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2024/09/05

ヤブガラシの花蜜を吸うコアオハナムグリとセグロアシナガバチ♀

 

2023年9月上旬・午後14:15頃・晴れ 

道端に蔓延るヤブガラシのマント群落でセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀およびコアオハナムグリGametis jucunda)が訪花していました。 
意外にも、コアオハナムグリとヤブガラシの組み合わせは初見です。 



採寸していませんが、このセグロアシナガバチはとても小型のワーカー♀でした。 
連日の酷暑で獲物が取れず(獲物となるイモムシが少ない)、小型のまま成虫が羽化したのだろうと推測しました。 

ヤブガラシの花から花へ忙しなく歩き回るセグロアシナガバチ♀が、じっとしているコアオハナムグリの背中に乗って踏みつけたのですが、コアオハナムグリは特に気にする様子もありません。 
セグロアシナガバチはコアオハナムグリを獲物として認識してませんし、コアオハナムグリは脚を高々と持ち上げる威嚇姿勢になりませんでした。 

少し飛んで隣の花に移動したセグロアシナガバチ♀は、蜜量が多い花を見つけると、じっくり吸蜜を始めました。 


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2024/07/09

池で溺れたノシメトンボ♂を捕食するクロゲンゴロウの群れ

 

2023年10月上旬・午後14:20頃・くもり時々晴れ(小雨)

山麓にある小さな池に久しぶりに来てみると、ガマなどの抽水植物が生えていて、水面で何かが暴れていました。 
よく見ると、溺れかけたノシメトンボ♂(Sympetrum infuscatum)の胸背に水面下でクロゲンゴロウCybister brevis)が食いついていました。 

すぐ隣りにあるもう一つの池で早春にクロゲンゴロウを見たのが生まれて初めてで、今回が二度目の出会いでした。 
捕食行動はもちろん初見で、興奮しながら長々と撮影しました。

そもそもノシメトンボ♂がなぜ池で溺れたのか謎です。 
寿命で弱っていたのか、それとも羽化直後なのかな? 
ノシメトンボ♀は水のある場所には産卵しないはずなのに、♂は水辺で交尾相手の♀を待ち伏せするとは思えません。

関連記事(3、4、7、9年前の撮影)▶  


見つけたときにはノシメトンボ♂はまだ生きていて、脚を動かしたり翅を力なく羽ばたかせたりして暴れていました。 
しかし、水中から空に飛び立つことは不可能で、もはや逃れることはできません。 

撮影中は気づかなかったのですけど、水面下に沈んだガマ(?)の枯れ葉にヤゴ(種名不詳)が捕まっていました。 
断末魔のノシメトンボ♂が水面で激しく羽ばたいて波紋が広がったので、ヤゴは水中に潜って逃げてしまいました。 
ヤゴも肉食性なのに、獲物の争奪戦に参戦しませんでした。 
丈夫な装甲に守られたクロゲンゴロウには勝ち目がないのでしょうか。 

しばらくすると、クロゲンゴロウaはトンボの右後翅を根元から食い千切りました。 
獲物から取り外した翅だけ抱えて持ち去ろうとしても、トンボの翅は浮力があるので、クロゲンゴロウは潜水できません。 
切除した翅の根元に付いた肉片を齧ってから手放しました。 
獲物の本体を見失ったようで、しばらく水中をうろうろと泳ぎ回っています。 

その間に別個体bのクロゲンゴロウが左から泳いで登場し、獲物に食いつきました。 
やはり獲物の胸背に背後から噛み付いています。 
細長い口吻を獲物に突き刺して体外消化するカメムシ目の水生昆虫と違って、ゲンゴロウの仲間は獲物を本当に齧って咀嚼して食べてしまいます。 

クロゲンゴロウbの背後から先客の個体aが戻ってきました。 
獲物をめぐる争奪戦が始まり、ぐるぐると水中を追い回しました。 
後脚を広げて互いに相手を蹴ろうとしても、流線型の体なので滑って打撃の効果はなく、獲物を独り占めするのは無理なようです。 
ようやく折り合いをつけると、仲良く並んで獲物の腹背の上部を齧り始めました。 
よく見ると、2匹が後脚を伸ばして互いに牽制しながら獲物の別々の部位を捕食しています。 

池に日光が射すと、クロゲンゴロウの鞘翅が光沢のある深緑色と判明しました。 
腹端(鞘翅の下)からときどき泡が出ているのは、呼吸のための気泡なのでしょう。 

餌食となったトンボは絶命したのか、暴れなくなりました。 
2匹のクロゲンゴロウが互いに逆方向から獲物に食いついています。 
1匹が獲物から一旦離れ、泳いで戻ってこようとすると、ライバルと争奪戦になりました。 
互いに干渉しないように位置取りする必要があります。 

クロゲンゴロウがノシメトンボ♂の胸部を食べ進んだ結果、その頭部が切り離されました。 
(断頭の瞬間を撮り損ねてしまいました。 )
強い風が吹くと、水面にぷかぷか浮いているノシメトンボ頭部が流されていきます。 
クロゲンゴロウは獲物の生首には見向きもしないで胴体にかじりついています。 
ノシメトンボの脚も胸部から食いちぎられて外れ、水中のガマ?枯れ葉の上に落ちていました。 

後半になって、3匹目のクロゲンゴロウcが獲物に集まっていたことに気づきました。 
ときどき三つ巴の争奪戦になります。 
1匹のクロゲンゴロウがライバルを出し抜いて獲物を持ち去ろうとしても、獲物の傷口から体液が水中に滲み出るので、その匂いをライバルが嗅ぎつけてしまうようです。 

水生昆虫に詳しい人なら、クロゲンゴロウの性別を外見で見分けられるのですかね? (教えて欲しいです。)
今回は捕食行動のみで、求愛や交尾などの配偶行動は全く見られませんでした。 

獲物が食べ尽くされるまで一部始終を微速度撮影したかったのですが、この日は三脚を持参していなくて残念でした。 
おまけに小雨がぱらつき始めてカメラが濡れそうになり、気が気ではありませんでした。
 
次回はトンボなどの生き餌を池に投入して溺れさせれば、暴れる動きに反応してゲンゴロウなどの捕食者が集まってくる様子を観察できるかもしれません。 
撮影後にクロゲンゴロウを捕獲しようか迷ったのですが、採集用の網も持ってきていませんでした。 
被っていた帽子で掬えば採れたかな?
レッドデータブックによれば、クロゲンゴロウは山形県で絶滅危惧種Ⅱ類(VU) に分類されているらしいので、採集禁止かもしれません。

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2024/07/07

真っ二つに切断されたヒラタクワガタ♀変死体の謎

2023年9月下旬 

里山で急斜面の細い山道を登っていたら、クワガタの死骸が転がっていました。 
周囲は雑木林です。 
腹部から分離した頭胸部がすぐ隣に落ちていました。 
鳥に捕食されかけたのかな? 
体を真っ二つに切り離されて死んだのか、それとも死後に分解されたのか、不明です。
クワガタの死骸にアリも群がっていないのは不自然ですけど、死後間もない新鮮な死骸なのかもしれません。 

クワガタ類に疎い私は、てっきり普通種のコクワガタ♀だと初め思ったのですが、どうやらヒラタクワガタ♀(Dorcus titanus)のようです。 

参考サイト:クワガタ メスの見分け方
・頭部と胸部の縁が丸く連続。 胸部は真ん中付近が一番幅が広い。 
・前肢脛節のふくらみが大きくバチ状に広がり外縁が丸まったラインを描く。
ヒラタクワガタだとしたら、私にとって嬉しい初見になります。(♂も見つけたことがありません) 
山形県の2015年レッドリストでは「情報不足」とされています。
分布の北限は日本海側は山形県酒田市らしいのですが、雪国では住みにくくて個体数が少ないのかな?
熱帯地方出身のため幼虫が冬期零度以下の温度に耐える耐寒越冬状態になれない (wikipediaより引用)

近年の地球温暖化や暖冬で分布を北に広げているのかもしれません。

wikipediaでヒラタクワガタの生態に関する記述を読むと、
気性は大変荒く、大顎で挟む力は強烈であり、この大顎が凶器となってオスがメスを殺すことも多い。 
とありますが、ストレスの多い飼育下ならともかく野生状態でも同種の♀殺しがあるのでしょうか?
そんな野蛮な形質が進化の過程で淘汰されずに残っている理由が気になります。
求愛しても交尾拒否した♀を殺してしまうのですかね?


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大顎の内歯を見るため、挟まっていた枯葉の欠片を取り除いた。
発見時の状況。採寸し忘れました。裏返して腹面の写真も撮るべきでしたね。

2024/06/12

ヒヨドリの腐乱死体に群がるハエとヨツボシモンシデムシ(野鳥)

 

2023年9月中旬・午後13:40頃・晴れ 

里山で急斜面の細い沢を下っていると(沢登りの逆)、急に強い死臭がしました。 
辺りを探すと、沢の横でヒヨドリHypsipetes amaurotis)の死骸が仰向けで転がっていました。 
死後数日経っているようで、腐敗が進んでいます。
ヒヨドリの死因が不明です。 
沢の水を飲んだり水浴びしていたヒヨドリが捕食者に襲われたのだとしたら、どうして死骸が何日もまるごと残っているのでしょう?


私が近づくと死骸からハエの群れが飛び立ち、辺りを飛び回るハエの羽音がウヮーンと鳴り響きます。 

死肉食性の昆虫を観察するために、拾った小枝でヒヨドリの死骸を裏返してみると、鮮やかなオレンジ色が目に付きました。 
少なくとも6匹のヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)が腐敗の進む死骸の下面に潜り込んでいて、腐肉を食べていました。 
腐肉に執着しているようで、ヨツボシモンシデムシを小枝でつついても逃げようとしません。
仰向けにひっくり返り、起き上がろうともがいている個体もいます。 
「頭隠して尻隠さず」の状態で腹端を振っているのは、威嚇行動かもしれません。 
死骸の横の小石の下にもヨツボシモンシデムシが隠れていました。

後になって気づいたのですが、ヒヨドリが死んだ地点は必ずしも沢の横とは限りません。
ヨツボシモンシデムシは死骸を見つけるとその下に潜り込み、力を合わせて運んでから地中に埋めるからです。


現場では気づかなかったのですが、フラッシュを焚いて撮った写真を見直すと、ヨツボシモンシデムシ以外の小さな甲虫も数匹写っていました。 
謎の甲虫の名前が分かる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
しばらくすると、キンバエLucilia caesar)の仲間やニクバエの仲間が死骸に舞い戻ってきました。 

足元が不安定な崖で体勢が悪かったこと、死臭をなるべく吸い込まないように息を止めて撮影していたこと、飛び回るハエが私の顔に絶え間なくぶつかってくるのに閉口したことから、撮影が雑になってしまいました。 
状況説明の動画を撮る際に、カメラを焦って振り回してしまう悪癖が出ました。 
酔いそうな映像になってしまったので、仕方なくスローモーションに加工しました。 

ヒヨドリの死骸ごと採集してヨツボシモンシデムシを飼育すれば、有名な育児行動を観察できたかも知れません。 
今回はあまりの強烈な腐臭にたじろいでしまい、そこまでする根性がありませんでした。 
野鳥の腐乱死体を運んでいる途中で警察に職務質問されたりしたら、説明するのが厄介です。
それが無理でもヨツボシモンシデムシを採集して、鞘翅の裏面の色を確かめるべきでしたね。 



自然界でヒヨドリの死骸が生物分解される様子を微速度撮影しても面白そうです。 
残念ながら今回はトレイルカメラなどの機材を持ってきていませんでした。 

沢登りしていると清流に見えて、沢の水を直接飲みたくなります。
しかし、源流域で野生動物が沢に糞尿を排泄したり死骸が転がっているのを知ると、そんな気は失せてしまいます。
関連記事(1年前の撮影)▶ 


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・舘野鴻『しでむし』 

2024/05/28

枯木の蔓を登り化粧するヤハズカミキリ♀

 

2023年8月下旬・午後14:05頃・晴れ 

平地の二次林で枯れかけの灌木(樹種不明:ミズキ? オニグルミ?)に巻き付いた木質の太い蔓(種類不明:フジ? ツルウメモドキ?)に見慣れないカミキリムシが止まっていました。 
図鑑で調べてみると、ヤハズカミキリ♀(Uraecha bimaculata bimaculata)と判明。 
コブヤハズカミキリとは全くの別種らしいのに、紛らわしい名前です。 
図鑑の記述を読むと、ここでヤハズカミキリを発見できた理由も納得しました。
平地から山地に生息し、雑木林や河畔林などで普通に見られる。成虫は6〜8月に出現し、枯れ葉を後食する。昼間、折れてぶら下がった枝に付いた枯れ葉の中によく潜んでいる。 ホスト:各種広葉樹の枯れ枝 (『新カミキリムシハンドブック』p85より引用)

 

新しい枯れ葉や枯れ枝によく集まり、昼間は枯れ葉の丸まった中に潜んでいることが多い。またそのような枯れ葉を成虫は食べる[3]。 (wikipedia:ヤハズカミキリより引用)
私がレンズを近づけて接写しても、初めは無反応でした。 
側面から見ても腹端の産卵管を伸ばしていないので、産卵行動ではなさそうです。 

やがて警戒を解くと、長い触角を左右にゆっくり振り立てて、太い蔓を伝って登り始めました。 
立木の幹には移らず、木質の蔓を上に登り続けます。 

蔓の途中で立ち止まると、身繕いを始めました。 
左の前脚と中脚同士で擦り合ったり、触角を左脚で拭ったりしています。 
このとき、左上に丸まった枯れ葉(オニグルミ?)が見えますが、その中に潜り込むことはありませんでした。 

化粧が済むと、再び木登りを再開。 
翅を広げて飛び立つかと期待したのですが、ひたすら上に登っていきます。 
 手の届かない高所に登ってしまう前に捕獲しようと私が手を伸ばしたら、身の危険を感じたヤハズカミキリ♀は死んだふり(擬死)して地面に落ちました。 
擬死落下のシーンを撮れてないのが残念です。 
焦げ茶色の目立たない保護色なので、林床で見失ってしまいました。 
捕虫網の代わりに帽子などを広げて下で受け止めるべきでしたね。 


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2024/05/13

夜明け前の林床でニホンアナグマとニアミスした謎の発光生物?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月下旬・午前4:18(日の出時刻は午前4:58) 

夜明け前にニホンアナグマMeles anakuma)が単独で旧営巣地にやって来ました。 
地面の匂いを嗅ぎながらゆっくりと左に移動すると、対面のミズキ立木に固定したトレイルカメラの赤外線LEDが点灯しました。 

アナグマの登場自体は別に面白くもなんともありませんが、気になる謎の発光生物?が監視映像に写っていました。 
アナグマのすぐ手前の地面にある細い落枝(蔓?)を伝って、謎の小動物が白い点のように発光しながら右へ移動していたのです。 
白点の動きは緩慢なので、後半は1.5倍に拡大した上で5倍速の早回し映像にしてみました。(@0:37〜) 
初めはなんとなく、落枝に沿って歩くカエルの目が暗視カメラの赤外線を反射しているのかと思いました。 
最後に白点が消えたのは、死角に移動したのか、それともカエルが目をつぶったと考えれば説明できそうです。 
落枝上をアリの行列が昼も夜も往来しているので、そこでカエルが待ち伏せしていれば食べ放題で獲物を捕食できそうです。 

もしかすると、謎の発光生物は陸生ホタルの幼虫かもしれない、と思いつきました。 
やや遠いので拡大しても正体が見えませんし、ホタルの幼虫にしては動きが速すぎるかもしれません。 
マドボタルの幼虫なら、発光が点滅するはず?



謎の発光生物の正体が何にせよ、アナグマは暗闇の林床で動く獲物に気づかなかったのか、見逃して立ち去りました。 
(カメラの赤外線を反射していただけだとすれば、アナグマの目には光って見えていません。) 
ホタルの発光が天敵に捕食されないようにする警告色だとすれば、アナグマは見事に忌避したことになります。 
ホタルは体内に毒を溜め込んでいて、緑色の光は夜行性の捕食者に対する警告なのです。 
アナグマが立ち去って捕食されるリスクが無くなったから、発光を止めたのかもしれません。 
以上、ホタルの幼虫だと面白いのにな…という私の願望(妄想)だけで記事を1本書いてみました。

実際に現場入りして夜の二次林で陸生ホタルの幼虫を探してみたら面白そうです。 
しかし、夜行性のアナグマやタヌキとニアミスしてしまう可能性が高いです。
夜間調査のせいで野生動物が怖がって森から逃げてしまい、トレイルカメラに写らなくなってしまうのでは本末転倒です。 
それでも、トレイルカメラの暗視映像で夜に蛍の光を撮ったときにどのように写るのか、別な場所で確かめる必要がありますね。
飼育下のアナグマにホタルの幼虫を給餌してみて、捕食するかどうか、誰か実験して欲しいものです。







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2024/05/12

ベニカナメモチ(レッドロビン)の花蜜を舐めるツマグロキンバエ

 

2023年5月下旬・午後12:30頃・くもり強風 

車道に面したベニカナメモチ(=レッドロビン)の生垣に花が咲いていました。 
レッドロビンに白い花が咲くとは知らず、初見でした。 
ツマグロキンバエStomorhina obsoleta)が訪花していました。 
強風で激しく揺れる花にハエは必死にしがみついていました。 
動画撮影には最悪のコンディションです。 
花序の風揺れを抑えるために、動画を撮りながら左手で枝を押さえ、手前にそっと引き寄せました。 
普通こんなことをしたら、警戒心の強いハエはすぐに逃げてしまうはずなのに、強風下では飛びたくないようです。 
口吻を伸縮させる動きが無いので、ただ花序に止まって風が止むのを待っているだけのようです。 
後半はようやく警戒を解いて、レッドロビンの花序を歩き回るようになりました。 

撮影中は気づかなかったのですが、同じ花序の右下に微小なゴツゴツした甲虫が来ていました。 
おそらくヒラタハナムグリ♂(Nipponovalgus angusticollis angusticollis)と思われます。 

関連記事(2年前の撮影)▶ ヒメウコギの花に集まるヒラタハナムグリ♂ 
右下に別種のキンバエ?が止まってたのに気づきませんでした。

2024/05/10

タヌキの溜め糞場で必死に配偶者ガードするオオヒラタシデムシ♂

 

2023年7月下旬・午後14:35頃・ 晴れ 

防風林でスギ倒木の横にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場phでオオヒラタシデムシNecrophila japonica)が三つ巴で組んずほぐれつしていました。 
どうやら、交尾中の♀♂ペアにライバル♂が横恋慕して♀を強奪しようとしているようです。 
横倒しになった♀♂ペアもマウントしているだけで交尾器は結合していません。 
交尾した後も♀が産卵するまで浮気しないように♂は配偶者ガードしているのでしょう。 

♀にマウントした♂が腹端を左右に激しく振っているのは、ライバル♂に対する威嚇牽制のつもりだと思うのですが、有効な反撃になっているとは思えません。 
腹端から何か刺激臭でも放出しているのかな? 
そんなことよりも早く(再び)♀と交尾して結合を続ければ、何よりも有効な浮気防止になると思うのですけど…。
溜め糞場で栄養を摂取して産卵したい♀にとっては迷惑なだけかもしれません。 

武器を持たないオオヒラタシデムシ♂同士は♀を巡る闘争に一体どうやって決着をつけるのでしょう?
早い者勝ちで交尾するしかない気がします。 
他に急ぐ用事のあった私は、この3匹の成り行きを見届ける余裕がありませんでした。

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2024/05/02

ホンドタヌキの溜め糞場に誘引され新鮮な糞を食すオオヒラタシデムシ

 

2023年8月上旬・午後12:00頃・晴れ 

防風林のスギ倒木横にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを定点観察しています。 
スギの落ち葉が堆積した林床を1匹のオオヒラタシデムシNecrophila japonica)成虫が溜め糞場phに向かって歩いて来ました。 
新鮮な糞便臭を触角で嗅ぎ取って誘引されたのでしょう。 
 溜め糞上で獲物を待ち伏せしていた肉食性のサビハネカクシOntholestes gracilis)は慌てて逃げ、糞塊の小穴に潜り込みました。 
頭かくして尻隠さず。 
体が大きくて硬い鞘翅で守られたオオヒラタシデムシは、サビハネカクシが狩る対象にはならないようです。

溜め糞の縁に辿り着くと、オオヒラタシデムシは直ちに新鮮な糞を食べ始めました。 
咀嚼する口器の動きがしっかり見えます。 
いつも背側から見下ろすように撮影していたので、食糞シーンは初見です。 

オオヒラタシデムシの体表に付着した赤ダニ(種名不詳)が何匹も動き回っています。 
このダニはシデムシに寄生しているのではなく、ただ便乗(ヒッチハイク)しているだけです。 
…と言われているのですが、溜め糞や死骸などの新天地に辿り着いた後で赤ダニがシデムシの体から降りるシーンを私は未だ見たことがありません。 


関連記事(7年前の撮影)▶ オオヒラタシデムシに便乗するダニ 


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以下の写真は、同じ日に撮った溜め糞場phの様子です。
動画撮影を優先してから写真撮影のために近づくと、溜め糞に集まっていた虫がすべて逃げてしまいました。

2024/04/28

ホンドタヌキの溜め糞場に集まるオオヒラタシデムシとクロボシヒラタシデムシについて

 

2023年7月中旬・午後12:30頃・晴れ 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がスギ防風林の倒木横に残した溜め糞場phを定点観察しています。 
溜め糞に集まるシデムシ類に変化がありました。 



それまでは赤黒のクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫だけだったのに、真っ黒なオオヒラタシデムシNecrophila japonica)の成虫も多数来るようになりました。 
ペアが成立して交尾しているオオヒラタシデムシ♀♂も居ます。
並んで糞食していたシデムシ幼虫同士の小競り合い(闘争・逃走シーン)が撮れていて、興味深く思いました。(@0:20〜) 
餌は豊富にありますから、占有行動の必要はないと思っていました。(金持ち喧嘩せず) 

甲虫(鞘翅目)では他に、肉食性のサビハネカクシOntholestes gracilis)も1匹だけ、下に掲載した写真に写っています。 

次は双翅目について。
メタリックグリーンに輝く常連のキンバエ(種名不詳)とは別に、見慣れない微小でカラフルなハエが溜め糞上で翅紋を誇示していました。 
この気になるハエは別の溜め糞場wbc-1にも来ていたので、改めて別の記事で紹介することにします。



昆虫以外では、オカダンゴムシArmadillidium vulgare)およびワラジムシPorcellio scaber)の等脚目が溜め糞に群がっています。 


【考察】 
私のフィールドで溜め糞場に集まるシデムシ類の季節消長を定量的にきっちり調べた訳ではありませんが、どの溜め糞場でも毎年春になって真っ先に現れるのがクロボシヒラタシデムシで、オオヒラタシデムシは遅れてくるという印象があります。 
まるで登場役者が交代するように、クロボシヒラタシデムシが居なくなった後もオオヒラタシデムシがしばらく残ります。 
つまり、この2種は出現季節を少しずらすことで、溜め糞場という同じニッチに棲み分けをしているようです。

クロボシヒラタシデムシは成虫越冬で、いち早く休眠越冬から覚めるようです。 
それに対してオオヒラタシデムシの成虫は夏になってようやく羽化してくるのか?と推測したのですが、wikipediaによるとオオヒラタシデムシも成虫越冬らしい。 
となると、オオヒラタシデムシ成虫が遅れて溜め糞場に出現する理由が分かりません。 
・まさか夏になるまで休眠越冬から覚めないのでしょうか?
雪国では幼虫または蛹で越冬するのではないか?と定説を疑いたくなります。 
もしかするとオオヒラタシデムシは寒さに弱くて、雪国では越冬に成功する成虫の数がきわめて少ないのでしょうか?
・今のところ私は目視で溜め糞場のシデムシ類を探しているだけです。
したがって、もしもオオヒラタシデムシが獣糞の中に潜り込んでいるとしたら、見えてないだけという可能性があります。
・あるいは越冬直後のオオヒラタシデムシは、獣糞よりも死肉への嗜好性が高いのかもしれません。
腐肉を使ったトラップを仕掛けてみて、オオヒラタシデムシの成虫が春から現れるかどうか、確かめてみたいものです。

シデムシ類の幼虫は三葉虫みたいな形態をしているのですが、私は種類の見分け方を知りません。 
シデムシ類の幼虫を飼育してみることが謎解きのヒントになるかもしれません。

2024/04/23

痛々しく3本足で跛行するホンドタヌキ♂がスギ倒木横の溜め糞場で排便【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年8月上旬〜中旬 

スギ防風林で立木の根元と倒木の間に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場phを自動センサーカメラで監視しています。 
右後脚を怪我して跛行する♂個体の登場シーンをまとめてみました。 


シーン0:8/4・午後12:07・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
真夏の林床はシダ植物があちこちに繁茂しています。 
カメラの設置アングルをもっと下に向けて、肝心の溜め糞場phを画面の中央に収めるるべきでしたね。 
ちなみに、この倒木はヒトが間伐したのではなく、低い位置で幹がバキッと折れたまま放置されていました。 


シーン1:8/6・午前3:30(@0:03〜) 
深夜未明に跛行タヌキが右からやって来ました。 
足に障害があるのにスギ倒木を乗り越えてきたとは思えませんから(※)、おそらく倒木の下の隙間をくぐって来たのではないかと思います。 
※この推測は後にくつがえされました。 

痛々しく跛行しながら溜め糞場phに辿り着くと、南南西を向いて排便しました。 
そのまま手前に立ち去りました。 


シーン2:8/8・午後21:23(@0:53〜) 
2日後の晩にも同一個体が溜め糞場phにやって来て、スギ立木の下に左を向いて佇んでいました。 
用を足す前に体の向きを変えると、股間にぶら下がっている睾丸が目立ちます。 
信楽焼のタヌキの置物は金玉がデフォルメされてますけど、実物も確かに大きいようです。
たんたんタヌキの金玉は風もないのにブーラブラ♪ 
南を向いて排便すると、そのまま手前に立ち去りました。 



シーン3:8/8・午後23:22(@1:53〜) 
約2時間後の深夜に、新鮮な大便が追加されたばかりの溜め糞場phをよく見ると、多数の糞虫が蠢いていました。 
糞便臭で誘引された黒い糞虫(種名不詳)がスギ林床を歩き、溜め糞に向かっています。 
5倍速の早回し映像でご覧ください。 
ところで、スギの根本で幹を下る虫の正体は何でしょうか? 

今回なぜトレイルカメラが起動したのか不明です。 
変温動物の昆虫がいくら活発に動き回っても、トレイルカメラのセンサーは反応しないはずです。 


シーン4:8/10・午後20:36・気温(@2:05〜) 
トレイルカメラの起動が遅れがちですけど、画面の奥からやって来たのかな?  
溜め糞場phで匂いを嗅ぎ回るだけで、今回は排便しなかったようです。 
方向転換した際に、股間に大きな睾丸を認めました。 

今回は珍しく奥に立ち去ると、大きなシダの葉に隠れてすぐに姿が見えなくなりました。 
画面の上端でスギの倒木を苦労して飛び越え、右に向かったようです。 
よく見えなかったのが残念です。
3本足で跛行しながらもなんとか倒木を飛び越えられるとは驚きました。 


シーン5:8/13・午後19:18(@2:40〜)
3日後の晩は小雨がぱらぱらと降っていました。 
跛行しながら右から来たタヌキがスギの倒木を乗り越えて、溜め糞場phへ到着しました。 
3本足でも倒木を飛び越えられることが、これで確実になりました。 
排便したかどうか不明ですが、身震いしてから手前に立ち去りました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この個体は右の後足を地面に付けないように上げて歩くので、足を引きずるのではなく3本足でヒョコヒョコと跛行します。 
罠にかかったり交通事故に遭った可能性もありますけど、夜の獣道でノイバラの棘を踏んでしまい肉球に刺さって化膿しているのではないか?と私は推測しています。 

あまりにも分かりやすい特徴なので、溜め糞場phに通って来るタヌキの中でこの個体だけ確実に識別することが可能です。 
素人目には若い個体のような気がするのですけど、夏毛で痩せて見えるだけかもしれません。 
いつ見ても尻尾が力なく垂れているのは、怪我のせいで自信を失っているのかな? (負け犬の「垂れ尾」状態) 
以前撮った排尿姿勢から、♂であることも判明しています。 


2つの撮影地点は数百m離れているのですが、この個体は跛行しながらも他の健常個体と遜色なく広い行動圏を活動できているようです。 
タヌキは獲物を狩る肉食獣ではなく雑食性ですから、足が多少不自由でもなんとか生きていけるようです。 
ニホンオオカミが絶滅して野犬も駆除された現代の日本では、逃げ足の遅いタヌキを捕食する天敵も居ません。 
足の裏に棘が刺さっただけの負傷ならいずれ回復しそうですけど、もし障害が残れば、縄張りや異性♀を巡って健常個体♂と闘争になったときには不利になりそうです。 


つづく→



2024/04/09

タヌキの溜め糞場から切り取った糞粒を後ろ向きで転がして巣穴に運ぶエンマコガネ?【名前を教えて】小型のフンコロガシ

 

2023年7月中旬・午後12:40頃・晴れ 

スギ防風林の林床に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcを定点観察しています。 
初めは大きな溜め糞1つだけだったのが、互いに2〜3m離れた3つの溜め糞(#1〜#3)に分散しました。 
最大だった溜め糞#1には新鮮な糞が追加されてないようです。 
#3は糞虫らの活躍によって分解が進み、消滅しかけています。 

現役で使われている溜め糞#2に注目しました。 
最近排泄された下痢便が乾きかけています。
溜め糞の中央部から白いカビ(ケカビ?)が生えてきました。 
ちなみに、近くにあるアナグマの溜め糞場stmpからも白カビが盛大に生えてきました。 (※ 追記参照)
スギ林床にクモの不規則網がびっしり密に張り巡らされたのかと思ったぐらいです。
カビによって獣糞の分解が進むのは構わないのですが、カビ臭を嫌ってタヌキやアナグマが排便しに来なくなるのではないかと心配です。 
この溜め糞場wbc-2をトレイルカメラ(旧機種)で監視してみたのですが、何も写らなかったのであっさり諦めて撤去しました。 

クロアリ(種名不詳)や肉食性と思われる小型のハネカクシ(種名不詳)が多数、溜め糞wbc-2の上を徘徊しています。 
その中で、真っ黒な丸っこい小さな甲虫が気になりました。 
タヌキの真っ黒な糞塊から小さな欠片を切り取ると、後ろ向きに転がして(引きずって)運び始めました。 
糞塊の中央にある小さな穴の中に頭を先にして潜り込みました。 
おそらく、巣穴があるのでしょう。 
しばらく待っても、巣穴の外にはもう出てこなくなりました。 
運んできた糞粒は幼虫または自身の餌として巣内に貯食したというよりも、巣口を塞ぐために使われたようにも見えましたが、1回きりの観察では心元ありません。
巣口を塞ぐのならわざわざ遠くから巣材を運んでこなくても、近くから適当に掻き寄せれば済むはずです。
肉食性のハネカクシが近づいてきたので慌てて糞粒を巣口に捨てて隠れ家へ逃げ込んだのかもしれません。

初めて見る糞虫で興奮しました。
これもフンコロガシの一種と呼べるでしょうか? 
日本国内には、いわゆるフンコロガシはほとんど生息していないことになっています。 
『ファーブル昆虫記』でお馴染みのタマオシコガネのように逆立ちしながら後脚で糞玉を押して転がすのではなく、この糞虫は前脚を使って糞粒を後ろ向きに転がして(引きずって)運んでいました。 
同定のために謎の糞虫を採集すべきでしたが、エンマコガネの一種ですかね? 
まったくの当てずっぽうなので、もし間違っていたらご指摘ください。 
来季からは、溜め糞を見て回る際には糞虫の採集道具を常に持ち歩くことにします。
エンマコガネ類は糞の下に巣穴を掘り、その中に糞を運び込み、幼虫一匹分の糞を小部屋に詰め、卵を産む。(wikipedia:糞虫より引用)


※ スギ植林地(防風林)の林床が昼間でもあまりにも暗いので、動画編集時に自動色調補正を施して強引に明るく加工しています。 
画質がやや粗いのはご了承ください。 
たまに風が吹いて木漏れ日が落ちると、眩しいぐらいに明るくなります。 
問題のフンコロガシが白っぽく見えて不自然かもしれませんが、実際はやや光沢のある黒色でした。 


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下端に小型の糞虫が写っている。
上下逆のアングルで撮り直した。溜め糞に白カビが発生
タヌキ溜め糞場wbc-2の全景


※【追記】
2023年7月下旬

ニホンアナグマがときどき通う溜め糞場stmpに生えた白カビの写真を撮りました。
スギ落葉層の下にびっしりと密生しています。
素人目にはケカビとは違う印象を受けました。
タヌキの溜め糞場wbcから約5mしか離れていません。




2024/04/02

死んだカラスの羽根に群がるシデムシの幼虫

2023年7月上旬・午後12:20頃・晴れ 

平地のスギ防風林の林床にタヌキなどが歩く獣道が形成されています。 
定点観察のためにホンドタヌキの溜め糞場phから溜め糞場wbcへ獣道を辿って歩いていると、腐りかけたカラスの死骸が獣道の真ん中に転がっていました。 
骨も肉もほとんど残ってなくて、数枚の黒い羽根だけでした。 
頭部が無いとカラスの種類(ハシブトガラスかハシボソガラスか)を見分けることが出来ません。 
おそらく死肉食性の野生動物が死んだカラスをどこかで見つけ、死骸を運んでいく途中で落とした羽根なのでしょう。
カラスも死肉食の掃除屋ですけど、仲間の死骸を共食いすることはあるのでしょうか?
 
通い慣れた獣道にある日突然現れたので、ここで死んだカラスが生物分解された訳ではありません。
スギ林をねぐらとするカラスが死んで、樹上で腐った死骸の一部が地面に落ちたという可能性も考えられます。

腐りかけたカラスの羽根に、黒くて三葉虫のような体型をしたシデムシ類の幼虫が群がっていました。 (種名不詳)
落枝を使って羽根を裏返してみてもシデムシ成虫の姿がなかったので、私には幼虫の種類を見分けられません。
近くの溜め糞場でよく見かけるクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の幼虫ですかね?
他には微小なハエも来ていました。 

鬱蒼としたスギ林の中は日差しが遮られて薄暗いのに、かなり蒸し暑い日でした。 
写真の後で動画も撮ろうとしたのですけど、先を急ぐ用事があって焦っていた上にあまりの暑さで頭がボーッとしていた私は動画撮影が雑になってしまいました。
不用意に近づいたら、シデムシの幼虫は散り散りに素早く逃げてしまいました。


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・舘野鴻『しでむし

全景写真の中央の上下に獣道が走る。

2024/03/26

タヌキの溜め糞場で狩ったキンバエを隠れ家に運んでから捕食するサビハネカクシ

 

2023年7月上旬・午後14:00頃・晴れ 

里山のスギ林道でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場sを定点観察しています。 
前年(2022年)にはトレイルカメラを設置して監視したのですが、今季はカメラの台数が足りず、他所に回しています。 

この日は比較的新鮮な糞が残されていました。 
未消化の種子が糞にたくさん含まれています。 
この時期のタヌキはヤマザクラやウワミズザクラの果実を食べたのではないかと予想しているのですけど、いつか真面目に糞分析をしないといけません。 

糞塊に多数群がっていたハエはキンバエの仲間(種名不詳)がメインで、他にはニクバエの仲間(種名不詳)およびキバネクロバエMesembrina resplendens)が来ていました。 
甲虫ではクロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫、サビハネカクシOntholestes gracilis)および謎の糞虫(種名不詳)が集まっていました。 

複数いたサビハネカクシの中で一匹に注目してみましょう。
獣糞から吸汁しているキンバエ類を追い回すものの、ハエは素早く飛んで逃げてしまいます。 
サビハネカクシが狙うのはハエ類だけで、硬い鞘翅で身を守る甲虫のクロボシヒラタシデムシを襲うことはありません。 
失敗続きの狩りを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
最初の例ではハエに襲いかかるのではなく、なぜか尻尾を振ってハエを追い払っていました。 
微小なアリ(種名不詳)にも襲いかかったものの、小さ過ぎて逃げられました。(邪魔なアリを狩場から追い払ったのかも知れません。) 
しばらくすると、サビハネカクシは狩りを諦めて糞塊の縁の下に潜り込みました。 

次は何を撮ろうかと私が目移りしている間に、別個体のサビハネカクシが溜め糞上で狩りに成功しました! 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、待ち伏せ猟ではなく、キンバエの斜め後ろから忍び寄り、襲いかかって仕留めていました。 
油断していたキンバエは激しく羽ばたいて逃げようとするものの、サビハネカクシは獲物の左翅の根元付近にしっかり噛み付いていました。 
溜め糞場で捕食者による殺戮が行われても、周囲の食糞性昆虫たちは全く無関心でした。 

胸部を噛み砕かれた獲物がおとなしくなると(絶命)、サビハネカクシは急に方向転換して、獲物を咥えたまま走り出しました。 
ライバル(捕食者)の多い溜め糞場では獲物を横取りされるリスクがありますから、急いで離脱したのでしょう。 
ときどき立ち止まると、少し上に曲げた尻尾を嬉しそうにグルグル回しています。 
スギ林床の落葉落枝をどんどん乗り越えて進んで行きます。 
ようやくスギ落ち葉の上で落ち着くと、落ち着いて捕食を開始。 
翅を広げたまま動かなくなったキンバエを仰向けにして胸部を食べています。 
肉食性のハネカクシは、獲物の体液を吸汁するのではなく、固形物として肉を噛み砕いて飲み込むのだと思うのですけど、じっくり観察できませんでした。 
タヌキの溜め糞に集まる他の虫に気を取られて私がちょっと目を離したら見失ってしまったたのです。 
スギ落ち葉の上で静止すると、サビハネカクシは保護色で全く目立ちません。 
完食するまで見届けるべきでしたね。 

サビハネカクシが狩りに成功して獲物を捕食したシーンは、これが初見です。 
念願だった狩りのシーンがようやく撮れて感無量。 
狩りの直後に離れたところまで獲物を持ち去るとは知りませんでした。 
貯食したり求愛給餌したら面白いのにな…と期待したのですけど、獲物を自分で食べました。 


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