2024年4月下旬・午後13:05頃・くもり
山間部の田園地帯で舗装された農道をニワハンミョウ(Cicindela japana)が何匹も走り回っていました。
どの個体を観察すべきか目移りしてしまうのですが、とりあえず選んだ個体を動画に撮り続けると、複数個体の捕食シーンが撮れました。
頭楯と大顎の色から、おそらく♀だと思います。(♂なら白いはず)
大顎を開閉しながら路上に佇んでいたニワハンミョウ♀が急に方向転換したり走り出したりするので、見失いそうになります。
歩く方向はまちまち(ランダム・ウォーク)で、♀の場合は獲物を探し歩いているようです(探餌行動)。
路肩に駆け込むと、逃げる獲物を素早く狩りました。
枯草の茂みが邪魔でよく見えなかったのですが、狩った獲物の正体は黒いアリのワーカー♀だったようです。
種名は不詳ですが、ごく普通種のクロヤマアリまたはクロオオアリと思われます。
アリジゴクのように獲物を待ち伏せするのではなく、敏捷に逃げるアリを積極的に追いかけて狩るとは驚きです。
参考サイト:アリを捕らえたニワハンミョウ@海野和男デジタル昆虫記
ニワハンミョウが鋭い鋸歯のある大顎を左右に大きく開閉して獲物を咀嚼している間にも、あちこち忙しなく動き回ります。
獲物を噛み砕いて固形物として飲み込むのではなく、獲物の体液を吸汁しているだけでした。
ハンミョウの場合、この食事法を体外消化と呼んで良いのかどうか、AIで調べても分かりませんでした。
獲物を咥えたまま、ときどき硬い路面に打ち付けているのは、獲物を噛んで丸めながら咥え直しているのか、それともアリを押し潰して殺し、滲み出る体液を吸汁しているのかもしれません(広い意味で咀嚼行動、道具使用)。
餌食となったアリはニワハンミョウの牙に噛まれたまま暴れていますが、蟻酸による反撃がハンミョウに全く効かないのは不思議です。
ニワハンミョウに襲われてもアリはしばらく生きていて、必死に暴れています。
つまりニワハンミョウは、蟻酸による反撃を封じるために仕留めたアリを即死させている訳ではありません。
ニワハンミョウが噛みついているのはアリの急所の頭部ではなく胸部?でした。
アリが大顎で反撃したくても届きません。
狩りおよび捕食シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:15〜)
狩ったアリをしばらく噛みしめて体液を吸い尽くすと、消化できないクチクラの残渣を吐き捨てました。(@8:15〜)
そして次の獲物を探しに行きます。
路上でアリをくちゃくちゃ噛みながら佇んでいる個体♀a(鞘翅が赤色っぽい)に対して、同種の別個体♂b(鞘翅が緑色っぽい)が交尾しようと襲いかかることがありました。
鞘翅の色が違いますけど、同種のニワハンミョウです。
スロー再生すると、♀aは急いで羽ばたいて飛び去っていました。(@2:44〜)
私はニワハンミョウの性別判定がいまいち覚束ないのですが、ハンミョウの成虫同士で獲物を強奪する行動があるとは思えないので、♀♂の求愛および交尾拒否だと解釈しました。
その後もかなり粘ったのですが、なぜかアリ狩りの動画が撮れなくなりました。
いきなり最初に撮れたビギナーズラックの動画のクォリティーを越えることができません。
ニワハンミョウがこの農道で獲物のアリを狩り尽くしてしまったのでしょうか?
満腹したらもう狩りはしなくなり、配偶行動に切り替えるのかな?
もしかすると、アリを狩るのに適した時間帯があって、それを過ぎると獲物のアリが巣外で活動しなくなるのかもしれません。
次はニワハンミョウ♀♂の配偶行動に注目します。
つづく→
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