2026/03/04

カキノキに集まり樹上の熟果や雪面の落果を食べるハシブトガラスの群れ(冬の野鳥)

 



2024年12月中旬〜下旬

シーン0:12/13・午前13:11・くもり・気温18℃(@0:00〜) 
郊外で農地の端にぽつんと立っているカキノキを自動センサーカメラで見張っています。 
なるべく柿の木の全体が写るようにしました。 
完全に落葉した後も、枝には熟した果実がまだ残っています。 
雪が積もり、いかにも雪国の冬らしい風景になりました。

カラスの登場シーンを以下にまとめました。



シーン1:12/20・午前8:59・くもり・気温2℃(@0:03〜) 
朝からカラスの群れが続々と飛来し、カキノキ樹上や雪原のあちこちに散開していました。 
奥の雪原で落柿を採食している個体がいます。 
熟した果実が樹上から自然に(風で)落ちるだけではありません。 
ニホンザルの群れがここで採食すると、ちょっと味見しただけで食べかけの果実を惜しげもなく捨てるので、カキノキの下に大量の落果が広範囲に散乱するのです。
(猿は柿の実を持ち去ってから食べることもあります。) 

やや遠いため、カラスの種類を見分けられません。 
もしかすると、ハシブトガラスとハシボソガラスの混群かもしれません。 

冒頭から至近距離でガタガタと物音がするのは、監視カメラを固定したオニグルミの木にもカラスが留まったからだと思われます。 
すると予想通り、オニグルミ樹上のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)がカメラのすぐ手前を横切りました。(@0:08〜) 
好奇心旺盛なカラスが、トレイルカメラ(見慣れない異物)に興味を示して調べに来たのでしょう。 


シーン2:12/20・午前9:07・くもり・気温3℃(@2:03〜) 
右手前のオニグルミ樹上にハシブトガラス(ハシボソかも?)が止まっていました。 
左の枝にふわりと跳んで移動すると、カーカー♪という澄んだ鳴き声が聞こえます。 
しばらくすると、少し奥の雪面に飛び下りました。

画面右下隅の奥の林縁でカラスが餌を探し歩いています。 
カキノキの下の雪面で落柿を啄み始めました。 
果肉を引きちぎるときは、片足で押さえつけています。 
デジタル処理で1.5倍にズームインしてみると、どうやらハシブトガラスのようです。


シーン3:12/21・午前11:50・くもり・気温11℃(@3:36〜) 
翌日(冬至の日)も昼前に、カラスの群れが来ていました。 
競合者であるニホンザルたちがカキノキ樹上から居なくなると、入れ替わるようにカラスがカキノキ樹上に続々と飛来するようです。 

カラスは早速、熟柿を啄み始めました。 
樹上だけでなく雪原で落柿を採食する個体もいます。 
食事の合間に、足元の雪面や枝で嘴を拭いました。 

嗄れ声も聞こえたということは、ハシボソガラスCorvus corone)も来ているのでしょうか。(@5:00〜) 
ただし、ハシブトガラスもガラガラ声で鳴くことがあるようなので、ややこしいです。 


シーン4:12/21・午前12:05・くもり・気温10℃(@5:36〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
もしかすると、カラスの群れの中にも順位があって、例えば強い個体しか樹上の果実を食べられず、弱い個体は落果を拾い食いするしかないのかもしれません。 
この仮説を検証するには、カラスの群れを一時捕獲した上で全個体を識別できる標識をして長期間観察するしかなさそうです。 

カラスがカキノキの種子散布者かどうか、Perplexity AIを使って検討してみました。

Q1: カラスの糞から柿の種が未消化のまま検出されたことはあるか? つまり、カラスはカキノキの種子散布者か?

A1: 結論から言うと、「カラスの糞から未消化の柿(Diospyros kaki)の種が検出された」と明示した報告は見つからず、カラス類がカキノキの主要な種子散布者だと示す証拠は現状かなり乏しいです。pubmed.ncbi.nlm.nih+2

1. カラス一般の種子散布者としての役割

  • カラス科(カラス類・カケス・ホシガラスなど)は、多くの樹種で散布者として重要であることがよく知られています。academic.oup+1

  • ただしそれは主にドングリ・マツ類などの堅果や大きい種子を嘴で運び貯食する「貯食散布」であり、果実を丸呑みして糞で散布する「内生散布(endozoochory)」とはやや性質が違います。wbsj+1

2. 日本での「カラスの糞中の種子」研究の傾向

  • 日本生態学会の要旨では、ハシブトガラス・ハシボソガラスのねぐら下で糞・ペリットを集めて種子を同定し、季節ごとの利用果実と「糞とペリットで含まれやすい種子サイズの違い」を解析した例があります。[esj.ne]​

  • この研究では春にサクラ、秋にハゼノキやコブシなど複数種の種子が糞やペリットから検出されていますが、抄録の範囲ではカキノキ(Diospyros kaki)への具体的言及はありません。[esj.ne]​

  • また、「種子サイズが大きいほどペリットに含まれやすい=遠くまで飛翔して散布されにくい傾向」が示唆されており、大型種子を内生散布するにはあまり向いていない可能性が示されています。[esj.ne]​

3. カキ属と鳥類による種子散布の既知事例

  • 同属のDiospyros lotus(ナツメガキ)については、哺乳類(ツキノワグマなど)による内生散布が主に調べられており、複数の肉食獣が糞中に未消化種子を排泄し、有効な散布者であることが示されています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • アメリカのタイワンガキ近縁種 D. virginiana では、多数の哺乳類が散布者となり、鳥ではワタリガラスに近縁なアメリカガラス(Corvus brachyrhynchos)が果実を利用するものの、主要な散布者はアライグマなどの哺乳類とされています。[pmc.ncbi.nlm.nih]​

  • つまりカキ類は「いろいろな動物に食べられ、主には中〜大型哺乳類が種子散布者」というパターンが世界的に一般的であり、カラス類は補助的な利用者という位置づけが多いです。pmc.ncbi.nlm.nih+1

4. カラスがカキノキの有効な散布者と言えるか?

  • 大型のカキの種子は、カラスが果肉だけをついばんで種子を落とす・吐き出す可能性も高く、「果実利用者ではあるが種子散布者とは限らない」パターンも考えられます。[pmc.ncbi.nlm.nih]​

  • 少数の種子が丸呑みされて糞から出てくること自体は、十分ありうる(未記載であっても起こり得る)現象です。哺乳類・他の鳥類で同様の例があるからです。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • しかし、現時点で「カラスの糞から未消化のD. kaki種子が検出され、発芽能力も確認された」といった具体的なデータは確認できず、種子散布者としての寄与度を評価した研究も見当たりません。pubmed.ncbi.nlm.nih+2

5. 現状のまとめと扱い方

  • 「カラスが柿を食べること」は観察されているが、「カラスが柿の有力な種子散布者である」とまでは言えない。

  • 「ごく一部の種子を内生散布している可能性はあるが、証拠は乏しく、少なくとも日本のカキノキにおける主要散布者は哺乳類(ツキノワグマ・タヌキなど)とみなすのが妥当」と整理するのが現状のエビデンスレベルだと思われます。pmc.ncbi.nlm.nih+1

もし必要なら、「日本国内でカラスの糞・ペリットから出た樹種リスト」を出している論文や学会発表をもう少し深掘りして、Diospyros属が一切出てこないかどうかを当たることもできます。


Q2: お願いします。確かに糞だけでなくペレットも調べるべきですね。初冬にカキノキに集まり果肉を食べているカラスを観察したのですが、種子散布者かどうか知りたいのです。

A2: 結論として、日本でカラス類の糞・ペリットを系統的に調べた研究では、Diospyros属(少なくともカキノキ D. kaki)ははっきり「利用植物」として出てきており、しかもペリット中に多く含まれていることが示されています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

1. 糞・ペリット中の植物リストにカキノキは含まれるか

  • 静岡市有度丘陵でハシブト/ハシボソガラスの排泄物(糞+ペリット)283個を解析した研究では、16種の植物が同定され、そのうちに「カキノキ Diospyros kaki」が含まれています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • 出現率を見ると、アカメガシワ 47.3%、エノキ 41.7%に次いでカキノキが 29.0%、ムクノキ 27.1%と、かなり頻繁に利用されていることが分かります。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • その16種のうち「カキノキを除く15種では種子や核が含まれていた」と明記されており、カキノキだけは「種子/核は検出されなかった」ことがはっきり書かれています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

2. 糞とペリットのどちらに柿が多いか

  • 同じ研究で、カキノキは「吐き戻し(ペリット)に有意に多く含まれていた」とされ、カイ二乗検定で糞とペリットの偏りが有意(X²=11.72, df=1, P<0.01)と報告されています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • これは、柿を食べたとき、カラスは果肉と一緒に何らかの部分(果皮片など)をペリットとしてまとめて吐き戻すことが多い、ということを示していますが、そのペリットに「柿の種子そのもの」は含まれていなかったと解釈できます。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

3. 礼文島のペリット研究とDiospyros属

  • 礼文島のハシボソ/ハシブトガラスのペリット150個を解析した研究では、14科27種の種子がリストされており、ガンコウラン、ヤマグワ、アキグミ、ヤマブドウなどが主要利用種ですが、このリスト中にDiospyros属は出てきません。

  • 礼文島は分布している木本相自体が本州とはかなり異なるため、単純な「不利用」ではなく「そもそもカキ類が乏しい地域」という可能性が高いです。

4. 以上から言えること(Diospyros属が「一切出てこないか」について)

  • 国内の排泄物解析の代表例では、「植物リストにカキノキ D. kaki は含まれるが、その種子は排泄物中では検出されていない」という形です。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • 一方、礼文島のように樹種の構成が違う場所のペリットリストにはDiospyros自体が出てきません。

  • 少なくとも、現在参照できる範囲では「カラスの糞やペリットから未消化のDiospyros(とくにカキノキ)の種子が検出された」という明示的な報告は見当たらず、「果実利用はするが、種子は飲み込まず、散布者として機能していない」状況を示唆するデータになっています。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

5. ご観察(初冬のカキノキでの採食)との対応づけ

  • 有度丘陵の結果と合わせると、「初冬にカラスがカキノキに集まり果肉を食べる」という観察自体は、ごく典型的な行動パターンだと考えられます。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • しかし、その際に種子を丸呑みして遠くへ運ぶというよりは、果肉をついばんで種子を樹下に落とす/枝や周辺に吐き出す、という形が主で、内生散布者(endozoochorous disperser)というよりは「果実利用者だが種子散布の貢献は小さい」タイプと言った方が現状のデータには合います。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​




Q3: 鳥が被食型の種子散布者となるのは、一口で丸呑みできるサイズの果実(液果)に限るのか? だとすれば、柿の実はカラスの口よりも明らかに大きいので、鳥は中の種子を食べずに果肉だけを啄むことが可能かもしれません。


A3: 鳥が被食型の種子散布者になるのは「丸呑みできる液果に限る」わけではなく、実際には

  1. 丸呑みして糞・吐き戻しで散布するタイプと、

  2. くちばしで果肉を潰しながら食べ、多くの種子をその場に落とすタイプ
    の両方が存在します。frontiersin+1

1. 口幅と果実サイズの関係

  • 多くの鳥では「口幅(gape width)と食べる果実サイズ」が正の相関を持つことが示されていますが、「丸呑みできるサイズ以下の果実しか食べない」というほど単純ではありません。[bowdoin]​

  • 実験的研究では、果実を「丸呑みする種(gulpers)」と「嘴で潰す種(mashers)」に分けると、前者はほぼ全部の種子を飲み込み、後者は種子を多く落とすことが報告されています。[journals.uchicago]​

2. 大型果実に対する鳥の典型的な挙動

  • 大型の液果では、多くの鳥が果実全体を飲み込めないため、果肉をついばんで食べ、種子はほとんど摂取しません。royalsocietypublishing+1

  • その場合、鳥は果肉のエネルギーだけを利用し、種子は樹下・枝上・周辺に落ちるため、「被食型の種子散布者」としての機能は弱くなります。[royalsocietypublishing]​

3. カラスと大きな果実

  • カラス類を含むカラス科は、ベリー状の小果実については丸呑みして糞やペリットで種子を散布する「古典的な内生散布」を行う一方、より大きい果実では果肉を裂く・ちぎるなどの「mashers」に近い採食をすることが知られています。sciencedirect+1

  • カラスを対象とした実証研究でも、大型種子ほど糞・ペリットに残りにくく、樹下にばら撒かれる傾向が示されており、「大きい種子ほど飲み込まず落とす」方向にバイアスがあると考えられます。[frontiersin]​

4. 柿の実とカラスの場合の含意

  • 柿(Diospyros kaki)の果実は一個あたりのサイズ・重量が大きく、カラスが「一口で丸呑みする」ことはほぼ不可能な部類に入ります。[en.wikipedia]​

  • したがって、ユーザーがお書きのように「果肉だけを啄んで種子を残す」という採食様式がとても起こりやすい条件です。実際、日本のカラスの糞・ペリット調査では柿の果肉利用は頻繁に検出されるものの、種子は検出されておらず、この推測と整合的です。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

つまり、「被食型の種子散布者=丸呑みできる液果だけ」というわけではないものの、大型果実・大型種子では、鳥はしばしば果肉だけを食べて種子を飲み込まないため、柿+カラスの組み合わせでは、果実利用者ではあっても有効な内生散布者とは言いにくい、というのが現状の知見と一致する見方になります。journals.uchicago+3



Q4: 上記の研究で、カラスの糞やペレットの内容物を調べたとのことだが、どうやって他の鳥ではなくカラスの排泄物だと保証しているのか? 排泄主をDNA検査で同定しているのか? それとも直接観察でカラスが糞やペレット排泄した直後にそれを採集して調べたのか?


A4: カラスの糞やペリットの研究では、主に直接観察と形態的特徴による同定が標準的な方法で、DNA検査はほとんど行われていません。city+1

1. 排泄主の同定方法(主な手法)

  • ねぐら下での新鮮サンプル採取: カラスのねぐら(集団宿泊地)を事前に観察し、早朝(日の出前)に前夜に落下したばかりの湿ったペリット・糞のみを回収。これで他の鳥の混入を防ぎます。[city.kumamoto]​

  • 形状・大きさの判断: ペリットはカラス特有の楕円形・灰褐色で1-3cm程度のサイズが特徴的。他の鳥(ハトやスズメ類)の排泄物とは明瞭に異なります。riishiri.sakura+1

  • 直接観察の併用: カラスが休憩・採食場所に集まる現場で、排泄直後のものを目視確認して採集するケースも一般的です。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

2. DNA検査の有無と理由

  • これらの研究(静岡・礼文島の論文を含む)ではDNA同定の記述が一切なく、形態観察と顕微鏡解析のみで進められています。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • DNA法はコスト・手間がかかる上、ねぐらという「カラスほぼ単独の環境」では不要と判断されるため、採用されていません。[city.kumamoto]​

3. 信頼性の確保策

  • 時間的制約: 日の出前に回収することで、ハトなどの日中活動鳥の排泄混入を排除。[city.kumamoto]​

  • 内容物のクロスチェック: ペリット内の種子・昆虫残渣がカラスの雑食性(果実+動物食)と一致するか確認。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • これにより、他の鳥由来の可能性は極めて低く、研究者間で再現性が高い方法として確立されています。[city.kumamoto]​

ご指摘の通り、この手法で「カラス由来」と保証されているため、柿の種子が検出されなかった結果の信頼性は高いと言えます。[pubmed.ncbi.nlm.nih]



Q5: 初冬にトレイルカメラでカキノキを監視していると、樹上の果実(および落果)をめぐってニホンザルとカラスが競合しているようでした。ニホンザルはカキノキの種子散布者と言えますよね?


A5: はい、ニホンザル(Macaca fuscata)はカキノキ(Diospyros kaki)の有効な種子散布者として位置づけられますが、種子破壊率の高さから「完璧」とは言えません。esj.ne+1

1. ニホンザルのカキノキ果実利用と種子散布の証拠

  • ニホンザルは秋〜初冬のカキノキ果実を積極的に食べ、糞中に未消化の種子を排泄することが複数の研究で確認されています。[esj.ne]​

  • 飼育下実験では、5頭のニホンザルにカキを含む5樹種の果実を与え、排泄種子を数えた結果、種子破壊率は個体差が大きく、果実特性よりもサルの採食技術(噛み砕き方)が影響することが示されました。ndlsearch.ndl.go+1

2. 種子破壊率の問題点

  • ニホンザルの消化管通過中、種子が激しく破壊されるケースが多く(一部個体で高率)、これが種子散布者としての有効性を低下させる要因です。ndlsearch.ndl.go+1

  • しかし、破壊されずに排泄された種子は発芽能力を保持し、二次散布(糞食動物によるさらなる移動)も観察されるため、全体として生態系に寄与しています。[jstage.jst.go]​

3. トレイルカメラ観察(カラスとの競合)との関連

  • 初冬のカキノキでニホンザルとカラスが競合するのは典型的なパターンで、ザルは樹上・落果を丸呑みしやすい一方、カラスは果肉啄み中心のため、ザルの内生散布効率が相対的に高いと考えられます。pubmed.ncbi.nlm.nih+1

  • ザルの糞は大量生産され、広範囲に種子を運ぶため、カラスより散布者としての役割が大きいです。[jstage.jst.go]​

4. まとめと評価

ニホンザルはカキノキの主要種子散布者ですが、種子破壊率のばらつきを考慮した「条件付き有効散布者」と見なすのが適切です。カラスとの現場競合観察からも、ニホンザルの貢献度が上回る可能性が高いです。esj.ne+2



Q6: 近くにあるタヌキの溜め糞場を調べると、秋から冬にかけてカキノキ種子が未消化のまま大量に含まれていたので、タヌキがメインの種子散布者だろうと考えています。トレイルカメラでタヌキがカキノキの落果を拾い食いするシーンも撮れていました。


A6: はい、タヌキ(Nyctereutes procyonoides)はカキノキ(Diospyros kaki)の非常に有力な種子散布者です。ユーザーの溜め糞場観察とトレイルカメラ記録は、既知の生態と完全に一致します。kyoto-u.ac+1

1. タヌキの糞中カキノキ種子の検出実績

  • 複数の研究で、タヌキの糞から未消化のカキノキ種子が頻繁に検出され、秋冬の利用が顕著です。例えば、武蔵野地域のタヌキ糞解析では、カキノキ種子が上位(エノキ・マメガキに次ぐ)にランクイン。[repository.musashi.ac]​

  • タヌキは地上採食性で果実中心の雑食を持ち、落果を拾い食いして複数種の種子を高密度で排泄するため、堆積パターンがニホンザルやカラスより広範です。shudo-u.ac+1

2. 種子散布者としての有効性

  • タヌキは種子破壊率が低く(哺乳類中では優位)、溜め糞場という特異な習性で種子を集中散布し、発芽率を高める効果があります。jstage.jst+1

  • 都市近郊林や里山で特に有効で、カキノキのような大型果実を丸呑みし、広範囲(数百m以上)に運ぶことが確認されています。tuat.repo.nii+1

3. 現場観察(カラス・ニホンザルとの比較)

動物採食様式種子散布形式カキノキ適性
カラス果肉啄み中心低(種子非摂取)低い [pubmed.ncbi.nlm.nih]​
ニホンザル樹上・落果丸呑み中(破壊率高)[esj.ne]​
タヌキ落果拾い丸呑み高(高密度・低破壊)高い [repository.musashi.ac]​
  • 初冬の競合現場では、タヌキが夜間活動で落果を効率的に回収し、溜め糞で種子を「貯蔵」的に散布するため、地表レベルのメイン散布者と考えられます。[kyoto-u.ac]​




Q7: 果実を採食する際に、よく噛むかどうか(種子を破壊するかどうか)は動物種によってどのように決まっているのか? 当然、よく咀嚼する方が消化に良いはずですよね?


A7:動物が果実を「よく噛むか(種子を破壊するか)」は、主に食性・消化管構造・種子散布戦略とのトレードオフで決まります。確かに「よく噛めば消化効率が上がる」は正しいが、種子散布者としての役割や進化適応により「丸呑みを選ぶ」種も多いです。esj.ne+2

1. 決定要因:主な分類軸

  • 食性と歯・顎の形態: 肉食・雑食寄り(タヌキ、ニホンザル、カラス)は鋭い歯で果肉を裂きやすいが、硬い種子は避けるか丸呑み。草食寄り(反芻獣)は平臼歯で徹底的に噛み砕き、セルロース分解を微生物に委ねる。umdb.u-tokyo+1

  • 消化管の選択性: 単胃動物は果肉の糖・タンパクを胃腸酵素で速やかに吸収するため「種子は破壊せず通過」が効率的。多胃・発酵槽動物は繊維質を長時間分解するので、細かく噛む必要がある。srut+1

  • 種子保護戦略との相互作用: 植物側が硬い種皮で「破壊耐性」を持つ場合、動物は噛んでも消化しにくく、結果として散布に利用される(例: カキの種子)。kyoto-u.ac+1

2. 「よく噛む」vs「丸呑み」のトレードオフ

戦略例動物利点欠点
よく噛むニホンザル果肉消化↑、栄養吸収↑種子破壊→散布効率↓ [esj.ne]​
丸呑みタヌキ種子無傷、広範囲散布一部消化不良リスク [repository.musashi.ac]​
  • 消化効率優先なら噛むが正解だが、種子散布で利益を得る共生関係では丸呑みが進化的に有利。タヌキのように低破壊・高密度排泄は「win-win」。repository.musashi+1

3. カラス・ザル・タヌキの実例対応

  • カラス: 嘴で果肉啄み(mashing)、種子非摂取=消化効率最優先で散布貢献なし。[pubmed.ncbi.nlm.nih]​

  • ニホンザル: 個体差大で一部噛み砕くが、破壊率高め(技術依存)。ndlsearch.ndl.go+1

  • タヌキ: ほぼ丸呑み、低破壊で溜め糞散布=散布特化型。[repository.musashi.ac]​

つまり「消化に良い=よく噛む」が鉄則だが、生態系では**「散布貢献>消化効率」**のバランスで種ごとに最適化されています。ユーザーの現場(カキノキ)では、タヌキがこの理想形に近いです。[kyoto-u.ac]


つづく→



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