2026/03/05

初冬に雪国のニホンザルがカキノキの熟果を巡ってハシブトガラスの群れを追い払う【冬の野鳥:トレイルカメラ】占有行動

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン0:12/13・午後13:11・くもり・気温18℃(異常値?)(@0:00〜) 
郊外で畑の端にぽつんと立っているカキノキを自動撮影カメラで見張っています。 
今回はなるべく柿の木の全体が写るように画角を決めました。 
完全に落葉した後も、枝には熟した果実がまだ残っています。 
雪が少し積もって、いかにも冬の雪国らしい風景になりました。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)とカラス間の餌資源のカキノキを巡る小競り合いを以下にまとめました。 
映像ではカラスの種類がハシブトガラスCorvus macrorhynchos)なのかハシボソガラスCorvus corone)なのか見分けられないことがあります。 
主にハシブトだろうと思っているのですが、もしかすると混群なのかもしれません。 


シーン1:12/20・午前8:25・くもり・気温1℃(@0:03〜) 
朝からカキノキに登ったニホンザルが、餌資源の熟柿を占有するために、樹上のハシブトガラスを威嚇して追い払いました。 
枝を揺すってカラスに威嚇誇示しています。 
逆にカラスが鳴いて抗議したり、モビングしたりしないのが意外です。 
カラスが弱い子猿を狙って襲うこともありませんでした。 
逃げたカラスたちは、左隣の落葉したアンズ(杏)や右手前のオニグルミの梢に止まり直しました。 

柿の木から一気に下りたニホンザル♀成獣が、右手前にある落葉したオニグルミの木に勢い良く登り、そこに留まっていたカラスを追い払いました。(@0:30〜) 

地上でカキノキの手前から黒い首輪を装着した♀成獣が現れ、カキノキの低い位置の横枝に登りました。(@0:46〜) 
右の枝先に進むと、枝を激しく揺すって樹上に来ていたカラスを追い払いました。 
左隣りのアンズ梢に逃げたカラスは、これで2羽になりました。 
もしかして、♀♂つがいなのかな? 
その行方を見送ってから、首輪ニホンザル♀が横枝に乗ったまま立ち上がりました。 
熟柿を右手でもぎ取ると、その場に座って食べ始めました。 
食べ残しの熟果は捨てました。 

猿に追い払われて辺りを逃げ回っていたカラスが、猿の隙をついてカキノキ樹上に戻ってきました。(@1:32〜) 
細い枝先で揺れる熟柿を器用に啄みました。 
ニホンザルも諦めてカラスの採食を黙認しています。 

雪原でカキノキ落果を食べていたニホンザル個体が歩いて右に移動し、別の落果を拾い上げてその場で食べ始めました。(@1:50〜)
この猿の地上採食行動は、右下隅の雪原に来ていたカラスを牽制して追い払う効果もあったようで、カラスが少し飛び退きました。 


シーン2:12/20・午前8:36・気温2℃(@2:03〜)
ニホンザルの数が少なくなると、カラスの群れが続々と集まって来ました。 
雪原やカキノキ・オニグルミ樹上などあちこちに散開しています。 

画面の右端でオニグルミ樹上に居たニホンザル♀が地上に降りました。(@2:15〜) 
落葉低木(樹種不明)や蔓植物を経由して、カキノキの横枝に登りました。 
奥の雪原に集まっていたカラスの群れは、猿の急な動きに驚いて一斉に飛び去りました。 
荒ぶった猿は更に上の枝に登り、カキノキ樹上に居たカラス個体を追い払いました。 
その猿は次に右下の横枝へ飛び移り、枝を激しく揺すって威嚇誇示。 
それでも収まらない猿は、雪原に跳び下りて走り回り、カラスを追い散らします。 
しかしカラスは猿をからかっているのか、ちょっと飛び退くだけで、遠くへは逃げません。 
多勢に無勢となったニホンザルは、姿が見えなくなりました。 

今のところ、カラスは樹上に実っている熟柿よりも、雪面の落柿を好んで食べています。 
樹上の熟果は食べにくい細い枝先にしか残ってないからかもしれません。 
ニホンザルがカキノキ樹上から食べ残しをどんどん捨てるので、カラスも(質はともかく)餌には困らないのです。


急にカラスがカァー♪と大声で鳴きました。(@3:02〜) 
警戒声なのかと思いきや、雪原のカラスたちは少し飛んで逃げただけで、すぐにまた戻って来ました。 
カキノキ樹上に留まり直したカラス個体は、熟柿を啄んでいます。 
画面の右端では、雪原から飛び立ったカラスが落柿を丸ごと咥えていました。(@3:45〜) 


シーン3:12/21・午前10:23・くもり・気温4℃(@4:04〜)
翌日も朝からカキノキを巡って猿とカラスの小競り合いが繰り広げられていました。 
若い猿が、カキノキ樹上で採取した熟柿を口に咥えたまま、地上の雪面に降りました。 
集まったカラスの多くは、右奥の雪面に散開して、落柿を拾い食いしています。 

カキノキの梢に独りで座って熟柿を食べていたニホンザル個体が、食べかけを惜しげもなく捨てました。(@4:51〜) 
樹上で立ち上がって振り返ると、近くの横枝に来ていたカラスを威嚇して追い払いました。 
逃げたカラスは少し飛んだだけで、左下の雪面に降り立ちました。 
カキノキ樹上の猿は、次の果実をもぎ取って食べ始めました。 

雪原で落柿を拾い食いするカラスをニホンザルは基本的に黙認しているようです。 
樹上で味見して美味くなかった果実を捨てているからでしょう。 
カラスの方がニホンザルよりも個体数が多いのに遠慮していて、猿が立ち去るまで辛抱強く待っています。 
私が見る限り、力関係はニホンザルの方がカラスよりも上のようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ カラスの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
辻大和『与えるサルと食べるシカ: つながりの生態学』を読んで、種間関係について少し勉強しました。
・種内の競争関係と同様に、種間関係にも干渉型と消費型の2つがあるのだが、1本の木で2種類の動物が食べものを直接取り合う局面はほとんどないだろうから、この場合は消費型競争が問題になる。 (p115より引用) 
・本州では動物間の種間競争に関するきちんとした研究はまだ公表されていない。 (p116より)

今回私が観察した事例では、ニホンザルとハシブトガラスが柿の実という食べ物を直接取り合っていたので、干渉型の競争関係でした。


つづく→ 


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