2023年7月中旬・午前10:55頃・くもり
山麓で沢の水が溜まった池の上空で2匹の赤トンボが飛び回っていました。
高速で往復すると、2匹とも山側の方へ飛び去り、見失ってしまいました。
何が起きたのか分からなかったので、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:16〜)
新井裕『トンボ入門』によると、
真夏の池を飛び回っている真っ赤なトンボを見たらショウジョウトンボと思ってほぼ間違いない。(p143より引用)どうやら、この池で縄張りを張って♀を待ち構えているショウジョウトンボ♂(Crocothemis servilia mariannae)が、侵入したライバル♂を追い払おうとしているようです。
実は翌年の同時期に同じ池の岸辺で休んでいるショウジョウトンボ♂の写真が撮れました。(写真を公開予定)
井上清、谷幸三『赤トンボのすべて』でショウジョウトンボについて調べると、まさに私が観察した通りの記載でした。
ショウジョウトンボ♀♂の交尾行動がまた独特で面白いらしいのですが、私はまだ観察できておらず、今後の課題です。
♂は成熟すると全身が真っ赤になり、夏中池の上を忙しく飛び回ったり草の上に止まったりして♀を待ち受けています。(中略)抽水植物と沈水植物が多く水面の開けた平地の池を好み、成熟♂は抽水植物の葉などに止まって♀を待ち受けていますが、他の♂が近づくと執拗に追い回します。(p132より引用)wikipediaでショウジョウトンボの生態を調べると、なかなか充実した記述がありました。
オスは単独で池の縁に強い縄張りを持ち、縄張りの縁に沿って力強く哨戒飛行をする。他のオスが飛来すると斜め20cm弱の距離に位置関係を保ち、地形に合わせて低空編隊(にらみ合い)飛行を見せる。やや下側を飛ぶのが地主である。時に激しく羽音を立てて格闘するが、メスの飛来にはおおらかである。 雄の飛翔は速くてパワフルであり、風に乗ってゆっくり飛ぶことはなく、哨戒飛行の後はすぐに縄張り内のお気に入りの基点に止まり警戒を続ける。(中略)オスが定着すると一日に数度の格闘を目撃でき、負け去るオスは直線的に稲田上を高速で視界から消える
ショウジョウトンボは体色の性的二型が顕著ですから、野外で配偶行動を観察するのに適していそうです。
その前に私はまず、ショウジョウトンボの♀を見つけられるようにしないといけません。
ところで、周囲に聞こえる鳥の鳴き声はホトトギス♂(Cuculus poliocephalus)でしょうか。
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