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2026/09/22

水溜りで交尾しながらガガンボを襲うアメンボ♀♂

 

2025年5月中旬・午前10:55頃・くもり 

里山の中腹にある湧水湿地の浅い水溜りでガガンボの一種が暴れていました。 
キリウジガガンボ(Tipula aino)ですかね? 
産卵中のガガンボ♀が何か水難事故に遭って溺れているのかと初めは思いました。 

カメラでズームインしてみると、水面で交尾しているアメンボ(種名不詳)の♀♂ペアのうち、♀がガガンボの細長い脚の先(左の後脚および中脚)をしっかり掴んでいました。 
捕食者から逃れようとガガンボが必死で暴れたおかげで、中脚は抜けたものの、後脚がどうしても抜けません。 
一方、アメンボ♀はガガンボの長い脚を手繰り寄せようとしても胴体まで口吻が届かないので、獲物の体液を吸汁(体外消化)できないでしょう。 
つまり、両者とも手詰まりの膠着状態でした。 
水深が浅いので、脚が長いガガンボは水溜りの底に立てますから、溺れる心配はありません。 

水溜り水面での攻防を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:30〜) 

アメンボがガガンボを狩る瞬間を見ていないのですけど、産卵していたガガンボ♀の足が水溜りの底のゴミに絡まって暴れていたら、その波紋を感じて交尾中のアメンボ♀♂が近寄ってきて襲ったのかもしれません。 
この後ガガンボは最終手段として、捕まった脚を自切して逃げるかと期待したのですが、他の水生生物に気を取られてしまった私は最後まで見届けられませんでした。

2026/09/13

セイヨウタンポポの花を舐めるマガリモンハナアブの一種♀?

 

2026年4月下旬・午後12:55頃・くもり 

山麓の用水路沿いに咲いたセイヨウタンポポの群落で見慣れないハナアブが訪花していました。 
複眼の形状から、♀のようです。 
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。 
自発的に飛び立つと、少しホバリング(停空飛翔)してから、同じ頭花に再着陸しました。 
身繕いして体に付着した花粉を落としています。 

シマアシブトハナアブ♀黒化型と迷ったのですが、マガリモンハナアブ属の一種(Anasimyia sp.)ですかね? 
顔を正面から見ても鼻高ではなかったので、ハナダカマガリモンハナアブではありません。 
マイナーな分類群なのか、『ハナアブハンドブック』には掲載されていませんでした。 

ハナアブが飛び去った後にタンポポの頭花をめくって総苞片の形状を確認すると、外来種のセイヨウタンポポでした。 
この辺りでは在来種のエゾタンポポと混在しています。

2026/09/04

菜の花を舐めるスイセンハナアブ♂

 

2025年5月下旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外の住宅地で民家の家庭菜園に咲いている菜の花に見慣れないハナアブが忙しなく訪花していました。 
口吻を伸縮させて、黄色い菜の花の花蜜や花粉を舐めています。 
後半は、菜の花に隣接するハルジオンにも一瞬だけ訪花しました。 

いつものように望遠マクロで虫を撮りたくても、菜の花の茂みが込み入っているため、AFで被写体にピントを合わせるのはまず無理です。 
仕方がないので、通常のマクロモードでレンズをそっと近づけて接写するしかありません。 
ハナアブが花から花へ飛び回る際に、プーン♪という羽音がかすかに聞こえます。

初めはクロマルハナバチ♀の小型個体またはコマルハナバチ♀かと騙されかけたのですけど、よく見るとベイツ型擬態のハナアブでした。 
胸部(襟元)が黒ではなく色が薄い(黄褐色)点では、クロマルハナバチよりもオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)っぽいかもしれません。
(しかし撮影地は平地なので、山地性のオオマルハナバチは生息していませんから、ベイツ擬態が成立しなくなってしまいます。)
顔を正面から見ると、左右の複眼が頭頂で接していたので♂と判明。 
後脚の腿節が黒くて太いです。 

今回の菜の花は園芸植物なのか、それともアブラナ科の野菜が花を咲かせたのか、真面目に検討していません。

謎のハナアブの名前を知りたくてGoogleレンズ(画像認識AI)を使ったら、スイセンハナアブ♂(Merodon equestris)とすぐに教えてくれました。 
スイセンなどの球根に幼虫が寄生する外来種らしい。 
輸入された園芸植物の球根と一緒に検疫をすり抜けて日本に侵入し、分布を広げているそうです。 
ベーツ擬態が中途半端でモデルがよく分からないのは、もともと日本在来種ではないからだと分かりました。

最近買った『ハナアブハンドブック』で調べ直すと、p93に掲載されていました。 
発生時期が5〜6月とのことで、ぴったり合います。 
スイセンハナアブは体色に変異型が色々とあるらしく(colour form多型の写真)、この個体は混合型(var. bulborumとvar. equestrisのどっち?)らしい。 
外来種のベーツ擬態の問題は考えてみるとかなり面白いので、改めて別の記事にします。(別個体の訪花シーンを映像公開予定)





余談ですが、2026年4月に出版された『ハナアブハンドブック』の書評を遅ればせながら少し書いておきます。 
ハナアブ専門の図鑑を長年待ち望んでいたので、調べ物の取っ掛かりとして本書はとてもありがたいです。 
紙の表紙にビニールカバーが被せられていて、野外に携帯しても汚れや摩耗から保護してくれそうです。 
しかし、肝心の図鑑編に掲載された各種ハナアブの写真が暗いのが不満です。 
文一総合出版のハンドブック・シリーズで共通したホワイトバック(背景が白色)の写真なのに、きちんとストロボを焚いていないのか、まるで蛍光灯の下で撮ったような暗い写真ばかりです。
細部の特徴が写真でよく分からないのでは、生物図鑑やハンドブックとして致命的な欠陥だと言わざるを得ません。 
もしかするとフラッシュを焚いているのに、斜めから撮っているせいかもしれません。 
ハナアブを同定するには背面と側面と顔正面の3枚ずつ、♀♂両方の写真を載せて欲しいのに、掲載写真を減らすため(コストカット)の苦肉の策として、本書では基本的に斜めから撮った写真が中心です。 
たとえばハナアブの世界というWEBサイトには、各種の標本写真がきれいにまとめてあって、今回も重宝しています。 
ハナアブ類の生態を説明した解説編の内容が充実していて本当に素晴らしいだけに、写真がとにかく残念です。 
出版社の編集者が心を鬼にして筆者に指摘する(撮り直しを命じる)べきでした。 
労作なのは重々承知の上で、筆者に対して酷な要求ですけど、写真を差し替えて改訂することを望みます。 


生物の図鑑は今後すべて紙ではなく電子書籍版で出版して欲しいというのが個人的な希望です。 
今さらですけど、電子書籍のメリットを列挙してみます。 
  • 電子書籍なら図鑑やハンドブックを何冊でもフィールドに持っていくことが可能になり、現場で調べることができます。 
  • 掲載するカラー写真の数を泣く泣く減らしたり、サイズを小さくトリミングしたり、カラー印刷のページだけ口絵としてまとめたりする必要が一切なくなります。 欲張りな私は、各種につき標本の写真も生態の写真も削らずに盛りだくさんに掲載してほしいのです。
  • 小さな文字が読みにくい読者は、虫眼鏡を使わなくても拡大して表示することができます。 写真も文字も小さな本は、老眼の高齢者への配慮を欠いています。 
  • 鳴き声の音声や行動の動画などマルチメディア素材との連携もスムーズになります。 1990年代にCD-ROMのマルチメディア図鑑が登場したときは革命的でした。感動・熱狂した当時と比べて、今の図鑑は明らかに使いにくく退化しています。 
  • 内容に訂正があれば、電子書籍ならすぐに反映できるはずです。


現状では伝統的な紙の出版文化を守ろうとして両方出し続けているために、色々と中途半端になっています。 
出版社の都合で、読者(消費者)の不満がいつまでも解消されません。 
電子書籍版と言いつつも、紙の書籍をスキャンした画像をまとめただけの粗悪な代物ばかりなのは、出版社の怠慢です。 
電子書籍の強みを遺憾なく発揮した編集になっていません。 
たとえば目次や索引からハイパーリンクで該当ページに直接飛べるように、最低限の編集をして欲しいものです。 
個人の有志が自費出版している電子書籍の図鑑には、すばらしい物があるので、技術的にできないとは言わせません。 
(たとえば『日本チョウ類E図鑑』など。)
大手の出版社もさっさと電子版に本格移行して欲しいものです。 
図鑑の未来は電子書籍にあると私は確信しています。 
子供向けの入門図鑑では、紙の書籍版も意味があるかもしれません。 
しかし、大人向けの専門的な図鑑は、すべて電子版にすべきだと私は考えます。 
紙の書籍で多くの種類を網羅しつつコンパクトで安価な図鑑にまとめるのは、もう限界でしょう。
料金は1冊毎の買い切りが私の好みですけど、いずれサブスク制が主流になりそうです。


2026/08/06

池の底でアカハライモリ♀がアカムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:40頃・晴れ 

里山の中腹にある池でアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)が暮らしています。 
この時期はイモリの繁殖期で、♂は婚姻色を呈します。 
池の底で活動していた1匹の♀に注目すると、捕食シーンを続けざまに観察できました。 

まず動画の冒頭で、イモリ♀が水底のデトリタスから突き出て動いていた獲物をパクっと捕食しました。 
食べられない泥を口内で選り分けて、口を閉じたまま鼻腔から煙のように吐き出しています。 
口をパクパクと動かして獲物を飲み込もうとしていますが、黒っぽい小さなゴミを口から吐き出しました。 
続けて、細長い赤い獲物も口から吐き出しました。(@0:20〜) 
これは、いわゆるアカムシ(ユスリカの幼虫)ですね。 
吐き出されたアカムシはまだ生きていて、しばらく擬死してから、身をくねらせて水中を逃げて行きます。 
イモリは目の前でアカムシを凝視しているのに、もう一度捕食しようとはしないで見逃しました。 

次にイモリ♀は、左から来たミズムシを正面からパクっと咥えて捕食しようとしたものの、逃げられました。(@0:44〜) 

その次は、水底のデトリタスごと獲物を食べてから、アカムシを口から吐き出しました。(@0:53〜1:02) 

最後にアカハライモリ♀は左にダッシュして、水中を泳いでいたアカムシを見事に捕食しました。(@1:02〜) 
今度は獲物をしっかり飲み込んだようです。


【考察】 
アカハライモリがアカムシ(ユスリカの幼虫)を食べたり食べなかったり(選り好み)する理由が私にはよく分かりませんでした。 
吐き出したアカムシが飲み込めないほど大きかったとは思えないのですが、味に好き嫌いがあるのでしょうか? 
捕食されかけたアカムシがイモリの口内で暴れたり忌避物質を出したりして、吐き出させているとしたら、面白い話です。 
被捕食者が何かしらの対抗戦略を進化させていてもおかしくありません。

アカハライモリはフグ毒と同じテトロドトキシンを体内に蓄積して捕食者から身を守っています。
イモリの腹面に鮮やかな(毒々しい)赤い模様があるのは、毒があることをアピールする警告色なのです。
ところが孵化したばかりのイモリ幼生は無毒で、餌に由来するテトロドトキシンを少しずつ溜め込んでいることが分かっているそうです。(生物濃縮)
テトロドトキシンを含む獲物だけをなるべく食べるようにアカハライモリが選り好みしているとしたら、面白い話です。
しかし、テトロドトキシン自体は無色かつ無味無臭なので、仮説としてはいまいちです。

2026/07/22

山中で池の水を飲みに通うコガタスズメバチ創設女王

 

2026年5月中旬・午前11:45頃〜午後12:45頃・晴れ 

里山のスギ植林地に囲まれた池の岸辺でコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)が低空で飛び回っていました。 
この時期はワーカー♀ではなく、創設女王が単独で活動している時期です。 
静かな池に重低音の羽音が響きますが、女王蜂の攻撃性はかなり低いので、無闇に怖がる必要はありません。 

スギの落葉落枝が泥濘に大量に散乱している岸辺の泥濘にようやく着地すると、泥水を飲み始めました。 
飲水中も腹式呼吸しています。 
一旦、飲み始めたら、私が撮影アングルを求めて岸を歩いて近づいても逃げませんでした。 
水を飲み終えると、どこかに飛び去りました。

正午前後の1時間で4回も飲水シーンが撮れました。 
おそらく同一個体のコガタスズメバチ創設女王が何度も通って来ているのでしょう。 
毎回岸辺のほぼ同じ地点で水を飲んでいます。 
越冬後の女王蜂はワーカーの助けを借りずに独りで巣を作るため、水を吐き戻しながら樹皮を噛みほぐしてパルプの巣材を次々と作る必要があるのです。 
そのためすぐに喉が乾くのでしょう。 
夏の酷暑日になるとスズメバチ♀は巣の冷却のために水を汲んでくることもあるのですが、まだ5月ですからそれほど暑くありません。 

もしかして、他の昆虫のように、ミネラル摂取のために泥を舐めている可能性もありますかね? 
それなら1日に何度も通って来ることはない気がします。 
吸水中に腹端から余分な水分を排泄することもありませんでした。 


関連記事(5、18年前の撮影)▶ 


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スズメバチの生物学 環境ECO選書⑲



コガタスズメバチの撮影に集中しているときは全く気づかなかったのですが、池の浅瀬の泥濘にメタリックグリーンの微小なハエが集まっていました。
謎のハエは口吻を伸縮させていないので、何をしているのか分かりません。
『ハエハンドブック』を眺めてみると、p137-139に掲載されたミギワバエ科やニセミギワバエ科の種類が似ています。

関連ブログ(ムシをデザインしたのはダレ?)▶ ビオトープの生き物 ?ヒラウキフネミギワバエ



2026/07/06

タネツケバナの花蜜を吸うコシボソハナアブの一種

 

2026年4月下旬・午前11:45頃・くもり 

二次林の林縁で小川の横に咲いたタネツケバナに訪花している小さな昆虫がいました。 
腹部が細長いので、てっきりコンボウヤセバチの仲間だと思って撮影したのですが、映像を見直すと蜂(膜翅目)ではなくハナアブの仲間(双翅目)でした。 

細長い腹部をゆっくり上下に動かしながら、花蜜や花粉を舐めています。 
ハナアブが飛び去った後は、レンズを近づけてタネツケバナの花序や葉を接写しました。 

いつもお世話になっている「ハナアブの世界」サイトで調べると、Bacchini (コシボソハナアブ族)のようです。 
さらにAllobaccha (ツマグロコシボソハナアブ属)とBaccha (コシボソハナアブ属)に細分化されるようですが、標本を精査して見比べないと私にはわかりません。 
「ツマグロ」かどうかは、おそらく翅の先端に黒紋の有無で区別するのでしょう。
今回は側面から撮ったので、素人目にははっきりしませんでした。 
(背側から見下ろして接写したかったです。)

最近手に入れた『ハナアブハンドブック』でも早速調べてみました。(p20〜21)
成虫発生時期の情報を信頼すれば、4月下旬に撮れた個体はAllobacchaではなくBaccha属のようです。
つまり候補としては、マダラコシボソハナアブ(Baccha maculata、5〜10月)またはムモンコシボソハナアブ(Baccha laphrieformis、4〜10月)となります。
さらに別属Episyrphusにも似た体型の種類がいるらしいのですが、発生時期が7〜8月と遅いので除外しました。(p59)


【考察】 
現場で私が騙されたように、コシボソハナアブはコンボウヤセバチと似ています。 
しかし、ベーツ型擬態とは言えないと私は考えます。 
なぜなら、擬態のモデルと想定されるコンボウヤセバチはフィールドでは数が少なくレアな寄生蜂なので、捕食を試みて痛い目に遭う(刺される)経験をする捕食者がほとんどいないはずだからです。 
したがって、擬態者のコシボソハナアブが捕食を免れて、より一層モデルに似てくるように進化することは期待できないでしょう。 
つまり、ベーツ擬態では説明できず、「他人の空似」に過ぎないと私は思います。 
もっと漠然と、「なんか蜂っぽい体型だな…」と鳥が思って忌避する(捕食を思いとどまる)可能性はありそうです。 
いずれにせよ、個々の事例を実験で確かめないで安易にベーツ擬態と決めつけたがる風潮には問題があります。 


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2026/06/28

ハルジオンの花を舐めるナカグロヒラタヤドリバエ♂暗色型

 

2026年5月下旬・午後13:50頃・晴れ 

里山をトラバースする山道に咲いたハルジオンの群落でナカグロヒラタヤドリバエ♂暗色型(旧名ナカグロヒラタハナバエ;Ectophasia crassipennis)が訪花していました。 
ちょっとレアな寄生バエですが、春には初見です。 
本種は成虫で越冬するのですかね? 

関連記事(2、13年前の撮影)▶ 


翅を広げたままで口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めているのは、黒い翅紋を誇示しているのでしょうか。 
頭花が風で揺れても平気で吸蜜を続けています。 

少し飛んで、同じ株の隣の頭花に移動しました。 
省エネのため、隣接する頭花には飛ばずに歩いて渡ります。 

この林道ルートは登山する人通りが少ないため、夏は草刈りしないとすぐに雑草が繁茂してしまいます。 


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2026/06/20

湿地を舐めてミネラル摂取するマツムラハラブトハナアブ♀?【ベーツ型擬態】

 

2026年5月中旬・午後13:00頃・晴れ 

春の里山のジメジメした林道の横の草むらで、低く飛び回っている虫がいました。 
てっきりクロマルハナバチ(Bombus ignitus)の創設女王が営巣地を探索中なのかと思い、季節の風物詩を動画に撮ったつもりです。
ところが映像を見直すと、マルハナバチにベーツ擬態したハナアブ科の仲間と判明しました。 

山腹をトラバースする林道のこの区画は、沢からの水が流れ込み、年中湿って泥濘になりがちです。 
このハナアブ♀は口吻を伸縮させて湿った地面を舐めていました。
吸水しつつミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
ミゾソバやヘビイチゴ、スギナなど湿地性植物の茂みの奥にどんどん潜り込んでしまい、姿を見失いました。 

関連記事(同所で3年前の撮影)▶ 山道の水溜まりに集まって産卵するオオハナアブ♀ 


今回の個体は、左右の複眼が離れているので♀ですね。 
翅先が擦り切れているので、越冬明けの個体なのかな? 
羽化直後にしては翅の損傷が激しいです。 (※ 後述の考察を参照)

いつもお世話になっている「ハナアブの世界」サイトで標本写真を見比べると、Mallota属(ハラブトハナアブ属)のようですが、種までは絞り込めませんでした。 
素人目には、マツムラハラブトハナアブ♀(Mallota rubripes)やミケハラブトハナアブ♀(=アシボソミケハラブトハナアブ;Mallota munda)などが似ている気がします。 
現場で私が騙されたように、ベーツ型擬態のモデルは、クロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)だと思われます。


※【考察】
ハラブトハナアブ属の越冬態について、ChatGPTに質問してみました。

Q1: Mallota属(ハラブトハナアブ属)のハナアブ類は成虫で越冬するのか? 越冬態について調べて

A1: ハラブトハナアブ属(Mallota)の越冬態については、日本語文献では情報が少ないのですが、現在得られる情報を見る限り、

少なくとも日本産のタカサゴハラブトハナアブ(Mallota takasagoensis)は成虫越冬とされています。 (Insect)

ただし、属全体としては少し注意が必要です。

Mallota属全体の生活史

Mallota属の幼虫は、樹洞(うろ)や腐朽木の水たまりに生息する、いわゆる「ラットテイルマゴット(尾呼吸管をもつ幼虫)」です。(ウィキペディア)

ヨーロッパや北米の種については、

  • 幼虫は樹洞の腐植質や微生物を食べる

  • 成虫の出現期間は短い

  • 多くの種は春から初夏に見られる

ことが知られています。(ウィキペディア)

一方で、Mallota属全体について「成虫越冬が一般的」と明記した信頼できる総説は見つかりませんでした。

成虫越冬の可能性

日本の昆虫図鑑ではタカサゴハラブトハナアブについて

冬は成虫で過ごす

と記載されています。(Insect)

また、ヨーロッパ産の近縁種では春のかなり早い時期(4月頃)から成虫記録があり、成虫越冬を示唆する場合があります。(ResearchGate)

ハナアブ科全体で見ると、成虫越冬する種は珍しくありません。たとえばホソヒラタアブ類やナミホシヒラタアブ類では、受精雌成虫が物陰で越冬します。(RHS)

結論

現時点で言えるのは、

  • 日本産のタカサゴハラブトハナアブは成虫越冬とされる。 (Insect)

  • Mallota属全種が成虫越冬とは断定できない。

  • ただし、少なくとも一部のMallotaでは成虫越冬が行われている可能性が高い。

ということです。

もしお調べの対象が日本産のハラブトハナアブ類(タカサゴハラブトハナアブ、アシブトハナアブ類など)であれば、学術論文や『日本産ハラブトハナアブ属の再検討(Hirooka & Maruyama, 2015)』などをさらに追って、種ごとの越冬態を調べることもできます。現状では「属としては不明だが、日本で普通に見られるタカサゴハラブトハナアブは成虫越冬」というのが最も確実な答えです。


Q2: 5月中旬に低山で観察したハラブトハナアブ属の成虫は、翅先が擦り切れていました。羽化直後にしては翅の損傷が激しいので、越冬明けの個体だろうと推測したのです。


A2: その推測は十分に合理的だと思います。

ハナアブ類では、羽化直後の個体は通常、

  • 翅縁が滑らかで欠損がない

  • 翅膜にしわや摩耗がない

  • 体毛がよく残っている

という状態です。

一方、成虫越冬した個体では、

  • 翅先や翅縁の欠損

  • 翅膜の擦れ

  • 胸部や腹部の毛の脱落

  • 体色の退色

などがしばしば見られます。

5月中旬という時期も興味深い点です。もしその種が春に羽化するのであれば、新成虫が出始めていてもおかしくありません。しかし、「翅先が明らかに擦り切れている」という観察事実は、単なる春羽化個体よりも、前年から生存している成虫を示唆します。

特にMallota属は一般的なヒラタアブ類のように何世代も繰り返すタイプではなく、幼虫期間が長く、樹洞環境に依存する種が多いため、春先に見られる個体が越冬成虫である可能性は十分考えられます。

もちろん、翅の損傷だけでは確定できません。例えば、

  • 羽化後しばらく活動した個体

  • 鳥やクモの攻撃を受けて逃れた個体

  • 樹枝や下草との接触が多かった個体

でも翅は傷みます。

ただし、

「5月中旬」
+
「翅先の摩耗が顕著」
+
「Mallota属の一部で成虫越冬が知られている」

という3点を合わせると、その個体が越冬明けの成虫だったという仮説はかなり説得力があります。

もし記録写真が残っていて、胸部や腹部の毛並みも確認できるなら、毛の摩耗状態も重要な手掛かりになります。ハラブトハナアブ類は本来かなり毛深いので、越冬個体では「全体にくたびれた印象」になることが少なくありません。翅だけでなく体毛まで摩耗していれば、越冬成虫説はさらに強まるでしょう。 


ちなみに、ハラブトハナアブ属の♀が樹洞に産卵する様子を以前、観察しています。



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2026/05/26

マミガサキアザミの花に集まる昆虫たち:メスグロヒョウモン♀・チャバネセセリ・キタキチョウ・ナミハナアブ

 



2024年10月中旬・午前11:35頃・晴れ 

里山の細い山道に沿って咲いたマミガサキアザミの群落に様々な昆虫が入れ代わり立ち代わり訪れ、花蜜を吸っていました。 
名前の分かった訪花昆虫を登場順に挙げると、メスグロヒョウモン♀(Damora sagana)2頭、チャバネセセリ(Pelopidas mathias)、キタキチョウ(Eurema mandarina)、ナミハナアブ(Eristalis tenax)などでした。 
オオハナアブ(Phytomia zonata)も飛来しかけたのですが、マミガサキアザミの頭花に着陸しませんでした。 
蝶は同じ頭花で並んで吸蜜しても、互いに争う占有行動は見られませんでした。

2026/05/24

春の林床で離着陸を繰り返すビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月上旬・午後13:05頃・晴れ 

早春の林縁でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が枯葉の上に乗って日光浴していました。 
左右の複眼が離れているので♀と見分けられます。 
枯葉の表面を舐めてミネラル摂取しているようにも見えますが、どうでしょうか。 
すぐに自発的に飛び立ちました。 



林床で離着陸を繰り返すビロウドツリアブ♀を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:12〜) 
枯葉に覆われた地面の上で低くホバリング(停空飛翔)しています。 
快晴で日差しが強く、高速で羽ばたく影もきれいに写っていますが、空中(低空)で産卵しているようには見えません。 
枯葉に着地すると、羽ばたきを止めました。 
産卵準備のための腹端接地行動はしていませんし、口吻の先端で枯葉の表面を舐めることもなく、再び飛び立ちました。 

日光浴中にわざわざカロリーを消費して離着陸を繰り返す目的が分からないのですが、離れた位置で撮影する私を警戒しているのかな?


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2026/05/20

夜に飛び回るガガンボ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬・午後19:00頃 

里山で湧水湿地の水溜りに来る野生動物や野鳥を調べるために、自動センサーカメラで見張っています。 

ある晩、ガガンボが飛び回る様子が写っていました。 
コウモリなど何か別の恒温動物が飛来して、監視カメラのセンサーが反応したのでしょうか。 
飛んでいるガガンボ自体が定説に反して発熱していたら面白いのですが。

2026/04/30

交尾中のキリウジガガンボ♀♂

 

2024年4月下旬・午後14:45頃・晴れ 

田んぼの農道でキリウジガガンボ(Tipula aino)の♀♂ペアがイネ科植物の葉に止まって交尾していました。 

互いに逆を向いて腹端の交尾器を連結しているかと思いきや、下の♂個体が腹部を前方に屈曲して♀と同じ向きで結合していました。
草葉に止まるために♂が体をねじって、たまたまこのような体勢になっただけかもしれません。 
先日観察したペアは、互いに互いに反対方向を向いて交尾していたからです。 

2026/04/26

着地して土を味見するビロウドツリアブ♀(ミネラル摂取)

 

2024年4月中旬・午後12:05頃・晴れ 

里山の細い山道を登っていると、低空でホバリング(停空飛翔)していたビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が落ち葉の間に着陸してから、口吻の先端で乾いた土を舐めました。 
いつでも飛び立てるように、着地している間も高速羽ばたきを止めません(アイドリング)。 
右から別個体のビロウドツリアブが飛来したら、嫌がって(警戒して?)飛び去りました。 

おそらく性成熟に必須のミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニア塩など)を摂取したくて、あちこち味見してミネラル濃度の高い地点を探しているのでしょう。 
それにしても、濡れている泥濘や泥水から吸水するのではなく、乾いた地面を舐めたのが意外でした。 
水分(唾液?)を吐き戻して地面のミネラル成分を溶かしながら吸水するのでしょう。
チョウ類の場合は、ミネラル摂取のために泥などを舐める(mud-puddling)のは専ら♂です。 
しかし今回のビロウドツリアブも、左右の複眼が離れている♀でした。 (これで2例目:n=2)

関連記事(同年の撮影)▶  

2026/04/06

イソギクの花を舐めるナミハナアブ♀

 

2024年11月上旬・午後15:15頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたイソギクの群落にナミハナアブ♀(Eristalis tenax)が忙しなく訪花していました。 
花蜜や花粉を舐めているはずですけど、背側から見下ろすアングルでは、肝心の口吻が見えません。 
短く飛んで花から花へ移動しています。 

参考サイト(byフッカーSさん):シマハナアブ亜属とナミハナアブ亜属の比較 
後脚脛節の黄紋の有無で近縁種を識別するのだそうです。 
今回の個体には、後脚の脛節に黄紋がないので、ナミハナアブとしました。 


2026/03/03

野菊の花を舐めるナカグロヒラタヤドリバエ♂暗色型

 

2024年11月中旬・午後14:00頃・晴れ 

山麓の水路沿いの草地に咲いた野菊(種名不詳)の群落で、あまり見慣れないハエが訪花していました。 
背側から撮ると口吻の伸縮があまり見えませんが、花蜜や花粉を舐めているようです。 
翅に特徴的な斑紋があります。 

このハエの名前が知りたくて、写真に撮ってGoogleレンズで画像認識してもらったのですが、まるで見当外れの回答しか返ってきません。 
これはAIのハルシネーションというよりも、そもそもAIの学習データとなる写真が不足しているマイナーな(人気がない)分類群の生き物でよくあることです。 

実は過去に自分で撮っているような気がして、自分の写真フォルダを見返してみました。 
すると、一昔前に同じ状況で撮っていました。 


このハエの性別について、Gemini AIの回答がこちら。 

一般的なハエの仲間(多くの有弁類など)に見られる「オスは複眼が接し、メスは離れる」という特徴は、この**ヒラタヤドリバエ属(*Ectophasia* 属)には当てはまりません**。

このグループは雌雄ともに複眼が離れている(離眼型)ため、顔の正面だけで判別するのは困難です。しかし、ナカグロヒラタヤドリバエの場合、**「翅の模様」と「腹部の形状」**に顕著な性的二型があるため、今回の写真からでも**オス**であると判断できます。

### 雌雄を見分けるポイント

* **翅の斑紋(最も分かりやすい違い)**
* **オス:** 翅の基部から中央にかけて、**非常に広範囲で濃い黒褐色の紋**があります。今回送っていただいた写真は、翅の半分近くが黒く染まっており、これは典型的なオスの特徴です。
* **メス:** 翅の模様はオスほど発達せず、透明な部分が多いか、紋があっても限定的です。


* **腹部の形と色**
* **オス:** 腹部がより幅広く、扁平(ひらぺったい)です。色は明るいオレンジ色が強く出ることが多いです。
* **メス:** オスに比べると腹部はやや細身で、黒色部がより目立つ傾向があります。


* **尾端の構造**
* メスには産卵のための構造がありますが、吸蜜中の写真では翅に隠れて見えないことが多いです。



### 結論

お写真の個体は、**翅の黒色斑が極めて大きく発達していること**、および**腹部が横に広くオレンジ色が鮮やかであること**から、**ナカグロヒラタヤドリバエのオス**と見て間違いありません。

この属は、翅の模様そのものがオス同士のディスプレイや種族識別に重要な役割を果たしていると考えられています。

蝶や鳥など人気がある生き物については、AIによる写真鑑定の精度は充分に高いのですが、まだ偏りがあります。
博物学の分野でAIがもっと賢くなるためには、とにかく膨大な学習データが必要です。 
あまり人気がないマイナーな虫でも、ブログやSNSで写真や動画をコツコツと投稿して下さる有志が増えると、AIはもっと便利になり、ささやかながら人類に貢献できます。 
何も新種の発見にこだわる必要はなくて、二番煎じの写真でも良いのです。


【アフィリエイト】 

2026/03/01

スッポンタケの柄が折れた後もグレバに群がり吸汁するハエ類(ベッコウバエ、キンバエ、ショウジョウバエなど)

 


2024年11月上旬・午後13:20頃・くもり 

スッポンタケの成長をタイムラプスで記録したトレイルカメラを回収するために現場入りすると、子実体の白い柄が途中で折れていて、先端部のグレバが横の林床に転がっていました。 
その場でタイムラプス映像を確認すると、スッポンタケの柄は何者かが(ぶつかって)折ったのではなく、自然に軟化崩壊して折れ曲がり、やがて切れ落ちたことが判明しました。 



途中で折れた柄を見下ろして撮ると、中空でスポンジ状の組織であることがよく分かります。 

グレバ直下の柄の一部分だけ、白い内部組織が見えています。 
キノコ食の昆虫やナメクジなどが食害したのかもしれません。 

グレバの残骸に鼻を近づけると、かすかにアンモニア臭が残っていました。 
全盛期に比べるとあまりきつい匂いではありません。 
匂いの低下に伴い、グレバに誘引されたハエ類の数も激減していました。 
グレバから分泌された、胞子を含む黒い粘液は乾燥しつつあります。 
それでも少数の虫が集まって、グレバに残ったわずかな粘液を舐めていました。 
ベッコウバエ(Dryomyza formosa)は1匹の♂だけが来ていました。 
キンバエ(Lucilia caesar)の仲間やキノコ食性ショウジョウバエの仲間なども来ていました。 
微小のアリや蜂も来ていましたが、私には名前が分かりません。 




2026/02/15

イソギクの花を舐める合間に身繕いするイエバエ♂

 

2024年11月中旬・午前10:10頃・くもり(ただの日陰かも?) 

郊外の住宅地で道端の花壇に咲いたイソギクの群落で見慣れないハエが訪花していました。 
イエバエ♂(Musca domestica)ですかね? 
恥ずかしながらイエバエ科の見分け方をよく知らないので、普通種でも拙ブログでは初登場になります。 
翅は透明ではなく、茶色を帯びています。 
左右の複眼が頭頂で接しているので、♂と判明。 
イエバエの腹部の腹板は橙黄色。ノイエバエの腹部の腹板は橙黄色はすべて黒色。(『ハエハンドブック』p145より引用)

白く縁取られた葉の上に乗って身繕いしています。 
前脚で頭部の複眼を拭い、次は左右の前脚および後脚の先を擦り合わせました。 
 化粧が済むと隣の花序に歩いて登り、口吻を伸縮させてイソギクの筒状花を舐め始めました。 
花序から降りて下の葉をうろつくと、化粧を再開。 

この後は他の気になる被写体(訪花昆虫)を見つけたので目移りしてしまい、イエバエ♂が飛び立つまで見届けられませんでした。
左翅が少し破損していますが、飛ぶのに支障はないはずです。
交尾相手の♀が蜜源植物に飛来するのを待ち伏せしているのかもしれません。


【考察】
イソギクの葉の白い縁取りについて

Q1: ふと気になったのですが、白く縁取られたイソギクの葉は一種の斑入りなのでしょうか?
Perplexity AIに質問してみると、意外な答えが返ってきました。

A1: いいえ、イソギクの「白い縁取り」は、通常いうところの斑入りとは別物と考えるのが妥当です。zoezoe+2

イソギクの白い縁取りの正体

  • イソギクの葉は、裏面から縁にかけて銀白色の毛が密生しています。uekipedia+3

  • その葉縁が少し反り返るため、表側から見ると「白い縁取り」があるように見えるだけで、葉肉の色(クロロフィル分布)が抜けているわけではありません。jplants+3

  • したがって、これは毛の構造と葉の形態による視覚効果であり、葉組織の色素異常・キメラに基づく斑入りとは性質が異なります。zoezoe+2

斑入り品種との違い

  • 文献では「葉に斑が入る園芸品種がある」「フイリイソギク(葉に白い模様が入る園芸品種)」とされ、これは葉身内部に白い模様が現れる典型的な斑入りとして扱われています。ous+2

  • これに対し、野生型イソギクの白縁は毛によるもので、園芸上も別に「斑入り」として区別される品種(フイリイソギク)が立てられていることからも、両者は明確に区別されています。uekipedia+3

結論として、イソギクの白い縁取りそのものは斑入りというより「毛による白い縁取り」という形態的特徴であり、斑入りと呼ぶのは適切ではないと思ってよいです。jplants+2


Q2: 白く縁取られていることで葉の輪郭をくっきりさせていますが、その形質は何の目的があって進化したのか? 

A2: イソギクの葉の銀白色の毛(トメントース状の被毛)は、主に海岸崖地の乾燥環境への適応として進化したと考えられます。[www1.ous.ac]​

進化の主な目的

イソギクは千葉から静岡にかけての海岸崖地に生育し、風が強く乾燥しやすい立地です。この環境で葉裏の白毛が密生することで、水分の蒸散を防ぎ、葉の乾燥耐性を高めています。aiki-jumoku+1

葉の厚みと毛の組み合わせが、海浜特有の塩風・乾燥ストレスに対する保護機能として機能します。[aiki-jumoku]​

追加の効果

白い毛は葉の反射率を上げ、光の強さを和らげ、過熱を防ぐ可能性もあります。[plaza.rakuten.co]​

葉縁の毛が輪郭をくっきりさせる視覚効果は、花の目立ちやすさを間接的に助けますが、主目的は生理的耐性です。[plaza.rakuten.co]​


Q3: 海岸崖地など似たような乾燥環境には、イソギク以外にも同様に葉縁に白い毛が密生するよう収斂進化した植物はいるか? 


A3: はい、海岸崖地などの乾燥・強風環境では、イソギクのような葉縁に白い毛(トメントース状被毛)が密生する形質が、複数の非関連植物で収斂進化しています。digirika.tym.ed+2

代表的な収斂進化例

  • ハマヒルガオ(ヒルガオ科): 葉裏に白い毛が密生し、葉縁が白く見える。砂浜の乾燥・塩風耐性に寄与。digirika.tym.ed+2

  • ハマゴウ(クマツヅラ科): 葉全体に白っぽい毛が生え、強い日差し反射と水分保持を担う。digirika.tym.ed+1

  • ハマニガナ(キク科): 葉に毛が多く、厚葉と相まって海浜乾燥適応。イソギクと同じキク科だが別属で独立進化。kusumachi+1

共通の適応意義

これらの白毛は、海浜の高温・乾燥・塩害環境で蒸散抑制と光反射を行い、葉温上昇を防ぎます。e-amco+2
葉縁特化は葉の反り返りと毛の視覚効果で輪郭強調し、種子散布時の視認性を高める副次的効果も考えられます。[kamakura.beststravel]

​

海から離れた山地で暮らす私にとって知らないことばかりで勉強になりました。

しかし、Perplexityの回答A3には末尾にハルシネーション(AIの誤り)が含まれています。

イソギクなどキク科植物の種子は動物散布ではなく、綿毛で飛散する風散布です。

そもそも山形県の内陸部でイソギクは自生しておらず、園芸植物として植栽された国内外来種なのです。

2026/02/11

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その5)ガガンボも捕獲

前回の記事:▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その4)マダラカマドウマやツノアオカメムシなども捕捉 

2024年11月上旬・午後・晴れ 

平地の二次林でニホンアナグマの巣穴Lを見張る監視カメラW付近の粘着テープには、ザトウムシの仲間の自切した歩脚が付着したまま残されていました。 
数は一時よりも減っていました。
巣穴Rを見張る監視カメラN付近の粘着テープには、ガガンボの一種の死骸が丸ごと付着していました。
トレイルカメラの映像にときどき写る、脚の長い虫はてっきりザトウムシ類かと思っていたのですが、ガガンボ類も含まれていた可能性が出てきました。
 

2026/02/05

スッポンタケのグレバに集まり交尾するベッコウバエ♀♂

 

前回の記事:▶  


2024年11月上旬・午後13:40頃・晴れ 

落葉した二次林の林床にニョッキリ生えたスッポンタケを見つけたとき、直前まで別の撮影で使っていたハンディカムを手に持っていました。 
古いハンディカムなので画質も手ブレ補正機能もいまいちなのですが、グレバに誘引されたハエを接写してみました。 

グレバに留まって交尾していたベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)に注目しました。 
動画をじっくり見直すと、交尾器はまだ結合していませんでした。
♀の背後からマウントした♂は交尾器を伸ばして結合しようと悪戦苦闘しています。 
その間、♂を背負った♀は口吻を伸縮させてグレバの粘液を一心不乱に舐めています。 

ハンディカムをそっと近づけても、ベッコウバエ♀♂は逃げませんでした。 
スッポンタケの悪臭に誘引されて別種のハエが次々に飛来する羽音♪が聞こえます。 
飛来したキンバエが交尾中のベッコウバエにぶつかっても、ベッコウバエ♀♂は飛んで逃げることはありませんでした。 

残念ながら、高画質のデジカメではベッコウバエ♀♂の交尾シーンを撮れませんでした。(逃げてしまった?)


2026/01/28

スッポンタケの臭いグレバに集まり吸汁するハエ類(ベッコウバエ・キンバエ・ニクバエなど)

 


2024年11月上旬・午後14:00頃・晴れ後くもり 

平地の二次林の林床で成長中のスッポンタケを見つけました。 
白い柄の上部にある黒っぽいグレバに多種多様なハエが多数群がり、口吻を伸縮させてグレバの粘液を吸汁しています。 
私の鼻が詰まっていたのか、特に悪臭は感じれませんでした。 
せっかくの機会なので、鼻を近づけてグレバをしっかり嗅ぐべきでしたね。 

ときどき足先を擦り合わせて身繕いしているハエもいました。 
スッポンタケの白い柄を歩き回るハエはほとんどおらず、グレバの方が圧倒的に魅力的なようです。 
スッポンタケの横を私が歩いたり近づいたりすると、ハエの群れは一斉に飛んで逃げるものの、すぐに舞い戻って来ます。
近くの下草の葉や落ち葉に留まって順番待ちをしているハエも居ました。 
交尾相手を待ち伏せする♂なのかな? 

来ていたハエの中で、私にちゃんと名前が分かるのは、ベッコウバエ♀♂(Dryomyza formosa)ぐらいです。 
他にはキンバエの仲間、ニクバエの仲間などが来ていました。 
ベッコウバエ♀の黒い腹部を横から見ると膨満しているのは、卵巣が発達しているのでしょう。 
この映像で見る限り、ベッコウバエの♂は近くに居る♀に交尾を挑もうとしませんでした。 
ベッコウバエをよく見かけるタヌキの溜め糞場では翅を素早く開閉して斑点の翅紋を誇示するのですが、スッポンタケの上ではそれもしていません。 

ここではベッコウバエが最大の種です。 
ベッコウバエが歩き回ると、他種のハエは遠慮して場所を譲りました。 
樹液酒場に集まる昆虫の間で力関係があるように、スッポンタケに集まるハエの間にも微妙な力関係があるのかもしれません。 
吸汁中に隣のハエが近づきすぎないように、脚を伸ばして互いに牽制しているのが興味深く思いました。 
集まったハエの個体間でさり気ない占有行動があるようです。 

余談ですが、動画の後半で甲高くヒッヒッ♪と聞こえるのは、冬鳥ジョウビタキ(Phoenicurus auroreus)の鳴き声かな?



【考察】 
ChatGPTに質問を繰り返して、スッポンタケとハエの関係について理解が深まりました。

・グレバに誘引されて吸汁したハエ類の♀は、スッポンタケに産卵することはほとんどない。
スッポンタケを主食として育つ“専食的な蛆虫(ハエの幼虫)”は、少なくとも確立した例は知られていません。

・スッポンタケのグレバは、ハエにとって魅力的な匂いを放つが、繁殖に寄与するほどの栄養価はなく、最低限の報酬だけを与えて胞子分散に利用する、強く非対称な関係である。(相利共生ではない)

・腐肉に擬態する悪臭グレバをもつスッポンタケ類は、形態進化としては単系統だが、ハエを利用するという生態的戦略自体は、菌類進化史の中で収斂的に繰り返し現れている。


進化的に見ると、この戦略はかなり「おいしい」条件が揃っています。


ハエ側の条件

腐敗臭に対する感度が極めて高い

行動範囲が広い

摂食と移動が強く結びついている


菌側の条件

腐敗臭の化学物質は、代謝的に作りやすい

子実体を栄養源として守る必要がない

幼虫を育てる必要がない(=一方通行)


そのため、「腐った匂いを出すだけで、勝手に運んでくれる」という設計は、進化的に再発明されやすい。



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