2025/06/07

溜め糞場に来て大小便と眼下腺マーキングするニホンカモシカの♀と幼獣【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬

シーン0:5/21・午後12:49・晴れ・気温22℃(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の状況です。 
里山でスギと雑木の混交林に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を見張っています。 
基本的に画面の左から右へ向かって上り坂の斜面なのですが、溜め糞場sr2の付近はやや平坦な地形になっています。 
画面の左右および前後を通る獣道の交差点になっています。


シーン1:5/23・午後23:42・気温17℃(@0:04〜) 
獣道を左から来たカモシカが立ち止まって腰を深く落とし、長々と排尿を始めました。 
排尿姿勢から性別が♀と判明しました。 
♀の排尿姿勢をしっかり真横から撮れたのは、初めてかもしれません。 
(例外もあるらしいのですが、通常♂の排尿姿勢は、♀よりも浅く屈みます。) 
手前に生えた数本の細い灌木が邪魔で、尿道から出ている小便は残念ながら見えません。 
音量を上げても、小便の音は聞こえませんでした。 

カモシカ♀は右に数歩移動すると、方向転換してカメラに尻を向け、今度は排便を開始。 
排便姿勢は排尿姿勢ほど腰を深く落としませんでした。 
肛門から糞粒を連続して排泄しています。 
下痢便ではないのですが、水分も一緒に排泄しています。 

手前に生えた雑草(稚樹?)が邪魔で、下草を刈りたくなります。 
録画時間を2分に延長してもまだ短かく、途中で打ち切られてしまいました。 


シーン2:5/23・午後23:44(@1:04〜) 
監視カメラが次に起動したときには、溜め糞場sr2の奥に自生するエゾユズリハの群落で枝葉に顔を擦り付けていました。 
眼下腺の分泌液で匂い付けして縄張りを宣言しているのです。 
手前に張られたクモの糸が光って目障りですね。 

様々な行動レパートリーを一気に見せてくれたニホンカモシカ♀は、緩斜面を登りながら右へゆっくり歩き去りました。 


シーン3:5/27・午前1:41・気温14℃(@2:36〜) 
4日後の深夜に監視カメラが起動しました。 
直前のシーンと見比べると分かるのですが、画面中央の林床に黒々とした新しい溜め糞が増えていました。
どうやら、昼間にカモシカが排便に来たようです。 
残念ながら撮り損ねてしまいました。 
この時期は昼間に風が強く吹くために、トレイルカメラの誤作動が頻発します。 
無駄撮りを減らすために、夜間のみの監視にタイマー設定していたのが仇となりました。 

画面の下(手前)から獣道を通ってカモシカが登場しました。 
角が未発達なことから、幼獣のようです。 
立ち止まって林床に残された新鮮な溜め糞の匂いを嗅ぎました。 
そのままカメラに尻を向けたまま、排泄を開始。 
初めは肛門から水分を排出し、続いて糞粒を排泄しました。 

カモシカ幼獣は、そのまま奥へと立ち去りました。 
小便してくれないと、私には性別を見分けられません。 

シーン3では、真夜中なのにホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)が鳴いていました。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

ホトトギス♂が繁殖期の山林で囀りさえずりを昼も夜も鳴き続けるのは、別に珍しいことではないのだそうです。 
縄張りを宣言し、ホトトギス♀にアピールしているのです。


【考察】
今回の動画で別々に登場したカモシカ♀と幼獣はおそらく親子でしょう。
母子で同じ溜め糞場sr2を共有しているという証拠映像が撮れました。


ベニカナメモチ(レッドロビン)の花で採餌するセイヨウミツバチ♀

 

2024年5月中旬・午後12:20頃・くもり 

道端の生垣として植栽されたベニカナメモチ(=レッドロビン)セイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

白い花で吸蜜する蜂をよく見ると、後脚の花粉籠に少量の花粉団子を付けています。 
やがて、蜂は生垣の奥に潜り込んでしまいました。

2025/06/06

タヌキの溜め糞場がある山道で跛行しながら追手から逃げるニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場ltrを自動センサーカメラで監視中です。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。 

ニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/27・午後12:58・晴れ(@0:04〜) 
昼下がりにアナグマ♀が林道を左から右へ通過しました。 
タヌキの溜め糞場ltrは素通りしたようです。 


シーン2:6/7・午前1:24(@0:11〜) 
11日後の深夜に、アナグマがペアで現れました。 
まず先行個体が右から左へ林道を通過します。 
なぜか右後足を地面に着かないように、ヒョコヒョコ跛行していました。 
ノイバラなど棘のある植物を誤って踏んでしまったのかな? 
それとも喧嘩で足を噛まれたのでしょうか? 

しばらくすると、右から後続個体が早足で登場。 
アナグマはタヌキと違って、♀♂ペアが一緒に暮らすことはありませんし、親子以外で一緒に採餌することもありません。 
したがって、2頭のアナグマが出会って縄張り争いの喧嘩となり、怪我した後足を引きずりながら逃げる先行個体を後続個体が走って追いかけてきたのではないか?と推測してみました。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:29〜) 
シーン2で登場した2頭のアナグマの性別がいまいち見分けられませんでした。 
2頭ともタヌキの溜め糞場ltrは素通りしました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

蛇行して農道から稲刈り前の田んぼへ逃げるアオダイショウ

 

2024年5月中旬・午後15:35頃・晴れ 

私が田んぼの農道を歩いていたら、かなり大型のアオダイショウElaphe climacophora)が雑草の茂みに潜んでいました。 
胴体は農道を横断するように横たわり、頭部だけ草むらに入っていて、その状態で鎌首をもたげています。 
農道や畦道で野ネズミの巣穴に潜り込んでは捕食し、ここまで大きく育ったのでしょう。 

捕獲に挑むかどうか私が迷っていたら、殺気を感じたのか、アオダイショウはスルスルと蛇行して逃げ出しました。 
 逃げ込んだ先は水入れ前の田んぼだったので、泳ぐシーンが撮れずに残念でした。 

蛇行シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:15〜) 
赤い舌を素早く出し入れして周囲の匂いを嗅ぎながら前進しています。

2025/06/05

山中の湿地帯を夜にうろつく夏毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬・午後22:20頃 

山林の湧き水が溜まった浅い水場を自動センサーカメラで見張っていると、ある晩に夏毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が現れました。 
水溜りの水を飲みにきたのかと期待したのですが、泥濘の匂いを嗅ぎながら、右下にゆっくり立ち去りました。 

野生のノウサギも、乾燥した時期には水場で水を飲むことがあるそうです。 
しかし普段は、水気の多い植物を食べたり、葉に付いた朝露や夜露を舐めたりすることで水分を摂取しているために、わざわざ水を飲む必要がないらしい。 
参考: @Perplexity 

今回も、水を飲むのが目的というよりも、山中の湿地帯に生えた植物を食べに来たのかもしれません。 

私はトレイルカメラでノウサギの飲水シーンをまだ一度も撮れたことがありません。





春の草むらで身繕いして飛ぶモンスズメバチ創設女王(腹部斑紋の変異個体)

 

2024年5月上旬・午後15:45・晴れ 

郊外の道端の草むら(花壇?)でモンスズメバチ♀(Vespa crabro flavofasciata)を見つけました。 
この時期はまだワーカー♀(働き蜂)が羽化しておらず、越冬明けの創設女王が単独行動しています。 
単子葉の園芸植物(種名不詳)の葉にしがみついてよじ登ろうとするものの、つるつる滑って登りにくそうです。 

葉を登り切って体勢が水平に安定すると、身繕いを始めました。
触角や複眼を前脚で拭い、その脚を舐めています。 
左右の後脚の先を互いに擦り合わせました。 
化粧を済ませた女王蜂はどこかに飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:01〜) 

さて、このスズメバチの種類は何でしょう? 
初めはてっきりコガタスズメバチかと思ったのですが、肩(前胸背板)が赤褐色な点に違和感を覚えました。 
じっくり検討してみましょう。 
小楯板は真っ黒で、オオスズメバチのような茶色い斑紋はありません。 
単眼の周囲は黒色。 
モンスズメバチなら腹部にある黄色と黒の横縞模様が波打っているはずなのに、この個体では直線状です。 
頭楯の突起は2つでした。 (コガタスズメバチなら突起は3つ。)
同定する際にどの形質を優先して判定基準にすればよいのか、正式な検索表をもたない素人には分かりません。
例えば、「コガタスズメバチで肩が赤褐色の変異個体」である可能性を排除できるでしょうか?
Perplexity AIに相談してみると、モンスズメバチの創設女王で腹部の横縞模様がまっすぐな変異個体と判明しました。 
モンスズメバチでは結構よくある変異パターンらしいのですけど、私は初めて見ました。


いつも思うのですが、生物学の発展のために、あらゆる生物種の正式な検索表を誰でも自由に閲覧参照できるように分類学者は整備して欲しいものです。 (検索表だけ著作権を解除して、インターネット上のアーカイブをパブリックドメイン化)
女王蜂は次世代を残す使命があるので、一般的にひどく臆病です。 
下手に敵と戦うと反撃されて負傷するリスクがありますから、女王蜂は常に争いを避けます。
つまり、女王バチの戦略は「逃げるが勝ち」です。 
女王蜂の方からヒトを本気で襲ってくることもありませんし(自分の巣を守るために威嚇することはあります)、素手で強く握りしめたりしない限り、毒針で刺される心配もありません。 
たとえスズメバチ類であっても、毒針を持たない雄蜂♂の次に女王蜂は安全です。 
時期的に女王蜂だと確信できれば、リラックスして観察・撮影することができます。

2025/06/04

タヌキの新鮮な溜め糞から吸汁して飛び去る夜蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで監視中です。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/26・午前7:52・晴れ(@0:04〜) 
朝から白毛のタヌキが溜め糞場ltrに来ていて、左向きで脱糞していました。 
便秘気味なのか、硬目の立派な固形糞を排泄しました。 
後半は健康そうな糞に変わりました。 

白毛タヌキ♀は振り返って自分の糞の匂いを嗅いでから、身震いし、そのまま画面の右下へ立ち去りました。 
おそらくスギ林に入って行ったようです。 


シーン2:5/27・午前8:01・くもり(@0:51〜) 
翌朝には珍しく♀♂ペアで登場しました。 
まず先行個体の♂が左奥を向いて脱糞中でした。 
後ろ姿の肛門がよく見え、大便の健康状態は良好そうです。 
尻尾が細く見えるのは、夏毛に換毛中だからでしょうか。 

やがて右から後続個体の白毛♀がやって来て合流しました。 
このペアは体格差があり、大柄な白毛の個体が♀だと推測しています。 
後続の白毛♀は溜め糞場ltrの匂いを嗅いでから、奥を向いて排便開始。 
やや軟便でした。 
林道の右を向いて気にしています。 

その間に先行個体♂が右下へ立ち去りました。 


シーン3:5/27・午後19:19・(@1:51〜) 
その日の晩に、タヌキが右向きで脱糞していました。 
消化の悪い物や腐りかけの物でも食べたのか、液状の下痢便を排泄しています。 
振り返って自分の糞の匂いを嗅ぐと、林道脇のミズナラ灌木の下に佇んで林道の左を凝視しています。 


シーン4:5/27・午後19:21・(@2:51〜)
これが今回一押しの興味深い動画です。 
排便直後の新鮮なタヌキの溜め糞に小さな昆虫が動いていました。 
やがて左にヒラヒラと飛び去ったのは、夜行性の蛾(種名不詳)でした。 
翅の鱗粉や複眼が暗視カメラの赤外線を反射していたようです。 
糞便臭に誘引された夜蛾が口吻を伸ばして下痢便からナトリウムやアンモニアなどのミネラル成分を摂取していたのでしょう。 

夜蛾がタヌキの溜め糞場ltrから飛び去るシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:12〜)。 


シーン5:5/31・午後19:48(@3:33〜) 
4日後の晩にタヌキが左向きで脱糞中でした。 
排便中にキューン♪と甲高く寂しげに鳴きました。(@3:44〜) 
黒い糞の健康状態は良好なので、便秘による苦悶の声とは思えません。 
パートナーを呼ぶ鳴き声なのでしょうか。 
我々はどうしてもタヌキの鳴き声を「寂しげ」などと勝手に感情移入したり擬人化してしまいがちです。 
用を足したタヌキは、林道を右へ立ち去りながら、もう一度クゥーン♪と鳴きました。 


シーン6:6/2・午後16:02(@4:00〜) 
2日後の雨が激しく降る午後に、白毛のタヌキ♀が左向きで脱糞していました。 
白い毛皮が雨で濡れています。 
糞の健康状態は良好そうです。 
振り返って自分の新鮮な糞の匂いを嗅ぐと、手前のスギ林へと立ち去りました。


つづく→

山中の水溜りでヒキガエルの幼生を狩って雛に給餌するクロツグミ♀【野鳥:トレイルカメラ】



2024年5月下旬・午後18:35頃・日の入り時刻は午後18:55。

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。
浅い泥水の水溜りには、アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生と思われる黒いオタマジャクシの群れが泳いでいます。
1.5倍に拡大した上でリプレイ。
翌年の春には、同じ水溜りではありませんが、そこから連続した湿地帯を流れる雪解け水の沢でアズマヒキガエルの配偶行動を観察しています。(映像公開予定)


シーン1:5/25・午後18:33(@0:18〜)
日没前でまだなんとか明るい時間帯に、クロツグミTurdus cardis)の♀♂ペアが互いに離れて水溜りの水を飲んでいました。

手前の茶色い♀個体が何か黒っぽい獲物を捕らえました!
水溜りでオタマジャクシを狩ったのかな?
獲物をその場では食べず、嘴に咥えたまま次の獲物を探しています。
したがって、近くの巣で待つ雛鳥に給餌するのでしょう。
左へ飛び去りました。

一方、奥に居た黒い♂個体は、水を飲み終えると、更に奥の湿地に移動して餌を探し歩いています。


シーン2:5/25・午後18:36(@1:20〜)
2分後にクロツグミ♀が単独で水場に戻って来ていました。
水溜りの岸の泥濘を繰り返しつついているのですけど、手前に生えたシダの葉が邪魔でよく見えません。
やがて嘴に何か黒っぽい獲物を咥えていました。
オタマジャクシなのかミミズなのか、獲物の正体がよく分かりません。
クロツグミ♀は、その場で脱糞した直後に黒い獲物を咥えたまま左上へと飛び立ちました。

クロツグミ♀による狩りのシーンを1.5倍に拡大した上で自動色調補正を施してリプレイ。(@1:54〜)
画質が粗いのは薄暗いせいなので、仕方がありません。



【考察】
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』という図鑑を紐解いてクロツグミについて調べると、
つがいで縄張りを持ち、♂は木の梢で大きな声でさえずる。主に地上をはね歩きながら採餌する。数歩はねて立ちどまり、ゴミムシなどの昆虫やミミズを捕える。(p445より引用)
確かにクロツグミの♀♂つがいが見事に縄張りを防衛しているようで、昼間この水場には他種の鳥がやって来ません。
夜行性のフクロウとは同じ水場というニッチを時間的に分割・共有しています。


今回クロツグミ♀が山中の水溜りで狩った獲物がもしもミミズではなく、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)だとすると、重大な観察事例となります。
ヒキガエルのオタマジャクシには、ブフォトキシンという強力な心臓毒(強心配糖体)が含まれているからです。
親鳥が自分では食べずに雛鳥に給餌したので、雛は中毒死した可能性が高いです。
ヒキガエルの成体なら耳腺という特定の部位に毒腺が局在していますが、幼生の時期には皮膚全体に分布しているのだそうです。
親鳥がオタマジャクシのぬるぬるした皮膚をわざわざ全て剥いでから肉だけを雛に給餌したとは考えにくいです。
少量の餌なら致死量ではないかもしれませんが、体重の軽い雛鳥は毒への感受性が高いはずです。
クロツグミの雛鳥がヒキガエルのオタマジャクシを1匹摂取した場合、含有毒素量が致死量に達するかどうかは、雛の体重や種によって異なります。
致死に至らない場合でも、消化器症状(嘔吐、下痢)や神経症状(痙攣、運動失調)などが現れる可能性があります 。
ヒキガエルを獲物として常食している捕食者なら、ブフォトキシンへの耐性を獲得するように進化した可能性があります。(※ 追記2参照)

ヒキガエルの毒は苦味を伴うらしいのですが、そのような苦味による警告があるにも関わらず、オタマジャクシを捕食したということは、親鳥は過去にオタマジャクシの毒性を学習していない(ヒキガエルやオタマジャクシを味見した上で、その毒で痛い目に遭っていない)ことになります。


クロツグミの親鳥♀は数匹のオタマジャクシを水場で狩ってから、獲物をまとめて巣に持ち帰り、雛に給餌したようです。
このとき、最も激しく餌乞いした1匹の雛に全ての餌を与えるのか、それとも複数の雛に少しずつ餌を与えるのか、2つのシナリオが考えられます。 
後者なら、雛1羽当たりの毒の影響は少ないかもしれませんが、致死量を超えていれば巣内の雛が全滅した可能性もあります。

前回の記事で紹介したように、この時期(育雛期)クロツグミの親鳥は、水場付近でオタマジャクシの他にミミズも獲物として捕らえることがあり、巣に持ち帰っていました。
湿地帯の泥濘でミミズを探していた親鳥が、動きの似ている(身をくねらせて移動する)オタマジャクシを浅い水溜りで見つけて狩るようになったのでしょう。
ミミズには毒がないため、雛に対して毒性の希釈効果が期待できます。

もしも巣内の雛が死んだり体調を崩した場合、親鳥はオタマジャクシの毒のせいだと因果関係を正しく推論して、その後の給餌行動(獲物の選択)を変えることが果たしてできるでしょうか? 
自分で食べたのなら自身の体調の悪化と結びつけて学習することは容易ですけど、雛に給餌する場合は学習の成立は難しそうです。
ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、派手な警告色を持たないため、視覚的に毒性を予測しにくくなっています。
これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応なのでしょう。
親鳥はたとえ因果関係を頭脳で正しく推論・学習できなくても、ヒキガエルのオタマジャクシを忌避するような行動がたまたま進化するかもしれません(育雛中は水辺で狩りをしないようにするなど)。
つまり、ヒキガエルの有毒なオタマジャクシを雛に給餌するような愚かな親鳥は繁殖に失敗し、子孫を残せません。
雛が毒によって自然淘汰される結果として、クロツグミの多くはヒキガエルのオタマジャクシを何らかの理由で忌避するように進化するはずです。






ChatGPTとの問答から、以上の考察を分かりやすいレポートにまとめてもらいました。

クロツグミとヒキガエル幼生に関する観察記録と考察レポート

1. 観察の概要

2024年5月下旬〜6月上旬、山形県の里山における水場に設置したトレイルカメラにより、クロツグミ(Turdus cardis)の成鳥が水溜まりで採餌している様子が複数回記録された。観察映像から、以下の行動が確認された:

  • クロツグミの雌雄ペアが黒色のオタマジャクシを捕獲し、巣に持ち帰る様子

  • ミミズなど他の餌も同時に採餌し、巣に持ち帰っている

特に注目すべきは、捕獲されたオタマジャクシがヒキガエル(Bufo japonicus, アズマヒキガエル)と推定される種であったことである。

2. ヒキガエル幼生の毒性と鳥類による捕食

ヒキガエル類は成体だけでなく、幼生(オタマジャクシ)の段階から心臓毒であるブフォトキシン(bufotoxin)を含むことで知られている。一般にこの毒素は魚類や一部の昆虫捕食者に対する忌避効果を持つとされるが、鳥類による捕食例も報告されている。

ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、警告色(アポセマティズム)を持たないため、視覚的に毒を予測しにくい可能性がある。これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応と解釈できる。

3. クロツグミの給餌行動と雛への影響

今回の記録では、親鳥が複数のオタマジャクシを捕食・運搬しており、巣にいる雛に給餌したと考えられる。毒性のあるオタマジャクシを雛が摂取した場合、以下のような影響が懸念される:

  • ブフォトキシンは神経・心臓に作用する強い毒性を持ち、哺乳類や鳥類にも有害

  • 雛は成鳥に比べて体重が軽く、1匹でも中毒死するリスクがある

  • ただし、実際の給餌では、親鳥が複数の雛に分散して餌を与えることが多く、個体ごとの摂取量は限られる可能性がある

  • トレイルカメラの映像からは巣内の雛の生存状況や健康状態は不明

4. 因果関係の認知と学習可能性

親鳥が自らオタマジャクシを食べて中毒を経験すれば、忌避学習が成立する可能性は高い。しかし、給餌対象が雛であり、かつ雛が体調を崩したとしても、その原因を特定の餌と因果づけて推論することは難しい。これは多くの鳥類において制限されている認知能力の範囲と一致する。

とはいえ、種全体としては、毒を持つオタマジャクシの忌避行動が自然選択的に強化される可能性はある。すなわち、雛に毒を与えてしまう親鳥の子孫は減り、毒餌を避ける親の行動が有利に働く。

5. 警告色を持たない毒幼生の戦略的意味

アカハライモリのように腹部の赤色を見せる"unken reflex"を持つ両生類とは対照的に、ヒキガエル幼生は視覚的警告を欠く。これは、警告色の進化には色素細胞の前適応や環境要因が必要であること、また水中での視覚信号の有効性が限定的であることが理由と考えられる。

6. 結論と今後の展望

今回の事例は、毒性のあるヒキガエル幼生がクロツグミに捕食され、給餌対象として利用されるという興味深い生態的相互作用を示している。親鳥および雛への毒の影響は、摂取量や個体差によって異なると考えられるが、今後さらなる観察や給餌後の巣の状況(生存率など)を追跡することで、鳥類と毒動物の相互作用についてより深い理解が得られるだろう。


素人があれこれと妄想してきましたが、実はその後、クロツグミ♀♂つがいの雛は、幼鳥として無事に巣立ったようです。(映像公開予定)
つまり親から毒餌を与えられても、雛の巣立ち数に影響はありませんでした。
たまたま急性毒性が少ないオタマジャクシだったのか、あるいはクロツグミの雛にブフォトキシンへの耐性があったのかもしれません。(※ 追記2参照)


【追記】
別の水場(池)でアカショウビンがアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を繰り返し捕食していたのを思い出しました。
一部の鳥はブフォトキシンに耐性があるのか、あるいは当地のヒキガエル幼生は毒性が弱いのかもしれません。



【追記2】
最近になって興味深い論文が発表されました。
沖縄県の西表島と石垣島のみに生息するカンムリワシは、外来種である毒を持つオオヒキガエルを頻繁に捕食します。
しかし、カンムリワシが中毒症状を起こしたという報告例はありません。
なぜカンムリワシはオオヒキガエルを食べることができるのでしょうか。
DNA解析で、毒耐性に関与するとされる遺伝子を調べた結果、カンムリワシは強⼼配糖体の毒ブフォトキシンへの耐性があるとされるヤマカガシというヘビと同一の配列をこの遺伝子に持つことが明らかになりました。
また、この配列を一部の猛禽類の間で比較したところ、ヤマカガシと同一の配列はカンムリワシのみにみられることが判明しました。

カンムリワシはなぜ有毒外来種を捕⾷できるのか
―毒耐性遺伝⼦の進化的背景―(プレスリリースのPDF

TOBE, Alisa, et al. Evolutionary insights into Na+/K+-ATPase-mediated toxin resistance in the Crested Serpent-eagle preying on introduced cane toads in Okinawa, Japan. BMC Ecology and Evolution, 2025, 25.1: 70. (全文のPDFが無料でダウンロード可能)
私のフィールドでも、クロツグミやアカショウビンのDNAを調べたら、ブフォトキシンへの耐性を獲得していることが証明できるかもしれません。


2025/06/03

平地の農道を走って逃げるニホンカモシカ

 

2024年5月下旬・午前10:25頃・くもり 

私が平地の二次林を静かに歩いていると、林縁で採食してたニホンカモシカCapricornis crispus)が急に逃げ出しました。 
こんな平地で野生のカモシカとニアミスするとは想定外で、私も驚きました。 
山から降りてきた個体が平地の二次林でこっそり暮らしているようです。 



逃げたカモシカは休耕地を横切り、砂利が敷かれた農道まで来ると立ち止まりました。
 (映像はここから。) 

農道に佇むカモシカがキョロキョロと油断なく周囲を見渡しています。 
私の居る方向もときどき見ていますが、近視のカモシカに私の姿は見えていないはずです。 
やがて駆け足で農道を右に走り去りましたが、全速力ではありません。 
この間、カモシカは私に対して一度も威嚇の鼻息を発しませんでした。 

カモシカの逃走シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
冬毛から夏毛へと生え変わる時期(換毛期)のようで、フワフワの白い綿毛が体のあちこちから抜けかけています。 

さて、この個体はこの後も山へは帰らずに、しばらく平地の二次林で暮らすことになります。(映像公開予定) 
いつからこの辺りに出没するようになったのか分かりませんが、林縁でノイバラの棘に引っかかっていた綿毛(抜けた冬毛)はタヌキではなくカモシカの抜け毛かもしれない、という可能性が出てきました。 


夜の山林で飛びながら水溜りに着水する謎の昆虫【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬・午後21:20頃 

山林の中にある水溜りを自動撮影カメラで見張っていると、晩に夜行性の昆虫が飛来しました。 
低空で飛び回る昆虫が、水面にちょんちょんと着水したので驚きました。 
その虫は水溜りで溺れることはなく、そのまま飛び去りました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
私の第一印象では、蛾の仲間(種名不詳)だと思いました。 

謎の着水行動について、仮説をいくつか検討してみました。
(1)風が吹いていたので、不慮の着水事故かもしれません。 


(2)飲水行動。
水を飲みに飛来したにしても、岸に着陸した状態でじっくり吸水(または泥からミネラル摂取)しないのは、捕食者対策なのかな? 


(3)水浴行動。 
長時間の飛翔でほてった体を水で冷やすための体温調節行動なのでしょうか? 
旧機種のトレイルカメラで撮ったので、気温の情報が取得できていません。 

私は以前、暑い夏の昼間にスキバホウジャクの仲間が飛びながら水路の水面に何度か着水するのを目撃しています。
証拠映像はないのですが、飛びながら水浴したのかと思いました。


(4)走光性による水難事故。 
水溜りの水面に月が写っていたとすると、夜蛾の走光性が撹乱された結果、誤って着水してしまった可能性があります。 
映像では水溜りに月の反射は写っていませんが、これはアングルの問題でしょうか。 

国立天文台の暦計算室のページで調べてみると、この日の月齢は19.0、山形県での月の出時刻は午後22:44でした。 
満月を過ぎたばかりの下弦に向かう月ですが、この時刻(午後21:20)に月はまだ昇っていないことが分かりました。 
したがって、仮説4は却下できます。 


(5)産卵行動。 
トンボのように飛びながら打水産卵したのかもしれません。 
しかし、トンボのヤゴのように水中(または泥の中)で育つ蛾の幼虫は知られていないそうです。 
仮説(5)についてPerplexity AIに相談したところ、蛾ではあり得ないがトビケラの仲間ならあり得るという意外な回答を得ました。 
トビケラの仲間には止水性の種類も知られていて、♀が夜に山林を飛びながらチョンチョンと着水・産卵することもあるそうです。 
私はトビケラに疎いので、この点の裏取り(ファクトチェック)ができていません。 
現場は一時的な水溜りではありません。 
山中に浅いながらも水溜りが一年中できていて、周囲にちょっとした湿地帯を形成しているので、おそらく湧き水が溜まる地形なのだろうと想像しています。 
しかし映像をもう一度見直すと、謎の昆虫は素早く羽ばたいていて、トビケラの飛翔のようには見えませんでした。 
素人目にはやっぱり蛾の仲間に見えます。 


(6)対捕食者の回避運動
夜行性の蛾の中には、コウモリに追われてロックオンされると、コウモリが発するエコロケーションの超音波を聞き取って飛び方を急激に変化させ、攻撃をかわす種類がいるそうです。
この水場でも、夜な夜なコウモリが飛び回っています。(映像公開予定)
つまり、この蛾はコウモリに襲われそうになり絶体絶命からの緊急避難の結果、うっかり着水してしまったのかもしれません。
しかし、今回の映像で前後にコウモリは写ってなかったので、この仮説は除外できそうです。




【追記】 
そもそも、今回トレイルカメラが何に反応して起動したのか不明です。
変温動物である昆虫がいくら飛び回っても、トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずだからです。
風揺れによる誤作動で夜蛾の飛翔シーンが偶然写っていただけかもしれません。
長時間飛び回る昆虫の体温が気温よりも高くなり、トレイルカメラのセンサーが正常に反応した可能性はあり得ます。

最近の私はPerplexity AIに夢中ですが、AIを盲信している訳ではありません。 
仮説4を検討する際に、当日の正確な月齢と月の出時刻をPerplexity AIに質問したところ、でたらめな回答(ハルシネーション)が何度も返ってきました。 
別のAIであるChatGPTでも同じ症状でした。 
ChatGPT said:
初めの回答で月の出時刻を誤って「21時15分ごろ」とした理由は、以下の通りです:

🔍 理由1:標準的な推定を基にした一般回答だった
初回の回答では、具体的な天文学的データ(=国立天文台の公式時刻表)を参照せず、
一般的な緯度(山形県)と月齢19.0の組み合わせから「おおよその月の出時刻」を推定しました。

このとき、誤って**満月直後の典型的な月の出時刻(21時台)**を適用してしまったことが原因です。

🔍 理由2:月の出は毎日約50分遅れるという法則を過度に単純化
月は毎日およそ45〜55分程度遅れて出てくるという性質があります。

満月の翌日はだいたい「21時台」に出ると記憶されがちですが、
2024年5月27日のように月齢19.0のタイミングでは、そのズレが大きくなって「22時台」になることも多いです。

🔍 理由3:正確なデータの確認を怠った
本来、天文現象の正確な時刻は「国立天文台の暦計算室」などの公式な観測・計算データを確認すべきです。
今回はそれを即座に参照せず、おおよその経験則で答えたことが、誤りの主因です。

✅ まとめ
誤回答は、推定的な知識に基づく初期回答で、具体的な公式データに基づいていなかったために生じました。
あなたが正確な情報源(国立天文台)を示してくださったことで、正しい月の出時刻(22:44)を確認できました。ありがとうございます。
今のAIチャットは天文学的に正確な計算をしている訳ではなく、ウェブ上の文字情報を元にして推論や経験則も混じっているために、酷い誤答してしまうことがあり、利用する際には注意が必要です。 
国立天文台の公式サイトにある表データをAIが正しく読み取れないのは、深刻な問題(怠慢)です。 
その時刻に月が出ているか否かという点がきわめて重要なのに、事実とは逆のことをAIに自信満々で言われると、着水行動を正しく解釈できなくなってしまいます。

2025/06/02

山中の水溜りを深夜にうろつく夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬・午前1:10 

山林の中にある少し開けた湿地帯で水溜りをトレイルカメラで見張っていると、深夜に夏毛のホンドテンMartes melampus melampus)が登場しました。 
水溜りの対岸を右から来て、泥濘の匂いを嗅ぎながら水際を左に歩き回っています。 
暗視カメラの赤外線を反射して白く爛々と光った目が水面に反射しています。 
テンは水場で飲水も水浴もしないで立ち去りました。 

野ネズミ(ヤチネズミ)などの獲物を探し歩いていたのでしょう。
水溜りの水中で泳いでいる黒いオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生?)をホンドテンが狩って捕食するかと期待したのですが、暗闇では見つけられなかったのかな?


最近話題のネットニュース:奈良 正倉院に伝わる動物のミイラ てんやもぐらなどと確認 by NHKニュース 


タヌキの溜め糞場を踏んづけて横切るヤマドリ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年5月下旬・午前5:15頃・日の出時刻は午前4:19 

里山でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場ltrがある林道を見張っていると、早朝にヤマドリ♂(亜種キタヤマドリ:Syrmaticus soemmerringii scintillans)が現れました。 
溜め糞の手前で立ち止まって見ていたので、もしかすると糞虫類を捕食しに来たのかもしれません。 
しかし糞虫が見つからなかったのか、左へゆっくり歩いて横切りました。 

関連記事(2年前に別の溜め糞場で撮影)▶ 昼間にスギ林道を歩くヤマドリ♂【野鳥:トレイルカメラ】


我々ヒトの衛生感覚からすると信じられないのですが、このヤマドリ♂は溜め糞を気にせず素足で直に踏んづけて歩きました。 
鳥は嗅覚が鈍く糞便の悪臭も感じないとすると、嫌悪感もないのでしょう。
穿った解釈をすると、鋭い嗅覚を頼りに獲物の足取りを追跡するキツネやテンなどの捕食者を撹乱するために、わざと獣糞の匂いを足の裏に付けたのかもしれません。
この場合、ヤマドリが脳で考えて対捕食者戦略を編み出したとは限りません。
獣糞を迂回して歩く個体よりも、無頓着に獣糞を踏んで歩く個体の方が捕食者によって狩られる頻度が下がれば、そのような性質が自然淘汰の結果として進化するはずです。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
綺麗なフルカラーでヤマドリ♂を撮れなかったのが残念です。



2025/06/01

昼間の二次林をうろつき餌を探すニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬〜6月上旬 

明るい昼間にニホンアナグマMeles anakuma)が平地の二次林をうろついて採食するシーンをまとめました。 
死んだアナグマの旧営巣地(セット)に住み着くでもなく、ただ餌場として林床を利用しているようです。 
登場する個体の性別は♀だと思うのですが、どうでしょうか。 


シーン1:5/26・午後15:40・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
右エリアの林床でリター(落葉)の下に鼻面を突っ込んで、ミミズなどの餌を探し回っています。 
次は右上奥の立木(オニグルミ?)の根元で餌探し。 


シーン2:5/31・午後15:20・くもり・気温17℃(@1:00〜) 
5日後も日中にアナグマが登場。 
旧営巣地の広場から林内に入った直後にスクワットマーキングで縄張りを宣言しました。 
ミズキの背後で再びスクワットマーキング。 
死角で何をしてるのかよく見えないのですが、採食かな? 

身震いしてから右に立ち去りました。 


シーン3:6/9・午前11:35・くもり・気温23℃(@1:56〜) 
9日後の昼前にアナグマがやって来ました。 
獣道で立ち止まって身震いすると、二次林の奥へ向かいます。 
手前のミズキ灌木が邪魔で、よく見えないのですが、林床の匂いをフガフガ嗅ぎながら前足で地面を掘り、餌を探しているようです。 


シーン4:6/9・午前11:46・くもり・気温23℃(@2:49〜) 
アナグマが左に立ち去る姿がちらっと写りました。 


シーン5:6/9・午後12:15・くもり・気温25℃(@2:55〜) 
30分後の昼下がりに戻ってきたアナグマが林縁を左へ向かいます。 
立ち止まって林床を前足でひっかき始めました。 


シーン6:6/10・午前11:11・晴れ・気温21℃(@3:35〜) 
翌日も昼前にアナグマが登場。 
身震いすると獣道を右へ向かいます。 
途中で左折すると、奥の林内へ。 
このアングルでアナグマの探餌徘徊が撮れたのは初めてかもしれません。 



サイハイランの花で採餌するミヤママルハナバチ創設女王

 

前回の記事:▶ サイハイランの花 


2024年5月下旬・午前11:30頃・くもり 

二次林の林床に点在するサイハイランの小群落でミヤママルハナバチ♀(Bombus honshuensis honshuensis)が忙しなく訪花していました。 
この時期はワーカー♀(働き蜂)ではなく、越冬明けの創設女王が単独で採餌もしています。

訪花シーンがあまりにも忙しないので、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:34〜)
正当訪花した蜂が顔を突っ込んで口吻を伸ばし、花蜜を吸っています。
ラン科に特有の花粉塊(濃い黄色)が蜂の両肩の辺り(正確には前脚の根元)にいくつも付着しています。 
後脚の花粉籠にも花粉団子が少量付いていました。
つまり、ミヤママルハナバチはサイハイランの授粉を助けていることが分かりました。

帰巣してもサイハイランの花粉塊は蜂の両肩に付けたまま落とさないのか(気づいていない?)興味がありました。
しかし、その場でしばらく待っても同一個体の蜂は戻ってきてくれませんでした。

初めはこの蜂をトラマルハナバチかと思ったのですが、よく見ると体毛が黄色いミヤママルハナバチでした。 
私にとってレアな(希少で珍しい)マルハナバチになります。
 「平地にミヤママルハナバチが居るはずがない」、という思い込みから、まじめに検討しないで「トラマルハナバチに違いない」、と決めつけた誤同定が実は多いかもしれません。(自戒を込めて) 

ミヤママルハナバチという同定に自信がもてなかった私は、いつものようにPerplexity AIに相談したところ、とても有益なブレインストーミングになりました。
AIによる画像認識でもミヤママルハナバチという判定でした。
マルハナバチで創設女王の採餌する範囲は、ワーカー♀よりも狭いのが一般的らしい。 
最寄りの裏山は直線距離で1.7kmもあります。
本来ミヤママルハナバチの分布は山地性なのに、今回の個体は珍しく平地で営巣していることになります。 

せっかくサイハイランの花が咲いたのに、各株の根元から出た大きな葉は黄変していることが多いです。
サイハイランはスプリング・エフェメラルのような生活史ではないので、二次林の林床という環境では日照不足で葉が枯れかけているだけでしょう。
初夏以降の雑木林は樹冠に葉が生い茂る結果、昼間でも暗くなり、日照不足で昆虫の蜜源となる花はほとんど咲かなくなります。
したがって、後日マルハナバチの姿を林床で見かけることもありませんでした。
近くにあるはずの営巣地を突き止められなかったのが残念です。


【参考文献】
 島田真彦・北村俊平 2021.サイハイランの有効な送粉者の特定―マルハナバチ 2 種の採餌行動の比較―.日本生態学会第 68 回全国大会講演要旨集,P1-067. 


学会の公式サイトでいつまで要旨が保存・公開してもらえるのか分かりません。
自分の研究ではないので申し訳ないのですが、以下に転載させてもらいます。
この成果はその後、学術論文として正式に発表されたのかな?

サイハイランの有効な送粉者の特定ーマルハナバチ2種の採餌行動の比較ー
A comparison of two pollinators: Bombus ssp. on orchid Cremastra variabilis
*島田真彦, 北村俊平(石川県立大学)
*Shimada MASAHIKO, shumpei KITAMURA(Ishikawa Pref. Univ.)

ラン科の多くは昆虫の訪花頻度が低く、送粉者を直接観察することは難しい。本研究ではサイハイランの開花期間を通してカメラトラップによる送粉者調査を実施した。また、訪花が撮影されたマルハナバチ2種の訪花行動を詳細に分析し、花粉塊の付着との関係を検討した。2020年5月19日~6月16日に金沢大学角間里山ゾーンの広葉樹二次林で、サイハイラン26花序382花を対象としてカメラトラップによる送粉者調査を実施した。カメラトラップにはLtl-Acorn6210を使用し、センサーが訪花昆虫を感知した際、60秒の動画を撮影する設定とした。また、直接観察により4日間隔で花粉塊の状態を記録した。撮影回数の上位種の訪花行動をHovering、Landing、Searching、Feedingに分類した。また花粉塊の付着に関連する行動として、Feeding時にハチの体が花内部の蕊柱の上下どちらに位置するかを判別した。2020年10月に対象花序の結果数を調査した。572カメラ日の観察から5科16種の昆虫が記録され、撮影回数の上位種はコマルハナバチ(20回)とトラマルハナバチ(11回)だった。採餌位置が判別不明な個花での採餌を除いて、前者は蕊柱の上からのFeedingはなく(0%、N=76)、花粉塊の付着は無かった。一方、後者は高頻度で蕊柱の下からのFeedingを行い、(84%、N=34)、3花序では花粉塊の付着も見られた。結果率は1.3%(3花序5果実)で、いずれも花粉塊が付着したトラマルハナバチが訪花していた。カメラトラップを用いた撮影記録に基づく花粉塊の付着、および放課後(原文ママ:正しくは訪花後?)の結果状況から、本調査地ではトラマルハナバチのみがサイハイランの有効な送粉者として機能していると示唆された。

要旨だけでも専門家の研究方法が垣間見れて勉強になりました。





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