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2024/11/12

イモカタバミの花で採餌して飛び回るニホンミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後15:10頃・晴れ 

街なかの猫の額ほどの庭に咲いたイモカタバミの群落でニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 


ニホンミツバチ♀はイモカタバミに正当訪花を繰り返して吸蜜・集粉しています。 
後脚の花粉籠に付けて運んでいる橙色の花粉団子はまだ少量だけでした。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:24〜)

2024/11/08

白梅の花でニホンミツバチ♀が採餌

 

2023年3月下旬・午後13:30頃・晴れ 

民家の庭木として植栽されたウメ(白梅)にニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 
吸蜜中に身繕いもしています。 
後脚の花粉籠が空荷の個体と少量の白い花粉団子を付けた個体がいました。 

実はセイヨウミツバチもニホンミツバチも両方来ていたのですが、訪花ワーカーの個体数はセイヨウ>ニホンでした。 


2024/10/31

ハナズオウの花で採餌するハキリバチの一種♀

 

2023年4月下旬・午後15:10頃・晴れ 

川沿いの農村部で民家の裏庭に咲いたハナズオウハキリバチの一種が訪花していました。 
ハナズオウの蝶形花に止まったまま、後脚を擦り合わせています。 
腹部下面にオレンジ色のスコパがちらっと見えたので、♀と判明。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
ハキリバチの種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてもらえると助かります。 
他にも多数のハキリバチが忙しなく訪花していたのですけど、動画を撮り損ねました。 
余談ですが、このときハナズオウの枝に産み付けられたオオカマキリTenodera sinensis)の卵鞘を見つけました。 
無事に越冬できたようです。 
その写真を撮った1枚に、たまたまハキリバチが写り込んでいました。 
胸部の体毛が明るい茶色で、動画に登場した黒っぽいハキリバチとは明らかに別種です。 


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2024/10/15

シャクの花蜜を吸うセグロカブラハバチ?

 

2023年5月中旬・午後15:50頃・くもり 

初夏の河畔林に咲いたシャクの群落で毒々しい警告色のハバチが訪花していました。 
素人目にはセグロカブラハバチAthalia infumata)ではないかと思うのですが、どうでしょうか? 
  • 頭部と腹部が赤い(オレンジ色)。 
  • 複眼と単眼は黒い。 
  • 翅は黒い。 

 望遠マクロでズームインしたら、寄り過ぎてピンぼけになってしまいました。 
その間にハバチはシャクの花序の背後に隠れてしまい、花から飛び立つまで見届けられませんでした。 

ニセアカシアなどの樹々が展葉した林床は薄暗い上に、激しい風揺れに悩まされました。 
虫撮りには最悪の条件です。 
風揺れの影響を少しでも抑えるために、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


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2024/10/08

林床に散らばるアケビ果実の断片は誰の仕業?【食痕・フィールドサイン】

2023年10月中旬 

ニホンアナグマが営巣する平地の二次林を探索していたら、林床にミツバアケビ果実の断片が散乱していました。 
野生動物が果肉を食べた後の食べ残し(食痕)のようです。 
苦い果皮はちぎられただけで、甘い果肉および種子はほとんど食べられていました。 
どこか近くの藪に生えたミツバアケビの蔓から熟した果実だけをもぎ取って運び、食べ残し(残渣)を捨てて行ったのでしょう。 


トレイルカメラで長期間監視したおかげで、この二次林には様々な哺乳類が生息していることが分かっています。 
その中で果実食をする者として、ホンドテンMartes melampus melampus)、ハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)などの仕業と予想されます。 
テンが排泄した糞の中にアケビの種子が未消化のまま残されているのを山中で観察したことがあります。 

ニホンザルがアケビを食べたらしい傍証(食痕)は次の動画に示されています。 
関連記事(約2週間前の撮影)▶ 路上でクリの落果を拾い食いするニホンザルの群れ 


ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)やニホンアナグマMeles anakuma)も雑食性なので、アケビの果実に手が届けば、もしかしたら食べるかもしれません。 
タヌキやアナグマが残した溜め糞の中にミツバアケビの種子が未消化のまま排泄されるかどうか、糞内容物を調べる必要がありそうです。 
本格的な糞分析をしていませんが、糞塊を目視した限りでは、これまでアケビの種子を見たことはありません。
(もちろん、素人が見落としている可能性も高いです。) 

アケビ果実の断片に犯人の歯型や唾液が残っていそうなので、DNAを解析すれば誰が食べたのか法医学的に突き止めることができるかもしれません。 

スナップ写真をじっくり見直すと、微小なアリ(種名不詳)がアケビ果実の断片に群がっていました。 
わずかに残ったアケビの種子に付属するエライオソームを目当てにアリが集まっていたのでしょう。 
フラッシュを焚いてアリの写真をマクロレンズでしっかり接写するべきでした。 
枝葉が鬱蒼と茂った林内は昼間でも非常に薄暗くて、肉眼ではアリの存在に全く気づかず、通りすがりにスナップ写真を撮っただけです。 

アケビは甘い液果を報酬にして野生動物に食べられ、糞と一緒に排泄された種子が遠くに撒かれる、という種子散布の戦略をとっています。(被食型の動物散布) 
糞に含まれるアケビの種子にはエライオソームが付属しているので、これを目当てにアリが1粒ずつ巣に運び、さらに種子の分布を広げます。(アリ散布) 
アリはエライオソームだけを取り外して食べ、種子はゴミ捨て場に捨てるのだそうです。


アケビの実が熟す前からトレイルカメラで監視して、野生動物が採食する決定的瞬間を証拠映像に撮れたら最高です。


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・牧野富太郎『アケビ』 

2024/10/03

ヤマハッカの訪花昆虫を狙ってオオカマキリ♀が待ち伏せするもクマバチ狩りに失敗

 

2023年9月下旬・午前11:55頃・晴れ 

里山の草に覆われた斜面で褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera sinensis)が笹の葉(種名不詳)の上に乗っていました。 
周囲でヤマハッカの群落が花を咲かせているので、オオカマキリ♀は訪花昆虫を狙って待ち伏せしているようです。 
虫が近くに来る度に向きを変えて、狙いを定めます。 

ヤマハッカの花畑では実際にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)やシロオビノメイガSpoladea recurvalis)などが吸蜜していました。 

関連記事(同所同日の撮影)▶  


オオカマキリが狩りをする瞬間が撮れるのではないかと期待して、ハイスピード動画に切り替えて長撮りしてみたものの、獲物がカマキリの手が届く射程距離になかなか入ってくれません。(その映像は退屈なので割愛) 
シロオビノメイガがヤマハッカの花から飛び立つと、オオカマキリ♀はそっちを見ました。 

遂に、オオカマキリ♀が待ち伏せしている笹の葉の近くに咲いたヤマハッカの花にクマバチが飛来しました。 
耳を澄ますと、クマバチが羽ばたく重低音の羽音♪が聞こえます。 
オオカマキリ♀は笹の葉の縁から身を乗り出して鎌を素早く一閃しました。 
カマキリがぶら下がるようにササの葉陰に隠れてしまったので、狩りの成否を見届けられませんでした。 
私がなんとか撮影アングルを変えて草むらの隙間から覗き込むと、オオカマキリ♀は獲物を捕食していませんでした。 
右の鎌を舐めて掃除し始めました。 
クマバチの羽音が鳴り続けていますし、狩りは失敗だったようです。 
もしもクマバチ♀がオオカマキリ♀の鎌で捕らえられたときに毒針や大顎で反撃するかどうか興味があったのですが、間一髪で天敵から逃げ延びたようです。 


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別個体のオオカマキリ♀@ヤマハッカ花畑+獲物待ち伏せ

2024/09/17

キバナノアマナの花蜜を吸うキマダラハナバチの一種【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午後14:40頃・晴れ 

河畔林の林床に咲いたキバナノアマナの群落でキマダラハナバチの1種(Nomada sp.)が訪花していました。 
小さくてもカラフルな蜂で、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
他のハナバチ類に労働寄生する仲間なので、たとえ♀でも集粉しませんし、後脚に花粉籠はありません。 
咲きかけの蕾にも訪花しています。 

キバナノアマナの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:42〜) 


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2024/09/13

クズの葉に乗って昼寝するクロマルハナバチ♀が飛び去るまで

 



2023年9月下旬・午前11:50頃・晴れ 

ヤマハッカの花畑で採餌していたクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が少し飛んで、山腹に蔓延るクズの群落に移動しました。 
クズの葉の上で翅を休め、触角も畳んでいます。 
脚が少しだけ動きました。 

私がカメラのレンズを近づけて接写しても逃げませんでした。 
どうやら疲れて寝てるようです。 
晴れているものの、ここはちょっとした日陰なので、日光浴の行動ではなさそうです。 
あるいは逆に、暑い日向で採餌活動していた蜂の体温が上がり過ぎて、日陰に移動して体温を下げていたのかもしれません。
虫の暮らしを高性能のサーモグラフィカメラで動画に撮ったら面白そうです。

私が指をそっと近づけて蜂に触ろうとしたら、その気配を感じたのかクロマルハナバチ♀が目覚めました。 
触角を前脚で拭い、少し歩いてからブーン♪と低い羽音を立てて飛び去りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


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2024/09/09

ホトトギスのつぼみからも盗蜜するオオマルハナバチ♀【ハイスピード動画】

 



2023年11月上旬・午後15:50頃・晴れ 

花壇に咲いたホトトギスの群落で盗蜜を繰り返すオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)を240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、花だけでなく開花前のつぼみからも盗蜜しました。 
口吻を伸ばして小さく膨らんだきょに差し込むと、中の花蜜を吸っています。
ホトトギスの花の中央にある雌しべや雄しべに全く触れないので、受粉を助けていませんし、オオマルハナバチ♀の後脚の花粉籠は空荷です。
羽ばたいて飛び立つと、次の花に向かいます。

2024/09/05

ヤブガラシの花蜜を吸うコアオハナムグリとセグロアシナガバチ♀

 

2023年9月上旬・午後14:15頃・晴れ 

道端に蔓延るヤブガラシのマント群落でセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀およびコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
意外にも、コアオハナムグリとヤブガラシの組み合わせは初見です。 



採寸していませんが、このセグロアシナガバチはとても小型のワーカー♀でした。 
連日の酷暑で獲物が取れず(獲物となるイモムシが少ない)、小型のまま成虫が羽化したのだろうと推測しました。 

ヤブガラシの花から花へ忙しなく歩き回るセグロアシナガバチ♀が、じっとしているコアオハナムグリの背中に乗って踏みつけたのですが、コアオハナムグリは特に気にする様子もありません。 
セグロアシナガバチはコアオハナムグリを獲物として認識してませんし、コアオハナムグリは脚を高々と持ち上げる威嚇姿勢になりませんでした。 

少し飛んで隣の花に移動したセグロアシナガバチ♀は、蜜量が多い花を見つけると、じっくり吸蜜を始めました。 


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2024/09/01

オオマルハナバチ♀の脚上げ威嚇反応

 



2023年11月上旬・午後15:00頃・くもり 

訪花吸蜜していたオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)がセイタカアワダチソウの花穂からなかなか飛び立たないので、衰弱して飛べないのかな?と心配になりました。 
寿命が近いワーカー♀なのかな?
体に寄生ダニなどは付着していませんでした。 

私が動画を撮りながら右手で捕まえようと蜂に軽く触れたら、その度に中脚および後脚を高々と持ち上げました。 
威嚇姿勢のようですが、毒針を伸ばして誇示することありませんでした。 
蜂がしがみついていた花穂の先をちぎり取り、なんとか蜂を手乗りさせることができました。 

この個体はとにかく動きが緩慢で、元気がありません。 
口元を見ても、私の皮膚から汗を舐めているようには見えませんでした。 

私が指先でオオマルハナバチ♀の体にそっと触れる度に、脚を1〜2本持ち上げます。 
体を傾けて、刺激された同側の脚をいつも上げるのが興味深いです。 
正面から触角に触れると、左右の中脚を同時に持ち上げて万歳の体勢になりました。 
「それ以上近づくなよ」という警告・威嚇の意思表示なのでしょう。 
脚に鋭い棘や爪、キック力がある訳でもないのに、敵に対してどれだけ威嚇・牽制の効果があるのか疑問です。
 (私にはハッタリで虚勢を張っているようにしか見えません。) 
私が面白がってしつこく反応を調べても、繰り返し刺激への馴化(慣れ)はなさそうです。 
苛立ったオオマルハナバチ♀が毒針で私の手を刺してくることはありませんでした。 
ちなみに、ハチとは進化的に離れた系統のコガネムシ類でも似たような脚上げ威嚇姿勢が見られます。

この個体は翅や体毛が全く擦り切れておらず、大型なので、ワーカー♀ではなく新女王なのかもしれません。 
一般的に、女王蜂の攻撃性が低いのは当然です。 
真社会性ハチの女王は次世代に子孫を残す使命がありますから、毒針を使って敵と戦うのではなく、極力逃げることを選択します。(逃げるが勝ち、三十六計逃げるに如かず) 
下手に敵と戦うと反撃を食らって死傷する可能性があるからです。 
もしも元気なワーカー♀を相手に同じ実験をしたら、怒った蜂に毒針で手を刺されていたかな? 

実験に満足した私は、蜂をセイタカアワダチソウの花穂に戻してやろうとしたのですが、なかなか上手く行きません。 
もたついている間に、オオマルハナバチ♀はブーン♪と羽音を立てて飛び去ってしまいました。 
私の体温で充分に温められたのか、飛び立つ前に胸部の飛翔筋を震わせる準備運動をしませんでした。 
しかし飛ぶ力は弱く、羽ばたきながら私の手から落ちてなんとかセイタカアワダチソウの茎に引っかかりました。 
再び自発的に飛んだものの、あまり遠くまで飛べませんでした。 
気温を測り忘れましたが、私の体感では寒さを全く感じませんでした。 

マルハナバチの経済学』という専門書のp264に「マルハナバチの巣内での諸行動」と題したイラストが掲載されています。 
その中に、「中後脚をあげるマルハナバチ独特の警戒姿勢」が示されていました。 
私の知る限り、この行動について書かれた本はこれだけです。 
同じイラストによると、マルハナバチの攻撃姿勢は更に独特で、なんと仰向けにひっくり返るのだそうです。 (おそらく、このとき毒針を見せつけるのでしょう。) 
私は未だ実際に見たことはないのですけど、マルハナバチの巣を手荒く暴いたときぐらいにしか攻撃姿勢は見られないのかもしれません。 

この行動を指す正式用語をどうしても知りたくて、Google Scholarで検索してみると、最近の研究論文を見つけました。 
全文が無料で公開されています。 
マルハナバチの脚上げ反応(万歳姿勢、ハイタッチ)が注目されるようになったのは、ごく最近のことなのだそうです。
disturbance leg-lift response (略してDLR)と名づけていますが、 disturbanceが日本語に訳しにくいです(撹乱?)。
「蜂にちょっかいかけると脚を高く上げる」というニュアンスです。
素人が勝手に「脚上げ威嚇反応」と名づけてみました。
専門家による用語の正式な和訳を見つけたら、訂正します。


【参考文献】 
Varnon, Christopher A., et al. "The disturbance leg-lift response (DLR): an undescribed behavior in bumble bees." PeerJ 9 (2021): e10997. 

Figure 1. The disturbance leg-lift response (DLR) of the bumble bee.  Artwork by Jennifer Salazar. Original reference photographs by Ivan Mikhaylov.

この論文はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているので、ありがたく原図1を借用させてもらいます。


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2024/08/28

ホトトギスの花蜜を盗むトラマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】盗蜜行動

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が訪花していました。 
複数個体で訪花していたオオマルハナバチ♀と違って、トラマルハナバチ♀は1匹しか見かけませんでした。 



この個体は、後脚の花粉籠にごく少量の白い花粉団子を付けていました。 
しかし、吸蜜の際にホトトギスの開いた花の内側には潜り込まず、毎回いつも花の外側から距に口吻を差し込んでいます。
雄しべや雌しべに全く触れていませんから、盗蜜行動と呼ばざるを得ません。 
ホトトギスの花の基部に3つあるきょの膨らみが訪花するトラマルハナバチにとって格好の止まり場所を提供しています。 
今後ホトトギスの距は更に細長く進化していくのでしょうか? 
園芸植物のユリズイセン(ユリズイセン科)の花が蜂に盗蜜されるのを見たときにも思ったのですが、ホトトギス(ユリ科)の花の構造は、花蜜のただ盗りを防ぐセキュリティが明らかに甘いですね。
花弁が根元まで開けっぴろげなのが問題で、少なくとも花弁の基部はしっかり閉じてもっと花筒型になるべきでしょう。
野生種のホトトギスは元々そのような形状だったのではないか?と勝手に予想するのですけど、どうでしょうか?
園芸植物として品種改良された結果、花弁が開けっぴろげになってしまったのかな?
ユリ科なので、もしかして種子よりも球根で増える(クローン)のがメインなのかと思ったのですが、調べてみるとそんなことはありませんでした。
種子と挿し木(クローン)で増やすのだそうです。

私は未だ実際に見たことがありませんが、トラマルハナバチはホトトギスの受粉を助ける送粉者として知られているそうです。 
トラマルハナバチは長舌種なので、普段は盗蜜行動をする必要がありません。 
(盗蜜に手を染めるのは短舌種のハナバチです。) 
盗蜜するトラマルハナバチを見たのはこれが初めてで、驚きました。
ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。 
今回は、ホトトギスの雄しべの葯で花粉の生産が終わりハナバチに花粉を取り尽くされた後の雌性期だったので、トラマルハナバチ♀も仕方なく盗蜜していたのかもしれません。 

トラマルハナバチ♀の盗蜜行動および飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜) 
長い舌を伸ばしたまま、次の花に向かって飛んでいました。

2024/08/24

セイタカアワダチソウの花で採餌するオオマルハナバチ♀

 

2023年11月上旬・午後14:55頃・くもり 

平地の道端の側溝沿いに咲いたセイタカアワダチソウの小群落で オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が訪花していました。 
意外にもこの組み合わせは初見です。 
黒い口吻を伸ばして吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
晩秋に見かけた大型の個体なので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。 



カメラのレンズを近づけて接写しても蜂は逃げませんでした。 
秋風が吹いたり、背後の車道をバイクや車が通りかかったりすると、風揺れに悩まされます。 
風揺れを抑えるために、セイタカアワダチソウの花穂を左手で押さえながら接写することにしました。 
手を離した花穂が激しく揺れても、オオマルハナバチ♀は花穂から振り落とされないようにしっかりしがみついています。 

たまにあるのですが、現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。 
 (平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。) 
逆に、山間部で営巣するクロマルハナバチのコロニーを観察したこともあります。
標高に応じて2種がそれぞれ自発的に棲み分けしているのではなく、競合する近縁種が互いに排除し合った結果として棲み分け分布している気がします。
(ライバル種の勢力が落ちると、それに乗じて生息地がダイナミックに広がるイメージ) 

余談ですが、今年はセイタカアワダチソウの草丈が低く、この群落でも目測で約1mしかありません。 
これでは「背高アワダチソウ」の名が廃ります。 
この夏の酷暑のせいで矮小化したのではないか?と勝手に推測しています(高温障害)。 

蜂がなかなか飛び立ってくれないので、衰弱して飛べない個体なのか?と心配になってきました。 



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2024/08/20

ホトトギスの花で盗蜜するオオマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:45頃・晴れ 

堤防路の道端の花壇に咲いたホトトギスの大群落で、1匹のオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)が夕日を浴びながら訪花していました。 
大型の個体だったので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。 
現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。 
(平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。) 
後脚の花粉籠は空荷でした。 

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜) 
スローモーションで吸蜜シーンをよく見ると、オオマルハナバチ♀は盗蜜を繰り返していました。 
花弁の内側の奥には黄色い蜜標があるのに、オオマルハナバチ♀はそこを目掛けて潜り込む正当訪花をしていません。
いつも花弁の外側に下向き(または横向き)で止まると、舌(口吻)を伸ばして花の根元にある小さな膨らみ(距)に差し込んでいます。 
ホトトギスの花の構造上、オオマルハナバチ♀は花弁に穿孔するまでもなく、盗蜜できてしまいます。
きょとは、花が最適な送粉者を選別するため(招かれざる訪花昆虫を排除するため)に蜜腺を奥深く隠すための構造なのですが、細長く尖ったものしか私は知りませんでした。
ホトトギスの花のように、小さな瘤状の距もあるとは知りませんでした。
オオマルハナバチ♀は訪花吸蜜の際にホトトギスの雄しべや雌しべに一度も触れないので、授粉には全く関与していません。 
オオマルハナバチ♀の体毛にホトトギスの花粉が付着することはありませんし、後脚の花粉籠が空荷なのも当然です。 
ホトトギスにとっては花蜜の盗まれ損になります。 

オオマルハナバチ♀が花粉を集めたくても、雄しべの葯から花粉が既に取り尽くされた後のようです。 
調べてみると、ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。 
撮影時は雌性期だから雄しべに花粉が無いのでしょう。 

今回はホトトギスに訪花する様々な昆虫を観察することができたのですが、どの昆虫も同様に盗蜜していました。(映像公開予定) 
植物が花に距を作って送粉者を選り好みしようとすると、必ずその裏をかいて盗蜜行動をする昆虫が出てくるのが、進化の軍拡競争になっていて面白いです。
ホトトギスに正当訪花する送粉者は誰なのでしょう? 


【参考サイト】 
雄性期の花の様子も含めて、ホトトギスの花の細かい構造を解説した写真や、トラマルハナバチが正当訪花する写真が掲載されていて、勉強になりました。 




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2024/08/12

カボチャ畑の同じ花で2匹同時に採餌するクロマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2023年8月下旬・午前8:40頃・晴れ 

カボチャを栽培している家庭菜園の畑で複数のクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪花する様子を撮影していると、興味深いシーンが撮れました。 

カボチャの黄色い花に先客が居ると、後から飛来した個体は遠慮して飛び去りました。 
カボチャ畑には多数の花が咲いていますから、無用な競争を避けるのは当然でしょう。 
蜜源植物を巡る占有行動や縄張り争いなどは、私の見た限りではありませんでした。 

ところが、240-fpsのハイスピード動画でも撮っていたら、これとは逆の行動が観察できました。(@0:11〜) 
クロマルハナバチ♀が次に訪花しそうな花を予想して待ち構えていると、2匹の個体が入れ替わるように訪花していました。 
花の中で2匹が争った形跡もありません。 
マルハナバチが採餌した直後の花には花蜜も花粉も取り尽くされている(少なくとも減っている)はずですから、とても不思議に思いました。 

カボチャの花筒の中がよく見えるアングルで2匹のクロマルハナバチ♀が同時に潜り込んで採餌するシーンも撮れました。 
やはり喧嘩(蜜源の占有行動)をしないで仲良く採餌していました。 
協力して同じ花から採餌しているのは、おそらく同じコロニー出身の仲間なのでしょう。 
後から来ても花蜜や花粉はあまり残っていないはずなのに、割り込んでくるのは採餌経験の浅い個体なのかな? 
カボチャの花に花蜜や花粉が豊富に含まれる場合には、このように協力して採餌する、と推測できます。 


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2024/08/08

沢の岸で水を飲むキイロスズメバチ♀

 

2023年9月中旬・午後13:50頃・晴れ 

里山の斜面を下ってきた沢が川に合流する手前の地点でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が吸水していました。 
渓流の岸に堆積した湿った砂礫の上で口吻を伸ばして水を飲みながら、半開きの翅を細かく震わせています。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


関連記事(4、8、9、14、15年前の撮影)▶  


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2024/07/31

日光浴していたモンスズメバチ♂が準備運動して飛び去るまで【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月下旬・午後13:35頃・晴れ 

低山の尾根道でモンスズメバチVespa crabro)の雄蜂♂を見つけました。 
ミズナラ稚樹の葉に乗って日光浴していました。 
背中に秋の陽射しを浴びながら、せかせかと腹式呼吸しています。 

長い触角の先端がカールしているので雄蜂♂と分かります。 
(触角が13節で腹部の体節が7節あることからも、確実に雄蜂♂と分かります。) 

隣に落ちていたホオノキの枯葉の表面を舐めている(ミネラル摂取?)のかと初めは不思議に思ったのですが、真横から撮ると口吻は動いていませんでした。 
私が少し近づいても、モンスズメバチ♂は方向転換しただけで逃げませんでした。 
顔を正面から見えるようになったのですが、やはりホオノキの落ち葉を舐めてはいませんでした。 
しばらくすると、モンスズメバチ♂はミズナラの葉から隣接するホオノキの落ち葉に伝い歩きで移動しました。 
このとき大顎を少し開閉したものの、口吻の伸縮は見えませんでした。 

飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画に切り替えました。(@1:48〜) 
動画を撮りながら私が左足を伸ばして蹴る素振りをしたら、モンスズメバチ♂は準備運動を始めました。 
翅を立てて飛翔筋を震わせ、しばらく小刻みに羽ばたいてから、ようやく飛び去りました。 
日光浴して体温が充分に上がったはずなのに、飛ぶ前に準備運動が必要とは意外でした。
気温を測るべきでしたね。
体感では全然寒くありませんでした。


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2024/07/19

チャイロスズメバチ♀が林道で探餌飛翔

 

2023年9月下旬・午後13:35頃・くもり 

山林を登る砂利が敷かれた林道でチャイロスズメバチVespa dybowskii)のワーカー♀が飛び回っていました。 
草が疎らに生えた道端を低空で飛び回り、獲物を探索しているようです。 
ホバリング(停空飛翔)のようにゆっくり飛ぶので、なんとか流し撮りすることができました。 

耳を澄ますと、チャイロスズメバチ♀が羽ばたく羽音がかすかに聞こえます。 
チャイロスズメバチの羽音は、オオスズメバチやクマバチのような重低音ではなく、音程が高くて本当にハエのようです。 
おそらくチャイロスズメバチの羽ばたきは他の蜂よりも速いはずですが、ハイスピード動画で撮って比べれば違いが分かるはずです。
慣れてくると、この特徴的な羽音を聞いただけで、チャイロスズメバチが近くを飛んでいることが予想できます。 

※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


チャイロスズメバチ♀の探餌飛翔を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:05〜) 
いつか狩りの決定的瞬間を撮るには、探餌飛翔を愚直に撮り続るしかありません。 

関連記事(5年前の撮影)▶ チャイロスズメバチ♀の探餌飛翔

2024/07/15

サラシナショウマの花で獲物を探すキイロスズメバチ♀

 

2023年10月上旬・午後13:40頃・くもり 

低山の峠道の法面に咲いたサラシナショウマキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

吸蜜するかと期待したものの、サラシナショウマの白い花穂にしっかり着陸しないで、その手前でホバリング(停空飛翔)しただけでした。 
獲物を探索しているようです。 
キイロスズメバチ♀の探餌飛翔を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2024/07/11

ヤマハッカの花で採餌するクロマルハナバチ♀

 

2023年9月下旬・午前11:50頃・晴れ 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道に沿って咲いたヤマハッカの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が忙しなく訪花していました。 
小さな唇形花に正当訪花して吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

近縁種のオオマルハナバチは山地性でクロマルハナバチは平地性と2種間で標高による棲み分けがあると言われていて、確かに私もその傾向は正しいという印象を受けています。 
しかし例外があって、平地でオオマルハナバチを見かけることもあれば、逆に今回のように山地(標高約450m地点)でクロマルハナバチを見かけることもあります。 
定量的にしっかり調べたわけではありませんけど、個人的にはフィールドでオオマルハナバチの生息数が減っている印象があります。
温暖化の影響なのかと疑っていますが、種間競争でオオマルハナバチがクロマルハナバチに負ける理由が何か別にあるのでしょうか?
生物多様性が失われて、ほとんどクロマルハナバチしか見られなくなるとしたら、深刻な問題です。


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