2026/08/08

春の夜にカキノキを登り降りするハクビシンのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2026年4月中旬・午後23:00頃 

民家の庭でカキノキの下にホンドタヌキの小規模な溜め糞場(赤丸@0:05)を見つけたので、旧機種のトレイルカメラを設置させてもらって監視することにしました。 

晩遅くにハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)がペアで登場しました。 
郊外の住宅地で外来種のハクビシンが出没するのは、予想されることとは言え、映像を見るとビックリします。 

関連記事(13年前の撮影)▶ ハクビシンの早朝散歩 


まず先行個体が、カキノキの垂直の幹に爪を立ててよじ登っていました。 
長くて黒い尻尾から、ハクビシンと分かります。 
しばらくすると、左から後続個体がやって来て、そのまま躊躇なくカキノキに木登りしました。 
ハクビシンの木登りシーンは初見です! 

やがて、カキノキから地上に降りた1匹が、地面の匂いを嗅いでいました。 
もう1匹のハクビシンが、カキノキの垂直な幹を頭を下にして真っ逆さまに降りてきました。 
四足で幹をやや抱くようにして爪を立てています。 
ハクビシンの木下りシーンを見るのは2回目です。 



先行個体と地上で合流すると、暗闇で鼻面を突き合わせて挨拶しました。 
最後は隣家の庭へ向かったようです。

タヌキの溜め糞にハクビシンは全く興味を示さず、対抗してマーキング(匂い付け)することもありませんでした。


【考察】 
行動を共にしている2匹のハクビシンの性別を映像で見分けられませんでしたが、♀♂ペアなのかな? 
民家の庭にあるカキノキの樹上でハクビシンのペアは一体何をしているのでしょう? 
仮説をいくつか検討してみます。

まず、このカキノキは、ハクビシンが巣穴やねぐらとして使える樹洞ができるほど立派な古木ではありません。 
4月中旬という撮影時期が重要なポイントです。 
秋にヒトが収穫しなかった柿の実(熟柿)は、冬の間にカラスやヒヨドリなどの野鳥に食べ尽くされてしまいますから、春には全く残っていませんでした。 
まだ若葉も芽吹いておらず、完全に落葉した状態です。 
ちょうど1週間後の4/19にはカキノキの若葉が冬芽から展葉し始めていました。 

落葉したカキノキ樹上に鳥が巣を作り、それをハクビシンが襲ったのかと思って探してみたのですが、鳥の巣はありませんでした。 
カキノキの枝葉が生い茂った時期ならともかく、こんな目立つ場所に営巣する鳥はいないはずです。 
つまり、カキノキ樹上にハクビシンの食べる餌はありません。

現場検証をしたら、他の可能性に気づきました。 
カキノキの隣にメタセコイア(=アケボノスギ)が植栽されていて、そのうちの1本の梢にハシボソガラスが春から営巣を始めていました。 
ハクビシンは、その巣を襲ってカラスの卵や雛を捕食するつもりで、メタセコイア高木の天辺までなんとかよじ登る方法を検討してみたのかもしれません。 
ただし、メタセコイア高木のほぼ真下から暗い夜に見上げてもカラスの巣はまったく見えないはずなので、ハクビシンが存在に気づいたかどうか疑わしいです。
逆に、親鳥のカラスが天敵(ハクビシン)の接近に気づいて鳴き騒ぐ鳴き声は動画に録音されていませんでした。

別の仮説として、住宅の屋根裏に忍び込む経路をハクビシンは偵察していたのかもしれません。 
幸い、カキノキから家屋まで充分に離れていますし、電線の引込線などはカキノキの樹上に張り巡らされていません。
したがって、カキノキに登ったところでハクビシンは家屋まで辿り着けず、すごすごと地上に戻るしかありません。 

この後もしばらく自動撮影カメラが壊れる(旧機種の寿命)まで監視を続けたのに、ハクビシンは二度と現れませんでした。 

秋〜冬になったら、熟柿を食べにハクビシンが再び来るかもしれません。
住民が干し柿を作るためにほとんどの果実を収穫しますし、樹上にわずかに残った熟柿は鳥が食べるので、早い者勝ちになります。 



【アフィリエイト】 

線路で仁王立ちして親鳥を待つスズメの幼鳥(野鳥)

 

2026年5月中旬・午後15:35頃・晴れ 

郊外の田園地帯を通る単線の線路の上にスズメPasser montanus)の幼鳥が独りで乗って佇んでいました。 
巣立ったばかりで、ヒト(私)をあまり恐れていないようです。 
レールの上に乗って一丁前に仁王立ちしている様が可愛らしいですね。 
周囲をキョロキョロ見回しながら、ときどき小声で何やら呟いています。 
目つきが少し眠そうで、小さく欠伸あくびしました。 

いずれ親鳥が飛来して巣外給餌するだろうと期待して待ったのですが、スズメ幼鳥は前触れもなく飛び去ってしまいました。 
親鳥が呼びに来たかどうか不明です。
同時期に巣立った兄弟姉妹が近くにいたのかな?
 
スズメの幼鳥が飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:41〜) 
軽く身を屈めてジャンプしながら羽ばたいて離陸していました。 

線路の奥にはヨシ原や田んぼが広がっています。

2026/08/07

朝霧が立ち込める二次林内の営巣地で相互毛繕いするホンドタヌキ3頭の家族群:4月上旬【トレイルカメラ】

 



2025年4月上旬・午前5:07〜5:46・気温0℃・日の出時刻は午前5:11

雪国の落葉二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が利用している巣穴Rを自動撮影カメラで見張っています。 

朝霧が立ち込める早朝に、3頭の家族群が別々にやって来ました。 
いつものように、2つの巣口R、Lの匂いを順に嗅いで点検しています。 
冬の間は雪の下に埋もれていた巣穴Lが、春の雪解けで開口したのです。 

残雪が溶けた巣口Rで合流したタヌキ3頭の家族群が身を寄せ合って互いに毛繕いをし始めました。 
朝霧が少しずつ晴れてきました。 
ときどき営巣地をうろついたり、巣口Lを点検したりしています。

午前5:48には誰も居なくなっていました。(映像は割愛)


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 


春の里山で尾根から雪崩が発生!

 

2025年4月中旬・午後12:10頃・くもり 

春の里山を登っていたら、尾根の直下の急斜面で雪崩が2回続けて発生しました。 
ガラガラと岩の転がるような物凄い音がしばらく続き、木がバキバキと折れる音も聞こえました。 
慌てて動画で記録したのですが、手前の落葉樹林帯(灌木の茂み)が邪魔で、雪崩をしっかり観察できませんでした。 


※ 雪崩の轟音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


さらに登って樹林帯を抜け、見通しが良くなったときには、雪崩はもう起きなくなりました。 
尾根の雪庇から雪崩が発生したようです。 
雪崩の多発地帯となっている急斜面は、毎年冬から春にかけて激しく撹乱されるために、樹木が育ちません。 
傾斜がいったん緩やか(ほぼ平坦)になった山腹で雪崩は自然に止まり、それより下の標高には樹林帯が広がっています。 
尾根の下の急斜面は夏になると草本植物で覆われ、まるで森林限界の上のお花畑のように見えます。 
高山植物が生えるほど標高が高くない低山なので、森林限界という植生を形成しているのは、単純に高度ではなく雪崩です。 

食わず嫌いで地学を勉強してこなかった私は、雪崩にまつわる地形や気象も独学するしかありません。 
雪山登山でサバイバルするために必要な雪崩の基礎知識とも角度が違います。
植生への影響や野生動物との関わりを通して、雪崩にも興味がわいてきたのです。 





【アフィリエイト】 

シロツメクサの花蜜を吸うコマルハナバチ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年6月下旬・午後13:40頃・晴れ 

里山で雑草が生い茂る林道に咲いたシロツメクサの群落でコマルハナバチBombus ardens)の雄蜂♂が訪花していました。 
シロツメクサ(マメ科)の小さな蝶形花に丹念に正当訪花を繰り返し、吸蜜しています。 
雄蜂♂は集粉しませんから、後脚に花粉籠がありません。 

コマルハナバチは創設女王の越冬後の営巣開始が早く、初夏には他のマルハナバチ類に先駆けて生殖カースト(新女王および雄蜂♂)が羽化して来るのが特徴です。 

コマルハナバチ♂がシロツメクサの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:27〜)

この組み合わせは初見…ではなく、かなり昔に撮っていました。 
関連記事(19年前の撮影)▶ シロツメクサで吸蜜するコマルハナバチ♂ 

全体にレモン色だったので、ミヤママルハナバチ♀(Bombus honshuensis honshuensis)やヒメマルハナバチ♀(Bombus beaticola beaticola)と迷ったのですが、撮影地点の標高が440mと低くて、腹端が明るい橙褐色であることから、コマルハナバチ♂だろうと判断しました。 


2026/08/06

モリアオガエルの繁殖池を夜にうろつくツキノワグマの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2026年5月下旬・午後19:30頃・気温18℃ 

里山でモリアオガエルが繁殖する池にトレイルカメラを設置しました。 
対岸に自生する灌木の枝葉にモリアオガエルが泡巣を産み付けます。 

ある晩にツキノワグマ♀(Ursus thibetanus)が現れました。 
この地点で熊は初見です。 
対岸の土手を斜めに登ると、下草の生い茂るスギの植林地を右から左へ歩いて横切りました。 
成獣の後ろから2頭の幼獣がついて行ったので、母子の家族群だと判明しました。 
池に立ち寄って水を飲んだり水浴したりしませんでした。 
画面の右の死角にも池が細長く続いているので、そこを渡渉してきた可能性もありそうです。 


※ 動画の暗い部分は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→


【アフィリエイト】

池の底でアカハライモリ♀がアカムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:40頃・晴れ 

里山の中腹にある池でアカハライモリCynops pyrrhogaster)が暮らしています。 
この時期はイモリの繁殖期で、♂は婚姻色を呈します。 
池の底で活動していた1匹の♀に注目すると、捕食シーンを続けざまに観察できました。 

まず動画の冒頭で、イモリ♀が水底のデトリタスから突き出て動いていた獲物をパクっと捕食しました。 
食べられない泥を口内で選り分けて、口を閉じたまま鼻腔から煙のように吐き出しています。 
口をパクパクと動かして獲物を飲み込もうとしていますが、黒っぽい小さなゴミを口から吐き出しました。 
続けて、細長い赤い獲物も口から吐き出しました。(@0:20〜) 
これは、いわゆるアカムシ(ユスリカの幼虫)ですね。 
吐き出されたアカムシはまだ生きていて、しばらく擬死してから、身をくねらせて水中を逃げて行きます。 
イモリは目の前でアカムシを凝視しているのに、もう一度捕食しようとはしないで見逃しました。 

次にイモリ♀は、左から来たミズムシを正面からパクっと咥えて捕食しようとしたものの、逃げられました。(@0:44〜) 

その次は、水底のデトリタスごと獲物を食べてから、アカムシを口から吐き出しました。(@0:53〜1:02) 

最後にアカハライモリ♀は左にダッシュして、水中を泳いでいたアカムシを見事に捕食しました。(@1:02〜) 
今度は獲物をしっかり飲み込んだようです。


【考察】 
アカハライモリがアカムシ(ユスリカの幼虫)を食べたり食べなかったり(選り好み)する理由が私にはよく分かりませんでした。 
吐き出したアカムシが飲み込めないほど大きかったとは思えないのですが、味に好き嫌いがあるのでしょうか? 
捕食されかけたアカムシがイモリの口内で暴れたり忌避物質を出したりして、吐き出させているとしたら、面白い話です。 
被捕食者が何かしらの対抗戦略を進化させていてもおかしくありません。

アカハライモリはフグ毒と同じテトロドトキシンを体内に蓄積して捕食者から身を守っています。
イモリの腹面に鮮やかな(毒々しい)赤い模様があるのは、毒があることをアピールする警告色なのです。
ところが孵化したばかりのイモリ幼生は無毒で、餌に由来するテトロドトキシンを少しずつ溜め込んでいることが分かっているそうです。(生物濃縮
テトロドトキシンを含む獲物だけをなるべく食べるようにアカハライモリが選り好みしているとしたら、面白い話です。
しかし、テトロドトキシン自体は無色かつ無味無臭なので、仮説としてはいまいちです。

2026/08/05

早春の雪山で水場を夜にうろつくホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬 

シーン0:3/27・午後13:04・晴れ・気温26℃(@0:00〜) 

里山の中腹にある湧水湿地にできた水溜りを夏の間に自動撮影カメラで見張っていました。 
雪国では冬になると野生動物も野鳥も雪を食べるようになるので、わざわざ水場に来ることはなくなります。 
早春のいつ頃から水場に再び現れるようになるのか調べるために、トレイルカメラを再び設置しました。 

積もっていた雪が溶けて、水浸しの地面が一部露出するようになりました。(水場の出現) 


シーン1:4/2・午後22:58・気温1℃(@0:03〜) 
晩遅くにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で現れました。 
凍った残雪の上を歩いてきたタヌキがトレイルカメラに気づくと立ち止まって、カメラ目線をくれました。 
警戒しつつも、手前に立ち去りました。 
水場に降りて雪解け水を飲むことはありませんでした。


ハルジオンの花で吸蜜するダイミョウセセリ

 

2026年5月中旬・午後12:55頃・晴れ 

里山で山腹をトラバースする人通りの少ない林道に咲いたハルジオンの群落でダイミョウセセリDaimio tethys)が訪花していました。 
翅を全開のまま吸蜜しています。 
後翅に白い斑紋がなくて真っ黒なダイミョウセセリは関東型と呼ばれるらしいのですが、山形県をフィールドとする私は、他の型を見たことがありません。

関連記事(13年前の撮影)▶ ハルジオンの花蜜を吸うダイミョウセセリ 


舌状花がピンクではなく白っぽいのでヒメジョオンと迷いました。
念のために茎が中空であることからハルジオンと確認しました。 
他の識別点もチェックすると、蕾は下向きに垂れ下がっていますし、葉は茎を少し抱いています。 
花が咲く時期に根生葉(長楕円形またはへら形)が残るという特徴もハルジオンにはあるのですが、今回はそこまで見ていません。 


この後に同一個体のダイミョウセセリが少し飛んで、近くに咲いていたタニウツギにも正当訪花しました。
しかし蜜量が少なかったのか、私がカメラを向ける前に飛び去ってしまいました。

2026/08/04

春の雨夜にホンドタヌキの巣穴を調べるニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬・午前2:50頃・気温4℃ 

まだ残雪に一部覆われている休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 

雨が降る深夜未明に、ニホンアナグマ♂(Meles anakuma)らしき野生動物が現れました。 
タヌキの営巣地で地面の匂いを嗅ぎ回っただけで、巣穴の中には入らずに立ち去りました。 
春はアナグマの繁殖期ですから、交尾相手の♀を探し歩いているのでしょう。

道中でマーキングしているような気がするのですけど、レンズに雨の水滴が付着しているのか、曇ってよく見えません。 
こういう画質が悪いときには早回し映像に加工した方が何をしているのか分かりやすいので、最後に5倍速でリプレイしてみました。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

ホオジロ♂の水浴と羽繕い2026【野鳥】

 

2026年6月下旬・午後13:15頃・晴れ 

山中にある池で私がトレイルカメラの保守作業をしていると、パシャパシャ♪とかすかな水音が聞こえました。 
辺りを探すと、池の西端のヨシの茂みに隠れてホオジロ♂(Emberiza cioide)が遠慮がちに水浴していました。 
水も滴るホオジロ♂は横にある細い倒木に乗ると、身震いして羽根の水気を切り、羽繕いしました。 
ところがすぐにまた水浴に戻りました。 
行水と羽繕いを何度か繰り返してから、ようやく飛び去りました。 


※ 水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
気温を測るべきでしたね。 


【考察】 
ホオジロ♂は私を警戒して、私からできるだけ離れたヨシの茂みに隠れながら行水していたのかと初めは思いました。
自分でもすっかり忘れていたのですが、記録を遡ると、昔からホオジロは伝統的に同じお気に入りの地点で水浴していたことが分かりました。
それならそれで面白い話です。 
山から沢の水が池に流れ込む地点なのかもしれません。 

関連記事(13、14年前の撮影)▶  

Perplexity AIによれば、ホオジロの寿命は約4〜6年らしいので、 さすがに同一個体のはずはなくて、代替わりしているはずです。


【アフィリエイト】

2026/08/03

林内の巣口に早朝から集まり相互毛繕いするホンドタヌキの家族群:4月上旬【トレイルカメラ】

 


2025年4月上旬・午前5:47〜6:11・くもり・気温0℃ 

まだ残雪に覆われた落葉二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が越冬した巣穴Rを自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

早朝から3頭の家族群が林床の残雪を歩いて1頭ずつバラバラにやって来ました。 
大雪が積もった冬の間は埋もれていたもう一つの巣口Lがようやく残雪の下から現れました。 
通りすがりに巣口Lの匂いを嗅ぐ個体も居ましたが、中には入りませんでした。 

雪が溶けて地面が露出している巣口Rで合流すると、3頭のタヌキ家族は団子のように身を寄せ合って、互いに毛繕いを始めました。 

毛繕いを切り上げてどこかに出かけるのも、1頭ずつでした。 
雪面は凍っているはずですが、タヌキが残雪を歩くともう足がズボズボと潜っています。 
これまでの行動パターンの通りなら、行軍の殿しんがりを務めるのは両目を失明した娘のヘルパー個体♀hのはずですが、明るい昼間は輝板(タペータム)の反射が見えないので、ホンドタヌキ家族の個体識別ができません。 


つづく→

一時捕獲したオオゾウムシの死んだふり(擬死)

 

2026年5月中旬・午前11:30頃・晴れ 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道でゆっくり歩くオオゾウムシSipalinus gigas)を見つけました。 
普通種でもかなり久しぶりの遭遇で、嬉しかったです。 
オオゾウムシが立ち止まると、周囲の地面や落ち葉に紛れて見事な保護色になっています。 

山道を横切り、そのまま崖から転げ落ちそうだったので、手掴みで一時捕獲することにしました。 
手のひらに乗せると、仰向けで死んだふりしました(擬死状態)。 
起き上がらせてやっても、動きません。 

昔は採集したオオゾウムシを飼育したこともあったのですが、今回はそのまま解放しました。 
飛翔シーンを撮影するには、ライトトラップ(灯火採集)するしかないのかな?


【考察】 
今回オオゾウムシを見つけた時期(5月中旬)が気になったので、Perplexity AIに訊いてみました。 
どうやら越冬明けの個体だったようです。

Q1: 雪国の山形県でオオゾウムシの越冬態は? 

A1: 山形県のような雪国でも、オオゾウムシの越冬態は成虫です。[hro.or]

春に越冬成虫が現れて、伐倒木・衰弱木・伐根などに産卵し、幼虫は材内で育って幼虫のまま越冬します。[hro.or]
つまり、同じ種でも「越冬するステージ」は生活史の時期で異なり、成虫越冬と幼虫越冬の両方が見られます。[hro.or]

山形県の雪の中で個体が地表にいる時期は短く、実際には木の内部や樹皮下で寒さをしのぐことが多いと考えるのが自然です。[hro.or]


Q2: オオゾウムシの成虫が羽化する時期はいつ? 

A2: オオゾウムシの羽化は夏で、だいたい6〜8月ごろに成虫が出てきます。[hro.or]

山形県のような寒冷地でも、冬は材内で幼虫のまま越冬し、春に蛹になって、夏に羽化する流れです。[hro.or]

成虫として地上に見られる時期は、資料によって5〜9月または5〜10月とされています。[insect]
つまり、「羽化そのもの」は夏、「成虫が観察しやすい時期」は初夏から秋にかけて、と考えるのが実用的です。[nagasaki-w-ssh.sakura.ne]



Q3: オオゾウムシの寿命は? 

A3: オオゾウムシの寿命は、成虫でおよそ2年ほどです。[insect]

資料によっては「1〜2年」とされることもあり、飼育個体や環境条件で前後します。[shizensanpo.seesaa]
成虫で越冬し、翌年も生き残る長寿な昆虫として扱われています。[nagasaki-w-ssh.sakura.ne]



【アフィリエイト】 

2026/08/02

山道で対峙したニホンカモシカがタニウツギの葉裏に眼下腺でマーキングし鼻息で威嚇してから逃げるまで

 

2026年6月中旬・午前11:30頃・くもり 

里山の蛇行しながら登る山道でニホンカモシカCapricornis crispus)と出会いました。 
初夏の登山で汗をかいて暑くなったので、私が立ち止まって服を1枚脱いでからカーブを曲がった途端に、カモシカが坂の上から私を見下ろしていたのです。 
遭遇時に私よりも斜面の上に位置していたので、カモシカは心理的に落ち着いているようです。(いつでも逃げられるという自信がある) 

顔を正面からズームインすると、角が太い成獣でした。 
耳や角に目立つ特徴はありません。 
正式名称が分からないのですが、人中じんちゅうとは逆に鼻孔から上へ伸びる黒い突起が左右非対称かもしれません。 

にらめっこに耐え切れずカモシカは視線を逸らして横を向き、砂利道の林道に沿って歩き始めました。 
短い尻尾を左右に振ったのは、吸血性の虫を追い払うためでしょう。 
立ち止まって振り返り、私を見据えて警戒しています。 

歩き去る後ろ姿の股間を見ても陰嚢は見えなかったので、♀ではないかと思うのですけど、素人にカモシカの性別判定は難しいです。 
♀成獣だとすると、当歳仔の幼獣はどこに居るのでしょう? 

やがて、カモシカは道端に自生するタニウツギ幼木の葉裏に顔を念入りに擦りつけました。 
眼下腺からの分泌物で匂い付けするのは、出くわした私に対してやんわりと縄張り宣言しているのでしょう。 
このパターンの行動は何度も繰り返し観察しています。

直後にまた私を振り返って見てから、フシュ♪と鋭く1回だけ鼻息を荒らげて威嚇しました。 
軽い腹立ちの感情表現かもしれません。
やがてニホンカモシカは道端のススキの茂みをかき分けると、谷へ下りて姿を消しました。 

もし私がその場に突っ立っていないで座り込んだら、カモシカは警戒を解いて近づいてくれたかどうか、実験するのを忘れました。 

池の底でアカハライモリ♀がミズムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:35頃・晴れ 

山中のスギ植林地に囲まれた浅い池の底で、アカハライモリCynops pyrrhogaster)が歩いたり泳いだりして、餌を探し回っていました。 
この個体は繁殖期なのに尻尾に婚姻色が出ておらず、総排出口が膨らんでないことから、♀のようです。 

交尾中のマツモムシNotonecta triguttata)の♀♂ペアがイモリ♀の頭上の水面を背泳ぎで横切ると、腹を空かせたイモリ♀が反応したのはマツモムシ♀♂の本体ではなく、水底に落ちた影の方でした。 
池の水は意外に透明なのに、水中で活動するアカハライモリの視力はあまり良くないことが覗えます。 
水底のイモリ♀は、マツモムシ♀♂の影に口を近づけて探っても何もないので、諦めて離れて行きました。 

次にイモリ♀は、水底のデトリタスに潜む小さな水生生物を捕食しました。 
口の中で暴れている獲物の正体がよく分からないのですが、イモリ♀はその場で飲み込みました。
繁殖期で食べ盛りのアカハライモリ♀は、食後も水中を手前に向かってどんどん近づいて来ます。 

この池には灰色のワラジムシのような等脚類が水底のデトリタスに多数暮らしていることが分かりました。 
ワラジムシはもちろん陸生なので、別の生き物です。 
調べてみると、謎の水生生物の正体は、フナムシでもなくミズムシの仲間でした。 
ただし、水虫というと皮膚病の足白癬も連想させますし、半翅目にもミズムシという和名の水生昆虫がいるらしくて、かなり紛らわしいです。 
さっきイモリが捕食した獲物も、ミズムシだったようです。 

引き続き池の中で餌を探し回るイモリ♀は、目の前に大型のミズムシ個体と遭遇したのに、なぜか捕食せずに見逃しました。 
大型のミズムシは後退してイモリから逃げて行きました。 
イモリが至近距離でミズムシを凝視して、鼻先でグイグイ押したのに、味見すらしなかったのが、不思議でなりません。 
ミズムシ側が捕食者対策の忌避物質を何か出していたのでしょうか? 
両生類は獲物を丸呑みするから、口よりも大き過ぎる獲物は見逃すのかもしれません。 
しかし、そこまで単純な話ではなくて、アカハライモリは両生類なのに、口内に歯が生えているのだそうです。 
ただし、獲物を噛み砕くための歯というよりも、滑りやすい獲物を保持するために役立つ程度らしい。 

(イモリは)かみちぎることはできないので、口に入る大きさの動物を丸飲みにします。(『はっけん! イモリ 日本のいきものビジュアルガイド 』p65より引用)

すぐ近くに別個体の小型ミズムシが落ち葉の上に乗っていたのに、それもイモリは無視しました。 
さっきミズムシを1匹食べたことで、食欲がある程度満たされたのかな?

この池は広いのに水深が浅いので、イモリ♀が少し顔を上げるだけで容易に息継ぎすることができました。 
水面に泡がプクッと出来ます。 
山麓にある深い池で暮らすアカハライモリと違って、息継ぎのためにわざわざ水中を垂直に浮上する必要がないのです。



関連記事(同じ池で1年前の撮影)▶ 池の底でアカハライモリが捕食していた物とは? 

今回アカハライモリの探餌行動を長撮りしたら、獲物の正体がようやく一つ判明しました。 
水深の浅い池の方が、圧倒的に水中のイモリを観察しやすいです。 



【アフィリエイト】 

ランダムに記事を読む