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2026/09/18

樹上でちぎり取ったコナラの若葉に付いていた虫を捕食するニホンザル♂

 

2025年5月下旬・午前10:05頃・くもり 

里山の山道を私が静かに登っていると、パッチ状に植林された スギ(杉)林でニホンザル♂(Macaca fuscata fuscata)と遭遇しました。 
樹上のニホンザル♂は、スギの幹の陰から顔を出して、私を見下ろしています。 
初めは逆光で猿の顔がよく見えませんでした。 
欠伸をしたのは、もしかすると犬歯を誇示して私を威嚇したつもりなのかもしれません。 
次に左手で頭を掻きました。 
胸に乳首が見えず、股間に薄いピンクの陰嚢が見えたことから、♂と判断しました。 
白っぽい毛並みの個体です。 

やがてニホンザル♂は、座っていたスギの横枝から立ち上がると、樹上で移動開始。 
隣の横枝に跳び移り、私の真上まで来て横枝に座りました。 
チラチラとさり気なく私を見下ろしています。 

樹上の猿は、スギの枝先から左手を伸ばすと、隣接するコナラの葉を数枚ちぎり取りました。 
そのままスギの横枝に戻り、採取したコナラの若葉を採食しています。 
食事の様子をよく観察すると、コナラの葉そのものを食べているのではなく、葉に付着した小さな虫(種名不詳)を丹念に指でつまんで捕食していました。 
調べた葉を下にどんどん捨てています。 

次に、ニホンザル♂は左上を見上げながら左手で左膝を掻きました。 
このとき、次の移動ルートを思案・検討していたようです。 
最後に、隣接するコナラやスギへと樹間移動を始めました。


【考察】 
コナラの若葉を食べても良さそうなのに、今回のニホンザル♂が口にしなかったのは意外でした。
その代わりに、コナラの葉に付着していた小さな虫を指で丹念に摘み取って食べていました。
捕食した虫の正体を見極められなかったのは残念です。
今思うと、ニホンザルが捨てたコナラの葉を拾って、詳しく調べるべきでしたね。

ひとつ思いついたのは、コナラの葉の表面にできた虫こぶ(虫えい)を食べたのではないかという仮説です。
Perplexity AIに訊いてみると、やや否定的な見解でした。

Q1: 5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はあるか?

A1: はい、5月下旬にコナラの葉に形成される虫こぶ(ゴール)はいくつか確認されています。代表的なものを以下に挙げます。

5月下旬にコナラの葉で見られる主な虫こぶ

ナラハタイコタマフシ

  • 形成者: ナラハタイコタマバチ(タマバチ科)
  • 形成部位: コナラ、ミズナラ、カシワなどの若葉
  • 形態: 葉の表と裏にほぼ同じくらい隆起し、両方の先端がやや平らになる球形の虫こぶ shizensanpo.seesaa
  • 出現時期: 6月中旬から出現するとされるが、5月下旬頃から形成が始まる可能性あり shokonooniwawamushizukushi

ナラハムレタイコタマフシ

  • 形成者: 不明(タマバチ類と推定)
  • 形成部位: コナラなどの葉
  • 形態: 球形の虫こぶが葉に複数集まって形成される shizensanpo.seesaa

補足

虫こぶ(ゴール)は、タマバエ類・タマバチ類・アブラムシ類などの昆虫やダニが植物組織に寄生し、植物ホルモンの分泌などを介して細胞分裂や形態形成に影響を与えることで形成されます 。コナラでは上記の他にも、ナラメカイメンタマフシ(枝端の芽に生じる)やナラハウラマルタマフシ(葉裏の主脈に生じる)なども報告されていますが、これらは出現時期がやや異なる場合があります 。 shokonooniwawamushizukushi

5月下旬のフィールド調査では、特にナラメリンゴフシが枝先に目立って観察されやすく、ナラハタイコタマフシやナラハムレタイコタマフシも葉裏を中心に確認できる可能性があります。


Q2: ニホンザルが虫こぶを食べることはあるか? 樹上でニホンザルがコナラの若葉をちぎり取って1枚ずつ調べて、何か小さい物を指でつまんで食べていた。虫こぶに含有するタンニンなど忌避物質を嫌って食べないのだとすると、虫こぶではなく虫を捕食していたことになる。


A2: ご指摘の観察は非常に鋭く、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。以下に根拠を整理します。

ニホンザルの食性と昆虫捕食

ニホンザル(Macaca fuscata)は基本的には植物食性が強い雑食動物ですが、昆虫類を積極的に捕食することが広く報告されています。

  • 屋久島のニホンザルでは、年間の採食行動のうち**無脊椎動物およびその他の動物質が10.3%**を占め、昆虫類は重要なタンパク源となっています 。 pubmed.ncbi.nlm.nih
  • 日本全国215論文・49調査地のデータを統合した研究では、136種の動物質を摂食し、そのうち108種が昆虫類であったと報告されています 。 cir.nii.ac
  • 上高地のニホンザル群では、冬季に水生昆虫や魚類を捕食する行動が進化しており、指でつまむ、手ですくう、口で剥ぎ取るなど柔軟な採餌戦略が確認されています 。 tenbou.nies.go
  • 昆虫としては、セミ、バッタ、カブトムシ、サワガニ、カタツムリ、トビケラなど多様な節足動物や軟体動物が摂食対象となります 。 pref.ishikawa.lg

虫こぶ(ゴール)の摂食に関する報告

現時点で、ニホンザルが虫こぶ(ゴール)そのものを積極的に摂食したという報告は文献に見当たりません。これは以下の理由から考えられます。

虫こぶの化学的防御

虫こぶは植物組織の異常発達ですが、タンニンやその他の二次代謝産物(フェノール類など)を高濃度に含有することが多く、多くの草食動物にとって忌避物質として働きます。

  • 虫こぶ内部は幼虫の保護と栄養供給のために特殊化していますが、植物側にとっては「異常組織」であり、防御物質の蓄積部位となる場合があります。
  • 多くの昆虫幼虫は、こうした化学物質に対して耐性を持ち、虫こぶ内部で安全に発育できますが、哺乳類にとっては摂食を抑制する要因となります。

観察行動の解釈

ご観察の「コナラの若葉を1枚ずつ調べ、小さい物を指でつまんで食べていた」という行動は、昆虫幼虫や小型無脊椎動物を探索・捕食する典型的な行動と一致します。

  • ニホンザルは視覚と手指の巧緻性を活かして、葉裏や虫こぶ内部にいる昆虫を効率的に捕獲できます。
  • 5月下旬は、ナラハタイコタマフシやナラメリンゴフシなどの虫こぶ内部にタマバチやタマバエの幼虫が生育している時期であり、タンパク質豊富な餌資源となります。

結論

ご推察の通り、**「虫こぶそのものではなく、虫こぶの中にいる昆虫幼虫を捕食していた」**という解釈が最も妥当です。ニホンザルは昆虫類を積極的に摂食することが知られており、虫こぶは昆虫幼虫の「隠れ家」かつ「栄養源」として機能していると考えられます。

この観察は、ニホンザルの採餌行動の柔軟性と、季節的なタンパク質獲得戦略を示す重要な事例と言えるでしょう。

2026/09/11

ユウマダラエダシャク♀(蛾)は夕方にならないと上手く飛べないのか?

 

2025年5月中旬・午後15:10頃・くもり 

河畔林の林床でユウマダラエダシャク♀(Abraxas miranda miranda)が落ち着きなく羽ばたきながら歩き回っていました。 
Abraxas属には近縁種が多数いて見分けるのが難しいのです。
この個体は羽ばたきを止めたときに、前翅前縁中央にある灰色の斑紋の中に黒い輪状の紋が無かったので、ユウマダラエダシャクと判明しました。 
腹部が太いので、卵巣の発達した♀のようです。 

下草や細い落枝などに羽ばたきながらよじ登っても、上手く飛び立てません。 
短距離を低く飛ぶだけで、すぐに着地してしまいます。 


【考察】 
今回観察したユウマダラエダシャク♀は、羽化直後で飛ぶ力がまだないのでしょうか? 
「夕斑枝尺(蛾)」という和名の通り薄明薄暮性らしいので、 明るい昼間は眩しくて本格的に飛ぶ気がないのかな? 
もしかして、身重の♀はあまり飛び回らずに、静止したまま性フェロモンを放出して、誘引された♂と交尾するのかもしれません。 
あるいは、交尾後の♀がニシキギ科の食樹植物を探索していたのかもしれません。 
映像には写っていませんが、例えばツルマサキだったら、河畔林のどこかに自生していそうです。

2026/09/06

春に樹上で排尿するニホンザル

 

2025年4月中旬・午前10:35頃・くもり 

山麓のリンゴ園に侵入した野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れを観察していると、1頭が落葉樹に登っていました。 
幹から分岐した細い横枝に座ると、遠くを眺めながら小便していました。 
股間から尿が滴り落ち、短い尻尾をピクピクと上下に動かしています。 
ニホンザルの排尿シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:18〜)
猿が横向きでも尿を放出する方向から性別を見分けられるかと思ったのですけど、難しいです。 

猿が登っていた樹種がリンゴだったかどうか、覚えていません。 
私の周囲でニホンザルの群れが多数活動していて様々な事件が巻き起こり、目移りしてしまったからです。
背景が白いのは雪ではなくて、ネコヤナギの花が咲いているようです。

2026/08/31

林内の排水溝に入って水中の獲物を追い回したり、丸木橋を使って対岸に渡ったりするニホンザルたち【トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬・午前11:05頃・くもり後晴れ・気温24℃ 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝をトレイルカメラで見張っています。 
水路をまたぐ倒木が天然の丸木橋のように架かっています。 
ある日の昼前に、ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが遊動してきました。 

シーン1:4/25・午前11:05・気温24℃(@0:00〜) 
右岸を歩いてきた個体aが丸木橋に腰掛けて、痒い右側頭部を右足で掻いています。 
後続個体bが排水溝の中をジャブジャブ歩いて遡上して来ると、aはbを避けるように丸木橋を渡ってスタコラと対岸(左岸)へ立ち去りました。 

今度はbが丸木橋に腰掛けると、身を乗り出しながら手を伸ばして、水中を探っています。
 再び入水して水中の餌を探しています。 
また丸木橋に座りました。 

その間に、左奥のスギ防風林をゆっくい歩き去る個体が写っていました。 


シーン2:4/25・午前11:06(@1:00〜)
丸木橋に年齢差のある子猿が2頭来ていました。 
ともに入水して、水路内を探索しています。 
水深はあまり深くないので、泳ぐ必要はなく、水底に足が着いて歩き回れるようです。 

年長個体が水路から出て、左岸へ上陸しました。 
居残った個体(年少の子猿)は、右岸から張り出した落枝に掴まりながら水中を覗き込んでいます。 
水中にオタマジャクシや水生昆虫でも居るのかな? 
この水路は春限定の止水なので、小魚などはいません。 
(排水溝に貯まった雪解け水は、いずれ干上がってしまいます。) 
子猿はバランスを崩して落水してしまい、全身ずぶ濡れになりました。 
丸木橋を使って左岸に渡りました。 

左から別個体が登場すると、子猿は慌てて逃げて行きました。 
逃げた子猿は、奥の右岸から伸びた灌木の幹によじ登り、渡河できるルートを探ったようですが、諦めて引き返しました。 
左岸にある灌木は、幹が棘だらけのハリギリ(別名センノキ)なので、跳び移るのを躊躇したようです。 

入れ替わりで排水溝に来た個体は、さっきの子猿と同じ地点で探餌行動を始めました。 


シーン3:4/25・午前11:07(@2:00〜)
3頭のニホンザルが追いかけっこ遊びを始めました。 
1頭は近くの木に登って逃げましたが、すぐに降りて、水路の左岸に居る2頭に合流。 

左から右へ排水溝を次々と飛び越えて対岸に渡りました。 
疲れ知らずの子猿は、右に左に跳躍渡河を繰り返しています。 
ジャンプ力が劣る子猿でも、水没した落葉灌木(マルバゴマキ?)を経由して水路を飛び越えることが可能です。 


※ 水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/08/21

モリアオガエル繁殖池がある林内を遊動・木登りするニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2026年7月中旬・午後17:00頃・晴れ・気温26℃ 

モリアオガエル(Rhacophorus arboreus)の繁殖池を梅雨の時期に自動撮影カメラで見張っています。 
岸辺から池の上に張り出したマユミ灌木の枝葉に毎年モリアオガエルが白い泡巣を産み付けるのですが、野生動物が食卵しに来る可能性があるからです。 
特にニホンザルがモリアオガエルの泡巣を食べる証拠映像を撮りたいのです。 



ある日の午後、待望のニホンザル(Macaca fuscata fuscata)が群れで登場しました。 
動画の冒頭から対岸のマユミ灌木が激しく揺れていますけど、木登りした猿の映像は撮り損ねました。 
しかも、モリアオガエルの繁殖期はもう終わりかけで、マユミ樹上に産み付けられた泡巣はもう溶け落ちた後です。 

奥の林内を左から右へニホンザルの群れが歩いて次々に横切りました。 
母親♀のニホンザルが幼い子猿を腰に乗せて運びながら、対岸の土手を降りてきました。 
母猿が立ち止まって周囲を警戒する間、子猿が自発的に地上に降りました。 
母子が水際に降りかけたものの、なぜか慌てて引き返すと、幼獣を胸に抱えながら細いスギ灌木をよじ登りました。 
同時に奥の林内でも別個体の子猿が近くのスギの木に慌てて登りました。 
おそらく危険な天敵(ツキノワグマ?)の接近に気づいて、安全な樹上に避難したのでしょう。 


群れの誰かが警戒声を発したはずですが、動画では聞き取れませんでした。 
しばらくすると木から下りてきたニホンザルが、林内を続々と走り去りました。


【考察】 
今年も残念ながら、モリアオガエルの泡巣を食べるニホンザルの証拠映像をものにできませんでした。 
監視カメラにニホンザルが写ったのはこの一度だけです。 
この池でニホンザルが水浴したり水を飲んだりするシーンも撮れていません。

雑食性のニホンザルは、旬の餌資源が山林内のどこに出現するか学習していて、季節消長に合わせて群れが遊動することが知られています。 
今年もモリアオガエルが産卵する最盛期にニホンザルが食卵に来るかと期待したのですけど、外れました。 
機材トラブルで撮り漏らした期間が若干あるので、また来年に持ち越しです。 
初めから2台以上のトレイルカメラを設置して、池の両岸を狙うべきでした。 

しかし、予想外の野生動物が撮れるのがトレイルカメラの醍醐味です。 
実は、別の哺乳類がモリアオガエルの泡巣を食べに来ていました。(映像公開予定)

2026/08/18

カキノキの幹を登り脚立を使って下りる夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2026年5月上旬・午後22:40頃 

庭木カキノキの下に残されたホンドタヌキの小規模な溜め糞場を旧機種のトレイルカメラで見張っています。 

ある晩、ホンドテン(Martes melampus melampus)が単独で現れました。 
モノクロの暗視映像では毛並みの色は不明ですが、この時期は夏毛に生え変わっていると思われます。 
左から来たテンはタヌキの溜め糞を匂いを嗅いだだけで左へ引き返しました。
タヌキに対抗してマーキングすることはありませんでした。
カキノキを見上げてから垂直な幹をよじ登りました。 
樹皮に爪を立てて、まるで駆け上がるように身軽に登りました。

しばらくすると、庭に放置してある脚立を使ってカキノキから地上に降りました! 
そのままホンドテンは板塀の下をくぐって隣家の庭へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
タヌキの溜め糞場にトレイルカメラを設置すると、本命であるタヌキの排泄行動だけ(映像公開予定)でなく、ついでに撮れた映像が面白いです。 
郊外とは言え、こんな住宅街にも野生のホンドテンが堂々と出没するとは意外でした。 

テンは一体なんのために柿の木に登ったのでしょうか?
このカキノキはまだ若くて細いので、テンが巣や塒(ねぐら)として使える樹洞はありません。 
この時期(5月上旬)カキノキ樹上の枝には若葉が生い茂っているだけで、前年の果実は残っていません。 
また、カキノキ樹上に鳥の巣は作られていませんでした。 
つまり、カキノキに登ったところで、テンの住処や食べ物はありません。 
カキノキ樹上に塒(ねぐら)入りしていた鳥の寝込みを襲った可能性もありそうですけど、警戒心の強い鳥はすぐに気づいて逃げるはずです。
テンが木登りした直後に鳥が鳴き騒ぐ声は録音されていませんでした。
それでもテンは夜の庭で探索行動の一環として、試しに登ってみただけのようです。 

このカキノキに木登りしたのは、ホンドテン以外にはハクビシンだけでした。 


イエネコも頻繁に庭を往来していたものの(映像公開予定)、一度も木登りはしませんでした。 


テンは脚立という人工物を恐れるどころか、梯子をちゃんと使って樹上から降りてきたのも興味深いです。
テン自身が脚立を用意した訳ではありませんから、この行動を道具利用とは呼べません。
ただ与えられた環境や構造物を移動経路に利用したに過ぎません。

関連記事(4ヶ月前に別のカキノキで撮影)▶ 


秋に実ったカキノキ果実の多くはヒトが干し柿を作るために収穫してしまいます。
脚立を使っても採りにくい樹冠部などに残った一部の熟果は冬の間に鳥が少しずつ食べるのだと思っていました。
テンも果実が大好きで木登りが得意ですから、熟柿を食べに来るかもしれません。



つづく→?


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2026/08/08

春の夜にカキノキを登り降りするハクビシンのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2026年4月中旬・午後23:00頃 

民家の庭でカキノキの下にホンドタヌキの小規模な溜め糞場(赤丸@0:05)を見つけたので、旧機種のトレイルカメラを設置させてもらって監視することにしました。 

晩遅くにハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)がペアで登場しました。 
郊外の住宅地で外来種のハクビシンが出没するのは、予想されることとは言え、映像を見るとビックリします。 

関連記事(13年前の撮影)▶ ハクビシンの早朝散歩 


まず先行個体が、カキノキの垂直の幹に爪を立ててよじ登っていました。 
長くて黒い尻尾から、ハクビシンと分かります。 
しばらくすると、左から後続個体がやって来て、そのまま躊躇なくカキノキに木登りしました。 
ハクビシンの木登りシーンは初見です! 

やがて、カキノキから地上に降りた1匹が、地面の匂いを嗅いでいました。 
もう1匹のハクビシンが、カキノキの垂直な幹を頭を下にして真っ逆さまに降りてきました。 
四足で幹をやや抱くようにして爪を立てています。 
ハクビシンの木下りシーンを見るのは2回目です。 



先行個体と地上で合流すると、暗闇で鼻面を突き合わせて挨拶しました。 
最後は隣家の庭へ向かったようです。

タヌキの溜め糞にハクビシンは全く興味を示さず、対抗してマーキング(匂い付け)することもありませんでした。


【考察】 
行動を共にしている2匹のハクビシンの性別を映像で見分けられませんでしたが、♀♂ペアなのかな? 
民家の庭にあるカキノキの樹上でハクビシンのペアは一体何をしているのでしょう? 
仮説をいくつか検討してみます。

まず、このカキノキは、ハクビシンが巣穴や塒(ねぐら)として使える樹洞ができるほど立派な古木ではありません。 
4月中旬という撮影時期が重要なポイントです。 
秋にヒトが収穫しなかった柿の実(熟柿)は、冬の間にカラスやヒヨドリなどの野鳥に食べ尽くされてしまいますから、春には全く残っていませんでした。 
まだ若葉も芽吹いておらず、完全に落葉した状態です。 
ちょうど1週間後の4/19にはカキノキの若葉が冬芽から展葉し始めていました。 

落葉したカキノキ樹上に鳥が巣を作り、それをハクビシンが襲ったのかと思って探してみたのですが、鳥の巣はありませんでした。 
カキノキの枝葉が生い茂った時期ならともかく、こんな目立つ場所に営巣する鳥はいないはずです。 
つまり、カキノキ樹上にハクビシンの食べる餌はありません。

現場検証をしたら、他の可能性に気づきました。 
カキノキの隣にメタセコイア(=アケボノスギ)が植栽されていて、そのうちの1本の梢にハシボソガラスが春から営巣を始めていました。 
ハクビシンは、その巣を襲ってカラスの卵や雛を捕食するつもりで、メタセコイア高木の天辺までなんとかよじ登る方法を検討してみたのかもしれません。 
ただし、メタセコイア高木のほぼ真下から暗い夜に見上げてもカラスの巣はまったく見えないはずなので、ハクビシンが存在に気づいたかどうか疑わしいです。
逆に、親鳥のカラスが天敵(ハクビシン)の接近に気づいて鳴き騒ぐ鳴き声は動画に録音されていませんでした。

別の仮説として、住宅の屋根裏に忍び込む経路をハクビシンは偵察していたのかもしれません。 
幸い、カキノキから家屋まで充分に離れていますし、電線の引込線などはカキノキの樹上に張り巡らされていません。
したがって、カキノキに登ったところでハクビシンは家屋まで辿り着けず、すごすごと地上に戻るしかありません。 

この後もしばらく自動撮影カメラが壊れる(旧機種の寿命)まで監視を続けたのに、ハクビシンは二度と現れませんでした。 

秋〜冬になったら、熟柿を食べにハクビシンが再び来るかもしれません。
住民が干し柿を作るためにほとんどの果実を収穫しますし、樹上にわずかに残った熟柿は鳥が食べるので、早い者勝ちになります。 



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2026/07/29

落葉樹に独りで登って遊ぶ幼獣と見守るニホンザル♀

 

2024年12月上旬・午後12:20頃・晴れ 

スギ防風林の手前(林縁)でニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の母子が落葉灌木(樹種不明)に腰掛けて、こちらを見ていました。 
子猿が独りで木登りして遊んでいます(探索行動)。 
母親と思われる成獣♀は、幼獣の様子を見守りながらも、左手で痒い腰をボリボリ掻いています。

2026/07/25

追いかけっこ遊びに夢中で排水溝の雪解け水に落ちるニホンザルの幼獣【トレイルカメラ】

 



2025年4月上旬・午前11:10頃・くもり・気温10℃ 

ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが春の林内を遊動しています。 
雪解け水が貯まった素掘りの排水溝(幅〜2m)を子猿が一気に跳び越えるのは無理なようで、根元が冠水したマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の落葉灌木を経由して対岸に渡っています。 
それが子猿にとってはたまらなく楽しいらしく、何度も繰り返しています。 

水路内に気になる物があるようで、子猿は何度も水没灌木に跳び移って、水中を覗き込んだり、手ですくおうとしたりしています。 
両生類(の卵?)を捕まえようとしているのかな?
好奇心旺盛なのは子猿だけで、成獣は排水溝を素通りしています。

子猿が水面を覗き込んでから後足で立ち上がり、後続の仲間を探しています。 
追いついてきた子猿と追いかけっこや取っ組み合いの遊びが勃発しました。 
遊びに夢中になって右に左に渡河を繰り返している間に、2頭の幼獣ともうっかり落水してしまいました。 
岸で身震いして、ずぶ濡れになった毛皮の水気を切りました。 
なんとも微笑ましい光景でした。 

やんちゃな子猿の跳躍および落水シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:01〜) 
※ 子猿が落水した水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/07/17

早春の林内で雪解け水の貯まった排水溝を飛び越えるニホンザルの群れ【トレイルカメラ】キカラスウリ落果を採食?

 

2025年4月上旬 

シーン0:4/7・午後13:37・くもり・気温15℃(@0:00〜) 
この冬は記録的な大雪が降ったので、春の訪れが少し遅れましたが、平地の二次林で林床に積もっていた雪がようやくほぼ溶けました。 

林内に謎の溝が掘られていて、その目的が分かりませんでした。 
隣接する田畑を灌漑する農業用水路を掘りかけて止めたのかと思っていました。 
この溝に雪解け水が貯まって、満水になりました。 
ただし、小川として水が一方向に流れている訳ではなくて止水です。 
本来はハンノキが占有する湿地の森だったようですが、開墾して田んぼにしたり防風林としてスギを植林したようです。
スギの根腐れ対策で林内の水はけを良くするために排水溝を掘ったのでしょうか。 
(冬の積雪が少ない年は、春になっても溝に雪解け水は貯まりません。) 
やがて貯まった雪解け水が涸れると、この溝は野生動物が行き交う獣道となります。 

早春に出現した水場で野生動物がどんな行動をするのか知りたくて、自動センサーカメラを設置してみました。 
排水溝の左にはスギが植林されていて、防風林となっています。
画面に左端に写っているスギの木の左下にはホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が排便に通う溜め糞場WBCがあり、これまでトレイルカメラで長期間の定点観察をしてきました。 


シーン1:4/9・午前7:37・くもり・気温6℃(@0:03〜) 
朝からニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが林床を遊動していました。 
どの個体も白っぽい毛皮で、まだ冬毛のようです。 
林内の残雪が消えると、逆に目立っています。 
白猿(アルビノまたは白変種)が右岸を歩き去る後ろ姿が写っていました。 

一方、画面の奥から親子(成獣1頭と子猿2頭)が右岸をこちらに向かって来ます。 
元気な子猿同士が岸辺でじゃれ合ったり、格闘遊びをしたり、追いかけっこ遊びをしたり、落葉灌木を登り下りしたりしています。 
猿たちが水路を跳んで対岸に続々と渡りました。 

画面の左端に奥から歩いて来た成獣個体に注目してください。 
タヌキの溜め糞場WBCに落ちていた黄色い物体に顔を近づけて何度も匂いを嗅いでいます。(@0:37〜) 
奥から走って来て合流した子猿も謎の黄色い物体に興味を示し、右手で触れました。 
残念ながら、せっかくいいところで録画が打ち切られてしまいました。 

この黄色い物体はおそらく、キカラスウリの落果だと思います。 
数日前には無かったので、誰かが運んできたのか、上から落ちたのでしょう。 

関連記事(同所で2、4ヶ月前の撮影)▶  

落葉樹に幾つもぶら下がっていたキカラスウリの黄色く熟した瓢果をニホンザルが冬に食べている(少なくとも味見している)ようなのですが、いまのところ状況証拠ばかりでした。


シーン2:4/9・午前7:40(@1:26〜) 
次に監視カメラが起動したときには、さっきのキカラスウリ落果が溜め糞場WBCから無くなっていました。 
強い興味を示したニホンザル母子のいずれかが持ち去ったようです。 
今回も採食シーンの決定的な証拠映像が撮れずに残念無念。 
キカラスウリの種子は被食型の動物散布で分布を広げます。
当地で種子散布者はニホンザルだろうと現時点では考えています。

排水溝の両岸で2頭の子猿が落葉灌木によじ登ったり、雪解け水を飲んだりしています。 


ニホンザルが排水溝を渡る跳躍シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜1:25、@1:39〜1:50、@2:03〜2:09、@2:58〜3:42、@4:22〜4:31) 
一気に跳んで渡る個体もいれば、溝の中から生えていたマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の落葉灌木を経由して安全に渡る個体もいました。 
この灌木は、一時的に水没しても根腐れしない樹種なのでしょう。
ちなみに、第二の渡河法をやるのは、ニホンザルだけです。 
タヌキもアナグマもやらないのは、知能の問題というよりも、体の作りや運動能力の違いによるものでしょう。 
邪魔だからと言ってこの灌木を伐採してしまうと、サルは排水溝を渡りにくくなって困りそうです。 
ところが、現実の自然環境はもっと多様で、少し離れた位置で倒木が天然の丸木橋のようになっていて、野生動物が排水溝を渡れるようになっていました。(映像公開予定)


シーン3:4/9・午前11:00・くもり・気温9℃(@1:26〜)
2時間20分後にニホンザルの群れがまた戻って来ました。 


シーン4:4/9・午前11:10・くもり・気温12℃(@2:10〜) 


シーン5:4/9・午前11:14・くもり・気温11℃(@3:43〜) 
排水溝の水際で水面に口を付けて、雪解け水を飲んだようです。 
肝心の口元が見切れてしまって残念。 
灌木を経由せずに、右へ一気に跳んで渡りました。 
このニホンザル個体は右前足を怪我(手首の捻挫?)しているのか、着地しないように庇っているようです。 


シーン6:4/17・午後12:42・晴れ・気温23℃(@4:32〜) 
依然として排水溝に雪解け水が貯まったままです。


【考察】
ニホンザルがキカラスウリ落果を食べるかという問題と、猿が排水溝を跳び越える動画を2つに分割するべきでしたね。
次に機会があれば、冬の林内にぶら下がっているキカラスウリの熟した瓢果をトレイルカメラで見張り、説得力のある動画でニホンザルの採食シーンを撮ってみたいものです。
ヒヨドリなど果実食性の鳥が食べに来る可能性もありますが、どうもあまり人気がないようです。


つづく→


4月下旬に現場入りした際に、スギ林床で見つけたキカラスウリ落果の残骸を写真に撮りました。
これが野生動物や鳥の食べ残しなのか?という点が問題になります。









2026/07/11

雪原の巣穴に立てこもるホンドタヌキの家族と対峙しつつ、クズの落果を採食するニホンザルの群れ【トレイルカメラ】狸猿の仲

 



2025年3月下旬

シーン0:3/21・午後14:39・くもり・気温25℃(@0:00〜) 
広い雪原と化した休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)家族の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:3/23・午前8:22・晴れ・気温14℃(@0:03〜) 
ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata) 
朝にタヌキ3頭の家族群が手前から走って帰巣しました。 
ここ 数日間留守にしていたのですが、採餌からようやく戻ってきたのです。 
タヌキの家族は巣口を背にして振り返ると、手前を見上げて警戒しています。 
臆病な1頭は巣内にこもり、2頭が巣口に踏みとどまって警戒しています。 
一体、何事でしょうか?

動画の冒頭から、画面の右手前の落葉灌木の横枝に1頭のニホンザルが腰掛けていました。 
樹上で痒い体を掻いたようですが、後ろ姿でよく見えません。 
体を左にねじって、巣口のタヌキ家族を見下ろしています。


シーン2:3/23・午前8:23・晴れ(@1:07〜) 
ニホンザルは単独ではなく群れで林縁まで来ていたようです。
やがて、若くて大胆なニホンザル個体が、雪原を歩いてタヌキの巣穴に少し近づき、採食を始めました。
林縁の雪面に散乱していた蔓植物クズの豆果を拾い食いしています。

右手前のオニグルミ樹上にも別個体の子猿が登り、落葉した横枝を伝ってタヌキの巣口を見下ろす位置まで移動しました。 
その子猿が手前に駆け戻り、幹にしがみついたままスルスルと雪面まで滑り降りました。 
その様子を見た2頭のタヌキは、慌てて巣穴に逃げ込みました。 
もう1頭のニホンザル個体も続けて木から下りました。 

監視カメラを固定しておいたオニグルミ落葉灌木にニホンザルがよじ登り、トレイルカメラに興味を示したようです。(@1:40〜) 
猿が手でカメラを悪戯したので、画角が少し斜めにずれてしまいました。 

その間に1頭のタヌキが巣口から顔を出して、外を警戒しています。 
近くの雪面で採食しているニホンザル個体が横に少し歩いて移動すると、タヌキの警戒が高まりました。 

雪原でクズ落果を採食するニホンザルの様子を1.5倍に拡大した上で、リプレイ(@2:07〜)。 
ニホンザルたちは一応林縁に留まり、雪原に開口したタヌキの巣穴には近づき過ぎないようにしているようです。 


シーン3:3/23・午前8:24・晴れ(@3:07〜) 
タヌキの姿が巣口から居なくなっていました。 
猿が近づいてきたので、巣内に籠城したようです。 
ニホンザルの小群は計4頭でした。 

大胆なニホンザル個体がタヌキの巣穴の入口まで行って中をしげしげと覗き込んでから、雪原を左へ歩き去りました。 
子猿もその後を続々と追いかける途中で、中腰になってタヌキの巣穴を覗き込みました。 

ニホンザルの群れが居なくなってほとぼりが冷めると、ようやく巣口にタヌキが顔を出して周囲を見回しました。 
営巣地に侵入したニホンザルの群れに吠えたり走って追い払ったりすることは最後までしませんでした。 


シーン4:3/23・午前8:42・晴れ・気温16℃(@3:53〜) 
17分後、タヌキ家族のうちの2頭が警戒を解いて巣穴から外出しました。 
猿の遊動ルートとは逆の右へ向かって1頭ずつ雪原を歩いて行きます。 
どうやら採餌に出かけるようです。
残りの1頭は巣内で留守番するのでしょうか。 
(この後の帰巣シーンがなぜか撮れていません。 )


【考察】
ニホンザルとホンドタヌキとの異種近接遭遇(ニアミス)は初見です。 
ホンドタヌキはイヌ科ですが、よく言われる「犬猿の仲」とは違って、ニホンザルに対して一切吠えませんでした。 
縄張りどころか営巣地に白昼堂々と侵入されたのに、タヌキがこれほど穏健な対応をするとは意外でした。
「狸猿の仲」は敵対関係ではないことが分かりました。


つづく→

2026/07/07

ウワミズザクラの樹上で若葉を食べるニホンザル

 

2025年4月下旬・午後12:40頃・晴れ(薄曇り) 

山腹に立つ木に登ったニホンザル(Macaca fuscata fuscata)が若葉を採食していました。 
樹種はおそらくウワミズザクラだと思うのですが、どうでしょうか。 

枝先に芽吹いたばかりの若葉を左手でしごくようにむしり取って口に運んでいたので、この個体はどうやら左利きのようです。 
口が届く場所だと、手でむしらずに若葉を直接食べています。

2026/07/05

太いフジ蔓を伝ってハルニレの大木に登り若葉を食べるニホンザル

 

2025年4月下旬・午後12:45頃・くもり 

雪が溶けた里山の斜面にそびえ立つ古い巨木の樹冠部で1頭のニホンザル(Macaca fuscata fuscata)が若葉を採食していました。 
樹種はハルニレだと思うのですが、どうでしょうか。 
猿は私に見られているのを警戒したのか、樹上で移動して太い幹の陰に隠れてしまいました。 

その間、別個体のニホンザルが、奥の斜面の灌木に独りで座っていました。 
しばらくすると、斜面をゆっくり歩いて下りて来ました。 
ハルニレ大木の根元に辿り着くと、太い幹をよじ登り始めました。 
いくら木登りが得意と言っても、ニホンザルは両腕を広げても抱えきれないほど太い幹をよじ登ることは苦手です。 
さて、どうやって登るのでしょうか? 
ハルニレ大木に巻き付きながら育ったフジ(藤、別名:ノダフジ)の木質化した太い蔓をロープのように使ってよじ登りました。 
ハルニレ樹上で若葉を採食中の仲間(先客)と無事に合流することができました。 

ニホンザルの身軽な木登りおよび跳躍シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@(1:22〜) 
手だけでなく足の指でも藤蔓をしっかり握っていることが分かります。 
途中で隣の太い木質フジ蔓にひらりと跳び移りました。
ニホンザルには高所恐怖症の個体はいないのでしょうか?
そんな個体の遺伝子は、すぐに淘汰されてしまいそうです。

2026/07/03

【実録:猿も木から落ちる!】リンゴの樹上から落ちたニホンザル

 



2026年6月上旬・午前10:10頃・晴れ 

山麓の果樹園に群れで侵入した野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)を観察していると、「猿も木から落ちる」衝撃映像が撮れました。 

シーン1: 
リンゴの木に登って未熟な果実を食べている成獣♀が、隠し撮りする私に気を取られたのか、樹上でバランスを崩して落ちそうになっていました。 
足元の枝が不安定なようです。 
決まりが悪そうに樹上で向きを変えました。 


シーン2: 
なぜか毛皮が濡れている個体です。 
直前に小川で水浴びをしてきたのかもしれません。 
股間は見えませんでしたが、胸の乳首が小さいので、若い♀のようです。(♂の可能性は?) 

リンゴ灌木の梢でニホンザルが私を見つけて警戒していたら、座っていた細い横枝が猿の体重を支え切れずに、分岐点から折れてしまいました。 
この滑落事故は不可抗力です。 
咄嗟に下部の枝にしがみついてなんとか滑落を免れ、すぐに登り直しました。 
怪我はなかったようで、一安心。

樹冠部から大きく跳んで隣の木に移ると、青りんごの実った枝葉がしばらく上下に激しく揺れています。 


シーン3: 
「猿も木から落ちる」瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜)
止まり木(横枝)の破断という不可抗力の墜落でした。
落ちていく猿に回転運動は見られず、折れた枝と一緒に自由落下しただけでした。

ついでに跳躍樹間移動もスローモーションで見直すと、激しく揺れた青リンゴ(未熟果)がいくつか落ちていました。(落果)


「猿も木から落ちる」様子は狙って撮れるものではないので、ラッキーでした。
次は、高所から落ちたネコが空中で自ら体をひねる有名な運動をスーパースローで撮ってみたいものです。


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2026/07/01

イタヤカエデの灌木で若葉と花を食べるニホンザル♀

 

2025年4月下旬・午後12:55頃・くもり 

ようやく残雪がほとんど消えた里山で、斜面の途中に生えたイタヤカエデの灌木にニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が登って座り込み、採食していました。 
枝先の若葉を手で次々にむしり取って食べています。 
若葉を手でちぎらずに、直接口で食べることもあります。 
危なっかしくバランスを取りながら細い枝先を手繰り寄せて、若葉を採食することもあります。 
よく見ると、イタヤカエデの若葉と一緒に黄色い花も食べていました!
この個体は採食に右手ばかり使う右利きでした。 

胸にピンクの細長い乳首が見えたので、この個体は経産婦♀と分かります。 
子猿はどこに居るのか、姿が見えませんでした。 

最後にいつものようにズームアウトして周囲の状況を記録してから録画を終えたのですが、そのとき左右の奥に1頭ずつ子猿が樹上で採食している姿が写っていました。(赤丸@2:10〜) 
手持ちカメラでニホンザルの群れを長時間撮り続けていた私は腕の筋肉が限界を迎えていたので、その2頭に気づいていません。 
この子猿たちが採食していた灌木の樹種は、白い花が咲いているので、なんとなくヤマザクラでしょうか。 

奥の斜面に咲いていた草本植物の紫色の花はカタクリかな?


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アケボノスギの落葉樹上で枝を折り巣材として持ち去る早春のハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2025年3月中旬・午前7:05頃・晴れ 

朝から庭木のメタセコイア(=アケボノスギ)にハシボソガラス(Corvus corone)が来ていました。 
落葉したメタセコイアの枝先には冬芽が付いています。 
前年の球果が残った枝もありました。 

カラスは樹上でY字形に分岐した小枝を持ち歩いていました。 
いよいよ繁殖期が始まり、巣材として持ち帰りたいのでしょう。 
その小枝をカラスが自分で折り取った瞬間を見ていないので、冬の間に折れた落枝が他の枝の途中に引っかかっていたのかもしれません。 
ハシボソガラスは足で小枝を押さえつけると、長過ぎる先端部を嘴で器用に折って捨てました。 

巣材を嘴に咥えたまま、お辞儀をしつつガーガー♪と嗄れ声で繰り返し鳴きました。 
近くに来ている番(つがい)のパートナーの姿が見えませんが、鳴き交わしているのです。

小枝が依然として長過ぎて取り扱いにくいので、足で押さえつけながら嘴でつついていますが、上手く整形できていません。 
巣材を咥えたままで、斜めに伸びた横枝を横歩きで登ると、隣の少し上の枝に飛び移りました。 
巣材を持って飛び立ちたくても周囲の枝に引っかかりそうなので、離陸に適した地点を探すのに苦労しています。 
再び巣材の不要な細い枝先を折って捨てました。 
更に隣の枝に跳び移り、メタセコイアの太い幹の陰に隠れてしまいました。 
そこから左の枝に飛び移り、横歩きで枝伝いに上へ上へと登って行きます。 

ようやく樹形の中心から端まで辿り着いたハシボソガラスは、巣材を咥えてメタセコイア樹上から飛び降りました。 
住宅地の屋根を飛び越えて行くカラスの後ろ姿を見送ります。 
営巣地は意外と遠いようです。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


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↑【おまけの動画】 
"The nature of war: Ukraine birds weave nests of fiber optic cable" by Reuters 

ロシアと戦争しているウクライナの最前線では、ドローンが大活躍しています。
戦争初期のドローンは無線で操作していましたが、やがて防御側は電波を強烈に妨害(ジャミング)するように対策するようになりました。
そして次は、ジャミングの影響を受けない有線(光ファイバーケーブル)でドローンを操作するように改良しました。 (軍拡競争による進化)
毎日多数のドローンが飛び交う結果、戦場には使い捨ての光ファイバーケーブルが大量に張り巡らされました。
クモの遊糸と違って、光ファイバーケーブルはいつまで経っても分解されません。
(たとえ劣化して粉々になっても、今度はマイクロプラスチックという厄介な環境汚染問題が発生します。) 

戦場に生息する野鳥の中には、枯草の代わりに落ちている光ファイバーケーブルを巣材として拾い集めて巣として編み上げる者が登場した、という報告です。 
光ファイバーケーブルは細くて軽くても丈夫ですし、自由に曲げることができて好都合なのでしょう。 

戦場で爆撃や砲撃が続き、環境を汚染するのは、野鳥や野生動物にとっても大迷惑です。 
しかし、苛烈なドローン戦争によってヒトが全く立ち入れないDMZ(非武装地帯、軍事的な緩衝地帯)が安定して実現したら、野鳥や野生動物にとってはサンクチュアリになる可能性もあるのが皮肉です。

2026/06/29

ハリギリの大木に登り若葉を食べるニホンザル♀

 

2025年4月下旬・午後12:50頃・くもり 

里山で渓谷の横にハリギリ(別名センノキ)の大木が聳え立っています。 
ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが辺りに散開して、それぞれが好きなメニューを採食していました。 
その中の♀2頭が、ハリギリの樹上で掌状の若葉を次々と食べ漁っていました。 

手を伸ばしてハリギリの若葉をちぎり取り、ワシワシと食べています。 
近くにある細い枝を右手で手繰り寄せ、左手で若葉を葉柄ごと採取して柔らかい葉を食べることもありました。 
胸に見えるピンクの乳首が細長く伸びていないことから、経産婦ではない若い♀であることが分かります。 
逆光ですけど、採食シーンがしっかり撮れました! 
食べ残しの若葉をすぐに捨てて次の葉を採取するというニホンザルの採食法が、我々の感覚ではどうしても勿体なく感じてしまいます。 
葉によってアク(二次代謝物や毒)の含有量にばらつきがあるのでしょうか。
ウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とさえずる鳴き声が聞こえます。 

やがてニホンザル♀は満腹になったようで、採食のペースが落ちてきました。(@2:04〜) 
それでも食休みを挟みつつ、思い出したように、ハリギリの若葉に手を伸ばしました。 
興味深いことに、今度は若葉そのものではなく、葉柄をちびちびと食べ始めました。 
採取した若葉を手でしごいて捨ると、残った葉柄の皮を口で剥いて食べています。(@2:22〜) 
若葉と葉柄という部位の違いで、味や食感の違いを楽しんでいるのでしょうか。 
まさか食後に歯間ブラシするための爪楊枝を自作したのなら、驚きの「道具使用」ということになります。 
強い逆光なので、残念ながら肝心の口元がよく見えませんでした。 


後半は別個体♀の採食シーンです。(@3:00〜) 
ハリギリの枝を一旦少し下りてから、分岐から別の幹に登り直しました。 
苔むした(地衣類の着生?)太い幹に抱きつくようによじ登ると、梢で若葉を採食再開。 
幹の樹皮が縦に深く裂けているのがハリギリの特徴です。 

この♀個体もどうやら満腹になったようで、横枝に腰掛けて渓谷を眺めて物思いにふけっています。 
近くに来た個体の発した小声のクーコール♪(コンタクトコール)を聞くと、左を振り返ったものの、返事はしませんでした。(@4:03〜) 

私が別の撮影をしていたら、ハリギリ樹幹部に座っていた♀個体がいつの間にか向きを変えて、私をじっと見下ろしていました。 
咀嚼もしておらず、私を怖がってもいません。 
「私がニホンザルの深淵を見る時、猿もまた私の深淵を見下ろしているのだ。」 


【考察】 
 私は知らなかったのですが、ハリギリの若葉は春の山菜として人気があるのだそうです。 
小学館フィールドガイド『山菜』でハリギリを調べると、
苦味、えぐ味は強く、タラノキの比ではない。これを処理すれば、ハリギリは大きな芽でもあり山菜として十分楽しめる。採取はごく若いうちのほうがよい。(p152より引用)
いつか山菜としてハリギリを試食してみたいものです。


ハリギリと言えば、「鋭い棘で身を守っている木」というのが私の認識です。
Gemini AIを相手に問答してみました。 

Q1:大木になったハリギリの幹に棘は生えているか? 

A1: ハリギリ(Kalopanax septemlobus)の幹の棘についてですね。 若いハリギリの木や枝には、鋭い棘がたくさん生えています。しかし、木が成長して大木になり、幹が太くなると、これらの棘は次第に少なくなり、目立たなくなるか、脱落していく傾向があります。 大木の幹では、若い頃にあった棘はほとんど見られなくなり、代わりに樹皮が縦に深く裂けてゴツゴツした質感になります。 したがって、大木になったハリギリの「幹」の部分には、若い木のような鋭い棘はほとんど生えていないか、全くなくなっていることが多いです。ただし、古い枝などには一部残っている可能性はあります。 

Q2:ハリギリが大木になっても、細い枝(若い枝)には棘は生えたままか?

A2: はい、その通りです。 先ほどお答えしたように、ハリギリは大木になると太い幹の部分の棘は脱落したり、樹皮に埋もれて目立たなくなったりします。 しかし、大木であっても、その年に伸びた比較的新しい枝や、細い枝(若い枝)には、鋭い棘が残っていることが一般的です。これらの若い部分は、まだ成長途中で柔らかいため、棘による保護が必要なのかもしれません。 したがって、大木のハリギリであっても、細い枝や上部の若い枝を扱う際には、棘に注意が必要です。 


Q3:実は山中でハリギリの大木によじ登って若葉を採食するニホンザルを観察したのです。ハリギリの木には鋭い棘が生えているはずなのに、サルが木登りしても手足に刺さって痛くないのか不思議でした。 

A3: それは非常に興味深い観察ですね!ハリギリの鋭い棘を知っていると、ニホンザルがどのようにして登り、若葉を食べるのか不思議に思うのは自然なことです。 考えられる理由はいくつかあります。 大木の幹の棘の減少: これまでお話ししたように、ハリギリは大木になると幹の太い部分の棘は少なくなるか、ほとんどなくなります。そのため、サルは比較的登りやすい幹の大部分を伝って、木の上部まで到達することができると考えられます。これが一番大きな理由でしょう。 サルの身体能力と学習: 巧みな動き: ニホンザルは非常に身軽で木登りが得意です。棘の少ない場所を選んだり、棘に刺さらないように巧みに手足を運んだりする技術を持っていると考えられます。彼らはどの部分が危険か学習している可能性が高いです。 硬い手足の皮膚: 日常的に木登りをしているサルの手足の裏は、人間の足の裏のように皮膚が硬く角質化(タコができているような状態)しており、ある程度の棘は刺さりにくいか、刺さっても平気なのかもしれません。 若葉のある場所へのアクセス: 若葉は主に新しい枝、つまり棘がまだ残っている細い枝についています。サルは棘の少ない太い幹や枝を足場にして体を安定させ、棘のある枝には最小限の接触で、あるいは慎重に手を伸ばして若葉を採っているのかもしれません。 食料としての魅力: ハリギリの若葉(地域によっては「タラの芽」と似た山菜として認識されることもあります)は、サルにとって栄養価の高い魅力的な食料なのでしょう。そのため、多少の棘のリスクは承知の上で、食べることを優先している可能性もあります。 これらの要因が組み合わさって、ニホンザルはハリギリの大木に登り、棘のある若葉を食べることができるのだと考えられます。幹の棘が少ないことが、まず登ることを可能にし、その先の棘のある枝はサルの身体能力と知恵で攻略しているのでしょうね。 

Q4:ハリギリ大木にどうやって登ったのか、観察できたのは1頭だけです。隣の別の樹種(棘なし)の大木に登ってから、樹冠で重なるハリギリの横枝に移動していました。 

A4: なるほど、隣の木からハリギリの枝に移ったのですね!それは非常に重要な観察情報です。ありがとうございます。 その方法であれば、ニホンザルがハリギリの若葉を食べるメカニズムはさらに明確になりますね。 棘のある幹の回避: 隣の棘のない木を登ることで、ハリギリの幹(たとえ大木になって棘が減っていたとしても)に触れる必要が全くなくなります。これが最も安全で効率的な方法です。 目的の場所への直接アクセス: 樹冠部で枝が重なっていれば、棘のない木から直接、若葉が多くついているハリギリの上部の枝や若い枝に移ることができます。地上からハリギリの幹を登るよりも、目的の場所に早く、安全に到達できる可能性があります。 一般的なサルの行動: このように隣接する木々の間を枝伝いに移動する「樹冠移動(キャノピー・ブリッジング)」は、ニホンザルを含む多くの樹上性のサルの得意な移動方法です。地上に降りるリスクや、登りにくい木を避けるために使われます。 つまり、そのニホンザルはハリギリの棘を攻略するというよりは、棘のある部分(特に幹)を完全に避けるルートを選択したと考えられます。これは非常に合理的で、サルの賢さを示す行動ですね。 もちろん、ハリギリの枝先に移って若葉を食べる際には、その若い枝にある棘には依然として注意を払う必要がありますが、一番大変な「登る」プロセスを安全な木で行ったというのは、なるほどと思いました。 

Q5:ハリギリの棘は本来、食害を物理的に防御するために発達したのですよね? 今回は賢いニホンザルに攻略されてしまいましたけど。 

A5: はい、おっしゃる通りです。一般的に、植物の棘(とげ)や刺(はり)は、動物による食害(食べられたり、幹を傷つけられたりすること)を防ぐための物理的な防御機構として進化したと考えられています。 ハリギリの鋭い棘も、特に以下のような動物から身を守るために発達したと考えられます。 大型草食動物: シカやカモシカなどが若い幹や枝をかじるのを防ぐ。 木登りする動物: クマなどが木に登って実や葉を食べたり、巣を作ったりするのを困難にする。あるいは、サルも含む他の動物が容易に登れないようにする。 若い木ほど樹皮が薄く、全体が食べられやすいため、棘による防御が特に重要になります。大木になると幹の樹皮が厚く硬くなり、物理的な強度が増すため、幹の棘の必要性が相対的に低下し、脱落していくのかもしれません。 そして、今回のニホンザルの観察例は、まさに「植物の防御戦略」と「動物の採食戦略」の間の進化的な駆け引き(「軍拡競争」や「いたちごっこ」と表現されることもあります)の一端を示していますね。 ハリギリは棘で身を守ろうとしますが、賢いニホンザルは隣の木を使うという回避戦略で、少なくとも幹の防御を無力化して若葉を手に入れました。これは、防御が必ずしも万能ではなく、それを上回る(あるいは回避する)能力を動物が発達させる場合があることを示しています。 とはいえ、棘があることで、ニホンザルにとっても採食の難易度やリスクは上がっているはずです。もしハリギリに全く棘がなければ、もっと多くの動物にもっと簡単に利用されてしまうでしょうから、棘の防御機能が無意味というわけではありません。 賢いニホンザルに一部「攻略」されてはしまいましたが、棘は本来の目的を果たしていると言えるでしょう。非常に興味深い生態系の相互作用ですね。 


Q6:ニホンザルが木登りする際には、その木に巻き付いたフジなどの太い蔓を頼りによじ登ることが多いようです。蔓植物は、巻き付いて葉を広げることで日光を奪うだけでなく、木登りする草食動物に安全な足場を提供することで、ハリギリの防御戦略(棘)を無効にしてしまう厄介な困り物(寄生者)かもしれません。 

A6:なるほど、ニホンザルとフジの関係、そしてそれがハリギリの防御戦略に与える影響について、興味深い視点ですね。 おっしゃる通り、太いフジの蔓はニホンザルにとって、滑りやすい木の幹を登る際の強力な補助となるでしょう。特に、ハリギリのように幹に鋭い棘を持つ木の場合、直接幹を掴んで登るのは困難ですが、しっかりと巻き付いたフジの蔓があれば、安全かつ容易に樹冠へとアクセスできると考えられます。 これは、ハリギリが進化の過程で獲得したであろう棘という防御機構が、フジのような蔓性植物の存在によって、結果的にその効果を弱められている可能性を示唆しています。 もしそうだとすれば、 フジは、ハリギリにとっては単なる寄生者というだけでなく、その防御戦略を間接的に無効化する、より厄介な存在と言えるかもしれません。 ニホンザルの食性や行動範囲は、森林内のフジの分布と量によって影響を受けている可能性も考えられます。フジが豊富に生えている場所では、ニホンザルはハリギリをより容易に利用できるかもしれません。 生態系の中では、植物と動物、そして植物同士の相互作用が複雑に絡み合っているのですね。今回のニホンザル、フジ、ハリギリの関係は、その一例として非常に興味深いと思います。 

2026/06/28

雪原の営巣地で交尾するホンドタヌキ♀♂とそれを邪魔する娘?:3月中旬【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬・午前11:30〜午後12:00頃・晴れ 

残雪に覆われた休耕地でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の家族群(両親と娘の計3頭)が暮らす営巣地を2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:3/12・午前11:31・気温20℃(@0:00〜) 
画面の右端で大雪が積もって折れたオニグルミ灌木にお転婆なタヌキ♀cが登っていたので、ビックリしました。(初見です) 
タヌキは木登りが苦手なはずなのに、とても意外でした。 
木登りする瞬間が撮れてないのは残念です。 
雪面から跳び乗ったのかな? 

巣口に居た両目失明♀hが、身震いしてから、両親♀♂のいる右へ向かって歩き始めました。 
♂もオニグルミの木に近づこうとしたら、溶けかけた雪面に足がズボッと潜りました。(@0:14〜) 
地上の2頭も、♀の真似をして木登りしたがっているのか、少なくとも興味を持ったことは間違いありません。 

♂が強引に木登りしようとしたら、狭くて滑りやすい止まり木でバランスを崩し、♀♂ペアは一緒に雪面に落ちました。 
どうやら、♂がオニグルミ樹上で♀の尻の匂いを嗅いで、背後からマウントしかけたら、足元が滑ったようです。 


樹上から無様に落ちてもめげない♂は、♀の背後に回り込んで遂にマウントしました!(@0:40〜) 
そのまま♂が腰をスラストしたので、交尾行動で間違いありません。 
その間、♀は頭を下げて姿勢を低くしました。 
交尾の前後にタヌキの鳴き声♪はまったく聞き取れませんでした。 

興味深いのは、3頭のうち交尾にあぶれた個体の行動です。
交尾中の♀♂ペア(両親)に娘♀hが無邪気に近寄ってきました。 
マウンティングしている♀♂ペアの間に割り込もうと邪魔しています。 
擬人化するとかなり気まずい状況です。
もしかすると、それまで娘はタヌキの交尾行動を見たことがなくて、両親が遊んでいるのかと勘違いして仲間に入ろうとしたのかもしれません。 
だとすると、結果的に娘への性教育になっている可能性があります。 
実は、両目失明のヘルパー個体の性別を私は見分けられていないのですが、もし息子♂(あぶれ♂)だとすると、交尾を邪魔された父親♂は激怒するはずです。 
そもそも発情期が来る前に、両親(特に父親)は息子にたとえハンディキャップがあっても縄張り内に残ることを許さず、他の兄弟(姉妹)と一緒に追い出していたはずです。(子別れ) 
今回、発情した両親の交尾を妨害しても怒られなかったということは、両目失明のヘルパー個体は娘♀だろうという推測が強まりました。 


シーン2:3/12・午前11:43・くもり・気温21℃(@1:00〜) 
次に監視カメラが起動したのは、約10分後でした。 
 画面右下の雪上で、♀♂ペアが交尾を続けています。 
オニグルミの木の根元の雪が溶けて地面が露出した窪みで交尾しているので、♀の姿がよく見えません。 

やがて、交尾中の♀が背後を振り向いて、嫌がり始めました。(@1:15〜) 
暴れる♀を背後から♂が首筋を噛みながら組み伏せたようです。
(よく見えないので、アナグマの交尾行動からの類推です。) 

その間、両目失明のヘルパー個体♀hは、交尾中の両親♀♂から離れて、逆の左を向いて佇んでいます。
 「いいから、あっち行ってろ!」と両親に追い払われたのでしょうか? 
身震いしてから巣口に歩いて戻り、周囲を警戒しています。 


シーン3:3/12・午前11:56・晴れ・気温23℃(@2:00〜) 
12分後に監視カメラが再び起動すると、あぶれ♀(両目失明のヘルパー個体♀h)が巣口から居なくなっていました。 
入巣または外出したのかもしれません。 

交尾を終えた♀♂ペアが互いに少し離れて、巣口の右の雪原に佇んでいました。 
右の個体Rが身震いしてから、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしました。 
左の個体Lが体をねじって毛繕いを始めました。 
私はまだ外見でタヌキの性別をしっかり見分けられません。 
♂の体格が♀よりも少し大きいらしいので、交尾後の♂が自分の陰茎を舐めているようです。
♀♂ペアが並んでいるのに、対他毛繕いなどの後戯はありませんでした。(賢者タイム?) 
右の個体♀Rがパートナー♂Lの横を歩いて通り過ぎ、巣口に辿り着きました。 




【考察】 
ようやくこの重要な動画を紹介できる日が来ました。 
トレイルカメラの設置場所を変更したおかげで撮れた、スクープ映像です。 

「猿も木から落ちる」ならぬ、「狸も木から落ちる」という貴重な映像が撮れました。 
前評判通り、タヌキの木登りは下手糞でした。
幸い地上からの高さも低く、雪面のクッションがあるおかげで、落ちた2頭は無傷で済みました。 
この近くで昨年見かけた、下半身が麻痺したホンドタヌキ個体は、交通事故ではなく、木登り中に落ちて脊髄を損傷した、という新しい可能性も出てきました。 

もしかすると、ホンドタヌキ♂からのしつこい求愛を嫌がって、身軽な♀が樹上に逃げたのかもしれません。 
穿った解釈をすると、発情した♀が求愛する♂をふるいにかける行動かもしれません。 
つまり、♀の後を追って木登りできるぐらい運動能力の高い♂を交尾相手として選ぶのです。 


ホンドタヌキの交尾行動を無人カメラで初めて撮影することができました。
(もちろん発情期にはカメラに写らない所でも交尾を繰り返しているはずです。)
両親♀♂が娘の目の前で交尾していました。
父親が娘(両目失明のヘルパー♀h)に交尾を挑まなかったのは、性的に未熟で発情もしていないからでしょう。 
近親婚を避けるように本能でプログラムされているのかな?(インセスト・タブー)
しかし、父親のタヌキが息子を縄張りから追い払う(子別れ)ということは、母親と交尾する可能性がある息子を性的なライバルとみなしていることになります(エディプス・コンプレックス)。


タヌキの交尾についてPerplexity AIを相手に問答してみました。

Q1: 交尾中のタヌキの♀♂ペアに、別個体が近づいて邪魔しようとした。この行動を繁殖干渉と呼ぶのは不適切か?

A1:この状況を繁殖干渉と呼ぶのは適切ではありません。繁殖干渉は、異なる種の個体間で起こる現象を指します。

繁殖干渉(Reproductive interference)は、以下の特徴を持つ現象です:

異種の個体が配偶過程で相互作用する

その結果、関与する個体の一方または両方の適応度が低下する

個体が誤認をしたり、自種を識別できないことが原因で生じる

タヌキの事例では、同種の個体間での相互作用であるため、繁殖干渉の定義に当てはまりません。

この状況はむしろ、同種内での繁殖競争や交尾妨害と呼ぶべきでしょう。多くの動物種において、オス同士が交尾の機会をめぐって競争することは一般的な行動です。

繁殖干渉は、昆虫、哺乳類、鳥類、両生類、海洋生物、植物など、さまざまな分類群で確認されていますが、あくまでも異種間の現象です。


Q2: 同じ巣穴でホンドタヌキの♀♂ペア以外にもう1頭が冬からずっと同居している。タヌキの性別や年齢を私には見分けられないのだが、この個体は前年に産まれたヘルパーだろうか? 営巣地の近くで交尾する♀♂を少し妨害した後は巣口に戻っておとなしく見ていたので、あぶれ♂かもしれない。しかしあぶれ♂と♀♂ペアが普通に同居するとは思えない。3月中旬に山形県でトレイルカメラによる観察。

A2:ご観察された状況は非常に興味深いです。ホンドタヌキの通常の社会構造と繁殖行動を考慮すると、以下のような可能性が考えられます:

前年生まれの子供(ヘルパー)
観察された3頭目の個体が前年に生まれた子供である可能性が高いです。タヌキは通常、春から初夏にかけて3-5匹の子供を出産します。前年生まれの子供が親と同じ巣穴で冬を過ごすことは珍しくありません。

繁殖期の行動
3月中旬は、タヌキの繁殖期にあたります。この時期、前年生まれの子供が親の交尾を妨害しようとする行動は、自然な現象かもしれません。ただし、その後おとなしく見ていたという観察結果は、この個体が完全に性的に成熟していない可能性を示唆しています。

社会構造の柔軟性
タヌキは基本的に一夫一妻制ですが、その社会構造には柔軟性があります。特に冬期は、生存のために複数個体が同じ巣穴で過ごすことがあります。

あぶれオスの可能性
観察された個体があぶれオスである可能性も完全には否定できませんが、通常、あぶれオスが繁殖ペアと長期間同居することは稀です。

個体識別の難しさ
タヌキの性別や年齢を外見から判断するのは非常に困難です。トレイルカメラによる観察では、さらに判別が難しくなります。

結論として、観察された3頭目の個体は、前年に生まれた子供(ヘルパー)である可能性が最も高いと考えられます。この個体が親の交尾を軽く妨害した後、おとなしく見ていたという行動は、性的に完全には成熟していない若い個体の特徴と一致します。




Q3: 3頭目の個体の性別を推理したい。前年生まれの子供が親と同じ巣穴で冬を過ごす場合、子供の性別は♀♂両方ありえるか? タヌキで親と同居するヘルパーは♀に限る、というような知見は得られているか?

A3:3頭目の個体の性別について、以下のように推理できます:

前年生まれの子供の性別
タヌキの場合、前年生まれの子供が親と同じ巣穴で冬を過ごす際、♀♂両方の可能性があります。タヌキの社会構造に関する具体的な情報は限られていますが、近縁種であるキツネの例を参考にすると、♀♂両方が親と同居する可能性があります。

ヘルパーの性別
タヌキにおいて、ヘルパーが♀に限るという明確な知見は得られていません。しかし、キツネの例を見ると:

ホンドギツネでは、前年生まれのメス(ヘルパー)が母親の子育てを手伝うことが知られています。

ヘルパーは最大4頭になることもあります。

オスも子供が生後1ヶ月頃までは子育てを手伝いますが、その後は家族群に加わらなくなります。

タヌキの社会構造
タヌキの社会構造は柔軟性があり、冬期には生存のために複数個体が同じ巣穴で過ごすことがあります。これは♀♂両方の若い個体が含まれる可能性を示唆しています。

性別判断の難しさ
タヌキの性別を外見から判断するのは非常に困難です。特にトレイルカメラによる観察では、さらに判別が難しくなります。

結論として、3頭目の個体の性別は♀♂両方の可能性があります。タヌキに関する具体的な研究データが限られているため、キツネの例を参考にすると、ヘルパーとして同居する可能性が高いのは♀かもしれません。しかし、タヌキの社会構造の柔軟性を考慮すると、♂が同居している可能性も完全には否定できません。

より正確な判断のためには、タヌキに特化した長期的な観察研究が必要です。現時点では、3頭目の個体が♀である可能性がやや高いと推測されますが、♂である可能性も排除できません。


Q4: キツネと違ってタヌキではヘルパーは存在しない(報告されていない)のか?

A4:タヌキにおけるヘルパーの存在については、キツネほど明確な報告はありませんが、完全に存在しないとは言い切れません。

キツネとの比較
ホンドギツネでは、前年生まれのメス(ヘルパー)が母親の子育てを手伝うことが明確に報告されています。ヘルパーは最大4頭になることもあり、オスも子供が生後1ヶ月頃までは子育てを手伝います。

タヌキの社会構造
タヌキは基本的に一夫一妻制をとり、オスとメスが協力して子育てをします。しかし、タヌキの社会構造には柔軟性があり、環境に応じて変化する可能性があります。

タヌキのヘルパーに関する研究
タヌキのヘルパーに関する直接的な報告は少ないですが、いくつかの研究がタヌキの社会構造の複雑さを示唆しています:

東京都心部の赤坂御用地での研究では、タヌキが行動圏およびコアエリアを大きく重複させて生息していたことから、孤立緑地内でのタヌキの社会構造が一般的な一夫一妻制の社会構造ではない可能性が示唆されています。

タヌキのタメフン場(排泄場所)は、単なる排泄の場としてだけでなく、情報交換の場として利用されており、家族および隣接個体の確認や相互許容の機能など、タヌキの社会構造に深くかかわっていることが指摘されています。

結論
タヌキにおけるヘルパーの存在は、キツネほど明確には報告されていませんが、完全に否定されているわけでもありません。タヌキの社会構造の柔軟性や、一部の研究結果から、環境によってはヘルパー的な役割を果たす個体が存在する可能性は否定できません。

ただし、タヌキの社会構造や繁殖行動に関する研究はまだ十分ではなく、より詳細な調査が必要です。今後の研究によって、タヌキにおけるヘルパーの存在や役割がより明確になる可能性があります。

Q5: タヌキは交尾後に着床遅延するか?

A5: タヌキ(Nyctereutes procyonoides viverrinus)は、交尾後に着床遅延を行うという明確な証拠は提供されていません。タヌキの繁殖サイクルについて、以下の情報が分かっています:

タヌキの繁殖期は1月から3月頃で、この時期にオスとメスがペアを形成し交尾します。

妊娠期間は約60〜65日間です。

出産は通常4月から5月にかけて行われ、2〜6頭(最大12頭)の子を産みます。

これらの情報から、タヌキの繁殖サイクルは比較的直線的であり、交尾から妊娠、出産までの期間に明確な遅延は見られません。着床遅延は、提供された検索結果ではタヌキについて言及されておらず、むしろニホンアナグマ(Meles anakuma)の特徴として述べられています。

したがって、現在の情報では、タヌキが交尾後に着床遅延を行うとは結論付けられません。タヌキの繁殖生理について更なる研究が必要かもしれません。




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2026/06/27

リンゴ園の樹上で未熟果を食い荒らすニホンザルの群れ

 

2026年6月上旬・午前10:10頃・くもり 

山麓の果樹園に野生ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れが傍若無人に侵入していました。 
今季はまだ果樹園全体が電気柵で囲われていなかったので、無防備な状態でした。 
当地は豪雪地帯ですから、積雪の重みで潰れたり壊れたりしないように、秋の収穫が終わると電気柵を全て撤去してしまいます。 
猿害対策として電気柵は有効ですが、正しく設置して保守管理しないと、賢いニホンザルはすぐに攻略してしまいます。 



果樹園の敷地の端(リンゴ林の林縁)でリンゴの果樹に登っていたニホンザルが赤く色づき始めた小ぶりの未熟果を次々に食い荒らしていました。 
リンゴ農家も果実を間引いて大きく育てるために不要な枝を剪定したり摘果したりするので、この時期の食害には寛容なのでしょうか。
それとも単に人手不足で猿害対策が間に合わないのかもしれません。 

多くのニホンザルが続々とリンゴの木によじ登って未熟果を食べ漁るので、どの個体に注目して撮影すべきか、目移りしてしまいます。 



ときどき、ニホンザルがリンゴの枝をポキッと折る音が聞こえます。 
リンゴの樹上に座ったニホンザルが近くの枝から未熟果を手でもぎ取り、かぶりついてモグモグと咀嚼します。 
片手を伸ばして小枝を引き寄せ、未熟果を口で直接咥えてもぎ取ることもありました。 
しかし猿は一口か二口食べただけで、食べかけの果実を惜しげもなく捨ててしまい、次の果実を採取します。 
ニホンザルに特有のこのような採食法が我々に「もったいない」と強く感じさせ、果樹農家に憎まれる原因になります。 

果皮が赤く色づいていない「青りんご」の状態でもニホンザルは平気で食べています。(@2:02〜) 
渋くないのかな? 
普段ニホンザルは野生の果実ばかり食べているので、栽培品種のリンゴ果実は未熟でもよほど美味に違いありません。

リンゴの芯や種子は食べずに捨てているのか、それとも逆に、リンゴの果皮を捨てているのか、よく見えませんでした。 
リンゴの木の下に散乱している食べ残し(食痕)を観察しに行く必要があります。 
また、この時期のニホンザルが排泄した糞に未消化のリンゴ種子が含まれているかどうか、調べる必要がありますね。 
果実が熟していないということは、種子も未だ成熟していない(発芽能力がない)ので、今回は種子散布の話と無関係です。 
つまり、リンゴという植物にとって、ニホンザルによる未熟果の食害は、完全な食べられ損です。

リンゴの樹上で私に背を向けて座り、未熟果を食べていた個体が真っ逆さまに(頭を下にして)幹を下りました。(@1:37〜) 

ニホンザルの群れは、緑の葉が生い茂った枝から枝へ渡り歩いて、リンゴ園の奥へと入って行きます。 
私に見られているのを嫌い、茂みの奥に隠れたいのかもしれません。 


短時間の観察でしたが、この群れにはアルビノ(または白変種)が少なくとも2頭含まれていました。 
白猿と呼ばれて地元では昔から神聖視(半ばアイドル化)されています。 

まず見つけた白猿は、体格の良い太った成獣♀です。(@2:41〜) 
胸に幼い子猿を抱えていたので、今季出産した♀であることが分かります。 
興味深いことに、子猿の毛皮は母親のように真っ白(ホモ)ではなくて、通常の野生型(ヘテロ)でした。 
幼い子猿はまだ離乳前らしく、自分でリンゴの未熟果を採食することはありませんでした。 
授乳期の母猿は、栄養価の高い餌をたくさん食べないといけません。 
樹上の白猿が振り返ったときに瞳の色を確認すると、黒目があるようにも見え、メラニン色素が薄くて青い目のようにも見えます。(YouTube動画のサムネイルとなった場面@3:29〜) 
やがて、乳飲み子を抱いたまま、隣の木に跳び移りました。(@3:42〜) 
アルビノ♀が出産するのは珍しいとのことですが、私自身はそこまで詳細な記録を取っていません。 

私が撮影に夢中になっていると、手前の農道を別個体の白猿が通り過ぎました。(@3:03〜) 
若いアルビノ(白変種?)個体です。 
私をあまり恐れずに、ゆっくり歩いて果樹園の方へ向かいました。 
残念ながら後ろ姿しか見えなかったので、瞳の色を確認できていません。 
アルビノの母猿と若いアルビノは、親子なのでしょうか? 
その後、年齢の離れたアルビノ同士がリンゴ園で合流する様子は見ていません。 


※ 撮影順ではなく、映像素材の順番を編集で入れ替えました。 




【追記】
こういう動画を公開すると、「のんきに傍観してないで、さっさと害獣を追い払え!」と怒る人が出てきます。
猿の襲撃が1回限りなら、その人の言う通りです。
しかし、神出鬼没で何度も襲撃を繰り返す強敵となると、話が変わってきます。
猿害(ニホンザルによる農作物の食害)に苦しむ農家の心情も理解できるのですが、私は長年ひっそりと観察に徹しているからこそ、このような記録映像を撮ることができるのです。
ちなみに、私は野生のニホンザルに撮影目的の餌付けや給餌を一切していません。
もし私がニホンザルの追い払い活動に参加すると、猿たちは私に対して警戒を強め、自然な行動を見せてくれないどころか、群れに近づくことも困難になります。

つまり、猿害対策には分業が必要となるのです。
害獣防除の専門業者も必要ですし、ニホンザルの行動や生態を地道に調べる研究者や動物カメラマンも必要です。
現在では無人のカメラを農地や果樹園に設置して、野生動物の侵入を不眠不休で監視することも可能になりました。

軍事で例えると、偵察部隊や斥候(隠密偵察)はこっそり敵の様子を視察して、正しい情報を本隊に伝えるのが任務の専門職です。
敵と遭遇したからと言って、いちいち戦闘したり追い払ったりするのは御法度です。
隠密偵察が持ち帰った情報や証拠映像を元に対策を立てたり作戦を練ったりするのは、別の担当者です。

他の例えだと、戦場カメラマンとか潜入捜査官の方がしっくり来るかもしれません。

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