アカハライモリはデトリタス(水中の有機物のかけら)を食べるのではなく、肉食中心の食性を持っています。主にミミズ、昆虫(幼虫や成虫)、カエルの幼生、魚卵や同種の卵などを捕食することが知られています**。特に水中で動く小動物によく反応し、動く生き物を捕まえて食べる傾向が強いです**。 また、幼体の頃には小さな無脊椎動物などを食べ、成長すると食性が多様化し、肉食性が強くなります。泳ぎはあまり得意でないため、水中の底にいる獲物を主に捕食しています。 まとめると、アカハライモリは基本的に肉食専門に近い雑食であり、動く水生昆虫やミミズ、幼生などを捕らえて食べるため、デトリタスのような有機物のかけらを食べることは基本的にありません。 そのため、飼育下でも生きた昆虫やミミズ、小魚など肉食の餌を与えることが推奨されています。
2025/09/20
池の底でアカハライモリが捕食していた物とは?
2025/09/19
単独産卵中のオオシオカラトンボ♀が捕食者に襲われると警護飛翔中の♂は身を挺して守るのか?
オオシオカラトンボの♂が行う「警護飛翔」は基本的にライバルとなる他の♂トンボに対する縄張りや交尾相手(♀)の独占を目的とした行動であり、捕食者から♀を守るための直接的な防衛行動や警告行動ではありません。
理由と背景
警護飛翔の目的
♂は産卵中の♀を他の♂が奪うことを防ぐために♀の周囲を飛び回り、ホバリングしたり威嚇したりします。これは「産卵相手の独占」と「ライバルの排除」が主目的です。捕食者に対する反応
トノサマガエルやカエル類、クモ、カマキリなどの捕食者に対して、トンボの♂が積極的に捕食者を追い払ったり警告を発したりする報告は一般的に少なく、むしろ捕食者に気付いた♀や♂自身が素早く逃避飛翔します。
♂は捕食者に対して防御的に護衛する行動はとらず、攻撃的な防衛は行いません。捕食者が近づいた際のトンボの行動
捕食者の接近は非常に危険なため、♀も♂も逃げることが多く、♂の警護飛翔は捕食者認知や防御の役割は持たないと考えられています。まとめ
オオシオカラトンボ♂の警護飛翔は「競争相手の♂トンボへの排除・威嚇行動」であり、
捕食者からの防衛や警告ではない。
捕食者接近時は♀自身が逃げるか、周囲のトンボも飛び去るなどして回避する。
よって、今回のトノサマガエルに♀が跳びつかれた場合に♂が防御的な行動をとらず、逃げて無事だったというのは、オオシオカラトンボの自然な行動パターンとして符合します。
ところで、トンボの中にはノシメトンボのように♀が打空産卵する種類もいます。
トンボの「打水産卵」と「打空産卵」は、どちらも飛翔中に腹端をリズミカルに振る動作をとりますが、前者は腹端で実際に水面を叩き卵を水中や水面直下に産みつけるのに対し、後者は空中から卵をばら撒き水面や湿地、泥などに着地させる方法です。たとえばノシメトンボやナツアカネなど、同じアカネ属でも種や状況によって使い分けることがあります。dragonflykumamoto.fc2+1
なぜ産み分けるのか?
産卵環境の多様化(=卵の生存戦略の幅)と、捕食リスク・生息地特性への適応が主な理由と考えられています。
打泥産卵は泥の中、打水産卵は直接水中、打空産卵は水・湿地・泥の上など、卵を分散させて環境の変動や捕食からより多くの子孫を残す可能性を高めます。dragonflykumamoto.fc2
打空産卵は捕食者(カエルなど)に狙われにくい高さを飛びながら産卵できる反面、卵が正確に水中に落ちないリスクがあります。global
打水産卵の狙い付けについて
打水産卵は自分の腹端で「ここだ」と狙いを定めて直接水面を叩きつけるため、卵の投入位置をかなりコントロールしやすい利点があります。kobe-c+1
一方、打空産卵では相対的に「着地する地点」が卵ごとにムラが生じやすく、特に風や空中の姿勢で散布状態になります。ただし「湛水域の安定」「季節的な水たまり」など長期的な生存戦略としては有効な場合も多いです。
まとめ
打水産卵は「確実に水中へ」、打空産卵は「リスク回避&卵の分散」を組み合わせた適応行動です。とくに打水産卵は「狙いをつけやすい」産卵法に該当しますが、その分、捕食リスクもやや高くなります。kobe-c+2
種や産卵場所、環境条件に応じて両法を使い分けるトンボもいます。
参考:トンボの産卵方法の多様性と戦略
【アフィリエイト】
2025/09/16
マユミの枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【トレイルカメラ:昼夜の微速度撮影#7】
2025/09/12
池の底を歩き泳ぎ回るアカハライモリ
アカハライモリが水中で肺呼吸をする際に浮力があるにもかかわらず、水底を歩く理由や浮かばずにいる工夫についての直接的な研究データは見当たりませんでした。
しかし、いくつかの関連する観察や知見から推察できます。アカハライモリは主に水底を歩くことが多く、水中での移動はしっぽを左右に振ることで泳ぐこともできますが、歩いたりしがみついたりする行動も得意です。水中では足を使い体を支えてゆっくり動く性質があり、浮力による不自然な浮き上がりはそうそう起きにくいと考えられます。体の構造や動きから、浮力でそのまま水面に浮かばないよう、重心や筋肉の使い方でバランスを取っている可能性が大きいです。これは魚類のような浮袋がない両生類に共通する特徴です。飼育環境の解説では、水草や底砂などを使って休憩できる足場を設けるのが推奨されており、自然の池でも水草や底質を利用し安定していると考えられます。まとめると、アカハライモリは肺呼吸のために水面に出る必要はありますが、浮力を抑えて水底を歩くために特別な器官があるわけではなく、体の重さや筋肉の動かし方で自然にバランスを取り、水底での生活を維持していると考えられます。補足として、彼らの泳ぎ方は体を左右に振る独特なものであり、手足は短いため泳ぎが得意ではなく、底を歩く方が水中移動として自然なスタイルです。アカハライモリには魚のような浮き袋はありません。浮き袋は主に魚類が持つ器官で、体内にガスを調整して浮力をコントロールし、水中での位置を調整する役割がありますが、両生類であるアカハライモリにはこのような浮き袋は存在しません。アカハライモリは肺呼吸をしながら、同時に皮膚呼吸も行うことができ、水中では体重や筋肉運動で浮力の調整やバランスを取り、水底を歩く生活様式をとっています。浮き袋の代わりに、体の構造や筋肉の使い方、環境中の足場(水草や底砂)を利用することで浮かばずに水底で動き回っています。つまり、浮力調整は魚のような器官によるものではなく、物理的な体の重さや動かし方によって自然に調整されていると考えられます。
2025/08/17
池畔のハルニレ枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【微速度撮影#6】
2025/08/07
池畔のミヤマガマズミの枝先に産み付けたモリアオガエル♀♂の泡巣【微速度撮影#5】
2025/08/01
池畔のマユミとハルニレの枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#4】
2025/07/25
池の水面に溶け落ちたモリアオガエルの泡巣に集まり吸汁・交尾するアメンボ♀♂
2025/07/24
カジカガエル♂の鳴き声♪(昼と夜)
オスは水辺にある石の上などに縄張りを形成し、繁殖音をあげる[2]。鳴くのは、繁殖期の4月から7月の夕方から明け方までである。和名の「河鹿」はこの鳴き声が雄鹿に似ていることが由来[3]。(wikipedia:カジカガエルより引用)
シーン2:6/16・午前2:45(@0:35〜)
実は**「間隔を開けて鳴く」という特徴そのものに意味がある**と考えられています。理由は以下の通り:
🔍 生態学的な意味 縄張りアピール: 他のオスとの競合を避けるため、間を空けて鳴き、自分の存在を静かに示す。休まず連続して鳴くと疲労し捕食リスクも増すため、間隔をあけて持続する戦略と考えられています。
メスへのアピールの工夫: 間隔を空けて鳴くことで「長時間、安定して鳴ける=体力があるオス」だと示せる場合があります(これを「スタミナのシグナル」と呼ぶ場合も)。
渓流環境への適応: 水音のある場所で連続音だと埋もれてしまうため、「間を空けて、目立つように」鳴くとも考えられています。
2025/07/18
山中の水溜りで暮らすカエル【トレイルカメラ:暗視映像】
タペータム(tapetum lucidum)の定義:網膜の後方(脈絡膜や色素上皮の深部)に存在する反射層光が一度網膜を通過し、タペータムで反射されて再び網膜に戻るこれによって視細胞(特に桿体細胞)の光感度が増強されるこれは夜行性動物の典型的な適応機構であり、暗所視力を大きく向上させます。■ 両生類における反射構造の位置と性質● 両生類の目では:網膜より後方にあるタペータム様構造は存在しない(通説)代わりに、網膜の前面側や網膜自体の中にある色素細胞やグリア細胞の配列が、光を乱反射・反射することで、目が「光って見える」ことがありますしかしこれは、光を“増強して戻す”機構ではなく、あくまで副次的な反射つまり、構造の位置と機能が異なるため、「タペータム」とは呼べないのです。■ 例外的な報告の位置づけ一部の研究(例:樹上性カエルの一部種)では、「タペータム様」構造の存在が示唆されたこともありますが、それらも:組織的には網膜の後ろではないか、機能的に反射増幅に寄与している証拠が乏しいため、正式な意味での「タペータム」とは区別されています。
なぜカエルはタペータムを持たず、暗視性能を犠牲にするような進化(網膜の手前の層で光を反射する)をしたのでしょうか?
ChatGPTの回答は、
■ カエルにタペータムがない理由(仮説)
1. 水中生活に適応した視覚系の名残
オタマジャクシ期、カエルの多くは水中生活を送り、そこでは:
光の散乱が強く、タペータムによる再反射は逆に像の解像度を落とす可能性
反射光によって**水中の微細な粒子によるグレア(かすみ)**が生じやすい
➡ 水中視覚においては、むしろタペータムが邪魔になる可能性がある。
また、両生類の祖先は水中生活者であり、視細胞の高感度化よりも、像の明瞭性の維持を優先する視覚設計が選択されてきた可能性があります。
2. 桿体細胞(暗所視用視細胞)の高密度配置で補っている
両生類の網膜には、桿体細胞が非常に多く、高感度です。
タペータムの助けなしでも、十分な暗所視能力を備えている種もいます。
たとえば:
アカガエル属(Rana)などでは、夜間活動をしながらもタペータムなしで獲物を視認できるという実験報告があります。
タペータムによる「光の二重通過」よりも、ノイズの少ない一次通過の方が精度の高い視覚情報を得られるという観点もあります。
3. 夜行性だが夜目はそれほど必要でなかった
一部のカエルは夜間に活動しますが、完全な暗闇ではなく、薄明かりや月明かりがある環境(湿地、林縁など)を選んでいます。
そのような環境下では、タペータムを必要とするほどの光量不足ではないこともあり得ます。
4. 反射による自己露出リスク
タペータムの存在は、目が光る=捕食者に目立つというリスクを伴います。
両生類の多くは小型で捕食されやすく、夜間の視覚よりも被視認性の低下を優先する選択圧が働いた可能性があります。
5. タペータムを進化させる系統的な基盤を欠いていた可能性
タペータムは、哺乳類・爬虫類・魚類の中でも複数系統で独立に進化しています。
両生類(特にカエル)はそのような器官を形成するための細胞系・発生遺伝的基盤を持たなかった可能性があります。
いままで私が書いたカエルの記事を確認して、「カエルのタペータム」という記述があれば訂正しないといけません。
2025/07/14
池畔のマユミ枝先に集まって次々と泡巣を作り産卵するモリアオガエル♀♂【微速度撮影#3】ニホンザルが泡巣を捕食?
ニホンザルが来る前の泡巣の様子。まるで白い果実のように泡巣がたわわになっている。 |
対岸左のミヤマガマズミにニホンザル登場。右手前のマユミ枝葉が何者かによって大きくしなり、泡巣が写ってない。 |
ニホンザルが対岸左のミヤマガマズミでモリアオガエルの泡巣を捕食中? |
別個体のニホンザルが対岸のスギ林縁を右から左へ遊動。右手前のマユミ枝葉が何者かによって大きくしなり、泡巣が写ってない。 |
![]() |
対岸左のミヤマガマズミからニホンザルが去る。 |
井上光興; 辻大和. 野生ニホンザル Macaca fuscata によるモリアオガエル Rhacophorus arboreus 泡巣の採食事例. 霊長類研究, 2016, 32.1: 27-30.(全文PDFをダウンロード可)
ICHIOKA, Yukio; HIJII, Naoki. Raccoon Predation on Foam Nests and Adults of the Forest Green Tree Frog (Zhangixalus arboreus: Rhacophoridae) in Central Japan. Current herpetology, 2021, 40.2: 129-136.外来種のアライグマが当地で生息しているという確かな証拠映像はまだ撮れていません。