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2024/10/26

根曲がり巣穴の近くで餌を探す初冬のキジバトとアカゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬・午前9:30頃

平地のスギ防風林で風倒したスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴をトレイルカメラで見張っています。 

ある朝、1羽のキジバトStreptopelia orientalis)が奥の獣道に現れました。
地面の落ち葉や枯れ葉をついばみながら右から左へ歩いて横切りました。 
手前にあるツルウメモドキの赤く熟した果実を採食するかと期待したのですが、キジバトは気づかなかったようです。

しばらくすると、アカゲラDendrocopos major)が飛来し、画面右上の細い枝に止まりました。 
後頭部が画角の外に見切れてしまっているため、性別不明です。 
そのまま木登りして画面から消えました。 


「根曲がり巣穴」の周囲には昼間に野鳥もよく現れます。 
今回は巣口の背後にキジバトが来ていたので、巣内のイタチには見えません。 
もしも野鳥が巣口の手前で採餌活動した場合、巣穴からイタチが飛び出してきて獲物を狩ることはあるのでしょうか?(待ち伏せ猟) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2024/10/17

初冬の枯れた休耕地を遊動するニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2023年12月中旬 

初冬の枯れ果てた休耕地をニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが遊動するシーンをまとめてみました。 

シーン0:12/4・午後14:09・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 
休耕地で見つけたニホンアナグマの越冬用営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っています。 
巣穴の近くにローアングルでカメラを設置する作戦が失敗したので、少し離れた林縁から狙う作戦に戻しました。 


シーン1:12/11・午後13:30・くもり・気温18℃(@0:03〜) 


シーン2:12/13・午後12:01・晴れ・気温11℃(@0:07〜) 
ニホンザルが単独で枯野を右から左へ横切りました。 
途中で立ち止まったものの、アナグマやタヌキの巣穴には興味を示しませんでした。 
最後は左へ駆け去りました。 


シーン3:12/14・午前8:40・くもり・気温6℃(@0:24〜) 
翌朝もニホンザルが現れました。
休耕地の枯野を走って横断すると、画面奥の左右に通っている農道で別個体と合流しました。
用水路を跳び越えた猿は、更に奥のスギ防風林へ入って行きました。 


シーン4:12/15・午前7:22・朝霧・気温0℃(@1:03〜) 
翌朝は霧が発生して、レンズが曇っています。 
2頭写っていたニホンザルのうちの片方が手前に移動して、死角に消えました。 
その直後に至近距離からゴソゴソ物音がして画角が少し振動しました。 
猿の姿は写っていませんが、どうやらトレイルカメラに興味を示したニホンザルが林縁のオニグルミ灌木に登ったようです。 
幸い、猿にカメラを壊されたり盗まれたりしないで済みました。 
トレイルカメラはワイヤーロックでしっかり固定するようにしましょう。


シーン5:12/15・午前7:25・朝霧・気温0℃(@1:40〜) 
諦めたニホンザルがトレイルカメラを固定したオニグルミ樹上から地上に下りて、枯野を奥へノシノシと歩いて突っ切ります。 
途中でタヌキの巣穴の横を通ったのに、全く興味を示しませんでした。 
奥の農道に突き当たると右折して農道を走り去りました。 


シーン6:12/16・午後13:49・くもり・気温19℃(@2:36〜) 
翌日の午後、計4頭のニホンザルが登場します。 
まず、左上奥へ走り去る個体aがいます。 
行く手で座り込んでいた別個体bをそのまま追い越しました。 
座っていた個体bは、立ち上がると採食開始。 
採食メニューは不明ですが、休耕地なので「落ち穂拾い」とは言えません。 

次に、右端から別個体c(子猿)が登場しました。 
立ち上がると、走って左上奥に居た仲間のところへ合流しました。 

最後に右から来た成獣dがノシノシと歩いて、アナグマの巣口を覗き込みました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると、黒い首輪(GPS)を装着しているようです。 


シーン7:12/16・午後13:50・くもり(@4:11〜) 
計5頭のニホンザルがほぼ等間隔の一列縦隊で枯野を左上に向かって進んで行きます。 


シーン8:12/19・午前9:55・晴れ・気温9℃(@5:00〜)
3日後、大雪が積もった後に晴れて一面の銀世界となりました。 
巣穴から出入りしたアナグマやタヌキの足跡やラッセル跡が雪原にしっかり残っています。 

雪国で冬にフィールドワークをする利点は、雪面に足跡がしっかり残り、行動の履歴が読み取りやすいことです。 
その気になれば、足跡を辿ってどこまでも追跡することが可能です。(アニマル・トラッキング) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ ニホンザルの鳴き声や物音が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2024/10/14

朽木を登りながらつついて虫を探す初冬のコゲラ(野鳥)

 

2023年12月上旬・午後13:00頃・晴れ 

里山の雑木林で朽木にコゲラDendrocopos kizuki)が来ていました。 
立ち枯れした朽木には枝葉がまったく残ってなくて、樹種は不明です。 
コゲラは身軽にピョンピョン木登りしながら、朽木をあちこちつついて中に潜む虫を探しています。 
朽木の裏側に回り込んでから、隣の別な朽木に飛び移りました。 
朽木をつつく合間に幹に立ち止まって羽繕いを始めました。 
飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2024/09/21

晩秋の枯野でアナグマの越冬用営巣地をホンドテンが横切り、木登り?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬・午後20:20頃・霧? 

休耕地でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬を始めた営巣地(セット)に、ある晩ホンドテンMartes melampus melampus)が単独で現れました。
夜霧が発生しているようで、レンズが曇って画面がぼやけています。
 
軽快な小走りで枯野を横切って手前に来ると、獣道の途中で立ち止まりました。 
後足で立ち上がり、左の遠方をちょっと警戒しました。 
テンが後足ですっくと立ち上がる警戒行動は、以前も別な地点で記録されています。 


手前の死角に消えた直後にゴソゴソ、ガリガリ♪という耳障りな物音が監視カメラの至近距離から聞こえました。 
おそらく、林縁のオニグルミ灌木の幹に固定していたトレイルカメラを目ざとく見つけたテンが、爪を立てて木登りした物音ではないかと予想しています。


つづく→

2024/08/11

木から跳び降りてニホンアナグマの巣穴を跳び越えるニホンザル【トレイルカメラ】猿も木から落ちる

 



2023年10月下旬・午後13:04・くもり・気温19℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を見張っている自動センサーカメラにニホンザルMacaca fuscata fuscata)が写りました。 
朽ちかけたミズキの幹に身軽に登ると、途中で腰掛けました。 
左手に何か餌(果物?)を持っています。 
頬袋に餌が詰め込まれて膨らみ、それを少しずつ咀嚼しています。 

せっかく木に登っても長居はせずに、手前に大跳躍して地面に飛び降り、走り去りました。 
対面に設置したトレイルカメラで、朽木に登ったニホンザルを至近距離から撮れたはずなのに、なぜか写っていなくて残念でした。 

跳躍シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
アナグマの巣口Rを飛び越える大ジャンプでした。
謎の巣穴を見つけたニホンザルが、樹上から偵察したのかな?

※ 飛び降りたシーンだけ、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2024/08/05

オニグルミの木を登って鳴きながら♪逃げるニホンリス

 

2023年10月下旬・午後14:15頃・晴れ 

里山の中腹で小さな沢を渡る地点に育ったオニグルミの樹上に何か動く生きものを見つけました。 
てっきりキツツキの仲間かと思いきや、カメラでズームインしてみるとニホンリスSciurus lis)でした。 
私が肉眼では見えているのにカメラの画角内にリスを収めるのに四苦八苦している間も、珍しく動かずに居てくれたので助かりました。 
オニグルミの苔むした(地衣類?)幹に止まったリスの横顔がようやく撮れました。 

やがてニホンリスはキキキッ♪と鋭い警戒声を発しながら幹の背後に素早く隠れ、逃げてしまいました。 
素早く木登りしたリスは隣接するスギ高木の枝葉に飛び移って姿を消したのですが、カメラで流し撮りするのはとても無理でした。 
リスの通り道となったスギの枝葉が揺れています。 

黄葉しかけた葉および落果から、リスが木登りした樹種がオニグルミであることを撮影後に確認しました。 


※ リスの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


ニホンリスがクルミの実を採食するシーンを動画で撮るのが今後の課題です。 
片手間では無理そうで、じっくり腰を据えてリスを狙う必要がありそうです。


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アナグマの巣穴に侵入して虫を捕食するアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年10月下旬

シーン1:10/27・午後15:09・くもり・気温13℃(@0:00〜) 

平地の二次林でアオゲラ♀(Picus awokera awokera)が白昼堂々、ニホンアナグマMeles anakuma)の巣穴Lに忍び込んだので驚きました。 
入巣Lして完全に姿が見えなくなったものの、すぐ外に出てきました。 
おそらく、昼間にアナグマの巣穴に居候しているカマドウマなど穴居性の昆虫を捕食していたのでしょう。 

キツツキ類は樹上に潜む虫を捕食する専門だと思っていたので、かなり意外な行動でした。 
アオゲラが地中の穴に営巣することはありません。 

少し飛んで右上奥のミズキ立木の幹に止まってから、再びアナグマの巣口Lに舞い戻りました。 
アクセストレンチLの地面をあちこち啄んでいます。 
夏から秋にかけてキイロコウカアブの成虫が飛び回っていたので、その幼虫や蛹がいるのかもしれません。 


巣穴Lの主であるアナグマが中から飛び出して鳥の侵入者を追い払うことはありませんでした。 
このときは留守だったのかもしれません。 

実は途中から1羽のカケスGarrulus glandarius)が右上奥の獣道に現れました。 
常緑ヒメアオキの群落に入って、林床をつついています。 
(ドングリを貯食しているのかもしれません。) 

2種の鳥は互いに無関心で、相次いで左に飛び去りました。 


シーン2:10/29・午後12:59・くもり・気温15℃(@1:02〜) 
2日後にもアオゲラ♀が左から横っ飛びのホッピングでアナグマの巣口Lに近づきました。 
地上で活動するアオゲラを見るのは新鮮です。 
啄木鳥はウォーキングできない足の作りなのでしょうか? 
巣穴Lの奥を慎重に覗き込みましたが、今回は獲物となる虫がいなかったようです。 
少し飛んで近くのミズキ立木の幹の根元に止まり、上に登って行きます。(木登り) 


【考察】 
この二次林でアオゲラが撮れたのは、これが初めてです。
アナグマの空き巣に潜む虫を捕食しに来たのはタヌキ、テンに続いてアオゲラが3種目です。



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2024/07/11

木に登ってトレイルカメラの上に座って休むニホンザル【トレイルカメラ】

 



2023年10月中旬・午後12:05頃・晴れ・気温22℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)一家が転出した後も二次林にある旧営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っていると、野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが通りかかりました。 
まず単独で現れたニホンザルがアナグマの巣穴Lに興味津々で奥を覗き込みました。 
口をモグモグと動かして、頬袋に詰めた食物を咀嚼しています。 
ゆっくり左へ立ち去りながら、ちらっと横目でカメラ目線になりました。 

しばらくすると、突然ニホンザルがトレイルカメラに跳びつきました。(@0:27〜) 
監視カメラに噛みつこうとしているのか、口内が至近距離で写りました。 
カメラを固定してあるミズキ灌木によじ登ったようで、画角が少しだけずれました。 


別アングルで設置した旧機種のトレイルカメラでも一部始終が広角で記録されていました。(@0:40〜) 
アナグマの巣口Rに身を伏せて匂いを嗅いでから、奥の二次林に入って行きました。 
対面に設置した新機種のトレイルカメラを固定しているミズキ灌木に近づくと、よじ登り始めました。 
木登りの途中でカメラのレンズをちょっと覗き込むと、こちらに背を向けたまま、カメラの上に腰掛けました。 

休憩を終えて猿がミズキの木を降りる様子も録画されていました。(@1:24〜) 
木下りしながらも、見慣れないカメラに興味津々です。 
至近距離からニホンザルの顔?が写ったものの、近過ぎてよく分かりません。 
カメラを木から取り外そうとしているようですが、ワイヤーロックのおかげで諦めてくれました。
幸いトレイルカメラを盗まれたり破壊されたりしないで無事でした。

地上に降りたニホンザルは、右へ遊動する途中に林床で何かを拾い上げて味見しました。 (@1:45〜) 
 採食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイしてみても(@2:04〜)、メニューは不明です。(落ち葉? 落枝? キノコ?) 
その辺りにはナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)という冬緑性の低灌木の群落が自生していたので、もしかすると赤く熟した果実(液果)を食べたのかもしれません。 
(10月中旬までナニワズの熟果が残っていたかどうか、覚えていません。)



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
このニホンザルの性別を私には見分けられませんでした。
無人カメラならではの臨場感のある接写映像が撮れました。 



2024/05/28

枯木の蔓を登り化粧するヤハズカミキリ♀

 

2023年8月下旬・午後14:05頃・晴れ 

平地の二次林で枯れかけの灌木(樹種不明:ミズキ? オニグルミ?)に巻き付いた木質の太い蔓(種類不明:フジ? ツルウメモドキ?)に見慣れないカミキリムシが止まっていました。 
図鑑で調べてみると、ヤハズカミキリ♀(Uraecha bimaculata bimaculata)と判明。 
コブヤハズカミキリとは全くの別種らしいのに、紛らわしい名前です。 
図鑑の記述を読むと、ここでヤハズカミキリを発見できた理由も納得しました。
平地から山地に生息し、雑木林や河畔林などで普通に見られる。成虫は6〜8月に出現し、枯れ葉を後食する。昼間、折れてぶら下がった枝に付いた枯れ葉の中によく潜んでいる。 ホスト:各種広葉樹の枯れ枝 (『新カミキリムシハンドブック』p85より引用)

 

新しい枯れ葉や枯れ枝によく集まり、昼間は枯れ葉の丸まった中に潜んでいることが多い。またそのような枯れ葉を成虫は食べる[3]。 (wikipedia:ヤハズカミキリより引用)
私がレンズを近づけて接写しても、初めは無反応でした。 
側面から見ても腹端の産卵管を伸ばしていないので、産卵行動ではなさそうです。 

やがて警戒を解くと、長い触角を左右にゆっくり振り立てて、太い蔓を伝って登り始めました。 
立木の幹には移らず、木質の蔓を上に登り続けます。 

蔓の途中で立ち止まると、身繕いを始めました。 
左の前脚と中脚同士で擦り合ったり、触角を左脚で拭ったりしています。 
このとき、左上に丸まった枯れ葉(オニグルミ?)が見えますが、その中に潜り込むことはありませんでした。 

化粧が済むと、再び木登りを再開。 
翅を広げて飛び立つかと期待したのですが、ひたすら上に登っていきます。 
 手の届かない高所に登ってしまう前に捕獲しようと私が手を伸ばしたら、身の危険を感じたヤハズカミキリ♀は死んだふり(擬死)して地面に落ちました。 
擬死落下のシーンを撮れてないのが残念です。 
焦げ茶色の目立たない保護色なので、林床で見失ってしまいました。 
捕虫網の代わりに帽子などを広げて下で受け止めるべきでしたね。 


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2024/05/08

オニグルミの木に登って鳴き、樹液を吸うニイニイゼミ♂の群れ

 

2023年7月中旬・午後13:00頃・くもり 

山麓の道端でニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)の合唱が聞こえました。 
鳴き声を頼りに辺りを探すと、若いオニグルミ灌木の細い幹に複数個体が止まっていました。 
樹上で生きたニイニイゼミを見つけられたのは、恥ずかしながら今回が初めてです。 
オニグルミの樹皮の色よりもニイニイゼミの翅の雲状紋の方が濃くて、それほど保護色(隠蔽擬態)になっていませんでした。 
私でも見つけられたのは、目立っていたからです。 

チーーー♪と単調にひたすら鳴き続けている♂個体を背側から撮ると、腹部を高速で前後に伸縮させて腹式呼吸しています。 
セミ♂にとって、鳴く行為(発音)はなかなか激しい運動なのでしょう。 
気温を測るのを忘れてしまいました。 
オスは翅を半開きにして「チー…ジー…」と繰り返し鳴く。鳴き始めは「チー」が数秒、急に音が高く大きくなって「ジー」、数秒-10秒ほどで緩やかに「チー」へ戻り、数秒後に再び「ジー」となり、鳴き終わりは「チッチッチ…」となる。日中の暑い時間帯には鳴く個体が少ないが、明るいうちはほぼ一日中鳴き、夜でも街灯など灯火に集まって鳴くことがある。他のセミが鳴かない朝夕の薄明頃にはヒグラシと並んでよく聞こえる。 (wikipediaより引用)

樹上で鳴いていたニイニイゼミ♂が、何の前触れもなく幹から飛び去りました。(@0:43〜) 
スローモーションにしても羽ばたきは速すぎて見えませんでした。 
次に機会があれば、飛び立つ瞬間をハイスピード動画で記録してみるつもりです。 

初めは気づかなかったのですが、カメラを上下にパンすると、計3匹のニイニイゼミが同じオニグルミの木に止まっていました。 
上には木登りしている個体がいました。(@2:32〜) 
立ち止まると幹に口吻を垂直に突き立てました。 
樹液を吸い始めたようです。 
腹面が白っぽく、腹弁が見えることから♂と分かります。 
真横から見ると、翅が透明に透けていて、その上に暗褐色の雲状紋が描かれています。 
口吻を斜め下に突き刺して樹液を吸汁している個体もいます。(@3:00〜) 

長撮りしている私の背後を車が通過しても、ニイニイゼミ♂は逃げませんでした。 
これだけ多くの個体が集まっているということは、羽化直後なのですかね? 
今思うと、念のために木の根元で抜け殻(羽化殻)を探すべきでした。 

 ※ 映像素材の順番を少し入れ替えました。 


ニイニイゼミ♂の鳴き声を声紋解析してみる? 
複数個体の鳴き声であることに注意。 
近くの草むらで直翅目も鳴いています♪(キリギリス系) 


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2024/04/26

平地の二次林を遊動・木登りするニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 



2023年8月上旬・午前10:10頃・晴れ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが昼間に通り過ぎました。 
冒頭でゴソゴソと物音がするのは、もしかするとトレイルカメラを固定した立木に猿がよじ登ったからなのかもしれません。 (あるいは野鳥が嘴を枝や幹に擦り付けたのかな?) 

二次林の林床をニホンザルが奥から手前へ次々に走って来ます。 
アナグマが掘った巣穴にもトレイルカメラの存在にも気づかずに(興味がなくて)、素通りしました。 

動画の後半からなぜか急にフルカラーで録画してくれるように切り替わりました。(やれば出来るじゃん!) 
旧機種のトレイルカメラは昼間の挙動が本当に気まぐれで泣かされます。 
奥の林内をゆっくり遊動する個体が途中で寄り道して木に登っています。 
遠くでゆっくり活動する猿は分かりにくいので、5倍速の早回し映像でリプレイ。(@1:19〜) 
ヒトの視覚は動きの激しいものを鋭敏に認識するようにできています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/04/15

林床のヘビに対してモビングするシジュウカラなど小鳥の群れ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が転出した後の旧営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、ある日に大事件が勃発しました。 

シーン0:7/22・午後14:10頃・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
古いトレイルカメラの変な癖で、これ以降はなぜかフルカラーで録画してくれなくなります。


シーン1:7/25・午前9:40頃・晴れ(@0:03〜) 
二次林に多くの小鳥が集まり、耳障りな警戒声を発しながら忙しなく飛び回っています。 
何事かと思って動画をよく見直すと、アナグマの巣穴Rから2匹のヘビ(種名不詳)がニョロニョロと外に這い出て来ました! 
林床の地面を手前に向かってゆっくり蛇行します。 
ヘビの動きが緩慢で分かりにくいので、5倍速の早回し映像でリプレイします。(@1:03〜1:15) 

そもそも林内で2匹のヘビが一緒にいること自体が珍しいです。
(私はこれまで単独行動のヘビしか見たことがありません。) 
アナグマ家族が転出した後の空き巣にヘビの群れが住みついたというよりも、よく出入りしている野ネズミ(ノネズミ)の匂いを嗅ぎ取って巣穴に潜り込んでいたのでしょう(探餌行動)。 

アオダイショウElaphe climacophora)など木登りが得意なヘビは鳥の巣を襲い、卵や雛鳥を捕食しますから、野鳥の天敵です。 
したがって、天敵のヘビを見つけると野鳥は特有の警戒声を発して仲間を呼び寄せ、騒ぎ立てます。 
これはモビング(擬攻撃)と呼ばれる行動です。 
鳥たちは警戒して集まるだけで、ヘビを嘴でつつくなど直接的な攻撃をすることは一度もありませんでした。 
安全な樹上から地面のヘビを見下ろして鳴き騒ぎ、止まり木から止まり木へ忙しなく飛び移っています。 
縄張りからヘビが居なくなるまで、森に住む鳥たちは協力して、その動向を見張るのです。 
野鳥にしてみれば、自分たちの巣やねぐらをヘビにこっそり奇襲されるのが一番困ります。
ヘビに対して直接攻撃しなくても、「そこに居るのは知ってるぞ!」としつこくアピールするだけで抑止効果があります。 

動画内でジャージャー♪と耳障りな声で何度も鳴いているのは、シジュウカラがヘビに対して発する典型的な警戒声です。 (※ おまけの動画を参照) 
ヘビに対するモビングに参加する鳥の群れは同種だけとは限らず、異種の鳥も集まってくるのが特徴です。 
つまり、各種の鳥が発する「ヘビがいるぞ! 集まれ! 気をつけろ!」という種固有の警戒声を他種の鳥も理解した上で適切に振る舞っていることになります。
今回集まってきた小鳥はシジュウカラParus minor minor)がメインのようですが、白黒映像では種類をしっかり見分けられません。 

関連記事(同所でほぼ同時期の撮影)▶ 


他にはヒヨドリHypsipetes amaurotis)やカラス類が鳴き騒ぐ声が聞こえるものの、姿は写っていません。 
ヘビに対する鳥の集団モビング行動を実際に観察したのはこれが初めてで、とても感動しました。
フルカラーで録画できなかったのが、つくづく残念です…。 


シーン2:7/25・午後12:40頃・晴れ・気温32℃(@1:17〜) 
約3時間後の暑い昼下がりにトレイルカメラが再び起動すると、森はすっかり静まり返っていました。 
ヘビに集団モビングしていた鳥たちは既に解散したようです。

1羽の猛禽(種名不詳)が飛来したようで、林縁の低い灌木に止まってキョロキョロと辺りを見回しています。(画面の赤丸) 
私にはモノクロ映像から猛禽の種類を見分けられなくて残念ですが、後日にもまた登場します。(映像公開予定) 

やがて、ヘビ(種名不詳)が1匹アナグマが掘った古い巣穴Rlから外に這い出てきたのでびっくりました。 
どうやら、さっき鳥たちに集団モビングされて逃げ出した蛇のうち1匹がいつの間にか戻ってきたようです。 
ヘビは変温動物の爬虫類ですから、ヘビが単独でいくら活発に動き回ってもトレイルカメラのセンサーは反応しません。
温血動物(恒温動物)の鳥や哺乳類と同時に現れたときにしかヘビの行動は記録されないことになります。 
(実際、このヘビが木から降りるシーンは撮れていませんでした。)

等倍速ではヘビの動きが緩慢で分かりにくいので、まずは5倍速の早回し映像でご覧ください。(@1:17〜1:30) 
セットの広場を蛇行して横切ると、林縁に生えた細い灌木(樹種不明)をスルスルとよじ登り始めました。 
樹上に鳥の巣を探して求めているのかな? 
木登りする蛇を見るのは、これが2回目です。 
関連記事(11年前の撮影)▶ アオダイショウの木登り 


こんなに低い止まり木にじっとして居る猛禽を見るのは、珍しい気がします。
この猛禽はおそらく、カラスの大群にモビング(擬攻撃)されて林内に逃げ込み、ほとぼりが冷めるまで身を潜めているのでしょう。 
枝葉が鬱蒼と生い茂った二次林の低層に隠れると、上空を飛ぶカラスの目からは見えなくなるようです。
この猛禽が近くで動き回るヘビに飛びかかって捕食しないのが不思議でした。 
おそらくヘビは猛禽の死角に入り、見えてないようです。
それともカラスに追われる身の猛禽にしてみれば、ヘビを狩るどころではないのかもしれません。 (下手に動くとカラスに居場所がばれてしまう。)
あるいは、ニホンマムシGloydius blomhoffii)など危険な毒蛇を忌避しているのかな? 
もし森の小鳥たちがこの猛禽を見つけたら、ヘビに対するのとは別の鳴き方で警戒声を発して猛禽への激しいモビングを始めるはずですが、まだ誰にも見つかっていません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳥の鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


 

↑【おまけの動画】
『【永久保存版】シジュウカラ語を一撃で理解できる最強の動画』by ゆる言語学ラジオ 

シジュウカラの言語研究で名を挙げた鈴木俊貴先生が一般人にも分かりやすく直々に解説してくれています。 
シジュウカラがジャージャー♪と鳴くのは、「天敵の蛇だ!」という意味です。 
これを聞くと仲間の鳥は(シジュウカラに限らず)一斉に集まって地上のヘビを探します。 
ちなみに、シジュウカラの雛は親鳥の警戒声「蛇だ!(ジャージャー♪)」を聞くと巣内から慌てて飛び出すらしい。 
これは学習によらない本能行動なのだそうです。 


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2024/04/11

枯れたミズキで木登りするコゲラと地上で採食するシジュウカラの混群【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年7月下旬・午後14:25頃・気温32℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地を自動センサーカメラで見張っていると、暑い昼下がりに小型の啄木鳥コゲラDendrocopos kizuki)が登場しました。 
画面の左端に伸びた細い木は、立ち枯れして樹種がわからないのですが、おそらくミズキです。 
巣穴周辺の樹木が次々と弱っていくのは、地中にアナグマが深い巣穴を掘りまくって根を傷つけるせいだと思います。
アナグマ家族の排泄物で土壌が富栄養化するために周辺の樹木が枯死するのかもしれませんが、私はアナグマのトイレ(溜め糞場)を巣穴の近くで見つけたことはありません。

そのミズキの枯木でコゲラが幹に止まったまま一旦下に降りてから、しばらくすると木登りで戻ってきました。 
朽木内に潜む虫を探して捕食するのでしょう。

その間、画面の右下隅でシジュウカラParus minor minor)が地上で採食しています。 
もう1羽のシジュウカラが飛来すると、2羽で低い止まり木をあちこち飛び回って姿を消しました。
カラ混群にコゲラも参加していることがよくあるので、今回もその1例だったのでしょう。

2023/12/24

雨夜に小川沿いの木から下りるハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬・午後20:40頃・小雨・気温16℃ 

小川に架かる丸木橋を見張っている自動センサーカメラにハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)の意外な行動が撮れていました。 
小雨がぱらつく晩に、右岸に自生する灌木(樹種不明)の細い幹を野生動物がスルスルと地面に下りて来ました。 
カメラの起動が間に合わず、頭部は見えなかったものの、尻尾が長いのでハクビシンと思われます。 
ハクビシンは木登りが得意と言われていますが、その片鱗を垣間見れたのはこれで2回目です。 



以前も此岸の灌木が激しく揺れていたことがあったのですが、それもハクビシンの仕業だったのでしょう。 
夜行性のハクビシンが獣道を歩くだけでなく木から木へと渡る決まった巡回ルートがあるのならば、対岸にトレイルカメラを設置して狙ってみるのも面白そうです。 

この流域にはハクビシンの健常個体だけでなく片目が失明した隻眼の個体も生息することが分かっています。 
両眼視ができないと遠近感が失われ、木登りが苦手(下手糞あるいは慎重)になると予想されるのですが、今回登場した個体の目の状態が撮れていなかったのは残念です。 



2023/10/19

深夜の河畔林で木を登り下りするヒメネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月上旬〜中旬 

笹薮の生い茂る河畔林でタヌキの溜め糞場rpを見張っていると、ヒメネズミApodemus argenteus)が現れました。 


シーン0:4/6・午後15:30・@0:00〜) 
明るい日中に偶々撮れた現場の様子です。 
オニグルミ大木の真下にタヌキの溜め糞rpがこんもりあります。 


シーン1:4/10・午前2:38・(@0:06〜) 
画面の赤丸に注目してください。 
小さな野ネズミがオニグルミ大木の根元を左から裏側へ回り込んでから、垂直な幹(に巻き付いたフジ蔓かも? 現地で要確認)を登り登り降りしました。 
これほど木登りが得意ということは、アカネズミではなく小型のヒメネズミかということになります。 
まさか樹上に巣があるのでしょうか?
春になって虫取りができるようになったのかもしれません。

地上に降りて溜め糞場rpの横に来たところで、センサーカメラの録画が電池切れになっていました。 


シーン2:4/18・午前0:27・(@0:55〜) 
8日後にも木登りの得意な野ネズミが大木の股の部分に居ました。 
幹を登り始めたところで、録画が打ち切られていました。(カメラの電池消耗) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

林床で夜な夜な採餌活動する野ネズミもよく写るようになったのですが、それについては別の記事にまとめます。

2023/08/19

ニセアカシアの大木を逆さまに下りる雪国のハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年1月中旬・午後23:00頃・気温-1℃ 

河畔林のニセアカシア(別名ハリエンジュ)大木の真下に残された溜め糞場bLを自動撮影カメラで見張っていると、深夜にゴソゴソという激しい物音と共にレンズの至近距離に獣が現れました。 
ニセアカシア老木の幹に巻き付いて育った太いフジ(藤)蔓をハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が爪を立てて垂直に下り、雪面に降りました。 
凍結した雪面に達すると、溜め糞場bLには興味を示さず横切りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

フジ蔓上に見慣れない異物を発見したハクビシンが、トレイルカメラを調べに来たのかな? 
それとも、ニセアカシアの樹上にハクビシンがねぐらとする樹洞があるのでしょうか? 
後日現場入りした際に調べてみたのですが、下から見上げた限りでは、樹洞や巣穴は無さそうでした。 
ハクビシンは果実を好むらしいので、ニセアカシア高木に巻き付いたツルウメモドキの熟果を食べに来た可能性もありそうです。




同じ流域の河畔林で数百m離れた地点(溜め糞場rvやコンクリート護岸)でもハクビシンの家族がトレイルカメラにこれまで何度も写っていたので、今回登場したこと自体には驚きはありません。 
元々ハクビシンは南方系の外来種のはずなのに、雪国(東北地方)の厳冬期でも冬ごもりや冬眠をしないで適応し、元気に活動している様子が撮れたのは初めてです。 
身軽なハクビシンは木登りが得意だと評判ですが、ほぼ垂直の大木を逆さまになって下りる様子を間近で撮影できたのも嬉しい収穫です。
木下りの次は、ハクビシンの木登りを撮影してみたいものです。






【追記】
郷土出版社『置賜ふるさと大百科』を紐解くと、ハクビシンに関するコラムがありました。
夜行性で木登りがうまく、長い尾でバランスをとりながら、樹間を移動する。(中略)現在置賜地方全域に生息し、最近では市街地でも見かけられるようになった。(p54より引用)


私が特に興味を持ったのは次の一節で、初めて聞く話でした。

戦前に中津川(現在の飯豊町) や山形県境に近い福島市庭坂で、タヌキの毛皮目的で繁殖が行われたという話を聞いた。タヌキと一緒に動物商から「台湾タヌキ」と称する動物を購入して飼育したが、毛皮が粗悪で売り物にならず、山に放したり、なかには逃亡したものもいたという。持参したハクビシンの写真を見せたところ、それは間違いなくハクビシンであった。わが国におけるハクビシンの渡来ルーツを解明するのに貴重な証言である。(p54より引用)



太いフジ蔓以外に多数巻き付いている細い蔓はツルウメモドキ



2023/06/28

晩秋の早朝にリョウブの枝を渡るニホンリス【トレイルカメラ】

 



2022年11月中旬・午前6:18・気温2℃ 

山林でカラマツの根元にある給餌場を自動センサーカメラで監視していると、日の出時刻ちょうどにニホンリスSciurus lis)が現れました。 

泥汚れの付いたカラマツの背後の斜面から這うように横に生えた(多雪地帯の山林に特有の樹形)リョウブ灌木の枝にリスは座っていました。 
全身像は見せてくれず、そのままカラマツの幹の背後に姿を消しました。 
もしかすると、カラマツの木に登ったのかもしれません。 
あまり面白い動画ではありませんが、この時期の雑木林にリスが生息していることの証拠映像となります。 

給餌場に私が置いたオニグルミの堅果は、数日前には既に夜行性の野ネズミによって全て持ち去られた後でした。 
昼行性のリスがクルミの実を貯食するために給餌場に通う様子を撮りたかったのですが、残念です。 
今後の反省としては、地上ではなく樹上にリス専用の餌場を作った上で、「ネズミ返し」を設置する必要がありそうです。 

遂に早朝の最低気温が4℃を下回りました。 
じきに最低気温が零下になるでしょう。 
こんな低温でもしっかり起動してくれるトレイルカメラに感動します。 
生身の動物カメラマンが晩秋の山中でブラインドに徹夜で隠れ、夜明けにリスの映像を撮って来い!と命じられたら…と想像すると、かなり過酷なミッションになります。

つづく→

2023/06/08

スギ林に塒入りしたニホンザルの群れ

 

2022年10月下旬・午後16:30頃・くもり(日の入り時刻は午後16:45) 

日暮れ時に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが里山から麓に下りてきてスギ林へ次々と入って行きました。 
鬱蒼としたスギの植林地でどうやら一夜を過ごすようです。 

ところが天の邪鬼な個体が群れとは逆行して、杉林から山へ帰って行きました。 
まだお腹が満ち足りていないのか、暗くなるぎりぎりまで山で採食したいのかもしれません。 

スギ林の中からときどき猿の鳴き声やバキッと木が折れる音が聞こえます。 
物音のする方にズームインしてみると、斜めに倒れた朽ち木にサルが乗っていました。 
そこから身軽にジャンプして障害物を乗り越え、木を下りました。 

未だ遊び足りない3頭の子ザルが細い灌木に登って激しく追いかけっこしています。 
そのまま樹上に腰掛けて体をボリボリ掻きました。 
最後は飛び降りてスギ林の奥に走り去りました。 

塒入りしたニホンザルが夜の杉林でどのように寝ているのか、いつか観察してみたいものです。 
しかし、猿に気づかれないように忍び寄るのは難しそうです。 
一日中群れについて歩いて馴らせば可能?(人付け)
毎晩必ず同じスギ林に塒入りするのであれば、明るい日中に予めスギ林の中でブラインドを張って隠れ、猿を待ち伏せする作戦が有効かもしれません。
暗い夜でも遠くから野生動物の撮影ができる高性能(超高感度)のサーモグラフィカメラが欲しくなりますが、軍事用で超高価なので素人には高嶺の花です。 

夕方でかなり薄暗いために、カメラのAFがなかなか合焦しません。(私のカメラの性能限界) 
動画の画質がひどく粗いのも光量不足のせいです。 

※ 猿の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
素材を撮影順ではなく少し入れ替えました。

2023/05/31

右腕の不自由なニホンザル♀がミズキの木から下りてスギ林に塒入り

 

2022年10月下旬・午後16:25頃・くもり(日の入り時刻は午後16:45) 

夕方の山麓でミズキの樹上でニホンザルMacaca fuscata fuscata)が休んでいました。 
逆光で影絵のようなシルエットしか見えませんでしたが、動画編集で試しに自動色調補正してみたら、見違えるように逆光補正してくれました。 
不自然な色補正を嫌う人もいそうですが、私としてはニホンザルの表情や視線など微妙な行動が可視化された方が嬉しいです。 
薄暗いところで写真を撮るならストロボ(フラッシュ)を焚けば済むのですが、野外で動画を撮るには強力なサーチライトなどは使えません。 
暗い映像が動画編集でここまで改善されるのはありがたいです。 

猿がミズキの熟した果実(核果)を採食するかと期待したのですが、塒入りする前に樹上でのんびり休んでいるだけでした。 
ミズキ樹上で採食しないのは私に対して警戒しているのかと撮影中は思ったのですが、逆光補正した表情を見る限り、あまり警戒してなさそうです。 
撮影後にミズキの樹の下を調べると、落果が散乱していました。 
もしかすると、ニホンザルが樹上で採食しながら下に落とした跡かもしれません。 
私の周囲あちこちで複数のニホンザルが様々な行動をしているので、どれを撮るべきか目移りしてしまいます。
ときどき周囲で群れの猿たちが鳴く声が聞こえます。 
しばらくすると、いつの間にかミズキ樹上にもう1頭の個体が登っていました。 
樹上の2頭を撮影していると、手前を別個体♂が左の山林から下りてきて舗装路を横切りました。 
私がよそ見した隙に、ミズキの横枝から2頭が次々に木を下りてきました。 
初めにミズキから下りてきたのは若い♂でした。 
注目すべきは、次に木下りした♀の個体です。 
どうやら右腕を怪我しているようで、歩くときも右前足だけ着地しないようにかばって歩いていました。(三足歩行) 
「猿も木から落ちる」という諺がどのぐらい真実か分かりませんが、まさにミズキの木から下りる時に着地に失敗して右手を痛めてしまったのでしょうか?
先天性の奇形とか、罠にかかって手に重症を折ったとか、群れの仲間と喧嘩して噛まれたとか、色々考えられますが、詳細は不明です。 
片手が不自由でも問題なく木に登り降りできたことになります。
関連記事(9、10年前の撮影)▶  
群れのしんがりを務める隻腕ニホンザル♂:右腕の肘から下が欠損 
右手の無い障害ニホンザル:右前足が肘下から欠損 
片腕の折れた野生ニホンザルの落穂拾い:左前脚が骨折しているようで、歩行時も折れた腕を庇って四足ではなく三本足による跛行で痛々しい。

ニホンザルの群れは左の山から続々と下りてきて、麓のスギ植林地に入っていきます。
ここで一夜を過ごすようです。(塒入り)



2023/05/27

若いニホンザルはオニグルミの落果を拾って皮を剥いても硬い殻を割れない【種子散布】

 

2022年10月下旬・午後16:30頃・くもり 

山麓のスギ林の林縁で若いニホンザルMacaca fuscata fuscata)がねぐら入りする直前まで採食しています。 
地面から黒くて丸い物体を次々に拾い上げました。 
どうやらオニグルミの果実が熟して落ち、辺りにいくつも転がっているようです。 
実際に、オニグルミの大木がスギ林に隣接する土手のあちこちに自生していました。 

ニホンザルはオニグルミの落果を拾うと、黒い果皮を手や口を使って器用に剥がしています。
ここまではヒトのクルミ拾いと似ています。 

関連記事(同年同時期の撮影:ヒトの採食行動)▶ オニグルミの落果を採集(クルミ拾い) 

オニグルミの果皮にはタンニンが多く含まれますから、渋くて不味いはずなのに、果皮を口にしても猿は平気な顔をしています。 
果皮を剥いて中から硬い堅果を取り出しても、非力な若猿には歯が立ちません。 
しばらく弄んでから食べられないと分かると、オニグルミの堅果をポイッと捨ててしまいます。 
その間も遊動していますから、オニグルミの落果を拾った地点から捨てた地点まで数メートル運びました。 
つまり、ニホンザルはオニグルミ種子の分散に貢献したことになります。 
オニグルミの母樹から遠ざかる方向に移動したのか、逆に近づいてしまったのか、は偶然に左右されます(ニホンザルの気分次第)。
もし猿がスギ林の中に持ち込んでからクルミ堅果を捨ててしまうと、日照量の少ないスギ林床でオニグルミの実生が育つのは絶望的です。

オニグルミの主な種子散布者は野ネズミやリスで、彼らが堅果を貯食する習性を利用しています。
野ネズミやリスに拾われて地中に隠されたクルミ堅果のほとんどは冬の間に食べられてしまいますが、ごく一部の食べ忘れられたクルミ堅果から芽が出て種子散布に成功します。 
つまり持ちつ持たれつの共生関係にあります。
一方、ニホンザルに対してオニグルミは何も報酬を与えていません。 
一時の好奇心が満たされたこと自体が報酬なのでしょう。

今回クルミを拾ったニホンザルは、好奇心旺盛な若い個体ばかりだったのがポイントかもしれません。 
年を取って経験を積むと、オニグルミの落果は拾う価値が無いと学習するはずです。 
それでも暇つぶしや遊びとしてクルミを拾い続けるかな? 
知能の高いニホンザルの好奇心を刺激する(拾いたくてたまらない)形状にクルミの果実が進化したら面白いですね。(猿の好奇心と遊び心を利用した種子散布) 

【追記】
私は知らなかったのですが、ニホンザルの成獣の一部はオニグルミの堅果を歯で噛んで割ることができるようになるそうです。
参考:野⽣ニホンザルのオニグルミ採⾷⾏動を観察
―採⾷技術とそのバリエーション―(無料PDFファイル

クルミ拾いに飽きると、腕白盛りの若いニホンザルたちは林縁で追いかけっこしたり、スギの枝葉に跳びついてブランコ遊びをしたり、スギの木に登ったり降りたり、遊びながらスギ林の奥へ遊動して行きます。 
猿の鳴き声が杉林からひっきりなしに響き渡ります。 
ニホンザルの群れは、このスギ植林地で一夜を過ごすようです。 

※ 映像があまりにも暗過ぎるパートは、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。


関連記事(約2週間後の撮影)▶ 餌場に置いたオニグルミ堅果に悪戯するも食べずに去る若いニホンザル【トレイルカメラ】


↑【おまけの動画】 
“Monkeys Use Stones to Crack Open Nuts” by National Geographic 

当地のニホンザルがもしもクルミの硬い殻を石で叩き割って中身を食べることを覚えたら(道具使用、石器使用)、今度はオニグルミの種子散布者から種子捕食者になります。 
日本のカラスが投げ落としによるクルミ割りをマスターしたのですから、ニホンザルがクルミ堅果を割れるようになっても不思議ではありません。
ヒトが石を使ってクルミの殻を叩き割るお手本を見せたら、すぐに学習するんじゃないかな?

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