2021年5月中旬・午前5:50頃・晴れ
高圧線の送電塔#21に毎年営巣するハシボソガラス(Corvus corone)の♀♂番を定点観察してきました。 2020年の繁殖期はちょうどコロナ禍が始まったせいで、出歩けなくなりました。
しかし、2020年から鉄塔の塔体ではなく腕金部分に巣作りする位置を変更していました。
同じハシボソガラスでも同一個体とは限らず、もしかするとペアが代替わりしたのかもしれません。
2021年はどうでしょうか?
早朝から見に来ると、親鳥♀が巣内に座って抱卵していました。
巣内の様子は不明ですが、親鳥♀の尾羽がほんの少しだけ巣の外に飛び出しています。
(抱卵中と私は解釈したのですけど、産卵中だった可能性もあります。)
しばらくすると、パートナーの♂が帰巣しました。
送電塔#21の近くの路上でアマガエルの死骸を拾ってきたのです。
喉袋に入れて持ち帰ったカエルの肉片を在巣の♀に給餌したようです。
しかし♀に給餌するのなら、カエルを細かくちぎらなくても丸ごと運んで来ればよい気がします。
もしかすると、孵化直後の小さな雛に給餌したのかもしれませんが、餌乞いの鳴き声を私は聞き取れませんでした。
給餌直後の♂は巣の真上の鉄骨に乗り、嘴を拭っています。
喉袋はもう空っぽで、膨らんでいません。
抱卵していたハシボソガラス♀が急に立ち上がると、飛び去りました。
朝食後に抱卵を♂と交代するのでしょうか?
おそらく水を飲んだり水浴しに行ったのではないかと想像しました。
ところが、留守番を任された♂も巣から飛び去りました。
♀と同じ方向に少し飛ぶと、送電塔から伸びる高圧線に止まり直しました。
足元の高圧線で嘴を拭い、営巣地の周囲を見張っています。
いつの間にか♀が戻って来ていて、♂と同じ高圧線の左側に少し離れて止まっていました。
すると♂が飛んで♀の右隣に止まり直しました。(@1:25)
左の♀が右の♂の羽毛を嘴で優しく整えています。(対他羽繕い)
いつ見てもカラスの愛情表現は微笑ましいですね。
♂は♀に羽繕いのお返しをしなかったので、「相互羽繕い」とは呼べません。
残念ながら撮影アングルがいまいちで、♀♂ペアが並んだときの体格差をしっかり比べることができませんでした。
一般的に外見からカラスの性別を見分けられないのですが、「抱卵を主に担当するのは♀」らしいので、今回はそこから逆算して性別を決めました。
♀が高圧線から飛び立つと、巣がある送電塔に帰りました。
しかし巣内の卵(雛?)をちょっと確認しただけで、なぜかすぐにまた高圧線に戻ってしまいました。
どうやら近くで巣をずっと見上げている私を警戒しているようです。
それを察した私が営巣地から立ち去る素振りを見せてから振り返ると案の定、送電塔に戻った♀がピョンと巣に飛び乗りました。
このときも雛鳥の鳴き声(餌乞い♪)は全く聞こえませんでした。
やはり未だ卵の段階だと思います。
巣内に座ると親鳥♀の姿はほとんど見えなくなりました。
抱卵を再開したようです。
一方、♂はまだ高圧線に居残って縄張りを油断なく見張っています。
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。