2024年8月中旬
シーン1:8/13・午前11:32・くもり・気温29℃(@0:00〜)
平地の二次林にある営巣地(セット)で昼前にニホンアナグマ(Meles anakuma)の母子家族がぞろぞろと左へ移動しています。
先頭の母親♀が巣口Lを点検してから、頭を中に突っ込んで巣穴Lの拡張工事を始めました。
シーン2:8/13・午前11:33・くもり・気温28℃(@0:53〜)
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。
母親♀が巣穴Lの奥から土と一緒に古くなった巣材を前脚で巣外に掻き出しました。
巣材(寝床)として運び込まれていた植物の枯れ葉や生葉は、腐葉土と化しています。
寄生虫が沸かないように、古くなった寝床は外に捨ててしまうのでしょう。
湿った巣材をときどき外で虫干しするという話をアナグマ関連の本で読んだことがあるのですけど、私はまだそのような行動を実際に観察したことがありません。
私が観察しているニホンアナグマは、一度外に出した巣材を中に戻すことはありません。
その様子を横で見守っていた幼獣の1頭が仰向けで毛繕いを始めました。
他の幼獣2頭は、思い思いに林床をうろついて餌を探しています。
独りで毛繕いをしていた幼獣が、穴掘り中の母親♀の背後から巣口Lに近づいて、ちょっかいをかけています。
手伝いしたくなったのか、母親♀が巣穴Lから掘り出した排土を幼獣がリレー形式で外に掻き出し始めました。
シーン3:8/13・午前11:34・くもり(@1:53〜)
母親♀の穴掘りに興味を示していた幼獣が、いつの間にか作業を引き継いだようです。
この幼獣aの性別は不明ですが、来季にヘルパー♂を務める素質がありそうです。
別個体の幼獣bが巣口Lに近寄ると、穴掘りしていた幼獣aは奥に潜り込んでしまいました。
幼獣bも真似して穴掘りに参加したくなったのか、巣口Lの縁の土を前脚で引っ掻いて崩し始めました。
これまで幼獣は母親♀の穴掘り作業を邪魔するだけでしたが、自分でも穴掘りを始めたのは今季初です。
関連記事(1ヶ月前の撮影)▶ 巣穴を掘り広げるニホンアナグマ♀を手伝おうとして邪魔している幼獣【トレイルカメラ】
穴掘り作業を幼獣に任せた母親♀は、獣道をノソノソと歩いてヒメアオキの群落を突っ切り、採餌に出かけたようです。
幼獣1頭cも母親♀について行きます。
シーン4:8/14・午前4:15・気温24℃(@2:53〜)日の出時刻は午前4:50。
日付が変わった未明にも、幼獣の奇妙な穴掘り行動が記録されていました。
アナグマの母親♀が獣道で座り込んで、体を掻いたり仰向けになって毛繕いしたりしています。
幼獣が頭だけ巣穴Lの外に出し、巣口Lの縁を前脚で削り取っています。
アナグマでこんな穴掘り法を今まで見たことがありません。
なぜか小声でキャンキャン♪吠えながら、作業しています。
遊んでいた幼獣が巣口Lでひっくり返ってしまい、なかなか起き上がれずに悪戦苦闘しているだけかもしれません。
巣口Lを塞いでいた落枝の端を弄んだりしています。
ようやく幼獣が巣穴Lから外に勢い良く飛び出すと、母親♀の隣へ行きました。
母親♀が対他毛繕いしかけたものの、幼獣は嫌がって獣道を右へ走り去りました。
【考察】
ニホンアナグマの母親♀から幼獣(当歳仔)に穴掘り役が初めてスイッチした貴重な記録かもしれません。
今季アナグマの母親♀が4頭産んだ幼獣のうち1頭が死亡したのですが、もしも巣穴L内で死んだとすると、そのまま埋葬している可能性もありそうです。
つづく→
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