2025/12/26

家庭菜園に吊り下げられたサルのぬいぐるみ【猿害対策?】

2024年10月上旬 

山麓の集落で家庭菜園に置かれたサルのぬいぐるみを見つけました。 
緑のプラスチック製の竿に逆さまの状態でくくりつけられていて、まるで見せしめのような案山子です。 
畑で育てている作物はダイコンかな?(自信なし)
この集落では野生ニホンザルの群れやイノシシが頻繁に出没し、農作物を食い荒らすので困っているのでしょう。 
ヒトを模した伝統的な案山子かかしと比べて、サルのぬいぐるみの方がニホンザルへの威嚇効果(見せしめ)が高いとしたら面白いですね。 
鳥害対策も兼ねていそうです。
ユーモラスで涙ぐましい工夫ですけど、動かない案山子はただの「こけおどし」だとすぐにバレてしまう(慣れてしまう)はずです。

ちなみに、周囲の本格的な畑は電気柵でしっかり囲われていました。(写真を撮り忘れ) 

この集落では裏山に抜ける農道や周辺の下草がきれいに刈られていて、感心しました。 
美観のためだけではなく、野生動物に対してヒトが暮らす地域との境目がしっかり分かるようにしているのです。 
これは獣害対策の基本です。
草刈りして見通しが良くなるだけで、野生動物は警戒を増し、人里への侵入を抑制する効果があるのです。 


裏山への通り道には、ニホンザルを捕獲する檻も設置されていました。 
サルを誘き寄せる餌を赤いメッシュの袋に入れてあるのは、何の意味があるのでしょうか? 
素人考えでは逆効果ではないか?(餌がよく見えるように剥き出しに置くべきでは?)と思うのですが…。 
強行軍で疲れていた私は、檻に近づいて餌の種類を確かめに行く元気もありませんでした。

この檻で捕まえた野生動物がニホンザルの場合は、必ずしも駆除(殺処分)するとは限りません。
麻酔をかけてGPSや電波発信機の首輪を装着した上で山に放獣し、群れに戻すのです。
ニホンザルは群れで遊動する習性がありますから(単独行動の離れ♂は除く)、首輪を装着した少数の個体を追跡できれば、群れの位置もほぼ分かるのです。
首輪装着個体の現在地をリアルタイムで追跡したり、遊動域や隣の群れとの縄張り境界を可視化したりすることが可能になります。
それだけでなく、人里に接近したら自動的に近隣住民にメールで警報を発したり、追い払い部隊に通報したりする仕組みが確立されて、防除成果を上げています。

最近問題になっているツキノワグマの対策が難しいのは、ニホンザルとは違って単独あるいは母子の群れで行動するからです。
ニホンザルと同じ防除システムを確立するには、全個体のクマを片っ端から一時捕獲してGPS首輪を装着する必要があり、現実的ではありません。
 

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