2025/11/03

真夏の深夜にホンドタヌキが口にくわえて運ぶ動物の正体は?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

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2024年8月中旬・午前0:02頃・気温26℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の巣口Lを塞ぐ落枝に野ネズミ(ノネズミ)がしがみついていました。 
細長い落枝を伝って上の方まで器用に登れたらヒメネズミApodemus argenteus)(Microtus montebelli)と確定するのですが、しばらくすると巣穴Lに潜り込みました。 
どうやらアナグマの母子家族は留守のようです。 

そんなことよりも、その間に興味深い事件が起こっていました。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の成獣が単独でアナグマの営巣地(セット)を横切りました。 
暗闇でタヌキは野ネズミに気づかずに通り過ぎました。 
そのタヌキは口に何か獲物(中型の哺乳類)を咥えていて、獣道を右に運んで行きました。 
近所の休耕地にタヌキの巣穴があるので、そこを目指しているようで。 
獲物は未だ生きていて、途中で暴れました。 
1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:48〜) 
それでも獲物の正体は不明です。
たまたま手前に写っている野ネズミよりも明らかに大きな動物をタヌキは運んでいます。 
雑食性のタヌキはキツネのように生きた獲物(哺乳類)を狩って捕食することは滅多にありません。 
虫や小動物(両生類や爬虫類など)を捕食する他、たまに動物の死骸を見つけて食べるぐらいです。 

獲物の候補として唯一考えられるとしたら、ニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)の幼獣かもしれません。 
生後間もないノウサギの幼獣は、捕食者に襲われそうになっても逃げずにフリーズするだけなのだそうです。 
山形県で8月中旬のノウサギ幼獣は、生後数週から1か月程度の成長段階にあり、概ね独立し始めるタイミングですが、まだ親のテリトリー内で保護されている個体も多い時期です。 
この時期の幼獣は外敵に対して無防備なので、ホンドタヌキに捕食される可能性はあります。 

しかしタヌキの習性として、狩った獲物を生きたまま巣穴に持ち帰ることは考えにくいです。 
キツネの場合は、親が獲物を生きたまま巣穴に持ち帰り、キツネの幼獣に狩りの練習をさせるそうです。 
しかしタヌキの親はそのような狩猟教育をしません。 

以上のような消去法により、今回の親タヌキが運んでいた動物は、獲物ではなく我が子(当歳仔の幼獣)だったのかもしれません。 
首筋を咥えられて運ばれている途中にタヌキ幼獣が暴れたのでしょう。 
この時期のタヌキ幼獣(当歳仔)はもう自力で歩けるぐらいに成長しているはずですが、遠出して歩けなくなったり迷子になったりして、巣穴に連れ戻されるところなのかもしれません。 

別アングルに設置した監視カメラでも運搬シーンが撮れていれば、タヌキが運ぶ獲物?の正体がしっかり写っていたかもしれず、残念でなりません。 
タヌキの営巣地に設置したトレイルカメラはとっくに撤去しています。(草丈高い雑草が生い茂り、ほとんど何も写らないため。)

関連記事(2ヶ月前の撮影:獲物はおそらく野ネズミ)▶ 獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】 


今回も記事を書く上でPerplexityAIとのブレインストーミングが役立ちました。


つづく→

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