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2025/07/29

営巣地に転入直後に巣材を集めて運び込むニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/11・午後13:26・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)に2台の自動撮影カメラを設置して、定点監視しています。 

シーン1:6/22・午後22:50(@0:07〜) 
4匹の幼獣を引き連れて母親♀(右目<左目)が引っ越してきた直後です。 
1頭の幼獣が巣穴Rから外に出てくると、右へ駆け出しました。 

しばらくすると、母親♀が右から巣材を運びながら後ろ向きでセットに戻ってきました。 
どうやら転入直後に新鮮な巣材(寝床)が必要となり、早速集めてきたようです。 
林床の落ち葉を掻き集めながら、後ろ向きで帰巣Rしました。 
落枝を両手で持って効率よく(手際よく)落ち葉掻きしていたのは、果たして偶然でしょうか? 

その様子を付き添って見ていた幼獣も続けて入巣R。 


シーン2:6/22・午後22:54(@0:51〜)
広場の林縁近くに座って体を掻いていた母親♀の元に幼獣が歩み寄ると、幼獣に対他毛繕いしてやりました。 
母親♀は、別個体の幼獣bとすれ違いながら巣穴Rに入りました。 
幼獣2頭が巣外で取っ組み合いの遊びを始めました。 
その間、右上の林縁で別個体の幼獣が単独で採食しています。 

やがて、母親♀が巣内から顔を出すと、巣口Rに溜まっていた落ち葉を中に掻き入れました。(@1:35〜) 


シーン3:6/24・午前11:12:・くもり・気温24℃(@1:51〜) 
2日後の昼前にも巣材集めの行動が撮れていました。 
自然光下では、幼獣の毛皮は白っぽくクリーム色に見えます。 
その一方、成獣(母親♀)の毛皮は焦げ茶色です。 

巣口Lから母親♀が獣道を右上奥へ歩き出すと、1匹の幼獣がその後をついて行きます。 
母親♀が珍しく奥のヒメアオキ群落に分け入ると、落ち葉を掻き集め始めました。 

その間に3頭の幼獣は、帰巣Lしました。 


シーン4:6/24・午前11:14:・くもり(@1:51〜) 
続きが白黒映像に切り替わっていました。 
初夏の二次林は、林冠に葉が生い茂って昼間も日照が乏しいので、トレイルカメラが間違えてモノクロの暗視モードで起動してしまうことがあるのです。 

母親♀は後ろ向きで入巣Lしながら、前足で掻き集めた大量の落ち葉を搬入しています。 


シーン5:6/24・午前11:17:・くもり(@1:51〜) 
次に監視カメラが起動したときには、フルカラーに戻っていました。 
(薄明薄暮で周囲環境の照度が閾値だと、白黒→フルカラー→白黒→…と交互に切り替わります。)

巣口Lにこぼれ落ちていた巣材の残りを、母親♀が巣内に掻き入れています。 
搬入した巣材には、枯れた落ち葉だけでなく、ヒメアオキの青々とした葉も含まれていました。 
もしかすると、常緑樹の葉には清々しいアロマ効果や防虫効果があるのかもしれません。 

再び母親♀が巣口Lに顔だけ出し、巣口Lに残っていたヒメアオキの枝葉を咥えて中に引き込みました。 


シーン5:6/24・午前11:21:・晴れ(@3:21〜) 
母親♀が巣穴Lから左外に出て次の巣材を集めに行くシーンは撮り損ねたようです。 
左から後ろ向きで巣穴Lに戻ってくると、掻き集めた新しい巣材を搬入しました。 
今回の巣材には広葉樹の緑の生葉が含まれていました。(マルバゴマギかな?) 
細長い落枝も構わず一緒に運び込んでいます。 

その間、幼獣たちは巣材搬入作業の邪魔にならないように、巣内に留まっていました。 


※ アナグマの鳴き声や巣材集めの物音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/07/19

軒下の巣に出入りし外皮を増築するコガタスズメバチ♀:6月中旬

 



2024年6月中旬・午後14:20頃 

民家の軒下に作られたコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣を久しぶりに定点観察に来ると、本種の初期巣に特有の細長い巣口はすでに撤去済みでした。 
ワーカー♀が羽化したことがわかります。 
丸い巣の底(下面)に歪な形の巣口が開いていました。 

初ワーカー♀が外皮の造巣作業に従事していました。 
パルプの巣材を薄く引き伸ばしながら、外皮の縁に付け足しています。 
少なくとももう1匹(創設女王? 2匹目のワーカー♀?)が巣に出入りしていました。 

しばらくすると、別個体の♀が帰巣しました。 
外皮にいきなり着陸してから巣口に潜り込みました。 
このとき巣材や肉団子など何か口に咥えていたかどうか、真下から見上げるアングルでは不明です。 

巣内から出てきたコガタスズメバチ♀が巣口から外界を覗き、周囲を警戒しています。 
そのまま飛び立って外役に出かけたので、門衛ではありませんでした。 
それと入れ替わるように、外皮の造巣作業を終えた♀個体が入巣。 


つづく→

2025/07/14

池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#3】ニホンザルが泡巣を捕食?

 



2024年6月上旬〜中旬 

繁殖池で、岸辺に自生するマユミの枝葉にモリアオガエル♀♂(Rhacophorus arboreus)が集まって白い泡巣を次々に作り、産卵する様子をタイムラプス動画で記録しています。 
夏至(6/21)が近づき日が長くなったので、タイムラプス専用カメラのタイマー設定を午前5:30〜午後18:00に前後30分ずつ延長しました。 
1分間隔のインターバル撮影で、ちょうど一週間分(7日間)の記録です(6/7〜6/14)。 
最近は雨不足のようで、池の水量が減り、岸辺は干上がりつつあります。 
当分は雨が降らないとの週間天気予報で、心配です。 

それでは早速、撮れたタイムラプス映像を見てみましょう。 
撮影を延長した薄明薄暮の時間帯も充分明るく撮れていました。 
モリアオガエルの産卵は主に夜行われるようですが、昼間でも新しい泡巣が作られていました。 
例えば6/13午前8:00〜午後13:00の映像が分かりやすく撮れています。 

この時期、面白い事件がいくつか起きていました。 

(1)ニホンザルによるモリアオガエル泡巣の捕食?
カメラが狙っていたマユミ樹上の比較的新しい泡巣のいくつかが、動画の冒頭で突然、しかもほぼ同時に溶け落ちました。 
泡巣の内部でモリアオガエルの幼生(オタマジャクシ)が孵化してある程度育つと、雨が降る日に自然と泡巣が溶け落ち、オタマジャクシは下の池に脱出します。 
しかし、今回の泡巣が自然に溶けたにしては時期が早すぎます。 
つまり、あまりにも不自然な溶解です。 
タイムラプス動画をコマ送りでじっくり見直すと、泡巣消失の謎が解けました。 
事件が起きたのは、6/7の午後15:44〜15:57です。 
何者かがマユミの灌木を激しく揺すったりしならせたりしたせいで、泡巣が何度も水中に没していました。 
そのせいで泡巣が早く溶けてしまったようです。 

このとき、池の対岸を遊動するニホンザルMacaca fuscata fuscata)が写っていました。
山林を遊動してきた群れが池を訪れ、一部の個体が狼藉を働いたようです。
猿が木から木へと伝い歩く際に、細いマユミ灌木上の泡巣が激しく揺すられて、泡巣が壊れたり溶け落ちたりしてしまったのでしょうか?
好奇心旺盛な子ザルがモリアオガエルの泡巣を果物と誤認して興味を持ち、調べに来たのかな? 

夏の暑い日にニホンザルは池に飛び込んで水遊びをすることが知られています。
関連記事(10年前の撮影)▶ 湖で泳ぐ野生ニホンザルの群れ
今回も池畔のマユミ灌木から無邪気に池へ飛び込もうとして、泡巣を意図せずに破壊・融解してしまったのでしょうか?
しかし、干上がりかけた浅い泥沼にニホンザルが入水するとは思えません。

実は、対岸(画面左端)に自生するミヤマガマズミの灌木にもモリアオガエルの白い泡巣が産み付けられています。 





下の連続写真で示すように、別個体のニホンザルがこのミヤマガマズミ群落を訪れて、しばらく座り込んでいました。
どうやらモリアオガエル泡巣に含まれる卵やオタマジャクシを捕食したようです。
ニホンザルにとって、貴重なタンパク源になるでしょう。

ちなみに、翌日6/8には、このミヤマガマズミの枝先にモリアオガエルの新しい泡巣が産み付けられていました。 
ニホンザルが来る前の泡巣の様子。まるで白い果実のように泡巣がたわわになっている。
対岸左のミヤマガマズミにニホンザル登場。右手前のマユミ枝葉が何者かによって大きくしなり、泡巣が写ってない。

ニホンザルが対岸左のミヤマガマズミでモリアオガエルの泡巣を捕食中?

別個体のニホンザルが対岸のスギ林縁を右から左へ遊動。右手前のマユミ枝葉が何者かによって大きくしなり、泡巣が写ってない。
対岸左のミヤマガマズミからニホンザルが去る。

右手前のマユミ枝葉を何者かが激しく揺する。
ニホンザルが居なくなると、マユミ樹上の泡巣は短時間ですっかり溶け落ちていた。

その後はマユミ灌木の真下だけでなく、水面のあちこちにモリアオガエルの溶けた泡巣が浮いていました。 
風に吹かれて水面を移動したのかと思ったのですが、ニホンザルが枝を激しく揺すって泡巣を水面に浸けたことで説明できそうです。 

1分間隔のインターバル撮影では、断片的な情報しか得られません。
もし今後もニホンザルがモリアオガエルの繁殖池に来て泡巣の採食を繰り返すようなら、池畔にトレイルカメラを追加して、動画による証拠映像を撮るしかありません。





【参考文献】
ニホンザルがモリアオガエルの泡巣を捕食するなんて、私にとっては全く予想外の事件で興奮しました。
GoogleScholarで文献検索してみると、残念ながら新発見ではなく、すでに論文になっていました。
井上光興; 辻大和. 野生ニホンザル Macaca fuscata によるモリアオガエル Rhacophorus arboreus 泡巣の採食事例. 霊長類研究, 2016, 32.1: 27-30.(全文PDFをダウンロード可)

ブログで報告している人もいます。
サルが食べていたのは・・・ @秋田・青森県


外来種のアライグマがモリアオガエルの泡巣と成体を捕食した事例も別に報告されていて、この論文は要旨だけ読めました。
ICHIOKA, Yukio; HIJII, Naoki. Raccoon Predation on Foam Nests and Adults of the Forest Green Tree Frog (Zhangixalus arboreus: Rhacophoridae) in Central Japan. Current herpetology, 2021, 40.2: 129-136.
外来種のアライグマが当地で生息しているという確かな証拠映像はまだ撮れていません。

野生動物による捕食圧が高まれば、モリアオガエルも対抗策を進化させる可能性があります。
今の泡巣は白っぽくて樹上でよく目立つので、緑の色素を混ぜ込んで迷彩を施せば、保護色になりそうです。

もしかすると逆に、モリアオガエルはニホンザルに泡巣を見つけてもらいたいのかもしれません。
樹上の果実に擬態してニホンザルの気を惹いているという大胆な仮説です。
泡巣が産み付けられた木にニホンザルがよじ登ろうとしても、細い灌木のことが多いので、猿の体重を支えきれずに大きくしなり、泡巣は水没してしまいます。
泡巣の一部はニホンザルに捕食(食卵)されてしまうかもしれませんが、泡巣が溶けてオタマジャクシが水中に脱出するのをニホンザルが助けているのかもしれません。



(2)6/9午後12:20に対岸の水際をホンドタヌキNyctereutes viverrinus)らしき野生動物がうろついていました。
(3)6/12午前7:49にコガラPoecile montanus)がマユミ樹上に来ていました。 
モリアオガエルの泡巣に集まる昆虫(ハエやシリアゲムシなど)を捕食しに来たのかな? 

他にも私が見落としている事件がまだまだありそうなので、皆さんもタイムラプス動画をスロー再生して見つけたら教えてください。


2025/07/09

アナグマ空巣の横で新たに穴を掘るホンドタヌキの謎【トレイルカメラ】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/11・午後13:26・くもり・気温35℃(@0:00〜) 
シーン0:6/11・午後14:10・くもり・気温37℃(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林で越冬中に死んだニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張り続けています。 
地中に2つの巣穴L、Rが掘られていますが、内部でつながってはいないようです。 


シーン1:6/12・午前4:44・気温15℃(@0:07〜)日の出時刻は4:13。 
早朝で日が昇っているのに、木の葉が生い茂る初夏の二次林内はかなり薄暗いです。 

単独でセットに現れたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が、通りすがりにアナグマの巣口Lのすぐ左の地点の匂いを嗅ぐと、なぜか前足で地面を掘り始めました。 
巣口Lを拡張する土木工事(造巣行動)とは違うようです。 
タヌキはどうやら、何か地中に隠れた虫や野ネズミ(ノネズミ)などを狩ろうとしているようです。 

一旦アクセストレンチを降りて巣口Lの匂いを嗅いでから、穴掘り作業を再開しました。 
巣口Lの横にマルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の灌木が自生しているのですが、その邪魔な根っこをタヌキは掘り返そうとしているのかな? 


シーン2:6/12・午前4:45・気温16℃(@1:07〜)
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。 
タヌキが巣口Lの横で穴を掘り、その合間に巣口Lに顔を突っ込んで匂いを嗅ぎました。 


シーン3:6/12・午前4:46・気温16℃(@2:07〜)
トレイルカメラはセンサーで熱源の動きを検知すると起動するのですが、そのとき周囲の照度を測り、自然光で撮るか赤外線を照射しながら暗視動画に撮るかを二択で決めます。 
その閾値になる薄明薄暮の時間帯だと、かなり薄暗いフルカラー録画になったり、赤外線の暗視モードで録画したりと、トレイルカメラの挙動が交互に変わります。 
トレイルカメラの同じ機種でどの個体でも同じ症状が出るので、これはトレイルカメラの欠陥(不良品)やシステムのバグではなく、仕組み上、仕方がないようです。 
私としては、動物の行動がモノクロでも明瞭に写って欲しいので、充分に明るくなるまでは薄明薄暮でもきれいに写る暗視モードで統一してくれた方がありがたいです。 


タヌキの顔が穴掘り作業で汚れて、すっかり真っ黒になりました。
前足を使って黒土を後方に掻き出し、勢い良く跳ね除けます。 


シーン4:6/12・午前4:47・気温17℃(@3:07〜)
次に監視カメラが起動したときにはフルカラー録画に戻りましたが、辺りはまだ薄暗いです。 

タヌキは穴掘り作業を中断すると鼻面を上げて、周囲のマルバゴマキの枝葉やブラブラ垂れ下がっている枯れ枝の匂いを嗅いでいます。 
獣道を少しうろついてから、穴掘り地点に戻って来ました。 

遠くからキジ♂(Phasianus versicolor)がケンケーン♪と鳴く声が聞こえてきました。(@3:53〜) 


シーン5:6/12・午前4:48・気温17℃(@4:07〜) 
別アングルのモノクロ映像に切り替えます。 
穴掘りを止めて左の獣道に消えたタヌキが、すぐに戻ってきて穴掘り地点の匂いを嗅ぎ回っています。 

このカメラでも、遠くのキジ♂が早朝からケンケーン♪と縄張り宣言する鳴き声が録音されていました。(@4:40〜) 


シーン6:6/12・午前4:49(@4:56〜)
別アングルのモノクロ映像に切り替えます。 
タヌキがカメラを見上げてから、左に立ち去りました。 
タヌキが新たに地面を掘った跡は、アナグマのアクセストレンチLを変形・整備したようにも見えます。 


シーン7:6/12・午前4:49(@5:09〜) 
フルカラー録画に戻りましたが、早朝の二次林内は依然として薄暗いです。 
タヌキはもう一つの巣口Rにも立ち寄り、マルバゴマギ根元に開口した野ネズミ巣穴の匂いを嗅いでから、セットを右へ立ち去りました。 



※ キジの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
タヌキの本格的な穴掘り作業を撮影できたのは、これが初めてです。 
せっかくアナグマが作ったアクセストレンチの斜面を崩して、特定の地点を深く掘り進めていました。 
しかし穴掘りのスペシャリストであるアナグマほど、タヌキは穴掘りが上手くないようです。 
前足の爪もアナグマの方が鋭く発達しています。 

後日私が現場入りした際に、巣口Lから伸びるアクセストレンチが新たに形成されたと思ったのですが、監視カメラの映像を確認すると、タヌキの仕業でした。 
以下に写真を掲載しますが、昼間も薄暗い林内でストロボを焚くと、新しく掘られた穴の立体感や遠近感がいまいち失われてしまいます。







結局タヌキは、野ネズミや虫などの獲物を何も捕れなかったようです。
 「大山鳴動して鼠一匹」という諺よりも効率(コスパ)が悪い採餌行動でした。 
その後もホンドタヌキがこの巣穴Lに転入(引っ越し)することもありませんでした。



2025/06/21

コガタスズメバチ創設女王が軒下で初期巣を作る様子【10倍速映像】

 



2024年5月下旬 

民家の軒下に単独で営巣を始めたコガタスズメバチVespa analis insularis)創設女王♀の活動を微速度撮影してみました。 
トレイルカメラとかタイムラプス専用のカメラもあるのですけど、今回の初期巣はかなり高所に架けられているため、巣の近くに監視カメラを設置することが出来ません。 
仕方がないので、軒下(初期巣の真下)に三脚を据えて、真上を向けて初期巣に望遠レンズでズームインし、10倍速で微速度撮影しました。 
毎回カメラのバッテリーを使い切るまで長撮りします。 
斜め下から初期巣を見上げるアングルを確保できれば、巣口が細長く下向きに形成される様子を記録できたのですが、残念ながら現場周辺の立地的な事情があって、どうしても真下からしか撮影できませんでした。 
おまけに3日間しか撮影できていません。 
色々と中途半端ですけど、創設女王の行動レパートリーを一通り記録することが出来ました。 

動画の撮影開始時刻を元にして、時刻を秒単位で画面内に表示するように編集で工夫しました。 
撮れた動画のほとんどの時間は何も起こらず退屈なので、編集でカットします。 


シーン1:5/26・午前11:19〜午後12:45(@0:00〜1:56) 
巣内で創設女王が何をしているのか、暗くてよく見えませんが、育房内を点検して回っているようです。 
幼虫が卵から孵化しているのかどうか、映像からは分かりませんでした。 
巣内に篭もった女王が巣盤の裏側(上側)に隠れてしまうことがあります。 
巣盤の天井部で巣柄を抱くように体をカールさせ、育房内の卵を自分の体温で温めることで、孵化を早めるのだそうです。(抱卵行動) 
別の場所で撮ったコガタスズメバチの抱卵行動を観察できたので、映像を公開する予定です。 

ときどき女王は巣から飛び去り、おそらく花蜜を吸うなどして食事をしてくるのでしょう。 
巣材として木の樹皮を噛みほぐしたパルプを集めてくることもあります。 
巣材の団子を持ち帰った創設女王は、作りかけの外皮の縁に巣材を薄く伸ばしながら追加していきます。 

コガタスズメバチの創設女王は1層の巣盤を作って育房内に産卵すると、巣盤を覆うように球状の外皮を上から作ります。 
次に、外皮の下側にある出入り口(巣口)を細長く下向きに伸ばしていきます。 
初期巣が逆さまの徳利みたいな形になるのが、コガタスズメバチの特徴です。 


シーン2:5/27・午前11:04〜午後12:35(@1:57〜3:50) 
前日よりも外皮底の開口部が小さくなっています。 
その結果、女王の巣内活動を観察できなくなりました。
創設女王は、帰巣→外皮増設→出巣のルーチンを何度も繰り返しています。 
煙突状の巣口を下向きに細長く伸ばしているようです。 


シーン3:5/29・午前11:05〜午後12:18(@3:51〜4:03) 
この日は帰巣→出巣を1回ずつしか録画できていませんでした。 
どうやら造巣行動をやらなくなったようです。 
この日で撮影を打ち切りました。 


巣作りが一段落した後、創設女王は幼虫にせっせと給餌して育てるはずです。 
やがてワーカー♀が無事に羽化すると、細長い煙突状の巣口を取り壊します。 
その様子も微速度撮影で記録したかったのですが、どうしても定点カメラを長期間設置する場所を確保できず、諦めました。 


2025/06/18

軒下の初期巣から飛び去るコガタスズメバチの創設女王

 

2024年5月下旬・午後15:00頃

民家の軒下にコガタスズメバチVespa analis insularis)の初期巣を見つけました。 
毎年チェックしていたのですが、11年ぶりに営巣してくれました。
この日、女王蜂は不在でした。 

関連記事(まとめ)▶ 軒下に営巣したコガタスズメバチの定点観察(2013年)
ストロボなし
ストロボあり。六角形の育房内に白い卵?幼虫?
11年前に営巣した古巣の残骸の隣に営巣開始。

  
2024年5月下旬・午後15:50頃

3日後に定点観察しに来ると、軒下の初期巣は順調に大きくなり、外皮の開口部が塞がりつつあります。 
創設女王が巣の外皮を下向きに増設しているようでしたが、ストロボ写真を優先したら、動画をほとんど撮れずに女王が飛び去ってしまいました。 
女王様の飛び立ちを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

北向きなので、夕方になるとかなり薄暗い映像になってしまいます。 
高所に作られた巣なので、地上から見上げてカメラの内蔵ストロボを焚いても、フラッシュ光があまり届きません。 

コガタスズメバチ創設女王が巣作りをする様子を微速度撮影できないか、方法を考えます。 


2025/04/28

配電盤の裏で営巣適地を探すフタモンアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:45頃・晴れ 

郊外にある某施設の駐車場で、電柱の配電盤の周りをフタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が飛び回っていました。 
早春の時期だとワーカー♀ではなく、越冬後の創設女王です。 
特に裏側の隙間に興味を示して、何度も物色していました。 
巣を作り始めるのに適した場所を探しているようです。

2025/04/08

花が咲いたボケの枝先で巣作りに適した場所を探すセグロアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:30頃・晴れ 

道端で赤い花が咲き始めたボケ(木瓜)の灌木にセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が訪花していました。 
この時期はワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王ですね。 
吸蜜していたようですが、しっかり接写する前に化粧(身繕い)してから飛び立ってしまいました。 

女王蜂は少し飛んだだけで、その後は緑の若葉が芽吹いたボケの枝先を丹念に調べていました。 
ボケの枝葉にはまだイモムシ類が居ないので、獲物を探索する狩りモードではなさそうです。 
どうやら女王蜂が初期巣を作り始める場所を探しているのだと分かりました。 
クロアリ(種名不詳)が往来する枝先は嫌がってすぐに離れます。 
アシナガバチにとって最大の天敵はアリだからです。 

別の枝先では緑色のクモとニアミスしたのですが、クモの方がセグロアシナガバチ♀を怖がって葉裏に隠れてしまいました。 
クモの正体は初めハナグモかと思ったのですが、おそらくサツマノミダマシNeoscona scylloides)のようです。 
造網性のクモですから、徘徊性のクモのように獲物を待ち伏せしていた訳ではありません。 




2025/04/07

化粧してから落ち葉の下に隠れて休むオオマルハナバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後12:35頃・晴れ 

里山で稜線上の山道を縦走していると、オオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)を見つけました。 
この時期だとワーカー♀ではなく、越冬から目覚めた創設女王が独りで営巣適地を探索しているのです。 

枯葉の上に乗った女王蜂は、長い口吻を出し入れしながら身繕いを始めました。 
後脚にある空荷の花粉籠がよく見えます。 
手前の落枝が撮影の邪魔(目障り)なので、私が動画を撮りながら横に少しずれようとしたら、落ち葉を踏む音に警戒した蜂は落ち葉の下に潜り込んでしまいました。 
そこが営巣地の入口なのかと思ったのですが、オオマルハナバチ女王の静止した脚の先端だけ覗いて見えているので、ただ隠れただけのようです。 




山登りで標高が上がると、平地性のクロマルハナバチから山地性のオオマルハナバチへと優占種が見事に(図鑑に書いてある通りに)交代する様子が分かります。 
両種が混棲するエリアもあります。

2025/04/02

花が咲いたボケの灌木で営巣適地を探して飛ぶフタモンアシナガバチ創設女王

 

2024年4月中旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の道端に咲いたボケ(木瓜)の赤い花にフタモンアシナガバチ♀(Polistes chinensis antennalis)が訪花していました。 
この時期はワーカー♀ではなく、越冬明けの創設女王です。 
ミツバチと一緒に吸蜜していたようなので慌ててカメラを向けたら、警戒して逃げられてしまいました。 


花から飛び立った後も、フタモンアシナガバチの創設女王はボケの枝の茂みを丹念に調べるようにゆっくり飛び回っています。 
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:11〜) 
アシナガバチの獲物となるイモムシ類はまだボケの木に居ないはずなので、探餌飛翔というよりも、営巣に適した場所を探索しているのでしょう。 
実は別種のアシナガバチの創設女王も、ボケの枝に巣を作り始めようかと物色しているところでした。



死んだアナグマの営巣地で巣材を選り好みする春のハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午前8:30頃・晴れ・気温15℃ 

死んだニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がまた現れました。 
二次林の林床を歩き回り、巣材を集めているようです。 
細い落枝を拾い上げても気に入らずに、すぐ捨てています。 

以前タヌキが巣口Rに積み上げたバリケードからハシブトガラスが棒を引っこ抜いて物色していますが、やはり気に入った小枝が見つからないようです。 

拾った小枝や細い蔓を足で押さえつけて細かく千切り始めました。 
巣材の長さを調節しているのか、それとも強度を調べているのでしょうか? 
しかし結局、何も持たずに飛び去りました。 

ハシブトガラスがときどき2つの巣穴R、Lの奥をしげしげと覗き込んでいるのは、きっと死骸を探しているのでしょう。 
巣口の横に自生するマルバゴマギの細い灌木に若葉が芽吹き始めました。 
その止まり木にカラスが乗って、巣口を見下ろすこともありました。 
もしも死骸を見つけたら、腐肉を食べたり、毛を毟り取って産座用の巣材として有効活用するはずです。 

ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@4:30〜)。 


【考察】 
ハシブトガラスが持ち去る巣材をかなり吟味していたということは、巣作りも仕上げの段階だったようです。
これほど長居したのに、この日を最後にカラスがセット(営巣地)にまったく来なくなりました。
ハシブトガラスの巣が完成して、巣材を集める必要がなくなったのかもしれません。 
それとも、死骸の生物分解が進んで死臭がしなくなったのかな? 
(巣穴Lの奥に「いざりタヌキ」の死骸があるのではないかと私は疑っています。)



つづく→

2025/03/31

春の休耕地で巣穴を見回るニホンアナグマ♂が謎の土掻き行動【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年4月中旬 

シーン0:4/10・午後13:11・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
根雪が完全に溶けた休耕地を自動撮影カメラで見張っています。 
枯野の地面に巣穴が幾つも開いているのですが、タヌキ、アナグマ、キツネが三つ巴で営巣地を乗っ取ったり同居したりして、複雑な状況でした。 
ニホンアナグマ♂(Meles anakuma)の登場シーンをまとめます。 


シーン1:4/16・午後23:25・気温10℃(@0:03〜) 
深夜に、手前から真っ直ぐ奥に向かうアナグマの後ろ姿が写っていました。 
夜這いに来たニホンアナグマ♂と判明。 
巣口Mbに入りかけて匂いを嗅いでから、巣口Mbの地面に尻を何度も擦り付けて匂い付けのスクワットマーキングをしました。 
続けて、イヌのように後足で地面を掻きました。 

次は巣口Rに向かいました。 
匂いを嗅いでから後の行動が、残念ながらよく見えません。 
アナグマ♂は巣口Rでマーキングしているようにも見えますし、地面を掘って居るようにも見えます。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:03〜)。 

遠くて監視カメラの赤外線が届かず、暗いのです。 
画像処理で強引に明るく加工しても、ノイズが多いです。
冬は積雪がレフ板の役割を果たしたおかげで、赤外線が遠くまで届いたのですが、残雪が溶けると赤外線が光量不足です。 



シーン2:4/20・午後21:06・気温10℃(@2:03〜) 
4日後の晩にも、夜這いアナグマ♂が左からノソノソ歩いて登場しました。 
通りすがりに巣口Lの匂いを嗅ぎました。 
次に巣口Mf、Mbの匂いを嗅ぐと、スクワットマーキングしてから巣口Rへ向かいます。 
巣口Rの近くでもスクワットマーキングしたようですが、遠くてよく見えません。 
最後は手前の二次林へ走り去りました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ(@2:55〜)。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】 
アナグマ♂がスクワットマーキングの後に土を掻く行動は12日後にも見られたので、同一個体♂の癖なのかもしれません。(映像公開予定) 
イヌの場合は足裏に汗腺があり、肉球から分泌される匂いを地面に擦り付けることで、自分の存在を他の犬にアピールしています。
この行動は縄張りを主張するためのマーキングの一種です。
地面を掻いた痕跡をわざと残して視覚的にアピールする意味もあります。
一方、アナグマの足裏に汗腺や臭腺があるという情報は検索しても見つかりませんでした。
繁殖期(交尾期)に特有の、アナグマ♀にアピールするマーキング行動なのかもしれません。
アナグマが穴を掘るときには前足を使うので、後足で地面を掻く行動は初めて見ました。



この時期、休耕地の巣穴に住んでいる動物が誰なのか、はっきりしません。 
一時期住み着いていた疥癬キツネは姿を消し(死亡?)、アナグマ♂も巣穴に出入りするシーンは撮れていません。 
残るタヌキが本命ではないかと思います。 

トレイルカメラの保守作業で現地入りした際に、巣穴にそっと近づいてみたことがありました。(現場検証)
枯草に覆われた休耕地を歩き回ると、巣口付近の地面がふかふか(脆弱)で、浅いトンネルをズボッと踏み抜いてしまったような感触がありました。
私のせいで巣穴の一部が壊れてしまい、警戒した家主が近寄らなくなってしまったとしたら、申し訳ないです。

つづく→

2025/03/13

下半身が麻痺したまま巣口で座り込んで動けないホンドタヌキの横で巣材を集めるハシブトガラス【野鳥:トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶  


2024年3月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)が死んだ後も、自動撮影カメラでその営巣地(セット)の監視を続けています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が巣穴を乗っ取ったようです。 

シーン1:3/30・午後16:04・晴れ・気温14℃(@0:00〜) 下半身を麻痺した個体と思われるタヌキが、巣口Lから顔を出して外の様子を伺っています。 
心なしか、ブルブル震えているようです。 
足が不自由で食べ物を充分に摂れず、カロリー不足で低体温なのでしょう。
夕方の時間帯は巣口Lの窪地は日が当たらず、日光浴もできなくなりました。 

そこへハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がタヌキの目の前に舞い降りました。 
画角の左端でカラスの顔が見切れてしまい、何をしているのか分からなかったのですが、くるっと振り返って右を向いてくれたら、ハシブトガラスが嘴に獣の抜け毛の束を咥えていました。 
産座に敷き詰める巣材を集めているようです。 
アナグマの死骸を食べていたタヌキが死骸を巣口Rの近くまで引きずってきて、そこからカラスは毛を毟り取って来たのかな?


 ハシブトガラスは、巣口Lで身動きできない「いざりタヌキ」から体毛を直接毟りたそうにしていますが、実行しませんでした。 

しばらくすると、ハシブトガラスが2羽一緒に左から登場しました。 
まさか、スカベンジャー(死肉食)のカラスが衰弱したタヌキの死を待ちきれずに、襲って捕食するでしょうか? 
足腰の弱った「いざりタヌキ」は、カラスに襲われないように巣口Lに籠城しているのかもしれません。 
健常個体のタヌキなら、これほど至近距離にカラスが来て挑発したら、逆に襲いかかろうとしたりカラスを追い払ったりするはずです。 


シーン2:3/30・午後16:07・晴れ・気温20℃(@0:00〜) 
別アングルに設置した監視カメラで続きが撮れていました。 
(こちらのカメラには西日が直接当たって、気温が高く表示されます。) 

巣口Lの窪みに座り込んだ「いざりタヌキ」が身震いし、毛繕いを始めました。 
その近くでハシブトガラスがタヌキの様子を見ています。 
死期が近いのを知っていて、あわよくば生きているうちから捕食したいのでしょうか?
産座用の巣材としてタヌキの毛を直接毟り取りたいのかもしれません。 
カラスはトコトコ歩いて営巣地を横切ると、もうひとつの巣口Rに行くと中の様子を覗き込みました。 
林床で巣材となる枯れた落ち葉(アナグマの死骸由来の抜け毛かも?)を拾い集めると、右に飛び去りました。 


ハシブトガラスの巣材集めを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:00〜) 


シーン3:3/30・午後16:07・晴れ・気温16℃(@2:18〜) 
その後も、巣口Lで呆然としている「いざりタヌキ」の様子を5倍速の早回しでご覧ください。 
もしかすると、巣口Lの窪みにはまってしまって、抜け出すことが出来ないのかもしれません。 
下半身が麻痺した状態で地中の巣穴に出入りするのは大変です。 
下手したら、二度と地上に出れなくなるかもしれません。 

この後どうなったのか、とても気になりますが、監視カメラに写っていませんでした。 


つづく→

2025/03/09

早春の林床で落ち葉を拾い集めるハシボソガラスの謎(野鳥)産座の巣材集め?

 



2024年3月下旬・午前11:40・くもり後晴れ

林床に横たわっていたニホンアナグマMeles anakuma)の死骸がホンドタヌキによって持ち去られた後も、トレイルカメラによる監視を続けています。

昼前にハシボソガラスCorvus corone) が地上に現れ、落葉樹の枯れた落ち葉を拾い集めていました。
一旦集めた落ち葉を足で押さえながら、嘴で細かくほぐす行動も見られました。
遠くにいる仲間(つがいのパートナー?)と1回だけカー♪と鳴き交わしました。
集めた落ち葉を咥えたまま飛び去りました。
特定の樹種の落ち葉だけをカラスが選んで拾い集めているとしたら面白いのですけど、私には見分けられませんでした。


※ 動画編集時にモノクロ加工を施しています。 
トレイルカメラ旧機種の癖で昼間に撮った映像の画面全体で赤色が点滅する症状が出て目障りだからです。


【考察】
これを見た私はてっきり、産座の巣材集めだろうと思いました。
カラスの巣材は主に小枝や木質の蔓などです。 
枯れた落ち葉をカラスが産座の巣材として集めるのは珍しいかもしれません。 
日本鳥の巣図鑑:小海途銀次郎コレクション』 (大阪市立自然史博物館叢書5)でハシボソガラスの巣材について調べると、
産座には多量のスギ皮、シュロの繊維、獣毛、ビニールなどを敷き詰め…(p311より引用)


今回の行動で他の解釈ができるかどうか、Perplexity AIを使ってブレインストーミングしてみました。 (出典リンクURLは割愛。)
早春の林床でカラスが落ち葉(枯葉)を拾い集めて持ち去る行動について、産座の巣材収集以外にも以下のような解釈が考えられます: 
## 巣の修繕 
カラスは通年で巣のメンテナンスを行うことがあります[6]。秋や冬の間に傷んだ巣を修復するために、落ち葉を集めている可能性があります。 
## 食料探し 
1. 落ち葉の下や周辺に潜む昆虫や小動物を探している可能性があります[4]。 
2. 落ち葉に付着した水分を飲料水源として利用している可能性もあります[4]。 
## 巣以外の用途 
1. 落ち葉を使って食べ物を覆い隠すなど、食料の保管や管理に利用している可能性があります[1]。 
2. 落ち葉を使って他の物体を覆うなど、道具として使用している可能性もあります[1]。 
## 行動学的解釈 
1. 置き換え行動(displacement behavior)の一種である可能性があります[2]。カラスが何らかのストレスや葛藤状態にあり、それを解消するために落ち葉を集めるという第三の行動を取っている可能性があります。 
2. 好奇心や遊びの一環として落ち葉を集めている可能性もあります。カラスは知能が高く、様々な物体に興味を示すことが知られています[5]。 
## 繁殖行動の一環 
落ち葉を集めて運ぶ行動が、求愛行動や番いの絆を強める行動の一部である可能性があります。 この行動自体が、繁殖の準備や相手へのシグナルとなっているかもしれません。 
これらの解釈は可能性の一部であり、実際の理由を特定するにはさらなる観察や研究が必要です。カラスの行動は複雑で文脈依存的であるため、個々の状況に応じて解釈が異なる可能性があります。

食料探しの可能性については、個人的に納得できません。 
普通の食料探しなら落ち葉をめくって探したはずなのに、私が観察したハシボソガラスは、拾い集めた落ち葉を何枚も咥えたまま持ち去ったからです。 

 「落ち葉を使って食べ物を覆い隠す」という解釈はあり得るかもしれません。 
しかし早春の時期には落ち葉が地面のそこらじゅうにありますから、わざわざ隠蔽偽装材を予め集めてから貯食場所に持っていく必要はないはずです。 
貯食場所の近くで落ち葉を調達できるはずですから、ちょっと不自然な解釈のような気がします。 

数日前にアナグマの死骸が横たわっていた地点で落ち葉拾いをしていた、という点が重要かもしれません。 
産座の巣材として獣毛は貴重ですが、前日にハシブトガラスが持ち去ってしまった後です。 
あてにしていた獣毛が見つからないフラストレーションから、ハシボソガラスは置き換え行動(=転移行動)として落ち葉を拾い集めたのかもしれない、と想像してみました。 



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