2025/08/03

山中の湿地で夕方にミミズを捕食するクロツグミ♂【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
湧き水や雨水が溜まった水溜りを野生動物や野鳥が来て水場として利用しているので、2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

クロツグミ♂(Turdus cardis)の登場シーンを以下にまとめます。 
雛に給餌する育雛期は終わりつつあるのでしょうか。


シーン1:6/21・午後18:26・(@0:07〜)日の入り時刻は午後19:08。 

夕方の湿地で真っ黒なクロツグミ♂が水溜りSの中洲に来ていました。 
振り返ると白い腹面が見えます。 
岸辺の泥濘を嘴でつついて回り、細長いミミズ?を捕食しました。 
その場で食べたかどうか不明です。 
最後は右に飛び去りました。 


シーン2:6/22・午後19:00・(@1:02〜)日の入り時刻は午後19:08。 
翌日の夕方にもクロツグミ♂が登場しました。 
黒い鳥ですが、嘴は白っぽく見えます。 
水溜まりの泥濘をホッピングで徘徊し、餌を探しています。 

現場は山中にあるので、公式の日の入り時刻よりもだいぶ早く太陽が山の陰に沈み暗くなります。 

最近は雨がほとんど降らないので、水溜まりの水量が少なく、干上がりつつあります。 


シーン3:6/23・午後18:57・小雨(@1:13〜)日の入り時刻は午後19:08。 
翌日にも、ほぼ同じ時間帯にクロツグミ♂が採餌に来ました。 
このように薄暗い時間帯に活動する性質を、夜行性とか昼行性に対して薄明薄暮性と言います。

水溜りSの対岸から中洲にピョンと飛び移ると、泥濘を数回啄んでから、対岸に戻りました。 
ホッピングで右に移動し、泥濘をつついています。 
湿地の草むらを経由して、右奥の水溜まりへ移動したのに、なぜか別アングルの監視カメラが起動しなかったのが残念です。 
最後は左に飛び去りました。 

小雨がぱらついています。
待望の雨が降り、水溜りの水量がだいぶ回復しました。 


奥の草むらでの採餌行動は、5倍速の早回し映像で見る方が分かりやすいかもしれません。(@2:06〜) 




※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/08/02

引っ越し翌日の深夜に雨が降り出したセットで暮らすニホンアナグマ家族【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬・午前0:06〜3:35 

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子群が平地の二次林にある旧営巣地(セット)にある晩引っ越してきてから、日付が変わっても幼獣たちの興奮は冷めませんでした。 
本来アナグマは夜行性なので、特に夜ふかしをしている訳ではないのですが、2つの巣穴R、Lの中を調べたり、営巣地周辺を探索したり、兄弟姉妹で取っ組み合いをして遊んだりしています。 

母親♀は4匹の幼獣を1匹ずつ掴まえると毛繕いしてやっています。 
ときどき母親は営巣地を離れて独りで採食や巣材集めに出かけるようですが、幼獣たちはおとなしく巣穴周辺で留守番しています。 

午前2:47ぐらいから小雨が降り出しましたが、アナグマの家族は平気で巣外で活動しています。 


※ ときどき幼獣が吠える鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

白藤の花で休むクマバチ♂を手に乗せてみる

 

2024年5月上旬・午後16:45頃・晴れ 

某お屋敷のブロック塀からシロバナヤマフジ(シラフジ、白藤)の花穂が垂れ下がっていました。 
季節の風物詩として、キムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の訪花シーンを撮ろうとしたのですが、白い蝶形花にしがみついたまま動きません。 

関連記事(8年前の撮影)▶ 白藤の花蜜を吸うクマバチ♂ 


複眼が大きく発達し、頭楯が白いことから、クマバチの性別は雄蜂♂と分かります。 
ハチ(有剣類)の毒針は♀の産卵管が変形したものですから、毒針をもたない雄蜂♂を素手で触れても刺される心配がなく、全く安全です。 

もしや死んでいるのかと思って指先で軽く触れてみたら、ようやく緩慢に動き始めました。 
クマバチの雄蜂♂は日中はひたすら停空飛翔(ホバリング)で縄張りを張り、交尾相手の♀を待ち構えています。 
そのため、夕方にはもう疲れ切って寝ていた(休んでいた)のでしょう。 

 私が指を差し出すと、クマバチ♂は弱々しく羽ばたきながら、しがみついてきました。 
そのまま手乗りさせると、おとなしく静止してくれたので、じっくり観察できました。 
ハナバチ類の雄蜂♂は訪花しても採餌しません(花蜜や花粉を巣に持ち帰らない)から、後脚に花粉籠はありません。 
しかし、よく見ると、前脚に黄色っぽい毛が密生していますね。 
何か特別な役割があるのでしょうか? 
例えば、交尾の際に♀をしっかり抱きかかえるため? 

最後に、クマバチ♂は重低音の羽音を響かせて、私の手から飛び去りました。 
近くでは別個体のクマバチがブンブンと羽音♪を立てながら白藤に忙しなく訪花していました。 


関連記事(8年前の撮影)▶ クマバチ♂は手に乗せても刺さない

2025/08/01

山中の湿地帯を夜にうろつく夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/28・午後12:39・くもり(@0:00〜) 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン2:6/28・午後19:21(@0:04〜) 
晩に夏毛のホンドテンMartes melampus melampus)がやって来ました。 
尻尾の先端が白く足先が黒いのでキツネかと思いきや、全身像が写るとその正体はテンでした。 
夜の湿地帯をうろついて、おそらくヤチネズミやカエルなどの獲物を探しているのでしょう。 


関連記事(同所の撮影)▶  


ホンドテンが右奥の泥水溜りに向かうと、別アングルで設置したもう一台の監視カメラの赤外線LEDが点灯したのですが、何も写っていませんでした。 

結局、テンは水溜りの水を飲んだり浴びたりすることはありませんでした。


つづく→

池畔のマユミとハルニレの枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#4】

 



2024年6月中旬〜下旬 

山形県内はまだ梅雨入りしていません。 
降雨量が少なく、かつてないほど深刻な水不足です。 
山中にあるモリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池はどんどん縮小し、干上がりつつあります。 

タイムラプス専用カメラを使い、午前5:30〜午後18:00のタイマー設定で1分間隔のインターバル撮影を行いました。 
丸一週間分(7日間)の記録です(6/14〜6/21)。 

8GBのSDカードのうち、40%しか使われていませんでした。 
普段はトレイルカメラで動画撮影している私にとって、インターバル撮影でも昼間の静止画では電池がほとんど消費しないことに驚きます。 

池畔に自生するマユミ灌木の水面に張り出した枝にモリアオガエル♀♂がときどき集まってきます。
集団抱接および産卵のシーンが新たに記録されていました。 
画面左の手前に自生するハルニレの灌木でも産卵するようになりました。(@5:00〜) 
抱接しながら分泌液を後脚で泡立てて白い泡巣を作り、その中に産卵、放精するのです。


つづく→

2025/07/31

仰向けで毛繕いするニホンアナグマ♀:母親【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬・午後15:06・小雨・気温21℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)幼獣たちは巣内で疲れて寝ているようです。 
母親♀が独りで巣口Rの横に座り込んでいました。 
林床で仰向けになると、毛繕いを始めました。 
ときどき体の痒い部分をボリボリ掻いています。 

最後は奥の林内へノソノソと歩き去りました。 


水浴びの好きなフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼下がりにたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の水浴シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/18・午後22:12(@0:04〜) 
ある晩に、画面左端にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰で、水場に降り立ったフクロウが羽ばたきました。 
しばらくすると、中洲にピョンと飛び移り、監視カメラをにらみつけました。 
再び左(死角)の水溜まりにピョンと入水し、行水を始めたようです。 


シーン2:6/20・午後19:54(@0:37〜) 
2日後の晩にもフクロウが水溜りの対岸に来ていました。 
周囲を見回して警戒しています。 
ときどきコウモリが飛来します。 

奥の水溜まりにピョンと入水すると、足を浸しました。 
その場でグルグル回りながら足踏みしているのは、泥底を深く掘り返しているのではないかと私は想像しています。 
水浴前にそんなことをしたら、底の泥が巻き上がって水が濁ってしまうはずですが、フクロウは気にしないようです(仕方がない?)。 

やがてフクロウは泥水で洗顔を始めました。 
水溜りに身を沈めたフクロウが周囲を見回したところで、90秒間の録画が終わってしまいました。 


シーン3:6/20・午後19:59(@2:08〜) 
左(死角)の水溜まりでフクロウが水浴していました。 
足踏みしながら顔を水面につけて素早く左右に振り、洗っています。 
我々ヒトと違って両手を使えない鳥の洗顔は、汚れを落とすのが大変そうです。 


シーン4:6/20・午後20:04(@2:56〜) 
いつの間にか対岸に上陸していたフクロウが監視カメラに背を向けていました。 
その場で軽く身震いしてから、奥に飛び去りました。 
他の種類の鳥と違ってフクロウでは水浴後の羽繕いを撮れたことがないのですが、水場ではなく、どこか安全な止まり木に移動してからやるのでしょうか。 


シーン5:6/20・午後21:02(@3:06〜) 
水溜りの中洲にフクロウが着地していました。 
羽毛がボサボサなのが気になります。
一部の羽根が擦り切れているように見えます。 
換羽期なのか、それともまさか幼鳥ですかね? 
フクロウ観察歴の浅い私にはよく分かりません。 

左にピョンと跳んで死角の水溜まりに入りました。 
水浴を済ませたフクロウが右にピョンと跳んで中洲に戻ってきました。 
軽く身震いしてから、右上へ音もなく飛び去りました。 


シーン6:6/20・午後21:14(@3:59〜) 
奥に設置した別の監視カメラの赤外線LEDが眩しく点灯しています。 
中洲の左端に来ていたフクロウの後ろ姿が写っています。 

やがて警戒を解くと、左の水溜まりに入水し、死角に消えました。 
水浴後に中洲にピョンと戻ってきたフクロウは身震いして周囲を見回してから、右上へ飛び立ちました。 


シーン7:6/20・午後21:34(@4:46〜) 
左の画角外の水溜まりで、フクロウが水浴びをしていました。 
珍しく歩いて中洲に上陸すると、身震いしてから奥に飛び去りました。 


シーン8:6/20・午後21:54(@5:37〜) 
フクロウが、中洲の左に着陸していました。 
周囲を見回して警戒してから、左の死角の水溜まりにピョンと入水。 


シーン9:6/20・午後21:56(@5:57〜)
行水を終えてさっぱりしたフクロウが、左の死角からピョンと跳んで中洲に上陸。 
周囲を警戒してから、再び左の死角の水溜まりに入りました。 


シーン10:6/20・午後22:05(@6:53〜)
中洲に降り立っていたフクロウが、周囲を見回してから左へピョンと2回跳んで入水すると、死角で行水を始めました。 
中洲にピョンと上陸すると、身震いして飛び立つ寸前に録画が終わってしまいました。 

どこか遠くでヨタカ♂(Caprimulgus indicus jotaka)がずっと鳴いていた♪のですが、YouTubeにアップロードした動画では再エンコードのせいか聞き取れないかもしれません。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン11:6/20・午後22:17(@7:50〜)
再び中洲の左端に来ていたフクロウが、左の水溜まりにピョンと跳んで入水すると、チャプン♪と水音が聞こえます。 
死角で水浴を終えたフクロウは、再び中洲にぴょんと跳んで上陸。 
顔を素早く振って水気を切ると、水溜りの対岸に飛んで移動しました。 
飛び去る瞬間まで見届けられずに、録画終了。


※ 水音や羽ばたきなどが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】
フクロウの個体識別ができていないのですけど、同一個体が通っているとすると、一晩でかなり頻繁に水浴していることになります。
きれい好きのフクロウは、「風呂キャンセル界隈」とは無縁のようです。
狩りをする度に汚れを落としに来るのでしょうか?


つづく→

2025/07/30

子連れのニホンカモシカ♀が雨の日に山中の湿地帯を迂回し、灌木に眼下腺でマーキング【トレイルカメラ】

 



2024年6月下旬 

シーン1:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
山中で湧き水が滲み出す湿地帯を自動で見張っています。 


シーン2:6/23・午後6:57・雨天(@0:04〜) 
雨がしっかり降り続く朝にニホンカモシカCapricornis crispus)の母子が左奥のスギ植林地から湿地帯に現れました。 

幼獣が手前で立ち止まって頭を下げ、下生えを採食しているようです。 
水を飲みたいのなら、水溜りまで来るはずです。 

母親♀は湿地帯には立ち寄らず、迂回するように灌木の間の獣道を通って奥へ向かいます。 
置いていかれそうになった幼獣は、慌てて母親の後を走って追いかけます。 

灌木の葉裏に眼下腺を擦りつけてマーキングしていた母親に幼獣が追いつきました。 
母親♀が先行し、幼獣が元気に走って追いかけます。 
ニホンカモシカ♀の縄張り宣言行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:42〜)。 
後に現場検証しても、カモシカ♀が眼下腺分泌物で匂い付けした灌木の樹種は分かりませんでした。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

ジムグリが死んでいた!

 

2024年6月下旬・午後13:30頃・くもり 

私が里山の林道を登っていると、三叉路に近い地点のわだちジムグリ(Elaphe conspicillata)が横たわっていました。 
周囲はスギと雑木の混交林だったと記憶しています。
ジムグリの背面は地味な焦げ茶色で、スギなどの落葉落枝が散乱する地面に対して保護色になっています。 
体が波打ったり途中でぐるっと巻いていたりと、複雑な体勢のまま静止しています。 
私が恐る恐る小枝でつついても動かず、死んでいました。 
素人目には死骸に目立った外傷はなく、死因が不明です。 
死骸を好むハエやシデムシなどが未だほとんど集まって来ていないということは、新鮮な死骸のようです。 

15cm定規を死骸の横に並べて置いて採寸しました。 
横着せずに死骸をまっすぐ伸ばした状態で、巻き尺で体長を採寸すべきでしたね。 
その定規でヘビに触れても持ち上げても無反応でした。 
やはりジムグリは死んでいるようです。 
死後硬直はなく、持ち上げるとぐったりしていました。
(ジムグリは)危険を感じると総排出口から独特の青臭い臭いを出す[4]。(wikipediaより引用)
らしいのですが、私の鼻では無臭でした。 

苦労して死骸をひっくり返すと、腹面にも外傷は認められませんでした。 
腹面の鱗にはジムグリに特有の赤と黒の市松模様がありました。 
よく観察すると、市松模様があるのは腹板だけで、総排泄孔から下の尾下板にはありませんでした。 
派手な市松模様は捕食者に対する警告色として進化したのでしょうか? 
しかしジムグリは毒を持ちませんし、絶体絶命の際にわざわざ腹面を無防備に見せるのか疑問です。 
体軸に沿ってパンした接写映像から腹板を丹念に数えられそうだったのに、とぐろを巻いている部分の腹板が隠れているのが残念です。 
やはり真っ直ぐに伸ばした状態で撮影すべきでしたね。 
このとき私は手袋を持ってきておらず、素手で死骸に触れたくなかったのです。
(ジムグリの)腹板は雄が200-219枚、雌は206-227枚[6]。尾下板、雄に63-76枚、雌が59-72枚[6]。 (wikipediaより引用)

ヘビの中には、危険が迫ると擬死行動(死んだふり)をする種類がいます。 
ジムグリも擬死するかどうか気になり、Perplexity AIに問い合わせたのですが、擬死するという自信たっぷりの回答には裏付けがありませんでした。 
同じ質問を各社AI(gemini, perplexity, ChatGPT)に投げかけて回答を比較したところ、どれもなぜか頑固なハルシネーションを示しました。 


関連記事(8年前の撮影)▶ ジムグリの幼蛇を見つけた! 

私にとってジムグリは幻のヘビで、なかなか見つけられません。 
今回は珍しく新鮮な死骸だったので、解剖したり骨格標本を作ったりと有効活用できそうです。 
しかしこの時期私は他のプロジェクトが忙しすぎて余裕がなく、死骸を持ち帰りませんでした。 
(死骸専用の大型冷凍庫があれば、長期保存ができるのですけど…。)
後で思ったのですが、タヌキなどスカベンジャーが通る獣道にヘビの死骸を置き直して、屍肉を食べたり持ち去ったりするかどうかトレイルカメラで監視するのも面白そうです。 
それなら最初にセッティングだけすれば、後は無人カメラが自動で記録してくれるので、「果報は寝て待て」というお手軽な自由研究です。

2025/07/29

営巣地に転入直後に巣材を集めて運び込むニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台の自動撮影カメラを設置して、定点監視しています。 

シーン1:6/22・午後22:50(@0:07〜) 
4匹の幼獣を引き連れて母親♀(右目<左目)が引っ越してきた直後です。 
1頭の幼獣が巣穴Rから外に出てくると、右へ駆け出しました。 

しばらくすると、母親♀が右から巣材を運びながら後ろ向きでセットに戻ってきました。 
どうやら転入直後に新鮮な巣材(寝床)が必要となり、早速集めてきたようです。 
林床の落ち葉を掻き集めながら、後ろ向きで帰巣Rしました。 
落枝を両手で持って効率よく(手際よく)落ち葉掻きしていたのは、果たして偶然でしょうか? 

その様子を付き添って見ていた幼獣も続けて入巣R。 


シーン2:6/22・午後22:54(@0:51〜)
広場の林縁近くに座って体を掻いていた母親♀の元に幼獣が歩み寄ると、幼獣に対他毛繕いしてやりました。 
母親♀は、別個体の幼獣bとすれ違いながら巣穴Rに入りました。 
幼獣2頭が巣外で取っ組み合いの遊びを始めました。 
その間、右上の林縁で別個体の幼獣が単独で採食しています。 

やがて、母親♀が巣内から顔を出すと、巣口Rに溜まっていた落ち葉を中に掻き入れました。(@1:35〜) 


シーン3:6/24・午前11:12:・くもり・気温24℃(@1:51〜) 
2日後の昼前にも巣材集めの行動が撮れていました。 
自然光下では、幼獣の毛皮は白っぽくクリーム色に見えます。 
その一方、成獣(母親♀)の毛皮は焦げ茶色です。 

巣口Lから母親♀が獣道を右上奥へ歩き出すと、1匹の幼獣がその後をついて行きます。 
母親♀が珍しく奥のヒメアオキ群落に分け入ると、落ち葉を掻き集め始めました。 

その間に3頭の幼獣は、帰巣Lしました。 


シーン4:6/24・午前11:14:・くもり(@1:51〜) 
続きが白黒映像に切り替わっていました。 
初夏の二次林は、林冠に葉が生い茂って昼間も日照が乏しいので、トレイルカメラが間違えてモノクロの暗視モードで起動してしまうことがあるのです。 

母親♀は後ろ向きで入巣Lしながら、前足で掻き集めた大量の落ち葉を搬入しています。 


シーン5:6/24・午前11:17:・くもり(@1:51〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フルカラーに戻っていました。 
(薄明薄暮で周囲環境の照度が閾値だと、白黒→フルカラー→白黒→…と交互に切り替わります。)

巣口Lにこぼれ落ちていた巣材の残りを、母親♀が巣内に掻き入れています。 
搬入した巣材には、枯れた落ち葉だけでなく、ヒメアオキの青々とした葉も含まれていました。 
もしかすると、常緑樹の葉には清々しいアロマ効果や防虫効果があるのかもしれません。 

再び母親♀が巣口Lに顔だけ出し、巣口Lに残っていたヒメアオキの枝葉を咥えて中に引き込みました。 


シーン5:6/24・午前11:21:・晴れ(@3:21〜) 
母親♀が巣穴Lから左外に出て次の巣材を集めに行くシーンは撮り損ねたようです。 
左から後ろ向きで巣穴Lに戻ってくると、掻き集めた新しい巣材を搬入しました。 
今回の巣材には広葉樹の緑の生葉が含まれていました。(マルバゴマギかな?) 
細長い落枝も構わず一緒に運び込んでいます。 

その間、幼獣たちは巣材搬入作業の邪魔にならないように、巣内に留まっていました。 


※ アナグマの鳴き声や巣材集めの物音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その1)イモムシの捕獲

2024年6月中旬 

野生動物や野鳥を隠し撮りするために、フィールドにトレイルカメラを設置すると、夜行性のザトウムシに悩まされます。 
なぜかトレイルカメラのレンズの上に被さるように居座り、極細の歩脚が目的の被写体を遮ってしまうのです。(お邪魔虫) 
常夜灯なら走光性で誘引される昆虫を待ち伏せして捕食するクモを見かけるので理解できるのですが、トレイルカメラは赤外線LEDがときどき点灯するだけなので、何がザトウムシの目的なのかさっぱり分かりません。 
ほんのり発熱するトレイルカメラが心地よいのでしょうか。 

関連記事(代表的な事例)▶  


ザトウムシに恨みはありませんが(むしろ私は好きな虫です)、なんとかトレイルカメラに近寄らせない方法はないか、ずっと思案してきました。 
殺虫剤や防虫スプレー(虫除け、忌避剤)を噴霧する方法はやりたくありません。 
長期間効果が持続するほど毒性の強い薬剤をフィールドに大量散布したら生態系を破壊することになりますし、なにより嗅覚の鋭い哺乳類(野生動物)が異臭を嫌って寄り付かなくなってしまうことが予想されるからです。 

害虫(害獣)駆除でよく使われる粘着トラップを設置することをようやく思いつきました。 
ニホンアナグマの営巣地(セット)がある平地の二次林で試してみましょう。 
トレイルカメラを挟んで幹の上下にガムテープを巻くだけの簡単な対策です。 
ただし、ガムテープの粘着面を上にしておくのがポイントです。 
極細の足で幹を伝い歩いてザトウムシがトレイルカメラに近づこうとすると、ガムテープの粘着面に足がくっついて動けなくなる、という作戦です。 
ガムテープは紙製ではなく、少し値段が高くても布製のタイプを選びます。 
ガムテープは茶色系なので、木の幹に巻きつけても、林内ではあまり目立ちません。 
私はトレイルカメラを立木の幹にベルトで固定することが多いのですが、ザトウムシは幹を下から登ってくるのか、それとも樹上から降りてくるのか、予想がつきません。 
そこで、カメラの上と下の両方に粘着トラップを設置してみます。
ガムテープには特有の異臭が多少はあるのかもしれませんが、防虫スプレーよりは遥かにマシでしょう。 
何週間も野外に放置すれば、ガムテープの異臭も自然に抜けるはずです。

2024年6月下旬 

15日後に再び現場入りして、トレイルカメラを保守点検しました。
撮れた動画を確認すると、この虫よけが奏功したのか、ザトウムシの邪魔な映り込みが全くなくなりました。 

風雨に晒されてガムテープの粘着性が低下していましたが、張り替えずにこのまま続行します。 
微小なアリ(種名不詳)がガムテープの粘着面を歩いて横切り木に登るのを目撃したのですけど、証拠映像を撮るのが間に合いませんでした。 

2台設置したトレイルカメラのうち、1本の立木で粘着トラップに囚われていたのは、想定したザトウムシではなく、蛾の幼虫(イモムシ、芋虫)でした。 
トレイルカメラの下ではなく上に巻いた粘着テープに2匹のカラフルな尺取り虫が付着したまま死んでいました。 
つまり、幼虫は幹の上から降りてきたことになります。 
木の葉を食べて育った幼虫が、地中で蛹化する生活史なのでしょうか?(調べていません) 
1匹の幼虫は死ぬ前に、茶色くて濃い消化液を口から吐き戻していました(自衛のため?)。

撮れた写真からGoogleレンズで画像認識させると、ヒメマダラエダシャクAbraxas niphonibia)の幼虫らしい。 
幼虫の食餌植物はニシキギ科らしく、確かにツルウメモドキの蔓が林内の立木によく巻き付いています。 
この時期にAbraxas属の成虫(マダラエダシャクの仲間)を林内でたまに見かけます。 

巻き添えの被害にあって死んだ芋虫には申し訳ないのですが、生態系への悪影響は少なそうなので、この粘着トラップ作戦をしばらく続けてみます。 

粘着トラップに捉えられて動けなくなった虫を野鳥が次々に捕食しているかもしれない(証拠隠滅)ので、捕獲数をかなり過小評価しているかもしれません。


つづく→

砂利道で休み、準備運動後に飛び立つクジャクチョウ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年6月下旬・午後13:55頃・くもり 

里山の砂利が敷かれた林道で、美しいクジャクチョウInachis io geisha)と出会いました。 
翅を全開に広げて砂利道に静止していますが、曇天で日差しがないので、体温を上げるための日光浴ではなさそうです。 

翅に破損がない、きれいな個体でした。 
さすがに越冬明けの個体ではなく、羽化直後の個体と思われます。 
寒冷地では年一化なのだそうです。 

腹部をかすかに上下動させています。 
途中から翅をピクピクと動かし始めたのは、飛び立つ前の準備運動なのでしょうか? 
やがてクジャクチョウは翅を閉じて、小刻みに翅を震わせています。 
赤く美しい翅表が見えなくなり、黒い地味な翅裏を見せてくれました。 
タテハチョウ科なので、昆虫なのに脚は4本しか見えません。(前脚が退化している) 

準備運動で体温が十分に上がったのか、素早く飛び去りました。 
温度計を持ってこなかったので、このときの気温は不明です。 
私の体感では、別に肌寒い日ではありませんでした。 
大型の蛾ならともかく、気温の高い初夏に飛翔前の準備運動が必要とは知りませんでした。 
クジャクチョウは北方系の蝶なので、気温の低い山地でも活動できるように適応しているのでしょう。 

クジャクチョウは飛び立っても、砂利道の林道を少し往復しただけで、ほぼ同じ地点に着陸する印象でした。 
縄張りを張っているのでしょうか?(占有行動)
クジャクチョウの成虫は外見に性差が乏しく、フィールドで単独個体の性別を見分けるのは至難の技なのだそうです。

少し飛んだだけで、砂利道の少し離れた地点に留まり直しました。 
今度は斜め前方から撮れたのですが、クジャクチョウはゼンマイ状の口吻を縮めたままでした。 
小石を舐めてミネラル摂取している訳ではありません。 

クジャクチョウが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:02〜) 
閉じた翅を小刻みに震わせていたのですが(準備運動?)、警戒を解いたのか、翅を全開に戻しました。 
急に力強く羽ばたいて、飛び立ちました。 


※ 説明のために、撮れた映像素材の順番を入れ替えました。 
本来なら、冒頭のただ翅を広げて静止しているだけの退屈なシーンは編集でコンパクトにカットすべきなのは分かっています。 
久しぶりに出会えた憧れのクジャクチョウが息を呑むほど美しく、見とれてしまったので、あえてノーカットでお届けします。 

もう細かいことは覚えていないのですが、「林道を下山中に複数個体を撮影」と野帳には書き残してあります。



2025/07/28

アナグマの営巣地を深夜うろつくニホンイノシシの母子:疥癬個体?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台のトレイルカメラを設置して、定点監視しています。


シーン1:6/23・午後23:41・気温24℃(@0:00〜) 
アナグマの家族(母親♀と4頭の幼獣)が引っ越してきた翌日の深夜に、なんとニホンイノシシSus scrofa leucomystax)がセットに登場しました。 


この地点(平地に点在する二次林)でイノシシが写ったのは初めてなので、驚きました。 
山から降りてきたのでしょうか。 
林床で餌を探し歩く際に落ち葉の匂いを嗅ぎ回る鼻息♪が聞こえます。 

この個体は、体毛が背中にしか残っておらず、背中に黒いたてがみが密生しています。 
夏毛に生え変わっている途中なのかと私は最初思ったのですが、イノシシは他の動物と違って、季節の変わり目に明瞭な換毛が起こることはないのだそうです。 
そして、体表の側面にシミのような斑点があります。 
赤外線による暗視映像ではよくわからないのですが、疥癬など抜け毛が激しい皮膚病の個体かもしれません。 
昼間の自然光下で症状をじっくり見たかったです。 





左の暗闇から大型の別個体がやって来て合流しました。(@0:23〜) 
おそらく母親♀と思われる大型個体には、体中に黒い毛が疎らに?生えています。 
小さい方のイノシシ(疥癬感染個体)は幼獣らしいと分かりましたが、脱毛のせいか体表にウリ(瓜)のような縦縞模様はありませんでした。 


そのイノシシ幼獣が、咳のようなクシャミのような音を発しました。(@0:29〜) 
アナグマ家族の濃厚な残り香が気になって、地面を嗅ぎ回っているだけかもしれません。 



シーン2:6/23・午後23:41・気温27℃(@0:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも、イノシシ母子の登場シーンが撮れていました。 

イノシシの親子(母子)が林床の匂いを嗅ぎ回っているときに、幼獣がクシャミ♪をしました。(@1:16〜) 
何か土埃でも吸ってしまったのでしょうか。 

獣道を通って右へ行く途中で、幼獣がアナグマの巣口Lを発見して立ち止まりました。 
しかし、あまり近寄ろうとしません。 
実はこのとき、アナグマの家族は巣穴Lの奥に立て籠もっていたのですが(映像公開予定)、巨大な侵入者を撃退することはありませんでした。 
もしイノシシとアナグマが暗闇で対決したらどうなるのか、興味があります。 


シーン3:6/23・午後23:42(@2:07〜) 
ニホンイノシシの母子がアナグマのセットから立ち去った後も、右の死角から物音が続いています。 
イノシシの鼻息♪やパキッ♪と落枝を踏む音が聞こえました。 

画面右下に転がっている落枝が動いたと思ったら、イノシシの幼獣が戻ってきました。 
地表を鼻面で嗅ぎ回って餌を探しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
 イノシシ幼獣の皮膚病が疥癬だとしたら、その原因である寄生虫ヒゼンダニSarcoptes scabiei)がアナグマにも伝染するのではないかと心配です。 
採餌中に繰り返しているクシャミも土埃などを吸ってしまっただけなら良いのですが、何か病気の症状の一つだとしたら心配です。

近年報告例が増えているイノシシの感染症として、疥癬症がある。これはヒゼンダニが皮膚に寄生する皮膚病で、強いかゆみが起こり、皮膚がかさかさになる。感染した個体は体を擦り付けるので脱毛し、ひどい場合は全身がただれてしまう。症状が進んだときには、食欲が減退し、衰弱して死に至ることがある。イノシシの疥癬症は、飼育個体で発症が認められていたが、最近は中国・九州地方の野生個体にも認められており、更に広がりつつある。 (環境省のPDF資料より引用)



つづく→

山中の水溜りで水浴し、ホオノキの幹をつついて獲物を探すコゲラ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月下旬 

シーン1:6/28・午後13:14・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
山林に湧き水が滲み出した湿地帯があり、野鳥や野生動物の水場となっている水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 


シーン2:6/28・午後14:41・晴れ・気温29℃(@0:04〜) 
雨が降らないので、翌日には水が少し減っていました。
コゲラDendrocopos kizuki)が水溜りに来ていて、かなり浅いのに水浴を始めました。 
左側の深くて白く濁っている泥水には入らず、上澄みが透明な浅い水場を選んでいます。 
なかなか水浴しないので、警戒しているのかと思いましたが、ついでに岸の泥濘で虫を捕食しているようにも見えます。 
短い行水を済ませた後は、右下手前に飛び去りました。 

しばらくすると、キツツキが鋭い嘴で木をコツコツ♪叩く音が録音されていました。(@0:43〜) 
縄張り宣言する速いドラミング音♪とは違い、遠慮がちに叩いています。 
この監視カメラはホオノキ高木の幹に固定してあるのですが、おそらく水浴後のコゲラが木登りしながらあちこちつついて、打音検査のように材内の空洞を探しているのでしょう。 
木に穿孔している虫を捕食するのが目的です。 
トレイルカメラの本体を直接つつかれずに済んで良かったです。 
最後に樹上から飛び去る羽音が聞こえました。 

水浴シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:53〜)。 


※ 水浴時の水音や打音検査♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2025/07/27

ニホンアナグマ♀が今季産まれた幼獣4頭を引き連れて旧営巣地に引っ越してきた!【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年6月下旬 

平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を自動撮影カメラでしつこく監視してきたのは、越冬中に死んだ個体の次に誰か別の個体が引っ越してくるはずだと信じていたからです(願望)。 
今季はこの巣穴で出産、育児するアナグマ♀は居ませんでしたが、遂に執念が実りました。 


シーン1:6/22・午後22:48・気温22℃(@0:00〜) 
アナグマの幼獣3頭が巣口R付近で元気にはしゃぎ回っていました。 
初めての環境で興奮しているようです。 

すぐに母親♀が巣穴Rから外に出てきました。 
腹面に乳首があり、首筋(背中)には交尾痕があるので、成獣♀と分かります。 

この母親♀右目<左目は、今季も無事に別の巣穴で出産育児に成功していたことになります。 
幼獣が離乳し長距離を出歩けるようになったのを見計らって、旧営巣地に転入してきたのでしょう。 

母親は幼獣たちを巣内Rに招き入れました。 
しばらく母親♀が巣口Rの外に出てきて辺りを警戒しています。 
背後から幼獣1頭がついてきました。 

この時点(シーン1)では幼獣が3頭しか写っていません。 


シーン2:6/22・午後23:06(@0:48〜) 
右を見つめて警戒していた母親♀が身震いしてから、巣穴Rに戻りました。 


シーン3:6/22・午後23:39(@1:00〜) 
いつの間にか、アナグマの家族(母子)が巣外で散開していました。 
母親♀が連れて歩いている幼獣は3頭ではなく、4頭でした。 

巣口L付近で、母親♀は近くに居た幼獣の尻の辺りを舐めました。(対他毛繕い) 
母親♀は左へ採餌に出かけたのかな? 
幼獣3頭がセットに居残り探索する間、1頭は母親♀について行ったようです。 


シーン4:6/22・午後23:40・気温21℃(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラで続きが写っていました。 
母親♀が画面の右端で採食していると、幼獣たちが興味津々で集まって来ます。 


シーン5:6/22・午後23:45(@3:00〜) 
巣口Lおよびその左で、幼獣3頭が探索したり遊んだりしています。 
1頭の幼獣が立ち止まって痒い体を掻きました。


シーン6:6/22・午後23:46(@4:00〜) 
幼獣2頭が巣口R付近でちょっと格闘遊びをしました。 
幼獣は足元がまだ覚束なくて、その片方が巣口Rに転がり落ちかけました。 
マルバゴマキの細根や落枝に体が引っかかって、なかなか抜け出せません。 

手前の林床で独りひたすら餌を探している個体がいます。 


シーン7:6/22・午後23:47(@5:00〜) 
右エリアで幼獣2頭がうろついています。 
獣道で、ある地点が気になるようで、落ち葉の匂いを嗅いだり、落枝を咥えて引っ張ったりしています。 


シーン8:6/22・午後23:49(@6:00〜) 
幼獣3頭と母親♀が手前からセットに戻ってきて、巣口Rに少しずつ近づきます。 


シーン9:6/22・午後23:51(@7:00〜) 
母親♀右目<左目が巣穴Lに入りかけたものの、なぜか止めて後退りで出てきました。
 (奥には「いざりタヌキ」の白骨死骸が転がっているのではないかと私は推測しています。) 

母親♀は左に移動し、幼獣2頭がセットをうろついています。 


シーン10:6/22・午後23:51(@8:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
幼獣2頭が巣口Rの横で取っ組み合いをして遊んでいます。 

その間、別個体の幼獣がマルバゴマギの根元にある野ネズミの巣穴の匂いを嗅いでいるようです。 

母親♀が幼獣の尻の辺りを舐めてやり(対他毛繕い)、巣穴Rに入りました。 
巣口Rが幼獣で混み合っていたのに、母親♀は幼獣を踏んづけながら入巣R。 
引っ越しで疲れ切った母親♀は巣内Rで寝るようです。

しかし4匹の幼獣はまだ遊び足りないようで、巣外をうろついています。 


シーン11:6/22・午後23:52(@9:00〜)
1匹の幼獣が右下エリアで独り採餌活動しています。 
頑張って地面を掘り返しているようです。 


シーン12:6/22・午後23:55(@10:00〜) 
うろついていた母親♀が右下エリアに座り込み、幼獣に毛繕いをしてやります。 


シーン13:6/22・午後23:55(@10:23〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
広場で格闘遊びしている2頭の幼獣を放っておいて、母親♀が左から右へノソノソと移動します。 
左端に座り込んで、幼獣に対他毛繕い。 

4頭目の幼獣が右から歩いてセットに戻ってきました。 


シーン14:6/22・午後23:57(@11:23〜) 
広場で三つ巴の格闘遊びが繰り広げられています。 
その間、左上エリアでは母親♀が幼獣と相互毛繕いしているようです。 (白い目が光って見えるだけ) 

セットに戻ってきた母親♀が、近くに居た幼獣を次々に掴まえて毛繕いしてやります。 


シーン15:6/22・午後23:59(@12:23〜) 
母子の相互毛繕いを別アングルで。 


シーン16:6/22・午後23:59(@12:57〜) 
母子の相互毛繕いのつづき。 
巣口Rの近くで独りで餌を探し回る幼獣がいます。 

他には、広場の奥でミズキの根元で木登りに挑戦している幼獣個体もいます。
根元の分岐を自力で乗り越えるのが楽しくて仕方がないようです。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
母親♀がカメラ目線になると、赤外線を反射する目のタペータムが左右非対称(右目<左目)の個体でした。 
この形質(特徴)は、前年にここで出産、育児した母親♀と同じです。 
長らく姿を見ていなかったのですが、存命で健在だったことが分かり、安堵しました。 
彼女が産んだ幼獣は全ての個体で目が左右均等なので、少なくとも優性遺伝(顕性遺伝)の異常ではないと言えます。 

母親♀右目<左目は、前年に続いて今季も幼獣4頭を無事に育て上げていたことになります。 
子連れの引っ越しにヘルパー♂は付き添わなかったようです。 

今季の母親♀がこの営巣地で出産したのではないと断言できる理由は、
  •  ♂の求愛および交尾を見ていない。 
  •  ♀の巣材集め行動を見ていない。 
  •  ♀が歩けない幼獣の首筋を咥えて連れ回すのを見ていない。 
  •  巣外での授乳シーンや対他毛繕いを見ていない。 


母親♀は少なくとも2つの巣穴を毎年交互に使い、出産と育児で使い分けているようです。
前年はここで出産し、離乳すると幼獣を連れてどこかに転出しました。 
今季はその逆パターンになります。
同じ巣穴に住み続けると、巣材に寄生虫が湧いてしまうのかもしれません。 

今季はこのまま越冬までアナグマ家族が住み続けてくれるでしょうか?
それまでタヌキの♀♂ペアが頻繁に巣穴を内検していたので、てっきりタヌキが巣穴を乗っ取るかと思いきや、予想外の展開になりました。 
アナグマ家族の転入後は、ニホンカモシカやイエネコなどがセットに近寄らなくなりました。 


早春の雪国で活躍する家庭用の小型除雪機【FHD動画&ハイスピード動画】

 

(北半球の)みなさまに暑中見舞い申し上げます。 
あまりにも暑いので、いつもと趣向を変えて、少しでも涼し気な動画をお届けします。 


2023年3月中旬・午後17:05頃・晴れ 

山麓の農村部で小型のロータリー式除雪機で道端の雪を片付けていました。 
側面にYANMARのロゴが見えます。 
家屋の周囲に積み上げられた雪の山を切り崩しながら遠くに吹き飛ばしているようです。 
おそらく冬に屋根からの雪下ろしで積み上がった雪山を、春になって片付けているのでしょう。 
おまけに車道から大型除雪車が車道から道端に飛ばした雪も一緒に積み上がっているので、暖冬でも巨大な雪山が形成されます。 
昨今では各家庭で小型の除雪機を所有していることが多いです。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:23〜) 
砕いた雪を連続で吹き飛ばしていて、見応えがあるスーパースロー動画になりました。 
最後に小さな雪塊が1個だけ排出され、放物線を描いて飛んで行く様が、いとおかし。 


2025/07/26

山林で溜め糞場の周辺を昼夜うろつくニホンカモシカ:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬 

シーン0:6/14・午後12:14・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山の雑木とスギの混交林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)の通う溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っています。 
基本的に画面の左から右に向かって上り坂ですが、溜め糞場の付近はほぼ平坦になっています。 
画面の手前から奥に向かう獣道と左右に通る獣道の交差点になっています。 


シーン1:6/15・午前1:27・気温19℃(@0:04〜) 
深夜にカモシカが獣道を右から来て手前に曲がりました。 
林床のあちこちに散乱する溜め糞の匂いを嗅ぎながら、左下手前へ歩き去りました。 
今回は溜め糞場sr2で排便しないで素通りました。 


シーン2:6/19・午前11:34・晴れ・気温28℃(@0:19〜) 
監視カメラの画角が急に変わったのは、前日に来たクマが手で叩き落とそうとしたからです。 



溜め糞場sr2を監視できなくなりましたが、昼前にカモシカがスギ立木の奥を右から左に横切りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:33〜)。 
藪の隙間から見えたのは、ニホンカモシカで間違いありません。 
ハリギリの巨大倒木の方に向かったようです。 
カモシカが溜め糞場の位置を変更したのかと思ったのですが、後に現場検証しても糞粒は見つかりませんでした。 


つづく→

空のマヨネーズ容器に残る歯型の謎【フィールドサイン】

2024年6月中旬 

フィールド調査のついでに、平地のスギ防風林に散乱する不燃ゴミを拾って帰ります。 
林内には野生動物たちが長年通った獣道が何本も作られています。
発泡スチロールの破片などの他に、林床に転がっていたプラスチックの透明な容器が気になり、写真を撮りました。
この特徴的な形は、明らかにマヨネーズのプラスチック容器です。 
よく見ると、容器にはAJINOMOTOのロゴがあります。 
中身は空っぽなのに、動物の噛み跡が付いてボロボロになっています。 
マヨネーズの主成分は油なので、いかにも野生動物(タヌキやキツネなど)が好みそうです。 
美味しそうな匂いに惹かれてゴミ捨て場から持ち去り、獣道の途中で捨てた後も幼獣などが繰り返し遊び道具にしたようです。 
ちなみに以前、林内で見つけたポテトチップスの空き袋も同じ理由でしょう。(写真を撮り忘れました。) 

専門家は容器に残る歯型を調べれば、動物の種類を推定できるのかもしれません。 
ゴミの表面に唾液が残っていれば、DNAで鑑定できそうです。 

田舎の林内には多数の不燃ゴミが放置されています。 
私は初め、誰かが不法投棄したのかと憤慨していました。 
しかしトレイルカメラなどを使って野生動物の観察を進めるにつれて、実はタヌキなどが気になるゴミを拾ってきて林内に捨てている場合もあると分かりました。 
山林にゴミを撒き散らすタヌキはけしからん!とは必ずしも言い切れません。 
元々は近隣住民のゴミの捨て方に問題があるのが元凶です。 
ゴミ捨て場を荒らすカラスの問題と同じで、ゴミ収集車が来るまで、鍵付きの頑丈なゴミ捨て小屋にしまっておけば解決するでしょう。 

私は野生動物が好きなので、ゴミ問題で悪者扱いされないように、微力ながら少しでも環境美化に務めることにしています。 
一番の理由は、せっかく撮れた野生動物の生態動画の背景にゴミが写っていると興ざめだからです。 
野外に放置されたプラスチックのごみはいつまで経っても自然に分解されず、粉々になったマイクロプラスチックは深刻な環境汚染をもたらします。
プラスチックのゴミを誤食した野生動物が健康を害する可能性もあります。


関連記事(1年前の撮影)▶ 獣道に片方だけ捨てられた古い長靴の謎


【アフィリエイト】

山中の水場に通うフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/19・午後20:31(@0:04〜) 
晩に水溜りの対岸に来ていたフクロウが、キョロキョロと首を回して周囲を警戒しています。 
ようやく警戒を解くと、左にピョンと跳んでから入水しました。 


シーン2:6/19・午後20:33(@0:42〜) 
左手前にそびえ立つホオノキ高木の幹の陰にフクロウは隠れてしまいました。 
水浴びするのではなく、どうやら嘴を何度も水面に付けて、泥水を飲んでいるようです。 

やがて、音もなく羽ばたくと、右上へ飛び立ちました。(@1:29〜) 


シーン3:6/20・午後19:57(@1:36〜) 
翌日の晩にもフクロウが水溜りで足浴したまま、周囲を油断なく警戒しています。 
少し歩いて水溜まりの中を移動しました。 


シーン4:6/20・午後20:45(@2:07〜) 
対岸に降り立ったフクロウがカメラ目線で写っていました。 
キョロキョロと辺りを見回しています。 
左手前に少し飛んで、中洲へ移動しました。 
眼光鋭く水溜まりを凝視しているのは、水中のオタマジャクシや水生昆虫を狙っているのでしょうか? 
水面に浮かぶ落ち葉が風に吹かれて動いています。 


シーン5:6/20・午後20:47(@2:31〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フクロウは左端の死角で水浴?していました。 
何をしているのか不明ですが、尾羽根が上下に動いていることから、洗顔や飲水かもしれません。 


シーン6:6/20・午後22:13(@2:49〜) 
いつの間にかフクロウは中洲に来ていました。 
もしかすると、左の死角で水浴した直後なのかもしれません。 
顔を左右に素早く振って水気を切ってから(身震い)、右上に飛び去りました。 


シーン7:6/21・午前3:52(@3:05〜) 
日付が変わった未明に、フクロウが左端の中洲に来ていたました。 
対岸へピョンと跳んで移動すると、軽く身震いしてから振り返ってカメラを凝視。 
やがて右奥へ飛び去りました。 


シーン8:6/21・午後22:37(@3:27〜) 
同じ日の晩に、フクロウが中洲の水際に来ていました。 
そのまま手前に歩いて水に脚を浸しました。 
周囲を警戒してから、左上へ飛び去りました。 


シーン9:6/22・午前4:09(@4:04〜)日の出時刻は午前4:14。 
日の出直前の薄明に大きな鳥?が左から右に素早く飛んで横切りました。 
右から飛来して中洲に着陸したのはフクロウでした。 
これまでフクロウが水場から飛び去るシーンばかりでしたが、水場に飛来した瞬間を撮れたのは珍しいです。 

薄明の時間帯に来たのも初めてです。 
日長が最も長いこの時期には、夜行性のフクロウにとっては活動可能な時間が最短になります。 (2024年の夏至は6/21。) 

周囲を見回し、足元の泥濘を嘴でつついています。 
手前に歩いて水溜まりに入水したところで、90秒間の録画が打ち切られてしまいました。 

常連のフクロウと比べると、今回の個体は体格が心なしか小さい気がします。 
性的二型による体格差なのか、それとも別種のフクロウなのかな? 
いつも見慣れた赤外線の暗視映像(モノクロ)とは、とにかく印象が違います。 


2025/07/25

アナグマの空き巣を内見、排尿マーキングするホンドタヌキ♀♂:6月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後21:45頃・気温19℃ 

シーン1:6/16・午後21:42・気温19℃(@0:00〜) 
自動撮影カメラで見張っているニホンアナグマの旧営巣地(セット)に、♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
アナグマの巣口Lに2頭が代わる代わる顔を突っ込んで匂いを嗅いでから、次は巣口Rに向かいます。 


シーン2:6/16・午後21:42・気温19℃(@0:14〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが写っていました。 
先行個体aが巣穴Rに入ると、後続個体bも続けて潜り込みました。 
巣穴Rの内検を済ませると、bが頭から外に出てきました。 

巣口Rを塞ぐように伸びているマルバゴマキの根っこに、タヌキbは小便をかけて、マーキング(縄張り宣言)したようです。 
タヌキaが巣外に出てすぐ身震いすると、外で待っていたパートナーbも続けざまに身震いしました。 
親密な番つがい相手の行動を真似るミラーリングなのかな? 


シーン3:6/16・午後21:43(@1:02〜) 
再び巣口Lに戻っててきたタヌキの♀♂ペアが、連続して中に入りました。 
後続個体bは完全に中まで入らず、後退して外に出ました。 
獣道を左上奥へ立ち去りました。 


シーン4:6/16・午後21:43(@1:53〜) 
別アングルで設置した監視カメラに続きが撮れていました。 
後から巣穴Lから出て来た個体は、巣口Rに再度立ち寄って匂いを嗅いでから、パートナーの後を追って獣道を手前へ向かいます。 


つづく→

干からびたヘビの死骸(ロードキル)

2024年6月下旬・午後15:20頃・晴れ 

郊外の車道でヘビの死骸を見つけました。 
車に轢かれたようで(交通事故)、踏み潰され、ぺしゃんこです。 
そのまま色あせた干物になってしまい、私には種類も見分けられませんでした。 
こんな状態でもヘビの種類が見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

新鮮な死骸なら解剖したり骨格標本を作ったりできるのですけど、ここまで状態が悪いと、写真を撮るしかできません。 (※ 追記参照)

ハエやシデムシなどのスカベンジャーも全く来ていませんでした。 
舗装路は晴れると高温になり、死骸の水分もすぐに失われるからでしょう。 
カラスやトビなど大型のスカベンジャーが蛇の死骸を持ち去って、屍肉を食べそうなのに、魅力がなくて(見つからなくて?)放置されたようです。 


※ 【追記】
次にこのようなロードキルや死骸を見つけたらタヌキに給餌してみよう(獣道に置いてみよう)、と翌年になって思いつきました。 


【アフィリエイト】 

池の水面に溶け落ちたモリアオガエルの泡巣に集まり吸汁・交尾するアメンボ♀♂

 

2024年6月中旬・午後12:40頃・晴れ 

モリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池で定点観察しています。 
岸辺に自生する マユミ灌木の枝葉に毎年、白い泡巣がたくさん産み付けられています。 

昼間からマユミの樹上でじっとしているモリアオガエル成体は、産卵のために木登りしてくる♀を待ち伏せしている♂なのでしょう。 
(私にはモリアオガエルの性別を外見から自信を持って見分けられません。) 
泡巣の近くに先乗りしている個体と、少し下部の枝に留まっている個体と2匹の成体を見つけました。 

白い泡巣の一部が溶けて崩れ、下の水面に浮いていました。 
産み付けられてから約1週間で泡巣内の卵から幼生(オタマジャクシ)が孵化し、雨で溶け落ちた泡巣と一緒に幼生が池の水中に脱出するのです。 
しかし、今回は自然な融解ではありません。 
ニホンザルがモリアオガエルの泡巣を捕食に来ているシーンがタイムラプス動画で記録されていたのです。 
猿がマユミの枝を掴んで乱暴に引き寄せた際に、一部の泡巣は水中に没して崩れてしまったようです。



池の水面に溶け落ちた白い泡巣の上に、アメンボの一種が群がっていました。 
交尾中のペア♀♂と単独個体、それからアメンボの幼虫と思われる小型の個体もいました。 
アメンボの交尾ペア♀♂が白い泡の表面を歩いて少しずつ移動しています。 
泡の縁に到達するとしばらく静止し、交尾中の♀が左右の前脚を擦り合わせて身繕い。 

交尾中のアメンボ♀は細い口吻を伸ばして、融解した泡巣から吸汁しているように見えました。 
タンパク質が豊富な餌なのでしょう。 
一方、単独個体のアメンボは、泡巣の表面に付着した虫の死骸?から吸汁しているようです。 
しかしPerplexity AIに相談してみると、融解したモリアオガエルの泡巣には栄養がほとんどなく、アメンボは水面に浮かぶ筏としてたまたま乗っていただけだろう、という見解でした。 
確かに、水面に浮いているどの泡にもアメンボが群がっているという訳ではありませんでした。 
私としては納得できないので、次に機会があれば、アメンボの口吻を横からじっくり接写して、決着を付けるつもりです。 

日向の強い日差しで水面に浮かぶ白い泡が白飛びしてしまい、日陰と入り混じって、コントラストの差が大きくなっています。 
見えにくい被写体を動画編集時でHDR風に加工したら、だいぶ改善されました。 
(具体的な方法はChatGPTに指南してもらいました。) 


【追記】 
動画を撮影した時の私は、水面に浮かぶ白い泡はてっきりモリアオガエルの泡巣がマユミ樹上から溶け落ちたのだろうと思い込んでいました。 
ところが、同じ池の岸辺の水際にはシュレーゲルアオガエルRhacophorus schlegelii)の泡巣も同時期に産み付けられていました。 
1週間前に撮った写真を載せます。






シュレーゲルアオガエルの幼生(オタマジャクシ)も既に卵から孵化して水中に脱出したらしく、白い泡巣が溶けていました。 
もしかすると、アメンボが乗っていたのはシュレーゲルアオガエルの融解した泡巣だったのかもしれません。
以下の写真は、動画を撮った同じ日の記録です。



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