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2025/12/18

ヒャクニチソウ(オレンジ)の花蜜を吸い飛び回るツマグロヒョウモン♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月下旬・午後15:15頃・くもり 

住宅地の道端の花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の小群落にツマグロヒョウモン♂(Argyreus hyperbius)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
園芸植物にはとんと疎いのですが、花弁がオレンジ色をしたヒャクニチソウの品種の中でも、 ‘Profusion Orange’のようです。 
Z. elegansZ. angustifolia の種間交配に由来する園芸品種らしい。)

ツマグロヒョウモン♂は開いた翅を軽く開閉しながら口吻を伸ばして吸蜜しています。 
この個体は、左後翅の前縁角から前縁にかけて破損していました。 
左右非対称の破損なので、鳥に襲われた典型的なビークマークではありません。 
おそらく茂みに翅を引っ掛けて破れてしまったのでしょう。 

実はこの花壇には様々な花色のヒャクニチソウの品種がパッチ状に並んで咲いていました。 
しかしツマグロヒョウモン♂には好みの花色があるようで、花弁がオレンジ色の品種 ‘Profusion Orange’ を好んで訪花していました。 
両隣に咲いた、薄い桃色や黄色(八重咲き)の品種には見向きもしませんでした。 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:55〜) 
正面を向いて吸蜜していたツマグロヒョウモン♂が慌てて飛び去りました。 
自発的に飛んだのではなく、私が物を投げつけて強引に飛びたたせたように見えますが、もはや覚えていません。 (野帳に記録しておくべきでした。)

その後で2頭のツマグロヒョウモンがニアミスして空中戦(求愛飛翔?)になったのですが、しかも2回あったのに2回とも撮り損ねてしまいました。 
最後は蜜源植物のヒャクニチソウ花壇から少し離れ、道端のコンクリート土留めに並んで留まりました。

記事を書く際の細々とした疑問を調べるために、ChatGPTのお世話になりました。

2025/12/15

秋空を高速で飛び去るチゴハヤブサ?(野鳥)

 




2024年9月中旬・午後12:15頃・くもり 

田園地帯の上空をキィキィキィ♪と甲高い声で鳴きながら旋回していた猛禽が、街なかの方へ高速で飛び去りました。 
素早い羽ばたきと滑翔を交互に繰り返し、ほぼ一直線で市街地の方へ向かっています。 
獲物となるドバトが多い公園を目指しているのかもしれません。

1.5倍に拡大した上で、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:18〜) 
おそらくチゴハヤブサFalco subbuteo)だと思うのですが、逆光でシルエットしか見えません。 
(翼の下面の模様などがしっかり見えない。) 


※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げても、私が動画を撮り始めたら、もう鳴かなくなってしまいました。(聞き取れなくなった。) 

2025/12/10

リョウブの花で見張りクマバチを縄張りから追い払うキアゲハ夏型♂

 

2024年7月中旬・午後14:05頃・晴れ 

尾根道に咲いたリョウブキアゲハPapilio machaon hippocrates)の夏型♂が訪花していました。 
リョウブの花蜜を吸っているのかと思いきや、よく見ると口吻を伸ばしていませんでした。 
翅を半開きのまま静止しています。 
日が射すとようやく翅を全開にしてくれて、翅表の斑紋からキアゲハの夏型♂と同定できました。 

このキアゲハ♂は尾根道に咲いたリョウブの花を見張り場所として、交尾相手の♀が来るのを待ち構えているようです。 
キアゲハの成虫は交尾のため山頂に集まることが知られていますが、この里山はすっきりと目立つ山頂を形成しないので、尾根に集まるようです。
上空を何か虫が飛来するとキアゲハ♂は見張り場所からすぐに飛び立って追いかけるので、一見すると好戦的に縄張りを防衛している(占有行動)ようです。
しかし実は目の識別能力があまり高くなくて、誤認求愛で追いかけ回しているだけなのだそうです。 
キアゲハ♂は尾根道に沿って何度も往復すると、同じリョウブの花に舞い戻ってきます。 
このような行動は、縄張り防衛のためチョウが蝶道を形成しているのだと説明されてきましたが、それも誤認求愛による追尾の結果かもしれません。 

一方、キムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の雄蜂♂もリョウブの花の近くで縄張りを張り、停空飛翔(ホバリング)していました。 
クマバチ♂の目的も同じで、蜜源植物の近くの空域で縄張りを張り、交尾相手のクマバチ♀を待ち構えているのです。 
クマバチの交尾は早い者勝ちのため、近くを飛ぶ物にとにかく早く飛びつくのが肝心で、相手をじっくり見分けている暇はありません。 
石ころを投げつけても誤認してクマバチ♂は全速力で追いかけて行くぐらい慌てものです。 


この2種がリョウブの花の近くで出会うと、キアゲハ♂が見張り場所から飛び立ち、クマバチを追い払いました。 

リョウブの花から飛び立ったキアゲハ♂が蝶道を何度か往復してから同じ見張り場所に戻ってくる様子を証拠映像に撮りたかったのですが、予想が外れ、なぜか戻って来ませんでした。 
うーん、生き物の観察はなかなか思い通りに行きません。


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2025/12/08

猛暑日に側溝を流れる家庭排水を飲むセイヨウミツバチ♀の群れ【集団吸水】

 

2024年8月上旬・午前11:55頃・晴れ・気温36℃ 

郊外の道端にあるコンクリート三面張りの側溝にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が集まって、岸辺から水を飲んでいました。 
最近は雨が降らないので側溝を流れる水量は少なく、セイヨウミツバチ♀は水面スレスレを飛び回っています。 
ミツバチは浅い水路の底に着地して吸水すると、飛び去りました。 

下水道が整備されていない近隣の家庭排水がパイプから側溝にチョロチョロと流れ込んでいるので、水質汚染が心配です。 
今回の排水は透明でしたが、去年は洗剤で泡立っていました。 
ミツバチは汚水でも嫌がらずに飲んでいるのが逞しいというか健気というか、申し訳なく思います。 
近くに養蜂家が巣箱を置いているとしたら、そこから採れる蜂蜜は生物濃縮された洗剤などで汚染されていないのか、心配になります。(知らぬが仏)



前回の反省を活かして、今回は忘れずに気温を測ったら、36℃もある真夏日でした。 
セイヨウミツバチの営巣地(巣箱?)がどこにあるのか分かりませんが、おそらく水を汲みに来たワーカー♀たちは帰巣すると水を吐き戻して巣を湿らすのでしょう。 
巣口では別のワーカー♀たちが並んで扇風行動を行い、気化熱を利用して効果的に巣を冷却するそうです。
密集した巣内の気温が高くなり過ぎると、育房内の幼虫や蛹が死んだり正常に発育できなくなったりしてしまいます。
ニホンミツバチの扇風行動は夏に何度も観察していますが、セイヨウミツバチでは未見です。

2025/12/07

森のドングリを運んで貯食するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年9月中旬・午前8:20頃・気温22℃ 

雨上がりなのか、ニホンアナグマの営巣地(セット)は全体に少しモヤがかかっていました。 
カケスGarrulus glandarius)がマルバゴマギの枯れた灌木に止まっていました。 
1.5倍に拡大すると、嘴にドングリ(樹種不明:ミズナラ?)を咥えていました。 
今季もカケスがドングリの貯食作業を始めたようです。 
止まり木から右に少し飛んだカケスは、獣道に降り立つと少し右に移動して画角の外に消えました。 
肝心の貯食作業が録画できず、残念無念。 

しばらくすると、別個体のカケスが左から飛来し、画面左の木に止まってから、左下の林床に飛び降りました。 
この個体は空荷でした(ドングリを持っていない)。 
最後にセットを横切るように、左から右へ飛び去りました。 
2羽のカケスは♀♂つがいとは限らず、先行個体のカケスがドングリを隠す様子をこっそり見ていて、後で盗むつもりなのかもしれません。 


関連記事(1年前の撮影)▶  


【余談・考察】 
翌年(2025年)はドングリの大凶作となり、ここでトレイルカメラによる定点観察を続けても同様のシーンがまったく撮れませんでした。 
ドングリを貯食できなかったカケスは無事に冬が越せるのでしょうか? 
山に登っても、ドングリ(ミズナラとコナラの堅果)の落果が本当に全く見つかりません。 
定量的な調査をしない私でも、2025年はドングリが凶作の年だとはっきり実感できました。 
ただし、ブナ科でもクリだけは実っていました。
ドングリを貯食できなかった野ネズミやニホンリスにとって、無事に越冬できるかどうか死活問題です。 
翌年は野ネズミの数が激減していることが予想されます。

2025年はツキノワグマの人里への異常出没が社会問題となっていて、まさに今回と同じトレイルカメラ(平地の二次林に設置)にもクマが何度も写るようになりました。(映像公開予定) 
日本国内の各地域によって事情は違いますが、少なくとも私のフィールドでは、「複数種のドングリ類の同時凶作に伴う餌不足で飢えたクマが人里まで行動範囲を広げざるを得ない」という説明が一番しっくりきます。 
私が調査活動するフィールドの植生はブナ帯よりも標高が低いミズナラ帯なので、ブナの豊凶については実体験がない私は何も言えません。


 

 ↑【おまけの動画】 
【解明】クマの話は、日本の構造問題だった(小池伸介/ツキノワグマ/ヒグマ/出没/捕獲/駆除) by NewsPicks /ニューズピックス 

「ドングリに豊凶の周期があるのは、種子捕食者を減らしてドングリの全滅を避けようとするブナ科植物側の生存戦略である」という話をクマの専門家が分かりやすく解説しています。 
例えば素数ゼミの話も、基本的には同じ対捕食者戦略です。 


つづく→

2025/12/03

チゴハヤブサの空中戦:子別れ?縄張り争い?(野鳥)

 

2024年9月上旬・午前11:55頃・くもり 

おそらくチゴハヤブサFalco subbuteo)と思われる2羽の猛禽が、キィキィキィ♪と甲高い声で鳴きながら、市街地の上空を高速で飛び回っていました。 

羽ばたきと滑翔を交互に繰り返しながら、ぐるぐる旋回しています。 
素人目には空中戦を繰り広げているように見えるのですが、子別れや縄張り争いなのでしょうか? 
幼鳥の飛行練習かもしれません。 

以前も同じ時期に同様のシーンを観察しています。 
関連記事(6年前の9月中旬に撮影)▶ チゴハヤブサの縄張り争い/子別れ?(野鳥) 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


チゴハヤブサではなくチョウゲンボウFalco tinnunculus)の可能性もありますかね?


2025/11/29

喉をブルブル震わせて真夏の暑さをしのぐアオサギ(野鳥)体温調節

 

2024年8月下旬・午前10:20頃・晴れ(薄曇り)・気温35℃ 

水田とトウモロコシ畑(飼料用のデントコーン)に挟まれた農道に1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)が佇んでいました。 
喉のたるんだ皮膚を絶えずプルプルと振るわせているのは、呼吸による唾液の蒸発を促進して体温を下げようとしているのでしょう。
鳥には汗腺が発達していないので、発汗で体温を冷やすことができないのです。
撮影現場の気温を測ると35℃で、とても蒸し暑く、不快指数も高そうです。 
炎天下の地面からは陽炎が立ち昇っています。 
カワウではよく見かける体温調節の行動ですが、アオサギでは初見です。 

関連記事(3、4年前の撮影)▶  

カメラを構えた途端にアオサギは私を警戒して歩き去り、飛び去りました。 
逃げる際に腹立たしげな鳴き声を発したり脱糞したりしませんでした。 
奥に向かって低空で少し飛んだだけで、同じ砂利道の中央草帯に着陸。 
私から離れると、再び喉袋を震わせています。 

やがてアオサギは砂利道を歩いて横断すると、用水路に近づきました。 
イネ科雑草の茂みに隠れ、アオサギの頭部しか見えなくなりました。 
草いきれの中で、依然として喉を震わせています。 
そんなに暑いのなら日陰(木陰)に入ったり、早く用水路に入水して涼んだりすればよいのに、と思ってしまいます。 
おそらく、私が立ち去るまで油断なく様子を窺っているのでしょう。 


【考察】 
夏の暑さを凌ぐ体温調節でカワウとアオサギが同じ放熱行動をしているのが興味深く思いました。 
しかし、カツオドリ目ウ科とペリカン目サギ科は系統的に近くはありません。
離れた系統で何度も独立に収斂進化した行動なのか、それとも共通の祖先の時代から始まった進化的に古い行動なのでしょうか? 
Perplexity AIに質問すると、前者なのだそうです。

カワウとアオサギが喉の皮膚を震わせて体温を下げる行動は、口の中の水分を蒸発させて放熱し、体温調節をするためのものです。この放熱行動は鳥にとって汗をかけない代わりの重要な体温調節手段であり、多くの鳥で独立に進化した適応の一つと考えられます。特に、カワウはカツオドリ目、アオサギはペリカン目(サギ科)に属し系統的には近くないため、この行動は共通の祖先から受け継がれたものではなく、収斂進化の結果と考えられます。

近縁のトキやペリカン、カツオドリなど大型の水鳥でも同様に口や喉を使った蒸発冷却の行動が観察されることが多く、この体温調節戦略は複数の鳥類系統群で収斂的に進化した生理行動である可能性が高いです。


大型の水鳥や鳥類全般で共通して見られる喉や口を震わせて蒸発冷却する体温調節行動が、進化的に古く共通の祖先から始まった可能性は確かにあります。こうした基本的な生理的適応は祖先的特徴として継承されることもあります。ただし、サギ類(ペリカン目)とカワウ(カツオドリ目)は系統的にかなり離れており、両者の共通祖先はかなり古いため、同じ蒸発冷却の行動が系統的継承によるものか、獲得した環境適応という別々の進化の結果かわかりにくいのが実情です。

しかし、詳細に比較すると形態的な違いや生理的な仕組みの面で差異もあり、それぞれの系統で独立に発達させた可能性(収斂進化)を考えるのが妥当とされます。これは鳥類に限らず、多くの恒温動物で暑熱ストレス対策として口や皮膚を使う蒸発冷却が複数系統で独立に進化したという進化生物学の一般的傾向です。



鳥が喉を震わせて放熱しているときは、イヌのパンティングのように激しく呼吸しているわけではありません。鳥が口を開けてハアハアと呼吸し、口内の水分を蒸発させて体温を下げる「パンティング」に似た行動はありますが、喉の皮膚を震わせる行動自体は、そこまで激しい呼吸とは別の微細な震えによる放熱作用が主体です。

カワウなどでは、喉の毛細血管が多くある部位を震わせることで効率よく放熱し、呼吸を激しくして熱を逃がす行動とは少し異なります。一方で、口を開けて浅く速い呼吸をする行動は鳥にも見られ、気道や口腔内の水分の蒸発で体温調節を助けています。このため、喉震わせ放熱中に激しく息をするイヌのパンティングのような呼吸とは若干異なり、両者の組み合わせや状況により違いがあります。


アオサギやカワウが喉を震わせて放熱するときには、主に喉周辺の薄い筋肉群を小刻みに収縮させています。この運動は喉の皮膚やその下の血管を振動させ、広い範囲で蒸発冷却を促進します。具体的には、喉の筋肉(例えば環甲筋や輪状甲状筋など喉頭を動かす筋群)が微細な振動運動を繰り返すことで、喉の皮膚を震わせています。

この動きはイヌのパンティングのような深くて激しい呼吸運動とは違い、比較的浅く速い収縮で繊細に制御されているため、呼吸とは独立しながらも放熱効果を高める微細な筋肉運動です。また、この振動運動が血管の近くで起きることで血液の熱交換が効率化され、蒸発冷却と共に体温引き下げに寄与しています。

この喉震え(喉振動)運動は、どちらも水鳥の体温調節適応として観察されており、夏の暑さや高温環境の中で特に重要な放熱行動です.midorinotori


喉を震わせて放熱する行動がカラスで見られないのはなぜでしょうか? 
全身真っ黒な羽根に覆われたカラスは夏にとても暑いはずです。
カラスは餌を運ぶために伸縮可能な喉袋も持っているはずです。
しかしスズメ目カラス科では喉を震わせる放熱行動が進化しなかったようで、別の行動で暑さを凌いでいるそうです。

カラスが夏に喉を震わせて放熱する行動をあまり見られない理由は、カラスが体温調節に多様な方法を組み合わせているためです。カラスは口を開けて浅く速い呼吸(パンティング)をして口腔や喉の湿った部分から水分を蒸発させて気化熱を利用し放熱します。また、翼をわずかに開いて脇の下に風を通し放熱効率を上げたり、日陰でじっとして活動時間を早朝や夕方に集中させることで直射日光と暑さを避けています。

喉袋はカラスにはなく、サギなどのような明確な喉袋をもつ種とは異なります。カラスは羽毛の黒さによる熱吸収があるものの、羽毛の空気層が断熱層の役割も果たし体幹の温度上昇を抑えます。黒羽は熱を吸収しやすい反面放熱も良いため、日陰に入れば比較的効率的に体熱を放散できます。

したがって、喉を震わせるような明確な放熱行動はカラスでは観察されにくく、代わりにパンティングや翼を広げるなど複合的な行動で体温調節するのが特徴です。このため、喉の震えを伴う放熱はカラスではあまり見られないだけで、暑さ対策はしっかり行われています。

まとめると、

  • カラスは喉袋を持たず、喉を震わせて放熱する行動は基本的に見られない。

  • 口を開けてパンティングし口腔で水分蒸発を利用して冷却。

  • 翼を広げて腋下に風を通し、活動時間帯や場所の選択で熱ストレスを避ける。

  • 黒い羽毛は熱吸収と断熱の両方の特性を持ち、日陰入りなどで効率的に放熱。

この適応戦略により、カラスは暑い夏も体温調節を可能にしています.getridofpestanimals+4


気温が高くても風が吹いている気象条件、あるいは湿度が高くて蒸散効果が期待できない条件下で、鳥の体温調節行動がどう変化するか、観察するのも面白そうです。


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2025/11/28

ナガボノシロワレモコウの花粉を舐めに来たホソヒラタアブ♀とツマグロキンバエの小競り合い【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年9月上旬・午後14:40頃・晴れ 

平地の湿地帯の端に咲いたナガボノシロワレモコウの群落でホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
左右の複眼が中央(頭頂)で接していないので、♀と分かります。 

翅を半開きにしたまま口吻を伸縮させて雄しべの葯を舐めています。 
ナガボノシロワレモコウの蜜腺はもっと奥にあるはずなので、ホソヒラタアブ♀は吸蜜している訳ではないようです。 
花穂から飛び立っても少し離れた空中でちょっとホバリング(停空飛翔)しただけで、すぐに元の花穂に着陸して食事を再開しました。 

ホソヒラタアブ♀の停飛を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜) 
なぜかナガボノシロワレモコウの花穂にチョンチョンと脚先で触れるだけで、なかなかしっかり着地しようとしません。 
花穂が風で揺れて着陸しにくい訳でもなく、無風でした。
足先の感覚器で花の味見をしているのかな? 

よく見ると、この花序には先客のツマグロキンバエStomorhina obsoleta)が訪花していました。 
ナガボノシロワレモコウの花穂は長いので、同じ花穂でも少し離れた位置に留まれば2匹とも平和に摂食できると思うのですけど、ライバルの訪花昆虫を蜜源植物から追い払おうとする占有行動なのでしょうか? 
ホソヒラタアブ♀の度重なる挑発に苛立ったのか、ついにツマグロキンバエがホソヒラタアブに突進して追い払いました。 
しばらく撮り続けても、飛び去ったホソヒラタアブは戻って来ませんでした。 
体長では劣るのに、ツマグロキンバエはホソヒラタアブよりも蜜源植物を巡る争い(占有行動)に勝ったことになり、興味深い事件でした。 
小競り合いしている暇があったら、隣に咲いたナガボノシロワレモコウの花穂にさっさと移動すれば良いのに…と思ってしまいます。

ホソヒラタアブ♀は一体なぜ自分から挑発しておいて、ツマグロキンバエを恐れたのでしょうか? 
ツマグロキンバエはアブに寄生するハエではありません。 
ハエやアブを専門に狩る天敵の狩蜂に誤認したのなら、挑発しないで逃げるべきでしょう。 
ツマグロキンバエについて調べてみると、幼虫の生態についてはほとんど解明されていないらしく、好蟻性が疑われているそうです。 



実はこの後、スズバチもナガボノシロワレモコウに訪花していたのですけど、撮り損ねてしまいました。 


2025/11/25

山中の水溜りで顔だけ洗うフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月上旬 

シーン0:9/4・午後13:05・晴れ・気温33℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、雨水が溜まるだけでなく湧き水も滲み出して浅い水溜りが年中形成されています。 
水溜りSにどんな生き物が来るのか、自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:9/6・午前2:00・気温22℃(@0:04〜) 
丑三つ時にフクロウStrix uralensis)が水場に降り立ちました。 
歩いて水溜まりSを左に横切ると、お気に入りの深みで身を沈めました。 
水面に顔を漬けながら首を左右に激しく振って顔を洗います。 
その場で足踏みしながら方向転換すると、再び洗顔。 
入水したまま翼を軽く羽ばたかせたものの、本格的な水浴行動とは言えません。 

顔を念入りに洗っただけで、奥に向かって飛び去りました。 
今回は珍しく、岸に上陸しないで水場からそのまま飛び立ちました。 

※ 水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/11/24

夏の暑い昼間に扇風行動で巣を冷やすモンスズメバチ♀の群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 


2024年8月下旬・午後12:30頃・気温32℃ 

破風板に営巣した(引っ越してきた)モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)のコロニーを定点観察しようと、暑い昼下がりに来てみました。 
巣の周囲では多数の蜂が飛び回り、巣に出入りしていました。 
営巣地に白昼堂々近づく私に対して警戒していたのかもしれませんが、大顎をカチカチ鳴らして警告したり私に攻撃してきたりする個体はいませんでした。 

カメラで巣口にズームインしてみると、数匹(4〜6匹)のワーカー♀が巣口の縁に陣取って外向きに並び、各自がその場で猛烈に羽ばたき続けていました。 
これは、暑い夏に巣内の温度を冷やすための扇風行動で、気温が30℃以上になると発動します。 
私が立って撮影した地点の気温を測ると、32℃でした。 
「レーザーポインタ付きの非接触式赤外線放射温度計」を持ってくるのを忘れたので、モンスズメバチの巣口の温度を測ることはできませんでした。 
気温が高くなり過ぎると育房内の幼虫や蛹が正常に発生しなくなるので、巣内に外気を送風して冷やしているのです。 
扇風行動だけでは対処できないほどの酷暑になると、水を飲んできたワーカー♀が巣内で吐き戻して湿らせ、気化熱で効果的に冷却するのだそうです。 

身繕いしながら扇風している個体もいます。 
他の外役ワーカー♀たちは続々と巣から飛び去ったり、帰巣したりしています。 

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:01〜) 
扇風行動の羽ばたきがスーパースローにするとよく見えるようになりました。 
帰巣する♀は獲物の肉団子や巣材のパルプを抱えておらず、空荷でした。 
もしかすると、外で水を飲んできて、巣を冷やすために運んできたのかもしれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


関連記事(10年前の撮影)▶  

モンスズメバチ♀群れ@巣口:破風板a+扇風行動
モンスズメバチ巣@破風板b

破風板の裏側がどうなっているのか調べたくても、屋根裏に勝手に登ることはできませんし、そもそも私はスズメバチの攻撃から身を守る防護服を持っていません。 
横から覗いて駄目元でストロボ写真を撮ってみたら、破風板の裏側からもモンスズメバチの巣の外皮の一部が見えていました。

巣内にいるモンスズメバチ成虫の腹部の縞模様が外皮の縁から覗いて見えます。



つづく→

2025/11/21

ノスリのハンギング飛翔ほか(野鳥)

 

2024年7月下旬・午後12:15頃・くもり 

郊外で田畑の上空を2羽の猛禽が飛び回っていました。 
逆光でほとんどシルエットしか見えなかったのですが、なんとか翼の下面の模様からノスリButeo japonicus)と判明しました。 

1羽が木の葉落としのような飛び方で急降下(波状飛行)をしています。 
このとき鳴き声を発してはいませんでした。
これは強風に煽られて遊んでいるのか、それとも求愛や威嚇、縄張り争いのためのディスプレイ飛翔なのでしょうか? 


Perplexity AIに相談すると、
7月下旬はノスリの繁殖期(抱卵や育雛)はすでに終了しているため、典型的な求愛ディスプレイ飛翔(繁殖目的)はこの時期には通常見られません。

背景が雲しかない空だと、動き回る被写体を撮り続けようとしても、カメラのAFがすぐに見失ってしまいます。 
手前の木々やスギ防風林が邪魔で、思うように撮影できません。 
私は車道に沿って移動するしかできないのですが、少し進むと、さっきと同一個体と思しきノスリが今度は強風を受けて空中で一点に静止していました。 
翼を広げたままで羽ばたきません。 
上空から農地を見下ろしてハタネズミなどの獲物を眼光鋭く探しているのでしょう。
ノスリのこのような停飛は、ホバリングではなくハンギングと呼ぶのだそうです。
採餌のために、羽ばたかずに空中の1点に留まるハンギングを繰り返すのはノスリの特徴 (『フィールドガイド日本の猛禽類vol.04ノスリ』p11〜12より引用)
途中からもう1羽が合流し、2羽で一緒に飛んでいます。 
今回もズームインすると、AFが被写体を見失ってしまいました。 

この2羽は♀♂つがいなのか、それとも巣立った幼鳥が飛ぶ練習をしているのでしょうか?
スギ防風林のどこかにノスリの巣があるのではないかと、推測しているのですが、ここ何年も確かめられていません。



つづく→

2025/11/20

深夜にも飛び回り二次巣に出入りするモンスズメバチ♀の群れ【暗視映像】

 



2024年8月中旬・午前2:20頃 

モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)は主に昼行性ですが、条件が良ければ夜になっても活動を続けることがあります。 
古い木造の屋根裏に最近引っ越してきたモンスズメバチの二次巣(移動巣)を深夜の丑三つ時に赤外線の暗視動画で撮影してみました。 
巣に近づいて耳を澄ますと、重低音の羽音が聞こえます。 
営巣地に忍び寄る私に気づいて警戒しているというよりも、真っ暗な夜にも依然として活動を続けているようです。 
モンスズメバチ♀は、夜も巣から雑木林の樹液酒場に通って吸汁することが分かっています。 



ナイトビジョンのハンディカムに赤外線投光器を2台追加しても、光量不足であまりズームインできません。 
手ぶれ防止のために三脚を持参すべきでした。 

モンスズメバチのワーカー♀は、巣口付近を少し飛んでは破風板に止まり直して登る、を繰り返しています。 
今回、巣口がある破風板で扇風行動をするワーカー♀はいませんでした。 
この日はデジタル温度計を持参するのを忘れてしまい、気温を測定していません。 


真夜中の暗闇を飛来して帰巣する個体や、巣口から飛び去る個体がいます。 
門衛が巣口で見張ってるようで、出入りする仲間を誰何すいかしています。 

この二次巣でもモンスズメバチの夜行性が確かめられました。 
静かに撮影しているだけの私をモンスズメバチ♀が攻撃することはありませんでした。


※ 動画素材の順番を入れ替えました。 


2025/11/16

巣材の泥玉を作る砂利道で争うスズバチ♀の謎

 

2024年8月下旬・午後15:20頃・晴れ 

川に近い住宅地の外れにある、水田と墓地に挟まれた細い砂利道で、2匹のスズバチOreumenes decoratus)が小競り合いを繰り広げていました。 
低空で飛び回り、ときどきぶつかって肉弾戦を挑んでいます。 
しばらくすると、2匹のスズバチは横に並んで着地すると、地面を掘って巣材の泥玉を作り始めました。 
予め飲んできた水を吐き戻しながら乾いた堅い地面の土を大顎で掘り、泥団子に丸めていくのです。 
フィールドで出会うスズバチの性別を見た目で区別するのは難しいのですが、巣材集めを始めたことから、2匹とも♀と判明しました。 
つまり、♂が♀に交尾を挑む求愛行動ではありませんでした。

なるべく粒子が細かい土質が巣材に適しているようで、あちこち場所を変えながら試掘しています。 
地面から飛び立ったスズバチが接近すると、再び空中戦が勃発しました。 
小競り合いが収まると、今度はだいぶ離れた位置で巣材集めを再開。 

やがてスズバチ♀は、完成した泥玉を抱えて飛び立ちました。 
残念ながら今回もスズバチ♀の営巣地を突き止められませんでした。 
砂利道から飛び去った蜂を流し撮りしても、すぐに見失ってしまいます。 
近くに立っているスギの木へ飛んでいった気がします。 
今思えば、横の墓地に並ぶ墓石にスズバチが作りかけた泥巣があるかどうか、調べればよかったですね。 

スズバチ♀同士の小競り合いを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:37〜) 


【考察】 
スズバチ同士の小競り合い(種内闘争)を撮影できたのは、これで2回目です。 
証拠動画を撮るのが難しいだけで、目撃しただけなら何度もあります。

関連記事(16年前の撮影)▶ スズバチの喧嘩 

同じドロバチの仲間でも、エントツドロバチ♀は採土場を仲良く共有できるのに、単独性のスズバチ♀はなぜか非寛容です。
亜社会性のエントツドロバチは、採土場で集合フェロモンを放出しているのか?と疑ったぐらいです。


巣材となる土は無尽蔵にありますから(※)、スズバチ♀が採土場をわざわざ占有する行動にメリットはないはずです。 
しかも同所性のスズバチは、元々血縁関係のある姉妹である可能性が高いはずです。 
もしかして、同種の♀が作った泥玉を強奪する労働寄生があるのでしょうか? 
しかし、スズバチが同種内で労働寄生する事例は報告されていないそうです。 

Perplexity AIに質問してみたところ、以下の回答を得ました。

砂利道でスズバチ2匹の雌が巣材(泥団子)をめぐって小競り合いしていた場合、次のような可能性が考えられます。

巣材の資源防衛・強奪行動の可能性

  • ドロバチ類は泥団子などの巣材を使って巣を作りますが、巣材自体が「限定資源」となる場面は局所的・一時的にだけ見られることもあります。sharing-tech

  • しかし、広く泥や水分が得られる状況では、巣材資源の強い占有や防衛行動は通常あまり観察されません。hachi-kujyo+1

  • 一方、個体によっては巣材を失敬(横取り)する、あるいはすでに作った泥団子を持ち去るといった行動が、極めて稀に観察されることもあり得ますが、これが定常的な「労働寄生」として成立しているという生態学的な報告はドロバチ類・スズバチではみられません。sharing-tech+1

小競り合いの直接的な要因

  • 2個体が泥団子製作・運搬中に至近距離で遭遇した場合、お互いのスペース確保や接触回避、あるいは巣材・巣作りの作業場の「一時的な所有権主張」として小競り合いが発生することがあります。hachi-kujyo+1

  • これは「資源防衛」とまではいかず、むしろ偶発的・局所的な接触による攻撃・排除行動であり、自然界では他の単独性ハチ類にも時折見られます。sharing-tech

巣材強奪=労働寄生?

  • スズバチの成巣や巣材調達の過程で、他個体の産み出した泥団子を本格的に奪って利用する、またはそれが系統的な「種内労働寄生」として認められる現象は、専門文献でも報告されていません。hachi-kujyo+1

  • 観察された争いも、資源強奪型の労働寄生ではなく、たまたま同時に同じ場所で巣材を扱っていた際の短期的な競合や排除行動とみなされます。sharing-tech+1

したがって、「巣材の資源が豊富なのに小競り合いが発生した」のは、局所的な行動圏の重複や一時的なスペース争いが主要因であり、スズバチ種内で「泥団子の労働寄生が生態学的に確立している」という証拠は現在のところありません。稀に一過性の泥団子の強奪が起きることも考えられますが、これはあくまで例外的な偶発行動といえます。hachi-kujyo+1


※【追記】

スズバチの生息環境には巣材の土が無尽蔵にあるという私の認識がそもそも間違っているのかもしれません。

スズバチ♀が作り始めた泥巣から遠くない所で、巣材に適した土が得られる採土地点は意外に限られている可能性があります。

だとすれば、採土場で他の個体が貴重な巣材資源を集めていたら気が気ではなくて、できれば追い払いたくなるのも納得です。

2025/11/14

木造の屋根裏に引っ越してきたモンスズメバチのコロニー(夏に二次巣を形成)

 

2024年8月上旬・午後13:40頃・晴れ 

山麓にある某山寺の古い木造建築の屋根裏にスズメバチが営巣することがあるので、ときどき様子を見に行っています。 

関連記事(8、10年前の撮影)▶  


この日も下山したついでに念のため確認しに来たら、モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)が営巣を始めていました! 
年季の入った破風板はふいたに穴が開いていて、そこに多数の蜂が出入りしています。 
触角の長さを見ると、雄蜂♂ではなくて、ワーカー♀のようです。

スズメバチ類は古巣をそのまま再利用することはありませんが、ここでは数年おきに同じ場所に営巣しているのが興味深いです。 
よほどスズメバチの営巣に適した場所なのでしょう。 
数日前に来たときにはスズメバチの巣は無かったので、創設女王が春から営巣しているのではなくて、どこか別の場所にあった初期巣からモンスズメバチのコロニーが女王蜂と一緒に引っ越してきた二次巣と思われます。 
アリと違ってスズメバチの創設女王は、産卵に専念するコロニー拡張期になっても翅を捨てないので、いつでも飛んで新天地に引っ越しすることが出来るのです。
巣の引っ越し(nest relocation) 
モンスズメバチとキイロスズメバチにおいて越冬後の女王蜂によって狭い空間に巣が創設された場合、巣の発達に応じて広い場所に新たな巣を造り移動すること。最初の巣を母巣(primary nest)、後の巣を移動巣(第二次巣:secondary nest)という。 (小野正人『スズメバチの科学』p171より用語の解説を引用)

破風板の裏側がどうなっているのか、横から覗いてみても、巣は見えませんでした。 
私は防護服を持っていないので、下手に近づけません。 
数匹のモンスズメバチが空中を飛び回っています。 

巣口の横の破風板に留まり、ときどき翅を震わせている個体は、警戒しているのでしょう。 
扇風行動のように、持続的に羽ばたいてはいません。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】
8、10年前に同所で営巣したチャイロスズメバチは社会寄生性であり、キイロスズメバチやモンスズメバチの巣を女王が乗っ取ることが知られています。
したがって、当時も元々はモンスズメバチ(またはキイロスズメバチ)の巣があったことが予想されます。


つづく→

2025/11/13

フクロウの行水【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬

シーン0:8/19・午後12:23・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、雨水が溜まるだけでなく湧き水も滲み出して浅い水溜りが年中形成されています。 
水溜りSに来る生き物を自動撮影カメラで監視しています。 

昼下がりの気温が41℃と表示されていますが、いくら猛暑とはいえ、気温データとしては信頼できません。 
夏の直射日光を浴びてカメラが過熱しているのだと思います。 


シーン1:8/20・午前0:25・気温25℃(@0:03〜) 
真夏の深夜に常連のフクロウStrix uralensis)が来ていました。 
水溜まりSに入水するフクロウの後ろ姿が写っています。 
その場で足踏みしながら方向転換し、監視カメラをちらっと見ました。 

顔を水面に漬けて左右に振り、洗顔します。 
後半はようやく翼を広げて本格的に水浴を始めました。 

さっぱりしたフクロウは対岸にぴょんと上陸し、周囲を警戒しています。 
他の鳥のように羽繕いはしないで、顔を軽く振って水気を切っただけです。 
左上奥へと静かに飛び去りました。 


※ 行水の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/11/09

スギの梢でピーエ、ピーエ♪と鳴き続ける夏のノスリ(野鳥)

 

2024年7月下旬・午後14:25頃・晴れ 

郊外の農道を歩いていた私の上空を2羽(以上?)の猛禽が飛び回っていました。(映像公開予定) 
農地を取り囲むスギ防風林の天辺に留まった猛禽にズームインしてみると、その正体はノスリButeo japonicus)でした。 

カメラを向けた私を警戒したのか、1羽はすぐに飛び去ってしまいました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、翼の下面にあるノスリ特有の斑紋をしっかり確認できました。 
飛び立つ寸前に鳴いていました。

しばらくすると、別個体と思われるノスリがスギ高木の天辺に留まりました。 
風で揺れる止まり木でなんとかバランスを保ちながら、嘴を開閉して大声で鳴き続けています。 
ピーエ、ピーエ♪と甲高い声で近くにいる別個体と鳴き交わしているようです。 
周囲ではヒグラシ♂やアブラゼミ♂が賑やかに鳴いています♪ 

私が少し遠ざかってクリの木陰に移動しても、ノスリは私の方を向いて鳴き続けています。
もしかすると私に対する警戒声なのかもしれない、と気づきました。
ノスリは鳴き声のバリエーションが乏しくて(ワンパターン)、鳴き声にどんな意味があるのか、その時々で解釈が難しいのです(忖度が必要?)。 
ノスリの繁殖期はもう終わり雛が巣立った後だと思うのですけど、営巣木が近くにあるのでしょうか? 
ただの縄張り宣言なのかもしれませんが、念のために(ストレスを与えないように)、ノスリが陣取るスギ防風林から離れることにしました。
繁殖期の終わったカラスも遠くでのんびり鳴いているだけで、ノスリを追い払うモビングに来ることはありませんでした。

長年このスギ防風林でノスリの巣を探し続けているのですけど、林内で下から見上げても、どうしても見つけることができません。
オフシーズンにドローンを飛ばして上空から丹念に偵察すれば発見できるかな?


つづく→

2025/11/08

イタヤカエデ幼木の葉から飛び去るオナガアゲハ

 

2024年8月上旬・午後14:25頃・くもり 

里山で、ほぼ廃道状態の山道を静かに下っていると、黒いアゲハチョウを発見。 
山道を塞ぐ倒木の横に生えてきたイタヤカエデ稚樹の葉に翅を広げたまましがみついていました。 
後翅に長い尾状突起があるので、オナガアゲハPapilio macilentus)のようです。 
久しぶりの出会いで嬉しかったのに、背側からしっかり撮ろうとしたら、その前に素早く飛び去ってしまいました。 

今回はオナガアゲハの性別を見分けられませんでした。 
後翅の前縁が白ければ♂なのですけど、確認できませんでした。 
薄暗いので、スロー再生してもぶれてしまって羽ばたきがよく見えないのです。 
オナガアゲハ幼虫の食樹植物はミカン科ですから、成虫がカエデに留まっていたのは産卵が目的ではなく、ただの休息です。 


関連記事(10年前の撮影)▶ ニセアカシアの葉にぶら下がるオナガアゲハ



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2025/11/05

ミズキの枯木を登るコゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 


2024年8月中旬・午後12:10頃・気温29℃ 

平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)を見張っている監視カメラにコゲラDendrocopos kizuki)が写りました。 
枯れて朽ちたミズキの幹を身軽に登っています。 
短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。

つづく→

2025/11/04

ヌスビトハギの葉を切り抜いて巣に空輸するハキリバチの一種♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年8月上旬・午後12:10〜12:45頃・晴れ 

里山で湿地帯に接したスギ植林地の林縁で、蜂の羽音が気になりました。 
下草のヌスビトハギの小群落には、葉をくり抜いた痕跡が多数残っています。 
これはハキリバチの仲間によるしわざです。 



私がその場でじっと待っていると案の定、ハキリバチ♀がヌスビトハギの群落に飛来しました。
ハキリバチ♀は、ハエのようなプーン♪というやや甲高い羽音を立てて飛び回ります。 
クマバチやオオスズメバチが発する重低音の羽音とは明らかに違います。 

ヌスビトハギの小葉に着陸すると羽ばたきを止めます。
鋭い大顎で小葉をチョキチョキと切り始めます。 
丸く切り抜く葉片に跨って丸めながら、切り落とす間際に再び羽ばたき始め、抱えて飛び去ります。

マメ科のヌスビトハギの葉は三出複葉です。 
3枚の小葉のうち、真ん中の柄が明瞭な小葉は頂小葉ちょうしょうようと呼ばれ、残りの2枚の小葉は側小葉そくしょうようと呼ぶのが一般的です。 
ハキリバチ♀は、ヌスビトハギの頂小葉でも側小葉でも特に選り好みしないで切り抜いているようです。 

1枚の小葉から複数の葉片がくり抜かれた跡も残っています。 
緑色の葉だけでなく、黄緑の若葉も切り抜くことがありました。 
葉片の形状は色々で、卵型だったり長楕円形だったり細長く切り抜かれたりしています。 
巣穴の育房に巣材を充填する作業の進捗具合によって、必要な葉片の形状を臨機応変に変えているのでしょう。 
切り取り線は小葉の中央にある主脈を越えたり越えなかったり、まちまちです。 
小葉のどこから切り取り始めるか(葉柄に対して遠位か近位か)についても、特に決まっていないようです。 

巣材の葉片を抱えて飛び去るハキリバチ♀を追いかけようとしても、すぐに見失ってしまいました。 
営巣地がどこにあるのか突き止められませんでしたが、ハキリバチの多くは借坑性ですから、林道脇の針葉樹(スギ?)大木の樹上の虫食い穴などに巣がありそうです。 
隙間や小孔に切り取ってきた葉片を詰め込んで育房を作り、花粉団子を貯食し、その上に産卵し、葉片で育房を仕切ると、また次の育房を作り始るのだそうです。 

関連記事(5年前の撮影)▶ 借坑性ハキリバチ♀の巣の観察:2019年 


おそらく同一個体と思われるハキリバチ♀が数分ごとにヌスビトハギの群落に戻ってきて、せっせと巣材を集めて帰ります。 
蜂が次に着地しそうな葉を狙って待ち構えても、なかなか予想が当たりません。 
私が毎回カメラを近づけて接写しても、ハキリバチ♀は警戒心が薄いのか、嫌がらずに作業を続けてくれました。

林床にはヌスビトハギの他に、フジ(藤、別名:ノダフジ)の葉などもたくさん生えていました。 
しかし、このハキリバチ♀が巣材として集めるのは、ヌスビトハギの葉片だけでした。  

ちなみに、周囲でジーー♪と単調にやかましく鳴き続けているのはエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)です。 
ウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とのどかにさえずる声も聞こえます。 

ハキリバチ♀がヌスビトハギの葉を切り抜いて持ち去る様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:40〜) 
切り抜き作業中の蜂を横から見ると、腹面のスコパは白い毛が密生しているものの、花粉は付着していません。 

ハキリバチ♀は毎回几帳面に小葉を丸く切り抜く訳ではないようです。 
かなり大雑把に切り取って、クシャクシャに丸めた葉片を持ち去ることもあり、興味深く思いました。 

葉片を抱えて飛び去るハキリバチ♀の姿を流し撮りできると、スーパースローで見応えがあります。 
葉片を完全に切り抜くと、それを抱えたまま蜂は落下します。 
激しく羽ばたいて空中で体勢を立て直すと、ホバリングしながら巣の方向を見定めて、まっすぐ帰巣します。 
おそらく太陽コンパスや周囲の景色から、記憶した巣の方角を読み取っているのでしょう。 
空荷で飛ぶよりも遅くなるのは、運んでいる葉片が重いのではなくて、空気抵抗が大きいせいでしょう。 

ヌスビトハギの茎の先端にはピンクの花序が咲きかけていました。
しかし、巣材集めに忙しいハキリバチ♀がヌスビトハギに訪花することは一度もありませんでした。 
幼虫が食べる餌を集めたり、母蜂自身が栄養補給(吸蜜)する蜜源植物は、また別の場所に咲いているのでしょう。 


2年前からの宿題だった、ヌスビトハギの葉から巣材を集めるハキリバチ♀を実際にじっくり観察できて大満足です。 
巣材集め行動の細かい点でクズハキリバチとの違いを見出せませんでした。 
関連記事(5年前の撮影)▶  


さて、この蜂の名前は何でしょうか?
素人目には特徴が乏しくて、ハキリバチの種類を見分けられません。 
黒い頭楯の両側に白い部分がある(白毛が密生)ことに気づきました。 
『日本産ハナバチ図鑑』と見比べると、ツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)が候補として見つかりましたが、顔色だけでは決め手になりません。 
ちなみに、ツルガハキリバチは「本州では最も個体数の多いハキリバチ」なのだそうです。(同図鑑p330より引用) 

例えばクズハキリバチやバラハキリバチなど、好んで葉を切り抜く植物が蜂の名前に付いている種類もいます。 
しかし、ハキリバチ♀が巣材として集める植物は、蜂の種類ごとに厳密には決まっている訳ではないそうです。 
ヌスビトハギの葉を専門にくり抜く「ヌスビトハギハキリバチ」なる和名の蜂は、今のところ知られていません。 

同定のためにハキリバチ♀を採集しようか迷ったのですが、動画撮影を優先していたら、そのうちパッタリと巣材集めに通って来なくなりました。 
育房作りが一段落したのか、それとも活発に働く時間帯が日周リズムで決まっているのかもしれません。


※ 動画の素材は撮影順ではなく、適当に入れ替えています。 
※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 


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