2009年6月中旬
キアシナガバチ(Polistes rothneyi)初期巣の定点観察記録。
ワーカーが羽化する前に創設女王を標識しておくことにします。
実はこれが2回目のマーキングです。
1回目(12日前)はアクリル絵の具(ピンク)を直接背中に塗ったところ、5日後見たら剥げ落ちていました※1。※1:赤く塗られた創設女王が無印の別個体に乗っ取られた可能性もありますが、昨年もキボシアシナガバチ女王のマーキングに同じ塗料を使って失敗しているので、やはり剥げ落ちたのだろう。これを「赤の女王仮説」と呼びます(嘘)。
専門家がフィールドで実際に使っている油性マーカーの銘柄を調べて(参考:『アシナガバチ一億年のドラマ:カリバチの社会はいかに進化したか』 山根爽一 p97)、急遽取り寄せました(オパックカラー)。
女王が帰巣したので早速作業に取り掛かります。
在巣の女王に麻酔筒を被せ、巣との間に紙を差し込んで蓋をして捕獲しました(映像無し)。
炭酸ガスで麻酔すると口から透明の液体(水滴/蜜滴?)を吐きました。
オパックカラーの銀色で胸部、腹部の背面二箇所にペイントしました。
かなり目立ちます。
麻酔から醒める前にプラ容器蓋に乗せ、軒下の巣の下に差し出します。
女王が自然に巣に掴まるよう促します(映像無し)※2。※2:この巣の天井部は水平でないので、覚醒前の女王を上に乗せても力なく滑り落ちてしまいます。
巣上で頻りに身繕いするも、背中のマーキングには気づいていないようです。
標識部分に脚は届くものの、塗料は落ちません。
ちなみに前年の女王(帰巣時に軒下で毎回迷った挙句、複数の巣を並行して作った)とは異なり、迷わず自分の巣に帰ります。
やはり2008年観察したキアシナガバチ創設女王の行動は特異例だったのだろうか。
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