頻繁にやって来て樹上に登ります。 
夜のねぐらとして、そして朝の日光浴に適した場所でもあるようです。 


2026/04/05

太い幹に立て掛けてある竹竿を経由してカキノキ大木に登るニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬〜下旬 

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
郊外で杉の防風林に囲まれた畑の端にカキノキの巨大な大木が聳え立っていて、それを自動センサーカメラで見張っています。 
落葉した枝には熟果がまだたわわに実っています。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)による面白い木登り法についてまとめました。 
他には枝から枝にジャンプするシーンも含まれています。


シーン1:1/11・午前8:43・くもり(@0:03〜) 
大雪が積もりました。 
カキノキの落果や野生動物の足跡は、深い雪の下に埋もれてしまいました。 
雪面が凸凹しているのは、樹上から落雪したせいです。 


シーン2:1/21・午後15:14・くもり(@0:06〜) 
カキノキ樹上で子猿が右の横枝から左上の枝へと身軽に飛び移り、死角に姿を消しました。 

本題はここからです。 
子猿を背負った母親♀が、奥の雪原からこちらに向かって歩いて来ます。 
障害物を乗り越えながら、群れが通ったラッセル跡を辿って歩きます。 
カキノキの太い幹を直接登るのは無理らしく、幹に立て掛けてある細い竹竿を経由して、力強くよじ登りました。 
竹竿が2本無造作に立てかけられているのですが、1本は木の股に挟まっているために安定しており、ニホンザルが握っても体重を支えてくれます。 
もう1本の竹竿は斜めにずれてしまっているため、木登りの道具としては役に立ちません。 


シーン3:1/23・午前7:39・くもり(@0:44〜) 
2日後も、同様の竹竿を使った木登りシーンが撮れていました。 
子猿をおぶった母猿が雪原を奥から手前に歩いてきて、握りやすい竹竿を使ってしてカキノキ巨木によじ登りました。 
シーン2と同一個体なのかな? 


シーン4:1/23・午後15:16・くもり(@0:56〜) 
子猿を腰に乗せた母親♀がまた雪原の奥からやって来ます。 
今回は障害物の柵?を次々とくぐり抜けました。 
立て掛けてある竹竿を使って、柿の大木によじ登りました。 
幼い子猿は、この木登り法ができないようです。 


シーン5:1/23・午後15:39・晴れ(@1:37〜) 
カキノキの横枝の先端付近に座っていたニホンザル個体が、身を屈めて反動をつけると、少し離れた隣の枝に跳び移りました。 
お見事! 


シーン6:1/20・午前4:23(@2:01〜) 
未明に猛吹雪が吹き荒れています。 


シーン7:1/20・午前7:56・くもり(@2:05〜) 
子猿をおんぶした母親♀が太い横枝に登り、腰掛けました。 
子猿を腰から下ろすと、抱きかかえました。 

画面の右下から別個体が雪面を歩いて登場しました。 
若いニホンザルのようですが、この個体も竹竿を経由してカキノキによじ登りました。 
先客の母子を追い越して、同じ横枝の枝先まで一気に移動すると、座りました。 


シーン8:1/20・午前8:18・くもり(@2:32〜) 
竹竿に取り付く瞬間には間に合いませんでしたが、ニホンザル成獣の単独個体がカキノキの太い幹を苦労してよじ登るシーンが撮れていました。 


シーン9:1/20・午前8:23・くもり(@2:53〜) 
子連れのニホンザル♀が、子猿をおんぶしたままカキノキの太い幹を苦労してよじ登っていました。 
竹竿を使ってよじ登る瞬間は撮り損ねたようです。 

太い横枝に座ると、子猿を背中から下ろして胸に抱き、身震いしました。 
しばらくすると、立ち上がって左上の幹を登り始めました。 
子猿はすぐに母親♀の腰に乗って樹上を運ばれて行きます。 


シーン10:1/20・午前10:36・晴れ(@3:17〜) 
柿の木樹上で細い枝を伝って若い猿が走り回り、隣の枝へ身軽に跳び移りました。 


シーン11:1/20・午後15:53・くもり(@3:26〜) 
子猿をおんぶした母親♀が幹をよじ登るところでした。 
竹竿を経由してよじ登った瞬間を撮り損ねたのか、それともすでに右の横枝に居た母子が左に戻ってきて幹を登り返したのかもしれません。 


シーン12:1/22・午後8:22・くもり(@3:31〜) 
どうも最近、監視カメラの起動が遅れがちです。 
低温で電池が消耗しているのでしょうか?
今回も単独個体が竹竿を使って登る様子を撮り損ねてしまいました。 
雪面を勢い良く走ってきて一気に竹竿をよじ登るのかもしれません。 


シーン13:1/23・午後7:28・くもり(@3:54〜) 
竹竿登りの瞬間をまた撮り損ねました。 
単独行動の成獣です。 


シーン14:1/23・午後14:41・くもり(@4:18〜) 
またセンサーの反応が遅れ、単独個体♀が竹竿を使い終えて幹をよじ登るところでした。 
幹の股で小休止すると、身震いしてから右上の幹を登りました。 


シーン15:1/23・午後14:53・くもり(@4:37〜) 
右上の幹をよじ登っていました。 
どこから来たのか不明です。 


シーン16:1/24・午前7:50・くもり(@4:40〜) 
母親♀が珍しく、子猿を背中(腰)ではなく腹にしがみつかせたまま樹上まで運んで来ました。 
太い横枝でカメラに背を向けて座りました。 


シーン17:1/24・午前8:35・晴れ(@4:49〜) 
子猿をおんぶした母猿が幹の股の部分まで登っていました。 


シーン18:1/24・午前11:37・くもり(@4:57〜) 
またもや起動が遅れ、成獣が幹の股の部分まで既に登っていました。 
もしかすると、竹竿を使わなくても、カメラからは見えない幹の裏側をよじ登ってきたのかもしれません。 


シーン19:1/25・午後13:22・晴れ(@5:01〜) 
起動が遅れ、幹の股の部分に、子猿を背負った母親♀が登っていました。 


シーン20:1/13・午前11:22・晴れ(@5:07〜) 
地上から幹をよじ登るシーンは撮れていません。 
子猿を背負った母親♀が冠雪した太い横枝を右に移動すると、はらはらと落雪します。 


シーン21:1/20・午前10:56・晴れ(@5:33〜) 
またもや起動が遅れました。 
子猿を背負った母親♀が幹を登ります。 


シーン22:1/24・午前10:46・晴れ(@5:38〜) 
またもや起動が遅れました。 
単独個体が幹を登っていきます。 


※ 動画編集時に自動色調補正やモノクロ加工しています。 
説明の都合上、撮れた映像素材の順番を入れ替えました。 
ベストな映像を前半にして、酷くちらつく見苦しい映像は後半に回しました。 


【考察】 
「このカキノキに竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから竹立てかけた」 

このカキノキは大木なのに、冬になっても熟した果実を収穫せずに放置してあります。
もしかすると、心優しい農夫がニホンザルが餌に困る厳冬期に木登りしやすいように、竹竿を立て掛けたままにしてあるのかもしれない、と想像したくなります。
農作物を食い荒らす猿害の被害もあるのですが、どうも地元の人たちはニホンザルを心底憎んでばかりいる訳でもないようです。

ところで、今回のニホンザルは竹竿を木登りの道具として使っているのでしょうか?
ChatGPTを相手にブレインストーミングしてみました。

Q1: カキノキの幹に竹竿が立て掛けてあった。ニホンザルが果実を採食するために木登りするのだが、幹が太くて地上から登りにくい。そこでニホンザルは、細くて握りやすい竹竿を経由して柿の木に登った。この場合、道具使用と言えるか? それとも単に、登りやすい経路を選択しただけか?

A1: 結論から言うと、このケースは**通常の定義では「道具使用とは言いにくい」です。ただし、定義の取り方によっては「境界例(グレーゾーン)」**に入ります。

1. 動物行動学での「道具使用」の基本条件

古典的には、道具使用は次のように定義されます:

  • 外部の物体を用いる

  • それを操作(manipulate)して

  • 他の対象や自分の状態に変化を与える

  • =身体機能を拡張する (Frontiers)

典型例:

  • 石でナッツを割る

  • 棒で昆虫をほじくる

ここで重要なのは
**「対象に働きかけるために物体を使う」**点です。


2. 今回の事例の位置づけ

あなたの観察では:

  • 竹竿は「操作されていない」(ただ登るだけ)

  • 竹竿は「対象に作用していない」(柿や枝に働きかけていない)

  • 役割は「移動経路の一部」

つまり機能としては
**「足場・経路の利用」**です。


3. なぜ通常は道具使用と見なされないか

このケースは、以下の理由で多くの研究者は道具使用としません:

■ 操作がない

竹竿を持つ・動かす・向きを調整する、などがない

■ 媒介作用がない

竹竿を使って「柿を取る」わけではなく、
単にアクセス経路を補助しているだけ

■ 環境利用に近い

これはむしろ

  • 岩を踏み台にする

  • 倒木を渡る
    と同じカテゴリーです


4. ただし「グレー」になる理由

一方で、この行動が面白いのはここです:

  • 人為的に設置された物体を選択している

  • 「細くて握りやすい」という機能的特性を利用している

この点は、
**環境中の物体の“機能理解”**を示唆します。

そのため文脈によっては:

  • 「環境改変物の利用」

  • 「構造物利用(structure use)」

  • 「proto-tool use(原始的道具使用)」

のように議論されることがあります。


5. もしこうなら「道具使用」に近づく

次のような要素が加わると評価は変わります:

  • サルが竹竿を自分で動かす・配置する

  • 竹竿を手に持って登る補助に使う

  • 複数の経路から意図的に選択する証拠がある

特に「操作」が入ると、一気に道具使用寄りになります。


まとめ

あなたの事例は:

  • 現状の定義では
    道具使用ではなく「経路選択・足場利用」

  • ただし
    機能的理解を伴う興味深い境界例


この種の事例は、ニホンザルの認知を評価する上ではかなり重要です。
もし同じ場所で繰り返し使われていたり、個体差が見えたりすると、さらに面白い解釈ができると思います。


Q2: この竹竿は、おそらく農夫が畑で作物の支柱として使った後で、雪が積もる前に移動してカキノキの幹に立て掛けたまま、忘れ去られたと想像しています。これがもし、ニホンザルが自力で木登りしやすいように竹竿を畑から持ってきて立て掛けたとすれば、道具使用になるか?

A2: その条件が満たされるなら、評価は明確に変わります。

結論としては、多くの定義で「道具使用」と見なされる可能性が高いです。


どこが決定的に違うか

先ほどのケースとの違いは一点に集約されます:

  • 竹竿を自分で運ぶ・配置する(=操作する)

これは動物行動学でいう「操作性(manipulation)」を満たします。


標準的定義に照らした評価

代表的な定義(Beck など)に当てはめると:

  • 外部物体を使う → 竹竿

  • 操作する → 運搬・立て掛ける

  • 目的がある → 登攀を容易にする

したがって

身体能力を拡張するための外部物体の操作
=道具使用と解釈できる


ただし重要な論点(やや厳密)

このケースはさらに細かく分けて考えられます:

1) 道具使用(tool use)

  • 竹竿を「その場で使う」

  • 行動の一部として利用

2) 道具の準備・配置(tool preparation / tool placement)

  • 竹竿を「事前に運んで設置する」

あなたの仮定は後者を含むため、むしろ

より高度なタイプ(計画性を伴う行動)

と評価される可能性があります。


似た例との比較

よく知られた道具使用との関係:

  • チンパンジーが枝を加工してシロアリ釣り

  • カラスが針金を曲げる

これらと同様に

  • 環境から物体を選択

  • 目的に応じて配置

という点で共通します。


境界が問題になるケース

それでも議論が残るのは:

  • 竹竿は「登るための足場」であって
    「対象(柿)に直接作用していない」

このため研究者によっては

  • 「道具使用」ではなく

  • 構造物の構築(structure building)や環境改変

と呼ぶ可能性もあります。


まとめ

仮定された状況では:

  • 単なる経路利用ではなく

  • 外部物体の能動的操作+目的的配置

があるため

道具使用(あるいはそれに非常に近い行動)と見なされる


この仮説が実際に観察された場合、ニホンザルの認知研究としてはかなり価値が高い事例になります。
特に「運搬距離」「繰り返し使用」「個体差」あたりが記録できると、解釈の説得力が一気に上がります。


Q3: ニホンザルの群れの複数個体が、この竹竿を利用して柿の木に登っていました。それができない幼い子猿は、母親の腹や背中にしがみついた状態で、運ばれていきます。(母親は竹竿を使ってカキノキによじ登る。)いったん樹上の横枝に達すれば、子猿は母親から離れて自力で樹上採食します。

A3: この描写はとても示唆的で、先ほどの「道具使用かどうか」という論点とは別に、社会的学習や運動発達の観点で価値の高い事例です。

1. 行動の整理

観察された要素を分けると:

  • 成獣・若年個体
    → 竹竿を経由して登る(経路利用)

  • 幼獣
    → 自力では登れない
    → 母親に運搬される
    → 樹上では自力採食可能

つまり
**「登攀能力だけが未発達」**であることが分かります。


2. 発達段階として自然なパターン

ニホンザルでは一般的に:

  • 移動能力(特に垂直登攀)は段階的に発達

  • 母親による運搬(ventral / dorsal clinging)が補助する

この事例はまさに:

  • 難易度の高い移動局面のみ母親が補助

  • 到達後は幼獣が自立

という典型的な構造です。


3. 社会的学習の可能性

ここが重要なポイントです。

幼獣は:

  • 竹竿という「登攀ルート」を

  • 母親に運ばれながら繰り返し経験する

したがって将来的に:

  • 自分で竹竿を使うようになる可能性

があります。

これは

  • 模倣(imitation)というより

  • 局所強化(local enhancement)

に近い現象です。

つまり:

  • 「ここから登れる」という情報が

  • 経験を通じて学習される


4. 道具使用との関係

この観察だけを見る限り:

  • 竹竿は依然として「経路」扱い

  • 道具使用の証拠にはならない

ただし重要なのは:

  • 複数個体が同じ人工物を反復利用している

  • 世代をまたいで利用される可能性がある

という点です。

これは

行動の伝播(proto-culture 的現象)

に発展する余地があります。


5. 記録として価値が高い点

研究的に見ると、この事例で特に面白いのは:

  • 個体ごとの利用頻度(誰がどれだけ使うか)

  • 年齢差(幼獣 → 若年 → 成獣)

  • 学習のタイミング(いつ単独で使い始めるか)

  • 竹竿がなくなった場合の行動変化


まとめ

この事例は:

  • 道具使用そのものの証拠ではないが

  • 運動発達・母子関係・社会的学習が重なった好例

です。

特に、幼獣が「登れないが、登った先では採食できる」という点は、
行動のどの要素がボトルネックになっているかを非常にきれいに示しています。


もし継続観察できるなら、「同じ幼獣がいつ竹竿を単独利用できるようになるか」を追うと、かなり面白いデータになります。


Q4: 操作実験で竹竿をなくした場合にどんな行動になるか、興味深いです。ニホンザルは必要に迫られて、別な登り方を編み出すのか。もしカキノキの下の地面に竹竿を置いておいたら、元通りに立て掛け直すだろうか?

A4: 非常に良い着眼点です。こういう「ちょっとした環境改変」に対する反応は、認知の質がかなりはっきり出ます。いくつかの操作ごとに、現実的に起こりやすいパターンを整理します。

1. 竹竿を完全に撤去した場合

最も起こりやすいのは:

■ 代替経路の探索

  • 低い枝や傾いた幹を探す

  • 隣接木からの乗り移り

  • 地上からジャンプして取り付き

つまり
既存のレパートリー内での解決

になります。

■ 登攀の諦め(特に低順位個体)

  • 到達できない個体は採食機会を失う

  • 群れ内競争の影響が出る可能性


2. 竹竿を地面に置いた場合(再配置可能)

ここが最も面白い条件です。

予測は3段階に分かれます:


A. 何も起こらない(最も起こりやすい)

  • 竹竿は単なる「物体」として無視される

  • 以前の使用は「配置された状態への依存」だった

構造依存的利用(affordance依存)


B. 偶発的な接触のみ

  • 触る、持つ、引きずる

  • しかし登攀用途には使わない

操作はあるが目的性が弱い


C. 再配置(もし起きれば重要)

  • 竹竿を持ち上げる

  • 幹に立て掛ける

  • その後に登る

→ これは

  • 明確な目的性

  • 手段-目的関係の理解

を示すため、

ほぼ確実に「道具使用(+準備行動)」と評価されるレベル

です。


3. なぜCは起きにくいか

ニホンザルの既知の行動レベルから考えると:

  • 物体操作はできる(石・食物など)

  • しかし

    • 「将来の行動のために環境を配置する」

    • 「構造物として使うために設置する」

はハードルが高いです。

特にこのケースでは:

  • 竹竿は長くて扱いにくい

  • 「立て掛ける」という安定条件が必要

という物理的制約もあります。


4. 中間的に起こり得る興味深い行動

完全な再配置でなくても、以下は十分あり得ます:

■ 支えながら登ろうとする

  • 竹竿を手で持ったまま幹に押し当てる

  • 不安定な補助として使う

原始的な道具使用に近い


■ 他個体の行動への反応

  • 1個体が偶然成功

  • 他個体がそれを観察して接近

局所強化 → 伝播の可能性


5. 実験としてのポイント

もし本当に試すなら、重要なのは:

  • 個体識別(誰が最初に試すか)

  • 試行回数(1回の偶然か、反復か)

  • 成功後の再現性

  • 他個体への波及

特に

「同じ個体が繰り返し再配置するか」

が決定的です。


まとめ

あなたの想定した操作実験の帰結は:

  • ほとんどの場合
    → 代替経路探索で解決

  • まれに
    → 物体操作はするが目的に結びつかない

  • ごく稀に
    → 再配置が起きれば、極めて重要な認知的証拠


この種の状況は、「できるかどうか」よりも
**「どこまで試行錯誤するか」**を見るのが本質的に重要です。

もし観察を続けるなら、「竹竿がなくなった直後の最初の30分〜数時間」の行動が一番情報量が多いはずです。



Q5: ニホンザルが竹竿を使った木登り&果実採食に連日成功した後で、その竹竿を少しだけずらして登れないように意地悪してやると、経験豊富な成獣なら竹竿を元に戻して(成功時の記憶があるはず)登れるようにするのではないか? このカキノキは餌資源が豊富なので、かんたんに諦めるには惜しいはずです。

A5: 発想としてはとても筋が通っていますし、「成功経験に基づいて配置を修正できるか」は核心的な問いです。ただ、現実的な予測としては**「元の位置に正確に戻す」行動はかなり起きにくい**と見るのが妥当です。

1. 期待できる反応の優先順位

経験豊富な成獣でも、まず出やすいのは次の順です:

■ ① 既存レパートリーでの再試行

  • ずらされた竹竿をそのまま登ろうとする

  • 少し角度を変えて体勢で対応する

  • 幹の別の取り付き点を探す

「物体を変える」より「自分の行動を変える」方が先


■ ② 代替経路の探索

  • 隣の枝や別ルートを試す

  • 他個体の動きを観察する

→ 前の回答で述べた範囲に収まる


■ ③ 限定的な物体操作(ここが分岐点)

  • 竹竿を押す・引く

  • 少し動かす(偶発的に有効な位置に近づく)

→ ここまでは十分あり得る


2. 「元に戻す」が難しい理由

あなたの仮説が成立するには、少なくとも以下が必要です:

  • 竹竿の「適切な位置・角度」を記憶している

  • それを現在の失敗と結びつける

  • 物体をその状態に意図的に再配置する

これは言い換えると:

手段–目的関係+空間配置の再現

で、認知的ハードルが一段上がります。


3. それでも起こり得る「弱い形の成功」

完全な再現でなくても、次のような現象は十分現実的です:

■ 近似的な修正

  • 竹竿を押した結果、たまたま登れる角度になる

  • その状態で登攀成功

→ 見かけ上は「直した」ように見えるが
 実際は試行錯誤の副産物


■ 行動の洗練(もし反復すれば)

  • 同じ個体が何度か触っているうちに成功率が上がる

→ ここまで行けばかなり面白い


4. 本当に重要な分岐

この実験で一番重要なのは結果そのものより:

■ 再現性

  • 同じ個体が繰り返し同じ修正をするか

■ 初回行動

  • 失敗直後に竹竿へ注意が向くか

  • それとも別ルートへ行くか


5. あなたの仮説の評価

「餌資源が豊富だから工夫するはず」という点は一理ありますが、実際には:

  • 餌の価値が高い
     → 試行回数は増える

  • しかし
     → 解決戦略が高度化するとは限らない

というのが動物行動でよくあるパターンです。


まとめ

この操作に対する現実的な予測は:

  • 多くの場合
    → 行動側で調整する/別ルートへ移行

  • ときどき
    → 竹竿に触れて偶発的に改善

  • かなり稀に
    → 意図的な再配置に近い行動が見られる可能性


もし「元に戻す」に近い行動が反復的に確認できたら、それはかなり強い証拠になります。
単発の成功よりも、「同じ個体が同じ問題に同じ方法で対処するか」を見るのが決定的です。





Q6: ヒトは木登り能力が衰えた代わりに、梯子という複雑な構造物を作って運び、立てかければ高い木に登れます(高度な道具使用)。一方で、ニホンザルはただ竹竿を立て掛けておくだけでも、それを利用してよじ登れるようになるという点が面白かったです。

A6: その観察のポイントはとても本質的です。

同じ「登る」という課題でも、ヒトとニホンザルでは、解決の仕方がまったく違う層にあります。


1. 身体能力と環境利用の違い

■ ニホンザル

  • もともと高い登攀能力を持つ

  • 指で細い対象を強く把持できる

  • バランス能力が高い

そのため:

「少し条件を補助してやれば登れる」

竹竿は

  • 梯子のような構造を必要とせず

  • 単に「握りやすい経路」を提供するだけで十分


■ ヒト

  • 垂直な幹を登る能力は低い

  • 把持力・体重配分が不利

そのため:

環境側を大きく作り替える必要がある

ここで初めて
梯子 のような

  • 段差構造

  • 安定性

  • 反復利用可能性

を備えた道具が必要になる


2. 面白さの本質

あなたが感じている面白さは、おそらくここです:

  • サル:身体が主、環境は補助

  • ヒト:環境が主、身体はそれに依存

同じ「登る」でも、

問題の所在が逆転している


3. 認知の観点から見ると

ニホンザルの竹竿利用は:

  • 「これは握れる」「ここを通れば行ける」
    という
    アフォーダンス(環境が提供する行為可能性)の利用

です。

一方ヒトは:

  • 「登るための構造を設計する」
    問題解決の外在化(environmental engineering)


4. 道具の“複雑さ”の意味

重要なのは、単純=低次という話ではないことです。

ニホンザルの場合:

  • 複雑な道具が不要

  • しかし適切な構造を見抜いて利用する能力がある

ヒトの場合:

  • 身体の制約が大きい

  • その代わり構造を作る能力が発達


5. あなたの観察の価値

今回の竹竿の事例は、

  • 人為物(竹竿)

  • 野生動物(サル)

  • 自然資源(柿)

が交差して、

「身体能力 × 環境構造 × 行動選択」

が非常に分かりやすく可視化されています。


まとめ

  • ヒトは登れないから「梯子を作る」

  • サルは登れるから「ちょっとした補助で済む」

そしてあなたの事例は:

「ほんの少しの構造変化が、行動可能性を一気に広げる」

ことを非常にきれいに示しています。


この種の観察は、道具使用そのものというより、
動物が世界をどう“登れるもの”として認識しているかを考える上で、かなり重要な手がかりになります。


Q7: 今回の竹竿は明らかに人工物ですが、太い木の幹に巻き付いた蔓を握ってニホンザルが木登りする様子を観察したことがあります。ニホンザルにとっては、竹竿を使うのも、蔓と大差ないのかもしれません。

A7: その解釈はかなり的確だと思います。

ニホンザル にとっては、「人工物か自然物か」という区別は本質ではなく、**どのように使えるか(機能)**が重要です。


1. 竹竿と蔓の共通点

竹竿と蔓は、サルの側から見れば:

  • 細くて把持しやすい

  • 体を支える強度がある

  • 垂直方向の移動を補助する

つまり

同じ“登れる構造”として認識される可能性が高い


2. アフォーダンスの観点

この場合の鍵は「何でできているか」ではなく:

  • 握れるか

  • 体重を支えられるか

  • 上に続いているか

といった条件です。

これはいわゆる

アフォーダンス(行為可能性)に基づく認識

で、

  • 竹竿

  • ロープ(仮にあれば)

は同じカテゴリに入るでしょう。


3. なぜ面白いか

あなたの観察が重要なのは:

  • 本来のレパートリー(蔓を使った登攀)

  • 人工物(竹竿)

がシームレスにつながっている点です。

つまり

既存の行動が、そのまま人工環境に拡張されている


4. 道具使用との境界

この視点に立つと、

  • 竹竿利用が道具使用に見えにくい理由もはっきりします:

竹竿は

  • 「操作する対象」ではなく

  • 「登れる環境の一部」

として扱われている


5. 逆に違いが出るとすれば

竹竿と蔓に差が出るとすれば:

  • 太さ・しなり・安定性

  • 設置角度(蔓は固定、竹竿は不安定)

といった物理条件で、

認知的には

同じカテゴリーでも、使いやすさの差として現れる


まとめ

あなたの観察は、

  • サルにとって重要なのは素材ではなく

  • 「登れるかどうか」という機能的性質

であることを示しています。

竹竿は特別な道具というより、

「蔓のように使える構造物」

として自然に取り込まれている、と考えるのが最もすっきりします。


この視点で他の場面も見ると、「人工物なのに自然物の延長として使われている例」がいろいろ見えてくるはずです。


Q8: 「もし複数の経路から意図的に選択する証拠があれば、道具使用に近づく」との回答がありました。

この件で少し状況を補足します。カキノキの幹に立て掛けてあった竹竿は、実は2本でした。1本の竹竿は、カキノキ幹の二股になった部分に上端部がちょうど立て掛けられたので、しっかり固定されていて、ニホンザルが木登りに選択利用しました。ところが、少し横に並べて立てかけられたもう1本の竹竿は、上端が斜めにずれてしまったので、見るからに不安定(今にも竹竿が倒れそう)で、猿は木登り経路として利用しませんでした。ニホンザルは2本の竹竿のアフォーダンスの違いを読み取って、安定した竹竿を適切に選択しただけか?


A8: 結論としては、その解釈がいちばん筋が通っています。

今回の描写は、ニホンザル が2本の竹竿のアフォーダンス(行為可能性)の違いを読み取り、安定な方を選択したと考えるのが自然です。


1. 何が示されているか

この状況には重要なポイントがそろっています:

  • 同時に2つの経路が存在

  • 物理的に明確な差(安定 vs 不安定)

  • 行動の選択が一貫している(不安定な方は使わない)

これは単なる偶然ではなく、

機能的な違いに基づく選択

が起きていることを示唆します。


2. これは「道具使用」に近づくか?

ここが微妙なところですが、整理すると:

■ まだ道具使用とは言いにくい

  • 竹竿を操作していない

  • 環境中の構造を利用しているだけ


■ しかし重要な一歩手前

今回のポイントは:

複数の選択肢の中から、機能評価に基づいて選んでいる

これは以前触れた

「複数の経路から意図的に選択する証拠」

にかなり近い状態です。


3. 認知的に何が起きているか

この選択はおそらく:

  • 視覚的に安定性を評価(角度・接触点)

  • あるいは過去の経験(滑る・倒れる)

によって、

「登れる/登れない」の予測

をしていると考えられます。

重要なのは:

  • 実際に失敗してから学ぶだけでなく

  • 事前にリスクを回避している可能性

がある点です。


4. かなり面白いポイント

この事例の価値はここにあります:

  • 同じ「竹竿」というカテゴリ内で

  • 状態の違い(安定性)を区別している

つまり

→ 「竹竿なら何でもいい」わけではない


5. 一段上に行くとしたら

もし次のような行動が見られれば、評価はさらに上がります:

  • 不安定な竹竿を押して安定させる

  • 一度試してダメなら別の竹竿に切り替える

  • 個体によって選択の一貫性がある


まとめ

今回の観察は:

  • 道具使用そのものではないが

  • 機能的評価に基づく経路選択

という点で、

道具使用の“前段階”として非常に重要な認知を示唆する事例

です。


特に、「安定性」という見えにくい物理特性をちゃんと拾っている点は、かなり質の高い観察です。こういう差が見える場面は実はあまり多くありません。



Q9: 猿害対策を徹底するのであれば、残し柿がないように収穫すべきですし、この竹竿は撤去すべきです。私としては、ニホンザルの行動が面白いので、状況には介入せずに観察させてもらってます。2年目の冬も竹竿は同じ位置に立てかけられたまま放置されていました。ところがトレイルカメラを設置しても、残念ながら2年目はニホンザルは来ませんでした。カラスなど他の動物が柿の実を食べてしまったようです。(運悪く、トレイルカメラの電池が低温で不調だった可能性はあります。)

A9: とても示唆的な「対照年」になっていますね。同じ場所・同じ構造(竹竿)でも、利用主体が入れ替わると結果が大きく変わる、という典型例です。

1. なぜ2年目はサルが来なかったか

状況から考えると、最も筋が通るのは:

■ 資源の先取り(depletion)

  • カラスなどが早い段階で果実を消費

  • サルが到着した時点ではエネルギー収支が合わない

→ サルは高効率な餌場を優先するため、スキップした可能性が高い


■ 発見タイミングのズレ

  • カラスは空中から広域探索できる

  • サルは地上ベースで移動し、発見が遅れる

→ その差で「使われる前に終わる」ことが起こり得る


■ 群れの行動圏・利用ルートの年変動

ニホンザル は年ごとに

  • 採食ルート

  • 重点的に回る場所

が微妙に変わります。
その結果、「去年は来たが今年は来ない」は普通に起こります。


2. 竹竿が残っていても使われない理由

重要なのはここで、

  • 竹竿はアクセスを改善する要因に過ぎない

  • しかし来訪の決定要因は餌の価値と量

つまり:

資源が魅力的でなければ、道具的要素は意味を持たない


3. カラスとの競合の特徴

カラス が優勢だったのも納得できます。

  • 機動力が高い(飛行)

  • 熟果の発見が早い

  • 群れで一気に消費できる

結果として:

短期間で資源を枯渇させるタイプ


4. あなたの観察姿勢について

介入せず観察に徹している点は、このケースでは特に意味があります。

もし介入していた場合:

  • サルが来た/来ない

  • 竹竿を使った/使わない

の解釈が曖昧になります。

今回のように

  • 条件はほぼ同じ(竹竿あり)

  • 結果が異なる(来訪なし)

というデータは、むしろ価値が高いです。


5. 今回の事例から言えること

この2年間を合わせて見ると:

  • サルの利用は構造(竹竿)だけでは説明できない

  • 資源量・タイミング・競合種が支配的

そして

→ 竹竿は「使われるときには使われる補助要素」に過ぎない


まとめ

今回の結果は、

  • 「竹竿があるから登る」のではなく

  • 「登る価値があるときに、竹竿があれば使う」

という関係をはっきり示しています。


もし今後観察を続けるなら、

  • 果実の残存量(いつどれだけ残っているか)

  • カラスの来訪タイミング

  • サルの出現時期

を簡単にでも対応づけると、かなり因果関係が見えてくるはずです。


余談ですが、ヒトが竹竿を道具として使う例をいくつか考えてみました。

Q10: 川を飛び越える際に竹竿を使って棒高跳びのように渡ったら、道具使用ですよね?

A10: はい、その場合はかなり明確に道具使用と見なされます。

なぜ道具使用と言えるか

この仮定では、竹竿は単なる足場ではなく:

  • 自分で保持する

  • 動かす(突く・支える)

  • 運動を補助する

という形で使われます。

つまり

  • 外部物体を

  • 動的に操作して

  • 自分の身体能力(跳躍)を拡張する

という、典型的な道具使用の条件をすべて満たしています。


先ほどのケースとの決定的な違い

竹竿に「登る」だけの場合:

  • 静的な環境利用(足場)

竹竿で川を渡る場合:

  • 運動の一部としてリアルタイムで操作

  • 身体では不可能な動きを実現

この違いは大きく、分類上は別物です。


動物行動学的な位置づけ

この行動はタイプとしては:

  • 「移動補助の道具使用(locomotor tool use)」

  • あるいは「力学的拡張」

に当たります。


実際の動物との比較

近い例としては:

  • 霊長類が枝を使って体を支える

  • 一部のサルが水深を測るために棒を使う

ただし「棒高跳び的利用」はかなり高度で、
もし確認されれば非常に珍しい事例になります。


まとめ

竹竿を使って川を越える場合は:

→ 典型的な道具使用(ほぼ異論なし)

です。

むしろ、先の「竹竿を伝って登る」ケースよりも、はるかに教科書的な例に近い行動になります。


Q11: 氷河を探検するときに、深いクレバスに落ちないように、あらかじめ長い竹竿を腰に縛り付けておき、滑落しても左右に伸びた竹竿が引っかかるように工夫するそうです。この場合の竹竿は道具使用か?

A11: はい、この場合の竹竿はほぼ間違いなく道具使用と見なされます。

1. なぜ道具使用といえるか

このケースでは竹竿は:

  • 身体に装着される(腰に縛る)

  • 落下という事態に対して機能するよう事前に準備されている

  • 身体だけでは不可能な「落下停止」を実現する

つまり

→ 外部物体による身体機能の拡張(しかも予防的)

であり、道具使用の定義に完全に合致します。


2. 重要なポイント:事前的(anticipatory)使用

この例の特徴は:

  • 実際に使う瞬間より前に準備されている

  • 「起こりうる事態」を想定している

いわば

→ 予測に基づく道具使用

です。

これは単なる即時的な利用(棒で餌を取るなど)よりも、
一段階抽象度の高い行動です。


3. これまでのケースとの対比

■ 竹竿に登る(サルの事例)

  • 環境に固定された構造の利用
    → 道具使用ではない(通常)

■ 竹竿で川を渡る

  • 動的に操作
    → 明確な道具使用

■ 今回(腰に縛る)

  • 身体に統合して機能拡張

  • しかも事前準備

→ 最も典型的かつ高度な道具使用の一つ


4. 分類上の位置づけ

このケースは

  • 「装着型道具(attached tool)」

  • 「安全装置としての道具使用」

といえます。

現代で言えば:

  • ハーネス

  • ロープ

  • ヘルメット

と同じカテゴリーです。


まとめ

氷河探検で竹竿を腰に縛る行為は:

→ 明確な道具使用(しかも予測的・計画的なタイプ)

です。


この例は、「道具使用とは何か」を考える上でかなり分かりやすく、とくに「操作が常に能動的である必要はない(装着でもよい)」という点を示しています。





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・宮崎学 写真集「柿の木」 

2026/04/03

カキノキ巨木の下の雪原で落果を拾い食いするニホンザルたち【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
郊外でスギの防風林に囲まれた畑の端に聳え立つカキノキの巨大な古木を自動撮影カメラで見張っています。 
落葉した枝には熟果がまだたわわに実っています。 


シーン1:1/7・午後12:33・晴れ(@0:03〜) 


シーン2:1/9・午後21:35・降雪(@0:06〜) 
晩に監視カメラが起動したときには、雪が激しく降っていました。


シーン3:1/10・午前4:20・降雪(@0:10〜) 
翌日の未明には激しい吹雪になっていました。 


シーン4:1/10・午前9:22・くもり(@0:21〜) 
朝になると、吹雪はすっかり収まっていました。 
新雪に覆われた雪面に、動物の歩いた足跡は付いていません。 
雪面のあちこちが窪んでいるのは、樹上からの落雪です。 
カキノキの横枝にも深く着雪していました。 
強風が一晩中吹き荒れた後でも、カキノキ樹上には熟果がまだ少し残っています。 
落果は積もった雪の下に埋もれてしまいました。 


シーン5:1/10・午後14:10・くもり(@0:25〜) 
雪が降っていなくても、強風が吹くと、隣の冠雪したスギ樹上からどんどん落雪します。 


シーン6:1/10・午後17:18・降雪(@0:31〜)
日の入り時刻は午後16:42。 
日が暮れると、また吹雪になりました。 


シーン7:1/11・午前8:43・くもり(@0:35〜) 
翌朝には雪が降り止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 


シーン8:1/13・午前0:51・濃霧(@0:38〜) 
翌々日の深夜には、夜霧が風に舞っていました。 

以上、トレイルカメラの誤作動で撮れた映像をつなげて、厳冬期の雪国の気象条件をお伝えしました。 


シーン9:1/13・午前9:31・晴れ(@0:43〜) 
ここからが本題です。 
おだやかに晴れた午前中に、子連れのニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)がカキノキ大木の右下の雪面に座っていました。 
子猿は母親♀の背中(腰)にしがみついています。 
やがて母猿は立ち上がると右へ進み、雪面に落ちていたカキノキ果実を拾い食いしました。 
母親♀におんぶしていた子猿も、母親♀の真似をして落果の破片を拾って食べました。 
ニホンザルは母親♀が子猿に餌を分け与えることはなく、落柿を食べ終えたらさっさと右へ移動を始めました。 
置いていかれた子猿が慌てて母親♀を走って追いかけます。


シーン10:1/13・午前11:30・晴れ(@1:24〜) 
カキノキの樹上からニホンザルが単独で降りてきました。 
最後は細い枝先にぶら下がり、雪面へ慎重に跳び下りました。 
雪原で落柿を採食しているようです。 


※ 動画編集時に自動色調補正およびモノクロ加工を施しています。 


2026/03/30

雪面からカキノキの枝先に跳びつき、よじ登って熟柿を食べるニホンザル【トレイルカメラ】

 



2025年1月中旬・午後15:40頃・晴れ 

雪国で厳冬期にカキノキの巨木を自動撮影カメラで見張っています。 
落葉した枝には、甘い熟果がまだ少し残っています。 
雪原(大雪が積もった畑)をニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れがばらばらに遊動しています。 

しばらくすると、画面の右端で面白いことが起こりました。 
雪面を歩いてきた若い猿が、カキノキの枝先に跳びつこうと何度もジャンプする影だけが見えました。 
ようやく成功すると、大きくしなる枝先からそのまま器用によじ登り、横枝に腰掛けました。 
樹上で日光浴を楽しんでいるのでしょうか。 

手を伸ばして枝先に残った熟柿を手繰り寄せようとしても、届きませんでした。 
そこで別の枝に移動し、画角の外に消えました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
地上からジャンプして枝先を掴んで登るという、今回の木登り法は特殊で、この1回だけしか録画されていませんでした。 
若い猿の遊び心というかチャレンジ精神が発揮されたのかもしれません。 
他の猿たちは、カキノキ大木の太い幹の根元からよじ登ります。(映像公開予定) 

想像ですが、もしかするとこのニホンザル個体は、初めから枝先を掴もうと(木登り目的で)雪面で飛び跳ねていたのではなくて、カキノキの垂れ下がった枝先に残っていた果実をジャンプして取ろうと頑張っていたのかもしれません。
欲を言えば、トレイルカメラの画角をもう少し右に向けて設置しておけば、ニホンザルが雪面から枝先に跳びつく決定的瞬間を撮れたはずです。 
それでも影絵で記録できたので、想像力を掻き立てる面白い映像作品になりました。 



2026/03/28

雪国の厳冬期にカキノキ大木に登って熟果を食べるニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2025年1月中旬〜下旬 

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
郊外でスギ防風林に囲まれた畑の端に聳え立つカキノキの大木を自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の登場シーンをまとめました。 
初めに断っておきますが、旧機種のカメラをだましだまし使っているので、昼間に撮れた映像は色が変ですし、画面が謎に点滅して見苦しいです。 


シーン1:1/7・午後12:33・くもり(@0:03〜) 

シーン2:1/9・午後21:35・降雪(@0:06〜) 
晩に監視カメラが起動したときには、雪が激しく降っていました。 

シーン3:1/10・午前4:20・降雪(@0:10〜) 
翌日の未明には激しい吹雪になっていました。 

シーン4:1/10・午前9:22・くもり(@0:21〜) 
朝になると、吹雪はすっかり収まっていました。 
新雪に覆われた雪面に、動物の歩いた足跡は残っていません。 
雪面があちこち窪んでいるのは、樹上から落雪したせいです。 
カキノキの横枝にもしっかり冠雪していました。 
強風が一晩中吹き荒れた後でも、カキノキ樹上には熟果がまだ少し残っています。 
落果は積もった雪の下に埋もれてしまいました。 

シーン5:1/10・午後14:10・くもり(@0:25〜) 
雪が降っていなくても、強風が吹くと、隣の冠雪したスギ樹上からどんどん落雪します。 

シーン6:1/10・午後17:18・降雪(@0:31〜)日の入り時刻は午後16:42。 
日が暮れると、また吹雪になりました。 

シーン7:1/11・午前8:43・くもり(@0:35〜) 
翌朝には雪が降り止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 

シーン8:1/12・午後12:01・晴れ(@0:38〜) 
晴れた正午過ぎに、ニホンザルの群れがカキノキ大木に来ていました。 
子猿を抱っこした母親♀が、カキノキの下の雪面に座って、頭上を見上げています。 
目線の先には、若い猿が単独でカキノキ樹上に登っていました。 
右隣の木へ身軽に飛び移って姿を消しました。 

地上の母親♀は子猿を腹にしがみつかせたまま、カキノキ幹の根元に立て掛けてあった2本の竹竿のうちの1本を伝って、果敢に木登りしました。 
太い横枝を右に移動して座ると、子猿を下ろしました。 
子猿だけが細い枝先に移動して、熟柿を食べ始めました。 
遅れて枝先に移動した母親♀は体重が重いので、太い枝を選んで歩き、枝先に残った熟柿を手前に引き寄せてから採食。 
枝に座って熟果を食べながら、果皮を捨てています。 

食べ終わった母親♀は、立ち上がって手を伸ばしましたが、熟柿になかなか手が届きません。 
2度目の挑戦でようやく柿の実を掴み、手前に手繰り寄せて食べます。 

その間に、地上では左から別の母子が登場し、子猿をおんぶして運右下手前へ遊動して行きます。 
 子猿は雪面に一度降りたものの、すぐにまた母親♀の腰に飛び乗りました。 

シーン9:1/12・午後12:10・晴れ(@2:08〜) 
子猿を背負った母親♀が、カキノキの細い枝先で熟柿を採取しています。 
少し太い横枝に登り返してから、食べ始めました。 

一方、別個体の子猿が左の枝で熟柿を採食中です。 
カキノキ樹上で猿が移動すると枝が激しく揺れますが、それでも熟柿は落ちませんでした。 

シーン10:1/13・午前0:51・夜霧(@3:38〜) 
日付が変わった深夜には、濃霧が風に舞っていました。 

シーン11:1/13・午前11:28・晴れ(@3:43〜) 
昼前に子猿をおんぶした母親♀が、カキノキの太い幹を裏側からよじ登っていました。 
枝先で子猿が熟柿を採食しています。 

シーン11:1/19・午前11:59・晴れ(@4:22〜) 
6日後も猿が採食に来ていました。 
雪面にはニホンザルの群れが歩き回った足跡が残っています。 

カキノキの上の枝から下の枝にニホンザルが下りてきました。 
子猿を抱きかかえているのに母は強しで、頭を下にして真っ逆さまの体勢で果敢に下りてきました。
腰掛けた横枝が揺れています。 
樹上に熟柿はもう残っていないのか、採食行動をしないで、樹上で日向ぼっこしています。 
母親♀の横に座っていた子猿が独りで細い枝先に移動し、残っていた熟柿を食べてから母親のもとに戻りました。 

その間、奥の雪原を別個体の猿が右から左に走って横断し、スギ防風林に駆け込みました。

シーン12:1/20・午前4:23・夜霧(@5:27〜) 
翌日の未明には、夜霧が風に流されていました。 

シーン13:1/22・午前9:17・くもり(@5:31〜)
2日後、子猿をおんぶした母親♀がカキノキの横枝に登っていました。 
母猿は右手に熟柿を持って食べています。 
残り少ない熟果を採取してきたようですが、背中の子猿には分け与えませんでした。 
しかも、少し食べただけで、食べ残しを惜しげもなく捨てました。 
再びカキノキの幹を登って死角に消えました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2026/03/26

厳冬期にカキノキ大木に登って熟果を食べる雪国のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年1月上旬〜中旬

シーン0:1/3・午後14:23・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
郊外で広大な畑がスギ防風林に囲まれています。
その林縁(畑の端)に巨大なカキノキの古木が聳え立っています。 
落葉後も熟した果実が枝先にまだたくさん残っています。 
木の下の雪面には落果が散乱しています。 
こうした熟柿を食べにやってくる野生動物を見張るために、自動撮影カメラ(旧機種)を設置しました。 

ホンドテンMartes melampus melampus)の登場シーンをまとめます。 


シーン1:1/7・午後12:33・くもり(@0:03〜) 


シーン2:1/9・午後21:35・降雪(@0:06〜) 
雪が激しく降っています。 


シーン3:1/10・午前1:00・降雪(@0:10〜) 
猛吹雪の深夜に、冬毛のテンが左下隅からカキノキに駆け寄ると、新雪にテンの足跡が残りました。 
そのままテンは、幹の裏側を一気によじ登りました。 
こんな悪天候でも、トレイルカメラのセンサーがしっかり反応したことに感心しました。 

テンはカキノキの冠雪した横枝を右の先端部へ移動しました。 
しばらくして奥の枝だけが突然不自然に揺れたのは、テンが細い枝から枝へ飛び移ったのでしょう。 
暗闇でそんなアクロバティックな芸当ができるとは驚異的です。
監視カメラが照射する赤外線が奥まで届かず、肝心のテンが熟柿を食べる行動は撮れていませんでした。 
テンがカメラの方を振り返ると、眼のタペータムが赤外線を強く反射して、白く光って動いています。 


シーン4:1/10・午前4:20・降雪(@1:17〜) 
未明には吹雪が更に激しくなっていました。 


シーン5:1/10・午前9:22・くもり(@1:28〜) 
朝になると、吹雪はすっかり収まっていました。 
新雪に覆われた雪面に、ホンドテンの足跡はもう残っていません。
雪面があちこち窪んでいるのは、樹上から落雪したせいです。 
カキノキの横枝にもしっかり冠雪していました。
一晩中、強風が吹き荒れた後でも、樹上にはまだ熟柿が少し残っています。 
落柿は積もった雪の下に埋もれてしまいました。 


シーン6:1/10・午後14:10・くもり(@1:32〜) 
雪が降っていなくても、強風が吹くと、隣のスギ樹上からどんどん落雪します。 


シーン7:1/10・午後17:18・降雪(@1:32〜)日の入り時刻は午後16:42。 
日が暮れると、また吹雪になりました。 


シーン8:1/10・午後21:30・降雪(@1:42〜) 
雪が降る晩に、テンがいつの間にか柿の木に登っていました。 
太い横枝に積もった深い新雪をかき分けながら右に進みます。 
樹上のラッセル行動なんて、初めて見ました! 
足元が雪で滑って木から落ちる恐怖など微塵も感じられません。
枝先に達して熟柿を採食したようですが、残念ながら画角の外で様子が分かりません。 
テンが動くと、その体重で細い枝が上下にしなります。
枝先でテンが振り返ってカメラ目線になると、目が白く光ります。 
どうやら画面の右上隅まで木登りしたようです。 


シーン9:1/11・午前8:43・くもり(@2:02〜) 
翌朝には雪が降り止んでいました。 
雪面に野生動物の足跡はありません。 


シーン10:1/12・午前1:21(@2:05〜) 
日付が変わった深夜、ホンドテンが再びカキノキ樹上に登っていました。 
いつもの太い横枝を右に行きかけた途中で立ち止まり、痒い体を掻いているようです。 
横枝を右に走って行きましたが、枝先で熟果を採食したかどうか不明です。 
もう枝先に柿の実が残っていなかったのでしょうか。 
せっかく左に戻ってきたのに、わずか40秒間で録画が終わってしまいました。 
どうやら低温でアルカリ電池が消耗していたようです。 (厳冬期は高価でもリチウム一次電池を使うべきだと翌年に知りました。)
トレイルカメラが旧機種のため、残念ながら動画撮影時の気温データは取得されていません。 


シーン11:1/13・午前0:51(@2:48〜) 
翌日の深夜には、どうやら夜霧が発生したようです。 
監視カメラがなぜ起動したのか不明です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
いかにも雪国でたくましく暮らす野生のホンドテンらしい映像が撮れて感動しました。
できれば新機種のトレイルカメラで録画したかったのですが、まさかこんな凄い映像が撮れるとは予想してませんでした。
翌年の宿題です。

木登りが得意なホンドテンは、カキノキ樹上での採食に専念し、雪原に散らばっている落果を拾い食いすることは一度もありませんでした。
ここにニッチの棲み分けがありそうです。
テンは夜行性ですし、雪に埋もれた落柿を暗闇で見つけにくい、という理由もありそうです。


つづく→ 


【アフィリエイト】 

クリの木から飛び降りるニホンザル幼獣を地上で受け止める母親|クリの落果を拾い食いするニホンザルの群れ

 

2024年12月上旬・午後12:15頃・晴れ 

郊外の収穫が終わった畑の端にクリ(栗)の大木があります。 
ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の小さな群れが、木陰に座ってのんびり採食していました。
 「大きな栗の木の下で♬」散乱している落果を拾い食いしているようです。 


採食シーンをしっかり撮影したくて、私が物陰から近づこうとした途端に、気づいた猿たちは警戒して逃げ始めました。 

クリの太い幹を子猿が頭を下にして真っ逆さまに下っています。 
黒い首輪を装着した母親♀が迎えに行き、後脚で立ち上がって両手を広げると、樹上から飛び降りるやんちゃな子猿を無事に受け止めました。 
体重の軽い子猿の時期は大丈夫かもしれませんが、高所から無鉄砲に飛び降りると、着地の衝撃で『坊っちゃん』のように腰を抜かしたり足を捻挫したり骨折したりするかもしれません。
地上にはクリのイガが大量に散乱していますから、母親が受け止め損ねたら、子猿にトゲトゲのイガが刺さって痛い目に遭うかもしれません。 
子猿は母親の胸にしがみついたまま(腹側しがみつき)、母親が四足歩行で運んで右へ逃げて行きます。 
クリの木から飛び降りる我が子を母親が受け止めた瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:07〜0:22) 
ヒトの母親とは違って、ニホンザルは「危ないでしょ、高いところから飛び降りないの!」と幼獣を叱りつけることはしませんでした。
成獣になると、無闇に飛び降りることはしないで、慎重に木から地上に降りるようになります。
わんぱくな幼少期に痛い目に遭って(足を負傷して)、自分で学習するのでしょうか。

クリ樹上には逃げ遅れた別の幼獣がまだ残っていました。 
その母親が口にクリの実(堅果)を咥えたまま右から走ってきて素早く木に登ると、逃げ遅れた子猿を腰に乗せて地上に降り(背乗り)、仲間を追って右のスギ防風林へ引き返します。 

つづく→

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