2010/12/26
ホシツリアブ蛹の蠕動・脱出
里山の参道に佇むお地蔵さんの背中にヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の泥巣を見つけました。
羽化孔が一つ開いているのはおそらく昨年のもので、自分が生まれた泥巣の隣に育房を増設したのではないかと想像しています。
5月中旬に育房を壊すと、中に蛹が透けて見える繭もありました。
育房内に貯食物は殆ど残っておらず、クモの固い大顎だけ見つかりました。
採集した6個の繭をピルケースで個別に飼育開始。
繭を紡いでから前蛹の段階で休眠越冬し、春になってから蛹化したのでしょう。
6月上旬、無事にヒメクモバチ♂が一匹羽化しました。
しかし残りの繭は寄生されていました。
2010年6月下旬
この繭#1内で蛹が激しく蠕動しています。
破けた穴からツリアブ類の蛹に特有の鋭い突起が覗いて見えます。
耳を澄ますと、この頭部に生えた刺で繭を破く音が聞こえます。
本来、ヒメクモバチの繭は泥巣の狭い育房内に収まっているので繭は固定されているはずで、脱出はもっと容易なのでしょう。
寄主が繭を紡ぐのを待ってからツリアブの幼虫が一気に食べ尽くしたのです。
翌日ホシツリアブ(Anthrax distigma)が羽化してきます。
(つづく)
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