2011/02/19

コガタスズメバチの巣の解体




2008年12月中旬

今季定点観察していたコガタスズメバチVespa analis insuralisのコロニーが解散したようなので、巣を軒下から採集してみました。
根元から小型ナイフで削り落とし持ち帰りました。
手に取ると意外に小ぶりで、グレープフルーツ大(直径約12cm)。
外被のマーブルクッキーのような鱗模様が美しい。
このまま記念に保存しても良かったのですけど、せっかくなので中の様子を調べてみました。
何事も経験です。
採集時に壊れた天井部から少しずつ指で穴を広げていきます。
外被は思ったよりも脆く、焼いたパイ生地のようなサクサクした触感。
何重にもなっていて断熱効果は抜群だろう。
こうして巣を解体して内部構造を見てみると、同じパルプを巣材に使う蜂でもスズメバチがアシナガバチよりも格段に進化した建築家であることがよく理解できました。
内部の巣盤はなぜか一段しか作られていません。
巣盤を取り出してみると育房は68室で全て羽化済み。
本で調べると(『スズメバチはなぜ刺すか』 松浦誠)、本種の巣の標準サイズ(巣盤数2~4、育房数150~800)よりも遥かに小さい。


定点観察していてコロニーとしての活動がいまいち鈍いと感じた印象が裏付けられました。
北国の巣は一般に小規模なのか、たまたま創設女王の繁殖力が弱かったのか、営巣開始が何らかの理由で遅れたせいだろうか(営巣地の途中変更など)。
この一例だけではよく分かりません。
巣の重量も測定すれば良かった。

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