2026/02/28

電気柵を飛び越えてリンゴ園に次々と侵入するニホンザルの群れ

 

2025年6月下旬・午前9:00頃・くもり 

里山から降りてきた野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが続々と車道に出て来て、坂道を下りて行きます。 
幼い子猿を腹にしがみつかせたまま四足歩行で運んでいる母親♀もいます。 
夏毛のニホンザルは、皆ほっそりした体型です。 
坂道の左横にある果樹園(リンゴ園)は、獣害対策の電気柵で囲われています。 
坂の上から車が降りてくると、猿たちは道端に一時避けて自家用車をやり過ごしました。 

ニホンザルの先頭個体が車道脇のコンクリートブロック護岸を駆け上がると、更に電柱の支線を身軽によじ登りました。 
コンクリートの電柱が傾いたり倒伏したりしないように、ワイヤー(支線)の張力で支えているのです。 
電柱支線の下部には、黄色と黒の目立つ縞模様で塗られたカバーが被せられています。 
そのワイヤーの途中から猿は電気柵を跳び越えて、隣接するリンゴの横枝に着地しました。 
あっという間の出来事です。 
予想してない行動だったので、撮影していた私はちょっと慌ててしまいました。

2頭の後続個体は電気柵の手前で座り込み、侵入経路を思案しているようです。 
子猿を腹に抱えた母親♀は身軽に動けないはずですが、どうするつもりなのでしょうか? 
母猿は幼い子猿を抱っこしたまま支線を登りかけたのになぜか止めると、横に建っているカーブミラーのオレンジ色に塗られた太い支柱をよじ登り始めました。 
細いワイヤー(支線)よりも、太い支柱の方がよじ登りやすいのでしょう。 
子連れの母猿はカーブミラーの天辺から隣の電柱支線(ケーブル)に移ると、さらに上へと綱渡りのように危なっかしくよじ登って行きます。 
その後は、手前の樹々の茂みが邪魔で見失ってしまいました。 
母親♀は子猿を運んでいるので体重が重く、より高所から飛び移る必要があるのでしょう。 
それとも、高所から偵察しただけでリンゴ園への侵入を諦めたのかもしれません。 
子連れの母親♀が電気柵を飛び越える様子を見届けられず、残念でした。 

その間に、後続の若い♂も支線をよじ登り、リンゴの横枝へひらりと跳び移りました。 
リンゴの樹上で待っていた先行個体と合流すると、一緒にリンゴの木から地面に降りました。 

このときたまたま、幌付きの大型トラックが車道の丁字路を右から来ていました。 
当地の群れの猿たちは車にすっかり馴れているようで、あまり怖がっている様子はありません。 

次は若い♂が車道に登場しました。(@1:33〜) 
繁殖期ではないので尻は赤くないものの、股間に睾丸がぶら下がっています。 
舗装された下り坂を走り去ると、コンクリート・ブロックの護岸を登って、電気柵やカーブミラーの手前で立ち止まりました。 
侵入ルートを偵察すると、支線を一気によじ登りました。
充分な高さまで達すると、リンゴの横枝へと見事にジャンプしました。 
先行個体とまったく同じ侵入経路で電気柵を安全に飛び越えたことになります。 

この時期(6月下旬)果樹園の樹上には、未熟な青りんごしか実っていません。 
ニホンザルたちはリンゴ園で何を食べに来たのか、不明です。 
引き続き猿の採食シーンを観察したかったのですが、リンゴの枝葉が生い茂って見通しが悪く、群れを見失ってしまいました。 

関連記事(1年前の撮影)▶ 


ニホンザルたちが電柱支線によじ登ってから電気柵を跳び越える様子を、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:11〜) 
リンゴ農家にとって猿害(ニホンザルによる果実の食害)は深刻な問題ですけど、猿の賢さと身体能力の高さを目の当たりにすると惚れ惚れしてしまいます。 

動画では近くで鳴く猿の声が絶え間なく聞こえますが、私のすぐ横を流れる用水路の水音がザーザーうるさくて、ほとんどかき消されそうです。 

ニホンザルの群れが通り過ぎた坂道の端に残されていた獣糞は、サルの落とし物でしょう。 


【考察】 
賢いニホンザルが電気柵の弱点を攻略する決定的な証拠映像が撮れました! 
リンゴ果実が未熟な初夏の時期からもう電気柵に通電しているのでしょうか? 
ニホンザルたちは電気柵の怖さを学習済みのようで(痛い目に遭っている)、電流の流れる電線には一度も触れませんでした。 
年長者(経験者)が先行して手本を示し、若い個体は侵入法を真似して学習するのでしょう。 

山森でニホンザルは蔓植物の蔓をよじ登ることもあるので、細くても絶対に切れない電柱支線(人工物のワイヤー)を綱渡りのようによじ登るのも自然な成り行きです。 

田舎のホームセンターには鳥獣害対策グッズのコーナーがあります。
当事者でなくても、そこで商品の実物を眺めたりカタログを見たりするだけで参考になります。
商品カタログのPDFファイルが公式サイトで公開されていることに気づきました。
例えば電気柵ひとつ取っても、害獣の種類によって設置法が異なるようです。
サル対策のポイントとしては、「電気柵にかかる樹木の枝葉は刈り取る」「電気柵近くまで樹木の枝葉が伸びていると伝って侵入されてしまいます。」とイラスト付きで明記してありました。(コメリ『2025-26 Select + 防獣・防鳥用品 秋冬号』p15より引用)


この動画を踏まえた上で、私なりに猿害対策を考えてみます。
カーブミラーや電柱支線を移動してもらうのは無理でしょう。
猿の侵入経路になっている電柱支線に最寄りの果樹を伐採してしまうのが、もったいなくても一番有効だと思います。 
電気柵を跳び越えた猿が着地するリンゴの横枝は枯れている(葉も実もついてない)ので、少なくともこの横枝だけは真っ先に切り落として(剪定)侵入経路を塞ぐべきです。 

電柱の支線やカーブミラーの支柱に猿がよじ登れないように、油を塗って滑りやすくするのはどうでしょうか。
ネズミ返しのような物理的障壁を支線に設置するのは、猿に対して有効でしょうか?

猿が侵入に使った3本の電柱支線にショッキング・ピンク色の目立つリボンが結びつけてあるのは、これから電力会社が対策を講じるつもりなのですかね? 
猿に果樹園への侵入経路を知らせる目印になってしまっている気がします。 
当地は雪国(山形県の多雪地帯)ですから、冬季の除雪車が電柱支線をうっかり切らないように注意喚起するための目印なのかもしれません。 

ChatGPTに色々と相談してみました。 


Q1: 果樹園を囲う電気柵をニホンザルの群れが突破する様子を観察できた。果樹園の敷地外からカーブミラーの支柱をよじ登ったり、電柱の支線(ケーブル)をよじ登ってから、隣接する果樹の横枝に飛び移り、電気柵を飛び越えていた。猿の侵入経路が分かったので対策したい。カーブミラーの垂直な支柱(オレンジ色)や電柱の支線に油を塗ったり、ネズミ返しのような障害物を設置するのはニホンザルの防除に有効だろうか?

A1: 非常に典型的な「立体的突破」です。

地面の電気柵が機能していても、外部構造物 → 上空侵入 → 飛び移りで突破されます。

結論から言うと:

  • 油を塗る方法はほぼ無効(かつ問題が多い)

  • 小型のネズミ返しは突破される可能性が高い

  • 有効にするには「構造的に物理的遮断」する設計が必要

順に整理します。


1. 油を塗るのは有効か?

ほぼ推奨できません。

理由:

  1. サルは腕力で「引き上げ」られる
    → 滑っても保持して体を持ち上げられる

  2. 乾燥・雨・埃で効果がすぐ落ちる

  3. 環境問題

    • 土壌汚染

    • 作物への付着

    • 道路構造物への処置は法的問題の可能性

  4. 学習される
    → 「滑るけど登れる」と覚える

短期的に滑ることはあっても、長期的防除にはなりません。


2. ネズミ返し(円盤状障害物)は有効か?

条件付きです。

直径30〜40cm程度ではほぼ突破されます。

理由:

  • 縁を掴める

  • 体を横に振って重心を上げられる

  • 若い個体が成功例を学習する


有効にするなら

● 直径が大きい(最低60〜80cm以上)

● 表面が完全に滑らかな金属

● 下側から掴めない構造

● 上側にも足場がない

しかし

  • カーブミラー支柱や電柱支線は公共物

  • 勝手な加工は不可

という現実的制約があります。


3. 電柱支線(ワイヤー)が特に危険

支線は:

  • 傾斜がある

  • グリップしやすい

  • 上空侵入に最適

ここは最優先遮断ポイントです。


4. 現実的で効果が高い対策

① 侵入側の「跳躍距離」を物理的に超えさせる

サルの安全跳躍距離は概ね 2〜3m。

よって:

  • 果樹の横枝を剪定して電柱・支線から3m以上離す

  • 支線直下の果樹を強く剪定

これが最も確実です。


② 上部にも電気線を追加

「飛び越え防止線」を追加する。

  • 柵上部に外向き45°で延長線

  • 上空側に1〜2本追加電線

地面防御だけでは足りません。


③ 支線への「回転式パイプ」

油よりはるかに有効なのが:

自由回転する塩ビパイプを被せる方法

  • ワイヤーに太径パイプを通す

  • 固定せず自由回転させる

掴んでも回転して保持できません。

これは実際に野生動物対策で使われます。


④ 支柱への大型スカート構造

もし許可が取れるなら:

  • 大型の円錐状・傘状の滑面板

  • 下から掴めない構造

ただし公共物なので事前調整必須です。


5. 重要な考え方

ニホンザル対策の原則は:

「登れなくする」ではなく「登っても意味がない構造にする」

つまり:

  • 足場を消す

  • 飛び移れなくする

  • 群れ全体に成功体験を与えない

一度「成功ルート」が確立すると、群れが固定利用します。


結論

方法有効性コメント
油を塗る低い持続しない・問題多い
小型ネズミ返し低い掴んで突破される
大型滑面障害物条件付き
枝剪定+距離確保高い最も確実
回転パイプ高い現実的
上部電線追加高い推奨

観察までできているのは非常に大きな強みです。
「侵入経路が特定できた群れ」は対策成功率が上がります。

現地の構造(高さ・距離・支線角度)を数値で教えていただければ、より具体的な設計案を提案できます。




電柱の支線にくるくる回転する細いパイプを被せるという案は猿害対策として思いつきませんでした。
当地は多雪地帯なので、冬に大雪が積もったときにそのパイプに雪が付着して重みで支線が切れてしまう、という事故が起こらないか検討する必要があります。
それさえクリアできれば、良いアイデアだと思います。


Q2: 観察したのは6月下旬です。果樹園の敷地の外から目視した限りでは、リンゴ園には未熟果(青りんご)しか樹上に実ってませんでした。ニホンザルは、リンゴの未熟果(おそらくまだ渋いはず)を目当てにわざわざ危険を犯して侵入したのだろうか? (そうとは思えないのだが?) 何か別の食べ物があったのだろうか?

A2: 6月下旬・未熟な青リンゴのみ、という状況だと「甘い果実目当て」とは考えにくいように見えます。

しかし、結論から言うと:

未熟果でも侵入動機としては十分あり得ます。
ただし、それ“だけ”とは限りません。

整理して考えてみます。


1. ニホンザルは未熟果を食べるか?

食べます。

理由は:

  • 未熟果でも糖はゼロではない

  • 果汁(水分補給源)として価値がある

  • 種子形成期は栄養価が高い

  • 酸味や渋味に対する耐性がヒトより高い

特に6月下旬は

  • 山の自然果実がまだ少ない時期

  • 若葉の栄養価が落ち始める時期

つまり「端境期」です。

この時期は農作物への依存が上がりやすい。


2. 未熟リンゴの価値

未熟果は:

  • 可溶性糖は低め

  • しかし水分は豊富

  • 有機酸・ポリフェノールも含む

  • 種子形成中は脂質・タンパク質もある

サルは「甘さ」だけで判断していません。

むしろ

  • 大量にまとまっている

  • 高木で安全

  • 競争相手が少ない

という条件の方が重要です。


3. それでも本命は別の可能性

6月下旬のリンゴ園で考えられる別の誘因:

① 摘果後の落果

地面に落ちた未熟果は柔らかく、食べやすい。

② 雑草や草本

果樹園は管理されるため:

  • 柔らかい草

  • マメ科植物

  • イネ科若葉

が豊富な場合があります。

③ 昆虫

リンゴ園には:

  • ガ類幼虫

  • 甲虫幼虫

  • アブラムシ群集

が多い。

サルは昆虫食も普通にします。

④ 水分確保

梅雨期でも、樹上の果実は効率的な水源。


4. 「危険を犯して」侵入する理由

サルは常にリスクとリターンを比較しています。

侵入したということは:

  • 過去に成功体験がある

  • 電気柵の弱点を学習済み

  • 人の出入り時間を把握している

つまり「危険」ではなく「計算可能なリスク」だった可能性が高い。


5. 群れ行動の可能性

6月下旬は:

  • 当歳仔がいる

  • 授乳中の雌が多い

  • 栄養要求が高い

そのため

高エネルギー源を群れが積極的に探す時期

でもあります。

未熟果でも「量」があれば価値があります。


6. 判断のための観察ポイント

もし再確認できるなら:

  • 樹上で実を齧って落としていたか?

  • 地面で落果を食べていたか?

  • 若葉を食べていたか?

  • 滞在時間は長かったか?

  • 群れの何割が侵入したか?

未熟果目的なら:

  • 齧り跡のある落果が多数あるはず



Q3: リンゴ果樹は葉が生い茂っていたため、リンゴ園の中でのニホンザルの採食シーンは敷地の外から観察できませんでした。電気柵を突破する侵入シーンについては、単独個体だけでなく、乳児を腹に抱えた母親♀も電柱支線をよじ登っていました。この群れは同一ルートで次々に果樹園に侵入していたので、侵入法を学習済だったようです。あるいは先行個体の若い♂が後続個体に手本を示したのかもしれません。

A3: 非常に重要な観察です。
  • 乳児を抱えた母親が侵入

  • 群れが同一ルートを連続使用

  • 侵入動作にためらいがない

この3点から判断すると、**偶発的侵入ではなく「既知の安全ルート」**であった可能性が高いです。


1. 乳児を抱えた母親が侵入する意味

授乳中の雌は群れの中でも特にリスク回避的になります。
それでも侵入するということは:

  • 危険度が低いと評価している

  • 侵入先の資源価値が高い

  • 過去に成功体験がある

のいずれか、あるいは複合です。

単なる「試し行動」ではありません。


2. 学習の可能性

ニホンザルは

  • 観察学習をする

  • 成功例を模倣する

  • 群れ内で行動パターンが共有される

ことが知られています。

今回の状況は:

① 先行個体が侵入
② 他個体が即座に同じルート使用
③ 乳児持ち雌も続く

という流れなら、既に群れ内で確立した侵入ルートです。


3. 若い♂が先導した可能性

十分あります。

若齢個体や周辺雄は:

  • 探索的

  • リスク許容度が高い

  • 新しい侵入経路を発見しやすい

ただし重要なのは「誰が発見したか」ではなく、

今は群れ全体が知っている

という点です。


4. 侵入目的の再考

乳児持ち雌まで入るということは:

  • 群れの栄養需要が高い

  • 単なる遊びではない

  • 明確な餌資源がある

可能性が高い。

未熟果でも:

  • 大量にまとまっている

  • 競争が少ない

  • 樹上で安全に食べられる

なら十分動機になります。


5. もっと重要なこと

この状況で最大の問題は:

「成功ルートが固定化している」こと

一度固定化すると:

  • 毎年同じ時期に利用

  • 子世代に伝播

  • 周辺群にも拡散

する可能性があります。


6. 今やるべきこと

重要なのは:

ルートを完全に消すこと

中途半端に妨害すると、

  • 別ルート探索が始まる

  • 知能戦になる


優先順位

① 電柱支線の物理的遮断(回転パイプなど)
② 支線から果樹枝までの距離を3m以上に剪定
③ 上部電線追加

油や小型ネズミ返しは「学習を止められない」可能性が高い。


7. 今後の観察で確認したいこと

  • 侵入時間帯は一定か?

  • 見張り個体はいたか?

  • 滞在時間は長いか?

  • 退出も同ルートか?

これで「採食目的」か「探索目的」かの推定精度が上がります。


今回の記録は、行動生態学的にも非常に価値があります。
もし継続観察するなら、「侵入前の滞在行動」も記録すると面白いです。


Q4: 今回観察したのは、6月下旬の午前9時頃。天気はくもり。山麓の果樹園。9分間に計3頭のニホンザルが次々に電気柵を攻略して侵入していた。私がよそ見をしていた間に、更に何頭か侵入したのに見落としている可能性はありえる。乳児を腹に抱えた母親♀は電柱支線をかなり上まで(必要以上に?)よじ登ったのは観察したのですが、電気柵を飛び越えるまで見届けられなかったので、侵入数から除外してあります。もしかすると、乳児を抱えて重い母親♀はリンゴの横枝に飛び移るのを躊躇して諦めたかもしれません。

A4: 非常に状況が具体的なので、行動の意味をかなり絞れます。

1. 時間帯:午前9時

ニホンザルの採食活動は

  • 早朝〜午前に活発

  • 日中は休息や移動が増える

傾向があります。

午前9時は典型的な採食時間帯です。
探索や遊びよりも「明確な餌目的」の可能性が高い時間帯です。


2. 9分間で連続侵入

これは重要です。

  • 1頭の偶発的侵入ではない

  • 群れの移動経路に組み込まれている

  • 侵入が予定行動になっている

可能性が高い。

見落としがあるなら、実際は小規模な“まとまった侵入”だったかもしれません。


3. 乳児持ち雌の行動

ここが興味深い点です。

観察されたのは:

  • 支線を「かなり上まで」登った

  • その後は未確認

考えられる解釈は3つ。

① 実際に飛び移った

乳児を抱えていても、サルはかなり跳躍できます。
3m以内なら十分可能。

② 上部で安全確認をしていた

高い位置から

  • 園内の状況確認

  • 人の有無確認

をしていた可能性。

③ 本当に躊躇して断念

乳児の体重増加は確かに跳躍距離を制限します。

しかし重要なのは:

支線を登ること自体をためらっていない

という点です。

これは「危険評価が低い」ことを示します。


4. 「必要以上に高く登った」意味

これ、かなり重要です。

可能性として:

  • 電気柵の高さを超える安全高度を確保

  • 飛距離を短くするための助走位置

  • 園内全体の視認

つまり「侵入設計が最適化されている」可能性があります。

偶発的行動ではなく、洗練されたルート。


5. 未熟リンゴ目的か?

ここで再評価します。

条件:

  • 午前の採食時間

  • 複数個体が連続侵入

  • 乳児持ち雌も参加

  • ルートが確立済み

これは

十分な資源価値がある場所

と群れが判断していることを意味します。

未熟果でも、

  • 水分

  • 量的安定性

  • 競争の少なさ

があれば動機になります。


6. もう一つの可能性

リンゴ“だけ”でなく、

  • 摘果落果

  • 園内草本

  • 昆虫

が複合的資源になっている可能性が高い。

サルは単一資源依存ではなく、
「パッチ利用」します。


7. 今の段階で最も重要なこと

この群れは:

  • 電気柵を恐れていない

  • 高所侵入ルートを把握

  • 群れ内共有済み

です。

つまり

放置すると固定利用地になります。


8. 今後の観察ポイント

もし再観察できるなら:

  • 侵入前に木上で滞在するか

  • 見張り個体が残るか

  • 侵入後どのくらいで退出するか

  • 出るときも同ルートか

これで「採食強度」が推定できます。




Q5: 黄色と黒の縞模様が描かれた支線カバーをニホンザルは全く恐れずによじ登りました。黄色と黒の縞模様は毒針をもった蜂の腹部の警告色を模したものですが、ベーツ擬態の効果はまったくなかったことになります。

A5: 興味深い視点ですね。

ただし今回のケースは「ベーツ型擬態が効かなかった」と解釈するより、そもそも擬態として設計されていない視覚パターンと考える方が妥当です。


1. 黄色黒縞は「蜂の擬態」ではない

電柱支線カバーの黄色黒縞は、

  • 工事現場

  • 危険区域表示

  • 障害物表示

などで広く使われる高コントラスト警戒表示です。

自然界の蜂の腹部模様を意図しているわけではありません。


2. ベーツ型擬態とは何か

ベーツ型擬態は、
毒や防御能力をもつ種(モデル)に、無害な種が似ることで捕食を避ける仕組みです。

典型例は:

  • オオスズメバチ の警告色に似る無害昆虫

  • ハナアブ の縞模様

しかし成立条件があります:

  1. 捕食者がモデル種を危険と学習している

  2. 模様が生物として認識される

  3. 形態・動きもある程度似ている


3. なぜサルに効かなかったか

理由は複数考えられます。

① 「物体」として認識している

支線カバーは

  • 動かない

  • 匂いがない

  • 形が昆虫に似ていない

ので、サルは「人工物」として処理している可能性が高い。


② 霊長類は視覚判断が高度

ニホンザルは

  • 三色型色覚

  • 形状認識能力が高い

  • 触って確認する

ため、単なる色パターンでは忌避が成立しにくい。

鳥類や単純な捕食者とは違います。


③ 警告色は「触れない」ことが前提

蜂の警告色が効くのは、

  • 刺された経験がある

  • 動いている蜂と関連付けられる

場合です。

支線カバーは

  • 静止物体

  • 形態が蜂と全く違う

ので、学習連合が起きません。


4. そもそも霊長類に警告色は効くか?

霊長類はむしろ

  • 色彩を食物探索に利用

  • 赤や黄色を熟果の手がかりにする

ことが多い。

黄色黒縞が「危険」よりも
「目立つ物体」として認識された可能性もあります。


5. 行動学的に見ると

今回の観察で重要なのは:

  • サルは構造的安定性を優先

  • 色ではなく「登れるか」で判断

  • 触覚情報で最終確認

つまり、
視覚的威嚇はほぼ効果がないということです。


6. 結論

黄色黒縞が効かなかったのは:

  • ベーツ擬態が失敗したのではなく

  • 擬態として認識されていないため

です。

ニホンザルのような高認知動物に対しては、

  • 視覚的威嚇

  • 模様による忌避

よりも、

物理的に登れない構造

の方が圧倒的に有効です。


今回の観察は、
「霊長類に対する警告色の限界」を示す良い例ですね。

もし興味があれば、
ニホンザルの色覚特性と警告色の進化の関係も掘り下げますか?


Q6: 支線カバーとか踏切とか立入禁止のロープなどに使われている黄色と黒の縞模様は、蜂の警告色を誇張した超正常刺激(ヒトに対しての警告)なのかと思っていました。

A6: あの黄色と黒の縞模様のカバーは、感電防止ではなく「視認性確保(接触・衝突防止)」のためのものです。

1. 何のため?

正式には
**支線ガード(支線カバー)**などと呼ばれます。

目的は:

  • 人や車両が支線に気づかず接触するのを防ぐ

  • 草刈機や農機具が引っかけるのを防ぐ

  • 夜間や悪天候時の視認性を高める

つまり 物理的接触事故の防止 が目的です。


2. 誰への警告か?

主な対象は:

  • 歩行者

  • 自転車利用者

  • 車両運転者

  • 農業機械オペレーター

  • 草刈り作業者

支線は細くて斜めに張られているため、

  • 視界に入りにくい

  • 背景に溶け込みやすい

  • 夕方や曇天で特に見えにくい

ため、非常に引っかかりやすい構造物です。


3. なぜ黄色と黒?

黄色+黒の縞は

  • 工事現場

  • 危険箇所

  • 立入禁止区域

などで広く使われる高コントラスト警告色です。

人間の視覚は黄色に敏感で、
黒との縞模様は「人工的な注意対象」として強く認識されます。

つまり

「ここに障害物があります」

という意味の視覚信号です。


4. 電気的な意味は?

おっしゃる通り:

  • 支線には通常、電流は流れていません

  • 高圧電流とは無関係

  • アース機能とも直接関係なし

なので、電気的危険の警告ではありません。


5. なぜ接地点付近だけ?

人や車両が接触するのは

  • 地上〜目線の高さ

  • 農機具が通る高さ

だからです。

上部まで覆う必要はありません。


6. サル対策との関係

副次的にですが:

黄色黒カバーは

  • 表面が比較的滑らか

  • 直径が太くなる

ため、若干登りにくくなることはあります。

しかし

回転しないため、サルは十分よじ登れます。

視認性目的の構造なので、防除機能は想定されていません。



もし支線をサル侵入経路として無効化したいなら、
このカバーとは別に「回転構造」を追加する必要があります。



A6: 面白い着想ですが、結論から言うと――

工業用の黄色黒縞は、蜂の警告色を誇張した「超正常刺激」ではありません。

むしろ、

ヒトの視覚特性に合わせて最も目立つ配色を選んだ結果、自然界の警告色と似た

と考えるのが妥当です。


1. 超正常刺激とは何か

超正常刺激(supernormal stimulus)は、
ニコ・ティンバーゲン が示した概念で、

  • 本来の刺激よりも誇張された人工刺激が

  • 生得的行動を強く引き起こす

という現象です。

典型例は:

  • 鳥が自分の卵よりも大きく派手な偽卵を抱卵する

  • 誇張された配色や形状に強く反応する


2. では黄色黒縞は超正常刺激か?

ヒトの場合は少し事情が違います。

黄色黒縞は:

  • 明度差が大きい

  • コントラストが強い

  • 周辺視野でも検出しやすい

  • 低照度でも視認性が高い

という視覚工学的に優れた組み合わせです。

つまりこれは

進化心理的な本能刺激の誇張ではなく、視覚情報処理の効率最適化です。


3. なぜ蜂と似ているのか?

蜂(例:オオスズメバチ)の警告色も、

  • 黒と黄色の高コントラスト

  • 動きの中でも識別しやすい配色

という特徴を持ちます。

これは

「捕食者の視覚に最も強く訴える配色」

として自然選択された結果です。

ヒトの工業デザインも

「ヒトの視覚に最も強く訴える配色」

を選んだ結果、

収束的に似ただけ、と考えられます。


4. ヒトにとって蜂は本能的に怖い?

ある程度は可能性があります。

ヒトは霊長類なので三色型色覚を持ち、

  • 赤・黄系を熟果探索に利用

  • 高コントラストに敏感

です。

しかし、

黄色黒縞を見て蜂を連想するのは
主に学習による文化的連合です。

工事現場で繰り返し使われることで、

黄色黒=危険

という意味づけが強化されています。


5. 超正常刺激との違い

超正常刺激なら:

  • 本能的

  • 形状や行動を直接誘発

  • 文化に依存しない

はずです。

黄色黒縞は:

  • 文化的学習に依存

  • 文脈がないと危険とは感じない

ので、厳密には超正常刺激とは言いにくい。


6. なぜニホンザルには効かないのか

ニホンザルは:

  • 人間社会の警告記号を学習していない

  • 形態が蜂と全く違うことを理解できる

  • 触覚確認ができる

ため、

黄色黒縞=危険

という連合は成立しません。


まとめ

黄色黒縞は:

  • 蜂の擬態ではない

  • 超正常刺激でもない

  • 視覚工学的に最適な高コントラスト配色

  • 自然界の警告色と収束的に似ただけ

というのが妥当な解釈です。




【アフィリエイト】 

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